1992(平成4)年 4月


1日■JR西労がスト解除 2日目突入直後 東海・九州労は続行(京都)
  ■ノミ行為で阪急車掌逮捕 助役、駅員を客に(京都)
  ■入れ替えのプラットホームのベンチ 乗客から「不評」です JR西日本 長いす→木製3人掛け 狭い、ごろ寝ダメ(京都)
  ■JR西労、スト中止へ 東海・九州労は継続方針(朝日)
  ■阪急の車掌がノミ行為容疑 同僚30人を客に(朝日)
  ■レールにひび 新幹線遅れる(朝日)
2日■48時間スト貫徹 JR東海・九州労(京都)
  ■人間の鎖東京駅囲む 国労組合員ら(京都)
3日■品川新駅建設 JR東海、東日本に陳謝 トップ会談で基本合意(京都)
  ■JRに原状回復指導を 小倉山の残土問題 自治会が市に要望(京都)
  ■新幹線に「第二東京駅」 「品川に新駅」合意 JR東日本・東海 数年で開業の予定(朝日)
  ■社説 JRの正念場はこれからだ(朝日)
  ■小倉山の残土放置 JRに復元工事を 住民、市に申し入れ(朝日)
  ■軌道車衝突、5人死傷 ブレーキ異常 建設中の智頭線(朝日)
4日■道路陥没、8戸傾く JR線地下工事中に出水 大阪・福島の国道2号 毎分1d、徹夜警戒 住民びっくり「まるで地震」(京都)
  ■道路陥没 家傾く 片福連絡線工事現場 掘削中水噴き出す 大阪(朝日)
  ■泉北高速線中百舌鳥町 始発、ケーブル切断 いたずら? 線路にはしごも(朝日)
  ■大阪の陥没事故 地盤沈下の範囲拡大 「土留め壁」に問題か(朝日)
  ■地盤沈下の範囲拡大 「土留め壁」に問題か(朝日)
  ■線路上に男性 はねられ即死 兵庫(朝日)
  ■列車爆発 55人死亡 中国・湖南省(朝日)
5日■京日記(京都)
  ■片福線工事陥没 新たに16戸被害判明 府警が工事自粛を要請(朝日)
  ■キセル発見にご褒美 「余分な仕事」と大阪市交通局 1件100円から300円(朝日)
6日■「ひかり」洗面所天井から煙 三原駅で臨時停車 いたずら? 紙コップ挟む(京都)
  ■キセル発見「褒賞金」 京都や神戸7市でも 政令指定都市を調査(朝日)
  ■出水はぼ止まる 片福線の工事陥没(朝日)
  ■阪神電鉄で信号異常(朝日)
7日■夜の片町線乱れる 田辺の踏切信号故障(京都)
  ■長時間通勤、肉体労働 転勤命令の効力停止を 京の障害者 JR職員 仮処分申し立て(京都)
8日■次世代新幹線 顔立ち鋭く JR西日本 試験車両完成(京都)
  ■車両解体を延期 信楽事故(京都)
  ■JR二条駅 花畑らしくなりました 敷地内の空き地を整備 朱六学区老人会有志 毎日朝から世話 もう8年(京都)
  ■山陽線にトレーラー転落 寝台特急脱線、10人負傷 神戸・須磨(朝日)
  ■道頓堀望む200bビル 「湊待ち」開発案まとまる(朝日)
  ■「のぞみ」がライバル(朝日)
  ■寝台特急転覆 負傷者は20人に JR山陽線など大混乱 25万人に影響(京都)
  ■朝の足 スト並み直撃 米原−須磨間 新快速が全面運休 普通・快速も大幅間引き(京都)
  ■降るガラス片 車体に穴 JR寝台特急転覆 客、ベッドから転落 トレーラー炎上 異臭と煙充満(京都)
  ■山陽線事故 朝のダイヤ混乱 近畿 負傷者は20人に(朝日)
  ■安眠貫く衝撃 迫る炎 寝台特急脱線 暗い車内に響く怒声 間一髪、二重衝突は回避(朝日)
9日■「Jナイフ現象」で運転不能? 山陽線事故転落したトレーラー(朝日)
  ■20時間ぶりに全面的に復旧 38万人に影響(朝日)
  ■事故車両を検証 信楽事故で大津地裁(朝日)
  ■南海、半世紀ぶりにお色直し 内部も広々、今夕登場(朝日)
  ■開発手法近く発表 田辺市長 新しいJR京都駅ビル(朝日)
10日■豊郷の近江鉄道 踏切で電車と車衝突 同乗の中1生が死亡(京都)
11日■大阪・神戸市交通局 退職職員に無料パス 大阪5000人超 神戸650人 財政事情火の車だが(朝日)
15日■JR大阪環状線 ハイテク自動運転化 21世紀初頭めど検討 技術開発に近く着手(朝日)
16日■春雷、各地で停電 ビル真っ暗、信号不調に(朝日)
  ■工事再開のめど立たず 片福線事故(朝日)
17日■タンゴ新車両 受け渡し式 大阪−久美浜往復(朝日)
  ■山陽電鉄故障で1万8000人に影響(朝日)
18日■近江今津−上中間鉄道建設すれば 京都−小浜55分 経済効果も 調査結果を発表 琵琶湖・若狭リゾート研(京都)
  ■地下鉄東西線 史跡変更を承認 文化財保護審が答申 堀川駅工区にゴー(京都)
  ■新幹線 すっきり身近な足 定期利用者がぐーんと増加 新大阪−姫路54% 姫路−岡山51%(朝日)
  ■GWの予約 不況で低調 JRなど(朝日)
19日■JR西日本 社長に井手氏昇格(朝日)
20日■JR西日本 社長に井手氏(京都)
  ■信楽鉄道事故一周忌法要 JR社長出席へ(京都)
  ■信楽事故でJR 無届けで信号変更工事 システムのミス招く?(朝日)
  ■一周忌慰霊祭にJR社長が出席(朝日)
  ■列車にはねられ幼い兄弟死亡 JR山陽線(京都)
21日■片福線事故 地下水が上昇し噴出 対策委の初会合で確認(朝日)
  ■JR人事 東日本・東海は現体制(朝日)
  ■役員人事案を発表 JR西日本(朝日)
  ■顔 「鉄道の復権」に執着 JR西日本社長に内定した 井手正敬さん(57)(朝日)
  ■北陸新幹線 地元案ルートに 運輸省 意向入れ初の変更(京都)
  ■スーパー雷鳥から煙 湖西線、異常なし(京都)
22日■地下鉄烏丸線(国際会館・北山間)延伸 事業免許を承認 97年開通へ(京都)
  ■今秋にも着工へ 北陸新幹線石動−金沢(朝日)
  ■地下鉄烏丸線 延伸「適当」と運輸審が答申(朝日)
  ■「赤レンガ」憩いの場に 100周年迎えた関西電力蹴上発電所 自然を生かしたイメ・チェン探る あす記念式典(朝日)
23日■新幹線、風で乱れる(京都)
  ■トロッコ人気 後押しだ 亀岡駅舎 盛大にしゅん工式(京都)
24日■「のぞみ」ません床下のもれ 新型車両 軽量化がアダ 「話できない」と苦情 最大85ホン 地下鉄なみJR東海対策へ モーター改良/床に吸音板(朝日)
25日■神泉苑遺構を一部保存 地下鉄工事 京都市方針 工法変え下支え 近く現状変更を申請(京都)
  ■立山黒部に春 アルペンルート開通(京都)
  ■夕刊ひろば JR奈良線 通勤時の車両増結を(京都)
  ■タンカー、山陽線にドスン 山口で防波堤突き破る 寝台特急ヒヤリ(京都)
  ■洛中洛外(京都)
  ■前所長が7000万横領 JR大阪旅行センター(京都)
  ■ハイテクビルにリスの住む樹林 JR貨物駅利用構想 大阪・梅田れメディアシティ最新像 野獣派的SF空間(朝日)
  ■タンカーが衝突 護岸の線路浮く 山口の山陽線一時不通(朝日)
  ■業務上横領で元所長を告訴 JR西日本(朝日)
26日■タンカーの防波堤衝突 操だミス原因?(京都)
  ■信楽列車事故 誤出発検知装置 働かず 交通安全研鑑定 人為ミスの疑い(朝日)
27日■職員証が地下鉄パス? 大阪市交通局外郭団体 指摘受け腕章式に(朝日)
  ■ハンサム特急 全国をかける(朝日)
28日■換気口工事スタート 地下鉄東西線 山科駅建設の第一弾(京都)
  ■国労不採用解決へ動く 労相、調整案作り 方針固める 円満な労使関係条件(京都)
29日■地下鉄東西線建設予定地 神泉苑は縄文の沼利用 東端確定、幅は246b 平安京造営探る資料に(京都)
  ■森の香り乗せ丹後の旅PR 新型エクスプローラー試乗会 車内はゆったり静か 2日デビュー 神戸までお披露目(京都)
  ■JR京都駅改築は現行高さ制限内で 共産党など申し入れ(朝日)
  ■大阪の工員を逮捕 列車停止装置にいたずらした容疑(朝日)
30日■米列車事故 54人が死傷(京都)
  ■泰緬鉄道映画 英語版製作へ 市民グループ 作品携え渡豪計画(朝日)
  ■職員証の無料パス問題 出入り業者も使用か 大阪市営地下鉄(朝日)
  ■特急など5本遅れる JR紀勢線(朝日)
  ■地下鉄駅で電光ニュース 朝日新聞社(朝日)



1日■JR西労がスト解除 2日目突入直後 東海・九州労は続行
 民営化後初の本格ストとなったJR総連傘下の3労組(JR西労、東海労、九州労)のストは31日を打ち抜いたが、1日午前零時、西労が午前2時解除を指令。JR西日本でのストは、2日目に突入直後に中止された。他2労組は続行の見込み。
 JR東海はスト突入後の31日、東日本、西日本を額、率ともに上回る1万7213円(5.62%)の賃金引き上げを回答しJR東海労は要求のうち賃上げ部分について妥結。JR九州労も賃上げについて妥結した。
 しかし、不当労働行為問題で歩み寄りがみられず、交渉は暗礁に乗り上げた形になっていた。
 JR西労は31日午後11時すぎから会社側と非公式折衝。「安全問題で一致、不当労働行為問題でも相互に努力する」ことで合意した。
 残る2労組は不当労働行為問題について前進がみられないことから、交渉を続けながらもストは継続するとしている。
 31日のストでは平常運行のJR東海を除き、見込みも含め西日本管内が新幹線10本など約2100本運休、約97万人に影響。九州管内は890本運休、約17万人が影響を受けた。
 西労は断続的に会社側と非公式の交渉を開き、盛上げについては「東日本と横並びという主張がクリアされた」と評価したが、不当労働行為問題について「会社側はもうやらないと言っているが保証はない。(文書な どの)分かりやすい形で回答を」と主張していた。
 一方、JR西日本内の全動労は賃上げなどを求めて1日年前零時から24時間ストに入り一部の列車に影響が出そうだ。(京都新聞)
■ノミ行為で阪急車掌逮捕 助役、駅員を客に
 兵庫県警葺合署は31日までに、阪急電鉄神戸線の助役や駅員を客に競馬のノミ行為をしていたとして、競馬法違反の疑いで神戸市須磨区外浜町二丁目、阪急電鉄車掌大櫛隆久容疑者(47)を逮捕、自宅と勤務している同線西宮北口操車室を家宅捜索した。背後に暴力団が介在していた疑いがあり、同署で調べている。客の駅員も容疑が固まり次第、書類送検する方針。
 調べによると、大櫛容疑者は3月29日自宅で、同日開催の阪神、中山、中京競馬の各レースの投票を1口90円で電話注文を受け、十数人から阪神競馬4775口分、42万9750円、中山、中京両競馬レースに540口分、4万8600円の申し込みを受けていた疑い。
 客は阪急神戸線各駅の駅員らで、中には助役も含まれていた。かけていた駅員は30人に上るとみられ、同容疑者はノミ行為を始めた4年半前からこれまでに約1000万円を稼いでいた。
 家宅捜索で春の選抜高校野球でのかけ表も見つかっていることから、この胴元もしていた疑いも持たれている。大櫛容疑者は「配当の高い注文は組に上げる」と供述しており、同署は背後に暴力団が介在していたとみて追及している。(京都新聞)
■入れ替えのプラットホームのベンチ 乗客から「不評」です JR西日本 長いす→木製3人掛け 狭い、ごろ寝ダメ
 JR西日本は昨年3月から、管内の45%にあたる141駅でプラットホームにあるベンチの入れ替えを行った。これまでの4、5人掛け長いすタイプから木製の3人掛けにして、ごろりと横になれないように1人ずつ区切るひじ掛けを付けた。ところが、ベンチに座れる人数も制限され、一部の乗客からは「ほんの数分でも座りたいのが人情。ベンチは多いにこしたことはないのに…」とぼやく声も聞かれる。
 ベンチ入れ替えの大きな理由は、国鉄時代に広告収入を目当てに過剰に設置した広告入リベンチの見直しをはじめとした駅の化粧直し。長いすタイプの場合は、ベッド代わりに昼寝をしたり、夜は泥酔客らがわが物顔で占拠するケースが後を絶たず、乗客から昔情が多く寄せられていたことや、琵琶湖線、湖西線、嵯峨野線などでは、通勤・通学時間帯に列車を増発、ホームでの待ち時間が短くなったこと、駅構内の流れをスムーズにする狙いからJR側では「ベンチの必要性は少なくなった」と判断。利用客と病弱な人やお年寄りのため必要最小限のベンチ数を残したという。
 昨年11月に入れ替え作業を済ませたJR山科駅では、これまで2つあるホームで16の長いすタイプのベンチがあったが、現在は北側にある琵琶湖・湖西線ホームに3人掛けが10ヵ所に、南側の京都・大阪方面ホームには「朝のラッシュ時を考えて」(同駅)4ヵ所だけ設けている。
 ところがこのベンチ撤去は乗客から「不粋な酔客が寝なくなっただけでもいい」など賛成の声がある半面、山科区に住むOL(25)の「ベンチがあれば座りたいと思いますよ。駅の美化対策と言っても、無理に減らさなくてもいいのに」という声や、酔った勢いでゴロ寝の経験があるという会社員(36)の「ひじ掛け付きは何か窮屈そう。長いすの方がベンチらしかった」と、前のベンチを懐かしむ声も。
・ホームすっきり JR側成果に自慢
 これにたいしてJR側は「ベンチを見直してホームがスキッとした。おかげで迷惑をかける人は見られなくなった」と成果を自慢しているが…。(京都新聞)
■JR西労、スト中止へ 東海・九州労は継続方針
 賃上げと不当労働行為の解消をめぐって、会社側と対立、31日午前零時から48時間ストに突入していたJR総連傘下のJR西労(4600人)は、深夜まで会社側との折衝を断続的に続けた結果、1日午前零持、スト中止準備指令を出した。午前2時にはスト中止指令を出す予定。これにより、13年ぶりの新幹線の一部ストップを含むJR初の大規模ストは突入から24時間で収束する。これを受け、JR西日本は1日始発から平常ダイヤに戻す、としている。
 一方、東海労(1300人)、九州労(1400人)は31日も「会社側の考え方とはなお開きがある」として、1日もストを続行する方針。
 JR西労が会社側から提示を受けたベア率は5.57%。31日にJR東日本が示したのと同率で、「東日本並み」を求めていた西労は同日夕、会社側にベアについては合意する、との考えを示した。
 一方、労使が最後まで争ったのは、「組会差別の解消」問題。西労は「昨夏の旧鉄労系との組織分裂以来、昇格差別や不当な配転・出向が始まった」として調査と実損の回復を要求してきた。
 西労としては「組織防衛」のためにも安易な妥協は出来ず、会社側としてもJR西労から地労委に救済申し立てされているケースや、中労委で国労と係争中の採用差別問題の行方にも影響するだけに、不当労働行為の存在自体を認めるわけにはいかない事情があった。
 西労は「差別問題」に関して、結果として会社側の譲歩を引き出せなかったが、「いたずらに問題を起こさぬよう相互に努力する」との認識で一致。また、@24時間近くストを打ったことで組合の力をある程度示し得たAこれ以上、差別問題だけで市民の足に迷惑をかけることは社会的に理解を得にくい−などの理由から、収束を決めたものと見られる。
 JR西日本のまとめでは、このストで西日本全域で約100万人の足に影響が出たとしている。
 高橋宏彰・JR西日本人事部長は「様々な問題で対立はあったが、お互いに今後努力するということで一致した」と話した。(朝日新聞)
■阪急の車掌がノミ行為容疑 同僚30人を客に
 兵庫県警葺合署は31日までに、神戸市須磨区外浜町二丁目、阪急電鉄神戸線車掌大櫛陸久容疑者(47)を、競馬法違反(ノミ行為胴元)の現行犯で逮捕、勤務先の阪急西宮北口駅操車室を捜索し、申し込みメモや競馬日程表、高校野球のトトカルチョ表などを押収した。
 調べでは、大櫛容疑者は3月29日午後3時15分ごろ、同日開催された阪神競馬や中山、中京競馬のレースで、胴元として同僚十数人に正規の配当と同じ率で払い戻す約束をし、1口90円で計約5300口、約48万円の申し込みを自宅の電話で受け付けていた。
 これまでの調べによると、大櫛容疑者は4年半前から、阪急電鉄神戸線の各駅に勤務する同僚約30人から、毎週末の競馬開催日に1人1万円から最高60万円の申し込みを受け、この間、約1000万円の利益をあげていたという。また、倍率が高いレースについては、神戸市内で胴元をしている暴力団組員に申し込みを回していたと自供しており、同署は背後に暴力団が介在するとみて追及している。(朝日新聞)
■レールにひび 新幹線遅れる
 1日午前5時43分ごろ、東海道新幹線新大阪駅近くの上り線のレール溶接部分に幅約3_のすき間があるのを、点検作業中のJR東海社員が見つけた。始発から4本は徐行運転したが、午前6時58分から24分から、新大阪−京都間で上下線の電流をストップして応急工事のため運転を止めた。
 この影響で、午前6時39分新大阪発東京行きの「ひかり206号」が49分遅れて発車するなど、上下26本の列車に3−49本の遅れが出て、約1万8000人の足が乱れた。(朝日新聞 夕刊)
2日■48時間スト貫徹 JR東海・九州労
 賃上げ、不当労働行為解消、安全確保策を要求、3月31日からストに突入したJR総連傘下の3労組のうち、東海労と九州労は1日もストを続行、2日午前零時まで48時間ストを貫徹した。JR九州では筑肥線など2線が全面運休となるなど朝、夕の通勤客の足が乱れたが前日同様、大きな混乱はなかった。JR東海は新幹線、在来線ともダイヤ通り運転された。(京都新聞)
■人間の鎖東京駅囲む 国労組合員ら
 国鉄の分割・民営化に伴い解雇された組合員を多数抱える国労(稲田稔光委員長、3万2000人)は1日、組合員ら約1700人を動員、JR東京駅の周囲を手をつないで取り囲み、職場復帰などを訴えた。
 解雇問題では各地の地方労働委員会で救済命令を受けながらJR側が中央労働委員会に再審査を申請。中労委は和解に向け「近く最終解決案を示す」方針を明らかにするなどヤマ場を迎えている。
 東京駅包囲行動は、中労委に対し、地労委命令に基づいた最終解決案を提示するよう求める要請行動の一環。
 国労組合員、支援団体の労組員らが、東京駅の周囲約2.5`に1列で手をつなぎ、駅の方を向いて20秒間の”人間の鎖”を演出した。(京都新聞)
3日■品川新駅建設 JR東海、東日本に陳謝 トップ会談で基本合意
 JR東海の計画にJR東日本が反対し暗礁に乗り上げていた東海道新幹線・品川新駅建設問題で、東日本の住田正二社長と東海の須田寛社長が2日夕、運輸省で中村事務次官を交えて会談し、新駅建設で両社の基本合意が成立した。同問題は構想発表以来約2年間にわたり両社の感情的対立にまで発展していたが、このトップ会談で正式交渉が開始され、建設実現に向けて前進することになった。
 会談では須田社長が住田社長に対し「計画の進め方が国鉄の分割・民営化の趣旨に反し迷惑をかけた」と陳謝し、改めて新駅建設への協力を要請した。住田社長がこれを受け入れ、当事者間による実務者レベルの検討委員会を設置し2、3ヵ月かけて新駅の基本計画を作成することを合意した。
 東海道新幹線を運行しているJR東海は限界に達している同新幹線の輸送力の増強を狙い、1990年5月に新駅構想を打ち出した。しかし用地の一部を所有する東日本に事前に相談せず、運輸省などに話を持ち掛けたことから東日本が「民営化の趣旨に反する」などと強く反発していた。
 会談で両社長は「JR間の問題は会社間で解決する」との原則を確認し合い、正式な協議を始めることになった。検討委員会は東海のほか用地所有者の東日本、国鉄清算事業団、JR貨物の担当者で構成し、これまで東海 側が発表した計画の修正案などがたたき台となる見通しだ。委員会の第1回目は今月中旬に開かれる見込み。
 東海が昨年2月に運輸省に提出した計画では、東日本などが所有する品川駅東側の土地に、2面4線のホームと車両基地を建設。これにより東京を出る新幹線の営業本数を、現在の1時間当たり最高11本から15本に増やすという。(京都新聞)
■JRに原状回復指導を 小倉山の残土問題 自治会が市に要望
 歴史的風土特別保存地区に指定されている京都市右京区の小倉山が、JR山陰線の工事残土で埋め立てられている問題で、当初の原状回復が困難になったことに対し、地元の小倉山自治会(畠山辰雄会長、約100戸)は「約束違反」と反発、2日、京都市に対し、残土搬出と原状回復の早急な着手をJR側に指導するよう申し入れた。
 小倉山は古都保存法で原則的に原状変更ができないが、市は88年、山陰線複線電化工事の小倉山トンネルの掘削に伴う土砂の仮置き場として、原状回復を条件に特別に許可。土砂は工事完成後に、山陰線新線を使って運び出すことになっていた。
 しかしJR側は、土砂を搬出しないまま新線での営業を始め、約15万立方bの土砂が山頂近くの谷間を埋めた状態が続いている。
 市は、JR側に山並みと緑の復元を図るよう要請してきたが、新線で深夜に土砂搬送しても長年月かかることや、トラックでの運び出しも沿線住民に迷惑がかかることなどを理由に、土砂搬出による原状回復は現実的に困難との判断。JRは先月下旬、土砂を搬出しないで現地を植林や盛り土などで是正する案を市に提出した。
 市は今後、「国など関係機関とも協議し、次善策として自然回復を目指した是正方法を講じたい」(東川敏春都市景観部長)としている。
 これに対し、小倉山自治会地区計画委員長の長尾憲彰さんは「JRの”やり得”を市が追認するもので、乱開発の一条山と同じケース」と反発している。(京都新聞)
■新幹線に「第二東京駅」 「品川に新駅」合意 JR東日本・東海 数年で開業の予定
 JR東日本の反対で暗礁に乗り上げていた東海道新幹線の「品川新駅」問題で、新駅建設を求めていたJR東海の須田寛社長と東日本の住田正二社長の会談が2日、運輸省の中村徹事務次官の仲介で同省次官室で行われた。会談では森田社長が、候補地の地主である東日本の了解抜きに新駅構想を打ち出した経緯などを陳謝し、住田社長が了承。4月中旬に両社の実務者レベルで新駅建設を検討する委員会を発足させ、夏ごろまでに基本計画を作成することに合意した。「品川新駅」は、分割・民営化後のJRグループ最大の対立問題となっていたが、トップ会談で一気に解決し、数年後には東京・品川に新幹線の「第二東哀駅」が誕生することになった。
 会談は午後4時から約20分間行われ、終了後に共同会見を行った。中村次官によると、会談冒頭に東海の森田社長が「計画の進め方に、JRの問題はJR同士で話し合って決めるという分割・民営化の趣旨に反する面があった」と陳謝。そのうえで今後、東日本も品川新駅建設を含めた東海道新幹線の輸送力増強に協力することや、新駅建設のために両社と最終候補地の地主である日本国鉄清算事業団、JR貨物を加えた4者で実務者委員会を設立することなどに合意した。
 同委員会で、2−3ヵ月かけて新駅のホーム数や車両の留置線など基本的な計画を作成する。東海の森田社長は「計画ができ次第、すぐにも着工したい。工期に少なくとも数年は必要。用地取得費を除いて数百億円かかる」と説明した。
 新幹線は、現在の東京駅だけでは列車本数を増やせず、混雑がひどくなる一方。これを解消するにはバイパス機能をはたす「第二東京駅」が必要、とされていた。東京駅からも、新幹線の大井車両基地からも近い東日本の品川駅周辺が、その最適地として選ばれた。
・1時間あたり片道4本増発 JR東海見通し
 「品川新駅」の実現は東京への出張が多い関西のビジネスマンや一般旅行客にとっても大きな福音になる。これまで1時間当たり、片道で「ひかり」8本、「こだま」3本が限界だったが、JR東海によると、新駅ができれは「ひかり」9本、「こだま」6本の合計15本の運転が可能になるという。「新駅ができて東西間の往来が増えれば、大阪環状線など既存路線の利用客も間接的に増えるのでは」とJR西日本ではみている。(朝日新聞)
■社説 JRの正念場はこれからだ
 国鉄が横文字のJRになって5年。職員の愛想が良くなった。コマーシャルが目立つようになった。値上げは止まり、利用者の足を乱すストも今春闘まではなかった。そして、経営は黒字になった。
 いいことばかりのようだが、果たしてそうか。日本列島の動脈であるJR各社が、今後の健全な発展のために克服せねばならない課題は、少なくない。
 JR7社の長男格である東日本の住田社長は、発足以来の順調な経営の最大の理由に「好景気」をあげる。好況下の乗客増は、各社に共通する要因だ。
 だが今、景気の減速とともに、乗客の伸びにも急ブレーキがかかりつつある。特に新幹線ではそれが顕著で、過去4年間は毎年1割ほど増えてきたのが、昨年度は伸び率ゼロと頭打ちになりそうだ。
 分割・民営化以後の黒字も、実は、巨額の国鉄時代の長期債務を国鉄清算事業団に預けての話である。その返済はいっこうに進んではいない。
 いわば、借金の大半を棚上げし、従業員は大幅に減らすという荒療治が、大型景気の順風に後押しされる形で今日まできた、と言えるのである。
 バブルの太陽をいっぱいに浴びて、これまでは明るい面だけを見せてきた。太陽が雲に隠れた曇天が続いても、なおサービスを落とさず、安全対策をけちらず、値上げせずにやっていけるのか。
 景気減速の影響で、株式の上場も遅れている。自立した民間企業として創意工夫を展開していくためには、上場の早期実現が不可欠だ。
 また、各社間の競争も必要だが、品川新駅の建設問題に見られたように、一本のレールにつながれた関係を忘れた対立は、国民には迷惑でしかない。
 旧国鉄のアキレス腱(けん)だった労使関係も、ここにきて再び難題となりかねない。各社の経営姿勢の違いに加えて、組合がいくつもに分裂して争っていることが、事態を複雑にしている。
 組合対立を意識的に利用する姿勢は、各社に共通していないか。その体質は、国鉄時代からの宿弊と言える。組合側も、長年の感情的対立を抑えて大同団結を目指すべきだ。さもなければ、労使対立に労労対立がからんで紛争は長引くばかりだ。
 今回のJR総連加盟の旧動労系による東海、西日本、九州でのストには、95%前後の組合員が賛成した。少数派に追い込まれて、経営側の介入に抗議すると同時に、他組合に意地を示すものだった。
 かつて主流だった国労などへの組合差別問題も尾をひいている。民営化の前後に不当労働行為があったと、100件を超す救済命令を各地の労働委員会がJR各社に出している。しかし会社側は命令を拒否し、中労委に舞台が移されてすでに久しい。
 JRグループは、組合の離合集散の動きが強まる中で、新たな流動期を迎えていると言えよう。今こそ、労使双方は責任を自覚してほしい。
 経営者は従業員を公平に扱い、これまでの紛争は前向きに解決する決断をすべきである。各組合も過去のいきさつにこだわらず、今後の労使関係をどうしていくべきか、という視点を重視してもらいたい。
 国鉄の分割・民営化の目的は、競争力を回復して国民に過重な負担をかけない自立した経営にすること、当たり前の労使関係を築くことであったはずだ。経営環境の厳しさが増す今後こそ、JR各社の真価が問われる正念場、と言うべきであろう。(朝日新聞)
■小倉山の残土放置 JRに復元工事を 住民、市に申し入れ
 古都保存法に基づく歴史的風土特別保存地区に指定されている右京区の小倉山でのJR西日本による山陰線トンネル工事残土の放置問題で、市が土砂搬出をあきらめ、JR側に土盛りや植林などで山の形を整えさせる方針転換を明らかにしたことをめぐって、地元住民らが2日、市に「復元工事実施に向け断固とした姿勢を取って欲しい」と申し入れた。JR側は土砂搬出しないことを前提にした是正計画書を原状回復の期限が切れる3月に市へ提出。市も認める考えで、住民らは「やり得を許すもの」と反発している。
 申し入れたのは、「小倉山自治会」(畠山辰雄会長)のメンバーら。文書では、土砂放置は約束違反として、公共財産である小倉山を破壊させたまま放置すれば、市長や市の不名誉を後世に残すことになる、と指摘。「子どもたちに胸を張って説明出来る判断を」と求めている。
 一方、JRの是正計画書は、土地形状分で、積載は含まれていない。20b近い厚さで谷間を埋めている土砂を掘り返し、両側の山の斜面に盛り付ける方法を示しており、山はやや太るものの、植栽によってほぼもとの形に戻せるとしている。
 土砂搬出を断念したことについて市の都市景観部は「当初、土の運び出しに使う予定だった新しい山陰線が、沿線自治体の早期開通要望を受けた営業運転開始によって困難になるなど、やむを得ない事情がある」と主張。@搬出にはトラック延べ約4万台が必要で、生活環境を脅かすA新線を夜間だけ使う方法では10年以上かかる−ことなどから、「早く、安全に山の形をもとに戻すには、搬出はあきらめざるを得ない」としている。
 植栽の是正計画については、今年夏ごろまでに提出させる方針。計画が正式に決まるのは秋以降になる見込みだ。計画通りいけば、半年ほどで土砂の削り取り、盛り付けを売了。植栽を含めても約2年ですべての工事を終えることができるという。
 これに対し、ふもとの常寂光寺の長尾憲彰住職は「ふつう保存地区をいじる場合、市は厳しく注文をつけるのに、なぜかJRには実に寛大だ」と強く批判。住民らは「田辺市長さん、JR西日本の角田社長さん 特別保存地区の自然と歴史的風土はちゃんと守りましょうね その約束でトンネル工事に協力した小倉山町住民一同」という横断幕を沿線に張り出し、訴えていくという。(朝日新聞)
■軌道車衝突、5人死傷 ブレーキ異常 建設中の智頭線
 2日午前11時10分ごろ、兵庫県佐用郡佐用町平福の地方幹線鉄道、智頭(ちづ)線の建設現場で、軌道に砂利をまく作業をしていた6両編成の軌道車が下り坂で約3.5`暴走し、停車中の予備の軌道車に衝突。2台の軌道車はめり込んだままさらに約500b走って止まった。この暴走で、車両のステップに乗っていた作業員3人が衝突のはずみで車両の間に挟まれて死亡し、飛び降りた2人が重軽傷を負った。
 死亡したのは、孫請けの作業会社「豊有」(本社・大阪府池田市)の作業員で、佐用町大畠、山口博さん(69)、同町桑野、棒谷数男さん(65)、同町西河内、井谷孜さん(68)の3人。軌道車を運転していた大阪施設工業佐用作業所長、北村幸雄さん(63)=大阪府高槻市出丸町三丁目=は衝突直前に飛び降りたが、全身を強く打って重傷。車両後部に乗っていた同作業所管理技術者の京都府福知山市戸田、内田信人さん(54)も飛び降りた際、軽い打撲傷を負った。
 佐用署の調べでは、5人はこの日午前9時ごろから、砂利の散布作業をしていた。作業所に引き返す途中で、下り坂にさしかかった際、軌道車のブレーキがきかなくなり、北村さんがホッパーと呼ばれる砂利を積んだ車両に乗っていた作業員らに飛び降りるよう指示した。しかし、速度が出ていたため、山口さんら3人は飛び降りることができず、連結部分のステップに立っていたところ、衝突した。はずみで1人が軌道車と1両目のホッパー車、2人が1両目と2両目のホッパー車の間に挟まれたらしい。
 工事に為たっている日本鉄道建設公団によると、砂利を散布するときは、車両を止め、移動する際は、作業員は車両から降りて歩くか、先頭の軌道車に乗るよう指導していたという。
 同署は、ブレーキなど軌道車側の安全点検が十分だったか、作業の管理監督に落ち度はなかったかなどについて、公団や工事関係者らから事情を聴いている。
 智頭線は94年3月の開業予定。兵庫、鳥取、岡山の3県と周辺の12市町、地元経済団体などが出資する第三セクターの智頭鉄道会社が事業主体となり、兵庫県赤穂郡上郡町と鳥取県八頭郡智頭町間の56`を結ぶ。(朝日新聞)
4日■道路陥没、8戸傾く JR線地下工事中に出水 大阪・福島の国道2号 毎分1d、徹夜警戒 住民びっくり「まるで地震」
 3日午後1時ごろ、大阪市福島区海老江七丁目、国道2号の地下で行われているJR片福連絡線工事現場で、地下水が突然異常出水した。
 さらに午後2時ごろ、地上の歩道周辺が長さ20b、幅10bほどにわたって10−20a沈下したり、一部では盛り上がったりした。このため道路沿いの塗料販売会社「富士商会」け小川誠人社長(28)など商店や民家計8軒の柱が傾いたり、壁にひびが入った。
 大阪府警福島署は国道の北行き一車線を通行止めにし、大阪ガスは傾いた民家5軒のガスを一時止めた。けが人などは出ていない。
 工事は地下20bで22bの深さまで掘削作業中。鉄建公団が請け負い、佐藤・フジタ・青木・白石共同企業体が施工。
 同署は出水によって地盤が緩み、沈下や隆起が起きたとみて工事関係者から事情を聴いている。
 現場では毎分1dの出水が続いているため同署員8人が徹夜で警戒したが、新たな陥没などは起きていない。共同企業体は作業を中止、凝固剤を注入して止水する予定。
 片福連絡線は、JR片町線京橋(大阪市)−福知山線尼崎(兵庫県尼崎市)間の21.3`で、大部分が地下鉄道となる。
 自宅の壁にひびが入った会社員は「午後2時ごろから、みしみしという音が1時間ほど続き、地農かと思った。柱がずれたりドアが開かなくなった。心配で今晩は眠れません」と話していた。
 現場はJR大阪駅の西約2`の国道2号沿いで、雑居ビルや商店の密集地。(京都新聞)
■道路陥没 家傾く 片福連絡線工事現場 掘削中水噴き出す 大阪
 3日午後1時40分ごろ、大阪市福島区海老江七丁目の国道2号の、関西高速鉄道片福連絡線の建設現場で、掘削工事の作業中、掘り下げた穴の底(地下約20b)付近から突然、大量の地下水が噴き出した。このため、国道西側の歩道が幅約2b、長さ約20b(深さ約20−30a)にわたって陥没、道沿いの民家数棟の柱が傾くなどの被害が出た。工事を設計、管理している日本鉄道建設公団は対策委員会を設置し、地下水噴出を止める方法などの検討を始めたが、夜になっても水は毎分1dのペースで噴き出しているといい、被害はさらに拡大しそうだ。
 同公団大阪支社や関西高速鉄道などの調べでは、現場は地下駅(仮称・阪神野田駅)の予定地で、佐藤工業など4社の共同企業体が工事を請け負っている。地上から約20bの深さまで掘り下げる作業をしていた。地下水は掘削穴の底付近から噴き出したという。
 この影響で、歩道に面した塗料販売業、小川誠人さん(28)宅と会社員、野尻悦男さん(42)宅など計3軒で柱が傾いたり壁にひびが入る被害がでた。野尻さんによると、午後3時過ぎに地面の揺れを感じ始め、柱が傾いた。戸も開かなくなったという。また、大阪ガスは、配管が傷付いた可能性のある5軒のガス栓を閉じた。
 現場では1990年1月に工事が始まったが、その直後から騒音や振動の問題が表面化し、住民らは「片福連絡線建設工事対策委員会」をつくって、同公団などに改善を求めていた経緯があった。
 それだけに、現場に集まった人たちからは「何でこんなことになったのか」という怒りの声が相次いだ。小川さんは「怖くて、しばらく家に戻れません。今夜はとりあえず、家族で旅館に泊まることにしましたが…。妻は妊娠9ヵ月だし、何とか早く家に住める状態に戻してほしい」と話していた。
 共同企業体の竹徹・所長は「突発的な事故だった。水の噴出を止めるために、全力で取り組む。住民のみなさんが納得できるような対策をとる」と話した。水を止めるには周囲の地中に止水剤を注入する方法が考えられるという。
 現場は阪神電鉄本線の野田駅の、北西約200bの市街地。事故の影響で、北向きの2車線のうち1車線が使えなくなったため、道路はかなり渋滞した。
 片福連絡線はJR京橋駅と同尼崎駅を結ぶ新線として89年3月に着工、95年春の開通を目指している。関西高速鉄道は88年5月に、大阪府、大阪市など4自治体とJR西日本、それに民間企業などが出資する第三セクターとして設立された。(朝日新聞)
■泉北高速線中百舌鳥町 始発、ケーブル切断 いたずら? 線路にはしごも
 3日午前5時20分ごろ、大阪府堺市中百舌鳥町七丁、泉北高遠鉄道上り線のトンネル(長さ985b)入り口で、光明池発中百舌鳥行きの始発普通電車(6両編成)が何かに当たったのを運転士が感じ、無線で運転指令に連絡した。通報を受けた大阪府響堺東署が現場付近を調べたところ、トンネル内に置いていた竹の作業用はしご(長さ9b)が持ち出され、線路上に一部かかるようにフェンスにたてかけてあった。またトンネル内の線路わきのケーブル収納溝(幅、深さ約10a)のコンクリート製ふたが開いており、警報用ケーブル2本が約8bもレール上まで引き出され、通過列車で切断されていた。
 同署の調べでは、ケーブルは保線作業員に列車の接近を知らせる警報装置用で、列車の運行には直接影響なかった。線路上に突き出ていたはしごが列車に接触したらしい。同署では、何者かが夜間にトンネルに侵入、ケーブルを引き出したうえはしごを持ち出した悪質ないたずらとみて、列車往来危険容疑で調べている。
 現場は泉北高速が乗り入れている南海高野線と中百舌鳥駅で合流する直前約1`で、旧南海中百舌鳥球場付近の地下。トンネル入り口は公園の中で高さ3bと1.8bの二重のフェンスで囲まれており、中百舌鳥駅側から線路伝いに侵入したらしい。(朝日新聞)
■大阪の陥没事故 地盤沈下の範囲拡大 「土留め壁」に問題か
 大阪市福島区の関西高速鉄道片服連絡線建設現場の掘削溝で3日午後、地下水が噴出、国道2号線が陥没した事故は、一夜あけた4日も出水が続き、地盤沈下の範囲は拡大している。掘削溝内部の水位は約7b、水量は1万dに達し、復旧の目途はたっていない。工事を設計、管理している鉄建公団の対策本部は作業員60人を出して、道路に穴をあけて地中へ止水剤の注入を続けている。大阪府警福島署は捜査員7人を派遣し、工事を請け負っている佐藤工業など4社の共同企業体から被害状況を確認し、工事にミスがなかったか関係者から事情を聴く方針。
 対策本部や関西高速鉄道の調べでは、地下水を通さないように掘削穴の側面に設置した「土留め壁」の構造が不十分だったらしい。土留め壁は工事の最初に、溝を掘って、組み合わせたH型鋼を入れ、固化剤を流し込んで固めた構造。建設中、固化剤の中に土が崩れて紛れ込み、郷土を弱める原因になることがあるという。
 対策本部によると、現場付近の地層は、地表から5bまでが砂れき、その下24bまでが粘土層になっており、さらにその下に厚さ8bの砂れき層がある。地下水は2層目の砂れき層から噴出していると見られる。
 地下水の噴出場所は幅約18b、長さ87b、深さ20bの工区の西側中央の底付近。昨夜は噴出箇所に土のう300袋、セメント袋600袋を投入し、道路部分から直径約6a、深さ30bの穴を10本あけ、止水剤の注入をした。4日は直径を60aにした穴を数ヵ所あけて、注入を続けている。
 地盤沈下の範囲はさらに拡大し、掘削溝に沿って縦65b、横20bの範囲に及んでいる。家が傾いた8戸の一帯は、当初の20aから4日午前2時までに、さらに約6a、沈下が進んだ。(朝日新聞 夕刊)
■地盤沈下の範囲拡大 「土留め壁」に問題か
 大阪市福島区の関西高速鉄道片福連絡線建設現場の掘削溝で3日午後、地下水が噴出、国道2号が陥没した事故は、一夜あけた4日も出水が続き、地盤沈下の範囲は拡大している。掘削溝内部の水位は約7b、水量は1万dに達し、復旧の目途はたっていない。工事を設計、管理している鉄建公団の対策本部は作業員60人を出して、道路に穴をあけて地中へ止水剤の注入を続けている。大阪府警福島署は捜査員7人を派遣し、工事を請け負っている佐藤工業など4社の共同企業体から被害状況を確認し、工事手続きにミスがなかったか関係者から事情を聴く方針。
 対策本部や関西高速鉄道の調べでは、地下水を通さないように掘削穴の側面に設置した「土留め壁」の構造が不十分だったらしい。土留め壁は工事の最初に、溝を掘って、組み合わせたH 型鋼を入れ、固化剤を流し込んで囲めた構造。建設中、固化剤の中に土が崩れて紛れ込み、強度を弱める原因になることがあるという。
 対策本部によると、現場付近の地層は、地表から5bまでが砂れき、その下24bまでが粘土層になっており、さらにその下に厚さ8bの砂れき層がある。地下水は2層目の砂れき層から噴出していると見られる。
 地下水の噴出場所は幅約18b、長さ87b、深さ20bの工区の西側中央の底付近。昨夜は噴出箇所に土のう300袋、セメント袋600袋を投入し、道路部分から直径約6a、深さ30bの穴を10本あけ、止水剤の注入をした。4日は直径を60aにした穴を数ヵ所あけて、注入を続けている。
 地盤沈下の範囲はさらに拡大し、据削溝に沿って縦65b、横20bの範囲に及んでいる。家が傾いた8戸の一帯は、当初の20aから4日午前2時にまでに、さらに約6a、沈下が進んだ。(朝日新聞 夕刊)
■線路上に男性 はねられ即死 兵庫
 3日午後11時ごろ、兵庫県高砂市米田町神爪のJR山陽線一の坪踏切から西約30bの上り線で、線路上に横たわっていた男性が高松発東京行き寝台特急「瀬戸」(14両編成)にひかれ、即死した。列車は約1時間遅れた。
 高砂署の調べによると、両手を腹の上で合わせた人影を運転士が目撃しており、自殺らしい。30歳前後で、身長約160a。白っぼい服を着ており、身元を調べている。(朝日新聞 夕刊)
■列車爆発 55人死亡 中国・湖南省
 【香港3日=共同】香港中国通信社が湖南日報の報道として3日伝えたところによると、中国湖南省益陽市郊外で今月1日、旅客列車の爆発事故があり、乗客約80人のうち、55人が死亡、7人が重傷。外国人はいなかったもよう。(朝日新聞 夕刊)
5日■京日記
 ◇…京都市下京区のJR西日本梅小路蒸気機関車館で4日、同社発足五周年記念感謝デーが開かれ、珍しい蒸気機関車(SL)の三重連運転が鉄道ファンの注目を集めたた。
 ◇…運転されたのは、「デゴイチ」の愛称で知られるD51型、東海道、山陽本線で特急として活躍した国産最大級のC62型とC61型。同社によると、近年、SLの三重連運転は全国で例がないという。
 ◇…連結された3台は黒煙と蒸気を上げながら汽笛とともにゆっくりと約200bを走った。集まったファンは往年の雄姿をカメラで追いかけた。感謝デーは5日も開かれ、三重連運転は午前11時、午後1時半、3時半に行われる。(京都新聞)
■片福線工事陥没 新たに16戸被害判明 府警が工事自粛を要請
 大阪市福島区海老江の片福連絡線地下工事現場で起きた国道2号などの陥没事故は、4日夜になっても、地下水の噴出を食い止められず、周辺の事務所や住宅でドアのきしみや壁のひび割れなど新たに16戸の被害が見つかった。現場は地盤が軟弱で、住民は去年夏から路面のひび割れなど陥没の兆候があったと指摘。そのつど工事業者が応急処置をしており、原因の究明とともに、日本鉄道建設公団の施工管理の方法などが問われそう。大阪府警福島署は事故原因が解明され、安全確認できるまで工事の再開を自粛するよう公団側に要請。同大阪支社は、それに従う方針だ。
 鉄建公団の対策本部は、作業員50人を動員、大量の止水剤を注入するため、道路部分に直径60a、深さ30bの穴を開ける作業を続けている。
 しかし、掘削穴の側面に設置した「土留め壁」に近く、二次被害の恐れもあって作業は難航。4日夜になっても、3分の1程度しか掘り進んでおらず、止水剤の注入は遅れる見通しだ。
 この間も異常出水は続いており、掘削穴内部の水位は午後2時半、地表からの距離が12.5bだったのが、同10時には11.3bと上昇。ただ、地盤沈下はおさまっており、水量増加の影響はいまのところ出ていない、という。
 鉄建公団はこの日、現場周辺の約70世帯を回り、家屋などの被害を調べた。その結果、これまでの8戸に加え、新たにドアのきしみや壁のひび割れなど16戸の被害が見つかった。
 一方、同区海老江八丁目の公民館では、鉄建公団の対策本部が、住民らでつくる「片福連絡線建設工事対策委員会」の委員らに、現場の状況を説明。住民側は、今後の対策を文書で回答するように求めた。(朝日新聞)
■キセル発見にご褒美 「余分な仕事」と大阪市交通局 1件100円から300円
 大阪市交通局が不正乗車を見つけた市営地下鉄や市バスの職員に対して、1回ごとに「褒賞手当」を出していることが4日明らかになった。交通局の職員表彰規程で、手当の支給対象を定めているが、不正乗車発見については明記されていない。同市は「規則に基づいて出しており、ヤミ手当ではない」といっているが、同じ褒賞制度を設けていた東京都交通局は「職員が不正乗車発見に熱中して本来のサービスがおろそかになる」として廃止しており、大阪でも「手当まで出してキセル乗車を捜させるのは行きすぎ」との声が出ている。
 市によると、この手当は1952年に制定された職員表彰規程三条(表彰基準)にある「前各号に準ずる行為のあった者」を適用。「前各号」は「勤務成績優良で事業能率の増進に寄与した者」を指すという。
 内規で定めた褒賞手当の金額は一昨年1月に改定された。不正乗車を発見した場合、違反者から徴収する追徴金が1件当たり500円未満は100円。 500円以上1500円未満は200円、1500円以上は300円。悪質な違反者から取る追徴金は、原則的に正規料金の2倍になっている。
 市の説明では、支給開始は10年以上前からで、「手当を設けた詳しいいきさつはわからないが、不正乗車を防ごうという職員の意識を高めるとともに、安全運行以外の余分な仕事に対する報酬としての意味合いが込められている」という。
 同手当の支給総額は89年度約7万5000円、90年度約8万5000円。追徴金は89年度約184万円、90年度約165万円だった。90年度の支給は約400件。突出して多い人はいないが、中には、年間数件見つける人もいるという。
 申請方法は、駅長ら所属長が、職員からの報告を受けて、1ヵ月単位で不正乗車発見の一覧表を作成。これをもとに、手当が1ヵ月ごとに支給される。
 鳥岩誠治・市交通局職員課長は「1日に280万人近く運ぶ地下鉄などで不正乗車を見つけるのにはかなりの注意力がいる。手当は不正を防ごうという意識を職員に高めてもらうため支給している。条例に基づく表彰であり、やましい点はない」と許している。
・「防止も職務」東京は廃止
 一方、東京都交通局によると、都営地下鉄、都バス、都電を抱える同局でもかつては、同様の褒賞制度があった。しかし、十数年前に廃止したあと、現在はば例えお年寄りに親切にした、などの「善行」に対し表彰する程度、という。
 飯田光宏・同局総務課長は「不正防止も本来の職務。をれに特別の手当を支給するのはいかがなものか」と話している。
・サービス面にゆがみが心配
 評論家赤塚行雄さんの話 ホテルなどのサービス業界では料金徴収である程度のマイナスを見越して計算している。職員に手当を出してまで完ぺきに取ろうとしなくてもいいのではない。 不正摘発の意識があまり強過ぎると、ぎすぎすして、サービスにゆがみが出てくる。
・カネ出さぬと人は動かない
 作家藤本義一さんの話 注意力がないと不正乗車を見つけるのは難しい。制度まで設けるのはどうかと思うが、いまはカネを出さなけれは、人は動がないので、仕方ない面もある。危険手当みたいなものと思えば安い。まあ、これで寄付でもすればもっといいのだが。(朝日新聞)
6日■「ひかり」洗面所天井から煙 三原駅で臨時停車 いたずら? 紙コップ挟む
 5日午後4時10分ごろ、広島県尾道市の山陽新幹線福山−新尾道間を走行中の東京発博多行きひかり15号の9号車洗面所付近から焦げ臭いにおいがするのを車掌が気付いた。
 JR西日本は同列車を三原駅に臨時停車させて調べたところ、洗面所天井から煙が出ていたため、同駅で運転を打ち切った。乗客約1300人は後続の列車に乗り換えた。
 同社の調べによると、洗面台の上にある白熱灯のカバ−の内側に紙コップが挟み込まれ、焦げていた。同社は悪質ないたずらとみている。
 後続の東京発博多行きひかり17号が約50分遅れたのを最高に、下り列車計13本が遅れ、約1万2000人の足が乱れた。(京都新聞)
■キセル発見「褒賞金」 京都や神戸7市でも 政令指定都市を調査
 不正乗車を見つけた市営地下鉄や市バスの職員に出す褒賞金などについて、市営交通を持つ全国の政令指定都市10市の状況を調べたところ、大阪を含めて支給しているのが京都、神戸市など8市で、残り2市は特別扱いしていないことが、5日わかった。京都市は1昨年、支給金額を引き上げたところ、支給総額が一挙に5倍に増えたという。
 キセルなどの不正乗車を見つけた地下鉄、市バス職員に賞金、褒賞金などを出しているのは大阪や京都、神戸のほか、札幌、横浜、川崎、名古屋、北九州の各市。支給していないのは仙台と福岡両市だった。
 京都市はかつて、期限を隠したりする不正使用を見つけると500円、発見が難しい偽造乗車券で2000円を支給していた。だが、90年4月に1律2000円に改定したところ、年間摘発件数が市バス62件から70件に、地下鉄は7件から19件に、支給総額は5倍を超える17万8000円になった。
 神戸市は不正使用した定期券1枚につき「賞金」100円を出している。
 この額は据え置きのままだが、支給総額は90年が市バス344件、地下鉄553件で計8万9700円だったが、91年は市バス472件、地下鉄1512件となり、やはり計19万8400円に倍増している。
 札幌市は定期券の不正使用発見が5件以上になると2ヵ月ごとに表彰状と2000円分の図書券を出している。
 このほか、横浜市は1件ごとに表彰状と賞金1000円を、川崎市は賞金300円を、名古屋市は不正の内容に応じて100円と200円の褒賞金を、北九州市は褒賞金300円を、それぞれ1件ごとに出している。
 一方、東京都と同じようにこのような支給制度を採用していない福岡市交通局は「長年にわたって不正乗車をみつけた場合ならその努力に対し、表彰することもあるが、1件ごとに表彰するというのは疑問」と指摘する。(朝日新聞)
■出水はぼ止まる 片福線の工事陥没
 大阪市福島区海老江の片福連絡線工事現場で起きた陥没事故で、設計・施工の日本鉄道建設公団は発生から3日目の5日、地下水の流れを妨ぐ凝固剤やコンクリートの注入作業を始めた。その結果、午後9時以降、地下水の噴出は止まり始めている。
 鉄建公団の対策本部によると、地下水を噴出している掘削穴(探さ約21b)の側面は、地下水を通さない厚さ70aのH字鋼を入れた「土留め壁」で覆われている。この「壁」の西側下に凝固剤を注入、さらに地下30bにコンクリートの投入をした。その桔果、地下水で1時間当たり3a上昇していた掘削穴の水位が、注入後の午後9時から約1時間で1_しか上がらず、「出水はほぼ止まりつつある」と鉄建公団側はみている。(朝日新聞)
■阪神電鉄で信号異常
 6日午前9時10分ごろ、兵庫県尼崎市北城内の阪神電鉄列車運行管理センター(PTC)内の運行制御コンピューターに異常が発生し、阪神本線(梅田−須磨浦公園)各駅の信号が一斉に赤になった。コンピューター異常は1時間半後、ほぼ解消されたが、午前11時過ぎまで、上下線約60本が軒並み5−10分遅れ、4万3000人の足に影響した。(朝日新聞 夕刊)
7日■夜の片町線乱れる 田辺の踏切信号故障
 6日午後7時40分ごろ、京都府綴喜郡田辺町大住のJR片町線仙代踏切で、信号機が故障し、遮断機が下りたままになった。下り快速電車の乗務員が発見し、故障報知装置を作動させて元にもどったが、約20分間にわたり、上下2本の快速が不通になったほか、快速、普通併せて20本に1−22分間の遅れが出て、5000人の足に影響があった。
 JR西日本で故障の原因について調べている。(京都新聞)
■長時間通勤、肉体労働 転勤命令の効力停止を 京の障害者 JR職員 仮処分申し立て
 JR西日本に勤務する国労組合員で身体障害者の城陽市久世下大谷田、丸岡寿さん(31)が「今春の人事異動で本社の事務職から神戸の現業部門へ配置されたのは、通勤、労働条件の悪化を考慮せず人事権の乱用だ」などとして、転勤命令の効力停止を求める仮処分を6日、大阪地裁に申し立てた。
 申し立てによると、丸岡さんは昭和57年に両足を切断、現在は義足を着けている。本社財務部資材課で主にコンピューターを扱っていたが、今年3月16日付で神戸市の大阪資材センターへ転勤になり、荷物の移動など肉体労働をするようになった。
 列車内で立ち続けたりするため、通勤による疲労も著しい、という。
 また、今回の異動は本社から国労組合員を一掃するためのもので不当労働行為に当たる、と主張している。
・奥田和男 JR西日本資材課長の話 人事異動に当たっては本人に何度も面接し、出勤時刻や通勤手段などで配慮を行うことなど十分に説明している。それなりに理解を示していたので、今回の訴えに大変驚いている。(京都新聞 夕刊)
8日■次世代新幹線 顔立ち鋭く JR西日本 試験車両完成
 新大阪−博多間を現在より30分以上短い2時間15分で結ぶ時速350`のJR西日本・次世代高速新幹線(500系)の試験車両が完成、7日、川崎重工業兵庫工場(神戸市兵庫区)で披露された。
 「WIN350」の愛称で、完成したのは6両編成のうちの1−3号車。4−6号車は13日に山口県下松市の日立製作所笠戸工場で公開される。
 車両は騒音や振動をできるだけ抑えるために先頭部を先鋭化させ、風切り音を小さくするため高さも70−50a低くしている。車体はアルミ合金製で、1両の重さは従来の車両の約3割軽い40dとなっている。
 外装は上半分がやや灰色がかった明るい薄紫色、下半分が明るい灰色で中央部分にJR西日本のシンボルカラ−の青い帯が入る。平成6年度前半に営業運転を開始することにしている。(京都新聞)
■車両解体を延期 信楽事故
 信楽高原鉄道事故の事故車両の処理をめぐる問題で、JR西日本と信楽高原鉄道は7日、双方の事故車両の解体処理を滋賀県警による捜査結果が発表されるまで延期することを決め、犠牲者20人でつくる「犠牲者遺族の会」(吉崎俊三世話人)と同弁護団秋田真志事務局長)に通知した。
 事故車両は現在、滋賀県蒲生郡日野町の滋賀県警機動警察隊内で保管。JR西日本と信楽高原鉄道は先月23日午後に解体を計画。これに折議する同遺族の会は23日午前、大津地裁に事故車両の証拠保全の申し立てを行い、4月8日午後1時半からの検証が決まったため解体は一時先送り。さらに遺族の会は先月30日、車両の取り扱いについて両社との調停を大津簡裁に申し立てている。
 解体処理の延期理由についてJR西日本と信楽高原鉄道は「証拠となる計器などは取り外されて押収されているので解体が証拠隠滅ではないと考えるが、ご遺族の心情を尊重した。その後、事前に連絡した上、解体処理したい」としている。これに対して同遺族の会は「刑事責任だけでなく、あくまでも納得できる事故原因が明らかになった後、合意の上で処分を決めるよう求めたい。」と話している。(京都新聞)
■JR二条駅 花畑らしくなりました 敷地内の空き地を整備 朱六学区老人会有志 毎日朝から世話 もう8年
 中京区のJR二条駅の敷地内にあるごみであふれていた空き地を、約8年前から朱六学区の老人会の有志が花畑に変えた。毎朝数人が水をやったりして世話をして四季を通じて美しい花を咲かせ、周辺の人びとの目を楽しませている。
 花畑は二条駅の敷地の南端の道路沿いに、三条通のすぐ北から道路に沿って幅約8b、長さ約200bの広さ。以前はごみが山積みされ、遠方からごみを捨てにくる人も多かったという。また、南端の金網のフェンスにアサガオのつるが絡み付き、車などの見通しが悪く危険だった。
 そこで西山英一さん(82)ら朱六老人クラブのメンバーがJR(当時国鉄)と交渉、継続して世話することを約束に花畑として土地を使わせてもらうようになった。ごみを焼却して土を運び、だんだんと花壇らしく整備して面積を広げ、世話をする人数も最初の3人から15人に増えた。
 毎朝午前5時半ごろからメンバー数人が集まり、近くの川からバケツで水をくみ上げ世話をする。水の量が減る夏揚には、近くの会社が水を分けてくれるようにもなった。今でも空き缶など週に50ほど捨てられ、その処理もしている。
 今は菜の花が満開、チューリップやヤグルマソウなども咲き始めた。花は地域のお地蔵さまに供えたり、希望する人に分けている。
 二条駅の再開発で、いずれ消える花畑。西山さんは「さみしい気もするが、それまでの間、みなさんに季節の美しさを楽しんでもらえれば」と話している。(京都新聞)
■山陽線にトレーラー転落 寝台特急脱線、10人負傷 神戸・須磨
 8日午前0時ごろ、神戸市須磨区一ノ谷5丁目の国道2号線で、四輪駆動車とトレーラーが衝突、はずみでトレーラーが道路脇のJR山陽線の線路上に転落して。たまたま走ってきた東京発長崎行き下り寝台特急さくら(14両編成)がトレーラーにぶつかり、特急の機関車が脱線、上り線路上に横転した。ここに上り普通電車が接触して止まった。
 トレーラーは炎上。特急の乗客ら10人ほどがけがをしている模様。(朝日新聞)
■道頓堀望む200bビル 「湊待ち」開発案まとまる
 道頓堀のネオンサインの向こうに、巨大ビル群がにょつきり−。関西新空港の表玄関となるJR関西線湊町駅(大阪市浪速区)周辺の再開発計画で、大阪市、JR西日本などは7日、街づくりの基本構想をまとめ、発表した。シンボルとなる中心部の超高層ビルは高さ約200bで、ミナミでは現在最も高い「南海サウスタワーホテル」の147bを抜く。
 構想では、同地区の南と北の玄関口にそれぞれ多目的広場を設置。入り口にはやや低いビルを建て、中心部に向かってビルを段々と高くしていく。屋上をつなげは、なだらかな「山形」のラインを描くようにし、まとまりのある景観にしようと試みている。
 同地区は、1994年にオープン予定の関西新空港と、鉄道やリムジンバスで直結され、大阪市のもう一つの玄関口となる。構想では「遊」「食」「住」とも「24時間都市」が目標。たとえば、空港からの自動車の流れに応じられるよう、いつでも出入りできる4000台分の駐車場を街の地下に建設する。さらに、ホテルや事務所、レストランなど都市機能が昼夜休まず動く街づくりを目指している。
 開発が予定されている地区は、道頓堀川の南に隣接した旧国鉄の貨物駅跡地を中心とした土地で、17.5fある。同市、JR西日本などが参加して、89年に事業主体となる第三セクター「湊町開発センター」が発足、同年10月から開発の基本構想を検討してきた。今後、この構想をたたき台として、地権者の利害を調整しながら具体化していく。(朝日新聞)
■「のぞみ」がライバル
 JR西日本の新世代新幹線、「500系」の試験車両が7日、神戸市の川崎重工業兵庫工場で完成した。実験走行する6両編成のうちの3両。5月末から2年間、山陽新幹線新下関−徳山間で実験走行をし、1994年度中の営業運転を目指す。
 車体は薄紫と白のツートンカラーで、ライトブルーの帯。「のぞみ」と比べ、車高は35a低く、重さも約5d軽い。空気抵抗を抑えるため、車体の出っ張りを極力なくし、運転席も鋭くとがった先頭部分に埋め込まれている。
 最高設計速度は時速385`、最高営業速度は約350`で、新大阪−博多間を現在より約30分短縮の2時間15分で結ぶ予定。3月に営業運転を始めたJR東海の「のぞみ」、試験車両が完成したJR東日本の「STAR21」と並び、JR各社のスピード競争が今後本格化する。心配される沿線への騒音公害については、「実験走行の結果を見ないと…」と、JR西日本の歯切れは悪い。(朝日新聞)
■寝台特急転覆 負傷者は20人に JR山陽線など大混乱 25万人に影響
 8日未明、神戸市須磨区一ノ谷町のJR山陽線で寝台特急「さくら」が脱線、転覆した事故は、その後の神戸市消防局の調べで負傷者が増え、特急や直後に接触した普通電車の乗客、線路上に転落したトレーラーの運転手、計20人となった。いずれも軽傷。
 JR山陽線は須磨−西明石間が不通となっており、折り返し運転をするなど同日正午までに25万人に影響、一部の駅で改札制限した。JR西日本は事故対策本部を設置、復旧作業に当たっている。
 兵庫県警は捜査員など230人を動員して現場検証を始め、事故原因究明に乗り出した。午後にも捜査本部を設置する方針。
 同県警は山陽線と並行する国道2号で起きたトレーラーと四輪駆動車の衝突でトレーラーが線路に転落、列車事故の原因となったとみて、四駆車運転の神戸市須磨区高倉台、無職大路学運転手(20)とトレーラーの兵庫県姫路市飾磨区英賀、長田英夫運転手(48)らから業務上過失致傷、道交法違反などの疑いで事情を聴いている。
 調べでは、国道2号の事故現場は東行き1車線と西行き2車線の直線道路。大路運転手は友人5人と須磨浦公園で花見をした後、車2台に分乗して公園を出発したが、国道2号を誤って東進したため、Uターンしようとした際、追い越そうと後ろから直進してきたトレーラーが衝突した。
 トレーラーは積み荷の鋼材をまき散らしながら、歩道との境のガードレールや線路フェンスを破り、約1.5b下のJR山陽線下り線路に転落。
 そこへ特急が時速約90`で乗り上げて先頭の機関車が転覆、車両4両が脱線した。直後に走ってきた普通電車がさらに接触、先頭部が脱線した。
 兵庫県警は四駆車の大路運転手がUターンの際、後方確認を怠ったか、トレーラーの長田運転手の前方不注意やスピードの出し過ぎが原因ではないかとみて2人から詳しく話を聴いている。(京都新聞 夕刊)
■朝の足 スト並み直撃 米原−須磨間 新快速が全面運休 普通・快速も大幅間引き
 寝台特急などの脱線事故で、JR山陽線は8日始発から須磨−西明石間が全面不通となった。西明石−姫路間と、東海道線につながる米原−須磨間でも新快速電車が全く動かず、快速、普通も通常の半分よりやや多い程度で、朝のラッシュ時でも10−20分間隔という大幅な間引き運転になるなどダイヤは大幅に乱れた。
 JR西日本対策本部によると、復旧作業が進み、不通区間の運転再開は同日午後の見込み。しかし、午前中だけで196本が運休し、25万人に影響。大阪と鳥取方面を結ぶ特急「はまかぜ」上下計4本が一部区間運休した。京都−大阪間の4駅では一時改札制限した。
 現場の復旧作業は、現地復旧本部の約350人が8日午前4時から、クレーン車9台を使って開始。先頭車が脱線した普通電車を元に戻して西明石駅へ回送し、トレーラーを道路へ撤去する一方で、特急を取り除く作業に入った。転覆した電気機関車は重さが約100dあったが、撤去は午後には終えた。
 同本部はこの間、東海道・山陽線と並行する京阪、阪急、阪神、山陽各電鉄などで振り替え輸送した。
 また7日夜からの寝台特急14本を含む26本が立ち往生。乗客約2500人は車内で一夜を明かした後、新幹線で目的地に向かった。
・一時は200%の混雑 京滋の各駅
 JR京都駅では電車の運休やダイヤの乱れが続いた。同駅では、各改札口に、事故による影響を知らせる張り紙を掲示、私鉄など他の交通機腑利用を呼びかけるとともに、ふだんより約40人多い駅員が出て、ホームの整理や案内にあたった。
 東海道線の新快速が全面運休、快速電車も通常の六割程度の間引き運転となり、午前7時半すぎからのラッシュ時にはホームは乗客であふれ、大阪行き快速電車は一時、定員の倍近い混雑。事故を知って駅にきた人が多いせいか、駅員に食ってかかる人はほとんどなかったが、午前9時をすぎても、草津・米原行きの下りは、30分に1本しか電車が走らず、ホームには長い乗客の列ができた。
 滋賀県内のJR各駅でも通勤客の足に大きな影響が出た。
 JR大津駅では、午前7時ごろから8時すぎにかけて混雑のピークを迎え、同8時11分発大阪行き普通電車が超満員で発車するなど、下り電車は軒並み定員の倍の乗車率。下りホームは通勤客らでごった返した。
 また、1日4万3000人が乗降するJR石山駅でも下り電車に積み残された乗客がホームにあふれた。
 一方、ダイヤの乱れで、この日入学式が行われた滋賀県内の公、私立高校のうち石山高校は式の開始を15分遅らせた。
・山陽電鉄に長い列
 JR山陽線の事故で通勤客を振り替え輸送した山陽電鉄では、山陽明石駅(兵庫県明石市)、山陽垂水駅(神戸市垂水区)などで8日の午前中いっぱい、大混雑となった。
 山陽明石駅では午前7時前から、通常の10倍近い乗客が殺到。ホームにあふれた乗客が線路へ転落しかねない、との同駅の判断から改札制限。このため、改札待ちの乗客の列が駅の外まで100b以上も延び、中央コンコースは1000人近い乗客でごった返した。また、山陽垂水駅でも約600人が改札待ちの列をつくった。(京都新聞 夕刊)
■降るガラス片 車体に穴 JR寝台特急転覆 客、ベッドから転落 トレーラー炎上 異臭と煙充満
 ガッチャーン。乗客が眠りに付いた矢先のブルートレインに、激しい衝突音が響いた。寝台から乗客が転げ落ち、逃げ惑う女性が悲鳴を上げた。8日未明、神戸・須磨で起きたJR山陽線の寝台特急「さくら」の脱線事故。線路上に転落した大型トレーラー、ブルートレインの機関車が無残に横たわる。直後に普通電車も巻き込まれ、青ざめる乗客たち。海水浴で有名な海岸沿いの現場はパトカー、大型クレーン車の赤色灯で埋まり懸命の復旧作業が続いた。
 トレーラーと衝突した「さくら」の機関車は、連結部からねじれるように横倒しになった。車輪を敷石にうずめて傾いた先頭の客車は、窓ガラスが砕け散り、後部ドア付近には爆発で吹き飛んだような大穴が。
 トレーラーは運転席とエンジン、荷台部分がバラバラとなり、燃え上がった。タイヤや油が焼ける異臭と煙が特急車内に立ち込めたという。けが人が続々と救急車に乗り込む一方、脱線を免れた後部車両に残された乗客は3時間近くも車内に缶詰め状態。窓越しに慌ただしい復但作業を不安そうに見詰めていた。
 1両目の寝台車にいた福岡市の会社員大沢志明さん(65)は、事故当時、寝付かれずベッドに腰掛けていた。「突然ガッチャーンという大きな音と激しい衝撃が襲い、目の前に金属製の足掛け台が飛んできた。頭には粉々に割れた窓ガラスの破片が降り注ぎ、もう死んだと思った」と話す。
 特急食堂車のウエートレス浦口有美さん(20)は、仕事を終え4両目の寝台車で休憩中だった。「小刻みに揺れながら列車が止まった。窓から外を見ると、目の前でトレーラーが燃え上がっており、ゾッとした」と青ざめた表情だった。
 傾いた車両からJR職員に誘導され乗客が近くのフアミリーレストランへ。しかし、代替バスの到着が約3時間もかかったため、いらだった特急の客が「いつまで待たせるんだ」とJR職員に詰め寄る場面も。
・窓の外にすごい熱
 寝台特急「さ<ら」2両目に乗っていた大阪市に住む建築業杉本正さん(47)の話 ドーンでは済まないぐらいの衝撃で目が覚めた。窓の外が明るくなり、すごい熱を感じた。トレーラーから炎が上がっていたのだろう。何があったか一瞬分からなかったが、すぐに車掌からアナウンスがあった。車内にはゴム臭いにおいがたちこめていた。
・電話探し100人が列
 現場から約20bのレストラン店員(30)の話 寝台特急「さくら」の先頭部分で発煙筒の赤い炎を見た。「事故か」と外に飛び出したところ、先頭車が脱線転覆していた。乗客が列車内から続々と外に非難していた。乗客らは自宅などに事故を連絡するため電話を探し、レストランにも100人近くが詰め掛け列をつくった。
・無線で大惨事防ぐ 安全確保、車外へ出さず
 JR山陽線で8日未明に起きた寝台特急の脱線事故は、先頭の機関車が転覆した直後に普通電車が突っ込むという二重事故となったが、幸いにも死者は出ず大惨事は免れた。
 昭和37年、160人の死者を出した国鉄常磐線の三河島事故では、脱線して傾いた貨物列車の機関車に、隣の線路を走ってきた電車が衝突、乗客が線路上を歩き始めたところに反対方向の電車が突っ込み、大事故になった。
 今回の事故は三河島事故と状況が似ている。しかし、5分後に対向するはずだった普通電車を無線連絡などで止めるまで乗客を車内にとどめたことから、最悪の事態を防ぐことができた。
 鉄道の安全対策は大事故が起こるごとに工夫が加えられてきた。三河島事故をきっかけに国鉄は自動列車停止装置(ATCS)を導入、人間心理のソフト面からも安全を考え始めた。
 現在では事故があっても、周囲の安全を確認するまで、乗務員は乗客に車内に残るように指示する。列車と駅などを結ぶ「列車無線」や、周辺の列車に緊急事態を知らせる「防護無線」も今回の事故では活躍した。(京都新聞 夕刊)
■山陽線事故 朝のダイヤ混乱 近畿 負傷者は20人に
 神戸市須磨区のJR山陽線で8日午前零時ごろ、寝台特急「さくら」が、線路わきの国道2号から乗用車と衝突して転落してきたトレーラーと衝突し、脱線、さらに普通電車がこれに接触して脱線した事故は、神戸市消防局の調べで負傷者が計20人に上った。この事故で、山陽線は須磨−西明石間が不通となり、国道2号も約6`の区間が通行止めになった。兵庫県警は須磨署に捜査本部を設置し、事故の原因を調べている。JR線の復旧作業は難航、近畿圏の朝の通勤ダイヤが大幅に乱れ、約25万人の足に影響した。
 この事故による負傷者は東京発長崎・佐世保行き寝台特急「さくら」=桑元輝明機関士、12両編成=の乗員乗客が12人、「さくら」の電気機関車に接触して脱線した高槻発西明石行き普通電車(山本孝次運転士、7両編成)の乗員乗客が5人。最初に衝突した乗用車とトレーラーの計3人も重軽傷を負った。「さくら」には乗客161人、普通電車には約200人が乗っていた。
 兵庫県警の調べによると、国道の東行き車線で、乗用車を運転していた神戸市須磨区高倉台四丁目、無職大路学さん(20)がUターンしようと右に出た。後ろから来た姫路市飾磨区今在家、飾磨海運のトレーラー=長田英夫運転手(48)=が、これを避けようとしたが間に合わず衝突し、そのまま反対車線を突っ切って歩道のガードレールと路肩の鉄サクを壊して1.8b下の山陽線に転落した。大路さんは現場近くの須磨浦公園で花見をした帰り。
 トレーラーと寝台特急の衝突事故による負傷者は次の通り。(敬称略)
 【さくらの乗員乗客】辻照子(54)、美祐紀(28)=長崎県諫早市▽古川武子(53)=長崎市▽野中一子(63)=同▽江頭三鈴(43)=長崎県西彼杵郡三和町▽北村エイ子(67)=同県佐世保市▽大智範政(33)=岡山県御津郡御津町▽桑元輝明(32)=同県久米郡中央町▽構内園子(40)=福岡県直方市▽岡田郁夫(60)、洋子(56)=北海道上川支庁鷹栖町▽中園昭一(42)=北九州市門司区
 【普通電車乗員乗客】木原洋二(45)=神戸市長田区▽田畑恵志(53)=同市垂水区▽山名利子(48)=明石市▽嶋中泰司(58)=神戸市垂水区▽山本孝次(49)
 【トレーラー】長田英夫(48)=姫路市
 【乗用車】大路学(20)=神戸市須磨区▽石原教宏(20)=同(朝日新聞 夕刊)
■安眠貫く衝撃 迫る炎 寝台特急脱線 暗い車内に響く怒声 間一髪、二重衝突は回避
 大音響とともに、乗客の眠りは吹き飛んだ。引きちぎられ、炎上するトレーラー。横倒しになり、めちゃめちゃに壊れた特急の電気機関車に、後から来た普通電車の車体が激しく接触した。8日未明、神戸市須磨区のJR山陽線で起きた衝突脱線事故。「何が起こったんだ」「早く救急車を」。間一髪、列車と電車が二重衝突する大惨事は避けられたが、約360人の乗客は言葉を失い、寝台特急の客は疲れきった表情で振り換えの新幹線に乗り込んだ。
 1台の乗用車のUターンが、惨事の引き金だった。後続のトレーラーが急ブレーキをかけたが、避け切れずに衝突。トレーラーはガードレールを突き破り、JR山陽線の線路上に転落した。積み荷の約30dの鋼材が激しく散乱した。
 直後、乗客161人を乗せた下り寝台特急「さくら」が突っ込んだ。
 「さくら」の桑元輝明機関士(32)は「前方に白い煙が上がっているのが見えた。すぐに急ブレーキをかけたが間に合わなかった」と話す。
 トレーラーの運転席から投げ出された長田英夫運転手(48)は「列車が近づいていたので、はって線路際へ逃げた。あと少し遅かったら粉々になっていた」と振り返った。
 「さくら」の乗客は午前零時過ぎということもあり、ほとんどが浴衣姿で睡眠中だった。消灯していた車内では「どうしたんや」という怒鳴り声が響いた。2号車に乗っていた守口市の建設業杉本正さん(47)は「ドーンというものすごい衝撃があり、窓ガラス越しにすごい熱が伝わって来た。外で車が燃えていた。列車に燃え移るのではと恐ろしかった」と話す。
 一方、普通電車に乗っていた神戸市西区岩岡町、大学三年生芝田篤さん(21)は「突然、横揺れして電灯が消え、何が起きたのかわからなかった」と話していた。
 JR西日本によると、「さくら」は現場付近では約85`のスピードで走っていた、という。複々線区間で事故現場付近は上り線と下旬線が交互に配置されている。「さくら」は隣の上り線の上に横転。機関車の最前部が、さらにその隣の下り線まで倒れ込み、普通電車と接触した。
 JR関係者は「もし通りかかった電車が下りでなく上りだったら、まともに機関車に衝突していた可能性が高く、けが人だけではすまなかったろう」、という。いわば「さくら」と普通電車の2本の列車の間にあった上り線が「緩衝地帯」の役目を果たし、大惨事を防ぐ形になった。
 また、上りの特急「あさかぜ2号」が事故発生の直前に現場を通過し間一髪、難を逃れた。その後、零時5分には上りの普通電車が塩屋駅を発車し、約2分後に現場に差し掛かるところだった。
 JR西日本は8日午前10時半、脱線した機関車と客車の撤去作業を始めた。これにより、海側の2つの線路が使えるようになる見込みで、普通電車と快速電車は、午後2時ごろ開通する予定。
 しかし、新快速と特急電車が走る山側の線路は、レールなどの破損状況が不明なため、復旧の見込みはたっていない。
・缶詰4時間ぐったり
 寝台特急「さくら」の車内で不安な一夜を過ごした乗客約150人は、空が白み始めた午前5時過ぎ、JR西日本が手配したバス4台で臨時の新幹線が出る西明石駅へ向かった。事故のショックと、暖房の止まった車内で約4時間も缶詰めになった乗客らは疲れ切った表情。体を座席に沈め、眠り込む人もいた。新幹線が出るまでの間、バスの中や同駅でパンや飲み物などの差し入れを受けたが、ほっと一息つく間もなく、家族や出張先に連絡を取るため、駅の公衆電話に長い列ができた。
 先頭のバスで駅に着いた静岡県富士宮市の会社員遠藤武司さん(47)は大分の大学に入学した長男の孝浩君(18)と現地に向かう途中。「衝撃のショックで目を覚ますと、窓の外でトレーラーが炎をあげていた。幸いけがはなかったが、10時に息子の下宿先の不動産屋と約束しているのに…」と困っていた。
・通勤の足も直撃 混乱うんざり 国道2号沿いに歩く人も
 JR西日本事故対策本部は、朝の通勤用車両を確保するため8日午前中の東海道・山陽線米原−姫路間の新快速を全面運休させた。須磨−西明石間は不通になり、須磨と西明石で折り返し運転をした。快速や普通も間引き運転をしたため、通勤客があふれ高槻駅、吹田駅などで改札制限をした。運休は196本に上り、運転率は5、60%までダウン、ダイヤの乱れは午後まで続いた。
 JR大阪駅では、列車の間引き運行の影響で、次々と到着する列車は普段の2倍近い乗客で込み合った。
 大阪府摂津市の会社員(29)は「テレビで事故を知り、家を30分早く出たが、ホームで30分待ち。電車も30分近く遅れた。くたくたです」。
 JR高槻駅では並行して走る阪急への振り替え乗車券を発行したが、通勤ピーク時の午前8時すぎから約30分間にわたって改札口で入場制限をした。
 JR京都駅のホームは午前8時すぎから通勤客らでごった返した。
 JRは、ホームに17、8人の駅員を配置、ホームの事務室でも10人ほどが詰めて対応にあたった。大阪のカメラ店に通っている宇治市の会社員(35)は「いつも乗る新快速が運休し、遅刻してしまいそうだ」と話した。
 JR西明石駅では、約4`離れた山陽電鉄明石駅へ客をバスでピストン輸送。乗り場には長い行列ができた。
 JR塩屋駅に隣接する山陽電鉄の塩屋駅でも、満員電車に乗り切れない人が続出したため、8時過ぎには乗車券の発売を中止。約1.5`離れた須磨浦公園駅まで国道2号沿いに歩く人の列が続いた。
 山陽電鉄は臨時列車も組めず、午前7時から改札制限をした。(朝日新聞 夕刊)
9日■「Jナイフ現象」で運転不能? 山陽線事故転落したトレーラー
 神戸市須磨区のJR山陽線で起きた寝台特急「さくら」の脱線転覆事故で、線路上に転落したトレーラーは国道2号で乗用車と衝突した後、運転席部分と荷台部分が連結部で「く」の字に折れ曲がるトレーラー特有の「ジャックナイフ現象」を起こして運転不能になっていた可能性の高いことが8日、兵庫県警須磨署捜査本部の調べでわかった。トレーラーの最大積載量は40d、事故当時は33.6dの鋼材を積んでおり、この重量で同現象がさらに増幅されたとみられている。
 調べによると、姫路市飾磨区今在家、飾磨海運の大型トレーラーの長田英夫運転手(48)は、前を走っていた乗用車がUターンしようとしたため、右にハンドルを切って衝突を避けようとして乗用車の右側面にぶつかった。
 この衝突でトレーラーの運転席部分は急制動がかかったのと同じ状態になったが、荷台部分は慣性で真っすぐ進もうとするため、連結部を中心に、トレーラーの前と後で別方向の力が働き、ジャックナイフ現象が起きたらしい。この結果、トレーラーではハンドル操作ができなくなり、約25b暴走した、とみられる。
 ジャックナイフ現象は高速運転中に急ブレーキをかけた時などに起きやすいとされる。これを防ぐため、危険物を運搬するトレーラーには、急ブレーキをかけても車輪がスリップしないように、断続的にブレーキを利かせる「アンチロックブレーキ装置」の装着が義務付けられている。(朝日新聞)
■20時間ぶりに全面的に復旧 38万人に影響
 神戸市須磨区のJR山陽線の脱線事故は、横転車両の撤去などにより8日夜、不通だった須磨−西明石間が20時間ぶりに全面復旧した。だが、ダイヤの乱れは大きく、この日1日で459本が運休、計38万人の足に影響が出た。9日は正常運転を再開、通勤、通学の足は確保されそうだ。(朝日新聞)
■事故車両を検証 信楽事故で大津地裁
 大津地裁は8日、証拠保全として信楽高原鉄道列車事故の事故車両3両の検証をした。(朝日新聞)
■南海、半世紀ぶりにお色直し 内部も広々、今夕登場
 半世紀以上続いた緑色の車両から一転し、太陽とスピードをイメージしたデザインの新装車両を南海電鉄が導入、9日夕から一部の特急電車で運転を始める。シルバーメタリックの地に、青とオレンジの2本の線。南海では3年かけて約660両すべてを一新する計画で、関西新空港開港に向けイメージチェンジを図る。
 特急「サザン」に使われている車両「10000系」を塗装し直し内部も改造、一部は新造した。第1号は6両編成で9日午後5時10分難波発和歌山市行き。
 南海の現在の緑色は1935年(昭和10年)ごろから使われてきた。南海は「緑のイモ虫みたいな車両だという声もあり、どことなく暗い感じもするめで、明るいイメージを狙った」と話す。座席も広くし、男女別トイレなども備えた。(朝日新聞)
■開発手法近く発表 田辺市長 新しいJR京都駅ビル
 京都市の田辺市長は8日、記者会見し、市の開発審査会が左京区の一条山の開発許可を取り消す裁決を出したことについて、「決定は残念」と感想を述べた。一方、市の高さ規制を大幅に上回る設計案が論議をよんでいる新しいJR京都駅ビルの開発手法については、「近く発表できる」との見通しを明らかにした。
 一条山間題で田辺市長は「市内部でも山の修復の可能性について検討したが、安全確実な手法が見いだせず、地元の自治会から『危険な状態で放置しないでほしい』との陳情もあったことから再許可を出した」と経過を説明。「(審査会の)決定は残念だ」と述べた。今後の対応については「業者側が(建設大臣に)再審査を求めることも法的に保障されており、市が指導する状況にはないと思う」と話し、推移を見守る考えを示した。
 これまで、3月末前後までに決めると表明してきた駅ビルの開発手法については「都市計画を変更する場合は、付随するいろいろな日程がある。すべてはっきりしてから申し上げたい」と言明。「(検討作業は)順調に進んでいる」と強調した。
 また、古都保存法に基づく歴史的風土特別保存地区に指定されている右京区の小倉山でのJR西日本による残土放置問題をめぐる市の方針転換について、田辺市長は、現実的な土砂搬出方法が見いだせないとの考えに立って「やむをえざる処置」と説明。土砂を搬出するという基本的な約束が実行されていない状況を踏まえて、市民の意向にも配慮しながら、JR側と山の復元へ向けた具体策を協議していく考えを示した。(朝日新聞)
10日■豊郷の近江鉄道 踏切で電車と車衝突 同乗の中1生が死亡
 10日午前9時すぎ、滋賀県犬上郡豊郷町四十九院の近江鉄道四十九院踏切で、同郡甲良町長寺、主婦北川千恵子さん(41)の軽乗用車と近江八幡発彦根行き電車(2両編成)が衝突。軽乗用車は大破し、同乗していた長女の奈苗さん(12)=近江兄弟社中学1年=が頭などを打ち約1時間半後に死亡、北川さんも軽いけがを負った。電車の乗客にけがはなかった。
 電車の運転士の話では、遮断機が下りていたにもかかわらず乗用車が踏切に進入したという。彦根署では北川さんの回復をまってくわしく事情を聴く。
 この事故で、後続の電車4本が高宮−愛知川間で不通となり、同鉄道は乗客をタクシ−で搬送したが、午前10時5分に復旧した。
 北川さんは、同中学の新入生を対象に彦根市内の荒神山で開かれるオリエンテーリングに参加する奈苗さんを、集合場所のJR河瀬駅まで送る途中だった。(京都新聞 夕刊)
11日■大阪・神戸市交通局 退職職員に無料パス 大阪5000人超 神戸650人 財政事情火の車だが
 大阪市と神戸市の交通局が、永年勤続の退職職員に、ずべての市営交通機関を無料で利用できる乗車証を配っていることが11日分かった。その数は、大阪市では5000人を超え、神戸市では約650人にのぼる。「長年の苦労をねぎらうための制度」としているが、両市の交通局とも、巨額の累積欠損を抱え、財政事情は火の車。京都市は赤字経営の正常化などを理由に同様の制度を16年前に廃止している。
 大阪市の場合、「永年勤続者乗車券」といい、地下鉄の自動改札を通過できる磁気カード。交通局に15年以上勤めると、退職後3年間もらえる。その後、勤続年数が1年長くなるごとに半年延びて25年以上は終身利用となる。同席は他局との交流が少ないので、ほとんどの職員が終身利用の適用者となっている。
 発行はここ5年間増え続けており、1986年4255人だったのが、90年には5391人にのぼっている。
 神戸市もほぼ同じ内容で、20年以上勤めると、無料パスを4年間出し、勤続期間が2年長くなるごとに1年延ばす。70歳に在ると敬老パスに移行する。91年には約650人に発行している。
 両市は、この無料乗車証発行について、局長が特別の事由があると認めた場合に無料乗車証を発行できるという条例の規定を適用していると説明している。(朝日新聞 夕刊)
15日■JR大阪環状線 ハイテク自動運転化 21世紀初頭めど検討 技術開発に近く着手
 電車の出発から停止まですべての運転業務を事実上、無人化する構想が大阪環状線を対象に、JR西日本で検討されている。都市鉄道の未来像としてハイテク化を進め、「3K」といわれる保守・点検職場を機械によって省力化、21世紀初頭をめどに運転部門でも最新技術を採り入れ、ほとんど人手のかからない「自動運転」を目指す計画だ。近く、「レールウェイ・テクノセンター」(仮称)を設置し、実現に必要な技術開発を始める。「自動運転」は一部の地下鉄などで専入されているが、JRや私鉄の大量輸送機開で検討されるのは初めて。JR東日本でも「今後の都市鉄道の流れをつくる可能性がある」とみている。
 「自動運転」は、現行の幹線で一般的に専入されている「自動列車制御装置」(ATC)よりも一歩進んだ「自動列車運転装置」(ATO)の導入で可能となる。あらかじめコンピューターに時刻表を入力。ブレーキはもちろん、運転の加速や駅での発車、停車の位置決めまで、遠隔操作で自動的に行うシステム。
 運輸省によると、「ATO」はすでに東京、福岡、仙台、札幌市などの一部地下鉄や、神戸市などの新交通システムで採用されている。ほとんどは、乗降の際の安全確認やシステムの保安上、運転士や係員が乗務している。例外的に神戸市の「ポートライナー」「六甲ライナー」では無人運転が始まっている。しかしJRや私鉄は、乗降客数や線区の対象車両数が地下鉄や新交通システムよりも多く、営業距離も長いことから、設備投資額と営業効率を、考えて見合わされてきた。
 JR西日本では、大阪を代表するハイテクのモデル線区として大阪環状線を対象に、今年度から「3K」職場といわれ、労働力不足が予想される保守・点検作業に、省力化技術を計画的に導入。2000年をめどに「3K」従事者を半減させたあと、ATO導入のため、車両約300両の新造や指令室などの設置に向けて本格的に計画を進める。完全な無人運転にするかどうかは、今後の検討結果によるが、「乗客に安心感を与える意味や、乗客の誘導などのため添乗する人は必要と思う」としている。投資額は数百億円の見込み。
 大阪環状線は営業距離22`。ほとんどが高架で、ダイヤパターンが単純なため、モデル線区として実現しやすい条件にある、という。
 一方、JR東日本によると、「ATC」を導入している山手線の場合だと、改めて自動運転のために巨額の投資をするメリットがあるかどうか、判断は難しい、という。
・夢物語でない JR西日本の井沢勝鉄道本部長(常務取蹄役)の話
 安全面など、あくまで利用者に十分理解してもらえるよう研究を重ねるつもりだが、最近できた地下鉄やポートライナーなどを見ればけっして夢物語ではない。いずれ取り組まねはならない課題ならば、むしろ時代をリードして検討を始めることにした。(朝日新聞)
16日■春雷、各地で停電 ビル真っ暗、信号不調に
 15日夜、近畿地方などで落雷を伴う強い雨が降り、大阪市では30分−数分間の停電があり、高層ビルの明かりが消えたり、JR線の信号機が一部使えなくなるなどの影響が出た。関西電力では、送電線など送電施設への落雷が原因としている。大阪管区気象台によると、同日午後7時26分に大規模な落雷を観測したのをはじめ、中−小規模の落雷が激しい雨の中、大阪上空で断続的に続いた。寒冷前線が通過中で、雷が発生しやすい気象状態だったという。
 大阪・キタの大阪駅前第一ビルでは、7時半ごろから約10分にわたり停電。入居している約350の企業や専門学校のオフィスが一時、真っ暗になった。隣接する大阪駅前第2ビル、同第3ビルなどではエスカレーターが短時間ストップするなどの影響が出た。
 また、JR西日本によると、同時刻ごろ、大阪市都島区のJR邑片町駅構内の信号機が約20分間作動しなくなり、手信号に切り換えた。上下4本が最高8分遅れ、約1400人の足が乱れた。JR大阪駅でも一部の場内信号機が約1時間半の間、変わらなくなったが、運行に支障はなかった。
 京都府内でも落雷が相次ぎ、約6400世帯で停電した。関西電力京都支店の調べによると、京都市左京区、南区、西京区と宇治市では午後8時からの約1時間半に、数ヵ所で配電線に雷が落ち停電した。
 兵庫県西宮市でも、午後8時ごろ、阪神電鉄の2ヵ所の踏切が相次いで故障し、遮断機が下りたままになった。社員約10人が出て、午後10時ごろに復旧するまで手動で遮断機を操作した。電車の運行には影響はなかった。西宮署の調べでは、落雷のため遮断機の制御装置の電気系統がショートしたらしい。
 阪神甲子園球場では、大洋−阪神戦が、落雷前後の雨のため6回表で中断、コールドゲームになった。(朝日新聞)
■工事再開のめど立たず 片福線事故
 大阪市福島区の片福連絡線工事現場で起きた陥没事故は、発生から2週間近くたっても、再開のめどが立っておらず、設計・施工の日本鉄道建設公団と事業主の関西高速鉄道は15日、大学関係者も加えた「野田阪神異常出水対策技術委員会」を設けると発表した。原因究明に着手するが、原因調査に先立って実施する現場の水抜きさえ「いつ始められるかわからない状態」(同公団)だといい、あせりの色を見せている。
 3日に事故が起きた現場では掘削穴に今も約1万6000千dの水がたまっている。水位の上昇は6日からほぼ止まっている。しかし、たまった水の重みが地下水の噴出を抑えている可能性もある。同公団は20日に催される対策委の現地調査結果を待って水抜きを始めたいとしているが、さらに地盤強化に迫られる恐れもあるという。
 工事再開の前提である原因究明について、同公団の坂元義人計画部長は「結論は早い時期に出して欲しいが、対策委に任せるしかない。再開時期は全くわからない」と話している。
 委員会は柴田徹・京大教授(土質力学)を委員長に、足立紀尚・京大教授(同)ら学者、大阪市関係者ら12人が参加している。(朝日新聞)
17日■タンゴ新車両 受け渡し式 大阪−久美浜往復
 ゴールデンウイークから、大阪と久美浜を往復する季節臨時特急列車「タンゴ・エクスプローラー」の新車両の受け渡し式が16日、下京区観喜寺町の梅小路蒸気機関車館内で開かれた。
 製作した富士重工業から、北近畿タンゴ鉄道の社長である荒巻知事へ金色の大きなかぎが手渡された。「丹後の女王なので大事に使いたい」と話し、早速、乗り心地を確かめていた。
 タンゴ・エクスプローラーは、3両編成で全席指定。「五感で楽しむ丹後探険の旅」をテーマに設計された。外観、車内とも明るいグレーで統一され、景色を楽しめるように天窓は大きく取ってある。地域を思い起こすような香りのサービスもする。5月2日から4日間の運行が決まっているが、関係者の話では、ほぼ満席だという。(朝日新聞)
■山陽電鉄故障で1万8000人に影響
 17日午前6時55分ごろ、明石氏魚住町中尾出口の山陽電鉄魚住駅で、姫路発阪神大石行き普通電車(4両編成、乗客約100人)発車しようとしたが、動かず立ち往生。乗客を降ろし、後続の電車が4駅先の藤江駅まで後押し運転、側線に運び入れた。この事故で、上り21本が最大約50分遅れ、約1万8000人が影響を受けた。(朝日新聞 夕刊)
18日■近江今津−上中間鉄道建設すれば 京都−小浜55分 経済効果も 調査結果を発表 琵琶湖・若狭リゾート研
 JR湖西線の近江今津駅−同小浜線上中駅間に新しい鉄道の敷設を目指す琵琶湖・若狭リゾートライン研究会(今津町など関係4市町村で組織)は17日、基本調査の結果を発表した。新しい鉄道が実現すると、滋賀県西部と福井県南部が直結し、京都−小浜間の所要時間は55分に短縮。また北近畿観光の再開発など経済的な波及効果も期待され、総工費は242億円と概算している。
 報告によると、新鉄道は単線の電車専用線。ルートは4案を示して検討しているが、4ルートとも距離は約20`。中間駅設置について各ルートは上中町側が熊川駅の1駅だが、今津町側は案ごとに分かれた。
 このなかで報告書は、建設コスト、保守、地域の利便性などの面なり今津町の日置前、角川と熊川の3駅を中間駅としたルートが望ましいとした。
 同ルートはトンネル延長11.1`、高架橋5.4`など。建設費はJR小浜線の上中−小浜駅間の電化を含め概算242億円。
 新線が開通すると、小浜−京都間は敦賀経由に比べると所要時間は55分と現在の半分に短縮できると予測。年間利用者は200万人から300万人を見込み、経営ベースに乗る。沿線への経済的波及効果も大きいとしている。
 福井県遠敷郡上中町の中央公民館で開いた報告会には、4市町村の首長や議員はじめ小浜、湖西両沿線市町村の担当職員ら約150人が出席。委託調査を実施した東京都内のシンクタンクの担当者が調査結果を報告した。
 基本調査の結果を得た同研究会は、本年度中にも建設促進期成同盟会の旗揚げを予定、新鉄道の建設運動は本格化する。
【無琶湖・若狭リゾートライン研究会】今津町と朽木村(滋賀)、小浜市、上中町(福井)の4市町村で昨年7月、結成。新鉄道の建設に向け、基本調査費400万円はじめ会運営費などを拠出し、活動。会長は井ノ口英也・上中町長。(京都新聞)
■地下鉄東西線 史跡変更を承認 文化財保護審が答申 堀川駅工区にゴー
 文化財保護審議会(鈴木勲会長)は17日、京都市が進めている地下鉄東西線堀川駅工区の史跡現状変更を承認、答申した。同工区は二条城南の押小路通の一部で、史跡「二条城」と平安京造営時の神泉苑の遺跡にかかっているものの、工事に先立つ埋蔵物調査結果からオープンカット工法にゴーサインが出たもの。文化庁では近く史跡現状変更許可を下ろす。
 二条城の南に接する押小路通は史跡の指定地域内。市交通局では、平成2年夏から同工区(堀川通を起点に西へ240b)の埋文調査に入り、今年2月着工に伴う史跡現状変更許可の申請を提出。この日の審議会では、同区間で見つかった建物跡などは記録保存とすることで市の方針通り、工事費が少なくて済むオープンカット工法での建設を認めた。
 また審議会では、同工区西の押小路工区(476b)についても協議。文化庁側から、皇族、貴族が遊んだ舟着き場や流路など1200年前の神泉苑遺構や、壬生大路の遺構など貴重な埋蔵文化財が発見されていることも報告された。委員の間で遺構下にパイプを打ち込んで掘るパイプルーフ工法など遺構保存策も話し合われたが、埋文調査が完了した段階で改めて検討することとなった。(京都新聞)
■新幹線 すっきり身近な足 定期利用者がぐーんと増加 新大阪−姫路54% 姫路−岡山51%
 新幹線の定期券利用者の増加が、地方都市から東京など大都市圏へ通う遠距離通勤によるものだけではなく、全国的に地方の中核都市間でも顕著になっていることが、JRなどの資料でわかった。特に東海道新幹線静岡−浜松や、東北新幹線仙台−古川、上越新幹線新潟−長岡、山陽新幹線姫路−岡山は利用者数、伸び率とも
新幹線定期券利用者数の駅間実績
注、%は対前年比の増加率、東北・上越の東京−上野は昨年の東京開業で比較できず
 山陽新幹線東海道新幹線東北新幹線上越新幹線
@小倉−博多1500人(32%)東京−三島1800人(35%)東京−小山990人(--)東京−高崎1140人(--)
A新大阪−姫路410人(54%)東京−小田原1500人(50%)東京−宇都宮770人(--)東京−熊谷1010人(--)
B姫路−岡山340人(51%)東京−新横浜680人(55%)大宮−宇都宮700人(30%)大宮−高崎700人(44%)
C三原−広島290人(27%)静岡−浜松650人(50%)仙台−古川560人(51%)上野−高崎300人(--)
D福山−広島270人(41%)新横浜−三島520人(57%)福島−仙台360人(71%)上野−熊谷250人(--)
 人数は91年10月実績92年2月実績
(注、東海道のみ比較は前年平均と)
際立った数字を示している。JR側は新幹線が高速の遠距離輸送から、遠距離通勤の足へ、さらに地域の身近な高速交通輸送へと多面的な性格を持ち始めた表れとみている。
 最新の駅別資料によると、上位3位は東海道新幹線(91年10月の1日平均の定期券片道利用者数)では、東京−三島、東京−小田原、東京−新横浜の順。東北新幹線(92年2月の1日平均)が東京−小山、東京−宇都宮、大宮−宇都宮。上越新幹線(同)が東京−高崎、東京−熊谷、大宮−高崎。山陽新幹線(91年10月の1日平均)が小倉−博多、新大阪−姫路、姫路−岡山となっている。
 いずれも東京や上野、新横浜、博多、新大阪などの大都市圏と衛星都市を結ぶ区間が上位を占めている。しかし東海道新幹線では、静岡−浜松(4位)、三島−静岡(8位)、静岡−掛川(13位)、小田原−静岡(15位)など東京の衛星都市や地方の中核都市間でも上位に位置する。ほとんどの区間は前年比で5割前後の増加だが、静岡−掛川のように2倍以上増えた区間もあった。
 山陽新幹線でも新大阪を軸とする区間よりも、岡山、姫路、広島などが含まれた区間が上位に入った。
 各新幹線の定期券の発売枚数はこの数年、前年比で30−50%の伸びをみせている。大都市圏での住宅難や一極集中、満員電車の回避、企業による新幹線通勤の奨励などの要因があるらしい。
 しかし、地方の中核都市間での増加については、JR各社とも「原因ははっきりしないが、新幹線の性格そのものが地域の高速通勤・通学の足となり、在来線のような使われ方がされ始めた」とみている。(朝日新聞 夕刊)
■GWの予約 不況で低調 JRなど
 日航、全日空など大阪空港に乗り入れの航空5社とJR西日本は17日、ゴールデンウイーク(25日−5月5日)の予約状況をまとめた。連休が後半に集中したうえ、景気の低迷が響き、JRと航空国内線は昨年同時期より4−5%ダウン、国際線は湾岸戦争で落ち込んだ昨年並みの予約になっている。
 航空5社は、国内線のピークは大阪発が5月2日前後、同着が5日。国際線は出国が5月1日、入国が5日。いずれも前半はまだ予約可能なところが多い。路線別では、グァム・サイパン線やホノルル線、韓国線など会社の慰安旅行に人気の路線が大幅ダウン、空きが目立っている。
 JRも休日の続く5月に予約が集中、新幹線は東京方面への上りが3日から5日、山陽方面への下りが2、3日が満席近くなっている。また、北陸方面に行く特急の「雷鳥」や南紀に向かう特急「くろしお」など比較的近い行楽地行き電車の人気が高く、2、3日の午前はほぼ満員という。(朝日新聞 夕刊)
19日■JR西日本 社長に井手氏昇格
 JR西日本と運輸省は18日、角田達郎社長が会長に就任し、井手正敬副社長が社長に昇格するトップ人事を内定した。村井勉会長は名誉会長に就く。近く閣議の了解を受けたうえで6月末の株主総会後の取締役会で正式に決める。旧国鉄の分割・民営化から丸5年を経過し、役員の改選期を迎えたことから若返りによる新人事体制で株式上場や京都駅ビルの改築、高層化など懸案事業に取り組む。
 井手副社長は、旧国鉄の分割・民営化を強力に推し進め、松田昌士・JR東日本副社長や葛西敬之・JR東海副社長とともに「国鉄改革三人組」とよばれた。JRグループ7社のなかで社長が交代するのは、西日本が初めて。
 JRグループ各社は分割・民営化に伴い、運輸省や旧国鉄出身者を社長にすえる一方、地元財界から会長を迎えることで、官民の協力による経営基盤の強化に努めてきた。JR西日本も、住友銀行出身でマツダの再建を手掛けた村井勉・アサヒビール会長が民営化の陣頭指揮に立ってきた。村井氏が就任予定の名誉会長は、定款を変更して新設する。
 井手 正敬氏(いで・まさたか)東大卒、59年旧国鉄に入り、総裁室秘書課長、総裁室長などを経て87年4月からJR西日本副社長。57歳。(朝日新聞)
20日■JR西日本 社長に井手氏
 西日本旅客鉄道(JR西日本)は19日までに運輸省出身の角田達郎社長の代表取締役会長就任と旧国鉄出身の井手正敬副社長の社長昇格を内定した。村井勉会長(アサヒビール会長)は取締役名誉会長に就任する。6月末の株主総会後の取締役会で正式に決める。
 今回の人事は旧国鉄の分割・民営化により株式会社として新発足して5年が経過、92年3月期決算で株式上場の基準を満たせるめどがつき、役員の改選期を迎えることから経営トップの若返りを図ることにした。JR7社発足以来、社長が交代するのは初めて。
 井手副社長は国鉄時代に、同社の分割・民営化促進で積極派に樹り、松田昌士JR東日本副社長、葛西敬之JR東海副社長ともに「改革三人組」のひとりとしてJRグループ7社発足の原動力として働いた。
 JR西日本の副社長就任後は、住友銀行出身の村井会長の下で、関連事業の強化と財務内容の改善に努めてきた。
 井手 正敬氏(いで・まさたか)東大経卒。昭和34年旧国鉄入社。経営計画室主幹、総裁室秘書課長、再建実施推進本部事務局長などを経て、昭和62年4月からJR西日本副社長就任。57歳。福井県出身。(京都新聞)
■信楽鉄道事故一周忌法要 JR社長出席へ
 信楽高原鉄道事故の犠牲者42人のうち、20人の遺族でつくる「犠牲者遺族の会」(吉崎俊三世話人代表)に対するJR西日本と信楽高原鉄道(SKR)両社の第4回合同説明会が19日、大阪市内で開かれた。両社は、遺族会側の要望に5月14日の一周忌法要には、JR西日本の角田達郎社長ら両社長が出席することを明らかにした。
 法要は午後1時半から同4時まで、滋賀県甲賀郡信楽町の県立陶芸の森ホールで仏式で営まれ、黙とうのあと、両社代表による慰霊の言葉や、遺族の追悼の言葉が予定されている。
 JRの角田社長は昨年6月の合同慰霊祭に出席したあと、遺族説明会には姿を見せず、遺族側は一周忌法要の出席と謝罪を強く求めていた。
 この日の説明会で、遺族側は「JRの社長からはまだ謝罪の言葉を聞いていないので、法要後、直接、会話を交わす機会を設けてほしい」と要望。JR側は「検討したい」と答えた。
 また、事故原因の質疑の中で、遺族側は、JR亀山指令所の「方向優先テコ」導入の経緯について説明を求めたのに対し、JRは「SKRと何度も打ち合わせして決めた」と答えたが、SKR側は「生存している職員や下請け工事会社に確認したものの、知っている者はいなかった」と食い違いを見せた。
 さらに、慰霊碑の建立問題について、両社は現場近くに現場の碑を設けたうえで、慰霊碑を同町内の玉桂寺に建立する方向で話を進めていると述べ、理解を求めた。これに対し遺族側は「慰霊碑は現場近くにあってこそ意味がある」「遺族会の意向を無視している」として、玉桂寺への建立を白紙撤回することを求め、両社は「現場近くに建立できるよう再考し、最善を尽くしたい」とした。(京都新聞)
■信楽事故でJR 無届けで信号変更工事 システムのミス招く?
 死者42人を出した昨年5月14日の信楽高原鉄道列車事故で、JR西日本の列車が同鉄道に乗り入れるのに伴う信号システムの変更工事を、運輸省に無届けで実施していたことが19日、大阪市内で開かれたJR、同鉄道両社の遺族らへの説明会で明らかになった。滋賀県警捜査本部などの調べで、信楽高原鉄道の列車が赤信号を無視して出発したことが事故の直接原因とわかっているが、なぜ赤信号のままになっていたのかはナゾのまま。捜査本部は信号システムをJR西日本と信楽高原鉄道が別々に発注していたことも影響していたのではないかとみて調べている。
 同捜査本部のこれまでの調べでは、事故は赤信号を無視した信楽高原鉄道の列車と、対向のJR西日本の列車が正面衝突した。
 信号システム工事はJR西日本と信楽高原鉄道が別々に分担。JR西日本が貴生川駅側の工事を受け持ち、信楽高原鉄道は小野谷信号所、信楽駅などの工事を受け持った。両社は図面の交換などの打ち合わせをしないまま別々の業者に発注したという。図面段階で見つかるはずの接続の食い違いに気づかないまま工事をし、これが信号トラブルを引き起こす一因になったらしい。
 JR西日本の信号システム変更工事は、それまで単線だった信楽高原鉄道に列車がすれ違いできる待避線(小野谷信号所)を新設するのに伴って追加した工事。その主な工事が「優先てこ」といわれ、列車に遅れが出た場合に、貴生川駅からの下りを優先させて小野谷信号所まで進行させるシステム。JR関西線亀山駅のCTCセンターで操作する。
 鉄道事業法によると、鉄道事業者は鉄道施設を変更しようとするときは運輸大臣に届けなければならないが、JR西日本は届け出をしなかったらしい。JR西日本側は「担当者の引き継ぎが十分でなかったため」としている。捜査本部は業務上過失致死傷の疑いで調べているが、無届けの工事は鉄道事業法にも抵触するとみている。(朝日新聞)
■一周忌慰霊祭にJR社長が出席
 42人の犠牲者を出した信楽高原鉄道列車衝突事故で、JR西日本と信楽高原鉄道会社は19日、20人の犠牲者の遺族で作る「遺族の会」(吉崎俊三世話人代表)に対し第四回説明会を開いた。5月14日に鉄道両社が計画している一周忌合同慰霊祭の進め方などについて話し合われ、JR西日本の角田達郎社長が出席し、遺族中心の進行に配慮することなどが確認された。(朝日新聞)
■列車にはねられ幼い兄弟死亡 JR山陽線
 20日午前9時45分ごろ、広島県大竹市黒川1丁目のJR山陽線玖波−大竹間で、線路内で遊んでいた同市黒川、会社員大井一成さん(37)の長男成太郎ちゃん(3つ)と二男功次郎ちゃん(1つ)が小郡行き普通列車(4両編成)にはねられた。2人は頭などを強打して即死した。
 大竹署の調べでは、現場は大井さん方から約50bの見通しが良い緩い左カーブで、すぐそばを市道が通っている。母親の鶴江さん(35)が家の清掃のため目を離したすきに、2人は現場に行き線路内に入ったらしい。
 近所の人の離しでは、現場周辺には立ち入り禁止のさくなどはなく、ふだんから子供が線路付近で遊んでいたという。(京都新聞 夕刊)
21日■片福線事故 地下水が上昇し噴出 対策委の初会合で確認
 大阪市福島区の片福連絡線工事現場で起きた陥没事故は、地下28−36bの砂れき層に含まれていた地下水が何らかの理由で上昇、地下21b付近で噴出したことが20日、確認された。同日開かれた「野田阪神異常出水対策技術委員会」の初会合の後、委員長の柴田徹・京都大教授が明らかにした。
 柴田委員長はまた「地下水の噴出は止まっている」との判断を示した。しかし、工事再開の前提となる水抜きについては、「原因解明には、その前に、地盤などをさらに詳しく調べる必要がある」と述べ、水抜き作業は5月の連休明けにずれこむとの見解を示した。
 対策委は同日午後、陥没の事故現場を視察したあと大阪市内のホテルで初会合を開き、施工主の日本鉄道建設公団と事業主の関西高速鉄道から事情を聴いた。
 その結果、周囲の地盤調査のデータから、地下28−36bの砂れき層が「自然の状態と比べて、大きく乱れている」ことが判明、この層の地下水が噴出したことが確認できた。(朝日新聞)
■JR人事 東日本・東海は現体制
 JR東日本、東海、西日本の中核3社の社長らが20日、相次いで奥田敬和運輸相を訪ね、6月末で任期の切れる役員人事について会社側の案を説明、運輸相も了承した。この中で、JR西日本は「国鉄改革三人組」の井手正敬副社長が社長に昇格する、分割・民営化後のJRグループで初のトップ交代人事を表明。JR東日本、東海の両社は現体制で臨むことを明らかにした。
 JRグループの貨物、北海道、四国、九州の各社も早ければ今週中に運輸相に人事の報告をする見込みだが、各社とも現体制を維持する方針。
 JR東日本、東海、西日本の3社は、92年度中の株式上場を目標としている。東日本は、元運輸事務次官で「古巣」にきちんと物がいえる住田正二社長のもとで結束。東海も、「三人組」の一人で、やり手だが、まだ51歳と若い葛西敬之副社長が須田寛社長を支える体制が、上場問題などの課題解決にベストと判断した。
 一方、西日本は運輸省OBの角田達郎社長が代表権を持った会長に、アサヒビール会長でもある村井勉会長が取締役相談役名誉会長に就く。さらに新任取締役を11人選任する若返り人事とした。(朝日新聞)
■役員人事案を発表 JR西日本
 JR西日本は20日、6月末で任期が切れる役員のうち運輸大臣の認可が必要な代表権を持つ取締役と監査役合わせて9人の人事案を発表した。
 それによると、社長、会長以外では、代表取締役専務に、伊藤博常務取締役地域開発本部長と、南谷昌二郎常務取締役総合企画本部長が昇任。監査役には、小西陽夫取締役金沢支社長、長尾良次元近畿管区警察局長、深野和夫取締役が新たに就任するはか、古田敬三監査役が引き続き務める。
 運輸相の認可などを経て6月末の株主総会後の取締役会で正式決定する。(朝日新聞)
■顔 「鉄道の復権」に執着 JR西日本社長に内定した 井手正敬さん(57)
 「将に将たる器ではない。私は参謀、黒衣に徹しなければ、と思っていたのに」
 社長の抱負を求められて、こう戸惑ってみせた。だが、松田昌士JR東日本副社長、葛西敬之JR東海副社長とともに「国鉄改革三人組」と呼ばれ、旧国鉄の分割・民営化に手腕を発揮した当然の論功行賞と、周囲は受けとめている。
 国鉄改革当時、旧国鉄の役員は国にこだわり、局長は国有にこだわり、次代の人間は鉄道にこだわったと言われた。この改革によっておよそ10万人の離職者を出したが、「私は当時、局長の立場にありながら鉄道にこだわった。鉄道の復権という国鉄改革の基本をもう一度確認したい」と強調する。
 分割後5年、JR各社間の利害対立も表面化。品川新駅や組合問題を巡ってJR東日本とJR東海は「兄弟げんか」。井手氏はひそかに両社のまとめ役を務めてきたが表舞台に立つことでJRグループの結束を保つのが難しくはならないか。この点を意識してか「電力会社が九つの地域に分割されて五年後に電気事業連合会ができたと聞く。JRグループも結束する仕組みが必要かもしれない」と。
 懸案の株式上場は、92年3月期決算で基準を満たしながら、市場の低迷で実施が危ぶまれている。「相場が冷え込んでいるから大量のJR株などとても吸収できないという意見もあるが、JR株は投資家にとって魅力がある。市場に出してもらえば、逆に市場を活性化する」。自ら公約した民営化後5年とする上場目標にこだわる。
 仕事以外、特に熱心になれる趣味はない。休日も平服で駅を見回る。「豊かな社会に適合できない性格」と自らを戒める。(朝日新聞)
■北陸新幹線 地元案ルートに 運輸省 意向入れ初の変更
 運輸省は21日、北陸新幹線新高岡−金沢間の着工ルートについて、日本鉄道建設公団が提出した技術調査報告書に基づいて、これまでの運輸省案を富山、石川、福井3県が要望していた地元案に変更することを了承した。
 報告書が環境影響評価(環境アセスメント)の面で騒音、地形、地質ともに問題がない、と結論付けたのを受けたもので、新幹線建設で運輸省がいったん認めた着工ルートを地元の意向を入れて改めた初のケース。
 計画、準備中の九州・長崎線、北海道、四国新幹線のルート確定問題にも影響が出そうだ。
 報告書は将来のフル企画路線として、新高岡駅(仮称、富山)から石動(富山)津幡(石川)を経由、金沢に至るまでのルートの地元案について調査結果を取りまとめた。同時にフル企画建設までの暫定整備路線は高岡−石動間は在来のJR北陸本線を活用するなど、北陸3県の希望に沿った内容となっている。
 運輸省によると、暫定整備計画では高岡−石動間は在来線にJR常磐線の「スーパーひたち」型の特急を走らせ、石動−津幡−金沢間はフル企画の路盤を建設し、そこに在来線と同じ鉄道幅の狭軌を敷いてスーパー特急新幹線を走らせる。
 焦点のフル規格開設後の並行在来線の扱いは、石動−津幡間は第3セクターが、津幡−金沢間はJR西日本が運営する、としている。高岡−石動間は地元で調整中。着工は鉄建公団による最終的な環境アセスメント、工事認可申請などの手続きを経て9月ごろの見込み。(京都新聞 夕刊)
■スーパー雷鳥から煙 湖西線、異常なし
 21日午前8時半ごろ、大津市桜野町付近のJR湖西線で、富山発大阪行き特急「スーパー雷鳥12号」(10両編成)の中央武から「煙らしいものが出ている」と、対向の普通電車の運転士からJR西日本輸送指令室に連絡があった。雷鳥は京都市山科区、山科駅に臨時停車して点検。さらに京都駅でも再点検したが異常は見つからず、京都駅を15分遅れで発車した。後続列車への影響はなかった。(京都新聞 夕刊)
22日■地下鉄烏丸線(国際会館・北山間)延伸 事業免許を承認 97年開通へ
 京都市が計画している地下鉄烏丸線国際会館・北山間(2.6km) の事業免許申請が21日の運輸審議会で承認、答申された。1両日中にも免許が下り、1997年4月の開通を目指して事業がスタートする。
 答申された烏丸線の延伸ルートは、現在の北山駅から北山通を東進、途中で北側の山手を抜けて国際会館(左京区大鷺町)に至る。全線地下の複線で、北山駅から約1`東地点に「松ヶ崎駅」(仮称)、終点に「国際会館前」(同)を建設費421億円。同区間の完成によって烏丸線は国際会館・竹田間13.7`になる。延伸区間の1日乗客数は4万7000人、烏丸線全体では27万人(現在19万人)を見込んでいる。(京都新聞)
■今秋にも着工へ 北陸新幹線石動−金沢
 日本鉄道建設公団は21日午前、まだ建設が決まっていない北陸新幹線の高岡(富山)−金沢(石川)間で、並行する在来の北陸線を存続させるために地元自治体からルートの一部を変更する要望が出ていた問題について、「おおむね地元案に沿ったルートで建設は可能だ」との調査報告を井山嗣夫・運輸省鉄道局長に提出した。同省は今後、地元自治体による環境影響評価などを経て、今秋にも石動(いするぎ、富山)−金沢(石川)間で着工する、との見通しを明らかにした。
 東北、九州を含む整備新幹線で、当初案を変更して着工するのは初めて。
 政府・自民党の申し合わせで、整備新幹線を建設する際にはJRの負担を軽減するため、新幹線と並行する在来線をJRの経営から分離することになっている。ところが、富山県などが北陸線の石動駅などの存続を要求。高岡−金沢間の新幹線ルートを石動−金沢間に「暫定的」に短縮し、東海道新幹線などの「フル規格」より小さい「スーパー特急」で走らせることで石動−高岡間の駅を残す案を提案していた。
 鉄建公団は地質調査などの結果から、地元案を一部変更したルートを逆提案。鉄建公団は富山、石川両県と地元住民の意見を聞いて環境影響評価報告書をつくり、運輸省に工事実施計画を提出する。(朝日新聞)
■地下鉄烏丸線 延伸「適当」と運輸審が答申
 京都市が申請していた地下鉄烏丸線延伸の事業免許について、運輸審議会は21日、運輸大臣に対し「適当である」との答申をした。近く免許が下りる見通し。建設費は 421億円が見込まれ、1997年4月に開業の予定。
延伸するのは国際会館−北山間の2.6`。途中に松ケ崎駅を設ける。
 延伸部分の沿線は住宅開発が進む一方、洛北地域への観光客で交通が混雑している。京都市は今年2月に免許を申請していた。(朝日新聞)
■「赤レンガ」憩いの場に 100周年迎えた関西電力蹴上発電所 自然を生かしたイメ・チェン探る あす記念式典
 水力発電発祥の地、関西電力蹴上発電所(左京区)が”満百歳”を迎え、明治時代末の建物が「市民憩いの場」として利用されることになった。同発電所は、東京遷都後の京都の生き残りをかけた「琵琶湖疏水事業」の一環として計画された。発電所の老朽化建物をこんな形で使うのは珍しい。23日には同発電所で百周年記念式典が開かれる。
 1892年に認可された日本初の事業用水力発電所で、京都市営の電気事業として発足した。
 創業当時の施設はないが、1921年の第2期工事で完成した赤レンガ造りの建物は現存。36年、老朽化を理由に発電をやめて廃屋状態になり、52年から京大化学研究所が原子核の研究などに使用。「戦後日本科学の再建現場となった」(同研究所)。3年前に研究棟を宇治市に移転してから再び空き家となり、翌年秋、市が開電に無償譲渡している。
 関電では@京都市中心部で、明治末期の赤レンガ造りの建物は貴重A平安神宮や南禅寺などに近い東山山ろくにあり、敷地内の自然も美しい−などの理由から、単なるPR館でなく、市民の想いの場として再利用することを決定。具体的用途を検討し始めている。
 開電広報部は「当社管内で、発電所敷地内の老朽化施設をこうした形で再利用するのは初めて」という。
 来月2−5日には百周年記念事業として施設を一般開放。百年前の商店街の再現やコンサートを開く。(朝日新聞)
23日■新幹線、風で乱れる
 東海道新幹線は22日午後1時25分ごろ、静岡県沼津市内の線路わきに設置してある風速計が30b以上の強風を記録したため、三島−新富士間で上下線とも運転を中止した。
 その後、風が弱まったため約2時間後の午後3時半、運転を再開したが、上下24本が運休したほか、87本に遅れが発生、約12万人の乗客が影響を受けた。ダイヤは午後9時すぎ、ほぼ正常に戻った。(京都新聞)
■トロッコ人気 後押しだ 亀岡駅舎 盛大にしゅん工式
 口丹波観光の新しい玄関口・トロッコ亀岡駅舎(亀岡市篠町)のしゅん工式が24日、同駅で行われ、嵯峨野観光鉄道、行政関係者ら約100人が出席、ログハウス調の豪華な新駅舎完成を盛大に祝った。
 しゅん工式は、同鉄道開業1周年記念式典と合わせて行われ、荒巻府知事らが「トロッコは今後、100万人規模の観光資源になると思う」と祝辞。谷口亀岡市長が「よい駅舎ができたので、観光客を大切にしたい」とあいさつをした。
 地元の旭太鼓の勇壮な演奏に続き、知事、亀岡市長、角田JR西日本社長、長谷川同観光鉄道社長ら6人が紅白のテープにはさみを入れ、しゅん工を祝福した。
 この後、招待客りを乗せた列車を見送り、同鉄道のますますの人気向上を願った。
 新駅舎は、鉄骨造り2階建て(地上からの高さ12b、横幅40b、奥行き7b)で、外壁やコンコースの床などにスギ材をふんだんに使用。総工費は約1億2000万円。(京都新聞 夕刊)
24日■「のぞみ」ません床下のもれ 新型車両 軽量化がアダ 「話できない」と苦情 最大85ホン 地下鉄なみJR東海対策へ モーター改良/床に吸音板
 3月から東海道新幹線で営業を始めた新型列車「のぞみ」の車内騒音がピーク時で最大85ホンに達し、車内での会話や公衆電話の通話が聞こえにくい事態になっていたことがわかった。騒音の発生源は車両の床下にあるモーターと変圧器(トランス)。JR東海は今月から、すべての「のぞみ」の車両のモーターを改良したり、一部で床を吸音板に張り替えるなど減音対策を進めている。
 騒音が出ているのは、「のぞみ」で使われている300系型列車。3月のダイヤ改定から4編成が導入され、早朝と夜に上下2本ずつ「のぞみ」として運転、「ひかり」の名前でも昼間上下2本運転している。
 速度を上げていくと、1編成16両のほとんどの車両で、「ブーン」という音が響き、座席によっては隣席の乗客間で会話が聞こえないケースや、公衆電話の通話も聞き取れない場合が出た。苦情のため乗客を、騒音の低い席に席替えしたケースもあった。いずれも加速途中に大きくなり、最高速度270`に近づくと逆に、騒音は低くなる。
 JR東海の調査では、騒音は2種類。床下にモーターがある「モーター車」(1編成のうち10両)については、時速180`前後の走行時が最も大きく、「地下鉄並みの騒音」(JR関係者)とされる82−85ホン。また床下にトランスを設置してある「電源車」(1編成のうち5両)は、時速130−230`で新幹線沿線の騒音レベルに当たる最大75ホンの騒音が出ていた。これまでの「ひかり」で使われている100系車両は、75ホン以下だった、という。
 同社で原因を調べたところ、「モーター車」の場合、台車に設置してあるモーターの振動が車体全体と共振し、車内の空気を小刻みに動かす現象が発生、「うなり音」が起きるためらしい。「電源車」はトランス自体から出る音が床下から車内に伝わってくるのが原因と分かった。車体の軽量化を進めたため、「床や壁の材料が結果的に薄くなった面がある」(同社)という。
 同社は今月中旬までに、営業中の4編成のうち、「モーター車」全車両のモーターについて制御回路のソフトを変更して振動の振幅を小さくした結果、車内騒音は最大80ホンにまで下がった。また「電源車」は、一部の車両で床をアルミ製から鉄製の吸音材に張り替え、70ホン以下に抑える対策を進めている。今年秋に導入される300系の新車両も含めて、今後も速度性能を保ったまま床材を張り替えたり、側壁に吸音板を設置することにしている。
 300系車両の導入に当たり、同社は試作車を使ってさまざまな実験をしてきた。しかし、車内騒音については、「試作車の段楷では、車内に積んだ実験機器類の音や空調音が大きく、モーターの振動やトランスの音がこれほどうるさくなるとは気づかなかった」と説明している。(朝日新聞)
25日■神泉苑遺構を一部保存 地下鉄工事 京都市方針 工法変え下支え 近く現状変更を申請
 京都市は、建設を進めている地下鉄東西線の堀川駅工区と押小路工区(いずれも京都市中京区)の事前発掘調査で見つかった平安時代の禁苑「神泉苑」の遺構について、従来計画していたオープンカット工法を部分的に変更、パイプルーフ工法を採用し遺跡を現地保存する方針を25日までに固めた。両工区は国指定史跡「旧二条離宮(二条城)」の範囲にかかっており、文化庁が遺跡の保存を強く求めていた。
 京都市はこの方針を文化庁に示し、史跡の現状変更を近く申請する。許可が下り次第着工、平安建都1200年(1994)の東西線完成を目指す。堀川駅工区のうち神泉苑の遺構から外れた部分については、既に国の文化財保護審議会が現状変更を承認している。
 保存の対象となるのは▽現存する神泉苑の北側で見つかった、舟着き場跡とみられる遺構など池の北岸部分▽西側の壬生大路と神泉苑の間を区画する築地跡−など。現在進めている発掘調査でさらに新たな重要遺構が見つかれば、改めて保存について検討する。
 パイプルーフ工法は、多数のパイプを水平に打ち込んで遺構を下から支え、その下に地下鉄のトンネルを掘り進む方式。地上から掘り進むオープンカット工法とは異なり、遺構を壊さずに保存できる。遺構は埋め戻し、上部は従来通り道路(押小路通)とする。
 また、堀川駅工区のうち既に現状変更が承認された範囲(大宮通以東)で見つかった井戸跡などは移築して保存する。
 史跡内での工事など現状変更に際しては、文化庁の許可が必要とされる。両工区では、京都市の地下鉄建設計画に伴い、平成2年8月から発掘調査、神泉苑の遺構が確認され、保存を求める文化庁に京都市が対応を迫られていた。(京都新聞 夕刊)
■立山黒部に春 アルペンルート開通
 北アルプスに本格的な春の訪れを告げる富山市−長野県大町市間の山岳ルート「立山黒部アルペンルート」が25日、約5ヵ月ぶりに全線開通した。
 この日は快晴。前日降った50aの新雪の除雪も完了し、待ちかねた観光客が集まる中、午前11時すぎから立山・室堂近くの「雪の大谷」で開通式が行われた。
 また同日、黒部峡谷の谷あいを走るトロッコ電車として知られる黒部峡谷鉄道も、宇奈月と欅平(けやきだいら)間20.1`が開通した。(京都新聞 夕刊)
■夕刊ひろば JR奈良線 通勤時の車両増結を
 JR奈良線で木幡から京都まで通勤していますが、帰宅時に乗る午後5時22分の京都発奈良行きは2両しかなく、いつも超満員で困っています。以前から駅員さんらには改善をお願いしていましたが、春のダイヤ改正でもそのままでした。せめてもう1両増やしてもらえないでしょうか。(宇治市、パートタイマー・57)
 問題の電車を見に行きました。確かに始発時点で超満員で、新聞などは全く読めない状態でした。後ろから乗り込もうとした乗客の中には、空いていそうなドアを探してうろうろしたり、あきらめて次の48分発の奈良行き(4両)に乗る人もいました。
 車掌さんに尋ねると「東福寺や稲荷駅から乗る生徒や学生さんらもたくさんいるし、宇治までは確かに込んでいますね。帰宅時間帯の5時台などの電車が2両編成というのは、少し気の毒な気もします」と話していました。
 JR西日本広報室では「ご指摘の電車の利用は京都線、琵琶湖線など他線区の通勤電車に比べて特に混雑が著しいという状況ではありません。今のところ車両の増結計画はありませんが、今後の利用を見ながら検討していきます」との回答でした。
 奈良線では午後6時26分、同7時11分発なども2両編成で運行されています。京都駅では「本社には増結要望を上げてはいるのですが…」といっていますが、記者の印象としても、早く増結してもらいたい気がしました。(京都新聞 夕刊)
■タンカー、山陽線にドスン 山口で防波堤突き破る 寝台特急ヒヤリ
 25日午前5時50分ごろ、山口県玖珂郡大畠町神代の海岸線を走るJR山陽線下り線わきの防波堤に、愛竣県越智郡伯方町木浦の木元菊市さん(53)所有のタンカー「福伸丸」=497d、武次一正船長(52)ら6人乗り組み=が衝突、防波堤を突き破って乗り上げた。
 福伸丸は自力で約30分後に離れたが、線路上にコンクリート片が散乱。42bにわたってレールやまくら木が盛り上がり、下り線は神代−大畠間が不通となり、上り線は徐行運転した。武次船長ら2人が軽傷を負ったが、福伸丸の浸水や油の流出はなかった。
 下り線は同午前10時半に復旧、開通した。
 事故直後、現場付近に東京発熊本行き寝台特急みずほ(乗客約200人)が差しかかっており、車で通りかかった人から通報を受けたJR西日本が無線で同列車に緊急停止を指示、みずほは事故現場の約3`手前で止まり、危うく惨事を免れた。
 柳井署と岩国海上保安署の調べでは、福伸丸が船首からほぼ直角に高さ5b、幅80aのコンクリート、一部石製の防波堤に激突。福伸丸は船首部分がへこんだ。同保安署で武次船長から事情を聴き原因を調べているが、事故当時は晴れで視界は良かったという。
 この事故で、東京発博多行き寝台特急あさかぜ1号の乗客約340人がいったん広島駅に戻り、新幹線で振り替え輸送されるなど、上下計8本が運休、9000人が影響を受けた。現場はJR大畠駅東方約1`で海岸沿いに山陽線と国道188号が通っている。(京都新聞 夕刊)
■洛中洛外
 「'92鉄道フェア」が京都市右京区の京都ファミリーで開かれている。鉄道の歴史や技術の変遷を紹介する催しで、京都市内を走るJRや地下鉄、私鉄の全社が初めて顔をそろえた。
 人気を集めているのは模型の展示。本物の20分の1の電気機関車など精巧な品ばかり。交通科学博物館や各会社、マニアなり秘蔵品を借用した。
 このほか、特急「つばめ」のヘッドマークや、車両の変遷がひと目で分かる写真パネルなど貴重な資料もいっぱい。鉄道クイズなどのイベントもある。「連休を利用して、からりと鉄道の旅に出たいね」と、買い物客も足を止めて話していた。同フェアは26日まで。(京都新聞 夕刊)
■前所長が7000万横領 JR大阪旅行センター
 大阪市北区のJR西日本大阪駅構内にある大阪旅行センターの幸泉勝前所長(53)が、5ヵ月間にわたって売上金7000万円余りを着服していたことが25日、分かった。JR西日本から告訴を受けた大阪府警曽根崎暑は業務上横領の疑いで捜査を始めた。
 同社では昨年11月、大阪府内の四条畷旅行センター社員が新幹線切符の売上金や旅行券など約2200万円余りを横領するなどして逮捕される事件があったばかり。
 幸泉前所長は着服した代金を全く返済しておらず、着服金の使途についても何も話していないという。
 同社は刑事上の処分がはっきりした上で賠償請求などの措置をとりたいとしている。(京都新聞 夕刊)
■ハイテクビルにリスの住む樹林 JR貨物駅利用構想 大阪・梅田れメディアシティ最新像 野獣派的SF空間
 滑らかな曲面を描くハイテク情報ビル、空中庭園、地上にはヘビやイタチ、リスなど小動物がうごめく樹林や湿地−冷たい印象の強い超高層を避け、野獣派的SF空間を大阪・梅田のど真ん中、JR梅田貨物駅(31f)につくる構想を、「メディアシティ・フォーラム」(在阪82社加盟、事務局・財団法人関西情報センター)がこのほど、まとめた。
 同フォーラムは6年前、国鉄の民営化で同駅用地売却案が浮上した際、乱開発を防ぐための公共的なプランづくりをと、在阪放送各局や建設・製鉄・金融保険・公益のトップ企業の話し合いの中から発足した。
 最新案では、ゆとりを求める世相に合わせ、十数棟の建物全体に業務的空間のシンボルと映る超高層から高さを抑え、外面も緩やかな曲線を取り入れる。放送機能が入るシンボル的なツイン・タワーも320bから180bに下げた。さらに硬質感を少しでも和らげるため、小動物が住むブナなどの深い樹林を配置し、人工と自然の奇妙な混交の活力を描いたアンリ・ルソー調の演出となった。公園・広場・道路などのオープンスペースも、39%から48%へと広げた。
 新たに「関西学研プラザ」が登場、光ファイバーで関西文化学術研究都市の情報網に直結する。地下鉄なにわ筋新線の「新梅田駅」も設置、南は難波のJR湊町駅を経て関西新空港へ、北は新幹線・新大阪駅につなぐ。
 手続きとしては共同出資の事業会社を設立。国鉄清算事業団・JR西日本には株主として土地の現物出資を受ける形で用地費を節約したが、建築・造成費はバブル期を経て3倍の1兆円に増えた。運営は官・民からなる財団を設立して行う。
 今後、貨物駅の移転をにらみつつ、国・自治体に働きかけを強め、より完成度の高いデザインへ討議を継続する。(朝日新聞 夕刊)
■タンカーが衝突 護岸の線路浮く 山口の山陽線一時不通
 25日午前5時50分ごろ、山口県玖珂郡大畠町神代の瀬戸内海で、愛媛県越智郡伯方町、木元菊市さん所有のタンカー福伸丸=497d、武次一正船長ら6人乗り組み=が海岸線の護岸に突っ込んだ。コンクリートの護岸堤が壊れ、そばを走るJR山陽線の下り線の線路が浮き上がるなどして不通になった。
 福伸丸は約30分後に自力で離岸し、油もれはなかったが、武次船長(52)と一等機関士が左足を切ったり軽い打撲傷を負った。運休8本を含め上下54本の列車のダイヤが乱れ、通勤、通学客などにも大きな影響が出た。JR側は保線区員を出して復旧作業をし、午前10時半、運転を再開した。
 柳井署やJR西日本広島支社などによると、高さ5bの護岸堤は石積みの上部の波返しコンクリート部分が幅12bにわたってひびが入り、うち2b部分が約3b内側を走る下り線を押し上げ、約40bにわたり、線路とコンクリートまくら木48本が3、40a浮き上がった状態になった。
 現場付近を通りがかり」事故を目撃した人が大畠駅に通報。東京発長崎、熊本行き寝台特急「みずほ」は広島のCTCセンターからの連絡で現場から約3`手前で停車、惨事を免れた。
 「みずほ」や東京発博多行き寝台特急「あさかぜ1号」など下りの特急4本が途中の駅に停車、乗客は新幹線に乗り換えるなどして目的地に向かった。(朝日新聞 夕刊)
■業務上横領で元所長を告訴 JR西日本
 JR西日本は、同社の元大阪旅行センター所長(53)が、新幹線の指定席回数券120冊余りの売り上げ代金約7300万円を着服していたとして、25日までに元所長を懲戒解雇するとともに、業務上横領罪で曽根崎署に告訴した。
 同社によると、元所長は去年の10月から今年2月にかけ、得意先などにエコノミー切符を販売した際、預かった代金(現金)を会社に納めず私的に流用していたという。会社の定期的な経理調査でわかったもので、本人も認めているという。(朝日新聞 夕刊)
26日■タンカーの防波堤衝突 操だミス原因?
 25日朝、山口県玖珂郡大畠町のJR山陽線わきの防波堤に小型タンカー「福伸丸」=497d、武次一正船長(52)=が衝突、下り線が一時普通になった事故で、岩国海上保安署はタンカーの操だミスが原因ではないかとみて、業務上過失往来危険の疑いで武次船長ら乗組員から事情を聴いている。
 これまでの調べでは、午前5時50分ごろ、タンカーが手動操だで大畠瀬戸を通過後、島東洋・一等航海士(53)が北東方向に自動操だをセットしたつもりが、操作を誤ったためそのまま北西に直進。同航海士が間違いに気付き、操だを手動切り替えて回避しようとしたが間に合わなかったという。(京都新聞)
■信楽列車事故 誤出発検知装置 働かず 交通安全研鑑定 人為ミスの疑い
 昨年5月に死者42人を出した信楽高原鉄道(本社・滋賀県信楽町)の列車衝突事故は、単線での正面衝突を避けるために待避線に列車を止めておく「誤出発倹知装置」がいったんは機能したものの、何らかの操作で正常に働かなかったのが直接の原因だったことが25日、運輸省交通安全公害研究所の鑑定で分かった。鑑定を依頼していた滋賀県警捜査本部はこれを受けて、制御機能が失われたのは人為的ミスによるとの疑いを強め、業務上過失致死傷容疑で関係者から事情を聴くことにしている。
 事故は昨年5月14日、信楽高原鉄道の上り列車が出発信号が赤だったのを無視して信楽駅を出発、同鉄道に乗り入れていたJRの下り列車と正面衝突した。
 赤信号で出発しても通常は、駅から約200b先の線路にある誤出発検知装置を列車が踏むことで感知。同駅の制御盤に感知を示すモニターランプがつくとともに、途中の待避線(小野谷信号所)の下り信号を赤にして衝突を避ける仕組みになっている。
 これまでの調べでは、事故の少し前の5月3日にも同じ時間帯に信楽駅の信号が赤固定となり、列車が信号を無視して発車したが、その時は誤出発検知装置が正常に働き、待避線で対向列車が停車していた。事故当日は、検知機能が働いたことを示す制御盤のランプが点灯していたことが確認されている。しかし、待避線の信号はJRの列車が接近した際、赤から青になったことが運転士や乗客の証言でわかっており、検知装置がなぜ停止したかがナゾだった。
 鑑定によると、誤出発検知装置は本来、誤出発を感知した後、簡単には解除できにくくなっている。ところが同鉄道の装置は、様々な信号回路が集中している信楽駅近くの継電機室で操作することができる。しかも、継電機室内にある誤出発検知装置以外の他の操作の影響を受けて機能を失うことがわかった。
 同研究所は、同鉄道には継電機室の作動状況を記録する装置がなかったので、どのような操作で制御機能が失われたかは不明としている。(朝日新聞)
27日■職員証が地下鉄パス? 大阪市交通局外郭団体 指摘受け腕章式に
 大阪市交通局の外郭団体職員が、市営地下鉄を利用する際、団体の職員証を「無料パス」として使っていた疑いのあることが26日、職員の証言などから分かった。外郭団体はこの事実を否定しているが、職員証を不正利用させないように、回収を始めた。職員証は今後、証明書に切り替えるが、5月1日から改札口の出入りはこの身分証を一切使わせず、作業内容を明示した腕章の着用に統一する。
 この団体は財団法人大阪市交通局協力会(大阪市西区、辻礼二理事長)。大阪市営交通機関の回数券、定期券発売、駅構内の売店、広告事業などの業務委託を同市交通局から受けている。約400人いる職員のうち独自の採用職員が約250人で、残りは市の出向職員を含めた市職員OBが約150人。
 同協力会や交通局の職員らの話では、職員が有人改札口で職員証を提示すれは、仕事外でも私服のまま無料で乗車できることを幹部も黙認。このため、4月中旬に「不正使用しないよう」にとの指示を出すまで、ほとんどの職員がこうした方法で地下鉄などを利用していた、という。
 一方、協力会の説明では、かつて職員証を使って市営交通機関に乗車していたが、交通局内で禁止になったのを受けて1984年3月から通勤用の定期券を支給。業務で改札を通過するときは作業の内容を明記した白い腕章を着けることにした。腕章が足らない時など特別な場合に限って職員証を使うことがあるが、駅構内の出入りに限っており、乗車は認めていないとしている。市交通局営業課は「協力会の職員には職員証で改札を通ることも、業務のため便宜上認めている。だが、乗車は認めていない」と話している。
 今村伯ー郎・大阪市交通局協力会常務理事(総務担当)の話 指摘を受けて検討した結果、職員証の更新期も追っていたので、誤った使用をしないよう早めに回収することにした。誤解を受けないよう改札口の通過は腕章に一本化したい。(朝日新聞)
■ハンサム特急 全国をかける
 今、特急列車が新しい。ここ数年JR、私鉄ともに新しい特急を次々走らせ始めた。曲面ガラスを大胆に使うデザイン。窓も大きく、展望を売り物にする。車体の軽量化でスピードアップも。
 なかには同じ名前で、基本設計も同じだが、車体のデザインや車内設備にそれぞれ特徴を出して競い合う例もある。
 かつては日本中どこでも画一的な列車しか見られなかったが、今は個性の時代。さまざまな列車が走る。このゴールデンウイーク、あなたはどれかに乗りますか?(朝日新聞 夕刊)
28日■換気口工事スタート 地下鉄東西線 山科駅建設の第一弾
 地下鉄東西線の山科駅建設の第一弾となる換気口工事が始まり、市が関連プロジェクトとして進めているJR山科駅前再開発事業にも今後、弾みがつきそうだ。
 換気口工事を行っているのは、JR山科駅から南へ約150bの旧山科区自転車駐輪場跡地の一角。地下鉄駅舎の吸排気システムの取り付け口となるもので、2基備えるうちの南側の換気口。今月初旬から工事に着手、ショベルカーがフル稼働しダンプカーなど出入りも多くなっている。工期は3か月で、今年7月に完成予定。
 工事終了後は、事業計画区域内で再開発事業の工事期間中でも営業活動を希望する人のために、3階建ての仮店舗を建設することになっており、市交通局高速鉄道本部では、本年度中にコンコースやプラットホームをオープンカット工法で建設に乗り出すという。(京都新聞)
■国労不採用解決へ動く 労相、調整案作り 方針固める 円満な労使関係条件
 国鉄の分割・民営化の際、北海道、九州を中心にした国労組合員ら1047人が地元JRに不採用になった問題で、永井孝信労相は28日までに、国労執行部が円満な労使関係をつくるなどの条件を確認したことから、JR側と和解に向け本格的な調整案づくりに乗り出す方針を固めた。近く亀井善之運輸相と協議に入る。
 これらの条件は永井労相が国労側に求めていたもので、国労執行部は28日午後開く各ブロックの委員長・書記長会議に諮る。
 JR各社は公式には「解決済み」としており曲折も予想されるが、水面下では永井労相は各社幹部との接触を進めており、水俣病問題や成田空港問題などとともに連立政権の懸案だった不採用問題は、JR発足10年にして大きく動き出す可能性が出てきた。
 関係者によると、永井労相は国労側に調整に乗り出す条件として@円満な労使関係をつくるA一貫して批判してきた国鉄の分割・民営化を認めるB解決時には訴訟や労働委員会への申し立てを取り下げる−などを求め、国労執行部は基本的に受け入れたという。JRの一部には国労問題について「分割・民営化とは関係なく新しく発生した雇用問題」と位置付け、和解に向け努力しようとする動きも出始めている。
 具体的な調整案はこれからだが、「再雇用」を希望す点組合員のうち、女性や体の不自由な人を中心に一部を地元JRで、ほかについても地元以外のJR各社を含め受け入れることになりそうだ。
 また不採用者全員に対し、1990(平成2)年4月に国鉄清算事業団を解雇されてから解決日までの賃金相当額の一部を「解決金」として支払うことも今後の検討課題となっている。
 この問題では昨年7月、当時の亀井静香運輸相がJR7社め社長らを同省に呼び、解決に向けて同省とJR各社、国労などの関係者が話し合いの場を設けることを提案したが、JR東日本を中心とした反対が強く、暗礁に乗り上げた形となっていた。(京都新聞 夕刊)
29日■地下鉄東西線建設予定地 神泉苑は縄文の沼利用 東端確定、幅は246b 平安京造営探る資料に
 平安時代、天皇や貴族が遊んだ平安京の禁苑「神泉苑」の東側を区画する築地の跡が、京都市中京区の押小路通と大宮通の交差点付近の発掘調査で見つかり、京都市埋蔵文化財研究所が28日、発表した。神泉苑の東西の範囲を確定するとともに、築地の構造が通常とは異なることから、平安京の造営プランを考える上でも責重な資料として注目を集めそう。
 地下鉄東西線の建設に先立ち、平成2年8月から路線予定地を発掘調査している。確認したのは神泉苑の東側を通る「東大宮大路」の西築地跡で、押小路通と大宮通の支差点西寄りの地表下1.8bの地点で見つかった。
 築地は平安前期(九世紀)の造営で、基底部の幅が2.5b。東側に四b離れた部分が溝状になっていた。平安京の縦横に巡らされた大路の築地には、側溝との間に「犬走り」と呼ばれる空間が設けられているが、幅は通常約1.5b。今回の築地跡では3倍近くあった。
 文献では、大内裏の四周に築かれた「大宮垣」は、犬走りに更る部分が幅8bもあったと記されている。東大宮大路は大内裏の東側を通り、神泉苑のすぐ北側で大宮垣が築かれる道。同研究所では「犬走りを広くしたのは、大宮垣との関連からか、神泉苑の特殊な性格を示すのかは分からないが、通常とは異なる構造の築地跡が見つかったことは、平安京造営のプランを考える上でも興味深い」としている。
 また、以前の調査で神泉苑の西側を区画する築地跡が確認されており、今回の築地跡の発見で、調査地点での神泉苑の東西幅は約 246bと確定した。文献では252bとされているが、6bの差は西側の築地が門の設置などでこの部分だけ神泉苑側に入り込んでいたとみられる。
 このほか調査では、縄文後期後半(約5000年前)にさかのぼる流路跡やカシ類の流木、平安期にこぶし大の石を敷いて築造した池のみぎわ跡も発見。縄文期からすでにあった沼沢地に平安期に手を加え、禁苑を築いた可能性が強いことも確認された。(京都新聞)
■森の香り乗せ丹後の旅PR 新型エクスプローラー試乗会 車内はゆったり静か 2日デビュー 神戸までお披露目
 ”丹後の女王”、京阪神を快走−。北近畿タンゴ鉄道(KTR)の人気特急「タンゴ・エクスプローラー」の新型車両(3両1編成)試乗会が28日、行われ、JR京都駅から大阪駅を経由して神戸駅の間(往復約152`)を試走。快適な乗り心地と丹後の旅をアピールした。
 ライト・ベージュ・メタリックの上品でシャープな外観の新エクスプローラーに試乗したのは、KTR社長の荒巻禎一京都府知事はじめ井沢勝JR西日本常務、小森幹男阪急電鉄専務、田村百合子さんら京都きものの女王3人、マスコミ関係者など約100人。
 午前10時8分。京都駅6番ホームで、荒巻知事が「イベント列車として楽しんでいただくため、現在の特急車両とともに姉妹仲良く頑張ります」とあいさつ、テープカットして滑り出した。
 車内は、シートの色調が現在のブルーからグレーに統一。照明も時速28`以上にスピードアップすると蛍光灯から温かい白熱灯に切り替わり、一段と落ち着いた雰囲気。
 「おそらく世界で始めて」(KTR)という自慢の「森の香り」が、さっそく車内に漂い、豊かな自然、緑があふれる丹後の旅情を誘う。
 「窓も大きく、空調もいい。シートの間隔が広く、静かで快適ですね」と、新車両のデザインを指導した山口重之京都工芸繊維大教授。
 最高時速120`とJR新快速並みのスピード。上野美保運転士(JR京都電車区)は「加速が抜群にいい」と、快調に飛ばす。通過駅では「オーバー・ザ・レインボー」(虹の彼方に)のメロディーホーンが車外に流れ、プラットホームで電車を待つ人々の熱い視線を浴びていた。
 この新エクスプローラーは29日、JR京都駅(午後3時−5時)と大阪駅(午前11時−午後1時)で一般公開。ゴールデンウイークの来月2日から春の臨時列車としてデビューし、大阪−京都−久美浜間を1日1往復する。(京都新聞)
■JR京都駅改築は現行高さ制限内で 共産党など申し入れ
 共産党府委員と同京都市会議員団は28日、JR京都駅改築計画などについて、JR西日本と京都市に申し入れをした。JRに対しては、住民の合意抜きに計画を進めれば、企業モラルが問われるとして、現行高さ制限内での改築を、京都市に対して 特定街区制度の導入をしないことなどを求めている。
 申し入れは、JR側について「施工業者の内定など改築に必要な都市計画変更を規制事実として作業を進めている」と批判。市については駅の高層、巨大ビル計画撤回の指導→京都駅開発会社からの撤退、などを申し入れた。
 このほかJR西日本には小倉耶麻の残土問題での現状回復も求めている。(朝日新聞)
■大阪の工員を逮捕 列車停止装置にいたずらした容疑
 28日午後6時半ごろ、大阪府泉北郡忠岡南3丁目のJR阪和線久米田北第三踏切の列車停止装置をいたずらで作動させた男をパトロール中の鉄道警察隊員が発見し、軽犯罪法違反で現行犯逮捕した。この影響で上下2本に2−4分の遅れがでた。
 逮捕されたのは大阪府和泉市小田町、工員横田勉容疑者(57)。(朝日新聞)
30日■米列車事故 54人が死傷
 【ニューヨーク29日共同】米バージニア州ニューポートニューズの踏切で29日朝、全国鉄道旅客公社(アムトラック)の6両編成の列車がダンプカーに衝突して脱線、ダンプカーの運転手1人が死亡、列車の乗客ら53人が負傷した。
 列車はニューヨーク行きのコロニアル号で、約100人の乗客を乗せニューポートニューズ駅を出発直後、事故に遭った。(京都新聞 夕刊)
■泰緬鉄道映画 英語版製作へ 市民グループ 作品携え渡豪計画
 第二次大戦中、旧日本軍がアジア人労働者や連合軍捕虜らを動員してタイ−ミャンマー(ビルマ)間に建設した泰緬鉄道を現地調査し、記録映画にまとめた市民グループ「共生舎」(千葉県)が、映画の国際版をつくる準備を進めている。捕虜らが酷使されたオーストラリアで、今回の調査を全国紙に「墓荒らし」扱いされたことから「市民レベルの相互理解が足りない」と痛感。着工からちょうど半世紀にあたる今夏、英語版をもって渡豪し、現地の平和グループなどと語り合う計画だ。
 映画は千葉県柏市の元教員、中村秀樹さん(41)が企画した16_カラー「死の鉄路−残されたものたち」(45分)。旧日本軍の戦争責任を明らかにし、歴史をきちんと伝えようと、8回もタイを訪れて現地調査。アジア各地から工事に連れて来られ、戦後も残った人々らの声を集めた30時間の記録フィルムを編集した。
 ところが、豪州紙オーストラリアンが3月末、現地調査を「墓泥棒」扱い。中村さんが渡豪して抗議し、同紙は事実上の訂正記事を掲載した。この時、タイの鉄道沿線から持ち帰った豪州軍人の認識票を遺族に届けたところ、現地のラジオで「日本で戦争賛任を追及している市民がいる」などと評価され、中村さんと遺族との電話対談が生放送された。現地の平和グループからも「ぜひ豪州でも映画を上映して」と励まされ、国際版をつくることを思い立ったという。
 国際版は英語で吹き込み、連合軍捕虜関係の写真資料やアジア人労働者の証言などを追加して1時間に再編集する予定。中村さんは「泰緬鉄道では連合軍捕虜以上にアジア人労働者の犠牲が大きかった。映画上映で、戦争の悲惨さを認識し、平和への取り組みをお互いに発展させることができれば」と話している。映画の問い合わせは共生舎(0471・76・4666)へ。(朝日新聞 夕刊)
■職員証の無料パス問題 出入り業者も使用か 大阪市営地下鉄
 大阪市の外郭団体「大阪市交通局協力会」に派遣されている出入り業者の従業員が、協力会の職員証を「無料パス」として使っていた疑いのあることが30日、関係者の証言などで分かった。業者側はこの事実を否定しているが、同協力会は「誤解を受けないよう」職員証の回収を始めた。
 業者は、大阪市福島区のA社と阿倍野区のB社の2社。市営地下鉄駅構内にある売店に従業員計約250人を派遣し、販売業務を代行している。身分証明証として協力会の職員証を持っていた。
 関係者の話では、両社が派遣する従業員は定期などの支給を受けておらず、これまで職員証を定期代わりに使用。協力会もこれを黙認していたが、不正使用の指摘を受けて四月下旬から禁止したという。
 これに対し、業者側の説明では、着用が義務付けられている腕章が足りない場合などに限って、職員証で改札を通ることを便宜上認めていたが、乗車については以前から認めていないという。
 A社社長は「派遣店員の交通費は請求に基づき実費を支給している。会社を経ないで売店に直行しており、全員の通勤状況まで把握できない。管理不十分としてしかられても仕方がない」といい、B社側は「通勤手当を出しており、そのような事実は考えられない」と話す。
 八木陽一・大阪市交通局営業課長の話 職員証での乗車は禁止している。状況を確かめ、事実があれば厳しく対処したい。改札の通過は腕章に一本化し、疑惑を招かないよう協力会に指示している。(朝日新聞 夕刊)
■特急など5本遅れる JR紀勢線
 30日午前8時ごろ、和歌山県海南市のJR紀勢線海南駅で、構内の踏切支障報知装置が赤になった。このため、湯浅発和歌山行き普通列車が駅から出発できず、22分遅れた。だれかがいたずらで非常ボタンを押したらしい。後続の新宮発新大阪行き特急「スーパーくろしお2号」が6分遅れるなど、計5本約3000人の足が乱れた。(朝日新聞 夕刊)
■地下鉄駅で電光ニュース 朝日新聞社
 朝日新聞社は5月1日から、大阪市営地下鉄の梅田駅など4ヵ所の主要ターミナル駅で始まっている電光ニュースに3ヵ月おきに1ヵ月間、最新の全国ニュースやスポーツニュース、近畿地方のニュース、天気予報などを配信します。時間は午前7時から午後10時まで。
 地下鉄の電光ニュースは、従来の電光表示盤のほか、10文字3行のブラウン管式が採用されています。これはプラットホームなどで人の流れが停滞するのをさけるため、一目で見られるようにと採用されました。
 また、6月1日から、阪急電鉄の梅田駅など4ヵ所の主要駅でも、朝日新聞ニュースを午前6時から翌日の午前零時までの間、提供します。
 梅田駅以外で配信する駅は、地下鉄は新大阪駅、難波駅、天王寺駅、阪急は三宮駅、西宮北口駅、河原町駅。(朝日新聞 夕刊)