1993(平成5)年 2月


1日■神戸駅構内脱線事故 原因究明へ本格検証 JR「人為ミスなかった」(京都)
  ■死者は140人 不明200人以上 ケニアの列車事故(京都)
  ■列車とバス 衝突65人死亡 中国(京都)
  ■初の地下鉄ロスで開業 車社会に新時代?(朝日)
  ■脱線、4番線ポイント 快速事故(朝日)
  ■増水の川に列車転落 ケニア 140人死亡200人以上不明(朝日)
  ■バスと特急が衝突、66人死亡 中国東北部(朝日)
  ■強風で断続運行 山陰線・余部鉄橋(京都)
2日■強風で運休や遅れ JR山陰線・余部(京都)
  ■理容店の営業確保へ JR西指導申し入れ 京都市に経営者ら(京都)
  ■JR東日本 上場申請7月にも 年内実現向け準備 売り出し価格 9月ごろ入札 市場不透明なお慎重論(京都)
  ■夕刊ひろば 市バス車内の児童作品 広告不足ではありません(京都)
  ■京滋にドカ雪 白い朝 足直撃 京都市内 道確保 商店主ら汗 児童 雪だるまに歓声(京都)
  ■ローリング現象主因 JR神戸駅脱線事故 県警、見方強める(朝日)
  ■雪で交通網乱れる 新幹線・在来線ベタ遅れ(朝日)
3日■ダイヤ改正時にストの方針 JR西労が新勤務体制で(京都)
  ■終日禁煙駅を拡大へ JR東日本が来月から(京都)
  ■業務上過失傷害でも捜査 JR神戸駅脱線事故(朝日)
  ■新幹線、残雪で遅れ(朝日)
4日■JR連合の連合加盟 JR総連が撤回要求へ(朝日)
  ■伝統食列車第2号 米どころ東北へ 日本海側を北上(朝日)
5日■京の道80 旧国鉄中舞鶴線跡 舞鶴市 全国初、廃線を再利用(京都)
  ■JR西日本 20億円の申告漏れ 税務処理を誤る 大阪国税局8億円の追徴処分(朝日)
6日■KTR春のダイヤ改正 普通・快速は禁煙 JRとの接続など改善(京都)
  ■JR西日本 20億円申告漏れ 補修費の税務処理誤る(京都)
  ■線路に油缶置いた 疑いで中学生補導 亀岡・置き石も認める(京都)
  ■線路上にオイル缶 「列車往来危険」で亀岡の中学生補導(朝日)
  ■東北・高崎・常磐各線 東京駅で発着へ JR東日本混雑緩和策(朝日)
  ■私鉄大手 来月25日に ストを設定 中小は28日に(朝日)
  ■「点字ブロック目立たぬ色に」美観優先に”落とし穴” 弱視者「分かりにくい 不評を受けてJR改善着手(朝日)
7日■JRスト 国労西日本は回避へ(朝日)
8日■東北・上越新幹線 最高速300`に JR東日本 8年度から運転開始(京都)
  ■スト権投票実施へ JR東海労(京都)
  ■ジェイアール西日本伊勢丹 会長に梅原氏(京都)
  ■特急・急行47本に遅れ(京都)
  ■強風でダイヤ乱れる 余部鉄橋、断続運転(京都)
  ■余部鉄橋で強風 特急など8本遅れ JR山陰線(朝日)
9日■市バスに接触、けが 伏見の国道24号線(京都)
  ■信楽事故 JR側、不起訴か 大津地検、近く最終処分(朝日)
  ■関西新空港の搭乗手続き 難波・ポーアイでも 日航がCAT(朝日)
  ■駅の信号機故障でJR山陽線遅れる 2万5000人に影響(朝日)
  ■列車にはねられ死亡 長岡京、補修作業員(京都)
  ■電車にひかれ重体 阪急、西院駅(京都)
10日■大阪でもテレホンセンター開設へ JR東海(京都)
  ■JR舞鶴線88周年記念 来月13日に感謝祭 参加者を募集(京都)
11日■信楽高原鉄道事故 2社、遺族に回答 賠償額を個別提示へ(京都)
  ■地労委の救済命令覆す判決 国労処分で東京高裁(朝日)
  ■信楽事故 個別賠償額を鉄道側、提示へ(朝日)
  ■全列車が終日禁煙 来月ダイヤ改正 北近畿タンゴ鉄道(朝日)
12日■梅田発の河原町行き通勤特急 最終を午後10時40分に延長 阪急京都線ダイヤ改正(京都)
  ■春闘 私鉄、2万5000円(昨年同額)要求 大手来月25日 24時間ストの構え(京都)
  ■私鉄総連 春闘要求書を提出(朝日)
  ■智頭線軌道車事故 2人を書類送検 ブレーキ整備不良(朝日)
13日■春の臨時列車 約3割の減少 JR西日本(京都)
  ■2月の利用客 前年比13%減 山陽新幹線(京都)
  ■特急のドア開け忘れる JR三田駅(京都)
  ■「みなし労働時間」廃止へ仮処分申請 JR西労が方針(京都)
  ■天下茶屋駅へ延伸 来月4日から開通 地下鉄堺筋線(京都)
  ■近鉄京都線 田辺町宮津に新駅 今秋開業 学研開発にらみ(京都)
  ■立命大草津キャンパス 直行バス運行へ 新駅開業までの半年間(京都)
  ■昨年より26本少なく JR福知山支社が春の臨時ダイヤ発表(京都)
  ■ウイークエンド経済 ビジネス戦記 過去に道ありき JR西日本・アサヒビール 名誉会長 村井 勉(朝日)
14日■のぞみドア故障28件 JR東海 油圧バネ改良措置(京都)
15日■つばさ、機器故障3時間立ち往生 山形のJR奥羽線(京都)
16日■値上げしない方向 JR東日本社長(京都)
  ■94年度値上げ 住田社長示唆 JR東日本(朝日)
  ■「のぞみ」試乗者募る(朝日)
17日■説明会開催を運輸省に要望 信楽事故「遺族の会」(京都)
  ■週末など387本増発 JR春の臨時ダイヤ(朝日)
18日■CAT南海「なんば駅」にも 新空港アクセス 府南部から最短(京都)
  ■社説 都市再生かける京都市予算案(京都)
  ■京都市の新年度予算案 地下鉄東西線 工事ピーク 烏丸線は北進着手(抜粋)(京都)
  ■南海が直通特急 新空港へ”弾丸”が走る なんばから29分(京都)
  ■関西新空港−難波29分 南海電鉄アクセス 特急、1時間に2本(朝日)
  ■京都市新予算案 市税 戦後はつ減収 基金と市債で賄う 一般会計伸び5.0% 物件費10%カット(朝日)
  ■重点事業選び積極姿勢 田辺市政1期目仕上げ 手厚い算木用振興策 エイズ検査・看護婦不足対策も(朝日)
  ■きょうスト突入か JR貨物で国労(朝日)
  ■アジア版オリエント急行 今秋発車 マレー半島縦断 1900キロ41時間で(京都)
  ■脱輪乗用車に貨物列車衝突 米原駅の踏切(京都)
  ■名ばかりのバス専用レーン(京都)
  ■踏切で脱輪 そこへ列車 滋賀、けがはなし(朝日)
19日■穀倉院発掘へ京都市に要望 中京まちづくり懇(京都)
  ■JR貨物スト入り(朝日)
20日■線路わきでかくれんぼ そこへ電車、転倒けが 山科のJR(京都)
  ■泰緬鉄道問題でも補償要求(京都)
  ■一般会計425億円 宇治市が新年度予算案発表 JR宇治駅改築 基本設計費を計上(京都)
  ■無人駅返上 おしゃれに来春変身 県が補助金 案内や土産販売も JR北陸線(京都)
22日■信楽事故 JR側の過失指摘 高原鉄道 「運転士が協定違反」(京都)
  ■象の突撃で列車が故障 子象事故に怒り バングラ(京都)
  ■市バスに追突 乗客の母子軽いけが(朝日)
  ■「JR側にも責任」信楽事故説明会 高原鉄道、初の指摘(朝日)
  ■初乗り180円に値上げ 大阪地下鉄改定へ(京都)
  ■大阪市も地下鉄・バス値上げ 7月から 初乗り・均一180 円に(朝日)
23日■4月2日に第2波 私鉄中小スト(京都)
  ■JR馬堀駅南側の旧線路跡 公共用地などに活用 来秋にも事業着手へ 亀岡市(京都)
  ■馬堀駅線路跡地譲渡へ 国鉄清算事業団 亀岡市公社に1.2f(京都)
  ■旧国鉄グラウンド 大阪の商社が落札 JR草津駅西口(京都)
  ■JR東海 94年度値上げ回避の見通し(朝日)
  ■馬堀駅線路跡地資産処分決まる(朝日)
  ■JR九州の会長に山下氏(京都)
  ■JR九州新会長 閣議で了解(朝日)
24日■丹後が近づく JR山陰線・KTR宮福線(園部−福知山−天橋立) 電化、7年度末完成へ 京都−天橋立 1時間半(京都)
  ■大阪市地下鉄 全駅にエスカレーター/福祉手厚く 目指すはホームからすぐ地上 5年計画”発車”へ(京都)
  ■信楽鉄道事故「遺族の会」「方向優先テコに設計ミス」JR幹部追加告訴へ(京都)
  ■朝の“痛勤”少しは緩和 御堂筋線、列車増へ(朝日)
  ■貨物脱線 朝の足大混乱 茨木の東海道線 荷のトラック横転 JR京都駅 乗客に私鉄切符(京都)
  ■ゾッ あわや大惨事 東海道線 本線レールくの字 衝撃の跡残る現場 「もし昼間なら」(京都)
  ■新幹線雪で徐行 東海道・山陽(京都)
  ■東海道線 貨物列車が脱線、混乱 ポイント転換ミス 茨木駅構内6時間後復旧 14万人に影響(朝日)
  ■「また事故」ミスに怒り 列車脱線 私鉄すし詰め 客悲鳴 「新幹線切符欲しい」(朝日)
25日■JR舞鶴線電化を示唆 府会で知事答弁 95年度以降着手へ 国などに働きかけ(京都)
  ■駅員が誘導ミス ポイント転換で勘違い 東海道線脱線事故 尾を引くラッシュ混雑、17万人影響 電車待つ長い列 JR京都駅(京都)
  ■運転手に執猶判決 JR福知山線踏切事故 「上司の指示」考慮 京都地裁(京都)
  ■脱線相次ぐJR高速貨物 台車の半数交換へ(朝日)
  ■オーバーラン続発 阪和線(朝日)
  ■JR値上げへ手さぐり 各社とも黒字の中 特急料金など「先行」(朝日)
  ■地下鉄東西線 完成2年近く延期 田辺市長 市会で表明 山科工区など遅れ(京都)
  ■トロッコ列車1日から発車(京都)
  ■犬はねブレーキ故障 山陽電鉄64本に遅れ(朝日)
26日■地下鉄東西線 工期延長 建設費大幅増に 市に新たな難題(京都)
  ■地下鉄東西線 完成は2年遅れ96年末 94年度の完成断念 建都1200年 間にあわず 工費増は必至 京都市長が明かす(朝日)
  ■新快速が故障 乗客カン詰め JR東海道線(朝日)
  ■トロッコ列車 来月1日発車 嵯峨野観光鉄道(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
  ■信楽鉄道事故遺族の会 新たに6人告訴 告発 「優先テコ」設計ミスと(京都)
  ■JR西日本幹部を告訴 信楽事故「遺族の会」(朝日)
27日■嵯峨野線に臨時駅 梅小路会場の足確保 JR西日本と設置協議 京都市が意向表明(京都)
  ■葵祭紹介の小冊子 JR東海 希望者に配布(京都)
  ■「のぞみ」部品落下 山陽新幹線 試運転中に2件(朝日)
  ■列車妨害数件続く 新岩国−徳山間(朝日)
  ■企画切符発行の方針 JR東海(朝日)
  ■北近畿タンゴ鉄道 3−6月に316本を増発(朝日)
  ■普通電車故障で特急4本が遅れる 湖西線、1700人に影響(京都)
28日■JR京都駅 信号機4基故障で「赤」 新快速など入れず遅れ(京都)
  ■置き石で列車遅れる 宇治、JR奈良線(京都)
  ■男児はねられ死亡 大阪、JR東海道線(京都)



1日■神戸駅構内脱線事故 原因究明へ本格検証 JR「人為ミスなかった」
 30日夕、神戸市中央区のJR神戸駅構内で起きた下り快速電車の脱線事故で、JR西日本は31日、事故車両を鷹取工場(神戸市須磨区)に運び、兵庫県警捜査一課と合同で本格的な事故原因の究明に乗り出した。
 事故で不通となっていた東海道・山陽線の甲子園口−西明石間は31日午前2時45分、約9時間ぶりに開通、上下線とも復旧した。
 31日朝は新快速などの一部に運休が出たものの、始発時からほぼダイヤ通りの運転で同9時半には正常ダイヤに戻った。同事故では最終的に上下170本が運休、新大阪発西鹿児島行き寝台特急の「なは」が約8時間20分遅れたのを最高に17本に遅れが出、約7万2000人に影響した。
 これまでのJR西日本の調べによると、脱線した電車は複々線になっている神戸駅の下り内側線からふだんは使用していない「渡り線」(長さ約70b)を使って外側線に出ようとして内側線のポイントを通過中に脱線、約100b走って、止まった。ポイントの切り替えは、駅の信号扱い所でスイッチ操作で行っているが、これまでの調べでは駅員のポイント扱いや運転士の信号確認など人為的なミスはなかったとしている。
 また、車両やポイントも定期検査では特に問題点は見つからなかったという。このため、鉄道総合技術研究所(東京)から車両と軌道の専門家を呼んで原因を究明することにしている。
 一方、捜査一課は同日ポイントを中心に現場検証するとともに、ポイント操作に当たった駅員ら関係者から事情聴取。これまでの検証では、ポイント付近で車輪がまくら木をこすった跡があり、レール内側のガードレールが折れているのが確認された。(京都新聞)
■死者は140人 不明200人以上 ケニアの列車事故
 【ナイロビ31日共同】ケニア国営放送などによると、ケニア南東部のダラジャニ付近でモンバサ発ナイロビ行き寝台列車が増水した川に転落した事故は、31日午後までの情報によると、死者140人、行方不明者約200人以上に上ることが判明した。
 ケニア鉄道当局者によると、この列車に乗っていた乗客600人のうち生存者が確認されたのは約200人で、この大半は転落を免れた車両に乗っていた乗客。転落した5車両からは2人が救出されただけで、残りは絶望視されている。
 ナイロビの日本大使館によると31日午後2時(日本時間同8時)現在、犠牲者や不明者の中に日本人がいるとの情報はない。(京都新聞)
■列車とバス 衝突65人死亡 中国
 【中国通信=共同】新華社電によると、中国遼寧省で31日朝、バスと列車が衝突する事故が起き、65人が死亡、29人が負傷(うち重傷四人)した。
 午前7時24分、赤峰から大連に向かう特急列車が無人踏切に差しかかったとき、無理に踏切を渡ろうとしたバスと衝突。列車はそのまま400b突っ走り、バスはばらばらになった。バスの乗客は59人が即死、病院に運ばれる途中、6人が亡くなった。運転士が軽傷を負ったほかは、列車の乗客に死傷者はいなかった。(京都新聞)
■初の地下鉄ロスで開業 車社会に新時代?
 【ロサンゼルス30日=杉本宏】車渋滞とスモッグに悩む米ロサンゼルスで30日(日本時間31日)、同市発の地下鉄が開業した。5駅7`の短区間だが、2000年までには全長36`に延長され、1日11万2000人を運ぶ予定。地下鉄開業は総額1800億jをかけての公共交通システム整備計画の一環で、関係者は「車社会のロサンゼルスにとっては画期的な出来事。新時代の幕開け」と位置づけている。
 開業したのはロサンゼルス市を東西に結ぶ「レッドライン」の第1期工事分で、着工から6年半かかった。鉄道の玄関ユニオン駅からマッカーサー公園駅までの間を10分間隔で運行する。所要時間は計7分、乗車料金は一律1j10k(約135円)。運輸当局は当面、1日7800人の利用客を見込んでいる。
 各駅とも構内は色彩鮮やかな壁画やモダンな抽象彫刻で飾られている。(朝日新聞)
■脱線、4番線ポイント 快速事故
 神戸市中央区相生町のJR神戸駅構内で30日夕に起きた快速電車(11両編成)の脱線は、最初に走っていた4番線のポイント上から始まり、停車するまでに約100bも走っていたことが31日、JR西日本などの調査でわかった。当初は5番線上にある2つ目のポイントで脱線したとしていたが、その後の現場検証で、4番線のポイント付近から、ずれた車輪がレールに乗りあげたとみられる傷が約10b続いているのが見つかった。
 JR側では、電車の3両目が4番線のポイントを通過中に何らかの原因で前部2軸の車輪がずれ、レールに乗り上げた状態で10b走って脱線、そのまま2つ目のポイントを通過し、5番線に進入したとみている。
 これまでの調べでは、ポイントは1月に入って8回使用、事故前日の29日には巡回検査も行われていたが、異状は見付からなかったという。また、神戸駅構内にある信号や保安装置の動作を記録した磁気テープを分析した結果、ポイントは正常に作動していた。(朝日新聞)
■増水の川に列車転落 ケニア 140人死亡200人以上不明
 【ケープタウン31日=村上伸一】ケニアからの情報によると、同国のインド洋に臨むリゾート都市モンバサから首都ナイロビに向かっていたケニア鉄道公社の旅客列車(9両編成)が30日未明、モンバサから約290`の町ムティトアンデイにある川にかかっていた橋から転落し、31日までに乗客約600人のうち140人の遺体が収容された。軍や警察が捜索を進めているが、依然200人以上が行方不明になっており、死者はさらに増えると見られる。日本人の死傷者はいない模様だ。
 ケニア政府などによると、同地区では最近大雨が続き、川がはんらんしていた。捜査当局は、洪水で線路の地盤がゆるんで脱線したか、洪水で橋が傷んだため列車の重みで橋が崩壊した、との見方をしている。
 鉄道当局などによると、機関車と前方の客車が脱線するのに気づいた乗務員が、後部客車を切り離したが、間に合わず、客車5両は川に転落。機関車はバラバラに壊れて一部は1.5`も下流に流された。
 生存が確認されたのは約200人で、大半は転落をまぬがれた車両の乗客。転落した5両からはまだ2人が救出されただけだ。(朝日新聞)
■バスと特急が衝突、66人死亡 中国東北部
 【北京支局31日】中国東北部の遼寧省で31日、大型バスが特急列車と衝突、バスの乗客66人が死亡、28人が負傷した。
 新華社によると、事故が発生したのは高台山−新立屯線の無人踏切で、赤峰発大連行きの特急が大型バスと衝突、列車は脱線し、バスは大破した。列車の運転士が軽傷を負った以外は、列車の乗客は無事だったが、バスは運転手を含め59人が即死、7人が間もなく死亡、4人が重傷。(朝日新聞)
■強風で断続運行 山陰線・余部鉄橋
 1日午前9時8分ごろ、兵庫県城崎郡香住町のJR山陰線余部鉄橋の風速計が25b/秒を記録。この強風のためJR福知山支社は列車を断続的に運行しており、米子発京都行き特急あさしお4号始め、急行1、普通上下6本が80−8分の遅れ。700人に影響が出ている。(京都新聞 夕刊)
2日■強風で運休や遅れ JR山陰線・余部
 兵庫県城崎郡香住街のJR山陰線・余部鉄橋付近で1日、断続的に20bを越える強風が吹いたため、同福知山支社は一時、同鉄橋の列車運行を見合わせるなどした。このため、上り特急出雲2、4号を伯備線経由に変更したほか、あさしお1号など特急上下4本が鳥取−倉吉間で運休。普通同8本も一部区間で運転を取りやめた。また、特急5、急行1、普通8本が65−10分遅れ、計約3500人の乗客が影響を受けた。(京都新聞)
■理容店の営業確保へ JR西指導申し入れ 京都市に経営者ら
 JR京都駅改築に関連した同駅構内の理容店の営業問題で、同店の経営者と従業員を守る会(福島幸一代表)などは1日、京都市の田辺朋之市長に対し、理容店の営業を確保するため、明け渡し請求を京都地裁に棄却されたJR西日本を指導するよう申し入れた。(京都新聞)
■JR東日本 上場申請7月にも 年内実現向け準備 売り出し価格 9月ごろ入札 市場不透明なお慎重論
 関係筋は1日、運輸省や国鉄清算事業団などが売却、上場を検討しているJR東日本の株式について、同社の1993年3月期決算がまとまった後の今年7月ごろ東京証券取引所に上場申請し、9月ごろ売り出し価格を求める入札を実施、年内に上場を実現する方向で準備を進めていることを明らかにした。
 JR東日本などは今後、東証との間で続けている事前審査的な事務折衝を加速させる方針だが、株式市況の先行きが不透明なことに加え証券業界の中にも上場に対して慎重論と、市場活性化材料とする異なる見方が交錯しており、一連のスケジュールを含む既定方針には曲折も予想される。
 運輸省などは昨年、同社の発行済み株式400万株のうち、約200万株について92年度中の売却、上場を目指していたが、市場への株式供給が増え、株価下落につながるとの懸念から昨年8月の政府の総合経済対策に年度内上場の見送り方針が盛り込まれた。
 早期売却、上揚を目指す最大の理由は、JR株を保有する清算事業団の長期債務が約26兆4000億円(92年3月末)にも上り、株売却益を返済に充て債務を圧縮したいためだ。JRにとっては上揚して全株式の売却を果たせば、代表取締役の選任や新規事業の開始など「JR法」で運輸相の認可事項となっている規制がなくなり、事業展開が広がるとの狙いもある。
 JR東日本には、今年4月以降は総合経済対策の”しばり”が解禁になるとの期待感もあるが、同社は「上場申請できるかどうかは、今後の市況がどうなるかなどを見極めて、政府が判断すること。申請手続きの方法など当社の対応は全く決まっていない」としている。(京都新聞)
■夕刊ひろば 市バス車内の児童作品 広告不足ではありません
 先日、京都市バスに乗ったところ、車内にいつも見かける広告がなく、代わりに児童の絵画作品がたくさん飾ってありました。最近は不況で広告が少ないと聞きますが、広告不足に対応するために絵を飾っているのでしょうか。それともアトラクションとして、こうしたバスを走らせているのでしょうか。子供たちの絵自体は夢があって楽しいのですが、広告が不足しているのだとしたら、その分が運賃の値上げにつながりそうで心配です。(京都市山科区、会社員・56)
 京都市交通局の話では、車内に児童の絵や習字作品を飾ったバスは「京ちゃんバス」といいます。もちろん広告不足のためではなく、子供たちや市民に市バスに一層親しんでもらおうと、1昨年12月から続けているそうです。車内の児童作品のほか、車体にはサーカスや動物などのイラストも描かれており、昨年1月から走らせている「チンチンバス」と同じく、同交通局のマスコットバスになっています。
 現在、京都市内の9つの営業所に1台ずつ置かれており、各営業所管内の公立小児童の作品を2ヵ月ごとに入れ替えています。掲示される作品は1校に偏らないよう調整し、なるべく作品を出してもらった児童の校区を走るようにしているそうです。
 同交通局自動車課は「数が少ないために、まだご存じでない市民の方もおられると思いますが、地域の子供たちの夢を乗せたバスとして、親しんでもらえれば幸いです」と話しています。(京都新聞 夕刊)
■京滋にドカ雪 白い朝 足直撃 京都市内 道確保 商店主ら汗 児童 雪だるまに歓声
 京磁を見舞った2日の大雪。朝のラッシュアワーには、とくに激しく降りしきり、通勤、通学の足を直撃した。なかでも36年ぶりの積雪量を記録した京都市内では、道路が見る見る白くなり、大学入試に向かう受験生や勤め先に急ぐサラリーマンらを困惑させた。
 ○…久しぶりの大雪となった京都市内では、雪が最も激しかったのは午前8時前から9時過ぎまでの通勤時間帯。雪が積もった傘を手に、足元を気にしながら通勤するサラリーマンらがあちこちに。市バスは軒並み30分前後遅れ、どのバスもすし詰め。積み残しの客が各停留所で出た。道路ではマイカーなどのノロノロ運転が続き、道端では慣れない手つきでチェーンを取りつける姿も。商店や民家では、真っ白になりながらスコップなどで店や家の前の雪かき。「こんなことは何年ぶり」と驚くお年寄りもいた。
 一方、一面の白銀の世界に子供たちは元気いっぱい。校庭内を走り回り、大きな雪だるまを作っていた。
 この雪で、京都市東山区の東大路通では、軽ライトバンがスリップし乗用車と正面衝突、1人が足の骨を折った。
・配車ガタ減り タクシー
 ○…この雪で、京都市内のタクシー会社には、タクシー手配の注文が殺到した。16社、1200台余の配車を行っている京都無線タクシーセンターには、通常の2倍の約500件の注文があったが、交通事情が悪いうえ、走っている台数も少ないため、車が回せず、配車できたのは1割程度で、大半は断ったという。職員は「事故などを心配して、個人で自主的に休んだり、引き揚げを指示した会社もあるようです」と話していた。
 また、別のタクシー会社では「朝6時からひっきりなしに電話がかかり、話し中で、つながらないお客さんも多かったのでは。配車できたのは3分の1程度」という。
・JR大幅遅れ 京都駅
 ○…JR京都駅では、ラッシュ時に到着する電車は各線ともすし詰め状態で、駅の案内所や改札口は延着証明書を求めるサラリーマンやOLであふれた。
 JR在来線は、積雪の多かった滋賀県や京都府内を中心に東海道線上り快速が最高40分遅れたのをはじめ、山陰線や奈良線などで10−30分の遅れが出た。
 近鉄と相互乗り入れしている京都市営・地下鉄烏丸線では、近鉄電車の遅れに伴い、ダイヤが乱れ、ラッシュのピークとなる午前8時ごろから、どの電車も5−10分遅れ。竹田駅や京都駅のホームには一時乗客らであふれたが、改札制限をするほどの混乱はなかった。
・府北部で8000戸停電
 関西電力京都支店によると、京都府北桑田郡京北町全域の約2000戸が倒壊樹木による電線切断で1日午後8時から約3時間、停電したほか、1日夜から2日朝にかけて京都市北区、左京区の山間部や、船井郡、舞鶴市など府北部で延べ約8000戸が雪の影響で停電した。(京都新聞 夕刊)
■ローリング現象主因 JR神戸駅脱線事故 県警、見方強める
 JR神戸駅構内で快速電車が脱線した事故を調べている兵庫県警捜査一課と生田署は、2日までに、船の横揺れのように電車の左右が浮き沈みする「ローリング現象」が脱線の直接原因であるとの見方を強めた。車両の構揺れには、電車のスピードや車両の状態、カーブの角度やレールの高低差などが複雑に絡み合っているとみられ、同課では今後、横揺れが脱線するほど激しくなった経過の解明に全力をあげる。
 調べによると、今回の脱線は、快速電車が4番線から5番線へ移り始める左曲がりのポイント上で起きた。11両編成のうち3両目の前部にある車輪4輪だけが、進行方向右側にはずれたまま約100b走って停車した。県警では、快速電車がポイント上を通過する際、何らかの原因で「ローリング現象」が激しくなり、脱線を引き起こしたとみている。
 JR西日本によれば、走行中の電車はつぬに横揺れを起こし、カーブやポイント上、坂などで揺れが激しくなる。ふだんは車両と車輪の問にあるクッションや、レールの下の地中に埋め込まれているバネがその衝撃を吸収し、安全な定行を可能にしているという。
 JR西日本は事故直後、脱線が起きたポイントは事故前日に検査したが異状はなく、事故直後の調べでも正常に作動していたことを確認。さらに、事故直前の信号操作や運転にも誤りはなかったと説明している。県警では関係者の事情聴取を進めるとともに、脱線した3両目の車輪やレールの下のバネに異状がなかったかなどについて鑑定を急いでいる。
 「ローリング現象」による脱線事故としては、兵庫県明石市の旧国鉄西明石駅構内で1984年10月、寝台特急「富士」が脱線、乗客29人が重軽傷を負った事故がある。(朝日新聞 夕刊)
■雪で交通網乱れる 新幹線・在来線ベタ遅れ
 冬型の気圧配置が強まった近畿地方は、1日夜から2日朝にかけて、零下30度を超える寒波が流れ込み、各地で雪が舞った。この積雪の影響で、新幹線や高速道路など交通網は大きく乱れ、山間部の小学校が臨時休校したり、阪神間の一部の私立大学で入試の開始時間を繰り下げた。
 大阪管区気象台によると、積雪は午前9時現在で、舞鶴22a、彦根19a、豊岡15a、京都14a、姫路13a、神戸4aなど。大阪でもこの冬初めて数ミリの積雪を記録した。
 新幹線は2日午前6時ごろ、姫路駅で、雪のため上り線のポイントが転換できなくなり、同駅発東京行き「ひかり126号」の発車が56分遅れた。また、始発から名古屋−広島間で上下とも徐行運転し、正午までに110本が最高2時間11分遅れ、約7万8000人に影響した。
 在来線でも、兵庫県揖保郡の姫新線で、津山発姫路行きの普通列車が、雪の重みで倒れたスギの木に衝突、乗務員室の窓ガラスが割れ、約3時間不通になった。学研都市線(片町線)で普通電車が最高1時間39分遅れたのをはじめ、琵琶湖線、東海道線(京都線、神戸線)、山陽線、宝塚線、関西線、奈良線、播但線でも、1−59分遅れ、計12本が運休した。
 大阪府・千里ニュータウンと大阪市を結ぶ新御堂筋は、午前4時前に豊中市新千里南町一丁目付近で4台の車が凍った道路で滑って事故。その処理や道路に凍結防止剤をまき、約3時間、通行止めになった。この事故を含め、府内では午前9時までに人身事故5件が起き8人が負傷、物損事故は16件発生した。
 高速道路では、名神高速道路の栗東−関ケ原間が1日探夜から通行止めになり、大津インタまでの上り線が午前9時現在で約12`渋滞。大阪府池田市の五月山ドライブウェイも午前7時から全線で通行止め、大阪、奈良府県境の生駒信貴スカイラインは同8時からチェーンが必要になった。
 大阪空港では鳥取、出雲、米子、新潟、松本の5空港が雪や強風で発着できないため、午前中だけで、大阪との往復10便が欠航した。(朝日新聞 夕刊)
3日■ダイヤ改正時にストの方針 JR西労が新勤務体制で
 乗務員の勤務制度変更をめぐり会社側と対立しているJR西日本労働組合(JR西労、奥島彰委員長、組合員約4400人)は2日、大阪市で臨時大会を開き、3月の新制度実施時にストライキを含む闘争を組む方針を決めた。
 具体的な戦術は3月2日の中央委員会で決定するが、JR西日本は3月18日のダイヤ改正に合わせ新制度を実施する計画で、スト突入の場合混乱も予想される。
 また、JR西労は勤務制度について「実質的な労働強化になる」として会社側を相手に訴訟を起こす準備を進めたり、シンポジウムを開き労働の現状を訴えることも決めた。さらに、今月20日から25日の間、運転士らが安全確認を厳密に行う運動を実施、運行の遅れが発生するなど問題があれば会社側に申し入れる。(京都新聞)
■終日禁煙駅を拡大へ JR東日本が来月から
 JR東日本はこのほど、昨年8月から東京・山手線全駅で実施している原則終日禁煙を、東京近郊の全駅と管内の県庁所在地(前橋を除く)を含む主要駅に拡大する、と発表した。
 3月1日から、準備が整った駅から始め、同月中に全駅で終日禁煙をスタートさせる。終日禁煙になると、コンコースやホームに設けられた喫煙所以外では時間に関係なくたばこは吸えなくなる。
 駅の禁煙化については、地下鉄や神奈川県の相模鉄道が全駅で、西武鉄道、東急電鉄などが混雑駅を中心に実施中。春のダイヤ改正で東海道新幹線の禁煙席が約30%から約45%に引き上げられる予定で、愛煙家はますます肩身が狭くなりそうだ。
 新たに終日禁煙になるのは横浜、浦和、千葉など東京近郊(東京から70`圏)の24線区、349駅と青森、秋田、山形、盛岡、仙台、福島、水戸、宇都宮、甲府、長野など管内の主要24駅(8戦区)の計373駅。現在の山手線駅などを加えると禁煙駅は406駅となる。(京都新聞 夕刊)
■業務上過失傷害でも捜査 JR神戸駅脱線事故
 JR神戸駅構内で1月30日夕、快速電車が脱線した事故で、乗客の男性1人が脱線の衝撃で手の指の骨を折っていたことが3日わかった。兵庫県警捜査一課は業務上過失往来妨害に加えて、業務上過失傷害の疑いでも調べを進める。
 JR西日本によると、この男性は明石市の会社員(52)。脱線した3両目の最前部に座っていて、脱線のショックで倒れてきた女性客を受け止めようとして左手小指の骨を折った。事故当日はそのまま帰宅したが、2日後、病院に行って骨折がわかった、という。
 脱線事故では、乗客の女性1人が停車した電車から線路に飛び降りる際、足をけがして入院したが、脱線による負傷者が明らかになったのは初めて。
 これまでの調べで、県警は、電車が横揺れする「ローリング現象」が何らかの原因で激しくなったことが脱線の直接のきっかけになったとの見方を強めている。JRによると、車輪や線路の摩耗などが競合して「ローリング現象」を増幅することもあるといい、脱線が起きたポイントやレール、車両を調査している。(朝日新聞 夕刊)
■新幹線、残雪で遅れ
 東海道新幹線は3日、米原地区の残雪のため、始発から岐阜羽島−京都間で時速210`と170`の徐行をした。この影響で午前中の列車に最高16分の遅れが出た。(朝日新聞 夕刊)
4日■JR連合の連合加盟 JR総連が撤回要求へ
 JR総連(福原福太郎委員長、8万4000人)は3日、東京都内で中央委員会を開き、賃上げ要求を「7−8%台」(昨年は8%中心)とする方針などを決めた。方針は、傘下のJR西労が昨年12月にストをした際、対立するJR連合系のJR西労組がスト破りをしたとして、日本労働組合総連合会(連合)へJR連合の加盟の白紙撤回と規約に基づく措置を求めていく、ともしている。(朝日新聞)
■伝統食列車第2号 米どころ東北へ 日本海側を北上
 輸入食糧に頼らず、日本の農業や食生活を見直そうと、「伝統食列車」の運転を昨秋から始めた市民団体「日本の伝統食を考える会」(事務局・大阪市)は、その第2号を20日から3泊4日の日程で新渇−秋田−山形へ走らせる。
 市場開放問題で揺れる日本海沿いの米どころを北上。新潟では、生産者や栄養士らも交えて開かれるシンポジウム「日本の食と農業を考える集い」に参加するほか、秋田県角館市や山形県藤島町などで生産者らど交流、地酒も味わいながら郷土料理を探訪する。
 JR大阪駅発着。今回は定期列車も利用し、角館(奥羽線)から長岡(信越線)の間をJR東日本のイベント列車を借り切る。定員70人で、参加希望の締め切りは14日。問い合わせは、同会の浦田さん(06-843-2226)へ。(朝日新聞)
5日■京の道80 旧国鉄中舞鶴線跡 舞鶴市 全国初、廃線を再利用
 JR小浜線東舞鶴駅西側の森踏切から中舞鶴公園まで、全国で初めて廃線跡地を再利用し、自転車・歩行者専用道路に生まれ変わった道がある。途中から国道27号に沿って舞鶴市の東地区と中地区を結ぶ約3.4`の”ミニ路線”、旧国鉄中舞鶴線跡だ。
 「海軍鎮守府」開庁後の明治37年(1904年)、東舞鶴駅から海軍工廠(しょう)に引き込み線を敷いたのが始まり。軍港の発展に伴って、兵員や物資輸送のため、大正8年(1919年)、中舞鶴、北吸(現在の市役所付近)の両駅を設置し、中舞鶴線として営業運転を始めた。
 当時、両駅間の一般道路には海軍衝兵所があり、市民の通行は禁止。同線は唯一の交通機関だった。市史編さん室の男性職員(61)は「太平洋戦争のころ、外を見てはだめなので、『窓のよろい戸を下ろすように』と車内放送が流れていました」という。
 戦後は通勤、通学の足として親しまれたが、「時代の波」には勝てなかった。マイカー、トラックの普及、バス輸送力の増強で、赤字路線に転落。昭和47年(1972年)廃線となり、中舞鶴線は54年の歴史に幕を閉じた。
 市民らの要望でこの跡地を利用し、同線の2.8`のうち、森踏切]市役所間(1.1`)を市が、市役所−中舞鶴間(1.7`)を建設省が、自転車と歩行者の専用道路として舗装した。コースには、北吸トンネル(全長110b、幅3.7b)もあり、水銀灯を8基設け、照明効果をよくするため黒くしみついた内壁を白く塗りあげた。
 道が誕生して20年。沿道は、春はツツジの花が満開となり、ジョギングやサイクリングを楽しむ市民や子どもらの笑い声に包まれる。国道沿いにある赤慄瓦(れんが)倉庫群や海上自衛隊舞鶴地方隊の護衛艦を眺めつつ、終点の中舞鶴駅跡地の公園に着く。そこにはその昔、路線があったことを忍ばせるSL「C53型113号」機関車が展示され、静かに「時の流れ」を見守っている。(京都新聞)
■JR西日本 20億円の申告漏れ 税務処理を誤る 大阪国税局8億円の追徴処分
 老朽化したトンネルや橋の補修費の税務処理に問題があったとして、JR西日本(大阪市北区、井手正敬社長)が大阪国税局の税務調査で約20億円の申告漏れを指摘され、過少申告加算税を含め八億3400万円を追徴される更正(課税)処分を受けていたことが5日、明らかになった。同社は民営化初年度の1987年度の決算でも、約16億円の申告漏れを指摘されたことがある。株式の上場を目指して適正な税務処理が求められる中で、経理の民営化の道はまだまだ険しそうだ。
 申告漏れを指摘されたのは、民営化後の1988、89年度の2年間の税務処理。その後の事業年度についても、同国税局が調査を続けている。
 関係者などによると、JR西日本の沿線には、明治時代に建設されたレンガ造りのトンネルや駅ホームや老朽化した橋梁(きょうりょう)が多く、補修基準に合わせて鉄板などで補修。かかった費用の全額を「修繕費」として経費(損金)に計上していた。
 駅舎などの固定資産を改良して使用可能期間を延長させたり、価値を高めるためにかかった費用は資産の性能を高める「資本的支出」とされ、単年度に一括して損金とすることはできないとされている。
 このため、同国税局は、単なる修繕ではなく、「資本的支出」に当たると判断。減価償却資産として計上すべきだとして、申告漏れを指摘したという。
 同社は指摘を受け入れ、追徴に応じたという。
 JR西日本は民営化初年度の87年度の決算についても、国鉄時代の会計規則にならって、翌年度に計上すべき経費を当年度に計上するなどしていた会計処理について申告漏れを指摘された。それが89年11月に明らかになった際に、「88年度以降は改善されている」と説明していたが、1年だけでは民間会社の税務処理は完全には身につかず、再度、指摘を受けた形だ。
 垣内剛・JR西日本財務部長の話 民営化後、税務面での適正処理をするよう努力しているが、修繕費とするか、資本的支出とするかをめぐり、国税当局と解釈の相違があった。今後も、適正な処理ができるよう、さらに努力したい。(朝日新聞 夕刊)
6日■KTR春のダイヤ改正 普通・快速は禁煙 JRとの接続など改善
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)はJRから乗り入れの京都からの直通列車時間短縮や通勤・通学列車の時間改善など盛り込んだ3月18日から実施の春ダイヤ改正を5日、発表した。また、この改正にあわせて、普通。快速列車を全区間終日禁煙にする。
 今回の改正は、JR西日本のダイヤ改正に伴うもので、KTR列車の本数は変わらないが、JR列車との接続改善や行き違い時間の変更など、規模は小さいがほぼ全面改正となる。
 JRのダイヤ改正もあり、福知山・西舞鶴・豊岡各駅で30分以内の待ち合わせで接続するJR列車が、従来の1日計283本から8本増の291本となる。午後2時京都発豊岡行きの急行丹後5号(西舞鶴経由)は、行き違い待ち合わせ時間を短縮、従来より27分早い午後5時53分豊岡着とする。(京都新聞)
■JR西日本 20億円申告漏れ 補修費の税務処理誤る
 駅ホームや橋の補修費の税務処理が誤っていたとして、JR西日本(大阪市北区、井手正敬社長)が大阪国税局に約20億円の申告漏れを指摘され、過少申告加算税を含め8億3400万円の追徴処分を受けていたことが5日までに明らかになった。同社は民営化初年度の1987年度の決算でも、約16億円の申告漏れを指摘されたことがある。
 JR西日本は「課税逃れではなく、税法上の見解の相違があっただけ」としているが、同社は早急な株式上場を目指しているだけに、今後より適正な税務処理が求められることになりそうだ。
 JR西日本によると、申告漏れを指摘されたのは、1988、89年度の2年間の税務処理分。同社は、れんが造りの古いトンネルや駅ホーム、老朽化した橋りょうなどを補修した際、掛かった費用を「修繕費」として経費(損金)に計上してきた。しかし、大阪国税局は、駅舎などを改良して結果として使用可能期間が延びた場合。「資本的支出」とし、単年度に一括損金とはならないと指摘。修繕費ではなく設備投資的な「資本的支出」に当たると判断、改めて減価償却資産として計上するよう指導した。(京都新聞)
■線路に油缶置いた 疑いで中学生補導 亀岡・置き石も認める
 亀岡署は5日午後3時55分ごろ、亀岡市篠町柏原のJR山陰線下り線路上にオイル缶(直径30a、高さ34.7a)を置いたとして同市内の男子中学生(14)を列車往来危険罪の現行犯で補導した。
 現揚付近で先月28、29の両日に連続した置き石事件を警戒していた同署員がみつけた。同署の調べに対し、同中学生は「学校で女生徒にいじめられ、いらいらしてやった」と供述、29日の置き石も認めているという。(京都新聞)
■線路上にオイル缶 「列車往来危険」で亀岡の中学生補導
 1月下旬、亀岡市内のJR山陰線の線路上に2日続けてコンクリート片が置かれていた事件を調べている亀岡署は5日午後4時ごろ、同市篠街柏原のJR山陰線の下り線路の上に鉄製のオイル缶を置いて逃げようとして同市内の中学2年の少年(14)を列車往来危険の現行犯で補導した。(朝日新聞)
■東北・高崎・常磐各線 東京駅で発着へ JR東日本混雑緩和策
 山手・京浜東北線上野−秋葉原間や上野駅での通勤混雑緩和のため、JR東日本は5日までに、現在は上野駅発着となっている常磐、東北、高崎の各線を延長し東京発着としたうえで東海道線と接続、相互乗り入れする計画の具体的検討に入った。早ければ95年ごろ着工し、10年程度をかけて完成させる。
 JR東日本によると、延長する上野−東京間約4`のうち、まず着手するのは上野−秋葉原間の約2`。出発待ちの電車を置いている「留置線」が山手・京浜東北線と並行して走っているのを利用して、旅客用の複線につくり替える。秋葉原駅にはホームを新設する。
 続く秋葉原−東京間約2`の工事は、東北・上越新幹線の線路の上に、在来線用の高架を建設して複線を敷設する。(朝日新聞)
■私鉄大手 来月25日に ストを設定 中小は28日に
 私鉄総連(鈴木完守委員長、18万6000人)は5日、東京都内で中央委員会を開き、93春聞方針を決めた。賃上げ要求は組合員1人平均2万5000円、9.1%で、額では昨年と同じ、率では0.2%低い。12日に全組合が要求を一斉に提出し、スト権を確立したあと、大手組合は日本労働組合総連合会(連合)が設定したヤマ場の3月25日始発時から24時間ストを構えて決着を図る。また、中小組合も同28日に24時間ストを設定し、解決を目指す。(朝日新聞)
■「点字ブロック目立たぬ色に」美観優先に”落とし穴” 弱視者「分かりにくい 不評を受けてJR改善着手
 景観への配慮や個性のある駅づくりが進むなか、駅舎周辺の美観を考えて、これまで黄色ばかりだった点字ブロックを、目立たない色に変えるところが出てきている。駅全体のイメージ、調和を壊さないよう床と同系色にするのがおしゃれなようだが、肝心の弱視者から「分かりにくい」と不評をかっている。街の歩道や公共の建物の点字ブロックでも同様の傾向がみられ、視覚障害者らは運輸省や鉄道会社、建設省、自治体に改善を申し入れている。
 JR西日本で黄色以外の点字ブロックが使われているのは、大阪、三ノ宮、神戸の三駅。大阪駅は91年に中央コンコースの改装をした際、白と灰色のタイルを組み合わせた床に合わせ、灰色の点字ブロックに。また、去年秋に改装が終わった神戸、三ノ宮両駅でも、白っぽい床に、灰色や同系色の目立たない点字ブロックを取り入れた。
 私鉄では、阪神電鉄が7、8年前から梅田、元町、三宮の各駅でエンジ色や灰色など床と同じ色の点字ブロックを導入。南海電鉄でも、4年前に建て替えた高野線・千代田駅でベージュの床に灰色のブロックを敷いている。
 ただし、どの駅も、危険が大きいホームについては、黄色の点字ブロックを変えてはいない。
 ところが、視覚障害者の中でも弱視の人たちは、ブロックの凹凸だけでなく、黄色のはっきりした色を頼りにしており、床と点字ブロックが同系色だと区別がつかないという。
 運輸省は83年、駅の点字ブロックのガイドラインを作成。色についての記述はなく、「基本的には黄色がいい」と口頭で指導しているが、十分に守られてはいない。
 また、建設省が「原則黄色」としている道路でも、景観に配慮してカラーブロックと同じ色の点字ブロックを使うケースが増えている。
 関西でも1月に「手をつなごう すべての視覚障害者関西集会実行委員会」がJR西日本や私鉄を訪れ、改善を申し入れた。
 JR西日本では「駅にも全体の調和を考えて同系色の点字ブロックを入れてみた。しかし、今後は、十分検討していきたい」とし、今年初めから着工した元町駅の改装ではさっそく「点字ブロックはすべて黄色とする」としている。
 同実行委員会の藤野高洞代表(54)は「美観にも配慮しなければいけないというなら、せめて周囲と区別できる、目立つ色にしてほしい」と、話している。(朝日新聞 夕刊)
7日■JRスト 国労西日本は回避へ
 JR西日本の労組のひとつ国労西日本(約6800人)は6日、「乗務員勤務制度の見直しについて一定の譲渡を勝ち取れた」として、事実上、ストを回避することを決めた。(朝日新聞)
8日■東北・上越新幹線 最高速300`に JR東日本 8年度から運転開始
 JR東日本は7日までに、平成8年度から東北、上越新幹線で最高時速300`運転をスタートさせる方針を固めた。
 これは@東北、上越新幹線の車両が取り換え期にきているA9年春に秋田ミニ新幹線が開業するが、現行の時速240`運転では東京−秋田間の時間短縮効果が小さい−などが理由。
 300`運転が実現すると、東京−仙台、新潟間が現行の約1時間40分から1時間25分程度に、東京−盛岡間が2時間36分から2時間5分程度に、東京−秋田間が4時間半から約3時間40分へと大幅に時間短縮される。
 JR東日本は昨年3月、時速350`営業運転を目指す新幹線用試験車両「STAR21」を完成させ、走行性能確認試験や騒音などの環境試験を実施中。当初は、このデータを基に営業車両を開発、早ければ6年度中にも300`運転を開始する予定だったが、試験開始後、トラブルが続出し計画は大幅に遅れていた。
 しかし、その後試験が順調なことや、秋田ミニ新幹線(盛岡−秋田)が開業しても現行速度では東京−秋田間の所要時間が4時間を切れず、航空機(乗り換えなどを含め約3時間)との競争に不利なため、運転開始となった。
 JR東日本は、5年度から本格的な検討を開始、6年度に新車両の詳細設計に入り同年度中にメーカーに発注の予定。秋田ミニ新幹線用車両についても。東京−盛岡間はフル規格新幹線車両と連結して走行しなければならないため、新たに開発する計画。
 ただ、9年度開業予定の北陸新幹線(東京−長野)は山間部で線路のこう配が大きく300`運転するかどうか未定という。(京都新聞)
■スト権投票実施へ JR東海労
 JR東海の旧動労系組合、JR東海労(佐藤政雄委員長、1300人)は7日、名古屋市で中央委員会を開き、春闘でのスト権確立を目指す全組合員による投票を9日から15日まで実施することを決めた。16日の開票でスト権は賛成多数で成立する見込み。
 同組合は定期昇給込みで8.5%の賃上げのほか、安全輸送確立のための団体交渉開始などを求めている。
 同組合は昨年の春闘で、旧動労系のJR西労、JR九州労とともにJR発足後、初の本格ストを実施した。(京都新聞)
■ジェイアール西日本伊勢丹 会長に梅原氏
 新京都駅ビルに出店する百貨店・ジェイアール西日本伊勢丹は8日、取締役会を開き、空席の代表権のある会長に同社取締役でJR西日本常務・事業本部長の梅原利之氏(53)を選任した。
 同社は平成2年秋、JR西日本3分の2、伊勢丹3分の1の出資で設立。建都1200年事業として建設される新京都駅ビルに開業する予定。
 梅原利之氏(うめはらとしゆき)昭和36年、京大工学部卒。旧国鉄大阪鉄道管理局施設部長、金沢鉄道管理局長などを経て同62年、JR西日本取締役金沢支社長に就任。平成元年から現職。(京都新聞 夕刊)
■特急・急行47本に遅れ
 7日夜の北陸を中心とした地震で、運転を見合わせていたJR北陸線や七尾線などは8日の始発までに運転を再開した。
 JR西日本金沢支社によると、新潟初大阪行き上り寝台特急「つるぎ」が約2時間遅れたのをはじめ、特急や急行など計47本の列車が最大5時間から1時間分遅れ、普通列車1本が運休した。また、8日始発の特急など4本にも1時間から19分の遅れが出た。
 また、能登の住民の足となっている第3セクターののと鉄道では、珠洲市の鵜飼−蛸島間の12ヵ所で路盤沈下、珠洲−蛸島間の約3.6`が不通。
・43回、余震相次ぐ
 気象庁の観測によると、7日夜能登半島沖で起きた地震による余震は、8日午前9時までに有感、無感地震計43回となった。
 同庁地震津波監視課は「8日朝には、無感地震もほとんどなくなり、余震は順調に減っている」と話している。(京都新聞 夕刊)
■強風でダイヤ乱れる 余部鉄橋、断続運転
 8日午前6時版ごろ、兵庫県城崎郡香住町のJR山陰線・余部鉄橋付近で、26bの強風を記録、その後も風が続いたため、JR福知山支社は同鉄橋の列車運転を断続的に行っている。
 このため、午前9時現在で、上り特急「はまかぜ2号」など特急2、普通6本が90−10分遅れ、乗客約800人に影響が出ており、同線の列車ダイヤは乱れた。(京都新聞 夕刊)
■余部鉄橋で強風 特急など8本遅れ JR山陰線
 8日午前6時半ごろ、兵庫県城崎郡香住町、JR山陰線の余部鉄橋で、最大瞬間風速20bを超す強風が記録された。このため各列車は鉄橋の手前で、いったん待機したうえ徐行運転を繰り返した。特急など8本が最高1時間30分遅れた。(朝日新聞 夕刊)
9日■市バスに接触、けが 伏見の国道24号線
 8日午後5時ごろ、京都市伏見区豊後橋町の国道24号と外環状線の交差点で、京都市バス=上奥靖弘運転手(50)=が左折する際、横断歩道を歩いていた宇治市折居台四丁目、会社員大窪信也さん(29)と接触した。大窪さんは転倒し、顔などに軽傷を負った。市バスの乗客15人にけがはなく、約30分後の後続バスに乗り換えた。
 伏見署の調べに上奥運転手は「対向から右折して来た小型トラックに気を取られた」と話しているという。(京都新聞)
■信楽事故 JR側、不起訴か 大津地検、近く最終処分
 滋賀県甲賀郡信楽町の信楽高原鉄道で一昨年5月、同鉄道とJR西日本の列車が正面衝突し、死者42人、負傷者614人を出した事故で、大津地検は8日までに、業務上過失致死傷の容疑などで書類送検されていたJR西日本の運転士と、「遺旗の会」から告訴されていた同社幹部6人の事情聴取を終え、近く最終的な処分をする方針を固めた。途中の待避所の信号が青だったことを不審に思いながら、そのまま進行した運転士の責任を含めて、JR側聞係者の刑事訴追は難しいとみられ、不起訴になる公算が大きい。
 運転士は、待避所で待っているはずの対向列車がいないのを不審に思いながら、駅に連絡するなど安全を確認せずに進行させた疑いが持たれており、同地検は、運転士が危険を予知できたかどうかに重点を置いて取り調べたとみられる。しかし、青信号で進むのは列車運行上当然だとするJR側の主張を覆すのは困難で、組織の責任を問うのはさらに困難、と判断したようだ。(朝日新聞)
■関西新空港の搭乗手続き 難波・ポーアイでも 日航がCAT
 日本航空が、関西新空港の搭乗手続きと手荷物の預け入れが同時にできるシティ・エア・ターミナル(CAT)を、新たに大阪市の南海電気鉄道・難波駅と、神戸ポートアイランドの航空旅客ターミナル(K-CAT)に造ることが8日、明らかになった。K-CATには日航のほか、全日本空輸と日本エアシステムも参加する。日航のCATは、JR京都駅での開設がすでに決まっていた。これで新空港のCATは京阪神の主要3都市にそろい、利用者に便利になる。1空港に3つのCATがあるのは、世界でも珍しい。日航は「経営環境は厳しいが、他社に勝つための投資」といっている。
 難波駅のCATは駅2階に設けられ、旅客は搭乗券の発券をしてもらい、その場でトランクなどを預ける。空港行きの直通列車(所要時間30分弱)に乗ると、あとは手荷物検査と出国手続きをするだけですむ。預けた荷物は、行き先の外国空港まで自動的に運んでもらえる。
 ポートアイランドのCATは1階につくる。空港へは、高速艇で約30分だ。建設費用は今後詰めるが、日航のはか、3ヵ所についてそれぞれJR西日本、南海電鉄と神戸市が負担する。いずれも、新空港が開港する1994年夏に合わせてオープンする。
 日航はCAT設置で、新空港全体で扱う旅客の1一2割を処理する。分散処理で空港本体の混雑も緩和される。荷物の輸送料などは取らず、無料でサービスすることにしている。
 日航大阪支店長の横山善太取蹄役は「3地区に設けるのは、お客さんに便利になることが、他社との競争を勝ち抜くうえで欠かせないからだ。また業界トップとして、新空港の機能向上にも貢献したい」と話している。(朝日新聞)
■駅の信号機故障でJR山陽線遅れる 2万5000人に影響
 8日午後5時50分ごろ、兵庫県姫路市御国野町御着のJR山陽線御着駅構内で、上下線の出発信号機が赤のまま変わらなくなった。このため、米原発播州赤穂行き下り快速電車(6両編成、乗客約700人)と、姫路発大阪ターミナル行き上り貨物列車が同駅手前で停車。手信号に切り替え、下りは20分後、上りは30分後に運転を再開した。
 後続の新快速電車など上下合わせて13本が上郡−加古川間で部分運休したほか、48本が最高1時間18分遅れ、2万5000人に影響が出た。(朝日新聞)
■列車にはねられ死亡 長岡京、補修作業員
 9日午前2時ごろ、長岡京市調子三丁目のJR東海道線で、線路の補修工事をしていた大阪軌道整備作業員の山田康弘さん(47)=高槻市西面南=が、上り工事用列車(6両編成)にはねられた。山田さんは胸などを強く打ち間もなく死亡した。
 向日町署の調べでは事故当時、現場東隣の軌道上で、20人が作業にあたっていたが、技術責任者の山田さんが、作業用機材の具合を確かめようと軌道の間を移動する途中にはねられたらしい。安全確認体制が行き届いていたのか、など関係者から詳しく事情を聴いている。(京都新聞 夕刊)
■電車にひかれ重体 阪急、西院駅
 9日午前11時ごろ、京都市右京区西院高山寺町の阪急西院駅ホームから線路に女性が転落、正雀発河原町行き回送電車にひかれた。女性は意識不明の重体。
 桂署の調べでは、女性は5-60歳で灰色のセーターとズボン、茶色のオーバー姿。同署で身元確認を急いでいる。目撃者の話しでは、女性はホームから飛び込んだらしい。(京都新聞 夕刊)
10日■大阪でもテレホンセンター開設へ JR東海
 JR東海は20日から、大阪地区にも同社管内の列車の運行状況などを案内する「JR東海テレホンセンター」を開設する。名古屋市内のテレホンセンターで現在行っている▽東海道・山陽新幹線の運転状況▽名古屋地区在来線の運転状況▽JR全線の発車・到着時刻▽運賃案内−などが、自動転送により大阪でも聞けるシステム。電話番号は06(452)3730。開設時間は午前6時−午前零時。(京都新聞)
■JR舞鶴線88周年記念 来月13日に感謝祭 参加者を募集
 JR福知山支社と舞鶴観光協会は3月13日、舞鶴市下安久の舞鶴港で、北近畿特別感謝祭「日本海あばれ食いカーニバル」を催すことにし、参加者を募っている。
 同市の市制50周年と、JR舞鶴線の開業88周年を記念したイベント。早春の日本海を眺めながら、海の幸をたっぷり味わってもらおうとの触れ込み。
 カニ雑炊(1わん)や大漁鍋(なべ)(同)、カキの炭火焼き(2個)、イワシ20匹の無料プレゼントのほか、鮮魚類や水産加工品の格安販売、お楽しみ抽選会などを予定。郷土芸能やもちつき大会も催す。
 当日は、午前10時半までにJR西舞鶴駅集合。車での参加はできないが、京阪神方面からの参加者のため、大阪午前7時43分発、京都同7時32分発の臨時列車を運転する。
 参加協力金として、中学生異常1000円、小学生700円が必要。申し込みは、住所・氏名・電話番号明記の返信用封筒(切手を張り)と参加協力金を現金書留にして、3月5日までに福知山市天田 118ノ1、JR福知山支社イベント係 0773(23)8612へ。(京都新聞)
11日■信楽高原鉄道事故 2社、遺族に回答 賠償額を個別提示へ
 信楽高原鉄道事故の「犠牲者遺族の会」(吉崎俊三世話人)がJR西日本と高原鉄道両社に対し、犠牲者の個別の賠償額提示を求めていた問題で、鉄道両社は10日、個別額の提示に基本的に応じると回答。事故以来初めて遺族と鉄道両社による賠償交渉の話し合いが行われることになった。
 回答の中でJR側は、「一人ひとりの個別的事情を十分に考慮して交渉を進めたい」として、個別の賠償額提示を表明。算定に必要な資料などの提示を各遺族に求めている。遺族会側が求めていた賠償基準の開示については触れなかった。
 遺族の会弁護団では、鉄道両社が歩み寄りの姿勢を見せたことで、交渉について前向きに対応する方針。
・JRの責任求め地検に署名提出へ 被害者の会が17日
 信楽高原鉄道事故の犠牲者のうち、京都府・木津町のハイタック・リサーチパークの4遺族らでつくる「事故被害者の会」は、JR西日本の刑事責任追求を求める約12000人の署名を17日、大津地検に提出する。
 遺族らは署名を担当検事に直接手渡す予定で、運輸省事故調査検討会から安全管理の不備を指摘されたJRに対する徹底捜査と関係者の責任追求を求めていく。(京都新聞)
■地労委の救済命令覆す判決 国労処分で東京高裁
JR東日本が分割・民営化による余剰人員対策として社員を出向させた企業の工場前で「出向反対」の街頭宣伝をした国労組合員4人に対し5日間の出勤停止処分としたことをめぐり、JR東日本が群馬県地労委による救済命令の取り消しを求めた訴訟の控訴審で、東京高裁は10日、JR側敗訴とした一審判決を取り消し、改めて救済命令を取り消す逆転判決を言い渡した。 国労によると、JRの分割・民営化に絡む問題での地労委への救済申し立てについては、これまでに審理を終えた109件全部に救済命令が出ているが、裁判でこの命令が覆されたのは初めてという。(朝日新聞)
■信楽事故 個別賠償額を鉄道側、提示へ
 信楽高原鉄道列車事故の賠償問題で、JR西日本と信楽高原鉄道は10日、「遺族の会」(吉崎俊三世話人代表、22犠牲者・19遺族)から個別交渉開始の前提として求められていた個別賠償額を提示することを決めたと、同会に知らせた。(朝日新聞)
■全列車が終日禁煙 来月ダイヤ改正 北近畿タンゴ鉄道
 北近畿タンゴ鉄道(事業本部・宮津市)はこのはど、3月18日からのダイヤ改正を発表した。列車本数は同じで、時刻も大きな変更はないが、全列車終日禁煙にする。
 同鉄道は今年、第三セクター営業3周年、宮福線開業5周年を迎えるため、乗客ニーズにこたえる輸送を心がけた、という。全列車終日禁煙の措置は、未成年者の車内での喫煙が最近目立っているため、これを防止する意味もあって実施に踏み切った、という。ただしJRが乗り入れている長距離特急、急行列車は除く。
 このほか、会社、学校の始、終業時間帯に合わせ、一部の列車ダイヤを改正。また、午後2時の京都発豊岡行き急行「丹後5号」は、宮津駅で行き違い列車待機のため15分停車しているのを、天橋立駅で待機させることによって、天橋立駅より先の各駅は、現在より16−27分時間短縮される。(朝日新聞)
12日■梅田発の河原町行き通勤特急 最終を午後10時40分に延長 阪急京都線ダイヤ改正
 阪急電鉄は12日、21日に実施する京都線ダイヤ改正の内容を発表した。平日夜間の梅田発河原町行き特急はすべて高槻駅停車の通勤特急とするほか、大阪の地下鉄堺筋線天下茶屋駅開業(3月4日予定)に伴い、現在動物園前駅までの乗り入れが天下茶屋駅まで延びる。京都線ダイヤ改正は1昨年12月以来。
 梅田発河原町行きの夜の通勤特急は、現在、午後5時29分発から同8時発までだが、改正で最終の午後10時40分発までの夜間帯特急のすべて(16本)とする。今回土曜日用ダイヤを新設するが、通勤特急は平日同様の運行とする。向日市や長岡京市、西京区方面から大阪方面への通勤通学者には便利になりそう。
 河原町駅発の堺筋線乗り入れ電車は日曜以外の午前7時、8時台に1日3本運行中。これらは3月5日から天下茶屋行きとなる。(京都新聞)
■春闘 私鉄、2万5000円(昨年同額)要求 大手来月25日 24時間ストの構え
 春闘相場に大きな影響力を持つ私鉄総連(鈴木完守委員長、18万6000人)と加盟各組合は12日、日本民営鉄道協会(会長・久万俊二郎阪神電鉄会長)など経営側に対し「2万5000円(9.1%)の賃上げ」などの春闘要求を一斉に出した。
 春闘要求のうち賃上げ要求は昨春闘と同額だが、率では0.2ポイント下回った。年間臨時給(ボーナス)は昨年実績(大手5.4ヵ月)に0.2ヵ月の上積みを求めている。
 私鉄大手労使は2月下旬から中央集団交渉に入る。大手組合は3月25日始発から24時間ストを構えており、労使交渉は同24日夜から25日未明にかけ最大のヤマ場を迎える見通し。
 中小組合は3月28日に24時間ストを設定、大手の交渉結果を踏まえ27日に詰めの交渉をする段取りになるとみられる。
 今春闘での私鉄総連の賃上げ要求は額、率とも連合加盟組合の中でトップクラス。私鉄大手労組は昨春闘で朝のラッシュ時間帯を越えるストを打っているが、今春闘もギリギリまでもつれることが予想される。
 要求提出後記者会見した鈴木委員長は「私鉄組合員は平均年令が高く、要求は高い数字ではない。回答次第では昨年同様ストに入らざるを得ない」と述べた。(京都新聞 夕刊)
■私鉄総連 春闘要求書を提出
 私鉄総連(鈴木完守委員長、18万6000人)と加盟約240組合は12日、日本民営鉄道協会(会長=久万俊二郎・阪神電鉄会長)やバス協会、会社側に対し、組合員平均2万5000円(9.1%)の賃上げを柱とする今春闘の要求書を提出した。スト権を確立した後、大手組合は日本労働組合総連合会(連合)が設定した春闘ヤマ場の3月25日始発から24時間のストライキを構えて決着を図る。(朝日新聞 夕刊)
■智頭線軌道車事故 2人を書類送検 ブレーキ整備不良
 兵庫県佐用郡佐用町平福の地方幹線鉄道、智頭(ちづ)線の建設現場で昨年4月2日、砂利をまく作業をしていた軌道車が暴走、停車中の別の軌道車に衝突して作業員3人が死亡し、1人がけがをした事故で、佐用署は12日、ブレーキの整備不良が原因として、工事を請け負った大阪施設工業(大阪市北区大深町)佐用作業所の北村幸雄所長(63)を業務上過失致死、内田信人監理技術者(55)を同致死傷の疑いでそれぞれ神戸地検姫路支部に書類送検した。(朝日新聞 夕刊)
13日■春の臨時列車 約3割の減少 JR西日本
 JR各社は12日、春(3−6月)の臨時ダイヤを発表した。ゴールデンウイーク期間中(4月28日−5月5日)は、前年より3%多い2648本の新幹線や特急が増発されるが、全期間では1%少ない1万4628本の増発となる。不景気による乗客減少を見越したもので、JR西日本の臨時列車は、全期間平均で前年より約3割少なくなっている。
 JR西日本は、全期間で2960本を増発するが、前年と比べると、山陽新幹線で50%減、在来線で21%少ない。同社は「定期列車の本数が増えているので、期間中の乗客の予想は、ほぼ前年並み」としている。(京都新聞)
■2月の利用客 前年比13%減 山陽新幹線
 JR西日本の井手正敬社長は12日、不景気の影響で、2月に入って山陽新幹線利用客の落ち込みが激しくなっていることを明らかにした。
 同社によると、新大阪−西明石間の乗客は、昨年4−8月はほぼ前年並みだったが、9月から前年を下回る月が目立っている。1月の速報値では、前年より2%少なかったが、2月1−7日は前年を13%下回った。「1週間単位でこれほど低迷している状況はこれまでになく、深刻」(輸送課)とみている。
 井手社長は「観光客が減っており、家庭にも不況が浸透してるようだ。恒常的な増収策が必要」と話した。(京都新聞)
■特急のドア開け忘れる JR三田駅
 12日午後1時35分ごろ、兵庫県三田市のJR三田駅に停車した新大阪発城崎行き特急「北近畿9号」のドアが開かないまま出発、約30人が乗降できなかった。JR西日本によると、接客中の車掌(51)がドアを開けるのを忘れ、運転士(44)も確認をしなかったという。
 同列車は、三田駅出発直後に気付き、先の広野駅で臨時停車。三田駅で降りる予定だった乗客8人はタクシーで三田駅に戻り、同駅で乗る予定だった22人も後続の列車に乗ったり、タクシーに振り替えるなどした。(京都新聞)
■「みなし労働時間」廃止へ仮処分申請 JR西労が方針
 列車乗務員の折り返し運転時の待ち時間の見直しに反対して昨年暮れ、96時間ストをしたJR西日本労働組合(JR西労、奥島彰委員長)が12日、「みなし労働時間」廃止の差し止めなどを求める仮処分を3月1日に大阪地裁に申請する方針を明らかにした。(京都新聞)
■天下茶屋駅へ延伸 来月4日から開通 地下鉄堺筋線
 大阪市交通局は12日、82年から地下鉄御堂節線や難波駅の混雑緩和のため延伸工事を進めてきた地下鉄堺節線の動物園前−天下茶屋間(1.5`)の営業運転を、3月4日から始めると発表した。(京都新聞)
■近鉄京都線 田辺町宮津に新駅 今秋開業 学研開発にらみ
 近畿日本鉄道は12日、近鉄京都線の三山木−狛田間に新駅を設置すると発表した。綴喜郡田辺町と相楽郡精華町にかけて建設中の近鉄京都線新車庫に隣接する「近鉄宮津駅」(仮称)=田辺町宮津灰崎=で、今年秋の開業を予定している。
 近鉄では、田辺町など地元の要望にこたえるとともに、関西学研都市をはじめとする今後の沿線開発をにらみ、新車庫の機能強化と輸送力の増強に備えたとしている。
 新駅は、三山木駅から南に760b、狛田駅から北へ1280bの地点。高架部となる新車庫東側に6両編成に対応するホームが設置され、1階ガード下が駅舎となる。開業時は、普通列車上下169本が停車する予定で、1日520人の乗降客を見込んでいる。(京都新聞)
■立命大草津キャンパス 直行バス運行へ 新駅開業までの半年間
 来年4月、草津市野路町に理工学部のびわこ・くさつキャンパス(仮称)を開設する立命館大(京都市北区)は、同キャンパスとJR草津駅を結ぶ大学独自のシャトルバス運行を決め、12日に運行計画を発表した。
 同キャンパス開設時の学生数は約4000人が見込まれ、大学では、このうち3分の2が公共交通機関を使って通学するとみている。しかし、開校と同時に開業する予定だったJR琵琶湖線南部新駅(仮称)の開業が約半年間ずれ込んで秋になるため、シャトルバスを運行することになった。
 新駅開業までの暫定処置で、このほど民間バス会社と運行契約を結んだ。計画によると、JR草津駅東口から同キャンパスまで約5.5`間に60人乗リシャトルバスをノンストップで走らせる。
 運行時間は午前8時から午後9時まで。通学時間のピークとなる午前8時台と午後6時台には最高25台をピストン運転。この時間帯以外は1−10台で対応する。
 また草津駅東口が現在、地下駐車揚などの工事中で一度に大量のバスを発着させるスペースがないため、朝のラッシュ時には、駅近くの西友草津店駐車場をシャトルバスの発着場にする予定。(京都新聞)
■昨年より26本少なく JR福知山支社が春の臨時ダイヤ発表
 JR西日本福知山支社は12日、ゴールデンウイークなど春の臨時列車ダイヤを発表した。
 期間中(3月1日−6月30日)に山陰、福知山、播但、舞鶴線で計387本を運転。山陰観光キャンペーン中だった昨年同期より26本少ないが、同支社では「連休期間が昨年より長く、人出は4%増の約1600万人」と見込んでいる。
 このうち、ゴールデンウイーク中には山陰線で特急「タンゴエクスプローラー」(大阪−久美浜)を5月1−5日に、同「あさしお」を2−5日に、それぞれ1往復運転。また、今年初めて、急行「丹後」(京都−東舞鶴)を1日に走らせる。
 福知山線では4、5日に急行「きのさき」(大阪−城崎)を、播但線では2−5日に同「但馬」(大阪−浜坂)を、それぞれ1往復させる。
 このほか、期間中の週末などには、特急「エーデル丹後」(大阪−天橋立)を福知山線で運転。3月中旬までは、同線や播但線で「味めぐりカニスキ号」の特急・急行を運転する。(京都新聞)
■ウイークエンド経済 ビジネス戦記 過去に道ありき JR西日本・アサヒビール 名誉会長 村井 勉
JRの会長就任に緊張 赤字路線多く私鉄と競合 大阪駅が乗降客1位奪還 国鉄の分割民営化で西日本旅客鉄道(JR西日本)が生まれて、今年4月で満6年になる。業績は順調に伸びてきた。
 残念なのは、証券市場の低迷で株式の上場が延び延びになっていることだ。いまは代表取締役を選ぶにも、銀行から長期の借り入れをするにも、政府の認可を受けなけれはいけない。民間企業として独り立ちするために、一刻も早く上場を認めてもらいたい。
 「JR西日本の会長に」という要請があったのは87年2月17日の朝。突然のことだった。いつも通りアサヒビールに出社すると、当時関西経済連合会会長だった日向方斉さんらから「まもなく正式の要請があるはずだ。今後はJR西日本でがんばってほしい」という電話がかかってきた。
・一時は円形脱毛症に
 そして午前11時、今度は橋本龍太郎運輸相から「よろしく」という電話。「おまかせいたします」と即答した。その昼のニュースで会長内定が流れ、妻などは知人の家で、「ご主人、今度はJRだそうね」といわれて知ったぐらいだ。
 実は前日夜、講演先の浦和市に住友銀行の先輩である磯田一郎会長から電話がかかってきて、「また新しい会社でひと働きしてもらうかもしれない」といわれていた。打診めいたものはそれだけだった。
 突然の指名には驚かなかったが、115年もの間、国の手で経営されてきた会社が相手だと思うと、緊張した。そのせいか、内定後しはらくは頭の後ろが円形脱毛症になり、毛が少し抜けた。
 会長に就任して最初に取り組んだのは、経営理念の作成だった。会社はどういう道を進むべきか、社員は何をすべきか−5万1500人の全社員にアンケートした。経営改善のためには、トップから一線の社員まで、ひとつの理念でまとまる必要があるからだ。回収率は実に98.5%に達した。
 さらに、社員を345のグループに分けて、アンケート結果を土台に論議してもらい、3ヵ月で「ハート&アクション」と呼ぶ経営理念をまとめた。相手の立場に立った気配りと行動という意味だ。
 具体的には「安全・正確な輸送の提供」から「同業他社をしのぐ強い体質づくり」まで6項目。これを「コンセプト・ブック」と称するポケット大の冊子にして、全社員が持ち歩くことにした。
 経営理念にこだわったのは、住友銀行の副頭取だったころ、関西経済同友会の日米経営比較調査団の団長として渡米した際に、「バンドエイド」で知られるジョンソン・エンド・ジョンソン社を訪問し、感銘を受けた経験があったからだ。
 この多国籍企業は50年も前から、「Our Credo」(わが信条)と呼ぶ経営理念を持ち、2年に1度、世界中のマネジャーを集めては徹底的に議論し、10年に1度は時代に合うように書き換えていた。
・危機感がやる気に
 当時は日本的経営がもてはやされたころ。「もう米国から学ぶことはない」とまでいう人もいた。だが、私はジョンソン・エンド・ジョンソンから、優れた経営に国境はないということを学んだ。
 JR西日本は本州のJR3社の中で経営環境がもっとも厳しい。JR東日本には首都圏という強力な営業基盤があり、JR東海は国鉄時代からのドル箱路線、東海道新幹線を持つ。これに対して、西日本は総営業距離5060`の半分以上が赤字路線。しかも関西圏の主要路線は有力私鉄と真っ向から競合している。
 しかし、その分だけ社員に危機感があった。それがかえって「やらんかな」という精神に結びついた。たとえは、大阪、神戸、京都などの都市を短時間で結ぶ「アーバンネットワーク」の運行だ。もちろん国鉄時代も同じような電車があったが、ダイヤ編成の権限が東京に集中していたため、地域の実情に合っていなかった。
・複々線の活用が成功
 「複々線という私鉄にないインフラ(基盤)を、もっと活用しよう」。そん声が社内から上がり、89年3月のダイヤ改正でアーバンネットワークと命名し、通勤時間を中心に大幅に本数を増やした。翌年からは最新型のきれいな車両を導入した。
 これが、お客さんに好評だった。おかげで77年度以来、阪急電鉄梅田駅に奪われていた関西での乗降客数トップの座は、89年度からJR大阪駅が奪還した。ある私鉄の方が「お客さんを奪われました」とおっしゃるので、こう申し上げた。「お預けしていた方々を返してもらっただけです」とね。(談、題字は村井さん)
 むらい つとむ 福岡県生まれ。東京商大(現一橋大)卒。42年住友銀行に入り、76年東洋工業(現マツダ)副社長。住友銀行に戻った後、副頭取を経て、82年アサヒビール社長。86年会長。87年西日本旅客鉄道会長。現在はアサヒビール、西日本旅客鉄道の名誉会長。74歳。(朝日新聞 夕刊)
14日■のぞみドア故障28件 JR東海 油圧バネ改良措置
 最高時速 270`で走る東海道新幹線ののぞみ型車両(300系)に、停車駅に着いても一部のドアが開かないトラブルが昨年9月から今年1月までの間に計28件起きていることが13日、分かった。
 JR東海の調べによると、のぞみは従来のひかりに比べ最高時速が50`上がった結果、トンネル内で対向列車と擦れ違う際、車体の外側の気圧が急低下。この影響でドアが想像以上に強く外側に引っ張られ、ドアの油圧バネが故障しやすくなる。
 昨年11月25日に新大阪発東京行きのぞみ302号が名古屋駅に停車した際、8号車の先頭側ドアが開かず乗客2人が下車できなかったことから、JR東海がドアの故障の件数や原因を調査していた。
 JR東海は、1月から外側からの強い力に耐えられるようドアの油圧バネの強度を上げる改良措置をとった。
 来月18日のダイヤ改正で、のぞみは現在の東京−新大阪から東京−博多まで運転区間が延長され、本数も1日2往復から上下計34本に増える。(京都新聞)
15日■つばさ、機器故障3時間立ち往生 山形のJR奥羽線
 14日午前8時40分ごろ、山形県のJR奥羽線置賜−高畠間で、東京発山形行き山形新幹線つばさ111号が、運転席モニターに故障表示が出たため停車した。JR東日本で調べたところ、12号車のパンタグラフ上部が折れ、付近の架線の3ヵ所で、張り具合を調整する金具が外れていた。同列車は現場に約3時間12分停車。応急処置後、高畠駅で乗客約60人を後続のつばさ101号に移した。111号は車内の温度が17度ぐらいまで下がった。この故障で、つばさ上下13本と奥羽線の上下9本が運休、つばさ114号など上下27本が最高約3時間20分遅れ、約7000人に影響が出た。(京都新聞)
16日■値上げしない方向 JR東日本社長
 JR東日本の住田正二社長は15日の記者会見で93年度の事業計画について触れ「(年度中の)運賃値上げはしない方向で検討中。他のJR各社もしないのではないか」と、値上げに否定的見解を示した。
 同社は本年度の1月末までの取り扱い収入(累計)は前年同期比1.3%増。住田社長は93年度の取り扱い収入は本年度比で悪化するとの見通しを示したが「増収努力と経費削減によって、値上げなしで1000億円台の経営利益を確保したい」と延べた。
 ただ、94年度以降の値上げについて同社長は「仮に取り扱い収入が前年比で5%も落ちたら値上げもやらざるを得ない。(86年9月以来)値上げしていないので、我慢する理由はない」と、営業状況次第での値上げ検討に含みを残した。(京都新聞)
■94年度値上げ 住田社長示唆 JR東日本
 JR東日本の住田正二社長は15日の定例汽車会見で、「収入が大きく落ち込み、1993年度の経営利益が1000億円を割り込むような場合には、値上げを含めた対応を考えなければならない」と述べ、景気動向をにらみ、94年度の値上げを検討する意向を示唆した。
 JR各社は、89年4月に消費税導入に伴い運賃値上げしたのを除けば、旧国鉄時代の86年9月以来、実質的に運賃を据え置いてきた。この日の住田社長の発言は、景気動向が先行き不透明感をぬぐえない状況が続いており、経営環境が極端に悪化するのを防ぐため、94年度の値上げに向け布石を打とうとしたとみられる。(朝日新聞)
■「のぞみ」試乗者募る
 3月18日から山陽新幹線に「のぞみ」が乗り入れるのに先立って、JR西日本は3月13日、14日に一般から希望者を募り試乗会を開く。
 試乗ルートは4種類で、すべて往復。13日は新大阪(午前10時45分発)−広島。14日は、岡山(午前9時33分発)−新大阪→広島(午前11時2分発)−博多→博多(午前11時23分発)−小倉−広島。
 乗車は無料。各ルートとも定員は600人で、2人1組で受け付ける。希望者は、はがきで次のあて先の「のぞみ号」試乗会事務局へ。2月20日の消印有効。応募者多数の場合は抽選。
 大阪発=〒530-91大阪中央郵便局私書箱678号DMD▽岡山発=〒700岡山市駅前町2-1-7 ▽広島発=〒732広島市東区二葉の里3-8-21▽博多・小倉発=〒812福岡市博多区博多駅中央街1-1 。問い合わせは、JR西日本コミュニケーションズ(06-956-6143)へ。(朝日新聞)
17日■説明会開催を運輸省に要望 信楽事故「遺族の会」
 信楽高原鉄道事故の「犠牲者遺族の会」(吉崎俊三世話人)は16日、昨年12月に運輸省がまとめた事故報告書についての説明会開催を求める要望書を、運輸省に送付した。
 この中で遺族の会は、「報告書は、信号保安技術に関する事項が多く、専門的で理解しにくい」として、遺族の会独自の原因究明のため、同省担当官による分かりやすい説明会の設定を求めている。
 遺族の会は、21日に大阪市内で事故原因についての説明会開催をJR西日本、信楽高原鉄道両社に求めたが、JRは出席を拒否している。(京都新聞)
■週末など387本増発 JR春の臨時ダイヤ
 JR福知山支社はこのほど、春の臨時列車ダイヤを発表した。本数は減るものの、ゴールデンウィークに4連休があることから、人出は4%前後の増加を見込んでいる。
 同支社のまとめによると、3月1日から6月末までに述べ387本の臨時列車を増発させる。京阪神から城崎、天橋立方面への旅行向けが中心で、主に週末に特急や急行の味めぐりカニスキ号や、3月7日の篠山ABCマラソンなどイベントに合わせた列車を計画している。
 鳥取、島根の観光キャンペーンに力を入れた昨年に比べると、本数は6%少ない。しかし、今年は福知山市で北近畿交流博が開かれることもあり、ゴールデンウイークの8日間には約115万人(5%増)、その他の期間中には1507万人(4%増)を見込んでいる。(朝日新聞)
18日■CAT南海「なんば駅」にも 新空港アクセス 府南部から最短
 南海電鉄は17日、関西国際空港の開港に向け、大阪市の「なんば駅」にCAT(シティエアターミナル)を開設すると発表した。京都市と神戸市にもCAT設置が決まっており、これにより京阪神の3都市にそれぞれCATができる。空港1つに3ヵ所のCAT設置は全国初。関西文化学術研究都市を含む京都府南部から新空港へのアクセスは、なんば駅経由が最短になる。
 なんば駅のCATは、大阪市内では唯一のCATで、駅2階に設置する。対象となる航空会社は現在のところ日本航空のみで、空港開港と同時にオープンし、国際線旅客に対する搭乗券交付、航空手荷物受け付けなどのサービスを行う。CAT開設に併せて、なんば−空港間を29分で結ぶノンスットプ特急なども運行する。
 南海ではCAT設置に関連して、チェックインカウンターや空港特急専用の改札口、フライト情報などを提供するインフォメーションパネル新設などの駅改修工事を4月から着手。来年4月には完成させる。新線建設などと合わせた総投資額は約500億円という。
 一方、神戸市ではポートアイランドにCATを設ける。新空港との間は、海上ルートで高速艇により約半時間でつなぐ。JR京都駅のCATは地下1階に設置することが決まっている。
 新空港開港に伴って、JR西日本は京都−空港間に所要時間1時間25分の直通特急の運行を予定。京都市や府北部からはJR利用が最短だが、府南部からのアクセスは、南海・なんば駅経由が最も近くなる。
 宇治、城陽以南は、近鉄利用で近鉄西大寺まで5−20分、西大寺−近鉄難波間約30分で、南海分を合わせても1時間5分−1時間20分程度の鉄道所要時間で空港へ到着できる。(京都新聞)
■社説 都市再生かける京都市予算案
 京都市の1993年度(平成5年度)予算案がまとまった。今年8月に任期満了となる市長選を控えているが、骨格予算とせず、来年に迎える平安建都1200年へ向けて歴史都市再生への本格的な年間予算になっている。
 一般会計は政府予算、地方財政計画の伸びを大きく上回る本年度比5.0%増の6470億円の積極型である。特別、公営企業会計との総額で同2.6%増、1兆4718億円の規模だ。
 戦後初めてという市税の減収の中で基金の取り崩し、市債の増発と財源をめいっぱいに取り込み、後年度負担の大きい新規事業も盛り込んでいる。一方で市民受けの悪い手数料や使用料の値上げは見送った。すでに事実上始まっている市長選の行方と縮んで18日から開会する市会では予算編成の在り方についても大きな論議を呼ぶことになろう。
 予算案の主な柱は、健康・福祉、都市活力、教育・文化、産業振興であり、社会福祉費と都市建設費の2分野で一般会計予算のほぼ半分を占める。
 その中で京都市にとって大きな節目となる平安建都1200年記念事業が来年に本番を迎える。イベントの準備費用も計上した。新年度予算案で記念事業関連として挙げられたものを網羅すると実に総額811億円の巨額になる。
 中身はコンサートホールや地下鉄東西線、都市高速道路の建設準備など継続事業に加え、市勧業館の改築など新規のハード事業、各種の記念イベントなどソフト事業と多彩だ。また二条駅や山科駅の再開発が本格化、御池地下街やJR山陰線高架化など大規模な市街地改造計画が一斉に立ち上がりを見せる。
 景観保全についても伝統的な建物修理補助金の増額や目障りな電線の地中化事業など地道に取り組む姿勢を打ち出しているのは評価できよう。
 社会福祉関係でこれからの高齢者福祉の主流となる在宅看護のための施策充実に見るべきものがある。医療対策においても予防に力を入れるなど全般にきめ細かな目配りを感じさせる。
 建都記念事業を中心としたこれら大型プロジェクトはまさに「100年に1度」の機会であり、今後とも総力を挙げて取り組まねばなるまい。
 問題はこれだけの事業が進行中にもかかわらず、京都市のまちづくりについて市民コンセンサスが形成されているとはいえないことだ。かつて中国の都市を模倣して造られた京都市が日本文化そのものに見事な成熟を遂げたように、歴史都市の「英知」を結集して新たな都市像を早急に生み出す必要がある。
 3月には新京都市基本計画が健康都市構想やまちづくり答申をベースに策定されるが、世界文化自由都市などこれまでに提唱された理念をも包含した明確な将来像を示してもらいたい。
 さらに財政問題が最大のネックとなってこよう。これらの大規模事業は巨額の資金が必要であり、市債比率は11.2%に達した。これは1980年度以来の高率で、当時、自主財源を求めようとしたのが古都税問題の発端だったが、今も財政基盤の弱さは変わっていない。
 性急さを避け、施策の優先順位に応じて着実に進行管理し、無理のない事業展開を図って行くことが大切であろう。同時に国に対して財源配分の是正を一層強く要求していくべきである。(京都新聞)
■京都市の新年度予算案 地下鉄東西線 工事ピーク 烏丸線は北進着手(抜粋)
●企業会計
 京都市は17日、市バス、地下鉄、上水道、下水道の四公営企業会計の1993年度当初予算案を発表した。市バス、地下鉄は不況を反映して利用客減少の兆しがみえるため、共通プリペイドカードの導入などで乗客確保に全力を挙げる。地下鉄東西線は本格的な土木工事に。また上水道は琵琶湖第二疏水連絡トンネルの建設工事を急ぐ。
 【市バス】平成3年度以降、乗客減に歯止めが掛かったものの、不況が影を落としはじめている。このためバスロケーションシステムの充実やリフト付きバスの導入などサービスの強化に努めるとともに、人件費・経費の節減に努力。壬生地区の土地有効利用の具体的検討にも入る。
 予算規模は収入345億3000万円、支出は371億1000万円。経常収支は2億7000万円の赤字となるが、特別損益で3億5000万円が見込め、累積欠損金は約6億円を見込んだ。
 【地下鉄】1日平均20万人を超えた乗客へのサービスとして、ラッシュ時の混雑緩和に車両2編成(12両)を9月をメドに実施。建設工事では東西線の土木工事がピークを迎え、 381億4000万円を投入。烏丸線(北山−国際会館)の延伸工事も着手の予定で、建設費67億5000万円を計上した。
 乗客数はほぼ横ばいと見て、予算規模は収入793億3000万円、支出862億5000万円。経常収支は減価償却費や支払い利息などの資本費の負担増で、93億9000万円の赤字、累積欠損金は345億5000万円の見込み。
 【上水道】不況の影響で昨年末ごろから水道使用量がやや減少傾向にあるため、新年度は年間給水量を前年度比0.7%減と予測した。しかし消費税転嫁の平年化で給水収益は1.1%増と見込んでいる。この結果、収益的収入は324億1200万円、収益的支出は330億8000万円で、約6億円の赤字だが、前年度の利益剰余金でカバー、累積では31億7700万円の黒字とみている。
 蹴上浄水場のポンプ設備など第8期拡張事業に50億5000万円、琵琶湖第二疏水連絡トンネル工事など浄水場施設整備などに51億6500万円を計上。
 【下水道】平安建都1200年に下水道整備100パーセントを目指している。新年度分は300f(市街化区域161f、市街化調整区域139f)で、完成後の対全市人口普及率は98.6%の見通し。
 予算規模は収益的支出が566億6300万円、資本的支出が614億9200万円で計1181億5500万円。(京都新聞)
■南海が直通特急 新空港へ”弾丸”が走る なんばから29分
 南海電鉄は、関西国際空港の開港にあわせて空港直通特急などを走らせる。鉄道と航空機が一体となった輸送サービスを目指し、特急、急行、普通列車の合計で1時間当たり6本程度のアクセス列車を運行。新造する特急用車両は、先端の外観が弾丸型のざん新なスタイルになっている。
 空港列車は、1時間につき、なんば−空港間(42.8`)にノンストップ特急1本、特急1本、急行3本の計5往復、泉佐野−空港間にシャトル便(普通)1本を運行する。うち、ノンストップ特急は29分、特急は34分、急行は42分で、なんばと空港を結ぶ。
 JR西日本のアクセス快速が、天王寺−空港間45分、大阪−空港間1時間5分かかるため、南海は「大阪市内から最も早いアクセス」としている。
 南海では、これらアクセス列車の運行に向けて、特急用車両36両、一般用車両22両を新しく建造する。中でも特急用車両は、同社のイメージリーダーカーと位置付けており、近未来志向のデザインとか。
 客室窓は航空機を思わせるだ円形にし、外観のカラーはメクリック調のブルーを採用し、海上空港である関空の海と空を表現した。(京都新聞)
■関西新空港−難波29分 南海電鉄アクセス 特急、1時間に2本
 南海電鉄は17日、関西新空港への鉄道アクセスの概要を発表した。難波−空港間に、新車両の空港特急を1時間に2本走らせ、ノンストップの場合は29分で結ぶ。また、搭乗手続きと手荷物の預け入れが同時にできるシティー・エア・ターミナル(CAT)を難波駅に設置するため、4月から改装工事に取りかかる。
 1時間当たりの運行計画は、空港特急2本のうち1本が直通で29分、もう1本は現行の特急と同様の駅に停車するため34分かかる。このほか、同区間に急行3本を走らせ、現行の急行と同じ駅に停車するが、りんくうタウン内の前島駅(仮称)への停車は「検討中」という。
 さらに、泉佐野−空港間にシャトル便1本を運行する予定で、これらを合わせると、1時間当たり計6本の電車が空港に乗り入れる。
 空港特急の新車両は、航空機のイメージを取り入れたデザインで、色は海を連想させるメタリック調ブルー。従来の車両より約10a横幅を広げ、ゆとりを出すようにしたという。座席が3列のスーパーシート2両と、4列の普通4両の計6両編成で全席指定。
 運賃は未定だが、同社は現行の運賃に、空港連絡橋の使用料などを加算したい考え。また、急行と普通は同じ料金だが、特急は特急料金をとる予定。(朝日新聞)
■京都市新予算案 市税 戦後はつ減収 基金と市債で賄う 一般会計伸び5.0% 物件費10%カット
 京都市は17日、1993年度当初予算案を発表した。一般会計は6469億9500万円。これに老人保健など14特別会計と公共下水道事業など5つの公営企業会計を合わせ、総額1兆4718億3700万円。バブル経済崩壊の影響を受け、市税収入が戦後初めて前年度当初を下回ったが、一般会計の伸び率は5.0%と92年度当初並みを維持した。不足分は各種基金の大幅な取り崩しと市債で賄っており、施策的経費に重点を置いた積極型予算となっている。18日から始まる定例市議会に提案される。
 新規事業は92年度当初より23件少ない108件。高齢者福祉の充実、景観対策、地下鉄建設、平安建都1200年記念事業の推進などを重点施策に挙げている。厳しい財政事情を考慮し、物件費などの経常的経費は5年ぶりに10%カットのマイナスシーリング。前年度値上げした使用料、手数料は据え置いた。一般会計の内訳は次の通り。
《歳入》
 市税収入は2559億4200万円。92年度当初を33億7800万円下回った。歳入全体に占める割合は39.6%。企業収益の減少から法人分が106億1200万円減となる見込み。府税交付金も39億5300万円減る。
 財源の不足分を補うため、財政調整基金107億6000万円から半分近くの50億円を取り崩すのを始め、都市計画事業基金から40億円、平安建都1200年記念事業基金から12億7000万円を充当。特別会計などを含めれば、15基金から計216億6800万円をねん出しており、過去最高の取り崩し額となった。
 また、市債の発行額は724億9200万円で、92年度当初より145億8700万円、25.2%増加。市債依存度は1.8ポイントアップし、11.2%となった。
《歳出》
 目的別では、最も高い伸びを示しているのが産業経済費で、92年度当初に比べ158億7000万円、37.7%増。不況下の中小企業に対する預託金の拡充や各種融資額の拡大に努めているほか、和装産業振興財団事業の助成、勧業館の整備などに重点を置いている。また、市民防災センターの建設や南消防署整備のため、消防費も16.3%と2けたの伸び率となっている。
 山科駅前地区の再開発や御池地下駐車場の建設、梅小路公園の整備など大事業を抱える都市建設費も計画費が62億200万円、45.4%と高い伸びを示している。
 性質別では、投資的経費の中で普通建設の単独事業が92年度当初比11.5%と大幅に伸びている。
・市議会きょう開会
 京都市の2月定例市議会が、18日から始まる。市は1993年度当初予算案をはじめ、一般、特別会計合わせて99億4100万円にのぼる今年度補正予算案や条例改正案など94案件を提出する。
 このうち、一般会計補正予算案は61億9900万円で、生活保護扶宴に26億円、市立芸大大学会館建設に2億7000万円、京都醍醐センター出資金に2億5000万円を計上。一方、国の認証や事業の遅れなどに伴い、重要幹線街路整備や公営住宅建設などは減額補正となっている。
 また、条例関係では、市音楽芸術振興基金の設置に伴う条例案など30案件を提出する。
 25、26の両日、代表質問がある。会期は3月25日まで。(朝日新聞)
■重点事業選び積極姿勢 田辺市政1期目仕上げ 手厚い算木用振興策 エイズ検査・看護婦不足対策も
 田辺市政一期日の仕上げとなる1993年度の京都市予算案は、景気の冷え込みによる厳しい財政事情にもかかわらず、経済対策や、来年に迫った建都1200年記念事業の推進、まちづくりなどに重点を置いた積極型となっている。市民生活にかかわりの深い新規事業を中心に拾い出してみた。
◆まちづくり
 「京都市基本構想」を改定し、21世紀に向けた京都のグランドビジョンをつくるなどする(6500万円)。都市問題を調査、研究するシンクタンク「京都都市政策研究所」の設立に向けて調査を始める(500万円)。
 「まちづくり審議会」答申に沿った施策として、新たに屋外広告物条例の見直し調査(1700万円)に取りかかるほか、花見小路、高台寺周辺、八条通、岡崎周辺、四条堀川などでも電線類地中化に乗り出す(1億2000万円)。
 さらに、伝統的建造物群保存地区や歴史的界わい景観地区の建物修理などに対する補助金をアップする(計6800万円)。
 JR京都駅の改築高層化計画に連動し、駅周辺での土地区画整理事業計画策定に向けた測量などの調査に取り組む(1400万円)。
 活力の低下した商店街や老朽家屋の建て込んだ小規模な地域を対象に、地元の意向をくみ上げながら、再生計画を練る「地区再生ガイドプラン策定事業」も始める( 900万円)。
◆福祉
 高齢者の入浴や食事、緊急時の対応機能などを備えた市内初のケアハウス「久我の杜(もり)」(伏見区久我東町)の建設を助成(15億9000万円)。右京区太秦森ケ前町に「第二右京老人福祉センター」を建設する(4億7000万円)。
 デイサービスセンターは5ヵ所増えて計21ヵ所、在宅介護支援センターは2ヵ所増で計13ヵ所となる(計8億5000万円)。
 障害者福祉では、左京区田中飛鳥井町で精神薄弱者通所授産施設と小売市場を合築整備する(3100万円)。市内では初の試み。
 児童福祉では、父子、母子家庭の子どもを養護施設や乳児院で一時的に預かる「子どものショートステイ事業」の対象を一般家庭まで拡大する(2500万円)。
◆医療
 2歳末満児の医療費を無料化(4億円)。市内の全保健所でエイズの無料検査を実施する(3400万円)。看護婦不足の解消に向けて、府医師会看護専門学校の施設整備を助成する(3億円)。
◆産業振興
 中小企業に対する金融支援を強化するため、伝統産業設備改善、小売商業地域活性化共同事業などの融資制度の限度額をアップ(395億円)。商店街振興策として、空き店舗を活用した公共施設や共同事業施設の整備、アーケード改修などの事業費の一部を補助する(計2億5000万円)。
 左京区岡崎で勧業館の建て替え工事に着手(69億2000万円)。「工業都市」京都の原動力である製造業と関連のサービス業を支援するため、2年計画で産業振興ビジョンを策定する(1500万円)。
◆文化・スポーツ
 市内の15大学野球部を一同に集めた全京都大学野球トーナメント大会を8月に西京極野球場で開く(700万円)。来年3月には、健康都市京都国際市民マラソンを催す。参加予定者は約1万2000人(3億円)。
 「西京東部」(西京区上桂)と「伏見北堀公園」(伏見区大亀谷)の2つの地域体育館を新設する。(計44億2000万円)。
 市美術館開館60周年を記念して、8月下旬から約1ヵ月間、所蔵品展を開催する(4000万円)。開園90周年を迎える動物園でも記念イベントを催す(400万円)。
◆環境
 市内全域を対象に使用済み乾電池の分別回収に乗り出す(600万円)。また、資源リサイクル事業の一環として、せん定枝などをたい肥化するグリーンコンポスト生産施設を左京区静市に整備(2億3000万円)。企業を対象に電気、排ガス規制適合ディーゼル車の購入資金融資制度を設ける(2900万円)。
◆交通・消防
 バス、地下鉄共通のプリペイドカードを導入する(13億5000万円)。リフト付きバス、低公害バス、レトロ調バスなどを増車(17億円)。地下鉄烏丸線も混雑緩和のため、9月から車両を2編成12両増やし、1日4回増発する(11億9000万円)。鞍馬口、丸太町両駅にエレベーターを設ける(1億7000万円)。
 南区西九条の南消防署を建て替え、市民が各種の災害を模擬体験できる施設を備えた市民防災センターを併設(計23億9000万円)。救急救命士養成所も開設する(7000万円)。定員30人。5年間で150人を養成する予定で府内の他の消防本部の職員も受け入れる。(朝日新聞)
■きょうスト突入か JR貨物で国労
 JR貨物の昨年の年末手当がJR東日本など本州3社より下回った問題で、国労(約3万2000人)が18日正午から48時間ストに突入する公算が大きくなった。西日本では約300人が参加、全体の2割ほど運休しそうだが、生鮮食料品は優先的に輸送されるなど、一般への影響はないという。(朝日新聞)
■アジア版オリエント急行 今秋発車 マレー半島縦断 1900キロ41時間で
 【クアラルンプール17日共同】欧州の「オリエント急行」をモデルに、マレー半島を縦断してバンコクとシンガポールを結ぶ豪華な国際列車が6月27日から約12週間の宣伝を兼ねた特別運転に入り、9月19日から営業運転を始める。
 マレーシア、タイ、米国の四企業で設立した「イースタン・オリエント急行」が既存の路線を使って運行するもので、特別運転期間中は招待客のほか、一般客も割引運賃で乗れる。
 バンコクからクアラルンプール経由でシンガポールまで1900`余りを41時間半で走る。列車は22両編成で客室ごとにトイレ、シャワー付き。
 普通運賃は1560シンガポールj(約11万6000円)。シンガポール発の上り、バンコク発の下りがそれぞれ週1便で、シンガポール発の場合、日曜日の午後7時(現地時間)に発車、バンコクには火曜日の午前11時半(同)に着く。(京都新聞 夕刊)
■脱輪乗用車に貨物列車衝突 米原駅の踏切
 18日午前2時45分ごろ、滋賀県坂田郡近江町岩脇、JR東海道線の米原駅構内の踏切(遮断機、警報機付き)で、脱輪して動けなくなった長浜市西上坂町、無職Aさん(19)の乗用車に若松発沼津行きの貨物列車=2両編成=が衝突、車の右側面が壊れた。Aさんは、車から離れていて、けが人はなかった。
 米原署の調べでは、現場は町道と交差する線路に設けられた幅約1.8bの踏切で、車両通行禁止になっている。同署は、Aさんが道に迷って車両通行禁止の踏切に進入、誤って脱輪したのが原因とみて、道交法違反(進入違反)などの疑いで調べている。この事故で、後続の特急列車など上り、下り列車19本に影響が出て、最高約1時間30分の遅れが出た。約2時間後に復旧した。(京都新聞 夕刊)
■名ばかりのバス専用レーン
 17日朝、京都市南区の九条通で、道路端に止まっていたトラックに、バイクの女性が追突し、即死した。現場はバス専用レーンに指定されていた。事故があった通勤時間帯は、一般の4輪車はこのレーンの中を走ったり、止まったりできない。
 バス専用レーンのある四条通や堀川通を18日朝、改めて走ってみた。すると、どうだろう。左端の専用レーンにマイカーが当然のように入り込んでいる。バスは、前後の車に挟まれ、駐車の車をよけながらノロノロと走っている。専用レーンを示す標識や路面標示が、むなしく見えた。
 17年前、北大路通に京都で初めてバス専用レーンが誕生した。当時、急増する車が交通渋帯を起こし、社会問題化していた。その後、四条通や堀川通、九条通など市内の主要な12路線、総延長52`の道路で専用レーンが指定された。通勤ラッシュ時の朝7−9時と夕方5−7時の間は、バスやタクシー、2輪車だけが走れる。ほかの車は通行禁止、駐停車禁止となる。走れば指定通行帯違反で、6000円の反則金が科せられる。
 府警は、専用レーン内の駐車違反の一斉取り縮まりを月1回行っている、という。しかし、通行帯違反については「余計に渋滞を引き起こす恐れもあって、実際はあまりやっていない」(交通指導課)と内情を明かす。
 バスレーンの恩恵を受けるはずの京都市交通局も「バスの運行を防げているのは、駐車違反車。走っている車はあまりさしつかえない」と話す。
 それならば、現実にはまったく機能していないバス専用レーンを設定して、一般車の通行まで禁止にする必要はないのではないか。そんな疑問もわいてくる。
 しかし、規制を担当する府警交通規制課は「ルールが守られていないからといって、規制を解除するのは節違い」と、バス専用レーン設置の目的を改めて強調する。
 きょう18日夕、京都府警は音楽隊やチンチンバスを動員して、バス専用レーン内の違法駐車一掃を呼び掛ける街頭パレードを行う。
 渋満にイライラするバス乗客としては、専用レーンが生き返ってほしいと願う。が、問題は道路の狭さや駐車場の整備不足など、京都の街の抱える宿題を解消してこそ解決する。有名無実の交通規制が、単発的なパレードや取り締まりだけで、本当に市民に侵透するのだろうか。(京都新聞 夕刊)
■踏切で脱輪 そこへ列車 滋賀、けがはなし
 18日午前2時45分ごろ、滋賀県坂田郡近江街岩脇、JR東海道線の岩脇道踏切(遮断機、警報機付き)で、長浜市西上坂町、長浜市西上坂町、無職酒井由紀さん(19)運転の乗用車が脱輪して立ち往生しているところへ、若松発沼津行き貨物列車(2両編成)が衝突した。けが人はなかったが、博多発東京行き寝台特急「あさかぜ4号」が48分遅れるなど5本の列車に影響が出た。
 米原署の調べでは、踏切の幅は1.8bで車両通行禁止になっていた。(朝日新聞 夕刊)
19日■穀倉院発掘へ京都市に要望 中京まちづくり懇
 JR二条駅周辺の再開発に伴い、京都市が土地区画整理をしている中京区西ノ京星池町の星池臨時駐車場跡地と星池児童公園跡地について、「中京まちづくり懇談会」(蓮仏亨代表)は18日、田辺市長あてに「道路造成工事をただちに中止して埋蔵文化財の全面的な発掘調査を行うことを求める」との申入書を提出した。
 現場は平安期、穀物などを管理した役所「穀倉院」があったとされ、京都市埋蔵文化財研究所が今月8日から遺構の有無を確認する試掘調査を行っている。幅3−5b、長さ8−20bの調査坑を3ヵ所設定、これまでに掘っ立て柱の跡十数個や、幅1b、長さ10bの溝跡、平安時代のかわらなどが見つかった。
 また、現場のうち公園部分は従来の1400平方bから約300平方b広げる計画で、公園周囲に長さ約80bの擁壁を設ける工事を進めているが、工事に伴う立会調査でも柱の跡を確認している。
 市埋蔵文化財調査センターは「まだ試掘調査が継続中で、成果の報告を受けていない。調査の終了後に報告を検討、必要ならば本格的な発掘調査を行うよう指導する」としている。(京都新聞)
■JR貨物スト入り
 国労(永田稔光委員長)と全動労(三浦隆雄委員長)は、日本貨物鉄道(JR貨物)に対し、本州のJR各社と0.55ヵ月分の開きがあった昨年の年末手当ての格差是正や労働時間の短縮などを求め、貨物部門の乗務員(運転士)が18日正午から48時間ストライキに入っていた。(朝日新聞)
20日■線路わきでかくれんぼ そこへ電車、転倒けが 山科のJR
 19日午後3時40分ごろ、京都市山科区四ノ宮川原町のJR東海道線で、長浜発姫路行きの新快速電車が、軌道敷内に子供がいるのを発見し、急停止した。運転士が降りて調べたところ、近くの小学6年生(12)が倒れ、足などに軽傷を負っていた。
 山科署の調べでは、児童は下校途中で、同級生8人とかくれんぼをして遊んでいた。うち6人が高さ1.5bの金網を乗り越え、軌道敷内に入っていた、という。児童が電車と接触するか、風圧で倒れたのではないか、とみている。
 電車は現場に約20分停車、後続の1本が遅れ、乗客900人に影響が出た。(京都新聞)
■泰緬鉄道問題でも補償要求
 【クアラルンプール19日共同】第二次大戦中、タイとビルマ(現ミャンマー)を結ぶ泰緬(たいめん)鉄道建設のため、日本軍に徴用されたマレーシア人と遺族約3500人が、日本政府に求めている総額7000万マレーシアj(約32億円)の補償を実現するため、来月、国連に実情を訴える。(京都新聞)
■一般会計425億円 宇治市が新年度予算案発表 JR宇治駅改築 基本設計費を計上
 宇治市は19日、一般会計425億6000万円と特別会計・企業(水道)会計を合わせた総額699億1000万円の1993年度(平成5年度)当初予算案を発表した。
 一般会計で本年度当初比5%増、総額で同6%増とし、池本正夫市長が四選公約で掲げたJR宇治駅の改築構想・基本設計費や白川林道開設測量費などを計上したほか、総合野外活動センター建設、源氏物語散策道整備、生涯学習センター建設など単独事業を意欲的に予算化し地域づくり推進の積極予算になっている。26日開会予定の定例市議会に提案される。
 一般会計の歳入は景気低迷で市民税の法人税割が10.7%減の39億4000万円しか見込めず、減収分を固定資産税の伸びなどで補っても市税は252億2000万円、0.9%増と横ばい状態。
 このため、基金の取り崩しと市債の発行枠を拡大した。基金は公共施設整備基金から6億7000万円、地域福祉振興基金から1億5000万円などを活用。また市債はこれまでの一般債発行30億円の枠を35億円にし、発行総額34億9000万円、地方債の依存度を 8.2%とした。
 歳出は一般経常経費をマイナス5%シーリングにして抑え、政策的経費は温泉の泉源開発事業2億円、植物公園建設19億8000万円、京阪宇治駅前広場整備9億円などの大型事業やねんりんピック93補助金6000万円、源氏物語ミュージアム構想調査100万円など福祉・地域文化施策に重点的に計上。一方、公債費はここ数年低く抑えてきたが、高金利の市債を繰り上げ償還するため8.1%増となり、単年度の公債費比率は13.5%と本年度当初比0.5ポイントアップした。(京都新聞)
■無人駅返上 おしゃれに来春変身 県が補助金 案内や土産販売も JR北陸線
 寂しい無人駅をぬくもりのある駅にと、滋賀県が地元への協力に乗り出す。JR北陸線・河毛、余呉両駅をシャレた駅舎に新・改築し、売店などをつくって地元に委託する。「町の”顔”に生まれ変われば、観光資源も生かされる」と、県が新年度予算案に湖北、余呉両町への補助金を盛り込んだ。
 河毛駅(湖北町)は開設当初から駅舎のないホームだけ、余呉駅(余呉町)も駅舎は築後30年と老朽化しており、ともに無人駅。京都方面から1時間半以上かかることもあって乗降客は1日約300人と少なく、戦国大名・浅井家ゆかりの小谷城跡、羽衣伝説で知られる余呉湖などを近くに抱えているが、集客力に欠いていた。
 ところが、91年秋に琵琶湖線−北陸線が直通化し、琵琶湖線電車の乗り入れが実現したことから、地元で「この機を逃すな」と駅舎新・改築をテコにした地元活性化論が急速に高まった。湖北、余呉両町は、サイフの固いJR頼むに足らずと、県の支援を得て事業に取り組むことになった。
 プランによると、河毛駅の駅舎はかつての小谷城をほうふつさせる白壁造り。余呉駅はまだイメージが固まっていないが、両駅とも切符や土産販売、観光案内のため町が常駐者を置き「無人駅」を返上する。双方とも来春までに駅舎新・改築などを終えることにしており、県は河毛駅分5000万円、余呉駅分2000万円の各半額を両町に助成する。
 同様方式の無人駅新装は旧国鉄から第三セクターになった京都府網野町の北近畿タンゴ鉄道・木津温泉駅、熊本県高森町の南阿蘇鉄道・高森駅などがあり、いずれも観光客が2−3倍に増える効果を挙げている。湖国には湖北・湖西で他に7ヵ所の無人駅があるが、県生活交通課では「地元と相談しながら改築・脱無人化を図っていきたい」と話している。(京都新聞)
22日■信楽事故 JR側の過失指摘 高原鉄道 「運転士が協定違反」
 信楽高原鉄道事故の原因について、信楽高原鉄道(北川啓一社長)の「犠牲者遺族の会」(吉崎俊三世話人)に対する説明会が21日、大阪市内であった。高原鉄道は、列車すれ違い区間で停止せず青信号に従って進行し衝突したJR西日本の運転士について「自分だけの判断で進行したのは規則違反に当たる」と、初めてJR側にも過失があったとの見解を示した。遺族会は、これについて近くJRに公開質問状を出す。
 高原鉄道の説明では、鉄道両社間の乗り入れ協定で列車が遅れ、運行方法などを変更する「運転整理」を行う場合、列車の優先順位などは運行の責任者である運転指令が決定すると定めているが、運転士は信楽駅の運転指令に指示を仰がず協定違反に当たる、という。
 また事故当日、JRが下り列車を優先運行させる「優先テコ」を作動させた際も、JRからの連絡が全くなかったことが結果的に高原鉄道の運行を混乱させたとして「JRには道義的責任がある」と指摘した。(京都新聞)
■象の突撃で列車が故障 子象事故に怒り バングラ
 【ダッカ21日AP=共同】バングラデシュのベンガル語紙イテファクは21日、子象が鉄道事故に遭ったのに怒ったとみられる親象が列車を襲い、列車が長時間立ち往生する事故が起きたと報じた。
 同紙が機関士の話として伝えたところによると、首都ダッカの北東190`にある茶の産地バヌガチに、19日、乗客約200人を乗せた列車が差しかかった際、線路の前方約500bの所に象が立ちふさがった。機関士は警笛を鳴らし徐行運転したが、象はびくともしないため停止した。すると象は突然、列車に突撃して、15分間にわたり機関車の前部に頭突きを繰り返した。このため機関車は故障し運転不能となった。
 やがて象はジャングルへ消えたが、乗客らは代替機関車が到着するまで5時間以上も現揚に取り残された。
 鉄道当局者によると、この事故発生の約1時間前に、別の列車が象の赤ちゃんをはねる事故が起きていた。赤ちゃん象の負傷の程度は明らかでない。(京都新聞)
■市バスに追突 乗客の母子軽いけが
 21日午前10時15分ごろ、西京区上桂宮ノ後町の府道で、壬生発阪急桂駅東口行き京都市バスに同区嵐山上海道町、鉄筋工木村裕さん(20)運転の乗用車が追突した。バスの最後部座席に座っていた同区松尾鈴川町、主婦森川和美さん(39)と長女裕子ちゃん(8つ)が軽いむち打ちで病院に運ばれた。(朝日新聞)
■「JR側にも責任」信楽事故説明会 高原鉄道、初の指摘
 死者42人を出した91年5月の信楽高原鉄道列車事故で、同鉄道は21日、大阪市内で開いた「遣族の会」(吉崎俊三・代表世話人)に対する説明会の席上、JR西日本側に乗り入れ協定違反に当たる事実などがあったとし、JR側にも事故の責任があると指摘した。同鉄道側がJR側の責任に言及したのは初めて。責任の割合を巡る論議は、遣族らに対する補償金の分担にも波及しそう。
 説明会には、21犠牲者の遺族36人が出席。同鉄道の北川啓一社長や、事故当時の社長だった杉森一夫信楽町長らが「起訴された社員だけでなく、社全体の問題として受け止めている」と改めて謝罪。
 そのうえでJR側の責任に言及。@JRは遠隔操作で同鉄道内の信号を操作する優先てこを無断で設置していた。これは両社間問の乗り入れ協定違反に当たるA優先てこには設計ミスがあり、事故の発端となった信楽駅の信号異常を引き起こす要因となったBダイヤ上、待避線にいるはずの対向列車がいなかったのに、JR運転士が信楽駅長の指示を仰がなかったのは「鉄道運転規則」に違反する−などの点を挙げた。
 井沢勝・JR西日本常務の話 まだ告発を受けている段階なので、コメントする立場にない。今は信楽高原鉄道と一緒に補償問題を早く解決したい。
・鉄道事故調査機関 設置求め推進会議
 信楽高原鉄道事故の「遣族の会」は21日、大阪市内で開いた総会で、鉄道事故を専門的に調査する第三者機関の設置を国に求める全国鉄道安全推進会議(仮称)の設立を決めた。事故の被害者や遺族、弁護士、学者らを呼びかけ人とし、来月27日に設立準備会を開く。(朝日新聞)
■初乗り180円に値上げ 大阪地下鉄改定へ
 大阪市は22日、市営地下鉄などの鉄道と市バスについて20−10円アップの料金改定案を発表した。来月1日開会の定例市議会に提案、可決されれば運輸省の認可を経て7月から実施する。値上げは鉄道が4年ぶり、バスは8年ぶり。
 値上げ案によると、鉄道は初乗り1区(3`)を現行の160円から京都市、神戸市などと同額の180円に改定。以後4`増すごとに30円を加算、各区とも10円ずつアップする。(京都新聞 夕刊)
■大阪市も地下鉄・バス値上げ 7月から 初乗り・均一180 円に
 大阪市は22日、赤字続きの交通事業経営を立て直すため、市内の地下鉄・ニュートラム、バスの運賃を値上げする料金改定案を発表した。基本料金の改定は地下鉄・ニュートラムが4年ぶり、バスが8年ぶり。地下鉄・ニュートラムの初乗りとバスの市内均一運賃がそれぞれ160円から180円にアップする。今回の値上げで同市は1993年度に計83億円の増収を見込んでおり、3月1日開会の市議会で議決後、運輸省の認可を経て7月から実施する。
 地下鉄・ニュートラムは現行で1区160円、2区200円、以後4`増すごとに30円加算している。これを1区180円、2区210円、以後4`増すごとに30円加算に改める。
 通勤通学定期の平均改定率は地下鉄・ニュートラムが7.2%、バスが8.8%で、割引率は従来通り。回数券の改定率は地下鉄が8.6%、バスが12.4%。地下鉄・バス共通のノーマイカーデー・フリーチケット600円は据え置く。
 大阪市交通局の説明では、地下鉄は鶴見緑地線延伸や車両・駅舎の冷房化の資金がかさんでいるうえ、バスは乗客の伸びが期待できず人件費などが経営を圧迫している。91年度決算の赤字は地下鉄・ニュートラムが220億円、バス4億円。今年度はさらに赤字の増加が予想され、累積では計1460億円に膨れ上がる見込みだ。
 値上げされると、地下鉄初乗りは東京都より40円高く、昨年4月から値上げした横浜、名古屋、京都、神戸市と同じになる。バスは横浜、名古屋、京都、神戸市より20円安く、東京都と同じになる。
 また、大阪市はこの日、値上げに伴い、駅業務のオンライン化、バス運転手OBの活用、車両整備の外注などで93年度以降96年度まで毎年100人を超える職員を省力化する方針を打ち出した。(朝日新聞 夕刊)
23日■4月2日に第2波 私鉄中小スト
 私鉄総連(鈴木完守委員長、18万6000人)は22日、東京都港区の本部で中央闘争委員会を開き、大手組合の3月25日始発からの24時間スト設定と3月28日の中小組合の24時間スト設定を確認、4月2日に中小組合の第2波ストを構えることを決めた。
 私鉄総連によると、中小約200組合のうち第2波のストに入りそうなのは10組合程度という。大手を含め加盟組合は2月26日からスト権投票を始める。
 また交渉は例年通り集団交渉方式で進め、2月25日午後2時から日本民営鉄道協会との第1回集団交渉に臨み、3月19日までに7回の交渉を予定している。(京都新聞)
■JR馬堀駅南側の旧線路跡 公共用地などに活用 来秋にも事業着手へ 亀岡市
 亀岡市篠町のJR馬掘駅南側の旧線路跡が、国鉄清算事業団から、亀岡市に譲渡されることが22日、決まった。現在、同市が進めている同駅前の区画整理を含めた整備計画に、弾みがつくと期待される。
 売却される土地は、1.2f。市側の受け皿は市土地開発公社。22日の同事業団資産処分審議会で決定された。今後、価額が決められる。
 同市は、馬堀駅周辺の約6fを対象に、土地区画整理を計画。昨年春に土地所有など地権者と駅利用者を対象にアンケート調査をし、駅前に必要な公共施設や区画整理の理解度などのデータを得ている。
 同事業団から土地を取得できたため、同市は地権者として、区画整理に参画できることになり、駅前公共施設用地に活用されるのをはじめ▽市東部地域で今後取り組まれる公共事業の代替地▽区画整理事業の種地−などに使われる見通しとなった。
 同市は今夏、基本計画をつくり、来秋の事業者手へ向け、都市計画決定、事業認可などの手続きを進める。平成11年の事業完了を見込んでいる。(京都新聞)
■馬堀駅線路跡地譲渡へ 国鉄清算事業団 亀岡市公社に1.2f
 国鉄清算事業団の第26回資産処分審議会が22日開かれ、近畿では亀岡市のJR馬堀駅線路跡地2.2fを亀岡市土地開発公社に随意契約で譲渡することが、原案通り承認された。
 譲渡するのは、嵯峨野線嵯峨−馬堀間の複線化(1989年)にともない、馬堀駅周辺の線路を付け替えた際の旧線路跡。同駅南側の、幅10−30b、長さ約650bの帯状の土地で、線路に沿って弦のように延びている。
 公共用地などに利用する場合に限り、利用計画が未定でも売買契約ができる包括先行売却方式で譲渡する。この方式は、同事業団が売却条件緩和のため昨年9月から運用している新制度。京滋での適用は京都市・JR二条駅貨物跡地がある。(京都新聞)
■旧国鉄グラウンド 大阪の商社が落札 JR草津駅西口
 草津市のJR草津駅西口にある国鉄清算事業団所有の「旧国鉄グラウンド」(約2f)の一般競争入札が22日行われ、大阪市内に本社のある総合商社が落札した。土地高騰をあおるとして凍結されていた大規模な旧国鉄用地の一般競争入札は、昨年11月、解除されていたが、落札したのは、近畿では今回が初めて。
 入札された土地は、同市西大路町の「旧国鉄グラウンド」と近くの「旧国鉄宿舎」(5200平方b)の2ヵ所。入札は土地高騰を誘発しないよう上限価格を設定して実施。旧国鉄グラウンドは2社が参加し、入札が成立したが、旧国鉄宿舎は参加1社で不調に終わった。入札後、10日以内に契約される。
 旧国鉄グラウンドは89年、大津湖南都市計画に基づく地区計画決定を受けた地域内にあるため今後、草津市は地区計画で指定されている「新業務地、都市住宅」の方向で土地利用を指導していく、という。
 草津駅東口では近鉄百貨店の進出計画があるほか、1.8fの旧レールセンター跡地も残っている。(京都新聞)
■JR東海 94年度値上げ回避の見通し
 JR東海の須田寛社長は22日記者会見し、93年度は運賃値上げを見送ることを正式に表明するとともに、94年度以降もできるだけ先送りしたい考えを明らかにした。また同席した葛西敬之副社長は「(大事故など)突発的なでき事があれば別だが、現時点では94年度も値上げしないでやっていける」との見通しを示した。(朝日新聞)
■馬堀駅線路跡地資産処分決まる
 旧国鉄跡地の処分についての第26会資産処分審議会(亀井正夫会長)が22日開かれ、関西地区では、大阪市浪速区のJR湊町駅周辺の約3万平方bと、京都府亀岡市の馬堀駅近くの線路跡地約1万2000平方bの処分が決まった。
 湊町駅跡地は、所有者である国鉄精算事業団が周辺の土地を所有している大阪市やJR西日本などとともに、組合施工による土地区画整理事業に参加し、開発を進めることが了承された。
 馬堀駅跡地は、亀岡市土地開発公社に「公共用」として、随意契約で売却される。近くにあるトロッコ列車の駅を訪れる行楽客の駐車場などが計画されている。(朝日新聞)
■JR九州の会長に山下氏
 越智運輸相は23日の閣議で、中川正輔JR九州会長の死去に伴う後任会長に、山下敏明福岡商工会議所会頭(福岡銀行相談役)を起用する人事を報告した。3月15日の株主総会後の取締役会で正式決定する。
 山下敏明氏(やましたとしあき)東大法学部卒。昭和15年日本銀行に入行、経理局長などを経て同44年福岡銀行に移り頭取、会長を歴任。平成3年6月から相談役。77歳。東京都出身。(京都新聞 夕刊)
■JR九州新会長 閣議で了解
 越智運輸相は23日の閣議に、九州旅客鉄道(JR九州)の会長に山下敏明福岡商工会議所会頭(福岡銀行相談役)を充てる人事を報告、了解された。3月15日の臨時株主総会と取締役会で正式に決める。(朝日新聞 夕刊)
24日■丹後が近づく JR山陰線・KTR宮福線(園部−福知山−天橋立) 電化、7年度末完成へ 京都−天橋立 1時間半
 荒巻禎一京都府知事は、23日の府議会本会議で、JR山陰線とKTR(北近畿タンゴ鉄道)宮福線(園部−福知山−天橋立間(89.1`)の電化・高速化工事について「平成7年度末の完成を目指す」と述べ、3年後には園部以北の電化が実現する見通しを初めて明らかにした。
・荒巻知事表明 5、6月にも着工
 小林弘明議員(自民)の代表質問に答えた。
 この中で、荒巻知事は電化工事に当たって、「国の高道整備基金の事業計画の認可が得られ次第、それぞれJR西日本、KTRの鉄道事業者で諸手続きを急ぎ、一日も早い着工を要望している」と述べた。電化工事は今年5、6月にも着工されるものと見られる。
 山陰線(園部以北)と宮福線の電化・高速化は、府域の南北縦貫交通軸の再構築を目指し、両線を幹線鉄道として、京阪神地域をはじめ、府中・北部地域をスピードアップのため実施する。電化工事に向け、国の鉄道整備基金の導入が、昨年末の1993年度政府予算で、新規採択の見通しとなったことで、府では新年度予算案に府独自の鉄道整備促進基金から10億円を計上、着工に備えている。
 非電化区間の山陰線(園部−福知山間54.3`)、宮福線へ福知山−天橋立間34.8`)の電化と軌道・曲線改良など高速化工事が完了すれば、京都−天橋立間の所要時間は、特急・急行で当面1時間40分、将来1時間半(現行2時間3分−1時間54分)に短縮される。(京都新聞)
■大阪市地下鉄 全駅にエスカレーター/福祉手厚く 目指すはホームからすぐ地上 5年計画”発車”へ
 大阪市交通局は93年度から、利用しやすい地下鉄を目指して第一次「ええまち計画」をスタートさせる。5年間で310億円をかけ、エスカレーターを66基新設して未設置駅を解消、エレベーターは45基を新たに設ける。
 初年度はエスカレーターを17駅に25基、エレベーターは11駅に13基の設置工事に着手。これまでに着工済みのものを含め、同年度内にエスカレーターは玉手駅、岸里駅など7駅に10基、エレベーターは住之江公園駅や四ツ橋駅など3駅に4基が完成する。
 また、梅田、なんば駅など6駅に構内のエスカレーターとエレベーター、身体障害者用トイレの位置を系統だてて示す連続表示を設置。視覚障害者が、梅田、なんば、天王寺駅など28駅の構内状況を把握できるよう点字の構内図を各駅に1500部ずつ、車いす利用者向けには43駅の構内図を各駅2万部ずつ配布する。
 初年度の事業費は47億1800万円。
 第一次ええまち計画では民間ビルの協力を含め、ホームと地上をエスカレーターかエレベーターで結ぶ1ルートの確保なども目指している。(京都新聞)
■信楽鉄道事故「遺族の会」「方向優先テコに設計ミス」JR幹部追加告訴へ
 信楽高原鉄道列車事故で死亡した42人のうち、乗客犠牲者22人の遺族でつくる「犠牲者遺族の会」(吉崎俊三代表世話人)は23日までに、JR西日本が運輸省に無認可設置した「方向優先テコ」に設計ミスがあり、事故の引き金となった信楽駅の出発信号の赤固定につながったとして、同社幹部を業務上過失致死傷などで追加して告訴告発することを決めた。また、同社が同テコの操作マニュアルを改ざんして滋賀県警捜査本部に提出したことについても新たに証拠隠滅で告発する方針で、26日にも大津地裁に告訴告発状を提出する。
 告訴告発されるのは、JR西日本の当時の電気部信号通信課長、亀山指令所所長、運行管理部長ら5人になる見込み。
 告訴告発状などによると、方向優先テコは本来、一度の操作で運転方向、信号とも決めるシステムだが、設計ミスがあったため、先行下り列車が費生川−小野谷信号所間にいる間に、まず方向テコを引いて運転方向を設定してから、優先テコを倒して信号を所定の色にする変則的な二段階操作となった。
 この結果、JR草津線から乗り入れるJR列車の遅れが特定できなくても、あらかじめ操作を始めなければならない欠陥が生じ、高原鉄道が上下列車のすれ違い区間である小野谷信号所で無認可で行った信号設備変更も重なり、信楽駅出発信号が赤固定されることにつながったとしている。
 また、優先テコのマニュアル改ざんは、方向優先テコの設計ミスを操作担当者に説明し注意を喚起する内容であったのに、捜査本部に提出する際、設計ミスを隠すため「当初の設備要求と異なった設備となっており、使用が困難になっている」などの部分を削除して提出し証拠隠滅を図ったとしている。
 方向優先テコの無認可設置を巡っては、高原鉄道の無認可設備変更とともに関係者が鉄道事業法違反容疑で書類送検されている。
 JR西日本では、「設計ミスとは考えていない。テコの取り扱いの記述は変更していない」と反論しているが、こうした二段階操作は同社管内でこのシステムだけという。(京都新聞)
■朝の“痛勤”少しは緩和 御堂筋線、列車増へ
 西日本一乗客が多い大阪市営地下鉄・御堂筋線の混雑を緩和するため、大阪市は、9両編成の電車を来年3月末から2列車増やして朝のラッシュ時の輸送力を強化させることを決めた。計18両の購入費は29億5400万円。市はこれで200%を越える最高混雑率を100%台に下げる考えだ。
 現在、ラッシュ対策として2分間隔で運転しているのは上りが難波発で午前8時16分−44分、下りが梅田発で8時30分−54分の間だが、増発によってこれを5、6分広げられる。
 同市交通局は将来的には現行の9両編成を10両にする検討を進めている。(朝日新聞)
■貨物脱線 朝の足大混乱 茨木の東海道線 荷のトラック横転 JR京都駅 乗客に私鉄切符
 24日午前2時32分ごろ、茨木市宇野辺のJR東海道線茨木−千里丘間で、下関発東京ターミナル行き貨物列車(24両編成)が、貨物線から本線に出ようとした際、赤信号での暴走を防ぐために設けられている安全側線につっ込んで機関車と前3両が脱線した。1両目の貨車が約45度傾き、積み荷のトラックが横転、複々線となっている上り線2本をふさいだ。同線は茨木−吹田間が上下線とも全面ストップ、北陸線の特急16本と新快速も運休になった。通勤電車を折り返し運転して、朝の通勤客を私鉄などに振り替えた。けが人はなかった。
・進入切り替え確認せず
 下り線は同7時10分ごろから、上り線の内側線もトラックを取り除いた30分後の同8時36分、約6時間ぶりに運転を再開。JR西日本は対策本部を設置、原因などを調べている。
 JR西日本によると、茨木駅構内では昨年11月末から夜間時に信号連動機の取り換え工事をしており、事故当時は構内の上下線すべての信号機を止め、手信号で運転していた。
 貨物列車は吹田信号場駅を出て貨物線から上り本線の外側線に入ろうとしたが、ポイントが何らかの理由で切り替わっていなかったか、駅係員か確認しないまま直進して安全側線に突っ込んだとみられる。
 同線は同9時半現在、快速、普通電車とも60%の運転率で、ダイヤは大幅に乱れている。北陸線の特急は大阪−京都間が区間運休となった雷鳥の上下10本を含め16本が運休となったほか、九州から東京方面に向かう寝台特急8本の運転を打ち切り、乗客約2100人を広島、岡山、新大阪駅などで新幹線に振り替えた。
 JR京都駅でも、京滋から大阪方面に向かう通勤客に阪急や京阪電車への振り替え切符を渡して対応した。ダイヤの遅れや間引き運転が続き、ホームには電車を待つ乗客が長い列をつくるなど混乱した。(京都新聞 夕刊)
■ゾッ あわや大惨事 東海道線 本線レールくの字 衝撃の跡残る現場 「もし昼間なら」
 盛り土に突っ込んだ上に暴走した機関車。貨車が斜めに傾き、レールも曲がる。線路にはみ出した積み荷のトラック。24日未明にJR東海道線茨木駅近くで起きた貨物列車脱線事故は、けが人はなかったが、脱線した待避線の隣には本線が走っており、昼間の時間帯なら大惨事につながる恐ろしさを改めて見せつけた。事故の影響で朝の足を奪われた通勤客は、いらだちを募らせていた。
 茨木駅から南西に約2`離れた現揚は、先頭の機関車が待避線の行き止まりになっている砂利混じりの盛り土に食い込むように15b暴走。前3両の貨車も脱線、1両目は約45度傾き、直径約1`のワイヤ4本で固定されていた4dトラックはワイヤを断ち切って線路に飛び出して横転。隣の本線のレールが20bにわたり曲がり、脱線のショツクの大きさを見せつける。
 約370人の作業員と、大型レッカー車が線路内でトラックを撤去しようとしたが、架線があるためレッカー車を動かす作業が思うように進まない。午前8時半すぎ、ようやく上り線の一本が開通した。
・京滋の朝通勤直撃
 JR東海道線は始発から新快速が全面運休、残る電車も大幅に運転本数が減ったり、遅れが出て、京磁の通勤客の足にも大きな影響を与えた。
 京都駅では、大阪に向かう乗客のため地下鉄との乗り換えコンコースに机を出し、駅員が阪急、京阪電車への振り替え切符を配った。大勢の乗客で午前8時前には用意した切符が、一時品切れになり、駅員が「ちょっと待ってください」と謝る揚面も。
 大阪市内に向かう大津市の専門学校教員(42)は「最近のJRは事故が多い。午前2時半の事故なのに、振り替え切符も足りないなんて、これでは対応が悪すぎる」とうんざりした表情だった。
 新幹線の当日切符売り場では、在来線をあきらめた会社員や出張社員らの長い列ができたほか、各ホームも電車を待つ乗客で混雑。亀岡市から高槻市の証券会社に向かうOL(24)は「昨年末のストにも疲れたけど、またこんな目に遭うなんて。これでは間に合いそうにない」と不安そうな表情で次の電車を待っていた。
 一方、東海道線、湖西線は、朝のラッシュ時に新快速が全面運転取り止め、快速も下りは京都で運転打ち切りに。さらに東海道線は快速も運転率が4、50%に間引きされ、軒並み大幅遅れとあって、滋賀県などから京都、大阪に向かう通勤・通学客らはイライラを募らせた。
 しかも、京都駅構内に電車がつかえているせいで、各電車とも東山トンネル内などで信号待ち停車するケースが続出。山科−京都間が3、40分かかるほどで、超満員の車内では気分が悪くなって倒れる女性客も。乗客は「こんな状態なら山科駅でしっかり案内をしてくれれば、京阪に乗り換えたのに」など、JRの対応の悪さに憤っていた。(京都新聞 夕刊)
■新幹線雪で徐行 東海道・山陽
 東海道新幹線は24日、米原付近の降雪のため始発列車から名古屋−新大阪間で時速170`の徐行運転を実施、午前9時50分からは、このうち岐阜羽島−米原間の一部で時速120`に減速している。
 JR東海によると、新大阪発東京行きのぞみ302号が名古屋を20分遅れて発車したのを最高に、上下57本の列車に10分前後の遅れが出ており約5万4000人の足に影響が出た。
 一方、山陽新幹線は、山口県下の積雪のため24日午前7時15分から徳山−新下関間を時速170`で徐行運転、同8時7分からは徳山−小倉間に徐行区間を拡大した。(京都新聞 夕刊)
■東海道線 貨物列車が脱線、混乱 ポイント転換ミス 茨木駅構内6時間後復旧 14万人に影響
 24日午前2時30分ごろ、大阪府茨木市宇野辺二丁目のJR東海道線茨木駅構内で、下関発東京ターミナル行き貨物列車(24両編成)が、貨物線から上り本線に入ろうとした際、ポイントが切り替わっていなかったため、そのまま直進。前方の安全側線(約30b)を通過し、車止め用に積まれた砂利に突っ込んで止まった。この結果、先頭の電気機関車と前3両の貨車が脱線し、傾いた1両目の貨車に積んでいたトラック1台が滑り落ち、上り線路をふさいだ。
 この影響で、高槻−吹田間で上下線とも不通になり、特急、急行計29本が運休、新快速32本、快速30本、普通42本が全面運休するなど、通勤通学客を中心に約14万人に影響がでた。
 同8時半過ぎにトラックは取り除かれ、下り線と上り1線が復旧した。JR西日本とJR貨物は現地に対策本部を設置し、復旧作業を進めている。同本部は、駅員のポイントの切り替えミスが原因と発表した。
 JR西日本によると、同駅では、駅構内の信号やポイントを制御している連動機の取り換え工事をするため、24日午前1時から4時半まで、駅構内の信号機をすべて赤にし、手信号で、夜行列車などを運行していた。
 貨物列車は、貨物線から本線に入るポイント手前で信号が赤になっていたため、いったん停車。手信号代用器が青に変わったため、再び進んだところ、脱線したという。
 JRによると、この日は、茨木駅の係員2人が、手信号を出す作業をしていたが、この2人が、ポイントが本線に切り替わっていないのを確認しないまま、誤って進行を指示したのが原因とみている。(朝日新聞 夕刊)
■「また事故」ミスに怒り 列車脱線 私鉄すし詰め 客悲鳴 「新幹線切符欲しい」
 脱線や衝突の続くJRで、人為的な単純ミスがまた事故を引き起こした。24日未明、JR茨木駅構内で起きた貨物列車脱線事故は、ポイントの切り替えをしていなかったのが原因だった。復旧作業は朝のラッシュ時にずれ込み、通勤、通学客の足を直撃した。振り替えの私鉄駅は大混雑し、「たるみ」ともいえるお粗末な事故に、利相者の怒りの声が相次いだ。
 JR京都駅では、大阪方向は普通電車の高槻駅までの折り返し運転のみ。本数も30分に1本程度のため、ホームは通勤、通学客らでごった返した。普通電車の乗車率は通常の通勤ラッシュの2倍以上になり、私服のJR社員もホームに出て整理に走り回っていた。
 JR京都線と並行して走る阪急京都線では、京都−三宮間で通勤客を振り替え輸送へ。烏丸駅では午前8時ごろから急行列車を中心に乗客が2−3割増え、振り替え乗車票の代わりにJR京都駅で発行した遅延証明を持ち込む客もいて駅員が対応に追われた。
 京阪電車は始発から三条−京橋駅間で、近鉄電車も午前8時から京都−丹波橋間で振り替え輸送した。
 新幹線の切符を求めるサラリーマンがJR京都駅などでは、「みどりの窓口」や自動販売機に列を作った。京都市右京区花園坤南町、会社員宮本昌弘さん(26)は「私鉄ではなく、新幹線のフリーパスをくれたらいいのに」。
 阪急高槻市駅は、JRからの乗り換え客が詰めかけて大混祈。午前7時すぎから改札規制をしたため、午前8時半のピーク時には、約4000人(高槻署調べ)が駅周辺の歩道や車道を埋めた。周辺の公衆電話は会社に連絡を取ろうとする人の長い列ができた。JR高槻駅では、構内放送で乗り換えを呼びかけたが、「きちんとした情報を流せ」と駅員に食ってかかる人もいた。
 一方、大阪・キタのターミナルも混乱した。JR大阪駅では、東海道線の普通電車が10−15分間隔で到着。ふだんの半分以下の運転本数のため、京都方面行きのホームで一時、乗客があふれた。午前8時50分すぎの京都行き普通電車には乗客が殺到。駅員が後押しして詰め込み、発車した。
 阪急梅田駅は、午前6時から駅員の非常呼び出しを行い、通常の2倍の80人で乗客をさばいた。京都線を中心に、乗客はいつもの2割増の大混雑だった。
・JR 人為的ミス続く
 今回の事故は「人為的なポイント切り替えミス」が原因だった。
 JR西日本では、駅構内や電車区での脱線事故が続発している。最近では、先月30日夕、神戸市中央区の東海道線神戸駅構内で快速電車が脱線したほか、昨年8月には京都府船井郡和知町の山陰線安栖里駅構内で普通電車が安全側線と呼ばれる待避線に入り脱線するなどの事故があった。
 「社員によるミスと考えております」。JR西日本の幹部らは午前10時半から会見し、相次ぐ事故に深々と頭を下げた。
 茨木駅構内では昨年11月から、信号機やポイントを制御する連動機の交換工事をしていた。事故当時、構内の信号はすべて「赤」になっており、職員2人が手でハンドルを回してポイントを切り替えていたという。
 JR西日本は「ハンドルを回し間違えたのか、(本線に)開通していると見誤ったのかはわからない。結果として、確認不足だった」と、単純ミスだったことを認めた。
 JR東海道線や関西線では今年1月、列車が駅の停車位置を通り過ぎてしまうオーバーラン事故が3日連続で起こった。JR西日本は「乗務員らに基本動作の徹底を図るよう指導した」としていた。(朝日新聞 夕刊)
25日■JR舞鶴線電化を示唆 府会で知事答弁 95年度以降着手へ 国などに働きかけ
 荒巻禎一京都府知事は、24日の府議会本会議で、非電化区間であるJR舞鶴線(綾部−東舞鶴間26.4`)の電化・高速化問題について「国、JR西日本などに実現を要請し、具体化に努力する」を述べ、JR山陰線・KTR宮福線の電化が完了する1995年度後にも着手する意向を示唆した。
 大橋健議員(社会・社民ク)の代表質問に答えた。
 舞鶴線の電化実現は、山陰線・宮福線の電化工事への動きに伴い、地元・舞鶴市が強く要望していた。
 現在、同線の運行本数(1日)は、普通で上下39本、特急、急行で各上下7本。綾部−東舞鶴間の所要時間は、普通で30−50分、特急で26分となっている。しかし、輸送密度(90年度現在)は5385人で、山陰線・園部−福知山間の8670人比べ、低い状態にある。
 JR東舞鶴駅付近では、昨年6月から総事業費80億円で高架事業に着手していることも踏まえ、荒巻知事は「地元のみなさんの鉄道利用の促進とも併せ、具体化に努力する」と述べ、地元に対し利用客増への期待を示した。
 また、今年5、6月にも電化・高速化工事に着手する山陰線・宮福線の園部−福知山−天橋立間(98.1`)について、荒巻知事は「事業費は約160億円かかる。必要な地元負担は、今後、団、鉄道事業者関係市町村と調整する」としながら、府負担分については「府鉄道整備促進基金の50億円を充てれば、十分対応できる」との見解を明らかにした。(京都新聞)
■駅員が誘導ミス ポイント転換で勘違い 東海道線脱線事故 尾を引くラッシュ混雑、17万人影響 電車待つ長い列 JR京都駅
 JR貨物列車事故で、JR東海道線は、24日午後も新快速が全面運休するなどしたため、京滋でも帰宅のラッシュアワー時、通勤客の足が乱れるなどの影響が出た。
 JR京都駅では夕方から、帰宅のサラリーマンやOLで混雑し始め、ホームでは間引きされた電車を待つ乗客の長い列ができた。新快速は午後7時45分前ら運転を再開したが、運休時、上り列車が入る2番線を中心に、JR西日本の本社社員や同駅員ら38人がホームに立ち、混雑に対応して乗客を誘導するなどした。
 大津市に帰宅する会社員(57)は「新快速の運休はニュースで知った。この程度の混雑はJRの利用者としては覚悟しているが、やはりうんざり」と、疲れた表情で語っていた。
 大阪府茨木市のJR東海道線茨木駅構内で貨物列車の機関車など4両が脱線した事故は、JR西日本と茨木署の調べで、輸送指導係員(41)が勘違いして列車に発車の合図をしたのが原因と分かった。
 調べでは、事故当時茨木駅構内では信号連動機の取り換え工事をしていた。工事中は構内の信号はすべて赤にし、係員が手動で各ポイントを切り替えた後、茨木駅の信号扱所に電話し、信号機に付属する補助信号を青にして発車させる手順になっていたという。
 輸送指導係員は貨物列車が吹田信号揚を出て貨物線から上り本線の外側線に入る際、ポイントが安全側線に向いていたのに本線に向いていると勘違いし、信号所に上り本線方向への出発OKの合図を出したらしい。同署は業務上過失往来危険の疑いでこの係員から事情を聴いている。
 同線は始発から新快速が全面運休したのをはじめ、ブルートレインの一部など上下線で計230本が運休、朝夕の通勤客ら約17万9000人の足が乱れた。同線は午後7時半すぎ全面復旧したが、夕方のラッシュ時は朝と同様大混雑した。また貨物線の開通は25日朝になりそう。
 同社は先月30日にも東海道線神戸駅で快速電車が脱線事故を起こしたばかりだった。
■運転手に執猶判決 JR福知山線踏切事故 「上司の指示」考慮 京都地裁
 一昨年6月、福知山市のJR福知山線踏切で普通電車と大型トラックが衝突、乗客300人以上が重軽傷を負った事故で、業務上過失傷害罪や過失往来防害罪などに問われた福知山市旭が丘、重機オペレーター田中正美被告(51)の判決が24日、京都地裁であり、今崎幸彦裁判官は「一つ間違えば大惨事につながった事故だが、事故後、JRが踏切の安全設備を改善しており、もしこのような施設があれば事故を未然に防げた可能性もあった」などとして田中被告に禁固2年6月、執行猶予4年(求刑同2年6月)を言い渡した。
 判決によると、田中被告は91年6月25日午前8時10分ごろ、建設用パワーショベルを積んで道交法の高さ制限(高さ3.8b)を超えた大型トラックを運転。福知山市城の岡踏切で、パワーショベルのアーム部を踏切注意標に接触して立ち往生となり、大阪発城崎行き普通電車(3両編成)と衝突、乗客ら341人に42日間から3日間のけがを負わせた。
 今崎裁判官は量刑理由について「大規模な事故で社会に与えた影響も大きいが、トラックの運行は会社上司の指示だったうえ、ほぼ示談が成立している」などと述べた。(京都新聞)
■脱線相次ぐJR高速貨物 台車の半数交換へ
 JR貨物は24日、今後2年間で、「コキ50000」型の高速車両約3000両の台車を一斉に新品と交換すると発表した。高速貨物輸送を担当する全車両のほぼ半数にあたる。同型車両の台車に亀裂が入り脱線する事故が昨年から続き、23日には秋田・羽越線で同じ原因とみられる脱線事故が起きたため。同社は、「事故対策が未熟だった。抜本的に対策を立て直した」と説明している。
 脱線事故が相次ぐ「コキ50000」型車両は、73年ごろ大量生産された貨物専用車両で、最高時速95`で運転されている。別型を含めたJR貨物の高速貨物車両約6000両のうち、3350両がこの型で占められている。
 今月23日には、秋田県金浦町の羽越線金浦駅近くで、大阪貨物ターミナル発札幌貨物ターミナル行き貨物列車(20両編成)の後ろから4両目が脱線した。原因は台車の溶接部に付いた小さな傷が金属疲労で亀裂に広がり枠が折れたため、とみられている。
 JR貨物によると、昨年3月の事故のあと磁石の粉で傷を探す方法で、同型の全車両の台車を一斉に点検。傷が見つかった200両はすでに取り換えた。しかし、その際に、専門家の指導を受けずに不十分な方法で点検した車両が350両もあり、このうちの1両が23日に羽越線で脱線した車両だった。
 同社は当面、350両を営業車両からはずして点検し直すと同時に緊急対策として100億円をかけて来年度から2年間で台車そのものを交換することにした。(朝日新聞)
■オーバーラン続発 阪和線
 24日午後8時40分ごろ、大阪府貝塚市のJR阪和線で、蒲郡発新家行きの団体列車(6両編成)が、停車する予定の和泉橋本駅を約300b行き過ぎて止まった。JR西日本の運転指令と打ち合わせ、次の熊取駅まで進み臨時停車。和泉橋本駅で降りる予定だった12人は、普通列車で引き返した。
 また、午後9時半ごろ、大阪府泉佐野市のJR阪和線東佐野駅で、天王寺発日根野行き普通列車が、停止位置を約150b行き過ぎて止まった。列車は後進して、乗客を降ろし、6分遅れで発車した。この影響で、後続の普通列車にも遅れが出た。(朝日新聞)
■JR値上げへ手さぐり 各社とも黒字の中 特急料金など「先行」
 1987年4月の分割民営化以来実質的に据え置かれてきたJRの運賃に値上げに向けての動きが出てきた。景気低迷による収入の落ち込みや、多角化を進めている私鉄と違って鉄道事業だけに頼る経営基盤の弱さなどを背景に、多くのJR社長が「94年度以降の値上げ検討の可能性」を口にし始めたからだ。とはいってもどの社もまだ黒字。運輸省などから安易な値上げ論を警戒する声が出ている。JR東海のように値上げに慎重姿勢をみせるところもある。しかし、すでに運賃以外の特急料金や企画商品では、「増収策」という名目の「先行値上げ」が着々と進んでいる。
 社会部 山土浩二郎 経済部 田中郁也
 ●募る危機感
 今月17日、JR東日本の幹部が運輸省鉄道局を訪ねた。運賃値上げを想定して、テーマや日程を調整するためだった。
 JR旅客6社のうち1社でも値上げをした場合、グループ間の運賃算出・精算システムをどうするか。利益がどこまで落ちたら値上げに踏み切るのか−。国鉄の運賃制度を引き継いだもののJR発足後は消費税導入に伴うものを除いて、値上げは一度もない。こうした問題が協議されないままだった。
 運輸省側は「問題点を洗い直すだけ」というが、両者の勉強会を3月から始め、結論を9月中にもまとめることを決めた。
 JR運賃値上げがにわかに具体化し始めたのは、住田正二・JR東日本社長の発言がきっかけ。1月の純収入が初めて前年比でマイナスになる見通しを公表した15日の定例記者会見で、「収入が大きく落ち込む場合には、値上げを含めたそれなりの対応が必要だ」と住田社長は言い切った。
国鉄・JR運賃値上げの変遷
年月日値上げ率 最低運賃
1966.3.532.3 20
68.4.15.4定期運賃のみ改定20
69.5.1015.9 30
74.10.123.2 30
76.11.650.4 60
78.7.816.4料金のみ改定(78.10)
通学定期割引率修正(79・1)
80
79.5.208.8 100
80.4.204.5 100
81.4.209.7通学定期割引率修正(81. 7)110
82.4.206.1通学定期割引率修正(82. 9)120
84.4.208.2 130(120)
85.4.204.4通学定期割引率修正(85. 9)140(120)
86.9.14.8 140(120)
89.4.12.9消費税導入に伴う運賃・料金改定140(120)
〈注〉最低運賃欄の( )内は、電車特定区間の運賃
 こうした声は経営が厳しい北海道、四国、九州各社も同様だ。広野八哉・JR四国常務は「値上げ時期は早かれ遅かれ近づいている」と話す。
 一方、須田寛・JR東海社長は22日、「93年度は値上げしない。それから先もできるだけ先送りの努力をする」と慎重な姿勢を示した。「ドル箱」の新幹線を抱え、値上げが逆に乗客減に結びつくのを警戒したためだ。
●「余裕ある値上げ」
 「JRは赤字になるまで努力を続けるべきだ。値上げは最後の手段だ」と、越智伊平・運輸相は16日の記者会見で、値上げ論議の先走りにクギを刺した。
 JR本州3社の91年度の経常利益は、東海の1100億円をはじめ、東日本1000億円、西日本600億円と続く。競合する私鉄と比べ、運賃が割高な区間もまだ多い。いざ値上げとなれは、都市部の乗客から不満が出る可能性もある。
 しかし、JR側は「余裕あるうちの値上げ」を主張する。JRは私鉄と違い沿線の不動産事業など関連事業がほとんどない。「私鉄や高速道路、飛行機との競争力を高めるためには、ある程度の設備投資も確保しなければならない」とJR側はいう。
 一方でJR西日本のように、「このまま減収が続くと、上場するために決められた一定の経常利益を維持するのが難しくなる」との危機感も出る。同社の場合ハードルは 400億円。「500億円を割り込んでくるとボーダーラインに近づいてくる」と南谷昌二郎・JR西日本専務。
●「のぞみ」専用料金
 この1年、運賃以外の特急料金や商品を対象に、実質値上げが相次いだ。
 3月18日のダイヤ改定で、東京−博多間に新しい新幹線特急料金が加わる。「のぞみ」専用料金で、「ひかり」より1800円高い。現行よりも48分短くなるのと引き換えに、乗客は負担増を迫られる。
 人気商品「フルムーンパス」や「ナイスミディパス」が2割前後の値上げとなった。
 約130種類の割引切符もゴールデンウイーク、お盆、年末年始期間の年間計30日間は、使えなくした。東海道新幹線では乗客の約3割が使っていた「新幹線エコノミーきっぷ」も使えないため、乗客から苦情が寄せられた。
 あるJR幹部は、「運賃値上げをするにしても、できるかぎりの増収策を行ったあとでないと説明がつかないから」と「先行値上げ」の背景を説明した。(朝日新聞)
■地下鉄東西線 完成2年近く延期 田辺市長 市会で表明 山科工区など遅れ
 京都市の田辺朋之市長は25日再開の2月定例市会本会議で、平安建都1200年記念事業として建設中の地下鉄東西線について「山科駅工区など関連事業にかかわる工区が厳しく、残念だが全体の完成時期は1996年(平成8年)末になる」と、当初予定の1994年度(平成6年度)中の完成を断念、完成が2年近くずれ込む見通しを明らかにした。
 田辺市長は、完成時期をただす議員に対して、山科駅工区や京阪京津線直下の工事などが遅れている事態を説明し「進ちょく状況を点検した結果、いくつかの工区で、土木工事だけでも完成が1995年(平成7年)にずれ込むことがわかった。その後の建築工事や試運転などを考えると、全体の完成時期は1996年末になると判断した。市民の期待にこたえるべく、最大限努力を重ね1日もはやい完成を目指したい」と述べた。
 地下鉄東西線は、京都市伏見区醍醐から山科駅、蹴上、京阪三条、市役所前を通りJR二条駅までをつなぐ延長12.9`の路線。建都1200年にあたる94年度中の完成を目指して、1990年1月の御池駅工区から着工。平行して、沿線の醍醐、山科駅前、二条駅前の再開発・整備事業と市役所前の御池地下街建設も進めている。しかし全体に工事の遅れが目立ち、当初予定通りの完成を懸念する声があった。(京都新聞 夕刊)
■トロッコ列車1日から発車
 春の訪れで、保津川渓谷の景勝地を走る嵯峨野観光鉄道のトロッコ列車「ロマンチック・トレイン嵯峨野」が、3月1日から運転を再開する。
 冬季に入った昨年12月30日から運転を休んでいたもので、今期もトロッコ嵯峨野駅から同亀岡駅までの7.3`間を1日8往復、4両編成で運行する。運転期間は12月29日まで(毎水曜日は運休)。
 運転再開日の1日午前9時からトロッコ嵯峨野駅で出発式。シンガーソングライター・矢吹紫帆のミニコンサー卜や、不断桜の記念植樹などが行われる。
 トロッコ列車は1991年度に開業し、2年間で計135万8000人の観光客が利用。京都観光の新しい顔となっている。
 全便指定席(600円)。切符はJR西日本各駅、旅行代理店などで発売する。(京都新聞 夕刊)
■犬はねブレーキ故障 山陽電鉄64本に遅れ
 25日午前6時ごろ、兵庫県姫路市葛飾区中島の山陽電鉄高浜踏切で、姫路発阪神大石行き特急電車(手古一幸運転士、4両編成)が、線路内に飛び込んできた犬をはねた際、先頭車両床下にある「元空気溜」のタンクから出ている直径5aの金属製管に亀裂が入った。このため、全車両のブレーキの空気が抜けて、運転不能になり、約20分後に後続の普通電車に押され、50分遅れで最寄りの大塩駅に着いた。
 この事故で上下合わせて64本の電車に40−20分の遅れが出て、通勤、通学客約4万人の足が乱れた。(朝日新聞 夕刊)
26日■地下鉄東西線 工期延長 建設費大幅増に 市に新たな難題
 京都市が建設を進めている地下鉄東西線(12.9`)の完成時期が、当初より2年近くずれ込むことが、25日の京都市議会本会議で明らかになったが、平安建都1200年記念事業の目玉プロジェクトだけに、市民のショックも大きい。市交通局は「1996年末には工事をやりきりたい」としているものの、工期延長で建設費の大幅増は避けられず、財政事情の厳しい折から、市はまた新たな難問を抱え込むことになった。
 東西線は伏見・醍醐からJR二条駅まで、市の東西をつなぐ重要路線として、25工区に分けて90年1月に着工。完成時期を94年度末とし、沿線の醍醐、山科駅前、二条駅前の再開発・整備事業と、市役所前の御池地下街建設も並行して進めてきた。
 市交通局によると、完成時期がずれ込んだ最大の理由は、市街地再開発事業と一体となっている山科駅工区の遅れ。権利変換交渉などが難航して、いまだに着工できていない。さらに地下街と駐車場建設の大規模工事が一緒になる市役所前工区、京津線運行と並行して工事を進めなければならない御陵駅工区と三条京阪駅工区の遅れが加わった。
 議会サイドでは、早くから工事の遅れを指摘する声が強かったが、市は山科駅前再開発事業など東西線沿線の関連事業を促進する狙いもあって、これまで「当初予定通りの94年度完成に向けて全力をあげる」との姿勢を崩さなかった。しかしここへきて、なお全く未着手の工区を抱え、工期の延長を表明せざるを得なくなった。
 完成が遅れることによって、建設費が当初より一段とふくれるのは確実。市交通局は、まだ試算していないとしているが、2年近い工期の延期だけに、当初の建設費2450億円がかなり増えることは認めている。さらに建設費以外の関連事業費を含めると相当な負担増は必至だ。
 市交通局高速鉄道本部の浅賀博副本部長は「当初の予想以上に用地の確保や工事が難航した。見通しの甘さも含めて一度、考え方を整理したい。96年末には工事をやり切りたい」とし、今後は、昼夜2交代や作業時間の延長も検討して、工事を促進する方針。(京都新聞)
■地下鉄東西線 完成は2年遅れ96年末 94年度の完成断念 建都1200年 間にあわず 工費増は必至 京都市長が明かす
 平安建都1200年記念事業の一環として、1994年度中の完成を目指していた京都市の地下鉄東西線の建設が、2年ほどずれ込む見通しだ。25日、田辺朋之市長が市議会で明らかにした。東西線をめぐっては、工事に連動した山科駅前の再開発事業の遅れなどから、完成目標の達成を危ぶむ声が高まっていたが、市が正式に認めたのは初めて。
 西脇尚一議員(自民)の質問に答えた。田辺市長は「昨年末、進ちょく状況を詳細に点検した。いくつかの工区で土木工事だけでも95年にずれ込まざるを得ない」と説明。「建設工事や試運転などを考えると、完成見通しは96年末になると判断した」と述べ、「最大限の努力をし、1日も早い完成を目指したい」との意向を示した。
 地下鉄東西線は市内交通の大動脈として、90年1月から建設工事を進めている。ルートは伏見区醍醐から中京区のJR二条駅までの延長12.9`(13駅)。市はこれまで、議会などで94年度中の完成を疑問視する声に対し、「工期の短縮で、遅れは取り戻せる」などと答えていた。
 しかし、91年3月に着工予定だった山科駅前工区は都市計画局が進める再開発事業との縮みがあり、地権者との移転交渉が思うように進んでいない。来月にも地権者との話し合いがついたところから、部分的にも工事を進める。
 また、地下駐車場や京阪電車との関係で工事が困難な市役所前、御陵駅工区や、住宅街の地下を通るため振動や騒音問題で地元住民らが反対している東山トンネル工区など、ほかにも解決すべき問題は山積している。
 工事の遅れにより、当初見積もっていた建設費2450億円が、かなりふくれ上がることは避けられそうにない。市では今後、地元住民らに協力を呼び掛け、工区によっては、24時間態勢で工事を進めることにしている。
・他の都市の地下鉄と比べてみれば
 地下鉄が走っている都市は、北から札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、福岡の9都市。総営業キロは33路線505.3キロで、うち公営は26路線349.4キロ。
 9都市のランクは営業キロでは、東京が断トツで220.2キロ。これは、東海道線で換算すると京都−岡山とほぼ同じ距離になる。続いて大阪104.3キロ、名古屋66.5キロ、札幌39.7キロ、横浜22.1キロ、福岡14.5キロ、仙台13.6キロ、神戸13.3キロ。京都は11.1キロで1番短い。
 1 日平均の輸送人員では、@東京7188(単位は千人)A大阪2617B名古屋943C札幌748D横浜492E福岡242F神戸210G京都178H仙台118。路線別でトップは大阪の御堂筋線で1423となっている。(数字はいずれも1991年6月現在、運輸省地域交通局調べ)(朝日新聞)
■新快速が故障 乗客カン詰め JR東海道線
 25日午後1時20分ごろ、神戸市中央区のJR東海道線で、草津発姫路行き新快速(8両編成)が、運転席にある故障表示灯がついたため臨時停車した。午後2時10分ごろ、いったん運転を再開し、三ノ宮駅で運転を打ち切った。約500人の乗客は約50分間、列車に乗ったままで、三ノ宮駅で後続列車に乗り換えた。この影響で、後続列車17本に最高14分の遅れが出て、6500人の足が乱れた。
 JR西日本によると、最後尾の車両のモーターが故障していたらしい。(朝日新聞)
■トロッコ列車 来月1日発車 嵯峨野観光鉄道
 嵐山から亀岡まで保津峡沿いの景勝地を走ることで人気を集めている嵯峨野観光鉄道の観光トロッコ列車が冬季の保守、点倹を終えて3月1日から運転を再開する。
 トロッコ列車は四両編成で、12月29日までトロッコ嵯峨(または嵐山)−トロッコ亀岡間7.3`を1日8往復する。ゴールデンウイークや夏休み、紅葉シーズン以外の時期は祝日を除いて水曜日運休。
 トロッコ列車は1991年4月に開業。2年間の利用客は予想を上回る135万8000人だった。今年も70万人近い乗客を見込んでいる。
 3月1日は午前九時からトロッコ嵯峨駅で出発式があり、シンガー・ソングライターの矢吹紫帆さんのミニコンサートなどがある。(朝日新聞)
■青鉛筆
 3月18日から走り出す新型新幹線「のぞみ」の岡山−新大阪完の清掃作業員「アリスメイト」に若い女性の人気が集まっている。募集開始から2週間で定員40人に約250人の応募があった。
 JR西日本の関連会社が東北、上越新幹線の「コメットクルー」にあやかり、童話「不思議の国のアリス」から名前をとって30歳ぐらいまでを募集。1日あたり17、8人から問い合わせがあった。
 「この不況下に時給を1000円も出してくれるとは」と女性たち。ピンクのブルゾンとグレーのキュロットのおしゃれなコスチュームだけでなく、3Kのイメージを配慮して、はずんだ1000円の時給も人気のカギ。(朝日新聞)
■信楽鉄道事故遺族の会 新たに6人告訴 告発 「優先テコ」設計ミスと
 信楽高原鉄道事故で死亡した42人のうち22犠牲者の遺族でつくる「犠牲者遺族の会」(吉崎俊三世話人)は26日午前、事故の引き金となった信楽駅の出発信号の赤固定はJR西日本が運輸省に無認可設置した「方向優先テコ」の設計ミスが原因−などとして、新たに同社の当時の設計担当者ら6人を業務上過失致死傷罪などで大津地検に告訴、告発した。
 告訴告発されたのは、JR西日本の当時の電気部信号通信課長と同テコの設計担当者、運行管理部長ら。
 告訴告発状によると、信号通信課長らは、方向優先テコを設計する際、標準結線図を書き漏らすなどのミスを犯したうえ、設計内容のチェックを行わなかった。このため通常のテコと異なる変則的な操作が必要になるなどの欠陥が生じ、高原鉄道が列車すれ違い区間の小野谷信号所で行った信号設備の無認可工事とも関連して、信楽駅出発信号が赤固定したとしている。
 また、JRが方向優先テコの操作に関する内部文書を改ざんして滋賀県警捜査本部に提出したことも、「設計ミスの事実を隠蔽(ペい)した」として、証拠隠滅罪にあたるとしている。
 遺族の会はすでに、JRの当時の社長だった角田達郎会良ら幹部7人(うち1人は今回と重複)を、業務上過失致死傷罪などで告訴告発している。(京都新聞 夕刊)
■JR西日本幹部を告訴 信楽事故「遺族の会」
 信楽高原鉄道事故の「遣族の会」(吉崎俊三世話人代表)は26日、JR西日本が同鉄道乗り入れに際して設けた信号施設「優先てこ」のマニュアルを書き換えて、滋賀県警に提出したとして、同社の幹部ら6人を業務上過失致死傷罪、証拠隠滅罪などで大津地検に告訴した。
 告訴状によると、優先てこの設計をした際、設計図の一部を書きもらすミスがあった。このため、優先てこを操作するタイミングが従来のてこと異なり、信楽駅の信号異常の要因となった。しかし、JR西日本は設計のチェックをせずに施工。設計ミスがわかっても、改良しなかったため、事故につながったとしている。
 遣族の会は、信楽高原鉄道側が「優先てこの設計ミスが、事故の発端となった信楽駅の信号異常の要因」と指摘したことを受け、JR西日本が設計ミスを隠すためにマニュアルを書き換えたとして、告訴した。
 福永文彦・JR西日本法務課長の話 告訴の内容が分からないので、コメントできない。(朝日新聞 夕刊)
27日■嵯峨野線に臨時駅 梅小路会場の足確保 JR西日本と設置協議 京都市が意向表明
 「緑の文化」その伝統と創生−をテーマに、平安建都1200年記念事業として来秋、開催される第11回全国都市緑化フェア(緑いきいきKyoto'94)で、京都市は26日、主会場となる梅小路公園(下京区)への交通の便を健保するため、JR山陰線(嵯峨野線)に臨時駅を設ける方針でJR西日本と協議に入っていることを明らかにした。
 この日再開された市会本会議で、議員の質問に対し佐藤連三助役らが「会場や周辺の混雑が予想されることから、市民生活にも配慮して輸送計画を十分に検討したい。臨時駅は設置に向けて協議している」と答弁した。
 同フェアは、緑豊かなまちづくりを進める趣旨で、来年9月から約2ヵ月間、開かれる。梅小路公園整備に市は、昨年度から旧国鉄貨物駅跡地約11.6fを購入し始め、新年度予算案に関連予算172億円を計上、日本庭園や「緑の館」の建設に着手する。
 佐藤助役らは「会場へは公共交通機関を最大限利用してもらえるよう、来場者の誘導方法を検討している」と強調。臨時駅は、会場に隣接するJR山陰線に設置することがベストであると説明した。
 さらに、周辺ターミナル駅からシャトルバスを運行させる計画や、公園の西側に約250台分の駐車場を設けるなど、駐車対策の検討も、積極的に進めることを明らかにした。(京都新聞)
■葵祭紹介の小冊子 JR東海 希望者に配布
 JR東海は京都三大祭りを紹介する小冊子シリーズの最終として、このほど「葵祭」を発行した。
 京都への旅行者の増加を狙ったもので、昨夏、シリーズの「祇園祭」「時代祭」を発行している。
 今回の冊子は、宗教史家、山折哲雄さんが祭りの由来や、意義、行列の模様などを解説。「斎王代」や「牛車」、「競馬(くらべうま)」ほか葵祭行事の数々の揚面を約50点のカラー写真で見せる。A4判、16ページ。1000部作製しており、希望者に無料配布する。申し込みは、はがきに住所、氏名、年齢、職業、電話番号を書いて、〒450名古屋市中村区名駅南2ノ14ノ19、JR東海広報部「葵祭」係へ。3月31日締め切り。(京都新聞)
■「のぞみ」部品落下 山陽新幹線 試運転中に2件
 JR西日本は26日、山陽新幹線に3月18日から乗り入れる「のぞみ」新車両の試運転中に、車両の部品の一部がはずれるトラブルが2件起こっていることを明らかにした。ボルトの緩みや締め忘れが原因とみられ、同社はボルトを交換するなどの対策を急いでいる。昨年、東海道新幹線で「のぞみ」がデビューした当初も、ボルトがはずれて約4時間立ち往生するなどのトラブルが相次いだことから、JR西日本は事態を重く見て、営業運転までに改善したいとしている。
 同社によると、試運転中の2月12日、山陽新幹線の新神戸−西明石間の長坂トンネルで、モーター付近で温まった空気が車両の上にいかないよう車両と車両の間に取り付けてあるゴム製の「ジャマ板」(長さ約1b、幅20a)が落ちているのが見つかった。
 また、同月19日には、三原−東広島間の第二高山トンネルで、床下の機器を覆っているステンレス製のカバー(縦80a、横50a)が落ちていた。
 その後の調べで、ジャマ板はボルト2個で車両に取り付けてあるが、狭い車庫内でジャマ板同士が擦れた際にボルトが緩み、走行中にはずれたらしい。また、カバーはボルト6個で取り付けてあるが、うち3個のボルトの穴の周辺に、ボルトを締めた時にできる傷などが全くなかったことから、新車両の納入前か納入後の点検の際、締め忘れた可能性が強いという。(朝日新聞)
■列車妨害数件続く 新岩国−徳山間
 山陽新幹線の新岩国−徳山間で、1月下旬から2月上旬にかけて、レール付近に保線作業用の工具が放置され、新幹線が緊急停車するなどの事態が相次いだ。JR西日本は列車妨害の疑いがあるとみて、広島支社に新幹線妨害対策本部を設置、周囲の警戒を強めるなどの安全対策をとる一方、山口県警にも操作を依頼した。JR西日本によると、列車妨害の疑いが強いケースは3件だが、それ以外にも、数件類似のケースがあるという。新岩国駅構内の一件を除けは、すべて山口県熊毛町内の約4`の区間に集中している。(朝日新聞)
■企画切符発行の方針 JR東海
 JR東海は、全席指定で「ひかり」よりも割高の特急料金を設定している「のぞみ」用に、割引切符や回数券を含む企画商品を発行する方針を、26日明らかにした。早ければ今年夏に実施する。
 具体的な内容については、ゴールデンウイークまでの乗客動向を分析して決める。すでにJR西日本にも打診しており、東海道・山陽新幹線同時発行の可能性が高い。(朝日新聞)
■北近畿タンゴ鉄道 3−6月に316本を増発
 北近畿タンゴ鉄道(事業本部・宮津市)は26日、春の行楽シーズンと、5月のゴールデンウィークを中心に、大阪−丹後方面を結ぶ特急、急行、快速の臨時列車を発表した。期間は3月1日から6月30日までで、延べ316本の増発になる。主な臨時列車は次の通り。
 【特急タンゴ・エクスプローラー81号】大阪発7時35分(京都・福知山経由)久美浜着11時19分=3月6、7日▽大阪発7時35分(同)久美浜着11時17分=5月1−5日【同82号】久美浜発13時35分(福知山・二条経由)大阪着17時7分=3月6、7日▽久美浜発13時14分(同)大阪着16時48分=5月1−5日【特急エーデル丹後】大阪発10時5分(福知山線経由)天橋立着12時31分▽天橋立発16時41分(同)新大阪着19時18分=4月3、4、10、11、17、18、24、25、29日、5月1−5、8、9、15、16、22、23、29、30日、6月5、6、12、13、19、20、26、27日【急行丹後82号】天橋立発17時58分(西舞鶴経由)京都着20時51分=5月4、5日【快速みやづ】大阪発9時7分(福知山経由)天橋立12時2分=3月1日−17日▽大阪発9時7分(同)天橋立着12時4分=3月18日−6月30日▽天橋立発15時12分(同)大阪着17時56分=3月1日−6月日。快速はJR線区間が急行。(朝日新聞)
■普通電車故障で特急4本が遅れる 湖西線、1700人に影響
 27日午前7時40分ごろ、滋賀県伊香郡西浅井町永原のJR湖西線永原駅で、福井発近江今津行き普通電車が発車の際、運転台の事故表示灯が点灯、運転士が原因を調べたが、分からず、同駅で運転を打ち切った。
 JR西日本は、後続の富山発大阪行き特急「スーパー雷鳥12号」を永原駅−近江今津駅間に、臨時停車させ乗客約120人を運んだ。
 この影響で、普通電車2本が運休したほか、特急4本が最高13分遅れ、約1700人の足が乱れた。同社で故障原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
28日■JR京都駅 信号機4基故障で「赤」 新快速など入れず遅れ
 27日午後10時40分ごろ、JR京都駅構内の東海道線など4基の場内信号機が、赤信号のまま作動しなくなった。
 このため、各列車が構内に入れなくなった。係員が手信号で誘導したが、東海道線の姫路発米原行き新快速など約15本のほか、山陰線、湖西線の各列車に5−45分の遅れが出た。信号機は28日午前1時現在回復していない。
 同駅では、電気系統の故障ではないかとみて、信号扱所で原因を調べている。
 この夜の構内は乗客はふだんより少なかったが、一部で駅員に詰めよる人もみられたほか、列車をあきらめてタクシーで家路に急ぐ人もいた。(京都新聞)
■置き石で列車遅れる 宇治、JR奈良線
 27日午後6時37分ごろ、京都府宇治市広野町のJR奈良線で奈良発京都行きの普通列車(4両編成、乗客約130人)が置き石のため約8分間停止した。乗客らにけがはなかった。上下9本に最高9分の遅れが出て、約2200人の足が乱れた。
 調べでは、レール上に約50b間隔で3つのコンクリート片が置かれていたという。宇治署は往来危険罪の容疑で捜査している。(京都新聞)
■男児はねられ死亡 大阪、JR東海道線
 27日午後6時20分ごろ、大阪市淀川区東三国三丁目のJR東海道線の線路内で、同区東三国、店員中西亨さん(32)の長男昭彦ちゃん(7つ)=市立新東三国小学校1年=が、近江舞子発姫路行き新快速にはねられ、全身を強く打って即死した。(京都新聞)