1992(平成4)年9月


1日■JR東日本 社債1000億円来月発行 国内初鉄道債償還にも充当(朝日)
2日■「混雑時はグリーン車にどうぞ」 JR東海「こだま」で試行 定期券客を対象 もちろん差額必要(朝日)
  ■ポイント故障で電車4本遅れる 城陽のJR奈良線(京都)
  ■信号機が故障電車4本運休 JR嵯峨駅(京都)
  ■路面電車暴走し追突 ブレーキ故障、13人けが 松山(朝日)
  ■信楽列車事故 賠償基準提示求め 遺族、調停申し立てへ(朝日)
  ■都心を掘る世界一の歯 東京は泥水式 大阪は土圧式(朝日)
3日■賠償の調停申し立てへ 信楽鉄道事故犠牲者遺族の会(京都)
  ■実現へ大きく前進 渋滞緩和の期待も 地下鉄烏丸線の延伸 幼稚補償交渉は暗礁に(朝日)
  ■900台超す大駐車場に 御池通地下に「第2」整備(朝日)
  ■松山の路面電車事故 運転士の操作ミスか(朝日)
  ■地下鉄駅の熱気 冷暖房に再利用 大阪市交通局省エネ策検討(朝日)
  ■日本の農業・食文化見直そう 伝統食列車 この秋発車 大阪の「考える会」 イベント列車で 全国へ交流の旅(朝日)
  ■男性飛び降り 福知山線電車から(朝日)
4日■「のぞみ」ボルト落下 塗装圧塗りで緩む JR東海発表 締め付け力9割滅(朝日)
  ■山口のJRトンネル事故 意識もうろう脱出 作業員「自分のことしか…」(京都)
5日■山陽電車に車衝突 運転の会社員重体(朝日)
  ■日本テレコムが来月全国サービス体制に(朝日)
  ■鉄橋接触、荷崩れ 一時国道ふさぐ JR関西線にも遅れ(京都)
  ■古い発電機を利用 山口のトンネル内事故(京都)
7日■不発弾処理で2000人が避難 横浜・JRも一時運休(京都)
  ■線路上の男性はねられ死亡 草津の東海道線(京都)
  ■大阪環状線 化粧直しで定年延長 花形103系電車310両 耐用年数40年まで”酷使”とか(朝日)
8日■信楽高原鉄道事故 遺族の会が来月米へ視察(京都)
  ■”開かずの金庫”展示 JR西日本新本社(京都)
  ■新大阪駅にアスベスト JR、近く除去作業(朝日)
9日■新宿に新本社ビル建設計画 JR東日本(京都)
  ■新幹線などの割引切符 繁忙期の使用を制限 JR6社(京都)
  ■線路わきススキ配付 あすからJR西日本(京都)
10日■車両メーカー正念場 JRの更新発注ダウン 輸出も低調、収益圧迫(朝日)
  ■風が強く徐行運転 JR湖西線(朝日)
11日■20日「バスの日」 小学生無料など サービス行事満載 府バス協会(京都)
  ■バスの到着知らせます 京都交通 亀岡駅前に新システム(京都)
12日■まくら木燃え3本が運休 JR東海道線(朝日)
  ■伊予鉄道事故 運転士のミス 四国運輸局が「警告」(朝日)
  ■連絡船思い出の地 「スペイン村」で再開発へ JR宇野駅前 遊休4年半 6.9f売却へ(朝日)
  ■「1億通り」金庫錠解けた 旧大鉄局(朝日)
13日■JR、遺族側に説明 信楽手順書書き換え(朝日)
15日■京都駅ビル高層化問題 アセス実施、見直しを 市民団体がアピール(京都)
  ■JR直流化延伸から1年 長浜に波及効果十分 商店街や観光地活況 京阪神直結 不法駐輪など弊害も(京都)
  ■電車衝突、66人死傷 遮断機破りダンプ進入 JR成田線踏切(京都)
  ■JR成田線 1人死亡65人けが 過積載か、遮断棒破る(朝日)
  ■深夜の職場を支える高齢者 不景気で職種減る(朝日)
17日■自由法曹団京都支部 京都駅ビル反対で意見書(京都)
  ■信楽事故風化させぬ 「資料館」建設 遺族の会検討(京都)
  ■京都駅ビル改築 「特定街区」適用は高層化容認し反対 市長へ自由法曹団支部(京都)
  ■新京都駅ビル 百貨店の出店と増床案 計画の規制申し入れ 審査会へ商工団体連など(京都)
18日■信楽鉄道事故 担当者ら書類送検へ 信号工事無届けの疑い(朝日)
ia日■180本の臨時列車運行 KTRが秋の旅客輸送計画 初のみかん狩り列車(京都)
  ■神戸へ日帰り運行 障害者専用列車「ひまわり号」 11月8日 ショッピングも(朝日)
  ■バス走って90年目のあす 京都市交通局・9社 小学生らに無料乗車(朝日)
  ■東海道新幹線が停電 上下30本遅れる(京都)
  ■架線に枯れ枝 新幹線止まる 愛知(朝日)
20日■JR成田線踏切事故 ダンプ運転手を逮捕(京都)
21日■PCB分解細菌を発見 JR総研、無害化に道(京都)
  ■信楽鉄道運賃値上げ認可 17.3% 1日から(朝日)
22日■北近畿タンゴ鉄道 秋の行楽シーズン 人気特急軸に90本増発(朝日)
23日■故障、JR神足駅で停車 ダイヤ乱れる(京都)
  ■京阪宇治交通 バス値上げ 来月から平均9.2%(京都)
  ■車いすに不便 京観光 リフト付きバス ただいまゼロ チャーター用 民間「採算合わず」(朝日)
  ■来月から値上げ 京阪バスなど(朝日)
  ■3割カット受け入れへ 京都駅ビル百貨店 JR社長(朝日)
24日■急行列車 車に衝突 右京のJR山陰線踏切 5800人の足混乱(京都)
25日■地下鉄東西線の山科工区 全面用地買収待たず 年度内に着工へ 京都市会委で市側表明(京都)
  ■リニア実験線の着手式 右翼封じ仲介依頼 金丸氏側が渡辺元社長に(朝日)
  ■エレベーター設置求め交渉 近鉄駅に「京都障害者会議」(朝日)
  ■台風19号の強風で KTR9本運休(京都)
  ■山陽新幹線も遅れ(京都)
26日■JR東海道線など 架線事故で31本遅れ(京都)
  ■電車の音で都会意識 ギャレ大阪(京都)
  ■スコープ ギャレ大阪 電車の音で都会意識(京都)
  ■赤帽さん生き残れるか 外国人頼みの京都駅 名古屋駅・キヨスクが委託料支援 東京駅・子会社への吸収見送り(朝日)
  ■都会のラッシュから「戻っておいで」 Uターン広告 電車に 故郷の呼びかけ次々(朝日)
  ■2段式で事故防げ!(朝日)
27日■選択迎える国労 難航のJR不採用問題 強い姿勢に減る応援団(京都)
  ■駅名「北新地」入れて 「全国的に有名」料飲協会要望 片福線新駅 すすきの・中洲の例もあるし(朝日)
28日■東海道新幹線乱れる(京都)
  ■信楽鉄道事故 進まぬ補償交渉 「犠牲者遺族の会」調停申し立て 基準開示で対立 うず巻くJRへの不満(京都)
  ■レールにひび ATCが異状 新幹線15本に遅れ(朝日)
29日■旧国鉄用地を売却 21ヵ所の競売を承認(京都)
  ■JR京都駅用地一帯「特定街区」の計画案 市が縦覧開始(京都)
  ■国鉄精算事業団 きょう京都総決起集会(京都)
  ■社債1000億円を来月5日発行 JR東日本発表(朝日)
  ■山梨リニア 設計協議全線で合意 建設促進に拍車(京都)
  ■東海道新幹線に遅れ 4000人の足乱れる(京都)
  ■東海道新幹線で遅れ 雨で車輪空回り(朝日)
30日■JR西労 ストを含む強硬方針 勤務時間改正案に反発(京都)
  ■難関 地下水 片福連絡線 工事再開12月以降 95年春開業 難しく(朝日)
  ■ひかり一時ストップ(京都)
  ■雨でまた遅れる 東海道新幹線(朝日)



1日■JR東日本 社債1000億円来月発行 国内初鉄道債償還にも充当
 JR東日本は、10月初旬に普通社債1000億円を発行する。関係筋が31日明らかにした。9月9日の取締役会で発行を決議する予定で、1987年4月に分割・民営化されたJRグループでは初の国内での社債発行となる。発行額1000億円は、1回の調達金額としては東京電力などと並び過去最大。調達資金は、旧国鉄時代に発行してJR東日本が引き継いだ鉄道債(期間10年)の償還などに充てられる見込み。
 JR各社は民営化後5年間は低利の政府補償債を発行できたが、今年から期限が切れた。上場前でエクイティファイナンス(新株発行を伴う資金調達)ができないため、JR東日本は今年4月にユーロ市場で円建て債権200億円を発行。相次いでJR東海、同西日本もユーロ債権を発行した。
 今回は、国内の機関投資家から広く資金を集め、あわせて投資家に対して「優良企業」ぶりを浸透させることを狙った。JR東日本はユーロー円債の発行を前に、日本公社債研究所から最上のAAA(トリプルA)の格付けを得ている。
 JR東日本は年間約2000億円になる設備投資は極力、内部留保でまかなう方針。社債による調達資金は、残高約7900億円(92年3月末)の鉄道債のうち、今年度後半から償還期日がくるものや、国鉄時代からの長期借入金約1400億円(同)の返済に充てていく。(朝日新聞)
2日■「混雑時はグリーン車にどうぞ」 JR東海「こだま」で試行 定期券客を対象 もちろん差額必要
 「定期券の立ち客は、空席のあるグリーン車へ。ただし差額はいただきます」。JR東海は1日、混雑時間帯の東海道新幹線「こだま」を対象に、定期券の利用者が希望すれば自由席からグリーン車に移ることができる試行を始めた。
 対象となるのは、上りが東京着午前7時から同9時台の8本。下りが東京発午前8時から同10時台の4本。いずれもグリーン車と、普通車の全席が自由席(普通車の指定席はなし)で構成されている「こだま」。上りの始発、下りの終着駅は三島、静岡、浜松など静岡方面の駅になる。
 同社によると、通勤定期券の利用客の増加で、通勤時間帯に走るこの12本は普通車の乗車率が120%前後と込み、立ち客が出る状態。逆にグリーン車の乗車率は3割前後とガラガラだった。これまで定期券利用客は空席のあるグリーン車には移動できずに、立ちっ放しで、「料金を払うから、席を移動できないか」との要望が出ていた。
 この取り扱いの変更で、例えば小田原−東京間(約40分)だと、グリーン・指定席の特急料金から自由席特急料金を差し引いた差額1220円を払えば、グリーン席に座ることができる。変更の手続きは車内だれの扱いとなる。(朝日新聞)
■ポイント故障で電車4本遅れる 城陽のJR奈良線
 1日午後1時20分ごろ、城陽市寺田林口のJR奈良線城陽駅で、京都発奈良行き普通電車が駅に入ろうとして、場内信号機が赤のまま変わらないのを見つけた。JR西日本で調べたところ、ポイントのモーターが空回りして、ポイントが変わらなくなっていたため、手動で元に戻し、復旧させた。
 この事故で、普通電車が現場で26分停車したのを始め、快速、普通合わせて4本が遅れ、約1800人の足に影響が出た。(京都新聞)
■信号機が故障電車4本運休 JR嵯峨駅
 2日午前10時17分ごろ、京都市右京区嵯峨車道町のJR嵯峨野線嵯峨駅で、園部発京都行き普通電車が駅に入る際、場内信号機が赤のまま変わらないのを運転士が発見、停車した。このため信号を手動で元に戻し、復旧させた。
 この事故で、京都−亀岡間上下4本が運休になったほか、当の普通電車が43分遅れるなど上下9本が遅れ約1700人が影響を受けた。(京都新聞 夕刊)
■路面電車暴走し追突 ブレーキ故障、13人けが 松山
 2日午前8時40分ごろ、松山市勝山町二丁目で伊予鉄道(本社・松山市)の道後温泉発JR松山駅行き1両編成の電車=和田清臣運転士(36)、乗客約20人=が、ブレーキが利かなくなり1.5`暴走した後、同市二番町四丁目の松山市役所前電停付近で信号待ちをしていた道後温泉発松山市駅行き市内電車=田中辰郎運転士(40)、同15人=に追突して止まった。この事故で双方の電車の乗客ら13人が指の骨折や足を切るなどして1ヵ月から数日のけがをした。
 松山東署の調べでは、追突した電車は約1.5`手前からブレーキが利かなくなり、直前の3駅を止まらずに時速10−15`で通過した。和田運転士は乗客に手伝ってもらって後部の非常ブレーキを動かそうとしたが利かず。走行中の電車のドアを開け、問い合わせてきた乗客に「ブレーキが利かなくなったので、飛び降りて下さい」と話したという。電車は現場から約100b手前のカーブを曲がったところで、前方に止まっている電車が見えたため、和田運転士が前の車両に知らせようと飛び降りたが転倒。乗客だけを乗せたまま衝突したという。
 乗客の一人は「窓わくや手すりにしがみついたが、衝撃で吹き飛ばされた。床板がめくれあがり、おじいさんが床板の間に落ち込んでいた」と語った。(朝日新聞 夕刊)
■信楽列車事故 賠償基準提示求め 遺族、調停申し立てへ
 去年5月、滋賀県甲賀郡信楽待ちで信楽高原鉄道の普通列車とJRの臨時快速列車が正面衝突し、42人が亡くなった事故で、乗客の遺族22人からなる「遺族の会」(吉崎俊三・世話人代表)は2日、JR西日本と信楽高原鉄道に賠償基準の提示を求める民事調停を申し立てる方針を決定した。7日、大津簡易裁判所に申し立てる。信楽高原鉄道事故で、遺族側からの調停申し立ては初めて。
 申し立てるのは同会の世話人ら6人
 申立書によると、信楽高原鉄道事故のような大規模な事故では原因を究明して責任を明らかにしてから賠償交渉に入るべきだが、事故から1年以上たつのに運輸省、警察の発表がない。このため、事故原因を明らかにするよう求めるとともに事故の統一的賠償基準を確定し、原因が解明されしだい交渉に入る。JR西日本などは「個別交渉で」としているが、このような大きな被害をもたらした損害の算定については、統一的な基準で賠償されるのが公平だ。大規模、悲惨なこの事故の特殊性を考慮した賠償がなされるためには、賠償額算定について納得できる説明をして協議すべきだとしている。
 これまで遺族の会は、犠牲者の一周忌法要のあと、賠償基準の提示を求め、説明会の開催を申し入れた。しかし、鉄道会社側は「プライバシーに触れる」として説明会の開催を拒否し、賠償問題は個別交渉で進めたいとしていた。
 JR西日本と信楽高原鉄道からなる「ご被災者相談室」によると、信楽事故で亡くなった42人のうち、信楽高原鉄道の従業員5人を除く37人の乗客の遺族らと補償交渉を進めている。交渉が済んだのは、一周忌までに5人と、8月上旬に1人の計6人だけ。
 「遺族の会」世話人代表の吉崎俊三さんの話 これまでの交渉で「鉄道会社側からは交通事故並みか、それ以下の基準の賠償額が提示された」との話しも出ており、不信感を募らせている。この際、きちんと基準をだして、遺族の納得がいくようにしてほしい。
 ご被災者相談室の多田均・大阪事務所長の話 「遺族の会」以外から、「基準が公開されると困る」という申し出もきている。賠償基準を公開すると、しこりが出る恐れがある。(朝日新聞 夕刊)
■都心を掘る世界一の歯 東京は泥水式 大阪は土圧式
 電気かみそりのお化けのような世界最大の回転式カッターが、東京と大阪の都心の地下を掘り始めた。
 東京は杉並区内の環状7号線の下に都市型水害対策用の地下調節池を掘る工事で、掘削機の直径は13.94b。大阪は福島駅付近の阪神電鉄地下化工事で、直経10.8b。
 茶簡形のシールド掘削機で、この工法では、日本が世界最先端を行く。前面にかかる圧力を支えるのに、掘った土と海水を使う2つの方法があり、東京は海水式、大阪は土圧式だが、どちらも海外に技術輸出されている。地上の交通を止めずに工事ができることから、シールド工法の需要はますます増えている。複数車線の地下道路や巨大な地下河川用に、より大きなシールド機の研究開発も盛ん。(朝日新聞 夕刊)
3日■賠償の調停申し立てへ 信楽鉄道事故犠牲者遺族の会
 信楽高原鉄道事故の犠牲者のうち、22遺族でつくる「犠牲者遺族の会」(吉崎俊三世話人)は、JR西日本と信楽高原鉄道両者に賠償額算定基準の提示を求める調停を7日、大津簡裁に申し立てる。
 申立書などによると、運輸省や滋賀県警の原因究明が長期化しているため、遺族はこの間に両社と一般的な賠償基準を協議、確定し、原因解明後はただちに具体的な賠償交渉に入る方針を決めていた。一周忌後の今年6月、損害賠償額の算定基準についての説明会開催を求めた。しかし両社は「プライバシー問題であり、遺族間の利害が絡む」として拒否、賠償問題は個別交渉にゆだねてほしいとした。遺族会は▽一般的な賠償基準の説明を求めているだけで、しかも遺族側からの申し入れであり、プライバシーには関係ない▽賠償はそれぞれの遺族に適正額でなされるものなので、遺族側に利害関係は生じない−などと反論。8月に説明会開催を再度拒否されたため、調停の申し立てを行うことにした。
 両社でつくる「ご被災者相談室」によると、これまでに乗客37人中6遺族の補償示談が成立している。(京都新聞)
■実現へ大きく前進 渋滞緩和の期待も 地下鉄烏丸線の延伸 幼稚補償交渉は暗礁に
 地下鉄烏丸線の延伸計画は、2日の京都市都市計画審議会で喪認されたことによって、実現へ向けて大きく前進した。人口の急増で渋滞に悩まされてきた左京区岩倉方面の住民らは「交通事情が飛躍的に改善される」と歓迎。しかし、地下鉄が通過する同区松ケ崎地区の住民の間からは、工事や開通に伴うがけ崩れ、地価への影響などを懸念する声が出ており、市交通局による用地の補償交渉は暗礁に乗り上げている。
 延伸ルートの大部分は、北山通(市道)や、公園用地など市有地の地下。しかし、新設される松ケ崎駅の北東付近にあたる松ケ崎中町、堀町、海尻町では、住宅街の地下を通過することになる。住宅地では地上権を設定し、地権者との間で賃貸契約を結ばねはならず、市交通局は今年5月に地元説明会、6月下旬には46人の地権者に対する用地説明会をそれぞれ初めて開いた。
 しかし、地権者らは「寝耳に水の計画で、納得できない」と強く反発。41人が「地下鉄松ケ崎協議会」を結成し、個別交渉を拒否し続けている。
 同協議会は@ルート決定に住民の意見が反映されていないA工事や電車の振動などで、住宅に隣接する山が崩壊する危険性があるB地下鉄の通過によって土地の売買価格は低下し、担保能力がなくなる−という。これに対し交通局側は@駅間距離などを考えれば路線変更は無理A周辺の岩盤は硬く、山が崩れる心配はないB地上権設定にあたっては基準に沿った補償をする−と説明。両者の主張は対立している。
 交通局は来春にも延伸区間の建設に着手する予定だが、同局計画課は「松ケ崎付近で実際に工事が始まるのはもっと後で、まだ時間はある。地上権の設定については、烏丸線の建設などでも理解を得てきており、今後も誠意を持って話し合いを続けていきたい」という。
 一方、同協議会の宮本猛・代表世話役は「問題の山では以前、大規模な崩落が起きて土蔵が消滅したこともある」と指摘。「松ケ崎駅の中心をわずか60b西へずらすだけで、地下鉄の影響を受ける地権者は大幅に減る。市には、住民の声に耳を傾け、誠実にこたえようという姿勢が全く見られない」と憤慨する。今後も田辺市長に対する公開質問状の提出や、国への働きかけなどを通じて、市側にあくまでも計画の見直しを追っていく構えだ。
・3駅の駐輪場も承認 都計審
 京都市都市計画審議会(会長、佐藤達三助役)は2日、地下鉄烏丸線(竹田−北山間11.1`)の北部への延伸や、同東西線3駅への自転車駐輪場設置などに伴う都市計画の変更を認めた。
 延伸は北山(北区上賀茂)−国際会館(左京区岩倉)間2.6`で、全線が地下式。「松ケ崎」「国際会館」の2駅を新設する。
 すでに運輸大臣から事業免許を得ており、市は今年度中に府の都市計画地方審議会の承認や府知事決定などの一連の手続きを終え、来年度早々から着工、1997年度中の完成を目指す。一方、駐輪場を設置するのは、建設中の東西線に新設される醍醐(伏見区、1000台)、椥辻(山科区、800台)、東野(同、900台)の3駅。いずれも地下に建設する。(朝日新聞)
■900台超す大駐車場に 御池通地下に「第2」整備
 京都市は中京区の市役所前の御池通で「御池第二地下駐車場」の建設に乗り出す。2日の市都市計画審議会で承認された。すでに建設中の御地地下駐車場と一体的に整備する計画で、完成すれば900台を超える収容台数を有する市内最大の公共駐車場となる。
 御地第二地下駐車場は、御池地下駐車場西側にあたる御幸町通−高倉通間の地下に建設する。2層式で延べ床面積2万3500平方b。収容台数は約630台。麩屋町通交差点付近の西行き車線と間之町通交差点付近の東行き車線に入り口を、同西行き車線に出口を設ける。
 御池地下駐車場(1層式、1万2200平方b)は、第三セクター「京都駐車場会社」が、地下鉄東西線の建設に合わせ、地下街の一部として計画。収容台数約 300台で、昨年9月から工事を進めている。
 市と同社は両駐車場をつないで一体的な利用ができるようにする考えで、いずれも1994年度中の完成を目指している。これによって、河原町通から高倉通にかけての御池通の地下に長さ約650b、幅35−44b、収容台数計930台の大駐車場ができることになる。
 市によると、現在、日常的に利用できる公共駐車場としては、民間では「京都ファミリースカイパーキング」(右京区、570台)、公営では建設中の岡崎公園地下駐車場(左京区、500台)が最大という。市都市計画課は「市役所周辺では約1000台分の駐車場が不足しており、御池通地下の駐車場建設によってこれがほぼ解消できる」と話している。(朝日新聞)
■松山の路面電車事故 運転士の操作ミスか
 松山市で2日朝起きた路面電車の暴走、追突事故を調べている松山東署は同日午後、業務上過失傷害の疑いで、追突した電車の和田清臣運転士(36)から事情聴取し、警笛を止めるため、同運転士が誤ってブレーキに圧縮空気を送るタンクの空気を抜いたのが原因と突き止めた。
 調べでは、和田運転士は、事故現場の1.5km手前の信号で停車した際、故障した警笛をなおそうとしてブレーキやドアを作動させる車外の空気タンクのコックを開けた。ここから空気が漏れてブレーキが利かなくなり、暴走を始めたらしい。
 さらに、非常時に速度を落とす電気ブレーキを使い忘れたほか、パンタグラフを降ろそうとしたり、走行中の電車から飛び下りて走りながら前部を点検するなど対応がまずかったため、追突を防げなかったらしい。(朝日新聞)
■地下鉄駅の熱気 冷暖房に再利用 大阪市交通局省エネ策検討
 乗客の出す熱もエネルギーとして利用させていただきます−地下鉄の駅構内にたまる熱気を回収し、駅や周辺ビルのオフィスの冷暖房や給湯に利用するプランを大阪市交通局が検討している。同市は8月11日、環境庁から地球温暖化を引き起こす二酸化炭素の抑制に配慮した街づくりを進めるモデル自治体に選ばれたはかりで、「未来型エネルギー」と、この新熱供給システムの効果に期待している。
 地下鉄内では、車両、照明、空調設備などのほか、乗降客の人体からも熱が発生し、駅構内やトンネル内にこもり、33.4度まで上昇。これまでは、換気口から地上へ排出していた。
 計画では、駅構内の熱を取り出し、エネルギーとして利用できるようにするのに液化ガスを使う。駅の外に熱気を漏らさないようにして、まず天井近くのパイプラインに液化ガスを通すことで構内を冷房。構内の熱に触れて暖められて気化した液化ガスは回収して圧縮、熱交換器で冷却して液化し、再び循環させる。
 熱交換器で液化ガスを冷却するのに使った水は、約八度上昇する。この熱エネルギーを暖房や給湯用に利用したり、臭化リチウム入りの吸収冷凍機で冷房用に転換する。エネルギー量は1駅当たり1日4、500万`カロリー。有効活用すれば、駅構内では20%前後の省エネもできる、といわれている。
 環境庁や通産省などは現在、夏冷たく冬暖かい川や下水などの水と気温との温度差など、従来あまり利用されていないエネルギーを使った地域熱供給システムの整備に乗り出している。地下鉄排熱もその一環で、札幌市の地下鉄ではすでに実施されており、夏場には駅構内の冷房、冬場は駅入り口に積もった雪を溶かすことなどに利用している。
 地下鉄の排熱利用にはコストの問題が残っているものの、大阪市は未来エネルギー候補の一つとして、今年度に調査費約100万円を予算に計上している。(朝日新聞 夕刊)
■日本の農業・食文化見直そう 伝統食列車 この秋発車 大阪の「考える会」 イベント列車で 全国へ交流の旅
 食材料の半分以上を輸入に頼っている日本の農業、食文化について考えようと、この秋、農産物や郷土料理を積み込んだ「伝統食列車」が走り始める。大阪に事務局を置く市民団体「日本の伝統食を考える会」(宮本智恵子代表)が計画し、順に全国を巡り」各地を訪ぬた記録も残す予定だ。メンバーらは4日、プレイベントとして北海道の郷土食を訪ねる旅に出発、アイヌの人たちとも交流する。
 「考える会」は主婦らを中心に11年前に発足。コメを主食に、旬(しゅん)の野菜、イモ、豆、魚、海草などを取り合わせたものを伝統食ととらえ、学習会や料理講習などで、各地に残る郷土料理の掘り起こしや伝承に努めてきた。88年から89年にかけ、米国の農産物などを紹介しながら全国を回った「アメリカントレイン」を見て、今回の企画を思いついたという。
 「伝統食列車」はJRのイベント列車を借り切って走らせる。第1号は「山陽、山陰ひと回り」号と名づけ、11月3日朝、大阪を出発。広島県福山市、山口県長門市から兵庫県豊岡市と回って大阪に戻る3泊4日の予定。列車には、郷土料理や農産物を積み込み、風景を楽しみながら試食したり、討論したり。福山市などの宿泊地ではシンポジウムや交流会を開き、瀬戸内の魚料理なども味わう。
 第2号は来年2月、「冬を乗りきる郷土食」号として、新潟、山形、秋田へ。第3号は5月中旬、「雪解けの信濃路の郷土食」号として長野県へ走らせる。そのあと、さらに時期をずらしながら四国、九州、関東、東海、関西と巡る予定。
 宮本さんは「輸入圧力が強まる中で、郷土料理を安易に捨てているような気がする。本当のおいしさとは、真の豊かさとは…。足元に残っている伝統食を掘り起こし、日本人の食卓を考えていきたい。消費者として、日本の農業もしっかり見つめ、守っていきたい」と話している。
 問い合わせは、宮本さん(06-325-2693)か、事務局の中筋さん(075-451-0132)へ。(朝日新聞 夕刊)
■男性飛び降り 福知山線電車から
 3日午前10時半ごろ、兵庫県三田市福島のJR福知山線新三田駅東約60bで、走行中の福知山発新大阪行き上り特急「北近畿6号」が急停車した。通りがかりの人が「開いた列車のドアから、男性が飛び降りた」と110番、三田署が捜索したところ、線路沿いで若い男が意識不明で倒れており、市内の病院に運ばれた。列車は現場で約8分間停車、乗客は無事だった。(朝日新聞 夕刊)
4日■「のぞみ」ボルト落下 塗装圧塗りで緩む JR東海発表 締め付け力9割滅
 東海道新幹線で今年5月、「のぞみ」型車両の「ひかり238号」が立ち往生した事故で、JR東海は3日、事故の引き金となったモーターの固定ボルトの落下は、取り付け部分の塗装が厚く塗られたためボルトが緩んだのが直接の原因と発表した。事故車両と同じ状態で行った再現試験で、裏づけられた、としている。一方で、専門家からは複合的な原因ではないか、との指摘が出ている。
 試験は、事故車両のボルト取り付け部分とほぼ同じ状態にした「塗料の厚さが210ミクロン」と、通常の「塗料の厚さが70ミクロン」の異なる条件で、それぞれボルトを締めて、その後の締め付け力の変化を調べた。6月から7月にかけてボルト約200本を使い、鉄道総合技術研究所(JR総研)と共同で行った。
 結果では、ボルトを締めた1時間後は通常の塗装だとボルトの締め付け力は1割、30日後は3割程度低下したのに対し、事故車両と同じ塗装状態だと力は1時間後に7割、30日後には9割も低下。塗料の乾燥状態を変えても傾向は変わらなかった。また参考のため、取り付け部分に塗装をせずに縮めたボルトは、締め付け力がほとんど落ちていなかった。(朝日新聞)
■山口のJRトンネル事故 意識もうろう脱出 作業員「自分のことしか…」
 「フラフラしながら、やっとのことでトンネルを脱出した」。4日未明、山口県のJR岩徳線の中山トンネルで起きた排ガス中毒事故で、助かった現場作業員は、事故当時の様子を語った。
 トンネルの中央部で作業をしていた神田近亘さん(57)=同県玖珂郡由宇町=はレール交換作業15年以上のベテラン。同午前1時ごろ、「頭が重い」と感じたが、最初、血圧が下がって自分の体の調子が悪いと思ったという。
 突然、現場責任者からハンドマイクで「酸欠だから早く出てくれ」と指示があり、ヘルメットのランプを頼りに意識がもうろうとしながら、出口に向かった。
 神田さんは「無風だったからガスが充満したのではないか。こういう事故を想定した指示や訓練は一切なかった。今は仲間の1人が病院へ運ばれたのが心配でしかたがない」と話していた。
 同じ作業をしていた木島哲弥さん(64)=同町=は「逃げる途中、2人が既に倒れていたが、自分のことが精いっぱいで助ける余裕はなかった。9年間この仕事をやっているが、こんな事故は初めてだ」と驚いていた。(京都新聞 夕刊)
5日■山陽電車に車衝突 運転の会社員重体
 4日午後9時20分ごろ、兵庫県高砂市荒井町千鳥二丁目の山陽電鉄キッコーマン踏切=警報機、遮断機付き=で、同市中島一丁目、会社員久保田謙さん(59)運転の乗用車と、阪神大石発姫路行き特急=6両編成、上村浩司運転士(36)=が衝突した。久保田さんは頭などを打って意識不明の重体。乗客約250人にけがはなかった。(朝日新聞)
■日本テレコムが来月全国サービス体制に
 JR系の日本テレコム(本社・東京)の坂田浩一社長が4日、鳥取市内で記者会見し、唯一の「空白県」だった鳥取県で10月6日から市外電話と専用線のサービスを開始する、と発表した。これにより、同社は、新電電各社では初めて、全都道府県での市外電話サービス体制が整う。(朝日新聞)
■鉄橋接触、荷崩れ 一時国道ふさぐ JR関西線にも遅れ
 4日午後2時20分ごろ、京都府相楽郡南山城村北大河原の国道163号で、大阪府交野市私部、大京運輸の大型トラック=野津和宏運転手(25)=の積み荷がJR関西線鉄橋に接触、荷崩れを起こしてH形鋼材(長さ約15b)3本が西側車線をふさいだ。この事故で国道が片側通行になり、関西線2本が、10分ほど遅れた。国道は午後7時過ぎに開通した。(京都新聞)
■古い発電機を利用 山口のトンネル内事故
 山口県玖珂郡周東町のJR岩徳線中山トンネル内で4日未明起きた作業員ら29人の酸欠・一酸化炭素中毒事故で山口県警捜査一課と玖珂西署は同日、業務上過失傷害の疑いで作業監督責任者のJR西日本の関係者から本格的な事情聴取を始めた。これまでの調べでトンネル内で使用された発電機の中にはかなり古い型だったことが判明、発電機自体に異常がなかったか、同署は任意提出を受けて詳しく調べている。
 岩国労働基準監督署なども発電機を起こす際の換気が不十分だったとみて、労働安全衛生法違反の疑いで調べを始めた。
 これまでの調べでは、トンネルは吹き抜けがなく通気性が悪い。送風機などは置かず、自然の風による換気だけに頼っていたが、事故当時、無風で、長さ1.4`の狭いトンネル内に排ガスが充満しやすい条件だった。(京都新聞)
7日■不発弾処理で2000人が避難 横浜・JRも一時運休
 横浜市緑区で6日午後2時から約2時間にわたって、第2次大戦中に投下された不発弾の処理が行われた。周辺住民約2000人が避難、近くを走るJR横浜線が運休するなど付近は一時緊張に包まれた。
 不発弾は米軍の250`爆弾(長さ1.2b 直径36a)でことし8月、同区中山町、自治会長斉藤孝夫さん(71)が自宅近くに所有する畑にマンションを建設する際の事前調査で見つかった。
 連絡を受けた緑区は処理を陸上自衛隊第一師団(東京都練馬区)に依頼するとともに、現場から半径300bを警戒区域に設定。住民約2000人に避難を呼び掛け、150bのところを走っているJR横浜線に一時運休を申し入れた。
 JRは午後2時から4時まで横浜線中山−鴨居間で運行を停止、折り返し運転した。同線は上下36本が運休、約1万2000人に影響が出た。(京都新聞)
■線路上の男性はねられ死亡 草津の東海道線
 6日午前11時35分ごろ、草津市西渋川二丁目のJR東海道線で、線路上に立っていた同市の男性(35)が野洲発網干行き普通列車にはねられ、即死した。草津署では、自殺とみて調べている。
 電車は現場に約20分間、止まったあと瀬田駅まで行き、ブレーキ管の故障で運転を打ち切った。乗客約140人は後続の電車に乗り換えた。他の後続電車には影響なかった。(京都新聞)
■大阪環状線 化粧直しで定年延長 花形103系電車310両 耐用年数40年まで”酷使”とか
 大阪環状線を走っているオレンジ色の電車の定年が10年延びて40年になり、車両の大がかりな化粧直しが始まっている。定年延長になったのは、「103系」という型の通勤用車両で、4年前までは東京の山手線で活躍、大阪環状線では今でも主力の花形車両。人間と同じように、電車もぎりぎりまで働かされるようだ。
 103系車両は、都市部の短い駅間を速く走れるよう高加速、高減速を目指してつくられ、1964年に山手線に初登場。関西では68年の阪和線を手始めに、大阪環状線を中心に、片町線や関西線などに大量に導入された。現在、JR西日本には約850両あり、通勤車両の6割を占めている。
 当初、耐用年数25年だったこの車両は、国鉄時代の終わりごろ、ブレーキの空気管を取り換えるなどの「特別保全工事」を施されて、耐用年数が30年に延ばされた。その後、JR西日本が車両の強度試験をしたところ、柱や土台は老朽化していないことがわかり、財政的に助かることから、内装に手を入れて耐用年数を40年に延ばすことにした。
 改装するのは、850両のうち、73年以降に入れた比較的新しい約310両。費用は1両当たり900万円。今年度は17両を改装する。
 JR西日本は、今度の改装を「延命工事」と呼んでいる。車体の塗装をはがしてさびを落とすほか、いすのシートを青色から茶色に、壁を薄縁色からアイボリーに、床を灰色から茶系に変え、温かい雰囲気にする。このほか、掃除をしにくいドアの戸袋部分の窓をふさいだり、これまで上下とも開閉できた窓の下の部分を、雨水が入るのを防ぐために、固定して開かなくしている。
 桜井紘一・JR西日本車両部長は「わたしたちが、働き盛りに人間ドックに入るように、電車が車両ドッグに入るようなもの。安全性には問題ないので、手入れすれば、まだまだ使えます」と話している。(朝日新聞 夕刊)
8日■信楽高原鉄道事故 遺族の会が来月米へ視察
 信楽高原鉄道衝突事故の犠牲者のうち22遺族でつくる「犠牲者遺族の会」(吉崎俊三世話人)は7日、JR西日本と信楽高原鉄道両社に賠償基準の開示を求める調停を大津簡易裁判所に申し立てた後、同弁護団(秋田真志事務局長)と裁判所内で記者会見し、米国の事故調査システムなどを視察するため来月4日に訪米することを明らかにした。
 訪米団は、吉崎さんら遺族2人と弁護団4人の計6人。1週間滞在し、米国で鉄道など大型輸送機関の事故調査や安全基準の作成にあたる全国運輸安全委員会(NTSB)や連邦鉄道局(FRA)、連邦航空局(FAA)などの政府関係機関を訪れ、事故原因のシステムや事故予防策について同11日まで視察するという。(京都新聞)
■”開かずの金庫”展示 JR西日本新本社
 今春、風雪64年の歴史にピリオドを打ち、解体工事が進められているJR西日本の旧本社ビル(旧大阪鉄道管理局ビル、JR大阪駅北側)で見つかった昭和初期のものとみられる菊の紋章入りの大型金庫や、明治期のピアノなど鉄道省時代をしのばせる備品約40点が、7日から新本社(大阪市北区芝田二)1階ロビーで展示されている。
 中でも大型金庫は中を見た社員もなく、展示前の5日、金庫メーカーの専門家が錠開けに挑戦したものの、ピクリともせず「とてつもない貴重品が入っているかも」と深まるなぞで話題となっている。
 金庫は同ビルが建設された昭和3年当時のものとみられ、「戦前は教育勅語、戦後は歴代局長の顔写真などを保管していた」(国鉄OBら)などの話があるが、真相は不明という。(京都新聞)
■新大阪駅にアスベスト JR、近く除去作業
 発がん性物質として問題になっているアスベスト(石綿)がJR新大阪駅構内に使われており、JR東海は近く取りかかる新幹線コンコースの全面改装工事の際、アスベストを取り除く作業を始める。JR東海によると、東海道新幹線の駅でアスベストが使われているのは新大阪駅だけで、「乗客らに危険が及はないよう十分配慮したい」としている。
 アスベストが使われているのは、駅構内の柱や天井の梁(はり)など。1964年の新幹線開業時、耐火目的で使用され、コンコース部分の吹き付け面積は延べ約7000平方bに及ぶ。JR東海が去年8月、構内のアスベスト濃度を測定したところ、空気1リットル中繊維1本別後で、通常の外気の濃度と大差はなく、そのままでは問題がない状態だったという。
 しかし、関西新空港の開港をにらんだ今回のコンコース改装工事で、アスベストが飛散する恐れがあることから、同時にアスベストを取り除き、化粧材に替えることにしたという。
 工事中は建設省などの指導に沿って、現場をシートで囲み、内部の気圧を下げ、アスベストの繊維が外に逃げないようにする。このほかアスベストの処理をしていることを掲示して乗客らの注意を促すようにするなどの安全策をとる。
 新大阪駅での新幹線の乗客は1日約7万人。新幹線部分はJR東海が、在来線部分はJR西日本がそれぞれ管理している。アスベスト対策を進める大阪市環境保健局によると、在来線部分にもアスベストが使われており、JR西日本が徐々に取り除く作業を進めているという。
 アスベスト 繊維状の天然鉱物で、熱や薬品に強いため用途は広い。1950年代半はごろから耐火、吸音材などに使われたが、強い毒性があることから75年に吹き付け作業が禁止され、建築物にはほとんど使われなくなった。(朝日新聞)
9日■新宿に新本社ビル建設計画 JR東日本
 JR東日本(住田正二社長)は8日、東京・JR新宿駅南口(東京都渋谷区代々木二丁目)に新本社ビルを建設、千代田区丸の内一丁目の現JRビルから移転する、と発表した。
 新本社ビルは来年度着工、平成8年度に完成の予定で、同年度中に本社を移す。JR西日本東京本部や、JR東日本の子会社などが同ビルに入るほか、JR東海とJR貨物は別のビルに移転することになっており、東京駅前の一等地にある現ビル(東京・丸の内)は空き家になる。
 現JRビル敷地(約1万2千平方b)を所有している国鉄精算事業団は旧国鉄債務の償還のため、各社の移転が終わり次第、建物を撤去して更地化し、処分する方針。
 JR東日本によると、新本社ビルは土地の有効利用を図るため、隣の小田急電鉄の敷地と合わせ共同開発する。全体の敷地面積は約2万4000平方b。
 JR東日本は地上28階、地下4階(高さ160b)の新本社ビルを、小田急は360室程度のホテル、オフィスの複合ビル(地上37階、地下4階、高さ160b)などを建設する。総工費は全部で1000億円に上る見込み。(京都新聞)
■新幹線などの割引切符 繁忙期の使用を制限 JR6社
 JR旅客6社は8日までに、「新幹線エコノミーきっぷ」など割引切符について、年末年始など繁忙期は使用を制限することを決めた。
 使用制限期間は、ゴールデンウィーク(4月27日−5月6日)、月遅れ盆期間(8月11日−同20日)、年末年始(12月28日−1月6日)の、いづれも10日間で、ことしの年末年始から実施する。
 今回の割引切符の使用制限についてはJRは「航空運賃の割引制度も繁忙期は対象外になっているし、繁忙期に家族連れなど一般の乗客から切符が取れないとの苦情が寄せられているため」と説明しているが、割引切符利用者から不満の声が出てきそうだ。
 割引切符はJR各社によっていろいろな種類があるが、使用が制限されるのは、新幹線エコノミーきっぷ、特急回数券、往復割引切符、Sきっぷ、Qきっぷなど特急、急行列車を利用する切符。区域内フリー切符など普通列車を利用する割引切符や定期用回数特急券、ジャパンレールパス、日韓共同きっぷといった国にまたがる切符はこれまで通りいつでも使える。(京都新聞)
■線路わきススキ配付 あすからJR西日本
 中秋名月(11日)に合わせ、JR西日本は10、11日に琵琶湖線、京都線などの計19駅でススキのプレゼントを行う。
 同社が設立された1987年秋からの恒例行事。保線区の社員が、線路わきの土手などで刈り取ったススキを3−5本ずつの束にして駅構内で会社帰りの乗客らに無料配布し、秋を楽しんでもらおうという趣向。
 今年は2日間で1万5100束を配る。京滋での配布駅は京都、山科(11日午後5時)、向日町(同5時半)、長浜、米原、草津、堅田(同6時)の7駅。(京都新聞)
10日■車両メーカー正念場 JRの更新発注ダウン 輸出も低調、収益圧迫
 車両メーカーを取り巻く環境が厳しくなってきた。JRグループの老朽車両の更新がほぼ終わったのに加え、日米摩擦などを背景に輸出が低調なためだ。また相次ぐ次世代車両の開発負担が収益を圧迫し、「経営は今が正念場」との声も出ている。
 JR兵庫駅の海沿いにある川崎重工業兵庫工場(神戸市兵庫区)。全国の車両生産の3割強を送り出す国内最大の工場だ。
 構内には、出荷を待つJR向けが中心の白や銀色の完成車両がずらり並び、一見順風満帆に見える。が、現場の最高責任者、山田桑太郎取締役・車両事業本部副本部長の顔色はいまひとつさえない。「内外とも受注が落ち着き、量産車両の率が落ちて採算も悪化している」という。
 旧国鉄が民営化し一時は、車両更新のブームが起きた。JRグループ最大の東日本は、88年度から91年度までの四年間で1833両を新造した。その結果、旧式車両の更新をほぼ終え、今年度の予定はわずか97両だけだ。西日本も同じ期間に739両を新造したが今年度からはペースを落とすなど、大量発注時代は完全に影を潜めた。
 川重の場合、例年JR向けが5割を超す。JRからの発注を受け、車両部門の業績は、88年度に975両701億円)、89年度は1114両(673億円)とピークを記録。90年度も1071両、594億円と高水準で推移した。ところが、昨年度は826両(549億円)と落ち着き、今年度は新幹線「のぞみ」型64両など800両(600億円)程度に落ちる。
 輸出比率は、このところ1割前後だが、環境が悪化しているのも悩みの種。住友商事がロサンゼルスの公共路面電車を落札したのに、地元世論がクレームをつけ、契約が宙に浮いた事件が象徴的だ。それでも香港向け路面電車やニューヨークの地下鉄車両などを手掛ける。
 経営面では、開発負担が苦しい。去年、今年とJR東日本向けの次世代新幹線車両「STAR21」や西日本向けの「WIN350」などの新しい試作車が目白押し。当面回収できない開発負担が1車種当たり数億円かかってくる。山田取締役は「将来JR向け次世代車両の受注が始まれば、また業績は回復する」と今後にかける。業界第2位の日本車両製造(本社・名古屋市)も「川重さんと全く同じ状況」という。(朝日新聞)
■風が強く徐行運転 JR湖西線
 10日午前9時25分ごろ、JR湖西線沿いの比良川風速計(滋賀県滋賀郡志賀町)が風速20bを記録したため、JR西日本は比良−近江舞子間で時速30`の徐行運転を始めた。午前11時5分に解除され、特急など14本に最高5分の遅れが出た。(朝日新聞 夕刊)
11日■20日「バスの日」 小学生無料など サービス行事満載 府バス協会
 「バスの日」の9月20日、京都府バス協会は乗合バスの小学生無料サービスや高速バス招待など多彩な行事を展開する。
 小学生の無料乗車は、座席指定の高速バス、定期観光バスなどを除く府内の全路線。車内や営業所などで配布するチラシに付いている乗車券を切り取って使用すれば保護者同伴の個人乗車に限って無料とする。
 高速バス招待は京都−鹿児島など京都始発の長距離バスの利用推進が狙いで、6高速バス路線で計10組、20人を無料招待する。今回初めてのキャンペーンで希望者ははがきにペアの名前、住所、電話番号、希望コースを書いて同協会〒612伏見区竹田向代町、075(691)6517へ10月1日までに申し込む。多数の場合は抽選。
 「バスの日」は1903年9月20日に日本で初めて京都でバス営業が始まったのを記念して日本バス協会が定めた。(京都新聞)
■バスの到着知らせます 京都交通 亀岡駅前に新システム
 京都交通(本社・亀岡市)は、バスの遅れでつのる「イライラ」解消のため、到着時間を知らせるバス・ロケーション・システムを11日から、亀岡駅前停留所に導入する。府内の民営バスでは初めての措置。
 新しいシステムは、祇園−園部間の急行バスに導入される。バスに送信機を搭載、祇園行きの場合、市農協前付近で電波を発信。これを亀岡駅前バス停に設置した受信機で受ける。スピーカーで「間もなく到着します」のアナウンスと、その旨を書いた表示板にランプが点滅する仕組み。
 園部行きの時は、頼政塚前のバス停付近で発信する。いずれの場合も、およそ5分後にバスは到着する。
 同区間の急行バスは国道9号を走っているため、交通渋滞などで日常的に遅れが出ている。いつバスが来るかわからず、イライラするバス待ち客も多い。京都交通は「バスの活性化とサービス向上につながれば。今後、状況を見て、主なターミナルにも考えたい」と話している。
 このシステムは、京都市バスで使われているが、民間では全国的にも少ないという。(京都新聞)
12日■まくら木燃え3本が運休 JR東海道線
 11日午後1時15分ごろ、兵庫県西宮市池田町のJR東海道線(神戸線)で、上り線路のまくら木付近から出火しているのを、下り線を走っていた高槻発西明石行き普通列車の運転士が見つけ、列車を止めて消火器で消し止めた。まくら木は、てのひらの大きさの焦げ跡がついただけだったため、運行を再開した。この事故で、上下3本が運休、12本に最高23分の遅れが出た。JR西日本が原因を調べている。(朝日新聞)
■伊予鉄道事故 運転士のミス 四国運輸局が「警告」
 松山市勝山町二丁目で2日、伊予鉄道の路面電車が信号待ちの電車に追突、双方の乗客計17人が負傷した事故の原因について、四国運輸局は「運転士の人為的、初歩的なミス」と断定、11日までに運転士の教育訓練の強化などを求める3項目の「警告」(文書)を同社の永野浩社長にした。(朝日新聞)
■連絡船思い出の地 「スペイン村」で再開発へ JR宇野駅前 遊休4年半 6.9f売却へ
 78年間に2億5000万人を運んだ、岡山県玉野市築港、JR宇野駅にある宇高速絡船の桟橋・操車場跡地が18日、国鉄清算事業団の手で売却される。瀬戸大橋開通で連絡船が廃止され、遊休地になって4年5ヵ月。同駅前の一等地6.9fで、宇野港再開発の拠点として整備される。
 売却されるのは宇野線に沿った待避線跡、連絡船が貨物列車を運んだ時代に活気づいた操車場跡、乗降客が席を争って走ったホームと桟橋、岸壁跡。南北に細長い扇形で合計約8.7fある。この土地を玉野市が進める土地区画整理事業で3区画に分け、使いやすいように長方形に整地。合計6.9fが売り渡される。
 売却はだれでも参加できる公開競争入札方式だが、名乗りを上げているのは跡地に大型テーマパークを建設しようという岡山県、玉野市、三井造船などでつくる第三セクター、株式会社「スペイン村」だけ。落札すればこの10月にも着工、1994年夏に開園する計画だ。
 連絡船跡地のテーマパーク「スペイン村」を核にした宇野海再開発に、地元は熱い期待を抱いており、駅前商店街でも、スペイン風の街づくりが進んでいる。「年間200万人の入場者を呼び込み、長崎オランダ村を避える国際文化交流拠点に」との皮算用だ。
 これに関連して、玉野市は、宇野駅の駅舎移転新築を決め、近くホームや線路、信号装置の移転工事をJRに委託する。鉄道沿いの幹線道路を付け替えて踏切を無くし、4車線にするほか駅前広場も一新。連絡船専用突堤を3万d級の豪華船が接岸できる旅客船岸壁にする。(朝日新聞 夕刊)
■「1億通り」金庫錠解けた 旧大鉄局
 JR大阪駅北側で取り壊し中の旧大阪鉄道管理局で、ダイヤル式の錠の番号が分からず開かないままになっている大型金庫が見つかったが、12日午前、金庫メーカーの技術者が、番号を見つけだして解錠する作業に挑戦した。番号の組み合わせは1億通りもあったが、正午過ぎに解錠に成功した。引き続いて扉を開けたところ、白木の箱がはまっており、上部に御簾(みす)のような飾りの布がついていた。箱の中は空だった。
 この金庫は、高さと幅が1.6b、奥行きが90a。正面上に金色の菊の紋章がついており、表面は木製でうるしが塗ってある。旧局舎の解体中に1階のエレベーター跡を改造した倉庫で見つかったもので、長い間、存在さえ忘れられていた。JR西日本が、国鉄OBに聞いたところ、歴代局長の写真、教育勅語、天皇の写真などを保管していたのではと諸説が出てきたが、どれもはっきりせず、「何が入っているのか」と、なぞになっていた。
 JRは今月5日に金庫メーカーの技術者2人を呼び、解錠を依頼。しかし、約2時間、挑戦したにもかかわらず、とうとう開かなかった。メーカーでは、この1週間、対策を練り、この日は技術者4人の挑戦となった。(朝日新聞 夕刊)
13日■JR、遺族側に説明 信楽手順書書き換え
 信楽高原鉄道事故で、JR西日本が「優先てこ」の取り扱いマニュアルを事故後に書き換えていた問題について、同社は12日、「遺族の会」総会の席上、説明した。JR側は、3回書き換えられ、その際、最初のマニュアルにあった「使用が困難になっています」などの部分を「表現が適切でなかったため削除した」などと弁明。これに対し、遺族らは「問題性を指摘した部分を勝手に削除すれば、組織的に資料の改ざんを図ったともとれる」と抗議した。(朝日新聞)
15日■京都駅ビル高層化問題 アセス実施、見直しを 市民団体がアピール
 JR京都駅ビルの高層化に反対している市民グループ「のっぽビル反対市民連合」(代表・西山夘三京都大学名誉教授)は14日、学者ら37人の呼び掛けによる「京都駅ビル改築について、アセスメント(環境影響評価)の実施と改築計画の抜本的見直しを求めるアピール」を発表した。
 アピールは「目先の利益を追って景観を破壊することは、京都の自殺行為であり、歴史都市を守るという国際的責任の放棄になる」と主張し、@公聴会など、市民、利用者の意見を十分に聴く機会を設けるA住民参加で公正なアセスメントを実施するB公聴会、アセスメントの結果に基づき改築計画を抜本的に見直す−を、京都市など関係機関に求めている。
 呼び掛け人には、大学教授や建築家のほか、芸術、宗教など各界の著名人が名前を連ねている。のっぽビル反対市民連合は「駅ビル改築は行政の暴走行為。今回は、緊急の第一次アピールで、京都市が正式に都市計画決定するまでに1000人を目標として、全国的に賛同者を募りたい」という。(京都新聞)
■JR直流化延伸から1年 長浜に波及効果十分 商店街や観光地活況 京阪神直結 不法駐輪など弊害も
 JR北陸線の米原−長浜間が直流化され、14日で1年がたった。直通列車の乗り入れによる京阪神とのドッキングで通勤、観光客が増え、長浜市内の商店街や観光スポットの活性化など、経済波及効果が著しい。
 長浜市生活環境課の調べによると、JR長浜駅の1日の平均乗降客は乗り入れ前が2396人。乗り入れ後の昨年9月14日から今年3月までは3450人と、44%伸びた。また長浜城歴史博物館や大通寺など観光スポットや盆梅展などのイベントでも、乗り入れで軒並み20−60%の来客増が見られる。
 駅や市などは、4月以降も乗降・観光客などほぼ期待通り順調に増加していると見ている。直流化効果を受けて、駅前にある8商店街(計約400店舗)が名称を変更するなどイメージ刷新に取り組んでいるほか、古い町並みが残る北国街道沿いでは伝統工芸品の店などもオープン。週末はJRなどによる観光客で活気に満ちている。また市内には、京阪神への通勤者をターゲットにした大型マンションの建設など、住宅誘致も進んでいる。
 一方、駅周辺の不法駐輪など、利用者増による弊害もある。駅前南側に市営有料駐輪場(536台収容)があるが、まだ100台分の余裕があるのに夜間放置された自転車が多い。(京都新聞)
■電車衝突、66人死傷 遮断機破りダンプ進入 JR成田線踏切
 14日午後4時5分ごろ、千葉県香取郡下総町滑川のJR成田線久住−滑河駅間の大菅踏切(警報機、遮断機付き)で、千葉発佐原行き下り普通電車=鶴岡三男運転士(46)、4両編成=と、茨城県竜ヶ崎市薄倉町、向中野昭一運転手(44)のダンプカーが衝突した。電車は大破したダンプカーを引きずり、約65b走って1両目が脱線、停止した。
 鶴岡運転士は運転席に挟まれ、約3時間後に救出されたが死亡、乗客64人と向中野運転手の計65人が重軽傷を負った。
 佐原署は、目撃証言からダンプカーが鳴っている警報機を無視して下りていた遮断機を突き破って踏切に進入したとみて、入院した向中野運転手が回復次第、業務上過失致死傷容疑で事情を聴く方針。
 同署やJR千葉支社によると、同線は単線で、電車には下校途中の高校生を中心に乗客約300人が乗っていた。千葉県香取郡神崎町神崎本宿、店員高柳真由美さん(27)ら乗客3人と、向中野運転手の計4人が成田市の成田赤十字病院などに入院した。鶴岡運転士の死因は全身打撲。
 目撃者によると、踏切の遮断機は下りていて警報機も鳴っていたのに、ダンプカーが路切手前で停止していた2台の乗用車を追い越し、踏切に進入したという。(京都新聞)
■JR成田線 1人死亡65人けが 過積載か、遮断棒破る
 14日午後4時5分ごろ、千葉県香取郡下総町滑川のJR成田線久住−滑河間の大菅踏切で、千葉発佐原行き普通電車=4両編成、鶴岡三男運転士(46)=に、茨城県竜ヶ崎市薄倉、向中野昭一さん(44)運転のダンプカー(10d)が衝突した。電車は1両目の前輪が脱線し、鶴岡運転士が死亡したほか、乗客や向中野さんら65人が重軽傷を負って佐原市内などの病院で手当てを受けた。現場は警報機と遮断機の付いた踏切。ダンプカーは過積載で、遮断機の遮断棒を破って踏切内に入っており、千葉県警佐原署は向中野さんの回復を待って、業務上過失致死傷、過失往来危険などの疑いで事情を聴く。
 同署やJR千葉支社の調べでは、事故当時、踏切は遮断機が下り警報機が鳴っていたが、ダンプカーは踏切待ちの2台の乗用車の右側をすり抜けるように、町道から踏切内に進入したという。
 町道は踏切に向かって緩い下り坂で、過積載でダンプカーのブレーキが利かなくなったのではないか、との見方も出ている。
 ダンプカーは車輪に引きずられて大破。電車の先頭部分はえぐられ、前から3両目までが衝突の衝撃で破損した。大破した運転席に閉じ込められた鶴岡運転士は消防レスキュー隊によって午後7時すぎに運び出されたが、死亡していた。
 電車には300人ほどの客が乗っていたが、63人の乗客とダンプカーを運転していた向中野さん、村田茂車掌(37)は救急車などで病院に収容された。
 このうち4人が足の骨を折るなどで入院した。(朝日新聞)
■深夜の職場を支える高齢者 不景気で職種減る
 終電後の地下鉄ターミナル、社員が退社したオフィスビル、深夜の高速道路の料金所−夜の職場に高齢者の姿が目立っている。景気の後退で、人気ある事務職や技術系の求人が大きく落ち込み、夜勤が多い清掃、警備、管理といった仕事が残った。都会の夜は老人たちによって支えられている。15日は敬老の日。
 労働省の全国統計によると、7月の55歳以上の有効求人倍率は0.26倍。1年前は0.35倍だったが、職種別にみる実態は数字以上に厳しい。
 大阪府でも7月の求人は、希望者が多い事務職で149人から88人に減ったのに対し、警備職は逆に299人から375人に増えた。
 大阪・梅田公共職業安定所で高齢者を担当する中島昭一統括職業指導官は「えり好みしなければ仕事はある。しかし、バブルがはじけ、職種は一層、狭まりつつある」と話した。
 清掃、ビル管理会社「大代興業」(大阪市)では、現場作業の社員の平均年齢がこの20年で平均約7、8歳上がり、今、65歳ぐらいという。「昔に比べてアルバイトの大学生も集まりにくくなっている。その分、お年寄りにかかる負担が増える」と採用担当者。
 若者向けのアルバイト情報誌「フロム・エー関西版」が六月に実施した希望職種調査でも、営業などと並んで現場作業、警備員が最も不人気だった。
●駅ホーム清掃 健康にちょうどいい
 12日午前1時、終電車が走り終えた地下鉄御堂節線梅田駅。シャッターの外では、史上最長となった阪神−ヤクルト戦を見届け、臨時電車で大阪に着いた若者らの声が響いた。
 朝4時ごろまでに長さ200bのホームを掃除する。床磨き、側壁洗い、ガムはがし。作業責任者の石村春義さん(70)は「経験を生かそうと思ったけどなかなかね…。それに昼の仕事は重労働が多いわ」と話した。
 勤務先のベニヤ板工場が倒産して、職業安定所の紹介で就職した。息子夫婦と同居。「健康のためにはちょうどいい。75歳までは大丈夫」と胸を張った。
●ビルの警備員 給料より生きがいで
 大阪市中央区の13階建てのビル。懐中電灯を手にした警備員(62)が、ガランとしたオフィスを最上階から巡回し始めた。「年々、仕事はきつくなるが、人と接することの少ない夜の方が気が楽だね」
 階段を使ってビルを一回りすると小一時間かかる。24時間勤務が週に2回、日勤が1日ある。3、4人でチームを組むが、いずれも60歳以上だ。
 「給料がいいからやってる人も多いが、夫婦2人暮らしで、持ち家の私は生ぎがいのため。恵まれてますよ」
●高速の料金所 運転手との会話柴しみ
 日が落ちた午後7時。福添明さん(61)のこの日4回目の料金所番が始まった。名神高速道の尼崎インタチェンジ。「ご苦労さん」。ドライバーとの言葉のやりとりが楽しみという。
 大手電工会社を2年前に定年退職して始めた。「年金に頼ることなく、体を動かしていたい」。朝9時から翌朝9時まで、仮眠も取りながら約2時間交代でブースに立つ。
 「人それぞれでしょうが、年に合った職場だと思う。愛敬をふりまくことで若返る気分です」。月に「2回、夫婦で温泉旅行するのが楽しみだ。
 この料金所の約40人の平均年齢は60歳前後。65歳が定年だ。(朝日新聞)
17日■自由法曹団京都支部 京都駅ビル反対で意見書
 自由法曹団京都支部(幹事長・村山晃弁護士)は16日、京都駅ビルの建設計画に特定街区制度を適用する方針に反対する意見書を、田辺朋之京都市長に提出した。
 意見書は「特定街区制度は、全国17都市、87地区(昨年3月末現在)で適用されているが、その半数以上は東京都で、本来霞が関ビルをはじめ超高層ビル建築のために利用されてきた。京都とはなじまない制度だ」とし、京都駅ビル改築での制度の適用は「交通上支障のない」という指定条件を満たしていない、と指摘している。
 さらに意見書では、「街区の四方を道路に囲まれているのが条件なのに、京都駅の場合は二方しか道路がない。街区に接続する塩小路通は、現在でも慢性的な交通渋滞となっており、駅ビル建築が大渋滞をもたらすのは明らか」と述べ、制度を適用した田辺市長の駅ビル高層課容認の方針に反対している。(京都新聞)
■信楽事故風化させぬ 「資料館」建設 遺族の会検討
 信楽高原鉄道衝突事故の犠牲者22遺族でつくる「犠牲者遺族の会」(吉崎俊三世話人)の弁護団は16日、悲惨な信楽事故を後世に語り継ぐため、遺族の会が「事故資料館」の建設を検討していることを明らかにした。事故車両の運転席や、事故後に地元児童らが寄せた作文などを展示したい意向で、弁護団は19日に滋賀県甲賀郡信楽町の県立陶芸の森で、展示スペースがないか調査する。
 弁護団によると、「事故資料館」構想は、死者42人を出した大惨事の“風化”を防ぎ、犠牲者への鎮魂の祈りをささげ続けたいという遺族の会の意向が発端になった。
 展示するのは、信楽高原鉄道、JR西日本両社の事故車両の運転席部分、事故に関係する設備、書類などで、このほか遺児や地元・雲井小児童が事故後に寄せた作文など、悲惨な事故の“語り部”の品々も考えている。
 建設の候補地については、犠牲者の大半が「世界陶芸祭」に向かう途中の事故であったことを考え、陶芸祭会場だった県立陶芸の森の施設を利用したいとしているが、事故車両を置くスペースが確保できるかどうか分からないため、弁護団が現地調査を行うことにしたという。
 事故車両については、永久保存を主張する遺族の会と、解体処分したいとする鉄道側が対立。現在、大津簡裁で民事調停が進められている。(京都新聞)
■京都駅ビル改築 「特定街区」適用は高層化容認し反対 市長へ自由法曹団支部
 JR京都駅ビルの改築計画に対し、容積率や高さの上限を決める特定街区の適用が京都市の都市計画審議会にはかられている問題で、弁護士でつくる自由法曹団京都支部(村山晃幹事長)は16日、「(特定街区の)適用は歴史的都市京都になじまない」とする意見書を田辺市長に出した。
 意見書ではまず、1991年3月末で特定街区に指定された87地区のうち、半数を越える51地区を東京都内が占めていることを挙げ、特定街区が超高層ビル建設のために利用されてきたと主張している。
 また、京都駅前の東西の通りの塩小路通などの交通渋滞対策が考えられていないため、南北の通りにも渋滞を引き起こすことが予想され、交通上の支障のないことを求めている特定街区の指定条件を満たしていないと指摘。近くの東本願寺、西本願寺周辺の美観地区との整合性が取れなくなるなどとして、高層化を容認する市の方針に反対するとしている。(京都新聞)
■新京都駅ビル 百貨店の出店と増床案 計画の規制申し入れ 審査会へ商工団体連など
 新しいJR京都駅ビルへの「ジェイアール西日本伊勢丹」の出店と、既存の3つの百貨店の増床計画をめぐる調整案を、京都商工会議所が大規模小売店舗審議会(大店審)近畿審議部会京都審査会へ提出したことを受けて、府商工団体連合会と京都駅建て替え問題対策協議会は16日、計画を規制するよう同審査会に申し入れた。
 申し入れ書では、出店、増床計画は大型店の出店競争を激化させ、地元の中小商店、業者にとって死活問題になる、と強調。審議内容と、小売店などへの影響調査結果を公開するとともに、審査会での市民の意見発表を保障するよう求めている。(京都新聞)
18日■信楽鉄道事故 担当者ら書類送検へ 信号工事無届けの疑い
 死者42人を出した滋賀県の信楽高原鉄道列車事故で、滋賀県警捜査本部は17日、鉄道事業法違反の疑いで、信楽高原鉄道とJR西日本の担当者を書類送検する方針を明らかにした。鉄道施設の変更工事に当たって、信楽高原鉄道は運輸省の許可を受けずに行い、JR西日本は同省への届け出を怠ったとしている。惨事から1年4ヵ月、捜査は大詰めの段階を迎えた。
 これまでの捜査で、両社による信号施設変更工事の無許可、無届けが、列車事故の発端となった信楽駅の信号異常の原因の一つであることがわかっている。その結果、関係者を鉄道事業法違反で摘発することにした。
 調べによると、信楽高原鉄道は、昨年4月20日から同県信楽町で開催された世界陶芸祭に伴う増便に対応するため、列車のすれ違い場所を小野谷信号所につくる工事をした。ところが、工事が完成して信号検査が終了した直後の昨年3月ごろ、同鉄道は運輸大臣に無許可で、信号制御点変更工事など4つの信号系統変更工事を行った疑い。当時の責任者を書類送検する方針だ。
 一方、JR西日本については、昨年2月ごろ、運輸大臣に無届けで、方向優先てこを設置するという信号系統の変更工事をした疑い。こちらも当時の信号通信の責任者を書類送検することにしている。
 鉄道事業法では、鉄道施設変更工事の無許可は100万円以下の罰金、無届けは20万円以下の罰金が科せられる。(朝日新聞)
19日■180本の臨時列車運行 KTRが秋の旅客輸送計画 初のみかん狩り列車
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)は18日、秋の行楽シーズン(10月1日−11月30日)の旅客輸送計画を発表した。久美浜と京都・大阪直通の特急タンゴエクスプローラーの新設、初の「みかん狩り列車」など、昨年同期より8本多い計180本の臨時列車を運行する。
 久美浜と山陰線経由で大阪をつなぐ特急「タンゴエクスプローラー」は新造車両を使い、10月10日、11日、31日−11月3日、21日−23日の運転で1日1往復。福知山線経由の特急「エーデル丹後」は、土、日曜と祝日の運転で、大阪−天橋立間を1日1往復。同じ路線を快速「みやづ」は期間中、毎日、1往復する。
 「みかん狩り列車」はタンゴエクスプローラーを使い、10月25日に豊岡−丹後由良間に走らせ、宮津市由良でのミカン狩りを楽しんでもらう。また、昨年好評だった「伊根グルメツアー」は11月15日に福知山−宮津間で運行、宮津からチャーター船で伊根町と結ぶ。
 JRと共同の企画団体列車は、11月8、9日に「倉敷散策と瀬戸内ロマンの旅」として西舞鶴−豊岡−岡山間に「レインボーリゾート」号を走らせる。
 KTRでは、期間中に昨年並みの32万人の利用客を見込んでいる。(京都新聞)
■神戸へ日帰り運行 障害者専用列車「ひまわり号」 11月8日 ショッピングも
 「列車で旅がしたい」という障害者の夢を乗せて毎年1回走り続けている京都の障害者専用列車「ひまわり号」が今年も11月8日に運行される。10年目の今回の行き先は神戸。ポランティアらでつくる「ひまわり号を走らせる京都実行委員会」(委員長・竹下義樹弁護士)は来年1月に記念集会も予定している。
 今年の列車は京都−三宮間で運行する。障害者70人とボランティアら130人の参加を予定しており、メリケンパークや船による神戸港遊覧、元町、三宮でのショッピングなどを日帰りで楽しむ。
 一方、記念集会は1月24日。京都の交通と障害者問題をテーマにしたシンポジウムや、合唱などを企画。10年間の運動の歩みをまとめた記念誌も発刊する。
 「ひまわり号」への参加は大人3000円、小学生2000円。
 問い合わせは、国労京滋地区本部内の同実行委員会(075-343-9228)へ。(朝日新聞)
■バス走って90年目のあす 京都市交通局・9社 小学生らに無料乗車
 日本で初めて乗り合いバスが走って90年目にあたる20日、京都市交通局と府内の民間バス会社9社は、保護者といっしょの小学生の乗車を無料にする。最初の乗り合いバスが京都で始まったことにちなみ、バスの利用を増やしてもらおうという狙いで、今年で3回目の取り組み。定期観光バスや、座席指定のあるバスを除き、府内のほぼ全部で実施する。(朝日新聞)
■東海道新幹線が停電 上下30本遅れる
 19日午前9時43分ごろ、東海道新幹線の豊橋−三河安城(愛知県)で停電が発生し、上下線とも不通となった。下り線は5分後に送電して運転を再開。上り線も午前10時56分、復旧した。
 広島発東京行きひかり72号が1時間12分遅れたのを最高に上下30本が遅れ、約2万7000人が影響を受けた。
 JR東海によると、羽角(はずみ) トンネル(愛知県西尾市)の出入り口付近の上り線架線に枯れ木の枝が接触したのが停電の原因。(京都新聞 夕刊)
■架線に枯れ枝 新幹線止まる 愛知
 19日午前9時45分ごろ、愛知県内の東海道新幹線豊橋−三河安城間で停電事故があり、上下線とも止まった。下りは約5分後に運転を再開したが、上りは、午前10時56分に復旧した。この間、広島発東京行きの「ひかり72号」が現場付近で止まったほか、後続列車に遅れが出た。
 JR東海によると、西尾市上羽角町の羽角トンネル西口付近で、直径5a、長さ約1.5bの木の枝2本が架線にひっかかりショート、送電を止めたらしい。(朝日新聞 夕刊)
20日■JR成田線踏切事故 ダンプ運転手を逮捕
 千葉県香取郡下総町のJR成田線の踏切で14日夕、普通電車とダンプカーが衝突、電車の運転士が死亡、乗客ら79人がけがをした事故で、佐原署は19日午後、業務上過失致死傷、過失往来危険の疑いでダンプカーを運転していた茨城件稲敷郡桜川村羽生、建設資材販売業向中野昭一容疑者(44)を逮捕した。
 調べでは向中野容疑者は14日午後4時6分ごろ、下総町のJR成田線の大管踏切で、警報機が鳴り、遮断機が下りていたのに運転しいたダンプカーで踏切に進入、千葉発佐原行き下り普通電車に衝突し、電車の運転士が死亡、乗客78人に重軽傷を負わせた疑い。
 調べに対し、向中野容疑者は容疑事実は認めているが、なぜ止まれなかったかについては、はっきりとした供述をしていないという。
 向中野容疑者は、首筋を打ち約3週間のけがで入院中だったが、症状が回復し19日に退院。同署が本格的な事情聴取を行い、逮捕した。(京都新聞)
21日■PCB分解細菌を発見 JR総研、無害化に道
 環境汚染物質で、その処理が問題となっている有機塩素化合物、ポリ塩化ビフェニール(PCB)を分解する細菌を、鉄道総合技術研究所(JR総研、東京都国分寺市)が、20日までに発見した。
 これまでにも1分子の中に塩素が1、2個付いたPCBをを分解する細菌は見つかっているが、今回発見された細菌は、より分解しにくい塩素が5個も含まれたPCBを解かすことができるのが特徴。
 JR総研は「これを実用化できれば、大きな問題となっているPCBの無害処理に道が開ける」としている。
 JR各社には旧国鉄時代に使用したPCB入りのトランスなどが大量に保管されており、その処分が課題となっていた。JR総研によると、PCB分解細菌は通産省工業技術院などでも見つけているが、今回のは静岡県浜松市で採取した土中から発見した。
 1つひとつの細菌単独ではPCBを分解できず、数種類の細菌が複合して威力を発揮するという。この細菌郡でPCBは、ピルビン酸、アセトアルデヒド、塩酸の3物質に分解される。ただ、100dのPCBを分解するのに100年と、分解速度が遅いのが欠点。
 PCBにメタノールなどの有機溶剤を混ぜて紫外線を当てると、分解しやすくなるが、溶剤が入ったままだと、細菌が死んでしまう。このためJR総研は今後、効果的な処理方法の開発を進める。(京都新聞)
■信楽鉄道運賃値上げ認可 17.3% 1日から
 運輸省近畿運輸局は21日、信楽高原鉄道(本社・滋賀県甲賀郡信楽町、北川啓一社長)の平均17.3%の値上げを申請通り認可した。運送人員が伸び悩む一方で人件費が増加、また修繕費が大幅に増えたことなどを理由に、申請していた。消費税導入を除けば値上げは開業(昭和62年)以来初めて。10月1日から実施される。
 新運賃は、最大引き上げ率の信楽−貴生川駅間が400円(現行340円)など、大人普通乗車運賃が20円−60円アップとなり通勤(1ヵ月)が460円−1800円、通学(同)が370円−1440円。
 同鉄道は平成3年5月の列車事故の影響で、信号や踏切など保安改善のための修繕費1億800万円が財政を圧迫する一方、同年12月からの運転再開後も乗客数が伸び悩み、経営収支が悪化。同年度の決算は鉄道事業部門で約1億3400万円の赤字となり、収支率は56.2%と落ち込んでいた。値上げ実施で、平成5年度の収支率は88.2%に改善される見込み。(朝日新聞 夕刊)
22日■北近畿タンゴ鉄道 秋の行楽シーズン 人気特急軸に90本増発
 北近畿タンゴ鉄道(事業本部・宮津市)は、秋の行楽シーズンを迎えて、10月1日から11月30日までを「秋季輸送期間」とし、ことし春に新しく造った特急列車「タンゴ・エクスプローラー号」を中心に、臨時列車を運転する。
 特急タンゴ・エクスプローラーは9本、同エーデル丹後は20本、急行みやづは61本、計90本の増発になる。(朝日新聞)
23日■故障、JR神足駅で停車 ダイヤ乱れる
 22日午後9時半ごろ、長岡京市神足付近のJR京都線で、大阪発向日町運転所行き回送列車(9両編成)が、故障表示灯が点灯したため神足駅に緊急停車した。運転台のヒューズが切れており修理。10時すぎ運転を再開したが、後続の大阪発米原行きびわこライナー(乗客400人)が神足駅で停車、39分遅れたほか、姫路発野洲行き新快速(乗客550人)も36分遅れるなど、5本の列車、約1840人の乗客に影響が出た。(京都新聞)
■京阪宇治交通 バス値上げ 来月から平均9.2%
 運輸省は22日、京都府南部を中心に運行している京阪宇治交通(本社・枚方市)の平均9.2%の値上げを申請通り認可した。7年ぶりの値上げで、10月1日から実施の予定。
新しいバス運賃は、初乗りが120円から140円にアップ。区間別では10−30円の値上げ幅となる。新田辺−健康村140円(現行120円)、京阪宇治−茶業センター140円(130円)など。定期は新田辺−健康村(1ヵ月)の場合で通勤が5880円(現行5040円)、通学が5040円(同4320円)に。(京都新聞)
■車いすに不便 京観光 リフト付きバス ただいまゼロ チャーター用 民間「採算合わず」
 国際観光都市を掲げる京都市で、車いすを使う人のためのリフト付きの観光バスが最近、ゼロになった。路線バスはリフトバス導入が進んでいるが、チャーター用大型リフトバスは民間企業では採算が合わないため。市の施設などが持っているリフトバスが法律などとの兼ね合いで貸し出しにくいという事情もあり、障害者団体は「土地柄、会議も多く、市外のグループが訪れても移動手段に因っている。観光都市の看板が泣く」と話している。
 京都市内では、これまで近江鉄道(本社、彦根市)の京都営業所が2台のリフトバスを持っていた。養護学校の修学旅行などに利用されていた。しかし、耐用年数の9年が経過したため1台が1989年春に廃車になり、92年春にも最後の1台の耐用年数が切れた。
 同社によると、座席配置の関係で一般用に使いにくいため稼働率が少なく、普通のバスは約8割なのに、リフト付きは多くて5割。昨年度は77日しか動かず、それも春と秋に集中した。このため採算が合わず、「やりがいのある仕事だったが、残念ながら新しく導入する計画はない」という。
 一方、京都市洛南身体障害者福祉会館では、リフト付きバスを2台所有。市外の団体から「利用できないか」という声が昨年1年間だけでも約50件あった。使った分のガソリンを補充してもらい、運転手はボランティアというかたちで協力したこともあった、という。
 京都市によると、市内にはこのほか、タクシー会社の所有するリフト付きワゴン車が5台あるが、車いす利用者らを含めると乗れるのは6人程度。バスに比べれば格段に少ない。洛南身体障害者福祉会館長の蟹江広吉・京都市身体障害者団体連合会総括副会長は、「障害者にとって移動手段は大きな問題。現状では、障害者団体は観光もできない」と話す。
・確保は必要 計画に盛る
 京都市の話 路線バスだけでなくチャーター用についても交通手段の確保は必要。観光部局とも協議し接がら、策定中の国際障害者年第二次京都市行動計画に、対策を盛り込みたい。(朝日新聞)
■来月から値上げ 京阪バスなど
 運輸省は22日、運輸審議会の承認を受け、宇治市など府南部の3市3町を走っている京阪宇治交通の乗り合りバス運賃を平均 9.2%値上げすることを認可した。10月1日から実施される。現在、最低運賃120円が、 140円になる。同地域に営業区間をもつ京阪バス、近畿日本鉄道、奈良交通も同様に値上げが認可された。(朝日新聞)
■3割カット受け入れへ 京都駅ビル百貨店 JR社長
 改築高層化計画が進められている京都駅ビル問題で、井手正敬・JR西日本社長は22日、同ビル内に出店する百貨店の売り場面積が、京都商工会議所の調整で希望より約3割カットされたことについて「新参者としては、ご配慮をいたただいた」と、調整案を受け入れる姿勢を明らかにした。さらに、カット分は文化施設にあてる考えを示した。
 JR西日本と伊勢丹が共同出資しているJR西日本伊勢丹などは当初、4万5000平方bの売り場面積を希望していた。しかし、京都商工会議所が、改正大規模小売店舗法に基づいて、市内の他の百貨店3店が申請している増床計画と調整。意見集約会議を開いた結果、28.9%削減され、3万2000平方bとされた。
 文化施設は、カット分のうち、輸入品コーナー1000平方bを除く1万2000平方b。具体的にどのような施設を置くかについては、今後、計画を立てていくという。(朝日新聞)
24日■急行列車 車に衝突 右京のJR山陰線踏切 5800人の足混乱
 23日午後1時半ごろ、京都市右京区嵯峨天竜寺車道町のJR山陰線車道踏切(警報機、遮断機付き)内で、立ち往生していた右京区嵯峨大覚寺門前堂ノ前町、染色図案業山本新太郎さん(52)の乗用車に、豊岡・敦賀発京都行き上り急行「丹後6号」=剛谷敏樹運転土(34)、6両編成=が衝突した。
 乗用車は左後部を大破したが、山本さんの車に同乗者はなく、山本さんは車外に逃げ、無事だった。列車の210人の乗客にも、けが人はなかった。
 太秦署の調べでは、山本さんが踏切を南から北へ横断中、前の車が踏切を渡りきったところで停車したため、山本さんの車の後部が踏切内に残り、遮断機が降りてきたので、危険を感じて車外に出たといい、過失往来危険などの疑いで事情を聴いている。
 急行の剛谷運転士は「約90`で進行中、約100b手前のカーブで車に気付き、非常ブレーキをかけたが間に合わなかった」と話していた。
 この事故で、急行はブレーキが故障し、東約50bの嵯峨駅で運転を打ち切り、乗客は1時間後に後続の普通電車に乗り換えた。この急行を含め上下6本が運休、上下16本が最高42分遅れ、約5800人に影響が出た。
 車道踏切は長さ20b、JRと嵯峨野観光鉄道の軌道が走っているが、幅は 4.4bしかなく、1984年6月には、踏切内で車2台が離合の際、快速列車と衝突、列車の乗客7人が負傷する事故があった。(京都新聞 夕刊)
25日■地下鉄東西線の山科工区 全面用地買収待たず 年度内に着工へ 京都市会委で市側表明
 京都市会の事業決算特別委員会は24日、交通事業決算を審議。この中で依田交通事業管理者は地下鉄東西線建設で唯一未着工の山科工区について「年度内になんとか部分着工にこぎつけたい」と述べ、予定区域の全面買収を待たずにできる限り速く工事に着工する考えを明らかにした。
 東西線(醍醐−二条駅間)工事25工区のうち、24工区について、事業主体の京都市と第3セクターの京都高速鉄道会社はすでに工事を発注している。未着工のJR山科駅周辺は地上の市街地再開発計画とも絡んで、都市計画道路(幅22b)の用地買収が難航、これに伴って地下鉄工事が遅れている。
 この山科駅工事の進捗度かず、東西線の平成6年度完成目標に大きく影響することから、議員の質問が相次いだ。依田管理者は「年内に少なくとも地権者の承諾書をいただき、部分着工して、平成5、6年度で土木工事を終えたい」と答弁。東西線全体の完成目標のえんきいては「現在、各工区の見直しをしている。(山科工区を含め)全工区着工の段階で答えたい。若干厳しいが、必死の努力をしている」と述べ、厳しい現実を認めつつも、当初目標の平成6年度完成を修正しなかった。(京都新聞)
■リニア実験線の着手式 右翼封じ仲介依頼 金丸氏側が渡辺元社長に
 前自民党副総裁の金丸信代議士が、1990年11月に山梨県で行われたリニアモーターカー新実験線の着手式に出席する際、右翼団体から大かがりな街頭宣伝による嫌がらせを受けそうになったのを、広域暴力団稲川会の故石井進前会長周辺が動いてこの活動を抑え込んだ、と石井前会長系の不動産会社「北祥産業」社長の庄司宗信被告(60)=特別背任罪で公判中=が東京地検特捜部に供述していることが24日、明らかになった。この右翼封じも金丸氏側が東京佐川急便の元社長・渡辺広康被告(58)=同罪で公判中=に相談し、渡辺元社長が石井前会長に依頼するという形で行われたとしている。
 金丸氏側は結局、こうした形で87年の自民党総裁選での竹下登元首相への攻撃以来、4度にわたって稲川会側の助力を受けていたことになる。
 同実験線の着手式は90年11月28日、同県都留市内の実験線変電所用地で、リニア中央エクスプレス国会議員連盟会長の金丸氏らがくわを入れた。
 庄司供述によると、この直前、庄司社長の元に渡辺元社長から電話が入り、「金丸さんが山梨のリニアモーターカーの起工式に出席するのだが、『また右翼が大勢集まって騒ぎそうなので、石井先生のお力でなんとかしてほしい』と電話で頼まれたので、石井会長にお願いしてもらえないか」と依頼してきたという。
 庄司社長はすぐに金丸氏側の依頼を、石井前会長ら稲川会最高幹部周辺に伝達。稲会幹部が動き、同会と関係の深い右翼団体を通じて、同実験線着手式に街宣活動を予定していた右翼団体を抑えたという。
 これについて、金丸事務所は「ノーコメントだ。根も葉もないことで、憤りを感じる」と話している。(朝日新聞)
■エレベーター設置求め交渉 近鉄駅に「京都障害者会議」
 京都市内の障害者団体8グループでつくる「京都障害者会議」は24日市内で近鉄と交渉し、階段のある駅にエレベーターをつけることなどを求めた。障害者側が車いす利用者が多い向島駅へ早急にエレベーターの設置を要望したが、近鉄側は、「エレベーター設置は既存の駅舎では難しい場合が多い。まず多くの駅にエスカレーターをつける方向だ」と回答。これに対し障害者側は、エスカレーターでは転落の危険を感じることも多い、と不安を訴えた。
 同会議は今年7月以降、京都市内に路線を持つ鉄道各社と交渉を持っており、京都市交通局を含め近鉄で5社目。近鉄京都線の京都−奈良間26駅のうち、スロープまたはエレベーターのある駅は、約7割。この日の交渉では、階段しかない東寺と伏見の2駅と、向島、高架化される十条、上鳥羽などにエレベーター設置を求めたほか、車両に車いすスペースをつくり、ホームとの段差、すき間をなくして欲しいと望んだ。
 近鉄側は「向島駅設置時に京都市と協議したがエレベーター設置には至らなかった」と回答。東寺駅は構造上エレベーターをつくる方向だが、他はエスカレーターと駅員の介護などのソフト面で対応する、と答えるにとどまった。同社では民鉄協の整備指針に従って、今年度約9億5000万円の予算で、点字ブロックを延べ約2万8000b分設置。一部の駅でエレベーターも導入するが、「ニーズも多く、一挙には整備できない」としている。(朝日新聞)
■台風19号の強風で KTR9本運休
 25日午前5時ごろ、宮津市由良、北近畿タンゴ鉄道(KTR)宮津線の丹後由良−神崎間にかかる由良川鉄橋の風速計が、台風19号による強風のため瞬間最大風速20−25bを記録。KTRでは風がおさまるまでの約4時間、同鉄橋の運行をストップした。
 この影響で始発から大幅にダイヤが乱れ、午前6時41分網野発京都行き上り特急タンゴエクスプローラー2号(宮福線経由)を西舞鶴発にしたほか、普通列車上下9本が運休するなど、約1400人の足が乱れた。(京都新聞 夕刊)
■山陽新幹線も遅れ
 25日午前6時40分ごろから約2時間にわたって兵庫県竜野市揖保町など同県内にあるJR山陽新幹線の風速計3ヵ所で風速20bの強風を記録。このため山陽新幹線は新神戸−岡山間の上下線で同10時半まで時速170`の徐行運転をした。
 東京発博多行きひかり1号が7分遅れたのを最高に上下35本に遅れが出て、乗客2万人に影響した。(京都新聞 夕刊)
26日■JR東海道線など 架線事故で31本遅れ
 強風が吹き荒れた25日朝から午後にかけ、JR東海道線などで架線にビニールが引っ掛かる事故が相次ぎ、ダイヤが乱れた。
 同日午前6時半ごろ、兵庫県赤穂市南野中のJR赤穂線坂越−播州赤穂間を走行中の西明石発播州赤穂行き不通電車の運転士が架線にビニールが引っ掛かっているのを見つけ、徐行運転で現場を通過、播州赤穂駅に18分遅れで到着した。
 また同日午後0時40分ごろ、大阪市西淀川区竹島町、JR東海道線塚本−尼崎間の下り線の架線にもビニールが引っ掛かった。これらの事故で、計31本が遅れ、乗客約14500人に影響した。(京都新聞)
■電車の音で都会意識 ギャレ大阪
ジェイアール西日本クリエイト(大阪市)が昨春、JR大阪駅構内に開設した日本初のテーマ型ショッピングセンター。正式名は「ギャレ(フランス語で“駅”の意) ザ・グレイト・アウトドアーズ 大阪」で、海や山などアウトドア関連を中心に衣・食・住・遊4分野の77店を集めている。
 良すぎるほどの足の便に加え騒々しいプラットホーム下のマイナスイメージをリゾート感覚の街づくりで一新させたのがミソ。ライトにきらめく人工の滝からは幾つもの橋が架かるせせらぎが流れ、水面空間の広がる“入り江”にはカヌーやヨットも浮かぶ。おしゃれな専門店が並ぶモールは、かつての小荷物取扱所跡だとは思えない。
 真上では1日に約1700本の列車が発着。かすかに伝わる電車の音で都会を意識し、アウトドアグッズで自然の魅力を思う対比は面白い。広さ約1万平方bの館内空間はゆったりしたつくりながら、計7ヵ所の出入り口極端に小さく、見つけにくい趣向も若者らには人気がある。(京都新聞)
■スコープ ギャレ大阪 電車の音で都会意識
 ジェイアール西日本クリエイト(大阪市)が昨春、JR大阪駅構内に開設した日本初のテーマ型ショッピングセンター。正式名は「ギャレ(フランス語で”駅”の意) ザ・グレイト・アウトドアーズ 大阪」で、海や山などアウトドア関連を中心に衣・食・住・遊4分野の77店を集めている。
 良過ぎるほどの足の便に加え、騒々しいプラットホーム下のマイナスイメージをリゾート感覚の街づくりで一新させたのがミソ。ライトにきらめく人工の滝からは幾つもの橋が架かるせせらぎが流れ、水面空間の広がる”入り江”にはカヌーやヨットも浮かぶ。おしやれな専門店が並ぶモールは、かつての小荷物取扱所跡だとは思えない。
 真上では1日に約1700本の列車が発着。かすかに伝わる電車の音で都会を意識し、アウトドアグッズで自然の魅力を思う対比は面白い。広さ約1万平方bの館内空間はゆったりしたつくりながら、計7ヵ所の出入り口が極端に小さく、見つけにくい趣向も若者らには人気がある。(京都新聞)
■赤帽さん生き残れるか 外国人頼みの京都駅 名古屋駅・キヨスクが委託料支援 東京駅・子会社への吸収見送り
 駅で旅行者の荷物運びを手伝う赤帽が、後縦者難と高齢化の波に揺れている。列車の高速化に伴う旅行期間短縮、宅配便やマイカーの普及で旅の手荷物が軽減されて客が少なくなった。信用大事で体力のいる仕事なのに、収入の不安定さもあって新しいなり手はない。関係者の間に「やがて自然消滅するのでは」との声も出ている。
 JR各社の話では、主要駅で赤帽がいるのは上野と東京各6人、名古屋2人、京都4人など。大半は5、60歳代。新大阪、広島では数年前に、博多でも去年、姿を消した。
 京都駅の赤帽は4人とも60歳代で、経験35年以上。戦後、40人近くいたが、昭和42年ごろから減りはじめた。夏と正月の里帰りに家族連れの利用はあるが、日ごろは外国人客が頼り。ふだんでも過半数、観光シーズンだと7割が外国人。ポーターの利用に慣れているからだ。
 この道約44年の平沢芳雄さん(61)が1日に運ぶ荷物は10個から30個という。英語を話し、時には近くのホテルまで運ぶことも。「観光京都の窓口にふさわしいサービスを心掛けています」
 上野駅では、去年6月20日から東北・上越新幹線のほとんどが東京駅始発着になり、仕事は4分の1か5分の1に落ち込んでいる。
 運営方法は駅により差があるが、基本的にはほぼ同じ。荷物運搬料金は1個300−500円。組合はあるが個人営業で、複数勤務の場合は売り上げを人数で分ける日給制をとっている。
 東海キヨスク名古屋支店によると、名古屋駅の赤帽には、88年1月から月額1人5万円の業務委託料をキヨスク側で補てんしている。備品などの必要経費もキヨスク側負担。
 JR東海では「国際的な東京駅でポーターサービスを安定的に残していく方策」を検討、赤帽業務を関連子会社に吸収する方針を打ち出したが、「経営として成り立つのは難しいと判断。見送りになって凍結の状態」(JR東海東京広報室)。東京駅手廻品運搬人組合代表の山崎明雄さん(53)は「しっかりした経営組織の下で、安心して働きたい」と強く望んでいる。(朝日新聞 夕刊)
■都会のラッシュから「戻っておいで」 Uターン広告 電車に 故郷の呼びかけ次々
 電車の中から「戻っておいで」−。大阪や東京のJRなどで、Uターンを呼びかける自治体の車内広告が目立っている。山口県や長野県、秋田県などが「できるだけ目につく方法で宣伝を」と大都市の電車に目をつけた。観光案内や県職員募集の車内広告は以前からあったが、Uターンを呼びかけるのは新しい試み。「広告を見て県の窓口に相談に来る人が増えた」と担当者は言っている。
 大阪近郊のJR東海道、山陽線を走る快速、新快速電車で21日から24日まで山口県が中つり広告を出した。「気になる気になる山口が」の文言と、そわそわしているような感じの人のイラスト。大阪や京都、三ノ宮駅にもポスターが張られた。
 山口県職業安定課は「都市圏でPRするにはこの方法が一番だと思いまして」。各車両に1枚ずつ、1100両の電車に4日間掲示して約100万円。同県大阪事務所には「広告を見た」との問い合わせが相次いだ。
 「良い企業、自然とレジャーとマイホーム。オリンピックもやってくる」「あとは、あなたが来るだけです」。リターンだけでなく、県外出身者の転職も呼びかけている長野県は今年5月の1ヵ月間、JR大阪環状線などで1両に1枚ずつ770両に掲示した。JR側に払った広告料は160万円。同時期に東京と名古屋でも一斉に掲示、東京の山手線では8月にも出した。
 県のUターン関連予算の3分の1が車内広告費に消えるが、「宣伝効果はある。満員電車の中では広告を見るぐらいしか、することがないからでしょう」(同県職業安定課)。
 大阪、東京、名古屋にある長野県のUターン窓口で6月末に調べたところ、相談に訪れる人のうち、「車内広告で窓口を知った」という人は20%にのぼった。効果を見込んで広告回数を増やしており、3地区とも今年度中にあと1回ずつ予定している。
 秋田県はこの7月、東京の山手線など3路線で計3編成の車内広告を半月間借り切り、県のPR広告で埋めつくした。「一つの電車に半月間で240万人が乗る」という広告代理店の試算が決め手となった。
 ポスター製作費などを含めた総額は約3900万円という大宣伝だったが、期間中、東京にあるU ターン窓口を訪れる相談者が、それまでの1日平均 7.2人から11.3人に跳ね上がった。(朝日新聞 夕刊)
■2段式で事故防げ!
 JR成田線の踏切で電車とダンプカーが衝突し80人が死傷した事故をきっかけに、JR東日本は、トラックやダンプの運転席から見やすい2段式の遮断機を今年度中に整備することを決めた。対象は下り坂でトラックなどの通行量の多い首都圏の踏切12ヵ所。
 2段式遮断機は、普通の遮断機のバー(地上から高さ80a)に、高さ2bのバーを取り付ける。上部のバーは、トラックやダンプの運転席から見やすい高さに設計されている。JR川越線の踏切(埼玉県大台市)で試した結果、車による無理な横断はほとんどなくなり、バーが折れるトラブルもなかった、という。(朝日新聞 夕刊)
27日■選択迎える国労 難航のJR不採用問題 強い姿勢に減る応援団
 JR不採用問題で国労(永田稔光委員長、3万2000人)は9月4日から開いた定期大会で、中央労働委員会(石川吉右衛門会長)が5月に示した最終解決案の「受諾拒否」を再確認し、救済命令を求めることを決めた。
 労働界には和解のテーブルに着く気配すら見せない国労の姿勢を危ぶむ声が強い。早期解決の最後のチャンスといわれる中、国労は「名誉ある孤立」への道を選ぶのだろうか。選択の時を迎えたようだ。
 中労委は不当労働行為の有無などを審理する場でこれまで組合側にとって大きなよりどころとなってきた。
 しかし、中労委の最終解決案は「本州、四国のJRが広域採用に努力する」を柱にしたもので、組合側が期待した「不当労働行為」の文字はなかった。
 最終解決案を元中労委委員は「JR側を引き寄せながら、組合側が求める雇用を受け入れさせるギリギリの救済案。不当労働行為を盛り込める情勢ではない」と解説する。
 この問題ではJR側の強硬姿勢が際立っている。「JRに採用するかどうかは国鉄改革法に従って旧国鉄のしたことで、JRに責任はない」との立場だ。
 組合側は「国鉄改革法そのものが憲法違反。JRと国鉄は同一で、所属組合による差別があったのは明らか。解雇は不当」と反論するが、千葉動労雇用確認訴訟で千葉地裁は6月、組合側の「国鉄とJRは同一」という主張を認めずJR勝訴の判決を言い渡した。
 元中労委委員は「裁判で勝てる可能性の低い救済命令を出してメンツをなくすようなことを絶対避けたい、というのが中労委の本音。だから何としても国労を説得して和解に持ち込みたいのでしょう」と話す。
 この問題で全国18の地方労働委員会が不当労働行為を認めているだけに、国労は「二審」の中労委の姿勢に強い不満を示し、徹底抗戦覚悟の運動方針を決めている。
 しかし現実は厳しく、樫村潔書記長は「確かに連帯する会が風化する状態にある」と応援団が減りつつある現状を認めている。
 国労組合員の平均年齢は38.6歳(解雇闘争団員を除く)。今後、組織人員の減少はあっても増える見通しはない。物資購入やカンパなどで協力している他組合の支援活動に陰りも見え始め、総評時代なり友好関係にある組合からは「そろそろ落としどころを見つけたら」と言う声も聞かれる。(京都新聞)
■駅名「北新地」入れて 「全国的に有名」料飲協会要望 片福線新駅 すすきの・中洲の例もあるし
 大阪・北新地にあるクラブやスナック、料理店が加盟する北新地料飲協会(岡田一男理事長)が、近くに建設中の片福連絡線の新駅に、「『北新地』の名前を織り込んで」と運動に乗り出した。付近の町内会なども加わって29日に、同線の整備主体である関西高速鉄道会社に要望書を出す。最近の不景気で、キタの客足はじり貧。新たに誕生する最寄り駅に”新地”の看板を掲げて商売に弾みをつけ、街の活性化につなげたいという。
 北新地は、東西約500b、南北約300bの地域に、飲食店約3000店がひしめく。かつて千日前を中心にした歓楽街が「南地」と呼ばれたのに対し、江戸時代から「北新地」の愛称が定着、関西を代表するネオン街として親しまれている。しかし、この地域の正式な住居表示は曽根崎新地と堂島で、地図にも「北新地」の記載はない。
 新駅は北新地のすぐ北側。大阪駅前第一ビル、同第二ビル南側の国道2号の地下に、1995年春の開業予定。大阪駅南側に建設されるダイヤモンド地下街とも地下通路で直結。JR片町線(学研都市線)京橋駅と、福知山線(宝塚線)尼崎駅間12.3`を結ぶ片福連絡線の中心的な駅となり、JR西日本が直通列車を乗り入れる。桜橋交差点に近いことから、関西高速鉄道などは「楼橋駅」と仮に呼んでいる。
 東京の銀座、札幌のすすきの、福岡の中洲といったネオン街は、近くにその名前を織り込んだ地下鉄などの駅がある。このため、同協会は今年7月の総会で、全国的にも知名度が高い「北新地」の名も駅名に、と要望していくことを決めた。一方で「桜橋」の名にも愛着を持つ会員がいるため、2つを合わせて「桜橋北新地駅」として採用するよう求めることにした。
 発案した同協会の岸本辰三副理事長は「駅に『新地』の看板をあげ、地域の発展につなげたい。今後は署名活動なども考えている」と意気込む。
 一方、関西高速鉄道の小谷弘明参事は「正式な駅名についてはまだ何も決めていない。最終的には営業主体のJR側が決めることになると思うが、地元の要望を考慮しながら、対応したい」と話している。
・歌にするならズバリ「北新地駅」に
 「浪花恋しぐれ」など大阪になじみ深い作品が多い作詞家たかたかしさんの話 おもしろいアイデアだなあ。私も最近では、今年デビューした女性歌手の曲に、「北新地」の名を織り込ませてもらった。銀座などに比べてざっくはらんな雰囲気がして好きな街。全国的に知れわたった名前なのだから、地元の人たちの願いはよくわかる。ただ、歌にするなら、ずばり「北新地駅」の方がいいと思う。(朝日新聞)
28日■東海道新幹線乱れる
 27日午前5時54分ごろ、東海道新幹線名古屋−岐阜羽島間の上り線でATC(自動列車制御装置)信号が流れず、姫路発東京行きひかり126号が時速30`の徐行運転をた。
 JR東海の調べによると、愛知県西春日井郡付近でレールが折損しているのが見つかり約2時間後に復旧した。この事故でひかり126号が名古屋駅に20分遅れで到着したのをはじめ上り15本が5−20分遅れ、1万1000人の足に影響が出た。JR東海は27日は終日、現場区間を時速70`で徐行運転することにしており、遅れは2分程度になる。(京都新聞)
■信楽鉄道事故 進まぬ補償交渉 「犠牲者遺族の会」調停申し立て 基準開示で対立 うず巻くJRへの不満
 死者42人の大惨事となった信楽高原鉄道列車事故から1年4ヵ月たった。事故原因をめぐる滋賀県警の捜査は大詰めの段階を迎えているが、一方で遺族補償交渉は進んでいない。その補償基準の開示を求めて「犠牲者遺族の会」(吉崎俊三代表世話人、19遺族)が今月7日、JR西日本と高原鉄道(SKR)を相手取り大津簡裁に民事調停を申し立てた。「基準は当然、明示されるべきだ」とする同会に対し、「遺族のプライバシーにかかわり公開はできない」とする鉄道側と”開き”は大きい。
 事故による死者は、乗客27人とSKRの社員5人。このうち、これまでに乗客の犠牲者6遺族と補償交渉が成立しているだけ。
 関係者によると、補償金額は「逸失利益+慰謝料+葬祭責用」で算定されているという。逸失利益と慰謝料の賠償基準は一般に自動車事故の場合、@自賠責保険A任意保険B判例を収集した日本弁護士連合会の基準−の順に高く「信楽事故はBを考慮した基準となっている」というが、基準の詳細は明らかにしていない。
 遺族の会は、一周忌法要後の今年6月の総会で、例えば年金は逸失利益に算定されるのかなど「一般的な補償基準」を鉄道側と協議したうえで賠償交渉に入りたいとの方針を決め、基準の説明会を7月に開催するよう申し入れた。これに対し、鉄道側は「基準明示は遺族のプライバシー、遺族間の利害関係にかかわる。賠償は個別交渉にゆだねたい」と拒否。このため、同会は▽一般基準の開示はプライバシーと関係ない▽遺族間に利害関係はない▽統一的な基準を設ける必要がある−として調停申し立てに踏み切った。
 しかし、遺族の会が調停にまで持ち込んだ背景には基準開示の是非だけでなく、複雑な遺族感情もからんでいる。
 まず、社長の謝罪問題などJR西日本の対応への不信感がある。夫を亡くした後藤泰子さん(49)=茨木市=は「JRには一貫して誠意がない。基準を話し合う中で少しでも誠意が感じられれば…」と不満をあらわにする。遺族の会メンバーには、これまでの経緯から、”JR主導”といわれる補償基準が「誠意なし、で設定されているのではないか」との疑念が抜きがたいようだ。
 もう一つは、基準論議を通じて、単線鉄道での正面衝突という信じられない事故で多くの生命が奪われた「事故の特殊性」を鉄道側に認知させたい、という思いだ。85年の日航機墜落事故では墜落までの「30分間の恐怖」に対し慰謝料が支払われた。
 遺族の会弁護団の秋田真志弁護士は「補償は金額問題ではない。今回、事故の賠償基準を明らかにすることで、公共交通機関の事故の賠償基準設定に一石を投じることにもなる」と説明する。
 一方、両親が事故に遭い、母親を亡くした中尾芳治さん(44)=京都市=は「補償といっても、まだ原因さえ明らかになっていないのに、気持ちの整理ができない。事故がこのまま風化してしまうのが一番こわい」と風化への歯止めを願う。
 第1回調停は11月30日に開かれるが、両鉄道会社でつくる「ご被災者相談室」の井上春絹室長は「交渉が成立した6遺族については特殊性を考慮した額で合意してきた。基準を明らかにするつもりは今後もない」といい、今のところ双方に歩み寄りの気配はない。(京都新聞)
■レールにひび ATCが異状 新幹線15本に遅れ
 27日午前5時54分ごろ、愛知県西春日井郡新川町の東海道新幹線、名古屋−岐阜羽島間の上り線で、ATC(自動列車制御装置)信号が流れていない部分があることが、分かった。JR東海が現地で調べたところ、レールの溶接部分に約1aの幅でひびが入っており、補修作業の結果、約2時間後に復旧した。
 この異状で、東海道新幹線上りは始発から、現場付近で徐行運転するなどしたため、姫路初東京行き「ひかり126号」など15本に20分から5分の遅れが出て、約11000人が影響を受けた。(朝日新聞)
29日■旧国鉄用地を売却 21ヵ所の競売を承認
 国鉄精算事業団の資産処分審議会が28日ひらかれ、新潟市・沼垂地区(6.6f)の土地利用計画を決めるとともに、北海道・旧羽幌線路跡地(65.7f)を幌延待ちに、島根県・旧大社線路跡地(9.1f)を同県、出雲市、大社待ちにそれぞれ売却するなど全国21ヵ所(計129.6f)の旧国鉄用地を随意契約、公開狂騒入札で処分することを承認した。
 また、JR札幌駅南口の事業団用地などを対象に、札幌市が土地区画整理事業を実施することを認めた。(京都新聞)
■JR京都駅用地一帯「特定街区」の計画案 市が縦覧開始
 JR京都駅の高層改築計画に関連して、京都市は28日、駅用地一帯を最高60bの高さ制限に緩和する「特定街区」として来月下旬に都市計画決定するため、都市計画法に基づく計画案の縦覧を、下京区役所など3ヵ所で開始した。
 縦覧は、来月12日までの2週間、同区役所のほか市役所の都市計画局都市計画課と、都市整備局区画整理課で行われる。初日のこの日は、夕方までに延べ16人が縦覧場所を訪れ、意見書1通も提出された。
 同計画案は、駅用地と周辺の国鉄精算事業団用地、民有地計4.1fを都市計画法の特定街区に指定。現行31bの高さを、駅ビル60b、同事業団用地45b、民有地31bの3段階に分ける。
 またこれに関連した都市計画道路と、土地区画整理事業も計画案として縦覧に供されている。
 市は縦覧後、都市計画決定を行い、年内には府都市計画地方審議会の承認を受ける方針。(京都新聞)
■国鉄精算事業団 きょう京都総決起集会
 京都総評などで組織する「国鉄精算事業団闘争勝利をめざす京都共闘会議」は29日午後6時半から、京都市東山区の円山野外音楽堂で、約3000人を集めて「地労委命令に基づく1417名の解雇撤回、国鉄闘争勝利、自衛隊の海外派兵を許さない9・29京都総決起集会」を開く。
 集会では永田稔光国労中央本部委員長、三浦隆雄全動労中央本部委員長が、地方集会では初めて顔をそろえ、あいさつする。国鉄京都共闘会議の荒川英幸事務局長が基調報告。国労闘争団、全動労争議団の紹介と決意表明を行い、国鉄闘争の勝利を訴える。(京都新聞)
■社債1000億円を来月5日発行 JR東日本発表
 JR東日本は28日、JRグループちしては初めての国内社債1000億円を10月5日に発行する、と発表した。一般公募で償還期限12年、利率は年5.55%。調達資金は国鉄から引き継いだ鉄道債券の償還に充てる。(朝日新聞)
■山梨リニア 設計協議全線で合意 建設促進に拍車
 リニアモーターカー山梨新実験線の沿線18地区のうち唯一、建設に未同意だった山梨県東八代郡八代街竹居地区が28日、実験線建設の前段となる設計協議に入ることで県と合意、全ルートでの着工に向け大きく前進した。
 山梨県リニアモーターカー推進局の斎藤高徳局長は「まだ用地契約など地権者との交渉が残っているが、光明が見えてきた。これで建設促進に一層の拍車が掛かると期待している」として、予定より遅れている用地取得を急ピッチで進めていく方針。
 リニア新実験線の建設は、1990年6月に運輸相が承認した建設計画では91年度中に全ルート(42.8`)の用地買収を終えることになっていた。しかし、昨年10月の宮崎実験線での車両火災事故などで、一部の地権者が態度を硬化させたため「少なくとも1年は計画から遅れている状態」(県幹部)。現在までに用地売買契約がまとまったのは全体の1割にとどまっている。(京都新聞 夕刊)
■東海道新幹線に遅れ 4000人の足乱れる
 29日午前9時半ごろ、東海道新幹線新大阪−京都間で、新大阪発東京行きこだま412号が走行中、1、2号車の車輪不回転を示す運転台の表示灯が点灯した。列車を止め、乗務員が点検したが、車輪に異常はなく、約10分後に運転を再開した。
 同列車など上り5本が20−5分遅れ、約4000人が影響を受けた。
 JR東海が原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
■東海道新幹線で遅れ 雨で車輪空回り
 29日午前9時半ごろ、大阪府三島郡島本町、東海道新幹線の新大阪−京都間で、新大阪発東京行き「こだま412号」の運転台に、一部の車輪が空回りしたことを知らせるランプが点灯、同列車は緊急停車した。乗務員が調べたところ、異状がなかったため、10分後に運転を再開した。このため、同列車が20分遅れたのを最高に上り5本が遅れ、約4000人に影響が出た。
 JR東海によると、空回りしたのは1号車か2号車の車輪で、雨でレールが濡れていたため、一時的に空回り状態になったらしい。(朝日新聞 夕刊)
30日■JR西労 ストを含む強硬方針 勤務時間改正案に反発
 JR西労(奥島彰委員長、組合員約4500人)は29日までに、年間総労働1800時間達成を目指した勤務制度改正案の中で、JR西日本が運転士や車掌が駅などで待機する「待ち合わせ時間」を今後は勤務時間とみなさない、と提案したことに反発、来年3月のダイヤ改正前にストを含む強硬戦術で対抗する方針を固めた。
 同労組はJR西日本の運転士の約7割が組合員で、今春闘でもスト戦術を取っており、来年の春闘とも絡め混乱が予想される。JR西労によると、列車の折り返し時に駅などで待つ「待ち合わせ時間」として現在、所定労働時間内で運転士は平均58分、車掌は2時間29分が勤務時間として認められている。
 会社側はこれを廃止して、車掌については「折り返し準備時間」1時間20分を新設すると提案。これで1日の所定労働時間を7時間とし、年間1800時間が達成できるとしている。
 これに対しJR西労は、この提案は、従来勤務時間と認められてきた「待ち合わせ時間」を「労働実態がない」という理由で一方的に廃止、時短を達成したかのようにみせかけるもので、実質上の労働強化だとしている。
 同労組は11月16日中央委員会で闘争方針を正式に決める。(京都新聞)
■難関 地下水 片福連絡線 工事再開12月以降 95年春開業 難しく
 大阪市福島区の片福連絡線工事現場で今年4月に起きた道路陥没事故で、掘削穴にたまった大量の地下水が半年たった現在も排水できず、工事再開は12月以降にずれ込むことが29日、明らかになった。地下水をおさえる土止め壁の補強工事が難航しているためで、このままの作業ペースでは1995年春の開業は難しい状況だ。このため、事業主の関西高速鉄道は全線の工程の見直しを迫られており、「厳しい見通し」と苦慮している。
 事故が起きた野田阪神駅西工区は1989年8月に着工。当初計画では同工区は93年3月に据削やコンクリート内壁の建設などの土木工事を終える予定だったが、4月3日、地下水が土止め壁を破って掘削穴内に噴出した。南隣の工区にも大量の地下水が流入。両工区の据削穴(全長240b、幅20b、深さ16−21b)には4万2000dもの地下水がたまった。
 土止め壁の補強工事は、土止め壁の両側に水ガラスと呼ばれる固化剤などを注入する方法で、6月末から始まった。だが、工事は予想以上に長引き、このままでは11月中旬以降までかかる、という。工事の再開にはその後、@掘削穴内の壁や梁(はり)の点検A掘削穴にたまった水の抜き取りB事故原因などを調査している技術委員会の現地調査−が必要で、施工主の日本鉄道建設公団が目指していた「今秋中の工事再開」は不可能になった。
 同公団大阪支社の坂元義人・計画部長は「早期再開に向けて努力している」としながらも、「(再開は)12月に入ってからになるだろう」。関係者の間には「最悪の場合、年明けにずれ込みそう」との見方も出ている。
 運輸省鉄道局施設課によると、鉄道建設工事は一般に土木工事が終わってから、レールの敷設、電気工事などに取りかかり、試験運転期間を含むと、レールの敷設以降の工程で1年半から2年が必要。片福連絡線の場合、もともと、全工区の土木工事の終了予定が94年3月で、開業までの期間は1年しかない。このままの作業ペースでは、12月に工事が再開されても、完了は当初計画から約8ヵ月ずれ込む見通しだ。
・片福連絡線 JR片町線(学研都市線)京橋駅−福知山線(宝塚線)尼崎間12.3`を結ぶ新線で、大部分を地下で結ぶ。1989年3月に着工。JR西日本が直通電車を乗り入れ、1日47万人程度の利用客を見込んでいる。(朝日新聞)
■ひかり一時ストップ
 29日午後11時13分ごろ、静岡県浜松市馬郡街に設置されている雨量計が1時間に50_を越す雨量を計測。このためJR東海は、東京発名古屋行き東海道新幹線ひかり355号(乗客約200人)を浜松駅で停止させ、一時運転を見合わせた。
 その後雨が弱まったため、ひかり355号は39分遅れで出発した。当時静岡県全域に大雨洪水警報が出ていた。(京都新聞 夕刊)
■雨でまた遅れる 東海道新幹線
 東海地方の大雨が30日朝まで残った影響で、30日午前、東海道新幹線や東海地方を走る在来線の寝台列車などに遅れが出た。
 東海道新幹線は掛川−三河安城間で、雨のため始発から時速70`の徐行運転をしていたが、午前7時50分ごろから、通常運転に切り替えた。このため、静岡発岡山行き「こだま493号」が43分遅れたのを最高に、上下14本が遅れ、12000人に影響が出た。
 在来線では、東京発西鹿児島行き寝台特急「はやぶさ」が 175分遅れ、新大阪駅で乗客約180人が新幹線に乗り換えるなど、寝台特急上下6本が最高3時間余り遅れた。(朝日新聞 夕刊)