1993(平成5)年 6月


1日■リニア実用化メド 実験線では技術面クリア 開発会社発表(京都)
  ■京都のまちづくり検証@ 京都信駅ビルが南北分断 一体化の機会を生かせず 景観論争のかげで高架化は無視された(朝日)
2日■「結婚の儀」9日のダイヤ 関西私鉄は「休日派」 JRと連動 東は「平日」中心(京都)
  ■青鉛筆(朝日)
  ■強風で運転一時中止 JR山陰線余部鉄橋(京都)
  ■山陽新幹線も徐行(京都)
  ■市バス、保冷車と衝突 伏見 運転手と客1人けが(京都)
  ■強風の影響 列車に遅れ 中国地方や兵庫(朝日)
  ■特急窓に投石 乗客、頭にけが 明石の山陽電車(朝日)
3日■ここにも不況の余波 JR四国、忘れ物減る(京都)
  ■松の木掛かり停電 新幹線ストップ 京都−米原間(京都)
  ■駅構内の車止めに乗り上げて脱線 JR予讃線の丸亀駅(京都)
  ■児童絵画と写真募集 北近畿タンゴ鉄道(京都)
  ■新幹線も停電、不通 米原−京都間(朝日)
  ■京都市バス乗客らけが 乗用車と衝突(朝日)
  ■地下鉄東西線の起工式 北山−松ヶ崎−国際会館 洛北と直結(京都)
  ■地下鉄烏丸線延伸の起工式 京都(朝日)
4日■東西線と合わせ大動脈に 地下鉄烏丸線延伸の起工式 北部住民ら期待(朝日)
  ■無検査防止策を報告 JR西日本(京都)
  ■真岡鉄道にSL(京都)
  ■東海道新幹線遅れる 出発信号異状で(朝日)
7日■線路上に男性死体 亀岡のJR山陰線(京都)
8日■列車窓ガラスけ破り中学生4人けが JR京都駅、男聴取(京都)
  ■関門トンネル立ち往生 JR寝台特急120人一時缶詰め(京都)
  ■時差通勤で協議会(京都)
  ■ニセ札に負けない券売機に改良 近鉄、今月中に(朝日)
  ■ローレル賞が泣いている 力持ちたたり出番なし JR貨物の最新型電気機関車 電気食いすぎ 運転訓練用(朝日)
9日■14日に梵焼式 信楽高原鉄道事故(京都)
  ■地下鉄駅の複合ビルも紹介 伏見区役所醍醐支所 ふれあいかわら版完成(京都)
  ■警察官3万人徹夜で厳戒 駅ごみ箱も一時撤去(京都)
10日■ワイヤーロープ線路近く散乱 東海道新幹線・関ヶ原(朝日)
11日■JR山陰線など電化 正式に事業認定 運輸省(京都)
  ■JR快速電車が踏切で車と衝突 奈良市の関西線(朝日)
  ■電車半焼 出火通報遅れる JR西日本吹田工場 消防法違反の疑い(朝日)
12日■来月5日ごろ上場正式申請 JR東日本(京都)
  ■学研都市線乱れる 大阪で踏切機器故障(京都)
  ■さまよう陶板レリーフ 京都駅中央コンコースの大作 故西山画伯の壁画 改築で撤去へ 開業100年記念 JR「場所がない」 門下生ら保存熱望 不快感あらわ(京都)
  ■のぞみが緊急停車 東海道新幹線 新横浜−東京間 ブレーキ突然作動(朝日)
  ■冬前に植栽作業開始 小倉山修復 JRが説明会(朝日)
15日■韓国新幹線の受注選定 日本企業は対象外に(朝日)
  ■「こだま」のガラス破損 山陽新幹線(朝日)
16日■小倉山問題 「JRの不起訴は不当」 告発の住民ら 検察審に申し立て(京都)
  ■パンタグラフ故障続き影響 東海道線、運休・遅れ(朝日)
  ■中之島の新線計画 「島」避け河の下を 大阪市が京阪に打診 市公会堂保存へう回(朝日)
17日■「過剰勧誘やめて」 JR上場で日証協通達(朝日)
  ■大阪市交通局の助役補 違法駐車車両に傷(京都)
  ■関西新空港 鉄道利用率は62% JR予測 競合何回にも強気(朝日)
18日■関西新空港に直行バスを 学研3町、要望へ(京都)
  ■地下鉄・バス値上げ 大阪市、来月実施へ(京都)
  ■豪華なリゾート特急で大分へ 関西の60人を招待 来月7日大阪出発 県、湯のまちPR(京都)
  ■地下鉄やバス 来月値上げへ 大阪市(朝日)
19日■新駅設置に助成を 住宅宅地審議会が提案 鉄道と宅地開発一体化(朝日)
  ■中国縦貫鉄道開通早まる(朝日)
  ■市バス暴走4人はねる 女子中高生けが 運転手意識失う 東山七条(京都)
  ■にゅうすらうんじ 「バス転換無理」と地元 野上電鉄(朝日)
  ■地方存亡の危機 国が補助金見直し 野上電鉄は解散表明(朝日)
20日■2時間半不通 1万人に影響 JR山陰線(京都)
  ■近畿でも大雨 JRなど影響(朝日)
21日■送電線取り換え中感電、転落し死亡 大山崎のJR東海道線(京都)
  ■海峡トンネル 初の列車試走 英仏間2時間20分で(京都)
  ■ドア開閉灯が故障 通勤の1万人影響 JR神戸線(朝日)
22日■改憲阻止軸に運動方針決定 JR総連定期大会(朝日)
23日■片福連絡線 開業、2年遅れに 平成9年ずれ込み 地下工事が難航(京都)
  ■新幹線「のぞみ」欠陥モーター80台交換 鋼板の先端折れる(京都)
  ■小和田駅 地元の要望受け 臨時停車の続行を検討(京都)
  ■JR連合 新会長に井出氏(京都)
  ■片福連絡線、開業遅れ97年に(朝日)
  ■JR連合の新会長に西労組の出井氏選出(朝日)
  ■京の実像虚像 京都駅改築@ 遅れる計画 ”新駅発車”96年以降に 費用も 300億円アップ テナント 経営継続に懸念 近く建築確認(京都)
24日■京の実像虚像 京都駅改築A 入店への攻防 優先扱いを要望 新専門店街 崩れぬ公募原則(京都)
25日■片福線工事でビル沈下 ドア開閉支障 タイルにひび 住民も苦情、補修へ(京都)
  ■大阪市内 地下鉄・バス値上げも認可(朝日)
26日■園部−天橋立電化工事 来月21日に起工式 綾部・福知山 95年末完成めざし(京都)
  ■2億8200万の赤字に KTR 92年度決算 収入は15億5700万円(京都)
  ■京の実像虚像 京都駅改築B 商店街の表情 空中歩廊で客確保 信百貨店誕生 「商売できぬ」懸念(京都)
27日■東北新幹線はフル規格に 自民党が選挙公約(京都)
28日■歓声「雅子さまー」 皇太子ご夫妻 京都駅で3000人祝福(京都)
  ■爆破予告電話 山陰線乱れる 京都駅(京都)
  ■京の実像虚像 京都駅改築C 南北自由通路 コース、建設費どうする 利害絡むJR2社と京都市 ツバ競り合い続く(京都)
29日■信楽事故 県特別委 調査機関の設置など 遺族ら支援要望(京都)
  ■整備新幹線の建設促進盛る 自民公約「見切り発車」(朝日)
  ■京の実像虚像 京都駅改築D 570室誕生「共倒れ」警戒 過剰投資との声も 周辺旅館 波及効果に期待(京都)
30日■修学旅行に”学研ツアー”も バス乗り入れ易く 人気拠点に 近鉄高の原駅(京都)
  ■プリペイドカード発売へ あすから京都市交通局(京都)
  ■北近畿タンゴ鉄道 延べ335本を増発 夏の臨時列車ダイヤ あすから9月末(朝日)
  ■京の実像虚像 京都駅改築E 交通アクセス 奥座敷?新空港へ85分 利便性どう確保



1日■リニア実用化メド 実験線では技術面クリア 開発会社発表
 21世紀をにらんだ新交通システムとして常電導磁気浮上式リニアモーターカー(HSST-100型)の開発を進めている中部エイチ・エス・エス・ティ開発(本社名古屋市)は31日、これまでの実験線を用いた調査の結果から技術面で実用化のめどがつき、運輸省から「鉄道」としての認可が得られる水準に達した、と発表した。
 HSSTは電磁石で車両を浮かせ、リニアモーターの推進力で走行するもの。浮上式で車輪がないため、排気ガスが発生せず、騒音や振動が従来の電車などに比べ極めて小さく抑えられるという。最高時速は100`。
 実験線での調査は1989年から開始。走行時の安全性や耐久性など95項目をテストした結果、5段階評価で92項目が最高のA ランクの評価を得た。
 また、運輸省が同じ実験線で独自に進めている調査でも今年4月「実用化に技術的には問題がない」との結果が出ていることから「申請すれば十分認可が下りるレベル」(同社)という。
 建設費は1`当たり地下鉄の約3分の1程度の100億円を見込んでいるが、少しでも経費を抑えるため、実用化に当たっては既存の道路上に軌道を設ける考えで、許認可権をもつ建設省にも軌道法に基づく特別許可を得られるよう働きかけていく方針だ。(京都新聞)
■京都のまちづくり検証@ 京都信駅ビルが南北分断 一体化の機会を生かせず 景観論争のかげで高架化は無視された
 今年3月、京都のまちづくりを考える小さな勉強会が誕生した。
 「京都南北一体化研究会」。学者や都市計画の専門家ら13人がメンバーで、代表は上田篤・京都精華大教授。JR京都駅の改築をきっかけに、市域を南北に分断している駅舎と周辺の東海道線を高架化し、南部での新しいまちづくりを進めよう、という共通の思いで集まった。
 駅の南側は、北側の繁華街とは対照的に、農地の間に倉庫などが点在する殺風景な空間が広がっている。
・問題は長大な東西幅
 研究会の幹事役でシンクタンク「シィー・ディー・アイ」代表取蹄役疋田正博さんは「新駅ビルの問題点は高さよりも、むしろ470bという長大な東西の幅にある。このまま改築計画が進めば、京都のど真ん中に巨大な壁が出現し、都市の分断状況はますます固定化されてしまう」と訴える。
 京都駅周辺の鉄道の高架化は、戦前からの市民の悲願だった。しかし、今回、駅の改築計画にあたって、肝心の高架化が論議された形跡は見当たらない。
 新駅整備の調査、研究を進めるため、1989年夏、市や府、JR西日本、建設省などが参加して「京都駅改築に関わる整備調査研究会」がつくられた。メンバーだった西川幸治・京大工学部教授は「南北間題解決の重要性を指摘したが、結局取り上げられなかった」と振り返る。
 ここ数年の景観論争を受けて、田辺朋之市長は91年1月、「北部保存、南部開発」のまちづくり試案を発表した。その後間もなく、まちづくり審議会を設け、南部を「都市機能集積地域」とする答申を得て、新しいまちづくりに踏み出そうとしている。
 そのまちづくり審議会でも「京都駅の改築計画そのものが検討の対象外とされたため、高架化の話は出なかった」(同審議会景観専門委員長だった加藤五郎・元市建設局技術長)。
・事業化に必要な巨費
 高架化の経費はJRの試算で2000億円以上。小山選一・市都市計画局理事は「市単独では無理」とあきらめ気味だ。連続立体交差化事業として国に認められれば、約5割の補助金が出る。しかし、東海道線は京都駅付近を除けば線路と道路の立体化が図られており、国の連続立体交差化事業の基準に合致しないというのが市の言い分だ。
 小山理事は「十分とはいえないまでも、南北をつなぐ道路は何本もある。南部にとっては、駅の高架化よりも、区画整理など地域内部での基盤整備の方が重要だ」という。だが、市の南北を結ぶ主要道路のほとんどは線路との交差部分で幅が極端に狭くなっており、最も広い堀川通や大宮通でも片側は2車線だ。
 JR姫路駅や東舞鶴駅などの高架化事業にかかわってきた都市総合研究所(本社・宇治市)の吉田隆一・代表取締役は「150万都市としてはあまりにもお粗末。高架化への取り組みは政令指定都市で、京都が一番遅れているのでは」と指摘する。連続立体交差化事業の国の認可についても「既設の高架橋の老朽化に伴う改修や、適切な都市計画道路の設定を絡ませるなど、いくらでも工夫できるはず。要はやる気の問題だ」。
・行政にちぐはぐ対応
 「高架化にとって駅ビルの改築は千載一遇のチャンス」(加藤さん)だった。南部開発をまちづくりの柱に据えながら、そのチャンスを生かし切れない行政のちぐはぐぶりに、リーダーシップの欠如を見る専門家は少なくない。西川教授は「東京への遷都という厳しい状況のなかで、疏水を開くなど、新しいまちづくりを展開した明治の京都の先駆けの精神はどこへいってしまったのか」と嘆く。
・提言まとめ近く本に
 一体化研究会は近く、高架化の具体的なプランなどの提言を本にまとめる。「幸い駅ビルの改築工事は着工が大幅に遅れている。高架化の可能性はまだ残されている」と疋田さん。
 駅ビルの巨大な壁に道を通すためには、まず行政という厚い壁に風穴を開ける必要がありそうだ。
 開発の波が押し寄せる中で、景観とまちづくりをめぐる論争が渦巻いた京都。歴史都市としての特異な宿命を負ったこのまちは、バブル経済がはじけ飛んだいまもなお、開発と保存のはざまで漂い続けている。変わりゆくことへの憤り、変わらないことへのいら立ち…。さまざまな人びとのさまざまな思いが入り乱れる古都のまちづくりの現状と課題を検証する。(朝日新聞)
2日■「結婚の儀」9日のダイヤ 関西私鉄は「休日派」 JRと連動 東は「平日」中心
 皇太子さまと小和田雅子さんの結婚の儀当日の6月9日、全国の主要民間鉄道16社の列車ダイヤは、東=平日派、西=休日派と分かれることになった。
 日本民営鉄道協会のまとめによると、加盟大手16社中、営団地下鉄など関東の4社が平日運転。近鉄など関西圏を中心に11社が休日運転となり、関東の東急は平日・休日混在ダイヤを組む。
 これは「相互乗り入れしている相手(JR)と別のダイヤを組むことはできない」(民鉄協)というのが主な理由で、各社ともJRに「右へならえ」の恰好。JR北海道、東日本、東海が平日、西日本、四国、九州の各社が休日ダイヤと分かれている。
 関東では、JR東日本と接続する営団地下鉄が平日ダイヤとしててめ、営団と接続する小田急、東武と東急の一部が連鎖反応で平日ダイヤに。
 これに対し関西圏の私鉄は「やはりJR西日本が休日ダイヤなので」(民鉄協)と休日運転。JR東日本は「大手企業40社中、15社しか休まないという4月下旬の調査結果をもとに」とし、JR西日本は「独自調査では8割の企業が休み」とそれぞれ説明する。(京都新聞)
■青鉛筆
 盛岡まで走っている東北新幹線と同じフル規格での延長を要望している青森県が1日から、本州、九州を貫く新幹線を巨大な恐竜の「背骨」にたとえたテレビCMを、首都圏のキー局で流し始めた。
 首の部分が抜け落ちた恐竜に骨を接ぎ足して生き返らせるのは、青森県の主張に同調している経済評論家・海江田万里さん。折からの恐竜ブームに便乗し、「中央のオピニオンリーダーに登場してもらい、要望実現をPRする」狙いだ。
 4日には政府・自民党の検討委員会が発足するが、前途には財源不足という厚い壁が立ちはだかる。「ミニでなくフルでという県民の悲願」(北村知事)は果たして永久に化石のままか、それとも、「復活」するか。(朝日新聞)
■強風で運転一時中止 JR山陰線余部鉄橋
 2日午前7時50分ごろ、兵庫県城崎郡香住町余部のJR山陰線・余部鉄橋で26bの強風を記録。その後も25b前後の突風が吹き続けたためJR福知山支社は同鉄橋の列車運転を見合わせたが、同日午前9時40分、風が弱まったため運転を再開した。このため京都行き特急・あさしお4号が25分遅れたほか、急行、普通列車7本が1時間−10分遅れ、約300人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■山陽新幹線も徐行
 2日午前6時半ごろから午前8時半ごろにかけて、山口県と福岡県内の山陽新幹線で、秒速20b以上の風を記録したため、JR西日本は同線の小倉−博多間で、時速170`の徐行運転をした。
 このため、山陽新幹線は3、4分の遅れが出た。(京都新聞 夕刊)
■市バス、保冷車と衝突 伏見 運転手と客1人けが
 2日午前8時40分ごろ、京都市伏見区下鳥羽広長町の大手筋国道1号交差点で、宮前橋発竹田駅行き市バス=初田悦雄運転手(33)=と宇治市槙島町落合、運送会社「エブリー24」の保冷車=宇那木健司運転手(29)=が出合い頭に衝突した。バスには乗客7人が乗っており、男性客(64)1人が座席に足を打ち軽傷、初田運転手の首に軽いけがを負った。他の乗客は後続バスに乗り換えた。
 伏見署の調べでは、市バスは大手筋から国道1号へ右折中で、保冷車は大手筋を直進中。双方の運転手が前の安全をよく確かめずに交差点に入ったため、とみている。(京都新聞 夕刊)
■強風の影響 列車に遅れ 中国地方や兵庫
 梅雨入りによる前線の通過に伴って、中国地方から兵庫県にかけて、風速20b以上の風が吹き荒れ、JR山陽新幹線や山陰線で、列車が運行停止や徐行運転となり、遅れが相次いだ。また、空の便にも欠航が出た。
 山陽新幹線は2日午前中、断続的に徐行運転が続き、上下60本が7−1分遅れ、約1万2000人に影響がが出た。午前6時半ごろ、山口県小郡町の椹野(ふしの) 川で風速20bを観測したため、徳山−小郡間で時速170`の減速運転を開始した。小倉−博多、小郡−新下関間でも同様の減速運転をした。
 山陰線では、兵庫県城崎郡香住町の余部鉄橋付近で、2日午前7時50分ごろから26b前後の強風が断続的に吹き、JR西日本福知山支社では同9時40分まで列車の運行を止めた。
 また、午前中の鳥取空港発着の東京、大阪便が欠航したほか、大阪発米子行きが米子上空で引き返し、折り返しの米子発大阪行きも欠航した。(朝日新聞 夕刊)
■特急窓に投石 乗客、頭にけが 明石の山陽電車
 1日午後11時半ごろ、兵庫県明石氏西新町三丁目の山陽電車上り線で、姫路発阪急三宮行き特急電車(4両編成)に投石があり、1両目右側の窓ガラス(厚さ3_)が割れ、座っていた乗客の神戸市須磨区養老町一丁目、パチンコ店員家倉節雄さん(53) が後頭部を直撃されて10日間のけがをした。(朝日新聞 夕刊)
3日■ここにも不況の余波 JR四国、忘れ物減る
 JR四国が2日発表した平成4年度の管内の忘れ物は、総数2万1021件(前年度比1%減)、現金総額4670万円(同3%減)と、ともに前年を下回った。「景気の低迷などで利用客が3%減ったため」と同社はみている。
 最も多い忘れ物は傘の7415本で、衣類、財布、カバンが各約2000点ずつだった。現金は列車内にバッグごと置き忘れた208万円が最高だったが、無事落とし主に戻っている。このほか、手術用内視鏡やかつら、バイオリンなどもあった。
 落とし主に戻ったのは率は全体で31%、現金は84%だった。梅雨時や帰省ラッシュ時に傘、現金などの忘れ物が目立ち、同社は注意を呼び掛けている。(京都新聞)
■松の木掛かり停電 新幹線ストップ 京都−米原間
 2日午後8時50分ごろ、東海道新幹線京都−米原間が停電のため不通となり、東京発新大阪行きひかり263号など上下8本がストップした。このため、後続列車を含めて上下線19本が約1時間から3分遅れ、約1万8000人の足が乱れた。
 JR東海の調べでは、草津市追分町で強風のため架線への引き込み電線に、松の木が引っ掛かり停電したらしい。(京都新聞)
■駅構内の車止めに乗り上げて脱線 JR予讃線の丸亀駅
 2日午後2時55分ごろ、香川県丸亀市新町6、JR予讃線の丸亀駅構内で、琴平発岡山行きの上り普通電車=池尻宏運転士(52)、3両編成=が同駅を発車直後、本線から避難用の安全側線(線路延長32b)に誤って入り込み、車止めの砂利部分に乗り上げ脱線した。乗客約150人にけがはなかった。(京都新聞)
■児童絵画と写真募集 北近畿タンゴ鉄道
 北近畿丹後鉄道(KTR)は、児童絵画コンクールとフォトコンテスト(ともにKTR利用促進協議会と共催)の出品作品を募集している。
 児童画絵画コンクールは、宮津線開業3周年、宮福線開業5周年の記念事業の一環で行われ、未来を担う子供たちに鉄道をよく知ってもらい、KTRのイメージアップを図る。応募期間は9月10日まで。(当日消印有効)一方、フォトコンテストは、年2回募集され、今回で4回目。昨年12月から今年5月に撮影したものが対象。締切は今月15日まで。
 児童画、フォトコンテストともにテーマは「列車と風景と人のふれあい」。問い合わせは、KTR事業本部 0772(25)2323まで。(京都新聞)
■新幹線も停電、不通 米原−京都間
 2日午後8時50分ごろ、JR東海道新幹線の京都−米原間が停電となった。上り線の運転はすぐに再開されたが、下り線は約1時間不通となった。同区間で東京発博多行き「のぞみ27号」と「ひかり」5本の合わせて6本が立ち往生し、後続も軒並み臨時停車した。JR東海の調べでは、滋賀県草津市追分町にある電線に強風で飛んできたとみられる松の枝が引っ掛かっており、このため同県栗東町にある変電所のブレーカーが落ちたらしい。上下19本が約1時間から2分遅れ、約1万8000人に影響した。
 同社によると、停電区間で立ち往生した6本の列車には約6000人が乗っていた。停電になると、車内は非常灯が点灯するため真っ暗にはならないが、空調装置は作動しないという。
 この日、東海道・山陽新幹線は朝から強風のため断続的に時速70−100`の減速運転を繰り返しており、停電事故の前からダイヤは乱れていた。JR西日本と東海によると、減速運転で上下215本が遅れ、約8万人に影響が出た。(朝日新聞)
■京都市バス乗客らけが 乗用車と衝突
 2日午前8時40分ごろ、伏見区下鳥羽の国道1号と大手筋通の交差点で、伏見区深草、初田悦雄さん(33)運転の京都市バスと宇治市小倉町、会社員宇那木健司さん(29)運転の乗用車が衝突し、ともに車体の一部を破損した。初田さんと乗客の西宮市愛宕山、額田正巳さん(64)が打撲などで軽いけがをした。(朝日新聞)
■地下鉄東西線の起工式 北山−松ヶ崎−国際会館 洛北と直結
 京都市の地下鉄烏丸線・北山−国際会館駅(仮称)間(2.6`)建設の起工式が3日午前10時半から、京都市左京区の国立京都国際会館で行われた。市交通局は地元説明後、本格的な工事に入り、総事業費420億円をかけて1997年(平成9年)4月の開業を目指す。
 式典で、田辺朋之市長は「延伸工事が完成すれば、洛北地域が都心部と直結され、沿線の利便向上とともに、コンベンション都市・京都の機能をさらに高めることができる」と述べ、さらに「東西線とあわせ、高速鉄道の整備はまちづくりの基盤であり、本市の活性化に大きな役割を果たす」と強調した。
 続いて、荒巻禎一京都府知事はじめ国、府などの関係者が祝辞を述べた。
 市交通局は、昨年4月に同区間の鉄道事業免許を取得。その後、運輸省の工事施行認可や、建設省の道路下敷設許可、府の都市計画決定などの手続きを進めてきた。
 建設工事は、国際会館駅、宝池、松ケ崎、北山通の4工区に分け、開削、シールドなどの工法で進められる。
 同区間には、国際会館駅のほか、中間に松ケ崎駅(仮称)が設置される。(京都新聞 夕刊)
■地下鉄烏丸線延伸の起工式 京都
 京都市内を縦断する地下鉄烏丸線の北部地域への延伸工事の起工式と祝賀会が3日、左京区岩倉の国立京都国際会館であった。
 延伸区間は、北区上賀茂の北山駅から同会館までの2.6`。国際会館駅、松ヶ崎駅(いずれも仮称)を新設する。工事は1997年3月までの予定で、建設費は約420億円。
 地下鉄の延伸は宅地開発が進む洛北地域への交通機関の整備、JR京都駅から同会館までのアクセス機能の充実を図ることなどが目的。(朝日新聞 夕刊)
4日■東西線と合わせ大動脈に 地下鉄烏丸線延伸の起工式 北部住民ら期待
 3日、左京区の国立京都国際会館で開かれた地下鉄烏丸線延伸工事のための起工式には、市幹部をはじめ、地元財界や沿数自治会の代表者ら約400人が集まった。懸案だった市北部地域の交通事情の改善に、市民らの関心は高い。予定通りに工事が進めば、1997年3月までに北山−国際会館間約2.6`が開通。ひと足先に完成する東西線を合わせ、古都のまちを十文字に貫く総延長26.4`の大動脈となる。
 延伸ルートは北山駅から北山通を東進、ノートルダム女子大と京都工芸繊稚大の中間あたりに設ける松ケ崎駅(仮称)を経て、北上する。国際会館駅(同)は会館の北側付近に設け、全線地下構造となる。
 京都市の地下鉄は81年、北大路−京都駅間で開業。その後南北に延長し、現在、北山−竹田駅間約11.1`で、1日約20万人の足として利用されている。国際会館までが開通すると、これまでより約4万人多い利用客が見込まれている。時間的には現在、バスなどを使って1時間弱かかる国際会館−京都駅間が約20分に短縮される。
 国際会館までの延伸は、宅地開発が進む岩倉など洛北地域の交通事情の改善▽八瀬、大原地域への観光客増加に伴う道路渋滞の緩和▽国際会館を京都駅と直結するほか、関西新空港や関西学研都市との鉄道連絡を可能にする−などが狙い。都市計画決定を経て、今年3月に建設省から工事施行認可が出された。
 式典で田辺朋之市長は「高速鉄道の整備はまちづくりの基盤を形づくるもの。一日も早い完成を」とあいさつした。
 延伸工事については、岩倉方面の住民らの歓迎ムードに対し、松ケ崎周辺の住民らからは、地下工事による騒音や振動の被害、山崩れなどを心配する声があがっていた。これについて市は「地権者の合意はほは得られた」と説明、今後、周辺住民らに対する最終的な説明会を開き、できるだけ早い時期に着工したい、としている。(朝日新聞)
■無検査防止策を報告 JR西日本
 JR西日本福知山支社の特急様電車2両と岡山支社の電気機関車1両が、運輸省令と同社内規で決められていた定期検査を受けないまま乗客を乗せて合計12000`以上も走行、近畿運輸局から警告を受けた問題で、JR西日本は4日、同局に再発防止策を文書で報告した。
 担当職員のうっかりミスが原因だっただけに、報告書では防止策として▽車両ごとの使用実績を記録したコンピューターに、検査日が近づいていることを表示するようプログラムを改編▽人の手で作っていた車両ごとの各種検査日程表を、コンピューターでも作成▽コンピューター操作について、検査計画担当者を再教育する−としている。(京都新聞 夕刊)
■真岡鉄道にSL
 第3セクター真岡鉄道(茨城県・下館−栃木県・茂木駅間、約42`)にSLが復活する・茨城県下館市など2市5町1事業組合の沿線自治体でつくる「真岡SL運行協議会」が事業主体となり、来年をめどに運行する計画。
 SLは福島県・川俣町に保存されていたもので、旧国鉄時代に真岡線を走っていた「C12型」。計画では3月から11月までの週末や夏休みなど年間85日運行、1日1往復する。
 同協議会は「赤字覚悟だが、末永くSLを走らせたい」と話している。(京都新聞 夕刊)
■東海道新幹線遅れる 出発信号異状で
 4日午前8時10分ごろ、東海道新幹線東京駅で、東京第二車両署(東京都品川区)行き回送列車(16両編成)が、運転席の出発信号が示されなかったため運転を見合わせた。約30分後、安全を確認して発車した。後続列車の信号には異状がなかった。JR東海によると、このため上下33本が最高18分遅れ、約2万5000人に影響した。(朝日新聞 夕刊)
7日■線路上に男性死体 亀岡のJR山陰線
 6日午前5時45分ごろ、亀岡市三宅町野ノ神のJR山陰線亀岡駅東約800bで、京都行き普通列車の運転士が、線路上に黒い物があるのを発見、亀岡駅に連絡。同駅員が調べたところ、男性があおむけに倒れて死んでいた。
 亀岡署の調べでは、男性は同市篠町馬堀東垣内、会社員細見誠至さん(45)と分かった。同僚の話では、細見さんは前夜、帰宅途中に京都市内で酒を飲み、京都発園部行きの最終列車に乗ったといい、また、6日午前2時ごろ亀岡駅構内にいるのを同駅員が目撃しているという。(京都新聞)
8日■列車窓ガラスけ破り中学生4人けが JR京都駅、男聴取
 7日午後4時ごろ、京都市下京区のJR京都駅1番ホームに停車していた敦賀行き団体列車に男が近づき突然、4両目の窓ガラスを足でけった。窓ガラス1枚が割れ、車内にいた敦賀市立松陵中の2年生のうち、窓の近くの男子生徒4人が飛び散ったガラスの破片を浴び、手に軽いけがを負った。
 京都府警鉄道警察隊は、窓ガラスをけった福井市内の無職の男性(32)から事情を聴いている。
 生徒らは列車4両を借り切って、京都市内に遠足に来ており、帰りの列車に乗り込んだ直後だった。(京都新聞)
■関門トンネル立ち往生 JR寝台特急120人一時缶詰め
 7日午後7時半ごろ、北九州市門司区と山口県下関市を結ぶJR山陽線の関門鉄道トンネル内で、南宮崎発東京行き寝台特急「富士」(14両編成)が、故障のため立ち往生した。JR九州が、下関側から救援の機関車を入れて下関まで移動させ、故障した機関車を交換。同列車は約1時間半遅れで午後9時前に下関を出発した。
 この間、乗客約120人が車内に缶詰めとなったが、けが人などはなかった。
 JR九州によると、現場は下関側出口から約600bの地点。停電などはなく、先頭の機関車の電気系統の故障とみて、機関車を門司機関区に運んで原因を調べている。(京都新聞)
■時差通勤で協議会
 労相の私的懇談会である産業労働懇話会(座長・加藤一郎成城学園学園長)が7日、東京都内のホテルで開かれ、村上労相は「通勤混雑緩和のためには時差通勤やフレックスタイムの導入により、混雑時間のピークをずらすことが重要」とあいさつ。経済界、労働団体などと協議会をつくる意向を明らかにした。労働省は今夏までに協議会を設立したいとしている。(京都新聞)
■ニセ札に負けない券売機に改良 近鉄、今月中に
 大阪市内などでニセ1万円札が出回った4月中旬から、1万円札を使える自動券売機の取り扱いを中止していた近鉄は7日、読み取り精度を高める改良を初め、今月末までに設置駅すべてで使用を再開すると発表した。新しい読み取り機構の開発にメーカーが手間取ったため対応が遅くなったという。近鉄は68駅に82台の1万円札対応機を置いている。(朝日新聞)
■ローレル賞が泣いている 力持ちたたり出番なし JR貨物の最新型電気機関車 電気食いすぎ 運転訓練用
 鉄道マニアらで組織する「鉄道友の会」によって、1992年の新型車の中で最も優れた車両として表彰された世界最大級のけん引力を持つJR貨物の「EF200」型電気機関車が、その高性能をまったく発揮できずにいる。あまりに電気を食うため、フル出力で運転すると前後の列車が止まってしまう恐れがあるからだ。そのうえ、コンテナを目いっぱいつなぐと、後続の追い越しを待つ待避線にも入り切れないこともわかった。JR貨物が保有する20両は、「栄冠」とは裏腹に「宝の持ち腐れ」状態となっている。
 EF200型機関車は日立製作所で造られ、JR貨物が購入して昨年5月にデビューした。同社が約80両保有する主力の「EF66」型に比べ、出力は6000`ワットと、66型の約1.5倍。けん引力は66型より300d大きい1600dで、コンテナ貨車では6両多い32両が引ける。
 同社は、旅客列車優先で本数が増やせない状況にある東海道・山陽線に、この機関車を走らせて輸送力を高め、トラックに押されっばなしの鉄道貨物輸送の「復権」をめざした。性能も評価され、5月には鉄道友の会の「ローレル賞」に輝いた。
 ところが、実態は大違い。フル出力で32両のコンテナ貨車をけん引すると、変電所の電圧が下がって他の列車に影響が出てしまい、さらに、待避線にも入り切れなかった。このため、66型並みの出力、けん引しかできず、大阪や岡山などでは、営業運転せずに運転士の訓練用として利用しているものもある。
 200型機関車は、66型より1億5000万円も高く、4億円弱。あわててJR貨物は、JR各社と変電所の容量増加や待避線の延長についての交渉に入ったが、その費用のすべては貨物持ち。
 なんとか西日本や東海から「工事着工の準備が整った」との返事はもらったが、今度はJR貨物の収益がダウン。同社の関西支社は「持ち味が発揮できるように整備するには5年はかかる」という。
 「フル出力で運転できないなら、高価な機関車を買い急ぐ必要はなかった。それでなくても貨物の社員は旅客各社との賃金格差で泣いているのに」と労働組合は反発。運輸省鉄道局やJRグループ企業からも、見通しの甘さを指摘する声が出ている。(朝日新聞 夕刊)
9日■14日に梵焼式 信楽高原鉄道事故
 信楽高原鉄道とJR西日本は、信楽高原鉄道事故の慰霊碑が先月完成したのに伴い、仮慰霊堂の位はいや事故犠牲者らの遺留品を焼いて供養する穴焼(ぼんしょう)式を14日午前10時から、滋賀県甲賀郡信楽町黄瀬の事故現場碑前で行う。
 犠牲者遺族はじめ両鉄道関係者、地元の信楽町職員ら約30人が参列の予定。
 式では、近くの寺住職が犠牲者の霊を供養した後、仮慰霊堂に納められていた犠牲者の位はいと、引き取り手のないまま両社が保管していた被災者の遺品など193点を焼く。後遺灰と燃えない遺品はつぼに納め、慰霊碑下の収蔵庫に永久保存される。(京都新聞)
■地下鉄駅の複合ビルも紹介 伏見区役所醍醐支所 ふれあいかわら版完成
 京都市伏見区役所醍醐支所が年1回発行する醍醐地区の地域情報紙「醍醐ふれあいかわら版」がこのほど完成、15日号の市民新聞とともに同地区1万9800世帯に配布される。
 同かわら版はタブロイド判4n。昨年9月、「地元住民にきめ細かい地域情報の提供を」との同支所職員のアイデアで創刊、今回は第2号目。
 今号には醍醐再開発事業の中核となる、地下鉄東西線醍醐駅のターミナル機能を備えた複合ビル「ダイゴセンター(仮称)」の紹介記事のほか、7月4日に行う地域の祭り「醍醐ふれあいプラザ」、醍醐の歴史街道を歩く「醍醐の散歩道」などの案内記事も盛り込まれている。(京都新聞)
■警察官3万人徹夜で厳戒 駅ごみ箱も一時撤去
 皇太子さまと雅子さまの「結婚の儀」で警視庁は9日未明から、都心部を中心に3万人の警備を実施。同日朝にはパレードの最終リハーサルを行い、警戒を一層強めた。前夜、過激派の犯行とみられるゲリラ事件があっただけに特に東京都目黒区の小和田邸周辺には約370人を配置したほか、皇室関連施設やパレードコースの新宿通り周辺で徹夜の警戒を行った。
 平成2年11月の即位の礼などで、交通機関を狙った過激派のゲリラ事件があったため、JRや地下鉄の駅から一時ごみ箱を撤去するなどの対策も取った。(京都新聞 夕刊)
10日■ワイヤーロープ線路近く散乱 東海道新幹線・関ヶ原
 10日午前1時半ごろ、岐阜県不破郡関ヶ原山中の東海道新幹線上り線の線路付近にワイヤーロープが散乱しているのを、道床の点検をしていたJR東海の関係会社の作業員が見つけ、垂井署に届けた。同署は往来危険罪の疑いで、「結婚の儀」との関連を含めて調べている。列車の運行には影響はなかった。
 調べでは、ワイヤーロープは太さ8_。長さ2、3aから1bほどに切れたものが数本散らばっていた。
 現場は国道21号から約50メートル入ったところ。付近は山や畑で、人家から離れている。下り線側の金網フェンスが縦80a、横60aにわたって破られていた。同署は何者かがフェンスを破って侵入したとみている。(朝日新聞 夕刊)
11日■JR山陰線など電化 正式に事業認定 運輸省
 運輸省は10日、国の鉄道整備基金を導入して行うJR山陰線とKTR(北近畿タンゴ鉄道)宮福線の園部−福知山−天橋立間(89.1`)の電化・高速化事業を正式に認定し鉄道建設公団に工事を指示した。これで国の認可手続きがすべて終わり、今夏の着工準備を急ぐことになった。
 高速化事業は、非電化区間のJR山陰線園部−福知山間(54.3`)と、KTR宮福線福知山−天橋立間(34.8`)の電化工事をはじめ、トンネルや軌道・曲線の改良、駅構内の一線スルー化、保安設備の整備などを行う。総事業費は約160億円。
 事業認定は、JR西日本とKTRに対して行われ、工事はJR西日本とKTRの委託を受けて鉄道建設公団が実施するものと見られる。
 同事業の実施に当たって国は、すでに鉄道整備基金の対象となる主要幹線鉄道の高速化事業として新規採択しており、本年度の事業費41億円のうち50%が、同基金から無利子貸し付けされる。
 完成は1995年度の予定。JR山陰線園部以北の電化で、京都−天橋立間の所要時間は、特急・急行で当面1時間40分、将来1時間半(現行2時間3分−2時間54分)に短縮されることになる。(京都新聞)
■JR快速電車が踏切で車と衝突 奈良市の関西線
 11日午前11時ごろ、奈良市大安寺町のJR関西線大安寺踏切(警報機、遮断機付き)で、奈良発大阪行き快速電車(6両編成)が、同踏切内で止まっていた貨物自動車と衝突した。
 電車には、約240人の乗客がいたが、けが人はない模様。自動車の運転手も直前に逃げて無事だった。電車は先頭車両が故障し、現場に立ち往生。後続のダイヤが大幅に乱れている。このため、近鉄電車による振り替え輸送をしている。(朝日新聞 夕刊)
■電車半焼 出火通報遅れる JR西日本吹田工場 消防法違反の疑い
 大阪府吹田市のJR西日本吹田工場で5月31日、改装工事中の寝台電車が焼ける事故があり、同工場が直ちに出火の通報をしなかったため吹田市消防本部から消防法違反(火災発見者の通報義務)の疑いがあるとして注意を受けていたことが10日わかった。
 JRによると、31日午前10時過ぎ、寝台特急「シュプール志賀」や「シャレー軽井沢」などに使っている車両の外板を交換するため、ガスバーナーで切断作業をしている際に、ガスの炎が配線皮膜に燃え移り、屋根付近から出火した。同工場は119番通報せずに、場内放送で工場の防火班を招集。同10時半ごろに火は消えたが、車両は半焼した。吹田消防署へはその後、報告した。
 消防法24条は「火災を発見した者は、遅滞なく通報しなければならない」と定めている。このため吹田市消防本部は「延焼が広がってからでは手遅れのケースもあり、まず通報が義務」として、同工場に注意した。(朝日新聞)
12日■来月5日ごろ上場正式申請 JR東日本
 運輸省は11日、JR東日本が東京証券取引所などに株式上場を正式申請する時期について、7月5日前後の線で調整を進めていることを明らかにした。株を保有する国鉄精算事業団の資産処分審議会が2日に会合を開き期日を最終決定する。
 同社は4月に仮申請、上場審査は既に進められている。事業団は東日本の正式申請を受けて7月下旬には売り出し価格を決めるための入札の公告を出す方針(京都新聞)
■学研都市線乱れる 大阪で踏切機器故障
 11日午後6時45分ごろ、大阪市鶴見区今津南のJR学研都市線今津踏切で、踏切内の障害物の有無を知らせる特殊信号発光機が故障、通りかがった京橋発木津行き快速電車が現場に約10分間停止した。この影響で上下13本が最高18分遅れたほか、快速2本が長尾−同志社前間、普通8本が長尾−松井山手間で運転を取りやめ、15000人に影響が出た。JR西日本で原因を調べている。(京都新聞)
■さまよう陶板レリーフ 京都駅中央コンコースの大作 故西山画伯の壁画 改築で撤去へ 開業100年記念 JR「場所がない」 門下生ら保存熱望 不快感あらわ
 16年前の京都駅開業100周年の記念に、京都市文化功労者で日本画家の故西山英雄さんらが制作、寄贈され、同駅の中央改札口上部の壁面を飾っている大型陶板レリーフが、同駅改築工事で撤去されることになり、行き先が宙に浮いたままになっている。JR側は「壁画の横幅が長過ぎ、新駅構内に場所がとれない」と言うが、西山さんの門下生らは「せっかく寄贈した作品なのにひどい」と、嘆願書を出すなど、JR側にレリーフの保存を訴えている。
 壁画は「京洛東山三十六峰四季」(縦2.7b、横20b)。1977年、財団法人日本交通文化協会が同駅開業100年の記念にと企画、駅に寄贈した。
 原画は、当時、日展常任理事で金沢美術工芸大教授だった西山さんが、東山の四季の移り変わりをテーマに、銀閣寺、鴨川、八坂神社、清水寺などを描き、ベルギーの壁画家ルイ・フランセン氏が信楽焼の陶板を約1万枚使って造形した。制作に2ヵ月、総工贅は5000万円を要した。
 レリーフのある中央改札口のコンコースは、売店や待合所が並ぶ駅の表玄関。レリーフは15個のライトで鮮やかに照らし出され、利用者に親しまれてきた。
 JR西日本は「保存させる方向では検討しているが…。他に公共施設や地下街で、設置可能な場所がないか、関係機関に聞いてみたい」と、レリーフの取り扱いに頭を痛めるが、落ち着き先は決まらないまま。
 一方、京都市伏見区深草正覚町、日本画家松崎良太さん(53)ら西山さんの門下生たちは、45人でレリーフの保存を求める嘆願書をJR側に出すなどして交渉を繰り返している。松崎さんは「JRは『飾るスペースがない』の紋切り型の返答ばかり。これでは何のために寄贈したのかわからない」と、不快感をあらわにしている。(京都新聞)
■のぞみが緊急停車 東海道新幹線 新横浜−東京間 ブレーキ突然作動
 11日午後3時10分ごろ、JR東海道新幹線の新横浜−東京間を時速115`で走行中の上り「のぞみ12号」の緊急ブレーキが突然作動し、同電車は停車した。運転士が緊急ブレーキの「解除」ボタンを押したところ、正常な状態に戻ったため運転を再開、約2分遅れで東京に到着した。同電車はJR西日本保有車両で、9日に営業運転したばかりの新型車。また、緊急ブレーキの作動は極めてまれという。同社は誤動作の可能性もあるとして、原因究明を急いでいる。
 JR東海によると、緊急ブレーキは「のぞみ12号」が川崎市中原区を時速115`で走行中に、11号車の異状によりかかった。乗客約600人が乗っていたが、大きな衝撃はなかったという。
 同電車は東京到着後、折り返して博多行き「のぞみ21号」として運転する予定だったが、JR東海は点検のため回送した。この影響で「のぞみ21号」など上下11本が最高6分遅れ、約1万人に影響が出た。
 JR西日本によると、緊急ブレーキは制動力となる空気圧が低下したり、連結器が外れたりした場合に作動する仕組みになっており、「ひかり」や「こだま」でも作動した例は極めて少ない。さらに作動後に「解除」ボタンで正常に復帰した例はないという。同社は電気回路の一時的な異常による誤動作との見方を強めている。
 この電車は東京−博多間などでまだ4500`しか走っていない。(朝日新聞)
■冬前に植栽作業開始 小倉山修復 JRが説明会
 小倉山(右京区)の残土放置問題でJR西日本は11日、市民団体「小倉山頂の忘れ物をJRにお届けする会」(世話人・松本章男さん)のメンバーら8人に、修復工事の進み具合などについて現地で説明した。同会では今後も、定期的に工事や植栽の経過を市民らに明らかにするよう申し入れている。
 JRの担当員の説明によると、工事は全工程の1割程度を終え、現在、残土の掘り起こしや表土の土盛り作業を進めている。竪坑は今月初めに埋め立てを完了し、鉄塔部分は取り壊して搬出した。大きな遅れはなく、冬前には最初の植栽作業にかかる見込み、という。
 毎月定期的に監視登山をしている同会のメンバーが修復工事の進行状況に疑問を持ち、5月19日、説明するよう、京都市を通じてJRに申し入れた。その際、行政側の立ち会いも求めたが、この日、市の関係者は出席しなかった。
 松本さんは「工事が脱線したり変更されたりしないよう、植栽した木が根付くまでは月に一度の経過説明が必要」と話している。
 一方、この日開かれた市議会の建設委員会でも小倉山の問題が取り上げられた。工事の遅れを指摘する委員の質問に対し東川敏春・都市景観部長は、工事着工や残土の掘り起こしが当初の計画より遅れたものの、夏から秋にかけてピッチを上げて作業を進めるため、最終的な工期の延長にはならないと答えた。また、JRが市に出す3億円については「小倉山や周辺地域の散歩道の整備などに活用したい」との意向を示した。(朝日新聞)
15日■韓国新幹線の受注選定 日本企業は対象外に
 【ソウル14日=清田治史】韓国政府と与党・自民党は14日の合同会議で、ソウル−釜山を結ぶ京釜高速鉄道の車両選定対象から、三菱重工業などの日本企業連合を除外すると決定した。
 この結果、同高速鉄道の最終入札要請書は、独シーメンス、仏GECアルストムの2企業連合グループにのみ送付し、8月末までに車両機種の選定を終えることになった。
 韓国交通省は同日、記者会見で、「費用や技術水準、技術移転などの条件を綿密に検討した結果、独仏企業連合が京釜高速鉄道建設公団の評価点数で85%水準に達した。日本側は達しなかった」と説明した。
 また、韓国政府は同高速鉄道の完成、開通目標を従来の1998年から3年遅らせて2001年とすることも決めた。(朝日新聞)
■「こだま」のガラス破損 山陽新幹線
 15日午前7時59分ごろ、広島県東広島市の山陽新幹線東広島駅構内で、岡山発博多行きこだま375号(6両編成)の最後尾車両左側の乗務員出入り口の窓ガラスが割れているのを駅員が見つけ、指令室に連絡した。JR西日本広島支社では次の広島駅で乗客約300人を別の列車に乗り換えさせ、約25分遅れで出発した。
 同社の調べでは、割れた窓ガラスは縦71.1a、横35.6a、厚さ6_。ガラス全面が割れ、乗務員室側に破片が散乱していた。同列車は4号車に車掌室があるため、最終車両の乗務員室は無人で、ガラスが割れたのに気付かなかったという。この事故の影響で後続の下りのこだま2本が2分遅れ、約400人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
16日■小倉山問題 「JRの不起訴は不当」 告発の住民ら 検察審に申し立て
 京都市右京区嵯峨の景勝地・小倉山に、JR山陰線トンネル工事の残土が大量に放置され、JR西日本の井出正敬社長ら幹部らが古都保存法違反で告発された事件で、京都地検が井出社長らを不起訴処分(嫌疑なし)としたことに対して、告発した地元住民らが15日、「残土放置は京都市の許可条件に違反しており、不基礎は不当だ」などとして京都検察審査会に審査を申し立てた。
 審査を申し立てたのは、地元の長尾憲彰常寂光寺住職(66)ら8人。
 申し立てによると、小倉山一帯は古都保存法の歴史的風土特別保存地区で、現状変更が厳しく制限されているが、旧国鉄は山陰線複線化に伴う小倉山トンネル耕司で出る残土約20万立法bの仮置き場を同山頂に作ることを計画。1982年、「土砂は工事完了後、速やかに搬出し、原状回復する」ことを条件に市の許可を受けた。
 ところが、JR西日本は工事完了後も土砂を放置。土砂を搬出せず、植林などで原状に似た形に戻す計画を市に提案、許可された。
 長尾さんらは昨年7月、許可条件を守らなかったは古都保存法違反として京都地検に告発したが今年3月、同地検が不起訴処分にしたため、この処分を不服として審査申し立てした。長尾さんらは「新たな許可を得たからといって、それ以前の違法が許されるわけはない。JRの行為は、市が告発し基礎された比叡山中の不法陶器事件と同様。これで法の下の平等はあるのか」などと話している。(京都新聞)
■パンタグラフ故障続き影響 東海道線、運休・遅れ
 15日午後11時ごろ、JR東海道線岐阜貨物ターミナル駅で、大阪ターミナル発宮城野行き貨物列車(17両編成)の機関車のパンタグラフが壊れ、立ち往生した。JR東海で原因を調べていたところ、同35分ごろ、同駅を通過中の名古屋発関ヶ原行き快速電車のパンタグラフも壊れた。
 この故障の影響で、東京発下関行き特急「あさかぜ3号」が約7時間50分遅れるなど上下計21本に運休や遅れが出、約4100人に影響があった。乗客はバスやタクシーで代行輸送した。
 影響は16日午前中も続き、東海道線の上下16本が運休。上りはほぼダイヤ通りの運行になったが、下り線は同日昼までの約40本に1時間程度の遅れが出た。岐阜−豊橋間は名鉄電車で代行輸送した。
 JR東海で架線が破損した原因を調べている。(朝日新聞 夕刊)
■中之島の新線計画 「島」避け河の下を 大阪市が京阪に打診 市公会堂保存へう回
 大阪市北区中之島を東西に横切る地下鉄新線を計画している京阪電気鉄道(本社・大阪市)に対し、大阪市が「島の陸上部分でなく、両わきを流れる堂島川か土佐堀川の下を通す」という新ルートを打診していることが16日、明らかとなった。大阪市は、中之島の市中央公会堂保存のため地下を大規模に掘り返す工法を採用する計画を立てており、そはを通過予定の新線との間で支障の出る恐れが出てきたためだ。京阪は「当初ルートはあくまでも予定で、変更は可能だ」と市の要望について検討している。
 中之島は、大阪を代表する官庁・ビジネス街だが、東西を結ぶ鉄道網がなく、新線の建設計画が立てられた。新線は運輸政策審議会が1989年に答申した基本計画に盛り込まれ、2005年までに整備する鉄道網の一つとされている。
 京阪の計画によると、全線が地下鉄で、延長約2.7`。京阪本線天満橋で本線から分かれて北浜駅の手前から土佐堀川の下をくぐり、中之島の地下約30bを市中央公会堂から大江橋と渡辺橋の南側へ掘り進み、玉江橋南側まで延ばす。総事業費は約1600億円を見込む。
 ところが、このルートが、公会堂保存構想を練ってきた大阪市内部で問題となった。同市の基本計画は、公会堂を解体せずに真下をそのまま約15b掘り下げ、地下室(広さ8000平方b)を設け、地下室上部と公会堂下部のすきまに地震対策用のクッションとなるゴムをはめ込む、というものだ。
 この際、地下に打ち込んだ鋼管のくい(長さ約35b)で公会堂を支えながら掘るため、当初ルートでは新線が鋼管にぶつかったり、逆に地下室建設が新線の影響を受けたりする可能性が出てきた。
 大阪市幹部によると、京阪に対し、公会堂工事のほか、「堂島川や土佐堀川は深さ4−5bで、地下を深く掘らずに地下鉄を通すこともでき、経済的にも有利」との点をあげて当初ルートの変更を内々に持ちかけている、という。
 これに対し、京阪側は「川の下の工事ならば、ビルの基礎部分などに邪魔されないが、逆に、駅をつくるのに費用がかかる。新線はまだ計画の段階で、いろいろな提案を検討していきたい」としている。(朝日新聞 夕刊)
17日■「過剰勧誘やめて」 JR上場で日証協通達
 日本証券業協会は、7月に上場申請が予定されているJR東日本株式の売り出しについて、投資家に「すぐに大きな利益が出る」といった誤解を与え、投資をあおるような勧誘をしないよう呼びかける通達を、証券会社に出した。
 正式な上場日程が決まらないうちから投資家の問い合わせが相次いでいるため、「過熱」を懸念した注意喚起で、人気をあおった末の株価乱高下で投資家に大きな明暗を生んだ日本電信電話(NTT)株の二の舞いを避けたい、との狙いが込められている。
 今回のJR株の上場でも、すでに証券会社から協会に「どんな形なら、投資家に話していいのか」といった問い合わせが増えているため、協会として@届出書の提出以前には投資勧誘を一切行わないA投資家の希望でJRについての分析リポートなどを渡す場合は、内容が客観的で事前に協会に届け出てあるものに限るB届出書提出の後も勧誘は正規の目論見書をきちんと示して行う、などの徹底を求めた。
 また、行平次雄日証協会長代行(山一証券会長)は16日の記者会見で「投資家が正しい認識をもてるような適切な情報開示が必要だ」と指摘。運輸省に対し、運賃認可の基本的な考え方や整備新幹線の建設や財源負担などについて、分かりやすい情報を投資家に提供すべきだ、との考えを示した。(朝日新聞)
■大阪市交通局の助役補 違法駐車車両に傷
 大阪市交通局の助役補(45)が勤務中に、大阪市北区のJR大阪駅前バスターミナルに駐車してあった乗用車にくぎで傷をつけ、自宅待機処分(年休扱い)を受けていたことが17日までに明らかになった。助役補は「駐車違反でバスが通行しにくくなっていた。注意したのにきかず、腹が立ってやってしまった」と話しているという。
 同市交通局によると、助役補は今月12日午後零時半ごろ、JR大阪駅前バスターミナルで、バスの乗務案内など交通整理に当たっていた際、ターミナル内に違反駐車していた2台の乗用車の側面部分に、持っていたくぎで傷をつけているところを、近くにいた人が目撃、大阪・曾根崎署に通報した。
 傷をつけられたうちの1台はパトカーが来たのを見て走り去り、残りの被害運転者とは示談が成立したため、同署は注意を与えただけで事件として処理しなかった。
 助役補は一昨年7月から、バス専用レーンの交通整理などに当たる交通レーン指導員をしていた。
 交通局は近く正式に処分を決める。(京都新聞夕刊)
■関西新空港 鉄道利用率は62% JR予測 競合何回にも強気
 関西新空港の1日当たりの来訪者は4万人以上で、うち約2万7000人が鉄道を利用し、この62%強がJRを使う−大阪や京都と新空港を結ぶ特急を運行するJR西日本は17日、開港時の鉄道需要見通しを明らかにした。都心から遠い新空港だけに、バスやタクシーに比べ割安で時間に正確な分、鉄道が有利とみているほか、同様に新空港に乗り入れる南海電鉄との旅客争奪戦についても「鉄道を使う国際旅客の約8割、国内旅客の約7割がJRを利用する」と強気のそろばんをはじいている。
 予測は新空港の1日の便数を国際線90便、国内線50便に設定。これに近畿圏の人口分布、事業所数、旅行者や景気の動向を加味して算出した。
 それによると、新空港の1日当たりの来訪者数(片道)は4万3200人。同社は新空港への乗り入れを決めた1987年12月に「来訪者7万8350人」との予測をしているが、国内線の誘致が進んでいないことや景気後退の影響から、今回、大幅な下方終生をした。
鉄道利用者は2万6720人とみており、このうちの62.3%がJRで空港に向かうとしている。観光客の多い京都駅で国際線の搭乗手続きができることや新幹線との乗り継ぎの良さか
関西新空港の鉄道利用者予測(人/日・片道、JR調べ)
 空 港
利用者
鉄 道
利用者
全体の
JR利用率
全体の%鉄道の%
国際旅客12,3707,48060.548.480.1
国内旅客8,1205,26064.844.168.1
送迎者2,7701,49053.834.764.4
見学者5,4802,73049.827.454.9
従業員13,2209,26070.032.846.7
商用者1,24050040.321.854.0
43,20026,72061.938.562.3
らは岡山、広島、名古屋などの旅客がかなり見込めるとし、鉄道を利用する国際旅客の80.1%、国内旅客の68.1%はJR利用とみている。
 送迎客や見学客も空港島に渡る連絡橋の通行料や駐車料金の高さなどからマイカーを避けるとの見方をした結果、約半数が鉄道利用でその60%以上がJRを使うと予測している。ただ、約1万3000人を見込む新空港従業員は7割が鉄道通勤するとしているものの、南海の沿線の居住が多いとみて、唯一、「南海有利」とした。(朝日新聞 夕刊)
18日■関西新空港に直行バスを 学研3町、要望へ
 田辺町の原田喜代次町長は、17日に行われた6月議会の一般質問で、来年夏に開港する関西国際新空港と学研都市を結ぶ直行バスの運行を、田辺、精華、木津の学研3町が連携して、奈良交通に対して要望していくことを明らかにした。
 日本最初の24時間空港の開港に向けて、すでに田辺町をはじめ宇治、城陽、久御山、宇治田原の2市3町は、連名で京阪宇治交通に対しリムジンバスの運行を求める要望書を提出している。田辺町は「このルートだけでなく、海外から研究者らが訪れる学研都市の国際性を考えると、西名阪国道をルートとする関空への直行バスが必要」とし、今後強くバス会社に働きかけていく、としている。(京都新聞)
■地下鉄・バス値上げ 大阪市、来月実施へ
 累積赤字を理由に大阪市が申請していた地下鉄(ニュートラムを含む)、バスの運賃改定について、運輸審議会(石山陽会長)は17日、申請通り認めるよう答申した。
 値上げ率は地下鉄が平均7.2%、バスが平均10.7%で、25日の物価問題閣僚会議の了承を得て認可され、7月3日から実施される見通し。地下鉄は4年半、バスは8年5ヵ月ぶり。
 答申によると、地下鉄の初乗り1区間(3`まで)は現行の160円が20円アップして180円になる。3`を越え27`までの4`ごとの各区間はそれぞれ30円ずつ加算される。(京都新聞)
■豪華なリゾート特急で大分へ 関西の60人を招待 来月7日大阪出発 県、湯のまちPR
 大分県大型観光キャンペーン推進協議会(関西圏観光推進協議会などで構成)は、JR九州自慢のリゾート特急「ゆふいんの森号」で関西の60人を大分へ無料招待(片道のみ)することにし、いま申し込みを受け付けている。
 計画では7月7日午後11時38分にJR大阪駅を出発、翌日午後3時59分、大分駅に青く。「ゆふいんの森号」はふだん、季節特急として久大本線経由で博多と大分間を走っており、カフェテリアやアートギャラリーを備えた豪華列車。
 食事は自己負担だが、ゆったりした列車の旅を楽しめる。
 車内でも大分到着後も特にイベントは行わず、独自に湯のまちを観光して自己負担で帰ってもらう。ただし、9日までに大分を出発する人に限り、関西汽船とダイヤモンドフェリーの二等グリーン寝台が半額になる。
 申し込みは、往復はがきに氏名、住所、電話番号、年齢、性別、帰路の希望フェリー名を書いて、今月24日までに大阪市北区梅田1ノ1ノ3ノ2100、大阪駅前第三ビル内、大分県大阪事務所 06(345)0071へ。
 一方、7日午前11時から午後3時まで同列車を大阪駅3番ホームで展示、同推進協議会メンバーによる県内産オレンジジュースなどのサービスや、懸賞つきアンケートなどを行う。(京都新聞)
■地下鉄やバス 来月値上げへ 大阪市
 大阪市が申請していた市営地下鉄、バス、新交通システム「ニュートラム」の料金値上げについて、運輸審議会(石山陽会長)は17日、越智伊平運輸相に対し、申請通り認めるよう答申した。平均値上げ率は地下鉄とニュートラムが7.2%、バスは%。25日に予定されている「物価問題に関する関係閣僚会議」の了承を得て、早ければ7月3日から値上げされる見込み。消費税転嫁のための改定(92年2月)を除くと、地下鉄とニュートラムの値上げは4年半ぶり、バスは9年ぶりになる。(朝日新聞)
19日■新駅設置に助成を 住宅宅地審議会が提案 鉄道と宅地開発一体化
 住宅宅地審議会(亀井正夫会長)は18日、宅地供給を促進かるための施策をまとめ、中村喜四郎建設相に報告した。大都市圏で交通網整備と一体化したニュータウン開発を進めるため、新駅設置など鉄道事業に対して助成精度を拡充することなどを提案している。
 審議会は@地方公共団体と民間の協調A市街化区域内農地の計画的宅地化B交通網整備と一体化した宅地開発、などを当面の緊施策に挙げている。
 具体的な方策として、住宅・都市整備公団が地方公共団体と民間の調整役をすることや、職住近接の多機能型街づくりを進めるために税制、融資、法律の整備をすることも提案している。
 また、審議会は鉄道事業への助成拡充で鉄道整備と一体化した宅地開発が進んだ場合、首都圏の該当地域では通勤時間が10−40分程度短縮されるうえ、住宅価格を勤労者世帯の平均年収の5倍程度までに抑えることができるとの試算も公表した。(朝日新聞)
■中国縦貫鉄道開通早まる
 【北京18日=横掘克己】北京と香港を結んで中国大陸を縦貫する京九鉄道がこのほど全線で着工され、1997年の香港返還までに完成を目指していた計画が95年6月開通に繰り上がった。16日の人民日報は、京九鉄道の特大橋第一号が架かったと報道、三峡ダム建設と並んで今世紀末の中国の二大工事と言われる同鉄道の建設は急ピッチで進んでいる。
 華僑向け新聞「華声報」によると、北京と香港の九竜を結ぶ京九鉄道は全長2500余`。現在ある京■(北京−上海)、京広(北京−広州)の両幹線鉄道の間に建設される。ごく一部で在来線を拡充して利用するが、大部分は新設で、総投資額は200億人民元(約3800億円)以上。1億9300万立方bの土砂を動かし、549の橋と126のトンネルが造られる。
 91年9月に、黄河に架かる黄河鉄橋(全長6673b)の起工式が挙行されたときは「香港返還までに開通」が目標だった。(朝日新聞)
■市バス暴走4人はねる 女子中高生けが 運転手意識失う 東山七条
 19日午前8時25分ごろ、京都市東山区七条通東大路西入ルの「東山七条」バス停を発車直後の京都駅行き市バス206号系統の運転手(52)が突然、意識を失った。市バスは右にカーブを切ったまま約50b暴走して七条通を横切り、反対車線の高さ70aの歩道さくをなぎ倒して、向日市物集女町中海道、京都女子高校1年上村美智子さん(16)ら歩道を歩いて登校中の京都女子高・中生4人をはねた。市バスは歩道北側の京都国立博物館の鉄製さくに衝突して止まった。
 上村さんはろっ骨を折って1ヵ月のけが、他の3人も足や顔に軽傷を負った。市バスには乗客25人が乗っていたが、けがはなかった。
 松原署の調べでは、市バスの運転手は事故後に意識を取り戻した際「バス停を出た瞬間、急に意識を失った」と話したといい、病院で手当てを受けた。市交通局によると、運転手に持病はない、という。市バスは前部を中破、現場で運転を打ち切った。
 事故当時、七条通は土曜の休日で車は比較的少なかったが、七条通歩道は始業時間が迫り、女子高生が通学の列をつくっていた。(京都新聞 夕刊)
■にゅうすらうんじ 「バス転換無理」と地元 野上電鉄
 午前8時すぎ。さび付いた1両だけの電車が、和歌山県海南市の日方駅からゆっくりと動き出した。ウーンっとモーターがうなるが、なかなか速度は上がらない。速度計もない運転席で、運転士は席を立ったり座ったりして、前方を注意している。
 町並みを抜け、直線を走り始めたが、妙に揺れる。速度は緩く、踏切では、人や車が電車の直前を通り過ぎる。車内で車掌が切符を売り始めた。乗客は20人ほど。ほとんどが高校生やお年寄り、子供たちだ。県立大成高校と野上第一保育所がある動木原で、大半が降りた。
 大成高校の生徒約700人のうち、50人が電車通学。雨の日は200人近くになる。野上第一保育所では20人の子供たちが利用している。「都会の人はびっくりするでしょうが、うちの子供は3歳から一人で乗ってくるんですよ」と口井佳子所長。
 全線11.4`。約30分で終着の登山口駅(同県海草郡野上町)に着いた。折り返しの電車には3人が乗った。和歌山市に行くというおばあさん(73)は「電車がなくなると困るなあ。病院に行くにも、私はバス酔いするし」とポツリ。
 野上電気鉄道は1913年(大正2年)の設立。今年1月に会社が経営難を理由に解散を表明し、地元は大騒ぎになった。署名運動や労働団体による存続運動が起き、予定の3月解散は回避されたが、社長が先月辞任し、解散問題はまだくすぶっている。
 実は20年前にも、経営危機から廃止申請を出したことがある。この時は、沿線1市2町の首長らで「野上電鉄対策協議会」をつくり、運輸省の欠損補助金を受け入れることで存続の道を歩んだ。
 だがその後も、経営は悪化するばかり。「近代化も合理化もせず、補助金に甘え、経営努力を怠った」と関係者は指摘する。今回はその欠損補助金が打ち切られる。年間輸送人員は1984年度に100万人台を割り、昨年度は60万人にまで落ち込んだ。
 野上町の東光司町長は「鉄道は大切な住民の足。並行道路があるといっても、幅が極満に狭く、全面的なバス転換は無理なんです」と廃止への不安を語った。(朝日新聞 夕刊)
■地方存亡の危機 国が補助金見直し 野上電鉄は解散表明
 赤字経営が続く地方の民営ローカル鉄道に対して、国の補助金見直しが始まつた。まず対象になったのが、和歌山県の野上電気鉄道と宮城県の栗原電鉄。運輸省は、今年度限りで「欠損補助金」を打ち切ると通告。野上電鉄の田中秀雄社長は、15日の株主総会で「会社を解散せざるをえない」と報告した。ローカル鉄道は、マイカーを利用できない子供や通学生、お年寄りの貴重な足だが、同省は今後、高知県の土佐電鉄、島根県の一畑電鉄など他の欠損補助対策路線でも見直しを続けていく方針だ。(東京通信部・原 裕司、高知支局・伊藤 厚史、松江支局・今井和彦)
 地方を走る中小民間鉄道は、半官半民の第三セクターを含むと、全国で98社。毎年黒字を計上する社もあるが、総じて経営は苦しい。人口減やマイカー普及のためで、路線の一部を廃止する企業も毎年のようにある。
 経営状態の悪い地方の中小私鉄に対し、運輸省は補助金を出している。赤字に対する欠損補助制度(1992年度の対象は10社)、経営近代化のための近代化補助(29社)、第三セクターに対する運営費補助(24社)などだ。欠損補助制度は「最混雑区間のラッシュ一時間の輸送人員が1000人以下で、並行道路の未整備などでバス輸送への転換が困難」などの要件を満たす路線が対象となっている。
 補助打ち切りを通告された野上電気鉄道は、74年度から補助金を受けているが、91年度も鉄道事業で9200万円、全事業で2億500万円の赤字。栗原電鉄も同年度から補助を受けているが、鉄道部門で6100万円、全事業で9100万円の赤字を出した。
 運輸省鉄道局によれば、打ち切りの直接の理由は、野上電気鉄道は「並行道路でバスも運行されている」、栗原電鉄は「並行道路が整備されてきた」となっている。
92年度欠損補助対象路線
事業者名営業`区  間 
土佐電気鉄道18.3後免街〜鏡川橋
高知駅前〜桟橋通5丁目
(高知)
一畑電気鉄道42.2電鉄出雲市〜松江温泉
川跡〜出雲大社
(島根)
野上電気鉄道11.4日方〜登山口(和歌山)
加越能鉄道12.8高岡駅前〜越ノ潟(富山)
銚子電気鉄道6.1銚子〜外川(千葉)
上毛電気鉄道25.4中央前橋〜西桐生(群馬)
上田交通11.6上 田〜別所温泉(長野)
栗原電鉄25.7石越〜細倉マインパーク前(宮城)
弘南鉄道16.8弘前〜黒石(青森)
津軽鉄道20.7津軽五所川原〜津軽中里(青森)
・土佐電鉄 市民の足 観光にも一役
 午前6時6分、高知市本宮町の土佐電鉄「鏡川橋」電停。5、60歳代の男女20人ほどが、始発電車を待つ。電車が着くと、黙々と乗り込み、座席に腰を下ろす。
 市内のビル清掃会社に勤める山崎隆さん(65)は、1年前から始発電車を利用している。「この電車は重宝だよ。役所や会社が開く午前9時までが、わしたちの勤務時間。電車だけが頼りなんだ」と山崎さん。
 土佐電鉄は、伊野駅(吾川郡伊野町)と後免町(南国市)を結ぶ東西の線と、高知駅(高知市)と桟橋通五丁目(同)を結ぶ南北の線があり、全路線(25.3`)のうち18.3`が補助対象。2つの路線は高知市の観光の拠点「はりまや橋」で交差する。
 土佐電鉄は1904年の開業。30年には県東部の安芸市まで開通した。しかし、75年に後免町以東を廃業。最盛期の62年には、3039万人あった年間輸送人員も、910万人(92年)まで減少した。
 会社側は乗客減に歯止めをかけようと、ドイツやノルウェー、オーストリア、ポルトガルの路面電車を90年から相次いで購入した。前面が突き出て「ゴールドフォッシュ」と呼はれるノルウェーの電車、天井にイラストマップが描かれたオーストリアの電車などは、市民だけでなく観光客にも人気だ。
 乗客が減ったとはいえ、路面電車は市民の足として、貴重な存在だ。朝と夕方、一両だけの小さな車内は、通学の中、高校生でいっぱいになる。南国市明見の清和女子中高等学校は、全校生徒366人のうち、164人が土佐電鉄で通学している。同校生徒部長の須賀誠教諭は「登校路の国道は狭く、交通量も多い。自転車は危険なので、電車通学を勧めている。補助金の打ち切りで電車の本数が減ったり、運賃が上がったりすれは、保護者の負担が増える」と不安をもらす。
午後10時10分、後免町行きの終電車が、はりまや橋を出発。安全地帯に並んだ客は40人ほど。帰宅前に一杯飲んだ会社員やOLに交じって、夜の街で皿洗いや調理人として働く中年女性が多い。スナックで働く女性は「勤務は午後10時まで。終電のおかげで店から帰れる」と話す。
・一畑電鉄 「出血覚悟」の車両更新
 山陰地方ただ一つの私鉄、一畑電鉄は、宍道潮の北岸沿いに松江市と出雲市を結ぶ北松江線(33.9`)と、出雲市と大社町を結ぶ大社線(8.3`)の2路線を持つ。昭和初期に造られた旧式の車両が今も走る。
 1914年、北松江線のはぼ中間にある一畑薬師へ参拝客を運ぶ軽便鉄道として発足した。以来80年、地域の足として67年度には過去最高の年間589万人が利用した。しかし、マイカーの激増に押され、利用客は減少の一途をたどり、92年度は170万人にまで落ち込んだ。このため、約250人いた鉄道部門の社員を約70人に減らし、大社線のワンマン化、無人駅化なども進めてきた。
 それでも赤字は増え続け、74年には運輸省の補助対象路線に認定され」今も欠損補助を受け続けている。92年度には2億800万円の単年度赤字を出し、運輸省は昨年「経営改善の見込みがなければ、来年度以降の補助金を見直すこともあり得る」と警告、路線存亡の危機に立たされている。
 「いよいよ危ないかもしれない」。一畑電鉄労組が加盟する連合島根は今春「一畑電車利用促進対策協議会」を結成し、加盟労組の組合員に電車利用を呼び掛ける一方、行き帰りに電車を利用するハイキング大会を催すなどして支援に乗り出した。県と沿線の3市1町で作る沿線地域対策協議会も、会長の太田満保・平田市長らが運輸省に欠損補助の継続を陳情、どうしたら利用客が増えるかを考えるシンポジウムも企画した。
 こうした地元の存続運動の盛り上がりを受け、これまで「他人任せ」という批判もあった同社は本格的に利用客増の対策を検討し始めた。「まず施設改善を」と、車両24両のうち老朽化の激しい12−16両を、97年までに冷房付きの車両に更新、傷みの激しい木造駅舎も改築する計画を立てている。これが実施されれば、97年度には約3億円の欠損が予想される。
 「出血覚悟」の立て直し策だが、欠損補助が打ち切られると、絵にかいたモチに終わりかねない。同社は21日、この計画と県や沿線市町の具体的な支援策を持って運輸省との協議に臨む。文字通り背水の陣の構えだが、「輸血」と同じという欠損補助がどうなるか、予断は許されない情勢だ。(朝日新聞 夕刊)
20日■2時間半不通 1万人に影響 JR山陰線
 19日午後3時半ごろ、亀岡市篠町のJR山陰線保津峡−馬堀間で、線路から約10b南側の斜面の土砂が崩れた。線路や列車に影響はなかったが、保線作業のため同線は、約2時間半にわたって不通となった。乗客をバスや嵯峨野慣行鉄道のトロッコ列車で輸送した。
 また、これより先の午後1時ごろから大雨の影響で、二条−嵯峨間で徐行運転を始めたほか、亀岡駅構内では浸水のため2番線の信号が故障。1、3番線を使い運転するなどしたため徐行運転が相次ぎ、夕方までに普通14本が運休、特急など35本が1時間48分−5分遅れて、乗客約1万1000人に影響が出た。(京都新聞)
■近畿でも大雨 JRなど影響
 梅雨前線の活発化に伴い近畿の中部と南部で19日、局地的に強い雨が降り続いた。午前0時から午後5時までの総雨量が京都・花背峠で136_に達したのを最高に、滋賀・南小松や大阪・能勢でも100_を越えた。
 この雨のため午後3時半ごろ、京都府亀岡市内のJR嵯峨野線保津峡−馬堀の線路わきで土砂崩れがあり、上下線14本が運休するなど約1万1000人に影響が出た。また、大阪府泉南市のJR阪和線でも夕方を中心に上下線22本が最高10分遅れた。
 空の便も大阪−徳島と大阪−高地が2往復、大阪−隠岐が1往復、それぞれ欠航した。(朝日新聞)
21日■送電線取り換え中感電、転落し死亡 大山崎のJR東海道線
 21日午前1時50分ごろ、京都府乙訓郡大山崎街大山崎永福寺のJR東海道線で、高さ9bの送電線取り換え作業中の大津市坂本、電気工事会社従業員、山本幸一さん(38)が感電して転落。病院に運ばれたが死亡した。
 向日町署では、絶縁シートのすき間から雨が入り込み、山本さんがぬれた電線に誤って触れたものとみて、詳しく調べている。(京都新聞 夕刊)
■海峡トンネル 初の列車試走 英仏間2時間20分で
 【ロンドン20日共同】英国とフランスを結ぶ英仏海峡トンネルで20日、9両編成の車両が初めて試験走行を実施した。ディーゼル機関車2両にけん引された客車7両は時速約30`。で、予定を20分上回る2時間20分でトンネルを走り抜けた。開業後は時速160`、30分足らずで走行する。
 英仏海峡トンネルは当初、今年6月の開業が予定されていたが、資金難などのため開業は来年5月前後にずれ込む見通し。となっている。(京都新聞 夕刊)
■ドア開閉灯が故障 通勤の1万人影響 JR神戸線
 21日午前7時44分ごろ、兵庫県明石昭大久保神楽田のJR神戸線大久保駅で、播州赤穂発野洲行き快速電車(11両編成)が発車しようとしたところ、ドアが閉まったことを示す運転席の表示灯が点灯しなかった。車掌が調べた結果、7両目のドア開閉表示灯が故障していることが分かり、ドアが閉まっていることを確認し、14分遅れで発車した。
 この故障で後続の新快速や快速電車6本も最高12分遅れ、計1万1000人に影響した。(朝日新聞 夕刊)
22日■改憲阻止軸に運動方針決定 JR総連定期大会
 JR総連(福原福太郎委員長、8万4000人)の第9回定期大会が21日、静岡県熱海市で開かれ、憲法(第9条)改悪阻止を軸に平和運動を強化する、などを柱とした向こう1年間の運動方針を決めた。
 方針は、自衛隊の海外派遣や「政界再編に絡んで労働界にも波及している改憲策動」に強い関心を示し、独自に平和集会を開くほか、有志労組や市民グループ、学識者たちと連携して「改憲阻止国民会議(仮称)」の結成を目指すとしている。また、今度の総選挙では「憲法改悪・自衛隊海外派兵に反対し、環境保全を表明する候補」を推薦、支援していくという。(朝日新聞)
23日■片福連絡線 開業、2年遅れに 平成9年ずれ込み 地下工事が難航
 学研都市方面と阪神方面の直結めざして片福連絡線(JR片町線京橋・福知山線尼崎間12.3`)の建設工事を進めている第三セクター「関西高速鉄道」は22日、予想外の難工事のため同線の開業が当初より2年遅れ、早くても平成9年早々になるとの見通しを明らかにした。
 全線のうち10.2`が地下で、大阪では初めての地下30bという所も多い。平成元年3月に着工、現在地下トンネル部分の掘削や地上区間の駅ホーム建設などが進められている。
 同社の説明によると、もともと地盤が軟弱なうえ予想外に地下水が多く、水圧も高いことや、川があった当時の橋台が道路下に埋まっているといった悪条件が重なり、片町駅付近や南森町駅一帯、淀川の下をくぐるトンネルなどで大幅に工事が遅れている。昨年4月、福島区内の現場で地下水が大量に噴出、近くの民家の柱が傾く被害を出す事故もあって、土木工事の進捗率はわずか40%。
 当初計画では今年秋にはこれらの土木工事を終えるはずだったが、平成7年秋ごろになる見込みという。その後軌道や電気、建築関係の工事を行わなければならないため、開業は平成9年にずれ込む見込み。
 同社の小國俊樹企画部長は「計画がズサンということではなく、あまりに深い所での工事なので、予想外の困難があったということだ」と話している。(京都新聞)
■新幹線「のぞみ」欠陥モーター80台交換 鋼板の先端折れる
 東海道・山陽新幹線のぞみの一部のモーターで部品が折れる欠陥が見つかり、JR東海と西日本の両社はモーターを交換していたことを22日、明らかにした。
 JR東海などによると、昨年12月2日、同社所有の1編成(16両)で、モーターの振動を防ぐための円形の鋼板(直径29a、厚さ6.6_)の先端にある歯(縦3a、横1a)の部分が折れているのが見つかった。このモーターを製造した東芝とともに調べたところ、鋼板の強度が不足していることが分かった。
 このためJR両社はモーターの交換を決め、JR西日本では4月下旬から5月中旬にかけて3編成に取り付けられていた東芝製の60台を改良したモーターと交換。また、JR東海も15編成の136台のうち、これまでに20台を取り換えた。交換がすべて終了するのは10月になるという。
 JR西日本では、モーターを交換するまでの間に回送中ののぞみ3編成で、それぞれ1台のモーターで鋼板の先端が折れて、内部を傷つけモーターの止まるトラブルがあったほか、別の3編成でもひびが見つかったという。
 のぞみ1編成(16両)には10両に各4台ずつ、計40台のモーターがあり、1つのモーターが止まると、その車両の他の3台のモーターも止まる仕組みとなっている。
 JR西日本は「仮に2両のモーター(8台)が止まっても運転に支障はない。モーターが壊れる恐れもなく、安全には問題ないと考えてこれまで公表しなかった」と話している。(京都新聞)
■小和田駅 地元の要望受け 臨時停車の続行を検討
 皇太子妃昌子さまの旧姓と同じ名前のJR飯田線小和田(こわだ) 駅の人気が、9日の「結婚の儀」以降も衰えず、JR東海は地元静岡権・水窪町の要望を受けて、同駅への快速電車の臨時停車の継続や同駅にお盆の臨時急行の停車を検討することになった。
 小和田駅ブームは昌子さまが皇太子妃に決定した直後から始まり、水窪−小和田駅間の乗車券が売れ始めたのを最初に、小和田駅の名の入った乗車券、入場券などの売り上げ枚数や駅を訪れる乗客が急増。5月からは週末の快速電車「ナイスホリデー天竜・奥三河」も臨時停車するようになった。
 2月から6月20日までに売れた各種切符やオレンジカードは約17万枚、4300万円分。結婚の義以降はややブームは下火になったが、現在も1日300枚近くが売れ、土曜、日曜に小和田駅を訪れる人が多い。
 このため無人の同駅に臨時駅員を出したり、駅での結婚式を企画して町おこしを図っている水窪町は快速電車の臨時停車継続をJR東海に要望。同社は6月末までの予定だった臨時停車の継続や、臨時急行「伊那路」の停車を検討することになった。(京都新聞)
■JR連合 新会長に井出氏
 JR連合(矢後希悦会長)は22日の定期大会で、これまで非専従だった会長を専従にし、新会長に井出勝彰福会長(JR西労組出身)を選出した。7月1日付で就任する。矢後会長は福会長になる。(京都新聞)
■片福連絡線、開業遅れ97年に
 95年春の開業をめざす「片福連絡線」の事業主体である関西高速鉄道(芝田博主張)は22日、地下化工事の大幅な遅れのため、開業が早くても97年初めに延びるとの見通しを明らかにした。
 大阪市福島区の工事現場で昨年4月、地下水が噴出して工事が約10ヵ月間滞るなど、計画に対して最大2年の遅れが出ている区間が複数あるといい、2885億円を見込んでいた工事費も数百億円上積みとなることが確実な状況だ。(朝日新聞)
■JR連合の新会長に西労組の出井氏選出
 東京都内で開かれていたJR連合(77000人)の第2回定期大会は2日目の22日、向こう1年間の運動方針などを決めて閉会した。役員改選では、矢後希悦前会長の後任に出井勝彰氏(JR西日本労組、新)、事務局長に柴田秋雄氏(JR東海ユニオン、再)らが選出された。(朝日新聞)
■京の実像虚像 京都駅改築@ 遅れる計画 ”新駅発車”96年以降に 費用も 300億円アップ テナント 経営継続に懸念 近く建築確認
 「新しい京都のシンボルに」と、平安建部1200年記念事業の主要施設として、来年秋に完成予定だったJR京都駅の改築計画が、大幅に遅れている。JR西日本と京都駅ビル開発会社は、近く京都市に建築確認を申請し「今年九月ごろには着工したい」としているが、順調に工事が進んでも、完成は96年以降になる見通し。現在は、テナント入居をめぐる業者の動きが活発になり、関西国際空港と結ぶシティー・エアターミナルの準備も進んでいる。京都経済の活性化と国際都市づくりの一環として、市民の注目を集める「新京都駅」の建設を巡る動きと関係者の表情を追った。(企画報道部)
・遅れる計画
 JR京都駅北側の駅前広場は、白い塀で仕切られ、外からもプレハブ2階建ての仮駅舎の一部が見える。この仮駅舎を横目に、観光客や通勤者らが迷路のように狭い臨時通路を通っている。駅のコンコースには、新駅ビルの模型写真が展示されアピールする。だが、掲示板に「建都1200年記念事業として…」と記すが、完成時期にはふれていない。
 JR西日本と京都駅ビル開発は、近く京都市に新駅ビルの建築確認申請をする意向で「仮駅舎が完成する9月ごろには、現駅舎の取り壊しを始め、新駅の工事に着工したい」との考えだ。
 新しい京都駅ビルは、駅施設をはじめ、ホテル、百貨店、文化施設、駐車場などで、地下3階、地上16階建て。延べ床面積は約24万平方b(敷地約3万8000平方b)。駅施設はJR西日本が建設、その他の部分は、JR西日本や京都市、府、京都商工会議所のほか、地元など40社が出資する京都駅ビル開発が担当する。
 工期は28ヵ月といわれるが、これに準備工事が加わると、完成は96年以降になり、計画からは2年以上遅れる見通し。完成の遅れに伴って、駅ビル本体の工事費がかさむ。90年夏に、実行計画案が発表された時の概算約700億円が、大幅にアップしそうで、1000億円程度になるとみられる。
 「94年秋の完成は、工程的に多少きついという気持ちはあったが、無理ではないと思っていた。大型工事は目標を設定して調整しないと延びる。極端に遅くなったとは受け止めていない」。京都駅ビル開発社長の伊藤博・JR西日本専務は、完成時期には希望的要素があったと説明する。工事費増については「概算はコンペ前のこと。その後の物価の上昇もあるし、当選作品は設計自体のレベルが高く、見積もりすると費用は当初より上回る」と、アツプを率直に認める。
 建設コストが大きくなれば、最終的にテナントなどへの賃貸し料のアップなどにつながる。工事の遅れと工費増の経営に与える影響も心配される。
 行政の対応は、どうか。京都市は、都市計画法の高さ制限(31b)を超える新駅ビル(59.8b)の建設を法的にクリアさせるため、同法の「特定街区」を適用。昨年10月の市都市計画審議会のあと、京都府都市計画地方審議会の示認を得て、同12月、都市計画決定を行った。
京都駅改築への経過
1952年5月三代目の現駅舎完成
83年5月京都市が国鉄に対して駅改築を要請
84年3-6月京都市が京都駅改築を平安建都1200年
事業に位置づけ。国鉄が具体的検討へ
84年10月平安建都1200年記念事業推進協議会
が、改築を関連事業に指定
88年11月JR西日本や京都市、京都府、京都商工
会議所で構成する駅改築協議会の第2
回会合で、90年の開発会社の設立と平
安建都1200年完成を目指すことを決定
90年8月JR西日本や京都市、京都府、地元経済
界が出資する「京都駅開発準備会社」が
実行計画案を決め、駅施設やホテル、百
貨店など主要部分は平安建都1200年の
94年秋を完成目標とする
10月駅ビル開発会社に改組
91年5月設計コンペで東京大学教授原廣司氏の
作品に決定
92年12月京都市は高さ制限緩和のための特定街
区導入の都市計画変更案が市と府都市
計画審議会で承認されたことを受け、都
市計画決定
12月JR西日本が仮駅舎の建築許可を申請
93年3月駅周辺住民や市民ら約600人が市を相手
に、都市計画決定の無効確認を求めて京
都地裁に提訴
 市都市計画局の小山選一理事は「高さをめぐる市民の意見はさまざまあり、市としては十分に意見を踏まえ、結論を出した。駅ビルだけの高さ緩和だけなら別の方法もあったが、駅は京都の玄関。デザインを重視するとともに周辺環境も考慮して特定街区にした」と説明。
 慎重な審議が、結果的に計画全体の遅れにつながったという。
・「京では早い方」 駅ビル開発の幹部
 だが、駅ビルに反対する市民グループ「のっぽビル反対市民連合」事務局長の中島晃弁護士は、計画の遅れは「反対運動の成果」と評価。「市民の議論を十分すべきだったのに、建都1200年が議論のプロセスを省略する理由にされた。経済的にもバブル崩壊で、大規模な商業施設が必要なのか」と疑問を投げかける。
 実行計画案が発表されてから間もなく3年。「うるさい京都の土地で、着工にこぎつけた駅ビルはむしろ早い方では」。京都駅ビル開発のある幹部は、感想を漏らす。紆余(うよ)曲折を経て、4代目の新駅ビルの着工は、ゴーサインの大詰めを迎える。(京都新聞 夕刊)
24日■京の実像虚像 京都駅改築A 入店への攻防 優先扱いを要望 新専門店街 崩れぬ公募原則
 新京都駅ビルの着工を前に、新たに誕生する専門店街への入店をめぐって、京都駅観光デパート(古川満男社長)に対するテナントの不満が表面化、互いの攻防が激しくなっている。
 今月3日、駅舎で飲食店を営業する京都市下京区の与太呂新社(梅野敬子社長)は「新駅舎再入居の保証などがない限り、店舗の明け渡しには応じない」との通知を観光デパートに出した。「話し合い解決を望んでいるが、納得いく対応がなければ訴訟も」(同社総括支配人)との立場だ。これに対し、観光デパートは「全テナントに対し、誠意を持って対応しているが、通知に対してどうするかは、弁護士と協議中」と受けとめている。
 テナントにとっては、今、新駅ビルへの入居が、最大の関心事。「駅の改築は、われわれが求めたのではない」「仮駅舎で営業するため内装や備品にも費用が要る」「観光デパートから協力してくれといわれ、株を手放したのに…」など、他のテナント店主らもいらだちを表す。中には「入店できなくなっては、元も子もない。表立って折議の旗を振るつもりはない」の声もあり、弱気と期待が入りまじる。テナントによって経営面の比重や資本力の差があり、微妙に発言が異なるようだ。
 観光デパートには43社のテナントがあったが、後継者難などの理由で、既に3社が撤退した。さらに仮駅舎ができる9月に3社が閉店する見通しで、仮駅舎に入る37社が、新駅ビルヘの入店を希望しているという。
 「現テナントということだけで、新しい駅ビルに入れるわけではない」。昨年秋、テナントでつくる「和光会」(安田茂会長)の優先入店の要望に対して、観光デパートは、こう回答した。今年2月、再び要望した時も、方針に変わりはないとの立場をとっている。
 観光デパートは、現在の駅が完成した1952年にオープン。直営店のほか、テナントが土産品などを販売。直営店の従業員が約150人、テナント従業員は約390人。91年には、JR西日本が資本参加、テナントの17社が所有していた株(約35%)などを取得して、筆頭株主(約96%)になっている。
 現行営業面積は、物販と飲食部分を合わせて約2000平方b。新しい専門店街は駅ビルの地上1階、地下1、2階に計画され、物販部分だけで5000平方bと現在の2.5倍に広がる。しかし、観光デパートは「あくまで公募」(小枝忠夫・取締役開発部長)を原則にする。「40年余り一緒に営業してきたので、心情的にはテナント全部を連れていきたいが…」と、幹部は胸の内を話す。
 近年の観光デパートの売り上げをみると、80年度以降は、ほぼ横バイで前年度は約97億円にとどまる。一方、地下鉄開業に伴って80年秋にオープンした京都駅前地下街のポルタは、順調に売り上げを伸ばし、前年度はやや減少したが約247億円にのぼる。
 ポルタは店舗数120店と多く、売り場面積が広いうえ、ファッション中心など構成が違うため、単純に比較はできないが、ポルタの売り上げの伸びが大きい。ポルタの大野昭・取締役営業部長は「駅ビルの百貨店に参加する伊勢丹(東京)は、ファッションのしにせ。ポルタと競合するが、これからが本当の意味の商売」と気を引き締める。
 京都駅ビルの入居保証金は、関係者の試算では、3.3平方b当たり450万円−550万円と推定され、「高額の保証金に加え高い賃借料を支払うと、経営的に出店することに、それほど魅力があるのか疑問」(地元陶器業者)との声も聞かれる。逆に観光デパート側は「(入居後の)テナントの経営が心配」ともらす。
 出店への問い合わせは、地元京都はじめ東京や大阪などから約100件が寄せられている。「公募は、できれば来年早々にも行いたい」と、観光デパートは日程を明らかにして「現テナントとは、資金計画など個別の相談を重ねたい」という。今後、テナントとデパートとのやりとりが、ますます激しくなりそうだ。(京都新聞 夕刊)
25日■片福線工事でビル沈下 ドア開閉支障 タイルにひび 住民も苦情、補修へ
 大阪府やJR西日本などが出資した第三セクター関西高速鉄道が建設している片福連絡線の大阪市福島区内の工事現場で、近くにある大阪ダイハツ販売本社ビルの旧館(地上4階)が約15a沈下、北西に傾く被害が出ていたことが24日、分かった。
 工事の影響による可能性があるため、関西高速鉄道はこの工区を担当中の共同企業体に、雨漏りなどビルの補修工事をさせるともに、ダイハツ販売と合意で、影響について継続調査している。
 このビルは昭和37年に完成、東隣には56年にできた4階建ての新館がある。ダイハツ販売によると、工事着工後の平成2年4月ごろ、玄関近くのタイルの合わせ目にひびが入ったり、新館と渡り廊下のドアが閉まらなくなったため調べたところ、ビルが沈下していた。
 同鉄道は、同様の状況で苦情を申し出ている沿線の住民の一部とも、工事を担当している企業体を通じて補修の話し合いに応じているという。
 片福連絡線はJR片町線京橋−福知山線尼崎駅間の12.3`を結ぶ新線だが、22日には「難工事のため開業が予定より2年遅れの平成9年になる」と発表している。(京都新聞)
■大阪市内 地下鉄・バス値上げも認可
 大阪市が申請していた市営地下鉄・ニュートラムと市バスの運賃改定について運輸省は25日、申請通り認可した。地下鉄・ニュートラムの初乗りと市バスの市内均一運賃がそれぞれ160円から180円になる。市は7月3日から実施する。値上げは地下鉄・ニュートラムが4年半ぶり、市バスが8年5ヵ月ぶり。
 新しい運賃は、地下鉄・ニュートラムが1区(3`まで)180円、4`増すごとに30円上がる。平均値上げ率は地下鉄・ニュートラムが7.2%、バスが10.7%。
 改定日前に定期券を購入する混雑が予想されるため、大阪市は30日から3日間、地下鉄定期券発売所の扱い時間を2時間延長する。(朝日新聞 夕刊)
26日■園部−天橋立電化工事 来月21日に起工式 綾部・福知山 95年末完成めざし
 JR山陰線とKTR(北近畿タンゴ鉄道)宮福・宮津線の園部−福知山−天橋立間(89.1`)で実施される電化・高速化工事の起工式が、7月21日、綾部市と福知山市で行われることが25日、決まった。電化工事は1995年末にも完成し、試運転後の翌96年春のダイヤ改正から京都−天橋立間の所要時間は、特急・急行で1時間40分となり、現在より平均30分から50分短縮される。総事業費約160億円。
 電化・高速化工事は、非電化区間であるJR山陰線の園部−福知山間(54.3`)と、KTR宮福・宮津線の福知山−天橋立間(34.8`)で行う。
 山陰線はJR西日本、宮福・宮津線はKTR の委託で日本鉄道建設公団が担当。電化工事をはじめ、トンネルや軌道・曲線の改良、駅構内の1線スルー化、信号保安設備の整備などを進める。
 京都府は、府北部の活性化にとって、道路の背骨となる京都縦貫自動車道の建設と、鉄道のスピードアップを最重要課題と位置づけ、国にJR園部以北の電化工事に対する助成を強力に要請。
 この結果、本年度の政府予算で、国の鉄道整備基金の助成対象に新規採択され、着工にこぎつけた。過疎地域を抱えた路線で、しかも第三セクター鉄道を含めて同基金の適用を受けるのは、極めて異例。本年度の事業贅は41億円。うち50%が同基金から無利子貸し付けされる。
 完成後、府内の電化率は80%(92年全国平均54.1%)にアップする。所要時間も現在、京都−天橋立間は、特急・急行で2時間3分から2時間50分かかっているが、将来、新車両の導入で、1時間半に短縮される見通し。
 起工式は7月21日午前、JR西日本が綾部駅構内、KTRが荒河車両基地(福知山市)で行う。このあと綾部市の府中丹文化会館で起工記念式を予定している。(京都新聞)
■2億8200万の赤字に KTR 92年度決算 収入は15億5700万円
 北近畿タンゴ鉄道(KTR=社長・荒巻禎一知事)は25日、1992年度決算を発表した。経常収支は2億8205万円の赤字となった。特急車両「タンゴエクスプローラー」の減価償却がおもな要因。28日の定時株主総会で示認を求める。
 決算によると、宮福、宮津両線の運賃収入を柱にした営業収入は15億5720万1000円、人件費、減価償却費などの営業支出は18億1502万5000円で、営業収支は2億5782万3000円の赤字。これに営業外損失を加えた経常収支は2億8205万円の赤字を計上した。
 この赤字分は、国が半額補助し、残り半額を府と沿線市町村が拠出しているKTR経営対策基金(約15億円)から助成し、全額補てんされることになっている。
 株主総会では、任期満了に伴い取締役20人、監査役3人を選任、総会後の取締役会で、代表取締役社長に荒巻知事、同専務に谷岡豊次府出納長を再任する予定。(京都新聞)
■京の実像虚像 京都駅改築B 商店街の表情 空中歩廊で客確保 信百貨店誕生 「商売できぬ」懸念
 「京都駅ビルの工事が遅れるのは困ったこと」と嘆くのは、七条商店街振興組合の樋口信一理事長。「他都市の駅前は、どこも繁栄しているのに、京都はあまりにも静かすぎる。古い京都らしさの中に、新しいものが必要ですよ」と力説する。
 七条商店街をはじめ駅北側周辺の商店街や企業などでつくる京都駅前商業地区連絡協議会(52団体)は、基本的に京都駅改築を歓迎する。新駅ビルの効果で乗降客が増え、駅周辺にお客が流れれば、「地元もうるおう」との期待からだ。これまで、京都市やJR西日本などに地元経済の活性化で13項目を要望。現在は、駅北地域の高度利用のほか、新駅ビルから塩小路通への公共通路(空中歩廊式)の新設、地下駐車場の建設−の3項目を重点に求めている。
 「駅前を四条河原町に負けない繁華街にしたい。京都駅の改築は、千載一遇のチャンス。ただ新駅ができても周辺がさびれるようでは大変」と同協議会代表幹事の永田夏雄・京都駅前振興社長は注文をつける。
 しかし、駅ビル改築に対して、京都の各商店街は歓迎一色ではない。駅ビルに入居するジェイアール西日本伊勢丹の出店計画は昨年秋の商業調整で、店舗面積が4万5000平方bから3万2000平方bに縮小されたが、大きな百貨店が生まれることに変わりはない。また既設の300貨店も増床計画を明らかにしており、商店街は影響を心配する。
 京都市内約百の商店街が加盟する京都商店連盟は、当初、駅の改築計画を「京都全体の中小小売店の死活問題」ととらえ、「JR本来の業務は旅客の輸送である。JR西日本の計画は、立派なものであるが、あまりにも独断専行的であり、地元事情を無視した一方的な姿勢」(平成3年11月の申し入れ書)と批判していた。
 「従来の駅観光デパートやポルタに加え、新しい百貨店ができると、全体として商売が成り立つのか」。同連盟の浜野重門専務理事は今も懸念する。駅ビル改築の影響は、商店街のある地域によって異なり、利害関係の差があるようだ。
 「なんとかプラスに転化したい」と、商店街の近代化を目指す動きもある。京都駅東商店街の臼井輝夫会長は「駅周辺の道路整備や観光バス用駐車場の新設など、もっと京都市が積極的に乗り出さないといけない。この機会を生かした新しい町づくりが必要」と行政に積極姿勢を望む。臼井会長は近く駅周辺の各商店街に呼び掛けて駅前部会をつくり「商店街にパワーをつける」運動を始めたいという。
 駅南口にあるアバンティ専門店会の大西盛治会長も駅南側の周辺整備を訴える。「駅改築は周辺の活性化につながるのでプラスと受けとめているが、セクト主義でなく、JRと行政が一緒になって駅前の整備計画を進めないといけない」。
 一方、景観問題などの理由で駅改築に反対する京都駅建て替え問題対策協議会の伊藤督太郎代表は「京都駅をもっと利用しやすい、便利な駅に変えるべきだ。大きなデパートやホテルをつくることが京都の繁栄になるかどうか分からない」と疑問視する。
 京都駅の改築は「京都の新都心の創造」として構想されたが、実際、地元経済の活性化に結びつくのだろうか。
 京都の商店街調査をした京都工芸繊維大学の池田有隣教授(建築計画)は「外からお客を引いてくるとJRは強気だろうが、大阪、神戸と比べれば、京都の購買力はあまり強くない。新駅ビルができれば、商業者には経営条件が難しくなり、中小企業や個人商店があおりを受けるのでは」と分析する。池田教授の診断では、お客を駅ビルから周辺に流すため、駅の南北間の通路が必要で、地元の商店街も個性的な魅力づくりへの努力が望まれるという。
 「駅前広場をゆったり取り、オープンな感じがほしい。駅ビルに駐車場ができるので駅前の交通渋滞が予想されるが、周辺道路の交通ネックを解消することが大事だ」。この提言を生かすには、JRと行政、地元の協力が不可欠だ。(京都新聞 夕刊)
27日■東北新幹線はフル規格に 自民党が選挙公約
 整備新幹線建設計画の見直しを進めている自民党は25日、東北新幹線盛岡−青森間の建設計画について、現在のミニ新幹線規格区間を東海道新幹線などと同じ標準軌新線(フル規格)に格上げすることなどを盛り込んだ見直し案をまとめた。同党は28日に開く政務調査会正副会長会議で総選挙に向けての公約の一つとして正式決定し、30日に関係道府県に伝える。
 「整備新幹線の建設促進と高速鉄道網の整備」とした見直し案によると、北海道新幹線は青森−札幌間の環境影響評価を推進、逐次建設に着手する。当面は東北新幹線の青森開業時に函館までの同時開業を図る。東北新幹線は盛岡以北全区間をフル規格で早期に開業する。
 北陸新幹線は長野−小松(石川)間の未着工区間の早期着工、南越(福井)以西の環境影響評価を推進し、逐次建設に着手する。当面、小松−敦賀(福井)で工事に着手する。九州新幹線は鹿児島ルートの博多−八代(熊本)間で早期着工し、長崎ルートは武雄(佐賀)−長崎間の短絡ルートで環境影響評価を進め、逐次建設に着手するが、当面は武雄−諌早(長崎)間の工事に着手するとしている。(京都新聞)
28日■歓声「雅子さまー」 皇太子ご夫妻 京都駅で3000人祝福
 結婚の報告のため、伊勢神宮と神武天皇陵を訪れていた皇太子ご夫妻は27日午後、すべての日程を終えて奈良から京都に入り、JR京都駅から新幹線に乗り継ぎ、夕方東京に戻られた。
 ご夫妻は午前10時前、近鉄奈良駅から特別列車で橿原市に向かわれた。11時に初代の天皇とされる神武天皇陵に到着、鳥居をくぐり祭舎(さいしゃ)の前で拝礼、そろって玉ぐしをささげられた。
 ご夫妻は近鉄橿原神宮前駅から京都へ。午後2時過ぎ、特別列車は京都駅に着きホームで荒巻禎一京都府知事らが出迎えた。お二人は休憩の語、臨時ひかり号で東京に向かわれた。
 近鉄と新幹線の京都駅のホームやコンコースには、ロイヤルカップルをひと目見ようと、列車到着の3時間以上前から約3000人が集まった。皇太子さまと雅子さまの姿が見えると、カメラを構えたり、小旗を振りながら「雅子さまー」と歓声が上がった。グレーのスーツ姿の皇太子さまと鮮やかなブルーのツーピースに同色のリボンをあしらった白い帽子の雅子さまは手を振って、市民の祝福と歓迎にこたえられた。
 迎えの人の中には「ちょっとしか見えなかった」という人も多く「雅子さまは行事でお疲れなのか、少しやせられたみたい」と心配する声もあった。
 2泊3日の事実上の新婚旅行を終えたご夫妻は、侍従を通じて「結婚の報告をつつがなく終え、すがすがしい思いとともに、ほっとした気持ちでいます。初めて2人そろっての旅行ということもあり、長く思い出に残るものと思います」と述べられた。(京都新聞)
■爆破予告電話 山陰線乱れる 京都駅
 27日午後8時過ぎ、京都市下京区のJR京都駅助役室に若い男性の声で「8時発のタンゴエクスプローラーに爆弾を仕掛けた。調べてください」と電話があった。
 京都駅では、すでに山陰線の西舞鶴行き「タンゴエクスプローラー3号」が発車した後で、通報を受けた堀川署が二条駅(中京区)で停車した列車から乗客約200人を車外に誘導、ホームにいた約20人とともに駅待合室に避難させた。署員が車内を調べたが異常はなかった。列車は32分遅れで同駅を出発。後続の列車上下6本に25分から10分の遅れが出た。(京都新聞)
■京の実像虚像 京都駅改築C 南北自由通路 コース、建設費どうする 利害絡むJR2社と京都市 ツバ競り合い続く
 京都駅構内を南北に通り抜ける公共用の「自由通路」。この一本の通路新設を巡って、JR西日本とJR東海、それに京都市がツバ競り合いを続けている。通路をどこに設けるか、建設費の負担問題などが争点という。
 「国鉄時代なら切符はどこで買ってもらっても良かったのですが、分割民営化後は、売り場によって手数料収入に差が出るので…」と、JR東海の広報担当者の口調は重い。新幹線の切符は自社以外の区間を販売すれば、売り上げの5%が手数料収入になる。売り場をどこに確保するかは、経営に直結する。
 新しい自由通路は、駅ビルの改築でJR西日本の改札口が移動するのに伴い、室町通を延長する付近に新設される。駅西側にある在来線や新幹線、近鉄の乗り換え通路の陸橋を拡幅する形でつくられる計画。
 現在、南北間の自由通路は、地下鉄京都駅コンコースからの地下道1ヵ所しかない。駅地下街・ポルタの調査(91年11月)では、日曜日に1日約8万7000人が往来、混雑する。
 新設される自由通路のコースを、新幹線コンコースから八条口へどう通すのか。京都市都市計画局は「今年春、乗り換え通路から八条口へストレートに南へ通すことで、基本的に合意した」と説明する。だが、コースにあたり、立ち退きを迫られるJR東海のみどりの窓口や系列会社ジェイアール東海関西開発のテナント移転先は、まだ決まっていない。
 JR西日本は、「ストレート案をベースに協議している段階。合意とまでいいえるかどうか」(地域開発本部)と、ニュアンスが違う。テナント店舗を抱える同関西開発からは、早期決着を望む声が上がっている。同社の川西席事業部長は「営業補償の問題もあり、テナントへの説明を早くしたいのだが」と、イラ立ちをみせる。
 京都市とJR西日本、JR東海の三者間で、どう建設費用を負担するか、その本格的な話し合いはこれから。京都市は「公共用通路なので、基本的には市の負担です。しかし、鉄道事業者にもメリットがあるはず」と、JR側の負担をにおわせる。通路問題について、JR西日本の伊藤博専務は「互いに利害があり、JR東海とは担当者間で協議を続けている。意見の対立はあるようだが、トップレベルの話し合いになれば、いずれ解決すること」と楽観視する。
JR西日本管内(京阪神近郊)の1991
年度の主要駅実績=同社調べ=
1日乗車人数(人)1日旅客収入(千円)
@大 阪414,234@新大阪134,379
A天王寺176,446A大 阪122,893
B京 橋154,725B京 都67,756
C鶴 橋141,054C姫 路44,579
D京 都132,672D天王寺41,342
E三ノ宮107,639E新神戸33,248
F新今宮80,608F三ノ宮32,942
G高 槻59,138G京 橋27,470
H姫 路49,986H西明石17,291
I明 石48,740I高 槻16,534
 八条口で営業する京都駅近鉄名店街商店街振興組合(伊藤祐介理事長、54店)にとっても、自由通路は経営の根幹にかかわるという。今年3月にまとめた調査では、八条口のJR東海やJR西日本、近鉄各改札口の降車客は、1日約3万4000人。
 「自由通路がストレートに伸びて、昇降口が八条口の歩道にできると、人の流れが変わり、名店街へのお客さんが減るのではないか。この通路以外に、現在のJR西日本改札口も自由通路として残し、2ヵ所から昇降できるよう市に要望している」と伊藤理事長は力説する。
 市都市計画局によると、新設の自由通路は、将来、八条通を陸橋で横断する形にして、南口広場につなぐ計画。広場の2階は人、1階は車を通行させる構想と、青写真を説明する。京都駅周辺は駅と線路で南北に分断され、市全体の商圏や住民のつながりを阻む要因にもなってきた。このため、長年、線路の高架化が望まれてきたが、建設には巨額の費用がかかるといわれ、実現への展望は見えない。
 京都駅の1日の乗降客はJR在来練、新幹線、近鉄を合わせて40万人を超える。新駅ビルは、東西470b、高さ59.8bで、現駅舎よりはるかに巨大な建物になる。「市民が利用しやすい駅として、南北の通路をどう通すか」。市民の要望にこたえるJRの対応が望まれる。(京都新聞 夕刊)
29日■信楽事故 県特別委 調査機関の設置など 遺族ら支援要望
 滋賀県議会の信楽高原鉄道列車事故対策特別委員会は28日、「犠牲者遺族の会」(吉崎俊三世話人)と京都府・木津町の「協同組合ハイタッチリサーチパーク列車事故被害者の会」の遺族ら10人を招いて委員協議会を開いた。遺族らからは鉄道事故の専門調査機関の設置運動やJR西日本の責任追及を支援してほしいとの要望が相次いだ。
 協議会は、事故調査機関設置運動や、鉄道両社との補償交渉を続けている遺族の声を直接聴くことで、今後の委員会活動の参考にしようと開かれた。この中で、「遺族の会」の吉崎世話人は、「調査機関のない現状では、事故原因に関する発表がなくても法的に問題ないが、遺族は納得できない。公平な立場で原因を追究できる場がどうしても必要」と、調査機関設置を委員会が強く働きかけるよう協力を求めた。
 また、事故の一方の当事者のJR西日本がいまだに謝罪する気配を見せていない、として「責任を認めさせるように働きかけてほしい」と訴えた。
 これに対して西村政之委員長は「みなさんの気持ちを無にしないよう、委員会で検討していきたい。特に調査機関設置は、委員会としても運輸大臣に要望してきたが、さらに強力に運動を進めたい」と答えた。(京都新聞)
■整備新幹線の建設促進盛る 自民公約「見切り発車」
自民党は28日、総選挙にむけた公約として、整備新幹線の建設促進を盛り込んだ。着工時期の決まっていない北海道新幹線や九州新幹線長崎ルートの早期着工や、東北新幹線盛岡−青森間のフル規格化などが柱。今月初めから始まった政府・自民党の検討委員会の結論を待たずに、地元からの要望をほぼそのまま「公約」として掲げるという、「見切り発車」の形になった。 具体的な内容は@北海道新幹線(青森−札幌)は逐次建設に着手し、青森−函館間は東北新幹線の盛岡−青森間と同時開業にするA盛岡−青森間のうち、在来線利用のミニ新幹線区間は、フル規格に格上げするB北陸新幹線の長の−小松間の未着工区間の早期着工−など。(朝日新聞)
■京の実像虚像 京都駅改築D 570室誕生「共倒れ」警戒 過剰投資との声も 周辺旅館 波及効果に期待
 今年4月、京都府旅館環境衛生同業組合とジェイアール西日本ホテル開発との間で、1枚の覚書が交わされた。京都駅の改築に伴い、駅ビルに生まれるホテルと、影響を心配する旅館組合との間の合意をまとめている。「まあ、一段落ですな」と、旅館組合理事長の西田誠士・西富家社長は表情をゆるめた。
 しかし、覚書に至るまで旅館業界では、激しい議論が続いた。JRは700室近いホテルを計画したが、この規模は旅館50軒以上にあたる。これは、あつかましすぎる」と西田理事長。規模縮小を求める要望を出して以来、何度もJR側と交渉を重ね、ようやく落ち着いたという。
 新設のホテル計画には、旅館だけでなく、もちろんホテル業界も心中は穏やかではない。既存の各ホテルは、当初、「コンベンション・ホテルや商業施設が非常に大きな部分を占め、公共輸送期間としては、本来の姿である輸送施設の改良改善が不足」と指摘、新設ホテルの「適正な規模」をJR側に要望。一昨年3月には、日本ホテル協会京都支部(事務局・都ホテル)が、計画の規模縮小と新規顧客の誘致策などを求める要望書を提出した。
 京都へは年間約4000万人の観光客が訪れるが、夏と冬のオフシーズンの客の落ち込みが大きい。当然、ホテルの利用客も夏冬は客室稼働率が大幅にダウン。同京都支部では「京都のホテル利用の特徴は、季節による変動が大きいことで、年間を通してみると経営が難しい」と説明する。バブル経済の崩壊後は、不景気の波を受け、会社などの団体利用が減少し、個人客に頼る現状。「今後、ホテル業界は、さらに過当競争が激化するのでは」と厳しく予測する。
 今回の覚書では、JRのホテルは、客室数を当初計画から100室ほど減らし、宿泊用の和室は置かず、宴会場も洋式とすることを約束している。同ホテル開発の話では、客室が570室前後で、宴会場面積は延べ約3600平方b、大宴会場1300平方b−の計画という。それでも京都で最大級のホテルが誕生することになる。
 計画中の新ホテルは、「駅にある立地を生かすが、雑雑とは遮断して従来のターミナル・ホテルとは違うものを目指す」(ジェイアール西日本ホテル開発)という。「高い価格でも納得してもらえるよう、部屋と料理、サービスを充実させる。海外からのお客さまや内外の芸術家、文化人を迎え、国際会議が開けるよう、最新の設備を導入したい。将来は、来日する外国人がもっと増えるので、京都の伝統文化の紹介や新しい文化の創造にも協力したい」。同社の佐藤龍太郎社長は、高級ホテル志向を明らかにする。
 この方針に対して、現在も受けて立つ各ホテルの意見がさまざま。「大阪なら大ホテルでも需要があるが、京都に大きなホテルを建てるのは過剰投資では。地元の経済力を考えれば、新旧のホテルが共倒れになる恐れがある」(駅周辺ホテル経営者)と心配する声。
 一方、駅周辺のあるビジネスホテルは「新ホテルで大きな国際会議が開かれると、あふれたお客が駅周辺のホテルや旅館にも流れるだろう」と波及効果に期待する。中には「ホテルの新設に絶対反対とはいえない。決まった以上、もう仕方がない」と、あきらめムードもある。
 京都の各ホテルは、近年、設備の一新や料理の新メニューづくりを進めるなど、お客の獲得に懸命。現在、改築中のホテルや京都駅以外の新設計画もあり、「業界は戦国時代」との見方が強い。「今は高級ホテルも値ごろ感のある価格競争の時代だが、ダンピングになっては困る。だから京都駅のホテルの料金設定に注目している。これからは結婚式の絶対数が少なくなるので、大宴会場の年間効率が落ちないか心配する」(駅周辺ホテル幹部)。
 他のホテル関係者はお手並み拝見というが、駅に生まれるホテルが、京都のホテル地図に大きな影響を与えるのは、間違いないようだ。(京都新聞 夕刊)
30日■修学旅行に”学研ツアー”も バス乗り入れ易く 人気拠点に 近鉄高の原駅
 関西学術文化研究都市の南玄関口へ近鉄高の原駅(奈良市)が、奈良方面への修学旅行の拠点としてにぎわっている。駅前への大型バス乗り入れが容易で、京都から急行で35分という接続の良さが受けている。地元バス会社の話では、学研都市見学の問い合わせも増えているといい、来秋の学研都市の街びらきには、学研ツアーの修学旅行生が多く訪れそうだ。
 近鉄高の原駅を利用しているのは、東京方面からの中学、高校生の修学旅行。奈良交通観光部の話では、新幹線で京都まで来て、急行で高の原駅へ。同駅から観光バスに乗り、法隆寺などを見学。日帰りで京都に帰るコースが人気だという。
 高の原駅に観光バスが多く乗り入れるようになったのは、京都から奈良までの交通事情の悪さと、近鉄西大寺や奈良駅が手狭なことが理由。バスターミナルと周辺の道路が整備されている高の原駅に人気が集まっているという。「なら・シルクロード博」(1988年)から年々バスの台数は増え、今年6月のピーク時には、奈良や京都のバス会社が同時に20台ほど乗り入れる混雑ぶりだった。
 高の原駅は学研地区にあり、近くにはハイタッチ・リサーチパーク(木津町)や「けいはんなプラザ」(精華町)など京都府内の学研研究施設との接続もよい。奈良交通観光部では「学研都市は奈良・京都観光の途中で立ち寄れる。来年の街びらきには、学研見学が修学旅行のコースとして人気を集めそう」と話している。(京都新聞)
■プリペイドカード発売へ あすから京都市交通局
 京都市交通局は来月1日から、市バス・地下鉄共通のブリペイドカード「トラフィカ京カード」を発売する。
 キャツスレス時代に対応して初めて導入する。カードは1000円、3000円、5000円の3種類。市バスはカード読み取り機にカードを通すと運賃が自動的に引き落とされる。地下鉄は自動券売機で乗車券に引き換える方式。市バス営業所、地下鉄駅で販売する。(京都新聞)
■北近畿タンゴ鉄道 延べ335本を増発 夏の臨時列車ダイヤ あすから9月末
 北近畿タンゴ鉄道(事業本部・宮津市)はこのほど、夏の海水浴、帰省客ら向けの臨時列車のダイヤを発表した。期間は7月1日から9月30日までで、臨時列車数は延べ335本になる。7月24日の「天橋立出船まつり」▽同31日の「マリンミュージックフェスティバル・イン・丹後」▽8月16日の「宮津灯ろうながし」−などのイベントに合わせた臨時列車も含んでいる。また海水浴シーズン中、主要駅に特急、急行を臨時停車させる。主な臨時列車とダイヤ、運転日などは次の通り。
 【特急マリン丹後・エクスプローラー】大阪発7時35分(京都・福知山経由)久美浜着11時19分▽久美浜発13時14分(福知山・二条経由)大阪着16時48分=7月24日〜8月16日【特急エーデル丹後】大阪発10時5分(福知山線・宮福線経由)天橋立着12時31分▽天橋立発16時41分(同)新大阪着19時18分=7月3、4、10、11、17、18、24〜8月16、21、22、28、29日、9月4、5、11、12、18、19、25、26日【特急タンゴ・エクスプローラー】大阪発7時35分(京都・福知山経由)久美浜着11時19分【同82号】久美浜発13時14分(福知山・二条経由)大阪着16時48分【急行丹後82号】天橋立発17時58分(西舞鶴経由)京都着20時51分=8月14〜16日【快速みやづ】大阪発9時7分(福知山線・宮福線経由)天橋立着12時4分▽天橋立発15時12分(同)大阪着17時56分
 【臨時停車駅と列車】丹後神崎=急行丹後1、8号▽丹後由良=急行丹後1、8号、特急タンゴ・エクスプローラー1、4号、同あさしお3号▽木津温泉=急行丹後6号、特急タンゴ・エクスプローラー1、4号、同あさしお3、12号▽丹後神野=急行丹後6号、特急タンゴ・エクスプローラー1号▽久美浜=特急あさしお3、12号=いずれも7月24日〜8月16日(朝日新聞)
■京の実像虚像 京都駅改築E 交通アクセス 奥座敷?新空港へ85分 利便性どう確保
 来年夏のオープンに向け、急ピッチで建設が進む関西国際空港。わが国初の24時間空港として、関西の経済、文化の浮揚に期待がかかる。今月22日、大阪湾の岸和田港から船で沖合の埋め立て地の空港島に上がった。
 南北4.3`、東西1.2`の 511f、甲子園球場の126倍の広さ。事業費は約1兆4300億円にのぼる大プロジェクトだ。未舗装の道路を資材を満載したトラックが、土ぼこりを上げながら行き交う。バスに揺られ、人工島中央に進むと4階建ての旅客ターミナルの輪郭が見えてきた。曲線が特徴の屋根にステンレスを張りつける作業員。イタリア人建築家レンゾ・ピアノ氏の設計だ。ビル両側に広がるウイングも丸みを帯びる。
 「グライダーの形に見えませんか。ターミナル北工区は7割ほどできました。内装工事にかかっており、作業員の数は今がピーク」と、工事関係者。ビルの前は、長さ3500bの滑走路。工事途中のため部分的に真新しいアスファルトが敷かれている。開港時には、航空機が年間12万回も離発着する予定。
 青い海には、全長3.75`の連絡橋が伸びる。道路と鉄道の併用橋としては世界一の長さ。照明灯も取り付けられ、鉄道線路も既に敷設された。ターミナルビル西隣にある鉄道の空港駅も、骨格が組み上がっている。ここでは作業員はもちろん、建物までが躍動しているように見える。
 この空港駅と京都駅間をJR西日本の専用特急が85分で結ぶ。京都駅では空港開港に合わせて列車を走らせるため、既に山陰線ホームの改修に着手。専用特急は1時間に1、2本程度発車して、新大阪、天王寺の2駅に停車、空港駅に到着する。車両のデザインは、いま作製中だ。
 空港開港日が確定していないので、JR西日本はダイヤを発表していないが、受け入れる関西国際空港会社の西田仁志・空港計画課長は「旅客が利用しやすいように幅広い時間帯の運行を」と期待する。
 「国際空港との直結」をさらに密にするのが、京都駅ビルの地下1階に設置されるシティー・エアターミナル(CAT)。JR西日本と日本航空の共同事業で、国際線の搭乗券発券と手荷物預かりを行う。「JR駅では全国の初めての施設。乗客の利便性を考え、取り組んでいます」と古橋正雄・JR西日本地域開発副本部長。
 だが、航空会社の経営の厳しさなどから、京都駅CATに参加するのは日航だけ。日航と系列会社の利用客は、荷物を京都駅で預けられるが、その他の乗客は自分で専用特急に持ち込んで空港へ。日航の三沢暁充・関西国際空港準備部旅客グループ課長は「コストはかかるが、他社にはないCATサービスが当社の利用促進につながれば」と乗客増を期待する。ただ、新駅ビルの完成が空港開港に間に合わないため、仮駅舎での開業を検討しているが「工事中の荷物の運搬方法など、JRと細部を詰めている」と、まだ流動的。
 南海電鉄難波駅でも、日航と南海が共同でCATを設ける。難波駅から空港駅までは、最も早いノンストップ専用特急で29分。神戸では、ポートアイランドに神戸航空旅客ターミナルを建設中で、空港島へは高速船が就航し、28分で到着する。神戸CATの魅力は、日航だけでなく、全日空や日本エアシステムの3社が参加すること。出国の事前検査のため法務省入国管理局の窓口も設置される見通し。「船は3.5bの高波に対応できる。台風時は欠航するが、その時は航空機も飛べないのでは」と沢井卓裕・神戸CAT総務課長は自信をみせる。
 近畿の主要都市の中で、京都は空港から最も時間がかかり、大阪、神戸、奈良に比べ、交通アクセスは初めから不利な立地にある。大阪や神戸がベイエリアを開発して、世界との交流を進めるのに対し、京都は奥座敷で取り残されたようにも見える。今後、京都が国際都市として発展するには、国際空港の積極的な位置付けと利用者に便利な対応が求められる。(京都新聞 夕刊)