1992(平成4)年10月


1日■JR京都駅1番ホームを仮設拡幅 市民団体高層化前提と反発(京都)
  ■駅弁もエコロジー時代に 有害ガス出る容器を一掃 JR西日本(朝日)
2日■沿線の四季紹介 トロッコ列車のPR誌 ツーリストガイド創刊(朝日)
3日■地下鉄東西線 ワンマン運転目指す 京都市会 市側が答弁 効率的運営狙う(京都)
  ■京都市交通局九条営業所 複合ビル完成遅れる 市会決算委 理事者明らかに(京都)
  ■JR京都駅高層化計画 住環境への影響指摘 市民団体シンポ(京都)
  ■茨木の東海道線高架ガード 荷台(トラック)のショベルカーごつん レールぐにゃり ダイヤ混乱(京都)
  ■京日記(京都)
  ■ガイドに接触 レール曲がる 茨木のJR京都線(朝日)
  ■鋭い金属音 時速300` JR西日本WIN350 報道陣の試乗会(京都)
4日■群衆、電車に投石 あいりん地区
5日■JR四国労組の統一新組織が発足(京都)
7日■駅でMバイク 販売・レンタル JR大阪城公園駅構内 30日にオープン(京都)
  ■阪急新本社ビル完成(京都)
  ■松尾橋停留所に待合室 京都市交通局が設置(京都)
  ■時代祭割引のきっぷを発売 きょうからJR西日本(京都)
  ■新京都駅など反対で集会 13日に市民団体(京都)
9日■12年ぶり共産同調 京都市バス決算 全会一致で承認へ(京都)
  ■新型ビジネス特急 南海高野線に登場(朝日)
10日■リフト付きバス導入へあす募金活動 京都障害者会議(京都)
11日■窓 事故後の対応不親切なJR 近江八幡市・中原敏雄(会社員・60)(京都)
13日■JR京都駅改築計画縦覧終了 反対の意見書4000通 賛成9通「住民無視」と不満(京都)
  ■弁護士75人も反対の意見書 特定街区指定要件から(京都)
  ■京の景観破壊ストップ ポスターを作成 まちづくり市民連絡会議(京都)
  ■JR京都駅改築の都市計画変更案 強硬な反対意見書 京都弁護士会所属の75人も(朝日)
  ■大阪市交通局の外郭団体 資格者置かず旅行業務(朝日)
  ■駅ビル開発会社出資 文書、府が公開へ 発起人名など(京都)
  ■市バスにトラック追突 ラッシュ時乗客ら7人けが 四条河原町(京都)
  ■東海道新幹線、54本遅れる(朝日)
14日■SLの雄姿ずらり 大阪、尼崎の2金融機関 パネルなど展示(京都)
  ■新幹線遅れ 24万人に影響 同時多発ゲリラで(京都)
  ■未公開部分を公開へ JR京都駅改築関係公文書4件 審査会答申で(朝日)
  ■追突され乗客ら7人けが 中京で市バス(朝日)
  ■新幹線59本運休 多発ゲリラ(朝日)
  ■新幹線、平常運転に(京都)
15日■一時運転見合わせ 大雨で山陰線(朝日)
16日■地下鉄が故障発車できず 十条駅、10分後に運転(京都)
  ■信号故障で列車遅れ JR福知山線(京都)
  ■75歳の女性がはねられ死亡 八尾のJR関西線(朝日)
17日■「オザキ」名乗れば指定席 不明グループに便宜5年 JR東海(朝日)
  ■線路上にシート 車内から捨てた? 未明ダイヤ混乱 1000人影響 JR神足−向日町間(京都)
18日■市交通局九条営業所開所15執念 住民多彩にふれあい 市バス業務をPR(京都)
20日■電車29本が一時立ち往生 夕方の御堂筋線(京都)
21日■京都駅改築で市長に要望 対象の町内会(京都)
  ■来月から 建都記念市バス発車 ボディーのマスコットも一役 京都市交通局(京都)
  ■環境に優しいバス導入 京都市交通局 クーラーに新冷媒(京都)
22日■近く着工の仮駅舎建築 「本体」とは別手続き JR京都駅改築田辺市長が表明(京都)
  ■地下鉄東西線 全体的には遅れぎみ 京都市会現場視察 御池工区などは順調(京都)
  ■丹波高原ゴルフ場 年内にも着工 JR西日本社長明かす(京都)
  ■蒸気機関車館開設20周年 あすから「梅小路フェス」 人気のD51、C62など展示(京都)
  ■冬の臨時列車2510本 JR西日本(京都)
  ■カニスキ号など臨時517本 JR福知山支社 今冬の輸送計画発表(京都)
  ■1日から踏切事故防止運動(京都)
  ■1日に交通局まつり コンサートや忘れ物セール(京都)
  ■「次世代新幹線 最高速下げも」 JR西日本社長(朝日)
  ■JR奈良線 「六地蔵駅」が開業 31年ぶり宇治に新駅(京都)
23日■JR城陽駅 快速電車が停車 1日に上下16本(朝日)
  ■「六地蔵駅」が開業 普通電車104本停車 JR奈良線(朝日)
  ■ダンプ“あお向け”伏見・地下鉄工区 運転手が重傷(京都)
24日■在来線の特急より騒音減少 山形新幹線、県が調査(京都)
  ■ダンプあお向け 地下鉄工事の穴に転落 伏見区(朝日)
25日■組織統一を方針化 JR九州労組(京都)
  ■JR高架にバスが衝突 淡路の高校生らけが(朝日)
26日■制御盤など検証始める 信楽事故で滋賀県警(京都)
  ■事故表示灯点灯で運休、500人が足どめ 加茂のJR関西線(京都)
27日■JR西日本が支社制を導入 京都・大阪・神戸に(京都)
  ■旧国鉄用地に億ション登場 西宮で近畿初の分譲(京都)
  ■億ションいかが 西宮の旧国鉄跡地 値下がりしました 7000万〜2億5000万円(朝日)
28日■「ひかり」床下から煙 JR京都駅に77分停車(京都)
  ■「STAR21」国内最高352` JR東日本(京都)
29日■列車にはねられ即死(京都)
  ■顔は水鳥のくちばし リニア試験車(京都)
  ■高速鉄道が94年“発進” ロンドン−パリ 海峡くぐり3時間(京都)
30日■京都駅ビル「60b」承認 実現へ踏み出す 京都市都計審(京都)
  ■JR京都駅ビル改築特定街区制度を承認 高層化なお賛否両論(京都)
  ■建都1200年記念バス 京のぞみちゃん 都大路を試走 来月 本格デビュー(京都)
  ■京都駅高層化承認 「見切り発車だ」 市民団体に不信感(朝日)
  ■高層化へ動き本格化 課題残る専門店移転や区画整理 JR京都駅改築を正式に了承 京都市都計審 反発強める住民ら テナント従業員も不安(朝日)
  ■仮駅舎 来月中にも申請 広場にプレハブ2階で(朝日)
  ■京都駅ビル高層化承認 市都計審 60b、来春にも着工(朝日)
  ■”思想”見えてこぬ建物 清水武彦京都産業会館専務理事(元京都市経済局長)(朝日)
  ■“列車脱線100人けが” JR梅小路駅800人が復旧訓練(京都)
31日■長野・八ヶ岳のロープウェイ 自動運転ブレーキ利かず ゴンドラ2台 駅に激突 滋賀の団体客ら70人重軽傷(京都)
  ■「駅が迫る」恐怖の激突 八ヶ岳ロープウエー事故 ドカン、倒れ込む乗客 窓ガラス割り脱出 社員旅行、暗転(京都)
  ■阪急京都線乱れる(京都)
  ■京都市営交通80周年祝い あすから交通局まつり(京都)
  ■ゴンドラ2台、駅に激突 滋賀の客ら70人けが 八ヶ岳・横岳の山頂と山ろくで(朝日)
  ■車と衝突し列車脱線! JR西日本 梅小路駅で復旧訓練(朝日)
  ■運行設備など詳しく検証 横岳ロープウエー事故(京都)
  ■「1人3役」奮闘の日々 JRワンマンカー3年目の秋 小浜線・播但線ルポ ローカル線運転士 車掌・修理役も担い タダ乗りに悔しさ シカに事故の不安 信号切り替え神経ピリピリ(朝日)
  ■盲人の接触事故契機に 「通過」と「停車」区別 JR立花駅の放送(朝日)
  ■京浜急行本社・社長宅に銃弾(朝日)



1日■JR京都駅1番ホームを仮設拡幅 市民団体高層化前提と反発
 JR西日本が30日深夜、京都駅1番ホーム拡幅の仮設工事をし、これまでより4bホームを前にせり出させた。平成6年に開業予定の関西国際空港への接続を見込んだ工事としているが、今回の拡幅部分は景観論争の焦点となっているJR京都駅ビルとホームを結ぶ重要な位置にあり、高層化に反対する市民団体は「駅ビル工事を前提にした工事ではないか」と反発を強めている。
 拡幅工事をしたのは、改札口に最も近い1番ホームで全長323b。あらかじめ立てておいたホーム前方の1番線と2番線の間の鉄柱とホームの間をそれぞれH鋼をつなぎ合わせ上部に合板を乗せてホームをつぎ足した。旧ホームより1200平方bほど広くなった新1番ホームは、1日の始発から使用される。
 JR西日本京都総合工事区は、今回の工事について「平成6年に開業が予定される関西国際空港へのアクセスを見越した工事。駅ビルの計画とは直接関係ない」としている。
 しかし、同ホームは駅ビル完成後、乗降客のメーンホームになることから、反対派の市民の一部には「駅ビル着工を見越した関連工事ではないか」との声も出ている。
 京都駅ビル住民訴訟弁護団事務局の飯田昭事務局長は「京都市が計画案の縦覧を始めたばかりのこの時期に見切り発車とも思える付帯工事を進めるのはもってのほか。今後も都市計画審議会に意見書を出すなどして反対を続けていく」と話している。(京都新聞)
■駅弁もエコロジー時代に 有害ガス出る容器を一掃 JR西日本
 「地球にやさしい駅弁」をと、JR西日本沿線の駅で10月から、焼却の際に有害ガスや高熱が出るプラスチック容器を使った駅弁が消える。業者がそろって、低公害樹脂や紙などに切り替えるためだ。生産コストは約1割アップするが、「環境保護のためできることから」と、取り組むことにした。
 JR西日本沿線には72業者があり、約500種類の駅弁を販売している。一日に約46000個が売れ、容器はたいてい駅のごみ箱に捨てられる。しかし、かさばったり、燃やすと有害ガスや高温が出て、酸性雨の原因になったり焼却炉をいためる容器があることから、JR西日本が去年春から、見直しを業者に呼びかけてきた。
 その結果、今年8月までに、約7割の業者が有害ガスが出るプラスチック容器を、有害ガスや発熱が少ない低公害樹脂や、紙などに切り替えてきた。この時点では、142種類の駅弁で有害ガスの出る容器が使われていたが、これらも10月からほぼ一斉に、低公害樹脂などに切り替えられることになった。(朝日新聞 夕刊)
2日■沿線の四季紹介 トロッコ列車のPR誌 ツーリストガイド創刊
 美しい車窓で人気を集める嵯峨野観光鉄道(京都市右京区)のトロッコ列車のPR誌「嵯峨野トロッコ列車ツーリストガイド」がこのほど創刊された。
 カラー写真を使い、保津川下りや嵐山の桜、嵯峨野の紅葉など、沿線の四季の風景をあしらい、天龍寺や野宮神社といった散策コースの名所も紹介している。
 秋の観光シーズンに、沿線風景の美しさなどをアピール、修学旅行コースに組み込んでもらうなど、「新たな利用客の開拓」が目的。製作費は約300万円。全国の旅行代理店などに約1万4000部を配ったが、好評だったため、10月にはさらに増刷することになった。
 年2回、春と秋に作っていく予定。長谷川一彦社長は「年間利用客は70万人を超える見通しで順調だが、美しい沿線の景色を多くの人たちに楽しんでほしいと作った」と話している。(朝日新聞)
3日■地下鉄東西線 ワンマン運転目指す 京都市会 市側が答弁 効率的運営狙う
 京都市の依田満交通事業管理者は2日の市会事業決算特別委員会で、平成6年度完成を目指す地下鉄東西線の事業運営について、労使協議が前提としながらも「ワンマン運転を指向したい」と延べ、経営状態が厳しいなかで、省力化を図る方針を明らかにした。
 福島滋弥議員(自民)が東西線事業における人件費の圧縮策をだしたのに対して、答弁したもの。
 依田管理者は「労働組合との協議が必要だが」と前置きしながら、「できるかぎり効率的な運営を目指さねばならない。東西線はワンマン運転を指向したい」と延べた。
 ワンマン運転の場合は、安全面から列車防護装置や車両のドアと連動して開閉するホームドアシステムの導入などが必要だが、交通局管理者はさきの同委員会での安井勉議員の質問に「ホームドアについて検討している」旨の答弁をしている。
 現在、営業している地下鉄烏丸線は、運転士と車掌の2人が乗り込む形で運行している。同線は経常収支は比較的安定しているが、今後、東西線の建設や烏丸線の国立京都国際会館までの延伸工事などによる事業費の膨張で、地下鉄事業全体の経営見通しは厳しく、省力化が課題となっている。
 ホームドアは、ホームと線路の間を透明なパネルで仕切り、車両とドアと連動して開閉する安全設備。(京都新聞)
■京都市交通局九条営業所 複合ビル完成遅れる 市会決算委 理事者明らかに
 京都市会の事業決算特別委員会が2日開かれ、田辺朋之市長らに対する総括質疑を行った。答弁の中で理事者側は、市交通局九条営業所(南区)用地の高度利用計画について、景気の低迷から完成目標が当初の平成7年度内より半年程ずれ込むとの見通しを明らかにした。
 依田満交通局管理者が「同用地南側に府が計画している勤労者総合福祉センターの7年度内の完成に合わせ、建設する予定だったが、少々遅れる」と答弁した。
 交通局は、慢性的な赤字経営からの脱却策として、同用地の有効活用に着手。市南部活性化の中核拠点施設となる複合ビルの建設を検討してきた。同ビルは老朽化が激しい交通局本庁舎(中京区壬生坊城町)を移転するとともに、民間活力を導入して、文化、スポーツ、商業施設などで構成する方針が出されている。
 ただ依田管理者は、本年度に予定されている複合ビル建設のためのコンペ実施については「本年度中に行い、ビル建設の成案を固め、着工にこぎつけたい」と意欲を示した。
 また地下鉄東西線の完成時期について、議員から「遅れるのではないか」との意見が相次いだが、田辺市長は「困難な状況にはあるが平成6年度完成を目指して全力を挙げていきたい」と延べた。(京都新聞)
■JR京都駅高層化計画 住環境への影響指摘 市民団体シンポ
 京都駅建て替え問題対策協議会(伊藤太郎会長)は2日夜、「京都駅改築計画 どうなる私達の街や暮らし−住民シンポジウム」を京都市下京区の興正寺会館で開き、市民ら約100人がJR京都駅の高層改築計画をめぐる問題点などを話し合った。
 シンポジウムは、年内にも予想される都市計画決定を前に、住民運動の進め方を確認するのが狙い。最初に、駅周辺で進む地上げや景観破壊などの現状を報告したスライドを見たあと、「住環境を守る京の町づくり連絡会」の木村万平会長が「京都駅改築計画の意味するもの」と題して公園した。木村会長は、改築計画を財界のために、建都1200年の象徴として巨大商業施設をつくろうとするもの」と批判。さらに「景観破壊だけでなく、大手百貨店の競争激化で、中小の小売業者の生活が脅かされ、商店街の衰退や職住近接まちの破壊につながる」と住環境に及ぼす影響なども指摘した。
 この後、参加者らによる意見交換が行われ、都市計画決定に反対する意見書の提出や、公聴会開催を要求する決議を採択した。(京都新聞)
■茨木の東海道線高架ガード 荷台(トラック)のショベルカーごつん レールぐにゃり ダイヤ混乱
 2日午後6時20分ごろ、茨木市三島町、JR東海道線の高架ガード(高さ約3.2b)に、下の道路を通行中の高槻市塚原、建設会社社員永峰雅彦さん(20)の4dトラックの荷台に積んでいたショベルカーが衝突した。ガード上の同線上り外側線線路のレールが曲がり、約10分後に現場を通りかかった米子発飯田町行き貨物列車(41両編成)が異常な振動に気付いてガード上で急停車した。けが人はなかった。
 茨木署の調べでは、ガード下の通行車両の高さ制限は0.3b。トラックは荷台に大型ショベルカーを積んでおり、ガードの手前にある予防さくに当たり、さらにガードに衝突した。荷台のショベルカーは道路上にころげ落ちた。
 同署は永峰さんがガードの高さをよく確認せずに通行したのが原因とみて事情を聴いている。
 この事故でレールが曲がった上り外側線は不通になり、同線を走る電車と列車を並行する上り内側線に振り替えた。このため、京都駅午後7時発の長浜行き新快速が1時間余り遅れたのを初め、後続の特急や急行、新快速、快速、普通客電車が1時間から数分遅れ、3日未明までダイヤの混乱が続いた。JR西日本は2万7000人に影響が出たとしている。(京都新聞)
■京日記
 ◇京都市上京区の堀川商店街は、2日から始まった「ほり川祭」でチンチン電車など明治20年代から昭和30年代にかけての写真30枚を展示している。訪れた子供たちも、初めて見る古い写真に興味深そう。
 ◇周辺のマンション建設などで客層が変わる中、昔の商店街かいわいを知ってもらおうと、古くから地域に住む住民や府立総合資料館などから写真を借り、引き伸ばした。
 ◇「堀川にはチンチン電車が欠かせない」と、明治28年の開通時から昭和36年の廃止までの約20枚を中心に、堀川京極の銭湯などの写真を並べた。買い物客らは「電車がよく揺れた」など、当時を思い浮かべ、懐かしそうに話していた。3日まで。(京都新聞)
■ガイドに接触 レール曲がる 茨木のJR京都線
 2日午後6時20分ごろ、大阪府茨木市三島町の府道で、同市南安威三丁目、建設会社木村組のトラック=永峰雅彦運転手(20)=が、JR京都線の高架橋をくぐろうとした際、荷台に積んでいたパワーショベルが橋に接触した。パワーショベルは道路に転落。高架橋の端が約4a持ち上がって20aほど、内側にずれ、複々線の同線のうち、新快速電車や特急が走る上りの外側の線路が曲がった。
 JR西日本は、修理のため、茨木駅と高槻駅間で運行を内側線路に変更。姫路発長浜行き新快速電車が64分遅れたほか、後続の数10本が10−5分遅れ、3万人以上に影響した。(朝日新聞)
■鋭い金属音 時速300` JR西日本WIN350 報道陣の試乗会
 時速 350`での営業運転を目指し試運転を続けているJR西日本の次世代新幹線(500系)試験車両「WIN350」の試乗会が2日深夜から3日未明にかけ山陽新幹線小郡−新下関間で報道陣を対象に開かれた。
 6両編成の試験車両は先端部をとがらせたアルミ合金を使うなど従来車両に比べ3割の軽量化を図ったが、高速安定性を高めるための低い天井は、長身の人なら圧迫感を受けるほどだ。
 スタートすると約5分で時速300`に。トンネルの出入りでは、鋭い金属音が耳をつんざく。また横揺れは東海道新幹線を走る「のぞみ」とさほど変わらないと担当者は胸を張るが、座っている時はともかく通路を真っすぐ歩くのは少々難しい。
 新大阪−博多感を現在より約30分早い2時間15分程度で結ぶことを目標に、ことし8月には新幹線としては国内最高の時速350.4`を達成。今後は乗り心地やパンタグラフの風切り音など騒音対策に力を入れ、1994年度中の営業運転を目指すが、環境基準のクリアなどで翌年にずれ込む可能性もある。(京都新聞 夕刊)
4日■群衆、電車に投石 あいりん地区
 大阪市西成区のあいりん地区(釜ヶ崎一帯)で、労働者への応急援護金貸し付けをめぐり、1日夜から断続的に続いている騒ぎは、3日夜、貸し出し窓口の市立更正相談所付近に労働者数百人が集まり、時々投石などがあり、深夜には南海天王寺線の電車(1両編成)にも石が投げられ窓ガラスが割れた。大阪府警は前夜と同じ景観2500人を動員し、相談所前の市道を通行規制して警戒、公務執行妨害の現行犯で労働者1人を逮捕した。一連の騒ぎで逮捕者は九人になった。
 相談所の窓口業務が終わった午後4時半、近くにいた労働者数十人がシャッターを無理やり押し上げて一時、入り口を占拠したが、機動隊員ら約百人が労働者を外に出した。午後5時50分ごろから、相談所を取り巻いた労働者約600人の一部が、通行車両にカップ酒の容器や空き缶を投げたり、ゴミに放火したりした。
 大阪府警は付近の市道の南北500mを通行止めにした。午後7時過ぎ、機動隊員を足げりにした労働者(35)を公務執行妨害の現行犯で逮捕した。
5日■JR四国労組の統一新組織が発足
 JR四国の最大労組、JR四国労組(乾徳夫委員長、組合員3200人)と四国鉄産労(竹内隆善委員長、220人)は4日、高松市で統一大会を開き、「四国旅客鉄道労働組合(JR四国労組)」が正式に発足した。新委員会は乾徳夫氏(愛媛支部)。 旧JR四国労組は9月19日、四国鉄産労は今月3日、それぞれ定期大会て統一を承認しており、新労組の組合員はJR四国の労組員の約83%の3400人。
 この日の大会では@「一企業一組合」に向けた取組みA「協力と対立」を基調とした労使関係−などを柱とした運動方針案を採択した。(京都新聞)
7日■駅でMバイク 販売・レンタル JR大阪城公園駅構内 30日にオープン
 大阪市城東区のJR大阪環状線・大阪城公園駅構内に30日、若者に人気のあるマウンテンバイクの販売やレンタルをするスポーツサイクル&カフェ「BIKE SHOWER」がオープンする。大阪城公園周辺でのサイクル・トレーニングの拠点に、とJR西日本が開設した。
 同社の社員のアイデアを事業香する社内ベンチャー制度の一環。
 店舗は同駅の西側で約100平方b。マウンテンバイクをはじめトライアスロンなどのスポーツサイクルや関連商品を販売するほか、マウンテンバイクのレンタル(1時間500円、1日1000円)も行う。また自分の自転車でトレーニングなどをする人のために保管サービス(1日200円、1ヵ月5000円)も始める。収容台数は20台。
 営業時間は平日は午前7時半から午後8時まで。シャワールーム(1回300円)や喫茶スペースも設け、通勤前やアフターファイブの利用も狙っている。
 昭和63年から実施している社内ベンチャー制度にはこれまで約8000のアイデアが寄せられているが、事業化されるのは今回で4件目。(京都新聞)
■阪急新本社ビル完成
 阪急電鉄の新本社ビル(大阪市北区)が6日完成し、創立記念日の10月19日から業務を開始する。これまで本社部門は梅田阪急ビル、阪急グランドビルなど数ヵ所に分散していた。
 新本社ビルは地下2階、地上16回。延べ床面積約2万7000平方b。館内テレビやAV(音響・映像)会議室を設置し、コミョニケーションの充実を図っている。(京都新聞)
■松尾橋停留所に待合室 京都市交通局が設置
 京都市交通局は右京区梅津尻溝町の市バス松尾橋(東行)停留所に、雨や風をよけられる待合室を設置した。7日から使用できる。
 市バス停の中には、地元の人が設置した待合室や、ターミナルで屋根だけのものはあるが、囲いつきの待合所は、上賀茂神社前に次いで2つ目。今回のは10平方bの広さで、アルミ合金製。費用は約350万円。市交通局では、用地確保のできる所から、順次、設置を検討していきたい、としている。(京都新聞)
■時代祭割引のきっぷを発売 きょうからJR西日本
 JR西日本は7日から20日まで、京都近郊の駅で「時代祭観覧割引きっぷ」を発売する。
 御池通の観覧席券(2000円)と京都市営地下鉄京都−御池間の乗車券に、発駅からJR京都駅までの割引切符がセットされる。切符の割引率は平均36%。祭り当日(22日、順延の場合は23日)のみ使用できる。発売場所は高槻−西明石駅間、大阪環状線、鴫野−四条畷駅間など。(京都新聞)
■新京都駅など反対で集会 13日に市民団体
 住民団体や労組でつくる「ストップ・ザ・京都破壊 まちづくり市民連絡会議」は13日午後6時半から、京都市下京区のシルクホールで、「10・13許すな京都破壊まちづくり市民大集会」を開く。
 JR京都駅ビル改築の都市計画決定が、年内にも予定される中、これに加えて京都高速道路計画、大型店の進出・増床などの問題を、同団体などは歴史都市・京都の破壊として反対する立場から「市民合意を欠いたまま、強行されようとしている」と受け止め、これを許さない市民の声を結集しようと開催する。
 集会には、約1000人が参加する予定。各住民団体などが、それぞれの取り組みを報国するほか、集会終了後は市役所までのデモ更新を予定している。
 同会議は集会開催を機に、反対運動の学習テキスト「ストップザ京都破壊」をこのほど作成した。B5判22nで、京都駅ビル問題などを歴史的経緯とともにまとめたうえ市民主体のまちづくりを目指す今後の運動方針も提示している。(京都新聞)
9日■12年ぶり共産同調 京都市バス決算 全会一致で承認へ
 京都市の平成3年度(1991年度)の市バス決算が、9日の京都市会本会議で12年ぶりに全会一致で承認される見通しとなった。8日開かれた市会事業決算特別委員会で、共産が承認に回ったため。慢性的な赤字経営に苦しむ市バスだが、平成3年度は乗客減に歯止めがかかるなど、若干、好転の気配がみられた。交通局は「ともかく乗客を増やす視点で経営に努力してきた」と話している。
 平成3年度の市バス決算は経営損益が約12億円の赤字ながら、1日平均旅客数は前年度比1000人減と、従来の1万−1万5000人減より大幅に改善され、営業収益も伸びている。
 共産はこれまで「赤字路線切り捨てなど、縮小再生産の市バス運営だ」として、80年度決算以来、一貫して決算を承認してこなかった。しかし今回は「あらゆる角度での努力がみられる」と、自民、公明、社会、民社クとともに承認に回った。
 市交通局は平成3年度決算について「一部、系統の再編成や合理化を行っているが、ともかく乗客を増やす視点ですべて取り組んできた」とし、本年度上半期も乗客は前年度比4000−5000人増と好調という。
・京都市会決算特別委 5件を可決、承認
 京都市会の普通決算、事業決算両特別委員会は8日、討論を終了し、付託されていた1991年度(平成3年度)の病院、水道、公共下水道、地下鉄、市バス各公営企業会計決算5件を可決、承認した。
 単年度で、市バスは12億5700万円、地下鉄は114億400万円の赤字。上下水道は前年に続き、それぞれ15億7700万円、6億4900万円の黒字となった。市立病院は一般会計からの繰り入れなどで収支均衡を図った。いずれも全会一致で承認された。
 最終本会議は9日午前10時から開かれる。(京都新聞)
■新型ビジネス特急 南海高野線に登場
 南海電鉄は8日、高野線難波−橋本間に新型ビジネス特急を11月10日から運行させる、と発表した。1日に上下8本運転し、現行の8本と合わせ、「りんかん」の愛称をつける。同区間を走る特急は観光用の「こうや」(難波−極楽橋間)8本と合わせ24本となり、1時間にほぼ1本体制になる。
 新型特急は4両編成で定員246人。全席指定。女性旅客係が乗務し、車両に電光表示器を設置してニュースや天気予報を流す。女性専用トイレや車いすスペースも設ける。(朝日新聞)
10日■リフト付きバス導入へあす募金活動 京都障害者会議
 日本自立生活センターや肢体障害者友愛会など7団体でつくる京都障害者会議は11日午前11時から約2時間、京都市の京福電鉄四条大宮駅前で公営バスへのリフト付きバス導入を求める募金活動をする。
 交通機関の改善を訴えて大阪、東京など全国17ヵ所で一斉に行う街頭活動の一環。京都では約30人が出て、車いすの人たちやお年寄りに便利なリフト付きバスや、車体の下がるニーリングバスの必要性を訴え、活動のための寄金を募る。
 詳しくは日本自立センター 075(464)5519へ。(京都新聞)
11日■窓 事故後の対応不親切なJR 近江八幡市・中原敏雄(会社員・60)
 今月2日(金)、大阪駅午後11時20分発のJR新快速「野洲行き」に乗車しました。発車の少し前に「茨木、摂津富田間で踏切事故、大幅にダイヤが乱れています」と、アナウンスがありました。
 定刻に発車したから、たいしたことはないだろうと思っていたら、何と新大阪駅まで20分かかり、京都には午前1時半に着きました。そこから普通になって、野洲に着いたのは午前2時前、そこから車で自宅に戻り、運が悪かったと3時前にやっと就寝できました。
 翌朝、新聞でこの事故が午後6時過ぎに起きたことを知って、腹立たしく思いました。事故直後ならともかく、5時間も経っているのに、京都に着く時間くらい予測して乗客に知らすことができないのでしょうか。改札にも、事故についての知らせはなかったように思います。もし京都まで2時間かかると分かったら、私鉄にでも乗り換えたはずです。
 料金払い戻しをしなければならない特急などを先に走らせたのではと、勘繰りたくもなります。JRの具体的な弁明を聴きたいものです。(京都新聞)
13日■JR京都駅改築計画縦覧終了 反対の意見書4000通 賛成9通「住民無視」と不満
 京都市は12日午後5時で、JR京都駅の高層改築計画の縦覧を終え、同時に意見書の受け付けを締め切った。市のまとめによると、2週間の縦覧期間中、延べ約200人が訪れ、4088通の意見書が提出された。意見書の数は「これまでにない多さ」(市都市計画課)という。
 意見書は同日、のっぽビル反対市民連合(西山卯三代表)など10団体と、これらの運動に賛同する3973人が出したため、反対が4079通に上った。
 反対意見は「改築反対の声が多いのに、市は耳を貸そうとせずに、民間会社のための巨大ビルを建設しようとしている」「都計審の密室審議に反対」「土地区画整理に地元住民が反対しているのに、無視して進めようとしている」など。
 一方、賛成意見は「市街地の真ん中に60bくらいの建物は問題ない」「京都駅の建物は、すでに40年近くたっており、周囲の景観から埋没。一日も早い改築が必要」などが出ている。
 市では、これらの意見を今月下旬に開く予定の京都市都市計画審議会に提出、審議の参考にしてもらう。(京都新聞)
■弁護士75人も反対の意見書 特定街区指定要件から
 JR京都駅改築計画に特定街区制度を導入する都市計画案の縦覧に反対して、京都弁護士会に所属する弁護士75人が12日、「高層ビルの建設は、歴史都市京都の景観を破壊するうえ、今回の都市計画案は特定街区指定の要件を満たしていない」などとして同計画案に反対する意見書を田辺朋之京都市長に提出した。
 意見書を提出したのは、同弁護士会の飯田昭弁護士ら。意見書は、駅改築設計案が高さ49.8b、東西の長さ478bの高層ビルであることから「京都市の市街地の景観を大きく南北に分断し、歴史都市の景観を破壊する」と主張。
 その上で、都市計画案について▽特定の建物建築のための都市計画の変更にあたり、都市計画法に違反する▽特定街区の指定のためには「交通上支障のない」という要件が必要だが、今回の案では一層、交通渋滞を悪化させることになり要件を満たしていない−などと反対を表明、「歴史都市京都にふさわしい駅舎改築に向けて、根本的な見直し」を求めている。(京都新聞)
■京の景観破壊ストップ ポスターを作成 まちづくり市民連絡会議
 ストップ・ザ・京都破壊まちづくり市民連絡会議(西山卯三代表)は12日、JR京都駅の高層課や京都高速道路建設にストップをかけることを狙った大型カラーポスターを作成した。
 ポスターは縦51a、横71a、東山・八坂の塔の背後に暮れなずむ市街地と西山連峰が広がる。右端に「京都SOS 山紫水明が危ない」の文字が黄色で書かれ、下には劇作家の木下順二さん、元環境庁長官の大石武一さん、映画監督の山田洋次さんら5人の支援者が顔写真付きで紹介されている。
 5000部を作製。京都市内の各所をはじめ、全国各地にも張り出し、運動を盛り上げていくという。(京都新聞)
■JR京都駅改築の都市計画変更案 強硬な反対意見書 京都弁護士会所属の75人も
 60b高層化を目指すJR京都駅の改築計画に伴い、京都市が作成した都市計画変更案をめぐって、京都弁護士会所属の弁護士75人が12日、京都の歴史的景観とまちづくりを破壊すると、強く反対する意見書を田辺市長に提出した。同弁護士会に所属する弁護士は約270人。このうちの約4分の1が反対の意見書を提出したことになる。市側は今月下旬にも都市計画審議会に計画案を諮問し、年内には都市計画決定にこぎつける方針を崩していない。
 弁護士の意見書では、特定街区の適用要件を定めた建設省通達である「特定街区指定標準」は、@交通上支障がないA街区周辺との関係に十分配慮するB都市環境を損なわない−などを定めている、と説明。京都駅周辺は現在でもバス、タクシー、乗用車などで混雑しており、百貨店、ホテルが大部分を占める新しい駅ビルができれは、渋滞が一層探刻化する、としている。
 さらに、特定街区導入に伴う都市計画道路の新設によって、道路への日照などとのからみで現在の京都中央郵便局が建築基準法上の違法建築物になる、と指摘。高さ60b、東西約480bの巨大な新駅ビルは、東寺や東西本願寺などがつくり出している美しい都市環境をも破壊する、と強調している。
 弁護士の意見書を取りまとめた飯田昭弁護士は「法律家として、改築計画がいかに法令を無視したものかを指摘したかった。そもそも特定の建物のために都市計画を変更すること自体が問題だ」と話している。
 一方、この日、市民グループの「ストップ・ザ・京都破壊 まちづくり市民連絡会議」(代表委員、西山夘三・京都大名誉教授)も反対の意見書を提出した。3973人と10団体分。9月下旬から約10日間にわたって集められたもので、奈良や鎌倉の住民らの意見書も含まれている。
 住民グループの意見書では、特定街区の導入に伴う区画整理事業について、区域内の7世帯の住民は一致して反対しており、既成市街地での区画整理は問題が多い、と指摘。現行の高さ制限を取り払ってホテルやデパートが大部分を占める商業ビルを建設することは歴史的景観を壊し、地元の商業者に打撃を与えることになるとしており、公聴会など、住民の意見を幅広く反映する手続きもない、と批判している。
 市都市計画課によると、都市計画案をめぐる縦覧段階での意見書は、通常これまで、百通にも満たなかったという。同課は「意見書は都計審にあげて検討するが、大量の意見書提出によって、計画のスケジュールが遅れるようなことはないだろう」と話している。(朝日新聞)
■大阪市交通局の外郭団体 資格者置かず旅行業務
 大阪市交通局の外郭団体、大阪市交通局協力会(辻礼二理事長)が、旅行業法で営業所ごとに配置を求められている国内旅行業務の資格を持つ職員を大阪府に届けているものの、実際には市内の観光案内所2ヵ所へ常駐させずに旅行業者の営業をしていたことが、12日わかった。大阪府は「資格者の常駐は旅行業務の要件。事実を確かめて厳正に対処したい」といっており、同協力会はこの違反行為を認め、あわてて12日から資格を持つ職員を案内所へ出勤させている。
 同協力会は旅行業法に基づき、市内の定期観光バスの乗車券発売▽会員制バスツアーと団体旅行や貸し切りバスのあっせん▽旅館券、航空券その他の旅行についてのあっせん−などの業務を実施している。
 旅行業法では、国内旅行業務の取扱主任資格者を各営業所に常駐させ、資格者を都道府県に届け出ることになっている。同協力会は本部である旅行センターと3つの案内所について、それぞれの資格者名を登録している。だが、難波、天王寺南観光案内所ではこの有資格者が不在で、資格を持たない職員各2人だけで営業していた。
 同協力会の説明では、旅行業務が赤字になり、改善させるため、去年5月ごろから案内所などの職員を外回りさせ始めた。このため、観光案内所にいて旅行業務を監督すべき職員がいなくなることが増えた。さらに、本部が現在の西区境川に移転した今年1月半ばからはこれが常態化し、資格を持つ職員は案内所ではなく、本部内にある旅行センターに毎日通い、案内所には用事があるときだけ出向くようになった、という。
 これについて運輸省旅行業課は「旅行業法には資格者の常駐は明記されていないが、法の趣旨から常駐するよう指導している。このようなケースがまかり通れは、いくらでも営業所を増やすことができる。違反の内容によっては営業停止処分もある」と指摘している。(朝日新聞)
■駅ビル開発会社出資 文書、府が公開へ 発起人名など
 京都府は13日、「のっぽビル反対市民連合」(代表・西山卯三京大名誉教授)から府情報公開条例に基づき異議申し立てが出ていた「JR京都駅ビル開発会社への出資」など4文書について、京都市やJR西日本などの発起人名や出資率などを公開することを決め、同連合に通知した。
 今回の府の決定は、府公文書公開審査会が6月3日に出した答申に全面的に沿った内容で、「駅ビル開発会社への出資について」の文書では▽発起人総代の氏名▽発起人名簿の法人名称、所在地、代表者名▽設立時の公開部分を拡大した。(京都新聞 夕刊)
■市バスにトラック追突 ラッシュ時乗客ら7人けが 四条河原町
 13日午前8時10分ごろ、京都市中京区河原町通四条上ルのバス停留所「四条河原町」前で、停車中の京都駅発松ヶ崎行き市バス=伊藤明運転手(28)=に、伏見区深草西浦町6丁目、養豚業手伝い西山敏博さん(19)のトラックが追突した。バスの乗客6人と西山さんが、腰や顔などに軽いけがを負った。
 事故当時は朝の通勤や通学のラッシュ時間帯で、バスはサラリーマンや学生約40人でほぼ満員だった。
 バス停で乗客が乗り降りした直後で、立っていた乗客らが車内で倒れた。バスは現場で運行を中止、乗客は後続のバスに乗り換えた。
 五条署の調べでは、西山さんは右側車線に出ようと右後方の車に気をとられて追突したといい、西山さんのけがの回復を待って詳しい事情を聴く。
 トラックは養豚に使う残飯を集めに回っており、道路に残飯などが散乱した。
 バス停を一時的に移動して残飯を回収する作業が行われたが、周囲の交通には影響はなかった。
 最後部の座席に座っていた滋賀県滋賀郡志賀町高城、京都市消防局職員栗栖英夫さん(38)は「バスの発進寸前、後ろでバーンという音がして、立っていた乗客5、6人が倒れた、何が起きたのか、始めは分からなかった」と事故の模様を話した。(京都新聞 夕刊)
■東海道新幹線、54本遅れる
 13日午前9時2分ごろ、東海道新幹線三島−新富士間の上り線で、姫路発東京行き「ひかり126号」の運転台に突然、停止信号が表示され、運転を中止した。同時に同区間の送電がストップした。JR東海で安全確認のため熱海−静岡間の上下線を停電させたあと、別の変電所から電気を供給し約30分後、三島−新富士間を30`以下の徐行で運転を再開した。
 JR東海によると、同区間の信号ケーブルと送電線に焼け焦げたとの情報表示が運転指令に入った。また静岡県沼津市内で線路わきの信号ケーブルが焼けていたのが確認された。ケーブル焼損により信号異常が起きたらしい。復旧は午後の見込み。この事故で、正午までに54本が最高74分遅れ、約5万人に影響した。(朝日新聞 夕刊)
14日■SLの雄姿ずらり 大阪、尼崎の2金融機関 パネルなど展示
 明治5年、新橋−横浜間を初めて鉄道が走った日を記念した鉄道記念日(10月14日)にちなみ、神戸市在住の鉄道コレクター龍雅之輔さん(57)のSLコレクションが、大阪市と尼崎市の金融機関で展示されている。
 大阪市・梅田の日本債権信用銀行梅田支店(阪急グランドビル2階)では“貴婦人”の愛称で呼ばれるC57が山陰本線・嵯峨あたりを走る姿(昭和46年)や、日本最大重量級のC62が呉線を行く雄姿(同43年)の写真パネルなど、13点を展示。また尼崎市西本町の尼崎信用金庫「世界の貯金箱博物館」(阪神・尼崎駅下車)では写真パネルのほか、鉄道図書やSLを形どった文具、雑貨、テレホンカードなど60点を並べている。写真はいずれも龍さんが撮影したもの。
 日本債権信用銀行の展示は30日まで(土、日曜休み)、博物館の展示は31日まで(日、月曜休み)。(京都新聞)
■新幹線遅れ 24万人に影響 同時多発ゲリラで
 13日午前起きた信号ケーブルへのゲリラ法科事件のため、三島−新富士間で徐行運転が続いた東海道新幹線は同日午後7時前、約10時間ぶりに復旧した。
 しかし、ダイヤの乱れは終日続き、上下59本が運休。博多発東京行きひかり4号など181本が6時間18分−5分遅れるなど計約24万人の乗客が影響を受けた。
 JR西日本はこの間、大阪から中国、九州方面に向かう乗客のため、山陽新幹線を4本増便した。
 東海道新幹線は5月、名古屋−三河安城間で「のぞみ」型車両が故障、5時間近くストップして約15万人が影響を受ける事故が発生したが、今回はこれを上回る今年最悪の事態となった。(京都新聞)
■未公開部分を公開へ JR京都駅改築関係公文書4件 審査会答申で
 府は13日、JR京都駅の改築問題に関する公文書「京都駅ビル開発株式会社への出資」など4件について、これまで未公開だった発起人総代の氏名、設立時の大まかな出資構成などを公開することを決めた。これらの文書については、市民団体「のっぽビル反対市民連合」(代表・西山夘三京大名誉教授)が、公開しないことに対して異議申し立てをしており、府公文書公開審査会が今年6月、公開をしていくよう答申を出していた。
 今回、公開することが決まったのは、京都駅開発準備会社の代表清算人氏名や営業報告書の一部なども含み、同審査会の答申を全面的に受け入れた形になった。(朝日新聞)
■追突され乗客ら7人けが 中京で市バス
 13日午前8時10分ごろ、中京区河原町通四条上ルの市道で、三哲発松ケ崎海尻町行きの京都市バス(伊藤明運転手、乗客約30人)に伏見区の養豚業手伝いAさん(19)運転のトラックが追突した。この事故で、バスの乗客やA さんら計7人が顔や手などに軽いけがを負った。追突のはずみでトラックに積んであった養豚用の残飯が路上に散乱した。
 五条署の調べでは、Aさんが前をよく見ていなかったらしい。事故当時、バス停で乗客がバスから乗降中だった。
 乗客の会社員(52)は「ぶつかった後、車内から『何があったんだ』と声が上がった。バスに乗り込もうとした女子高校生が床に打ちつけられるのを見た」と話している。
 現場は市中心部の繁華街。事故があった河原町通は一時、片側の一車線が通行できず、通勤途中の車などで渋滞した。(朝日新聞)
■新幹線59本運休 多発ゲリラ
 同時多発ゲリラ事件で静岡県内の信号ケーブルが焼かれたため、三島−新富士間で徐行運転をしていた東海道新幹線は13日午後6時53分、復旧作業を終え、約10時間ぶりにほぼ正常運転に戻った。しかし列車の遅れは最高6時間20分に及んだうえ運休も相次ぎ、ダイヤは今年度最大の乱れとなった。
 JR東海によると、この事件で上下59本が運休。午前7時42分博多発「ひかり4号」が、午後1時32分の東京到着予定から約6時問20分遅れとなったのをはじめ、上下181本に遅れが出て約24万人が影響を受けた。
 東海道新幹線が大幅に遅れた影響で、JR西日本は13日正午すぎから午後1時すぎにかけ、新大阪から西に向かう乗客のため、山陽新幹線に博多行きひかり2本、小倉行きひかり1本、岡山行きこだま1本の計4本を臨時運転した。JR新大阪駅には午後3時ごろから、2時間以上遅れた列車が次々に到着。精算所の前は特急料金の払い戻しを求める乗客で、1時間余にわたってごった返した。
 警察庁によると、13日の自衛隊カンボジア出発に反対するためとみられる同時多発ゲリラは、東海道新幹線、東北・上越新幹線、名古屋鉄道の関係施設10ヵ所と、愛知県内の神社5ヵ所、名古屋市のデパート1ヵ所の計16ヵ所になった。(朝日新聞)
■新幹線、平常運転に
 13日起きた信号ケーブルへのゲリラ放火事件のため、終日ダイヤが乱れた東海道新幹線は、14日の始発から平常運転に戻った。
 また、13日午後11時42分東京着予定だった新大阪発のこだま462号が52分遅れで東京駅に着いたため、在来線に乗り換えられなかった乗客約250人が車内で1泊した。(京都新聞 夕刊)
15日■一時運転見合わせ 大雨で山陰線
 JR山陰線は15日、兵庫県城崎郡城崎町の城崎駅の雨量計が1時間に45_を超えたため、同町の玄武洞駅と同郡竹野町の竹野駅間で、午前7時31分から同9時21分まで運転を見合わせた。このため、鳥取発大阪行き上り特急「はまかぜ2号」が1時間20分遅れたほか、普通列車上下各3本が遅れ、約1000人の乗客に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
16日■地下鉄が故障発車できず 十条駅、10分後に運転
 15日午後10時25分ごろ、京都市地下鉄の北山発新田辺行き車両(6両編成)が京都市南区西九条東柳ノ内町の十条駅ホームを発車しようとしたところ動かず、同駅に約10分間停車した。地下鉄には約150人が乗っていた。
 京都市交通局十条駅で保安装置を解除、運転を再開した。竹田駅まで運行した後、乗客をおろし、後続の近鉄車両に振り替えた。
 故障車両は近鉄の西大寺車庫に回送、電気系統を中心に原因を調べている。(京都新聞)
■信号故障で列車遅れ JR福知山線
 16日午前5時40分ごろ、兵庫県のJR福知山線・下滝(山南町)−丹波大山(丹南町)間で、信号が故障。約1時間20分後に復旧した。
 このため、上りの急行、普通計2本が1時間程度遅れ、乗客約300人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■75歳の女性がはねられ死亡 八尾のJR関西線
 16日午前7時45分ごろ、大阪府八尾市植松町四丁目のJR関西線八尾駅近くの渋川踏切で、近くの無職の女性(75)が、奈良発大阪行きの区間快速電車にはねられ、頭を強く打って約1時間後に死亡した。
 八尾署の調べでは、遮断機が下り、警報機が鳴っているのに、無理に踏切内に入ってはねられたらしい。
 この事故で、快速電車が現場で8分間立ち往生したほか、後続5本が遅れ、通勤、通学客ら約9000人が影響を受けた。(朝日新聞 夕刊)
17日■「オザキ」名乗れば指定席 不明グループに便宜5年 JR東海
 JR東海の東京車掌所が東海道新幹線で、「オザキ」と名乗る特定のグループに対して、座席指定の手続きなしでグリーン席に案内する便宜を与えていたことが16日までに、わかった。期間は87年春ごろから今年1月までの約5年間で、便宜は数十件にのぼるという。JR側の過失でグループの1人とトラブルが起き、同車掌所が「サービスアップに努める」と約束させられたのがこの過剰サービスの発端らしい。JR側はグループ数人の名前や住所も知らないままだった。
 JR東海によると、便宜は、「オザキです。これから『ひかり○号』に乗る」という電話が東京車掌所に入ると、車掌所の当番助役がオザキ氏の乗り込む列車の車掌に連絡する。そしてグリーン席に姿をみせたオザキ氏を車掌が座席に案内していた。同社は3、4人が、「オザキ」を名乗って便乗したとみている。
 JR東海によると、オザキ氏とのかかわりが出来たのは87年春ごろ。オザキ氏の友人が満員の「ひかり」に乗車した際、JR側のミスで他人と座席が重複したため、長時間にわたって席を立たされたトラブルがあった。その直後、この友人との話し合いの中で、JR側が「今後はサービスアップに努める」という約束をした。しばらくして、友人から話を聞いたとみられるオザキ氏から電話が入り始めた。
 「お客様に迷惑をかけ弱気になっていたので…。友人から聞いたと言われ応じてしまった」とJR東海は説明する。(朝日新聞)
■線路上にシート 車内から捨てた? 未明ダイヤ混乱 1000人影響 JR神足−向日町間
 17日午前0時7分ごろ、向日市上植野町のJR東海道線神足駅−向日町駅間で、野洲行き上り快速電車の運転士が車体の下から異音がするのに気づいた。停車して点検したが異常はなく、8分後に発車した。その後も砂利を巻き上げるような音がするため、京都駅到着後に調べたところ、先頭車両と2両目に物が当たったような傷があった。
 また、同0時半ごろ、大阪行き下り普通電車を大阪駅到着後に点検した際、2両目のシート1つがなくなっていた。このため神足駅−西大路駅間を調べると、上り線路付近にシートのスプリングなどの部品がバラバラに散らばっていた。
 京都府警鉄道警察隊と向日町署は、下り普通電車の乗客が、窓から上り線路内にシートを投げ捨てたものとみて、列車往来危険の疑いで調べている。シートは3人掛け、長さ1.3bあり、取り外せるという。
 京都駅で停車した快速電車は50分遅れで発車。約250人の乗客は回送電車を旅客扱いにして、振り替えたのをはじめ、上り8本が50分から8分遅れ、乗客約1000人に影響がでた。(京都新聞 夕刊)
18日■市交通局九条営業所開所15執念 住民多彩にふれあい 市バス業務をPR
 「市バスと地域住民ふれあいフェスティバル」が17日、南区の市交通局九条営業所(橋本輝男所長)で開かれ、秋晴れのもと、市民約1000人がイベントや展示などを楽しんだ。
 市バス業務をPRし、地域住民との交流を図る目的で、開所15執念記念に同営業所が開催。今回は九条署や南消防署も特別参加し展示を行った。
 会場となった構内は、模擬店、チャリティバザーコーナーを始め、「ちんちんバス」の開放コーナー、交通局の歴史展、ランチュウの稚魚プレゼント、職員手づくりのミニティーゼル電車など盛りだくさん。白バイや消防車も並べられ、あちこちで人だかりができた。
 なかでも、ミニ電車と消防の耐震車は実際に乗れるとあって、子供たちの行列ができるほどの人気ぶり。特設ステージでは、交通安全教室や洛南高校ブラスバンド部による演奏も行われた。(京都新聞)
20日■電車29本が一時立ち往生 夕方の御堂筋線
 19日午後6時22分ごろ、大阪市営地下鉄御堂筋線で、電車への送電がストップ、運行中の上下計29本すべてが一時、立ち往生した。同市交通局運転指令所の指示で安全確認後、約6分後の同28分に送電を再開した。
 電車内は予備灯が点灯し、大きな混乱などはなかったが、夕方の通勤ラッシュと重なり、約13000人の足が乱れた。(京都新聞)
21日■京都駅改築で市長に要望 対象の町内会
 JR京都駅改築に伴う土地区画整理事業の対象世帯を抱える京都市下京区東塩小路町・三哲町内会(中村力会長、16戸)は20日、「高齢者が多く、立ち退きなどについて、非常に不安が大きい」として、事業を進めるにあたっては住民の意向を十分尊重するよう、田辺朋之市長に要望書を出した。
 三哲町内会で8戸(14人)が土地区画整理事業区域内に入るが、80歳を越える人のいる世帯が4戸もあるなど高齢者世帯が多い。この日、京都市役所を訪れた住民の一人で独り暮らしの女性(81)は「50年も住んでいるのに、ある日突然、立ち退きの話が出てきた」といい、中村会長は「町内には計画に反対する人もいるが、住民の総意として、今まで通りの生活は最低限守ってほしいということです」と話している。(京都新聞)
■来月から 建都記念市バス発車 ボディーのマスコットも一役 京都市交通局
 平安建都1200年記念協会と京都市交通局は、再来年の建都1200年に向けて機運を盛り上げるために11月1日から「平安建都1200年記念バス」を運行する。さまざまなポーズのかわいい1200年マスコットが、街中をかけめぐり、目を楽しませてくれる。
 記念バスは新造車で計20台。各営業所に2、3台配車する。建都1200年のマスコットが飛んだり、跳ねたりしている絵が車体に描かれおり、楽しいイメージをふりまき、PRに一役買う。
 またこのバスの導入を記念して市交通局は11月1日から、運行記念乗車券1万部(1部200円)を発売する。発売期間は来年2月末まで。(京都新聞)
■環境に優しいバス導入 京都市交通局 クーラーに新冷媒
 京都市交通局は20日、本年度後期に導入する市バスの新造車両53台すべてをオゾン層を破壊しないとされる134aをクーラーに使用した車にすることを決めた。
 本年度導入する新造バスは101台でうち前期(今月下旬)に48台、後期(来年3月中)に53台を予定している。現在、バスのクーラー用冷媒として使用されている「フロン12」は、オゾン層を破壊するとして全廃の方向にある。
 今回、オゾン層を破壊しないとされる冷媒「134a」と、これに対応する機器が開発されたことで、少しでも環境にやさしいものをと、導入を決めた。
 前期分には機器の開発が間に合わなかったが、48台のうち4台は、オゾン層をほとんど破壊しないといわれる「フロンR22」を使用したクーラーを搭載させる。市交通局は、今後のバス更新時は、すべて冷媒「134a」を使用したクーラーにすることにしているが、現在924台の全車両が、この冷媒使用に換わるには約10年はかかるとしている。(京都新聞)
22日■近く着工の仮駅舎建築 「本体」とは別手続き JR京都駅改築田辺市長が表明
 京都市の田辺朋之市長は21日の定例記者会見で、JR京都駅改築問題について、月内に市都市計画審議会を開き、年内に府都計審で計画決定できるよう府に要望していく考えを改めて強調した。またJR西日本が11月初旬にも着工を予定している仮駅舎の建築確認については、駅ビル本体の都市計画決定とは切り離して判断していく方向を示した。
 先月末から今月12日まで行われた同駅ビルを含む特定街区都市計画案の縦覧の結果、意見書が125件を数えたことについて、田辺市長は「景観等にいろいろな意見が提出された。市民の関心は深い」とし、「京都駅改築は市民の利便や京都の活性化につながるとともに、京都の歴史風土、自然景観との調和を図りつつ、新しい都市景観を創造するものと考えている」と延べた。
 仮駅舎の建築確認の時期については、内田俊一企画調整局長が「別途の手続きがあり、法的には(駅ビルの都市計画決定と)連動しない」と説明した。
 右京区の小倉山のトンネル残土処分問題については、田辺市長は、搬出に長期間を要することや自然環境への新たな影響、市民生活への支障など、残土搬出の難しさを指摘。その上で「JR残土処理して昔の姿にほぼ戻して植栽する考えを、関係機関と相談している段階」であり、問題解決にはなお時間を要するとの認識を示した。
 このほか金丸問題についての記者からの質問に、田辺市長は「市長就任以来、開かれた市政を言ってきたが、政治の仕組みが(国民に)良く分かるようにすることが大事。今回の問題を契機に、政治の浄化、選挙制度の改正など、改正すべきところは十分に改正するべきだと考えている」と延べた。(京都新聞)
■地下鉄東西線 全体的には遅れぎみ 京都市会現場視察 御池工区などは順調
 京都市会水道委員会(青木善男委員長)は21日、京都市の地下鉄東西線の建設現場を視察、工事の進ちょく状況などを見て回った。工事の進み具合は工区によりまちまちで、全体としては遅れ気味だが、市交通局は「予定通り1994年度の完成を目指したい」としている。
 委員会は、まず東西線(醍醐・JR二条駅間12.9km)で、一番早く着工(90年1月)した御池工区を視察。すでに地下23bの最深部まで鉄骨が縦横に組み立てられ、地下鉄烏丸線が通る巨大な壁が、中央部を南北にさえぎる。工事は比較的順調に進んでいる。このあと東山トンネル、山科の御陵駅・御陵東工区、醍醐南工区と見て回った。全25工区のうち山科駅工区を除いて着工している。
・各工区の進ちょく率
 市交通局がまとめた各工区の進ちょく率(%)と今後の見通しは次の通り。
 【京都市建設区間】〔醍醐南〕15%〔醍醐北〕9%=両工区とも今月以降、車庫工事に全面着工〔小野南〕27%〔小野駅〕16%=両工区とも道路狭く工事用地の借地と地下埋設物処理の準備に長時間を要する〔勧修寺〕22%=地下鉄の位置と競合する幹線下水管の一部移設が必要〔椥辻駅〕9%〔東野駅〕28%=両駅間のトンネル部は駅部分の一部完成後に施工〔山科駅〕未着工=地下鉄線上の用地確保が必要で用地交渉中〔安朱〕15%=シールド工法のため山科駅工区の進捗状況に影響される〔御陵東〕7%=道路の狭さと京阪京津線工事のためシールド工法への変更を検討中〔鴨川横断〕0%=シールド工法のため隣接駅の一部完成後に施工〔市役所前〕16%=地下街と同時施工のため予定工期に完成は厳しい〔堺町〕50%〔御池駅〕55%=両工区とも順調〔西洞院〕1%=隣接駅の一部完成後に施工〔堀川駅〕36%〔押小路〕38%=工事再開後、順調〔二条駅〕48%=都市計画道路予定地を借地して工事を先行
 【京都高速鉄道建設区間】〔御陵駅〕23%=京阪京津線防護工事に長時間を要し、予定工期完成は厳しい〔東山トンネル〕30%=工事は順調〔蹴上駅〕34%=京阪京津線防護工事に時間を要するが順調〔神宮道〕1%=隣接駅の一部完成後に施工〔東山駅〕35%=京阪京津線の踏切切り替え工事に長時間要し、予定工期完成は厳しい〔東大路〕1%=隣接駅の一部完成後に施工〔三条京阪駅〕23%=京阪京津防護工事に長時間要し、予定完成は厳しい(京都新聞)
■丹波高原ゴルフ場 年内にも着工 JR西日本社長明かす
 丹波高原開発会社(本社・京都府船井郡丹波町、社長・小金沢章吾JR西日本常務)が丹波町で計画中の「丹波高原ゴルフ場」が年内にも着工する。JRにしにほんの井手正敬社長が21日の定例記者会見で明らかにした。
 井手社長は関連事業も進めていきたい、とするなかで同ゴルフ場の着工に触れた。
 同社は丹波町、JR西日本などでつくる第三セクターで、1988年秋設立。同町実勢の山林約240fに36ホールのゴルフ場を計画している。当初は165f、18ホールの規模で今春開業の計画だったが、89年に規模を拡大した計画に変更したこともあって着工がずれこんでいた。
 京都府は90年夏に環境影響評価(環境アセスメント)を実施、今年7月31日に開発を許可した。同社は今年中にも起工式を行い、全敷地の41%をクラブハウス、コースなどの施設に当て、残りを緑地にしたゴルフ場を建設する。95年秋に全体の8割がたを建設し、18ホールでオープン。
 残り18ホールは2期工事とし、96年秋に全面完成させる予定。(京都新聞)
■蒸気機関車館開設20周年 あすから「梅小路フェス」 人気のD51、C62など展示
 SLの博物館・梅小路蒸気機関車館(京都市下京区)の開設20周年と鉄道開業120周年を記念して、JR西日本は23日から3日間、同館で「梅小路フェスティバル」を開く。鉄道ファンに人気のD51や急行旅客用として活躍した日本最大のC62などを初めてライトアップして展示するほか、鉄道展やクイズ大会などを催す。
 梅小路蒸気機関車館は1972年、鉄道100年を記念して国鉄が開設した。現在、扇形の車庫に日本の代表的な蒸気機関車16両を収めている。館内は3つの展示館に分かれ、SLの原理や歴史、まぼろしの機関車C63型の模型、お召し列車コーナーなど、多くの部品や資料を保存している。
 フェスティバルでは、鉄道ファンだけでなく、広く一般にも同館のことを知ってもらおうと開く。23、24の両日、午後4時からSLを3台つないだ三重連で構内運転をしたあと午後5時から午後8時まで特に人気の高い4台を並べ、ライトアップして迫力ある姿を見せる。
 25日午前10時からは、○×や早押しで鉄道博士を決める「決定!鉄道博士! 世紀の大鉄道クイズ!」を行う。専門知識の必要な難問も出され、チャンピオンには認定証を渡す。
 また期間中「鉄道展」では、大正時代の時刻表や明治、昭和初期の切符、ヘッドマークなど、鉄道の歴史を物語る資料や新幹線高速試験車WIN350の実物大模型など、鉄道の昔と今を集めて展示する。このほか、子供たちを乗せ、実際に石炭をたいて蒸気を上げて走るミニSL運転やぬいぐるみがSLを紹介するSL劇場も開く。
 入館料は高校生以上260円、4歳以上150円。午前9時半から午後8時まで(25日は午後5時まで)。(京都新聞)
■冬の臨時列車2510本 JR西日本
 JR西日本は21日、今年12月1日から来年2月28日までの臨時列車運転計画を発表した。期間中の利用者総数は、低迷する景気を反映して前年より4万人減の937万人を予想しており、季節・臨時列車は前年比7%減の計2510本を運行する。
 年末年始(12月26日−1月5日)期間は1319本の増発。湖西・北陸線に、衛星放送が受信可能などの新特急車両「ニュー雷鳥」を初めて走らせるほか、例年通り帰省・Uターン客向けに全車指定の新幹線「ひかり」や在来線「あさしお」などを運転する。正月三が日は神戸から伏見稲荷へ直通の「稲荷初詣号」を1日3往復運転も。
 スキー列車は蔵王などに走る「シュプール号」以外に、姫路−近江今津を結ぶスキートレイン「箱館山」、和歌山−近江今津の同「琵琶湖」ほかを予定している。(京都新聞)
■カニスキ号など臨時517本 JR福知山支社 今冬の輸送計画発表
 JR福知山支社は21日、今冬の旅客輸送計画を発表した。12月1日から来年2月までの期間中、行楽や年末年始向けに延べ計 517本の臨時列車を運転。昨年より50万人増の約1100万人の利用を見込んでいる。
 行楽関係では、昨年より30本多い405本を運転。期間中の週末、祝日などに福知山、播但線で、「味めぐり」の特急・北近畿カニスキ号(米原−城崎、大阪−城崎)、急行・但馬カニスキ号(大阪−浜坂)、快速・浜坂カニスキ号(同)を走らせる。
 このうち、但馬カニスキは昨年に続いて、SLやまぐち号のレトロ客車を使用。浜坂カニスキは、サロンカー「なにわ」の車両を使う。(京都新聞)
■1日から踏切事故防止運動
 近畿運輸局、JR西日本、関西鉄道協会など5団体は11月1日から10日間、近畿2府4県で一斉に踏切事故防止キャンペーンを繰り広げる。
 近畿運輸局管内では、鉄道運転事故は近年増加傾向にあり、うち半数強が踏切事故。昨年度は運転事故205件中105件が踏切での事故だった。原因のほとんどは道路を通行する人や車両側にあったといい、キャンペーンで訴え事故防止につなげたい、としている。
 JR西日本、私鉄大手5社などは2日、各社ごとに主要駅でオープニングセレモニーを実施する。京都駅で午後3時から、踏切内に閉じ込められた時の脱出方法実演や京都府警音楽隊の演奏を行うほか、近鉄が午前10時から京都駅で、叡山電鉄が午前8時から出町柳駅でそれぞれPR用のティシュペーパーなどを配布する。
 このほか各地踏切でドライバーらに訴えたり、ポスターなどで呼びかける。(京都新聞)
■1日に交通局まつり コンサートや忘れ物セール
 京都市交通局は、市営交通80周年記念「交通局まつり」を11月1日、京都市上京区のKBS京都ホールで行う。京都の交通の将来を考えるシンポジウムや高石ともやコンサート、忘れ物・バス部品セールなど盛りだくさんの催しを計画している。京都市の交通事業は明治45年6月11日、烏丸通や四条通に市電が走ったのが始まり。今回は6月に開いた記念行事に続く第2弾。
 当日は午前9時45分からのオープニングセレモニーのあと、10時からは記念シンポジウムに移り、吉田義男・元阪神タイガース監督の講演と「21世紀に向けての京都の都市交通を考える」をテーマにパネルディスカッションが行われる。天野光三大阪産業大教授をコーディネーターに、斉藤芳夫近畿運輸局企画部長や女優の南田洋子さんらがパネラーとして意見を述べる。 午後からは高石ともやコンサートや仮面ライダーなどのキャラクターショーが開かれる。市バスのボディーに好きな絵が描ける「絵画バス」も会場に置かれる。忘れ物セールは午前10時半、市バス部品セールは午後2時から。ミニ模擬店も出る。入場無料。(京都新聞)
■「次世代新幹線 最高速下げも」 JR西日本社長
 最高速度350`を目指す次世代新幹線を開発しているJR西日本の井手正敬社長は21日の記者会見で、試験車両「WIN350」の騒音対策が難航していることから「350`の能力はあっても、320`で走ることもあるかもしれない」との見通しを明らかにした。
 WIN350は、6月から山陽新幹線で走行試験を始め、8月から環境対策試験をしている。その結果、環境庁が定めている暫定基準の75ホンを「かなり超える」騒音が出ており、特に320`を超えるとひどくなるという。(朝日新聞)
■JR奈良線 「六地蔵駅」が開業 31年ぶり宇治に新駅
 宇治市六地蔵で建設が進められていたJR奈良線の新駅「六地蔵駅」が完成、22日、同駅で開業式典が行われ、営業を開始した。同市内での新駅は黄檗駅に次ぎ31年ぶりとあって、初日から周辺住民らが利用した。
 同駅の建設は、昭和54年から地域住民らが強く要望、宇治市でも「北の玄関口」と位置づけ、実現へ向けた取り組みを展開。昨年8月から駅周辺整備も含め総事業費約16億3000万円をかけ、着工した。
 木幡−桃山駅の中間に完成した六地蔵駅は、地平駅で、駅舎は鉄骨パネル張り延べ191.3平方b。採光に配慮してガラス面を多くし、外観もシルバーメタリックの色調で仕上げるなど、未来の都市像と地区の将来像を託したモチーフ。また、ホームは島式ホームで、延長125b、幅4−6b。駅舎とは、エスカレーターと会談で直結され、障害者の車いす利用もできるような工夫も。
 開業式典は、午前9時から1日駅長のミス宇治・新村夕理さん(22)への委嘱状が手渡され、関係者が出席して神事が行われた。続いて、駅舎コンコースでの開業式が催され、待望の駅完成を祝った。(京都新聞 夕刊)
23日■JR城陽駅 快速電車が停車 1日に上下16本
 城陽市寺田、JR奈良線城陽駅に22日から快速電車が停車することになり、同駅ホームで記念出発式が開かれた。
 JR西日本によると、上下16本の快速電車が城陽駅に停車。これまで同駅から京都駅までは32分かかっていたのが22分に、奈良駅までは33分が21分にそれぞれ短縮された。また、この日から普通電車も上下1本ずつ増発された。
 JR奈良線は1984年に電化され、去年3月に初めて宇治、木津両駅に快速電車が停車するようになった。城陽市は京都市のベッドタウンとして宅地開発が進み、利用者が増加。城陽駅の1日の乗客数はここ10年で2倍近い約2000人に増え、快速の停車を望む声が強かった。
 出発式には、今道城陽市長ら約50人が出席、今道市長は「待望の快速電車が停車することになり喜びにたえない」と話した。(朝日新聞)
■「六地蔵駅」が開業 普通電車104本停車 JR奈良線
 JR奈良線の17番目の駅として22日、宇治市六地蔵奈良町に六地蔵駅が開業した。宇治市の「北の玄関口」として府や宇治市がJR西日本に設置を要望していた駅で、建設費の85%を地元が負担した。木幡駅から約1`北側、桃山駅よりにあり、1日に上下合わせて104本の普通電車が停車、4800人が利用する。(朝日新聞)
■ダンプ“あお向け”伏見・地下鉄工区 運転手が重傷
 23日午前9時半ごろ、京都市伏見区醍醐川久保町、市交通局地下鉄東西線小野南作業所工区の資材置き場で、向日市上植野町鴨田、木山建材のダンプカー=木山寿幸運転手(50)=が、残土を埋めるための穴(深さ3.4b)にあお向けに転落した。居あわせた作業員が掘削機で車体の一部を持ち上げ、木山運転手を助け出したが、全身強打などで3ヵ月の重傷。
 山科署の調べでは、ダンプカーは荷台に積んでいた土を穴に捨てるため荷台を上げたところ、バランスを崩して、車体後部から穴に転落したらしい。穴の幅は6b、長さ5bあり、地下鉄工事で掘り出した土をここで固めたあと別の場所で処理している、という。(京都新聞 夕刊)
24日■在来線の特急より騒音減少 山形新幹線、県が調査
 山形県公害課は23日、7月に開業した山形新幹線つばさの騒音は、最高速の約130`で走行する同県東置賜郡高畠町の調査地点でも77デシベルにとどまり、同地点を95`で走っていた1年前の在来線特急の85デシベルと比べて8デシベル減少したなどとする調査結果を発表した。
 発表によると、スピードアップにもかかわらず、5ヵ所の調査地点のいずれも8−4デシベルほど在来線特急より低くなっていた。(京都新聞)
■ダンプあお向け 地下鉄工事の穴に転落 伏見区
 23日午前9時35分ごろ、伏見区醍醐川久保町の市営地下鉄東西線の小野南作業所で、地下鉄工事の残土をためる穴(幅約5b四方、深さ約3.5b)に、作業中の向日市上植野町鴨田、建設業「木山建材」のダンプ=木山寿幸さん運転(50)=が転落。木山さんは全身を打って重傷。
 山科署の調べでは、木山さんがダンプ荷台の残土を穴の中に注ごうと荷台を上昇させたところ、残土がこぼれ落ちなかったため、バランスを失ったダンプが転落したらしい。(朝日新聞)
25日■組織統一を方針化 JR九州労組
 JR九州内最大労組で旧鉄労系のJR九州労組(一力忠委員長、8300人)は24日、福岡市内で臨時大会を開き、国労脱退者で組織する九州鉄産労(石田正信委員長、2850人)との組織統一を決めた。
 今後、双方でつくる統一準備会で名称や組織機構について協議し、早ければ来年春にもJR九州の労働組合員の8割を占める新組織が発足する。
 大会では、対立時代のしこりなど感情問題が組合員の一部に残っていることが指摘されたが、執行部の主張する「一企業一組合の実現」が支持された。(京都新聞)
■JR高架にバスが衝突 淡路の高校生らけが
 24日午後2時10分ごろ、神戸市須磨区行平町三丁目の市道で、JR山陽線の高架をくぐろうとした淡路鳴門岬公園開発事務組合所有の中型バス=三原郡町村会職員、榎本照茂さん(34)運転=が天井部分を高架に衝突させ、前部を大破した。乗っていた兵庫県立三原高校の生徒15人や教師ら計19人のうち、最前列に座っていた中村勝年教諭(34)が頭を打って入院したほか、生徒7人が顔やひざなどに軽いけが。
 生徒らは国指定の重要無形民俗文化財「淡路人形」の保存に取り組んでいる同校郷土部のメンバー。この日、神戸市で開かれた「第1回全国ボランティアフェスティバル」開催記念レセプションで、淡路人形を披露するため、会場の兵庫県公館に向かう途中だったが、この事故で披露は取りやめとなった。(朝日新聞)
26日■制御盤など検証始める 信楽事故で滋賀県警
 昨年5月の信楽高原鉄道事故の原因について捜査している滋賀県警捜査本部は、26日か朝から2日間の日程で、同鉄道信楽駅の制御盤などの検証を始めた。これまでの捜査で明らかになった事実の最終的な再確認の作業と見られ、原因究明の捜査は最終段階に入った。
 この日の検証には、信号システムについての鑑定を行っている運輸省交通安全公害研究所の鑑定官も立ち会い、信楽駅や小野谷信号所の制御盤などを主に目で確認する方法で調べた。(京都新聞 夕刊)
■事故表示灯点灯で運休、500人が足どめ 加茂のJR関西線
 26日午前8時10分、京都府相楽郡加茂町里のJR関西線で、加茂発湊町行き快速列車が発車しようとしたところ、運転台の事故表示灯が点灯。調べたが原因不明のため運転を取りやめた。乗客約500人が影響を受けた。後続車両への影響はなかった。(京都新聞 夕刊)
27日■JR西日本が支社制を導入 京都・大阪・神戸に
 JR西日本は26日、現在直轄管理している近畿圏エリアに支社制を導入、来年6月から京都、大阪、神戸の3支社を設置する、と発表した。
 同エリアの約1万5000人の社員を3支社に分けることで、きめ細かな業務を進めるため、としている。3支社の規模は大阪が7000人、京都、神戸はそれぞれ4000人程度を想定。各支社は鉄道業務の管理をを行い、運行、関連業務に関しては引き続き本社が行う。支社長は未定。
 京都支社の担当エリアは、東海道本線の吹田駅から東、奈良線の上狛駅から北、草津線の油日駅から北となる。支社は京都駅構内で現在建設中の6階建てビルを増築して開設する計画。組織は8つの課から構成し、総務企画課に安全対策室を置く。(京都新聞)
■旧国鉄用地に億ション登場 西宮で近畿初の分譲
 国鉄生産事業団近畿支社は26日、最高価格が約2億5000万円の分譲マンション「レールシティ甲子園口」(兵庫県西宮市松並町)の販売概要を発表した。近畿の分譲は初めて。
 同マンションは、JR東海道線甲子園口駅から徒歩6分の旧国鉄用地に建設中。阪神間では有数の閑静な高級住宅地にあり、「大阪、神戸へ30分」が売りもので、2LDK(90平方b)、3LDK(120平方b)、4LDK(170平方b)の3タイプ計60戸。地価の下落で分譲価格は当初の見積もりより約3割安くなったというが、税込みの最高価格は約2億5000万円で、最低でも約7000万円。最多タイプの3LDK(41戸)は約9000万円。問い合わせは同近畿支社開発企画室 06(304)2985・2986。(京都新聞)
■億ションいかが 西宮の旧国鉄跡地 値下がりしました 7000万〜2億5000万円
 旧国鉄跡地に建設されていた兵庫県西宮市内の「億ション」が来年1月から販売される。バブル経済崩壊の影響で、販売価格は当初予定の約3割安だが、それでも最高価格は約2億5000万円。国鉄清算事業団が跡地にマンションを建てて売却するのは全国で4件目だが、高額所得者層をねらった高級マンションの販売は初めてのケース。
 マンションは同事業団近畿支社が、1990年11月から、西宮市松並町の旧国鉄宿舎跡地に建設している「レールシティ甲子園口」。JR東海道線甲子園口まで歩いて6分の住宅地で、大阪、神戸へともに30分以内の好立地。
 地下1階地上6階建てで、2−4LDKタイプ(90−166平方b)計60戸。地下は駐車場で全戸分ある。
 販売価格は2億5000万円−7000万円。9000万円台が中心だが、それでも近畿圏のサラリーマンの年収の約12倍。
 同事業団近畿支社は「計画したころは、億ションが売れていた時代。中途半端なものより、思い切って高級なものをつくった方がよいと考えた」という。(朝日新聞)
28日■「ひかり」床下から煙 JR京都駅に77分停車
 27日午後8時半ごろ、京都市下京区のJR京都駅新幹線ホームで、博多発名古屋行き「ひかり60号」=16両編成=の7号車付近の床下から煙が出て、異臭がしているのを車掌が気付いた。運転士が床下を点検したが、原因ははっきりせず、同ひかりは同ホームに77分停車、名古屋の車両基地まで回送した。約150人の乗客は後続のひかりなどに乗り換えた。後続ダイヤへの影響はなかった。JR東海で原因を調べている。(京都新聞)
■「STAR21」国内最高352` JR東日本
 JR東日本の新幹線用高速試験車両「STAR21」が27日午後11時38分、上越新幹線浦佐−新潟間で実施した高速走行試験で時速352`を記録を達成した。
 これまでの国内最高はことし8月8日、JR西日本の「WIN350」(500系)が山陽新幹線新下関−小郡間で出した350.4`。世界記録はフランス国鉄のTGVが1990年5月に達成した515.3`。
 JR東日本は30日と11月1日の早朝にも高速走行試験を実施するほか、騒音、振動など環境関係のデータを集める。
 「STAR21」(9両編成、全長約200b)はJR東日本が次世代新幹線車両開発のため最高時速430`、営業最高時速350`を目標に、ことし3月完成させた試験車両。騒音や振動の低減を狙って、車体重量を従来型新幹線車両の約半分に軽量化したり、先頭形状をくさび形にするなど“環境に優しい新幹線”を目指している。
 JR東日本は平成5年度まで、車両改良を重ねながら高速走行時の車両安定性、ブレーキ性能の確認、騒音、振動の試験を実施。このデータを基に営業車両を開発する予定。(京都新聞 夕刊)
29日■列車にはねられ即死
 28日午後5時20分ごろ、長浜市三ツ矢元町のJR北陸線の軌道を歩いて渡っていた同市末広町、無職押谷和寿恵さん(88)が名古屋行きの特急列車にはねられ、即死した。
 長浜署の調べでは、押谷さんは老人会の用事で知り合いの家へ向かう途中で、列車の接近に気付かなかったらしい。(京都新聞)
■顔は水鳥のくちばし リニア試験車
 リニアモーターカー(超電導磁気浮上式鉄道)の実用化を目指しているJR東海と鉄道総合技術研究所(JR総研)は28日、山梨実験線で使用する試験車両の設計概要をまとめた。
 試験車両の先頭車両先端部は空気抵抗や騒音を小さくするため、水鳥のくちばしに似た「ダブルカスプ」と呼ばれる形を採用・ボディーカラーは現在の東海道・山陽新幹線車両と同じように、白地にブルーのラインが入る。
 JR東海とJR総研は、平成6年度から9年度まで山梨実験線でこの試験車両を使った各種の実験を実施。そのデータを基に、JR東海が計画している中央新幹線に、リニア、在来新幹線スタイルのいずれを採用するか決める。(京都新聞)
■高速鉄道が94年“発進” ロンドン−パリ 海峡くぐり3時間
 【ロンドン28日共同】リード英国総裁は28日、訪問先のパリで、来年末にも開業予定の英仏海峡トンネルを通りロンドン−パリ、ブリュッセル間を結ぶ高速鉄道「ユーロスター」の営業を1994年から開始すると発表した。
 高速列車は18両編成で、最高時速は186マイル(約297`)。
 これにより、ロンドン−パリ間が3時間、ロンドン−ブリュッセル間は3時間50分で結ばれることになる。(京都新聞 夕刊)
30日■京都駅ビル「60b」承認 実現へ踏み出す 京都市都計審
 京都市都市計画審議会(会長・佐藤達三助役)が29日開かれ、JR京都駅の高層改築を図るため、駅用地一帯を最高60bの高さに帰省緩和する「特定街区」指定など京都駅関連の都市計画案3件を、諮問通り承認した。年内にも京都府都市計画地方審議会で都市計画決定される見通しで、駅改築が実現へ大きく踏み出すことになった。これを受けてJR側は早期着工を目指すが、高層ビルに反対する声も依然として根強く、住民団体の反発も予想される。
 都市計画法の特定街区に指定されるのは、京都駅用地と周辺の国鉄精算事業団用地、民有地の計約4.1f。このうち駅用地は3.8fで高さは最高60b(現行31b)に、事業団用地は最高45bに、それぞれ緩和する。民有地は31b。容積率は現行の535−600%を維持する。
 同時に承認されたのは、駅用地から西に抜ける都市計画道路「京都駅北口西通」(延長約350b、幅12−17b)の新設と、特定街区対象地と駅前広場、駅西側の事業団用地、民有地を含んだ約8.9fの土地区画整理事業。
 この日の審議会は、計画縦覧期間中に提出された約7000人分の反対意見書の要旨も参考資料として出され、2時間を越える審議となったが賛成多数で原案通り承認された。
 このあと11月下旬にも予定される府の都計審で原案通り承認されれば、JR側から新駅の建築確認申請が市に出され、着工の運びになる。
・新しい都市景観創造 田辺朋之市長の話
 京都駅改築は新基本計画に基づいて進めるまちづくりに大きな意義を持つものであり、新しい京都の都市景観の創造に資するものた。年内にも府都計審の決定を行いたい。
・早急に準備工事着工 井出正敬JR西日本社長の話
 都市計画案の決定、改築計画における一つの重要なステップを経たものと大変感謝している。今後は仮駅建設などの準備工事を早急に着工し、改築計画が可能な限り期日に間に合うよう努力したい。(京都新聞)
■JR京都駅ビル改築特定街区制度を承認 高層化なお賛否両論
 29日行われた京都市都市計画審議会の答申で、JR京都駅ビルの高層改築は、「特定街区」制度を適用した着工に向けて大きな一歩を踏み出した。事業主体の京都駅ビル開発会社はもちろん地元経済界は歓迎し、市も田辺朋之市長が「新しい京都の景観の創造に資する」と評価。その一方で、住民団体は「歴史景観、生活環境を破壊する」と抗議した。賛否両論がなお渦巻く中で、駅ビル高層化計画は最終段階の府都市計画地方審議会に舞台を移すことになる。
・市都計審「景観」など応酬 田辺市長は積極推進表明
 〔論議〕2時間を越える審議会の議論の中では、景観やコンペ、都市計画決定への手続き、住民合意の判断などが争点になった。
 景観では「新駅は異質な構造物だ」「京都らしさが感じられない」などの意見に対して、「景観の創造も重要であり、今後新たなシンボルとなるだろう。京都駅は近代的な建物でいい」などの意見があった。
 手続き論では、「コンペに高さ規制がなかったのはおかしい」とする委員には「自由な発想を引き出すため。コンペ作品は詳細をつくる2段階くらい前の案だ」との反論があった。また事業の実施主体となる会社の役員を出している市の助役が審議会の会長を努めるのは公正さを欠く」「府都市計画地方審議会の日程がすでに決まっているのはおかしい」との指摘があった。
 ほかに「計画の是非の判断には電波障害や交通量の増加などが見込まれ環境影響評価が必要だ」「南北通路を設定するなど利便性をもっと追求すべき」などの意見と要望が出された。
 意見が分かれたため採決を行い、議長と退席した委員を除いて、21人の出席者のうち18人が賛成、3人が反対した。
 〔行政〕同計画は、1994年の平安遷都1200年記念事業のひとつであり、京都市はこの4月に受けた「まちづくり審議会」答申を柱に策定作業に入っている「新京都市基本計画」においても、「京都の玄関口にふさわしいターミナル機能の拡充と、都市機能の集積を図る」と位置づける見込み。
 審議会終了後、田辺市長は、この点に加え、新しい都市景観の創造に資するとしたうえで、同駅改築を含めて「伝統を生かし創造を続ける都市・京都を基調として、21世紀を展望したまちづくりを進めたい」とコメント、積極的に事業を推進する姿勢を再度、明らかにした。担当の佐藤達三助役は「府の都市計画地方審議会に向けて、市民の理解を得ながら円滑に手続きが進むよう努力する」と語った。
・産業活性化を期待
 〔商業〕京都市都市計画審議会の結論について、京都商店連盟の大橋進也会長は「中に入る商業施設についてはいろいろと意見を言わせてもらったが、駅ビルは京都の経済、産業にインパクトを与える起爆剤として期待も大きく、建都1200年を祝うモニュメントとしても重要な存在」と着工に向けた進展に歓迎の意向。
 ただ「高さばかりに論議が集まって、駅ビル内の施設や周辺整備の問題が十分に語られてこなかったのが問題」と指摘し「京都の玄関にふさわしいビルになるかどうか見届けたい」と話す。
 また四条繁栄会商店街振興組合の寺内理事長は「大阪や神戸との都市間競争に勝つためにもこれぐらいの駅ビルは必要だ。大きな商業集積地が生まれるが、地域間競争に備えて私たちも勉強会を始めている。競争相手ができるのは四条にとってもいい事だと思う」と冷静に受け止めていた。
・「世論への背信」と抗議
 〔反対住民〕これに対し「ストップ・ザ・京都破壊まちづくり市民会議」など同駅ビル改築計画に反対する住民団体は、会場の京都私学会館出入り口に約70人を動員。「駅ビル高層化は京都破壊」などと書いた横断幕、プラカード、のぼりを立て、次々と会場に入る審議会委員に審議の即時中止を訴え。さらに事務局員に「審議会の密室審議に抗議して即時中止を求める」申し入れ書を手渡した。
 同計画案の承認については、京都仏教会の清滝智弘常務理事が「市が進めようとしている同駅高層化は企業の利益のみを考えている。行政をチェックすべき立場の都計審がゴーサインを出したのは景観破壊を心配する世論への重大な背信行為だ」とのコメントを発表。共産党京都市議団は「密室での短時間の論議で打ち切ったことは、民主主義の原則を踏みにじる暴挙」とする声明を出した。(京都新聞)
■建都1200年記念バス 京のぞみちゃん 都大路を試走 来月 本格デビュー
 発車オーライ−平安建都1200年記念の京都市バスが29日、お目見えし、都大路を試走。この日、名前が決まったばかりの「京(みやこ)のぞみちゃん」が躍動するバスボディーに、市民も思わず「カッワイーッ」。
 記念バスは新車両でブルー地の車体に、市女笠(いちめがさ) の1200年マスコット「京のぞみちゃん」が飛んだり、跳ねたり、愛くるしい表情をみせている。
 この日のお披露目には、記念バス4台が伏見区のパルスプラザ前に集合。京都市役所まで走り、市民にアピールした。本格デビューは11月1日からで、計20台が市内を駆けめぐる。(京都新聞)
■京都駅高層化承認 「見切り発車だ」 市民団体に不信感
 古都の玄関に60bのノツポビルが建つ。全国的な景観論争を巻き起こしていたJR京都駅の改築計画に29日、「ゴーサイン」が出た。しかし、審議会は非公開で7000人にのぼる反対の意見書は反映されぬまま。京都らしいまちづくりを考えてきた市民団体や弁護士らから「見切り発車だ」「市民の声は届いたのか」と、怒りや不信感が広がった。
 京都市上京区の京都私学会館。住民約40人が抗議のシュプレヒコールをあげるなか、審議会は午後2時から従来通り非公開で開かれた。
 関係者らの話によると、約1時間にわたって市側が計画案を説明した。反対したのは共産党市議の3委員だけだったが、賛成派の委員からも「設計コンペのあり方など、経過には疑問がある」と指摘する声が出た、という。
 午後5時半すぎ、「意見は出尽くした」とする会長らの声で採決。ある委員は「まったく発言しない委員もおり、市の答弁もおざなり。専門的な論議を戦わせる本来の審議会の資にはほど遠かった」と語った。
 京都市の都計審は学識経験者や市議、市の関係局長など、計25人。助役が会長を務めている。会議は条例に基づく規則で非公開と定められており、メンバーの氏名も公式には明らかにされていない。
 高さ約60b、東西約460bに及ぶ新しい駅ビルは、低い町家が並ぶ京都では最大規模になる。市民団体などは「巨大な商業ビルが、完成すれは、地元の商工業者に決定的な打撃を与える」と心配する。さらに、「歴史都市の玄関口の貴重な景観を壊し、周辺の交通混雑にも拍車をかける」と批判してきた。
 市民団体などは今回の都市計画案の縦覧期間中に、同市では過去最高の計約4100人にのぼる反対意見書を市に出した。その後も約3200人分の意見書を追加提出し、見直しを求めていた。
 75人の弁護士の意見書を集めた京都弁護士会の飯田昭弁護士は「詳細な内容の意見書だったにもかかわらず、それをスピード審議で処理するとは…。市民からの意見を検討、分析しようという姿勢が全く感じられない」と憤慨する。
 都計審を公開している自治体もある。20年ほど前から、委員の了解を得て市民の傍聴を許可している川崎市(神奈川県)は「都市計画案自体は縦覧で市民に公開されており、審議会の中身を秘密にする必要は何もない。会議の公開によるトラブルも起きていない」と話している。(朝日新聞)
■高層化へ動き本格化 課題残る専門店移転や区画整理 JR京都駅改築を正式に了承 京都市都計審 反発強める住民ら テナント従業員も不安
 京都市都市計画審議会が29日、JR京都駅の改築高層化を正式に了示したことで、建設計画は本格的に動き始める。しかし、現在の駅ビルにある観光デパート内の専門店の移転や、駅周辺の区画整理事業をめぐり、課題は残されたまま。業者や住民の不安は大きい。
 都計審の会場となった上京区の私学会館前。午前1時半ごろ、住民団体のメンバーら約40人が集まった。プラカードや横断幕を掲げ、入場する委員らに「良識ある審議を」「市民の意見を聞いて下さい」などと訴えた。「ストップ・ザ・京都破壊 まちづくり市民連絡会議」(代表委員、西山夘三・京大名誉教授)のメンバーらは会場前で、市の職員に、審議会の中止を求める審議会会長あての申し入れ書を手渡した。
 会場前では集会も開かれた。京都駅観光デパートのテナントの従業員の栗栖日枝子さん(40)は計画の見直しと審議中止を求めた。現在、同デパートには、土産物屋など47店が入っている。新駅ビルは一般公募でテナントを募ることにしており、賃貸料などの関係で営業を見合わせる店が出てきているという。栗栖さんは「一般公募では、地元業者は経済的に大阪などの大手にはとても勝てない。実質的に私たちの職場が奪われることになる」と怒りをぶつけた。
 区画整理事業で7世帯が移転を迫られることになる下京区の「三哲町」。今年9月、市が地元説明会を開き協力を求めたが、住民らは「高齢者が多く、立ち退きには応じられない」と拒否した。今月20日には、移転は町内移動だけにとどめるよう要望書を提出した。
 町内に住む81歳の女性は「私たちにとっては死活問題」と不安そうに話す。中村力・同町内会長も「住民の生活にかかわる問題なのに、やぶの中で進められている。どこに移転することになるのかも教えてもらっていない」と、市を批判している。
・生産緑地は30倍以上に 変更案を承認
 駅ビルのほか、都計審は生産緑地地区の変更にかかわる計画案も承認した。京都市内の生産緑地地区の面積は計約810fに変更され、これまでの30倍以上にふくれあがった。
・市都計審 学者・市議ら25人で構成
 市都計審は学識経験者6人、市議12人、市の関係局長クラスなど7人の計25人で構成。市長が任命し、任期は2年間。メンバーは次の通り。(敬称略)
 【学識経験者】岡崎文彬(京大名誉教授)▽松浦邦男(摂南大教授)▽川崎清(京大教授)▽飯田恭敬(同)▽高瀬嘉一郎(京都市土地区画整理協会理事)▽森田長雄(同)
 【市議】青木善男、奥山茂彦、磯辺寿子、北川明(自民党)▽北山忠生、山本豊、山中渡(共産党)▽小林澄江、小川利治(公明党)▽梅林等、安井勉(社会党)▽岩本弘(民社クラブ)
 【市職員】佐藤達三(助役)=会長▽竹沢忠義(都市計画局長)▽山本喜一(経済局長)▽蜷川一朗(建設局長)▽武居桂(住宅局長)▽藤野英雄(消防局長)▽山西弥市(上下水道管理者)
・〈新しい京都駅〉地上16階地下3階。高さ59.8b、東西幅は約460bに及ぶ。延べ床面積は約24万6000平方bで、うち最も大きいのは、百貨店の「ジェイアール西日本伊勢丹」を核にした店舗部分10万8000平方b。JR西日本系ホテルも7万9000平方bあり、駅舎部分は1万2000平方bほど。関西国際空港と直結する「シティー・エア・ターミナル」機能や文化施設も設ける。(朝日新聞)
■仮駅舎 来月中にも申請 広場にプレハブ2階で
 仮駅舎の計画内容も29日、明らかになった。市は仮駅舎について、駅舎本体部分の都市計画決定前でも法的に建築確認は可能としており、早ければ11月中にもJR側から建築確認申請が出され、工事が始まる見通しだ。
 JR西日本などによると、仮駅舎は駅前広場に建設する。プレハブ2階建て、延べ約6400平方bで、現在の3分の1程度。1階と2階の一部に駅施設を設け、2階に京都駅観光デパートなどの仮店舗が入る。ホームとの間は仮設通路でつなぐ。工期は7ヵ月程度。
 高層化に反対する住民らの間からは、駅本体の都市計画決定前での仮駅舎の建築確認と着工には問題がある、との声も出ていた。しかし、市側は、市の都市計画審議会で駅の改築計画を含む都市計画案が了承されたことで、駅本体の着工のめどはついた、と判断。また、都市計画施設である駅前広場での建築に必要な都市計画法上の許可についても、問題はなくなったとしている。
 JR側は「仮駅舎の確認申請はいつでも出せる状態。一日も早く手続きを済ませ、着工したい」としており、11月中にも申請することにしている。申請から3週間以内に確認が出される見通しだ。(朝日新聞)
■京都駅ビル高層化承認 市都計審 60b、来春にも着工
 平安建都1200年(1994年)記念事業として進められ、景観論争を呼んでいるJR京都駅ビルの改築計画について、京都市都市計画審議会(会長・佐藤達三助役)は29日、特定街区制度による高さ規制緩和を市内で初めて適用して60b高層化できる内容の都市計画案を原案通り承認した。建設に向けてのゴーサインで、市は11月に予定されている府の都市計画地方審議会を経て、年内に都市計画決定にこぎつけ、来春にも着工の考えだ。
 特定街区制度は大都市でのビルの高層化に対応するため取り入れられた市街地再開発の手法。都計審は今回、新駅建設部分を含む特定街区(約4.1f)の適用など3点を認めた。京都駅周辺の建物の高さは現行で31bに規制されているが、この手法で60bの駅ビル建設が認められる。
 駅ビル改築問題では昨年5月、JR西日本や市、京都府などが出資する「京都駅ビル開発会社」が駅周辺の高さ規制(31b)の枠をはずして国際コンペを開き、高さ59.8b(地上16階、地下3階建て)の原広司・東大教授の作品を選んだ。今年7月に市が特定街区制度の等入などを打ち出した。
 市は今後、区画整理事業のための地元説明会を開催。JR側は11月中にも仮駅舎の工事に着手する。駅本体の着工は来年春ごろで、完成は当初計画の1994年秋より遅れ、95年度以降にずれ込みそうだ。
 駅ビルの大部分はJR西日本系列のホテルやJRと伊勢丹が資本提携する百貨店などの商業施設。「高さ規制を度外視した東西約460bの巨大な建物が古都の景観を破壊する」として、商工業者や市民団体が反対運動を繰り広げている。区画整理事業についても、道路拡張に伴い立ち退きを迫られる住民らが反発。都計審に向けて、市民団体や弁護士などから7000人を越える反対意見書が提出されていた。
・答申そのものが無効
 「京都ホテルとJR京都駅の高層化に反対する市民連合」の中島晃事務局長の話 駅ビル会社と利害関係にある京都市の助役が会長となって進められている都計審に公正な審議は期待できず、答申そのものが無効だ。反対運動を広げ、京都の町にふさわしい改築計画につくりなおすよう求めていく。
・年内にも計画決定
 田辺朋之・京都市長の話 慎重な審議の上、原案通り承認していただきました。できるだけ早く府都市計画地方審議会を開いてもらい、年内にも都市計画決定を行いたい。京都駅の改築は新しいまちづくりにとって大きな意義をもつ。
・京都市に感謝する
 京都駅ビル開発全社の伊藤博社長の話 改築事業における一つの重要なステップを経たものと、京都市には感謝しています。仮駅の建設など改築事業が期日に間に合うよう努力します。(朝日新聞)
■”思想”見えてこぬ建物 清水武彦京都産業会館専務理事(元京都市経済局長)
 市は特定街区制度の適用を決めたものの、JR京都駅ビルの設計については2つの疑問がある。デパートやホテルが造られるが、駅機能がビルの一割程度の面積しか占めず、一番大切な「駅としての機能」が具体的にどれくらい改善されるのかよくわからない。また、京都市が長年の課題としてきた平面道路による「南北分断」の改善効果は疑問で、むしろ悪化することさえ予想される。さらに、巨大な集客施設の建設による交通の複雑化も心配だ。採用される建物からは、これらの問題にどう対処するのかという”思想”が見えてこない。
 私たちが行政として主張してきた景観の「公共性」とは個々の建物の高さやデザインという「点」にあるのではなく、町並みの形成という「面」にある。京都ホテルの問題でも、鴨川沿岸の景観構想のなかでとらえるべきだった。駅周辺地域のグランド・デザインの検討が不十分なまま、せっかくの国際コンペもホテル、デパート入居を前提に行われ、行政もそれに追随して決定手続きを始めてしまった。特定街区制度もそれを合法化するために無理して適用せねばならなくなったという印象を受ける。本末転倒ではないか。
 京都で特定街区制度が適用されるのは初めてなのだから、もっときちんとした街区で導入すべきで、悪い前例にならないか心配だ。駅という公共性の高い建物であり、建都1200年記念事業なのだから、合意形成にもっと時間をかけるべきだった。
 現在の都市計画決定に反対意見を取り入れるのには限界があろう。しかし、京都タワーの例にならって、京都のグランドビジョンを早急に策定して、これに基づく都市計画の新しい規制を京都駅地区にもかけておくべきだ。
 各界の談話
■市民は抗議の声を
 京都ホテルの高層化に反対して同ホテルグループの宿泊客の拝観拒否を宣言している京都仏教会の清滝智弘常務理事(広隆寺貫主)
 JR京都駅の高層化は企業の利益のみを考えた商業ビルのため以外の何物でもない。チェックすべき立場にある都市計画審議会が「ゴーサイン」を出したのは、古都の景観破壊を心配する市民世論への重大な背信行為だ。市民は黙っていないで抗議の声をあげてほしい。
■「特定街区」は妥当
 京都経済同友会の都市計画問題研究委員会副委員長を務める地域計画建築研究所の三輪泰司会長 持定街区制度の適用は妥当な決定だ。乗降客の多さなど京都駅の潜在力はかなり大きく、今より高い容積率を必要としていた。周辺道路の整備も進め、区域全体の足腰をしっかりさせねばならない。都市は生きており、時代に合わせて計画を見直すべきだ。ただ、都市計画の見直しと特定街区の導入が重なり、市民には分かりにくかった。
■忘れた都計の趣旨
 古都の景観を守れ、と申入書を提出した京都弁護士会公害対策委員長の北條雅英弁護士 特定街区は霞ケ関や新宿新都心など巨大ビルを建設するための手法。それを京都にもってくるのは、無理があるうえ、意見書にあるように法律的にも行政庁の運用基準から考えておかしい。人口動態や経済状態などを分析して将来像を描くのが都市計画のはず。特定の建築物のために変更するのだから、都市計画の趣旨を忘れている。
■南北連絡の充実を
京都駅ビル関連年表
1989年4月26日JR西日本、府、市、地元企業が出資して第三セクター「京都駅開発・準備会社」が発足。
90年8月6日京都駅開発準備会社の取締役会で改築実行計画を決定。延べ23万4000平方bの西日本一の規模で94年度完成を目指すと発表。
9月12日駅ビルの百貨店出店で、JR西日本と伊勢丹が資本提携を発表。
10月1日京都駅開発準備会社を衣替えした事業主体の第三セクター「京都駅ビル開発会社」が発足。
10月31日京都駅ビル開発会社が「設計競技の概要」を発表。黒川紀章氏ら7人の建築家を指名、デザインは、高さ制限にこだわらなかった。
12月15日京都市議会が「高層化は慎重に」と決議。
12月21日京都駅ビルへの公金支出は違法と住民が監査請求。
91年1月21日田辺市長が市北部は景観を保存し、南部は開発するとの試案を発表。
3月6日京都駅ビル開発会社への府と市の公金支出差し止めを求め住民ら提訴。
4月25日国際的コンペ(設計競技)の7作品を公開。高さは120b−60b。
5月8日国際的コンペで原廣司・東大生産技術研究所教授の作品が最優秀作品に決まる。高さ59.8b。
11月7日市まちづくり審議会が中間答申。駅周辺部の高さ規制緩和を打ち出す。
11月22日国際的コンペ審査委員だった梅原猛さんが地元紙にコラムを寄稿し「金もうけ主義と官僚主義を適当に使い分けるカメレオン体質」とJR西日本を批判。
12月4日京都仏教会が「違法建築を見直せ」と京都駅ビル開発会社に申し入れ。住民投票も提案。
92年2月3日京都駅ビル開発会社、市に改築計画案を提出し、高さ制限の緩和を正式要請。
4月9日市まちづくり審議会最終答申。
7月1日市、特定街区制度適用で高さ制限を緩和すると発表。
9月14日学者ら37人が特定街区適用反対アピール。
9月28日改築計画にともなう都市計画変更案の縦覧開始。
10月12日住民、弁護士らが4000人を上回る反対意見書を提出。
10月29日市都市計画審議会、都市計画変更案を承認。
 町衆の声を京都のまちづくりに生かそうと活動している「町衆の会」の角倉平治会長 京都ホテルの場合と違い、駅という公共性の高い建築物だけに評価は難しい。駅南部の発展を進めるためにも、南北の連絡通路のような施設を充実させるよう望みたい。会としても、こうした高層化問題について近く開く幹事の集まりでも議題としていきたい。
■大きな弾みついた
 京都商工会議所の塚本幸一会頭 新京都駅着工に向けて大きな弾みがついたことは喜ばしい。21世紀に向け、国際化と文化の交流が進展するなかで、京都の玄関口にふさわしい魅力ある国際文化交流情報拠点となるよう、会議所としても推進に協力していきたい。平安建都1200年を控え、新しい拠点の建設など都市施設の充実がはかられるのを契機として、京都が文化首都として発展することを期待している。(朝日新聞)
■“列車脱線100人けが” JR梅小路駅800人が復旧訓練
 JR西日本は30日、京都市下京区の梅小路駅構内の山陰連絡線(高架)上で、列車の脱線事故を想定した大規模な総合復旧訓練を実施した。京都市消防局員などを含む約800人がけが人の救出や事故現場の復旧訓練を繰り広げた。
 この訓練はJR西日本が、事故を想定して年1回行っている。高架上での復旧訓練は今回が初めて。
 午前10時半、列車が踏切で乗用車と衝突し5両編成のうち前2両が脱線して高架上で停止、約100人のけが人が出たとの想定で訓練がスタート。運転士からの連絡で、市消防局の救助隊や救急車が次々に到着、はしごを使って線路上に上がり、乗用車内に閉じ込められた運転手や、列車内のけが人の救出作業にあたった。続いてJRの復旧要員が大破した乗用車を撤去、油圧式ジャッキを使って脱線した列車を線路に戻す作業などを進めた。
 高架上の事故のため、テレビカメラで撮影した現場の映像を見て地上の現地本部が指示を出すなど新しい試みも取り入れ、作業員らはてきぱきとした動作で復旧作業にあたっていた。(京都新聞 夕刊)
31日■長野・八ヶ岳のロープウェイ 自動運転ブレーキ利かず ゴンドラ2台 駅に激突 滋賀の団体客ら70人重軽傷
 30日午後4時5分ごろ、長野県茅野市北山の八ヶ岳山腹で「ピラタス横岳ロープウェイ」の100人乗りゴンドラ2台が、山頂駅 (2237b)と山ろく駅(1771b)にそれぞれ突っ込み、コンクリート壁に衝突した。乗っていた72人のうち東京都国分寺市西町、地方公務員関口雄基臣さん(59)ら7人が胸や足などを折って重傷、63人が打撲などの軽傷を負った。乗客の中には、滋賀県野洲郡野洲町三上食品・化粧品の包装業「目黒化工」滋賀工場の団体客40数人も含まれていた。
 同社事務所の話では、ロープウエーはコンピューター制御による自動運転中だったが、駅に近付いても減速せず、両駅に時速約30`で突っ込み、ホームの金属さくの付いたコンクリート壁にぶつかった。
 諏訪署などの調べによると、このロープウェイは「つるべ式」と呼ばれる形式で、秒速7b。停車する際は山ろく駅にある滑車をディスクブレーキで止める仕組み。なぜブレーキが利かなかったのかについて、詳しい原因を調べている。
 またこのロープウエーを管轄する運輸省の新潟運輸局は31日、現地に運転保安課長ら係官を派遣し、事故調査に当たる。
 上りのゴンドラには乗客10人と乗務員1人が、下りには乗客60人と乗務員1人が乗っており、午後4時に両駅を出発した後、衝突した。けが人は救急車と観光バスで茅野市内の3ヵ所の病院に運ばれた。
 野洲町の「目黒化工」の団体は100人余がバス2台に分乗し、30日に滋賀県を出発。1泊2日の日程で蓼科高原に旅行に来て、うち1台の乗客がロープウエーに乗ったという。
 事故当時、山頂駅付近には観光客10人がおり取り残されたが、同午後8時すぎまでに全員が下山した。
・安否気遣う家族ら 長野県茅野市のロープウエー事故で、従業員多数が負傷した滋賀県野洲郡野洲町三上の目黒化工滋賀工場(滝沢啓工場長、従業員約250人)には30日午後6時ごろ、事故の一報が入った。
 同工場によると、従業員は慰安旅行のため30日午前、バス2台に分乗して信州方面に出発。白樺湖で1泊、31日夕方に帰る予定だった。事故に遭ったのは、コース別に分かれた2班のうち1つの45人。工場は休業で、従業員の大半が旅行に行っているため、負傷者の氏名確認にも手間取り、家族は安否を気遣っていた。
・ピラタス横岳ロープウエー 北八ヶ岳の横岳の南西斜面にあり、全長約2147b、高低差約466b。
 昭和42年7月、長野県企業局が運行を始め、60年4月、民間のピラタス横岳ロープウエーが引き継いだ。通称「つるべ式」と呼ばれる3線交走式普通索道という形式で、2台のゴンドラが同時に駅を出発、中央で擦れ違う。
 昨年暮れ、従来の40人乗りのものを101人乗りの大型ゴンドラに換え、今年1月1日から新開業した。(京都新聞)
■「駅が迫る」恐怖の激突 八ヶ岳ロープウエー事故 ドカン、倒れ込む乗客 窓ガラス割り脱出 社員旅行、暗転
 「スピードが落ちない。変だぞ」。乗客の一人が声を上げた。その直後、下りのゴンドラは約30`のスピードで駅の防護用金属さくの付いたコンクリート壁に激突した−。30日、長野県・横岳で起きたロープウエー事故。事故現場の直径約10a、高さ約1bの金属さくは根本からグニャリと折れ曲がり、衝突の激しさを示した。ふもとの茅野市内の3ヵ所の病院で手当てを受けた乗客の中には滋賀の団体客も含まれ「泊まりがけの社員旅行でせっかく紅葉を楽しんでいたのに…」と突然の事故にぼう然とする姿もあった。
 乗客らの話によると、下りのゴンドラにはお年寄りなど乗客60人が乗っており、折り重なるように倒れ、ドアや床にたたきつけられた。ドアは開かなくなり、ロープウエー会社の社員がハンマーをゴンドラ上部の非常窓から中に入れ、乗客が窓ガラスを割って、ゴンドラからようやく外に脱出したという。
 下りのゴンドラに乗り合わせた男性(51)は「駅の手前で逆に加速したような感じになった。おかしいなと思った途端、衝撃があり、ゴンドラ内で悲鳴が上がった」と話す。乗客が前の方に倒れ込み、床には血が流れ、帽子や眼鏡が散乱した。
 滋賀県野洲郡中主町の目黒化工滋賀工場従業員の平井花子さん(58)は社員旅行で、このゴンドラに乗り合わせた。下りの最前列にいたら、客の間から「こんな勢いで止まるのか」という声が上がった。次の瞬間ドカンと突っ込んだという。
 「痛い痛い、とうずくまる人もいた。私は手すりにおなかを強く打ちつけました」と衝撃のものすごさを振り返った。
 山頂駅ではゴンドラに乗客、乗務員11人と、待合室に数人がいた。負傷者をまず雪上車が救助したが、夜になって降り出した雨と霧の中で取り残された全員が無事に戻ったのは事故から4時間も過ぎた午後8時すぎだったという。(京都新聞)
■阪急京都線乱れる
 30日午後2時5分ごろ、大阪府三島郡島本町の阪急京都線大山崎−水無瀬間で、河原町発梅田行き特急の非常ブレーキが作動して停車。約15分後に運転を再開したが、高槻市駅で運転を打ち切った。
 同特急をはじめ後続の特急、急行など上下計6本が運休、30本が最高20分遅れ、約2万3000人が影響を受けた。(京都新聞)
■京都市営交通80周年祝い あすから交通局まつり
 京都市交通局は、市営交通80周年記念「交通局まつり」を11月1日、京都市上京区のKBS京都ホールで行う。京都の交通の将来像を考えるシンポジウムや高石ともやコンサート、忘れ物・バス部品セールなど盛りだくさんの催しを計画している。 京都市の交通事業は明治45年6月11日、烏丸通や四条通に市電が走ったのが始まり。今回は6月に開いた記念行事に続く第2弾。
 当日は午前9時45分んからのオープニングセレモニーのあと、10時からは記念シンポジウムに移り、吉田義男・阪神タイガース元監督の講演と「21世紀に向けての京都の都市交通を考える」をテーマにパネルディスカッションが行われる。天野光三大阪産業大教授をコーディネーターに、斉藤芳夫近畿運輸局企画部長や女優の南田洋子さんらがパネラーとして意見を述べる。
 午後からは高石ともやコンサートやキャラクターショーが開かれる。市バスのボディに好きな絵が描ける「絵画バス」も会場に置かれる。忘れ物セールは午前10時半、市バス部品セールは午後2時から。ミニ模擬店も出る。入場無料。(京都新聞)
■ゴンドラ2台、駅に激突 滋賀の客ら70人けが 八ヶ岳・横岳の山頂と山ろくで
 30日午後4時過ぎ、長野県茅野市の北八ヶ岳連峰・横岳(標高2480b)にある横岳ロープウエー(延長約2.2`)の2台のゴンドラが、それぞれ山頂駅(標高2237b)と山ろく駅(標高1774b)ホームの停止位置を越え、正面のコンクリート壁に衝突した。2台の乗員、乗客計72人のうち70人がなぎ倒されるなどしてけがをし、茅野市内の病院に運ばれた。うち7人は骨が折れるなどの重傷。
 諏訪署の調べによると、同ロープウエーの運転は、コンピューターによる自動制御と手動方式の両方が可能だが、事故当時は自動制御だったという。
 同暑は、山ろく駅にあるコンピューター制御装置などに異状があったのではないかとみて、メーカーの技術者を呼んで事情を聴く。また、運輸省は新潟運輸局から職員を現地に派遣し事故原因を調べる。
 事故当時、上りのゴンドラには10人、下りには60人の乗客と、それぞれ車掌1人が乗っていた。
 このロープウエーは、茅野市などで作る第三セクター「ピラタス横岳ロープウェイ」(柳沢英次社長)が運営している。10−20分間隔で運行し、時速約25`、所要時間7分で両駅を結ぶ。1967年7月に41人乗り・時速18`のゴンドラで開業。今年1月から101人乗りの大型ゴンドラを導入した。
 専門家の話では、ゴンドラは駅に到着する約30b前で自動的に減速した上、約50aの余裕を残して停止するようになっており、減速しない場合は、非常ブレーキがかかる仕組みになっているという。
 同ロープウエーは今月22日に毎月の定期点検、30日朝も始業前の点検を実施したが、異状はなかったという。
 乗客のうち46人は、滋賀県野洲町の包装紙会社の社員旅行で訪れた人たち。この日、横岳付近は行楽シーズンの週末を控えてにぎわっていたが、曇りがちで風も強かったという。
 運輸省によると、全国には約90基のロープウエーがある。85年以降では、5件の事故が報告されているが、けが人が出たのは今回が初めて。(朝日新聞)
■車と衝突し列車脱線! JR西日本 梅小路駅で復旧訓練
 線路で立ち往生した車に列車が衝突、脱線して多数の負傷者が出た−と想定したJR西日本の総合事故復旧訓練が30日、下京区の梅小路駅構内であった。JRマンや消防署員ら約800人が参加した。
 この訓練はJR西日本管内で毎年実施しているが、「坂道となっている高架上での事故」という設定は今回が初めて。
 午前10時半、列車に食い込んだ車から煙が出ているという通報で関係者が現場に集まるところから始まった。消防署員らが15人の重傷者を含めた負傷者を救出。
 脱線した列車を油圧式簡易載線器を使って線路に戻すなど、本番さながらの訓練が続いた。(朝日新聞)
■運行設備など詳しく検証 横岳ロープウエー事故
 滋賀の団体客ら70人の重軽傷者を出した長野県・横岳のロープウエー事故で、長野県警諏訪署は31日午前、事故原因の解明のため、同県茅野市のピラタス横岳ロープウエーのふもと駅などの運行設備やゴンドラ本体などの現場検証を始めた。ブレーキ系統の故障の疑いもあることから、保守点検や運転にも落ち度がなかったか責任者らから詳しく事情聴取する。(京都新聞 夕刊)
■「1人3役」奮闘の日々 JRワンマンカー3年目の秋 小浜線・播但線ルポ ローカル線運転士 車掌・修理役も担い タダ乗りに悔しさ シカに事故の不安 信号切り替え神経ピリピリ
 「1人3役」と銘打って、JRのローカル線にワンマンカーが走り始めて3年目の秋を迎えた。運転と車掌、それに検修と呼ばれる車両の点検・修理の3つの仕事を運転士が1人で担う。路線によっては、以前は駅員の担当だった信号切り替えさえも、運転士の無線操作に任されている。かつて旧国鉄の民営化時、多くの運転士が配置転換され、ハンドルを奪われる疎外感に悩んだ。その痛みは免れたローカル線の運転士にいま、3役、4役の仕事の重圧がのしかかる。小浜線(東舞鶴−敦賀)、播但線(和田山−姫路)に乗った。(社会部・三浦 宏、恵村順一郎)
・運賃箱
 10月半ばの小浜線。JR西日本労働組合の運転士たちが、1日上り下り40本が走る同線で運賃箱に入った金額を教えてくれた。
 ワンマンは1日18本。その3日分の平均は1日1万900円。一方、運転士と車掌が乗った22本の平均は24万9600円とケタ違いなのだ。「差額のかなりの部分は運賃ほ脱、いわゆるタダ乗りです」と運転士たちは言った。
 小浜線の22駅のうち無人駅が19。そこでは乗客は後部ドアから乗り、運転席そばの運賃箱に料金や切符を入れて前部ドアから降りる決まりだ。だが、記者が乗った日、運賃箱を使った人は数えるほど。後部ドアから降りる人の方がはるかに多かった。
 運転士がつぶやく。「タダ乗りに気付いても、見て見ぬふり。乗客とのトラブルは禁物。定時運行ができなくなる」「お金を入れたらあかん、と子供に言う母親もいる。当たり前になっているのが悔しい」
 運転中に酔っ払いがからんでくる。ホームのバックミラーは雨の日や夜にはほとんど見えない。「まあ、ええやろ、と発車させると、この半年でお客さんを3回、ドアにはさんだ」
・毛髪
 10月下旬の夜、播但線の和田山駅に着いたワンマンカーの運転士が交代の同僚に、額に2本の指を立てて見せた。「シカが出た」という合図だ。同線の和田山−生野間では、数年前から秋になると、列車がシカをはねる事故が多発している。今年もすでに12件。
 その夜、列車が山すそのカーブを曲がると、線路そばにシカがいた。ぶつかる、と思った瞬間、わきの林に飛び込んだ。運転士は「夜走ってシカが出ない日はない。100bの間で13頭見たこともある」と話した。
 「もし重大事故が起きたら、一人でどうすればいいのか」と運転士は不安の思いを口にした。
 福知山支社は一昨年、咋年と「シカは人毛を嫌う」という民間伝承を頼りに、理髪店で集めた毛髪をストッキングに入れて線路わきにつるした。効果のほどは不明、という。
・指導徹底
 小浜線にワンマンカーが導入された今年3月14日。その朝、無人駅の信号機が赤なのに、ワンマンカーが駅を出発する事故があった。運転士が、信号を青に切り替える無線機(車載器)のボタンを押し間違え、信号を確認せずに発進したのが原因だった。9月12日にも、もう1件起きている。
 同線の信号システムは、全体を9区間に分け、運転士は次の区間に進入する直前に車載器のボタンを押し、進行方向の信号を青にする仕組み。対向側の信号は同時に赤になり、対向列車は進入できなくなる。
 運転歴15年になるベテラン運転士が言った。「運転士、車掌、駅員と、かつては二重、三重にあった安全チェックが、いまは運転士一人の仕事になった。いつか大きな事故を起こすのでは、と夢にも見る」
 車載器を押さないと、対向列車は青信号に従って進行し続け、衝突事故の恐れもある。実際、今年8月にはJR九州で、車載器の押し方が不十分でポイントが切り替わらず、脱線事故も起きた。その事故の直後、JR西日本は管内の各鉄道部、電車区あてに次のような事務連絡を出した。
 「運輸部長通達を繰り返し、繰り返し指導徹底し、出発信号機冒進事故の絶滅を期すこととされたい」。事故を防ぐ対策は、運転士への「指導徹底」しかないのである。
 《ワンマンカー》JR西日本が全国のJR各社に先駆けて導入した。運行するのは輸送密度(1日1`当たりの平均輸送人員)が8000人未満の赤字ローカル線区に設けた「鉄道部」の路線。同部は90年6月、管内10地区で発足し、2次(91年4月・15地区)、3次(92年4月・2地区)と拡大。現在、総延長2437`。管内在来線の55%を占めるが、営業収入は全体の1割にすぎない。(朝日新聞 夕刊)
■盲人の接触事故契機に 「通過」と「停車」区別 JR立花駅の放送
 兵庫県尼崎市立花町一丁目のJR東海道線立花駅で今年7月、目の不自由な男性(38)が普通列車がホームに入ってきたと思って通過中の快速列車に接触、大けがをした。この事故をきっかけに、JR西日本は同駅の案内放送を通過列車と停車列車をはっきり区別できる新システムに改善。他の駅にも導入する方針だ。
 立花駅では、ラッシュ時を除いてホームに駅員を置かないため、事故前までは通過、停車を問わず、「間もなく○番線に電車がまいります。危険ですからホームの内側へお下がりください」と自動的に放送するのみだった。けがをした男性も「通過列車とはわからないまま、自分が乗ろうとした普通列車がホームに入ってきたと思って近づき、接触した」と話している。
 事故後、尼崎市障害福祉課などがJR側に施設改善を要望。立花駅は8月末から「列車接近自動放送システム」を導入した。
 駅に備えたパソコンに列車番号や放送内容を入力し、接近する列車に合わせた放送を流す仕組み。通過の際は「間もなく○番線を列車が通過します…」、停車の際は「間もなく○番線に各駅停車○○行きがまいります…」と案内する。
 JR側は現在、この放送システムを試験運用中で、列車停止などの緊急時にも対応できることがはっきりすれば、来年3月までに京都−神戸間の中間駅16駅にも導入する予定だ。(朝日新聞 夕刊)
■京浜急行本社・社長宅に銃弾
 東京都港区高輪二丁目の京浜急行電鉄本社ビルと神奈川県鎌倉市の平松一朗社長の自宅に銃弾が撃ち込まれた跡があると、31日までに警視庁と神奈川県警に相次いで通報があった。28日夜から30日朝にかけて短統で撃ち込まれたものとみて調べている。
 京浜急行では、発砲されるような心当たりは全くないと話している。警視庁などでは暴力団関係者によるいやがらせではないかとみて調べている。(朝日新聞 夕刊)