1992(平成4)年6月


1日■電車にはねられ即死 京阪電鉄踏切で男性(京都)
2日■東京駅ホーム2階化 北陸新幹線乗り入れで 夏に着工(朝日)
  ■精算事業団解雇者対策 職安に専門窓口 労働省、3点柱に検討(朝日)
  ■満員列車 駅ビルに激突 茨城県・関東鉄道取手駅 ブレーキ故障?車止め突破 1人死亡158人負傷 運転士「エアー抜いた」(京都)
  ■直前「ブレーキ利かない」恐怖の車内放送 パニック 関東鉄道列車事故 「エーッ」抱き合う乗客 満員、悲鳴と怒声交錯(京都)
  ■衣類に血、泥だらけ 取手駅東口の病院 けが人次々収容(京都)
  ■列車暴走、駅ビルに激突 茨城・取手 1人死亡、146人けが 通勤で満員 ブレーキに故障(朝日)
  ■朝のホーム 轟音と悲鳴 関東鉄道事故 速度増し商店街突入 「止まらない」車内放送(朝日)
3日■関東鉄道事故 操作・点検ミスか 茨城県警本格捜査 ブレーキ系統原因(京都)
  ■社説 ブレーキの利かぬ列車だとは(京都)
  ■中労委案拒否を確認 JR不採用事件 国労が代表者会議(京都)
  ■マルク建て社債発行 JR西日本(京都)
  ■関東鉄道事故「衝突前、圧力ゼロ」 けが168人に(朝日)
  ■京の大動脈建設 正念場に 地下鉄東西線 槌音高らかに(京都)
4日■大阪圏の電車 冷房化100%に JR西日本、今夏から(京都)
  ■ブレーキ解除 乗務員が判断 関東鉄道事故 助役指示より前に 1両日中に強制捜査へ(京都)
  ■車いすで街に出られる社会を 市内の障害者たち 「アクセス京都」第5号発行 半数以上は介護必要 スロープなど 主要鉄道の調査終了 アクセス度 地下鉄69%・近鉄56%・JR31%(京都)
  ■駅ビル問題 4件の文書公開求める 府の審査会答申(朝日)
  ■”痛勤”少しはラク 冷房車率100%へ(朝日)
  ■「ぞう列車」の映画化に合わせ 記念ツアー参加者募る(朝日)
  ■関東鉄道を捜索 列車事故 人為的ミスか究明 茨城県警(京都)
  ■関東鉄道の本社など捜索 取手駅事故(朝日)
5日■取手の列車事故 車掌弁戻し忘れ ブレーキ利かぬ状態に(朝日)
6日■2面4線の橋上駅 JR東海・品川新駅概要 9万人利用見込む(朝日)
  ■ニュースぴっくあっぷ 運命注目される二条駅(京都)
7日■山手線全駅が今夏から事実上禁煙に(京都)
8日■竹倒れ紀勢線止まる 特急など大幅遅れ(京都)
  ■強風で一時運転停止 余部鉄橋(朝日)
  ■関東鉄道を 特別保安監査 運輸省(京都)
9日■二条駅貨物ヤード跡地1.5f 利用プラン公募へ 変換ローン方式で処分了承 国鉄清算事業団(京都)
  ■朝の近鉄京都線 信号故障で乱れる(京都)
10日■JR東舞鶴駅周辺の整備 再開発へ2事業起工(京都)
  ■市バスレディー募集 和服姿で観光案内(京都)
  ■新幹線「のぞみ」 別の個所でもボルト脱落 営業開始まもなく 3編成で計5本も(京都)
  ■「のぞみ」台車のボルトまた脱落(朝日)
11日■「のぞみ」試験で西へ(朝日)
  ■ネズミ1匹で 京都駅が停電 周辺市街地にも影響(朝日)
  ■洛中洛外(京都)
  ■女性が線路に飛び降り即死 JR湖西線比良駅(朝日)
12日■新空港−京都に特急 JR 乗り換えなし1時間半(朝日)
13日■国労、解決案を拒否 中労委に回答 JR不採用問題で(京都)
  ■夏を乗せ「ゆかた列車」 新潟女性ら京都入り(京都)
  ■中労委解決案 国労が「拒否」(朝日)
16日■京阪電車にトラック衝突 蹴上・乗客ら2人けが(京都)
  ■トラックが京阪と衝突(朝日)
  ■大陸横断 列車の旅 東京発バルセロナ行き 東京の民族研究家 38日間かけ敢行(朝日)
17日■警察に保譲頼んだが… 急行にはねられ即死 小倉の近鉄踏切(京都)
18日■「つばめ」昔の名前で走ります 鹿児島線で試運転(京都)
  ■28日に新幹線使い「ぞう列車」を運行 滋賀県映画センター(京都)
  ■夕刊ひろば 「安全な市バス」なぜ? 「ひじ掛けあれば」 交通局 求められる厳しい検証(京都)
  ■大阪弁広めまひょ 東京の地下鉄にポスター 食いだおれ看板写真募集(京都)
19日■市バス停留所に花一輪(京都)
  ■高速道整備を建設省に要望 促進京都市協(京都)
  ■CTC故障し混乱 JR福知山線(朝日)
20日■幹線鉄道 速度アップ提言 運政審答申 混雑緩和策も同時に(京都)
  ■京の歳時記帖 京阪電鉄が第4集(京都)
  ■京都高速道路 原案説明会が終了次第 市都計審に諮問 市会委で市側表明 「急ぎ過ぎ」の声も(京都)
  ■夕刊ひろば 座席のおばあさん 市バス内転倒事故 広がる波紋 賛否の声続々 私も同じ体験・要は運転教育・乗客が注意を 意見生かして ひじ掛け設置へ けが、あってはならぬ 市交通局(京都)
  ■京福電車と車衝突 太秦三条通で1人けが(京都)
  ■踏切改善 踏み切れぬ事情(京都)
21日■社説 だれが鉄道整備をするのか(京都)
  ■私鉄各社 「株主優待」を拡充 JR人気、先回り封じ(京都)
  ■欧州鉄路の生き字引 時刻表(朝日)
23日■京都駅ビルの高層改築 94年完成は困難 井手社長表明(京都)
  ■駅ビルに放火?ぼや 大阪 3万1000人の客 混乱恐れ放送せず(京都)
  ■JR西日本と東海 副社長辞任要求へ JR総連(朝日)
24日■山陽新幹線停電 暗い車内”蒸し風呂” 情報なく 乗客へとへと(京都)
  ■「のぞみ型」が緊急ブレーキ 新大阪 水が入り誤作動(朝日)
  ■トンネル内で1時間余停車 停電で新幹線2本(朝日)
  ■補償交渉など巡り JR西日本に抗議 信楽事故遺族会(朝日)
25日■千葉勤労の主張認めず JR東日本不採用訴訟(京都)
  ■「のぞみ」型車両 回送中臨時停止 ひかりなど7本遅れ(朝日)
  ■踏切装置いたずら? 山陽線の列車遅れる(朝日)
  ■JR採用問題 雇用確認請求を棄却 千葉地裁判決 「国鉄に選定責任」(朝日)
26日■明日の山科どうなる JR駅前再開発・地下鉄東西線 市当局から説明受ける 区自治連合会 連絡協総会(京都)
  ■「職場を禁煙に」と提訴 JR職員(朝日)
  ■全日空から姿消すB737 23年間活躍、今夏限り(京都)
  ■東京−山形間、来月から2時間半 開業秒読み ミニ新幹線(朝日)
27日■秋以降にも工事再開へ 片福線出水事故(朝日)
  ■京都駅ビルの社長に伊藤氏(朝日)
  ■新幹線も自動改札に JR東日本平成6 年春から(京都)
28日■エコ切符導入を検討 公共交通の利用促進へ 東京都(京都)
29日■貨物と回送接触、脱線 東海道線が終日不通 運転士けが 信号見誤る? 熱海−三島間(京都)
  ■グランドひかりに亀裂 最長で6a 保有車両の約7割 JR西日本(京都)
  ■列車同志が衝突、脱線 東海道線 224本運休(朝日)
  ■JR脱線事故 信号見誤る初歩ミス ATS今回は対応できず(朝日)
  ■グランドひかり 98両に亀裂350ヶ所 JR西日本「安全に問題ない」(朝日)
  ■東海道線など 21時間ぶり復旧 JRの脱線事故(京都)
30日■京都駅ビル高層化 3段階の「特定街区」制度適用 京都市が方針決定 駅敷地は60bに コンペ案法的にクリア(京都)
  ■東京−山形2時間半 ミニ新幹線あす開業(京都)
  ■踏切事故で京阪に遅れ 寝屋川(朝日)



1日■電車にはねられ即死 京阪電鉄踏切で男性
 31日午後8時10分ごろ、京都市伏見区淀本町の京阪電鉄池上踏切近くで、出町柳発淀屋橋行きの普通電車に男性がはねられ、即死した。
 伏見署の調べでは、男性はやせ型でグレーのズボンをはき、年齢40−60歳ぐらい。現場のレールのそばに茶色のサンダルがそろえてあった。
 電車の運転手の話では、線路沿いに立っている男性を発見し、警笛を鳴らすと同時に急ブレーキを掛けたが、間に合わなかったという。
 この事故で、同電車が現場を18分遅れて出発したのをはじめ、後続の電車6本が遅れた。(京都新聞)
2日■東京駅ホーム2階化 北陸新幹線乗り入れで 夏に着工
 1997年に予定している北陸新幹線の東京乗り入れに伴い、JR東日本は1日、東京駅ホームの2階化を含む駅始まって以来の大規模工事を今年夏から始める、と発表した。北陸新幹線用に現在の東海道線ホームをあてるため、まず最端の中央線ホームを丸の内側にずらして2階化。続いて空いたホームに隣接在来線を次々とずらしていく計画。同社は「列車のダイヤに影響は与えない」としている。
 JR東日本は東京駅の地上ホームを6面12線分使っている。このうち新幹線用は東北・上越新幹線の1面2線で、1日の発着本数は約200本。過密状態といわれる東海道新幹線(JR東海)の同駅ホームですら3面6線で約280本なので、現在のJR東日本のホームに北陸新幹線が発着する余裕はない、という。
 予定では、中央線の2階建てホームの使用開始は1995年夏から、北陸新幹線ホームは98年2月の長野五輪開催に間に合わせる。総工費は約900億円。このうち350億円が北陸新幹線建設費に含まれ、残りの550億円が同社の自己負担となる。
 同社は、「東京駅のいまの景観を損なわないように工事する。まだ先のことだが、在来線のホームの移し替えは深夜になるだろう」と話している。(朝日新聞)
■精算事業団解雇者対策 職安に専門窓口 労働省、3点柱に検討
 中央労働委員会(中労委)が先に「JR採用差別問題」の解決案を示し、国鉄清算事業団を解雇された約1000人の旧国鉄職員の再就職について、政府や関係自治体の支援措置を要請したことを受け、労働省は1日、検討中の具体的な雇用対策を明らかにした。
 解決案に基づく和解の成立を前提として、公共職業安定所(職安)が職業相談・紹介、求人開拓を行い、就職希望者が20人以上の職安では専門の相談窓口を設ける、など3点が骨子となっている。
 対策の第2は、被解雇者を「特定求職者雇用開発助成金」制度の対象者に加えることだ。
 高齢者など就職が特に困難な人の雇用機会を拡大するための制度で、職安を通じ同制度に基づいて常用労働者を雇用した事業主に対し、雇い入れ後1年間、その労働者の貸金の4分の1(中小企業は3分の1)を助成する。
 第3は、「地域雇員開発助成金」制度の活用。札幌地区を除く北海道など、雇用機会の特に少ない「雇用機会増大促進地域」で、事業所を新増設して常用労働者を雇用した事業主は、その後1年間、賃金の4分の1(同)の助成などを受けられる。
 これらの対策実施期間は、労使が和解し、希望者が求職を始めてからほぼ半年間としている。(朝日新聞)
■満員列車 駅ビルに激突 茨城県・関東鉄道取手駅 ブレーキ故障?車止め突破 1人死亡158人負傷 運転士「エアー抜いた」
 2日午前8時10分ごろ、茨城県取手市中央町、関東鉄道常総線取手駅8番ホームで通勤、通学客で満員の新守谷発取手行き上りディーゼル列車=高田誠運転士(22)、4両編成=がスピードを落とさず終点の車止めをオーバーラン、約10b暴走して駅ビルに激突した。列車は4両のうち先頭車両が駅ビルの壁を突き破って大破、2両目も脱線した。茨城県警本部の調べによると、乗客のうち、茨城県北相馬郡守谷町みずき野、日本ビクター国際本部企画室課長梶田邦彦さん(40)が全身を強く打って死亡したほか、乗客、運転士の計158人が重軽傷を負い、取手市内の東取手病院など7病院に収容された。
 同県警は取手署に捜査本部を設置、事故原因の究明に乗り出したが、高田運転士は「取手駅手前の西取手駅に停車した際、ブレーキがかかったままになったため十数分間停車してブレーキのエア抜きをした。その後、手動に切り替えて発車したが、取手駅手前の下り坂でブレーキが利かなくなった」と供述しており、同本部はブレーキ系統の故障が原因とみて、ブレーキ関係の点検、検証を進める。
 関東鉄道の話では、手動ブレーキの他に緊急停止ボタンがあるが、これも利かなかったらしい。
 現場は、列車の前2両が駅ビルの1、2階部分に約10b突っ込み、駅ビルの1、2階部分はメチャクチャに壊れているという。激突の衝撃で構内の水道管が壊れ、ホームや列車の床に15aほど水がたまるなどの被害があった。
 列車は事故当時、時速4、50`のスピードで突っ込んだ。ラッシュ時のため、列車には定員の1.5倍に当たる8、900人が乗っており、「後ろに下がるように」とのアナウンスがあっても、乗客は混雑のためしゃがみ込む程度で身動きもできなかったという。
 関東鉄道では事故対策本部(本部長・桑原省三同社鉄道部長)を設置、事故の対応に当たっている。
 同鉄道は運転本数を増やすため列車自動停止装置(ATS)を来年春に導入する予定にしており、昨年秋から工事を始めていた。
 けが人が運ばれた取手市野々井の取手医師会病院によると、同病院にはけが人22人が運ばれ、重傷者は4、5人いるという。
・ビクターの課長 死亡した梶田さん 関東鉄道列車事故で死亡が確認された日本ビクターの梶田邦彦さん(40)は、オーディオ・ビデオ機器の海外の販売を担当している国際本部企画室の課長。
 昭和52年4月に入社、ドイツなどの海外勤務の後、平成3年4月から現職。関東鉄道、JR常磐線などを乗り縫いで、東京・日本橋の本社まで通勤していた。
・運転士飛び降りる?
 茨城県警によると、関東鉄道の事故列車の運転士は衝突直前に列車から外に飛び降りたという。目撃者の証言によるものだが、運転士本人は「最後まで乗っていた」と言っているという。(京都新聞 夕刊)
■直前「ブレーキ利かない」恐怖の車内放送 パニック 関東鉄道列車事故 「エーッ」抱き合う乗客 満員、悲鳴と怒声交錯
 「ブレーキが利きません」。満員の列車に突然、上ずった声の車内アナウンスが響いた。「エーッ」「キャーッ」。顔をこわばらせしゃがみ込んだり抱き合う乗客たち。車内がパニックに陥った直後、恐怖におののく約900人を乗せたまま、列車は4、50`のスピトで暴走、車止めを突破してごう音とともに駅ビルに突っ込んだ。メチャクチャに壊れた車内から必死にはい出す血まみれの乗客たち−。2日朝、ラッシュアワーに起き、死傷者多数を出した関東鉄道取手駅構内の列車事故。都心へ急ぐ通勤客などで混雑する駅は一瞬のうちに悲鳴と怒声に包まれた。
 「できるだけ後ろに下がってください」。乗務員の切羽詰まったアナウンスは、列車が隣の西取手駅を出発して間もなくだった。抱き合って泣き出す女子高校生。その場にしやがみ込んだり、手すりにしがみつくサラリーマン、OLたち。一部の乗客は後ろの車両に移動し始めた。そのさなか、「ドーン」というものすごい音を立てて暴走列車は駅ビルに激突した。
 1両目で事故に遭った茨城県北相馬郡守谷町のOL(22)は「ぶつかった瞬間、車内の電気が消え床が盛り上がった。線路わきの水道管も破裂し、オイルも漏れ出し、このままでは爆発すると思った。女子高生らは泣きじゃくっていたが、男性の乗客の”落ち着け”との声で、少しは冷静になれたが…」と真っ青な顔で恐怖に唇を震わせた。
 同様に1両目で手足を強く打った同町の会社員浅野修さん(41)は「西取手駅で”ブレーキが故障”と車内放送があり、10分以上停車した。再び動き出したので大丈夫だと思ったら”ブレーキが利かなくなった”と再び車内放送。乗客がパニック状態になった。なぜ、ちゃんと調べなかったのか」と怒りをぶちまけた。
 クリーム色の列車が突っ込んだのは8番ホーム。目撃者の話では、列車は時速40−50`のスピードで線路の端にある鉄製の車止めを軽く乗り越えた。そして約30度ほど上向きの状態で駅ビルの婦人物洋品店の壁をぶち破り、1両目の半分ほどがめり込んだ。2両目の先も線路から2−3b浮き上がり、ガラスやコンクリートの破片がホームや駅構内に飛び散った。
 ホームにいた千葉県柏市の主婦谷島ゆり子さん(41)は「飛び込んで来るような勢いだった。泣き叫ぶ女子高校生らがホームに投げ出されるように逃げ出して来た」。
 同駅員萩原勉さん(23)は「ドーンという音がしてどうしたのかと飛び出した。けが人を収容することで頭がいっぱいだった」と頭を下げた。
・安全確認操作に疑問
 2日起きた関東鉄道の列車暴走事故は、取手駅に到着前に「ブレーキが利かない」と車内放送があったことなどからブレーキ故障の可能性が強まっている。ブレーキ故障の際の点検、安全確認操作にミスがなかったのか。
 運輸省に入った情報によると、暴走した列車は取手駅手前の西取手駅で運転士がブレーキの利きに異常を感じ、いったん臨時停車して点検。しかしその後も運転を続けて取手駅に向かったという。通常、ブレーキ故障が発生した場合は運転士がブレーキシリンダーの空気圧力を確認。原因が分からないときは車両係を呼んで点検、安全確認できない場合は運転を打ち切ることになっている。
 今度の事故でもこうした手順が守られていたかどうか。通勤ラッシュだったことから、無理をして運転を継続しなかったかなどについて、運輸省は今後、現地に係官を派遣して関係者から事情を聴くことにしている。
 ブレーキ故博による大事故としては昭和46年3月4日、富士急行の大月線の踏切で、列車が自動車と衝突。ブレーキが破損して暴走、転覆して14人が死亡、72人が負傷した。
 同年10月25日、近鉄の大阪線東青山−榊原温泉口の単線区間で列車のブレーキが故障。運転士がブレーキを修理したが、その処置が誤っており、前から来た列車と正面衝突、25人が死亡、218人が重軽傷を負った事故があった。(京都新聞 夕刊)
■衣類に血、泥だらけ 取手駅東口の病院 けが人次々収容
 取手駅東口の植竹病院にはけがをした乗客14人が収容された。会社員、梶田邦彦さん(40)は全身打撲のため間もなく死亡。病院職員や看護婦らは次から次に収容されるけが人の対応に追われた。
 ひざを打撲し、レントゲン検査を受けた茨城県北相馬郡守谷町の会社員(50)は「ブレーキが全く利かない状態で4、50`のスピードのまま激突した。衝突の瞬間はものすごい衝撃でスプリンクラーが作動し、水とほこりと血でパニック状態となった」と、惨劇の瞬間の模様を語った。
 病院に収容された負傷者たちは土ぼこりをかぶったのか、泥だらけで血が衣類ににじみ、痛々しい姿、病院には心配した家族らが駆けつけ、通勤途中の家族の様子を不安げに見舞った。
 現場から約80b離れた駅ビル売店の女子従業員(42)によると、衝突の瞬間ドシンという地鳴りに似た大きな衝撃音が聞こえた。その直後に乗客の男性が「救急車を呼んでくれ」と階段を駆け上がり、助けを求めてきたという。
・関東運輸局 職員を派遣
 運輸省は関東鉄道の暴走事故を重視し2日、現地に関東運輸局の職員7人を派遣、関係者から事情を聴き本格的な原因究明に乗り出した。(京都新聞 夕刊)
最近の主な列車事故
昭和60711JR能登線古君−鵜川間(石川)で、急行能登路5号が長雨による盛り土崩壊で転覆。7人死亡、29人けが。
87JR筑肥線姪浜−今宿間の踏切(福岡市)で、普通電車と大型トレーラーが衝突、147人が重軽傷。
61323西武新宿線田無駅(東京)で雪の中、急行が準急に追突、乗客 290人が重軽傷。
1228JR山陰線余部鉄橋(兵庫)で回送列車が突風にあおられ転落。6人が死亡、6人が重傷。
6278名鉄犬山線西春町踏切(愛知)で、急行電車と大型トレーラーが衝突、 187人が負傷。
63125JR中央線東中野駅(東京)構内で停車中の電車に後続電車が追突し脱線、2人死亡、113人が負傷。
平成3514信楽高原鉄道の貴生川−紫香楽宮跡で同鉄道の普通列車とJR快速列車が正面衝突、42人が死亡、576人が負傷。
625福知山市のJR福知山線の踏切で大型トラックと電車が衝突、371人が負傷。
448JR山陽線(神戸市)で寝台特急「さくら」が、線路に転落したトレーラーに衝突し脱線、乗客ら20人が軽傷。
■列車暴走、駅ビルに激突 茨城・取手 1人死亡、146人けが 通勤で満員 ブレーキに故障
 2日午前8時10分ごろ、茨城県取手市中央町の関東鉄道常総線取手駅で、新守谷発取手行きの普通ディーゼル列車(高田誠運転士、4両編成)がホームを暴走、車止めを越えた。ホームは駅構内の1階と2階の中間にあり、列車は2階のショッピングセンターの壁を破り、先頭車両がビル内に約15b突っ込んだ。この事故で乗客の日本ビクター国際本部企画室課長梶田邦彦さん(40)=同県北相馬郡守谷町みずき野八丁目=が死亡。高田運転士とほかの乗客合わせて146人が重軽傷を負い、同市内など7ヵ所の病院で手当てを受けている。高田運転士は衝突直前に列車から飛び降りたという。事故当時はちょうど通勤ラッシュ時で、列車には、定員の約1.5倍の約900人が乗っていた。
 関東鉄道の話によると、事故を起こした列車は、取手駅のひとつ手前の西取手駅で緊急用の保安ブレーキがかかったまま戻らない状態になり、15分ほど停車して点検した後、出発したという。西取手駅の駅員は「列車から運転士が降りてきて点検していた」と話している。乗客らの話では、衝突する前に「ブレーキがききません。列車の後ろに移動して下さい」という車内放送があったという。乗客の一人は「特急のようなスピードだった」と話しており、かなりの速度で衝突したものとみられる。
 茨城県警取手署の調べに対し高田運転士は「ブレーキを手動に切り替え注意して運転していたが、取手駅手前での下り坂で、ブレーキが利かなくなった。車掌が乗客に後方に移動するよう車内放送したが、混雑で動きがとれないうちに事故になった」などと話しているという。同署は業務上過失致死傷の疑いで高田運転士から事情を聴いている。
 同鉄道の話では、ブレーキの故障としては@差圧切り替え弁の故障Aブレーキ操作を伝達するロットの引っ掛かりなどが考えられる、という。
 同鉄道などの話によると、取手駅は終点で、衝突防止のためホームの先端に鉄製で長さ約5b、幅約60aの車止めが設置されている。同列車は通常の停止位置から約十b先の車止めに衝突。さらに4.5b先のコンクリート壁を破って、先頭はショッピングセンターのエスカレーター前で止まった。車両の一部はセンターの天井を突き破った。
 事故のあった列車は、乗客の増加に対応するために、5月18日から3両編成から4両編成に増結していた。守谷町は首都圏のベッドタウンとして人口が急増している。同駅は、東京方面へのJR常磐線との乗り換え駅として1日の乗降客が3万人にのぼり、関東鉄道では最大の駅。
 列車が突っ込んだのは、取手駅ビル「ボックスヒル」。地上6階建てで5階までが102店舗の専門店、6階に同ビルの事務所が入っている。事故当時は開店前だったため、従業員らにけがはなかった。同ビル2階は水道管が破裂したらしく、水びたしになっている。(朝日新聞 夕刊)
■朝のホーム 轟音と悲鳴 関東鉄道事故 速度増し商店街突入 「止まらない」車内放送
 止まるはずの列車が、スピードを落とさずに暴走する。駅ビルの壁を突き破り、轟音(ごうおん)とともに内側の商店のショーケースもなぎ倒した。死傷者154人を出した2日朝の関東鉄道取手駅。激突の直前、「後ろに下がって」と車内放送が流れ、乗客は身構えたが、間に合わなかった。商店街が開店時間帯なら、惨事はさらに広がるところだった。列車はひとつ前の駅でブレーキ故障を起こしていた。そのまま走らせたことが、事故につながったとみられる。
 1両目の先頭付近にいた取手市の会社役員河鍋勲さん(62)によると、取手駅とひとつ手前の西取手駅との中間を過ぎたあたりから、運転士が必死でブレーキをいじっているのが見えたという。やがてあきらめたように、車内アナウンス用の電話をとって、「ブレーキが利きません。止まりません」という放送があった。ぶつかる20秒ぐらい前だった。「下り坂で列車はどんどん加速、目の前にビルの壁が近づいてきた」と恐怖の瞬間を再現する。
 同じ1両目にいた乗客によると、ブレーキが利かない、とのアナウンス直後、前の方から、いっせいに押し寄せてきて身動きがとれなくなったという。車内では女子高生らの「こわいよう、いやだよう」との悲鳴や「しゃがめ。頭を上げるな」との大き声が飛び交い、みんなで肩を組み合ったという。
 西取手駅では、約10分間停止した。運転席のすぐ後ろにいた乗客の話では、運転士は何度かエンジンのスターターのようなものをいじっていたが、なかなかかからなかったようだ。ブレーキが効かないとのアナウンスがあったが、運転士は何回も席をはずして点検をしていたが、やがて、発車、そのまま加速していったという。
 事故を起こした列車は、4両編成で、列車の1両目は、車止めをジャンプするように駅ビルの壁をつきやぶり、2階の婦人服売り場に突っ込んだ。衝突の激しさを示すように、4分の3ほどがビルにのめり込んだ車体は斜めに持ち上がり、2両目も連結器部分が押しつぶたようにへこみ、前部は「く」の字型に曲がっていた。車内の床は大きくめくれあがり、大半の座席は吹き飛んでくしゃくしゃに。粉ごなのガラスや、血のついたチリ紙なども散乱していた。
 厚さ10aあまり、縦3b、横6bのコンクリート製のビル壁は、20bほど飛ばされ、ふたつに折れてビル内のエスカレーターの上に崩れ落ちていた。陳列してあったカバンや衣類は四方に飛び散り、破裂した水道管から漏れた水でフロアは水びたしに。天井の一部は崩れ落ちて手がつけられないような惨状だった。
 JRの車両関係者によると、ディーゼル車のブレーキは基本的に圧縮空気を使っている。各車輪ごとに付いているブレーキ装置に、床下にある、「元空気だめ」から圧縮空気をブレーキ弁を操作して送り込む仕組み。
 今回の事故は状況から推測して、ブレーキが全くきかない状態だったことは明らか。その可能性としては、何らかの原因でブレーキの一部に故障が発生して、点検のためにブレーキの圧縮空気をいったん開放。圧縮空気が低下したまま運転を続けたケースが考えられる。JRなどでは、途中で点検のため弁を開放した場合、発車する際は圧縮空気が十分なことを確認するマニュアルがあり、圧力を確かめないまま発車したことも想定される。
 ほかには、各車輪のブレーキ装置に圧縮空気を送り込むもとになる「元空気だめ」が何らかの原因で破損、ブレーキそのものの機能が失われたケース。
 運輸省によると、ブレーキ故障が原因と断定されている過去の大事故には、71年3月の富士急行の脱線事故(14人死亡、72人けが)や、同年10月の近鉄の正面衝突事故(12人死亡、155人けが)などがある。
 このうち、近鉄の事故はブレーキ故障のためにフェールセーフ機能が働いて列車はいったん自動的に停止したが、運転士が列車を動かすために停止装置を解除。その際、解除操作を誤ったためにブレーキがまったく利かない状態になり、単線区間を暴走して対向列車と正面衝突した。
・ごった返す救急処置室
 取手市寺田の取手協同病院には午前8時20分すぎ、事故の一報が入った。病院側では急きょ、4階の職員研修用の講堂を臨時の救急処置室にあて、医師10人が待機、バスで運ばれてきた57人のけが人の処置に追われた。うち骨折や打撲などで4人が入院。救急処置室内には目隠しのスクリーンや仮設ベッドなどが置かれ、首や手足に包帯を巻いたけが人の姿が事故のすさまじさを物語っていた。
・県警が捜査本部
 茨城県警は同日午前10時半、「関東鉄道常総線取手駅構内における死傷者多数を伴う列車事故事件捜査本部」(本部長・長谷川照正刑事部長、150人)を設置した。
・最近の主な事故
 82129大阪の国鉄天王寺駅構内で、見習運転士のブレーキの遅れで車止めに衝突。129人が負傷。
 841221群馬県の上信電鉄で、下り電車の運転士が居眠り運転し上り電車と衝突。1人死亡、131人負傷。
 85711石川県の能登線で雨のために路肩が崩れ、急行列車が転覆。7人死亡、26人負傷。
 861228兵庫県の山陰線・余部鉄橋で、回送中の列車が強風のため転落。6人死亡、6人負傷。
 88125東京の総武線・東中野駅で、停車中の電車に後続の電車が追突、脱線。2人死亡、113人負傷。
 91514滋賀県の信楽高原鉄道でJRの臨時列車と同高原鉄道の普通列車が正面衝突。42人死亡、527人負傷。(朝日新聞 夕刊)
3日■関東鉄道事故 操作・点検ミスか 茨城県警本格捜査 ブレーキ系統原因
 関東鉄道取手駅で2日朝、列車が暴走、駅ビルに激突した事故は死者1人、重軽傷168人になり茨域県警取手署捜査本部は暴走列車のブレーキ系統に故障があり、その操作や点検に重大なミスがあったとして、車両を検証、高田誠運転士(22)や同鉄道運行責任者から事情を聴くなど同日午後、業務上過失致死傷容疑で本格捜査を始めた。
 これまでの調べでは、高田運転士は取手駅から1.6`手前の西取手駅で発車しようとしたところブレーキがかかったままになったので運転士を統括する水海道車両区に連絡、その指示で常用ブレーキの空気圧を抜きブレーキを解除した。
 ところが同駅は上りこう配で列車がバックし始めたので深谷秀晴車掌(45)が最後部の非常ブレーキをかけた。その後再び空気圧を抜いてブレーキを解除後、時速約20`で進行すると、線路が下りこう配のため時速30−40`になった。
 このため不安を感じた高田運転士が試しにブレーキをかけたが利かなかった。非常ブレーキも同じだった。取手駅か近付いたため高田運転士は800b手前で乗客と車掌に危険を知らせる車内放送をした、という。
 高田運転士は車内アナウンスで先頭車の乗客が後方に移動したのを確認した後、取手駅ホームに差し掛かった地点で運転室右側のドアを開け列車からホームと反対側の線路際に飛び降りた、という。この際、けがをして入院した。
 捜査本部は非常用の手動ブレーキも作動しなかったなどの証言を重視、ブレーキの点検や操作の過程で何らかのミスがあった、との見方を強めている。
・非常ブレーキ カットを指示 車両区助役
 関東鉄取手駅で起きた列車事故で、運輸省は2日夜、一つ手前の西取手駅でブレーキ故障が起きた際、同鉄道の車両区助役が非常用ブレーキを作動しなくするよう高田誠運転士らに指示していたことを明らかにした。現地に派遣した調査員からの報告によると、西取手駅で列車のブレーキが解除されず、発車できない「ブレーキ故障」の状態になったため、高田運転士が茨城県水海道市にいる運転指令と連絡を取ったところ、しばらくして車両区助役が非常用ブレーキの弁を閉じて作動しなくするよう、西取手駅の駅長を通じて指示してきたという。同省は「助役がなぜ非常用ブレーキの弁の操作を指示したのかは不明」としている。(京都新聞)
■社説 ブレーキの利かぬ列車だとは
 きのう朝、茨城県・関東鉄道取手駅で起きた列車暴走事故は、ブレーキの故障が原因と見られる。満員の通勤列車が駅ビルに激突するなどは信じがたいことである。原因を究明し、この種の事故が二度と起きないようにしてもらいたい。
 調べによれば、4両編成の列車に7−800人の乗客が乗り合わせていた。大半は取手からJR常磐線に乗り換えて、東京や県都・水戸方面へ向かう通勤・通学客であった。「ブレーキが利かないので後ろの方へ避難してください」と車内放送があって間もなく終点の車止めに乗り上げ、ビルに激突したという。
 車内がパニック状態になったのは無理からぬことだ。ブレーキが利かない列車など現実にあり得ないはずでおる。後方への避難も満員でままならない。しかも次の車両との間はドアが閉鎖されて移動できなかった。時速40−50`で暴走するのをどうすることもできない乗客の恐怖は、いかばかりだったか。
 死傷者は160人を越えた。乗客に比較的若い世代が多いためか大事故の割に犠牲者は少なかったものの、毎日利用している通勤通学列車でこのような難に遭うとは痛ましいことだ。乗客の信頼を裏切った鉄道の責任は重大である。
 ひと駅手前で運転士はブレーキに「違和感」を感じたという。停車時間を延ばし、ブレーキ系統を点検したうえで「違和感」をひきずったまま発車した。結果論ではあるが、運転のプロが感じた貴重な「違和感」を、事故の未然防止に生かせなかったものか。
 この時間帯は常磐線に接続する同鉄道のラッシュのピークで、上り列車は約6分間隔で運転している。延着はダイヤの混乱を招き、通勤通学客に迷惑をかけるという気持ちがあったのかもしれないが安全の確保こそが最優先すべき乗客サービスであるとの心構えがほしかった。
 日常の保線や車両点検をはじめ安全対策は十分だったろうか。近年、同鉄道沿線は「常総ニュータウン」の建設をはじめ開発が急速に進んでいる。東京と直結する常総新線の建設計画もあるほどだ。当面の人口増に対応するには輸送力が限界にきており、列車増発のためにATS (自動列車停止装置)の導入工事中だったが、後手に回った感がある。
 首都圏には珍しく全線が未電化路線で約50両のディーゼルカーを運行しているが、なかには他の鉄道を引退した中古車両も各種含まれている。例えば事故車両の先頭車は、1966年7月の製造で90年11月JR九州から同社が購入、改造して使用中だった。耐用年数、整備などに問題はなかったか。
 緊急時のための手動ブレーキや非常停止装置を含めて、ブレーキが全く利かなくなったのはなぜなのか。事故原因を究明するとともに、急激に膨らんだ輸送力需要と鉄道側の対応との間にズレはなかったかどうか。早急に点検を加えて、事故の再発防止に万全を期してほしい。
 鉄道の事故は減少傾向にある。交通安全白書も指摘するように、列車の高速化や高密度化に対応したATSなど保安設備の充実、制御装置の改善など総合的な安全対策が進んできた結果であろう。しかし、昨年の信楽高原鉄道事故や福知山線の踏切事故のように、ごく基本的な失敗が引き金となって重大事故を起こす例が目立つ。言うまでもなく「ブレーキ」は、輸送機関の基本の基本である。(京都新聞)
■中労委案拒否を確認 JR不採用事件 国労が代表者会議
 国労(永田稔光委員長)は2日午後、東京・八重洲の本部で全国代表者会議を開き、国鉄分割・民営化に伴う不採用事件で5月28日に中央労働委員会(石川吉右衛門会長)が国労に示した解決案を討議、「納得できる内容ではない」として解決案の受諾拒否を確認した。
 国労執行部は提示直後から拒否の方針を固めていて弁護団らが集まる3団体会議を10日に開き再度確認を受けた後、中労委に受諾拒否を文書回答する予定。
 国労は拒否の理由に@解決案にある1ヵ月間に限定した地元JRの雇用は形式的で「地元JRに採用する」という国労の要求と懸け離れているA解決案は不当労働行為に全く触れていない−などを挙げている。今後は中労委の救済命令を求める闘いを進める。
 中労委の解決案は、対象者を国鉄清算事業団解雇者約1000人に限定、地元JRに1ヵ月、有給で雇用、その後本州、四国のJR4社、貨物会社が広域採用の努力をする−などを骨子としている。(京都新聞)
■マルク建て社債発行 JR西日本
 JR西日本は2日、ドイツマルク建て普通社債の発行を決めた。設備投資など事業資金に充てるためで、資金調達の多様化を計るねらい。発行総数は2億マルク(約160億円)。海外投資家向けの外債発行はJRグループで初めて。
 発行価格は額面金額の102.25%、利率は額面に対し年8.7%。6月17日フランクフルトで調印の予定。引き受け会社はドイツ銀行を主幹事とする幹事団で、ドイツを中心とする海外市場で公募する。
 JR西日本では、国内での資金調達を下回るコストで調達できるメリットがあるという。(京都新聞)
■関東鉄道事故「衝突前、圧力ゼロ」 けが168人に
 茨城県取手市の関東鉄道常総線取手駅構内で2日朝、4両編成の満員列車が車止めを越えて駅ビルに突っ込んだ事故で、茨城県警の捜査本部は、深谷秀晴車掌(45)から「衝突直前、ブレーキの圧力計を見たところゼロだった」との供述を得た。一つ手前の西取手駅でブレーキ故障を点検、修理中、何らかの作業ミスがあったものとみてくわしく調べている。この事故では1人が死亡したほか、けが人は168人になった。ダイヤは同日午前中に平常に戻ったが、事故車両の撤去は3日以降になるという。
 調べによると、列車には常用、保安用の2種類の空気圧を利用したエアブレーキがある。
 西取手駅から出発しようとした際、なぜ、ブレーキが解除出来なかったかわからないが、これが事故の第一の要因とみられる。
 調べでは、事故を起こした列車の高田誠運転士(22)は、西取手駅でかかりっぱなしになったブレーキを解除するため車両下の常用ブレーキの空気抜きをした。ところが、線路が傾斜していたこともあって、列車が後方に動き出した。そこで、最後尾の深谷車掌が「車掌弁」と呼ばれる保安用ブレーキをかけた。捜査本部では車掌弁はエアを抜かないと発車出来ないため、高田運転士が、再び空気抜きをして発車したのではないかとみている。この結果、常用、保安用とも空気が抜けた可能性があるとみている。ただ、1両ずつしかブレーキのエアは抜けず、なぜ4両ともブレーキが利かなくなったのかははっきりしない。だが、捜査本部では修理して発車するまで13分かかっていることから、この間に操作を誤ったのではないかとみている。
・特別保安監査 運輸省実施へ
 関東鉄道の事故原因は運転士がブレーキの空気を抜いたまま発車させた可能性が濃くなったのを受け、運輸省は2日、同鉄道に対する特別保安監査を実施することを決めた。近く、車両や施設に異状、故障が起きた時の対応マニュアルが完全だったかなどについて、立ち入り検査をする。(朝日新聞)
■京の大動脈建設 正念場に 地下鉄東西線 槌音高らかに
 京都市が平安建都1200年記念事業として建設を進めている「地下鉄東西線」工事が、平成6年度中の完成を目指して、槌(つち)音を響かせている。
 東西線は、伏見・醍醐からJR二条駅までの12.9`を結び、京都の東部と都心をつなぐ大動脈。13駅が新設され、建設費は2450億円に上る。平成2年1月の御池駅工区を皮切りに、25工区のうち現在、21工区で着工している。
 京都市交通局によると、一番進んでいる工区は御池駅工区で、現在50%台の進ちょく率。このほか堺町工区や二条駅工区は30%台。全体に比較的順調な工事運び。神泉苑の遺跡調査でストップしていた堀川駅工区も再開、未着工の山科駅、鴨川横断、神宮道、東大路の4工区も近く着工する予定という。
 ただ関連する山科駅前市街地再開発や醍醐団地総合再生事業などとも調整しながら進める必要があって、当初通りに開通できるかどうか。交通局の表情もいよいよ真剣さを増してきた。(京都新聞 夕刊)
4日■大阪圏の電車 冷房化100%に JR西日本、今夏から
 JR西日本は3日、1992年度夏の通勤・近郊電車の冷房化状況を発表した。前年度は冷房化率97%だった大阪圏(福知山、和歌山支社管内を含む)が100%を達成。全社平均では前年度比4%アップし、97%になった。大阪圏は前年度、関西各線などの普通電車が、冷房化100%になっていなかった。(京都新聞)
■ブレーキ解除 乗務員が判断 関東鉄道事故 助役指示より前に 1両日中に強制捜査へ
 死傷者175人を出した茨城県取手市の関東鉄道取手駅の列車暴走事故で、取手署捜査本部は3日、業務上過失致死傷の疑いで一両日中にも関東鉄道本社など関係数ヵ所を家宅捜索、原因究明に向けて強制捜査に乗り出す方針を固めた。
 これまでの調べで、事故車両が取手駅の1つ手前の西取手駅でブレーキ故障のため立ち往生した際、高田誠運転士(22)が、駅長を通じていったん水海道市の同鉄道水海道車両区助役に指示を求めながら、実際には乗務員が独自の判断でブレーキ解除の作業をしていたことが新たに分かった。
 捜査本部は、同鉄道の運転マニュアルなど関係書類を早急に押収、過失の有無を判断したいとしている。
 一方、捜査本部は3日夕、取手駅構内の事故車両の撒去作業に着手。4日早朝までに、駅ビルに突っ込んだ先頭車両を除く後部3両を気動車を使って水海道車両基地に移し、車体の鑑定実験を進める予定。
 これまでの調べでは、事故を起こした列車は西取手駅でブレーキがかかったままになったため、高田運転士が運転マニュアルに従い同駅長を通じて水海道車両区助役に連絡。助役は緊急用の保安ブレーキのコックを閉めて制動力を緩めるよう指示を駅長に伝えた。
 ところが、駅長がこの指示を乗車員に伝えようと駅舎1階の事務所から2階のホームに駆け上った時には、既に列車は取手駅に向けて発進しかかっており、後部運転席の車掌に伝えるのがやっとだったという。
 捜査本部は、助役の指示が伝えられる前にブレーキ解除作業が終了していた事実を重視。どのような判断に基づいて解除作業をしたかについて、家宅捜索と合わせて、高田運転士らから引き続き事情を聴く方針。
・関東鉄道に警告書
 関東鉄道取手駅の列車暴走事故で、関東運輸局の野間耕二局長は3日午後、関東鉄道の佐藤賢一社長を東京・大手町の関東運輸局に呼び、事故の重大性を十分認識し、安全運行の確保を求める警告書を手渡した。(京都新聞)
■車いすで街に出られる社会を 市内の障害者たち 「アクセス京都」第5号発行 半数以上は介護必要 スロープなど 主要鉄道の調査終了 アクセス度 地下鉄69%・近鉄56%・JR31%
 車いすで自由に出掛けられる場を広げたいと、京都市内の障害者たちが各駅のエレベーターの有無などを調べて発行している情報誌「アクセス京都」の第5号が発行された。創刊号からあわせると、市内とその近郊のJRや阪急など400以上の駅のアクセス情報をまとめたことになり、編集部は「これを基礎に今後も新しい情報を提供していきたい」と張り切っている。
 「アクセス京都」は、伏見区向島清水町の今福義明さん(33)ら車いすの障害者とボランティアが、車いすの人が街に出られる社会を願って90年2月に創刊した。ワープロ現行を集めたB5判、10−18n。
 創刊号の京阪電車をはじめ、毎回、電車に乗って各駅でエレベーターやスロープなど、車いすの人が自由に電車を利用できる設備があるかを調べ、その結果を「アクセス情報」として特集。さらに海遊館(大阪市)などへのガイドも盛り込み、読みやすく工夫している。今回の第5号で、予定した主要鉄道の調査を終えた。
 この結果、京都市内各駅で、車いす利用者が駅員の介護なしでホームまでいける「アクセス度」は、市営地下鉄69%、近鉄56%、阪急44%、京阪42%、JR31%など。まだ全体の半数以上は、駅員の介護がないとホームまで行けない状況と分かったという。
 2年あまりかけたシリーズの完成に、今福さんは「車いすで積極的に街に出ていくことで、駅側の応対も変わると思う。全体に最近10年間でだいぶ改善されたが、高架駅の多い湖西線などJRのアクセス度が悪いのが残念」といい、引き続き府県別のアクセスガイド作りに取り組むことにしている。
 同誌は1部300円(送料別)。問い合わせは(612)5256。(京都新聞)
■駅ビル問題 4件の文書公開求める 府の審査会答申
 京都駅の改築に絡んで府が京都駅ビル開発会社関係の文書を部分的に削除して公表したのに対し、改築反対を訴える市民団体「のっぽビル反対市民連合」(代表・西山夘三京大名誉教授)が異議申し立てを出していた問題で、府公文書公開審査会は3日、申し立ての対象になった4件の文書について公開の枠を広げるよう荒巻知事に答申した。
 異議申し立ての対象になった文書は、一部が抹消されて部分公開になった京都駅ビル開発会社への出資、同社の第一回株主総会関係の文書や、京都駅開発準備会社の株主総会関係の書類。
 審査会は京都駅ビル開発会社の発起人名簿や設立時の出資構成、京都駅開発準備会社の代表清算人の氏名、残余財産分配一覧表などは公開すべきだとの結論を出した。(朝日新聞)
■”痛勤”少しはラク 冷房車率100%へ
 JR西日本は3日、今夏から近畿圏の通勤電車をすべて冷房化する、と発表した。去年、ごく一部で非冷房車が走っていた大阪環状線、片町線、山陽線に新型車両などを入れた。(朝日新聞)
■「ぞう列車」の映画化に合わせ 記念ツアー参加者募る
 戦争中、軍や警察の命令に抵抗して動物園のゾウを守り抜いた人たちの勇気と優しさを描いたアニメーション映画「ぞう列車がやってきた」がこのほど完成、6月に大阪で劇場公開されるのをはじめ、夏休みにかけて各地で上映される。これを機に、終戦直後の「ぞう列車」を再現しようと、神戸、大阪などの有志が呼びかけ、記念ツアー「東山動物園への旅」を計画、参加を呼びかけている。
 電車は28日午前9時13分、新幹線新大阪駅を出発。途中、京都、米原に停車し、名古屋・東山動物園には同11時ごろ到着の予定。募集人員は70人(先着順)で料金は新大阪発で1万1800円(子どもは半額)。問い合わせはJR東梅ツアーズ(06・390・8652)か兵庫県映画センター(078・331・6100)へ。(朝日新聞)
■関東鉄道を捜索 列車事故 人為的ミスか究明 茨城県警
 死傷者175人を出した関東鉄道列車事故で、茨城県警取手署捜査本部は人為的なミスによる事故の可能性が強いとして、4日午前10時すぎから業務上過失致死傷容疑で同県土浦市真鍋、関東鉄道本社や同鉄道取手駅駅長事務室など4ヵ所を家宅捜索、事故原因の解明に向け強制捜査に乗り出した。
 一方、事故車両のブレーキが十分点検されないまま列車を動かしていた疑いも出てきたため、捜査本部はこの日も朝から高田誠運転士(22)の事情聴取や取手駅での現場検証を続けた。
 この2ヵ所のほか捜索したのは、最初に事故車両の故障が見つかった西取手駅や列車運行を管理している水海道車両区内の南水海道信号所。
 捜索はブレーキの不作動についての同鉄道側や乗務員の過失の有無を調べるのが目的。
 午前10時すぎ、取手駅駅長事務室に捜査員数人が入ったのを始め、関東鉄道本社などで次々、捜索が始まった。
 捜査員は故障が起きた場合の対応策を定めた運行マニュアルや列車の点検状況を記した検査表など関係書類を押収した。
 これまでの調べでは、列車は西取手駅でブレーキがかかり、元に戻らない状態になった。高田運転士は、水海道車両区に西取手駅長を通じて故障を連絡したが、マニュアルに定められた車両区なりの指示を受けないまま列車を出発させたことが判明。
 高田運転士が指示を受けないまま独自判断で列車を出発させた理由は不明だが、捜査本部はこの日押収した資料などを基に当時の状況などを詳しく調べる。(京都新聞 夕刊)
■関東鉄道の本社など捜索 取手駅事故
 死傷者175人を出した茨城県取手市の関東鉄道常総線取手駅構内での列車事故で、茨城県警の捜査本部は4日午前、同県土浦市真鍋一丁目の関東鉄道本社など4ヵ所を業務上過失致死傷の疑いで捜索し、同社の列車運行マニュアルや運行記録などを押収した。(朝日新聞 夕刊)
5日■取手の列車事故 車掌弁戻し忘れ ブレーキ利かぬ状態に
 死傷者182人を出した茨城県取手市の関東鉄道常総線取手駅での列車暴走事故で、事故車両は車掌弁(非常用ブレーキ)を引き下げて作動させ、元へ戻さないままになっていたことが、5日までの同県警捜査本部の調べで分かった。車掌弁を戻し忘れると、ブレーキ用の圧縮空気が抜けっ放しになり、運転士が通常の「常用ブレーキ」を操作してもブレーキは全くかからない。また常用ブレーキの故障に備えた「保安ブレーキ」も、事故前の応急修理の際、利かないようにしていたことも明らかになっており、二重の人為ミスが事故の原因だった擬いが濃厚になった。
 事故車両のブレーキシステムには、「常用」と非常時のための「保安用」の2系統あり、常用は運転席のブレーキレバーのほか、車掌席の車掌弁でも作動させることができる。
 捜査本部の調べによると、事故車両は取手駅の一つ手前の西取手駅で、保安ブレーキがかかりっ放しになり、それを解除するため、約13分停車。その際、運転士は応急措置として、保安ブレーキが利かないように、圧縮空気のコックを閉めた。ところが、線路が後方に傾斜していたため、車両がスルズルと数b後退し始めた。捜査本部への車掌の説明によると、危険を感じて、車掌用の車掌弁を引き、列車を停止させたという。
 この後運転士がゆるめ弁を開け、ブレーキを解除して発車した。
 専門家の説明では、車掌弁を引き下げると、急ブレーキがかかるが、弁を元に戻さないと、弁のパイプの一端から空気が漏れる構造にしてあるため、コンプレッサーで再び圧縮空気をタンクにためようとしても漏れてしまい、「ノーブレーキ状態」になるという。(朝日新聞 夕刊)
6日■2面4線の橋上駅 JR東海・品川新駅概要 9万人利用見込む
 東海道新幹線の輸送力増強策として、JR東海が計画している品川新駅の概要が5日、まとまった。東京駅のサブターミナルとなる新駅は、ホームが2面4線の橋上駅。1時間に上下それぞれ最大5本の列車を発着させ、名古屋駅並みの1日平均約9万人の乗降客を見込む。回送列車をさばくための車両基地(留置線)は3線程度とし、全体面積はJR東海の当初案(6.5f)の半分ほどになる見通し。年内にも工事にかかり、1998年ごろ完成させる予定で、東海道新幹線の最大輸送力は現在の1時間に上下各10−11本から15本にまで拡大できる。
 品川新駅計画はJR東日本の反対で暗礁に乗り上げていたが、運輸省の仲介で4月初めにJR東海の須田寛社長と東日本の住田正二社長が会談して建設に合意。JR東海と地権者のJR東日本、貨物、国鉄清算事業団の4者が駅舎、利用見込みなどについて実務レベルの協議を続けてきた。
 4者の一致点によると、新駅の建設場所は在来線の品川駅の東側を走っている新幹線の本線上。まず、現在高架の新幹線を取り壊して、地上に2面のホームと4本の線路を設け、東京駅を発着する列車が通過できるようにする。
 駅舎は、これらをまたぐように橋上駅の形態にし、乗客はホームヘ降りる形にする。品川駅とは立体構造でつなぐ。
 併設する車両基地については、JR東海は当初、7本の線路を希望していたが、列車の増発に最低限必要な3線程度となる見通し。東京都が品川駅東口地区で計画している再開発への影響を最小限にとどめるためで、最後の調整を進めている。
 建設は、早ければ年内に新幹線の本線をう回させる工事にかかり、続いて新駅の本格的な建設に入る。(朝日新聞)
■ニュースぴっくあっぷ 運命注目される二条駅
 現存するわが国最古の和風駅舎として知られるJR嵯峨野線の二条駅(京都市中京区)。平成6年の高架駅完成後、取り壊されるのか、現場保存されるのか、移築保存となるのか。懐かしむ人も多く、注目されています。
 二条駅は明治37年(1904)、京都−園部を結ぶ京都鉄道の中心駅として建設されました。当時の駅舎は洋風が多かったのですが、二条城の景観を配慮して和風とすることになり、木造2階建ての入り母屋造り(いりもやづくり)で平安神宮を模した左右対称の外観として建てられました。
 ところが、高架完成後は現在の駅舎一帯は駅前広場とされることに既に都市計画決定されているのです。
 このため京都市文化財保護審議会の有志8人や日本建築学会などがJR西日本に保存の要望書を先ごろ提出。「和風駅舎は類例が極めて少なく、かけがえのない明治の文化遺産」として保存の必要性を説いています。
 JR西日本はまだ撤去するとも、保存するとも態度決定していませんが、仮に保存となった場合、都市計画決定を覆して現場保存できるのか、移築保存となるのか、大いに成り行きが注目されるところです。(京都新聞 夕刊)
7日■山手線全駅が今夏から事実上禁煙に
 JR東日本は6日までに、ことし夏から東京・山手線の29駅全部を対象に、ホームなどに設ける一部の喫煙コーナーを除き、原則として終日禁煙にすることを決めた。
 同社は今後各駅に表示板などを設置、遅くとも8月ごろまでには実施する方針で、乗客の評判が良ければ、首都圏の他の駅にも広げたい、としている。(京都新聞)
8日■竹倒れ紀勢線止まる 特急など大幅遅れ
 7日午後5時10分ごろ、和歌山県西牟婁郡日置川町のJR紀勢線椿−紀伊日置間で、架線に竹教本が倒れ掛かっているのを、京都発新宮行き特急スーパーくろしお21号(6両)の運転士が見つけ、現場で約10分停車した。
 架線などを点検して同特急は運転を再開したが、JR西日本は同5時20分ごろから同6時45分まで同区間の運転を見合わせた。
 この影響で、新宮発京都行き特急スーパーくろしお28号が1時間15分遅れるなど特急、普通電車計16本に遅れが出た。
 竹が倒れたのは強い風雨が原因らしい。(京都新聞)
■強風で一時運転停止 余部鉄橋
 7日午後、兵庫県城崎郡香住町、JR山陰本線の余部鉄橋が計4時間以上にわたって強風のために運転中止となった。
 JR西日本によると、運転中止となったのは午後2時29分から同4時50分、同5時26分から同7時45分の2回。最大瞬間風速31bを記録した。このため、普通列車6本が運休したほか、浜坂と新大阪を結ぶ特急「エーデル北近畿16号」が2時間半遅れで新大阪に到着するなどした。(朝日新聞)
■関東鉄道を 特別保安監査 運輸省
 茨城県取手市の関東鉄道列車事故で、運輸省関東運輸局は8日朝、事故を起こした関東鉄道の特別保安監査に着手した。監査は9日まで続けられる。8日午前9時ごろ、鉄道部の職員9人が、同県土浦市の関東鉄道本社などに立ち入り、関係者の事情聴取とともに規則やマニュアル類の書類検査を始めた。
 運輸省は@車両や運転の取り扱いに関する法令が守られているかA事故防止の体制が適切か−などを中心に調べる。
 鉄道会社への運輸省の保安監査は昨年5月、信楽鉄高事故で信楽高原鉄道とJR西日本に実施して以来。(京都新聞 夕刊)
9日■二条駅貨物ヤード跡地1.5f 利用プラン公募へ 変換ローン方式で処分了承 国鉄清算事業団
 国鉄清算事業団の資産処分審議会は8日の答申で、近畿関係分として、京都市中京区西ノ京の二条駅貨物ヤード跡地の一部、1.5fを不動産変換ローン方式で処分することを原案通り了承した。同跡地は京都市のJR二条駅周辺整備事業の一角に当たり、同事業団は区画整理事業に基づく市の仮換地指定を受けたあと、8月ごろにも土地利用についての事業計画案を公募する。
 答申のあった同跡地は、二条駅南側で山陰線と千本通にはさまれている。同駅周辺整備事業の一つ、二条駅土地区画整備事業として整備するもので、不動産変換ローン方式による旧国鉄用地の処方は、同事業団近畿支社管内では、大阪の西梅田再開発、京都市の京都駅旧鉄道公安室用地に次いで3件目。
 同方式の処分は、同事業団の子会社「レールシティ西開発」が担当。この土地を使ってビル事業を営みたい人を対象に「複数提案型」で事業計画を公募し、該当地の地権者、関係者、市などでつくる「新都市拠点整備事業推進協議会」(会長・川崎清京都大教授)で計画を検討する。
 このあと、続いて、同用地とビルを対象にした投資家を募り、最終的には、元本に応じて土地、建物の共有持ち分権を投資家に譲渡する。
 二条駅貨物ヤード跡地は、同駅の周囲に計約6fあり、うち、駅北西側の1.2fは同区画整理事業の減歩率緩和用地として、すでに同事業団から市に売却済み。この土地の南側の1.7fについても市と同事業団で随意契約による処分を協議しており、市は売却を受けたあと、文化施設に利用する方針。(京都新聞)
■朝の近鉄京都線 信号故障で乱れる
 9日午前7時半ごろ、奈良市国見町一丁目の近鉄奈良線西大寺駅構内で、奈良発難波行き上り快速急行が進入してきたところ、場内信号機が赤のまま変わらなくなった。点検中、原因不明のまま同50分に自然復旧した。奈良線のほか、京都、橿原線の上り列車計56本が最高15分遅れ、通勤、通学客ら約4万5000人の足が乱れた。(京都新聞 夕刊)
10日■JR東舞鶴駅周辺の整備 再開発へ2事業起工
 府、舞鶴市とJR西日本は9日、JR東舞鶴駅周辺の「立体交差事業」と「土地区画整理事業」の起工式を同駅構内で行った。いずれも、JRの軌道で分断された市街地の一体化、再開発を図る懸案事業。構想発表から13年目にして、ようやく本格着工にこぎつけた。
 式には、事業主体三者の関係者や舞鶴市議、地権者ら約100人が出席。荒巻禎一知事や町井正登市長らが式辞の中で「都市機能が飛躍的に向上する」「活力あるまちづくりに大きく貢献できる」など、両事業への期待を表した。
 立体交差事業は、同駅とその前後計1.6`の軌道を高架にし、14本の道路を下に通す。併せて駅舎も全面改築する。事業費は86億円 1995年度末完成の予定。
 一方、市の区画整理事業は駅周辺の21.5fが対象。道路網や下水道を整備し「駅南側には商業ゾーンを設ける。事業費は120億円で、2000年ごろの完成を目指す。(京都新聞)
■市バスレディー募集 和服姿で観光案内
 京都市交通局は、和服婆で路線・観光案内する「市バス・アシスタント・レディー」の募集を10日から始める。京都らしさを狙った初めての試みで、対象は主に女子大生。春秋の行楽シーズンの土曜・休日に活躍してもらう。
 旅客誘致を促進する一環として、京都らしいさわやかなイメージを演出しようと計画。レディーの仕事は、京都駅前、三条京阪など主要ターミナルでの市バス・地下鉄の路線案内と観光案内。外国人観光客も多いので、英語が少し話せればと、主に女子大生を対象に募集することにした。
 勤務は土曜・休日の午前中3、4時間で、9月6日からを予定。和服はシーズンに合った特注の和服が貸与される。募集は10−15人。7月上旬に面接して決める。希望者は往復はがきに住所、氏名、年齢、学校名(職業)電話番号を記入し、〒604京都市中京区壬生坊城町、京都市交通局経営推進課 075(822)9104へ。(京都新聞)
■新幹線「のぞみ」 別の個所でもボルト脱落 営業開始まもなく 3編成で計5本も
 東海道新幹線の「のぞみ」型(300系)車両で5月6日、モーター取り付け部分のボルトが脱落、緊急停止して約5時間立ち往生する事故があったが、今度は同じ「のぞみ」型車両4編成のうち3編成で別の個所のボルトが営業運転を開始して間もない時期に脱落していたことが、10日までのJR東海の車両検査で判明した。
 この3編成の中には、5月に事故を起こした川崎重工業製造の車両も含まれている。
 今回のボルト脱落は、5月の事故以前の3月末から4月にかけて行われた定期検査で見つかった。同社はこの時点で車両全体の詳細な点検をしておらず、事故につながったモーター取り付け部分についても「新幹線開業以来の実績がある個所なので、検査しなかった」としている。
 JR東海によると、問題の個所は「ダンパ」と呼ばれ、台車の左右の動きや回転を抑えたり、客席への振動を吸収する働きをしている部分。従来の新幹線車両でも使われていたものを、最高270`で走る「のぞみ」型に合わせ改造したという。
 異常が見つかった3編成のうち、5月に事故を起こした川崎重工製車両は4月上旬の定期検査の際、3ヵ所でボルトが脱落、21ヵ所で縮め付けの緩みが見つかった。
 また日立製作所製造の車両2編成でも営業運転開始直後の3月下旬から5月末の検査でボルト計2本が脱落、計13本が緩んでいた。
 脱落したボルトはいずれも見つかっておらず、営業運転中に抜け落ちた可能性が強い。
 この定期検査は3万`または30日以内の走行で実施することが義務付けられている。
 同社は今回のボルト脱落について「安全走行の上で特に問題のあるトラブルではない」と説明している。(京都新聞 夕刊)
■「のぞみ」台車のボルトまた脱落
 東海道新幹線で先月、ボルトの抜け落ちが引き金となって立ち往生事故を起こした「のぞみ」型車両(300系)で、営業開始直後に台車の「ダンパ」と呼ばれる部分のボルトが抜け落ちたり、緩んでいたことが10日までにわかった。JR東海は、「安全性に問題はないが、乗り心地が悪くなる可能性はあった」と説明している。
 同社によると、「ダンパ」は、台車から客席に伝わる揺れを吸収する装置。ボルト(長さ約4a)4本で台車側と車体側に国定してある。1編成(16両)にダンパは256基ある。
 異状は営業車両四編成のうち、川崎重工製1編成、日立製作所製2編成の3編成から15基の「ダンパ」で見つかり、ボルト計5本が抜け落ち、約35本の締め方が弱かった。
 JR東海によると立ち往生事故のきっかけとなったのは、台車のモーター取り付け部分で、今回の部分とは性格も位置も異なる。(朝日新聞 夕刊)
11日■「のぞみ」試験で西へ
 来春から東海道・山陽新幹線の東京−博多間で「のぞみ」の直通運転を計画しているJR西日本は10日、走行試験のため「のぞみ」型(300系)車両を新大阪から博多の車両所に回送した。「のぞみ」型車両が山陽新幹線のレールの上を走るのは初めて。試験は15日から9月末まで続けられ、騒音や乗り心地などについて調べる。
 「のぞみ」型車両は、JR東海から借りたもので、午後4時52分に新大阪駅を出発。最高時速220`で、西明石、岡山、福山、広島、小倉に止まりながら、午後9時15分ごろ博多駅に着いた。(朝日新聞)
■ネズミ1匹で 京都駅が停電 周辺市街地にも影響
 10日午後7時15分ごろ、京都市下京区のJR京都駅で、新幹線ホーム、コンコースと八条口構内が一瞬、停電状態となり、近くの260世帯の電気や交差点の信号も消えた。構内は、列車案内の電光掲示板が一部で消えるなどしたが、すぐに非常電源に切り替えたため3分の1程度の明るさになり、大きな混乱はなかった。周辺は約1時間後に、駅構内も午後10時過ぎに回復した。JR東海は、配電室にネズミが入り込んだのが原因と見ている。
 JR東海と関西電力が調べたところ、構内1階東側のJRの配電室内にあるトランスが故障していた。トランスと床の間でネズミ1匹が死んでおり、このネズミがショートさせたらしい。周囲の停電は近くの変電所が異常を感知し送電がとまったため、という。(朝日新聞)
■洛中洛外
 ◇…鉄道車両を利用した「陶器づくり教室」が、草津市南笠町の「イサムが丘ヘルシーパーク」にオープンした。土・日・祝日だけの”開校”だが、家族連れなどでにぎわっている。
 ◇…教室を作ったのは、元国鉄マンで陶器会社経営の島津政洋さん(48)=甲賀郡信楽町=。ロマンと夢あふれる列車教室で、陶器づくりを体験してもらおうと、友人から約200万円で譲り受けた。
 ◇…教室は車掌室で、客車より一回り小さい。電気窯などを設置する改造費に約300万円かけた。島津さんは「子供たちに野外のカルチャーで思い出をつくってほしい」と話している。(京都新聞 夕刊)
■女性が線路に飛び降り即死 JR湖西線比良駅
 11日午前9時50分ごろ、滋賀県滋賀郡志賀町北比良のJR湖西線比良駅上り線ホームから女性が線路に飛び降り、ホームに入って来た魚津発大阪行き特急雷鳥18号=9両編成=にひかれて即死した。(朝日新聞 夕刊)
12日■新空港−京都に特急 JR 乗り換えなし1時間半
 関西新空港への鉄道アクセスについて、JR西日本は12日までに、京都−新空港を約1時間半で結ぶ、乗り換えなしの特急列車を走らせることを決めた。初めの計画では特急は新大阪−空港だったが、京都を訪れる外国人客らが多いことなどから、京都まで延ばすことにした。京都駅では航空機への搭乗手続きができるシティ・エア・ターミナルの設置も検討されており、京都駅が新空港への主要な玄関口のひとつになる見通しが濃くなってきた。
 特急列車は、空港島と陸地を結ぶ空港連絡鉄道から、阪和線、大阪環状線を経て、東海道線を走る。
 特急に使う車両は新しく造る計画で、「国際列車」の名にふさわしい、デラックスなものを目指しているという。また、外国人にも快適に利用してもらえるよう、シートの大きさや案内物などに気を配る。
 JRは初め、天王寺−新空港を結ぶ快速タイプ(所要時間約40分)と、新大阪−新空港の特急タイプ(同55分)の2つの直通列車を考えていた。しかし、観光や国際会議などで京都を訪れる外国人は増える傾向にある。
 京都市の内田俊一・企画調整局長は「空港までの時間が短縮できれば、心理的、物理的に京都と世界の距離が縮まる。コンベンションシティーを目指しているので、国際会議の誘致などにも大きな武器になる」と話している。(朝日新聞 夕刊)
13日■国労、解決案を拒否 中労委に回答 JR不採用問題で
 国鉄分割・民営化(昭和62年4月)に伴うJR不採用問題で、中央労働委員会(会長・石川吉右衝門東大名誉教授)が5月28日に和解に向けて労使双方に示した最終解決案について、国労(永田稔光委員長、3万2000人)執行部は12日午後、中労委を訪れ、受諾拒否を文書で回答した。
 国労は拒否の理由に@分割・民営化時にさかのぼって地元JRへの採用が実現していないAJR=国鉄の不当労働行為に触れていない−などを挙げている。同執行部は28日に開く中央委員会で受諾拒否の了解を取り付け、中労委に対し救済命令を求める方針だ。
 救済命令が出た場合、JR側が不服として行政訴訟を起こすのは必至で、問題解決が長期化する公算が大きい。
 中労委は紛争解決機関の威信にかけて、この問題が法廷の場に持ち込まれるのを避けたい意向。このため今後、最終解決案をベースに、国労、JR側と水面下で和解に向けて折衝を続けるとみられるが、情勢は極めて厳しい見通しだ。
 中労委の最終解決案は、救済対象者を地方労働委員会の3141人から平成2年4月1日付で国鉄清算事業団を解雇された北海道、九州に集中している約1000人に絞り込んだ。
 その上で、JR各社に@希望者を1ヵ月間、地元JRで有給で雇用。労務の提供は要しないA本州、四国の4社と貨物会社は北海道、九州からの広域採用に努力する−などの雇用対策を示していた。
 国労は回答文書の中で「苦しい中で私たちが頑張るのは人権と民主主義を大切にし、働く者を救済する唯一の行政機関、労働委員会制度を守りたいという信念があるからだ」と訴えている。
 JR側は中労委の最終解決案について正式の見解を示していない。JR不採用問題 昭和62年4月の国鉄分割・民営化の際、JRに不採用になった国労、全動労、千葉動労の3労組の組合員3141人(国労2816人)が全国18の地方労働委員会に「採用で組合間差別の不当労働行為があった」として救済を申し立てた。63年以降すべての地労委が不当労働行為があったとして「62年4月にさかのぼって地元JRに採用されたものとして扱え」と組合側勝利の救済命令を出した。
 これを不服とするJR各社は中央労働委員会に再審査を申し立て「採用、不採用の選定は国鉄改革法に基づき旧国鉄がやった。JRには当事者適格はなく責任はない」と主張、組合側は「地元JRへの採用」を求めていた。(京都新聞)
■夏を乗せ「ゆかた列車」 新潟女性ら京都入り
 浴衣姿で京の街を楽しもうと、各地の繊維商社組合とJRなどが主催する臨時列車「ゆかた列車」のトップを切り、糸魚川発の金沢便が12日午後、JR京都駅に到着、浴衣姿の女性が涼しそうなスタイルを披露した。
 最近、若者を中心に売れ行き好調な浴衣の人気を盛り上げ、京都にあこがれる女性たちにちょつと変わった旅を楽しんでもらおうと、今年初めて企画した。
 京都を訪れたのは、新潟県糸魚川市などの20代−50代の女性40人。京都織物卸商業組合が無料で貸し出したヤマモト・カンサイなどのブランド浴衣に身を包んでいた。ホームの歓迎式では、車中で行われた浴衣コンテストの当選者、会社員西脇由美子さん(26)=糸魚川市横町=に、駅長から花束が贈られた。
 このあと、参加者はバスで京都市内の観光地を回ったあと、高雄での川床料理を味わい、ホタル狩りで夕涼みなど京情緒を存分に楽しんだ。(京都新聞)
■中労委解決案 国労が「拒否」
 国労(永田稔光委員長、3万2000人)は12日、JRの採用差別問題で先に中央労働委員会(中労委)が示した解決案について、受け入れられないと回答し、3ヵ月以内に中労委の命令を出すよう申し入れた。これに対し中労委の石岡慎太郎事務局長は、「解決案に基づく和解が最善だと考えており、まだ時間もあるので、よく考えてほしい」と再考を求めた。今後の対応は、JR各社や全勤労、動労千葉の正式回答を待って決めるという。
 受諾拒否の理由について国労は、「(国鉄からJRに移行した)87年4月にさかのぼって地元JRへ採用せよ」という地方労働委員会の救済命令の趣旨が解決案には全く生かされていないことなどを挙げ、「JRの不当労働行為を免責する不公平な和解案だ」と批判している。(朝日新聞)
16日■京阪電車にトラック衝突 蹴上・乗客ら2人けが
 15日午後4時20分ごろ、京都市東山区三条通蹴上交差点で、京阪京津線の浜大津行き準急電車=堀井恵三運転士(26)、2両編成が、大阪市東淀川区南江口、会社員山中正樹さん(27)のトラックと衝突した。トラック側面に電車が食い込み、トラックは約10b押されて停止した。電車は前部がへこんだ。
 電車は乗客約150人でほぼ満員。山中さんと電車乗客の男性(50)が腰などを打ち軽いけがを負った。
 松原暑の調べでは、現場は蹴上駅の東約50b。トラックは仁王門通を南進、禁止されている三条通への右折をしようとして電車と衝突しており、山中さんから事情を聴いている。(京都新聞)
■トラックが京阪と衝突
 15日午後4時20分ごろ、東山区三条通白川橋東入ルの府道で、大阪市東淀川区南江口九丁目、会社員山中正樹さん(27)運転のトラックが、三条発浜大津行きの京阪電車京津線の準急電車と衝突、山中さんと乗客の滋賀県近江八幡市末広町、精肉店員重田輝政さん(50)が腕や腰を打って軽いけがをした。
 松原署の調べでは、南側にある地下鉄の工事現場へ行くため、トラックが軌道を横切ろうとしたところ、電車とぶつかったらしい。この事故で衝突した電車が16分停車、後続の1本に約5分の遅れが出た。(朝日新聞)
■大陸横断 列車の旅 東京発バルセロナ行き 東京の民族研究家 38日間かけ敢行
 中央アジアなどに日本人の源流を探り続けている民族研究家で、社団法人青少年交友協会理事長の森田勇造さん(51)=東京都在住=が、20日の中国・カザフスタン間の鉄道の正式開通を前に、38日間のユーラシア大陸横断鉄道によるビッグな旅を終え、このほど帰国、写真を寄せた。(編集委員・松本 逸也)
 森田さんがこの壮大な列車の旅に挑戦したきっかけは、孫文以来「百年の夢」といわれた中国と旧ソ連領内などを走る全長1万`のユーラシア大陸横断鉄道が、正式運行するというニュースを聞いたことだった。「ならば、東京から乗り継いでヨーロッパまで行けるはず」と思い立ち、中国側の特別な協力もあって正式運行を前に、終着駅のオリンピック開催地バルセロナまでの旅を敢行した。
 出発は、4月14日、東京駅発の夜行寝台列車「あさかぜ3号」。コースは下関から開釜フェリーで韓国・釜山へ。そこから列車でソウル、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との国境・■山へ。その後は船で中国に渡り、北京経由で北朝鮮の首都平壌へ。開城を往復後、再び中国に入り、北京、ウルムチを経てカザフスタンとの国境の駅・阿拉山口へ。正式運行前のため車で国境を越え、首都アルマアタからはロシア、ポーランド、ドイツ、フランス、スペイン、ポルトガルと一直線。
 「想像通りの素晴らしい旅だった。日本を出てからフランスまで、菜種、リンゴ、ライラック、山桜などの花が咲き競い、青々としたユーラシアの大地に生きる人々の表情も生き生きしていた」と森田さんは顔をほころばせる。
 「非能率という意味でカザフには色濃く旧ソ連が残っていたが、総じて中央アジアは豊かだった」と目を輝かせる。
 「国境をクシ刺しにする鉄道こそ、まさにボーダーレス時代の象徴です。東京からヨーロッパの果てまで約2万`を列車で行けることを日本の青少年に示したかった」とも付け加えた。(朝日新聞 夕刊)
17日■警察に保譲頼んだが… 急行にはねられ即死 小倉の近鉄踏切
 16日午後8時ごろ、宇治市小倉町神楽田、近鉄京都線踏切で、男性が橿原神宮行き急行電車にはねられ、全身を強く打って即死した。
 宇治署の調べによると、男性は60歳前後、身長160a、ベージュ色の作業服姿。
 目撃者の話によると、この男性は、踏切西側から降りていた遮断機をくぐって踏切内に入り、東側遮断機近くまで渡った所ではねられた、という。
 電車は現揚に十分間停車したほか、後続の電車2、3本に数分の遅れがでた。
 事故直前、付近に住む自営業の女性(46)が同踏切西20bの路上に酔って座り込んでいたこの男性を見かけ、同暑に通報。「せっかく危険がないよう保護を頼んだのに」と不満を訴えていた。同署は「現場に急行したが、男性は自分で帰宅すると立ち上がったので、保護の必要はないと判断した」と話している。(京都新聞)
18日■「つばめ」昔の名前で走ります 鹿児島線で試運転
 旧国鉄時代の優等列車、特急「つばめ」がJR九州の7月のダイヤ改正で17年ぶりに復活することになり、新型車両が17日、試運転で鹿児島線博多−長洲間に姿を見せた。
 「つばめ」は昭和5年、東京−神戸間にデビュー。35年には電化され、東京−大阪間を当時は最短の6時間半で結んだ。東海道新幹線の開通以降は活躍の舞台を中国、九州地方に移し、岡山−西鹿児島間などを走ったが50年3月、新幹線博多駅の開業に伴い姿を消していた。
 新しい「つばめ」は色がシルバーメタリックの流線型で、個室も備えた豪華な内装が自慢。7月15日から博多−西鹿児島間を1日14往復、4時間弱で結ぶ。(京都新聞)
■28日に新幹線使い「ぞう列車」を運行 滋賀県映画センター
 滋賀県映画センターなどは、28日にJR京都駅から名古屋の東山動物園へ「ぞう列車」を走らせる。
 長編アニメ映画「ぞう列車がやってきた」の完成記念ツアー。
 新幹線「こだま412号」を利用。年前9時31分に京都駅を出発、途中米原駅は9時56分、名古屋着は10時27分。東山動物園では、動物慰霊碑前で千羽鶴(づる)などささげた後、自由行動を楽しむ。
 参加費(昼食代などを含む)は、京都からが大人1万 800円、子供5900円。米原からは大人7000円、子供3700円先着70人で、縮め切けは19日。問い合わせは、JR東海ツアーズ 06(390)8651か滋賀県映画センター 0775(33)1897へ。(京都新聞)
■夕刊ひろば 「安全な市バス」なぜ? 「ひじ掛けあれば」 交通局 求められる厳しい検証
 先日、京都市バスに乗っていた際、座席から転倒し頭を7針縫うけがをしました。バスが角を曲がる際に遠心力で引きずられて転倒した格好です。もし座席にひじ掛けが付いていたら転倒しなくて済んだかもしれず、残念でなりません。市交通局は自分のところには責任がないと言わんばかりの態度で、合打点がいきません。(京都市北区、無職女性・78)
 転倒したおばあさんは頭から血を流して顔色も急変し、乗り合わせた人もびっくりしたといいます。「安全・確実」が売り物の市バスでどうしてこんな事故が起きたのでしょう。おばあさんと市交通局の話では、事故のあらましは次の通りです。
 1日午前11時半ごろ、京都市右京区の葛野大路八条の交差点で、信号待ちの市バス33系統が発進、左折した際に車内でこのおばあさんが転倒しました。
 まずひじ掛けなど車内構造について実際に見てみました。
 この路線は比較的細い道路が多く、バスは中型が使われています。おばあさんの席は乗り口のすぐ後ろの通路側でした。写真でも分かる通り前の手すりがカーブしており、通路寄りの席だと手が届きにくい感じがします。
 また、この席にはひじ掛けがありません。大型より車幅が狭く、通路が狭くなっているので、車内の移動がしやすいよう、ひじ掛けは取り付けていない、とのことでした。
 転倒の原因をおばあさんは「バスの左折で体のバランスが崩れ、把手(とって)か何かにすがろうとしたが手につかなかったため」と言っています。
 これに対し交通局は「お年寄りとはいえ手すりはつかめたのでは」(高谷義弘・同局自動車本部管理課事故係長)。また、ひじ掛けがないことについては「陸運局の車検が通っている以上、問題はないと考えている」と言っています。
 バスの運転とおばあさんの転倒との因果関係が証明されれば運転手は業務上過失傷害に問われます。交通局にも補償する責任が発生します。しかし、桂署のこれまでの調べでは因果関係を立証するには至っていないようです。因果関係がないと、自過失として処理されてしまうそうです。
 おばあさんは事故後、ひじ掛けを付けることなど改善を交通局に申し入れましたが、交通局に改善の予定はないようです。ひじ掛けの設置は運輸省京都陸運支局によると道路運送車両保安基準に規定はありません。
 しかし、運輸省自動車交通局技術企画課は「保安基準はあくまで必要最低限のもので、単に満たせばいいというのではない。最近、障害者が乗りやすいバスが登場している点を考えれば、お年寄りについても各事業体は努力が必要」と言っています。
 市交通局によると、車内事故(単独)は、近年減ってきてはいますが、平成2年度で64人。うち60歳以上が51人と圧倒的です。64人の内訳は発進・制動時が29人で最も多く、ハンドル操作25人、扉の開閉6人と続きます。その他、事故として立件されない自過失も相当あるようです。
 中にはバスが制動中に荷物を手に立ち上がって転倒する例もあるといい、必ずしもバス側だけの責任ともいえないようですが、体力的に弱いお年寄りの車内事故が多いのは現実です。
 京都市老人クラブ連合会の太田猛事務局長は「当会で具体的に問題になったことはないが、一般論として運転手のみなさんには老人をいたわる運転をお願いしたい」と注文します。交通局もお年寄りや子供には最大限、気配りをするよう運転手に教育をしていると言っています。
 が一方、車内事故の処理は内部で行うため、運転手側に有利に働くと交通局側も認めています。車内事故を減少させるには、交通局が事故を厳しく検証し、今後に生かすことが必要ではないでしょうか。
 今回の事故はいろいろな要素が組み合わさった結果、不幸にも起きたと言えます。高齢化社会を迎えてこれからバスを利用するお年寄りがますます増えるなか、それに応じた安全対策が必要でしょう。そのひとつはお年寄りへの気配りであり、他方、おばあさんが言うひじ掛けの設置など車内構造も問題かもしれません。(京都新聞 夕刊)
■大阪弁広めまひょ 東京の地下鉄にポスター 食いだおれ看板写真募集
 漫才やテレビドラマで親しまれている大阪弁を通し、浪速の街のイメージアップを図ろうと、大阪市はポスター広告「HOW TO大阪弁」を作製。21日から東京の地下鉄車内にお目見身する。
 広告では、月替わりで代表的な大阪弁を紹介する予定で、第1号は「おおきに」。「会話の間に入れておけば、けんか別れにならない。大阪人の合理主義ですね」と、国立民族学博物館長の梅棹忠夫さんが解説を加えた。
 「庶民的」「ガラが悪い」など、とかくイメージが偏りがちな大阪弁。「言葉の裏にある大阪の伝統や人情を感じとってもらえれば…」と、同市は期待している。
 「大阪弁を使いまひょ、広めまひょ、伝えまひょ」の合言葉で、大阪弁を語り継ぐ運動に取り組む市民グループ「なにわことばのつどい」が設立10周年を記念、食いだおれの街・大阪らしい大阪弁を使った飲食店の看板の写真を募集している。
 ”食いだおれ”写真募集のきっかけは、東京出張から帰った会員の「東京の店は、やたらと片仮名や、外国語の気取った名前が多くてかなわんわ」というぼやき。「ストレートで、もっとおもろい看板の店を探してみよう」と話がまとまった。
 会員が探しただけでも、居酒屋「かよてんか(通って来て)」、お好み焼き塵「しぶちん(けち)」など、大阪らしい店が続々。
 集まった作品は写真集にして発刊する計画で、代表世話人の会社員、中井正明さん含もは「大阪弁は飾り気のない人情味のある言葉。東京弁には負けまへんで…という心意気を示す傑作に期待してまっせ」。
 連絡先は大阪市中央区島之内一ノ一ノ一四、なにわことばのつどい事務局 06(241)6862。(京都新聞 夕刊)
19日■市バス停留所に花一輪
 少しでも気持ち良くバス待ちをしてもらおうと、京都市交通局は、19日から1ヵ月間、京都駅前や四条河原町など主なバス停15カ所の標識柱100基に、一輪の花を飾ることにした。
 造花で、スイトピー、チューリップ、アネモネなど10種類。花が汚れればまそのつど交換していく。花差し台には「マイカーからバスへの利用を」とのお願いも。交通局は、年2回の割でそれぞれ約1ヵ月間、この一輪の花運動を続けることにしている。(京都新聞)
■高速道整備を建設省に要望 促進京都市協
 京都高速道路整備促進京都市協議会(会長・田辺朋之市長)の代表が18日、東京・霞が関の建設省を訪れ、「京都高速道路、京阪連絡道路の来年度から事業実施」など高速道賂の整備促進を強く要望した。
 来年度政府予算概算要求を前にした要望活動で、田辺市長、古川敏一京都商工会議所副会頭ら同協議会メンバーのほか、地元選出自民党国会議員団も同席。
 田辺市長は望月薫雄官房長、市川一朗都市局長「藤井治芳道路局長らに、大型プロジェクトが進む京阪神地域の一体的な都市機能の整備について、「京都高速道路、京阪連絡道路の建設は不可欠。来月にも京都市の都市計画審議会に諮りたい。来年度予算で十分な措置を−」と強く要請。望月官房長らは「申し入れの趣旨は理解している。関係府県との協調態勢など整えてほしい」など答えた。(京都新聞)
■CTC故障し混乱 JR福知山線
 18日午後8時35分ごろ、JR新大阪総合指令所の列車集中制御装置(CTC)が故障し、福知山線の塚口−新三田間で列車が不通になった。午後9時13分、各駅に職員を配置し、手信号で運行を再開した。また、午後9時から同9時50分まで、乗客を阪急電車に誘導し、振り替え輸送をした。
 JR西日本によると、この故障で普通4本が運休したほか、特急2本、新快速2本、普通10本に5分から最高65分の遅れが出、約2500人の足が乱れた。(朝日新聞)
20日■幹線鉄道 速度アップ提言 運政審答申 混雑緩和策も同時に
 運輸相の諮問機関、運輸政策審議会の鉄道部会(部会長・朝田静夫日本航空相談役)は19日、21世紀に向けた中長期の鉄道整備の基本的な考え方についての報告をまとめ、奥田運輸相に答申した。
 報告は、新幹線を含む全国主要幹線鉄道の平均常業速度を現行の時速約100`から120`台に引き上げて大都市の域内都市間を3時間台で結ぶとともに、大都市のラッシュ時の平均混雑率を原則150%程度に抑えるなどを打ち出している。
 整備の裏付けになる財源面では、地方自治体や企業など恩恵を受ける地元の負担を強調しているのが特徴だ。
 答申は地方の活性化や環境、エネルギー問題への対応からも鉄道整備へ期待が高まっていると強調する一方、現状の鉄道は高速性、快適性などの面で不十分と指摘した。
 今後の課題として、高速性では約10年後を念頭に主要幹線の営業速度を100`から120`台に向上させるよう提唱した。これにより東京、名古屋、大阪、福岡、札幌からそれぞれの地方中核都市までを少なくとも3時間台で結ぶとしている。
 整備新幹繰は「関連する線区と整合性を図り整備を進める」とし、着工優先順位が決まっている東北、北陸、九州のいわゆる「3線5区間」計画を追認した。
 ”痛勤”緩和策では東京圏が平均200%、近畿圏170%、中京圏180%のラッシュ時混雑率を、新聞が楽に読める150%(東京圏は180%)程度に抑えるよう求めた。「時差通勤定期」の導入検討も促している。(京都新聞)
■京の歳時記帖 京阪電鉄が第4集
 京阪電鉄は京都の風物を詩情豊かに紹介した「京の歳時記帖・第四集」を5000部発行、7月1日から三条、四条、丹波橋など京阪電鉄主要駅で無料配布する。
 詩人・エッセイストの相馬大氏と墨彩画家の藤原みてい氏が昭和56年から今年3月まで11年間、月刊情報誌「京阪ニュース」(同社発行)に連載した「京の歳時記」のうち平成元年4月号から今年3月号までの3年間の作品36篇を収録した。下鴨神社の雑(ひな)流し、五条坂の陶器市、白峯神宮のけまりなどを季節感豊かにエッセーでつづっている。
 冊子はA5サイズ、80n。1人1冊に限って無料配布する。(京都新聞)
■京都高速道路 原案説明会が終了次第 市都計審に諮問 市会委で市側表明 「急ぎ過ぎ」の声も
 京都市会建設委員会が19日開かれ、山口巌都市計画局広域幹線道路室長は、京都高速道路の都市計画決定を、現在行っている原案説明会が終了次第、市都市計画審議会に諮ることを明らかにした。同都計審は来月初旬にも開かれる見込みだが、地元では都市計画決定を急ぐ市の姿勢に反発する声も出ている。
 山口室長は、京都高速道路の都市計画決定を本年度内に行い、来年度からは事業着手の意向であることを説明し、市都計審への諮問は「原案説明会が完了次第」と述べた。原案説明会は都市計画決定に向けての手続きの一つで、今月15日から開始し25日で終了する予定。このため京都市は都計審への諮問を、来月初旬にも行い、参院選後に決定。このあと京都府の都計審に諮り、年度内に正式決定を得る−段取りを想定している。
 しかし、この日の委員会で議員が指摘したように、地元住民からは「南区での地下化など地元要望が入れられていない」「なぜ急いで型どおりの説明をするのか」との声や、大気汚染や騒音公害への心配が根強くある。これに対して、竹沢忠義都市計画局長は「昨年11月から素案説明会を40回も開いて慎重に対応してきた」と、理解を得る努力を積み重ぬてきたことを強調した。また、山科駅市街地再開発事業の再開発ビルに入るキーテナントについて、内藤俊夫都市整備局都市建設部長は「経済事情が悪くて具体的なところまでいっていない」と報告した。(京都新聞)
■夕刊ひろば 座席のおばあさん 市バス内転倒事故 広がる波紋 賛否の声続々 私も同じ体験・要は運転教育・乗客が注意を 意見生かして ひじ掛け設置へ けが、あってはならぬ 市交通局
 18日付当欄で掲載した京都市バスの車内事故の記事に対して読者のみなさんから多くのご意見をいただきました。記事の趣旨は、乗客の注意も必要だが、バス側の対策がもっと求められてもよいのではないか、ということでしたが、ご意見は賛否に分かれました。
 まず、けがをしたおばあさんがいうように「運転の問題」とする意見がいくつかありました。「ハンドル、ブレーキ操作はプロとして命のようなもののはず」(京都市伏見区、トラック運転手・43)との指摘、対応としては「運転手教育の再考を」(山科区、主婦・40)との声がありました。「3年前、市バスで同じような状況で転倒した」(伏見区、女性・57)との訴えもありました。
 車内構造の問題では「事故があった系統の中型バスは座席から落ちやすい気がする」(西京区、主婦・48)との意見のほか、「中型は足元が狭く、乗りにくい」(伏見区、自営業・53)との見方も。
 これに対し「市バスに問題はない。乗客側がもっと注意すべき」との意見も寄せられました。「今の運転手はお年寄りに声を掛け、安全確認の指示も出している」(伏見区、調理師・49)、車内構造についても「手すりがあると乗降のじゃまになる場合がある」(伏見区、運転手・50)との指摘がありました。
 これらの反響に対し京都市交通局自動車本部の山本義夫管理課長は「どんな形であれ、お客さまが車内でけがをするということはあってはならない。より安全なバスを目指して運転手の教育や車内構造の改善を進めたい」といい、事故があったのと同型のバス26台には、ひじ掛けを設置することに決めました。、問題のバスは購入が古かったため設置されていませんでしたが、新型にはすべて設置されているそうです。
 ただ今回の場合、「警察が自損と判断すれば、賠償については公金不正支出になるのでできない」(山本課長)との見解でした。
 記事はどちらが良い悪いというのでなく、車内の事故を減らしていくための問題提起の一つとお考えいただきたいと思います。もちろん市バスだけが問題というわけでもありません。「運転手に問題」とした意見にも「心の通った優秀な運転手もいる」との指摘があったことを付け加えておきます。(京都新聞 夕刊)
■京福電車と車衝突 太秦三条通で1人けが
 19日午後11時55分ごろ、京都市右京区太秦下刑部町の三条通で、京福電鉄嵐山線の嵐山発西院行き普通電車=徳力繁運転士(60)と同区太秦川所町、会社員林英孝さん(24)の乗用車が衝突した。林さんが頭などに軽傷を負った。電車には乗客2人がいたが、けがはなかった。
 太秦署の調べでは、現場は三条通から嵐山線の専用軌道敷が分岐する所で、電車の接近で警報機が鳴っていたが、乗用車が道路軌道敷を横断しようとしたらしい。
 電車は最終で、現揚に約10分間停車した。(京都新聞 夕刊)
■踏切改善 踏み切れぬ事情
 京都市内で踏切の拡幅や統廃合をめぐるトラブルが目立っている。行政や鉄道会社は事故につながる平面交差の踏切をなるべく減らしたい意向だが、既存の踏切を生活道路として使ってきた地元住民らは踏切の拡幅を求め、あるいは廃止された踏切の再開を訴える。背景には昭和46年に国が出した踏切事故防止総合対策に基づく方針があるようだ。統廃合や立体交差化の道を目指す一方で、住民の生活権が付きまとう踏切を今後どうするのか。JR山陰線の車道(くるまみち)踏切と叡山電鉄の岩倉踏切を例に問題点を探った。
・ケース@ 利用者増えると安全性損なう 鉄道
 京都市右京区のJR山陰線嵯峨駅西側にある「車道踏切」は幅が狭すぎるため、歩行者が車に追われ、線路敷内を渡る異常な状態が続いている。地元住民と京都市は3年前、JR西日本に踏切内に幅1bの歩道を設置するよう要望した。しかし、JR側は「踏切は削減していく方針なので、利用者が増えるよう改良は迷惑」と拒んでいる。
 この車道踏切は、周辺の東西800b間では唯一、車が通行できる場所。踏切内の道路幅は4.5b。車2台がようやくすれ違える幅しかない。
 2年前、嵯峨−馬堀間が複線化、嵯峨野トロッコ列車の開業もあり踏切遮断時間が長くなった。今では、朝夕のラッシュ時に、遮断機が開くと、待っていた車や自転車、歩行者が一斉に踏切内にあふれ、歩行者が線路敷の砂利の上を渡る光景が日常的になっている。
 拡幅しない理由についてJR西日本は「踏切に関しては国の方針に基づいて減らす方向で計画を進めている。つまり、立体交差化が原則。車道踏切の場合、一方通行規制するなどの方法を市と協議している。踏切内の道路幅だけが広がるのは危険だ」と説明する。
・ケースA 生活道路を守れ 周辺住民
 京都市左京区の叡山電鉄鞍馬線にある岩倉第三踏切(岩倉駅−木野駅間)の場合は廃止をめぐって地元住民と電鉄、市との間でトラブルが起きている。
 昨年5月、同踏切が閉鎖されて以来、沿線北側の住艮が南への出口をふさがれる形になった。通勤、通学など日々の生活に支障をきたすため、住民らは京都市議会に踏切の再開を求める請願を提出したが、再開のめどは立っていない。
 叡山電鉄は2年前、別の踏切で起きた死亡事故をきっかけに踏切の統廃合を計画、同踏切の廃止を決め、京都市も区画整理事業の中で踏切廃止を認めた。
 現在、同踏切に加え東隣の岩倉第二踏切も閉鎖状懸にあり、東西1`b近くにわたって線路を横断できない状態になっている。このため住民側は、木野町を中心に周辺三町から1600人の署名を集め、踏切再開の運動を強化する動きを見せている。
 踏切をめぐる一連のトラブルの背景には、近代的交通体系の実現を図る国の方針と、これに基づく鉄道各社の意向がある。
 関西の鉄道を管轄する近畿運輸局は、踏切改良促進法と、46年から5年に一度総務庁が出している踏切事故防止総合対策に基づいて、各社とも既存の踏切を立体交差化または統廃合する努力を続けている。例えば京阪電鉄では枚方市沿線の高架化などで平成2年度末250ヵ所だった踏切が3年度末には244ヵ所に、阪急電鉄(京都線)でも高域市沿線の高架化などで110ヵ所が102ヵ所に減っている。
 しかし、どの踏切も市民の生活の場に大きくかかわっており、そうした生活道路を簡単に切り捨てられないことは言うまでもない。住民の生活道路を確保しながら、鉄道沿線の交通安全対策をどう実現していくか。困難だが、解決せねばならない今後の課題だ。
・事故の6割が踏切
 運輸省鉄道局・湯山和利補佐官の話 鉄道事故のうち約6割が踏切で起きており、踏切の統廃合は交通安全対策上、必要と考えている。踏切の代わりの道を確保するなど配慮が必要だが、住民側も沿線の安全対策には理解をしてほしい。(京都新聞 夕刊)
21日■社説 だれが鉄道整備をするのか
 21世紀に向けた鉄道整備のあり方について運輸政策審議会の鉄道部会は、幹線鉄道のスピードアップと都市鉄道の混雑緩和策など質的向上を求めた報告をまとめ、運輸相に答申した。
 これら鉄道の整備に必要な財源については、大きな利益を受ける地方自治体や企業など地元も「応分の負担」をすべきだと提言している。
 今回の答申は今後10年をにらみ鉄道整備の中長期の基本方向を採っている。旧国鉄の分割・民営化から5年、鉄道に的を絞った初の指針として注目された答申だが、東京への一極集中是正、モータリゼーションの進展にともなう環境問題などを背景に、改めて「鉄道の復権」を鮮明に打ち出した。鉄道の見直し、鉄道の高度化に異論はない。
 ただ、鉄道の整備にともなう巨額の財政的裏付けをどうするかに関して具体性に乏しく、今後の運輸行政にげたを預けた格好となった。「受益者負担」の考え方はある程度理解も深まってきているとはいえ、まだ自治体や利用者の間で認識に差がある。「地元がお金を出さなければ整備に取り残される」という、矯(わい)小化した議論にしてはならない。
 運政審の現状分析は、幹線鉄道のネットワークはほぼ完成しているものの「現在の鉄道網は高速性や快適性の面で不十分」と集約している。利用者ニーズに対応して現在の平均時速約100`を120`台にスピードアップさせ、5大都市圏から地方中核都市へおよそ3時間で移動できるように整備を提言。大都市圏のラッシュ時の混雑率は現状の200%(東京)−170%(近畿圏)から「楽に新聞が読める」150%程度に抑えるべきだ、と政府に具体的な整備目標をあげて対応を求めたのが特徴である。
 一口に鉄道といっても新幹線から地方鉄道まで、運行形態や利用者の層も異なる。都市部で”痛勤”の言葉を生むほどの混雑、単線の地方路線では離合待ちのいらいら。鉄道網が整備されたというにはあまりにもお粗末な現実である。
 答申が具体的な目標の数字を出して整備、改善を迫ったこと自体は、こうした利用者の不満を今後の整備に反映させようとした意欲とみたい。
 問題はスピードアップや混雑解消をどう実現するかである。無理なスピード競争は事故と背中合わせということも忘れてはならない。軌道強化、線形改良などが必要になるが膨大な資本投下が付随する。答申は「鉄道整備は(地方に)開発利益をもたらしているが、鉄道に対する利益還元は十分ではない」と地方を名指ししている。地方はこれをどう受け止めるだろうか。もちろん既存の鉄道整備基金の充実など総合的な取り組みも促してはいる。だが財源対策で自治体を表舞台に登場させたことは明らかである。
 旧国鉄から切り捨てられた不採算路線を第三セクター方式で確保している地方は多い。京都府のように在来線の複線電化のため独自に鉄道整備促進基金を創設した例もある。「応分の負担」をしてもなお、地方の鉄道整備が進まないというのが地方の声ではないか。
 鉄道の整備にだれが主体的にお金を出すのかは議論のあるところだ。中央と地方の格差是正は重要政策であり、鉄道整備はその一環であるはずだ。地方の熱意を感じとりつつ、広範な議論で合意を形成することが先決といえる。(京都新聞)
■私鉄各社 「株主優待」を拡充 JR人気、先回り封じ
 関西の私鉄各社は今秋から一斉に株主優待制度の拡充に乗り出す。個人株主増加、株価てこ入れが目的だが、相場急落で痛手を受けた株主に報いるといった側面もある。さらに、上場を控えるJR各社への対航意識も働いているようで、後れを取った関東の私鉄にも追随の動きが出てきそうだ。
 私鉄の中で営業距離が最も長い近畿日本鉄道は、5万1000株以上の株主に一律1枚贈呈している全線パスの発行基準を、5万1000株以上30万株未満の1枚から100万株以上の10枚まで、持株に応じて5段階とするほか、1000株以上5万1000株未満の株主についても株数に応じて4−16枚の全線乗車券(1枚1回有効)を配る新しい優遇措置を実施する。
 阪神電気鉄道も、2万2600株以上の株主に一律1枚としている全線パス贈呈を、10万株以上2枚、30万株以上3枚というように増やす。阪急電鉄は1000株以上の株主に、現在の乗車券付き沿線遊園地入場券に加え、2−4枚の全線乗車券(同)を贈る。阪神には既に1000株以上の株主を対象とした優待制度があり、今回の改定で各社の小口株主優遇策が出そろう。
 関西の私鉄が一斉に動くのは、株価てこ入れといった事情以外に、上場が秒読み段階に入ったJR各社への対抗意識が働いている。私鉄に比べ営業路線が格段に長いJRが思い切った優遇策を出せば、人気はJR面に集まる。そこで早手回しに対応策を打ち出した、というわけ。機敏な関西の私鉄に比べおっとり構えている関東系だが西武鉄道などは「検討課題」といい、関東にも制度拡充の動きが広がる気配だ。(京都新聞)
■欧州鉄路の生き字引 時刻表
 ソ連が崩壊した後、世界の時刻表を編集する英国の大手旅行会社トーマスクックでは、現地の時刻表が手に入りにくくなった。
 ロンドン近郊の自宅アパートで、この話を耳にしたジョン・プライス(65)は、ロシアの知人に連絡した。
 「列車ダイヤは変わっていないか」
 彼の記憶では、ハンガリー動乱や「プラハの春」のときは、こんな混乱はなかった。ベルリンの壁が崩れた後も確認できた。
 「モスクワ発着の列車は、これまで通りだ」
 知人からの連絡は、すぐ編集部に伝えた。
 「エストニアでは独自の時刻表ができた」という情報もその後、伝えた。
 プライスは八八年まで、クック社で、欧州全域をカバーする時刻表の編集長だった。37年間、時を刻む数字を見つめ、90年に定年退職した。
 編集長時代、入手できない時刻表を現地の鉄道ファンに写し取ってもらうことが、しばしばあった。身についた「習性」は退職後も変わらなかった。
 こんな芸当ができるのも、毎年数回、鉄道旅行に出て、世界中に知人のネットワークを張り巡らせているからだ。
 これまでに、アルバニア以外のヨーロッパ全域、北米、南米、エジプト、南アフリカ、中国、インド、オーストラリアを回った。日本にも72年と89年に来た。
 「旅に必要なのは、準備だ」と言う。時刻表や自分のネットを利用して、事前に旅先を徹底的に調べあげる。
 チェコスロバキアヘ旅行した66年。あまりに詳しいので、現地の鉄道関係者から「英国のスパイじゃないか」と言われた。
 現地では路線や駅の様子を克明にメモして、記憶してしまう。
 日本の鉄道について、私と話していたときだ。彼が「印象に残った」という名古屋近郊の電車のことになった。
 私はメモ帳に鉄道路線の略図を書いた。するとプライスは、私の線を直しつつ何本かの線を書き加えた。JR、私鉄線とも正確で精密な図になった。
 仏、独、伊、スペイン語は習得してしまった。他に3ヵ国語が読める。
 プライスは結婚していない。「その暇がなかった」
 4歳のとき、鉄道工事をじっと眺め続けたこともある無類の鉄道少年だった。青年時代、欧州各地で鉄道旅行を始め、時刻表に吸い込まれた。
 クック社に入って、それらは全部溶け合った。そして極めた。
 「こうなったのは、前世からの決まりだったかもしれない。もう時刻表からの発見は、あまりない。引退後は、自分の知識を社会に還元する。それが、この国の伝統だ」 社会部 山川富士夫
・ダイヤの細かい数字追う楽しいひととき
 プライスがトーマスクック社に就職したのは1948年だった。彼は前年暮れまで、軍隊の一員として、約2年間、敗戦後のドイツのハノーバーに駐留していた。
 軍隊では、ドイツの戦争犯罪についての資料整理などにあたった。このころから休暇を利用して、鉄道旅行を始めた。時刻表で列車を確認しながらドイツ国内はもちろんオランダやベルギーなどヨーロッパ各地へ足を延ばした。軍人だと運賃が半額で済んだ。
 数字の並んだ魅力的な本は旅行をするたびに使いこなせるようになった。
 いつしか軍隊の仲間からは、「動く時刻表」として重宝がられるようになった。英国へ帰って、クック社に入社したのは必然だった。
 「クック社だからじゃなくて、時刻表を作っている会社だから入った」と振り返る。
 4歳のときの体験が、鉄道に興味を覚えた始まりだったかもしれない、という。
 ロンドン南部の自宅近くに鉄道が走っていた。架線から電流を流す方式から、走行用とは別のレールを通して流す方式に変える工事だった。
 自宅では、警察官だった父親が毎週、子供向けの鉄道雑誌を買ってきてくれた。
 8歳のとき、初めて一人で旅をした。
 両親、妹と出かけた旅先から約20`離れた英国南部の町までバスで往復した。その町の市電を、どうしても見たかった。約2時間、町を歩き回って市電を眺めた。後年、彼は廃車となったこの町の市電を鉄道ファンの仲間と一緒に買い取って、保存運動に乗り出している。
 クック社に入って、最初は運賃計算の仕事をした。50年、時刻表の仕事に初めて携わった。最初はドイツ語圏内の国を担当した。
 それから2年後、26歳で欧州全域をカバーする時刻表の第4代編集長になった。
 「驚いた。いまでも、どうしてそうなったか分からない」
 時刻表編集の仕事は毎月決まっていた。各国からの資料集めと、細かい数学が並んだ校正刷りのチェックだ。対象の約30ヵ国のうち18ヵ国は資料を送ってきた。残りは手紙で、ダイヤ改正したところがないか問い合わせた。
 締め切りまで、校正刷りの点検作業は、時間があれば、もっとも楽しいひとときだった。数字を追って、これまでになかった新しい列車や、ルートを見つけたときなど、心が躍った。
 1年のうちでは、3月から9月にかけてがとくに忙しい。どの国も冬時間から夏時間へ、夏時間から冬時間に切り替わり、ダイヤの大幅な変更がある。
 だから旅に出るのは、秋か冬だった。毎年、2週間ぐらいの旅を1回、数日間の小旅行を2回。
 「時刻表を使いこなせるように、うんと旅をしたほうがいい」
 編集部員には、こう言い続け、自分自身で実行してきた。
 英国滞在中、私はプライスと一緒に、英仏海峡トンネルの地元に、小さな旅をした。
 ナポレオン時代からの「夢」といわれながら、英仏両国のかけひきで、計画が何度も頓挫(とんざ)した歴史があるトンネルは90年、貫通した。来年には一番列車が走る。
 鮮やかな緑を貫いて走る英国南部。小雨に煙った海峡の船上。ナチス・ドイツのトーチカが残る北フランスの海岸。私にとっては初めての、プライスにとっては100回は巡った土地だった。
 彼は「乗る」と決めた列車に真っすぐ突き進んだ。車内では、「ここが、いちばん速度の出る場所だ」と声を上げたり、レールを見て「いまポイントが切り替わった」などと話した。
 数日後、ロンドンで私が「今度の旅はいかがでしたか」と聞くと、彼は言った。
 「世界はどこへ行っても、自分の国と違うからおもしろい。初めて行ったあなたが、どんな発見をしたかでしょう」
 プライスは鉄道で峠や山など難所を通ると、そこにレールを敷く困難に挑んだ人たちのことに、いつも思いをはせる、という。英仏海峡トンネルでは、19世紀の英国人技師の名をあげた。
 「トンネルの歴史上、有名な人の理想ではなく、この人の技術開発が、英仏をつないだから」と説明した。
 クック社では規定上は、65歳まで勤めることができた。それ以前に退職したのは、目が弱って、細かい数字を追いづらくなったからだ。
 「老いぼれた人間が出しゃばるのは、若い人の邪魔になる」
 彼の自宅は、ロンドンから電車で北へ約1時間の町にある。クック社の時刻表編集部がロンドンから移転したのに合わせ、彼も引っ越してしまった。
 自宅へは、彼の豊富な知識を頼っての鉄道や時刻表についての問い合わせが週に5、6通は届く。それらにていねいに答える。持っていた蔵書はかなり図書館に寄贈した。
 「若い人が時刻表を手に、世界を自分の足で歩いてほしい。その役に立ちたいと、いつも思っている」
 プライスが、英国で人が乗れる鉄道をすべて乗り終えたのは、今年春だった。60年余かかった。
 来年になると、一つ乗らなくてはならない路線ができる。英仏海峡トンネルだ。
 「あわてることはない。私はトンネル会社の株主だから、優待券を送ってきたら、出かけるよ」
 200年もの歴史を背負ったトンネルを駆け抜ける日を、ユーモアをこめて語った。
・後発のクック社 掲載路線絞り持ち運びに便利
 トーマスクックの時刻表は、日本でも85年から、日本語版が発行されるようになり、かなりポピュラーになった。年2回の発行が、今年から4回に増えた。
 日本語版では、時刻表の部分はほぼ原本と同様の英語と数字で、解説などは日本語になっている。出版元によると、多いときで3万部、少ないときでも1万5000部は売れる、という。
 出版元では、かなりの購入者が、この時刻表をもとに、自分で計画をたて、ヨーロッパ各地を個人やグループで旅行している、とみている。
 クックの時刻表の特徴は、各国の時刻表を網羅的に掲載するのではなく、旅行者にとって必要度が高い路線をダイジェスト的に載せていることだ。だからヨーロッパ全域と北アフリカの一部のダイヤを収録しても、B5判を一回り小さくした縦長のサイズで、500n程度しかない。
 鉄道研究家の窪田太郎さんによれは、こうなったのには、歴史的な背景がある。
 クック社が「コンチネンタル・タイム・テーブル」(大陸時刻表)の発売を始めたのは1873年。当時、英国ではすでに先発の業者が、詳細で正確な点を売り物にした時刻表を発売し、売れていた。
 しかし、内容が詳細な分だけ、本は分厚く、携帯には不便になる。クック社は、この「弱点」をつき、内容を主要駅、幹線などに絞った。創刊号はたった140nだった。この戦略が、結果的に利用者に受け入れられた、という。
 編集長の在籍期間はいずれも長い。初代が約40年、2代目が約25年務めている。戦後就任した3代目は6年だったが、そのあとをプライス氏が引き縫いだ。現在のスタッフは4人。英語版は年間で約20万部発行する。
 部数が意外と少ないのは、欧州で時刻表は「鉄道や旅行会社の関係者が利用するもの」として作られているからだ。日本語版の最終ページには、こう書いてある。
 「大部分の日本人が、あの難解な時刻表をなんなく読みこなし、鉄道旅行をしているのです。ヨーロッパではとても考えられないことです」(朝日新聞)
23日■京都駅ビルの高層改築 94年完成は困難 井手社長表明
 JR京都駅ビルの高層改築計画は、当初予定の1994年完成が困難な見通しになった。井手正敬・京都駅ビル開発会社社長(JR西日本副社長)が22日までに明らかにした。また、同社長は、駅ビル完成が遅れれば、同駅に設置予定のCAT(シティ・エア・ターミナル)の開設も関西国際空港の開港に間に合わなくなるだろうとしている。
 新しい京都駅ビルは、高さ59.8bで、今年10月に着工、2年後の平安建都1200年にあたる94年秋に完成を予定していた。新駅ビル建設には高さ制限の緩和措置が必要で、京都市は、都市計画法の特定街区制度の適用などを検討している。
 ところが、駅敷地の東西両側に国鉄清算事業団の所有地があり、同制度適用には、東側用地の同街区編入と、西側用地の土地区画整理事業がいる。
 同事業団が区画整理事業に参加するには、同事業団資産処分審議会の承認が不可欠。同事業団近畿支社によると「参加する意向」だが、市の具体的な事業計画案が示されず、審議会に諮るのは9月か、場合によっては12月、という。
 井手社長はこうした状況を踏まえたうえで、10月着工は無理とし、「(完成時期を)いつ95年上旬と言い換えなければならないかという気持ちだ」と発言。高さ制限緩和のための市、京都府の都市計画決定が審議会承認後になることから、着工は早くても年明け以降、完成は予定より数ヵ月前後ずれ込む可能性が強まった。
 また、94年の関空の開港と時期を合わせて駅ビルが完成する予定の同年秋、京都−関空間に直通列車を走らせ、京都駅で国際線搭乗手続きを可能にするCATを設置する計画だが、駅ビルが完成しないことには、CAT開設と直通列車の運行はできないとの考えを示した。(京都新聞)
■駅ビルに放火?ぼや 大阪 3万1000人の客 混乱恐れ放送せず
 22日午後4時45分ころ、大阪市阿倍野区阿倍野筋、あべの橋ターミナルビル(地上12階地下4階、近鉄商業開発会社管理)で、南側3階の排気口から外に白煙が出ているのを、近鉄南大阪線阿部野橋駅の助役らが見つけ、119番した。
 大阪市消防局から消防車など約20台が出動、調べたところ、排気口とつながっている阿部野橋駅男子トイレの天井ダクトで、ほこりが燃えた跡があった。
 同消防局と阿倍野署は、だれかがライターなどで火をつけた疑いがあるとみて原因を調べている。けが人はなかった。
 同ビルは近鉄百貨店、阿部野橋駅などの共用ビル。当時百貨店に客は約3万人、駅には約1000人がいたが、警報ベルは鳴らず、ぼやに気付いた客はいなかった。
 同百貨店は「ビルの防災センターを通じてぼやに気付いていたが、駅舎側で起きており大事ではないので放送するとかえって混乱が生じるため客には知らせなかった」と話している。
 現場はJR天王寺駅の南側にある地下鉄駅などが集まった繁華街。(京都新聞)
■JR西日本と東海 副社長辞任要求へ JR総連
 JR内最大の労組グループで旧動労系を軸とするJR総連(7万8000人)の第8回定期大会が22日、東京都内で開かれ、向こう1年間の運動方針などを決めた。役員改選では福原福太郎委員長、柴田光治書記長らが再選され、松崎明副委員長(JR東労組委員長)ら一部が交代した。
 JR東海、西日本などで昨年相次いだ、JR総連からの脱退について、方針は「JR西日本の井手正敬副社長、東海の葛西敬之副社長らによる組織介入、分裂策謀だ」と非難。さらに「労組を経営の具にし、それに従わないものを排除しているのが井手・葛西労政だ」とし、両副社長の辞任を求めた。(朝日新聞)
24日■山陽新幹線停電 暗い車内”蒸し風呂” 情報なく 乗客へとへと
 長さ16`の山陽新幹線六甲トンネル(新神戸−新大阪間)で上りひかり12号が突然停止した。冷房は切れ、たちまちうだる暑さに。非常灯がぼんやりともるだけの暗い車内。閉じ込められた不安感と情報不足に乗客はいらだちを募らせた。
 博多駅から乗車した神奈川県・大槻町の主婦(50)は「(電灯は)ついたかと思ったら消えるし、車内はどんどん暑くなるしとんだ目に遭った」と疲れた表情で、名古屋駅で「こだま」に乗り換えた。ひかり12号がトンネル内に停止していたのは約1時間半。この間、3回も動いたり、止まったりの繰り返しだったという。山口市の男性は「JRの対応は本当になっていない」とぶ然とした表情だった。(京都新聞)
■「のぞみ型」が緊急ブレーキ 新大阪 水が入り誤作動
 23日午後6時6分ごろ、新幹線の新大阪駅で、東京発新大阪行き「ひかり243号」の「のぞみ」型車両が到著後、16号車運転台で整備をしていたところ、緊急ブレーキが働いて、解除できなくなった。1号車の運転台を使って整備し、新大阪駅の引き上げ線に移動させ、点検したところ、1号車についているブレーキ出力制御装置の中に水が入り、誤作動したとわかった。
 JR東海によると、車両は大阪第一車両所新大阪支所に移し、ブレーキの装置内に水が入った原因を調べている。
 また、この車両は同日夜、新大阪発東京行きの「のぞみ」として使用する予定だったが、使えなくなったため、別の車両で「のぞみ」を運行させたという。(朝日新聞)
■トンネル内で1時間余停車 停電で新幹線2本
 23日午後1時18分ごろ、山陽新幹線新大阪−新神戸間で停電し、同区間を走っていた博多発東京行き「ひかり12号」がストップした。2分後に復旧し、運転を再開したが、午後1時51分、再び同区間が停電。下りは間もなく運転を再開したが、上りは午後3時17分にようやく運転を再開した。
 この影響で、岡山発東京行き「ひかり118号」など上下11本が運休、博多発新大阪行き「こだま548号」が約2時間遅れたのを最高に31本に遅れが出て、約1万5000人の足が乱れた。
 JR西日本によると、JRの新六甲変電所で、上り線の電源のヒューズが切れたのが原因らしい。
 復旧作業が進められている間、「ひかり12号」(乗客約1100人)と、「こだま548号」(同100人)は六甲トンネル内に1時間余り臨時停車した。停電のため、車内の冷房は切れ、非常灯がつけられた。乗客からは「いつ出発するのか」「原因はわからないのか」などの質問が相次ぎ、「点検中ですので、しばらくお待ちください」との車内放送が十分おきに流されたという。(朝日新聞)
■補償交渉など巡り JR西日本に抗議 信楽事故遺族会
 信楽高原鉄道事故の犠牲者42人のうち20人の家族らでつくる「遺族の会」(吉崎俊三・世話人代表)は23日、補償交渉や慰霊碑建立の進め方をめぐり、JR西日本と信楽高原鉄道に対し、抗議書を出した。
 抗議書は、賠償基準などの説明会について両社がプライバシーの保護などを理由に拒否したことに対するもので、▽賠償基準の公表はプライバシーとはかかわりない▽慰霊碑については、まず遣旗全体に説明すべきだ、として再度、説明会の開催を申し入れた。(朝日新聞)
25日■千葉勤労の主張認めず JR東日本不採用訴訟
 「懲戒処分を受けたとしてJRに採用されなかったのは不当」と、千葉動力車労組の高石正博さん(46)ら組合員11人が、JR東日本に雇用契約上の地位確認を求めた訴訟の判決が25日、千葉地裁であった。
 並木茂裁判長は、千葉動労側が主張した国鉄とJR新会社の同一性について「国鉄の職員をJRと国鉄清算事業団とに分けたことから明らか」などとして同一性を認めず、新会社への不採用者の労働契約関係については「清算事業団に移行し、消滅していない」とした。さらに定員割れで発足したJR東日本は定員を充足すべきかどうかについても「職員となる者の数はあくまで計画で法的拘束力はない」と原告の訴えを棄却した。(京都新聞 夕刊)
■「のぞみ」型車両 回送中臨時停止 ひかりなど7本遅れ
 25日午前9時2分ごろ、東海道新幹線の東京駅から回送中の「のぞみ」型車両の「戸閉表示灯」が消え、同駅から約4`進んだ地点で停止した。16号車のドアの一つが約3a開いていた。列車は約10分後、ドアを閉め運行を再開した。この影響で、東京発新大阪行き「ひかり215号」が13分遅れたのを最高に下り7本が遅れた。(朝日新聞 夕刊)
■踏切装置いたずら? 山陽線の列車遅れる
 25日午前5時15分ごろ、姫路市御国野町のJR山陽線御着駅構内の横田西踏切で、踏切支障報知装置が作動、場内信号機が赤のままになった。さしかかった車京発高松行き下り寝台特急「瀬戸」と、網干発米原行き上り快速電車が停車。調べたところ、異常はなく、上下とも手信号で運転を再開したが、貨物列車を含む13本が最高35分遅れ、約4000人の足に影響が出た。この装置は押しボタン式で、JRはいたずらではないかとみている。(朝日新聞 夕刊)
■JR採用問題 雇用確認請求を棄却 千葉地裁判決 「国鉄に選定責任」
 旧国鉄の分割民営化の中で、JR各社と国労、動労千葉などの間の労使紛争で最大の懸案となっている「採用問題」をめぐり、動労千葉(中野洋委員長、約700人)の組合員が、JR東日本を相手取り、雇用開係の確認を求めた訴訟で、千葉地裁の並木茂裁判長は25日午前、原告側の請求を棄却する判決を言い渡した。これは旧国鉄職員の「採用問題」での初の司法判断。
 全国各地の地労委が救済申し立てに対し「JRは国鉄の雇用関係を引き継げ」と命じている一方で、JRは、職員採用の方法を定めた国鉄改革法23条を理由に「雇用関係は継承しない」と主張していた。今回も23条の解釈が最大の争点になっていたが、並木裁判長は「新会社のJRへの採用者の選定、名簿作成は国鉄の責任において行われるものであり、不採用は整理解雇にあたらない」と述べ、不当労働行為とする原告側の主張を退けた。
 分割民営化に際し、動労千葉所属の千葉運転区・電車運転士ら11人(提訴当時12人、1人は死亡)はJR東日本の社員になることを希望したが、国鉄が作成した採用候補者名簿に登載されず、採用されなかった。11人は85年11月と86年2月に動労千葉のストライキに参加して停職処分を受けたことが名簿不登載の理由とされた。
 原告側は「雇用関係が継承されるのは当然」とJR東日本に採用を求めた。90年2月には千葉県地労委が「JRと国鉄は実質的に同一。不採用は不当労働行為」と認定し、11人を87年4月にさかのぼって採用するよう救済命令を出していた。
 JR東日本は「 JRと国鉄は全くの別会社。雇用関係をJRが引き継ぐ理由がない」と主張し、県地労委の決定についても、中央労働委員会に再審査を申し立てていた。
 中労委は先月、国労、動労千葉組合員など1047人の採用問題について、関係労使双方に和解案を示したが、国労、動労千葉は拒否した。
 国鉄改革法23条 JR各社が旧国鉄職員を採用する際の手順について、@JRの設立委員が旧国鉄を通じて募集するA旧国鉄が希望者の中から選定し、採用候補者名簿を作成するBJR各社はこの名簿の中から採用する−などと定めている。Aの名簿からはずされ、採用されなかった国労、勤労千葉などに所属する旧国鉄職員らは「不当労働行為だ」と主張。JR各社は「名簿を作成したのは旧国鉄。こちらは法律に従って、名簿登載者の中から職員を採用したまで」と反論していた。(朝日新聞 夕刊)
26日■明日の山科どうなる JR駅前再開発・地下鉄東西線 市当局から説明受ける 区自治連合会 連絡協総会
 山科区自治連合会連絡協議会の本年度総会「明日の山科を考える」が25日、山科区役所で開かれ、各学区代表が地元の懸案課題について市の担当局から説明を受けた。
 区内13学区の自治連役員や行政関係者約110人が出席。10学区から1項目ずつ質問や要望が出され、担当局が現状と方針を回答した。
 まず安朱学区が、一部の権利書が事業取り消しの訴訟を起こしたJR山科駅前再開発について、協議の進み具合や再開発ビルに入るキーテナントをただした。これに対し、内藤俊夫・市都市建設部長が「今年3月の評価基準日から権利変挽計画を進めている。協力が無ければ計画が進まない」と権利者の理解を訴えた。また商業者が関心を寄せる駅ビルのキーテナントには「現在、決まっていないが、複数の企業と折衝中」と説明した。
 地下鉄東西線では小野学区が、工事に伴う交通混雑対策や工区の進ちょく状況などを質問。和田穣・高速鉄道本部建設部長が「現在は杭(くい)打ち工事を行い、進ちょくは全体で10%。外環状線では10bの幅員で工事中。ラッシュ時を避け、工事車両を計画的に運行している。本年度中には路面工事を終える予定で、渋滞緩和まで理解を」と答えた。
 このほか、新十条通や下水道整備などについて質疑応答が行われた。(京都新聞)
■「職場を禁煙に」と提訴 JR職員
 職場に充満するたばこの煙で、間接的な喫煙を強いられ、体調を崩したとして、JR東日本の職員が会社を相手取り、職場を禁煙にするとともに1000万円の損害賠償を求める訴訟を25日、東京地裁に起こした。支援グループによると、職場での禁煙を求めた民事訴訟としては全国で6件目。
 訴えたのは、栃木県小山市、JR小山駅員の坂子文夫さん(50)。
 訴えによると板子さんは1975年ごろ、急性気管支炎を患って以来、たばこの煙を吸うと、のどや胸などに痛みが生じるようになった。しかし、職場では喫煙者の職員と同じ部屋で仕事をせざるをえず、次第に頭痛や微熱も伴うようになった。
 谷哲二郎・JR東日本東京地域本社総務部長の話訴状の内容はまだ分からないが、法廷で主張を明らかにしたい。(朝日新聞)
■全日空から姿消すB737 23年間活躍、今夏限り
 ずんぐりした愛きょうあるスタイルで航空ファンに人気のあるボーイング 737が全日空の路線から8月いっばいで姿を消すことになった。
 ボーイング 737は米ボーイング社が開発した短距離用双発ジェット旅客機で1967年に初飛行。ボ社によると現在まで約3000機が注文され、史上空前のベストセラー機として世界中の空を飛んでいる。
 全日空によると、同社は1969年6月、日本で初めてボーイング737を東京−大阪、大阪−福岡線に就航させた。兄費分のボーイング727とともに同社路線のジェット化を支えた。
 しかし航空需要の伸びに伴い次第にジャンボ機などの大型機に主役の座を譲り、ローカル線に回った。最近では子会社エアーニッポン(ANK)への路線移管も進んだ。現在、ANKへのリース分も含め所有は14機だが、6月ダイヤの全日空での就航路線は東京−山形、岡山、米子の3つを残すだけ。
 これらの路線も8月末までに座席数の多い新型機と交代するなどし、ボーイング737は全日空の路線からはなくなり、南西航空とANKだけとなる。
 全日空のボーイング737が23年間にフライトした時間は約73万時間。地球1万周に当たる4億`以上を飛び、5000万人以上の乗客を運んだ、という。(京都新聞 夕刊)
■東京−山形間、来月から2時間半 開業秒読み ミニ新幹線
 東京−山形間を約2時間半で結ぶ山形新幹線が7月1日に開業する。東北新幹線から直接、在来の奥羽線に乗り入れる初のミニ新幹線方式で、レール幅は新幹線と同じだが、車両は在来線型で小ぶり。在来線の踏切や新幹線ホームでは「ミニ」特有の安全対策が取られ、東北新幹線「やまびこ」との連結・分離テストも繰り返され、開業の準備が進んでいる。(社会部・山上 浩二郎)
・40分も短縮「空」とも勝負
■ロケット
 今月中旬の試乗会で上野駅のホームに止まった山形新幹線「つばさ」の車体は銀色、車両の先頭はロケットのようにとんがっている。隣接ホームの「やまびこ」( 200系)にすっぽりと隠れる大きさ。
 東京−山形間の直通運転は奥羽線のレール幅1.067bを1.435bに広げることで可能になった。在来線の中心線をずらさないよう、2本のレールを外側に広げる工法をとったが、貨物車が乗り入れる下りの蔵王−山形間だけはレールを3本にし、在来線車両も走れるようにした。トンネルや鉄橋などの施設はそのまま使う。
 「小型の車体を広いレールで支えるので、安定性は抜群」とJR東日本が自慢するように、鉄道の国内最高時速345`は「つばさ」が去年秋に達成した。
 1日14往復のうち「つばさ」だけの単独運転は1往復だけで、13往復は東京−福島間を「やまびこ」と連結して走る。東北新幹線の現在のダイヤに加える形で単独運転すると、ダイヤが過密になり、また「つばさ」の運転本数分の「やまびこ」を削ると輸送量が落ちるからだ。
 東京−山形は約40分短縮の2時間半前後となる。「アクセス時間を考えれば航空便とも勝負できる」と同社。盛岡−秋田間、盛岡−青森間へも東北新幹線からミニ方式で乗り入れることが決まっている。東北新幹線を関東から東北を貫く「幹」とすれは、ミニ新幹線は「枝」。今後、東京と北の県庁所在地をつなぐ高速鉄道網の成否は、この山形新幹線にかかっている。「旅客機で東北と東京を往復していた客を呼び戻す」と同社幹部は意気込む。
・すき間、踏切… 安全に神経
■完全武装?
 小型車両なので、東北新幹線駅のホームと車両の間に40a前後のすき間ができる。乗降口の下にステップが自動的に出るので、乗降に支障はないが、同社は「乗客の不安感が心配なので、開業までにさらに適当な対策を取る」という。ホームに沿って、さく(高さ1.1b)を設けるほか、乗降口前には乗客に注意を促す誘導灯の設置作業をしている。
 新幹線鉄道構造規則などによる新幹線の定義は@営業速度が時速200`以上A道路と平面交差しない(踏切なし)B防護さくを設けて軌道に人を入らせない−などで、福島−山形間は新幹線ではない。踏切はあり、さくはない。速度も200`以下だが、現行の95`から130`に上げるので、踏切事故対策も進めた。
 去年末現在で、福島−山形間に89ヵ所の踏切があった。遮断機・警報機付きから、何もない所まであった。このうち9ヵ所を立体交差や地下道に変え、80ヵ所すべてを遮断機・警報機付きにした。車が通らない12ヵ所を除いた68ヵ所には、障害物検知装置を設け、踏切をふさぐ障害物を感知して、特殊信号で運転士に知らせる。
 「山形新幹線はうちの主力商品。踏切事故が起きれば新幹線のイメージがこわれる。踏切は完全武装のつもりです」と、同社は神経を使っている。(朝日新聞 夕刊)
27日■秋以降にも工事再開へ 片福線出水事故
 大阪市福島区の片福連絡線工事の出水事故で、野田阪神異常出水対策技術委員会(委員長・柴田徹京大教授)は25日、事故原因や今後の安全対策の骨子をまとめた報告書を、日本鉄道建設公団と関西高速鉄道に渡した。これを受けた鉄建公団側は、工事は早ければ秋以降に再開したいとの考えを明らかにした。
 報告書によると、水は土止め壁の連結部分から漏れていると推測。そうなった理由として、現場の地盤が流動性の高い砂を含むなど複雑で土止め壁の変形をおこしやすかったこと、連結部分のヘドロを取り除く作業が十分でなかったこと、などをあげている。
 また、安全対策として、掘削穴にたまった水を抜く前に、連結部分を強化するための薬液注入や地盤の改良工事をする必要があるとしている。(朝日新聞)
■京都駅ビルの社長に伊藤氏
 京都駅ビル開発会社は26日、株主総会と取締役会を開き、同日付で伊藤博取蹄役(JR西日本専務)が新しい社長に就任した。井手正敬前社長(24日付でJR西日本社長に就任)は非常勤の取締役として残る。
 また同社はこの日、今秋をめどに資本金を現在の18億円から60億円に増資することも決めた。(朝日新聞)
■新幹線も自動改札に JR東日本平成6 年春から
 首都圏を中心に駅の自動改札化が進んでいるが、JR東日本は27日までに、現在自動改札機を通れない新幹線、在来線特急切符を、2年後をめどに使えるよう改めていくことを決めた。
 これは、JR旅客6社の間で進めてきた切符の磁気化についての協議が、このほど基本合意に達したためで、JR東日本は本年度中に新タイプの切符の詳細な規格を詰め、平成6年春から各駅の自動券売機や、みどりの窓口の発券機を交換したり、改造していきたい、としている。
 自動改札化が遅れている他のJR5社は、新しい切符に切り替える予定はない、という。
 JR東日本管内では、平成2年4月、東京駅丸の内北口に自動改札機を設置したのを皮切りに、現在首都圏を中心に約120駅が自動改札化されている。しかし、新幹線切符などが使えず、苦情が絶えないという。(京都新聞 夕刊)
28日■エコ切符導入を検討 公共交通の利用促進へ 東京都
 鉄道やバスなど公共交通機関を利用して動物園や博物館など東京都の施設を訪れる人に、その施設の入場料を割り引くエコ切符(環境切符)の導入を、東京都が検討し始めた。 公共交通の利用を促進することでマイカーなどの自動車交通量を減らし、排ガスによる大気汚染や交通渋滞を改善するのが狙い。7月にも都の施設利用者を対象に利用交通機関などを調査、具体的な実施方法や時期について関係者と協議に入る。(京都新聞)
29日■貨物と回送接触、脱線 東海道線が終日不通 運転士けが 信号見誤る? 熱海−三島間
 28日午前7時ごろ、静岡県熱海市のJR伊東線来宮駅構内で、同駅を通過する東海道線を走行中の大阪貨物ターミナル発宮城野行きの上り貨物列車(20両編成)が、引き込み線から東海道線側にはみ出していた来宮駅発品川行きの回送電車に接触。貨物列車の機関車と回送電車の1両目が全車輪とも脱線した。東海道線は三島−熱海間が上下線とも終日不通となり、熱海−小田原間も復旧作業のため、一時運転を見合わせた。
 静岡県警熱海署の調べによると、回送電車の島田和夫運転士(28)が東海道線側の信号と引き込み線の信号を見誤って進行したらしい。島田運転士は右太ももに3週間のけが。
 三島−熱海間の復旧作業は29日早朝までかかる見込み。このためJRは東京発佐世保行き寝台特急「さくら」など、28日に東京を出発する寝台特急5本を名古屋発などに変更した。
 伊東線は同日午前10時半すぎ一度運転を再開したが、復旧作業のため再び午後零時40分から同日いっぱい運転を見合わせた。
 事故の影響で東海道、伊東両線で上下計224本が運休したほか、30本が最高30分遅れ約8万人の乗客の足が乱れた。
 JR東日本によると、現場には赤信号の場合、自動的に列車を止めるATS(自動列車停止装置)SN型が設置されている。
 島田運転士は時速約30`で進行中、ポイントが回送電車の方につながっていないのに気付き、非常ブレーキをかけた。同時にATSも作動、電車はポイントの手前に止まったが、車体が東海道線側にはみ出していたため貨物列車に接触した。
 同駅構内では進行速度を35`以下に定めていた。規定速度以下で、ATSが作動したのに事故を防げなかった点についてJR東日本は「進行速度の見直し、設備の改善を含め事故防止対策を検討したい」としている。
 28日は日曜日のため「伊豆方面などへ出掛けた行楽客の足が大きく乱れ、JR東日本は伊東−熱海間は船とバスで、熱海−三島、小田原間はバスでそれぞれ振り替え輸送した。
 東京駅では「東海道線不通」を何度も放送、下り客には新幹線を利用するよう呼び掛けるなど対応に追われた。(京都新聞)
■グランドひかりに亀裂 最長で6a 保有車両の約7割 JR西日本
 JR西日本(本社大阪)が東海道・山陽新幹線に走らせている100N系車両グランドひかりの車体に亀裂が数多く生じていることが28日までに分かった。
 亀裂は、同社が保有する100N系車両の7割近くから見つかっており、車体を支える鋼材支柱と骨組みを支える床鋼材との接合部分で生じていた。同社は「安全運行上支障ない”微細傷”で問題ない」としているが、亀裂が拡大しないかどうか当面検査を続ける。
 JR西日本によると、昨年12月中旬、JR東海の同系車両の車体を支える鋼材支柱と骨組みを支える床鋼材との接合部分に亀裂が見つかった。このためJR西日本でも同月中旬、2日間にわたって100N系の全車両(144両)を目視検査による一斉点検したが亀裂は発見できなかった。
 その後、ことし1月から5月まで塗料をはがし、薬液を使って点検したところ、鋼材支柱と床鋼材の接合部分のうち床鋼材の内側に2−6aの亀裂が見つかった。亀裂は1両当たり平均3個で多い車両は12個あった。亀裂が生じていない車両も46両あった。(京都新聞)
■列車同志が衝突、脱線 東海道線 224本運休
 28日午前7時ごろ、静岡県熱海市福道町、JR伊東線来宮駅構内を通る東海道線上り線で、大阪貨物ターミナル発宮城野(宮城県)行き貨物列車(20両編成)と引き込み線から出てきた回送電車(10両編成)が衝突、回送電車の1両目と貨物列車の機関車が脱線した。この事故で、東海道線熱海−三島駅間の復旧に手間取り、両駅間は上下線とも終日ストップ、東京と伊豆を結ぶ特急「踊り子号」をはじめ、急行、普通も含めて上下224本が運休、30本が最高30分遅れ、行楽客ら約8万人の足が乱れた。JR東日本では、29日の始発列車に間に合わせるため、徹夜態勢で復旧作業をした。
 回送電車は1両目の前輪がはずれて脱線、車体が30度ほど傾いた。回送電車を運転していた埼玉県本庄市鍍座、JR東日本田町電車区の島田和夫運転士(28)が、右足に3週間のけがをした。貨物列車の機関車は脱線したまま100bほど走行、下り線路をまたぐような形で止まった。
 静岡県警熱海署の調べでは、来宮駅構内に待機中の回送電車が時速28`の速度で本線へ入ろうとした際、島田運転士が、青になっていた本線の信号機を自車進行方向の出発信号機と勘違いし、赤信号のまま進行した。合流点近くで、本線と引き込み線のポイントが締まっているのに気付いて急ブレーキをかけたが間に合わず、進行してきた貨物列車と衝突したらしい。(朝日新聞)
■JR脱線事故 信号見誤る初歩ミス ATS今回は対応できず
 JR東海道線の脱線事故は、回送列車の運転士が引き込み線の信号と、本線の信号を見誤った初歩的な人為ミスだった。しかし、それを防ぐはずの信号保安システム「自動列車停止装置」(ATS-SN型)が対応できず、事故につながった。事故は人為ミスを防護システムが支え切れなかった時の危うさを改めて見せつけた。
 現場は、事故が起きやすい引き込み線と本線が交差するポイント付近で、赤信号をそのまま行き過ぎたために起きた。
 事故のきっかけは、運転士が勘違いして本線上の青信号を見て発車したためらしい。列車が止まっていた引き込み線の信号は赤だった。
 JR来宮駅で使われていたATS-SN型は、列車が出発信号機の停止信号を無視して進行した場合、必ず非常ブレーキがかかり、列車が止まる仕組みになっている。
 JR東日本によると、脱線した回送列車は10両編成。このATS-SN型の地上設備はふだんは15両編成の電車が使っている場合が多い。編成にかかわらず、停車位置は15両編成の列車の最後部に合わすため、脱線した10両編成の回送列車はいつもより5両分(約100b)の距離が余分に空いた。
 15両編成から、信号機付近まで10b前後しかないが、約100bの距離だけ加速がついてしまった。手動で非常ブレーキをかけ、同特にATSの非常ブレーキも作動したとみられるが、停止までの距離が長くなり、そのまま接触した。(朝日新聞)
■グランドひかり 98両に亀裂350ヶ所 JR西日本「安全に問題ない」
 東海道・山陽新幹線を走っているJR西日本の100系型車両「グランドひかり」で、車体の骨組みの接合部分に、最大で長さ6aの亀裂が多数発生していることが28日、明らかになった。保有している九編成、計144両のうち、約7割にあたる98両で、計約350ヵ所にのぼる。同社は「微細なキズで車両の安全性には問題ない」としており、当面、調査を継続しながら補修の方法などを検討するという。同様の亀裂は去年12月、JR東海の同系型車両でも見つかっている。
 亀裂は、車体の窓や天井を支える側柱と、床下に設置した側梁(がわはり)の溶接部分周辺に発生。厚さ3.2_の鋼材の表面に、ひっかきキズのようなものが、多い車両で12ヵ所、平均3、4ヵ所見つかった。長さは数_から約6a。表面の塗料をはがし、薬品を使った点検ではじめて確認できたという。
 JR西日本の説明では、新幹線がトンネルを出入りする際、空気圧の変動で車体が縮んだり膨らんだりする。この力が、特定の接合部分に集中的にかかったため、亀裂ができたらしい。
 同社は車両の強度そのものは保たれており、そのまま運行しても安全性に問題はない、としている。(朝日新聞)
■東海道線など 21時間ぶり復旧 JRの脱線事故
 28日朝、静岡県熱海市内のJR来宮駅構内で発生した貨物列車と回送電車の脱線事故で不通となっていたJR東海道線三島−熱海間と、伊東線(全線)は29日午前4時4分、事故から21時間ぶりに復旧した。
 静岡県警熱海署などのこれまでの調べによると、回送電車の島田和夫運転士(28)が引き込み線から東海道線に出る際、引き込み線の出発信号は赤になっていたのに、東海道線側の青信号を見誤って進行。途中で気付いて停止したものの、車体が東海道線側にはみ出していたため、走行してきた貨物列車と接触、双方とも脱線したらしい。(京都新聞 夕刊)
30日■京都駅ビル高層化 3段階の「特定街区」制度適用 京都市が方針決定 駅敷地は60bに コンペ案法的にクリア
 JR京都駅ビルの高層改築計画で、京都市は都市計画法の「特定街区」制度を適用して、高さ規制を緩和する方針を決めた。1両日中に正式決定する。特定街区内は、高さを60、45、31b(現行)の3段階とし、このうち駅敷地は60bに緩和して、昨年5月の設計コンペで選ばれた高さ59.8bの原広司東京大学教授の改築案を、法的にクリアさせる。同時に土地区画整理事業を実施し、駅周辺の整備も図る。新駅ビルの建設は今後、京都市、府の両都市計画審議会の決定を経て、本格的に動き出す。
 同制度の適用は、対象地区の周辺が道路や線路などの空間に面していることが条件。京都駅改築に関しては、東洞院通などに面する必要があり、同駅の敷地(約3.8f)と東隣の国鉄精算事業団用地(約0.22f)、それに続く民間のルネッサンスビル部分を含む計4f強を、特定街区に含めることにした。
 街区内の高さ制限は、駅敷地部分だけを現行の31bから60bに緩和して、設計コンペ案をクリアさせる。精算事業団用地については将来、建物を建てる際にアメニティ空間の確保を条件にして45bに、ルネッサンスビル部分は現行通り31bとすることにした。容積率はいずれも現行の商業地域規制のまま。
 また駅周辺の整備を図るために、駅敷地と西隣の精算事業団用地、JR用地、一部民間用地の計9fについて、土地区画整理事業を実施。駅前広場から京都中央郵便局前道路を通り、西洞院塩小路交差まで出る都市計画道路(幅員12−17b)を設けるほか、駅北口広場の再整備や歩行者のための南北自由通路の整備などを進める。すでに事業団とJRなどの了解は得てあるという。
 今後、精算事業団の資産処分審議会の決定を受けて、この特定街区案と土地区画整理事業案を、京都市と京都府の都市計画審議会に諮る。
 新駅ビルは京都駅ビル。開発会社(伊藤浩社長)が建設を予定している16階建て(地下3階)述べ約24万平方bの多目的ビル。ホテルや百貨店なども入る。京都市は、京都駅改築を1200年記念事業と位置づけて、特例扱いとし、特定街区制度は今回の駅改築以外には適用しない方針。
 《特定街区》個々の建築計画が良好な市街環境の形成に役立つと認められる場合に建築基準法の高さや容積率などの一般規制を緩和することができる都市計画上の制度。(京都新聞)
■東京−山形2時間半 ミニ新幹線あす開業
 国内初のミニ新幹線「山形新幹線」が7月1日、開業する。
 これまでと違って途中駅で乗り換える必要がない上、最も速い列車は東京−山形間(360`)を2時間27分でむすぴ、東北新幹線と在来線特急を乗り継いでいた従来の方法に比べ42分短縮される。
 特急料金は東京−山形間で5140円と、430円高くなる。
 専用列車「つばさ」(6両編成)は、シルバーグレーの超流線形で、スピード感あふれるスタイルになっている。
 ダイヤは、東京、上野−山形感をほぼ1時間に1本の1日14往復。減速として、東京−福島感は東北新幹線「やまびこ」(8両編成)と連結して最高時速240`で運転するが、福島駅で切り離し、山形までは「つばさ」単独で時速130`(在来特急は95`)で走り、山形県の米沢などに停車する。(京都新聞)
■踏切事故で京阪に遅れ 寝屋川
 30日午前5時4分ごろ、寝屋川市田井町、京阪電車踏切で、同市日之出町の無職の男性(48)が、寝屋川市駅発出町柳駅行きの普通電車(4両編成)にはねられて即死した。電車は現場に9分間停車し、上り下りの電車94本が最高15分遅れた。
 寝屋川署の調べによると、男性は下りている遮断機をくぐって線路内に入ったらしい。(朝日新聞 夕刊)