1992(平成4)年2月


1日■KTRが春のダイヤを改正 通勤通学列車を増発(京都)
  ■京都駅ビル開発 都市計画変更 要請へ 市に3日 改築図面など提出(京都)
  ■のぞみ号試乗 親子500組募る JR東海が来月8日(京都)
  ■ドラム缶がゴツン 積み荷、高さ制限柱折る JRのガード(朝日)
  ■「住民投票」に駅ビル無回答(朝日)
  ■3日に起工式 泉北高速延長(朝日)
  ■大雪首都圏マヒ 新幹線、一部徐行で遅れ(京都)
  ■早朝の湖西線 一時ストップ(京都)
  ■新幹線遅れる(朝日)
  ■湖西線は強風で(朝日)
2日■事業計画告示入居決定急ぐ 京都市山科駅前再開発で(京都)
3日■線路転落の男性を救助 叡山駅で高校生(京都)
  ■高1殊勲 線路に落ちた男性抱えてホーム下へ JR叡山駅(朝日)
  ■京都駅ビル 高層化を正式要請 今年度末めど 市の作業本格化(朝日)
4日■時速160`の車両開発 JR東日本が在来線に(京都)
  ■踏切で電車と車接触(京都)
  ■問われる市のお手並み JR京都駅高層化 都市計画変更 開発会社が督促 市は年度末をメドに検討 周辺道路整備も一案(京都)
  ■施工業者内定 京都駅ビル開発(京都)
  ■JR四国も 総連脱退へ(朝日)
  ■神戸市営バス運賃 4月から値上げへ 地下鉄も(朝日)
  ■在来線も200`以上 JR東日本 開発に着手(朝日)
  ■駅周辺の高さ制限緩和要請 市民団体が抗議声明 「都市計画変更許せぬ」(朝日)
  ■踏切事故で電車遅れる 伏見(朝日)
  ■民営化から5年 対立深まるJR 思惑異なる 品川駅構想 労使問題で非難合戦(朝日)
  ■電車ストップ 犯人は新聞紙 JR、信号変わらず(京都)
  ■船に揺られ「のぞみ」東へ 神戸・川崎重工から搬出開始(朝日)
5日■海からのぞみ JR東海 神戸の工場で完成、搬送(京都)
  ■山陽電鉄で脱線 トラックと衝突 2両、数人けが(京都)
  ■駅 身障者には大変です 花園大生が調査 段差のきついスロープ・トイレのボタン押せず・通路の植木鉢が障害に・いたずらされた点字板(京都)
  ■クレーン傾いて 特急などに遅れ JR西岡山駅(朝日)
  ■停電で新幹線遅れ(朝日)
  ■吹田の「阪大病院前」モノレール線申請 大阪高速鉄道(朝日)
  ■泰緬鉄道にタイムカプセル(朝日)
  ■改札機 1台で1人分(朝日)
  ■ハイタッチテクノ 身近な技術のタネ明かし 自動改札機 不正防止へ改良続く 磁気情報量、10倍に(朝日)
6日■京都駅ビル改築で田辺市長 「高さ措置 既に検討中」都市計画変更早期に返答(京都)
  ■新京都駅パネル展 8日から(京都)
  ■山陽電車が脱線 明石の踏切 トラックと衝突 6人けが(京都)
  ■踏切に車突入 線路上を逃げる 京都線・近鉄止める(京都)
  ■脱線、6人が軽傷 山陽電鉄 トラックと衝突 明石の踏切(朝日)
  ■線路の上を乗用車暴走 近鉄京都線(朝日)
  ■山電が復旧(朝日)
7日■第3セクターで労組 岐阜県・長良川鉄道(京都)
  ■「景観守れ」市民大集会 27日京で(京都)
  ■北近畿タンゴ鉄道 新エクスプローラー「森の香り」乗せ5月発車 車内に”におい発生装置” 大阪−京都−久美浜間(京都)
8日■地下街・地下鉄内でもOK 「研究会」が調査報告書 近畿電監局 御池駅(東西線)モデル地区へ(京都)
  ■踏切突入シャットアウト JR東が阻止装置(京都)
  ■「雷鳥」型新特急 7月末に完成へ 湖西線で160`運転(京都)
  ■採用差別でスト設定 国労が拡大中央委(京都)
  ■JR参入でタクシー戦争?(朝日)
  ■アルミボディーのパープルカラー ニュー新幹線デザイン発表(朝日)
  ■地下鉄でもポケベルOK ラジオも聞こえます テスト上々実用化は先(朝日)
  ■山科駅前再開発96年完成めざす 事業計画決定、あすから説明会 ビルや広場を整備 本体着工は来春の予定(朝日)
  ■貨物線も 操車場も なんでも使うユニーク路線(朝日)
  ■新空港アクセス 兵庫からも直通で 交通審答申 陸・海・空多彩に(朝日)
  ■国労、19日から 3波スト計画 「採用差別」解決求め(朝日)
9日■鉄産総連が解散方針 JR脱退労組と新産別組織結成へ(京都)
  ■レールひび割れ 阪急京都線止まる(朝日)
10日■広告の一部に「とばく性」 交通局、情報誌を回収 大阪市(朝日)
  ■天理のJR桜井線踏切 列車と小型バス衝突 2人死亡3人重傷 天理教会送迎用 50bひきずられ JR乗客無事(京都)
  ■新幹線ポイント凍結 米原駅、上り遅れる(京都)
  ■プラスα 古く、高く、遅い山陰線(京都)
  ■全国の駅ターミナル 運輸省が交通弱者対策 施設のやさしさ採点(京都)
  ■ニュースぴっくあっぷ 昔懐かしチンチン電車 そっくりバスの人気上々(京都)
  ■電車とマイクロバス衝突 女性2人が死亡 天理のJR桜井線(朝日)
  ■ポイント故障 新幹線遅れる(朝日)
11日■踏切事故防止でCM JR西日本(京都)
  ■英仏海峡トンネル 開業を延期へ(京都)
  ■自転車 JR丹波口駅前 歩道をギッシリ 駐輪場ガラガラ 地元パトも無視 「正規の場所に置いて」(京都)
  ■駅ビル高層化計画 見直しを申し入れ 市長・知事へ市民団体(朝日)
  ■春の臨時列車 1万5000本増発(朝日)
  ■春の臨時列車 410本走らせる JR福知山支社(朝日)
  ■死者3人に 天理・JR踏切事故(朝日)
15日■リニア新幹線ルート争奪戦(朝日)
16日■サンデーEYE 九条山駅(地下鉄)問題が法廷へ 私有編自由民が訴訟準備 市は一貫して新駅無理(京都)
  ■梅小路蒸気機関車館 ”満20歳”で記念イベント オーケストラ演奏も JRが計画(京都)
  ■京都・小倉山 紅葉の名所に残土3年 JR・搬出メド立たず 住民・約束反故に不満(朝日)
  ■ひと 京都駅ビルは100年後も語り継がれるものに(朝日)
17日■高原鉄道事故 亀山指令所(三重)の優先テコ 信楽駅信号にも影響 県警調べ 設備変更が原因(京都)
  ■信楽鉄道・JR 資料提供せず 列車事故遺族説明会(朝日)
18日■JR京都駅の商業施設 出店へ3条申請 近畿通産局に駅ビル会社(京都)
  ■終電繰り下げ のぞみと接続 近鉄ダイヤ改定(朝日)
  ■JR西労 スト権確立 全員投票へ(朝日)
  ■東部阪神・南北縦断 リニア式地下鉄導入計画 尼崎・伊丹・川西市が調査(朝日)
  ■阪急で信号故障 朝の6本に遅れ(朝日)
19日■特急に接触し養護校生死亡 JR阪和線日根野駅(朝日)
  ■南海踏切では3歳児(朝日)
20日■京都市交通局の本庁舎 移転(九条)本格検討へ(京都)
  ■信楽鉄道事故 早急な解明を 遺族会、県警に要請(京都)
  ■JR東海人事 新幹線京都駅長に伊藤氏を任命(京都)
  ■窓 KTR臨時号 ”定期化”望む 久美浜町・芝野吉実(教員・40)(京都)
  ■「のぞみ」試運転 270`で京都駅へ(京都)
  ■伏見のJR奈良線新駅 運輸省に申請(京都)
  ■JR奈良線 宇治で遅れ センサーにいたずら(京都)
  ■JR、2駅新設申請 奈良線と紀勢線に(朝日)
  ■通学定期割引「差別やめて」 JRに兵庫朝鮮学園(朝日)
21日■京都駅構内旧公安室跡地 「変換ローン」で処分 他2用地は自治体に売却 国鉄清算事業団(京都)
  ■神泉苑遺跡保存へ 地下鉄工法変更を 日本史研か申し入れ(京都)
  ■ニュー新幹線一番列車 「のぞみ」まとめ買い 電算システムで強み JR・「個人優先なのに」 旅行会社・ホテルとセットで再発売(朝日)
  ■旧国鉄用地 京都駅東隣を処分 清算事業団資産処分審が了承 変換ローン方式で(朝日)
  ■神泉苑遺構保存へ 工法変更申し入れ 京都市へ日本史研(朝日)
  ■北近畿タンゴ鉄道 ユニークな駅がずらり 魅力増す「丹後の旅」 ペンションや平安朝風(朝日)
  ■92春闘本番入り 私鉄総連 2万5000円の要求提出 来月下旬 スト構え交渉(京都)
  ■京都市地下鉄 烏丸線延伸を申請(京都)
  ■地下鉄延伸を申請 国際会館まで 2.6` 京都市交通局(朝日)
22日■北へ延びる地下大動脈 烏丸線北山→国際会館 新年度に着工 97年度に全線開通の見通し JR京都駅から27分 通勤・通学の足便利に(朝日)
  ■まとめ買い 足元でも 「のぞみ」一番列車 JR子会社が30席(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
23日■総合設計制度見直し 府建築士会まちづくりで提言 JR京都駅の改築 東海道線を高架に(朝日)
25日■2年で園部−福知山電化 山陰線で知事表明 4年度内に着工 府会本会議(京都)
  ■新空港から直行列車 JR京都駅 国際化へ提言 交流室の設置も(朝日)
  ■車道上に倒れそこへ市バス 会社員ら2人重傷(朝日)
  ■新幹線も69本遅れ(朝日)
26日■新幹線の線路内に男 列車に上り感電、重体(京都)
  ■京都駅に車の地下道 府市協調でと荒巻知事表明 西洞院通を南へ(京都)
  ■新幹線に上り感電 新大阪付近 男性が重体(朝日)
  ■京都駅ビル会社への出資 「妥当」との見解 府議会で知事(朝日)
  ■西洞院通を南北貫通道路に 知事表明 JR線路の地下通して(朝日)
27日■JRなど今夏着工 天王寺ターミナルビル(京都)
  ■天王寺駅の高層ビル計画 ホーム上の地盤に 7年ぶり着工(朝日)
  ■交通局 九条に移転 京都市表明 新築複合ビルに(京都)
  ■'92関西 神戸ポーアイ夕景 未来の足 ライナー不評 車が横行(朝日)
  ■橋げた落下 元請け元部長も送検へ 広島県警 ずさんな管理を追及(朝日)
28日■トロッコ列車 運転再開へ(京都)
  ■市民主人公の町に 京都の高層化 反対大集会に900人(京都)
  ■私鉄集団交渉は9社 京成が13年ぶり復帰(京都)
  ■JR東海労があっせん申請(京都)
  ■視評 JRの真意どこに(京都)
  ■地下鉄・市バス運賃 京都市・神戸市も 運輸審値上げ認める(朝日)
  ■「のぞみ」越す新幹線車両開発スタート(朝日)
  ■嵯峨野 観光トロッコ列車 来月1日に運転再開(朝日)
  ■西梅田再開発へ 高層複合ビル3棟 阪神電鉄 来秋、第1期着工へ(朝日)
  ■記者席 列島から 沿線住民の「のぞみ」は(朝日)
29日■工事責任者ら書類送検 橋げた落下事故 ずさん工事が原因 広島県警(京都)
  ■JR東日本の「スター21」完成 東北・上越新幹線の試験車(京都)
  ■超高速新幹線試験車両が完成 川重・兵庫工場 時速400` まるで戦闘機!(朝日)
  ■関西弁あきまへんか(朝日)



1日■KTRが春のダイヤを改正 通勤通学列車を増発
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)は31日、3月14日から実施する春のダイヤ改正を発表した。丹後と京都を結ぶ人気列車タンゴ・エクスプローラーの区間延長や通勤・通学列車の増車などで、地域ニーズにあったダイヤ化を図っている。
 宮津・宮福線を合わせ乗車率の高い通勤・通学用の列車4本のうち、午前8時3分福知山発宮津行きなど3本が、混雑緩和を図るため1両ずつ増車。さらに午前7時58分宮津発福知山行きが大型車両(104人定員)に変わる。
 運転区間の延長では、1日4本のタンゴ・エクスプローラーのうち現行の午後3時50分久美浜発京都行きの上り列車が、域崎や但馬の観光客を丹後方面に誘引することを狙いに同3時36分豊岡発に。また普通列車では午前7時34分豊岡発福知山行き(宮福線経由)上り列車が、豊岡発同7時32分西舞鶴行きになる。
 大阪−天橋立間を1日1往復走る特急「エーデル丹後」は、天橋立発の時刻を午後3時14分から同4時39分に変更。丹後での滞在時間を少しでも長くして、日帰りツア−の観光客らにもゆっくりと楽しんでもらおうとの狙い。(京都新聞)
■京都駅ビル開発 都市計画変更 要請へ 市に3日 改築図面など提出
 東都駅ビル開発(社長、井手正敏JR西日本副社長)は31日、高さ59.8bのJR京都駅ビル改築計画について、3日に京都市に設計図面と都市計画上の所定の手続きを求める要請書を提出することを決めた。これを受けて市は都市計画の変更手続きを行う方針。
 平安建都1200年記念事業として全面改築が計画されているJR京都駅は、JR西日本、京都府、京都市、京都商工会議所などが出資する京都駅ビル開発が昨年5月、国際的コンペを実施。東京大教授原廣司氏の高さ59.8bの作品(鉄骨鉄解コンクリート造り地下3階、地上16階建て延べ24万6000平方b)に決まった。
 しかし、京都駅周辺地区は都市計画法に基づく京都市の高度地区の指定で建物は高さ31b以下に制限されているため、建設には都市計画の変更手続きが必要で同社は市に手続き協力を要請することにした。市はこれまで「京都駅はモニュメンタルな建物。必要な手続きを踏んで対応する」と協力の姿勢を示し、高層化を認める特定街区などの手法の導入を検討している。
 京都駅ビル開発では今秋の着工、平成6年秋の開業を目指しているため、市は本年度末前後に都市計画の変更手続きを都市計画審議会に諮るとみられる。(京都新聞)
■のぞみ号試乗 親子500組募る JR東海が来月8日
 JR東海は、ニュー新幹線「のぞみ号」の親子無料試乗会を3月8日に催すことにし、試乗希望者を募集している。
 東京−新大阪を2時間半で結ぶ「のぞみ号」が3月1日、デビューするのに先立ち、差式乗会を催すことにした。(A)東京午前6時発新大阪行き(B)新大阪午前9 時24分発東京行き(C)名古屋午前10時26分発東京行き−の3コースがあり、合わせて500組(小学生以下の子供と20歳以上の保護者のペア)1000人を招待する。
 希望者ははがきに希望コース、住所、氏名、電話番号など必要事項こを記入し、〒119-29 京橋郵便局留め、ニュー新幹線親子試乗会係へ申し込めばよい。各コースとも出発駅までの帰りの乗車券と新幹線自由席特急券とまJR東海が負担する。詳細はフリーダイヤル 0120(217)300の試乗会事務局へ。(京都新聞)
■ドラム缶がゴツン 積み荷、高さ制限柱折る JRのガード
 31日午前9時5分ごろ、東山区本町九丁目の市道で、JR東海道線のガードをくぐろうとした大阪市大正区平尾五丁目、山野運送の普通トラック=城戸勇介運転手(19)=の荷台に積んであったドラム缶が、高さ制限を示すガードの鉄製防護工(高さ3.5b)にあたった。防護工は鉄骨の一部が折れ、近くの京阪電鉄のブロック塀も幅約2bにわたって壊れた。また、ガード下に引いてあった電波障害防止用の共同受信ケーブルを切断し、付近の家庭のテレビが一時受信不能となった。けが人はなく、電車のダイヤにも影響はなかった。
 松原署の調べでは、トラックには空のドラム毎約170本が積んであり、最大積載量2.5dを1dオーバーしていた。現場は北行き一方通行で、復旧作業のため約4時間通行止めとなった。(朝日新聞)
■「住民投票」に駅ビル無回答
 JR京都駅の高層化計画をめぐって京都仏教会(会長・東伏見慈洽青蓮院門主)が去年12月、事業主体の京都駅ビル開発会社(社長・井手正敬JR西日本副社長)に申し入れていた住民投票の実施について、同社は回答期限の31日、「申し入れ当日に発表の社長のコメントで当社の意見は既に述べている」として回答しなかった。(朝日新聞)
■3日に起工式 泉北高速延長
 和泉市内で住宅・都市整備公団が開発中のニュータウン「トリヴェール和泉」と堺市の泉北ニュータウンを結ぶ泉北高速鉄道の光明池−和泉中央駅間2.2`の延伸工事の起工式が3日、和泉市池田下町の建設現場であり、95年春の開通を目指し着工される。(朝日新聞)
■大雪首都圏マヒ 新幹線、一部徐行で遅れ
 発達した低気圧の影響で1日朝、東日本から東北の太平洋側を中心に大雪となった。雪はさらに降り続き、多い所では30−50aになる見込みで、強風も吹くため気象庁は低気圧に関する情報を出し注意を呼び掛けた。
 2年ぶりの大雪となった首都圏は1日朝、JRや私鉄で運転中止が相次いだほか、高速道路が通行止めになるなど、交通網がマヒ状態になり、羽田空港発着の空の便も大きく乱れた。
 東海道新幹線は東京−小田原間と、名古屋−米原間で徐行運転を行い、20分前後の遅れが出た。東京、横浜と成田空港を結ぶ成田エクスプレスも始発から運転を中止した。
 日本道路公団によると、首都圏周辺の高速道路は1日午前7時半現在、静岡県以東で速度規制が行われている東名高速を除き、東北、中央、関越、常磐の各自動車道とも1日未明なら相次いで全面通行止めになった。(京都新聞 夕刊)
■早朝の湖西線 一時ストップ
 近畿地方は1日朝、冬型の気圧配置の影響で一部地域で積雪があったほか、強風が観測された。湖国でも、湖西線が、滋賀県滋賀郡志賀町北比良の比良川の風速計が25bを記録したため、午前3時15分から午前5時38分まで比良−近江舞子間で上下線とも運転をストップ。この影響で白馬発神戸行き急行シュプ−ル号など4本が最高1時間22分の遅れとなり、約2000人が影響を受けた。
 一方、湖国の道路は、北陸自動車道下り線の木之本インター敦賀インター間が除雪作業のため、午前11時35分から一時通行止めとなった。(京都新聞 夕刊)
■新幹線遅れる
 東海道新幹線は1日未明からの大雪のため、始発から東京−小田原間と名古屋−米原間で徐行運転、ダイヤが大幅に乱れ、正午までに上下83本が最高57分遅れ、約5万2000人の足に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
■湖西線は強風で
 1日未明から朝にかけ、滋賀県のJR湖西線は25bの強風の影響で、午前3時15分から5時半ごろまで、比良−近江舞子間が不通になった。さらに午前9時ごろまで徐行が続き、計19本の列車が最高1時間22分遅れて、約6300人の足が乱れた。(朝日新聞 夕刊)
2日■事業計画告示入居決定急ぐ 京都市山科駅前再開発で
 京都市は1日、山科駅前地区市街地再開発事業の事業計画を決定、告示した。府知事の認可に基づく実質的な事業着手宣言で、今後、権利変換計画を決め、工事に着手、1995年の完成を目指す。
 この事業は、JR京都駅南口地区に次いで2番目の本格的な市街地再開発。1989年11月に都市計画決定され、これまで用地の一部買収や地権者らとの等価交換交渉などを進め、先月28日、京都府知事の認可が下りた。
 事業計画によると、対象区域はJR山科駅前の約 2.8f。再開発ビル4棟延べ7万7300平方bを建設するほか、交通広場や公園を整備する。総事業費696億円。事業期間は当初よりもずれ込み、1995年9月30日までとなっている。
 市は今後30日以内に地価などの評価決定を行い、その後6ヵ月以内に、現在の土地建物が再開発ビルの、どのフロアと交換するかを決める権利変換計画の決定を行い、本年度中に工事に着手する。
 しかし再開発ビルに入る大型店舗とホテルがまだ決まっていないなど解決すべき課題も多く、市都市建設部の山口巌部長は「早急に大型店舗などの入居を決めて、事業の遅れを取り戻す卓つ最大限努力する」と話している。(京都新聞)
3日■線路転落の男性を救助 叡山駅で高校生
 2日午後7時10分ごろ、大津市坂本三丁目のJR湖西線叡山駅下リホームから中年の男性が約1.6b下の線路に転落、京都発近江舞子行き普通電車が近づいて来たのを見た同市唐崎一丁目、堅田高一年畑島幸一君(16)が線路に飛び下り、男性をかかえてホーム下に入り込んで2人とも無事だった。電車は同駅を10分遅れて発車した。
 大津署の調べでは、男性が所持していた免許証から京都市伏見区に住むAさん(44)とみられ、泥酔状態。ホームで電車を待っているうちに誤って転落したらしい。畑島君が救助に飛び下りた時、電車はホームにさしかかる寸前で、男性が泥酔状態だったことからみても、畑島君の機転がなければ事故は避けられないところだった。(京都新聞)
■高1殊勲 線路に落ちた男性抱えてホーム下へ JR叡山駅
 2日午後7時10分ごろ、大津市坂本二丁目のJR湖西線叡山駅ホームから中年の男性が転落、その直後に京都発近江舞子行き普通電車(4両編成)がホームに入って来た。同市唐崎一丁目、滋賀県立堅田高校1年畑島幸一君(16)が線路に飛び降り、男性を間一髪でホーム下のすき間に引き込み、2人とも無事だった。
 大津署の調べによると、男性は京都市内の会社員(44)で、ホーム中ほどから線路に転落。ホームでは十数人が電車を待っていた。近くにいた同市坂本六丁目、比叡山高校教諭友枝正治さん(58)が「だれか来て」と叫んだ。約30b離れたところにいた畑島君ら5人の堅田高1年生が駆け寄った。電車は約100bのところまで接近。畑島君が線路に飛び降り、うずくまっていた会社員を抱えてホーム下の幅1.5bのすきまに引き込んだ。ホーム上の4人は「止まれ」と叫びながら電車に向かって手を振り、電車は十数b行き過ぎて止まった。畑島君と会社員の2人を他の4人の高校生と駅員らが引き上げ、連係プレーで救った。
 畑島君は手に軽いけが。会社員はかなり酔っていた。友枝教論は「電車が迫ったので、もうだめかと思った。もう少し遅かったら、あの高校生もはねられていたかもしれない」と、ほっとしていた。
 畑島君は「電車が近づいてきたので怖かったが、見ているだけではいけないと思った。電車が目の前を通り過ぎる時間が、すごく長く感じられた」。母親の幸子さん(49)は「ふだんから人のためになることをしなさいと言ってきました。とっさに良いことが出来てうれしい」と話していた。
 電車は5分遅れで同駅を発車した。(朝日新聞)
■京都駅ビル 高層化を正式要請 今年度末めど 市の作業本格化
 JR京都駅を、京都市の高さ規制(31b)を大幅に上回る59.8bに改築する計画を進めている京都駅ビル開発会社(社長、井手正敬・JR西日本副社長)は3日、初めて同市に計画書を提出し、都市計画上の手続きを進めるよう要請した。同市は昨年5月の国際コンペ(設計競技)で選ばれた設計案を基に、今年度末までに結論を出すことを目標に、高さ問題や駅周辺整備のあり方などを検討しており、今回の計画書提出により、市の作業が本格化する。
 同社はこれまで、コンペで選ばれた原広司・東大教授の作品について、構造や防災面から検討し、内部のレイアウトなどの具体化に力を注いできた。計画内容がほぼ整理できたため、市に正式要請した。
 計画によると、新駅ビルは地上16階地下3階、延べ24万6000平方b。このうち駅舎部分は約1万2000平方b。ほかにJR西日本直営のホテル(延べ7万7000平方b、約670室)と「ジェイアール西日本伊勢丹」百貨店を核にした商業施設(10万4000平万b)、劇場ホール、映画館などを含む文化施設(9500平方b)を配置する。
 総事業費は1000億円。今秋に着工、平安建都1200年にあたる1994年末までに完成させる予定。
 同市は新しい駅ビルについて、特例として高さ規制を緩和する方針を表明している。その手法として、東京・新宿副都心などで使われた特定街区制度など数案を検討しているが、いずれにしても都市計画の変更は避けられない見通し。
 しかし、地元の弁護士会や市民団体、京都仏教会などは、規制緩和に強く反発している。とくに新駅ビルのスペースの多くがホテルや商業施設などで占められるため、駅の公共性を名分にした規制緩和がどうなるかは未知数だ。(朝日新聞 夕刊)
4日■時速160`の車両開発 JR東日本が在来線に
 JR東日本は3日、最高時速200`以上、営業速度160`を目指す在来線用高速試験電車「TRY-Z」を開発することを決めた。現行在来線特急の最高営業速度130`を30`上回る性能で、実用化されれば列車での旅がさらにスピードアップされる。
 現在、内部で技術的問題などを詰めており、夏にはメーカーに発注、来年秋完成の予定。その後、平成7年度まで走行試験などを実施、このデータを基に実用車両を開発していく。
 「TRY-Z」は3両編成で、長さは約60b。先頭をくさび形にし、空気抵航を減らす。スピードアップと車輪からの騒音を低減するため、車体の重量は約24dと現行特急「スーパーひたち」より40%近く軽くなる。(京都新聞)
■踏切で電車と車接触
 3日午前11時50分ごろ、京都市伏見区深草祓川町のJR奈良線祓川踏切(警報機、遮断機付き)で、宇治市天神台一丁目、会社員造田清美さん(21)の乗用車の後部が、京都発奈良行き快速電車と接触した。車はバンパーがへこみ、造田さんは指に軽いけが。
 伏見署の調べでは、現場は伏見稲荷大社の裏参道で、この日は節分祭の豆まきで参拝客の車の渋滞が続いていた。造田さんの車が踏切に入った後に警報機が鳴ったが、渋滞で前に進めなかったらしい。
 同電車は現揚に約5分停車、後続の上下6本が2−5分遅れ、1200人の足に影響が出た。(京都新聞)
■問われる市のお手並み JR京都駅高層化 都市計画変更 開発会社が督促 市は年度末をメドに検討 周辺道路整備も一案
 JR西日本と京都駅ビル開発会社が3日、JR京都駅ビル改築に必要な都市計画変更を京都市に要望した。開発会社は、平安建都1200年にあたる平成6年開業をにらみ、今秋着工を目指している。しかし、改築計画は高さ59.8b、現行の31b規制を大幅に上回る。高さ・景観論議が高まる中で、市はいかに市民の理解を待つつ、都市計画変更の手法を見いだすのか。
 「都市計画上の措置をぜひよろしく」。市都市計画局を訪ねた開発会社の谷口紀久取締役は、詳しい構造計画図や駅周辺の地域図、土地利用概況図などを示して、都市計画変更を求める声に力を込めた。応対した竹沢忠義都市計画局長は「慎重に検討したい」「まだまだ時間がかかるが、本年度末をメドに手法を考えたい」と慎重にことばを選んだ。
 この日の要望は、平成6年の開業目標まで2年と迫ったタイムスケジュールの中で、早期着工を目指す同開発会社が、市に都市計画変更の手法を早急に決定するよう”督促”したもの。駅周辺は都市計画法の第5種高度地区で、建物の高さは31bまで。昨年5月に行った改築設計コンペ最優秀作品の59.8bとするためには、都市計画決定の変更手続きがどうしても欠かせないからだ。
・容積率緩和認めず
 開発会社がこの日提示した「京都駅改築計画」は、コンペ最優秀の原広司氏の作品をもとに、あくまで開発会社側の考え方をまとめたものだが、内容は今後の実施設計の「核」となる。
 駅、広場・通路、コンベンション・ホテル、商業施設、文化、駐車場の六機能を備えた複合機能型ターミナルとし、関西新空港と京都駅間に専用列車を走らせるためのホームや旅券事務所の開設、同駅南北自由通路の整備、うるおい空間やイベントひろば、文化施設の建設などを計画している。
 敷地は約3万8000平方b、延べ約24万平方b。各機能別の床面積は明示していないものの「高さ、外観はもちろん、内部も原氏の設計案と基本的に変わっていない」(京都駅ビル開発会社)。
 市は、この計画について「修正すべき点があれば指導する」が、チェックポイントの一つは、この計画が現行の容積率(商業地域600%、一部400%)をオーバーしていないかどうか。
 市は、京都駅改築を「平安建都1200年のモニュメント。京都発展のための大きな事業」と位置づけ、現行規制緩和の姿勢を示しているが、現行容積率の緩和は認めない方針。容積率に加算されない公開的な空地や一部駐車場スペースをチェックして容積率の範囲内かを調べ、超えることがあれば修正を求める方針。
・5つの緩和手法
 高さ規制の具体的な緩和策としては、特定街区の指定など、おおよそ5通り。
 特定街区は、一定の幅員の道路を周辺に持つ街区内で高層化が可能になるもので、新宿副都心などで適用例がある。京都駅の場合は、周辺の道路整備が必要。
 高度地区の変更によるのも一方法。現行の31b規制を1ランク緩和して45b規制とし、これに総合設計制度を適用すれば60bまで可能。このほか、高度地区計画の「市長が(建築審査会の同意を得て)周辺の環境上支障がないと認めて許可したものは高度制限しなくてもよい」との市長の特例許可や、周辺地域も含めた一体的整備を目指す地区計画の指定、総合設計制度の緩和などがある。
 市では、これらの手法を中心に検討を重ねているが「あくまでデザイン重視を基本に、どんな手法が妥当かを煮詰める」(小山選一都市計画部長)。3月末前後に市の方針が示されれば、正式に関発会社から都市計画変更に伴う申請を受け、都市計画審議会に諮る。
 市は京都駅改築を1200年記念事業と位置づけ、都市計画変更を特別扱いとして他地域に波及させない方針だ。しかし「コンペの結果に合わせて都市計画を変更するのは都市計画法の精神に反する」との指摘もある。「のっぽビル反対市民連合」(西山夘三代表)もこの日「都市計画変更は都市計画法に違反する」との航議声明を発表した。京都駅を巡る論議は今後さらに白熱化しそうだ。(京都新聞)
■施工業者内定 京都駅ビル開発
 京都駅ビル開発(社長井手正敬JR西日本副社長)は、このほどJR京都駅ビル改築計画を施工する建設業者の応募を縮め切ったが、大林組など5社で構成する1共同企業体の応募しかなく、施工業者にほぼ内定した。
 同企業体は大林組のほか、鉄建建設、大鉄工業、フルーア・ダニエル・ジャパン、公成建設の5社。同改築事業は日米建設協議で外国企業に門戸開放する対象事業に指定されており、米国系のフルーア社が含まれた。建設費などの条件面で合意すれば、市の都市計画手続きの状況も踏まえ本年度末から新年度早期にかけて同企業体と契約する方針。(京都新聞)
■JR四国も 総連脱退へ
 JR総連から傘下の西日本労組など3単組が脱退、分裂する中で、JR四国労組の乾徳夫委員長は3日、高松市内で記者会見し「四国労組も執行委員会で脱退する方針を決めた」と発表した。3月7日に予定している臨時大会で正式に決めるという。
 同委員長によると、理由は、@労使協調路線をとってきた総連は、労使対決に姿勢を変質させ、四国労組が堅持している協調路線と大きな隔たりがあるA総連は特定の単組に財政支援をしている−など4点。
 これに対し、JR総連側は「総連は結成以来、協調も対決もあっていいという姿勢を貫いており、変わっていない」としている。(朝日新聞)
■神戸市営バス運賃 4月から値上げへ 地下鉄も
 神戸市議会は3日の臨時議会で、神戸市営のバスと地下鉄運賃をそれぞれ20円ずつ値上げする条例改正案を可決した。この中には、これまで転嫁されていなかった消費税も上乗せされている。運輸省の認可を得て4月から実施される。
 市営バスは均一区間運賃が200円(現行180円)、市営地下鉄は3`までの初乗り運賃が180円(同160円)になる。同市営バス、地下鉄の値上げは88年10月以来。(朝日新聞)
■在来線も200`以上 JR東日本 開発に着手
 JR東日本は在来線でも最高速度200`以上の運転が可能な試験車両の開発に着手することを決め、3日、発表した。来年秋に車両を完成させ、1996年まで実験を重ねる。JR中央線に在来型の新型新幹線を導入する構想など、21世紀の在来線高速化に役立てる方針だ。
 これまでの営業最高速度140`、実験の最高速度179.5`を更新し、最終的には南アフリカ国鉄が78年に記録した狭軌レール幅での世界最高記録245`を超えるのが狙い。
 速度アップをはかるため、先頭車両は空気抵抗が少ない流線形にする。(朝日新聞)
■駅周辺の高さ制限緩和要請 市民団体が抗議声明 「都市計画変更許せぬ」
 「京都ホテルとJR京都駅の高層化に反対する市民連合」(代表、西山夘三・京大名誉教授)は3日、京都駅ビル開発会社(社長、井手正敬・JR西日本副社長)が京都市に、駅周辺の高さ規制の緩和に向けて都市計画上の措置をとるよう要請したことについて、抗議声明を発表した。
 声明では、高度地区などの都市計画は、歴史都市京都の特質に合わせて一体的、総合的に定めるべきだとしたうえで、高さ規制を無視して進められた設計競技は都市計画法上違法であり、特定の建築物のための都市計画の変更も法的に許されないとして、要請を撤回するよう求めている。同時に、田辺市長に対しては、申し入れを受け入れないよう要求している。(朝日新聞)
■踏切事故で電車遅れる 伏見
 3日午前11時45分ごろ、伏見区深草祓(はらい)川町のJR奈良線祓川踏切で、宇治市天神台一丁目、会社員造田清美さん(21)の乗用車が京都発奈良行き快速電車=4両編成、乗客約250人=に接触した。電車は現場に約5分止まって運転を再開したが、この事故で上下6本が最高5分遅れ、約1200人の足に影響した。造田さんは左手などに軽いけが。
 伏見署の調べでは、踏切の出口が渋滞しているのに、造田さんが無理に入ったため、踏切から抜け出せず、車の後部が接触したという。(朝日新聞)
■民営化から5年 対立深まるJR 思惑異なる 品川駅構想 労使問題で非難合戦
 国鉄が分割、民営化されてからこの4月で満5年。各社独自のサービスを競い合う半面、JR東日本、東海、西日本の3社間の「対立」も目立っている。中でも東海道新幹線の品川駅乗り入れ問題を巡る東日本と東海の衝突、労使問題についての3社の非難合戦は深刻。各社のトップ人事や、1992年度に目指している株式上場にも影響を及ぼしそうだ。
 《品川新駅構想》 JR東海が「限界にきている東海道新幹線の輸送力を増強するには、東京・品川に新駅と車両基地を建設するしかない」と、品川乗り入れ構想を打ち上げたのは1990年5月。これに「地主」のJR東日本が「事前に相談がなかった」と猛反発。運輸省が東海道新幹線輸送力問題懇談会(座長・岡田清成城大学教授)を設置し、議論し直すことを持ちかけたが、東日本の住田正二社長はかえって態度を硬化させた。
 しかし、東海は最近、再び運輸省に「品川乗り入れ」を要望した。乗り入れ必要論に傾いている同省は、鉄道局幹部らが直々、調整に動き出したが、依然、険悪なムードが続いている。
 《昨日の友は》 東日本の松田昌士、東海の葛西敬之、西日本の井手正敬の各副社長は、いずれも旧国鉄出身。国鉄内の分割反対派を説き伏せ、民営・分割化の原動力となり、「改革3人組」と呼ばれた。
 その3人が、ほとんど顔もあわせず、口もきかなくなった、という。原因は労使間題とされる。
 西日本、東海、九州のJR3社で昨年5月以降、労組から旧勤労系のメンバーらが分離した。上部団体であるJR総連が、各労組のスト指令権を総連に委譲する論議を起こしたのがきっかけだったという。
 総連には、元動労委員長の松崎明JR東日本労組委員長が強い影響力を持つ。また、総連の主要役員は旧勤労出身者で占められている。そうした総連への「権力集中」の動きに、西日本など3社は、かつて大規模ストを連発した「鬼の動労」のイメージをだぶらせて警戒心を強める。
 これに対し、東日本は分割・民営化への協力を得て以来、旧動労系に信頼感を示し、住田社長や松田副社長らは松崎明委員長との「蜜月(みつげつ)関係」を隠さない。
 その結果、双方が「こちらの労使関係こそ正常だ」と主張し、非難合戦まで行われているのだ。
 《連帯は?》 加藤寛慶大教授は「国鉄として一つにまとまっていた時代には、品川乗り入れ問題のような対立は起こり得なかった。ただ、分割しても、他社との『連帯』はできるはずだ。いってみれば揺籃期(ようらんき)の産物ですよ」と楽観的だ。
 たしかに連帯の動きもある。例えば、東海は3月から東海道新幹線で「東京−新大阪間を2時間半」を売り物に運行する「のぞみ」を、西日本の要求に応じ、93年に山陽新幹線に乗り入れて博多まで延長することをほぼ囲めた。ただ、水面下では、東海が決めた「のぞみ」の特急料金について西日本が「高すぎる」と反発するなど、まだ「仲直り」は遠そうだ。(朝日新聞)
■電車ストップ 犯人は新聞紙 JR、信号変わらず
 4日午前8時半ごろ、兵庫県伊丹市北伊丹のJR福知山線北伊丹駅で、新三田発大阪行き上り普通電車が発車しようとした際、上り出発信号機と下り場内信号機が赤のまま変わらず出発できなくなった。駅員が調べたところ、同駅構内南側の踏切に設置されている障害物検知装置の受光器に新聞紙が覆う格好でくっつき、障害物検知装置が作動したためと分かった。
 同電車が23分遅れで出発したのをはじめ、上り特急北近畿2号の34分遅れを最高に上下13本が遅れ2本が部分運休、乗客約7000人に影響した。(京都新聞 夕刊)
■船に揺られ「のぞみ」東へ 神戸・川崎重工から搬出開始
 新大阪−東京間を2時間半で結ぶ東海道新幹線「のぞみ号」は3月14日から営業運転に入るが、川崎重工業兵庫工場(神戸市兵庫区)で製造された車両の搬出作業が4日朝から始まった。
 1日に2−4両ずつ工場から運びだし、運河で待つはしけに移し、翌日、神戸港で待機する貨物船に積み替えて東京・大井埠頭近くにあるJR東海の車両基地まで運ぶ。足かけ5日の旅だ。
 初日の4日は、先頭から4両目までの車両をはしけに移す。1編成16両が東京で顔をそろえるのは2週間ほど先になる。
 この日午前10時半から、流線形の「顔」をした先頭車両をクレーンで釣り上げ、運河のはしけへ移す作業が始まった。重さが23dあるうえ、ハイテクの塊とあって作業は慎重そのもの。約1時間かけ、やっと積み込んだ。
 「のぞみ」の営業運転は当初は早朝と夜、上下各2本ずつ。日立製作所笠戸工場(山口県)で造った1編成は先月搬入が終わり、日本車両製造豊川工場(愛知県)製の車両は現在順次運び込まれている。これに川重の1編成を加え、3編成48両の搬入が完了する。東京−三島間の営業路線で走行実験を繰り返し、本番に備える。(朝日新聞 夕刊)
5日■海からのぞみ JR東海 神戸の工場で完成、搬送
 3月から東京−新大阪間を2時間半で結ぶ、JR東海の新型新幹線「のぞみ」の車両が神戸市兵庫区の川崎重工業兵庫工場で完成、東京・品川車両基地への海上輸送が4日から始まった。16両を5回に分けて運び、20日までに到着の予定。
 この日は真っ白に輝く先頭からの4両を1両ずつ大型クレーンでつり上げ、1時間がかりで慎重にはしけに積み込んだ。
 「のぞみ」は東海道、山陽新幹線では初のアルミボディーを採用して軽量、高速化。最高時速は、「ひかり」の220`に対し270`に達する。3月14日から上下各2本が運転開始の予定。(京都新聞)
■山陽電鉄で脱線 トラックと衝突 2両、数人けが
 5日午後零時26分ごろ、兵庫県明石市二見町の山陽電鉄東二見−播磨町駅間の踏切で、新開地発姫路行き普通電車がトラックと衝突、4両編成のうち2両が脱線した。数人が重軽傷を負った。
 明石市消防局によると、7人が病院に運ばれ、うち2人が重傷。(京都新聞 夕刊)
■駅 身障者には大変です 花園大生が調査 段差のきついスロープ・トイレのボタン押せず・通路の植木鉢が障害に・いたずらされた点字板
 身体障害者の視点から日ごろ利用している交通機関の設備を見直そうと、花園大(京都市中京区)の学生たちがJRなどの各駅を踏査し、報告書をまとめた。全盲や車いすの学生も加わり点検したが、車いすでは高すぎる押しボタンや狭い身障者トイレ、急なスロープ、壊れた点字板…。健常者の学友らは「ふだん意識しないで乗っていたが、障害のある人には駅がこんなに不便とは…」とびっくり。
 調査したのは、「社会教育課題研究」(笹山忠則講師)を受講する4年生ら22人。全盲など障害者4人も参加しており、通学に使っている交通機関を身障者の立場でチェックする「障害者と交通機関」を研究テーマに選んだ。
 JR、阪急、京都市地下鉄の3グループに分かれ、昨春から調査に着手。夏休みを中心にJR京都駅など京都、大阪の15駅のホームや階段、トイレなど調べた。車いすで参加したJR担当の女子学生は「設備はあっても、後から無理やり作ったからトイレは狭いし、スロープは急」と指摘。同行の仲間も「確かに車いすの高さでは、トイレの自動ドアのボタンも押せない」「この段差はお年寄りにも大変」とうなずいた。
 地下鉄はエレベーター設置など比較的工夫してあるが、「通路の植木鉢は目の不自由な人には障害物」「いたずらされた点字板があった」。阪急も急な階段やスロープが気になった。
 実態調査のあと、各グループごとに討議したが、「大改造が無理なら、せめて細かいところから直してほしい」「いかに不便かよくわかった。障害者の立場を理解すれば、手を貸したり席を譲ったりスマートにできるはず」。討議結果も含めた報告書を鉄道各社や自治体、福祉団体へ送ったところ、感想が相次いで寄せられ、反響を呼んでいる。(京都新聞 夕刊)
■クレーン傾いて 特急などに遅れ JR西岡山駅
 5日午前3時20分ごろ、岡山市北長瀬町一丁目のJR西岡山駅の構内で、こ線橋の取り付け作業のため、橋げたをつっていたクレーン車(160d)が傾き、山陽線上り線の架線(高さ約5b)に触れそうになった。このため、JR西日本広島工事事務所が上り線の送電を止めたまま、午前7時ごろまで復旧作業にあたり、都城発新大阪行きの上り寝台特急「彗星」が2時間遅れたのを最高に上下26本が2時間から10分遅れた。
 JR西日本岡山支社の調べでは、こ線橋工事は県道工事の一環で、この日は、列車が通らない午前3時7分から午前4時35分の間に、上下線を停電させ、クレーン車で長さ約21b、幅4b、重さ22.2dの鉄製の橋げたを高さ6.2bの所に設置しようとしていた。クレーン車が橋げたを支えきれずに傾いたらしい。(朝日新聞 夕刊)
■停電で新幹線遅れ
 5日午前10時20分ごろ、東海道新幹線三河安城−岐阜羽島間で上下線とも停電があり、列車が15分間ストップした。この影響で新大阪発東京行き「ひかり224号」が13分遅れたのを最高に、上下19本に遅れが出て約1万6000人の足が乱れた。(朝日新聞 夕刊)
■吹田の「阪大病院前」モノレール線申請 大阪高速鉄道
 大阪中央環状線沿いにモノレールを建設している大阪高速鉄道(西村壮一社長)は5日、吹田市に来年移転予定の大阪大学付属病院前と万博記念公園を結ぶ2.6`の路線について、運輸事業特許を運輸、建設両省へ申請した。
 申請によると、現在運行中の大阪モノレールの万博記念公園駅(吹田市)から北へ複線のモノレール軌道を延ばし、万博公園東口駅と大阪大学病院前駅の2駅(いずれも仮称)を設ける。建設費は約222億円。1日当たり1万1000人の利用者を見込んでいる。来年春着工し、97年春の開業を目指す。
 一方、来年春に開通を見込んでいた千里中央−大阪国際空港間(6.8`)は、開通延期が決定的になった。
豊中市蛍池地区でルート変更を求める地元住民の反対運動が続いて用地買収が遅れ、昨年末時点で約6割の用地が未買収になっている。(朝日新聞 夕刊)
■泰緬鉄道にタイムカプセル
 【ヘルファイア峠(タイ)4日=ロイター、AP】旧日本軍がタイとビルマ(現ミャンマー)間に建設した泰緬(たいめん)鉄道にちなんで名付けられたタイのヘルフアイア峠で4日、日本軍の捕虜として過酷な鉄道建設に当たった連合軍の退役軍人ら約30人が50周年を記念して再会、当時から100年後に当たる2042年に開封予定のタイムカプセルを埋め込んだ。このカプセルには、ブッシュ米大統領からの「国際政治の最近の激変が明るい未来をもたらすことを望んでいる」との書簡が封入されているほか旧連合国の首相らのメッセージも入っている。
 カプセルの埋められた場所は、米映画「戦場にかける橋」で有名なクワイ川の橋から北東80`の地点。(朝日新聞 夕刊)
■改札機 1台で1人分
 会社への行き帰り。自動改札機を通るたびに、定期入れから定期券を出すのがわずらわしい。うっかりテレホンカードを入れて警報音が鳴ったことも。改札機を1126台設置している大阪市交通局には、「自分のと間違えて他人の定期券を持って来た」という届け出が月20件ほどある。
 機種によって違うが、1台6、700万円。それで、約1人分の省力化ができるそうだ。阪急電鉄が25年前、全国に先駆けて導入した自動改札機は、「じゃまくさいな」という一部のぼやきをよそに、いまや全国の有人駅の20%近くまで普及した。その仕組みは−。(朝日新聞 夕刊)
■ハイタッチテクノ 身近な技術のタネ明かし 自動改札機 不正防止へ改良続く 磁気情報量、10倍に
 1967年に阪急電鉄北千里駅(大阪府吹田市)に初めて導入され、関西ではすっかり定着した鉄道の自動改札機。首都圏でも導入が進み、全国の鉄道の有人駅の2割近くが自動化されている。歴史は古いが、不正乗車を確実に防ぐ改良がいまも続く。
・カードも利用OK
 裏が茶色か黒(新幹線の指定券を除く)に統一された乗車券のほか、最近登場した専用のプリペイドカードでも改札機を通れる。カセットテープのような磁気ラインが複数つけてあり、有効期限や発着駅、乗り継ぎ駅などが磁気で記録されている。
 乗車券を投入するとローラーがはさんで搬送し、データを内部の磁気ヘッドで読み取る。使える切符とコンピューターが判断すれば、改札済みを示す穴をパンチしたり回収して出口の扉を開けたりし、だめなら警告ブザーが鳴る。
 当初は記録できる情報量(保磁力)が少なかったため、切符を切り張りして有効期限などを変えようとする改造マニアが登場した。このため情報量を10倍ほどに増やし、使用した日付や通った改札機を磁気ヘッドで書き込んだり、情報の記録の仕方を複雑にできるようにした。新しい機械は@有効切符かどうかを見分ける読み取りヘッドA書き込みヘッドB書き込み内容を確認するヘッド、を備えている。
・切符の規格は統一
 自動改札機のもう一つの使命は、乗客をスムーズに流すこと。つまり、乗車券をどう差し込んでも確実に判読できる能力が必要だ。
 定期券の短い辺と切符の長い辺は、全国統一規格に従って、どこの鉄道会社でも同じ長さ(5.7a)になっている。このため、切符は縦にしても横にしても機械に入る。縦位置・右側に「整列」させられた後、読み取られる。また多くの場合、文字面を裏にして入れても大丈夫なように、磁気ヘッドは上下に同じものがある。
 乗車券の搬送速度は秒速2b。人が歩く速度より少し速いため、乗客は立ち止まって待つ必要がなく、かつ一人ひとりを見分けられる速度だ。「改札機は毎分70人の処理能力があるが、新宿駅の実績では、ラッシュ時で毎分60人通るのが最高」とJR東日本営業部サービス課。
 自動改札機には、本体と上部の腕(ポール)に10個ほどの赤外線センサーがついている。本体には60−70aの高さに、ポールには1b20aくらいの高さに、それぞれセンサーが構1列に並ぶ。赤外線を次々に遮ると、改札機は「乗客が通っている」と判断する。
 大きな旅行かばんを持ったり、リュックとスキーをかついだ人間がセンサーの列をどう遮るか。お母さんと手をつないで通る無料扱いの小さな子供は、大人とどのくらいの間隔を置くか。判別のノウハウは過去の経験からある程度推測され、制御ソフトの論理回路に組み込まれている。
・最後は人間が頼り
 ただし、日本は学齢で料金を分けており、センサーが感知する背の高さでは、大人と小人はもちろん判別できない。また「大人2人がぴったりくっつき、1枚の乗車券で通った場合、見分けられるとは限らない」と担当者は口をそろえる。
 したがってセンサーは目安に過ぎず、自動改札機に並ぶ窓口にいる職員の目が頼り。改札機に入った乗車券のデータは窓口職員の手元にある管理盤に表示されており、不審があれば大声で呼び止めることになる。(朝日新聞 夕刊)
6日■京都駅ビル改築で田辺市長 「高さ措置 既に検討中」都市計画変更早期に返答
 京都市の田辺朋之市長は5日の定例記者会見で、JR西日本と京都駅前ビル開発会社が京都駅改築に伴う都市計画変更を申し入れたことについて「適切な措置を検討中で、決まれば返事したい」と話し、すでに都市計画変更の具体的な検討に入っていることを明らかにした。
 田辺市長は京都駅改築について「一つの問題点は高さをどういう風に措置していくかだが、いずれにしても都市計画の変更はやらねばならない」と、変更の必要性を示し「どんな措置が適切であるか検討の最中。決まれば京都駅ビル開発会社に返事したい」と述べた。返事の時期については佐藤達三助役が「本年度末前後をめどに変更の手法について関係部局で検討しているが、可能であれば早めにしたい」と述べ、時期が早まる可能性もあることを示唆した。
 今月1日に事業計画決定した山科駅前市街地再開発事業について、佐藤助役は「いよいよ権利変換の手続きに入る。地元と密接な連携をとって精力的に進めていきたい」と述べた。
京都の景観で見解 共産党府委員会
 共産党京都府委員会は5日、京都の景観問題について見解を発表した。
 それによると、京都ホテルと京都駅問題は、財界による「京都改造」の突破口にほかならず、財界と行政は「活性化」や「景観は高さだけの問題でない」と問題のすり替えをしている。大切なのは住民が主人公のまちづくり。そのためにはもっと論議が必要、としている。(京都新聞)
■新京都駅パネル展 8日から
 JR西日本は8日からJR京都駅中央コンコースで、平安建都1200年記念事業として全面改築工事を計画している新・京都駅のパネル展を実施する。
 パネル展は8−14日と24−3月1日の2週間、「新しい文化と新・京都駅」と「京都から世界へ、世界から京都へ」の2テーマで、東大教授原廣司氏が設計した新・京都駅の模型写真、パース、スケッチ、文化施設イメージイラスト、CAT(シティ・エア・ターミナル)機能、京都の国際活性化施策−などを約40点のカラーパネルで紹介する。
 また、コンピューター・グラフィックによる新駅のビデオ上映(3分)も催す予定。午前10時−午後7時。無料。
 パネル展は昨年に続いて2回目。JR西日本と京都駅ビル開発は、今秋の着工、平成6年秋の完成−を目指して準備を進めているが、高さ59.8bの新駅が景観論議も巻き起こしていることから「市民に理解を深めてもらいたい」と積極的にPRすることにした。(京都新聞)
■山陽電車が脱線 明石の踏切 トラックと衝突 6人けが
 一部既報=5日午後零時25分ごろ、兵庫県明石市二見町西二見の山陽電鉄東二見−播磨町駅闇の踏切(警報機、遮断機付き)で、新開地発姫路行き下り普通電車(4両編成)が、立ち往生していた同県加東郡滝野町多井田、松井高行運転手(22)のトラックに衝突、1、2両目が脱線した。
 1両目は線路から直角に外れて現場南側の田んぼに突っ込み大きく傾いた。乗客約100人のうち、同県高砂市伊保崎南59、専門学校生福山恵己さん(19)ら5人と松井運転手の計6人が頭などに軽いけがをした。
 明石暑の調べによると、松井運転手が狭い農道の踏切を右に寄り過ぎて渡ろうとしたため、荷台に載せた空のスチール缶が遮断機の鉄製支柱に引っかかり、動けなくなったらしい。同署は業務上過失往来防害などの疑いで松井運転手から事情を聴いている。(京都新聞)
■踏切に車突入 線路上を逃げる 京都線・近鉄止める
 5日午後10時30分ごろ、京都市南区西九条西柳之内町、近鉄京都線十条踏切(警報機、遮断機付き)で、東進中の乗用車が、踏切から線路内に入り込み、30bほど南へ軌道上を走って側溝に落ち止まった。車を運転していた東山区の男性(44)と同乗者の2人が、衝撃で腕などに重軽傷を負ったほか、救助の男性2人も軽傷を負った。
 南行きの線路はふさがり、上下線とも不通となったが、約1時間40分後の6日午前零時12分開通した。この間、近鉄は京都−向島駅間をバスで代行輸送、電車は向島−西大寺駅間で折り返し運転をした。
 九条署の調べでは、電車が接近し警報機が鳴っているのに、乗用車が無理に踏切を渡ろうとしたが、南行の奈良行き電車が近づいてきたのに気づき線路軌道上に入り南へ走ったらしい。
 北行中の電車がこの車を発見し、無線で南行の電車に連絡したため、電車との接触事故はまぬがれた。(京都新聞)
■脱線、6人が軽傷 山陽電鉄 トラックと衝突 明石の踏切
 5日午後零時25分ごろ、兵庫県明石市二見町西二見の山陽電鉄西二見西第三踏切(警報機、遮断機付き)で、新開地発姫路行き普通電車(4両編成、梨木国広運転士)が、踏切内で立ち往生していた同県加東郡社町山国、宮本運輸のトラック=松井高行運転手(22)=と衝突した。前の2両が脱線、先頭車が線路南側1b下の田んぼに突っ込み、松井運転手と1、2両目の乗客5人の計6人が軽いけがをした。明石署は業務上過失致傷、過失往来危険の容疑で松井運転手から事情を聴いている。
 電車は1両目と2両目が連結部分で「く」の字の形に曲がって脱線し、上下線をふさいだ。同電鉄は東二見−高砂間が不通となり、JR山陽線への振り替え輸送に切り替えた。
 周辺は地盤が軟らかい水田で、大型レッカー車が入れず、復旧作業は難航。完全復旧は6日にずれ込む、という。(朝日新聞)
■線路の上を乗用車暴走 近鉄京都線
 5日午後10時35分ごろ、京都市南区西九条の近鉄京都線十条駅南側の踏切で、乗用車が遮断機の下りかかった踏切内に入り、そのまま線路上を南に走った。約100b先で線路からはずれるようにして止まったが、乗っていた京都市東山区の男性(44)ら4人が重軽傷を負った。京都−向島間が上下線とも6日未明まで不通になった。
 事故当時、京都発奈良行きの急行電車が同踏切に差し掛かっていたが、運転士が急ブレーキをかけた。九条署の調べでは、乗用車は遮断機の下りる直前に踏切に入ったが、前方の遮断機が下りてしまったため、電車から逃れようと、線路上を南に走ったらしい。(朝日新聞)
■山電が復旧
 5日正午すぎ、兵庫県明石市二見町西二見の山陽電鉄西二見西第三踏切で電車がトラックと衝突、6人がけがをした事故で東二見−高砂間が不通となっていたが、6日未明、復旧作業がほぼ終わり、午前5時、上下線とも始発から開通した。(朝日新聞 夕刊)
7日■第3セクターで労組 岐阜県・長良川鉄道
 岐阜県中央部を走る国鉄の越美南線を引き継いだ第三セクター「長良川鉄道」(本社同県関市、社長後藤昭夫関市長)で、昨年11月末、社員の約半分に当たる36人が労働組合を結成し、今年1月初の労使協議が行われた。採算最優先の第三セクターの鉄道会社で労組ができたのは異例だ。
 長良川鉄道は昭和61年12月設立された。国鉄から転換した第三セクター方式の鉄道会社は、5年間に限り赤字の半額が国庫補助の対象となっている。同鉄道は赤字続きで、平成2年度分だけでも約6000万円の赤字。この間労働運動を控えてきた社員たちは国庫補助期限切れで経営悪化を懸念、結成に踏み切った。
 同労組の話では、会社設立の際、国鉄OBなど年金受給者のみを採用したため、基本給は月額1律約15万円と低く抑えられている。このため若手、中堅社員は年金もなく、賃金体系改定が課題だという。(京都新聞)
■「景観守れ」市民大集会 27日京で
 京都の住民運動グループや労働組合などが27日午後6時半から、京都市下京区の京都産業会館シルクホールで「ストップ・ザ・京都破壊市民大集会」を開く。
 京都ホテルとJR京都駅の高層化に反対する市民連合、京都総評をはじめ約20団体が同集会実行委員会をつくって開催する。
 国語学者の寿岳章子さん、早川和男神戸大教授らによる討論のあと、各参加団体が京都駅、京都ホテルの問題のほか、都市計画道路、学校統合、ターミナル拠点整備、乱開発などについて決意表明。また集会アピール「まちづくり京都宣言」を行う。(京都新聞)
■北近畿タンゴ鉄道 新エクスプローラー「森の香り」乗せ5月発車 車内に”におい発生装置” 大阪−京都−久美浜間
 人気特急「タンゴ・エクスプローラー」を運行している北近畿タンゴ鉄道(KTR=社長・荒巻禎一京都府知事)は、製造中の新エクスプローラーを本年5月のゴールデンウイークに、大阪−京都−久美浜間で季節臨時列車としてお披露目を兼ねて営業運転する。新特急は沿線に広がる自然に合わせて「森の香り」が車内で楽しめる世界でもユニークな列車。旅行客や鉄道ファンの熱い視線を一層集めそうだ。
 タンゴ・エクスプローラー(3両1編成)は、一昨年4月から京都−丹後間を1日2往復運行。メカニックな車体が人気を呼び、152の座席はいつも満席状態が続いている。
 KTRでは、こうした人気にこたえるため、昨年2月、6億300万円をかけ新型車両(3両1編成)を発注した。4月中旬には完成する予定。
 新型車両の特色は、ほのかな香りのサービス。「五感で丹後路を楽しんでもらおう」と、香りの出る装置を車内に導入。ワイドな車窓に広がる豊かな自然に合わせて、「森の香り」が流れる趣向で、世界でも例がない”香り列車”だ。
 また、外観は色を淡くし、緩やかな曲線とシャープなエッジを組み合わせた流線型としたほか、内装はシートをグレーで統一するなど、よリシックで高級感をもたせる。
 お披露目の営業運転は、5月上旬の数日間、JRとの相互乗り入れを生かし、大阪−久美浜間(約210`)を1日1往復する。大阪駅発の往路は京都駅、福知山駅、宮津駅を経由、復路は京都駅に寄らず、二条駅経由となり、JR西日本とダイヤの調整をしている。
 KTRでは、季節臨時列車としてシーズンごとに運行するほか、JR各社の協力を得て、団体旅行列車として全国を駆け巡ることも計画している。
 営業運転に先立ち4月29日、JR京都、大阪両駅で一般公開する。(京都新聞)
8日■地下街・地下鉄内でもOK 「研究会」が調査報告書 近畿電監局 御池駅(東西線)モデル地区へ
 地下街や地下鉄の車内でFMラジオが聞けるようになり、ポケットベル、携帯電話も使えるメドが立った−。
「地下街等における電波利用研究会」(座長・林敏彦阪大教授、37団体)は7日、情報通信システムの導入方法について報告書をまとめ、近畿電気通信監理局に提出した。
 地下街は全国で約170ヵ所、総面積は87万平方b、一日当たりの利用者数は約300万人といわれる。しかしFMラジオやテレビ、携帯電話、ポケットベルなどは利用できないのが実情。
 このため同研究会は、地下街でも地上と同様の良質な電波環境を確保できるよう、電波利用の技術的課題の調査、研究、実験を重ねた。昨年7、8月には、大阪梅田の地下街一帯と、地下鉄谷町線東梅田駅、さらに谷町線に実験電車を走らせ、調査実験を行った。
 この結果、同軸ケーブル、中継器などの設備の共用が可能になれば、技術的には良質な電波が確保できることが確かめられた。
 今後は、通信システムの設置と運営、経費負担などの課題が残されており、近く同研究会の第二部で検討する方針。
 電監局では、京都市交通局が平成7年度の地下鉄東西線開業で御池駅に計画している地下ショッピングセンター(1万2000平方b)と地下駐車揚(1万5000平方b)をモデル地区に選定する予定で、同センターで実際に導入する通信システム、設備、運営のあり方など具体的な課題については第二部の研究会で検討を進めていく。(京都新聞)
■踏切突入シャットアウト JR東が阻止装置
 警報機や遮断機が作動しているのに、これを無視して踏切を”強行突破”する車が絶えないため、JR東日本は7日までに、列車通過の際、遮断機などと連動して車が踏切に進入できないようにする「車止め装置」を開発した。
 これまでは踏切内で立ち往生した車などを検知、列車に知らせる障害物検知装置などが設置されているが、車を踏切の手前で止める装置は初めてで、踏切事故防止に威力を発揮しそうだ。
 この装置は2月中旬に完成の予定で、埼玉県大宮市にある同社東京総合訓練センター内に設置して作動試験、耐久試験などを実施、実用化を目指す。
 踏切車止め装置は縦約1.3b、横約3b、高さ約20aの箱形で、踏切前の路面に埋め込む。遮断機が下りるのに連動して、前面部分がモーターの力で路面から10−30aの高さにせり上がり、車が踏切内に進入するのを防ぐ。列車が通過したら下がる仕組み。
 AT車の誤発進などによる事故を防ぐのが主な目的で、装置が作動した時、既に踏切内に入った車が閉じ込められるのを防ぐため、脱出できるよう工夫してある。また、猛スピードで車が突っ込んできた揚合、車止めで急に止めてしまうとかえって事故を起こす恐れがあるため車が一定以上の速度でぶつかった時は沈み込むようになっている。(京都新聞)
■「雷鳥」型新特急 7月末に完成へ 湖西線で160`運転
 JR西日本金沢支社は7日、将来北陸線に投入する「雷鳥」タイプの特急電車1編成(9両)が今年7月末に完成する、と発表した。完成後は湖西線で時速160`、北陸線で130`の営業運転を想定した性能試験を重ね、デビューは1年以上先になる見込み。
 新車両は静かな車内を実現し、大型の窓、マイコン制御のきめ細かな温度管理、背もたれを大きくした座席をとり入れて快適性を向上させている。
 グリーン車は各座席に液晶テレビを設置するなどのサービスがある。(京都新聞)
■採用差別でスト設定 国労が拡大中央委
 国労(永田稔光委員長、3万2000人)は7日、東京・丸の内の国労会館で拡大中央委員会を開き、中央労働委員会が話し合い解決を目指しているJRへの採用差別問題で、「全員地元JRに採用せよ」との要求を確認、達成に向け19日から3波のストライキを実施する、など当面の闘争方針を決めた。
 構えているストライキは19日の地上勤務者の半日スト(約3000人参加)を皮切りに、3月25−27日をゾーンに設定、乗務員を含め各地方本部が同期間に24時間スト(約5000人参加)、4月1日の時限スト(約3000人参加)の3波。(京都新聞)
■JR参入でタクシー戦争?
 JRのタクシー進出計画が業界を揺るがせている。JRが大挙して一斉にという話ではなく、広島市にミニタクシー会社をつくるだけなのだが、業者の反応は今や全国的規模だ。
 計画を進めているのは、JR西日本の全額出資子会社、中国JRバス(本社・広島市)。「業界を刺激しないように」と保有車両15台にとどめ、昨年7月、中国運輸局に事業免許を申請した。
 同社によると、目的は運転手対策。国鉄民営化のときバスの運転手も整理され、喫茶店などで不本意な仕事をしている人が今も少なくない。彼らに運転手として復帰の道を与え、今後生まれる退職者のためにも受け皿を作りたい、というわけだ。広島県タクシー協会へも、あいさつに行った。
 聞いた協会側は大騒ぎ。昨秋から反対陳情書を陸運局に出し、中国5県のタクシー協会でつくる協議会でも支援をとりつけた。全国タクシー事業者大会は反対決議を採択した。
 「いま、運転手は足りないが車はある。、そこへ大資本をバックに新規参入されれは、中小企業は大打撃を受ける」と地元の協会役員は言う。国鉄民営化のとき、中小企業に配慮すると国会で付帯決議されたのに、その精神にも反する、とも。
 業界には「運転手の職場をつくるためなら、我々の会社で働いてくれれば済むこと」という反発も強い。が、JR側は「高齢者にも勤まる緩やかな勤務にしたい。それには既存の企業では難しい」とあきらめる気持ちはない。
 認可権限を持つ中国運輸局は、当事者間で折り合いがつくのを待っているわけでもあるまいが、目下、沈黙したまま。免許申請があったことを公に知らせる公示も、続いて関係者の意見を聴く「聴聞」もスケジュ」ルは未定だ。(朝日新聞)
■アルミボディーのパープルカラー ニュー新幹線デザイン発表
 時速350`の高速新幹線のボディーは低騒音をイメージして紫色に−JR西日本は7日、2年後の実用化を目指して開発中の高速新幹線「500系」のデザインと色を発表した。この仕様で試験車1編成6両を製作中で、今年春から走行試験を始める。同社はこのため、3月1日付で博多総合車両所内に試験実施部(研究員約40人)を新設する。
 新車両の色は上半分がグレイッシュ・バープル(灰色がかった紫)、下半分がライトグレー(薄い灰色)で中央に青いストライプが走る。静かさと高速性を色で検討した結果、紫と灰色になったと説明している。
 とくに、騒音対策に力を入れており、先頭の形を2種類作って効果を比較するほか、できるだけ外部の突起部分を減らそうと窓の数もゼロ、3個から18個まで5種類作り騒音への影響を調べる。さらに新しい翼型パンタグラフも開発、車体の高さを現在より70a低い330aに、重さはアルミ合金製で3割減の40dにしている。(朝日新聞)
■地下鉄でもポケベルOK ラジオも聞こえます テスト上々実用化は先
 地下鉄や地下街でもポケベル、ラジオが使えるか−全国にさきがけ実験、調査をすすめてきた「地下街等における電波利用研究会」(座長・林敏彦大阪大教授)は7日「技術的に実用化のめどがついた」とする報告書をまとめ、近畿電気通信監理局長へ提出した。早ければ平成7年に京都市内に完成予定の地下街を「モデル地区」に指定し、実用化へ本格始動する考え。
 報告によると、実験は昨年6月から8月にかけ、大阪・梅田の地下街と地下鉄谷町線の東梅田駅周辺にアンテナの役割を果たす特殊ケーブルを張り、携帯電話やポケベル、FM、AMラジオなどの受信状況を調べた。試験列車も走らせ、車内での受信も調べた。
 異なる周波数の電波を一つのケーブルで送信できるか、地上電波が入り込んだり電波が壁に反射したりして「うなり」を起こさないか、などが心配されたが、携帯電話などで雑音は入ったものの、おおむぬ受信可能だったという。実用化へ向け最大のネックは「地下鉄1`につき1億円」などといわれる費用面。国などによる積極的な財政支援が望まれる、としている。(朝日新聞)
■山科駅前再開発96年完成めざす 事業計画決定、あすから説明会 ビルや広場を整備 本体着工は来春の予定
 山科駅前地区市街地再開発事業について、京都市は7日、府の認可を受けて1日付で事業計画を決定、告示した、と発表した。9、10両日に地元で権利者を対象にした説明会を開く。今後は3月3日を基準日として関係権利者の資産評価をし、今秋をめどに権利変換計画を作成、仮設店舗の建設に着手する。現在の建物の除却作業は年明け以降になる見込み。本体は来春ごろに着工、1995年9月の完成を目指す。
 この事業は、地下鉄東西線建設に関連して、JR、京阪両山科駅前の商業地域2.8fを対象に、ホテル、コミュニティー施設、住宅、文化・娯楽施設などが入った7−9階建ての再開発ビル4棟と、駅前通、広場などを整備する計画。89年11月に都市計画決定したが、地元の権利者が推進派と慎重派に分裂したため、計画が遅れていた。昨年7月に実施した事業計画案の縦覧でも、権利者から慎重な対応などを求める77通もの意見書が提出された。
 しかし、10月には権利者団体の一本化が実現。意見書も取り下げが相次ぎ、最終的に残った3通についても審査会で不採択とされた。
 権利者数は1日現在133人だが、ほかに地域外居住者が相当数あり、最終的には200人弱になりそう。説明会は9日は午後1時から、10日は午後7時半から、いずれも山科区安朱桟敷町の「奴茶屋」で開催。事業計画決定の内容や資産評価の方法、事業スケジュールなどについて説明する。(朝日新聞)
■貨物線も 操車場も なんでも使うユニーク路線
 近畿地方交通審議会が7日答申した公共交通機関整備計画で、関西新空港アクセス鉄道として貨物線と操車場経由で直通旅客列車を走らせるユニークな案が盛り込まれ、JR西日本は安上がりな計画として注目している。
 このルートは現在、貨物列車や福知山線などの回送に使っている北方貨物線と宮原操車場経由で、乗り換えなしで神戸方面から新空港へ直通列車を走らせるアイデア。東海道線と環状線を大阪駅で乗り換えた方が約2`近いが、東海道線から環状線へのわたり線が大阪駅になく、直通列車は不可能という。
 JR側では、今回のルートは▽宮原操車場から梅田貨物線へのわたり線の新設▽単線区間の運行▽過密の環状線にどう通すか−などの検討が必要としながら、「見落としていたルートで鉄道ファン好みのアイデアといえる。兵庫からの鉄道利用がどれだけ見込めるかがカギ」と話している。(朝日新聞)
■新空港アクセス 兵庫からも直通で 交通審答申 陸・海・空多彩に
 近畿地方交通審議会(会長・小林庄一郎関経連副会長)は7日、2005年を目標にした兵庫県の公共交通機関整備計画をまとめ、近畿運輸局長に答申した。同県内から関西新空港に直通列車を走らせる可能性を探るほか、阪神間と大阪空海を結ぶ阪神モノレールや、JR福知山線分岐の構想を検討する、としている。
 関西新空港へのアクセスでは、JR東海道・山陽線の列車が宮原操車場(大阪市淀川区)から新大阪を経由して大阪環状線へ入り阪和線につながるルートや、建設中の片福連絡線と新線構想のなにわ筋線が交差する付近に渡り線を建設するルートなどで、兵庫県からの直通運転の可能性を含めて検討する。
 このほか、神戸と淡路からの海上高速艇ルート、阪神高速湾岸線の高速バスルート、県内のヘリポートからのヘリルートなど多様なアクセスを盛り込んだ。
 存続が決まった大阪空港への鉄軌道アクセスは、空港−伊丹−尼崎・武庫之荘の阪神モノレール構想と、空海とJR伊丹駅を結ぶJR福知山線分岐構想を列記している。(朝日新聞)
■国労、19日から 3波スト計画 「採用差別」解決求め
 国労(永田稔光委員長、3万2000人)は7日、東京都内で中央委員会を開き、中央労働委員会(中労委)でJR各社と係争中の採用差別事件の解決要求や春闘要求を中心とする「当面の闘争方針」を決めた。要求実現に向けて、今月19日、3月下旬、4月1日と3波のストライキを計画している。
 19日のストは、JR東日本、東海、西日本で約3000人が参加し、半日規模を予定している。運転士や車掌を除くため、列車運行には影響はない見通しだ。(朝日新聞)
9日■鉄産総連が解散方針 JR脱退労組と新産別組織結成へ
 旧国労主流派でつくる鉄産総連(大越敏男委員長、1万5000人)は8日、東京都千代田区の総評会館で中央委員会を開き、JR総連から脱退した労組との新産別組織結成に向け、組織を解散する方針を決めた。
 新産別組織結成の時期などが明らかになっていない段階で解散方針を決めたことについて、鉄産総連は「結成への機運を高めたい」としている。
 JRの労組は昨年、JR総連傘下のJR西日本、JR東海、JR九州の各組合が相次いで分裂。JR四国でも今月、傘下労組が脱退を表明している。
 国鉄時代の旧動労系と旧鉄労系の路線をめぐる対立が原因で、多数派を占める旧鉄労系を中心とする5万人を超える組合員がJR総連から脱退した。
 鉄産総連の目指す新産別組織はこれら脱退労組との統一。JR西日本では昨年12月、西日本鉄産労がJR総連を脱退したJR西労組と組織統一し新組合を結成している。(京都新聞)
■レールひび割れ 阪急京都線止まる
 8日午後9時10分ごろ、大阪府吹田市南正雀四丁目の阪急京都線正雀−相川間で、河原町発梅田行き急行電車(8両編成)が、自動列車停止装置(ATS)が作動して緊急停車した。線路を点検したところ、下り線のレールにひび(幅約6_)が入っていたため、茨木市−淡路間の下りが約1時間半にわたり不通になった。
 臨時停車した急行の乗客は、現場を通りかかった上りの梅田発河原町行き急行に乗り替えた。阪急では、淡路−茨木市間に代行バスを出したほか、梅田−河原町間をJRと京阪電車で振替輸送したが、河原町駅と梅田駅は振り替え客で混乱した。
 阪急電鉄によると、ロングレールの溶接の継ぎ目付近が割れており、原因を調べている。(朝日新聞)
10日■広告の一部に「とばく性」 交通局、情報誌を回収 大阪市
 大阪市内の地下鉄駅やバスの営業所などで、約12万部が無料配布されている大阪市交通局監修の情報誌「オオサカシティネットワーク」2月号の広告欄に、多額の賞金や海外旅行が当たる電話クイズが2ヵ所あり、「とばく性が強い」と指摘されたことから、同市交通局が回収していたことが、9日わかった。NTTの有料情報サービス「ダイヤルQ2」を使う仕組みで、「情報料がかけ金にあたる」との見方もあり、同市交通局は「配慮が足りなかったのかもしれない」と話している。
 問題とされた広告は、最高賞金10万円の「クイズDEパニック」と、ハワイ旅行招待が目玉の「クイズ?電話でタイムショック」。「パニック」は、順にコンパクトディスク▽1万円▽3万円と賞品ランクが上がり、最後に10万円に到達する。通話料のはかに、情報料が3分ごとに180円の割合で必要。「タイムショック」は情報料が3分ごとに300円の割合となっている。「オオサカシティネットワーク」は、大阪市福島区内の会社が編集発行し、大阪市交通局が監修。月刊で、製作費は広告料でまかなわれている。
 ダイヤルQ2を使って現金の当たるゲーム番組については昨年7月、「情報料がかけ金にあたる」として、大阪市内に事務所を持っている弁護士が東京の番組提供業者を常習とばく罪などで、警視庁に告発した事例がある。
 この弁護士が7日、「公共性の強い情報誌にとばく性のあるダイヤルぱ番組が掲載されている。子どもが手にして電話することも考えられる」と市交通局に指摘した。
 市交通局は検討した結果、「好ましくない」と判断。駅や営業所に回収を指示し、3月号に予定されていた同じ業者の広告掲載を見合わせることにしたという。ただ、2月号は1月末から駅などに置かれ、通常1週間程度でなくなるため、実際にどれだけ回収できたかは不明、という。
 市交通局総務課は「編集はすべて業者に任せているが、校正の段階で届いており、結果的に配慮が足りなかったのかもしれない。今後は内容についてもっとチェックしたい」と話している。(朝日新聞)
■天理のJR桜井線踏切 列車と小型バス衝突 2人死亡3人重傷 天理教会送迎用 50bひきずられ JR乗客無事
 10日午前8時25分ごろ、奈良県天理市三昧田町のJR桜井線三昧田踏切(警報機、遮断機付き)で、踏切内に立ち往生していた神戸市長田区大谷町、天理教飾吉分教会会長吉田義信さん(56)のマイクロバスに、奈良発王寺行き普通列車(4両編成)が衝突、約50bひきずって止まった。マイクロバスは大破、乗っていた11人のうち、兵庫県姫路市苫編、小野節子さん(63)と、吉田さんの妻節枝さん(60)が死亡、吉田さんら2人が重体、1人が重傷を負った。ほかの6人は逃げ出して無事で、電車の乗客約170人にもけがはなかった。
 天理署の調べでは、マイクロバスが踏切内に入った直後に遮断機が降り、立ち往生したらしい。列車の運転士は「約200b手前で急ブレーキをかけたが問に合わなかった」と話しているという。
 マイクロバスは姫路市内にある天理教飾東大教会の信者を乗せ、天理教本部の奉仕活動のため天理市内の宿泊所から近くの倉庫に向かっていた。
 事故の影響で桜井線は上下6本が運休、6本が25−8分遅れ、約1100人の足が乱れたが、午前10時半ごろには平常ダイヤに戻った。
 現場は天理市中心部から南約2`の田園地帯。マイクロバスは右半分がめちゃめちゃに壊れ、線路東側の畑にはね飛ばされた。辺りには砕けた窓ガラスが散乱、事故の激しさを物語っていた。(京都新聞 夕刊)
■新幹線ポイント凍結 米原駅、上り遅れる
 10日午前7時35分ごろ、東海道新幹線米原駅(滋賀県・米原町)構内で、上り線のポイントがホーム側に固定したまま動かなくなった。
 JR東海は復旧作業を急ぎ午前9時ごろに通常運転に戻ったが、新大阪発東京行きひかり208号の13分遅れを最高に、上り電車13本が10−5分遅れ、約1万4000人の足に影響が出た。JR東海は凍結が原因とみている。(京都新聞 夕刊)
■プラスα 古く、高く、遅い山陰線
 3月14日のJRダイヤ改正で、全国の幹線でスピードアップと車両のデラックス化が進む。新幹線「のぞみ」は東京・大阪間を2時間30分で結び、車内設備もこれまでになく豪華。在来線でも、2階建て車両、ギャラリーや電話付き、窓の大きなハイデッカー車両が増える。特色を出そうとするJR各社のサービス合戦の結果である。
 逆にその流れに取り残された線区もあり、格差は今回のダイヤ改正でさらに広がる。たとえば山陰線。いまだに京都駅を発着する列車の中できわだって低速で、車両も古い。
 北近畿に向かう急行「丹後」。その9号(豊岡・福知山行き)に乗った。車体の外壁はあちこちさびている。それはいいとして、窓がきちっと閉まらず、冬だというのにすき間風が吹き込む。室内の表示を見たら、なんと「昭和37年製造」とあった。
 午後6時ちょうど、姫路行きの新快速電車と同時に京都駅を発車する。スピードの差は歴然で、新型電車の赤いテールランプはみるみるはるか前方に遠ざかる。
 特急列車も電化で不要になった昭和50年前後の車両を各地から集めた。乗り心地もスピードも決して芳しくない。
 安く乗れるなら仕方ないが、普通運賃のほかにもちろん特急・急行料金が必要。反対に京阪神の東海道・山陽線など、都市部区間は他の私鉄と競合するため、一般の区間より普通運賃自体が安くなっている。京都・明石間95.3`を新快速電車なら1時間5分、普通運賃だけの1030円で乗れる。それより7`ほど短い京都・福知山間の揚合、急行でも1時間半以上かかり、倍以上の2140円、特急だと2550円もいる。確実に座りたければ、さらに最高700円の指定料金まで必要。山陰線の乗客は、遅くて古びた列車に高い金を払って乗っていることになる。実に不思議な話だ。
 単線で列車本数が少ないため、仕方なく別料金を払って亀岡、園部あたりから特急、急行で京都市内に通勤する人が少なくない。これも山陰線の悲しい特徴である。
 嵯峨野線などと名前を飾るより、サービスの谷間を埋めることこそダイヤ「改正」ではないだろうか。(京都新聞 夕刊)
■全国の駅ターミナル 運輸省が交通弱者対策 施設のやさしさ採点
 交通弱者といわれるお年寄りや身体障害者の立場に立った交通システムを実現しようと、運輸省は10日までに、全国の鉄道やバスのターミナルについて総点検することを決めた。利用しやすいかどうかなどの実態調査がポイントで、早ければ6月にも実施する予定。
 これまでにも、駅のエレベーターやエスカレーターの設置状況についての調査はあるが、同省が総合的な交通弱者対策について調べるのは初めて。担当者は「本格的な高齢化社会に備え、弱者対策は不可欠。調査結果を基に”地球にやさしい”交通体系の整備を進めていきたい」としている。
 障害者の団体旅行や個人旅行が増えてきたのを受けて、運輸省はJRや私鉄各社にエスカレーターの設置などを指導しているが、大規模な改修工事が必要な所も多く、施設の改善は進んでいないのが実情だ。
 調査は身体障害者だけでなく、高齢者、主婦、外国人らの立場からターミナルや交通機関の「やさしさ」の度合いをチェック。障害者の場合はエスカレーターやエレベーター設置をはじめ、車いすが利用できるように階段にスロープを設けているか、視力障害者用の点字ブロックがあるかどうかなどを点検する。
 主婦については気軽におむつを取り換えたり、授乳ができるような場所があるか、外国人については外国語による案内表示板の有無といった具合。
 運輸省は学識経験者や障害者団体の代表らが参加する検討委員会を設けて、高齢者や障害者ごとにそれぞれ評価項目を決め、全国の主なターミナルに調査員を派遣。百点満点で採点し、平均点を下回る施設に対しては早急な改善を求める方針だ。(京都新聞 夕刊)
■ニュースぴっくあっぷ 昔懐かしチンチン電車 そっくりバスの人気上々
 野太いクラクションや排気音に交じって「チンチーン」−。京都らしさ復活の一番手として京都市交通局が昔懐かしいチンチン電車そっくりの路線バスを走らせて1ヵ月、わざわざ乗りにくるファンなどで人気は上々のようです。
 チンチン電車は昭和36年まで市電北野線として堀川通を走り市民に親しまれました。その愛着心を呼び戻す策として、そっくりにデザインしたバスを先月初めから登場させたもので、京都駅を起終点に「臨時100号系統」として東山七条−祇園−動物園前−三条京阪−四条烏丸を土曜と休日に1日5往復走っています。今月中には2台増車されます。
 このチンチンバス、新聞や雑誌で紹介されたこともあってカメラ片手の観光客やファンも多く「絶えず60人前後の乗客」(市交通局)という人気ぶり。
 先ごろの市観光基本構想策定委員会の答申の中にも、観光電車としてチンチン電車の復活、バスやタクシーのレトロ化などが盛り込まれていました。復古調で京都らしさを演出−というこの考え方、面白いものといえましょう。(京都新聞 夕刊)
■電車とマイクロバス衝突 女性2人が死亡 天理のJR桜井線
 10日午前8時23分ごろ、奈良県天理市三昧田町のJR桜井線三昧田踏切(警報機、遮断機つき)で、奈良発王寺行きの普通電車=前田光男運転士(49)、4両編成=が、神戸市長田区大谷町三丁目、吉田義信さん(56)運転の天理教飾東大教会(姫路市威徳寺町)のマイクロバスと衝突、約50b引きずって停止した。マイクロバスは大破、バスに乗っていた姫路市苫編の小野節子さん(63)と吉田さんの妻せつ枝さん(60)が死亡、3人が重傷を負った。
 同線は不通になり、6本が運休したほか6本が最高25分遅れた。JRでは折り返し運転や振り替え輸送をしたが、午前9時56分に復旧、約1100人が影響を受けた。電車の乗客約170人にけがはなかった。
 天理署やJRの調べでは、バスが踏切内に進入した時、反対側の遮断機が下りた。バスに乗っていた11人のうち6人が降り、遮断機を上げようとしたが間に合わなかったらしい。衝突の際、バスは線路わきの電柱にぶつかって田んぼに投げ出され、天井や座席はめちゃめちゃに壊れた。(朝日新聞 夕刊)
■ポイント故障 新幹線遅れる
 10日午前7時36分ごろ、滋賀県坂田郡米原町の東海道新幹線米原駅で、上り線のポイントが切り替わらなくなり、新大阪発東京行き「ひかり208号」が臨時停車した。午前9時に復旧したが、徐行運転が続いた。この影響で、上り13本が最高13分遅れ、約1万4000人の足が乱れた。
 JR東海によると、米原駅のポイント転換用モーターに異常があったらしい。(朝日新聞 夕刊)
11日■踏切事故防止でCM JR西日本
 今月5日、山陽電鉄で電車とトラックが衝突、脱線するなど最近踏切事故が目立っているが、JR西日本はこのほど踏切事故防止用のテレビCMを制作、15日から1ヵ月間、中部、近畿、中国ブロックに分け、地元テレビ(28局)を通じ、放映キャンペーンする。
 同社によると、管内で最近4年間に起きた踏切事故601件のうち車によるものが374件(62%)を占めている。このうちエンストや交通渋滞により進退不能となったケースが39%、遮断機が下りて踏切内に閉じこめられるケースが26%あった。こうしたケースの時は、車で遮断機を突破して脱出するか、踏切についている非常ボタンを押すなどして列車を停止させれば事故の大半は防げるという。
 このためJR西日本は@踏切の反対側が車で詰まっている時は警報機が鳴っていなくても「進入禁止」Aエンストなどで進退不能となった時は「非常ボタン」を押すB閉じ込められた時は迷わず車から脱出する−の編のテレビスポットを制作。同時にJR西日本では、踏切施設改善のため平成7年度までに車の通る踏切全部に障害物検知装置と非常押しボタンを設置することにしている。(京都新聞)
■英仏海峡トンネル 開業を延期へ
 【ロンドン10日時事】英仏海峡トンネル建設プロジェクトの事業主体であるユーロトンネル社は10日、トンネルの開業時期を当初予定の1993年6月15日から「夏の終わり」以降に延期する、と発表した。
 ユーロトンネルと建設を請け負っている英仏合弁企業のトランスマンシュ・リング(TML)社とが、工事代金の支払いをめぐって対立を続けており、開業を遅らせる以外にないと判断した。
 同プロジェクトには、邦銀が約16億ポンド(約3600億円)の融資枠を設定している。(京都新聞)
■自転車 JR丹波口駅前 歩道をギッシリ 駐輪場ガラガラ 地元パトも無視 「正規の場所に置いて」
 京都市下京区・JR丹波口駅前の歩道が、列車の乗客の放置自転車に占拠され全然歩けないため、市が近くに駐輪場を設けたが、ほとんど利用されず、歩道には相変わらず自転車がギッシリ。パトロールにも疲れ果てた地元の人たちが「なんで正規の場所に置いてくれないの」と訴えている。
 駅の待合室を出た所の高架下で、五条通との間の200平方bほどの歩道。昭和51年3月に山陰線が高架になった途端この場所に放置されるようになり、増える一方。最近では常時250台ほど置かれ、点字ブロックも自転車の下。
 地元光徳学区交通対策協議会(北村福雄会長)の要望で、高架下を管理する市南部土木事務所が一帯に合計約350台収容の駐輪場を造ることを計画。手始めに昨年末、五条通を隔てて問題の歩道から50bほど北の高架下歩行者道路の一角を白線で区切り、約200台収容の駐輪スペースを設けた。
 ところが、新しい場所に移動したのはわずか5、60台だけで、せっかくのスペースはガラガラ。元の歩道には、相変わらず自転車があふれている。
 同交対協と南部土木事務所、下京区役所が連名で新駐輸場への移動を求める手書き看板を立てたり、現場でチラシを配布しているが、広い五条通を渡らなければならないためか、効果はいまひとつ。パトロールもして、歩道上に止めようとする人にはその場で注意しているが「電車に乗り遅れる」と言って無視されるケースもあるという。
 北村さんは「一人ひとりの良心に訴えるしか手だてがないようだ」と力なく話している。(京都新聞)
■駅ビル高層化計画 見直しを申し入れ 市長・知事へ市民団体
 JR京都駅周辺の商工業者、労組などでつくる「京都駅建て替え問題対策協議会」(伊藤督太郎代表、31団体約4000人)は10日、駅ビルの高層化計画を見直すよう、田辺市長と荒巻知事に申し入れた。
 申し入れ書では、@現行計画を前提にした高さ規制の緩和をしないA駅ビルへの大型店とホテルの導入を厳しく規制し、現在の観光デパートの従業員の雇用とテナント出店を保障するJR西日本に対し、駅構内の理容業者の追い出しをやめるよう働きかける−ことなどを要望している。(朝日新聞)
■春の臨時列車 1万5000本増発
 JR旅客6社は10日、春(3月−6月)の臨時列車運転計画を発表した。東海道・山陽新幹線で2798本など、全国で1万4731本を増発する内容。話題の列車では、昨年夏に初登場した甲子園行きの列車ホテルが春の選抜高校野球大会でも連日走る。また、4月末には、大阪−札幌間の豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」を臨時に、日本海回りで東京と出雲へ運転する。(朝日新聞)
■春の臨時列車 410本走らせる JR福知山支社
 JR西日本福知山支社は10日、春の臨時列車のダイヤを発表した。新型特急「タンゴエクスプローラー」やイベント車「ゆぅトピア山陰路」なども運転。3月1日から6月30日までの期間中、昨年より13%増の410本を走らせる。
 新設の臨時列車は次の通り。いずれも全車指定席。
 【福知山線】3月1、7、8日、大阪−城崎間に急行「味めぐり城崎カニスキ」、5月2−5日に急行「きのさき」を運転。
 【播但線】3月1、7、8日、大阪−浜坂間に急行「味めぐり但馬カニスキ」▽3月28日から5月31日までの土、日曜、祝日に、大阪−倉吉間に快速「ゆぅトピア山陰路」を1往復。ワイドスクリーン風の展望車で、カラオケが楽しめる。
 【山陰線】5月2−5日に大阪−久美浜間に特急「タンゴエクスブローラー」を1往復▽同日、京都−東舞鶴間に特急「あさしお」を1往復。(朝日新聞)
■死者3人に 天理・JR踏切事故
 奈良県天理市三昧田町のJR桜井線三昧田踏切で10日朝、電車と天理教信者らが乗るマイクロバスが衝突した事故で、重体だった姫路市苫編、小野清さん(63)が同日午後零時40分ごろ病院で死亡し、死者は計3人になった。
 天理署の調べによると事故当時、踏切の警報機や遮断機は正常に作動していた。このため、バスを運転していた神戸市長田区大谷町三丁目、天理教分教会長吉田義信さん(57)=重体=が、警報機が鳴っているのに進入した疑いが強いとみて、回復を待って詳しい事情を聴く。(朝日新聞)
15日■リニア新幹線ルート争奪戦
 21世紀の初頭には東京−大阪間に2本目の新幹線が通り、時速500`のリニアモーターカーが1時間余りで突っ走る……。その中央新幹線をめぐって、世界に知られた2つの古都、奈良と京都の間で「ルートはこちら」と、争奪の舌戦が続いている。JR東海とJR西日本は、それぞれの思惑の違いから、別々のルートに肩入れする。一方で、大阪を含めた3府県境に展開する「関西文化学術研究都市にこそ新駅がふさわしい」と、交通工学専門家は唱える。論争の現段階を紹介してみたい。(科学部・団藤保晴)
・奈良 時間節約効果大きい 新天地にルートを 今谷康夫・奈良商工会議所事務局長(62)
 −リニア誘致運動で先行したのは奈良だが。
 全国新幹線鉄道整備法によって、1973年に決定された中央新幹線の基本計画には「東京を起点に、甲府市付近、名古屋市付近、奈良市付近を経て大阪に至る」と、はっきり書いてある。なんで横やりを入れるのか。「いまさら何を」と、京都側に申し入れた。79年につくった建設促進期成同盟会(9都府県)に、京都側も入りたいようだが、それは断るようにしている。
 −年間観光客は奈良の1500万人に対して、京都は4000万人。京都側はこの差を強調する。
 それは現在、奈良には新幹線も空港もなくて、交通の便が京都に有利になっているからにすぎない。奈良は国際的にも知られているし、実際は文化財にしても奈良の方が見てもらう物は多い。ホテルなど宿泊施設が少なく、大きな会議場もないが、中央新幹線の開通に伴って整備したら、京都には負けない。
 −超高速だから大阪から10分間も走らないで止まる駅になる。停車する列車がどれほどあるだろう。
 現在の東海道新幹線でいう「こだま」型の列車は停車するだろうし、「ひかり」型にしても10本走るうちに、1本でも2本でもいいから止まると思っている。米原駅で止まる「ひかり」があるような形になろう。
 奈良には空港をつくることが出来ないので、このまま10年たつと全国の都道府県庁から東京・霞が開までの時間が最もかかる県になってしまう。逆に、リニア新幹線で東京に直行できると、時間節約効果が一番大きいのが奈良で、県民の期待は大きい。
・学研都市 一体となろう 天野光三・京大工学部教授(63)=交通計画
 −中央新幹線のルートとして、京阪奈丘陵の関西文化学術研究都市を推されている理由は。
 混雑がひどくなった東海道のバイパスなのだから、東京−名古屋−大阪をなるべく真っすぐに結んで大量輸送するのが目的だ。大阪以西の客を考え、山陽新幹線と接続するために新大阪駅に入るとすれは、自然に京阪奈を通ることになる。これは全国レベルの問題だから、京都や奈良の都合で曲げるのはおかしい。
 −学研都市の発展には大きな助けになる。
 京都も奈良も学研都市のために随分、力を注いできた。しかし、現在のように交通の便が悪くては、結局はベイエリア側が繁栄して学研都市は産み捨て同然になる。京都と奈良はこれから一体となって繁栄を目指すべき地域だから、リニア問題でしこりを残すより、協力して京阪奈に新駅をつくる方向で動くべきだ。
 −京阪奈でリニア新幹線を分岐させて、関西新空港まで延長させる構想を暗えられているが。
 東京側も成田空港まで延長させると、沿線の人は2つの国際空港のどちらも利用できるようになる。両空港とも2期工事が完成しても、国際的なレベルからは大きく見劣りし、極東の空の中心は韓国になってしまう。日本には何本も滑走路を備えた空港を造る土地が無いのだからやむを得ないが、リニア新幹線で結んで初めて国際級になれる。
・土井利明・JR東海中央新幹線 計画部長(45)
 −ルート問題はどう考えているのか。
 今後の問題で、何も決まっていないが、基本計画で経由地ははっきりしている。それに基づき運輸省から中央新幹線を運営するJR東海に指示があって、地質調査をしている。過去の例にならい、ルート幅20`で調査しているが、京都市までは入っていない。
 −東海道新幹線で、京都は4番目の乗降客がある駅だが、外せるのか。
 中央新幹線は、旅客が増えてパンクしかけている東海道新幹線を救うのが最大の目的で、必ずしも京都を経由する必要はない。また、東京を中心にした一極集中を是正する効果も考えられ、その意味からも新幹線が通っていない新天地にレールが敷かれて、国土の発展に役立つようにすべきだと考えることもできる。
・リニア新幹線とは
 磁石を下敷きに載せ、下から別の磁石で誘導すると、下敷きの上を自由に動かすことができる。同じように列車が前に進む力として、磁力が使える。列車の場合は、電磁石の極性を列車の進行に合わせてコンピューターで次々に切り替える。
 花博に合わせて建設された地下鉄・鶴見緑地線は、車輪をもつリニアモーターカーで、推進力だけ電磁石に頼るが、リニア新幹線は超高速にするため地上10aに浮上して走る。この浮上させる力も磁石で生み出すので普通の電磁石では足りず、極低温で電気抵抗がゼロになって大電流が流せる超伝導磁石が使われる。
・在来線の可能性
 リニアモーターカーの開発は宮崎実験線で続けられてきたが、トンネル内のすれ違いなど実用試験をするためにリニア中央新幹線ルートの山梨県内でリニア実験線(42.8`)の建設が決まった。3年間で建設、2年間走って実用化の結論を出す。91年10月、宮崎で実験車から出火、全焼したが、基本的な安全性には響かないとされている。
 もしも実用化が難しいと判断されると、東海道の混雑が待ったなしになっているため、在来型を高速化した新幹線を建設する。東海道新幹線で3月から「のぞみ」が東京−大阪間を2時間半で結ぶが、その時速270`を上回る次世代型車両が開発中だ。(朝日新聞 夕刊)
16日■サンデーEYE 九条山駅(地下鉄)問題が法廷へ 私有編自由民が訴訟準備 市は一貫して新駅無理
 京都市などが進めている地下鉄東西線工事に伴い、廃止が決まっている京阪電鉄京津線・九条山駅(山科区厨子奥花鳥町)の周辺住民が、九条山地下に東西線九条山駅を新設するよう求めている問題が、新局面を迎えている。「計画変更は、あり得ない」としてきた市は先月末、住民側へ話し合いの打ち切りを通告。これを受けて住民側は、工事差し止めを求める訴訟に踏み切る方針を固めた。問題は果たして法廷決着となるのか。4年越し対立の背景を探った。(社会部 井戸洋)
 地下鉄東西線は、平成6年度の完成を目指し、3年前から、一次事業区間の二条−醍醐間12.7`(計13駅)が着工。完成すると京津線の御陵−三条京阪間は軌道敷が廃止され、現在ある御陵、日ノ岡、九条山、蹴上、東山三条の各駅は姿を消す。
 ところが、これに代わって設置される東西線の地下駅は、同区間では御陵、蹴上、東山だけ。九条山と日ノ岡は除かれた。
 計画が明らかになった後の平成元年、九条山駅周辺の地元6町内会住民が集まって「九条山の住環境を守る会」(500人)を結成。地下鉄九条山駅設置を求める運動に乗り出した。すでに計1万人の署名を添え、市会へ2回にわたり請願を提出。昨年は四条大宮などターミナルで、4回のデモを行った。
 九条山地区一帯の人口は約1500人。60年余り前、九条山駅開設によって家が増えた。住民の多くは、駅との間を急な階段や坂を上り降りして通っている。東西線が開通すると、約70%の人は地下鉄蹴上駅を利用せざるを得ない。同駅は、現在の京阪蹴上駅より200b東に設置されるが、それでも遠い人では、これまでより1.5`も遠回りになる、という。
 「ここは交通手段は駅と車だけが頼り。駅が無くなると、日常の不便は測り知れません。東西線が開通しても、蹴上駅まで府道を歩くのは、車が多過ぎて大変危険なんです。お年寄りは病院に行きにくくなるし、蹴上駅から御陵駅まで地下鉄通学を強いられる小、中学生は、とくに心配です」。守る会代表の白方英子さん(70)は、そう訴える。
 住民たちの声に対して、市の姿勢は「駅新設は、とうてい無理」で一貫している。
 理由の第一は、工法や防災上の条件の悪さ。市交通局計画課によると、住民たちが望んでいる九条山地下に駅をつくる場合、地上からの深さは43bにもなり、蹴上駅のほぼ2倍。しかも、ホームから出入り口まで歩行距離で200bの地下通路が必要で、防災上も危険なうえ、工費も膨大になる、としている。
 仮に九条山に新駅を作ったとしても、利用者数は1日当たり約600人程度しか見込めず、蹴上、御陵の両駅に比べ「ひとケタ少なく、採算があわない」という。
 これに対して住民らは「専門家の試算では、新駅は深さ35bでできる。
 工費も他駅とほぼ同じ15億円程度」と反論。駅利用者数についても「周辺に宗教施設や大規模病院があり、将来は1日3000人近くは見込める」と主張している。
 九条山周辺では、すでに東西線のトンネル掘削工事が始まった。住民側は「ルート変更はいつでも可能」と、訴訟準備を進めている。早ければ来月中にも提訴に踏み切る方針で、話し合い打ち切りを決めた市も、急ぎ何らかの対応策を迫られている。(京都新聞)
■梅小路蒸気機関車館 ”満20歳”で記念イベント オーケストラ演奏も JRが計画
 JRの梅小路蒸気機関車館(京都市下京区)が、全国唯一のSL動態保存館として昭和47年にオープンしてから、今年10月でちょうど20年になる。JRでは、これを記念して新たな展示運転線を完成させたほか、秋に向けてイベントの計画づくりを進めている。
 同蒸気機関車館は、長い間日本の鉄道を支えながら急速に姿を消そうとする蒸気機関車を惜しみ、旧国鉄が鉄道100年記念事業のひとつとして、当時の梅小路機関区内に設けた。
 かつて超特急「つばめ」を引き、今も車体に誇り高いツバメ・マークを残すC62型2号機や大型旅客用機C59、大正時代に全盛を誇り”キューロク”の愛称で親しまれた9600型、1000両以上が全国を走ったご存じ”デゴイチ”D51など国産の16機種17両が展示されている。うち6両はいつでも動かせるよう動態保存され、イベント列車を引いて各地を走る一方、構内に敷かれた150bのレールを毎日3回展示運転している。館内では、パネルやスライド、数々の部品展示で、SLが動く仕組みや性能、歴史などを説明、蒸気機関車のことならなんでもわかる博物館になっている。
 民営化でJR西日本梅小路運転区の運営に変わってからも、多い日には1000人ほどが詰め掛け、これまでの延べ入場者数は355万人を突破。家族連れや往時を懐かしむオールドファンに混じって、毎年欠かさずバス遠足に来る滋賀県の小学校や自分で模型を作る目的で実物を見にくるファンもいる。
 満20年を控え、新たに東海道線と並行に200bの展示運転線が完成、SLグッズの売店を備えた500人収容の見学者用プラットホームも新線沿いにでき、いずれも今月から使用を始めた。タイミングが良ければSLと新幹線、東海道線の列車が同時に走る様子を見ることができ、早くも人気の的。
 また機関士の高齢化が進むなか、電車運転士ら5人がSL機関士めざして大阪府吹田市のJR研修センターで勉強を続けている。
 記念行事の式典などについては現在検討中だが、シンボルの扇型機関庫内でオケストラのコンサートを開く計画なども持ち上がっている。(京都新聞)
■京都・小倉山 紅葉の名所に残土3年 JR・搬出メド立たず 住民・約束反故に不満
 百人一首で知られる紅葉の名所、京都市右京区嵯峨の小倉山。その山頂付近に、JR山陰線トンネル工事で出た大型トラック4万台分の土砂が工事完了から3年近く過ぎたいまも放置されている。旧国鉄は着工当時「1988年3月末までに、山をもとの姿に戻す」と地元に約束し、その後、さらに4年間の延期を申し出た。その期限もあと1ヵ月半で切れる。しかし、JR西日本はいまだに残土を運び出す計画さえ固めておらず、約束は再び反故(ほご)にされそうだ。
 「JR側はこれまで何ひとつ具体的な動きを見せていない。市はこの現状を追認するのか」(市議) 「けじめはつけさせる。しかし、搬出の方法が見つからない」(市側)
 昨年12月の京都市議会。小倉山の残土間題が取り上げられたのはこれが初めてではない。しかし、市側の答弁は似たり寄ったりで、解決策は浮かばない。
 発端は10年前にさかのぼる。国鉄は山陰線の複線電化事業の一つとして、小倉山を貫くトンネル建設を計画。土砂の仮置き場などに使いたいと、山頂西側部分約 4.8fについて現状変更の許可を京都市に申請した。
 一帯は、古都保存法に基づく歴史的風土特別保存地区。本来なら、景観を変えるような行為は許されない所だが、市は88年3月までに原状を回復する条件をつけて、これを許可した。
 国鉄は樹木を伐採し、斜面を削りとり、工事で出た約19万立方bの土砂を捨てた。現場を訪れると、山の真ん中に、グラウンドのように平らにならされた残土が現れる。土は山肌の上に10b近い厚さで積み上げられている。
 当初の計画では、営業運転を開始する前に、新線を使ってトンネル上部の立て坑から貨車に土砂を積み込み、亀岡方面の団地造成地へ運び出す予定だったという。ところが、国鉄民営化後、問題を引き継いだJR西日本は残土を搬出しないまま、89年3月に営業運転を始めてしまった。
 この間、原状回復の期限は、JRの申し出で92年3月まで4年間延ばされた。保津川沿いの旧線やトラックを利用する搬出案も浮かんだが、新たな自然破壊や周辺住民への迷惑などが懸念され、何も動き出さないまま今日に至っている。
 山のふもとの小倉山自治会は、復旧工事の内容や日程を文書で問い続けてきた。しかし、JR側からは一通の回答も来ないという。
 「JRは、私たちがなし崩し的にあきらめていくのを待っているような気がしてならない」。元自治会長の森孝之さん(53)は心配顔でそう話す。
 京都市は「期限内の原状回復は、もはや無理。しかし、少なくとも、搬出方法の成案を年度内にまとめてほしい」(風致保全課)と、JRの出方待ちだ。
 JR西日本の荻野浩平・土木工事課担当課長に聞いた。
 −小倉山はいつ元の姿に戻るのか。
 「約束期限内に原状回復するのは難しい。いつまでに戻す、と言い切れないが、今年3月を節目と考え、市側に案を示せるよう最大限の努力をしたい」
 −新線の見切り発車が、もつれの原因では。
 「京都府や周辺自治体などから早期開通を望む声が上がっており、それを考慮して営業運転に踏み切った。専門家や市と相談しながら搬出方法を検討してきたが、どの方法も一長一短がある。決して何もしないで放置していたわけではない」
・小倉山 古くからの紅葉の名所で、平安期には多くの貴人らが世俗を離れてふもとに隠凄(いんせい)した。藤原定家が「小倉百人一首」を撰集(せんしゅう)したことでも和られる。保津川をはさんで南側には嵐山がある。(朝日新聞)
■ひと 京都駅ビルは100年後も語り継がれるものに
 JR京都駅の高層化をめざし、市の高さ規制(31b)を大きく上回る59.8bの改築計画書を提出した谷口紀久京都駅ビル開発会社取締役企画部長兼国際業務室長(44)。「やっと一段落したという感じ。都市計画は生き物で本来変わっていくもの。『高さ』も大切だが、それだけにこだわって固定させておくのはどうか」と市側の対応に期待する。
 旧国鉄時代から大半を土木設計畑で過ごした「鉄橋のプロ」。東京、金沢、米子などを勤務してきたが、京都とも縁が深い。京都市地下鉄、京都から亀岡にかけての山陰本線「保津五橋」の設計を担当。そして今回はビル開発会社設立時から参加している。
 地元商店街、建設業者らとの交渉などを進める一方、駅ビル基本構想の具体化や改正大店法に基づく申請作業を急ぎながら完成像を描く。「世界の新名所になるはず。商業主義だったら、天井が低くて特徴のない従来形でもよかった。だが、『国際文化観光都市の玄関』だからこそ、100年後にも語り継がれるような立派なものを残したい」(朝日新聞)
17日■高原鉄道事故 亀山指令所(三重)の優先テコ 信楽駅信号にも影響 県警調べ 設備変更が原因
 死者42人を出した信楽高原鉄道列車事故で、滋賀県警捜査本部は信号システムの鑑定を進めているが、16日までにJR運行管理部亀山指令所(三重県)に設置の「方向優先テコ」で信楽駅の出発信号が「赤固定」される場合があることが分かった。事故当日、高原鉄道は出発信号を赤から青に変えようとしたができずに発車しており、県警は優先テコが信号トラブルに関与したのではないかとみて捜査している。鑑定素案はすでにまとまっており、今月中にも正式鑑定が出される見通し。
 県警は、高原鉄道側が信楽駅の出発信号が「赤」なのに対向の下りJR列車の状況を十分確認せずに、上り列車を発車させたのが、事故の原因とみているが、なぜ出発信号が「赤」だったのかが捜査の焦点の一つ。
 JRの説明では、優先テコは、信楽発の上り列車が小野谷信号所を先に通過し単線区間に入ると、貴生川発の下り列車が発車できなくなるため、亀山指令所から遠隔操作でテコを引き、信号所の上り出発信号を「赤」固定する。
 JRは、京都発信楽行きの下リJR列車の貴生川駅到着が遅れたため、その前に優先テコを引いたことは認めているが「機能的には信楽駅の出発信号には影響はしない」と主張している。
 しかし、県警は事故当日に近い条件を設定し、双方の車両を使って実車走行テストを実施。貴生川駅から先発列車を走らせ、優先テコを引いたところ列車の位置や引く時期などによっては、信楽駅の出発信号が「赤」固定されることが判明した。
 これまでの調べで、信号システムは、亀山指令所と貴生川駅構内はJRサイドで、小野谷信号所と信楽駅構内は東京の電気設備会社が工事を請け負った。県警は運輸省の監査終了後、システム運用開始前に小野谷信号所の下り場内信号の信号設備が運転上の理由から変更されたことをつかんでおり、設備変更の影響で、本来小野谷信号所の上り出発信号しか「赤」固定しない優先テコが、信楽駅の出発信号にも及ぶようになったのかどうか詰めの捜査をしている。
・信号システムに質問集中 JR合同説明会で遺族
 信楽高原鉄道列車事故の犠牲者42人のうち19人の遺族でつくる「犠牲者遺族の会」(吉崎俊三世話人代表)に対するJR西日本と信楽高原鉄道両社の第3回合同説明会が16日、大阪市内のビルで開かれた。遺族側は、事故原因について、JR西日本の亀山指令所の優先テコが信楽駅の信号トラブルに影響したかどうかなど信号システムに質問が集中した。
 この中でJR側は、運輸省への優先テコ設置の届け出について、事故後の平成3年6月に行ったことを認めた。その理由を担当者の転勤による引き継ぎの不手際が届け出の遅れにつながったとしている。さらに、優先テコが信楽駅の信号トラブルに関与したかどうかは「現在、滋賀県警と運輸省で調べている」と述べた。
 また、信楽高原鉄道側は事故当日、高原鉄道の列車が出発しようとした際、信楽駅の制御盤に下り列車が信楽駅に向かっているかのようなランプが点滅したことを公式に認めた。両社は資料提供について「内部文書であり、現在捜査中である」と提出を拒否した。(京都新聞)
■信楽鉄道・JR 資料提供せず 列車事故遺族説明会
 滋賀県の信楽高原鉄道列車衝突事故の犠牲者42人のうち、20人の遺族で作る「遺族の会」(吉崎俊三世請人代表)に対するJR西日本と信楽高原鉄道会社の3回日の説明会が16日、大阪市中央区のビルであり、遺族ら約80人が出席した。遺族側が直通乗り入れ運転や事故前の信号施設工事などの資料提供を申し入れていたが、井澤勝JR西日本常務ら両社代表は、内部資料としてすべて提供を拒否した。
 説明会はまず犠牲者のめい福を祈って黙祷(もくとう)、遺族の要望の強い慰霊碑建立については、北川啓一信楽高原鉄道社長らは「なるべく早く実現するよう努力する」と答えた。事故の状況や信号系統の仕組みの質疑もあったが、具体的な質問になると、両社とも「警察の捜査と運輸省の調査が進行しているので、申し上げられない」と答えただけ。
 遺族の会世話人代表の吉崎俊三さんは「大惨事なのに事実にふたをしている。誠意のなさに腹立たしさを感じる」と話していた。次回説明会は4月に開く予定。(朝日新聞)
18日■JR京都駅の商業施設 出店へ3条申請 近畿通産局に駅ビル会社
 京都駅ビル開発(井手正敬社長)は17日までに、JT京都駅ビル改築に伴う商業施設について、改正大規模小売店舗法(改正大店法)に基づく三条申請(建物設置者の届け出)を近畿通産局に提出した。同通産局管内で新法のもとでの申講第1号。
 商業施設は、ジェイアール西日本伊勢丹が京都駅ビル(地下3階、地上12階)に出店する核店舗(百貨店)4万5000平方bと専門店5000平方bの計5万平方b。開店予定日は平成6年秋で、初年度の売上高は核店舗410億円、専門店87億円を見込んでいる。
 同社は昨年9月に同通産局に出店表明し、地元説明を完了した。三条申請に続いて、ジェイアール西日本伊勢丹による五条申請(小売業者の届け出)の手続きに移る予定。改正大店法によると、五条申請から8ヵ月以内に大規模小売店舗審議会(大店審)の出店調整を終えることになっている。
 近畿通産局管内では、大店審の近畿審議部会が今月下旬、京都審査会が3月に初会合を開く予定で、改正法の下での出店調整が動き出す。(京都新聞)
■終電繰り下げ のぞみと接続 近鉄ダイヤ改定
 近鉄は17日、1日83本の列車増発を含むダイヤ改定を来月19日から実施すると発表した。同14日から東海道新幹線を走る「のぞみ」と地下鉄経由で接続する東大阪、八尾、松原方面行きの終電を15−17分繰り下げる一方、利用客の少ない難波−京都間の特急を全廃。奈良県内の田原本線を近畿の大手私鉄では初めて全部ワンマン化するなど効率化、合理化に力を入れる。(朝日新聞)
■JR西労 スト権確立 全員投票へ
 JRグループの最大労組・JR総連傘下のJR西日本労働組合(JR西労、4600人)は17日、大阪市内で第2回中央委員会を開き、8.2%の賃上げなどを要求している今春闘に向けスト権確立のための組合員投票を初めて実施することを決めた。過半数の賛成で確立する。ストは山陽新幹線を中心に設定される見通し。突入すれば、87年のJR発足後、初めて新幹線が止まる事態も予想される。
 投票期間は26日から9日間で、ヤマ場は3月末か4月初めとなる見通し。ストの方法は今後協議するが、「会社との交渉に大きな効果を持ち得る山陽新幹線を軸に設定する」としている。
 JR西労は運転士職場に強かった旧国鉄・動労派を中心にする労組で、山陽新幹線に乗務する運転士約450人のうち76%を占める(同労組調べ)。
 スト権が確立されれば、JR総連系の労組としては、昨秋のJR東海労に次ぎ2番目。同様にスト権確立を目指す動きはJR九州労にもあり、「箱根から西」の3社で、東海道、山陽両新幹線のストをかけた労使交渉が展開される可能性も大きくなってきた。(朝日新聞)
■東部阪神・南北縦断 リニア式地下鉄導入計画 尼崎・伊丹・川西市が調査
 兵庫県の尼崎、伊丹、川西三市は新年度から2ヵ年計画で、3市を含めた阪神間東部地域を南北に結ぶリニアモーター式地下鉄の導入を想定した調査研究を始める。18日発表された尼崎市の新年度予算案に調査費1922万円が計上されており、同年度は3市合わせて3370万円で現況調査などを実施、5年度に需要、採算性予測やルート研究など具体化への方策を深る。大都市圏の衛星都市での地下鉄導入構想は全国でも珍しい。
 尼崎市によると、リニア地下鉄は同市と伊丹、川西両市をはじめ、同県川辺郡猪名川町までを含む区間をルート域に想定。当面は3市で調査内容を煮詰め、コンサルタント会社に調査を委託。地下鉄導入に際しては公営方式か、既存の電鉄会社を誘致するか、事業主体や経営母体のあり方などを検討する。
 阪神間東部地域は南北を結ぶ交通体系が不十分なことから、尼崎市の六島誠之助市長は一昨年11月の初当選の際、地下鉄導入構想の推進を公約の一つに掲げており、伊丹、川西両市に共同調査の実施を働きかけていた。また、尼崎商工会議所も以前から阪神間を南北に結ぶリニア地下鉄の導入を提唱。これまで独自の研究を続けたり、社団法人日本地下鉄協会に複数のルート案づくりを依頼している。
 リニア地下鉄は従来の地下鉄に比べ、トンネル断面が小さく、急カーブや急こう配にも優れた運転特性を発揮。建設費や用地買収費が安上がりで済むうえ、騒音や振動も少ない−などの利点があり、既に大阪市営地下鉄鶴見緑地線や東京都営地下鉄12号線(光が丘−練馬間)で運転している。(朝日新聞 夕刊)
■阪急で信号故障 朝の6本に遅れ
 18日午前9時半ごろ、大阪府摂津市の阪急京都線正雀駅で信号が赤のまま変わらなくなり、河原町発梅田行き特急(8両編成)が緊急停車した。5分後に復旧したが、後続など列車6本が3−5分遅れ約3600人に影響が出た。阪急電鉄の調べでは、駅付近で保線作業をしていた作業員が退避した際、線路に置いたジャッキ用の鉄棒がレールに触れ信号電気回路がショートしたらしい。(朝日新聞 夕刊)
19日■特急に接触し養護校生死亡 JR阪和線日根野駅
 18日午後3時20分ごろ、大阪府泉佐野市日根野、JR阪和線日根野駅で、ホームにいた岸和田市神須屋町、府立佐野養護学校高等部1年昼馬(ひるま)正裕君(16)が、新宮発新大阪行き特急電車と接触、約30bはね飛ばされ、全身を強く打って間もなく死亡した。
 泉佐野署の調べでは、同駅は特急の通過駅。ホームの線路寄りにいた昼馬君が誤ってよろけたのではないかとみている。昼馬君は、迎えにきた母親(39)と一緒に帰宅の途中で、電車を待っていた。(朝日新聞)
■南海踏切では3歳児
 18日午後4時39分ごろ、大阪府泉大津市東助松町一丁目、南海本線高石7号踏切で、同市式内町、会社員樽井清司さんの長男翔吾君(3つ)が難波発和歌山行き急行電車にはねられ、頭を強く打って間もなく死亡した。
 泉大津署の調べによると、翔吾君はスイミングスクールから母親と帰る途中。いったん1人で踏切を渡ってしまったあと、母親のもとに引き返そうとして、遮断機の閉まった踏切を渡って事故にあった、という。(朝日新聞)
20日■京都市交通局の本庁舎 移転(九条)本格検討へ
 京都市交通局=中京区壬生坊城町=は、老朽化している本庁舎を同局九条営業所敷地=南区東下殿田町=に建設予定の複合施設ビルヘ移転する計画の本格検討に入る。局の中枢機能を移すことによって、開発を重視する市南部の地域活性化にインパクトを与えるとともに、都心部での貴重なスペースとなる本庁舎跡地の有効利用を図っていこうとの狙いで、20日開会の2月定例市会に検討費など1600万円を計上した新年度予算案を提案する。
 現在の交通局本庁舎は、昭和31年の建設で、鉄筋コンクリート4階建て(敷地5800平方b、延べ床6500平方b)。市民の足である市バス、地下鉄事業の中枢部分が入っている。しかし、建物の老朽化が進み、手狭で使い勝手もよくない。このため昨年夏、局内においた「庁舎移転検討委員会」で検討準備を進めてきた。このなかで、庁舎問題を、九条営業所に建設予定の複合施設ビルの建設とあわせて考えることになった。
 九条営業所は、敷地2万8000平方b。交通局は慢性的な赤字経営体質からの脱却策として局用地の効率的活用に取り組んでおり、同営業所敷地に集客力と収益性の高い複合施設ビルの建設を計画している。新年度には複合ビル建設のためのコンペを行う予定で、このビルに、交通局の中枢機能を移転させる。
 交通局は複合ビルへの本庁機能の移転メリットとして、公的機関の少ない市南部への刺激剤となるほか、本庁舎移転後の壬生地域の跡地が市都心部の貴重なスペースとなり、JR二条駅や四条大宮の繁華街とあわせた活力ある地域づくりに寄与できるとみている。
 同コンペの募集基準を本年度内に策定することから、来月中に方針決定したいとしている。(京都新聞)
■信楽鉄道事故 早急な解明を 遺族会、県警に要請
 信楽高原鉄道列車事故の犠牲者42人のうち20人の遺族でつくる「犠牲者遺族会」(吉崎俊三世話人)の弁護団の代表が19日、滋賀県警を訪れ、事故原因の早急な解明や事故車両の保存などを求める山田高広県警本部長あての要請書を提出した。
 要請書では、▽直接乗り入れにあたってJR西日本と信楽高原鉄道の設備変更に問題はなかったのか▽JR西日本が亀山指令所に設けた「下り方向優先テコ」の設計、工事に問題はなかったのか▽事故当日の信楽駅の出発信号トラブルの原因は何か−など、9項目について徹底調査するよう求めているほか、▽捜査を完了し事件を検察庁に送検する段階での捜査結果の全容を公表するよう要求している。
 また、民事面でも重要な証拠物件である事故車両の保存についての配慮も要請した。(京都新聞)
■JR東海人事 新幹線京都駅長に伊藤氏を任命
 JR東海旅客鉄道は19日、新幹線京都駅長に伊藤陽朗・東海鉄道事業本部運輸営業部営業課良を任命する人事を発表した。発令は20日付。
 伊藤 陽朗氏(いとう・はるお)昭和35年国鉄名鉄局に入り、高山駅助役、JR東海営業本部名古屋営業支店企画課長などを経て平成2年3月から現職。51歳。
 JR東海人事(20日・京滋関係)関西支社運輸営業部勤務(関西支社京都駅長)近藤征司▽新幹線鉄道山事業部米原電力所長(関西支社大阪電力所地区電力指令長)金丸浩▽新幹線鉄道事業本部電気部勤務(同米原電力所長)北村敏郎(京都新聞)
■窓 KTR臨時号 ”定期化”望む 久美浜町・芝野吉実(教員・40)
 丹後路にも、土手のフキノトウが顔をのぞかせ、日増しに春の息吹を感じさせてくれる今日このごろ、時を同じくして過日、JR、KTRの春のダイヤが発表になった。
 いつものことながら、春のダイヤ発表は、おのずと末知の地への旅の誘いに加えて、人間の気持ちを活動的にさせてくれるから、不思議なものである。
 今回のKTR臨時ダイヤで、ひときわ目を引いたものとして、5月のゴールデンウイークに大阪−京都−久美浜間で、新エクスプローラーの営業運転を行い、その新型車両の特色が世界に例をみない「五感で丹後路を楽しんでもらおう」と「森の香り」が流れる趣向で、ユニークなものであるという。
 丹後の豊かな自然が、新エクスプローラーによって引き出されることは、大いに歓迎すべきことではあるが、それ以上に丹後在住の私にとっては、定期列車としての新エクスプローラー昇格を望むものである。
 1月31日付本紙朝刊「展望台」欄で、丹後と聞くと、どうも暗く過疎地というイメージが強く、明るい話題がほしい、と冒頭で述べられていた。これを一新する意味でも、定期列車とすることによって、関西大都市圏の経済・文化・スポーツ等がより身近に受け止められ、活性化促進、効用に大きく寄与することは、まちがいのないところである。(京都新聞)
■「のぞみ」試運転 270`で京都駅へ
 3月14日のJRダイヤ改正で新登揚、東京・新大阪間を2時間半で結ぶ新幹線「のぞみ」の試運転が、19日夜から20日にかけ東京・京都間であった。
 午後10時8分東京駅を出発、定期列車の合間をぬい西進。自慢の最高速度270`テストを繰り返し午前零時13分、滑るように無人の京都駅13番ホームに入った。流線型の先頭車。頁新しい16両の白い車体に、ブルーのラインが鮮やか。グリーン車3両の豪華な編成が職員らの目を引いた。
 30分余りで出発して米原まで1往復、再び東京へ向かった。(京都新聞 夕刊)
■伏見のJR奈良線新駅 運輸省に申請
 JR西日本は20日、京都市伏見区の奈良線「深草駅」(仮称)の新駅設置申請を運輸省に提出した。伏見地域の人口増に対応して輸送力を増強、同地域の活性化をめざすもので、1993年度夏の開業を予定している。
 新駅は、奈良線の中で現在、駅間距離が4.5`と最も長い稲荷駅−桃山駅間のほぼ中間に当たる同区深草大亀谷大山町に新設される。橋上駅で、6両編成に対応できるようホームは幅2b、長さ125bを2面つくる。総工責12億400万円で、うち京都市など地元が85%、JR西日本が15%、それぞれ負担する。
 京阪電鉄「墨染駅」から東へ約500b、京都教育大学から同じく東へ約200bに位置し、1日2800人程度の乗降客を見込んでいる。
 新駅の名称をめぐっては、地元で「深草駅」「京都教育大前駅」など複数の要望があり、JRは、開業までに地元サイドと話し合いながら新名称を決めることにしている。
 JR奈良線は、すでに新駅工事が始まっている「六地蔵駅」とともに「深草駅」新設の地元要望が強かった。両駅新設と併せ、京都駅ホーム改良、城陽駅などでの行き違い設備の設置といった一連の輸送力増強工事が完了すれば、ラッシュ時の運行本数は、約80%アップが可能という。(京都新聞 夕刊)
■JR奈良線 宇治で遅れ センサーにいたずら
 20日午前5時半ごろ、宇治市木幡大瀬戸、JR奈良線木幡駅構内南側の踏切に上下2本の始発電車が差しかかった時、ともに踏切の障害物検知装置が作動したため停車、駅員が点検したところ、路切の北東約20bに設置されているセンサー受光器の筒にこぶし大の石1個が置かれていた。20日午前零時ごろに、前日の最終電車が通過した時には異常がなかったといい、宇治署は悪質ないたずらとみて調べている。
 現場付近で上下4本の電車に2−8分の遅れが出た。(京都新聞 夕刊)
■JR、2駅新設申請 奈良線と紀勢線に
 JR西日本は20日、京都市伏見区深草大亀谷の奈良線稲荷−桃山間と和歌山県有田郡広川町の紀勢線湯浅−紀伊由良間の新駅設置を近畿運輸局に申請した。完成はそれぞれ93年夏と92年冬の予定。駅名は地元の意見をもとに完成までに決める。(朝日新聞 夕刊)
■通学定期割引「差別やめて」 JRに兵庫朝鮮学園
 JR線を使って朝鮮学校に通う生徒、児童の通学定期にも日本の学校と同様の割引率を適用して、と神戸朝鮮高級学校や尼崎朝鮮初中級学校などを経営する学校法人兵庫朝鮮学園(神戸市中央区、宋純鐘理事長)の代表が20日、大阪市北区のJR西日本本社を訪れ、差別撤廃を要請した。
 JRの旅客営業規則によると、日本の中、高校の通学定期には特別割引があり、大学生や各種学校生の通学定期運賃に比べ、高校生で1割、中学生で3割安くなっている。朝鮮学校は大学生や各種学校と同じ扱いを受け、特別割引がない。小学生も日本の学校は大学生の6割5分引きなのに、朝鮮学校は5割引きと格差がある。
 JR西日本は、特別割引は1968年の旧国鉄時代に決められ、規則変更は運賃改定として運輸省認可が必要で、JR他社とも相談して検討したい、としている。私鉄は特別割引がないため各種学校の通学定期差別はない。(朝日新聞 夕刊)
21日■京都駅構内旧公安室跡地 「変換ローン」で処分 他2用地は自治体に売却 国鉄清算事業団
 国鉄清算事業団の資産処分審議会は20日の答申で、京都市下京区の京都駅東側の旧鉄道公安室用地を不動産変換ローン方式で処分し、京都府相楽郡加茂町の加茂駅管理用地と舞鶴市の西舞鶴駅貨物用地を公共用地として、それぞれ地元自治体へ随意契約で売却することを原案通り了承した。不動産変換ローン方式による土地処分は、同事業団近畿支社管内では2ヵ所目。
 京都駅の旧鉄公用地は広さ2188平方b。京都市内でも有数の一等地に位置するため、同事業団の子会社の「レールシティ西開発」が不動産変換ローン方式で商業・業務ビルを建設。複数の投資企業を募り、企業から土地購入費と建設資金の低利融資を受ける見返りに金利分の融資返済期限後、元本に応じて土地と建物の共有持ち分権を投資企業に譲渡する。
 同方式は周辺地価に影響を及ぼさない土地売却方法といわれ、大阪の西梅田再開発地区内の用地に次いで近畿で2ヵ所目になる。1992年度中に投資企業を入札方式で公募する方針。
 加茂駅管理用地は、関西線加茂駅の東側の2万500平方b。加茂町に売却し、町側は公園や駐輪場、道路用地などに充てる。
 西舞鶴駅貨物用地は、舞鶴線西舞鶴駅北側にあり、面積は6500平方b。舞鶴市は、駐輪場、駐車揚、緑地に利用する。加茂、西舞鶴の両用地とも3月中に売買契約を済ませることにしている。(京都新聞)
■神泉苑遺跡保存へ 地下鉄工法変更を 日本史研か申し入れ
 日本史研究会(代表、土口他晶岡山大名誉教授)は20日、二条城南側にある平安京の禁苑「神泉苑」遺跡を残すため、地下鉄東西線の建設工法をトンネル式のシールド工法に変更するよう、京都市に申し入れた。
 市交通局は地下鉄建設に伴い、一昨年8月から、神泉苑北部を東西に横切る押小路通の発掘調査を実施した。平安時代の苑池の北縁部分や船着場の足場と見られる遺構などが発見されている。しかし交通局は、付近に駅舎を建設することもあって、一帯を露天掘り式のオープンカット工法で工事にかかる予定で、文化庁などと協議を進めている。
 吉田名誉教授らは「これだけまとまった平安京の遺跡の出土はまれ。破壊されれば、二度と復元できない」として、「オープンカット工法をシールド工法に変更し、遺跡を切り取ったりせず、現場に保存する」よう求めている。また日本史学会として京都府にも同趣旨の申し入れをする予定。(京都新聞)
■ニュー新幹線一番列車 「のぞみ」まとめ買い 電算システムで強み JR・「個人優先なのに」 旅行会社・ホテルとセットで再発売
 新大阪−東京間を2時間半で結ぶJR東海のニュー新幹線「のぞみ」の一番列車(全車座席指定)切符は、完売した1323席の一部を大手旅行会社がまとめ買いし、ホテルとセットにして再販売していることが20日、JR東海などの調べで分かった。同社は団体予約受け付けをせず全席を個人用で受け付けたのに、裏をかかれた形で、「切符を売ったあとは買い主の旅行会社の自由」としながらも渋い顔だ。
 JR東海などによると、20日までに分かったのは、日本交通公社(JTB)50席と東急観光100席。いずれも新大阪3月14日午前6時12分発「のぞみ」302号と東京のホテル1泊、帰りの翌日の「ひかり」などを組み合わせ、約4万円−5万2000円で発売した。東急観光はすでに完売し、JTBは3分の2が売れたという。 多くの新幹線は半年前から団体客の受け付けをし、旅行会社はその時に指定席を仕入れて旅行商品をつくるのが普通。だが、「のぞみ」は当面1日2往復と座席数が少ないため、JR東海は個人のビジネス客保護を図った。
 しかし、予約用電算機の端末は駅のみどりの窓口と同様、各旅行会社にもあり、1台に付き14人まで同時に予約できる。駅で個人客1人を処理する瞬間に14人分の予約が済む計算だ。実際に大阪駅では14日の予約開始時に、窓口4つを「のぞみ」専用にして受け付けたが、各窓口1人か2人しか予約できなかった。
 JR東海営業本部販売計画課の氏原伸担当課長は「違法ではないが、ビジネス新幹線の方針からははずれた売り方だ。現在の電算機の満末では業者買いも個人用も区別できず、防ぎようがない」と驚いている。
 JTBは「一番乗りの『のぞみ』かなえてあげる−初乗り東京ディズニーランドヘの旅」のキャッチフレーズで、19日付の大阪発行の全国紙2紙に広告を掲載。東急観光も「のぞみ号一番列車150分の旅」と銘打ち、予約客に配る特製乗車証まで準備中だ。
 JTB関西営業本部の磯島洋・広報室調査役は「ホテル付きで一番乗り列車に乗りたいというお客様のニーズにこたえようと、早くから準備した。一般の個人客に迷惑はかけていないし、このツアーも個人型だから問題はない」と話している。
 東急観光関西営業本部の国内旅行責任者は「話題性のある一番列車だから、やっただけ」と言っている。(朝日新聞)
■旧国鉄用地 京都駅東隣を処分 清算事業団資産処分審が了承 変換ローン方式で
 旧国鉄跡地の売却を進めている国鉄清算事業団の資産処分審議会(亀井正夫会長)は20日、JR京都駅東隣の元鉄道公安室用地など2件を不動産変換ローン方式で処分し、神戸市兵庫区のJR兵庫駅前の貨物駅跡地など全国12ヵ所の旧国鉄跡地を地元自治体などに随意契約で売却する事を了承した。
 京都駅前用地は約2200平方b。現在一部を鉄道警察隊事務所に使っている。不動産変換ローンは、地価に悪影響を与えない処分方法として、これまで全国7ヵ所で主に都心部の商業地域に適用。近畿では大阪・西梅田地区約2万6000平方bに次いで2番目。この方式は土地代込みでビル建設費などの開発費用を投資家から募集。投資家は5−10年後に土地と建物の共有持ち分権を受ける条件でローン契約を結ぶ。
 この他の近畿の譲渡用地は、加茂町の加茂駅前=2万500平方bを加茂町へ売却、町営住宅や公園、公共駐車場などにする=と、舞鶴市の西舞鶴駅前=6500平方bを舞鶴市に売却、公共駐車場や駐輪場にする。(朝日新聞)
■神泉苑遺構保存へ 工法変更申し入れ 京都市へ日本史研
 日本史研究者らでつくる日本史研究会(代表委員、吉田晶・岡山大名誉教授、約3000人)は20日、京都市に対し、地下鉄東西線建設工事に伴う事前調査で、その一部が発掘された、平安期の庭園「神泉苑」の遺構を保存するため、地下鉄の工法の変更などを申し入れた。
 要望書は「平安京の遺構は発掘しにくく、これだけまとまって出土することはまれである」と指摘。市が採用することにしている開削式のオープンカット工法では、そのすべてが破壊されてしまうとして、地中をくり抜くシールド工法に変更し、遺構を保存することなどを求めている。(朝日新聞)
■北近畿タンゴ鉄道 ユニークな駅がずらり 魅力増す「丹後の旅」 ペンションや平安朝風
 北近畿タンゴ鉄道が発足して、4月で満2年。民営化に合わせて、沿線の駅舎が次々と改築され、イメージが一新された。各自治体が競うように個性的なデザインの駅舎を建て、丹後の旅に駅めぐりの魅力を付け加えている。喫茶店を併設しているところもあり、地元の人にとっては、憩いの場としての役割もあるようだ。
 JR豊岡−西舞鶴間にある17の駅のうち、これまでに改築されたのが11。現在、岩滝口駅が改築中で、栗田駅には改築計画がある。
 西から紹介しよう。まずは久美浜駅。明治時代に置かれていた久美浜県庁の庁舎玄関を木造で再現した。どっしりとした風格がある。丹後神野駅はおしゃれなペンション風。ライトグレーの三角屋根に薄緑の壁がよく似合う。
 懐かしい温泉宿を思わせるのが木津温泉駅。天井に大きな照明があり、白と黒のコントラストが美しい。網野駅は高く丸みを帯びた建物で、夏の海に浮かぶ、帆をいっぱいに広げたヨットをイメージした。窓も船窓のように丸い。
 峰山駅は丹後ちりめんの産地にふさわしく、駅舎全体が手織機をイメージしたデザイン。小野小町の里として売り出している丹後大宮駅は平安朝風。屋根に大きな鬼瓦(がわら)があり、柱は朱色、壁と床はクリーム色。入口両側には小野小町を描いたステンドグラスがある。
 着物の襟に見立てたとんがり屋根が目印になる野田川駅。大きな天窓から差し込む陽光で待合室が明るい。伊根の船屋を模した天橋立駅は去年、日本鉄道建築協会賞を受賞した。海水浴客でにぎわう丹後由良駅は、三角屋根のコテージ風。沖を走るヨットの帆をイメージしているという。(朝日新聞)
■92春闘本番入り 私鉄総連 2万5000円の要求提出 来月下旬 スト構え交渉
 金属労協(IMF・JC)と並んで春闘相揚に影響力を持つ私鉄総連(田村誠委員長、18万9000人)は21日午前、東京・丸の内の日本民営鉄道協会で経営側に「平均2万5000円(9.3%)の賃上げ」などを求める春闘要求を提出、私鉄春闘が始まった。金属労協の主要単産は「時短」「賃上げ」を中心とした要求を既に提出しており、これで92春闘は本番入りする。
 私鉄の要求は賃上げのほか@年間臨時給(一時金)の0.2ヵ月分の上積み(現行は大手平均5.4ヵ月、中小4.9ヵ月)A産業別最低賃金13万500円(現行11万9000円)への引き上げ−など。
 賃上げ要求額は昨年と同じだが、率では0.3ポイントのマイナス。私鉄総連は今年もストライキを背景に中央集団交渉で回答を引き出す方針。
 私鉄総連は金属労協との共闘を重視、大手組合は3月27日にストを設定する方針で、前日の26日が交渉の大詰めになる見込み。中小組合は3月30日にストを構えて交渉、3月中の決着を図る。
 今春闘では連合の「3月下旬にヤマ場を」の方針に沿って金属労協が昨年より10日近くも早い3月25日を集中回答日に指定している。(京都新聞 夕刊)
■京都市地下鉄 烏丸線延伸を申請
 京都市は21日午前、地下鉄烏丸線国際会館−北山間(2.6`)の事業免許を近畿運輸局に申請した。免許が下りれば新年度に着工し、5年後の1997年に開業の予定。
 洛北地域の輸送需要増への対応、国立京都国際会館へのアクセス整備などが申請理由。ルートは烏丸線北山駅(北区上賀茂岩ケ垣内町)から北山通を東進、途中で北側の山手を抜けて国際会館(左京区岩倉大鷺町)東側に至る。北山駅から約1`東の松ケ崎病院付近に「松ケ崎駅」(仮称)、終点に「国際会館駅」(同)の2地下駅を新設する。工期は92年度から96年度。建設費約440億円で、市は新年度予算案に39億5400万円を計上している。国の新年度予算成立後に免許が下りる見通し。(京都新聞 夕刊)
■地下鉄延伸を申請 国際会館まで 2.6` 京都市交通局
 地下鉄烏丸線の北部延伸計画を進めている京都市交通局は21日、北山−国際会館間2.6`について、近畿運輸局に事業免許を申請した。今年度内に着工し、1997年度中の開業を目指す。
 完成すれば、京都市南部の竹田(伏見区)から国際会館まで計13.7`が1本につながる。(朝日新聞 夕刊)
22日■北へ延びる地下大動脈 烏丸線北山→国際会館 新年度に着工 97年度に全線開通の見通し JR京都駅から27分 通勤・通学の足便利に
 京都市交通局は21日、地下鉄烏丸線北山−国際会館間2.6`の事業免許を近畿運輸局に申請した。1992年度中に着工したい考えで、予定通り進めば97年度中には竹田−国際会館間13.7`が全線開通する見通し。ひと足先に東西線(二条−醍醐間12.7`)も開通することになっており、11年前、北大路−京都駅間6.5`でスタートした市民の足は、市の東西南北を十字形に貫く総延長26.4`の大動脈となる。
 烏丸線の北部延伸は、岩倉をはじめとした洛北地域での住宅開発の進展や、八瀬、大原地域への観光客の増加に伴う道路混雑を緩和することや、市の玄関口であるJR京都駅から国立京都国際会館へのアクセス機能の充実を図ることなどが目的。89年5月の運輸政策審議会答申で、東西線とともに2005年までに整備すべき路線に位置付けられている。
 この日明らかにされた路線図によると、延伸ルートは全線地下構造。北山駅から北山通に沿って東進、ノートルダム女子大と京都工芸繊維大学の中間付近に設けられる「松ケ崎」駅(仮称)を経て北上し、宝ケ池東側の東山地下を通り、国際会館北側の「国際会館」駅(同)に至る。工事は北山通と国際会館付近では開削方式のオープンカット工法を採用、松ケ崎駅から東山までは地下をくり抜くシールド工法、東山地下ではトンネル工法を使う予定。
 開通すれば、現在バスで1時間近くかかるJR京都駅−国際会館間が約27分で結ばれる。沿線には岩倉方面の新興住宅街や、京都工芸繊維大、ノートルダム女子大などもあり、通勤、通学の便が大幅に改善されそうだ。
 交通局は、今秋には工事施行認可を受け、都市計画決定を経たうえで用地買収に着手。92年度内には工事にとりかかりたい意向だ。松ケ崎駅は市道の北山通の地下で、国際会館駅も市の公園用地にあたり、民有地はごくわずかという。
 一方、建都1200年にあたる94年度完成を目指す東西線は、全25工区のうち23工区が発注済み。連動する再開発事業が地元の反対で大幅に遅れ最大のネックになっていた山科駅工区も、2月1日に再開発事業の事業計画が決定されて着工のめどがつき、来年度中には、全工区で工事が始まる予定だ。
 現在の烏丸線の1日あたりの乗降客数は約19万人。交通局は、97年度には延伸区間で4万7000人、烏丸線全体で27万人になり、東西線を合わせると45万人に増加すると見込んでいる。しかし、現在の烏丸線が黒字だったのは開業年度だけで、以後は赤字が常態化している。東西線の建設費は2450億円、北部延伸は440億円。財政的にはいまよりもさらに負担が増すことになる。交通局計画課は「黒字に転じるまでには開業から30年はかmm">かる」としており、東西線の延伸計画も控えていることから、台所の苦しさは当分続きそうだ。(朝日新聞)
■まとめ買い 足元でも 「のぞみ」一番列車 JR子会社が30席
 3月14日デビューのJR東海の「のぞみ」の一番列車(全車座席指定)を旅行会社がまとめ買いしている問題で、同社の子会社JR東海ツアーズ(本社・東京都中央区)も新大阪発の2日分30席をまとめ買いし、東京ディズニーランドのパスポートつき日帰りツアーとして販売していることが21日わかった。ビジネス用の個人客を優先していく方針が足元でも守られていなかったことに、JR東海は頭を痛めている。
 JR東海ツアーズは、JR東海とJTBの共同出資の旅行会社で、関西にある新大阪駅、京都駅支店などが企画。ツアーは3月14、15両日朝の「のぞみ」で新大阪発、東京ディズニーランドのパスポート(4400円相当)と帰りの自由席特急を含め、2万9900円で発売。各日15人分計30席をまとめ買いしていた。これまでに約8割が予約ずみという。
 丹羽進次郎・JR東海開西販売部長は「全く知らなかった。子会社といえ、別の旅行会社なのでやめろとは言えないが、道義的にはどうかと思う」と話している。(朝日新聞)
■青鉛筆
 JR西日本が3月14日から3日間、山陽新幹線の岡山延長満20年を記念するクイズの応募チラシ台を、新大阪駅の新幹線区域に置こうとしたところ、JR東海が「待った」。
 もともと同駅は、在来線が西日本、新幹線区域は東海の管理とややこしい。おまけに14日は東海が力を入れる新型車両「のぞみ」の開通日で、JR東海は「独自イベントを予定しておりスペースはない」というわけ。
 分割民営化以降、対抗意識むき出しのJR各社とはいえ、今回はどちらのイベントも新幹線のPR作戦。西日本側は「あまりに殺生な。線路はつながっているのに」。(朝日新聞)
23日■総合設計制度見直し 府建築士会まちづくりで提言 JR京都駅の改築 東海道線を高架に
 府内在住の一級、二級建築士らでつくる府建築士会(望月秀祐会長)はこのほど「京都の新しいまちづくりについての提言」をまとめた。京都ホテルの高層化計画に適用された総合設計制度を見直し、JR京都駅の改築に際して都市交通の流れに配慮を求めるなどの内容で、京都市に提出した。
 田辺市長のまちづくり試案が昨年初め出されたのをきっかけに、同会のメンバー約20人が研究会をつくり専門家の立場から検討を続けてきた。
 提言では、総合設計制度について「景観阻害として今後も市民の反対運動が繰り返されるおそれがある」として、最高限度の60bを認める区域から御地、河原町、五条、堀川の各通りの外縁部を除く▽JR京都駅改築では、東海道線を高架にして南北交通の流れを良くする▽駅南の八条−九条間では一定の高層建築を認めるとともに、「公開の森」として畢備▽三山の山すその高さ制限20bの地域では制限を15bと強化する▽道路に面した建築物の高さを規制し、統一したスカイラインをつくる−など20項目。
 提言は、会員にアンケートして620人から賛否を得た。アンケートの結果、総合設計制度の見直しと山すそでの高さ制限の強化の2点では、会員の賛否が相半ばしたが、その他の項目はいずれも過半数の支持があった、という。(朝日新聞)
25日■2年で園部−福知山電化 山陰線で知事表明 4年度内に着工 府会本会議
 京都府の2月定例議会は24日、本会議を再開し、池本準一(公明)、田渕五十生(社会・社民ク)、家元丈夫(自民)の3議員が代表質問した。
 田渕、家元両議員が、京都縦貫幹線鉄道の高速化に関連して、JR山陰線・園部−福知山間(54.3`)の電化計画をただした。
 これに対し荒巻知事は「おおむね2年を工期として、平成4年度内にはぜひ着工したい」と述べ、具体化に必要な財政支援問題について「地元市町も含め協議に入りたい」と答えた。
 また同知事は「北近畿タンゴ鉄道の福知山−天橋立間の路線構造などを改善し、京都−天橋立間を1時間半程度で結びたい」と、南北縦貫鉄道の高速化実現に強い意欲を示した。
 新年度、京都社会福祉会館(京都市上京区)内に新設する社会福祉研修センターの将来構想ついて同知事は「京都の学術、研究機関との連携で福祉サービスの調査、研究や社会福祉のシンクタンクとして事業展開する」との考えを明らかにした。
 また同知事は水質汚濁防止法改正に伴い、下水道計画区域内でも合併処理浄化槽の設置が国庫補助対象となる生活廃水対策重点地域として、府内では北部の久美浜町しか指定されていないことについて「淀川水系の水質保全を図るため、同水系市町も指定を受けるよう積極的に働きかける」と述べた。(京都新聞)
■新空港から直行列車 JR京都駅 国際化へ提言 交流室の設置も
 JR京都駅改築に合わせ、国際文化観光都市・京都の活性化への具体案を検討してきた「京都駅国際活性化推進検討会」(座長・端信行国立民族学博物館助教授)は24日、「魅力ある国際都市の形成に向けて」の題の報告書をまとめた、と発表した。内容はシティ・エア・ターミナルや国際交流室の設置など、新駅の国際機能の強化に関する提言が中心。京都駅ビル開発会社は今後、この案を市側に説明し、協力を求めていく方針だ。
 報告書は@京都の未来と新京都駅A京都の国際活性化に向けての課題B魅力ある国際都市実現への具体的提言の3部からなる。まず「都市の駅は玄関口だけでなく、世界と結ばれた情報発信の拠点」という認識を示したうえで、「京都駅が国際機能を持つ施設を集積すべきだ」と指摘。
 新駅への具体案として、シティ・エア・ターミナルの設置や関西新空港からの直行列車の導入、旅券事務所、海外との行政窓口となる国際交流室の設置などを求めている。このほか、駅施設を活用した芸術祭や国際パレードなどの創設が文化創造や情報発信機能の強化につながる、としている。
 同検討会は昨年2月、国際観光振興会とJR側が中心となって「京都の国際活性化への施策検討」を目的に設立。「建都1200年事業のなかで京都という都市がいかに国際化すべきか」というテーマで活動してきた。(朝日新聞)
■車道上に倒れそこへ市バス 会社員ら2人重傷
 24日午前11時10分ごろ、下京区四条通黒門角の四条大宮バス停前の路上で、山科区西野大鳥井町、会社員横山千鶴さん(21)が、錦林車庫発嵐山行きの京都市バス=坂本登運転手(51)=に左足をひかれ、約3ヵ月の重傷を負った。バスを待っていた右京区嵯峨野神ノ木町、呉服店店員野一色幸子さん(67)も横山さんとぶつかった際に倒れ、右腕に約6週間の重傷。
 堀川署の調べでは、銀行から会社に戻る途中だった横山さんが歩道上で野一色さんとぶつかり、車道上に倒れたところをバスにひかれたらしい。(朝日新聞)
■新幹線も69本遅れ
 25日朝、滋賀県・米原地区に降った雪のため、東海道新幹線は名古屋−新大阪間の一部で、始発から午前11時過ぎまで時速120−170`の徐行運転をした。この影響で新大阪発東京行き「ひかり204号」など上下69本が最高13分遅れ、約7万9000人の足が乱れた。(朝日新聞 夕刊)
26日■新幹線の線路内に男 列車に上り感電、重体
 25日午後5時55分ごろ、大阪市東淀川区西淡路の東海道新幹線下り線路に、中年の男が入り込んでいるのを、新大阪駅構内に停車していた回送電車の運転士が見つけ、東京指令所に連格した。
 連絡を受けた大阪府警鉄道警察隊が新大阪駅から急行し、男を取り押さえようとしたところ、近くに緊急停車していた東京発博多行きひかり21号の屋根によじ登り、感電、近くの病院に収容されたが重体。
 この事故で新幹線の上下計48本に遅れが出た。(京都新聞)
■京都駅に車の地下道 府市協調でと荒巻知事表明 西洞院通を南へ
 荒巻禎一京都府知事は25日の府議会本会議で、JR京都駅ビル改築に伴う周辺整備の一環として、西洞院通を塩小路通から南に延伸し、八条通と結ぶ南北地下自動車道路を建設する方向で京都市と協議していることを明らかにした。府では府市協調で実現したい考えで、京都市が3月に予定している同駅ビル改築に向けた都市計画変更の際、同道路新設を盛り込むよう働きかけている。
 南北交通問題は、京都駅ビル改築計画に関連して、府議会でも再三取り上げられていた。特に「駅ビルが南北を遮断する壁になる」として、歩行者用自由通路とともに自動車道路の建設を求める声が高まっていた。
 同駅周辺では現在、河原町通、高倉通、堀川通の3道路が南北を結んでいるが、府では第4の南北道路の建設に向け、昨年秋から京都市と検討を進めきた結果、西洞院通を南へ延伸する案が浮上した。
 構想では、自動車専用道路で、延長297b、幅員7b。塩小路通からJR山陰線、東海道線など各線をトンネル(高さ3b)でくぐり、新幹線の高架下で地上に出て、八条通につなぐ。同道路建設では、駅周辺に整備される市都市計画道路を一部共用する。総工費は約30億円。
 荒巻知事は「京都駅の南北を一体的に発展させる観点から、現在京都市と技術的な検討を進めている」と述べ、実現へ意欲を見せた。
 南北道路の建設は、京都市が事業主体となるため、府は財政支援も含め市と具体的な協議を進める一方、JR西日本にも協力要請しており、新駅ビルが出来あがる平成6年度から「遠くない時期」に実現させたいとしている。(京都新聞)
■新幹線に上り感電 新大阪付近 男性が重体
 25日夕、大阪市東淀川区西淡路の東海道新幹線の線路上を歩いている男性が見つかり、上り回送列車と下りのひかりが緊急停車した。男性は新幹線の屋根によじのぼったあと、架線(2万5000ボルト)に近づいて感電したらしく転落、病院に運はれたが全身やけどで重体。
 この事故で東海道・山陽新幹線は上下線とも46分間ストップ、上下48本が最高53分遅れ、約5万人が影響を受けた。
 男性が見つかったのは、午後5時57分ごろ。新大阪駅東側の線路上で、上り回送列車の運転士が見つけて停車。同時に、現場に差しかかっていた東京発博多行き下り「ひかり21号」(16両編成)も、駅東約1`で緊急停車した。
 駅員が走って現場に向かい、男性を見付けて「危ないから」と声をかけたが、男性はそのまま連結部分にある点検作業のためのステップを伝って、下り列車の12号車の屋根(高さ約4b)に上ったらしい。「ひかり」の屋根に上った事故は初めて、という。
 東淀川署の調べでは、この男性は40歳から50歳くらいで、ホームから線路に下りたらしい。身元を調べている。(朝日新聞)
■京都駅ビル会社への出資 「妥当」との見解 府議会で知事
 荒巻知事は、25日開かれた府議会で、府がJR京都駅ビル改築の事業主体となる京都駅ビル開発会社に出資していることについて「公共的施設の面積が約20%を占めることから妥当」との見解を示した。
 西村宏議員(自民)の代表質問に答えた。
 知事は「(駅ビル改築案は)関西新空港と連動したシティ・エア・ターミナルの設置が計画されるなど、公共的部分が20%を占めている」と答弁。さらに、近畿自治体のJR駅ビルに対する平均出資率が約10%であることを挙げ、京都駅ビル開発会社の資本金の5%に当たる9000万円を出資していることは妥当と強調した。
 府や京都市が駅ビル開発会社に出資していることについて、反対派の住民らは、百貨店やホテルなどの商業施設が大部分を占めており、公金を出資するのは違法だとして、府、市、駅ビル会社の三者を相手どり、出資金の返還とこれ以上の公金支出の差し止めを求める訴息を、京都地裁に起こしている。(朝日新聞)
■西洞院通を南北貫通道路に 知事表明 JR線路の地下通して
 荒巻知事は、25日の府議会で、下京区の西洞院通を延長し、JRの線路部分を地下道路として、南北貫通道路とすることを京都市、JRと検討していることを明らかにした。
 府都市計画課や京都市都市計画課によると、JR京都駅が改築された際の駅周辺の交通緩和策として、烏丸通を境にして東は高倉通、西は西洞院通を整備する考え。これまで、堀川、河原町、高倉通の3本の街路については、整備の方針を打ち出していたが、西洞院通については初めて。
 現在の西洞院通は、駅で分断されているため、JRの線路下の地下を通して、八条口に抜けられるようにする。ただし、道幅、地下部分の距離などはこれから検討するという。(朝日新聞)
27日■JRなど今夏着工 天王寺ターミナルビル
 JR西日本と南海電鉄などは、大阪市天王寺区悲田院町に共同で都市型ショッピングセンター「天王寺ターミナルビル」を建設する。ファッション専門店ビルとしては西日本最大で、今年7月に着工、1995年(平成7年)秋の完成を予定している。
 両社の所有地に14階建て、延べ6万5500平方bの店舗ビルを建設。1階にはJR関西線が入り、3階以上を店舗にする。アパレルを中心としたフロアのほか、スポーツ、レジャー、書籍などの専門店も置き、物販面積は2万7500平方b。ほかにレストランなど飲食店街延べ6500平方bもできる。総工費は約400億円。初年度で430億円の売り上げを見込んでいる。(京都新聞)
■天王寺駅の高層ビル計画 ホーム上の地盤に 7年ぶり着工
 JR西日本と南海電鉄などが出資した天王寺ターミナルビル会社(渡辺勇作社長)は26日、両社の天王寺駅のホーム上に人工池盤を造り高さ53b(12階分)のファッション専門店ビルを建設する計画を発表した。旧国鉄時代の計画が地元商業団体などの反対でストップしていたが、7年ぶりに着工する。
 計画では、以前ホームを移した南海旧天王寺駅とJR天王寺駅の関西線ホームなど計5100平方bに14階建てビルを造る。延べ6万5500平方b。ホームと同じ高さの1、2階は荷さばき場、3階以上がファッション関係や飲食店250店が入る。駐車場と合わせ約400億円。今年7月着工、95年秋元成予定。
 当初、南海の子会社「天王寺CITY」が運営を引き受けて88年完成の予定だった。工費の高騰などで撤退、ビル会社自ら管理運営を引き受け、あらたに地元商業団体の了承を得た。ファッション専門店ビルの店舗面積ではナビオ阪急を抜き大阪一。(朝日新聞)
■交通局 九条に移転 京都市表明 新築複合ビルに
 京都市交通局の依田満管理者は、27日午前開かれた2月定例市会本会議で、南区の市交通局九条営業所用地に建設予定の複合施設ビルに、同局本庁舎=中京区壬生坊城町=を移転させることを明らかにした。また同ビルは文化、スポーツ施設、商業施設などで構成、市南部活性化のシンボルとなるような施設にしたい考えを強調した。
 椋田知雄議員(自民)の質問に答えた。
 市交通局は慢性的な赤字経営体質からの脱却策として、九条営業所用地の有効活用に取り組んでおり、複合施設ビルは、府市協調事業として用地南側に建設される府勤労者総合福祉センターとともに、中核施設となる。
 答弁の中で依田管理者は、同ビル建設について「交通局庁舎のほか、文化、スポーツ施設、商業施設などを考えており、収益の観点からだけでなく、地域住民の共感を得られるような施設にしたい」と、建設の基本的な考えを示し、同局本庁舎の移転を計画に盛り込む考えを初めて表明した。
 また建設にあたっては総合設計制度を導入し、敷地の有効活用を図っていく方針を明らかにした。
 交通局本庁舎は昭和31年の建設で老朽化しており、局の中枢機能を移すことによって市南部の地域活性化にインパクトを与える一方、跡地の有効利用を図るのが狙い。市では現在、同ビル建設へ向けてコンペの募集基準の策定を急いでおり、新年度にはコンペを実施する。(京都新聞 夕刊)
■'92関西 神戸ポーアイ夕景 未来の足 ライナー不評 車が横行
 神戸の夜景を眺めるのに絶好の場所が、ポートアイランドにある。みなと異人館の建つ北公園。タコ焼きを売っていたおばさんが、駐車場の”秘密”を教えてくれた。
 「公園から人の姿が消えるころ、ここは、逆に満車になるんや」
 深夜、駐車場はやはり「満車」のままだった。500円を入れさえすれば、何日でも駐車しておけることが口コミで伝わって、住民の車庫代わりになっている。
 管理する神戸市が調べたら、同じシステムの南公園と合わせて168台のスペースがあるのに、回転していたのは3割だけだった。あとはチャツカリ組の占拠とわかり、対策として5月から1時間当たり150円を集めると決めた。
 住民側にも言い分は、ある。 例えば、市営住宅。660戸に対し、駐車場は91台分だ。予約リストに200人近い名前が並び、その先頭で空きを待つ住民の申込日の欄には「82年4月」とあった。10年待ち。4年前に予約を入れたという主婦(28)は「宝くじに当たるのと、どっちが先かしら」と笑った。
 結局、路上駐車が横行する。住宅街だけで400台を超え、レジャーや買い物の客が集まる日曜日は、さらにひどくなる。ファッションタウンの歩道上にまで車があふれ、散歩もままならない。滋賀ナンバーの青いポルシェに、真新しい引っかき傷が付いていた。
 住んで10年になる安田登さん(56)は「車問題を突きつめれば、未来都市の足への不満に行き着く」という。
 神戸市が運行している新交通システム、ポートライナーのことだ。コンピューター制御による無人走行で、バスよりも大量に輸送でき、公害もない。だが、1日5万5000人の利用予測に対し、実績は4万8000人台にとどまる。
 夕方、ファッションタウンの企業前から次々とタクシーが出る。「ポートライナーは遅くて…。相乗りすれば運賃も変わらない」と女子社員。平均時速22`も不評だが、115億円という赤字も深刻だ。いまの220円から、2年1度の値上げを続けても、解消に17年かかる。
 安田さんが代表幹事を務める「ポーアイの牲活と環境を守る会」(6600世帯)が、市営バスの乗り入れを要望し続ける理由に、住民の複雑な思いが表れている。
 「部屋の間取り、買い物、交通手段…。どれもが似通った生活の中に、選択肢を一つでも増やしたい」
 マイカーも同じだ、と安田さんは思う。(朝日新聞 夕刊)
■橋げた落下 元請け元部長も送検へ 広島県警 ずさんな管理を追及
 昨年3月14日、23人の死傷者を出した広島市安佐南区の新交通システム橋げた落下事故を捜査している広島県警捜査本部は27日、工事の元請け業者のサクラダ(本社・千葉市)や下請け業者の作業員ら8人を28日、業務上過失致死傷容疑で広島地検に書類送検する方針を固めた。この中には、サクラダの現場監督のほか事故当日、現場にいなかった上司の橋りょう工事部長も含まれている。同県警は事故原因を人為ミスと断定、サクラダのずさんな安全管理が惨事を招いたとして、上層部の責任を問うことにした。
 送検されるのはサクラダの神馬清・元橋りょう工事部長(53)と現場監督をしていた小島修・元橋りょう工事第二課長(48)=労働安全衛生法違反容疑で送検ずみ=らサクラダの3人とジャッキ繰作をしていた下請け業者の作業員5人(うち1人死亡)。
 調べによると、神馬元工事部長は同社が請け負う全国の工事現場を統括する立場にありながら、橋げたに落下防止用ワイヤをつけるなどの危険防止の指示を怠っていた疑い。
 小島元課長ら2人は、現場監督、同補佐として、現場作業員に作業の指導、注意をする義務があったのに、西側橋脚上で作業していた作業員らに、ジャッキの配置など安全対策上の指導を怠っていた疑い。
 また西側橋脚上で作業していた下請け業者の作業員らは、ジャッキ操作をしていた際に、十分な知識もないのに作業を続け、落下事故の直接の原因となった作業ミスを犯した疑い。(朝日新聞 夕刊)
28日■トロッコ列車 運転再開へ
 保津川渓谷を走る観光トロッコ列車「ロマンチックトレイン嵯峨野」(トロッコ嵯峨−亀岡間7.3`)が3月1日から運転を再開する。初日の1日は、午前9時15分から京都市右京区のトロッコ嵯峨駅で祇園の舞妓さんらが参加して出発式を開く。
 嵯峨野観光鉄道が運行するトロッコ列車は、複線電化で廃線となった山陰線の旧路線を使って昨年4月に運行を開始した。12月29日に冬季運休に入るまで、62万7000人、平均乗車率約7割の観光客でにぎわい、一躍脚光を浴びた。
 今シーズンも昨年通り、4両編成(定員252人)で1日8往復する。全便指定席で、大半は予約が必要。走行時間はこれまでの20分から25分に減速し、要望の高かった春の桜、秋の紅葉など保津川渓谷の四季をゆっくり楽しめるようにする。料金は大人600円、小学生300円。(京都新聞)
■市民主人公の町に 京都の高層化 反対大集会に900人
 JR京都駅ビルと京都ホテルの高層化などに反対する住民や労働組合員らによる「ストップ・ザ・京都破壊市民大集会」が27日夜、京都市下京区の京都産業会館で開かれた。
 集会は、市民運動団体や消費者団体から約900人が参加した。はじめに元京都府立大教授の寿岳章子さんや神戸大学教授の早川和男さんら4人が、京都の町づくりのあり方をめぐって討論。京都市の都市計画や、市まちづくり審議会の答申を町破壊の肉付け、と批判したうえで「企業中心の利益追求型ではなく、市民を主人公にした町づくりを目指すべきだ」−などの意見で一致した。参加した各団体の代表17人から、1分半ずつの決意表明があり、最後に総合設計制度適用の撤回などを盛り込んだ「まちづくり京都宣言」を、全会一致で採択した。(京都新聞)
■私鉄集団交渉は9社 京成が13年ぶり復帰
 日本民営鉄道協会(会長・久万俊二郎阪神電鉄社長、75社加盟)の労務委員会が27日京都市内のホテルで開かれ、中小に先行する大手私鉄15社の今春闘の賃金交渉を、昨年の8社に京成を加えた9社による中央集団交渉で進めることを決めた。京成が中央集団交渉に加わるのは昭和54年以来13年ぶり。
 9社の内訳は関東が東武、東急、営団地下鉄、京成の4社、関西は近鉄、阪急、阪神、南海、京阪の5社。
 小田急、京王、京浜急行、相模鉄道、名鉄、西鉄の6社は個別交渉となる。(京都新聞)
■JR東海労があっせん申請
 労使関係の改善などを求めている旧動労系のJR東海労働組合(JR東海労、佐藤政雄委員長、約1300人)は27日、中央労働「委員会にあっせんを申請した。
 組合側の要求は@労働「条件の変更などについて中央と地方で団体交渉を開催するAダイヤ改正に伴う転勤について団体交渉する−の2項目。
 中労委は、もう一方の当事者が了解しなければあっせん作業に入れず、あっせん中は組合の争議行為は認められていない。(京都新聞)
■視評 JRの真意どこに
 JR西日本は27日、「京都プロジェクト推進委員会」を3月1日から発足させると発表した。目的は「京都駅ビル計画とホテル、百貨店事業の円滑な推進を図ること」。社長を委員長、副社長を副委員長に据え、その下に関係担当役員6人を委員に、京都駅ビル開発やJR西日本、伊勢丹など駅ビル改築に関連する4社の社長を専門委員に配置している。
 JRの説明では、委員会と専門委員の関係は「駅ビル開発会社などの要望をJR西日本社長が聴くため」。しかも、この委員会は、JR西日本の最大事業である鉄道事業に関しては「議論しないことになっている」という。
 駅ビル改築について、京都府、京都市はこれまで「平安建都1200年記念事業」「公共性」などを理由に、府、市、京都商工会議所、JR西日本の四者が対等の立場で取り組むと強調してきた。駅ビル開発会社の設立も公共性確保が狙いの一つではなかったか。
 ところが、推進委の形態は、駅ビル開発会社がJR西日本の組織の一部として、JR西日本社長の下に置かれているようにも映る。
 駅ビル改築は都市計画変更に向けての行政サイドの手続きが来月にも始まるだろうし地元事情を言えば、府、市とも当初予算議会の真っ最中。あえてこの時期に、委員会を発足させるJRの真意は、果たしてどこに…。(京都新聞)
■地下鉄・市バス運賃 京都市・神戸市も 運輸審値上げ認める
 運輸審議会(柳井乃武夫会長)は27日、京都市と神戸市の地下鉄とバスに対し、申請通り運賃改定を認める答申をした。改定の値上げにはいずれも初めて消費税分を含んでおり、2月に改定した大阪市と合わせこれで京阪神3市とも消費税転嫁ず一巡した。4月1日から実施される。
 地下鉄は京都市11.1%、神戸市9.2%のアップ。いずれも1区が180円(現行160円)になるなど、各区間とも20円上がる。バスはいずれも11.1%アップで、均一運賃200円(同180円)になる。同一区域を走る計11社のバスも同率で同調値上げする予定。(朝日新聞)
■「のぞみ」越す新幹線車両開発スタート
 JR西日本は27日、2年後の実用化を目指して新大阪−博多間を時速350`で走る高速新幹線「500系」を開発する試験実施部を新設し、部長に仲津英治・技術開発室長(47)を3月1日付けで兼務発令する。試験実施部(32人)は福岡県筑紫郡那珂川町の博多総合車両所に置く。また、研究開発機能を持つチーム30人は神戸市須磨区大池町の鷹取工場内に移動、新車両開発に本格的に取り組む。(朝日新聞)
■嵯峨野 観光トロッコ列車 来月1日に運転再開
 冬季の間、車両の保守点検のために運休していた嵯峨野観光鉄道の観光トロッコ列車「ロマンチックトレイン嵯峨野」が3月1日から営業を再開する。1日は午前9時15分から、右京区嵯峨天竜寺車道町のトロッコ嵯峨駅で、祇園の舞妓2人を呼んでテープカットと薬玉割りをする。
 トロッコ列車は昨年4月27日に開業。12月30日に冬季運休に入るまでの間に、述べ約62万7000人が利用、予想以上の人気を見せた。
 今年は3月1日から12月29日まで(祝日以外の毎週水曜日は運休)、4両編成でトロッコ嵯峨または嵐山駅と亀岡駅間を1日8往復する。ただし、ゴールデンウィーク、夏休み、紅葉シーズンは毎日運転する。
 全便指定席で料金は大人600円。JR西日本の「みどりの窓口」やJR各社の旅行センター、全国の主な旅行会社で発売する。(朝日新聞)
■西梅田再開発へ 高層複合ビル3棟 阪神電鉄 来秋、第1期着工へ
 大阪・キタの中心地、西梅田地区の再開発計画を進めている阪神電気鉄道は27日、2.3fの再開発用地に3棟の高層複合ビルを建設する全体構想を発表した。総投資額は約1200億円。来年秋に第1期計画の建設に着手する。大阪・ミナミでも難波再開発計画(約11f)が動き出しているが、「単独企業が手掛ける都心再開発事業としては国内でも最大規模になる」(久万俊二郎社長)という。
 再開発はJR線に沿って東西約450bに伸びる細長い敷地を3街区に分けて整備する。高さ180b、150b、90bの複合ビル3棟を西側から順に建設し、地下道と空中歩道で結ぶざん新な設計。3棟の延べ床面積を合わせると、大阪マルビルの6棟分に当たるという。
 第1期計画のC 街区(約1.4f)に建設する超高層ビルは地下4階、地上41階建てで、延べ床面積は約13万5000平方b。1000人収容できる会議ホールのほか、300室の客室を持つ国際ホテル、3000−4000平方bの売り場面積を持つ商業施設、オフィスなどを備える。投資額は約700億円。ホテルは米国のザ・リッツカールトンホテル(本社・アトランタ市)を第一候補に誘致交渉を進めているという。さらに2期計画は1期計画完成後の98年に着手、2棟合わせて約5万6000平方bのオフィスと大型店を中心とする約2万平方bの商業施設を建設する。投資額は約500億円。
 阪神電鉄は「阪神百貨店、阪神ホテルなど阪神グループ全社をあげて取り組む」(久万社長)と意気込んでいる。(朝日新聞)
■記者席 列島から 沿線住民の「のぞみ」は
 「『ひかり』より速い」を売り物に3月14日、東海道新幹線に「のぞみ」がデビューする。新幹線公害訴訟の唯一の舞台だった名古屋では、この日を不安な思いで迎える沿線住民がいる◆地裁、高裁と2度の判決に続く和解成立からこの春で6年たつ。旧国鉄は和解金5億円を支払い、75ホン以下という暫定基準達成を約束。和解条項を引き継いだJR東海は、防音壁の改良などで2年前にこの基準は達成した。だが、新幹線沿線住居地域についての国の環境基準70ホン以下を達成するメドは全く立っていない◆「のぞみ」は毎日上下各2本。午前6時台と午後9時台に、東京と新大阪を出発する。最高時速270`は「ひかり」より50`速い。今の車両を使えば、騒音・振動は当然「ひかり」より大きくなる◆JR東海は、現状より悪化させないことを目標に車両の「減量化」に成功。騒音源の一つであるパンタグラフも減らした。名古屋市が昨年、試験運転中の「のぞみ」の騒音・振動を調べたところ、数値は「ひかり」とほとんど変わらなかった◆JR東海は「70ホン以下の方も、できる限り努力するが、技術的にかなり難しい」と対策の限界を強調する。だが、もし、「のぞみ」が「ひかり」の速度で走れは、騒音も振動も、ぐっと少なくなるはずだ。住民の間には「このあたりで、スピード優先の発想を変えるべきだ」という声も出ている。名古屋社会部 梅原 豊(朝日新聞)
29日■工事責任者ら書類送検 橋げた落下事故 ずさん工事が原因 広島県警
 昨年3月、死傷者23人を出した広島の橋げた落下事故で、広島県警広島北署捜査本部は28日、橋げた架設作業で人為ミスが重なったのが原因と断定、業務上過失致死傷の疑いで計8人を書類送検した。
 書類送検されたのは請負業者「サクラダ」(本社千葉市)の当時の工事責任者神馬清・元橋りょう工事部長(53)と現場監督の児島修・元同部工事第二課長(48)ら3人と下請けの「川鉄運輸」(同神戸市)の社員(40)ら架設作業員5人(うち同事故で1人死亡)。
 捜査本部はこれまでに事故関係者110人からの事情聴取を終え、鑑定結果と併せ神馬元部長らに「事故の予見は十分できた。ずさんな工事をした」などとして、サクラダの幹部を含む過失責任を問うことになった。
 調べによると、神馬元部長と小島元課長らは橋げたの荷重を十分に計算せず、橋げたの架設作業方法などの作業計画も作成しないまま着工。橋げたの重心が西側橋脚南側に偏っており、同南側の2ヵ所で橋げたのジャッキを載せていたH形鋼の組み方やジャッキの位置などによっては支える力(耐荷力)が大幅に低下、H形鋼が変形するなどして橋げたが落下するのを予見できたのに、落下防止策を何ら講じなかった疑い。下請けの作業員らは、いずれも高所での橋げた架設作業が未経験で、適切な作業計画や現場監督らの指揮に基づき、安全な作業を実施しなければならなかったに、ずさんな工事をした疑い。神馬元部長と小島元課長は事故後の昨年9月、サクラダを退職した。(京都新聞)
■JR東日本の「スター21」完成 東北・上越新幹線の試験車
 東北、上越新幹線の21世紀の新型車としてJR東日本が開発した試験車両「スター21」(9両編成)のうち4両が神戸市の川崎重工業兵庫工場で完成し、28日、完成式が行われた。
 車両の先頭は未来をイメージしたくさび型で、明るいグレーの車体にはエメラルドグリーンのラインが走る。川重によると、軽量化のため列車としては世界で初めて航空機用素材のジュラルミンを使用。従来型新幹線の約半分の重量となり、最高速度は従来型の時速345キロを大幅に上回る400`に達するという。(京都新聞)
■超高速新幹線試験車両が完成 川重・兵庫工場 時速400` まるで戦闘機!
 ジェット機並みの技術をふんだんに取り入れ、時速400`の超高速を目指すJR東日本の次世代新幹線の試験車両が28日、神戸市兵庫区の川崎重工業兵庫工場で完成した。9両編成で走る「STAR21」プロジェクトのうちの4両で、向こう2年間、実験走行を続け、東北、上越新幹線での営業運転を目指す。
 アイボリーホワイトの車体に、緑色の線。空気を切り裂くくさび形の先頭車両は、旅客機より戦闘機に近い。住田正二・JR東日本社長ら約150人が出席した完成式で、4両の新型車両が工場内の軌道約600bを静かに往復した。
 完成した車両は、列車としては初めて車体に航空機材料のジュラルミンを採用。速度を上げるため、車高を28a下げるなど小型化し、重量もアルミ合金製の従来型の約半分にした。
 さらに、新幹線用としては初めて車両の連結部に台車を置く「連接台車方式」を採り入れた。時速515`の世界記録を持つフランスのTGVと同じ技術で、カーブでの高速化と、乗り心地の向上の両立をはかる。(朝日新聞)
■関西弁あきまへんか
 電車内で聞こえてくる女子中学生や、高校生の会話に、イントネーションはともかく「しちゃう」といった東京弁が幅をきかす。本紙連載「となりのやまだ君」の大阪弁がいやだ、という読者がいる。小説にふんだんに出てくる関西弁が関東圏の読者に受け入れられず、本の売れ行きが振るわない、と困惑する大阪在住の推理作家がいる。車内アナウンスなどには関西弁を控えます、という電鉄会社がある…。大阪弁では、ホンマ、あかんのやろか。
・放送は売れたら勝ち 毎日放送アナウンサー 角淳一さん(47)
 テレビ番組「あどりぶランド」で大阪弁が飛び出すのは、共通語を基本にしているアナウンサー役ではなく、パーソナリティー役を意識した場面です。ラジオは、テレビ以上に本音をぶつけてよいと思われてますから、もっと大阪弁になります。ニュースの世界で関西弁が市民権を得たのは、グリコ森永事件の脅迫文を、河内出身のアナウンサーが堂々と読んでからだと思います。東北などの局ではアナウンサーが方言を使うと、視聴者をさげすんでいる印象を与えてしまうと、頭を抱えています。関西弁はうらやましいと言われます。
 なまりが強い四条綴で生まれ育ったわたしが、アナウンサーになろうとしたのが大それたことかも。メルボルン五輪中継をラジオで聞いて志したわけで、スポーツ・アナならば決まった言い回しがあり、大阪弁の実況中継が難しいくらい。それでもニュースを読むために一字一句文句が出ないところまで勉強しました。
 最近、アナウンサー試験で大阪弁を使う受験者が現れ、大阪弁を共通語と思っているんです。わたしなんかの放送から間違った認識になったんでしょうか。それでも、売れたら勝ちです。うちには名古屋弁のアナウンサーが登場して、結構好評のようで、今後が注目です。
・サービス業に向かぬ 南海電鉄営業課長 正木薫さん(43)
 関西弁を控えるようにしたのは、車内放送ばかりでなく、駅の構内放送や駅窓口での応対もです。相手がどんなお客様か分からない状況では、サービス業として使える言葉は共通語しかないんです。泉州の銀行に行って、窓口で応対に使われるのは泉州言葉ではなく、共通語でしょう。
 マスコミで車内放送見直しが報道されて「方言は日本の文化だ。けしからん」と、関東からも電話がありました。でも、決して方言を否定してません。例えばお客様とやりとりしているうちに打ち解けて、相手は東北弁で堂々としゃべっているとしたら「そう言われるけど、大阪ではこうでんねん」とやってもいい。
 しかし、積極的に関西弁を使う場面は想定しかねます。関西弁と一くくりにされても、沿線には船場あたりの言葉、泉州弁、河内弁、さらに和歌山弁とあって、電車の運行に従って使い分けるのは不可能です。方言での応対に不満を持たれる方は、むしろ地元に多く、例えば泉州弁に和歌山弁が少しまじっていると余計に違和感があるようです。
 一方で、大阪弁は人情味があり仲間同士の感じが強いから、東京からのお客様に「お客さん、こっちや」とやると「あなたとわたしはそんなに親密な関係ではない。なれなれしくしないで下さい」と、けげんな顔をされますよ。
・東京で本が売れない 推理作家 黒川博行さん(42)
 大阪弁で書くデメリット? やっぱり売れ行きに響くんですわ。全国に配本しても東京では売れんのです。
 舞台が関西で、箕面署や豊中署の刑事が出てくるのに、彼らが共通語でばりばりやったら変でしょう。それに土地の言葉を使うと、街のにおいや、人物が出てくるんです。言葉と人間は同一なんですね。
 実は共通語で書く地の文より、刑事たちのせりふ書くのに時間かかってるんです。掛け合いの面白さなど分かってほしいんですが、こてこての関西弁だと、えげつのうなるし、上品に感じられるよういろいろ考えているんです。
 使い分けもしてるんですよ。父子でも、子どもの方は共通語にするとか。社会的地位なんかも考えて、この人なら共通語だとか。
 そんなに気を使っているのに、読者から届く手紙は関西からばっかり、東京方面からはひとつもありません。
 大阪弁では粋でない、緊迫感に欠けると指摘されますが、それはいえてます。しはらく前にハードボイルド調の『切断』を書いていて分かりました。
 やっぱり東京で売れないと、全体で売れないことになるので、しゃくなんですが…。仮に妥協しても、絶対、東京は舞台にしません。いまさら六本木や原宿なんか。九州とか、ほかのとこにしますよ。(朝日新聞 夕刊)