News File 1993-03

1993(平成5)年 3月


1日■県「栗東新駅」誘致へ動く 品川新駅(99年開業)に照準 空港と並ぶ玄関口に 自民県連も東京で総決起(京都)
  ■ロシアで列車爆発25人死傷(京都)
  ■JR京都駅信号故障 ヒューズ切れが原因(京都)
  ■ホームとの間に頭はさまれた 50人、電車押し救出 大阪・弁天町駅(朝日)
2日■深草新駅、完成遅れる 京都市会予算委 地権者協議進まず(京都)
  ■大阪弁ポスター シリーズ最終回 大阪地下鉄内掲示へ(京都)
  ■京の道 99 烏丸通(京都市北区−南区) 市電から地下鉄…常に動脈(京都)
  ■「のぞみ」増発 空はのぞまず 国際線と”W失速” 航空会社、滅便も 比較広告で懸命のPR(朝日)
  ■ドアにベルト 女性引きずる 広島駅で新幹線(朝日)
  ■神戸の電車とバス1日パスを発行へ(朝日)
  ■機関車2 両を車検切れ運行 JR西日本(京都)
  ■「高さ緩和は都計法違反」 JR京都駅ビル高層化 市の決定無効求め市民ら提訴 京都地裁 「景観を破壊する」(京都)
  ■雪で新幹線遅れる 7万人に影響(京都)
  ■モシモシハイハイ 「西院」の正しい読み方は 昔は「サイ」と呼んだが 現在では「サイイン」に(京都)
  ■ダイヤ改正の18日にストも JR西労が方針提起(朝日)
3日■排ガス黒煙濃度 最高で90%減る 京都市の低公害バス 予想上回る好結果 騒音もやや小さく 難点は経費面(京都)
  ■西成の火事 線路に煙 36本運休(朝日)
  ■福岡、空の窓口へ地下鉄乗り入れ 中心部と直結(京都)
  ■脱線事故が相次ぐJR西日本に注意 近畿運輸局(朝日)
4日■地下鉄東西線 遅れは8工区で 副本部長が市会委答弁「読み甘かった」(京都)
  ■視評 市バスの遅れ不可避か(京都)
  ■地下15bから救出 京都市消防局 地下鉄東西線の工事現場で訓練(京都)
  ■地下鉄堺筋線 延伸の記念乗車券 きょうから発売(京都)
  ■堺筋線が延長開業(京都)
  ■消防士長 JR神戸線電車内(京都)
5日■JR宇治駅駅ビル 市の改築計画評価 11年目に推進懇答申(朝日)
  ■小倉山の残土放置問題 府に許可書公開請求 住民団体「森林法違反の疑い」(朝日)
  ■JR快速電車また行き過ぎ 元町駅(朝日)
6日■近鉄特急と軽トラ衝突 精華町の踏切(京都)
  ■16日以降にストを設定 JR西日本労組(朝日)
  ■駅ビル改築や ポンポン山問題 京都市会委でただす(朝日)
  ■帽子拾いに… はねられ即死 出雲の踏切で小1(朝日)
7日■信号機配線 切断される JR奈良線・城陽駅(京都)
8日■25b超す風 運休や遅れ JR湖西線(朝日)
9日■往復など24種 割引切符廃止 JR西日本、17日で(京都)
  ■割引切符また廃止 24種「集客効果が薄い」 JR西日本(朝日)
  ■のぞみ走れば砕石飛散 山陽新幹線 高い風圧、急ぎ改良(朝日)
10日■地下鉄東西線 8年完成に全力 市会で京都市長 2年遅れを陳謝(京都)
  ■ホームに電話設置 来月から 地下鉄烏丸線の全駅(京都)
  ■回送列車に異常信号 東海道新幹線 京都−新大阪間 「のぞみ」増発でATC工事ミス(京都)
  ■ATCプログラムミス 回送新幹線に異常信号(朝日)
  ■高速バス速度オーバー 高松・高知間 速さが売り物 ダイヤ設定に無理(朝日)
  ■地下鉄2号線を着工 ソウル 技術と資本は自前(朝日)
11日■鉄道の高架工事終わる 京阪枚方市駅周辺 交通渋滞が解消(京都)
  ■JR遮断機上がったまま 車進入、3人死傷 山陽線 監視付け修理中(朝日)
  ■新幹線電話や無線途切れる 東海道線の10`間(朝日)
12日■安全管理など JRから聴取 相生の踏切事故(朝日)
  ■老女はねられ死亡 特急など4本遅れる 彦根のJR琵琶湖線(京都)
13日■JR総連、18日からスト 私鉄大手は25日を予定(京都)
  ■JR西労 断続拠点ストを通告 18−25日 22路線で一部運休も(朝日)
  ■JR西労、年3回目のスト必至 ミゾ広がる労使対立(朝日)
  ■時速270`を体感「のぞみ」の一般試乗会 大阪−広島間(京都)
  ■試乗客を乗せ「のぞみ」西へ(朝日)
14日■ヤマ場は来月下旬 私鉄総連、73時間ストも(京都)
  ■統一反対派が新労組 JR東海(京都)
  ■監視役おかず作業? 山陽線踏切の3人死傷事故 JR主任を逮捕(朝日)
15日■市民グループ ビラ配り抗議 小倉山の残土放置(朝日)
  ■バイト不況で鈍行列車の旅 青春18きっぷ 学生に人気 3000円内で東京→熊本 1日かけて温泉行脚も(朝日)
  ■JRの主任送検 相生の踏切事故(朝日)
  ■8人中5人解雇は無効 動労千葉のスト 千葉地裁(朝日)
16日■JR西日本が謝罪 山陽線踏切事故で(京都)
  ■窓 乗り換えできぬ 不自由な市バス 北 区・伊藤 慶・66(無職)(京都)
  ■環状線などで運休 JR西日本スト(朝日)
  ■山下会長が正式に就任 JR九州(朝日)
  ■近鉄上本町駅で 信号回路が故障(京都)
  ■遅れた「のぞみ」 どう払い戻し(京都)
  ■相生のJR踏切事故 重体の母親も死亡(朝日)
  ■近鉄一時不通 受験生に影響 難波−上本町(朝日)
17日■環状線全駅で1日から分煙 JR西日本(京都)
  ■「のぞみ」博多まで 禁煙化もアップヘ JRダイヤあす改正(京都)
  ■身障者らの昇降口を 地下鉄駅で請願採択(京都)
  ■環状線終日禁煙全駅に JR西日本 来月から 喫煙コーナー3平方bだけ(朝日)
  ■その名も「まち衆共和国」 都市再生へアイデア提言 住民優先の発想で 水辺や路面電車の復活も(朝日)
  ■JR西日本 運輸収入150億円減 92年度見通し(朝日)
  ■JR二条駅の整備用地 健康増進施設誘致へ 京都市に郵政省意向(京都)
  ■JR西日本 あすスト突入濃厚 通勤帯 環状線、通常通り運行(朝日)
18日■無賃乗車のツケ1400万円 5年分請求へ 正規の8倍 過去最高額 JR東日本(京都)
  ■JR 3労組スト突入 ダイヤ改正初日影響少なめか(京都)
  ■JR東日本 キセル5年1373万円請求 87年の定期使った男性に(朝日)
  ■変わった「のぞみ」もあっていい ほお骨張った新顔君 新幹線に登場(朝日)
  ■時々刻々 のぞみ 波乱含みのデビュー きょう山陽新幹線に 乗客減少歯止めの切り札 スト対象に接続列車 予約状況やっと3割 故障の心配も(朝日)
  ■スト突入指令 JR西労(朝日)
  ■「のぞみ」検査訓練 拒否者処分「不当」 JR東海労組員(京都)
  ■『のぞみ』博多乗り入れ 新大阪から20分短縮(京都)
  ■JR西労スト ラッシュ時混乱なく 京滋でも大きな影響なし(京都)
  ■ガソリン車と旅客列車衝突 米フロリダ、6人死亡(京都)
  ■バスレーンに違法駐車 社長ら書類送検 京都府警(京都)
  ■「のぞみ」西進 山陽路にデビュー(朝日)
  ■JR 3労組、スト入り 会社側は要員確保 運行ほぼ平常通り(朝日)
19日■「運行の主導権はJR」… 納得いかぬ遺族側 信楽鉄道事故処分(京都)
  ■信楽事故 JR運転士・会長ら不起訴 大津地検 遺族、不服審査へ(京都)
  ■「のぞみ」の門出 京のぞみちゃん祝福(京都)
  ■「JR責任ないなんて…」 信楽事故処分 遺族ら新たな怒り 高原鉄道側 無念さ「心境複雑」(京都)
  ■信楽列車事故 JR側の責任追求せず 大津地検 運転士ら7 人不起訴(朝日)
  ■高松−松山間 20分余り短縮 JR予讃線電化(朝日)
  ■8万人の足に影響 JR西労、終日スト(朝日)
  ■ひかり運転席ガラスにひび 広島駅で車両交換(朝日)
20日■京都駅ビルへの出店 伊勢丹に再考要望へ 高層化反対の4団体(京都)
  ■22−25日スト 運転影響ない JR西日本見通し(京都)
  ■22・23日平常ダイヤ 第二波JRスト(朝日)
  ■のぞみ号 開業2日目「のぞまぬ」故障 山陽新幹線ブレーキランプ異常(朝日)
21日■のぞみ臨時停車 タヌキはね? ランプ点灯(朝日)
  ■小倉山の残土放置問題 搬出1000`に結集した「怒り」 市民団体の55人が8回目登山 「JR忘れ物お届け」(朝日)
22日■480万人の足混乱か 25日の関西5私鉄スト(京都)
  ■乗客への影響なし JR西労のスト続く(京都)
23日■山陰、舞鶴線 平常通り運転 JR西日本のスト(京都)
  ■JR東海 初の滅収に 本年度見通し 新幹線の乗客伸びず(京都)
  ■来春の採用は横ばい JR東海が計画発表(京都)
  ■値上げに消極姿勢 JR西日本社長が会見 「苦しい状況でない」(京都)
  ■JR西日本は運賃据え置き 「来年度も」社長表明(朝日)
  ■JR東決算 初の減収 決算見通し(朝日)
  ■私鉄5社スト640万人に影響 関西で25日見込み(朝日)
  ■寝台急行4本が運休 25・26日のJRスト(朝日)
  ■妥協点求め少数交渉 スト控え私鉄大手労使(京都)
  ■信号機故障で通勤の足混乱 JR京都駅(京都)
  ■猿が架線に触れ「つばさ」遅れる(京都)
  ■JR京都駅で信号機が故障 1万人の足に影響(朝日)
24日■リニア線でも献金か 側近2社が受注に介在 聴取のゼネコンも 3500億円”利権”に参入(京都)
  ■”夢の超特急”へ金走る 金丸被告 蓄財の疑い 政治力で「山梨」決定 戸惑う運輸省など(京都)
  ■京都ライトハウス隣の千本通北行に近く”声のバス停” 市バス初 音声で行き先知らせる(京都)
  ■来月24、25日 SLを運転 JR福知山支社(京都)
  ■あす関西私鉄終日ストなら 京滋で55万人に影響(京都)
  ■JR東海会長 田中氏に内定 元中電社長(朝日)
  ■「信楽」事故で 社員6人処分 JR西日本(朝日)
  ■財政難で民営化加速 国鉄や郵便小包も対象に(朝日)
  ■私鉄労使、交渉大詰め あすスト控え妥結水準探る(京都)
  ■主要15駅集改札に近鉄が戦術ダウン(京都)
  ■私鉄大手はトップ交渉に スト突入は微妙(朝日)
25日■私鉄スト回避 1万3400円で決着(京都)
  ■表層深層 JR東日本 安定株主づくりへ内部資料 駅ビルテナントなどズラリ 批判をよそに身内意識強く(京都)
  ■JR大阪駅で信号機が故障 4万人に影響(朝日)
  ■SL走るぞ 来月24・25両日 福知山−和田山間(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
26日■JR西日本へ警告書 運輸省が事故多発で(京都)
  ■潮干狩りの魅力をPR JR京都駅前など 津からキャラバン隊(京都)
  ■JR東日本とJT株の上場 売り出し価格が焦点 証券界、市場活性化に期待(朝日)
  ■株式上場 JR東日本は10月中旬 政府方針 JTは来年1−2月(朝日)
  ■「新社会資本」軸に12兆円 整備新幹線 建設費を増強 景気対策 自民が骨格(朝日)
  ■不起訴に不服申し立て 信楽事故で「遺族の会」(朝日)
  ■運転士と車掌に執行猶予の判決 島原鉄道衝突事故(朝日)
27日■JR賃上げは4.51%回答 西日本など3社(朝日)
  ■高松高裁判事 列車にひかれ即死(朝日)
  ■'93春闘 賃上げより会社存続 野上電鉄廃線案で労組 私鉄集団交渉から離脱(朝日)
28日■叡電などスト中止 京滋、残る10社交渉続く(京都)
  ■リフトバス わずか2台 生活に困る 増やして… 障害者ら(朝日)
29日■韓国・釜山 急行脱線 63人が死亡 133人重軽傷 線路地盤崩れ転覆(京都)
  ■中小私鉄の8組合がスト(京都)
  ■京滋のストは中止(京都)
  ■列車脱線、63人死亡 韓国・釜山 地盤が崩落、けが130人(朝日)
  ■強風、ダイヤ乱れる JR山陰線余部鉄橋(京都)
  ■特急などが強風で停車 兵庫・余部鉄橋(朝日)
  ■瀬戸大橋5周年記念切符を発売(朝日)
30日■”金丸失速”でリニア暗雲 地価上昇で買収誤算も 予算確保に危機感(京都)
  ■特急 作業員はねる JR水戸駅 3人死亡、1人重体(京都)
31日■トンネル内の「のぞみ」風圧 ひかり・こだま亀裂の恐れ 0系500両補強へ 50億円で4年計画 天井部分など JR西日本(朝日)
  ■JR全社 経常減益見込む 93年度事業計画 西日本など5社減収(朝日)
  ■開業記念の入場券発売 KTR(京都)
  ■ロープウエー型のモノレールを開発 三菱重工・神戸製鋼(朝日)



1日■県「栗東新駅」誘致へ動く 品川新駅(99年開業)に照準 空港と並ぶ玄関口に 自民県連も東京で総決起
 滋賀県栗太郡栗東町に東海道新幹線の新駅を誘致する動きが、湖国で活発化している。6年後の99年にも予定される品川新駅開業への「相乗り」が狙いで、自民党滋賀県連が先ごろ東京都内で総決起大会を開き「(仮称)栗東新駅の早期実現」をアピール。地元栗東町は新年度から調査委員会を設けて新駅の候補地の選定を進める一方、県もびわこ空港と並ぶ湖国の新しい「玄関口」と位置づけ、誘致に本腰を入れ出した。
 先月18日、東京都内のホテルで自民党滋賀県連・新幹線新駅整備推進議員連盟(会長・山下元利代議士)の初の総決起大会が開かれた。地元国会議員、県議ら八十人のほか、党中央から三塚政調会長も出席し熱気にあふれたが、何よりも須田寛JR東海社長の出席がムードを盛り上げた。
 須田社長は「過密化でダイヤ編成に悩んでおり、大変難しい宿題をもらった。新駅設置について勉強していきたい」と慎重に発言したが、参加者は「社長が出席すること自体が異例。脈はある」と十分な手ごたえを実感した。
 栗東町の新駅誘致運動は78年、同町下鈎に新幹線保守基地設置が決まったころにさかのぼる。88年には大津市や湖南地域など3市11町が「栗東駅設置促進協議会」を設立。一時は近江八幡市と誘致合戦を展開したが、同年12月の県会で稲葉稔邦事が「県内の新幹線新駅は栗東を優先する」意向を表明し、県ぐるみの態勢が整った。
 一方、JR東海は過密ダイヤなど理由に「新幹線新駅はリニア中央新幹線の完成後までは難しい」と一貫して新駅を否定していたが昨年8月に車両基地を備えた品川新駅の「99年開業」が急浮上。現在の1時間11本のダイヤが15本に増強されることから、栗東
新幹線(仮称)栗東新駅誘致の経過
1978年栗東町下鈎に新幹線保守基地設置決定
83年2月栗東町内に新駅設置促進期成同盟会設立
88年2月3市11町で栗東駅設置促進協議会設立
3月東海道新幹線に掛川など新駅3ヵ所が開業
12月県会で知事が栗東周辺を優先して誘致すると発言
89年1月栗東町が新幹線新駅設置対策室を発足
4月栗東町が新駅設置の調査費計上(以降毎年)
90年2月栗東駅設置促進協に滋賀県も加入
6月JR東海の須田社長が新駅はリニア中央新幹線完成までは難しいと発言
92年8月JR東海が99年度完成を目指した東京・品川新駅建設計画を運輸省に報告
10月自民党県連が新幹線新駅整備推進議員連盟を発足
新駅誘致に弾みがついた。
 新駅誘致に6億円を積み立てている栗東町は、新年度にも調査費7300万円を計上し、有識者らによる専門委員会を設置。町内の沿線2`で新駅の候補地選定作業を進める。狙いは「まず新駅ありき」ではなく、湖南の玄関口にふさわしいまちづくりを練り「新駅必要論」を引き出すことにおる。
 猪飼峯隆町長は「新駅は町だけの問題ではなく、県都大津など湖南、甲賀地域全体のまちづくりに欠かせないという視点で取り組んでいる。品川新駅開業が99年ならば、時間はそんなにない。一日も早く候補地を絞り込む必要がある」と意気込んでいる。
 県も本年度の1500万円に続き、新年度にも2000万円の新駅調査費を計上。新駅の経済波及効果から駅の設計まで含めたグランドデザインづくりに着手した。
 県生活交通課の南部宏幸参事は「米原駅は北に偏り過ぎ、京都−米原間は東海道新幹線で最長の68.1`もある。県人口の7割近い80万人が利用できる栗東新駅こそ、県の玄関口にふさわしい」と新駅の必要性を強調。「新駅設置にいつでも対応できる態勢をつくる」と品川新駅に照準を合わせて作業を急いでいる。
 しかし、JR東海はいまのところ「品川新駅に伴う輸送力増強は毎年2%伸びる乗客数への対応で消える」と従来の姿勢を変えていないし、新駅誘致を表明している藤沢市、厚木市、静岡県などとの競合もある。仮に誘致に成功しても駅舎建設には100億円単位の資金が見込まれる。厳しい現実を乗り越えて「新幹線の湖南停車」を実現するには今後、県と栗東町だけでなく近隣市町の強力な後押しが必要になるだろう。(京都新聞)
■ロシアで列車爆発25人死傷
 【モスクワ28日共同】タス通信によると、ロシア北カフカス地方のチェチェン共和国で28日朝、ロシア南部のキスロボドスク発、アゼルパイジャンのバクー行きの列車の客車の一つで爆発が起き、乗客10人が死亡、15人が負傷した。
 ロシア鉄道省などの専門家が原因を調査中だが、爆発は客車内のコンパートメントで発生したという。(京都新聞)
■JR京都駅信号故障 ヒューズ切れが原因
 27日深夜、JR京都駅構内で信号機が故障し、赤信号のまま作動しなくなった事故は、同駅信号機器室内の電源ヒューズが切れていたためと分かり、ヒューズを交換して、発生から3時間後の28日午前1時半すぎ復旧した。
 JR西日本によると、この事故で、京都−高槻間の普通電車2本が運休したほか、東海道線、湖西線、山陰線などで60本が2時間10分から数分遅れ、約1万1000人の足に影響が出た。(京都新聞)
■ホームとの間に頭はさまれた 50人、電車押し救出 大阪・弁天町駅
 28日午後10時50分ごろ、大阪市港区波除3丁目のJR大阪環状線弁天町駅で、内回り電車(8両編成)が発車した際、ホームにいた大阪府四条畷市の男性(68)が電車の連結部分に倒れ込んだ。車掌が気づいて非常ブレーキをかけたが、電車が約5b動いて、男性の頭がホームと電車の間にはさまれた。このため、乗客約50人がホームに降りてホームとのすき間を広げようと車両を押し、救出した。男性は病院に運ばれたが、後頭部と右耳が切れて10日間のけが。
 港署の調べでは、男性は洒に酔っていて、7両目と8両目の間に倒れた。気づいた乗客が車両から降りて男性を引き上げようとしたが、後頭部が車両に、あごがホームの下側に引っ掛かり、「痛い、痛い」と悲鳴をあげた。
 乗客たちは、車両を押せばすき間が広がる、と判断、みんなで声を合わせて押した。
 救出劇は数分で、助け出された男性は、ほっとしていた、という。
 乗客の1人は「男性が倒れていたので、みんなで力を合わせて車両を押した。助かってよかった」と話していた。
 同電車は約10分遅れ、後続1本にも遅れが出た。(朝日新聞 夕刊)
2日■深草新駅、完成遅れる 京都市会予算委 地権者協議進まず
 京都市会の普通予算特別委員会が1日開かれ、都市計画局と都市整備局に対する質疑を行った。答弁の中で飯田正義都市計画部長は、JR奈良線・稲荷−桃山駅間(4.5`)の新駅(仮称深草駅)設置について「工期から逆算して、当初予定していた平成5年度内の完成は無理で、平成6年度に入らざるを得ない」との見通しを明らかにした。
 新駅は、伏見区深草大亀谷東寺町に設置が計画されている行き違い施設を備えた有人橋上駅で、総事業費は約12億円。同じ平成2年11月に位置を決めた同線の桃山−木幡駅間の宇治市六地蔵奈良町、六地蔵駅は、昨年10月に完成し、すでに開業している。
 これまで市は、昨年暮れまでに用地取得を済ませ、本年明け早々にも建設工事を開始する予定だった。その後の進ちょく状況について飯田部長は「現在、地権者との話し合いが進んでおらず、着工できていない。新駅に関する資料を関係地域に全戸配布するなど理解を求めている」と説明。
 そのうえで「工事期間は着工から18ヵ月かかるので、現実問題として平成6年度に入る。できるだけ早い時期に完成させたい」と理解を求めた。
 また同部長は、JR山陰線(嵯峨野線)の立体交差化事業に関連して二条−花園駅間の中京区西ノ京円町に平成7年度末の完成を目指す新駅について、「現地測量や、基本設計に関するJR西日本との協議を行っており、本年夏以降には都市計画決定に向けた地元説明会を開きたい」と今後の見通しを述べた。(京都新聞)
■大阪弁ポスター シリーズ最終回 大阪地下鉄内掲示へ
 大阪市は9−11日、昨年6月スタートした「大阪弁咲かそ」キャンペーンポスターのシリーズ第10弾(最終回)「もひとつや」を市営地下鉄内に掲示する。
 「もひとつや」は、巧みな話芸や話の成り行きしだいで千差万別の使い方ができる大阪弁。
 ポスターには落語家の桂米朝さんが登揚。「本当に、もうちょつとや、惜しいなあーという時もあれば、全然ダメ、という場合もあるし、その中間もある」と多様なニュアンスにふれ、説明しなくてもその場の雰囲気で「解(わか)る人にはそれで解かるのである」「相手を傷つけないために使うこともある」とコメントしている。
 市掲示板に約1ヵ月間張り出すほか、7−9日には関東の鉄道内に掲示する。(京都新聞)
■京の道 99 烏丸通(京都市北区−南区) 市電から地下鉄…常に動脈
 祇園祭の山鉾が色艶(つや)やかに並び、コンチキチンのお囃子(はやし)が聞こえる夏。銀行、証券会社などのビルが林立する四条烏丸かいわいは、古都の華やぎに包まれ、京都一のオフィス街にいることを忘れさせる。
 祇園祭山鉾の装飾品などを常設展示している北東角のさくら銀行(旧・三井銀行)京都文化財展示室が、見物客でにぎわうのもそんなころだ。「ここはビジネス街と商業街の交わるところ」と町の顔を解説する同室の今北昌宏さん(64)。1984年に明治建築の外壁の一部を残し改築したビルは、烏丸、四条通の両側でデザインに変化を付けている。
 烏丸通は、平安京の烏丸小路に当たる。七条停車場が1877年(明治10年)に開設され、明治後期に道路拡張と市電敷設が進んだことから、駅正面のメーンストリートになった。市電は1974年に廃止。代わって地下鉄が81年に開業し、京都市民の足を支える。
 86年に開通した新烏丸通(八条通−鳥羽道下ル)を合わせると、北は今宮通まで計8.17`、南北に走る現代の都大路だ。
 通り沿線には、東本願寺、阪急烏丸駅、京都商工会議所、京都御所、相国寺、同志社大学などがあり、風情豊かな辻(つじ)々の表情も見逃せない。
 仏具店、旅館、土産店が門前に軒を並べる真宗大谷派・東本願寺前。仏具店を営む森信三郎さん(69)は「昔、門前で商売しようと思う者は、みんな真宗に改宗したもんです」と昭和初期の参拝のにぎわいを思い浮かべた。烏丸通も遠慮するように門前をう回する。
 丸太町通を越えて北へ上がる。創業450年の御菓子司「とらや」は、今も菓子工場を御用場と呼ぶ。「昔はおふろに入って体を清め、真っ白な装束で製造していた」と振り返る京都店支配人の桂弘行さん(61)。京都御苑西側は閑静なたたずまいの美観地区。都心の喧騒(けんそう)がうそのようだ。(京都新聞)
■「のぞみ」増発 空はのぞまず 国際線と”W失速” 航空会社、滅便も 比較広告で懸命のPR
 JR新幹線「のぞみ」の大幅な増強を18日に控え、航空会社の顔色がさえない。大阪−東京便は昨秋の日本エアシステムに続き、日本航空も20日から減便を予定、全日本空輸も岡山−東京便などの「客離れは確実」と対応を迫られている。景気後退による国際旅客の減少で赤字を強いられているところへ、国内線も「のぞみ」で”矢速”しそうなだけに、各社とも頭を抱えている。
 JR西日本、東海は現在、新大阪−東京間で1日2往復運転している「のぞみ」を18日から、博多まで延伸して、毎時1往復のペースに増発する。大阪以西の停車駅は岡山、広島、小倉で、東京−博多は現行の最速「ひかり」に比べて40分短縮の5時間4分、新大阪−博多は同17分早い2時間32分となる。
 昨年3月、新大阪−東京に「のぞみ」が走り出して、真っ先に打撃を受けたのは日本エアシステム。同区間の旅客が前年同期に比べ10%以上も落ち込み、昨年11月から1日1往復に減便。今回のダイヤ改正で、社内にはその運航もJRに揺さぶられかぬないとの声もある。
 これまで「朝夕だけの『のぞみ』の影響はない」と強気だった日航も、毎時1本というダイヤの前では意気消沈気味だ。不況でビジネス需要も低迷していることから、1日7往復の同路線を20日から6往復に減便する。
 大阪−福岡便も心配のタネ。同路線は「のぞみ」よりも860円安くなることから、日航は巻き返しを期待するが、それでもダメなら減便となるだけに「18日以降、実績を見るのがこわい」と、営業マンはもらす。
 岡山−東京、広島−東京、名古屋−福岡便など、影響が最も大きいとされる全日空は、昨年12月から業界で初めて鉄道との比較広告を始めた。評論家や学者を登場させ、「飛行機の運賃は思っているほど高くない」とPRに懸命だ。
 「評判は上々」といい、他社までその効果に期待を寄せる。だが、ある中堅社員は「あちらは整備新幹線、次世代超特急と明るい話題が目白押しだが、現状のままでは、こっちは攻める材料が乏しい」と訴え、時間がかかりすぎると指摘される空港の交通アクセスなどの改善が今後の課題としている。(朝日新聞)
■ドアにベルト 女性引きずる 広島駅で新幹線
 JR広島駅の新幹線上りホームで28日午後、女性の乗客が発車する新幹線列車のドアにコートの飾りベルトをはさまれ、助けようとした運転士とともにホームから転落して重軽傷を負う事故があったことが1日、分かった。
 JR西日本広島支社によると、事故があったのは28日午後3時40分ごろ。発車間際の広島発東京行き「ひかり90号」の15号車に乗車しようとした横浜市の女性会社員(24)が、コートのそでの飾りベルト(幅3a、長さ15a)をドアに挟まれた。列車はそのまま動き始め、女性は列車に引っ張られる格好となった。ホームにいた博多発東京行き「ひかり20号」の坂上善英運転士(32)が助けようとしたが、2人とも30b先のホーム東端から1.8b下へ転落した。女性は両足や右手に軽いけが。ベルトは引きちぎれていた。坂上道転士も顔を打って1ヵ月の重傷を負ったが、「ひかり20号」を岡山まで運転した。(朝日新聞)
■神戸の電車とバス1日パスを発行へ
 神戸市内の鉄道やバスが1日中乗り放題になる共通パスが、運輸省に認可された。4月1日から半年間、市内全域で開催される「アーバンリゾートフェア神戸'93」の期間中の土、日曜や夏休みに「アーバンリゾートパス」として発行される。
 共通パスを発行するのは、JR西日本、阪急、阪神、山陽、神鉄、神戸高速、北神急行、新交通、市営地下鉄、市バスの10交通機関で、私鉄系バスなどは除く。利用範囲は神戸市内の駅や停留所に限られる。
 共通パスは、磁気カードで、JR西日本と市バス以外は自動改札機を利用できる。発行当日に限り有効で、料金は大人1200円、小学生600円。(朝日新聞)
■機関車2 両を車検切れ運行 JR西日本
 JR西日本敦賀運転所(福井県敦賀市)所属のディーゼル車2両が昨年11月19日、検査周期を超えた”車検切れ”状態で、京都府の向日町運転所から敦賀運転所までの約100`を自力で回送運転(有動回送)し、運行記録表にも記録されていなかったことが2日までに分かった。
 JR西日本金沢支社によると、2両はATS(自動列車停止装置)の機能などを調べる「交番検査」の周期(90日)が切れた状態だった。この2両は昨年9月、踏切事故に遭い、神戸市の鷹取工場で修理を受け、その後向日町運転所に点検のため運ばれていた。
 また、この約100`の走行距離は、運行記録表にコンピューター入力されず、記載もされていなかった、という。
 同支社では「『災害などのやむを得ない理由』で検査切れの車両を検査施行揚所へ移動するのは、運輸省令でも認められており、一切問題はないと考えている。運行表については、ソフトの関係で入力がうまくいかず、今年2月に修正を済ませた」と説明している。
 運輸省鉄道局は「けん引による無動回送の方がより好ましいが、今回のケースは事故のための特例に当たり、省令上問題はない。運行記録も修正に手間取ったが、特に問題ではない」としている。(京都新聞 夕刊)
■「高さ緩和は都計法違反」 JR京都駅ビル高層化 市の決定無効求め市民ら提訴 京都地裁 「景観を破壊する」
 JR京都駅の高層改築計画をめぐって、京都市が高さ制限を緩和する都市計画決定をしたことに対して、同駅周辺住民や市民ら606人が2日、「駅高層化は京都の歴史的景観を壊すうえ、高さ緩和の決定は都市計画法に違反する」などとして同市を相手に、都市計画決定の無効確認などを求める訴えを京都地裁に起こした。JR京都駅改築をめぐっては市民団体が、駅ビル開発会社に出資する同市を相手に、出資金の返還を求める住民訴訟を起こしているが、高さ制限の緩和を直接の対象とするのは今回が初めて。
 訴えたのは、JR京都駅改築に伴う区画整理事業区域内の住民や隣接地域の住民ら27人と同駅利用の市民ら579人。
 訴えによると、JR京都駅改築計画は1985年4月から始まり、建築家7人の参加した指名設計競技の結果、91年5月、高さ59.8bの設計案が選定された。駅周辺の高さの上限は31bだったため、京都市は、高さ制限を緩和する特定街区制度の導入を決め、昨年9月、同制度導入の都市計画変更案を縦覧、同12月、都市計画決定した。
 住民らは、設計案による駅ビルが高さ約60b、東西の長さ約480bになることから「東山などの山並み、京都独自の町並みなどが見えなくなり、歴史的景観が破壊される」としたうえ▽特定の建物のための都市計画変更は、都市計画法に違反▽特定街区の指定には「交通の支障がない」ことが条件だが、計画では慢性的な交通渋滞を一層激化させる▽変更案を審議する京都府、京都市の審議会の構成メンバーに行政関係者が多数含まれており、公正でない−などと主張、計画決定の無効確認とその取り消しを求めている。
決定に違法性ない
 竹澤忠義・京都市都市計画局長の話 無効確認の訴えが起こされたとのことだが、府をはじめ関係機関と協議を重ね、専門的な検討を経て都市計画決定の手続きを進めたもので、違法性はないと考えている。(京都新聞 夕刊)
■雪で新幹線遅れる 7万人に影響
 東海道新幹線は2日、滋賀県・米原地区の降雪のため名古屋−新大阪間で始発から上下線とも時速120−170`の速度規制をした。このため、東京発新大阪行き「のぞみ301号」が新大阪駅に22分遅れて到着したのをはじめ、上下76本が4分から16分遅れ、約7万人の足に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■モシモシハイハイ 「西院」の正しい読み方は 昔は「サイ」と呼んだが 現在では「サイイン」に
 京都市右京区にある「西院」の読み方についておたずねします。京福電鉄嵐山線の駅名は「サイ」となっていますが、阪急電鉄京都線では「サイイン」となっています。なにか理由があるのでしょうか−と東京都新宿区の方から。
 〈京都〉は、日本のふるさとといわれるほど古い都で、地名にもいわれのあるものが多い。西院も例外ではなく、京都名所図絵によると「平安初期、淳和天皇の離宮淳和院のあったところで、淳和院を西院といったところから地名となったといわれる。また、一説には平安京右京の佐比(さひ)大路にあたるからとも…」とあり、京都故事物語(奈良本辰也編)には「西院の高山寺にある地蔵とその足元に並ぶ百数体の石仏とを徳川時代に西院磧(サイのカワラ)の池蔵といった…」とあり、むかしは「サイ」と呼ばれていたようだ。
 〈京福電鉄〉では「嵐山線の開通は明治43年。当時は土地の人が”サイ”と呼んでいたので地名をとって駅名にした。また、地蔵和讃に出てくる賽の河原は西院の高山寺付近ともいのれている」といっている。
 ところで、西院は昭和6年に京都市に編入(それ以前は葛野郡西院村)されているが、そのとき「京都市内の町名を改称する」との京都府告示(391号)が出ている。同告示で西院は「サイイン」と呼ぶと、ふりがなつきで示されている。京都市役所では「以前はどう呼んだかは知らないが、市ではそれ以後、市税の納税通知書など公式文書は、すべて”サイイン”で統一している」という。
 〈歴史書〉などをみるかぎり「サイ」が正しいようで、いまでも土地の古老は「サイ」といっている。しかし、新しい住民が増えるにしたがって、常識約なヨミ方ともいえる「サイイン」が一般化したようだ。阪急電鉄の京都線が開通したのは昭和3 年末。同電鉄では「初めから”サイイン”。理由はわかりませんが…」といっているが、そのころになると「サイイン」の呼び名が「サイ」より一般化していたのかも。修学院(シュガクイン)が、いまでは「シュウガクイン」と呼ばれるのが一般的になっているように、京都ではいわれのある地名が、”現代風”の呼び名によって変遷をたどるケースがままあるようだ。(京都新聞 夕刊)
■ダイヤ改正の18日にストも JR西労が方針提起
 JR西日本労働組合(JR西労、約4400人)は2日午前、大阪市内でで中央委員会を開き、乗務員勤務制度の見直しが実施されるダイヤ改正実施日の18日からストで対抗するなど、春闘に向けた闘争方針を提起した。同日夕にも採決の見通し。労使が折り合う可能性は低く、ダイヤ改正の初日に列車が乱れるおそれも出てきた。 奥島彰委員長は「昨年暮れの96時間ストでも成果がなかった、という批判もある。苦しいときだが、現状を打ち破れる論議を」と訴えた。ストの期間や線区など細かい戦術については、この日の結果を踏まえ、10日の中央闘争委員会で決める。(朝日新聞 夕刊)
3日■排ガス黒煙濃度 最高で90%減る 京都市の低公害バス 予想上回る好結果 騒音もやや小さく 難点は経費面
 京都市交通局は2日開かれた京都市議会事業予算特別委員会で、一昨年末に導入した低公害バスの効果について報告した。燃費は若干悪くなるものの、排気ガスの黒煙濃度が最高90%も減るなど、予想以上の好結果が出ていることがわかった。使用している低公害バス1台は、動力部分がディーゼルエンジンと電気モーターを組み合わせてある。大気汚染の元凶である黒煙や二酸化窒素など窒素酸化物の濃度が一段と濃くなる加速・発進時に、モーターが動力を補ってエンジンの負荷をおさえる仕組み。
 窒素酸化物濃度は、メーカー測定でディーゼルエンジンのみの一般車に比べて20−30%減少。黒煙濃度は、市交通局が独自に測定した結果、保安基準より80−90%も減ることがわかった。騒音も3デシベル(保安基準は83デシベル以下)小さくなった。
 ただ燃費が8.6%も増えているのと、モーターを回す充電用バッテリーが25個(一般車は2個)もついていることから、その更新時に経費が多くかかるのがマイナス面。
 もう一つの大きな問題は車の購入費。一般車が1700万円なのに対して、低公害車はそれより700万円は高い。市交通局は「今回だけは国と市当局の補助で負担は少ないが、経営的に苦しいこともあり、財政面をにらみ合わせながら順次、低公害バスを導入していきたい」としている。(京都新聞)
■西成の火事 線路に煙 36本運休
 2日午後2時50分ごろ、大阪市西成区太子1丁目、簡易宿泊所「ホテル一平」(若林嘉昭さん経営)から出火、木造2階建ての同簡易宿泊所延べ300平方bのうち、150平方bが焼けた。火は西側のマージャン店「福家」(福田キヨ子さん経営)に広がり、木造3階建ての同マージャン店延べ400平方bのうち2、3階部分120平方bが焼けた。この火事で、簡易宿泊所2階に住んでいた女性(53)が軽い一酸化炭素中毒で病院に運ばれた。
 現場は、JR環状線新今宮駅の東側約30b。大阪環状線に一時は猛煙が立ち込め、環状線などの電車36本が運行を取りやめた。43本が最大1時間8分遅れ、約2万4000人の足に影響が出た。
 同簡易宿泊所には約20人が住んでいる。出火直後、宿泊所にいた数人が避難したほか、マージャン店西隣の社会福祉施設に入所中の約100人が一時避難した。(朝日新聞)
■福岡、空の窓口へ地下鉄乗り入れ 中心部と直結
 全国で初めて地下鉄で空港と都市中心部を直結する福岡市営地下鉄の福岡空港−博多駅間(3.3`)が3日、開業した。九州の陸の玄関口、JR博多駅と5分、中心部の天神とも11分で結ばれることになり同空港利用者には一層便利になる。
 同区間の開業で同地下鉄は計画全線が完成。JRや私鉄を通じて佐賀県唐津市を含む福岡市圏のレールによる交通網が確立した。(京都新聞 夕刊)
■脱線事故が相次ぐJR西日本に注意 近畿運輸局
 近畿運輸局の福島義章局長は、JR東海道線茨木駅での貨物脱線事故など、JR西日本で重大な事故が相次いでいることから3日、同社の井出正敬社長を呼び、安全確保のため緊急の総点検をするよう文書で異例の指示をした。
 昨年8月、運転士が信号の確認を怠ったため山陰線安栖里駅で普通電車が脱線、1月30日には東海道線神戸駅近くで快速電車が脱線した。2月24日の茨木駅の事故では、駅員のポイント捜査ミスが原因とされている。(朝日新聞 夕刊)
4日■地下鉄東西線 遅れは8工区で 副本部長が市会委答弁「読み甘かった」
 京都市会の事業予算特別委員会は3日、交通局予算案を審議。地下鉄東西線の完成時期の遅れについて、浅賀博高速鉄道副本部長は「工事が7年度にずれ込む工区は、25のうち8工区」と説明し、「関係機関との詰めの中で、当初考えていたよりも難しい問題が出てきた。読みが甘かった」と答弁した。
 東西線は当初平成6年度(1994年度)末完成の予定だったが、今市会の本会議で田辺朋之市長が8年(1996)末までの遅れを表明した。
 浅賀副本部長は、7年度に工事がずれ込む工区として山科駅、御陵駅、三条京阪、市役所前など8工区をあげ、ルート上に計画されている再開発事業の遅れや、道路使用の制限などから工法の変更を迫られるなど、当初計画との見込み違いを説明した。
 南区の交通局九条営業所用地の高度利用計画については、富松賢三理事が、核施設の建設コンペの要綱は3月中にまとまるが、コンペの実施時期は景気動向もみながら決めていくとの考えを示した。また、北区の地下鉄烏丸線北大路駅のバスターミナル敷地を有効利用した都市再開発事業「キタオオジタウン」について、富松理事はターミナル全体の完成時期は平成7年(1995)2月だが、バスターミナルは5年12月に完成させる予定だ」と述べ、また地下施設であり、バスの排気ガス対策が重要になることから、同理事は「学識経験者による検討委員会から、おおむね支障ない、との報告は受けている。エアカーテンや防音シャッターなどで対応する」などと答えた。
 市バスの接近状況を利用者に知らせるバスロケーションシステムの設置計画については、理事者側が、新年度約70基の設置で合計170余基となり、主要個所はほぼカバーできるとの見方を示した。(京都新聞)
■視評 市バスの遅れ不可避か
 「市バス停留所の時刻表は、利用客を愚弄(ぐろう)している」。3日の京都市会事業予算特別委。つい最近、寒風のなかで40分もバス待ちしたという大道義知議員が理事者にかみついた。
 市バスが時間通りに到着することは、奇跡に近い。それなのに、時刻表はごていねいにも「13時28分着」といった具合に、分単位まで書いてある。どうせ定時に来ないなら、10分、30分といったおおざっばな書き方のほうが親切というものだ、との憤りである。
 三浦貞義自動車本部長は「遅れは出ているが、局としては時間通りの運行を目指しながらがんばりたい」と答弁した。
 これだけ交通事情が悪いのだから、市バスの遅れは不可避といっていい。それならいっそ、現行の時刻表は到着の「目標」「目安」ですよ−と、素直に市民の理解を求めたらどうだろうか。
 「時間」にこだわるわけではないが、もうひとつ。
 地下鉄東西線の完成時期の遅れが論議になった。依田満交通局管理者は、遅れると分かっているのに、予定通り完成できるとごまかしてきた、との見方もあろうが、内部や業者を引き締める意味でも当初工期を譲れなかった、と弁明した。これには谷口弘昌議員が、それは企業の側にたった答弁だ、とぴしゃりとやった。
 いずれの論議も行政内部の予定「時間」の問題であって、市民感覚と隔りがある。「市民の気持ち」を、「交通局がつねに念頭に置いているかどうかという、基本姿勢の問題だ。(京都新聞)
■地下15bから救出 京都市消防局 地下鉄東西線の工事現場で訓練
 春の火災予防運動期間中の3日、京都市消防局は山科区東野の市営地下鉄東西線工事現揚で消防訓練を行った。地下の掘削現場で消火や作業員の救出訓練を繰り広げた。
 同地下鉄での消防訓練は、2年前の東山トンネル工事現場に続いて2回目。「東野駅」予定地の工事入り口から90b離れた掘削現場から出火、地下15bの現揚で作業員3人が取り残されたとの想定。消防車、救助車など車両5台が出動して行われた。
 訓練では、数人の作業員が訓練用に燃やされた布類を消火器で消し止めた後、工事用のクレーン車を使って、地下に取り残された作業員に摸した人形をつり上げた。訓練では他の工事区間で作業中の工事関係者ら約40人も訪れ、防火、安全の徹底を期して熱心に見学していた。(京都新聞)
■地下鉄堺筋線 延伸の記念乗車券 きょうから発売
 大阪市交通局は地下鉄堺筋線の動物園前−天下茶屋間の開通に合わせ、4日午後1時から記念乗車券を発売する。
 乗車券は新世界の通天閣や天王寺動物園をメーンに、左端には堺筋線を走る「66系車両」をデザインにあしらう。乗車区間は動物園前−天下茶屋間(大人160円)、天神橋筋六丁目−天下茶屋間(同230円)の各2枚の4枚つづりで1部780円。
 地下鉄・ニュートラムやバスの定期券発売所、観光バス案内所など174ヵ所で計2万部を販売する。(京都新聞)
■堺筋線が延長開業
 大阪市営地下鉄堺筋線の動物園前−天下茶屋間1.5`(同市西成区)が4日午後1時から開業。天下茶屋駅ホームで西尾正也・大阪市長らがテープカットをして開業を祝った。
 同区間は地下鉄御堂筋線のラッシュ緩和のため昭和57年に着工。天下茶屋駅は、3枚までの硬貨を同時に投入できる、投入口の幅が広い新機種の券売機を全国で初めて導入した。
 阪急京都線、千里線を含む計4線が天下茶屋駅で南海本線、高野線と接続、大阪南部や和歌山方面への乗り継ぎがスムーズになる。(京都新聞 夕刊)
■消防士長 JR神戸線電車内
 兵庫県須磨署は3日夜、JRの快速電車内でスリをしたとして窃盗の疑いで、神戸市垂水区青山台、神戸市消防局東灘署の消防士長、朝比奈寛容疑者(35)を逮捕した。
 調べでは、朝比奈容疑者は同日午後6時45分ごろ、神戸線兵庫−須磨駅間の快速電車内で、北区中の同市内の女性会社員(25)のショルダーバッグから現金約1万7000円入りの財布をスリ取った疑い。
 電車内の近くにいた別の男性会社員が様子のおかしい朝比奈容疑者に気付いたことから犯行が分かった。(京都新聞 夕刊)
5日■JR宇治駅駅ビル 市の改築計画評価 11年目に推進懇答申
 JR宇治駅駅ビル構想推進懇談会(谷岡武雄委員長)はこのほど、宇治市が新年度予算案のなかで明らかにした駅舎改築計画について「現実的な対応策として評価する」と、池本正夫市長に答申した。1982年に第1回想談会を開いて以来、11年目の答申。同懇談会は「駅ビル構想は難しい」と中間答申しており、池本市長が去年12月の市長選挙で4期目の公約として掲げた改築プランを認める内容となった。
 市は新年度予算案で、同駅舎の改築計画として▽駅舎を橋上化する▽駅北側に広場を整備する▽駅舎とつながった公共的施設の整備▽96年に完成予定、としていた。答申は、この計画について「懇談会で議論し、確認した内容は基本的に反映されている」としている。そのうえで、市民や関係団体と密接な連携をとるよう要望し、事業実施に際しては答申の趣旨を反映させるよう求めている。
 市はこの改築計画を95年に着手し、翌96年に完成させたい、としている。答申に対し池本市長は「これまでの経過や答申内容を10分尊重する中で、一刻も早く事業に着手したい」としたコメントを発表した。(朝日新聞)
■小倉山の残土放置問題 府に許可書公開請求 住民団体「森林法違反の疑い」
 古都保存法による歴史的風土特別保存地区に指定されている京都市右京区の小倉山にJR西日本がトンネル工事残土を放置している問題で、住民団体「草の根の連絡会」(沢井清・代表世話人)が4日、「原状回復しないのは森林法違反の疑いがある」として、小倉山保安林内への残土搬入を許可した府に対し、府情報公開条例に基づき、許可書などの公開を請求した。
 保安林内で樹木の伐採や土砂の移動などをする際は知事の許可が必要で、JR西日本は1982年以来、5回にわたって小倉山保安林内での作業の許可を得ている。しかし、昨年、JR側は当初予定していた残土搬出による原状回復をあきらめ、土盛りや植栽で山容を整える是正計画を打ち出し、土地所有者で古都法などに基づき現地を管理している京都市もこれを認めている。
 同連絡会は、残土を搬出しないのは、保安林が目的としている災害防止や、風致の保全などに反する、と指摘。これまで府がどのような条件で保安林内での作業を許可してきたのかを明らかにし、場合によっては、森林法違反でJR側を告発する、としている。
 これに対し、府森林保全課は「森林法は原状回復にまで触れておらず、残土の上に植樹することによって保安林の目的は達せられる」と話している。(朝日新聞)
■JR快速電車また行き過ぎ 元町駅
 5日午前7時半ごろ、JR東海道線の元町駅で大阪発姫路行きの快速電車が停止線を約230b行き過ぎて停車した。電車はバックして約40人の乗客を乗り降りさせ、約4分遅れで発車した。JR西日本によると、運転士(34)は「通過駅と勘違いした」と話しているという。
 同社の停止位置の行き過ぎは、最近相次いでおり、1月に3件、2月に5件で、今年に入って9件目。(朝日新聞 夕刊)
6日■近鉄特急と軽トラ衝突 精華町の踏切
 5日午後9時33分ごろ、京都府相楽郡精華町菱田西ノ口、近鉄京都線三山木6号踏切(警報機、遮断機付き)で京都発奈良行き下り特急電車と、同町菱田アツイ、会社員吉川勝次さん(67)運転の軽トラックが衝突。軽トラックは電車の下に巻き込まれ、約20b引きずられて大破した。吉川さんは衝突の前に逃げ、無事。電車の乗客約150人にもけがはなかった。
 木津署の調べでは、吉川さんが踏切を東から西へ渡ろうとして脱輪したところへ特急電車が近づき、衝突した。
 この事故で近鉄京都線は下りの新田辺−高の原間が不通となり、特急電車の乗客はJR片町線下狛駅で振り替え輸送し、後続電車の乗客はこの間をJRと臨時バスへ振り替えた。6日午前零時35分、復旧したが、同線は下りの特急が運休、急行なども新田辺で運転を打ち切り、上りも特急、急行7本が運休した。(京都新聞)
■16日以降にストを設定 JR西日本労組
 JR総連傘下のJR西日本労組(JR西労、奥島彰委員長、約4300人)は5日、ストを16日以降に構えて乗務員勤務制度の見直しなどに反対する、とJR西日本や労働省などに通告した。具体的な日時や線区などについては10日に決めるが、重点対象のブルートレインで影響が予想される。同じ総連系のJR東海労(佐藤政雄委員長、1250人)とJR九州労(北弘人委員長、1350人)も同様の通告をした。
 戦術の細かい内容は10日の中央闘争委員会で決めるが、昨年暮れの96時間ストとは異なり、組合員が部分的に参加する比較的小規模なものになりそう。
 しかし、常務キロの延長で乗務員が従来の2人から1人になる下関−広島間のブルートレインについては、4月まで食い込む長期間のストも辞さない構えで、乱れが出そうだ。(朝日新聞)
■駅ビル改築や ポンポン山問題 京都市会委でただす
 京都市議会の普通予算特別委員会が5日開かれ、JR京都駅の駅ビル改築高層化問題で、山中渡委員(共産)が、景気後退によってJR側がホテル部分の投資経費の削減を発表していることなどを取り上げ、市の対応をただした。これに対して井尻浩義・活性化推進室長は「JRからは経済状況を考えた一般的な経費削減との説明を受けている」と答え、計画変更の考えがないことを明らかにした。
 また、昨年市が買収したゴルフ場計画跡地のポンポン山の利用計画についてただされたのに対し、市側は現在、庁内に設けた市内周辺地域振興方策等検討委員会で「なるべく土を動かさない利用方法を考えている」などと説明。今月中にいくつかの案を提示できることを明らかにした。(朝日新聞)
■帽子拾いに… はねられ即死 出雲の踏切で小1
 6日午前8時3分ごろ、島根県八束郡東出雲町下意東のJR山陰線磯近踏切(遮断機、警報機つき)で、集団で登校していた近くの会社員藤本吉二さん(35)の長男で同町立意東小学校1年司君(7つ)が、出雲市発米子行きの普通列車(6両編成)にはねられ、全身を強く打って間もなく死亡した。
 松江署の調べでは、司君が、踏切に落ちた帽子を鳥に戻ろうとして、遮断機をくぐり抜けたところへ、列車が来たらしい。(朝日新聞 夕刊)
7日■信号機配線 切断される JR奈良線・城陽駅
 6日午後7時50分ごろ、城陽市寺田林ノ口のJR奈良線の城陽駅で、構内の下り線用の信号が突然、作動しなくなった。JR西日本は、駅員による手信号と無線による誘導に切り替えたが、上下19本の列車が最高32分遅れた。
 城陽署とJR西日本の調べでは城陽駅の北400bの線路わきに設置された鉄製の場内信号機ボックスがこじ開けられ内部の配線のうち3本が切断されていた。(京都新聞)
8日■25b超す風 運休や遅れ JR湖西線
 7日午後3時50分ごろ、JR湖西線の滋賀県滋郡志賀町荒川付近で毎秒25bを超す強風を記録し、同線は約2時間にわたり志賀−北小松駅間の運転を見合わせた。
 JR西日本広報室によると、この風の影響で富山発大阪行き特急雷鳥34号が近江今津駅で立ち往生し、1時間44分の遅れを出すなど特急、普通の計32本が遅れた。また堅田−近江今津間などで普通上下14本が運休、湖西線を通過する特急4本が東海道線にう回した。(朝日新聞)
9日■往復など24種 割引切符廃止 JR西日本、17日で
 JR西日本は8日、往復タイプや回数券タイプなど24種の割引切符を17日限りで廃止する、と発表した。
 廃止されるのは、大阪−米子方面間を新幹線ひかり・こだまと特急「やくも号」の普通車自由席利用する往復タイプや、大阪−北陸方面を結ぶ特急グリーン車の回数券タイプの割引切符。割引率は種類により6.6%から36.6%まで。京滋関係では▽京都−奈良、京都−宇治、京都−天理、の各割引回数券▽京阪神地区(54駅)から湖西線・和邇−近江今津間までの割引往復切符、などが廃止される。(京都新聞)
■割引切符また廃止 24種「集客効果が薄い」 JR西日本
 JR西日本は8日、「新幹線&やくも」など24種類の割引切符を18日のダイヤ改正から廃止すると発表した。同時に3種類の割引切符を発売する。
 JRの割引切符の大幅な見直しは、帰省ラッシュ時の「新幹線エコノミーきっぷ」の使用制限や、往復で割引になる「Qきっぷ」などの廃止に次いで、最近では3回目。
 廃止されるのは、大阪−米子間などを新幹線と特急「やくも」の普通自由席で乗り継ぐ時に割引になる往復切符「新幹線&やくも」や、大阪−北陸間の特急グリーン席の回数券「北陸(大阪)グリーンきっぷ」、大阪−広島間の新幹線グリーン席の往復割引切符「広島(大阪)グリーン&グリーン」など。
 24種類の割引率は約7−36%で、91年度の売り上げは計約44億円。
 新発売されるのは、「新幹線&やくも」の米子地区発で大阪を往復するケースだけを残した形の「大阪往復割引きっぷ」や、廃止する「北陸グリーンきっぷ」の割引率24%を8%にする大阪−北陸間の「北陸線グリーン特急回数券」など。
 廃止の理由についてJRは「割引切符は割り引くことで、客が集まり、割引前よりプラスになることを目指しているが、バスなど他の交通機関の影響などで、そのメリットが薄くなっているところを見直した」と話している。(朝日新聞)
■のぞみ走れば砕石飛散 山陽新幹線 高い風圧、急ぎ改良
 JR西日本は9日、山陽新幹線で行われている「のぞみ」の試運転中に、線路内に敷いてあるバラスト(砕石)が飛び、兵庫県内の沿線の車や民家の窓ガラスに当たってひびが入る事故が2件あったことを明らかにした。車両の床下の風圧が高かったことが原因とみて、風圧の影響を抑える対策を進めているという。
 ひび割れがあったのは、1件は去年12月25日午後11時半ごろ、兵庫県明石市二見街の駐車場に止めてあった車の窓と、2件目は2月11日午後11時半ごろ、同県高砂市北浜町の民家。いずれも、近くに子どものこぶし大のバラストが落ちていた。
 同社は、試運転中の「のぞみ」が通過した時刻と一致することから、「のぞみ」の影響と推定。同社の「のぞみ」の床下の風圧が、JR東海の「のぞみ」より高いことがわかった。(朝日新聞 夕刊)
10日■地下鉄東西線 8年完成に全力 市会で京都市長 2年遅れを陳謝
 京都市会の事業予算特別委員会が9日開かれ、市長と助役に対する総括質疑が行われた。田辺朋之市長は地下鉄東西腺の完成が2年近く遅れることについて陳謝の意を表明するとともに「平成8年中にはぜひ完成させたい」と改めて決意を語った。
 議員からは地下鉄東西線の完成延期についての質問が相次ぎ、田辺市長は1996年(平成8年)中の工事完成を期することを強調すると同時に、「工事の延期が市民の日常生活や事業の上でも、迷惑をかけることになった。心からおわびをしたい」と述べた。
 地下鉄工事の遅れによる事業責の増加について、佐藤達三助役は「現在、財政的な詰めを急いでいる。全体の額は積算内容を精査したうえで報告したい」と答弁。依田満交通局管理者は「算定には6ヵ月程度の時間をいただきたい」と述べた。
 議員からは烏丸線(竹田・北山間)建設の際には完成時期の見直しが8回、建設費が583億円から3600億円にふくれあがったことなどが指摘され、平成8年末完成をも危ぶむ声が出されたが、佐藤助役は「今年度末までに山科駅工区の部分着工に入り、全局一丸となって最大限努力し8年末の完成を図りたい」と繰り返した。
 市公共下水道の対象地域に新年度から、市街化調整区域の一部が編入されることに伴う費用負担の問題について、田辺市長は「まだどうするか決めていない。秋ごろの事業認可を踏まえて、それまでに結論を出す」と答えた。(京都新聞)
■ホームに電話設置 来月から 地下鉄烏丸線の全駅
 京都市の地下鉄烏丸線全駅のプラットホームに公衆電話が近く設置され、4月初めから利用できることになった。
 9日の京都市会事業予算特別委員会で依田満交通局管理者が、巻野渡議員(自民)の質問に答えて明らかにした。
 烏丸線13駅のうちホームの公衆電話があるのは現在、竹田駅(3台)のみ。ホームに電話がないと不便との乗客からの声もあり、京都市がNTTと協議して設置することになった。北山−京都間の各駅とくいな橋駅に各2台、九条、十条駅に各1台置く。(京都新聞)
■回送列車に異常信号 東海道新幹線 京都−新大阪間 「のぞみ」増発でATC工事ミス
 今年2月、JR東海道新幹線京都−新大阪間下り線で自動列車制御装置(ATC)が故障、時速120`の速度規制区間を走行中の回送列車に誤って時速170`の速度信号が流れる異常があったことが9日、JR関係者の話で分かった。
 ATCは、レールに流した信号電流で列車の最高速度を制御する安全装置だが、制限以上の速度を表示する異常はほとんど例がない、という。
 JR東海は「のぞみ」の毎時1本運転を盛り込んだ今月18日のダイヤ改正に備え直前に実施したATC工事が故障の原因だった、として直ちに改善措置をとった。
 異常は、2月12日午前9時すぎ、大阪第一車両所(大阪府摂津市)から新大阪駅に向かっていた回送列車の運転士が同駅手前約7`の本線を走行中、通常の制限速度以上の170`を示すATC信号がパネル表示されているのに気付き、発覚した。同様の表示は、分かっただけで同日の10本の回送列車で見つかった。
 ATCは、制限速度に従って自動的にブレーキ作動する、新幹線の安全を支える根幹システム。
 事態を重視したJR東海が緊急に調査したところ、前日夜間に実施したATC信号回路の配線工事でプログラムミスがあったためと分かり、12日の終列車後プログラムなどを改善した。(京都新聞)
■ATCプログラムミス 回送新幹線に異常信号
 東海道新幹線京都−新大阪間下り線で今年2月12日、ATC(自動列車制御装置)に異常が起き、回送列車に対して通常の制限速度(時速210`)を超える速度信号(170`)が流れていたことが9日、わかった。ATCの信号回路のプログラムミスらしい。営業列車への影響はほとんどなく、安全上も問題はなかった、とJR東梅はいっている。
 JR東海によると、異常信号が流れたのは、同日の回送列車計10本。いずれの列車も大阪第一車両所(大阪府摂津市)の引き込み線から本線に入って新大阪駅に向かう途中、制限速度を超える最高170`が運転台に表示された。現場では、通常は最高速度210`の信号が表示されることになっているため、運転士が異常に気づき、列車指令に連絡した。実際の運転速度は70`をやや上回る程度だったらしい。
 現場を走る営業列車に対しては通常どおりの170`信号が出ていた。今月18日のダイヤ改定で「のぞみ」が毎時1本態勢になるのに備えて、当時、同車両所の信号機器室ではATC信号回路の配線工事が行われていた。
同社はその際、回路にプログラムを誤って入力してしまい、回送列車に対してのみ異常信号が流れたとみている。(朝日新聞)
■高速バス速度オーバー 高松・高知間 速さが売り物 ダイヤ設定に無理
 「速さ」と「割安」を目玉に、JR四国を含む香川、高知両県のバス会社4社が運行している高松−高知間高速バス「黒潮エクスプレス号」の多くが、ゆとりのないダイヤなどの影響で、四国横断・縦貫自動車道で制限速度を超えて走っていることが9日、四国運輸局の調べでわかった。指摘を受けた4社はこの夏にダイヤを見直し、所要時間も延長することを決めた。
 黒潮エクスプレスは昨年10月から5社が共同運行を始め、1日12往復している。高松−高知間を「1時間55分」(列車平均2時間19分)で結ぶ速さと片道3300円(同4530円)という安さから、ビジネス客を中心に人気がある。
 同運輸局の調べによると、昨年12月の年末年始輸送安全総点検などで運行記録を調べたところ、約8割の便に制限速度(70−100`)超過があり、うちの4割は10`以上オーバーしていた。なかでも朝夕のラッシュ時に両市街地を走るバスに遅れが目立ち、それを高速道路で取り戻そうとスピードオーバーしていたようだという。
 こうしたことから四国運輸局は「1時間55分というダイヤ設定に無理がある」と判断、ダイヤの見直しをするよう昨年末、口頭で指導していた。
 これを受けてバス4社は「夏に朝夕の便の所要時間を延長するなど適正なダイヤを作成することにした」という。この路線に運行させている四国高速バス(本社・高松市)の白川統人支配人は「現在は、ダイヤより遅れてもいいから制限速度を守るよう、乗務員に徹底し、速度超過はしていない」と話している。(朝日新聞)
■地下鉄2号線を着工 ソウル 技術と資本は自前
 【ソウル9日=小栗特派員】韓国の首都ソウルの地下鉄2号線の起工式が9日行われた。1号線建設をめぐっては日本の借款供与にからんで商社連合が韓国の有力者にリベートを支払ったなど疑惑が渦巻いたが、2号線は韓国独自の技術と資本によって賄われることになった。
 計画によれば、2号線はソウル市内を走る循環線で延長48.8`、総工費3392億ウォン(約1700億円)が投資される。このうち建設が始まったのはソウル中央を東西に流れる漢江以南の新興住宅地を走る30`b、1692億ウォン分である。うち一部の約10`は80年に開通し、残りは82年に開通する予定である。漢江以北はこのあと工事にかかる。
 資金はソウル市が発行する地下鉄債、ソウル市予算が主体で、一部輸入品は政府保有外貨が充てられる。土木工事は国内技術によって行わわるうえ、車両も国産が充てられる。このため輸入されるのは信号などごく一部に限られると外交筋は語っている。
 この2号線(循環線)建設については、日本の国際協力事業団が調査団を派遣したことがあった。しかし、これは循環線の漢江以北部分で、今度着工した漢江以南部分とは巽なる。韓国側は初め以北部分から取りかかる予定だったが、その後以南にまず手をつけることになった。以南部分が韓国独自の技術と資本によって建設されることから、それ以降に手がつけられる以北部分についても日本側が食い込む余地はないとの見方が強い。
 日本の国会では、2号線に日本が調査団を派遣したことから、再び建設工事に介入するのではないか、と野党が追及の構えをみせていた。
 1号線(9.54`)は74年8月開通したが、これに日本は272億4000万円の円借款を供与した。日本の商社連合が商談獲得のため、韓国の有力者に250万jのリベートを支払ったという疑惑が出て国会で追及されていた。この疑惑が完全に清算されない現在、再び2号線建設に日本がかかわり合いを持つのは問題だ、という声が国内であがっている。(朝日新聞)
11日■鉄道の高架工事終わる 京阪枚方市駅周辺 交通渋滞が解消
 大阪府が枚方市岡東町の京阪枚方市駅周辺で進めて下る京阪本線・交野線連続立体交差事業のうち、鉄道の高架工事が完了した。25日、同駅で完成記念式を行う。
 同事業は1975年に都市計画決定され、府の委託を受けた京阪電鉄が78年から鉄道工事に取りかかっていた。工事区間は枚方市駅を中心に京阪本線の1.8`と交野線の0.9`。
 88年に京阪本線上り(京都方面行き)の高架切り替えを行ったのに始まり、昨年11月までに各線を順次切り替えた。この結果、府道などと交差していた踏切5ヵ所がなくなり、周辺部の交通渋滞の解消が図られた。
 高架化に伴い、枚方市駅は3層構造となり、3階部分がホーム(延長160b)、2階部分がコンコースとなっている。エレベーター4基、エスカレーター7基設置。
 全体事業のなかで枚方市が施行する側道部分は94年度末に完成の予定。(京都新聞)
■JR遮断機上がったまま 車進入、3人死傷 山陽線 監視付け修理中
 11日午前9時50分ごろ、兵庫県相生市若狭野町人野のJR山陽線緑ヶ丘踏切(遮断機、警報機つき)で、軽ライトバンが東京ターミナル発福岡ターミナル行き下り貨物列車(庄啓次郎運転士、24両編成)にはねられた。軽ライトバンは大破し、乗っていた同市緑ケ丘4丁目、美容院経営古幸美門(ふるこう・みかど)さん(43)と妹の龍野市龍野町富水、松永龍子さん(41)が即死、母親の古幸りつ子さん(68)が志識不明の重体。
 相生署などの調べでは、事故の約15分前から、同踏切の信号機の故障検出器の修理作業が行われており、遮断機が上がったままの状態になっていた。JR側によると、踏切の両側に関連会社の整理員2人を配置、通過する車両の整理をしていた。
 古幸さんらの車が南から来たため、整理員が両手を挙げて制止したが、車はそのまま踏切内に進入した、という。
 同署によると、車出めなどを置いて進入を阻止するなどの方法がとられていなかったといい、安全管理に問題がなかったかどうかを調べている。
 列車は現場を12分遅れで発車し、後続の普通列車3本に4−6分の遅れが出た。(朝日新聞 夕刊)
■新幹線電話や無線途切れる 東海道線の10`間
 11日午前7時15分ごろ、滋賀県野洲郡野洲町の東海道新幹線約10`の区間で、異状時に備えて車両に積んでいる列車無線や、乗客が利用する車内電話などの通信設備が使えなくなっていることが、運転士の連絡でわかった。
 JR東海で調べたところ、野洲町内にある沿線基地局のブレーカーが落ちていることがわかった。同社は、同区間を走る列車に、異状時には短距離で使える別の無線装置を使うなどの指示をした。(朝日新聞 夕刊)
12日■安全管理など JRから聴取 相生の踏切事故
 信号機故障検出器の取り換え作業のため、遮断機が上がったままだった兵庫県相生市内のJR山陽線緑ヶ丘踏切で11日、貨物列車と衝突した軽ワゴン車の3人死傷事故を調べている相生署は、踏切前で通行車両の整理、誘導に当たっていた警備員が決められた手順に沿っていたかどうかなど、JR側の安全管理面を中心に原因究明を始めた。
 調べによると、警備員として配置されていた工事会社員2人は「車が来たため、手を上げて制止しようとした。車はいったん停車したが、振り向いた間に踏切内に進入した」と話している、という。
 警備員は赤旗と白旗などを持って整理することになっていたが、相生署の調べでは、警備員は旗を持っていなかったらしく、同署は許しく事情を聴いている。(朝日新聞)
■老女はねられ死亡 特急など4本遅れる 彦根のJR琵琶湖線
 12日午前零時半ごろ、彦根市芹川町のJR琵琶湖線下り線で、同市内の無職の女性(86)が、浜田行き寝台特急「出雲1号」にはねられ、即死した。
 このため、「出雲1号」が現場で約50分間停車したのをはじめ、後続の寝台特急など計4本が約50分遅れ、約650人に影響が出た。
 彦根署の調べによると、この女性は11日夜、姿が見えなくなり捜索願が出ていた。(京都新聞 夕刊)
13日■JR総連、18日からスト 私鉄大手は25日を予定
 JR総連(福原福太郎委員長、8万4000人)は12日、加盟するJR東海労、JR西労、JR九州労の3組合が春闘賃上げや勤務制度変更などの問題で18日から25日にかけて東海道新幹線を含む二次にわたる拠点ストや指名ストを実施する、と発表した。
 一方、私鉄総連(鈴木完守委員長、18万6000人)は同日の中央委員会で@大手組合が25日にA大手未解決組合と中小組合が28日にB中小未解決組合は4月2日に−それぞれ24時間ストを構えることを最終確認した。
 JR3組合のスト入りは必至の情勢だが、JR側によると、代替要員を手配するため、新幹線の運行に支障はなく、大阪環状線など関西地区の一部の在来線で影響が出る、という。
 JR総連は、18、19日を一次、22−25日を二次の行動日に指定。JR東海労は、ダイヤ改正日の18日に新幹線のぞみを運転する新幹線東京運転所、大阪運転所の乗務員を対象に指名ストを実施。
 JR西労は大阪環状線を担当する淀川電車区などで18日始発から最終電車までの拠点ストを、下関運転所ではブルートレインの運転士を対象に18日から当分の間、指名ストに入る。
 また、JR総連(福原福太郎委員長、8万4000人)に加盟するJR東海労、JR西労、JR九州労の3組合は12日、大阪市浪速区の「大阪府同和地区総合福祉センター」で、18日から予定のストに向けた合同の総決起集会を開いた。(京都新聞)
■JR西労 断続拠点ストを通告 18−25日 22路線で一部運休も
 JR西日本労働組合(JR西労、奥島彰委員長、約4500人)は12日、乗務員の新たな勤務制度の撤回などを求め、春のダイヤ改定当日の18日から25日まで断続的にストに入ると、会社側に通告した。東海道、北陸、山陰、大阪環状線など22路線を対象に、拠点で半日から終日ストを設定、山陽線では寝台列車(ブルートレイン)の運転士を対象に4月中旬までの指名ストを行う。労使が歩み寄る動きはみられず、この1年間で3度目のスト突入は確実な情勢だ。
 JR西労によると、まず大阪地区が18日始発から終日ストに入り、大阪環状線と学研都市線の約2割が運休する見通し。19日以降も地区ごとに半日(午前零時−正午)ストを予定。対象は岡山(19日)、姫路(22日)、大阪、京都、米原(23日)、金沢、高岡(24日)、広島(25日)などで、約1−2割の運休が出る恐れがある。
 ただ、JR西日本の他労組はストを予定していないため、同社は「影響は少ない」とし、18日から「のぞみ」が乗り入れる山陽新幹線にも支障は出ないとみている。
 一方、JR東海労働組合とJR九州労働組合もストを計画しており、昨年に続いて18日から3労組同時ストになる公算が大きい。(朝日新聞)
■JR西労、年3回目のスト必至 ミゾ広がる労使対立
 「のぞみ」が山陽新幹線を走る春のダイヤ改正を前に、JRが箱根以西で再び揺れている。JR西労など3労組が、ダイヤ改正の18日に合わせてストを設定。突入すれば、JR西日本では1年間に3回目の異例のストになる。
 大阪市浪速区内で12日夜に開かれた総決起集会には、3労組の組合員約2000人が参加した。「のぞみが危ない」「営利優先を許すな」。横断幕を前に、奥島彰・西労委員長は「ダイヤ改正による新勤務制度の一方的な実施にくじけず、がんばろう」と訴えた。
 昨年12月、旧国鉄時代のスト権スト以来17年ぶりに96時間ストをした西労では、100人余りの組合員が「強硬路線についていけない」などとして離脱した。今回はストを回避する声も出たが、「安易に妥協すれば、ここまで支えてきた組織の結束が崩れる」との声が大勢を占めた。
 ストを構えている西労など3労組は旧勤労系で、各社の労組のなかで少数派だ。民営化の過程では強硬路線から転じ、「水と油」といわれた旧鉄労などと多数派組合を作ってJR総連を結成、労使協調路線を歩んだ。しかし、90年にJR総連が提起した「スト権論議」をきっかけに、西、東海、九州など多数派の労組が脱退し、残った3労組は少数派になった。
 元動労委員長で、JR総連の主導権を握る東労組の松崎明委員長は「組合を従属機関のようにしか考えない経営側の姿勢を正そうとするのは労組の責任だ」という。
 これに対し、旧鉄労系などで作る最大労組の西日本旅客鉄道産業労組(JR西労組)の矢後希悦委員長は「今回もまず、ストが先にありきで、会社に抵抗するストのためのストだ」と批判するなど、JRの各労組間の対立も根深い。
 一方、JR西日本は、週明けにもスト対策本部を設けて乗客への影響を最小限にくい止めたいという。
 同社は東海道線茨木駅の貨物脱線事故などで、近畿運輸局から緊急に総点倹するよう指示をうけた。事故の背景には労使対立などによる「すさんだ職場環境」を指摘する声もある。(朝日新聞)
■時速270`を体感「のぞみ」の一般試乗会 大阪−広島間
 18日のダイヤ改正から山陽新幹線にも登場する「のぞみ」の一般試乗会が13日行われ、近畿地区の約14万組の応募者から選ばれた300組、600人が新大阪−広島間を1往復し「ひかり」より50`速い最高時速270`の旅を楽しんだ。
 先頭車両がより鈍角になった16両1編成が午前10時45分、新大阪駅をスタート。岡山−広島間などで約10回にわたって270`の最高速度を出した。
 茨木市から来た会社員吉岡広行さん(43)は「20枚出したはがきのうちの1枚が当たりました」とにっこり。小さいころからの鉄道マニアという小学6年生の長男直人君(11)も「ひかりと比べてどれだけ速いかが楽しみ。揺れや騒音がどの程度なのかも体験してみたい」と期待して乗り込んだ。
 試乗会は14日も岡山、広島、福岡地区でそれぞれ行われる。
 営業運転は1時間に1本のダイヤで1日32本、東京−博多間がこれまでのひかりより約50分早い5時間4分で結ばれる。
 初日18日分の1番列車(午前7時新大阪発博多行き)の予約は25%で、まだ座席に余裕があるという。(京都新聞 夕刊)
■試乗客を乗せ「のぞみ」西へ
 18日から山陽新幹線に乗り入れる「のぞみ」の一般試乗会が13日、新大阪−広島間で行われた。
 試乗用の「のぞみ」は13、14の両日、沿線4つの駅から発車し、平均230倍の抽選に当たった親子連れなど計1200組が参加する。
 この日は1本目の試乗で、招待された約300組の親子連れはJR新大阪駅から乗り込み、時速270`のスピード感を味わった。(朝日新聞 夕刊)
14日■ヤマ場は来月下旬 私鉄総連、73時間ストも
 春闘相場決定に大きく影響する私鉄総連(21万人)の力徳修委員長は13日午後、岐阜市内で開かれた私鉄総連大手組合合同執行委員会であいさつし「まず大手が先行する第一波、続いて大手と中小が同時に実施する第二波のストを4月決戦段階に構え、その規模は組織結成以来最大のものを配置する」と今春闘の具体的戦術日程を初めて明らかにした。
 同委員長は最終回答の目安となる第一次回答指定日を4月10日ごろにしたい、としており、スト予告期間を考えると私鉄の賃上げ交渉のヤマ場は4月下旬になることが確実となった。
 私鉄総連のこれまでの最大ストは48時間だった。同総連が戦術上重視しているヤマ場での第二波ストライキは72時間以上の規模になる見込みである。
 私鉄の一、二波大規模ストを4月23日以降と推算すると、国労、動労、全逓、全電通など公労協組合はこれに合わせた長期スト作戦をとるとみられることから結局、公運、公労協によるゼネスト体制は4月29日から始まるゴールデンウイークの直前に構えられる公算が大きい。
 力徳委員長はあいさつで、まず今春闘も昨年と同様、自主交渉によって自主解決を求める団交重視の方針で臨むことを明らかにし「昨年より労使交渉のペースが遅れているため、第一次回答指定日も昨年より遅れ、4月10日(昨年は5日、第一次回答額1万1500円)ごろになろう」と述べた。続いて今春闘は二波のストを配置するという戦術構想を明らかにした後「連休前までには、決着をつけたい」と、一部でいわれている5月の連休を超えての長期闘争については否定した。
 私鉄総連は@第一次回答を見るAそれが不満の場合に労働省にスト通告したうえスト権投票に入る−という”事後対処方式”を今春闘で採用している。このため、第一次回答指定日が10日だった場合、スト実施が可能になるのは21日からになる。いまのところ、第一波ストは23日の日曜日、第二波ストは25日ごろからが有力視されており、最終的には4月上旬の拡大中央委で決める。
 私鉄の労使交渉は今月3日から始まっており、15日までに組合側が質上げ要求の理由を説明し終わり、今月末までに会社側が経営状態などを説明、4月5、6日に双方の総括説明をして交渉を終える段取りとなっている。
 合同執行委は午後1時40分始まり、同5時すぎ閉会、14日最終の討議を経て日程を終える。(京都新聞)
■統一反対派が新労組 JR東海
 JR東海の最大労組、JR東海労組(明石洋一委員長、1万4900人)と東海鉄産労(須田郁男委員長、2500人)の組織統一に反対し東海鉄産労を脱退したグループが13日、名古屋市で新労組を結成、委員長に梶田浩三・前東海鉄産労副委員長を選出した。
 東海労組との統一で鉄産労は15日に消滅するが、新労組は東海鉄産労の名称で活動を始める。集会出席者は12人だったが、既に約60人の加入届が集まっており、最終的に100人前後の加入が見込める、という。(京都新聞)
■監視役おかず作業? 山陽線踏切の3人死傷事故 JR主任を逮捕
 兵庫県相生市のJR山陽線緑ヶ丘踏切で11日、遮断機を上げたまま作業中の踏切内に軽ワゴン車が進入、貨物列車と衝突して母娘3人が死傷した事故で、兵庫県警交通指導課と相生署は13日、事故当時、踏切の両側に監視役の整理員を配置しないまま作業をしていた疑いがあるなど、安全対策に落ち度があったとして、現場責任者だったJR西日本の社員を業務上過失致死傷の疑いで逮捕、関係先3ヵ所を家宅捜査した。当初、「軽ワゴン車は整理員の制止を無視した」としていた社員らの証言は、虚偽の凝いが強まった。
 逮捕されたのは、JR西日本姫路信号通信区相生派出の電気技術主任熊田博文容疑者(48)=兵庫県姫路市奥山。
 調べによると、熊田容凝者ら同派出員3人と、姫路市内の下請け会社の作業員ら3人の計6人は、事故の約15分前から信号機の故障検出器取り換え作業を開始。JR側によると、遮断機を上げて警報装置を切り、踏切の両側に整理員を1人ずつ配置して行うことになっているが、熊田容凝着はこの指示を怠り、整理員を置かずに作業をしていた、という。当初、整理員とされていた作業員の1人も、踏切で車の往来を監視していなかったことを認めている、という。
 さらに熊田容疑者は、整理員に持たせることになっている赤と白の旗、煙管などを渡していなかった疑いも持たれている。
 事故直後、調べに対し、熊田容疑者は「踏切の南北に整理員を配置した。ワゴン車はその制止を無視して進入してきた」などと話していたという。しかし、事故直前に踏切を通過したという車の運転手が「整理員はいなかった」と証言。改めて熊田容疑者らを追及したところ、だれが監視に立っていたのかはっきりしない、などあいまいな点が出てきた。(朝日新聞)
15日■市民グループ ビラ配り抗議 小倉山の残土放置
 JR西日本による右京区・小倉山の残土放置問題で、市民グループ「小倉山頂の忘れ物をJRにお届けする会」(世話人・松本章男さん)は14日、下京区の四条通河原町交差点で、ビラまきなどの抗議行動を行った。
 参加者は約20人。「JRさん、小倉山頂にズリをお忘れですよ」などと書いたゼッケンを胸に、買い物途中の家族連れらに、京都市が認めた「復元計画の不当性」や活動への協力を呼びかけた。
 歩道には山頂付近のようすを撮ったパネル写真も展示した。
 同グループは昨年暮れから、独自の残土搬出活動に取り組んでおり、これまで計7回、200人を超える市民らが参加している。次回は20日に予定している。また、4月18日には全国の賛同者に呼びかけ、今後の取り組みなどを話し合うシンポジウムを開く。(朝日新聞)
■バイト不況で鈍行列車の旅 青春18きっぷ 学生に人気 3000円内で東京→熊本 1日かけて温泉行脚も
 春休みに入った学生の間で、JRの「青春18きっぷ」が人気を呼んでいる。鈍行列車しか乗れないが、日本全国、格安な旅ができるのが受けている理由。バブル時代は、高額なバイトで稼ぎ、新幹線や飛行機でリッチな旅を楽しんだものだが、いまやバイトも不況で、「おいしい仕事」など、おいそれとはない。そこで、学生本来の「金はないが、暇はある」旅志向となったらしい。ダサイと敬遠されていたユースホステルも宿泊申し込みが急増している。
 JR京都駅5番ホーム。午前9時1分着の大垣発快速から、通勤客に交じって若者が降り立つ。ジーンズにリュック。自転車を入れた大きな袋をかかえた男子学生のほか、ブランドもののバッグを持った女子学生の姿も。
 前夜、東京発午後11時40分の大垣行き普通列車を乗り継いで来た若者がほとんど。「青春18きっぷ」で安上がりの旅を楽しんでいる。連日の人気で、大垣まで通路に立ちづめだった人も少なくない。だが、苦にしない。
 青春18きっぷは、普通列車に1日乗り放題の乗車券だ。5枚1組で1万1300円だが、金券ショップや大学生協などではバラ売りもしており、これだと2400円前後。大垣行きに乗り込む学生たちは1日を有効に使うため、日付が変わる横浜までの切符(440円)を買っている。青春18きっぷと組み合わせると、この2枚で、鈍行を乗り継ぎ最長で午後11時53分着の熊本まで行くことが可能だ。合計24時間13分の長旅だが、新幹線、特急で熊本に行けば2万3150円もかかるのだから、格安だ。
 「青春」とあるが、年齢制限はない。春、夏、冬と学生の休みに合わせた季節商品だが、この春休み、家族旅行に利用する人も多い、という。
 たとえば大阪から和歌山への温泉旅行。「旅」(JTB出版事業局発行)2月号には、新大阪6時29分発、紀勢線御坊行き快速電車での日帰り旅行がルポとして掲載されている。
 JR、有田鉄道、バスを乗り継いで、ガイドブックに載っていないような温泉の探訪記。「早朝に発車するこの電車を利用すれば、和歌山方面へ1日を目いっばい使った日帰り温泉行脚が楽しめる」とか。
 一方、全国のユースホステルも見直されている。ジリ貧だった登録会員数は88年の18万2000人を底に上向き、昨年は20万5000人にまで回復。今年に入って宿泊客数も伸びている。
 こうした若者の変化は、世の景気と無関係ではなさそうだ。バブル時代は割のいいアルバイトでパッと稼いでパッと使えた。事実、一昼夜働いて2万−3万円になるバイトもあった。だが、いまは違う。学生向け求人情報誌の関係者は「仕事そのものが激減している」。「学生はそう楽に稼げなくなった。学生本来の姿に戻った、ということでしょうか」とユースホステルの関係者も分析している。(朝日新聞 夕刊)
■JRの主任送検 相生の踏切事故
 兵庫県相生市のJR山陽線緑ヶ丘踏切内に軽ワゴン車が進入、貨物列車と衝突して娘2人が死亡、母が重体となった事故で、兵庫県警交通指導課と相生署は15日午前、JR西日本の姫路信号通信区相生派出の電気技術主任熊田博文容疑者(48)を業務上過失致死傷容疑で神戸地検姫路支部に送検した。目撃者の証言などから、同課は事故当時は踏切の監視役がいなかった疑いを強めている。(朝日新聞 夕刊)
■8人中5人解雇は無効 動労千葉のスト 千葉地裁
 旧国鉄時代、ストライキの指導、参加を理由に解雇された勤労千葉の組合員8人が、国鉄清算事業団を相手取り、解雇の無効を求めていた訴訟の判決公判が15日、千葉地裁で開かれ、並木茂裁判長は「ストライキで、主導的役割を果たしていない」として、8人中、5人の解雇を無効とする判決を言い渡した。
 勤労千葉は、86年2月15日、前年11月のストで解雇された20人の処分撤回や、要員削減反対を掲げ、総武、成田などの各線で始発から午後3時半までストをした。これに対し、国鉄は、公共企業体職員の争議権を否定した公労法17条を理由に、成田支部書記長ら8人を解雇した。
 裁判では、動労千葉が、「公労法は憲法違反。ストの規模に比べ、解雇者が多すぎる」と主張したのに対し、事業団は「組合側は違法ストをしたことを認めており、解雇には問題はない」としていた。(朝日新聞 夕刊)
16日■JR西日本が謝罪 山陽線踏切事故で
 兵庫県相生市のJR山陽線踏切で11日、貨物列車と軽ライトバンが衝突、母娘3人が死傷した事故で、JR西日本の井沢勝・鉄道本部長は15日夕、安全管理にミスがあったことを認める謝罪会見をした。
 同事故では、JR西日本側が遮断機を上げ警報機の作動スイッチを切って踏切の工事をしていたのに、踏切への進入を整理誘導する作業監視員を配置していなかったことなどが明らかになっているが、同本部長は「当社の社員が事故当初と違う供述をして送検されたことは誠に遺憾で、重ね重ねおわび申し上げます」と謝罪のコメントを読み上げるとともに、当面、本社地域の踏切関係の工事をストップと安全体制をチェックすることを明らかにした。(京都新聞)
■窓 乗り換えできぬ 不自由な市バス 北 区・伊藤 慶・66(無職)
 市バスの民間移行という問題が現実に提起されて、テレビでも新聞にも報道された。大体、公営企業として交通機関が経営されていることが、根本的に誤りでもあろう。交通経済の赤字というのは、要するに経営能力がないということでもある。
 市バスの系統による連行回数の少ないことと、乗り換えの出来ぬ不自由さが、バスに対する利用者の決定的な不満であろう。
 私など、西賀茂車庫からは、京都駅まで90円だけれど、その半分の距離もない東大路線に出ようと思えば、絶対一度は乗り換えねば行けない。180円出さねばならない。系統がなければ同じ市内でも、2倍の料金がかかるというのは不公平であろう。
 系統の不備で、料金が倍かかるということ、これは是非解消してほしい。むかしのことを言うのもどうかと思うけれど、市電に乗って乗換券をもらい、乗換券で、まだ2回も乗り換えられた時代もあった。これを思うと、絶対に1系統に1回の料金というのは、技術的にむずかしいことは承和できても、なんとか考えてもらえないかと思う。(京都新聞)
■環状線などで運休 JR西日本スト
 JR西日本労働組合が18日から構えているストで、JR西日本は15日、スト対策本部を設置し、ダイヤへの影響を発表した。
 影響が出るのは普通列車で、18、19、22−25日の6日間、大阪環状線など近畿や岡山、広島地区の17線区で運休し、通勤通学を中心に約37万人の足が乱れる見通し。運休は2、3割が多く、19日以降は、半日ストのため、各線区とも夕方から同夜に向かう、という。山陽新幹線や特急、急行は通常通り運行する。(朝日新聞)
JR西日本ストの影響(普通列車)
月日影響のでる線区(運転率)影響人員
3月
18日
(木)
大阪環状線
片町線【片町−木津】
桜島線
(70%)
(70%)
(60%)
17万人
19日
(金)
山陽線【上郡−福山】(90%)
22日
(月)
東海道・山陽線【米原−姫路】
山陽線【姫路−上郡】
赤穂線【相生−播州赤穂】
(80%)
(80%)
(80%)
8万人
23日
(火)
東海道・山陽線【米原−姫路】
湖西線、山陰線【京都−園部】
(80%)
(80%)
8万人
24日
(水)
山陰線【園部−鳥取】
福知山線【篠山口−福知山】
同上【大阪−條山口】、舞鶴線
(50%)
(70%)
(80%)
1万人
25日
(木)
山陽線【三原−岩国】、呉線
可部線
(60%)
(80%)
3万人
■山下会長が正式に就任 JR九州
 JR九州は15日の臨時株主総会後の取締役会で、山下敏明福岡商工会議所会頭(福岡銀行相談役)の会長就任を正式に決めた。中川正輔前会長(元九州電力副社長)は1月に病死した。87年の国鉄分割・民営化以来、同社三代目の会長になるが、九州電力出身者以外の就任は初めて。(朝日新聞)
■近鉄上本町駅で 信号回路が故障
 16日午前四時半ごろ、大阪市天王寺区上本町、近鉄上本町駅で、レールの修理作業中に、飛び散った火花でプラットホーム下のケーブルがショート、信号回路が故障した。上本町−難波駅間は午前5時29分の始発から上下線とも運休。奈良線の電車は鶴橋駅で折り返し運転し、地下鉄とJRへ振り替え輸送した。約3時間後の同8時20分に復旧したが、通勤客ら約8万人の足が乱れた。(京都新聞 夕刊)
■遅れた「のぞみ」 どう払い戻し
 JRのダイヤが18日から改正され、東海道・山陽新幹線に「のぞみ」1時間に1本の割合で導入されます。のぞみは新大阪−東京間を約2時間半で結びますが、速度規制をして「ひかり」より遅くなった揚合、のぞみの特急料金の差額の払い戻しはあるのでしょうね。(京都市下京区、鉄道マニア・59)
 JRでは、雪害や大雨、台風など、天候や災害の影響で、特急・急行列車の到着時間が2時間以上遅れた場合、特急・急行料金の全額を払い戻しています。区間によっては普通列車と1時間程度しか変わらない列車でも、払い戻し基準の2時間は変わらず「のぞみがひかりより速いからといって、その時間差で差額を払い戻すことはない」(JR西日本広報室)ということです。
 京都−東京間を例にとれば、のぞみは2時間15分前後で走り、料金は1万3920円、ひかり・こだまは2時間35分前後で、1万2970円です。京都−東京間の運賃は7830円ですから、2時間以上遅れた場合、それぞれ指定席特急料金の6090円、5140円が払い戻されるわけです。
 また、同じ区間を結ぶ在来線・東海道線の直通の特急は寝台特急しかなく、この場合、運賃と寝台・特急料金で計1万6790円です。6時間25分かかりますが、こちらも2時間以上遅れた場合、特急料金2780円が払い戻されることになります。(京都新聞 夕刊)
■相生のJR踏切事故 重体の母親も死亡
 兵庫県相生市若狭野町のJR山陽線緑ヶ丘踏切で11日、軽ワゴン車が貨物列車に衝突し、娘2人が死亡し母親が意識不明の重体になった事故で、母親の同市緑ヶ丘四丁目、無職古幸りつ子さん(68)は16日午前1時すぎ、同市内の病院で死亡した。(朝日新聞 夕刊)
■近鉄一時不通 受験生に影響 難波−上本町
 16日午前4時半ごろ、大阪市の近鉄難波線難波−上本町間で信号が故障し、始発から午前8時20分ごろまで難波−鶴橋間が不通となった。このため、奈良線の電車は奈良−鶴橋で折り返し運転をしたほか、地下鉄やJR大阪環状線などで振り替え輸送をした。96本が全面または部分運休し、高校入試の受験生を含め、約8万人が影響を受けた。
 近鉄によると、終電後の同日午前1時半から上本町駅構内で線路の整備作業をしていた。線路を削る作業中に、火花が飛び散り、近くの信号ケーブルの覆いが溶けてショートしたのが原因という。
 奈良線沿いにある東大阪市の布施北、玉川、布施工、食品産業の4校では、ダイヤの乱れで遅刻した計9人の受験生に対し、試験開始時間を20分遅らせ、別室で受験させる措置をとった。(朝日新聞 夕刊)
17日■環状線全駅で1日から分煙 JR西日本
 大阪環状線の全駅(18駅)で4月1日から分煙が実施される。嫌煙権の浸透や駅の終日禁煙を求める乗客の声が増えていることを踏まえたもので、JR西日本が16日発表した。
 同線の18駅構内では、現在、朝夕のラッシュ時に禁煙タイムを設けているが、今回、その他の時間帯もすべて分煙とする。大阪駅、天王寺駅は環状線のホームのみ対象となり、残りは駅全体で実施する。各駅とも、ホームとコンコースにほぼ1カ所ずつ灰皿を置いた喫煙コーナーを設け、分煙を図る。また駅入り口付近には吸殻入れも配置し、徹底を目指す。
 JR西日本管内では、昨年11月以降、和歌山駅と金沢支社管内の172駅で、分煙が実施されている。また18日のダイヤ改正時から、新幹線と在来線の特急、急行の禁煙車両を、40%弱から約50%に拡大、禁煙、分煙策を進めている。(京都新聞)
■「のぞみ」博多まで 禁煙化もアップヘ JRダイヤあす改正
 JRグループは18日、これまで東海道新幹線東京−新大阪間でしか運転していなかった「のぞみ」の山陽新幹線博多駅乗り入れなどを柱とするダイヤ改正を、全国一斉に実施する。
 「のぞみ」の登場で東京−博多間は、現行より48分早い5時間4分で結ばれる。新幹線、在来線とも列車内の禁煙化が一段と強まるのも新ダイヤの特徴。
 ダイヤ改正で旅客列車137本が増発され、1日の運転本数は過去最高の2万8137本。列車別では、特急34本、普通115本が増えるが、新幹線5本、急行7本がそれぞれ減る。
 【新幹線】東京−博多間を走る「のぞみ」は、1時間にほぼ1本の下り14本、上り12本。全席指定で、東京−博多間の片道運賃、特急料金は計2万3100円。「ひかり」に比べ1800円高いが、航空機より2250円安い。
 このほか、東京−広島間に1往復、東京−新大阪間に上下計5木、新大阪−博多間に同2本の「のぞみ」を運転する。
 ダイヤ改正を機会に「のぞみ」「ひかり」「こだま」とも禁煙車両を増やし、禁煙席の割合はこれまでの約30%が約45%にアップする。
 東北、上越、山形新幹線は、今同は改正しない。
 【在来線】JR東海、西日本両社管内の全普通列車(快速を含む)が禁煙となる。
 成田空港と東京を結ぶ特急「成田エクスプレス」は、混雑時間帯を中心に6両から9両に増結。信越線は上野−長野間に特急「あさま」を1往復増やし、1日20往復運転する。
 四国は予讃線の電化に伴い、新型特急電車を運転して時間短縮を図る。九州も、日豊線博多−南宮崎間の特急「にちりん」2往復を好評の「つばめ」型車両(787系)に換え、博多と長崎・ハウステンボスを結ぶ特急「ハウステンボス」は5往復増やし1日8往復とする。(京都新聞)
■身障者らの昇降口を 地下鉄駅で請願採択
 京都市会の交通水道委員会が16日開かれ、建設中の地下鉄東西線東野駅(山科区東野片下り町)に、高齢者や身障者に配慮して、国道1号南側の昇降口を設けるよう求める請願を採択した。
 同駅は、東西方向の国道1号と、南北方向の外環状高の交差点付近の地下に位置する。計画では、国道北側の東西2ヵ所に昇降口が設けられるが、国道の南側から駅に到達しようとすると、国道に横断歩道がないため、必ず陸橋を昇り降りしなければならない。このため請願は、陸橋を使った国道の横断が困難とみられる高齢者や身障者に配慮して、南側の昇降口の設置を求めている。(京都新聞)
■環状線終日禁煙全駅に JR西日本 来月から 喫煙コーナー3平方bだけ
 JR西日本は16日、大阪環状線のすべての駅を4月1日から、事実上り終日禁煙にする、と発表した。「煙がたまらない」「服を焦がされた」など、利用客からの相次ぐ苦情に押される形で踏み切った。新幹線でも「のぞみ」を増発する18日のダイヤ改正で、禁煙車両を増やす。嫌煙ムードを背景に、JRや私鉄、航空など交通各社は最近、争うように禁煙の”網”を広げており、愛煙家はますます肩身が狭くなりそうだ。
 終日禁煙にするのは、大阪環状線18駅すべてのホームとコンコース。ただし、環状線以外の線区が乗り入れる大阪駅と天王寺駅は、環状線ホームに限る。
 3月いっぱいで駅から灰皿を撤去し、代わりにホームやコンコースに最低1ヵ所ずつ、全駅で51ヵ所に喫煙コーナー(約3平方b)を設ける。朝夕ラッシュ時は、喫煙コーナーでも吸えなくする。
 ダイヤ改正で、新幹線でも禁煙車を現在の約4割から5五割に増やす。さらに、普通列車もこれまで禁煙でなかった高山線など7線区で禁煙とし、JR西日本の全普通列車が禁煙になる。
 同社には、去年4月から今年1月までに、たばこに関する苦情が164件寄せられた。前年の約2倍。多くが「禁煙をもっと進めてほしい」という注文だったという。
 一方、JR東日本は去年8月、西日本よりひと足早く、東京・山手線で終日禁煙を専入。今年3月には都心近郊の8線区24駅に広げた。私鉄でも、阪急電鉄が2月から梅田駅など主要駅を終日禁煙にした。
 空の便の禁煙席も徐々に増え続け、日本航空では90年10月から、飛行時間が2時間未満の国内便を「全席禁煙」とした。苦情はほとんどなく、禁煙便による客離れもないという。
 海外の空は愛煙家にとってはもっと厳しい。米国は90年に全土で、飛行時間が6時間以内を全席禁煙にしている。
 日本たばこ産業(JT)が去年12月にまとめた調査によると、全国の喫煙者率は男性60.4%、女性22.3%、男女計36.1%となっている。男性の場合、1970年が77.5%、80年が70.2%と減り続けている。
 関西営業本部の戸井武雄・広報担当部長は「日本にたばこが来て 500年。歴史ある商品で、まだまだ愛煙家のお客さまも多い。当社としては、喫煙と禁煙のスペースを分ける”分煙”を、JRを含め各方面に呼びかけている」と話す。
・急にいわれても…
 京阪神の愛煙家ら100人でつくる「関西たばこ問題を考える会」の代表幹事、岡本晧さん(65)は「長い間、みんな吸ってきたものが急に”いかん”といわれても、ちょっと納得がいきませんわ。一方的に攻められている感じで、さびしい。吸っていいですか、と周りにひと声かけるマナーを確立していくしかないのでしょうが、吸う人と吸わない人の調和が何とかとれないものでしょうか」と話している。(朝日新聞)
■その名も「まち衆共和国」 都市再生へアイデア提言 住民優先の発想で 水辺や路面電車の復活も
 関西経済同友会は16日、都市のリストラ(再構築)を呼びかける提言を発表した。都市づくりの発想を経済効率優先から住民優先へ切り替えるためのアイデアを示している。都市問題委員会(委員長・鳥井信一郎サントリー社長)が自治体とも意見交換しながら1年半かけてまとめた。
 提言は「まち衆共和国・関西」と名付け、地域ごとに住民、商店主、学生、企業らでリストラを考える「まち衆アクション委員会」の設立をうたう。その活動を支援するチームを各都市がつくり、さらに各都市が連携する、というのが計画実現の戦略だ。
 まちづくりの具体例もいくつか提示しており、主なものは次の通り。
 ◇水辺の自然回復=鳥やホタルが生息する水辺をつくり、公的な助成制度を設ける。
 ◇路面電車、水上・海上バス、ロープウエーの再評価=京都市内、大阪市のみなと通りに路面電車の復活、大阪・中之島−南港、神戸市の人工島間などに周遊船を走らせる。神戸市・三宮−ハーバーランド間や大阪市四つ橋筋などはロープウエーを新設。
 ◇空中歩道回廊網の設置=ビルの2階をつなぐ歩道網をつくり、歩道橋の上り下り、信号待ちのいらいらを解消する。
 また、都市連携のシンボル事業として、大阪市が進めるオリンピック誘致に神戸市、京都市などの参加を主張、21世紀初頭の関西誘致を呼びかけている。
 提言は来月大阪市長に説明するのを手始めに、関西の各都市を回って賛同を求める計画だ。(朝日新聞)
■JR西日本 運輸収入150億円減 92年度見通し
 JR西日本の井手正敬社長は16日、景気後退の影響を受け、今年度の運輸取扱収入が前年度より約150億円減少し、9890億円前後になる見通しを明らかにした。民営化後、運輸収入が前年度を下回るのは初めて。(朝日新聞)
■JR二条駅の整備用地 健康増進施設誘致へ 京都市に郵政省意向
 京都市のJR二条駅周辺整備事業で、商業施設を整備する予定だった国鉄清算事業団用地に、郵政省の外郭団体の簡易保険福祉事業団の大型健康増進施設が誘致できる見通しになったことが、17日開かれた京都市会の普通予算特別委員会で明らかになった。不況のあおりで都市再開発地への大型商業施設の進出中止が全国で相次いでいるなかで、いち早い公的施設誘致への方針転換が功を奏した。
 佐藤達三助役が、津田幹雄議員(自民)の質問に答えた。
 健康増進施設の誘致予定地は、二条駅東南の清算事業団用地約1.5f。駅周辺整備事業の中で、同事業団が不動産変換ローン方式で、大型の商業施設が入るビル事業を計画していた個所。計画を進めるなかで、同施設の誘致を働きかけたところ、郵政省側が進出の意向を示し、現在、郵政省側と清算事業団、京都市で具体化に向けて協議している。
 健康増進施設は、青壮年層をはじめ各世代が利用できる多機能型。健康相談・測定からプール、クア施設、アスレチックジムや会議室、イベントホール、レストランなどの機能を想定している。簡易保険福祉事業団が経営するこの種の施設は、全国的には珍しい。
 京都市は「健康都市構想」を推進するうえで格好の施設として歓迎の意向。市街地での再開発事業でパターン化している中核施設が大型商業施設ではないだけに、新しい形の新都市形成策としても注目を集めそう。(京都新聞 夕刊)
■JR西日本 あすスト突入濃厚 通勤帯 環状線、通常通り運行
 乗務員勤務制度の見直しなどに反対して断続的なストを構えているJR西日本労働組合は17日午前、会社側と団体交渉したが、主張の隔たりは大きく、18日始発からのスト突入は、避けられない見通しだ。また、JR西日本が同日、改めて発表したストの影響によると、18日の朝夕通勤帯は大阪環状線が通常通り運行されるなど、6日間のストの影響人数は当初見込みの約37万人から20万人程度に減る見通し。
 JR西日本のまとめによると、18日の大阪環状線は朝夕の通勤ラッシュ帯は通常通り運行され、昼間は80%の運転率。また、片町線は、朝夕80%、昼70%、桜島線は朝夕60%、昼70%がそれぞれ運行される。通勤帯の運転率が上がったことから、影響人数は当初見込みの17万人から8万人に抑えられる。
 19日は、当初、影響が出るとみられていた山陽線上郡−福山間が、通常通り運行されることになった。
 JRは17日からストに関する問い合わせを受け付ける臨時テレホンセンター(06・371・6200)を設置する。(朝日新聞 夕刊)
18日■無賃乗車のツケ1400万円 5年分請求へ 正規の8倍 過去最高額 JR東日本
 栃木県内の男性公務員(39)が、期限切れの定期券を使って、東京の勤務先まで5年間も無賃乗車を重ねていたことが、17日までのJR東日本の調べで分かった。同社によると、5年間もの無賃乗車は初めてで、この間の割増運賃約1400万円を請求する方針。男性は支払いに応じると話しているという。この間、半年の定期券を正規に買っていれば約170万円で済んでいた。
 JR東日本によると、この男性は今月10日午前8時25分ごろ、東京・神田駅南改札口を出ようとして駅員に不正乗車を見破られた。男性が持っていたのは、昭和62年9月8日から同63年3月7日まで有効の東京・市ヶ谷駅(中央線)−栃木県・野木駅(東北線、同県・野木町)間の定期券。
 駅での事情聴取の結果、男性はこの期限切れ定期券を使って、63年3月8日から同月31日まで野木−市ケ古間を、同年4月1日からことし3月10日まで野木−神田間を、それぞれ無賃乗車していたことを認めた。
 男性は改札を入る際、入場券を買って入ったり、駅員のいない改札口を利用。出る時は定期券を、券面が駅員に見えにくいよう傾けて出し、ごまかしていたという。
 JR東日本の営業規則では不正乗車の場合、割増運賃として乗車区間の往復運賃の3倍に利用期間を掛けた額を徴収するよう定めており、男性に1373万3880円を請求する。割増運賃請求の例では、国鉄時代の昭和60年9月の613万円が過去最高額だった。(京都新聞)
■JR 3労組スト突入 ダイヤ改正初日影響少なめか
 勤務制度の変更中止や安全輸送確立などの要求を掲げ、ダイヤ改正初日の18日から新幹線や在来線でストライキを構えている旧動労系のJR東海労、JR西労、JR九州労の3労組と会社側の交渉は17日も進展がなく、18日午前零時からそれぞれストに突入した。
 しかし、昨年春の3労組合同ストに比べ今回は規模が小さく、スト入りしても関西地区の在来線などの一部列車に運休が出る程度で乗客への影響は少ないという。「のぞみ」の博多延長、毎時運転が始まる東海道・山陽新幹線も、平常運転される見通し。
 一方、JR東海労は17日から約30人が指名ストに突入、18日には「のぞみ」の乗務員、車両整備担当者ら約250人がストに参加するが、ダイヤの乱れはないという。
 JR九州労のストでは18日、筑肥線で一部列車が運休するものの大きな影響はなさそう。
・大阪環状線100%運転 朝夕ラッシュ時
 JR西日本は17日、ストライキ前半18、19日の運転見込みを発表した。
 18日の森ノ宮電車区などの拠点スト(24時間)で当初、70%と見込んでいた大阪環状線の朝夕のラッシュ時も100%運転となり、大半の運行に支障はないとしている。山陽新幹線、在来線の特急、急行列車はすべて運転され、学研都市線など一部線区のデイタイムで、間引き運転となるだけ。
・学研都市線は8割
 また学研都市線(片町−木津)での18日の影響は、朝夕ラッシュタイムで80%の運転率。昼間帯は、快速の同志社前折り返し列車が運休するなど、列車本数は半減する。同線の影響人員は約5万人の見込み。(京都新聞)
■JR東日本 キセル5年1373万円請求 87年の定期使った男性に
 JR東日本は17日、期限の切れた定期券で5年間にわたり不正乗車をしていたとして、栃木県内から東京都内へ通う地方公務員の男性(39)に対し、割増運賃など計1373万3880円を鉄道営業法に基づき請求した、と発表した。本人も、支払いに応じるという。
 JR東日本によると、この男性は、1987年9月から6ヵ月間有効の東北線野木駅(栃木県)−総武・各駅線市ヶ谷駅間(71.5`)の通勤定期券を使っていた。期限が切れたあとも同区間や野木−東京・神田間で、5年にわたって不正乗車を続けたとされる。今月10日夜、神田駅の有人改札口で男性が定期券を出した時に、改札係員が期限切れを見つけた。
 JR東日本が男性に話を聞いたところでは、通勤時間帯はなるべく駅員から離れた位置で改札口を通り、しかも見えにくいように定期券を出して有人改札を通っていた。それ以外の乗客の少ない時間帯は入場券で入ることが多かった、という。JRによると、「ほとんどの駅では自動改札になってきたが、人の流れが激しい有人通路では完ぺきに定期券を見切れない場合もある。特に堂々とした態度をされると見落とすこともある」という。
 鉄道営業法やJR東日本の営業規則によると、定期券による不正乗車の場合、不正乗車した区間(複数区間がある場合は遠い区間)の往復運賃と、その2倍の割増運賃を不正期間の日数分、それぞれ徴収できることになっている。この男性の場合は不正使用の期間が1829日あり、1373万円を超える徴収額に膨らんだ。このうち3分の1が往復運賃で、残りが割り増し分。JR発足後では最高額という。もともとの定期代は当時の金額で約17万円だった。(朝日新聞)
■変わった「のぞみ」もあっていい ほお骨張った新顔君 新幹線に登場
 18日のJR旅客6社のダイヤ改定で、東海道・山陽新幹線を走る「のぞみ」に、1編成だけ「顔付き」が違う列車が毎日、登場する。3年前に完成した試作車で、人間でいえは、ちょっとほお骨が張った細面の顔が、家族連れやマニアの人気になりそうだ。
 時速270`で走る「のぞみ」は、軽量化と風の抵抗を減らす設計になった。試作車は、運転席から先前部までを思い切って鋭角にデザイン、車体を乗せる台わく部分の一部が両側に出っ張ったスタイルになった。
 その後、この車両でデータをとったところ、あまり「細面」にしなくても速度を維持できることが分かり、その後に造った量産タイプの10編成は、前面デザインを丸いふっくらした「顔」にした。「目」の部分の運転席のガラスも、西日を防ぐため両側とも約20aずつ小さくなっている。
 18日からの営業運転に加わることになった。
 客を乗せてのデビューは、「弟・妹」をさしおき、改定ダイヤ第一号の東京を午前6時に出発する「のぞみ301号」。初日の運行は東京−新大阪間で、復路は「306号」として新大阪発午後9時18分。(朝日新聞)
■時々刻々 のぞみ 波乱含みのデビュー きょう山陽新幹線に 乗客減少歯止めの切り札 スト対象に接続列車 予約状況やっと3割 故障の心配も
 「日本が縮む」を合言葉に、18日から山陽新幹線で「のぞみ」が走り始める。東京−博多間を5時間4分、新大阪−博多間を2時間32分で結び、最速の「ひかり」に比べそれぞれ40分、17分短縮する。JR西日本は乗客減少が続く新幹線の「切り札」としてこの日に備えてきた。しかし、試運転中に故障や事故が続出。しかも、JR西日本労働組合(西労、奥島彰委員長、約4300人)がダイヤ改定に合わせて接続列車などを対象にストを設定するなど、波乱含みのスタートとなった。
◆平行線
 17日午前10時、JR西日本本社(大阪市)で団体交渉が開かれた。「強行実施は絶対に認められない」「他の組合は合意している。ぜひ、理解を」。運転士らが列車を乗り換える際の待ち時間を労働時間から除外するという新乗務員制度をめぐる今春闘で2回目の交渉は、わずか40分で打ち切られた。
 「華々しい日に、冷水を掛けられる感は否めない」。JR西日本の井手正敬社長は16日の記者会見で不満をあらわにした。「国鉄時代はストの前夜、真夜中まで交渉した。ダイヤ改定日に、そのままストに入るなんて私の記憶にはない」
 同社の運転士の約六割を抱える西労は、18日から25日まで、大阪、京都、岡山、広島、金沢などで断続的な拠点ストを構える。同じ旧勤労系の東海労も「のぞみの安全対策の確立」、九州労も「労働強化のダイヤ改定反対」などを掲げ、ストに。
 運輸省鉄道局などによると、ダイヤ改定日のストは1970年代初めに旧動労が北海道で行って以来、JRにとっては87年の発足後、初めての事態となる。
 西労のスト対象に「のぞみ」を含む山陽新幹線は入っていない。しかし、「のぞみ」に接続する在来線が動かなくては、せっかくの「超高速鉄道」も色あせてしまう。
 「1本でも多くの列車を動かしたい」。JR新大阪駅構内にある総合指令室では、約40人のダイヤ担当者がスト通告のあった12日から交代で泊まり込んでいる。17日夜も電話をにぎりしめ、一線を退いた「OB運転士」らの確保に追われていた。
◆特別掛金
 全席指定の「のぞみ」の18日の予約状況は、約3割が埋まった程度。利用するには、ひかり料金より300−1800円高い特別料金がいる。割安のエコノミー切符などは使えず、新大阪−博多間では航空運賃(片道)を860円上回る「逆転現象」も起きる。
 「ビジネス客が対象だけに、当日券で利用する人が多いんですよ」と同社はいうが、出張利用を認めない企業も多い。「原則ダメ。時間短縮といっても大阪からは東京、博多でも20分程度。これでは高過ぎる」(帝人)。「出張はエコノミー切符があるひかりか、こだまで」(ダイハツ) 「実質的な値上げでは」の声について、運輸省鉄道局は「新車両の開発、線路の改造などで約900億円。速度ばかりでなく、サービスも違う特急ということで認めた。ひかりやこだまの本数を減らして、のぞみに利用者を乗せるようなダイヤを組まないよう、指導もした」と話す。
◆安全対策
 「のぞみは欠陥車両だ。実験段階なのに高い料金を取るなんてとんでもない」。大阪市内で12日夜に開かれた決起集会で東海労の佐藤政雄委員長は批判した。
 ひとあし先に昨年3月から東海道新幹線を走った「のぞみ」では、5月にボルトが脱落して立ち往生したり、7月に電気系統の故障で運転を打ち切るなどのトラブルが起きている。
 昨年12月から始まった山陽新幹線での試運転でもトラブルが相次いだ。西明石−姫路間で線路のバラスト(砕石)が高架側壁を越えて落下、乗用車や民家の窓ガラスを破損。車軸付近からの油漏れや床下機器の部品落下もあった。
 兵庫県高砂市の主婦(30)は「いつまた飛んで来るかと思うと……。振動で家がガタガタする。ひかりよりひどい」。
 運輸省鉄道局が「大丈夫か」と今月上旬に報告を求めたのに対して、JR西日本は「特殊なボルトを新たに採用したり、バラストを少なくするなどの対策をとっている。営業運転には万全の態勢で入る」と答えた。
 しかし、西労などは「山陽新幹線は東海道新幹線に比べてトンネルが多く、これまでにない故障が発生する可能性がある」と警告。18日以降、トラブルが発生した場合は26日以降に「のぞみ」を対象にした第二派ストに入ることも辞さないとしている。(朝日新聞)
■スト突入指令 JR西労
 乗務員勤務制度の見直しなどに反対するJR西日本労働組合は17日午後10時、東海道、山陽、山陰線などを対象にした25日までの断続的な拠点ストライキに入る指令を出した。18日は大阪環状線など3路線で始発から終日ストに、山陽線でも寝台列車を対象にストに入る。春のダイヤ改定の同日はJR東海、九州でも同じJR総連系労組がストを構える。各社とも代わりの運転要員を確保、影響は少ないとしている。
 西労が18日にストを実施する大阪環状線は、昼間に20%程度が運休する見通しだが、朝夕のラッシュ帯は平常通り運行される。片町線と桜島線も、運休はそれぞれ20%と40%にとどまる。寝台列車に影響はない。ストは京都、金沢、広島など拠点を変えて行われる見通しだ。
 労使の対立の焦点となっていた「待ち時間」について会社側は18日、労働時間から除外する制度に切り替える。
 JR西日本のストに関するテレホンセンターは06-37-6200。(朝日新聞)
■「のぞみ」検査訓練 拒否者処分「不当」 JR東海労組員
 新大阪−博多間にも18日から登場する「のぞみ」の車体検査にからみ、「検査のための訓練を勤務時間外に設定し、家庭の事情や病気などで応じられなかった組合員を一方的に処分したのは不当」として、JR東海労働組合(JR東海労)の組合員4人が17日、JR東海(本社・名古屋市)を相手取り、処分の無効と慰謝料など計350万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。(京都新聞)
■『のぞみ』博多乗り入れ 新大阪から20分短縮
 東京−新大阪間に昨年登場したJR東海、西日本の新幹線「のぞみ」の山陽新幹線博多駅乗り入れが18日実現し、営業運転を始めた。昭和50年の新幹線博多駅開業時、約7時間かかった東京−博多間を5時間4分で結ぶほか、新大阪−博多間も2時間32分と、これまでより20分程度短縮される。
 半面、運賃は従来の「ひかり」より片道で1800円高くなり、航空運賃との格差が狭まる。
 「のぞみ」は東京−博多間で下り14本、上り13本、東京−広島間で1往復など1日上下37本が運転される。東京−博多間の途中停車駅は名古屋、京都、新大阪、岡山、広島、小倉で、所要時間は40分以上短くなるが、運賃は特急料金込みで片道2万3000百円(全席指定)。
 最高時速270`のスピードを売り物にした「のぞみ」が東京−博多間を通して運転することで、東京−福岡間を片道2万5300円で結ぶ航空機との乗客争奪戦はますます激しくなりそうだ。
 この日朝、東京、新大阪、博多などの各駅ではJR関係者らが出席して「のぞみ」の山陽区間運転開始の記念式典を開催。
 博多駅では、午前9時20分発ののぞみ10号を前に福岡市博多区の常岡希美ちゃん(3つ)ら幼稚園児7人の「のぞみちゃん」がくす玉を割って運転を祝った後、女子柔道の田村亮子さんの合図で東京へ向け「のぞみ」が出発した。
・新大阪でも出発式
 JR各社のダイヤ改正に伴い、新たに誕生した東京と博多を結ぶ「のぞみ」の一番列車が18日午前8時39分、新大阪駅を出発、初めて山陽新幹線に足を踏み入れた。
 21番ホームで出発式が行われ、ミス福岡がこの駅から乗り込むJR西日本の運転士、車掌らに花束を贈った。
 この後、同社のイメージキャラクターで俳優の石坂浩二さんらがテープカット、小倉祓園太鼓などの演奏で盛り上がった。(京都新聞 夕刊)
■JR西労スト ラッシュ時混乱なく 京滋でも大きな影響なし
 JR西日本の乗務員勤務制度の見直しなどに反対してJR西労(奥島彰委員長、4300人)は、ダイヤ改正が始まった18日午前零時から大阪環状、片町、桜島の在来線3線で24時間ストライキに突入した。ダイヤ改正でのストは国鉄時代を通じても初めて。
 しかし大阪環状線は朝の通勤ラッシュ時も平常運転となり、ダイヤの混乱はほとんどみられず、拍子抜けのストとなった。
 学研都市線(片町線)でも始発から一部列車が運休したが、大学、高校が春休みに入っていることもあり、午前のラッシュ時には大きな混乱はなかった。
 学研都市線(片町−木津)は、松井山手駅(京都府綴喜郡田辺町)で上下線とも折り返し運行となった。ラッシュタイムの午前7、8時台では木津−松井山手間で50%の運転率、松井山手−片町間で計3本が運休した。松井山手駅では、列車を乗り換えようと急ぎ足で移動する通勤客の姿が見えたが、ダイヤの乱れもなく混乱はなかった。
 午前9時台以降は、快速の同志社前駅折り返し列車がすべて運休するなど、木津−松井山手間で約半数が間引き運転。同志社前駅発の最終列車が運休の見込みとなっている。
 一方、京都駅に入る各線は平常通り運転されており、ふだんと変わらない朝のラッシュ風景だった。
 東海道、湖西、山陰線など各線に影響の出る22日以降も、それぞれ90%の運転率が確保されているといい、改札口付近に張り出されたストのお知らせに目を止める利用客もほとんどいなかった。(京都新聞 夕刊)
■ガソリン車と旅客列車衝突 米フロリダ、6人死亡
 【ニューヨーク17日共同】米フロリダ州フォートローダデールの鉄道の踏切で17日午後、全国鉄道旅客公社(アムトラック)の長距離列車が燃料運搬トレーラーに衝突、トレーラーの燃料タンクが爆発、炎上し6人が死亡、15人が重軽傷を負った。
 ガソリンを満載し踏切で立ち往生していたトレーラーに列車が突っ込んだもので、踏切付近にいた乗用車、小型トラック約10台が巻き添えとなって燃え上がり、トレーラーの運転手1人と乗用車などの5人が死亡した。負傷者もこれらの車に乗っていた。(京都新聞 夕刊)
■バスレーンに違法駐車 社長ら書類送検 京都府警
 京都府警駐車対策課と川端署は18日、営業トラックがバス専用レーンに繰り返し違法駐車するのを黙認していたとして、道交法違反(放置行為の容認)の疑いで京都市左京区丸太町通川端東入ル、ガラス建材加工販売会社「ヒノキヤ」と桧洋行社長(57)、営業部長(43)を書類送検した。
 調べでは、桧社長らは3月3日と4日、同社前の丸太町通で社員4人がトラック計7台を放置駐車するのを黙認した疑い。
 現場の丸太町通は午前7時から同9時の間、バス専用レーンに指定され、バスやタクシー、二輪車以外の通行、駐車は禁止されているのに、同社では社員が出勤する午前8時ごろから違法駐車していた。
 同社はトラック7台を保有しているが、会社にガレージはなく、200b離れた場所に4台分の民間駐車場を借りていただけで、会社前に駐車して積み荷作業などをしていた。京都府公安委員会から駐車場所を確保するよう再三指導を受けていた、という。
 調べに桧社長は「適当な場所にガレージを探してきたが、なかなか見つからない」と話し、取り縮まり後に会社内に2台分の駐車スペースを確保したという。(京都新聞 夕刊)
■「のぞみ」西進 山陽路にデビュー
 最高速度270`の「のぞみ」が18日、山陽新幹線にデビューした。1年前から営業運転を始めた東海道新幹線とつながり、東京−博多間を「ひかり」より40分短い5時間4分で結ぶ。運転は1日37本。
 この日、最も早く山陽路に滑り出したのは、午前6時20分博多発東京行き「のぞみ4号」。下りでは午前7時、新大阪発の「のぞみ501号」が博多に向けて出発した。
 新大坂駅では、午前8時37分に到着した東京発博多行きの「のぞみ1号」に合わせ出発式があった。JR関係者のほか、「のぞみ」のコマーシャルに出ている俳優の石坂浩二さんら約100人が出迎え、約2分間の停車中に、テープカットやくす玉割り。小倉祇園祭の太鼓の音でにぎやかに西への発車を見送った。
 JR西日本によると、この日午前の「のぞみ」の乗車率は、平均約7割。20、21日の連休の前売り券がよく出ており、満席の列車もあるという。
 「のぞみ」は新大阪−博多間を、これまでより17分短い2時間32分で結び、新神戸、岡山、広島、小倉に停車する。新大阪−博多間の料金は1万5260円。(朝日新聞 夕刊)
■JR 3労組、スト入り 会社側は要員確保 運行ほぼ平常通り
 新たな乗務員勤務制度の導入などに反対するJR西日本労働組合(JR西労、奥島彰委員長、約4300人)は、春のダイヤ改定日となった18日、大阪環状線など大阪地区の3路線で始発から終日ストに入った。しかし、JR西日本が代わりの運転要員らを確保したことなどから、朝のダイヤはほぼ平常通りで、通勤、通学客らに混乱はなかった。同じJR総連傘下の東海労、九州労も同日、ストを実施したが、大きな影響は出ていない。
 JR西日本によると、大阪環状線は朝のラッシュ時、関西線と乗り入れの「大和路快速」がすべて湊町発着となったものの、始発から平常通りの運行。片町線と桜島線も間引き運転となったが、利用客の時差通勤などもあり、大きな混乱はなかった。3路線の午前中の影響は約3万人。
 18日夕には山陽線の下関−広島間で、特急「さくら」や「あさかぜ」など寝台列車(ブルートレイン)がスト対象に加わり、19日には岡山地区で半日ストの予定だが、同社は「運行に支障はない」としている。
 一方、JR東海は東海道新幹線、在来線を含め全列車の運行が確保されたといい、JR九州も一部路線で運休が出たが混乱はなかったという。(朝日新聞 夕刊)
19日■「運行の主導権はJR」… 納得いかぬ遺族側 信楽鉄道事故処分
 【解説】信楽高原鉄道事故で、大津地検は18日、JR運転士とJR幹部社員らを不起訴処分とした。地検はすでに業務上過失致死傷罪で高原鉄道の関係者3人を起訴しており、今回の処分で、高原鉄道が一方的に刑事責任を問われることになった。
 焦点は、JRの運行管理責任が問えるかどうかだった。具体的には、列車すれ違い区間の小野谷信号所で青信号に従って進行したJR運転士が、対向列車の有無を確認せず進行したことが過失にあたるかがポイントだった。
 日本の鉄道では、たとえ信号が青であっても、所定の位置に対向列車がいない場合は駅に連絡するなどを定めているところもある。JR運転士には、小野谷信号所の電話端子で信楽駅と連絡を取り、対向列車の位置を確認する手段があった。しかし、信号所の出発信号は前方の単線区間に対向列車がいないことを示す青を表示していた。JRの内部規定でも、「青は進行」を義務づけている。
 地検では、乗り入れ運転を経験した他の運転士など120人以上の関係者から事情聴取した結果、@「青である以上、電話しなくても規則違反ではない」との供述が多かったA高原鉄道が赤信号発車をJR側に連絡しなかった−などを理由に、最終的にJR運転士の起訴を見送った。
 しかし、42人の犠牲者を出した正面衝突事故の責任が、JRに一切ないと言い切れるのだろうか。JRは「優先テコ」設置に際して、連動図や結線図を高原鉄道側に渡さなかっただけでなく、同様の機能を持つ「抑止テコ」を信楽駅の仰制御盤から外させていた。事実上、運行面でのイニシアチブをJRが取っていたともいえる。「だからこそルJRには十分な安全教育を行う責任があった」というのが遺族らの心情だ。
 「『起訴に足る嫌疑』がなかった」という処分理由を、JRはこの際、胸に刻私み込むべきだろう。(滋賀本社・石川一郎)(京都新聞)
■信楽事故 JR運転士・会長ら不起訴 大津地検 遺族、不服審査へ
 一昨年5月、死者42人を出した信楽高原鉄道事故で、大津地検は18日、業務上過失致死傷などの容疑で滋賀県警が書類送検、遺族らからも告訴・告発されていたJR西日本の林光昭運転士(50)と、安全管理を怠ったとして遺族らから併せて告訴・告発されていた同社の角田達郎会長(事故当時社長)ら幹部6人をいずれも不起訴処分とした。遺族らから同罪で追加して告訴・告発されていた幹部社員6人については、継続捜査する。これにより事故発生から1年10ヵ月にわたった刑事責任追及の捜査は、一方の当事者であるJR西日本の安全管理責任を問えないまま、ほぼ終了することになった。遺族らは、この処分を不満として、週明けにも大津検察審査会に不服審査を申し立てることにしている。
 林運転士の不起訴理由として大津地検は、▽信号システムの機能は正常で、すれ違い区間の小野谷信号所の出発信号が青を表示したのは、信号技師の人為的操作が原因。運転士に衝突の予見は不可能だった▽信号が青である以上、前方進路が安全確保されていると考えるのが自然−としている。
 また、角田達郎会長らについては「乗り入れに際しての安全指導は高原鉄道側が実施しており、JRに教育面の落ち度はなかった。また、JR幹部は事故当日の運行状況を知っておらず、起訴に足る嫌疑は認められない」として、JR側の安全管理責任については不問とした。
 一方、大津地検は、信楽駅の出発信号を赤固定し事故の誘因となった「優先テコ」設置をJR西日本が、小野谷信号所の信号設備変更を高原鉄道が、それぞれ運輸省に無認可で行ったとして両社と当時の担当者各1人を鉄道事業法違反罪で略式起訴した。大津簡裁は同日、両社に罰金50万円、両担当者に同30万円の略式命令を下し、いずれも仮納付された。
 信楽事故では、高原鉄道の施設課長山本長生被告(56)、同社運転主任の里西孝三被告(62)、同社に出向していた信号技師八木沢守被告(44)の3人がいずれも業務上過失致死傷と業務上過失往来危険罪ですでに起訴されている。(京都新聞)
■「のぞみ」の門出 京のぞみちゃん祝福
 18日朝、JR博多駅で行われた新幹線「のぞみ」の出発式に、平安建都1200年記念協会のキャンペーンレディー・京のぞみちゃん2人が参加して「平安建都1200年には、どうぞ京都へ」とPR。
 出発式には、柔道のやわらちゃんこと田村亮子さんや、かわいい「のぞみ」ちゃん7人も参加。壷(つぼ)装束の京のぞみちゃんはヒロ・ヤマガタ氏の1200年記念ポスターを博多駅長に贈り、多くの列席者の前で京都をアピール。「のぞみ」の門出に花を添えた。(京都新聞)
■「JR責任ないなんて…」 信楽事故処分 遺族ら新たな怒り 高原鉄道側 無念さ「心境複雑」
 「JR西日本の刑事責任を問わないなんて…」。18日、大津地検が発表した信楽鉄道惨事のJR不起訴処分に、遺族らの新たな怒りが渦巻いた。ひとり責任を負う形になった高原鉄道も、胸に突き上げるものを隠せない。一方、JRは「厳正な捜査の結果」と神妙な応対だったものの、安堵(ど)の表情ものぞかせた。
 乗客犠牲者のうち、22人の遺族でつくる「犠牲者遺族の会」(吉崎俊三代表世話人)と同弁護団は同日夕、JR西日本の会見に先立って大阪市のJR西日本本社で会見し、秋田真志弁護士は「検察は使命を放棄しており、到底許しがたい。検察審査会に審査を申し立てる」と検察捜査の結果を批判し、あくまでも法的な責任を追及していく姿勢を強調した。
 また、吉崎世話人も「事故責任はJRと高原鉄道に半分ずつある。それに加えてJRは優先テコの操作マニュアル改ざんなどの証拠隠しまでしているのに…これでは死者は浮かばれない。持って行き場のない思いです」とやりきれぬ表情で、JR側の責任が追及されなかったことを嘆いた。
 京都府相楽郡木津町の企業協同組合「ハイタッチ・リサーチパーク」の4遺族らでつくる「事故被害者の会」(代表・菱田健次弁護士)では、地検処分について「これでは青信号ならどんな状況でも進んでいいことになる。JRの責任追及が不十分だ」と、検察審査会への申し立てなどを検討する方針を固めた。
 同組合の研修で夫を亡くした森上美由紀さん(34)=亀岡市大井町=は「JRの責任追及を求めて私たちが集め地検に提出した1万2000人の署名は実らなかったんですね…」と肩を落とし「主人はJR列車に乗っていたんです。そのJR側の責任が問われないなんて、どうしても許せない」と怒りをあらわにした。
 信楽高原鉄道の北川啓一社長は同日夕、大津市にある「ご被災者相談室」で記者会見し、大津地検の処分について「極めて複雑な心境だ」と、高原鉄道のみが刑事責任を負うことになったことに苦しい胸の内を語った。
 先月末の遺族説明会では、高原鉄道の弁護士が「林運転士の列車運行は乗り入れ協定違反。JR側にも過失はある」との見解を示している。北川社長は「鉄道事業法違反で両社が略式起訴されたのは事実ですから」と、JR責任論は口にしなかったものの、言外に”無念さ”をにじませた。また、今後の遺族との補償交渉に関しては「遺族らへの誠意ある対応をJRと進めたい」とのみ話した。
・表情硬く「主張通り」 JR側 「今後も安全に努力」 関係者処分は早急対処
 JR西日本は18日夜、大阪市北区の本社で伊藤博専務(鉄道本部担当)らが記者会見し「捜査結果を厳粛に受けとめ、今後とも安全確保に最大限の努力をする」との井手正敬社長のコメントを発表した。刑事責任を問われなかった業務上過失致死傷容疑などについては「厳正な捜査の結果」と、慎重な言い回しに終始。硬い表情での受け答えが続いたが▽青は進め、赤は止まれである、という主張が認められた▽必要な教育を行ってきたという点が今回の判断に結びついた−と、同社の主張が正しかったとの考え方を示した。
 鉄道事業法違反罪での略式起訴に関しては、関係者の処分を含め、早急に対処する、との方針を明らかにした。
・結果責任追及すべき
 板倉宏・日本大教授(刑法)の話 大津地検は、JR西日本の関係者個々をとらえ具体的に事故の予見可能性があったかどうかを判断する伝統的な考え方に立ったのだろう。しかし、組織としてのJRの安全管理のあり方はもっと突き詰められたのではないか。
 信号システムや誤出発検知装置などすべて正常に作動していたというが、現に事故が発生した。システムの導入自体に問題はなかったのか。死者42人の大惨事は単なる事故でなく、公害や企業災害と同じようなものだ。乗り入れ運行を実質的に仕切っていたJRは、事故発生の不安感や危惧(ぐ)を払しょくするだけの万全の措置を講じるべきだったのにしなかった。結果責任は厳しく追及されなくてはならない。
・地検の判断は妄当
 永瀬和彦・金沢工大教授(鉄道システム)の話 地検の判断は妥当だ。JR西日本の運転士は信号だけが頼り。システムが正常である以上は責任は問えない。事故は信楽高原鉄道の一方的な過失によるものでJRに刑事責任はないと思う。
 事故の背景には、運転規定の不備や第三セクターの脆(ぜい)弱性などさまざまな要素が縮んでいる。事故の再発防止のためにはこれらも究明すべきだ。
・経営の根本にメスを
 永江武雄・国労西日本本部書記長の話 国労は現場労働者への責任追及だけでなく、経営の根本にもメスを入れるべきだと主張してきた。
 JRの責任を事実上不問にするに等しい検察の処分は、事故を続発させているJRに本腰を入れた安全対策を求める上からも、重大な問題を残すといわざるをえない。(京都新聞)
■信楽列車事故 JR側の責任追求せず 大津地検 運転士ら7 人不起訴
 信楽高原鉄道列車事故で大津地検は18日、業務上過失致死傷容疑などで書類送検されていたJR西日本の運転士と、「遺族の会」(吉崎俊三世請人代表)から同罪などで告訴・告発されていた同社の幹部6人については、嫌疑を認められないとして不起訴処分にした。また、無認可で信号工事をしたとして鉄道事業法違反容疑で書類送検されていたJR西日本、信楽高原鉄道両社と双方の信号工事担当者2人を同日、大津簡裁に略式起訴。
大津簡裁は両社に各50万円、担当者2人に各30万円の罰金を科した。
 この結果、JR西日本の事故の過失責任は追及されず、さきに社員らが業務上過失致死傷などの罪で起訴された信楽高原鉄道側の責任だけが法廷で問われることになった。「遺族の会」は、この処分を不服として、近く検察審査会に審査を申し立てる。
 事故は1991年5月14日、滋賀県甲賀郡信楽町の信楽高原鉄道で発生。信楽駅を赤信号のまま出発した同鉄道の列車と、待避線の信号が青で進行したJR西日本の列車が正面衝突し、42人の死者と614人の負傷者を出した。
 大津地検は、JR西日本の運転士について、青信号で進行するさいに危険を予見できたかどうかに重点を置いて取り調べた。単線区間での青信号表示は、区間内に列車がないことを示すことから、同地検は運転士が列車を進行させたことの過失を問うことはできないと判断。同社幹部についても、組織の責任を問うことはさらに不可能とした。
 鉄道事業法違反容疑については、事故の発端となった信楽駅の出発信号が赤のまま固定した原因が、近畿運輸局長の認可を受けずに信号工事を変更したことによると断定。JR西日本と工事を担当した同社の信号通信課主席、信楽高原鉄道と同社の施設課長をそれぞれ、同法違反で略式起訴にした。
 信楽高原鉄道の社員ら3人の初公判は4月27日に大津地裁で開かれる。
・厳粛に受け止める
 JR西日本の井手正敬社長の話 鉄道事業法違反に関しては、厳粛に受け止め、二度とこのようなことのないよう取り組む所存です。刑事責任については不起訴になりましたが、安全の確保は鉄道事業の根幹と考え、今後も最大限の努力をしていきます。
・JRにも道義的責任
 北川啓一・信楽高原鉄道社長の話 略式とはいえ起訴という処分を、重く受け止めている。JR運転士らの不起訴処分については、極めて複雑な心境だ。だが鉄道事業法違反でJRも罰せられたのは事実。JRの刑事責任追及はこれで終わるが、道義的責任からは逃れられないはず。補償交渉に今後も協調していただけると信じている。
・「事故の本質 見誤り不満」遺族の会
 信楽高原鉄道事故に巻き込まれた22人の犠牲者の「遺族の会」(吉崎俊三・世話人代表)は大阪市内で記者会見し、「事故の本質を見誤り、検察の使命を放棄したもので、許しがたい判断。これで、JRが免責されるものではない」と、強い不満を示した。
 今後同会は、検察審査会に審査の申し立てをするほか、大津地検に説明会の開催を要望、さらに民事訴訟も含めてJRの責任を追及していくという。
 事故で妻を亡くし、娘さん2人も大けがをした吉崎さん(59)=兵庫県宝塚市=は「事故の責任は信楽高原鉄道とJRが半分、半分と思っていた。この結論では死者はうかばれない」。妻を失った中原邦夫さん(58)=神戸市=も「安全に対するJRの姿勢に、徹底的にメスを入れてほしかった」と話した。(朝日新聞)
■高松−松山間 20分余り短縮 JR予讃線電化
 JR四国の予讃線新居浜−今治間がこのほど電化して、高松−伊予市間の予定区間の電化が完成。18日のダイヤ改正から高松−松山間、岡山−松山間に、8000系新型特急電車が運行を始め、主要5駅で記念出発式をした。
 予定区間電化完了により、平均で高松−松山間がこれまでより約20分余り、岡山−松山間が約5分速くなったほか、松山−新大阪間も最も速い列車で18分短縮された。(朝日新聞)
■8万人の足に影響 JR西労、終日スト
 乗務員の勤務制度の見直しに反対するJR西日本労働組合(JR西労)のストは18日いっぱい続けられ、大阪地区で約240本が運休、約8万人の足が乱れた。19日始発からは、岡山地区に拠点を変えて半日ストに入るが、JR西日本では運行に支障は出ないとみている。(朝日新聞)
■ひかり運転席ガラスにひび 広島駅で車両交換
 19日午前7時ごろ、福岡県鞍手郡若宮町、山陽新幹線博多−小倉間の福岡トンネル内で、走行中の博多発東京行き「ひかり32号」の運転席前面窓ガラス(縦約90a、横約1.5b)に長さ約20aのひびが入っているのに運転士が気付いた。同列車は、広島駅で別の車両に交換、乗客約260人は乗り換え、18分遅れで同駅を出発した。
 JR西日本によると、ひび割れに気付いたのは、出発の博多駅を発車して約5分後。窓は厚さ5_のガラス3枚が合わさっており、ひびが入ったのは外側のガラス。(朝日新聞 夕刊)
20日■京都駅ビルへの出店 伊勢丹に再考要望へ 高層化反対の4団体
 JR京都駅ビル高層化計画に反対している京都駅建て替え問題対策協議会や運輸一般京滋地方本部など4団体は20日、駅ビルに出店する伊勢丹百貨店の本社(東京・新宿)を訪れ、出店を再検討するよう申し入れる。同時に新宿店前で抗議行動も展開する。
 申し入れは、京都駅ビルの建設計画は地元住民の要望を無視して進められているうえ、伊勢丹の出店は中小商工業者にとって死活問題だとし、しかも京都の景観を破壊するとして再考を求める。(京都新聞)
■22−25日スト 運転影響ない JR西日本見通し
 JR西日本は19日、JR西労が22−25日に予定している後半ストについて、運転にほぼ影響はない、との見通しを発表した。
 22、23日は、当初東海道、湖西線などに一部影響が出ると見込んでいたが、運転士のやりくりで全線100%運転となる。その後については、24日の山陰線(園部−城崎)も、ほぼ平常通りとなる見込みで、京滋関係に影響はなさそう。(京都新聞)
■22・23日平常ダイヤ 第二波JRスト
JR西日本は19日、JR西日本労働組合(JR西労)が構えている第2波ストの22、23両日の影響を発表した。当初、近畿で約2割が運休する予想だったが、要員が確保できたため、平常通りのダイヤで運行され、ストの影響はほとんど出ないといっている。
 同社は24日も平常ダイヤの運行を目指している。しかし、25日は広島地区での影響は避けられない見通し。(朝日新聞)
■のぞみ号 開業2日目「のぞまぬ」故障 山陽新幹線ブレーキランプ異常
 19日午後9時12分ごろ、山口県の山陽新幹線徳山駅の東約5`で、東京発博多行き「のぞみ23号」の運転台にあるブレーキの異常を示す「固着点灯ランプ」がついて、臨時停車した。運転士が解除ボタンを押したところ、ランプが消えて実際には異常がないことが分かり、約1分後に運転を再開。しかし、走り出して数分後、再び同ランプがつき、また停車。検査係員が床下を点検したが、異常はなく、同9時36分に運転を再開した。このトラブルのため同列車が24分遅れたほか、後続の「ひかり」など3本も遅れ、2000人に影響が出た。
 JR西日本によると、この列車は、18日から山陽新幹線で営業運転を始めたばかりのJR西日本の新車両。同社は、ランプの誤作動で、ブレーキ自体に故障はなかったとしている。(朝日新聞)
21日■のぞみ臨時停車 タヌキはね? ランプ点灯
 山口県の山陽新幹線新岩国−徳山間で19日夜、東京発博多行き「のぞみ23号」(16両編成)の運転台にあるブレーキの異常を示すランプが点灯し、2回にわたって臨時停車したトラブルで、JR西日本広島支社は20日、列車の床下にタヌキとみられる獣の毛などが付着し、沿線から切断されたタヌキの足が見つかったことを明らかにした。線路内に迷いこんだタヌキが、デビューしたての最高時速270`の新幹線から逃げ遅れ、はねられたらしい。(朝日新聞)
■小倉山の残土放置問題 搬出1000`に結集した「怒り」 市民団体の55人が8回目登山 「JR忘れ物お届け」
 JR西日本が小倉山(右京区)に放置している残士の撒出活動に取り組む市民団体「小倉山頂の忘れ物をJRにお届けする会」(世話人・松本章男さん)は20日、市民ら55人を集め、8回目の搬出登山を行った。現場付近はすでに工事準備のためのフェンスが張られており、実質的には最後の搬出活動。JR側は残土については少量の搬出計画があることを明らかにした。
 この日の登山には、西山卯三京大名誉教授や、市内のユースホステルを通じて東京、大阪などから集まった学生らも参加。持参のリュックサックなどに詰め込んだ残土を、JR山陰線嵯峨駅まで持ちかえった。現場にはJRの職員数人が来ており、フェンスをくぐって侵入した市民らと、工事方法をめぐって押し問答する場面もあった。
 同団体は昨年12月から、月2回の残士搬出登山を続けており、これまでに計8回、延べ約300人の市民らが参加した。運び出した残土の量は1000`を超えるという。松本さんは「石の量は市民一人ひとりの怒りの結集。JRや市はこの声をもっと厳しく受け止めるべきだ。今後は監視活動などに切り替えていきたい」と話した。
 一方、JRは今月10日ごろから準備工事を進めており、週明けにも鉄塔の撤去や立て坑を埋め戻すなど本格的な工事に入ることにしている。土盛りや植栽など今月1日に京都市の承認を得た。JRはその後、地元の住民らに対してさらに詳しい工事経過を説明。その中で、大きなかたまりなどの搬出を考えていることを明らかにした。
 JRの説明によると、工事期間は1993年3月から95年12月までだが、主体工事は94年秋までに完了する、としている。工事用自動車の平均通行台数はタンプ、トレーラーなど大型車は1日2台から4台。それらの荷台の空きスペースを使って、「できる範囲内で残土を搬出する」としている。(朝日新聞)
22日■480万人の足混乱か 25日の関西5私鉄スト
 25日に予定されている関西大手5私鉄の24時間ストを前に、近畿運輸局は22日、ストに突入した場合の関西での影響をまとめた。
 25日は始発から南海、阪急、京阪、阪神のほか、阪堺電気軌道の電車と南海、阪神のバスが止まる。近鉄は主要15駅の集改札ストに戦術ダウンする見込み。
 泉北高速と神戸高速はストをしないが、乗り入れや駅業務委託など南海、阪急、阪神のストの影響でストップする。
 ストによる運休本数は電車が9937本、バス1万508本で、電車・バス合わせて約480万人の足が混乱するとみられる。
 山陽、神戸、能勢など中小の12私鉄と阪急、京都、水間など民営バス26社は28日に24時間ストを予定している。(京都新聞 夕刊)
■乗客への影響なし JR西労のスト続く
 乗務員勤務制度の変更に反対するJR西労は22日午前零時から正午まで、兵庫県内の明石、網干両電車区と姫路列車区を拠点に東海道、赤穂両線でストに入った。18、19日の大阪環状線、山陽線などに続くストだが、通常運転が確保され乗客への影響はほぼなかった。
 JR西労は23−25日まで連日、同じ時間帯に東海道、山陽、山陰などの各線で拠点ストを続けるほか、25日は大阪、兵庫、広島各府県内で日勤の地上勤務者がストに入る。
 下関−広島間のブル−トレイン乗務員は18日から指名ストに入っている。
 京都駅では、東海道線や湖西線が平常通り運転され、一部の電車ではストを知らせる車内放送が行われたものの懸念されたダイヤの遅れなどは全くなく、利用者はホッとした表情だった。
 東海道線などでは23日以降も100%運転が見込まれており、ストの影響はない模様。(京都新聞 夕刊)
23日■山陰、舞鶴線 平常通り運転 JR西日本のスト
 JR西日本は22日、JR西労のストに伴う24、25日の運転見込みを発表した。
 24日は全列車運転で、京滋関連で当初一部運休が予想された山陰線(園部−城崎)、舞鶴線(綾部−東舞鶴)なども平常通り運転される。スト拠点が広島方面に移る25日は、山陽線などで午前中1−2割程度の列車が止まりそう。また新大阪−西鹿児島、同−長崎を結ぶ臨時夜行特急が25、25日運休(計4本)。影響人数は約1万人とみている。
 18日から始まったスト(20、21日はストなし)で、JR西日本は当初25日までに約37万人が影響を受ける、と見込んでいた。しかし、後半は半日の拠点スト、指名ストにするなどの戦術だったことや、運転要員の確保がある程度できたことでダイヤの乱れは予想より少なく、影響人数は延べ9万人程度に収まる見通し。(京都新聞)
■JR東海 初の滅収に 本年度見通し 新幹線の乗客伸びず
 JR東海の須田寛社長は22日の記者会見で、1992年度の営業実績が民営化以来初めて減収になるとの見通しを明らかにした。主力の東海道新幹線の1日当たりの平均輸送量(乗客数)が2月末までの集計で前年度比98%にとどまっていることなどが根拠。長引く不況がビジネス、観光客などの旅客数に影を落としてきたといえそうだ。
 同社は87年の民営化後、東京一極集中の進行に乗って新幹線収入が増大したため、ほぼ年率10%前後の増収を記録してきたが、不況局面を迎えた91年度には2.7%増と伸びが鈍っていた。92年度は当初の事業計画で、売上高は1兆1352億円とみていたが、前年度割れは確実。経常利益も758億円の当初計画を大きく下回る「700億円をめぐる攻防」(東田社長)という。
 須田社長は来年度の事業計画について「設備投資は内部留保で賄える範囲にし、抑制ぎみとしたい」と述べた。また、運賃問題では「当面値上げの計画はない」との見解を重ねて表明した、(京都新聞)
■来春の採用は横ばい JR東海が計画発表
 JR東海は22日、来年春の新卒者採用計画の概要を発表した。「低迷する景気の状況を考慮しても採用数はコンスタントに維持したい」(葛西敬之副社長)との基本姿勢に基づき、大卒100人、高卒350人と今春(大卒101人、高卒345人)並みを予定している。ただ、これまで好況時に実施してきた中途採用を今後はやめる。(京都新聞)
■値上げに消極姿勢 JR西日本社長が会見 「苦しい状況でない」
 西日本旅客鉄道でJR西日本)の井手正敬社長は22日の会見で、運賃問題について「少なくとも平成5年(1993年)度内の値上げは考えていない」と語り、ここ1年間は運賃を値上げする考えのないことを重ねて表明した。さらに、94年度についても、値上げを検討するほど苦しい経営状況ではない、とし値上げには消極的な姿勢を示した。
 ただ、井手社長は、株式上場基準では、上場の前年度の経常利益と税引き前利益は資本金1000億円の4割以上が必要と説明、今年12月ごろに固まる93年度の収支を見て、値上げについて考えたいとしている。
 同社の92年度決算見通しでは、収入は前年度比1−2%減となるが、経常利益は約600億円を確保できるという。前回の運賃値上げは、89年4月の消費税転嫁に伴うもので、それ以来据え置いている。(京都新聞)
■JR西日本は運賃据え置き 「来年度も」社長表明
 JR西日本の井手正敬社長は22日の定例記者会見でJR各社が検討している運賃の値上げについて、「西日本としては93年度中に値上げのつもりはない。利益が株式上場の基準を維持できなくなると上げないとも言えないが、現在はそういう経営状態ではない」と述べ、来年度は運賃を据え置く考えを明らかにした。
 運賃据え置きの期間については「平成6年までは大丈夫そうだ」と述べ、経営環境が大きく変わらなければ値上げはないことを示唆した。JR各社は消費税の導入に伴って1989年に平均2.85%上げたのを除けば、旧国鉄時代の86年9月以来、値上げしていない。(朝日新聞)
■JR東決算 初の減収 決算見通し
 JR東海の須田寛社長は22日の記者会見で、同社の93年3月期決算見通しについて、87年4月の同社発足以後初めて約2%の減収になることを明らかにした。同社の売上高の8割以上を占める東海道新幹線で、企業の出張抑制や観光客の伸び悩みから、乗客が前年比約2%減となるため。売上高が前期を200億円強下回る約1兆1100億円となる見込みのほか、経常利益も「前期比35.2%減、758億円」の当初見通しを下回り、700億円前後にとどまる見通しで、2年連続の減益決算となる。(朝日新聞)
■私鉄5社スト640万人に影響 関西で25日見込み
 日本民営鉄道協会は22日、私鉄大手13社の労組が25日に予定している24時間ストライキが実施された場合の影響をまとめた。それによると、全国で約3万3000本の電車と約10万本の大手私鉄系バスが運休、計約2400万人の足が乱れると予測している。
 関西では、私鉄大手5社(近鉄、阪急、京阪、南海、阪神)がストを構え、運休は電車で1万4353本、バスでは1万5048本に上る見込み。電車とバスを合わせ、約640万人の通勤通学の足に影響が出そうだ。(朝日新聞)
■寝台急行4本が運休 25・26日のJRスト
 JR西日本労働組合のストで、JR西日本は22日、24−26日の影響を発表した。24日は平常通りのダイヤが確保できるが、25日午前中は広島地区で普通列車1−2割が運休し、約1万人に影響が出る見通し。夜行列車では、25、26両日の臨時寝台急行「霧島」(新大阪−西鹿児島)と、「雲仙」(新大阪−長崎)の計上下4本が運休になる。(朝日新聞)
■妥協点求め少数交渉 スト控え私鉄大手労使
 春闘賃上げで私鉄大手労使は23日午前、幹部による3回目の少数交渉をした。
 席上、組合側は、経営側が検討している回答水準を打診した。これに対し経営側は「公共性の高い鉄道産業が世間相場から突出するわけにはいかない。慎重に対応したい」と答えるにとどまった。
 交渉の後、経営側は労務担当役員会を開き、2日後に迫った24時間スト回避に向けた対応を検討した。
 私鉄総連の23日までの公式、非公式の会議では「1万4000円(4.95%)を下回ればスト」との意見が大勢を占めているものの、一部幹部の間には「昨年、朝のラッシュアワーを打ち抜いたのに続き2年連続のストは避けたい」との意向もあり「昨年実績(1万5700円、5.7%)を2000円から2500円下回るのはやむを得ない」との声も出始めている。
 経営側は同じ公益性の高い産業の電力労使の交渉をにらみながら、少数交渉や水面下の折衝で妥協点を探った。
 25日始発から24時間ストを構えているのは東武、京成、京王、東急、営団地下鉄、相模鉄道、名鉄、近鉄、南海、京阪、阪急、阪神、西鉄の13社。(京都新聞 夕刊)
■信号機故障で通勤の足混乱 JR京都駅
 23日午前2時35分ごろ、JR京都駅構内西側の東海道線下り線出発信号機と同上り線場内信号機が赤のまま変わらなくなった。京都信号通信区などで調べたが、約4時間後の午前6時43分に自然復旧し、同7時に全面復旧した。
 JR西日本によると、この事故で、長崎・佐世保発京都行きの寝台特急「あかつき」が新大阪で運転を打ち切ったのをはじめ、東海道線は京都−高槻間の普通電車17本が運休し、午前8時ごろまでの間に寝台特急2本と普通電車30本が49分から数分遅れた。朝のラッシュに一部かかったため、約1万人の足に影響が出た。
 同信号通信区などで原因を調べている。同駅構内では2月27日深夜にも電源ヒューズ切れによる信号機故障があり、ダイヤが大幅に乱れた。(京都新聞 夕刊)
■猿が架線に触れ「つばさ」遅れる
 23日午前8時25分ごろ、JR奥羽本線福島−峠(山形県米沢市)間の送電が止まり、同線に乗り入れている山形新幹線「つばさ」などの上下線列車が一時運転を見合わせた。JR東日本によると、福島市の同線赤岩駅構内で野生の猿が架線に触れたため、送電がショートして変電所のブレーカーが作動したらしいという。この事故で、山形発東京行き「つばさ114号」など山形新幹線上下3本が最高約50分遅れ、普通列車1本が運休、2本が最高1時間12分遅れるなどして、乗客約1200人が影響を受けた。(京都新聞 夕刊)
■JR京都駅で信号機が故障 1万人の足に影響
 23日午前2時35分ごろ、JR京都駅構内西側の東海道線のポイントが動かなくなった。同駅で調べたところ、構内の信号機が赤信号のまま変わらなくなっていた。この故障で、長崎・佐世保発京都行きの寝台特急「あかつき」が新大阪で運転を打ち切り、上下7本の早朝の普通電車も運休した。午前8時ごろには正常運転に戻ったが、ラッシュ時を含め、上下30本に最高49分の遅れが出て、通勤通学客ら約1万人に影響が出た。
 JR京都駅などによると、故障後、手信号などで運転を続けていた。故障した信号機は午前6時45分ごろ自然に元に戻り、ポイントなどのテストをした後、午前7時に復旧したという。JR京都信号通信区の職員らが原因を調べている。(朝日新聞 夕刊)
24日■リニア線でも献金か 側近2社が受注に介在 聴取のゼネコンも 3500億円”利権”に参入
 前自民党副総裁、金丸信被告(78)らの巨額脱税事件で、鉄道建設公団とJR東海が発注し山梨県で工事が進められているリニアモーターカー実験線の下請け工事受注をめぐり、地元でヤミ献金の窓口役を務めていた金丸被告側近の関係する2社が関与していた疑いが強いことが23日、関係者の話で分かった。
 同実験棟は総事業費約3500億円に上る新たな”利権”。山梨県内での建設が決まったのは平成元年で、逮捕容疑になっている金丸被告の同年分の脱税資金に、実験線工事に縮むヤミ献金が含まれている可能性が強まった。
 受注の経緯には、東京地検特捜部も関心を寄せているもようだ。
 関係者によると、下請け工事受注に介在した疑いが持たれているのは、金丸被告の地元後援会「久親会」の金庫番を務める幹部2人の関係会社2社。2人は、地元建設業者から入る金丸被告への資金の窓口で、ヤミ献金もすべて取り仕切っていたとされ、会社や自宅などが既に特捜部の家宅捜索を受けている。
 リニア実験線工事は、大手、準大手の総合建設会社(ゼネコン)が共同企業体を組み、工区ごとに受注。金丸被告へヤミ献金していたとして幹部が特捜部の聴取を受けるなど捜査対象になった西松建設や飛島建設、大成建設など十数社が軒並み参入しており、リニア参入を目的に金丸被告に献金していた疑いも出ている。
 リニア実験棟は2年11月に着工され、山梨県南都留郡桃山村−東八代郡境川村の42.8`に建設中。ほかにも無人リニア実験線がある宮崎県などが誘致合戦を展開したが、金丸被告の政治力が働いたとの見方が有力だった。
・山梨リニア実験線 リニアモーターカーの実用化に向けて走行性能や安全性確認などを目的に平成2年11月に着工。区間は山梨県南都留郡桃山村から同県東八代郡境川村までの42.8`。総事業贅は実験車両2組、工事費など計約3500億円。このうち2500億円をJR東海が、500億円を国、300億円を地元自治体が負担するなどとなっている。
 昨年7月、取りあえず都留市と大月市にまたがる18.4`を先行工事区間として優先的に工事を進めることを決め、この区間の完成を待って、6年度から実験を開始、9年度に実験を終了する計画になっている。(京都新聞)
■”夢の超特急”へ金走る 金丸被告 蓄財の疑い 政治力で「山梨」決定 戸惑う運輸省など
 東京−大阪間を時速500`、1時間で結ぶリニアモーターカー構想。前自民党副総裁、金丸信被告は21世紀に向けた夢の超特急までも、蓄財の道具に利用していた疑いが23日浮上、新幹線に代わる輸送機関と期待が寄せられているだけに、運輸省、JRも戸惑いの表情を見せている。
 リニア実験線の予定地には、工事が進んでいる山梨のほか、北海道の札幌と千歳空港間、東京都心と成田空港間、現在無人リニアの実験線がある宮崎県が名乗りを上げ、激しい誘致合戦を展開した。
 運輸省の「超電導磁気浮上式鉄道検討委員会」は平成元年8月、実験線を山梨に決定。理由として「将来、東京から甲府市を経由して山間部を大阪に抜ける中央新幹線をリニアモーターカー方式で建設する場合、営業線に転用できる」などを挙げた。しかし、山梨案を後押しした金丸前副総裁の政治力がものを言ったとの見方が有力だ。
 実験線は現在、日本鉄道建設公団とJR東海が工事発注者となり、九鬼、笹子などのトンネル掘削工事が進められているが、今回、東京地検特捜部から事情聴取を受けた西松建設、飛島建設などが共同企業体を組んで参入している。関係者の中には「金丸前副総裁がうまく調整したのではないか」と指摘する人も。
 JR東海はこの実験棟を平成6年度末までに完成、その後、9年度まで実験を続け、そのデータを基に、中央新幹線にリニアモーターカー方式を採用するか決めたいとしている。だがリニアモーターカーから出る磁気の影響など未解明の点も多く、完成は早くて2010年といわれている。(京都新聞)
■京都ライトハウス隣の千本通北行に近く”声のバス停” 市バス初 音声で行き先知らせる
 目の不自由な人に音声でバスの行き先などを知らせる新型のバスロケーションシステムが市バスでは初めて近く、北区千本北大路の停留所に導入されることになった。
 設置されるのは京都ライトハウス隣の千本通北行停留所。停留所の近くには京都ライトハウスのほか鳥居寮、養護老人ホーム船岡寮など視覚障害者の施設が集中している。現在の設備は停留所の表示があるだけで、目の不自由な人にはバスが来たかどうかが分からないため、一昨年10月、府視覚障害者協会が市交通局に改善を要望した。
 設置される新システムは、近づいてくるバスを感知してバスの到着やバスの系統(行き先)を合成音声で流す。
 バスロケーションシステムは現在、市交通局の停留所では62ヵ所ある。バスが停留所に近づくとチャイムが鳴る仕組み。行き先は到着したバスの乗り口のスピーカーから流されるため、目の不自由な人にはバスが着くまでそのバスの行き先が分からなかった。(京都新聞)
■来月24、25日 SLを運転 JR福知山支社
 JR福知山支社は来月24、25の両日、SL「ふくふく北近畿号」を、山陰線の福知山−和田山間で運転する。昔懐かしい雄姿が、鉄道ファンらの人気を呼びそうだ。
 福知山市内で開く北近畿交流博「ふくふくフェスタ福知山'93」(同実行委主催)のイベントの一つ。ポニーの愛称で知られるC56を7両編成で使用、両日とも1往復運転する。
 運転時間は、下りが午後零時33分に福知山発、各駅に停車しながら同1時46分に和田山着。上りは同3時9分に同駅発で、同4時51分に福知山に着く。下りはSLが先頭となるが、上りは逆に最後尾に着き、ディーゼル機関車が客車などを引っ張る。
・乗車券きょう発売
 定員424人で、全席指定。乗車券は、きょう24日午前10時から各駅などで発売する。(京都新聞)
■あす関西私鉄終日ストなら 京滋で55万人に影響
 あす25日、労使交渉が決着しない場合、関西の私鉄大手5社は始発から24時間のストライキを予定しているが、終日ストが貫徹されると、京滋関係では約55万3000人の足に影響がでる見通し。
 ストを予定しているのは京阪、阪急、南海、阪神、近鉄など。このうち近鉄は、主要駅の集改札ストに戦術変更する見込み。残る4社の中で、京都、滋賀方面に路線を持つのは京阪と阪急となる。
 終日ストの場合、京阪は、京都府内で本線・鴨東線、宇治線、京津線など1110本が運休し、影響人員は約28万1000人。
 滋賀県内では京津線と石山坂本線の529本が止まり、4万1000人の通勤通学客らが影響を受ける。
 同じく阪急は、京都線と嵐山線の665本が運休、23万1000人が平行するJR線などを利用することになりそう。
 交渉が未解決のとき、大手私鉄は28日と来月2日にも24時間ストを構えている。(京都新聞)
■JR東海会長 田中氏に内定 元中電社長
 東海旅客鉄道(JR東海)は23日、三宅重光会長の後任に、元中部電力社長で現相談役の田中精一・非常勤取締役を充てる人事を内定した。三宅会長の健康がすぐれないためで、26日の閣議で了解を得て、4月1日付で就任する。
 田中精一氏(たなかせいいち) 慶応大卒、34年東邦電力(中部電力)に入社、中部電力副社長などをへて77年6月社長、85年6月会長、91年6月相談役、82年5月から91年5月まで、中部経済連合会長。87年4月からJR東海取締役。81歳。(朝日新聞)
■「信楽」事故で 社員6人処分 JR西日本
 JR西日本は23日、信楽高原鉄道事故にからんで鉄道事業法違反で略式起訴されたことをうけ、井沢勝・鉄道本部長(常務取締役)の減給(月額報酬の30分の1)をはじめとする社員6人の処分を決めた。南谷昌二郎専務は「担当者だけでなく、会社として違反を厳粛に受け止め、重い処分をした」と説明した。
 井沢本部長のほかの処分は、当時の電気部長、岡部信号通信課長、同副課長、同課主席がいずれも減給(賃金日額の2分の1)。仕事の引き離ぎが十分でなかったとして事故当時の主席の前任者も訓告処分となった。(朝日新聞)
■財政難で民営化加速 国鉄や郵便小包も対象に
 英国の国鉄労働組合は今月末から、数次の24時間ストを構えている。政府の国鉄分割民営化計画が、近く議会で本格的に審議されるからだ。
 マグレガー運輸相は1月下旬、国鉄民営化法案を発表した。その骨子は@貨物部門を民間に売却するA旅客部門は分割し、営業権を民間に売却するB分割による混乱を防ぐため、線路や信号などの輸送施設を一元的に管理する組織を新設する−で、旅客部門は地域や主要路線ごとに、約30社に分割される見込みだ。
 国鉄の1992年度決算は、政府から19億ポンド(約3200億円)の補助金や投資の肩代わりを受けても、1億4500万ポンドの赤字になった。政府は経営を民間にゆだねることで効率化が進むと強調し、来年から民営化に着手する方針だ。
 英国の国営・公営事業の民営化は、サッチャー前首相のもとで積極的に進められた。ブリティッシュ・ペトロリアム(79年)の民営化に始まり、ブリティッシュ・エアロスペース(81年)、ブリティッシュ・テレコム(84年)、ロールス・ロイス(87年)などのほか、発電・配電やガス、水道事業、郵便貯金事業なども順次、民営化された。
 民営化候補として残った主な事業は、国鉄と郵便、石炭公社だけになった。このうち、大規模な閉山計画が進んでいる石炭公社は、民営化しても経営が成り立たない。郵便事業は分割民営化すると、全国一律料金の維持が難しい。だが、政府は郵便事業から郵便小包部門を切り離し、民営化する方針を囲めている。
 ラモント蔵相が先週発表した93年度予算案での財政赤字は過去最大規模の500億ポンドに達し、前年度の1.4倍に膨らんだ。景気低迷で、企業の税負担の軽減策も盛り込んでおり、家庭用光熱費への付加価値税の適用など本格的な増税策は94年度以降に持ち越した。
 大蔵省首脳は最近、すでに民営化したり、民営化を予定している企業に対して政府が保有している資産は、2500億ポンドにものぼることを明らかにした。政府が株を持っている企業は33社もある。
 政府は93、94両年度に計110億ポンド分、95、96両年度にも計100億ポンド分の資産を売却する計画だ。思惑通りに売却できるかどうかはわからないが、税収不足に悩むメージャー政権も民営化路線を踏襲するしか手がないようだ。(文・ロンドン=後藤尚雄)(朝日新聞)
■私鉄労使、交渉大詰め あすスト控え妥結水準探る
 25日始発からの24時間ストを前に私鉄大手の労使交渉は24日、大詰めの段階に入り、少数交渉や水面下の折衝で妥結水準を互いに探った。
 経営側は現時点では「公益性が高い私鉄だけが突出するわけにいかない」との観点から前年実績から3200円低い1万2500円程度の決着を図りたいとの意向だ。しかし組合内部は「1万4000円を切ればスト」「最低でも1万3000円台後半確保を」といった声が大勢を占めており、経営側との隔たりは依然大きい。
 労使は同日午後にも少数交渉を重ね、同日午前の金属労協(IMF・JC)の回答や電力の交渉状況をにらみながら、夕方からは組合側は中闘委員会を開いてこれ以上は譲らないとする歯止めなどを決め、経営側も社長会を開き回答水準を固める意向だ。
 他産業の賃上げ水準の見通しなどから現時点では1万3000円台攻防になる公算が大きくなっている。(京都新聞 夕刊)
■主要15駅集改札に近鉄が戦術ダウン
 25日に24時間ストを予定している関西大手5私鉄労組(阪急、近鉄、京阪、阪神、南海)のうち、近鉄は24日、電車、バスのストを中止、難波、上本町、京都など主要15駅での集改札ストだけにする戦術ダウンを決めた。電車、バスとも全便運転となる。(京都新聞 夕刊)
■私鉄大手はトップ交渉に スト突入は微妙
 労組側が25日始発から構える24時間ストライキを前に、私鉄大手の賃上げ交渉は24日午前10時から、東京・丸の内の日本民営鉄道協会で労使トップによる少数交渉に入った。2万5000円(9.1%)の賃上げを目標とする組合側と、景気後退による経営環境悪化をあげる経営側との隔たりは大きく、話し合いは25日未明まで続く見通しで、ストを回避できるかは微妙な情勢だ。関西では阪神、阪急、京阪、南海が24時間ストを、近鉄が集改札ストを構えており、突入すれば約440万人に影響が出る見込みだ。(朝日新聞 夕刊)
25日■私鉄スト回避 1万3400円で決着
 25日始発からの25時間ストを控えた私鉄大手の賃上げ労使交渉で経営側は24日午後11時半すぎ、前年実績より2300円(0.96ポイント)低い1万3400円(大手14組合平均で4.74%)を提示。組合側はこれを受け、中闘委員会を開いて収拾を正式決定、25日始発からのストを回避する指令を出した。昨年のラッシュアワーストに続く2年連続のストは、日付が変わる前に回避された。
 私鉄総連は金属労協(IMF・JC)の主要組合や電力の回答が、前年実績を1800−2800円下回るなど春闘相場が冷え込む中で、ストを背景に相場の引き上げを図ったが、結局この下げ幅の中に納まる形の決着となった。
 私鉄労使は、この日2回の少数交渉を持った後、双方から各2人が臨む非公式の事務折衝を断続的に重ねた。
 組合側は午後5時すぎから中闘委員会を開き、執行部が金属労協や電力の回答で相場が冷えている交渉状況を説明した。席上、大手組合委員長からは「あくまで1万3000円台半ばを目指すべき」との声が強かった、という。
 しかし、同じ公益産業で労使双方が大きな指標としている電力の賃上げ回答が前年より2800円下回る1万2100円(3.83%)で決着したことから、経営側は同日夜の事務折衝で「私鉄が突出するわけにはいかない」として前年実績の1万5700円から電力の下げ幅程度を差し引いた1万2000円台後半で事態を打開したいとの意向を伝えた。
 これに対し組合側が難色を示したため経営側は、いったん1万3200円を打診、社長会に情勢報告をしながら事務折衝を重ねたが、最終段階で「2年連続ストは何としても回避したい」としてさらに200円の上積みを決断した。(京都新聞)
■表層深層 JR東日本 安定株主づくりへ内部資料 駅ビルテナントなどズラリ 批判をよそに身内意識強く
 「A 菓子メーカー 1030株」「B 清涼飲料販売会社 60株」「C ビールメーカー 500株」−今年中の株式上場がにわかに現実味を帯びてきたJR東日本(住田正二社長)の”安定株主対策”についての内部資料が関係者の間にひそかに出回り、物議を醸している。株の入札、売り出しの際に全国の駅ビルなどのテナントに購入を依頼するようグループ会社に指示したと受け取れる内容で、テナント別に依頼株数を細かく示したリスト付き。「国際的な”ケイレツ”批判などどこ吹く風。やっばり株主は身内でという日本企業の本音がのぞく」との声が聞かれる。
 JR東日本の発行済み株式数は400万株(1株の額面5万円)で、全株を国鉄清算事業団が保有。運輸省などはうち200万株について平成4年度中の売却と上場を目指していた。しかし株式市況の低迷から昨年8月末に出された政府の総合経済対策で年度内の上場が見送られた。
・売り出し価格 20万台は堅い
 ところが、このところの市況回復で年内上場の機運が急速に盛り上がってきた。売却は@200万株中50万株については入札A残り150万株は落札価格を参考に一般向けに販売−の2段階で行われる見通し。
 東京・兜町では早くも「売り出し価格は20万円台は堅い。好調のNTT株がうまく引っ張ると50万円に迫るのでは…」(大手証券会社の引き受け部門担当者)と、株式市場活況の救世主として期待する気配。
 今回明るみに出た株購入依頼先リストに挙げられている駅ビルなどのテナントは278社。依頼株数は1万7370株に上る。うち入札最低単位の50株以上の大口依頼先は92社(依頼株数は1万3610株)。
 テナント1社当たりの依頼株数が最も大きいのは有名和菓子メーカーの1030株。最も少ないのは10株。
 グループ会社別の扱い高を見ると「東日本キヨスク」が依頼する株数が9720株と全体の半分以上を占め、次いで「ルミネ」(2340株)「日本食堂」(940株)の順。
・独禁法違反も意識して対策
 「経営会議の開催について」と題した文書もある。昨年7月、JR東日本関連事業本部管理部長名で駅ビルやレストラン、小売業などを経営するグループ会社にあてて出され、8月7日に都内のホテルで開く会議に役員が出席するよう求めていた。議題はズバリ「安定株主対策について」。問題のリストはこの会議の席上、配られたらしい。
 株購入依頼先からの問い合わせの想定問答では「(JRと取引のある会社が株を購入して)法律に触れないのか」という際どい質問に「当社と取引のある会社に対してお願いしておりますが、あくまでもお願いでありまして、法律に触れるものではありません」との答えを用意。その上で「もし株購入を条件に当社が取引を増減すれば、独占禁止法に触れる恐れがおりますが、そのようなことを行うつもりは全くありません」と断っている。
 この文書についてJR東日本総務部の荻野洋・広報担当部長は「昨年夏、政府がJR株売却見送りを決めるまで取引先から上場に関する問い合わせが殺到した。それに対応するため関連事業本部が内部の検討資料として作成した」と答え、依頼株数については「問い合わせがあったときの目安であって、こちらから相手に数字を示すつもりだったわけではない」と釈明している。国民の財産に必要な公正さ こうした安定株主工作に関し「関連事業本部だけではない」と指摘する怪文書も出回っている。それによると、財務部は金融機関、資材納入業者、建設工事部は建設業者、営業部は旅行代理店、指定旅館を担当。「応札を勧誘する際、表面上は取引による利益誘導は行われていないが、水面下ではそれが暗黙の了解事項となっている」と書かれている。
 公正取引委員会や大蔵省証券局は、購入依頼先リストについて「この文書に関する限り独禁法や証券取引法違反に当たるとはいえない」と静観の構え。
 しかし、経済評論家の海江田万里氏は「NTT株売り出しの時も同じような話があった。親方日の丸でやってきた企業は何かと言うと身内で固めたいという意識が先に立つようだ。デパートなどで問題になった”押し付け商法”のたぐいではないかとの疑いもぬぐえず、とてもほめられたこととは言えない。そもそもJRという会社は国民の財産。その株の売り出しに当たっては、何よりも公正さが求められるということを認識すべきだ」と痛烈に批判している。
・安定株主 いったん株式を取得したらなかなか株を売らない株主を指す。日本の企業は、第三者による乗っ取り防止と企業の系列化を進めることを目的として積極的に安定株主工作を進めている。安定株主には系列企業や取引先企業、金融機関などの法人がなることが多い。しかし、安定株主が増えることによって、市場での浮動株が減少、株価が管理されやすくなるため、欧米国から批判が多い。(京都新聞)
■JR大阪駅で信号機が故障 4万人に影響
 24日午後2時45分ごろ、JR大阪駅の6、7、8番線の信号機計3機が赤のまま変わらなくなった。JR西日本が調べたところ、信号機を制御する装置の端子が接触不良を起こしており、同社はこの端子を新品と交換、信号機は約1時間半後に復旧した。
 故障の影響で、JR東海道線の上下計22本が運休したほか、同線や福知山線などの上下計63本が約1時間−5分遅れ、約4万人の足が乱れた。(朝日新聞)
■SL走るぞ 来月24・25両日 福知山−和田山間
 4月下旬から「北近畿交流博・ふくふくフェスタ'93福知山」が開かれるのを記念して、JR福知山支社は開幕日の24日と25日に蒸気機関車(SL)を山陰線福知山−和田山間で運転させることにした。24日に、同支社管内の主要駅で初日分の乗車券の発売を始めた。SLが走る機会は少ないだけに、福知山駅では約40人の鉄道マニアが発売開始前から列をつくり、初日の乗車券は30分足らずで売り切れた。25日も午前10時から2日日の乗車券を発売する。
 運転するSLは、下京区の梅小路蒸気機関車館に展示されている「C56 160号」。C56型は1935年に登場し、形が小さいことから「ポニー」の愛称で知られた。160号はC56型の最終番号で、72年に第一線を退いた。
 運転するのは両日とも下りは午後零時33分に福知山を出発し、上りは午後3時9分に和田山を出る。下りはSLがけん引するが、上りはディーゼル機関車が先頭になる。客車は5両で定員は424人。各駅停車だが、全席指定で、福知山−和田山間は指定料金を含め大人1060円。(朝日新聞)
■青鉛筆
 ▽24日午後5時40分すぎに岡山駅を発車した博多発新大阪行きのひかり138号の4号車の乗客9人が、「岡山駅で降りられなかった」と車掌に申し出て、姫路駅に臨時停車するハプニングがあった。
 ▽このうち、6人は東京発岡山行きのひかりで1時間余りかかって岡山に引き返し、3人は大阪発鳥取行きの特急はまかぜ5号に乗り、予定より約1時間半遅れて鳥取に着いた。
 ▽岡山駅では、客数人が降りて途切れたすきに十数人が乗り込み、発車間際に2人が飛び出したところで出発、車中にとり残された。新型の「のぞみ」の登場でスピードアップした山陽新幹線だが、乗客まで機敏さを迫られるようだ。(朝日新聞)
26日■JR西日本へ警告書 運輸省が事故多発で
 JR西日本で、職員のミスによる事故が相次いでいることから運輸省は25日、同社に対し「保安体制の強化と全社員に対する安全意識の徹底を図るよう厳重に警告する」という秦野裕鉄道局長名の警告書を出した。
 警告書は「11日に兵庫県相生市のJR山陽線踏切で軽ライトバンが貨物にはねられ、3人が死傷した事故は踏切工事をしていた作業員のミスである上、当初口裏を合わせ事実を隠そうとしたことは誠に遺憾」などとしている。
 JR西日本では2月24日、大阪府茨木市の東海道線茨木駅構内で係員のポイント確認の誤りから貨物列車が脱線、近畿運輸局から緊急総点検の指示を受け、実施中だった。今月10日にも同線東灘駅で係員のミスで事故を起こしており、安全装置に不十分な点があった、としている。(京都新聞)
■潮干狩りの魅力をPR JR京都駅前など 津からキャラバン隊
 潮干狩リシーズン本番を前に25日、三重県津市の観光キャラバン隊が京都市内を訪れ、JR京都駅前など4ヵ所で採りたてのアサリ約1`を配り、潮干狩りの魅力をキャンペーンをした。
 伊勢湾を臨む津市では、4月から9月にかけてが潮干狩リシーズンで、ゴールデンウイークには1日に5万人が訪れることもあるという。京滋での観光キャンペーンは10年以上続くが、高速道路を使えば京都から2時間余りで行けるだけに、もっと家族連れに気軽に訪れてもらおうと、今年は初めて嵐山や三条京阪でも街頭宣伝した。
 京都駅烏丸口では、この日昼、ミス津の女性ら一行12人が、青い法被姿でPR。袋入りのアサリ約1`と熊手、潮見表などを配りながら「日帰りでも楽しんで」と、通行人らに呼びかけた。新鮮なアサリは、10分足らずで品切れになるほどの人気ぶりだった。(京都新聞)
■JR東日本とJT株の上場 売り出し価格が焦点 証券界、市場活性化に期待
 JR東日本と日本たばこ産業(JT)の株式上場スケジュールが明らかになったが、証券界は、知名度の高いJR東日本の株式が先行して売り出されれば、個人投資家を証券市場に呼び戻すきっかけになる、として歓迎している。ただ、NTT(日本電信電話)の二の舞いにならないためには、売り出し価格が高くならないよう証券界は求めている。
 JR東日本の株価については、大きな成長が期待できない鉄道事業の性格から、証券業界は「配当利回りに魅力がないと、売れない」(大手証券)と考えている。金利情勢などから、配当利回りは2%程度が望ましいとしている。額面5万円、1割配当(5000円)なので、株価は25万円ということになる。
 一方、JTは1株当たりの純資産が51万5000円(92年3月期)という「優良企業」。1株当たりの純資産と株価の関係を示す純資産倍率は東証1部の場合、平均2倍強なので、株価は100万円以上の計算になるが、「100万円では、個人投資家は手を出さない可能性が高い」とする見方が市場関係者の間では多い。(朝日新聞)
■株式上場 JR東日本は10月中旬 政府方針 JTは来年1−2月
 政府は、JR東日本と日本たばこ産業(JT)の株式をともに1993年度中に売却、上場する方針を固めた。関係筋が25日明らかにしたスケジュールによると、JR東日本とJT両社は、事前審査を受けるため、4月中旬にも東京証券取引所などに対して上場仮申請をする。準備が進みながら延び延びになってきたJR東日本を優先して10月中旬にも上場させ、JTは来年1月か2月の上場を目指す。
 JR東日本は、東京、大阪、名古屋、新潟の4証券取引所に上場申請する。6月末の株主総会で93年3月期決算が確定するのを受けて、7月初旬に正式申請に切り替える。その後、株式の売り出し価格を決めるための入札を8月下旬に実施する。
 JR東日本の発行済み株式数は400万株(額面5万円)で、今回は半分の200万株を売却する。このうち25%、50万株を入札にかける予定。
 売り出し価格は入札結果を参考に、JR東日本の株主である国鉄清算事業団の資産処分審議会が決める。証券会社を通じて購入申し込みを受け、申し込みが多い場合は抽選となる。9月から10月にかけて一般に売り出し、その後、10月中旬に上場の運びだ。しかし、事務作業の関係で11月にずれ込む可能性もある。
 JTは、発行済み株式(200万株、額面5万円)の3分の1にあたる66万6666株を売却する。残りは政府が持ち続ける。JTには特定の地域性がないので、全取引所(8ヵ所)に上場する予定。
 上場後のJR東日本の株価が、売り出し価格を下回るなどの問題が起きなけれは、JTは10月をめどに正式申請に切り替える。売り出しは12月ごろ。上場は来年1月か2月になる。(朝日新聞)
■「新社会資本」軸に12兆円 整備新幹線 建設費を増強 景気対策 自民が骨格
 自民党が来月12日に決定する予定の総合景気対策の骨格が25日、固まった。住宅減税、投資減税の拡充などのほか「10年間で430兆円」の公共事業計画の前倒し執行を目指す。具体的には、すでに着工済みの東北、北陸、九州の整備新幹線3線の建設費増額、電柱の地中埋設化の促進、公団住宅や社会福祉施設の建て替え、病院や大学の施設拡充など「新社会資本整備」を重点項目に打ち出している。また、地方経済の活性化を促すための「第二国土軸」構想や「首都圏第三空港」の新設など、中長期の大規模プロジェクト推進などもうたう方針だ。景気対策の規模は総額で12兆円程度にのぼる見通しで、このうち新たな財源が必要な事業は93年度補正予算案を編成し、今国会での成立をめざす。
 公共投資については、日米構造協議で「91年度から10年間で430兆円」の実施計画が合意されているが、景気刺激効果を狙って、その前倒し執行を図る。このため、93年度は上期に75%以上を前倒しする方針だ。
 整備新幹線3線については、93年度一般会計当初予算案で計117億円の建設費が計上されているが、補正予算案を組んでさらに増額する。未着工の北海道、長崎両線の建設については、当初予定を2ヵ月早めて6月中に結論を出す考えを明記する。
 また、景観の美化と歩行者の安全性を高めるため、電柱を地中に埋設する事業を、電力会社とNTTを通して推進する。このため、日本開発銀行の低利融資を実施するほか、電力会社には円高差益をその財源とするよう指導する。埋設のための「共同溝」は国の一般会計でまかない、補正予算案に計上する。
 施設の拡充と対米黒字減らしを狙って、大学や研究機関へのスーパーコンピューター導入を進める。購入台数は関係省庁と協議する。
 光ファイバー通信網の整備は、国と地方、あるいは地方間の警察情報や災害情報、さらに病院間の医療情報の分野などを中心に導入を促進する考えを打ち出す。
 このほか、「中長期の大規模プロジェクト」として、現在の東海道、山陽道中心の交通、通信網から脱皮するための「第二国土軸」構想や、羽田空港、新東京国際空港(成田)に次ぐ「首都圏第三空港」構想の推進を掲げることにしている。(朝日新聞)
■不起訴に不服申し立て 信楽事故で「遺族の会」
 信楽高原鉄道列車事故による死亡者の遺族22人でつくる「遺族の会」(吉崎俊三・世話人代表)は26日、大津地検が当時のJR西日本社長ら幹部6人と事故列車の運転士を、18日に不起訴処分にしたことを不服として、大津検察審査会へ審査を申し立てた。申立人は遺族6人。
 申立書によると、青信号に従って列車を進行させたもので過失はないとされたJR運転士について、事故前に2度にわたる信号トラブルなどを経験し、信号システムに信頼がおけないことを知っていた。対向列車が待避線にいなかったのだから、信楽駅に連絡をとるなどして安全を確認する義務があったとしている。
 JR幹部ら6人は、信楽高原鉄道に十分な保安管理体制が整備されていないことを知るべき立場にあったにもかかわらず、信号トラブルの解消措置や訓練などの十分な安全対策を取らなかった、としている。
 同日午前、吉崎代表ら遺族と弁護士計6人、大津市の大津地裁内にある大津検察審査会を訪れ、申立書を事務職員に手渡した。このあと、遺族らは大津地検に行き、不起訴にした理由を説明するよう求めた。
・鉄道本部長を交代 JR西日本
 JR西日本の井出正敬社長は26日午前、本社で記者会見、「事故が続出しており、人心の一新を図る必要がある」として、4月1日付で鉄道本部長を井沢勝常務から梅原利之常務に交代する役員人事を明らかにした。(朝日新聞 夕刊)
■運転士と車掌に執行猶予の判決 島原鉄道衝突事故
 死傷者73人を出した島原鉄道(本社・長崎県島原市)の列車正面衝突事故で、業務上過失傷害、業務上過失往来妨害の罪に問われた運転士吉田貴充被告(21)と車掌(20)に対する判決公判が26日午前11時から、長崎地裁で開かれた。照屋常信裁判長は「安全確認を怠った初歩的ミスで、多大な損害を与えた」として吉田被告に禁固2年6月執行猶予3年(求刑禁固3年)、車掌に禁固2年執行猶予3年(求刑禁固2年)を言い渡した。(朝日新聞 夕刊)
27日■JR賃上げは4.51%回答 西日本など3社
 JR西日本は26日、春闘のベア要求に対し、1人平均1万4056円(定昇込み4.51%)を昨年に比べ、金額で2580円、率では1.06ポイント、いずれも下回った。
 JR側の回答を受けて、最大の西日本旅客鉄道産業労組とJR西日本労組は妥結、国労西日本、全動労西日本は持ち帰り検討することにした。東日本、東海は西日本と同じ4.51%を回答。北海道は3.60%で、九州、四国の回答は27日になる見込み。(朝日新聞)
■高松高裁判事 列車にひかれ即死
 26日午後6時40分ごろ、高松市瀬戸内町の予讃線はぜ川東踏切(警報機、遮断機付き)で、同市天神前、高松高裁判事(民事)井上郁夫さん(49)が琴平発高松行きの普通列車(2両編成)にはねられ、即死した。列車は現場に20分停車した。
 高松北署の調べでは、井上さんは最近、家族に疲れたともらしていたという。井上さんはこの日、自宅を午後6時すぎに出て、自転車を現場近くに止めて踏切内に入ったらしい。同署は自殺の可能性があるとみている。列車の運転士(29)が踏切の人影に気付き、急ブレーキをかけたが間に合わなかったという。(朝日新聞)
■'93春闘 賃上げより会社存続 野上電鉄廃線案で労組 私鉄集団交渉から離脱
 私鉄関西地連の中小私鉄とバスの労組の大半が28日にストを構え、賃上げの最終折衝に臨んでいる。その中、廃線問題に揺れる和歌山県の私鉄ローカル線・野上電鉄(海南市)の組合は「会社存続のためには賃上げは難しい」と集団交渉から離脱。会社から再建の合理化を示され、厳しい選択を強いられている。
 野上電鉄は1913年に創業。JR海南駅に隣接の日方駅から野上町の駅登山口まで約11.4`を結び、沿線住民の通勤通学などの足となっている。
 60年代に300万人を超えた利用者は、マイカーの普及や過疎化で、91年度には約60万人まで激減。運輸省や県、地元自治体から年間約1億円の補助を受けて運営してきたが、運輸省が「業績改善がみられない」として93年度からの補助金打ち切りを決定、廃線案が急浮上した。
 会社側は今年1月、鉄道、バスの廃止を野上電鉄対策協議会に伝えた。だが、対策協や沿線住民からの存続希望の声を受けて、再建の道を模索。今年度の賃上げ抑制とボーナスカット、50歳以上の社員18人の退職などの合理化策を打ち出した。
 これに対し、労組(70人)側は「賃上げは難しい」と判断し、熊野交通など大阪と和歌山の中小私鉄労組など11単組が27日から始める集団交渉に参加しないことを決めた。吉田弘委員長は「再建問題が一段落すれば、賃上げは要求する。また、組合員の生活がかかる期末手当カットの撤回の自主交渉は続ける」と長期戦の構えだ。(朝日新聞 夕刊)
28日■叡電などスト中止 京滋、残る10社交渉続く
 京福、叡山両電鉄など京滋に路線を持つ中小私鉄、バス12社の各労組は27日から28日未明にかけて、今春闘の賃上げ交渉を行った。このうち叡山電鉄と京阪バスがストライキを中止したが、残る10社が28日の始発から予定している24時間ストの回避は微妙な情勢。近畿運輸局などの調べでは、これらがストに突入し、終日打ち抜かれた場合、約15万6000人の足に影響が出る見通し。
 ストを構えて交渉を続けているのは京福電鉄のほかに、京都、阪急、京阪宇治交通、京都交通、丹後海陸交通、カヤ興産、奈良交通、大阪国際交通、江若交通の各バス会社。京福電鉄が終日ストの場合、424本が運休し、3万4900人に影響する。(京都新聞)
■リフトバス わずか2台 生活に困る 増やして… 障害者ら
 京都市内の障害者団体でつくる「京都障害者会議」のメンバーが27日、下京区の四条河原町でリフト(昇降機)付きバスの増台と増便を訴えた。車いすを使う障害者にとって、路線バスは身近な交通機関。「すべての路線バスにリフトを付けて」とのプラカードを手に、道行く人々へ理解を呼びかけた。
 京都障害者会議によると、いま市内を走るリフト付きバスはわずか2台。しかも2路線だけという。メンバーの1人、今福義明さん(34)は「市内には約3万人の障害者がいるといわれる。それにしては、リフトを備えたバスが少なく、車いすの利用者にはひどい交通環境だ」と話す。リハビリ施設へ通ったり、街へ出掛けるなどごく普通の生活さえもしにくいともいう。
 この日は募金を集めたが、バスや駅などの設備調査にあてるつもりだ。(朝日新聞)
29日■韓国・釜山 急行脱線 63人が死亡 133人重軽傷 線路地盤崩れ転覆
 【ソウル28日共同】韓国のMBCテレビによると、28日午後5時半(日本時間同)ごろ、釜山市北区徳川二洞の国鉄京釜線で、620人を乗せた8両編成の急行無窮花(ムグンファ)号の機関車とほぼ満員の客車など車両4両が脱線、転覆し、乗客63人が死亡、133人が重軽傷を負った。負傷者は釜山市内の病院に運ばれ治療を受けているが、死傷者の中に日本人が含まれているかどうかは不明。
 列車は同日午後零時45分ソウルを出発し、同5時40分すぎに釜山に到着する予定だった。亀浦(クポ)駅の手前約300b地点で、地盤が突然崩れ落ちたため、急ブレーキをかけたが、陥没したところへ斜めに突っ込むようにして転落し、何両かがばらばらになった。事故原因を調査中の警察当局によると、事故現場付近で韓国電力が1989年以来、地下電力区設置のための掘削工事をしていたため、軟弱になった地盤が列車の重みに耐えられずに崩れたらしい。警察当局は工事の安全対策に落ち度があったのではないかとみて、工事関係者から事情を聴いている。
 転覆してぺしゃんこに押しつぶされた車両の中に乗客が閉じ込められ、消防隊や鉄道庁がクレーン、ブルドーザーを動員して救出作業に当たった。現場は同日夕から雨が降り、救助作業は難航、時間がたつにつれ死亡者は増える見通し。
 ソウル−釜山間には、特急セマウル号、急行無窮花号などが運行しているが、釜山の日本総領事館は「日本人観光客は普通、特急セマウル号を利用するケースが多く、急行無窮花号に乗る人は少ない。現場が混乱していて、死傷者の中に日本人がいるかどうかは確認できていないが、日本人が乗っていないことを期待したい」と話している。
 金泳三大統領は同夜、事故の死傷者の家族らに慰めの気持ちを表明するとともに、事故の早急な処理と徹底した原因究明を行うよう緊急指示した。(京都新聞)
■中小私鉄の8組合がスト
 私鉄大手の賃上げ交渉妥結を受け、私鉄総連(鈴木完守委員長)加盟の中小私鉄、バスなどの組合は28日始発からの24時間ストを背景に、28日未明から経営側と大詰めの交渉をした。
 私鉄総連のまとめでは、206組合で交渉が決着し、未解決は31組合。交渉が決裂し、ストに突入したのは51組合で、このうち43組合はスト突入後決着かストを延期し、残り8組合がストを続行した。
 決着した組合の妥結水準は、大手並みの1万3400円が47組合、1万2000円以上で大手並み未満が31組合、1万円台と1万1000円台が67組合、1万円未満が61組合となっている。(京都新聞)
■京滋のストは中止
 京滋に路線を持つ12の中小私鉄、バスは28日早朝までに、予定していたストライキを中止した。このうち叡山電鉄、京阪バスなど10社のストは始発までに中止されたが、京福電鉄は午前6時50分のスト中止までに23本が運休し、約300人に影響。また京都交通の路線バスも午前8時40分までに186本が止まり、約4600人に影響を与えた。(京都新聞)
■列車脱線、63人死亡 韓国・釜山 地盤が崩落、けが130人
 【ソウル28日=前川恵司】韓国鉄道庁に入った連絡によると、28日午後5時半(日本時間同)ごろ、釜山市北区の京釜線亀浦駅近くで、突然、線路の地盤が崩れ、走っていたソウル発釜山行きの9両編成列車「ムグンファ」号(乗客約620人)のうち、客車など4両がそのまま脱線し、激しい勢いで横倒しになり転覆した。この事故でこれまでに分かっただけで乗客63人が死亡、130人前後が重軽傷を負った。
 同庁の話では、同日午後9時現在で、死傷者の中に日本人がいるか、どうか分からない。
 同庁では、復旧作業と、地盤が崩れた原因などを調べているが、事故現場では、地盤が、深さ約3b、幅約10b、長さ約50bにわたって崩れ落ちた。
 KBSテレビニュースによると、運転士が地盤が沈んでいるのに気づき、急ブレーキをかけたが間に合わなかった、という。
 聯合通信によると、この現場一帯では90年ごろから地下送電用トンネルをつくる工事をしていて、ダイナマイトを使っての発破作業もしていた。警察ではこの工事で、線路地盤が影響を受け、軟化していたのではないかと見て、調べている。
 KBSテレビニュースなどによると、脱線した客車は、一部が重なり合い、めちゃめちゃに壊れ、車輪は吹き飛んでいた。(朝日新聞)
■強風、ダイヤ乱れる JR山陰線余部鉄橋
 29日午前5時35分ごろ、JR山陰線余部鉄橋=兵庫県城崎郡香住町余部=で風速25bを記録したため同鉄橋の列車運転を見合わせ、その後も断続的に見合わせた。
 このため同線の列車ダイヤは大幅に乱れ午前中に浜田行き下り特急出雲1号が3時間40分、出雲市行き同特急3号が1時間20分、浜坂行き下り急行但馬1号が25分遅れるなど特急6本、急行1本、普通列車6本が2時間10分−6分遅れ約3500人の乗客に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■特急などが強風で停車 兵庫・余部鉄橋
 兵庫県城崎郡香住町のJR山陰線余部鉄橋付近は29日午前3時ごろから、風速20b前後の強風が吹き、JR西日本福知山支社は同日午前4時38分、同鉄橋を通過する予定だった東京発浜田行き特急出雲1号を最寄りの駅で停車させた。このため、同列車が3時間40分遅れたのを最高に、同午前10時40分までの間、特急7本、急行1本、普通列車13本が2時間10分から5分遅れた。また、普通8本が区間運休した。この影響で、通勤通学客約3500人の足に影響が出た。
 また、JR湖西線は午前9時ごろ、滋賀県伊香郡付近で風速20bを記録したため、永原−近江塩津間で徐行となり、特急4本が7−3分遅れた。(朝日新聞 夕刊)
■瀬戸大橋5周年記念切符を発売
 瀬戸大橋開通5周年を記念して、JR西日本が4月10日から、記念乗車券を発売する。坂出から児島までの普通乗車券で1枚390円。5月31日までに1回限り有効。与島から瀬戸大橋と讃岐平野を望む図柄が描いてある。
 坂出駅のほか、高松、松山駅などでも発売され、限定3000枚。郵送による申し込みは、現金書留か郵便為替で返信用切手をそえて〒760高松市浜ノ町1の10、JR高松駅記念乗車券係(0878-51-3100)へ。(朝日新聞 夕刊)
30日■”金丸失速”でリニア暗雲 地価上昇で買収誤算も 予算確保に危機感
 21世紀の高速交通網の担い手を目指し総事業費3000億円の超大型プロジェクトとして始まった「リニアモーターカー山梨新実験線」は前自民党副総裁、金丸信被告(78)という大きな後ろ盾を失い、これまで通りの予算確保ができるかどうか危ぶむ声が出て「平成9年度実験終了」の目標達成に暗雲が立ち込めている。”金丸失速”後の、地元山梨県の動きを追ってみた。
 新実験線のほぼ中間地点に位置する同県大月市初狩町の高川トンネル西工区。事業費総額36億3000万円で、東京地検の捜索を受けた準大手の総合建設会社(ゼネコン)「西松建設」が中心の共同企業体が落札した。
 工事用道路と本線トンネル掘削用の取り付けトンネルの工事が急ピッチで進められている。現場には”金丸系”といわれる地元業者名の入ったダンプが走り回り、金丸前副総裁の影がくっきり。
 同工区の辰巳正太郎工事事務所長は「われわれは淡々と与えられた仕事を進めるだけ。金丸先生の問題は現場に影響ない」と冷静に受け止めている。
 この25日、山梨県東八代郡八代町の公民館で地元の地権者と県の用地買収の価格交渉が行われた。連日のように金丸前副総裁のリニア工事への関与が報道されていたが、集まった地権者から説明を求める質問はなく、交渉に当たった県担当者をほっとさせた。
 新実験線の総事業費約3000億円の内訳は平成元年度に決定し、実験終了予定の平成9年まで年度ごとに配分されているじこれまでの予算編成では順調に毎年、満額を確保。金丸前副総裁の政治力が果たした役割は大きかった。
 しかし強力な後ろ盾を失い、今後の事業計画に対する不安の声は少なくない。山梨県のある幹部は声を潜め「金丸先生の力なくして追加予算が獲得できるのか。リニア誘致で周辺地価が上がる一方で、見通しは厳しい」と話す。用地買収面で予算オーバーの兆しが既に出ているというのだ。
 金丸前副総裁の追起訴前日の26日には、市民グループが県リニア推進局に押し掛け、工事に関係する全業者と受注高の公表と、リニアに対する前副総裁の関与が解明されるまでの工事、用地買収の凍結などを求める申し入れ書を突き付けた。メンバーの1人は「工事費の3%が金丸さんに入るそうだが、県民に返してもらいたい」と訴えた。
 地域振興の起爆剤になると、歓迎した県民のリニアを見る目に厳しさが増していると言えそうだ。(京都新聞 夕刊)
■特急 作業員はねる JR水戸駅 3人死亡、1人重体
 30日午前1時ごろ、水戸市宮町のJR常磐線水戸駅構内で、線路工事中の作業員4人が上野発青森行き下り寝台特急ゆうづる3号(9両編成)にはねられた。4人とも全身を強く打って水戸市内の病院に運ばれたが3人は間もなく死亡、もう1人も重体。
 死亡したのは茨城県東茨城郡茨城町小堤、東鉄工業社員林弘さん(46)、同県那珂郡大宮町下村田1874、大森建設社員寺門宣久さん(59)、同郡那珂町額田南郷、同小林清さん(60)の3人。那珂町菅谷、大森建設社長大森実さん(65)が意識不明の重体。
 水戸署は現場検証して調べているが、現場は水戸駅から約150b東側の常磐線下り線。29日午後10時ごろからJR東日本の下請け会社の作業員6人でポイントに自動給油装置を取り付ける工事をしていた。
 JR東日本によると、ゆうづる3号は雪でダイヤが乱れた上越線上り列車からの乗り換え客を上野駅で待った影響で、水戸駅到着が35分遅れた。このため急きょ通常とは別のホームに入線、出発した直後に事故が起きた。現場のポイントは当日の工事予定にはなく、作業員らがJRに連絡せずに工事を行っていた。JRも作業員らに列車が通過する線路の変更を知らせていなかったため事故が起きたらしい。
 工事計画では、現場の手前に見張りの作業員を置いて列車の接近を知らせることになっており、同署では事故当時の見張りがどうなっていたかなど関係者らから事情を聴いている。(京都新聞 夕刊)
31日■トンネル内の「のぞみ」風圧 ひかり・こだま亀裂の恐れ 0系500両補強へ 50億円で4年計画 天井部分など JR西日本
 東海道・山陽新幹線を走っている「ひかり」や「こだま」の車両「0系」が、時速270`の「のぞみ」とトンネル内ですれ違った際に大きな風圧を受けて、車体に亀裂が発生する恐れがあることが30日、わかった。「0系」がトンネルで最大時速230`の列車とすれ違った場合を想定して耐圧設計されており、のぞみの風圧はこれを上回るためだ。JR西日本は「これで車両の強度がただちに損なわれることはない」と説明しているが、近く「0系」約500両を4ヵ年計画で4、50億円を投じて改善、補強するという。運輸省鉄道局は「本来、のぞみの営業運転前に行うべき対策だ。車両状態を見たうえで改めて対応を指導したい」と話している。
・「車体強度に不安ない」JR西日本
 JR西日本の調べでは、のぞみの走行以前でも、1975年ごろから使っている「0系」では天井部分を横に走る鉄製の柱や、屋根を支えるアルミ製部品などに最長で3aの亀裂が見つかっている。山陽新幹線のトンネルは100本以上で、全線の約50%を占めており、その走行中の圧力変動が原因とみられている。
 JR総研によると、トンネル内では車両の周りの圧力は複雑に変動する。とくに列車同士のすれ違い時は圧力変動が大きく、時速220`の新幹線の場合で1平方b当たり300`からマイナス500`の力が外面に作用するという。走行中に「ミシミシ」と音がするのはこの圧力によって、車体がきしんでいるためだ。すれ違う列車の速度が上がれば、トンネルの長さや車両の位置などによって異なるものの、圧力変動も大きく車両への負荷も増大するという。
 このため、今月18日から1時間に1本の割合で走り出したのぞみの影響で、亀裂がさらに広がったり、新たな部位に亀裂が生じる恐れもあることから、同社は部品の取り換えや補強材の取り付けなどの対策をとるという。
 同社は現在、600近い「0系」車両を保有しているが、補強は今後5年以上使用する約500両を対象とする。このほか、2階建てひかりの「100系」を保有するが、当面、補強の必要はないという。
 また、改善期間を4ヵ年計画としたのは、「これまで見つかった亀裂は微細であり、そのまま走行しても車両の強度は保たれる」(車両部)ことや、ダイヤへの影響、工場の処理能力などを考慮したためとしている。
 JR西日本の運転士の中には「0系を運転中にトンネルでのぞみとすれ違うと、車体の衝撃は大きく、ゆがむ感じがする」との声があり、運転士らで組織する同社の労働組合は、早急な対策を求める要望書を会社に提出している。
 運輸省鉄道局は「トンネル内の風圧問題はのぞみの運転前からあり、他車両への影響を調べて対策を講じるよう指導してきた。利用者の安全確保のため、亀裂の監視をしながら、できるだけ速やかな補強を実施する必要がある」(豊田栄次・保安車両課長)と話している。
 一方、JR東海も「0系」を約780両を保有するが、「東海道はトンネルが少なく、のぞみの風圧の影響はほとんどない」としており、定期点検以外の補強計画はないという。(朝日新聞)
■JR全社 経常減益見込む 93年度事業計画 西日本など5社減収
 JRグループの旅客6社と貨物1社は30日、1993年度の事業計画を運輸省に認可申請した。景気低迷の影響で、東海と西日本が87年の分割・民営化以来初めて前年度の当初計画に比べて減収を見込み、計5社の営業収入が前年度計画を下回っている。また、7社すべてが経常減益を予想しており、全体として旅客減を織り込んだ厳しい内容となっている。
 本州のJR3社のうち、東海と西日本は、ビジネス客が多い東海道・山陽新幹線の利用客の落ち込みなどから減収減益と見込んでいる。博多まで乗り入れた「のぞみ」の増収効果よりも、景気低迷による利用減のほうが大きい、と判断している。この結果、経常利益も前年度計画より100億−200億円少ない500億円台にとどまる。93年度中に株式を上場する予定の東日本は、営業収入が190億円増えて2兆円の大台に乗る。新幹線、在来線ともやや増収を見込み、経常利益の落ち込みも本州3社では最も少なく、1000億円台を確保できる、としている。
 一方、北海道、四国、九州のJR3社は、経営基盤の安定のために設けられている経営安定基金の運用収入が、金利低下によって落ち込み、3社とも経常減益を予測している。(朝日新聞)
JR7社来年度事業計画
 北海道東日本東 海西日本四 国九 州貨 物
営業収入1060
(▼17)
20007
(190)
11117
(▼235)
9275
(▼18)
508
(▼29)
1764
(77)
2205
(▼68)
営業損益▼442
(30)
4166
(▼320)
3872
(▼283)
1376
(▼194)
▼111
(▼21)
▼250
(26)
71
(▼14)
経営安定基金
の運用益から
442
(▼33)
   139
(▼3)
253
(▼25)
 
経常利益10
(▼8)
1012
(▼78)
551
(▼207)
505
(▼105)
36
(▼29)
31
(▼10)
11
(▼11)
(単位・億円、カッコ内は前年度計画比の増減額。▼は減少または赤字)
■開業記念の入場券発売 KTR
 今年で宮福線開業5周年、宮津線開業3周年を迎える北近畿タンゴ鉄道(KTR)は、宮津線開業記念日の4月1日から、沿線風景の絵はがき付き記念入場券を発売する。
 同人場券は「KTRの四季」のタイトルで、縦10.5a、横21.5a。入場券と駅舎の写真、記念スタンプ、絵はがきを1枚にまとめ、12駅分が1セットになっている。絵はがきは、KTRフォトコンテス卜入賞作品から列車の走る四季の沿線風景12点を選び、カラー印刷した。発売価格は1セット980円。
 KTRが、絵はがき付き記念入場券を発売するのは初めてで、8月末までに3000セットの販売を予定。宮津、福知山、西舞鶴など12の有人駅で売り出し、送料175円で郵送もする。問い合わせはKTR事業本部 0772(25)2323へ。(京都新聞)
■ロープウエー型のモノレールを開発 三菱重工・神戸製鋼
 三菱重工業と神戸製鋼所は30日、リニアモーターとロープウエーを組み合わせた新しい交通システム「スカイレール」を開発したと発表した。急な斜面でも使えるうえ建設費も低く抑えられるという。今年2月、三菱重工の三原製作所(広島県三原市)に実験線を建設し、すでに試運転を開始している。
 この交通システムは、ワイヤロープにゴンドラをつるした懸垂型のモノレール。駅と駅の間ではロープにけん引されるが、駅の前後では、リニアモーターに切り替わり、ロープから離れて減速、加速する。ほかのゴンドラが動いている間でも駅に停車できるため、いくつ駅があっても使える。
 車両などの仕組みが単純なため1`メートル当たりの建設費は20億円から30億円と、自走式モノレールの3分の1程度で済む。無人運転が可能で、積雪や凍結にも強いため、維持管理費も安く抑えられる、としている
。1台当たりの乗客は約40人で、時速約20`と遅いため、住宅地と駅の問など近距離の交通に向く、という。(朝日新聞)