1991(平成3)年12月


1日■信楽高原鉄道 再生への道(3) 原因究明 捜査本部、来春に見解(京都)
  ■JR九州労組 JR総連から脱退(朝日)
2日■信楽鉄道保安監査始まる(京都)
3日■広島橋げた落下 底面のへこみが原因 調査団最終報告 バランス失い崩落(京都)
  ■夕刊ひろば JR園部駅エレベーター設置はいつ?(京都)
  ■人為的ミスを裏付ける報告 橋げた事故市対策委(朝日)
  ■信号故障で10本遅れ JR山陰線・京都(朝日)
  ■橋げた落下事故の引き金 ジャッキの設置ミス 労働省調査団(朝日)
4日■JR京都駅 駅前広場に仮駅舎 改築中3年間 観光デパートも入居(京都)
  ■京都駅ビル 「31b以下まで妥協せぬ」 仏教会が申し入れへ(京都)
  ■通勤の足、乱れる 信号故障 6万6000人に影響 JR片町線(京都)
5日■8日から再開 信楽高原鉄道(朝日)
  ■JR京都駅改築問題 仏教会の住民投票提案 戸惑い気味の反応も(朝日)
  ■京都仏教会の住民投票提案 一般市民巻き込む狙い(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
6日■売却正式に決まる 梅小路公園用地 年度内に事業認可(京都)
  ■地下鉄値上げめぐって論戦 京都市会交通水道委(京都)
  ■8日の運行再開、正式決定 信楽鉄道(京都)
  ■JR西労組が解散 西日本鉄産労も(朝日)
  ■JR西労組が結成大会 「反JR総連 初の組織統一」(朝日)
  ■「大阪教育大前」近鉄に新駅誕生(朝日)
7日■スーパーひかり 愛称は「のぞみ」 ビジネスマンの希望乗せるとか(京都)
  ■KTRが外国切手に 自慢の「人気特急」 中米のグレナディーン諸島(京都)
  ■社説 運行再開する信楽鉄道に望む(京都)
  ■「のぞみ」は飛行機より高く 「スーパーひかり」の愛称決まる 東京−新大阪 新特急料金で1万4430円(朝日)
  ■列車と衝突 車の男性即死 愛知・JR東海道線(京都)
8日■景観に合う鉄道高架に 橋けた スリムな直線型 二条−花園間 京都市が決定(京都)
  ■きょう運行再開 信楽高原鉄道 208日ぶりに(京都)
  ■京都市バス、財政危機的 再建へ内部努力 市会委で田辺市長(京都)
  ■120人、30分宙づり 神戸でロープウエー停止(京都)
  ■駅改築コンペ作品集を発行(京都)
  ■電車やバスに乗り障害者が全国行動(朝日)
9日■信楽高原鉄道が運行再開 208日ぶり 悲しみ新た(京都)
  ■信楽鉄道再開 車窓から花束も… 「被災者忘れないで」 事故風化 恐れる遺族(京都)
  ■黙とうささげ運行 信楽高原鉄道 難題積み7ヵ月ぶり(朝日)
  ■信号機に落雷列車25本遅れ JR関西線平野駅(朝日)
  ■ロープウェイ運休 故障原因は部品に欠陥 神戸(朝日)
10日■京都市導入の低公害バス 20日から運行スタート(京都)
  ■嵯峨野トロッコ列車 観光懇話会が発足 亀岡市呼び掛け 幅広い提言めざす(京都)
  ■山形新幹線 つばさ 愛称決まる(京都)
  ■消費税分の運賃転嫁へ 地下鉄・バスなど 大阪市(朝日)
  ■低公害バス20日から京阪神などで走る(朝日)
  ■山形新幹線の愛称「つばさ」に決まる(朝日)
11日■スト突入は当面回避 JR東海労(京都)
  ■ストライキは来年に「延期」 JR東海労組(朝日)
  ■ニュース三面鏡 JR内労組の再編本格化へ 総連に反発し協調派 スト巡り2大勢力拮抗(朝日)
12日■ニュー新幹線「のぞみ」かなえ博多延伸 5年春、あす申し入れ JR西日本 新大阪から20分短縮(京都)
  ■私鉄スト3月末に 総連が設定 賃上げ2万5000円要求(京都)
  ■強風で湖西線ストップ 堅田−今津間 3時間半、バス輸送(京都)
  ■新幹線、雪で今冬初の徐行(京都)
  ■京都駅高層化 仏教会、市民団体と会合へ(朝日)
13日■JR西日本指定券状況 九州方面は満席(京都)
  ■「のぞみ」料金を認可 東京−京都は6090円に(京都)
  ■JR奈良線架線事故で混乱 桃山−長池間4時間不通、3500人影響(京都)
  ■帰省列車の売り切れ続々(朝日)
  ■速い分高め のぞみの料金 運輸省が認可(朝日)
  ■架線事故で一部不通 JR奈良線(朝日)
14日■遺族2人と示談へ 信楽鉄道事故対策委 年内成立見通し(京都)
  ■新幹線車体に多数亀裂 2編成 定検で判明(京都)
  ■低公害バスに電池納入 日本電池 京都などで運行へ(京都)
  ■「のぞみ」断たれたフルムーン JR東海 「客が集中」と割引除外(朝日)
16日■車折 帷子ノ辻 太秦… 難解駅名ルーツは? 嵐電の元車掌 足で発掘 「なぜ」から出発42年(京都)
  ■あっ、線路に女性転落 3警官通過直前救う 阪急西向日(京都)
  ■朝のJR奈良線混乱 パンタグラフから火花(京都)
  ■霜で部分運休 JR奈良線(朝日)
17日■カード事業に単独で進出へ JR東日本(京都)
  ■他編成でも亀裂を発見 東海道新幹線(朝日)
  ■いんたびゅー JR京都駅改築(1) JR西日本社長 井手正敬さん 計画変更ない 淡々と進めたい 議論重ねた/もう足踏みできぬ(朝日)
  ■新幹線のニセ回数券 大阪で7枚出回る 台紙も偽造(朝日)
  ■消費税転嫁の改正案 地下鉄運賃など可決 京都市議会(朝日)
18日■補償交渉 初の合意 信楽鉄道事故 示談で2遺族(京都)
  ■リフト付きバス”発車” 京都市交通局 24日から2台運行(京都)
  ■新幹線 指定席券偽造 一字誤り発覚 「西日本」の台紙まねる(朝日)
19日■来年度値上げせず JR西日本(京都)
  ■JR京都駅 「改築を積極的支援」 定例会見で田辺市長表明 来年3月 全体計画(京都)
  ■JR西日本副社長会見 「高さ見直さぬ」 反民主的と仏教会批判(京都)
  ■地下鉄延伸など22項目 22日から予算要望活動 京都市(京都)
  ■リフトバス発車前に 運転手対象の研修会 京都市交通局(京都)
  ■新幹線偽造回数券 72枚、83万円で換金 大阪の金券店 31枚、客に販売(京都)
  ■軌道敷内走り 車、川に転落 右京、会社員けが(京都)
  ■広島・橋げた落下事故 内部指針破り未経験者が作業 市が違反を見逃す?(京都)
  ■整備新幹線 ほぼ満額に復活 総事業費、1100億円台に(朝日)
  ■新幹線 偽造回数券 さらに6枚 新大阪・京都・東京(朝日)
  ■いんたびゅー JR京都駅改築(3) 京都商工会議所会頭 塚本幸一さん 現在の京都 そのまがいいのか将来を考えた場合、大きな問題(朝日)
  ■京都駅高層化で京都市長が見解 仏教会の住民投票提案「適切な方法でない」(朝日)
  ■和風迎賓館建設や地下鉄延伸を重点 京都市の来年度国家予算の要望(朝日)
  ■来年度も値上げ凍結 JR西日本(朝日)
  ■住民投票案に反論 JR京都駅ビル社長(朝日)
  ■2遺族との示談が成立 信楽鉄道事故(朝日)
20日■「梅小路貨物駅」跡地 京都市へ売却決定 国鉄清算事業団処分審承認(京都)
  ■一般会計72兆2000億円に 来年度予算編成 新幹線1076億円で決着(京都)
  ■いんたびゅー JR京都駅改築(4)「駅」ではなく一大雑居ビル 潤うのは地上げ業者と大企業(朝日)
  ■梅小路など売却決定 旧国鉄用地(朝日)
  ■臨時列車を追加運転(朝日)
21日■JR西日本ダイヤ改正 深海則すべて8両に 京都・琵琶湖線 ラッシュには12両(京都)
  ■運行再開 また事故 信楽鉄道、車と衝突 女性けが乗客無事 遮断機、警報機なし(京都)
  ■信楽鉄道 踏切で事故 再開以来初めて(朝日)
  ■試乗の障害者笑顔 リフト付きバス公開(朝日)
  ■「のぞみ」が新登場 「ひかり」も増便へ JRダイヤ改定案(朝日)
  ■時々刻々 JR京都駅改築高層化計画 難題かかえ足踏み状態 決め手欠く規制緩和策 コンペ審査員から批判も(朝日)
  ■いんたびゅー JR京都駅改築(5) 国際日本文化研究センター所長 梅原 猛さん コンペの実態 JRは率直に謝罪を 「北は保全、南は開発」大いに賛成(朝日)
  ■信楽鉄道踏切事故 残り1両で運行再開 バス2台も臨時輸送(京都)
  ■1両で運行 信楽鉄道・踏切事故で(朝日)
22日■車掌が尋ねた駅名のルーツ(朝日)
23日■地下鉄烏丸線延伸計画 北山−国際会館間着工へ 97年度開業めざす(京都)
  ■地下鉄烏丸線延伸 国際会館までOK(朝日)
24日■トレーラ アームひっかけ倒す 大阪の国道ガード下 京阪、10万人乱れる(京都)
  ■ダイヤの乱れに腹立て? 列車無線を妨害か 河内長野の専門校生逮捕(朝日)
  ■積み荷の鉄骨ガードに激突 「京阪」一部不通に(朝日)
25日■私鉄に妨害電波 大阪の専門学校生逮捕 夏ごろから何度も 近鉄など実害(京都)
  ■熊谷組など罰金30万円 御徒町事故で略式命令(京都)
  ■余部鉄橋事故から5年 風吹けば列車の運行絶えだえに… 運休・遅れ 年300本 自治体、橋の改良要請赤字線かなし JR「架け換えなし」(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
  ■東海道新幹線乱れる 大阪で架線事故(京都)
  ■11%値上げを申請 京都市バス・地下鉄(京都)
  ■踏切内に盗難車 JR9本遅れる 神戸(朝日)
  ■京都の地下鉄・市バス 一律20円値上げへ(朝日)
26日■JR採用差別事件 3月末に解決案 中労委「合意なければ」(京都)
  ■老人、列車にはねられ即死 亀岡のJR山陰線(京都)
  ■速度調節軸に欠陥部品判明 ロープウエー事故(朝日)
  ■仏教会の会合に16団体は不参加 JR京都駅高層化問題(朝日)
  ■JR神足駅周辺の再開発事業も入る 政府予算復活折衝(朝日)
  ■醍醐センター指定 国の市街地空間総合整備事業(朝日)
  ■亀岡の山陰線で事故 大阪の女性が死亡(朝日)
  ■JRバス追突、9人けが 名神・伏見 トラックに 帰省の学生ら 東京→高松夜行便(京都)
27日■「梅小路公園」を承認 府都計地方審(京都)
  ■チンチンバス”デビュー” シックなレトロ調 市が試運転 4日から運行(京都)
  ■鉄道の事故防止へ 係員教育費認める(朝日)
  ■京都駅高層化問題 足並みに乱れ目立つ 4時間にわたり30団体 清水寺での発言を追う 市民団体 姿見せず 仏教会への不信も相次ぐ(朝日)
  ■仏教会・市民ら初めての会合 京都駅高層化問題(朝日)
  ■「初詣」一段と便利に 増便やフリー切符… JR西日本と私鉄大手5社(朝日)
28日■三セク鉄道の安全支援 軌道近代化制度など新設 新年度予算に7億6400万(京都)
  ■踏切内に車立ち往生 間一髪 列車セーフ ドライバーらが機転 JR舞鶴線(京都)
  ■列車乗客ら62人を射殺 インド・シーク過激派(京都)
  ■「雨が原因」地検は不起訴 JRが運転士を処分 天王寺駅事故(朝日)
  ■「チンチンバス」が都大路を走ります(朝日)
  ■JR紀勢線など停電(京都)
  ■まだまだ鬼笑う?混雑 海外へ 故郷へ きょうからピーク(朝日)
  ■踏切で架線切断 和歌山でJR乱れる(朝日)
  ■東京−大阪 空の便客1割減 「ひかり」に負けた 来春の「のぞみ」も怖い(朝日)
29日■強風で北陸線 運休が続出 帰省客らの足乱れる(京都)
  ■京の地下鉄、市バス 大みそか臨時運転(京都)
  ■寒波猛威 強風・雪 ダイヤ混乱(朝日)
30日■近鉄電車が脱線 まくら木点検後、異常か 奈良の生駒線けが人なし(京都)
  ■故郷へラッシュ 分散帰省進みスムーズ(京都)
  ■予想上回る63万人利用 トロッコ列車(京都)
  ■京日記(京都)
  ■突然、重くなり…脱線 近鉄生駒線(朝日)
31日■日仏独が受注合戦 韓国・台湾の新幹線計画 土木技術では有利・日 時速300`営業強み・仏 両国に大きく遅れ・独(京都)
  ■リフト付き市バス 市民は理解を(京都)
  ■レールの継ぎ目 部分付近が高く 近鉄生駒線事故(朝日)



1日■信楽高原鉄道 再生への道(3) 原因究明 捜査本部、来春に見解
 単線上の正面衝突がなぜ起きたのか−。誤出発検知装置の作動を示す信楽駅の制御盤のランプが点灯しているのに、なぜ小野谷信号所のJR列車の出発信号は青だったのか。原因解明の最大のポイントだ。
 滋賀県警捜査本部(水口署)は、その手がかりを得るため10月下旬、実車走行検証を行った。車両は、JRと信楽高原鉄道両社の事故車両を一部使用、さらに乗客の重量と同じにするため砂袋を載せた。
 運転席から信号の位置などを確認した後、一定の条件を設定して、再現試験を実施。事故当日と同様、高原鉄道列車を信楽駅から出発信号が赤のまま、発車させた。
 25−30秒後、高原鉄道列車がホームから150bほど先の本線上の「誤出発検知装置」を通過、と同時に信楽駅の制御盤の「誤出発ランプ」が点灯した。
 ランプの点灯は、誤出発検知装置の作動を意味している。作動した瞬間、小野谷信号所にある対向列車(JR側)の出発信号は、列車同士の正面衝突を避けるため、電流が切れて赤に固定され、また場内信号は黄に維持されるはずである。
 しかし、JR列車が、信号所の手前約680bに設置されている「列車接近検知機」を通過すると、信号所の出発信号は赤から「青」に、また場内信号も黄から「青」に変わった。
 県警によると、JRの運転士は「場内信号が黄だったので徐行しながら近付くと、青に変わった。その先の出発信号も青だったので進行した」と話しており、この日の結果は事故当時の状況と合致した。
 5月14日の事故当日。小野谷信号所の出発信号が表示した「青」は、何らかの条件が加わってもたらされたものなのか。捜査本部は来年2月をメドに信号に関する鑑定結果を出す。並行して刑事責任を問う捜査もヤマ場を迎えつつある。
 信楽高原鉄道列車には、運転士、運輸省の査察スタッフを出迎えに行く常務、業務課長ら6人(うち5人死亡)の同鉄道関係者が乗車していた。この中に赤い腕章を巻いたタブレット役の社員がいたことから、JRとの協定で定めた信号のトラブル時に行う「代用閉そく方式」で列車を走らせたことがうかがえる。
 しかし、捜査本部は、高原鉄道列車が小野谷信号所の安全確認をする前に発車したことを重視、出発の経緯を詳しく調べている。
 「刑事責任の有無は別にして、最終的には事故当時の社長・杉森一夫信楽町長からも事情を聴く。信号トラブルの原因も踏まえ、総合的に業務上過失責任の所在を判断する」。捜査幹部は事故の重大さに口もとを引き締める。
 来着には、捜査本部の一定の見解が出される見通しだ。(京都新聞)
■JR九州労組 JR総連から脱退
 JR総連との関係をめぐって、旧動労系と、旧鉄労など反旧動労系との内部対立が深刻化していたJR九州労組(約1万人)は30日、福岡市で開いた臨時大会で、反旧動労系の賛成多数でJR総連からの脱退を決めるとともに、旧動労出身の石津兼久委員長を解任した。
 JR西日本、東海に続く脱退・分裂劇も予想されたが、旧動労系は大会後に開いた集会で「組織拡大に努める」として、当面、組織内にとどまり、独自の新労組結成を見送った。(朝日新聞)
2日■信楽鉄道保安監査始まる
 信楽高原鉄道(本社・滋賀県甲賀郡信楽町、北川啓一社長)に対する運輸省近畿運輸局の保安監査が、2日から始まった。同局は4日までの3日闇、運転取り扱いマニュアルや車両、レール設備など安全対策を厳しくチェックし、問題がなければ8日からの運行再開を認める予定。
 保安監査したのは、同運輸局の橋本信郎主任監査員ら土木、電気、車両、運転の各担当の計7人。一行は午前10時半、信楽駅舎内の本社に入り、まず事故犠牲者を悼み北川社長や鉄道主任技術者の河合肇副社長とともに1分間黙とう。
 続いて、橋本主任監査員が監査通知書を北川社長に手渡した後、社員の就業規則や異常時の対応マニュアルなどが整備されているかどうか入念に書類を調べた。
 同鉄道は5月14日の事故以来運休。運行再開に向けてマニュアルの改定や社員に規則を守る意識の徹底を行い、先月15日からは運転士の運転習熟訓練を重ねて来た。監査を受ける会社幹部や運転士ら社員は緊張した表情で、書類に目を通す監査員の質問に答えていた。
 午後からは、信楽−貴生川駅間(14.7`)全線で、監査員が歩いて線路や橋りょうの状況を点検するのをはじめ、沿線電話の機能をチェック。また、車両に同乗して運転士の運行方法を見るほか、踏切が正常に作動して警報機や遮断機に支障がないかどうか−などを調べる。
 また、踏切事故で車両が故障した−との想定で、玉桂寺近くで復旧訓練も行われる。(京都新聞 夕刊)
3日■広島橋げた落下 底面のへこみが原因 調査団最終報告 バランス失い崩落
 今年3月、死者15人、負傷者8人を出した広島市の新交通システムの橋げた落下事故で、労働省の特別調査団(団長、能町純雄日大教授)は2日、「落下の直接の原因は、ジャッキが支えていた鋼鉄製橋げたの底面に局部的なへこみができてバランスを失い、ジャッキを載せたH形鋼が崩れたため」とする最終報告書をまとめ労働省に提出した。落下のメカニズムの全容が明らかになったのは初めて。
 広島労働基準局はこの報告を受け、労働安全衝生法違反の疑いで請負業者のサクラダ(本社千葉市)と同社の現場責任者を近く書類送検する方針。広島県警も業務上過失致死傷容疑で捜査を進めており、同事故は、今後関係者の刑事責任追及が焦点となる。
 報告によると、落下は西側橋脚上南側で橋げたを支えていたジャッキを載せていたH形鋼の崩れが原因と断定。ジャッキには付属品などを含めた橋げたの全重量約72dのうち約12.5dの荷重がかかった。
 ジャッキは橋げたの補強鋼の無い所に当てられていたため、底部最大6.6_のへこみができた。へこみでバランスが崩れ、ジャッキを載せているH形銅が瞬間的に崩れた。西側橋脚の支えを失った橋げたは中央橋脚の受け台を支点として回転、西側部分から落ちた、としている。
 落下原因となったH形鋼には補強が無い上、同一方向に3段積みされており、向きを交互に90度変えた積み方に比べ崩れやすい状態にあったことも要因としている。(京都新聞)
■夕刊ひろば JR園部駅エレベーター設置はいつ?
 JR園部駅が昨年春に新築されたのはうれしいのですが、橋上駅のため、松葉づえをつかなくては外出できない私には、階段がとてもつらいです。今はスロープのある隣の吉富駅までタクシーで行き乗っています。新駅がオープンした直後の町広報紙に「エレベーターを設置する」と書かれていましたが、どうなっているのでしようか。(船井郡園部町、谷口章馨・60)
 この駅は、園部町が駅周辺開発の一環として建設費6億円のうち5億円を負担(残りはJR)、新築した嵯峨野線(京都−園部間)の中では唯一の橋上駅です。東西の出入り口とも約40段の階段があり、プラットホームに下りるのも階段を使わねばならず、体が不自由な人やお年寄りには大変です。
 同町国際学園対策課の松村賢治課長は「新駅ができた時、車いすを載せて階段を上がれる機械を購入し、駅に寄贈しました。ただ、エレベーターの必要性は認識しており、広報紙でも設置を約束してきたところです。現在、JRと交渉中で来年度には東口に設置できると思います」という。
 一方、西口については「民間と協力してエレベーター付きの駅ビルを建設し、橋上駅と連結させる計画です。こちらは、しばらく待ってください」と話していました。(京都新聞 夕刊)
■人為的ミスを裏付ける報告 橋げた事故市対策委
 15人の死者を出した広島市安佐南区の新交通システム橋げた落下事故で、同市の事故対策技術委員会(委員長・大村裕広島工大教授)は3日午前、「橋げたを支えていたジャッキの置き方のずれや、ジャッキの土台となるH形鋼の組み方の誤りなどが原因で、事故が起きた」とする報告書を平岡市長に手渡した。2日に労働省の特別調査団が発表した内容と大筋で一致し、人為的なミスを改めて裏付けた。(朝日新聞 夕刊)
■信号故障で10本遅れ JR山陰線・京都
 2日午後9時23分、JR山陰線の園部発京都行き普通電車(4両編成)が信号故障のため、京都市右京区の太秦駅を発車できなくなった。JR西日本の京都信号通信区が復旧にあたり、同10時46分、運転を再開したが、この影響で上り4本、下り6本が1時間23分から5分遅れ、約1500人に影響が出た。(朝日新聞)
■橋げた落下事故の引き金 ジャッキの設置ミス 労働省調査団
 今年3月、死傷者23人を出した広島市安佐南区の新交通システム橋げた落下事故について、労働省の特別調査団(団長・能町純雄日本大学教授)は2日、事故原因と対策に関する最終報告書をまとめ、発表した。直接の原因は、橋げた底面の補強材のない脆弱(ぜいじゃく)な部分にジャッキが設置され、底面にへこみが生じたため、その下のジャッキ、土台のH形鋼がずれて、橋げたがバランスを失って落下した、としている。同省では、不慣れな作業員によるH形鋼の組み方、ジャッキ操作などの作業ミスが重なって大事故につながったとの見方を強めている。
 今回の事故で公式に調査報告がまとまったのは初めて。今後、焦点は広島県警や広島労働基準局による責任追及に移る。
 報告書によると、転落の引き金となった問題のジャッキは、東西に3本並んだ橋脚のうち、西端の橋脚上に置かれていた。本来なら補強材のある部分にジャッキをあてるべきだが、弱いところに設置したため、鉄製の橋げたに最大6.6_のへこみが生じて、ジャッキが傾いた。約63dの橋げたの重量のうち約12.5dの重さが斜め方向から加わり、縦3段に積んだ土台のH形鋼がつぶれ、橋げたのバランスが崩れて半回転しながら一気に落下したと断定した。
 調査団の実験によると、補強材のある部分にジャッキをあてた場合は約20dの重さに耐えられることがわかった。ジャッキの設置と正形鋼の積み方の2つの作業ミスが重ならなけれは、事故は防げたと推定されると結論づけている。
・市調査とほぽ一致
 広島市安佐南区の新交通システム橋げた落下事故で、労働省の特別調査団が2日、提出した報告書は、広島市の事故対策技術委員会(委員長・大村裕広島工大教授)がこれまでにまとめた事故原因とほぼ一致する内容だった。橋梁(りょう)工事の常識からすれば初歩的なミスで、事故は人災だったことが改めて裏付けられた形だ。(朝日新聞)
4日■JR京都駅 駅前広場に仮駅舎 改築中3年間 観光デパートも入居
 JR京都駅改築に伴うJR西日本の京都駅仮駅の設置計画概要が3日までに固まった。駅前広場にプレハブ2階建て延べ6400平方bを建設、1階と2階の一部に駅施設、2階に京都駅観光デパートの仮店舗が入る。
 仮駅は、平成6年秋の完成を目指して来年着工を計画している京都駅の改築工事の約3年間、駅施設業務と物販・飲食・サービス業務を行うため、駅北側の駅前広場に設置、仮設通路でホームと接続する。
 工期2−3ヵ月。来年4月に開設の意向。
 プレハブ2階建て延べ6400平方bのうち、1階に駅事務室、駅長室、みどりの窓口、自動券売機、観光案内所旅行センターなどの駅施設、2階に京都駅観光デパ−トの仮店舗(1400平方b)を設ける。
 仮店舗は現行の専門店34店舗を移設し、衣料品、身の回り品、家庭用品、雑貨、食料品を販売する予定で協議を進めており、年商35億円を見込む。(京都新聞)
■京都駅ビル 「31b以下まで妥協せぬ」 仏教会が申し入れへ
 京都ホテルと並んで古都の景観論争の焦点となっている京都駅ビル改築問題で、京都仏教会(東伏見慈洽会長)は4日午後、京都市下京区の京都駅ビル開発会社(社長、井手正敬JR西日本副社長)に対し、高さ59.8bの高層化計画を再検討するよう申し入れる。
 同駅ビル開発会社は今年5月設計コンペで新駅ビルの高さを59.8bに決め、デパート、文化施設構想などを計画、3年後の完成を目指している。
 同駅周辺は現在、都市計画法などで最高31bの高さ制限が設けられているが、京都市は都市計画変更などの措置で改築計画に協力する意向を示している。
 同仏教会の有馬頼底理事長は「違法な計画であり、京都市が定める高さ制限31bになるまで一切の妥協はしない」と話している。(京都新聞 夕刊)
■通勤の足、乱れる 信号故障 6万6000人に影響 JR片町線
 4日午前6時10分ごろ、JR片町線放出駅(大阪市鶴見区)に、片町発松井山手行き上り普通電車が進入しようとした際、同駅構内の上下線の場内、出発信号機18基のうち16基が赤のまま変わらなくなった。電車は現場に21分間停車、係員が出てポイントを手動に切り替え出発した。
 信号機故障は上下線とも約1時間25分後に復旧した。上下で計36本が運休、43本が最高で45分遅れ、同10時すぎ、平常ダイヤに戻ったが、通勤客ら約6万6000人に影響が出た。
 JR西日本によると、同駅構内の信号機を制御するコンピューターの故障が原因とみて、大阪信号通信区で調べている。(京都新聞 夕刊)
5日■8日から再開 信楽高原鉄道
 今年5月の列車衝突事故以来、運休している滋賀県の信楽高原鉄道に対し、近畿運輸局が5日、「保安監査の結果、運行再開しても、差し当たり特段の問題はない」と連絡、事実上、運行再開を許可した。これを受け同鉄道の北川啓一社長は同日午後、8日午前6時15分信楽発貴生川行きの始発から運行再開する、と発表した。(朝日新聞)
■JR京都駅改築問題 仏教会の住民投票提案 戸惑い気味の反応も
 景観問題で論議を呼んでいるJR京都駅の改築問題で、京都仏教会は4日、「住民投票で民意を問い、その結果に従おう」と京都駅ビル開発会社に提案した。意表をつく新提案をどう考えるか。関係者の意見を聞いた。
 「のっぽビル反対市民連合」事務局長の中島晃弁護士の話 京都の景観をどうするかは、市民みんなで決めるべきことだ。住民投票は我々も前から主張してきた。ただ、具体的な方法や手順については、仏教会の提案ではわからないことが多い。賛同すべきかどうかを含めて検討する。
 内用俊一・京都市活性化推進室長の話 仏教会などから正式な話は何も聞いていないので、コメントのしようがない。市としては、都市計画審議会での審議など、法律に定められた利害調整のルールに従って着実に京都駅改築計画を進めていきたいと考えている。(朝日新聞)
■京都仏教会の住民投票提案 一般市民巻き込む狙い
 京都ホテルの高層化計画に対して、宿泊客を有名寺院から締め出す拝観拒否戦術でホテル側の譲歩を引き出した京都仏教会が、JR京都駅の高層化計画では住民投票提案という柔軟路線に転じたのは、仏教会の反対運動につきまとう「市民不在」のイメージを一掃し、一般市民を巻き込んだ運動に広げることに狙いがある。
 京都ホテルが11月20日、仏教会の求める60b高層化計画の再検討を発表した時、「いかにも唐突」(荒巻禎一・京都府知事)「強い者が弱い者を押さえつけるようなものだ」(塚本幸一・京都商工会議所会頭)と、不快感を表明する声が聞かれた。両者の「密約」を疑う向きもあり、仏教会では、こうした声がこれ以上高まると、運動の正当性が損なわれかねないと懸念。市民に理解されやすく、交渉の不透明感をぬぐい去ることができる方法として、住民投票を選んだとみられる。
 市民と民間会社との合意にもとづく意思決定方法なので、法的な裏付けは必要としないが、問題は当の京都駅ビル開発会社の同意。井手正敬社長は拒否する姿勢を見せており、今後どう展開するかは読みにくい。
 だが、住民投票を求める市民の盛り上がりによって実現することになれば、これまでキャンペーンだけに終わるか、さもなけれは仏教会の拝観拒否のような強硬手段に頼るしかなかった従来の高層化反対運動のあり方に大きな変化をもたらすのは間違いない。
 奥平康弘・国際基督教大学教授(憲法学)は「北欧では原発の凍結問題で国民投票をした例がある。住民が自分の問題を自ら決めることは、地方自治の精神にもふさわしいことだ。これで会社側が拒否すれば、イメージダウンは否めないだろう」と指摘している。(朝日新聞)
■青鉛筆
 折りたたむとお多福の顔になる正月用の変わりだね切符を近鉄が5日売り出した。大みそかから1月15日までの連続3日間なら、全線乗り放題で大人3800円(子供半額)。
 京阪も通行手形をまねたお守り付き切符を発売中。こちらは同期間の1日だけ有効で800円(同)。関西の各私鉄は11月に運賃値上げしたばかりで切符の形でも競争に。
 お多福形は、裏も折り曲げると福笑いの別の崩れた顔になるよう趣向を凝らした。もっとも、前年の乗り放題切符より200円アップ。客のほうは「しかめっつら」とまいりますか。(朝日新聞)
6日■売却正式に決まる 梅小路公園用地 年度内に事業認可
 京都市が平安建都1200年記念公園として旧国鉄梅小路貨物駅跡地(京都市下京区)に予定している「梅小路公園」について市理事者は5日の市会普通決算特別委員会で、19日に開かれる国鉄清算事業団の資産処分審議会で京都市への用地売却が正式決定され、府地方都市計画審議会の承認などを経て用地取得を進めことになった、と今後の事業見通しを明らかにした。
 同公園予定地は、JR京都駅西約1`の国鉄清算事業団用地約10.5f。平安建都1200年記念公園として、緑地公園や多目的広場、レジャー公園などを中心に、防災避難地の機能を併せ持った総合公園にする。同事業団の資産処分審議会は今年9月、「都市基幹公園として整備すべき」との土地利用計画を答申、事実上、京都市への用地売却を決めている。
 市会決算委で森田功・市公園緑地部長は、19日に開かれる資産処分審議会で市への用地売却が正式に決定されるのを受けて府地方都計審に諮り、年度内には都市計画決定と建設大臣の事業認可を受けられる見通しを示した。
 市は平成6年度までの4ヵ年で分割買収する方針で、本年度当初予算に用地買収費を含む整備費252億1100万円を計上しているが、同部長は「国の補助金獲得に全力をあげたい」と述べた。また同公園のオープニングイベントとなる建都記念事業の「都市緑化フェア」(京都府、京都市など主催)が行われる平成6年の上半期までに買収を完了させたい意向を改めて強調した。(京都新聞)
■地下鉄値上げめぐって論戦 京都市会交通水道委
 京都市会交通水道委員会は5日までに、実質3日間にわたって消費税転嫁分を含めた市バス、地下鉄の運賃値上げ案を審議。値上げ理由や交通局の経営体質の改善などを巡って活発な論議が展開された。
 議員からは消費税転嫁と値上げがセットになっていることから、「消費税に名を借りた便乗値上げでは…」「値上げの必要性が明確でない」などの質問が相次いだ。
 これに対して交通局理事者は「値上げはほぼ3年ごとに行っており、将来的に経営を安定させるために必要な値上げ」「消費税は料金構成の一部で便乗値上げではない」と理解を求めた。(京都新聞)
■8日の運行再開、正式決定 信楽鉄道
 信楽高原鉄道(本社・滋賀県甲賀郡信楽町、北川啓一社長)は5日、列車の運行を8日に再開する、と正式に発表した。2日から3日間行われた運輸省近畿運輸局の保安監査で安全が確認されたことを受けて同日、北川社長が明らかにした。再開は事故以来、208日ぶり。
 記者会見で北川社長は、保安監査について近畿運輸局から、まくら木やレールなど施設面の老朽化などの指摘を受けたが、再開にあたっての問題点はない、との通知を受けたことをあげ「8日の一番列車から運行を再開する」と述べた。
 8日午前5時半から信楽駅で、安全運行を祈願する修ばつ式をし、同6時15分、信楽駅発の一番列車に合わせて再開列車出発式。同10時15分から運行再開式が行われる。
 また再開式に先立って午前9時から同町黄瀬の事故現場の慰霊堂で、北川社長ら関係者約60人が犠牲者に安全運行を誓い、霊を慰める。
 会見で北川社長は「今後もご被災者の補償交渉に誠心誠意の努力を傾注し、再開にあたっては事故を教訓とし、安全確保のために万全の体制で臨む」と話した。
 運行再開が正式に決まったことについて、稲葉稔知事は「事故を教訓として安全運行に努められ、地域に愛される鉄道として再生されるものと確信している。県としても、信楽高原鉄道が行うご被災者への補償交渉が円滑に進むよう必要な支援をしてまいりたい」と述べた。(京都新聞)
■JR西労組が解散 西日本鉄産労も
 「反JR総連」の立場で組織統一を協議してきたJR西日本の最大労組、西日本旅客鉄道労働組合(JR西労組、2万9000人)と、旧国労主流派の西日本鉄道産業労働組合(西日本鉄産労、6500人)は5日、大阪市内でそれぞれ臨時大会を開き、両労組の解散を正式に決めた。(朝日新聞)
■JR西労組が結成大会 「反JR総連 初の組織統一」
 組織拡大をめざし統一を協議してきたJR西日本の最大労組、西日本旅客鉄道労働組合(JR西労組、2万9000人)と、旧国労主流派の西日本鉄道産業労働組合(西日本鉄産労、6500人)の統一大会は6日午後、大阪市内で開会。組合員数約3万5000人の「西日本旅客鉄道産業労働組合」の結成を正式に決める。JR内労組が「反JR総連」の立場から組織統一するのは87年の分割・民営化以来初めて。こうした動きは西日本以外のJR各社にも出ており、全国に広がりそうだ。
 JR西日本によると、新労組の組織率は76.2%となり、会社側と結ぶ労働協約が全社員に及ぶ「一般拘束力」を持つ条件である75%を、同社内の労組としては初めて上回った。
 新労組の方針によると、@旧の両労組は対等・平等A日本労働組合総連合会(連合)の運動・政治路線に従う−などとしている。
 連合は全国産業別組織(産別)による加盟を原則としているため、新労組は当面、連合に加盟できないが、すでにJR総連からの脱退を決めた東海旅客鉄道労働組合、九州旅客鉄道労働組合などと新しい産別を年明けにも発足させる方針。これにより連合加盟を実現したい、としている。(朝日新聞 夕刊)
■「大阪教育大前」近鉄に新駅誕生
 大阪教育大学が来春、大阪府柏原市旭ヶ丘四丁目に移転統合するのに伴い、近鉄は6日、大阪線河内国分−関屋問に新駅「大阪教育大前」をオープンした。
 同駅は鉄骨造りの橋上型で、キャンパス風のしゃれたデザイン。工費は11億3000万円で、うち柏原市が3億円を負担した。
 普通と準急が平日は137本、休日は122本停車する。運賃は難波から340円。当初の利用客数は1日約1500人だが、大阪教育大学が一部移転する来春には倍増、全部移転の93年春は約1万人の乗降客を見込んでいる。(朝日新聞 夕刊)
7日■スーパーひかり 愛称は「のぞみ」 ビジネスマンの希望乗せるとか
 JR東海は6日、来年3月のダイヤ改正から東海道新幹線の東京−新大阪間に導入する300系新型車両「スーパーひかり」の愛称を「のぞみ」と決定した。
 また、特急料金について同社は、現行の「ひかり」「こだま」より東京−新大阪間で1000円近く高くすることを決め、同日運輸省に申請した。
 須田寛JR東海社長は「のぞみ」と命名した理由について「新型車両は出張のビジネスマンを主な乗客として見込んでいるので、明るい希望を持って仕事に出掛けてほしいという意味と、将来のリニア新幹線へのかけ橋との意味を込めた」などと説明した。
 「のぞみ」は全車指定席。スピードは現在の「ひかり」を50`上回る最高時速270`で、東京−新大阪間を2時間半で結ぶ。
 JR東海の来春ダイヤ構想では「のぞみ」は東京と新大阪をそれぞれ午前6時台と午後9時台に発車、1日2往復する。途中停車駅は新横浜、名古屋、京都の3駅だが、早朝の東京発新大阪行きは、同区間の航空便に対折するため名古屋、京都には停車しない方針。
 「のぞみ」の特急料金(通常期)は、東京−名古屋間が5160円、東京−新大阪間は6090円。「ひかり」「こだま」と比べ、それぞれの区間で750円、950円高くなる。(京都新聞)
■KTRが外国切手に 自慢の「人気特急」 中米のグレナディーン諸島
 中米のカリブ海に浮かぶ英連邦・セントビンセント領グレナディーン諸島(人口12万2000人)の発行した切手に、北近畿タンゴ鉄道(KTR)の人気特急車両「タンゴエクスプローラー」が登場した。
 同鉄道に出資する京都府の切手マニアの職員が、専門雑誌に掲載されているのを見つけた。それによると、同諸島は日本の鉄道シリーズの切手を発行しており、4種類のうち、1つに取り上げられている。
 切手のサイズは縦3.5a、横4.5aで、日本の62円切手をひとまわり大きくしたくらい。白地に日本列島とタンゴエクスプローラーがデザインされている。日本円に換算すると約100円。
 切手収集家の団体・日本郵趣協会では「11月に東京で開催された日本国際切手展91 に合わせて発行されたのではないか」とみているが、府とKTRでは「地球の反対側までエクスプローラーの人気が知れ渡っているとは」大喜び。(京都新聞)
■社説 運行再開する信楽鉄道に望む
 信楽高原鉄道が、あすから列車の運行を再開する。今年5月、死者42人、重軽傷者614人に及ぶ列車正面衝突事故から208日ぶりである。
 運輸省近畿運輸局の保安監査で、問題点はないとの承認を得たことで再開される。遺族や被害者の心情を考えると複雑な思いがしないでもない。が、地域住民の日常生活の足が、戻ることになったのはよいことだ。再開に際しては事故を教訓に、くれぐれも安全運行へ万全の体制で臨んでもらいたい。
 とにかくもこの時期、運行再開に踏み切らせたのは、同鉄道が地域にとって欠かせない重要さ、そのものにあるといえる。事故後は止まった列車に替わり、代行バスを走らせていたが、厳冬期を控え道路凍結による事故が懸念されたこと、通学や中学生の進路選択、通勤、通院と生活、産業の日常活動に支障が生じることなど、切羽詰まった事情があった。この辺については遺族にも「地元住民のことを考えると、再開に反対できない」の声があり、理解は得られよう。
 このような直接的理由とは別に、再開へこぎつけた背景に、地域ぐるみの協力体制があることも見逃せない。経営基盤がぜい弱で、補償能力もない第三セクターの同鉄道は、滋賀県や信楽町などの全面支援を受ける。「補償支払い」費用は県と信楽町から無利子で借り受け、その返済も県や甲賀郡7ヵ町が起債で資金をねん出して「基金造成」を行い、この運用益を充当していく仕組みがとられる。
 自治省もこの方針を前向きとして認めている。一つの方法として評価できる。
 しかし、このあり方も県のみならず特に信楽町など各自治体財政への影響を考えると、苦難の選択ではないか。
 こうして運行再開になったが、被害者の中には理解を示しながら「責任が明確化されない段階では、納得もしにくい」の不満があるように積み残しの課題も多い。根本の事故原因そのものの捜査も来春までかかりそうで、終結していない。そればかりか、当事者には最大問題で最大負担の補償交渉は、軽傷者の示談は解決したが、死者に対しては緒についたばかりといわれる。
 とりあえず補償費40億円の準備に入った県も、JR西日本との責任割合は確立させていない。被害者補償は十分を期さねばならないのは当然といえる。この面でもまた、苦難の道は続く。
 一方、同鉄道自体は各方面からの見舞金でまかなったという再開準備費で、すでに1億6000万円を使い、再開後も年間赤字が3000万円程度見込まれるなど、経営の苦しさは事故前と変わらない。
 それでも地域の公共輪送機関としての使命があり、存続が求められる。
 存続の裏には、県が力を入れる湖東と京都府南部の関西文化学術研究都市近くを結んだり、近江鉄道とつないだりの総合交通ネットワーク構想に信楽高原鉄道を活用したい意図があるという。しかし現在段階は基本の使命、目的を着実、地道に果たす努力が優先するはずだ。
 全国の第三セクター鉄道は、どこも経営・財政基盤は弱く、徹底した合理化、増収努力を講じても限界があるところが目立つ。同鉄道社長や信楽町長は再開に「苦難は覚悟。全社一丸で日本一の第三セクター鉄道にする」と決意を示す。この気迫は買う。苦労は多いだろうが、常に基礎は安全にあることを心がけたい。(京都新聞)
■「のぞみ」は飛行機より高く 「スーパーひかり」の愛称決まる 東京−新大阪 新特急料金で1万4430円
 東京−大阪間を2時間半で結ぶ東海道新幹線の「スーパーひかり」(300系)の愛称が「のぞみ」と6日決まった。同時にJR東海は同日、現行ひかりと別の特急料金を徴収することを運輸省に申請した。東京−新大阪では現行の950円アップの1万4430円になり、飛行機より高くなる。また大阪の会社に午前9時前に着くようなダイヤにしたため、朝の下り1本が名古屋、京都を通過することが正式に決まった。
 「のぞみ」は全車指定。来年3月14日から、早朝と深夜の1日上下各2本が東京、新大阪双方から出る。現在の東京−大阪間の飛行機は往復割引で片道が1万3250円、空港までのJR、モノレール、バスの運賃を入れて1万4140円で、のぞみはこれより約300円高い。しかも現在「ひかり」などに使用されているエコノミー切符や回数券は、差額を払っても「のぞみ」には使えない。
 停車駅は上りが朝晩とも京都と名古屋、下りは朝が新横浜のみ、夜は名古屋と京都に停車する。(朝日新聞)
■列車と衝突 車の男性即死 愛知・JR東海道線
 7日午前1時6分ごろ、愛知県安城市美園町のJR東海道線の第3中根踏切(警報機、遮断機付き)で、梅田発越谷行き貨物列車(54両編成)に同市南町、すし卸業手伝い社本孝明さん(29)の軽乗用車が衝突した。車は前部が大破し、社本さんは即死した。
 調べでは、社本さんの車は遮断機の下りた踏切に突っ込んで列車にぶつかっており、同署は原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
8日■景観に合う鉄道高架に 橋けた スリムな直線型 二条−花園間 京都市が決定
 京都市は、JR山陰線二条−花園駅間の高架化(立体交差化)事業で、高架部分を京都の景観にマッチしたデザインに工夫する。これに伴う”景観対策”費として約22億円を要するが、市は「京都の町にふさわしい高架橋にしたい」と意気込む。沿線の景観を配慮して設計する鉄道の高架は全国で初めて。
 高架化事業は二条−花園駅間の4.12`。12ヵ所の踏切をなくし、道路との立体交差化で都市機能を高めるのが目的だが、町並みの上を走ることや、沿線には二条城や妙心寺など風光明美な名所・仏閣も多いことから、景観にできるだけマッチしたデザインにすることにした。
 デザインは、建築やデザインの専門家による検討委員会(委員長・川崎清京大教授)で練った。橋けたは軽快感にあふれるスリムな直線型。色彩もグレーを基調に落ち着いたイメージを持たせるなど、従来の高架橋のイメージを一新している。
 市は、高架下の利用についても、地域アメニティベルトとして今後、公共的な活用方法を図っていく。
 周辺の景観を重視したデザイン化に伴う経費約22億円のうち、本年度は4億8130万円を予算化している。同区間の高架化の総事業費は、これらを含め約260億円。
 同区間の高架化事業は昨年3月に着工。仮線工事が完了、本体の基礎工事に入っており今後、平成6年度の完成をめざし工事が本格化する。(京都新聞)
■きょう運行再開 信楽高原鉄道 208日ぶりに
 信楽高原鉄道(滋賀県甲賀郡信楽町長野、北川啓一社長)は8日、208日ぶりに運行が再開される。同鉄道は7日、本社のある信楽駅を中心に、社員らが最後の準備に追われるなど、慌ただしい雰囲気に包まれた。
 社員らは列車時刻表板の一部を書き換えたり、線路わきに、安全策のため金網フェンスを張るなど準備に余念がなかった。また、午後からは信楽町職員が各駅のホームなどを清掃した。夕刻には、信楽駅事務室内に張られていた「信楽高原鉄道運行再開準備室」の紙もはがされ、一番列車の発車を待つばかりとなった。
 しかし、高原鉄道旅行センターに勤務し、事故当日、高原鉄道に乗務していた田原(たばる)稲生さん(27)は「地元の足である鉄道の再開は良いことだが、喜ばしい、と一言でかたづけるわけにはいかない」と言い、社員らは一様に、遺族の心情と、地元の期待とのはざまで揺れる胸の内の複雑な表情を見せた。 8日は午前5時半から信楽駅で修ばつ式をし、6時から再開列車出発式。同15分に一番列車が発車する。9時から事故現場そばの慰霊堂で「安全の誓い」を、10時15分から再び信楽駅で運行再開式を行う。(京都新聞)
■京都市バス、財政危機的 再建へ内部努力 市会委で田辺市長
 11月定例京都市会の交通水道常任委員会の総括質疑が7日から始まり、公共料金への消費税転嫁などについて田辺朋之市長らの考えをただした。
 共産党議員から「消費税転嫁は公約違反」と、その理由を求められたことに対し、田辺市長は先の本会議で述べた通り、と答えた。先月の本会議では「消費税法改正が全党一致で可決されるなどの状況を踏まえて提案した」と答弁している。
 市バス・地下鉄の消費税転嫁とセットになった運賃値上げに関連して交通局の財政体質が問われたことについて、田辺市長は「市バスの財政状況は危機的」との認識を示した上で▽非乗務員の削減▽乗車時間の作業、仕事内容の点検などを柱に財政再建の内部努力をすることを示した。
 地下鉄東西線の開通時期については「工事時間を24時間体制にするなど平成6年度開通に向けて努力したい」と従来通りであることを述べた。総括質疑は9日も行われる。(京都新聞)
■120人、30分宙づり 神戸でロープウエー停止
 神戸市がJR新神戸駅(同市中央区)北側の六甲山腹に建設、10月末に開業したばかりの「新神戸ロープウエー」が7日正午前、突然停止し、約120人の乗客が30分近く宙づりのゴンドラ内に閉じ込められた。
 運行を管理している神戸市都市整備公社によると、中間の「風の丘」駅内でゴンドラ間の間隔が狭まり過ぎ、衝突を避けるために自動コントロール装置が働いて運行中の計68台のゴンドラすべてが停止した。原因がはっきりせず、正常な運行が不可能となったため、24分後に手動で低速運転、乗客を最寄り駅まで運んだ後、この日の運行を打ち切った。乗客には混乱はなかった。同ロープウエーが止まったのは、開業以来初めて。
 同公社は、中間駅の電気系統部品の異常が原因とみて部品を交換。試運転後、8日以降の運行再開について考える、としている。
 午前中の利用客は約800人。同公社はタクシー20台を手配し、上の駅に取り残された乗客を運んだ。
 頂上のハーブ園から中間駅まで歩いて下りて来た家族連れは2時間ほどたって、運転を中止します、というアナウンスがあった」と長いタクシー待ちの列を前に不満顔だった。(京都新聞)
■駅改築コンペ作品集を発行
 京都駅ビル開発(井手正敬社長)は、JR京都駅改築コンペの全作品を紹介するJR 京都駅改築設計競技作品集を発行、希望者に販売している。
 コンペに参加した国内外の建築家7人の作品の設計図書、模型のカラー写真をすべて収録。A4判、360n。定価1万円、送料1冊600円。申し込み、問い合わせは〒600 京都市下京区烏丸通塩小路下ル、JR京都駅2階、京都駅ビル開発・企画課 075(361)4394へ。(京都新聞)
■電車やバスに乗り障害者が全国行動
 車いすの障害者ら約1000が電車やバスに一斉に乗車して、障害者が利用しにくい現状を訴え、JR各社などに施設の改善を求める「交通アクセス全国行動」(だれもが使える交通機関を求める12月全国大行動)が8、9両日、東京や大阪など全国15ヵ所で展開される。障害者団体など全国約70団体による初の全国一斉行動だ。
 大阪では車いす70台、約250人が参加。JR湊町−大阪駅、阪急庄内−梅田駅などの交通アクセスを確かめるほか、JR西日本と交渉し駅エレベーターの設置などを求める。滋賀、京都、奈良、兵庫でも同時行動が予定されている。(朝日新聞)
9日■信楽高原鉄道が運行再開 208日ぶり 悲しみ新た
 信楽高原鉄道(本社・滋賀県甲賀郡信楽町、北川啓一社長)は8日、死者42人の大惨事から208日ぶりに運行を再開し、安全の願いを込めた若草色のラインの列車が乗客を乗せ、整備された線路を走った。事故で最愛の家族を失った遺族も姿を見せ、悲しみを新たに再開列車を見守っていた。
 午前5時半から信楽駅ホームで神事が行われた後、北川社長が始発列車の運転士にお守を手渡し、同6時15分、地元住民らを乗せた上り一番列車が朝もやのなか14.7`先の貴生川駅へ向けて出発した。
 事故現場の線路わきに建てられた慰霊堂では、午前9時から「安全の誓い」があり、稲葉稔滋賀県知事や運輸省の染谷昭夫技術参事官、JR西日本の井沢勝常務ら関係者約60人が参列、黙とうの後、北川社長が「二度と事故を起こさないために最善の方策に努めます。鉄道の再出発をお許しください」と、霊前に誓いの言葉を述べた。
 参列者が白菊を献花中の午前9時27分、貴生川発の下り列車が現場にさしかかり、哀悼の意を示して弔笛を鳴らし約10秒間停車。乗客が慰霊堂の方へ向いて手を合わせた。
 午前10時15分から信楽駅で運行再開式が行われ、前社長の杉森一夫信楽町長が「ご遺族や被災者の心情を考えると胸のつまる思い」と、涙声で鉄道再生への決意を述べた。(京都新聞)
■信楽鉄道再開 車窓から花束も… 「被災者忘れないで」 事故風化 恐れる遺族
 「再出発をお許しください」。信楽高原鉄道が運行再開した8日、事故現場の慰霊堂で北川啓一社長は42人の犠牲者の霊前に深々と頭を下げ、安全運行を固く誓った。この朝、遺族は鉄道側のセレモニーには姿を見せず、一部の遺族は事故現場の線路わきに列車の車窓から花束を投下した。慰霊堂で静かに手を合わせ、列車の弔笛に目頭を押さえる遺族。「被災者のことを忘れないで…」と悲痛な心情を運行再開の朝に見せた。
 「鉄道に乗って亡くなったので、列車から霊を慰めたかった」。京都市伏見区桃山町大津町、木村てい子さん=当時(61)=のおいで、鉄道関係の会社に勤務する矢田昌三ぜん(36)=同区深草南明町=は、長女の明日香ちゃん(4つ)を伴って午後零時14分信楽発の列車に乗り込んだ。
 約10分後、事故現場の慰霊堂にさしかかると、ピンクの花束を車窓から投下した明日香ちゃんと矢田さん。早期再開を願ってきた地元や鉄道側の気持ちは理解できるとしながらも「原因が究明されるまでは再開を見合わせてもらいたかった」と両手を合わせた。
 妻辰子さん=当時(52)=を失った神戸市東灘区の中原邦夫さん(57)は、正午前に事故現場を訪れ、遺族が線路わきに立てた「42人の無念」と書かれた看板の前で一度足を止め、慰霊堂に一輪の赤いカーネーションを供えて合掌。
 「妻には運行再開の許しを願った。来るべきではないと思ったが、足がこちらに向いてしまった。ここに来ると事故の惨状と妻の無念が頭をよぎって…。、多くの被災者がまだ何の救済もないことを忘れないでほしい」と厳しい表情。弔笛を鳴らす下り列車が通ると、ハンカチで目頭を押さえた。
 また、犠牲者42人のうち20人の遺族でつくる「遺族の会」の弁護団(事務局長・秋田真志弁護士)は、北川社長に安全運行などを求める申し入れ書を渡した後、信楽町山村開発センターで記者会見。
 「遺族は原因究明がなされない段階での再開にやりきれない思いで、セレモニーの場には出席したくないとの意向だった。遺族は再開で事故が風化するのを恐れている。原因解明とともにJRの社長の謝罪を求めていく」と強調した。(京都新聞)
■黙とうささげ運行 信楽高原鉄道 難題積み7ヵ月ぶり
 死者42人を出した5月14日の列車衝突事故以来、運休していた信楽高原鉄道(滋賀県・信楽町)が8日、約7ヵ月ぶりに運行を再開した。地元住民の強い要望を受けた運行再開だが、事故原因の解明と刑事責任の追及、重傷者や遺族に対する補償交渉などの難題が残っている。
 同日午前5時半、信楽駅ホームに、北川啓一社長、前社長の杉森一夫・信楽町長ら関係者約50人が集まって安全を祈願した。
 午前6時15分に発車。10分後、列車が事故現場に差しかかると、弔いの汽笛を響かせた。杉森町長は、数珠を握って立ち上がり、黙とう。
 犠牲者20人の遺族でつくる「JR西日本・信楽高原鉄道列車衝突事故犠牲者遺族の会」は、運行再開で事故が風化しないようにと、この日、弁護団を通じ、北川社長に「今後の事故原因の解明、補償に万全を」など5項目の申し入れ書を手渡した。(朝日新聞)
■信号機に落雷列車25本遅れ JR関西線平野駅
 8日午後9時10分ごろ、大阪市平野区平野元町、JR関西線平野駅で、奈良寄りホーム先の出発信号機が赤のまま変わらなくなった。約20分後、手信号による指示で運転を再開したが、午後11時半までに、百済発新潟ターミナル行き貨物列車を始め、湊町と王寺、奈良などを結ぶ上り列車計25本に30−10分の遅れが出た。JR西日本大阪輸送指令は信号機故障の原因を落雷によるものとみている。(朝日新聞)
■ロープウェイ運休 故障原因は部品に欠陥 神戸
 電磁クラッチの異常で7日昼、乗客約120人を乗せたままストップした神戸・六甲山の新神戸ロープウェイ「夢風船」の故障原因を調べていた神戸市都市整備公社は9日、駅構内にあるゴンドラの速度制御装置の軸(鉄製、直径3a)が折れ、動力が伝わらなかったため、と発表した。同公社は、部品に欠陥があったことを重視、9日から当分の間、同ロープウェイを運休、24基ある同装置すべてを取り換える。(朝日新聞 夕刊)
10日■京都市導入の低公害バス 20日から運行スタート
 運輸省は、京都市交通局などが導入する低公害のハイブリッドバスについて、11日に大臣認定を行う。本年度から新設された国の「バス活性化システム整備補助制度」に基づく認定第1号で、全国で6台。12日、各管轄の運輸局でナンバープレートの交付を受け、20日から全国一斉に運行を開始する。
 低公害バスは、運輸省と日野自動車工業が開発。ディーゼルエンジンのほかにバッテリーと発電機兼用モーターを搭載し、発進や加速時にバッテリーでモーターを回してエンジンを補助することで、排気ガスや黒煙、騒音などの低減と燃費向上が図れる。
 このバスは、従来のものと比べ、排気ガスで20−30%、黒煙で70%減少でき、燃費は5−10%アップが可能という。
 京都市交通局は、ナンバープレート交付のあと、西賀茂営業所に配車。20日から9号系統(京都駅前−堀川通−西賀茂車庫前)を中心に運行する。ハイブリッドバスはボディー部分に広告看板を取りつけず、かわりにブルーでハートマークと「HIMRディーゼル・電気ハイブリッドバス」「地球にやさしい」とペインティングしてある。
 全国的には今回の6台を含め、平成4年度中に、東京都交通局が一挙に12台に増やすなど、全国8事業者、計33台になる予定。(京都新聞)
■嵯峨野トロッコ列車 観光懇話会が発足 亀岡市呼び掛け 幅広い提言めざす
 嵯峨野トロッコ列車観光客の受け入れ策の不備などが指摘されている亀岡市で9日、市観光推進懇話会が発足、初会合が亀岡市役所で開かれ、トロッコ亀岡駅から市内観光地への観光客誘導策などが話し合われた。今後、将来の観光ビジョン策定へのためさまざまな角度から提言を行う方針だ。
 同懇話会は、市が呼び掛けて市観光協会や亀岡商工会議所などの観光関係団体、トロッコ亀岡駅のある篠町自治会、地元交通機関、府、市の行政関係者ら21人で構成。
 オブザーバーとして谷口義久亀岡市長、長谷川一彦嵯峨野観光鉄道社長の2人が参加した。(京都新聞)
■山形新幹線 つばさ 愛称決まる
 JR東日本は9日、来年夏に開業予定の山形新幹線(東京−山形間)の愛称を「つばさ」に決定した、と発表した。同社は愛称を一般公募、その結果、@山形経由の特急列車(上野−秋田間)の名称として使われ、長年親しまれているA高速で走るイメージがあり、分かりやすい−との理由から、つばさを採用した。
 応募総数は3万8400通。うち、つばさは633通で、抽選で5人に旅行券などが贈られる。(京都新聞)
■消費税分の運賃転嫁へ 地下鉄・バスなど 大阪市
 大阪市は9日、1昨年4月の消費税実施以来、見送ってきた地下鉄・バス、ニュートラム運賃への税転嫁を盛り込んだ運賃改定を運輸省に申請した。認可されれば2月上旬から実施する予定。また上下水道料金にも3月1日から消費税分3%を現行料金に上乗せすると発表した。
 申請によると、地下鉄、ニュートラム料金は、1区(3`まで)は160円のまま据え置き、現行190円の2区(3`を超え7`まで)料金を200円に改定、あとは現行通り4`増すごとに30円加算する。通勤、通学定期もこれに伴い値上げされる。(朝日新聞)
■低公害バス20日から京阪神などで走る
 運輸省は9日、大都市での排ガス対策のため、ディーゼルエンジンと電気モーターを組み合わせた低公害バス「ハイブリッドバス」を京阪神の各市営バスや奈良交通など全国6ヵ所に1台ずつ導入することを決めた。11日に試験自動車として大臣認定し、20日から営業運行を始める。来年度には30台以上に拡大する方針。
 低公害車は現在、メタノール車と電気自動車が導入されているが、走行距離が短く充電の手間がかかるなどからバスには向かなかった。ハイブリッドバスは、ディーゼルエンジンに電気モーターを組み合わせ、減速する際の制動エネルギーを電力としてバッテリーに蓄え、この電力を加速時の補助に使う。
 大阪市は大阪駅前−守口車庫など市北部の路線、神戸市は舞子−学園都市間、京都市は京都駅前−西加茂間、奈良市は市内循環に走らせ、車体にハイブリッドバスと大書する。このほか、東京都と川崎市も導入する。価格は1台2400万円で、普通のバスの倍近いが、運輸省と自治体から補助金が出る。(朝日新聞)
■山形新幹線の愛称「つばさ」に決まる
 来年夏から営業を始める山形新幹線の新型列車の愛称が、「つばさ」と決まった。「現在、在来線で山形を経由する特急として親しまれ、高速イメージがある」との理由。東海道新幹線の「のぞみ」に続き、新幹線にまた愛称が加わった。
 JR東日本の一般公募で集まった名前は総数で38400通、2712種類あった。多い順に、「べなばな」「ざおう」「もがみ」「はながさ」で、「つばさ」は9位だった・「きらら」「芭蕉」「おしん」などユニークなものも。(朝日新聞 夕刊)
11日■スト突入は当面回避 JR東海労
 労使関係の正常化などを求めストライキを構えていたJR東海労働組合(JR東海労 佐藤政雄委員長 1300人)は10日、東京都内で拡大代表者会議を開き、14日意向に設定していたストライキを回避することを決めた。
 当面、会社への非協力態勢の強化や安全確保のための危険個所調査などの闘争を実施。来年3月のダイヤ改正時をヤマ場に設定し、1月松からスト権を背景に労働条件改善とうつうなどに取り組むとしている。
 佐藤委員長は「会社側に“(ストを)やらせてたたく”との考えがある以上、ストが決定的な問題解決にならないと判断した」と回避理由を述べた。
 同労組は組合差別撤廃、大学卒運転士養成の中止などを求めて団体交渉を要求。JR東海が交渉に応じなかったため、JR総連(福原福太郎委員長 8万人)の加盟組合員としては、初のスト権投票に踏み切りスト権を確立していた。(京都新聞)
■ストライキは来年に「延期」 JR東海労組
 JR東海に労使関係の正常化などを要求し、14日からストライキを含む争議行為を予定していたJR東海労働組合(JR東海労 佐藤政雄委員長 1300人)は10日、東京都内で拡大代表者会議を開き、14日午前0時から設定していた争議行為を年内は回避し、来年に先延ばしすることを決めた。理由として、ストによる年末年始の公共交通の混乱は避けたい、などをあげている。(朝日新聞)
■ニュース三面鏡 JR内労組の再編本格化へ 総連に反発し協調派 スト巡り2大勢力拮抗
 全国のJR各社で初めて実現した西日本旅客鉄道労組(JR西労組=旧鉄労派)と西日本鉄道産業労組(西日本鉄産労=旧国労主流派)の組織統一は、旧動労派が主導権を握る現在の主流派・JR総連に反発する労使協調グループの大同団結といえる。今回の統一は全国に波及する見通しで、JR総連に匹敵する新しい全国組織の結成をにらんだ「JR内労組再編」の動きが今後本格化しそうだ。
 6日午後、大阪市内のホテルで開かれた両労組の統一大会。会場には民営化後の労組大会として初めて井手正敬副社長が出席し、「一企業一組合への第一歩として歓迎する」とあいさつ。新しく発足した「西日本旅客鉄道産業労組」と経営側との蜜(みつ)月の始まりを印象づけた。
 今回の統一は、JR総連が昨年打ち出したスト権委譲がきっかけだった。「ストは時期尚早」と反発した西日本の多数派(旧鉄労派)は今年7月、旧動労派とたもとをわかちJR総連を脱退。この動きは11月、東海、九州に広がった。
 西日本鉄産労の上部団体、鉄産総達も「反JR総連派との組織統一の全国展開」を打ち出している。
 また、新労組は多数派形成をめざし、年明けにも各社の反JR総連派に新たな全国産業別組織(産別)結成を呼びかける方針だ。
 新しい産別について新労組は、すでに東海、九州の反JR総連派とは大筋の合意はできたという。発足のめどは来年3月としており、実現すればJR総連に匹敵する組合員数になる見通しが強い。
 一方、JR総連派のうち、東海では14日午前零時から設定していたストライキを含む争議行為をひとまず来年に延期したものの、旧動労派の運転士を多く抱えることを背景に、「闘う労組」の姿勢を強めている。
 JR内労組の「勢力地図」は今後、経営側への姿勢が相反する二大労組が拮抗(きっこう)する構図に大きく塗り替わりそうだ。(朝日新聞 夕刊)
12日■ニュー新幹線「のぞみ」かなえ博多延伸 5年春、あす申し入れ JR西日本 新大阪から20分短縮
 JR西日本は、JR東海が来年3月から新大阪−東京間に導入する新型の超特急新幹線「のぞみ」(300系)を、平成5年春に山陽新幹線区間も含め博多まで延伸して通し運転することを決め、13日にJR東海に正式申し入れする。
 「のぞみ」の最高時速は270`と現在山陽区間を走っている「ひかり」より40`も速く、新大阪−博多間は現行より約く20分短縮、東京−博多間は約40分スピードアップする。途中停車駅も岡山、広島、小倉程度に絞りたいとしている。
 JR西日本は、既に山陽区間で最高時速300`を超える500系の高速車両の開発を進めており、来年6月にも試験車両を使って走行テストを始める予定だが、営業運転までにはさらに1−2年かかるという。このため西日本は「東海道区間と山陽区間でスピード格差が長い間続くのは西日本のイメージダウンになる」と東海の運転本数増大に合わせ、通し運転することを決めた。(京都新聞)
■私鉄スト3月末に 総連が設定 賃上げ2万5000円要求
 私鉄総連(19万2000人)は12日、静岡県下田市で中央委員会を開き、あいさつで田村誠委員長は、来春闘の賃上げ要求を2万5000円(9.3%)とし、ヤマ場となる大手組合のストライキを3月末に設定する考えを示した。
 ストの具体的な日程や要求額については職場討議にかけ、来年2月13日の中央委員会で正式決定する。私鉄総連が春闘でストを3月中に設定するのは初めて。
 来春闘の集中回答日を3月中に設定、ヤマ場とする「3月末決着」は連合の基本方針。連合の中核グループの鉄鋼、電機、自動車などの労組でつくる金属労協(IMF・JC)も既に決定しており、私鉄総連も共闘を重視して同一歩調を取る方針を打ち出した。
 賃上げ要求の2万5000円(9.3%)は今春闘の要求と同額だが、アップ率は0.3ポイント減。(京都新聞 夕刊)
■強風で湖西線ストップ 堅田−今津間 3時間半、バス輸送
 JR湖西線は12日午前5時5分ごろ、滋賀県志賀町荒川付近で風速25bを記録したため、近江今津−堅田間で約3時間半にわたり、上下線電車の運転を見合わせた。このため、普通電車上下計12本が同区間を部分運休。JRではこの区間にバス12台を出して、代行輸送した。
 このほか、新潟発大阪行き寝台特急「つるぎ」が約2時間50分遅れたのをはじめ、特急7本が東海道本線経由となるなど、通勤客ら約1万人の足が乱れた。
 またこの影響で期末テスト仲の県立高島(今津町)同安曇川(安曇川町)私立比叡山(大津市)の3高校は、開始時間を1−2時間遅らせた。志賀県内には、11日夕から強風注意報が出ている。(京都新聞 夕刊)
■新幹線、雪で今冬初の徐行
 岐阜、滋賀県内の降雪で、JR東海道新幹線は12日午前6時25分から約2時間15分にわたり、岐阜羽島−京都間の上下線で今冬初めて時速170`の徐行運転を実施した。同8時40分に通常運転にもどった。(京都新聞 夕刊)
■京都駅高層化 仏教会、市民団体と会合へ
 JR京都駅退こう奏化計画について住民投票を提案している京都仏教会(会長・東伏見慈洽青蓮院門主)は、市民団体などに協力を求める会合を26日、京都市東山区の清水寺で開くと11日発表した。景観保全運動に取り組んでいるグループだけでなく、高層化推進論の目立つ京都商工会議所なども含む約140団体に参加を呼びかける。一方、60b高層化工事が9日に始まった京都ホテルに対しては、拝観拒否戦術を当面見合わせる方針を明らかにした。
 京都駅の改築計画は、現行の高さ制限31bを上回る59.8bの高層ビルを建てる案が採用されている。仏教会の住民投票案は、計画をそのまま認めるのか、現行規制の範囲内で建て替えるのかを、外国人も含む18歳以上の市民の投票で決めようという内容。市民のカンパや仏教会、駅改築の事業主体である京都駅ビル開発会社で費用を負担。市の協力が得られれば一般選挙に準じた方法で学校などを投票所にする。得られなければ寺などを投票所にあて、資格証明に住民票を利用する。
 仏教会は、26日の会合で参加団体に住民票案を健闘してもらい、来年1月半ばごろに意思統一を図りたい、としている。
 会合では、今後の運動の進め方などについても意見を交換する。
・住民投票への試金台
 《解説》JR京都駅の高層化計画を住民投票にかけようという京都仏教会の提案が、市民の支持を得られるかどうか。26日の市民団体などとの会合が試金石となりそうだ。拝観拒否などの強硬戦術を嫌って仏教会と一線を画していた市民団体の中には住民投票について「反対する理由がない」との声も出ている。しかし、積極的な賛同意見になるには、超えなければならない「壁」がある。
 その一つは、1982年から87年にかけての京都税紛争時に仏教会の「フィクサー」と呼ばれ、京都ホテルや京都駅の高層化反対運動でも参謀約を務める不動産会社社長の西山正彦氏に対して、市民団体の抵抗がぬぐいきれないことだ。仏教会が拝観拒否戦術を完全に放棄したわけではないことも影響している。会合で住民投票への協力が得られなかった場合、会合自体が「拝観拒否やむなし」の理由づけに利用されるのではないか、と懸念する市民団体もある。
 しかし、市民団体側も高層化反対運動に有効な決め手をもっていない。仏教会も拝観拒否に踏み切って、世論の批判を浴びるのは避けたいところだ。このため、双方の抱える課題をともに解決する方法として、住民投票に期待をかける声が出始めている。(朝日新聞)
13日■JR西日本指定券状況 九州方面は満席
 JR西日本は12日、年末年始(27日−1月5日)の指定席発売状況をまとめた。新幹線や在来線の特急、急行を中心として発売状況を見ると、帰省のピークが28日−31日、Uターンのピークが1月3日−5日と、4−3日間に分かれる「分散型」になっている。
 10日午後11時現在の発売状況によると、帰省(27日−1月1日)は、定員に対して53%が発売済み。Uターン(2日−5日)は同66%が売れており、帰省、Uターンとも前年同期比で6−5%と出足が早い。
 新幹線は、山陽方面の「ひかり」「こだま」が年末はほぼ満席だが、午後の一部に空席がある。東京方面への年末の「ひかり」は早朝に若干、余裕が見られる。
 在来線は、九州方面への帰省はほとんど満席。北陸方面の帰省列車は、夕方の「雷鳥」に余裕が見られる程度となっている。山陰方面は夕方の列車、信州方面は臨時列車に、それぞれ余裕がある。
 JR西日本は、今後の券売状況を見ながら、新幹線で1日1本、時刻表に載っていない、追加臨時列車を走らせたり、在来線では当日に運行を決める「タイムリートレイン」の増発なども検討している。(京都新聞)
■「のぞみ」料金を認可 東京−京都は6090円に
 運輸省は12日、JR東海が来年3月から東海道新幹線の東京−新大阪間で営業運転を開始する300系新型車両「スーパーひかり」(愛称「のぞみ」)の指定席特急料金を申請通り認可した。
 この結果「のぞみ」の特急料金(通常期)は、東京−名古屋間で「ひかり」「こだま」より750円高い5160円、東京−京都間、東京−新大阪間では950円高い6090円。
 スピードアップを理由に、東海道新幹線に二重料金が存在することになり、「将来の値上げの布石では?」など、今後利用客らの間で論議を呼びそうだ。
 「のぞみ」は全車指定席。「ひかり」を50`上回る最高時速270`で、東京−新大阪間を2時間班で結ぶ。(京都新聞)
■JR奈良線架線事故で混乱 桃山−長池間4時間不通、3500人影響
 12日午後4次ごろ、城陽市平川山道、JR奈良線新田−城陽間の久津川踏切で、架線が約1.3`にわたって垂れ下がり、奈良発京都行き快速電車のパンタグラフが垂れ下がった架線に引っかかった。
 電車はパンタグラフ一基を破損したが、新田駅まで惰行運転し、乗客乗員約60人にけがはなかった。
 この事故で、同線は桃山−長池間が約4時間にわたって不通となり、上下18本が運休、21本が遅れ、約3500人に影響が出た。JR西日本は京都−桃山間と長池−奈良間で折り返し運転をし、宇治−木津間のバス代行輸送を行うとともに、近鉄京都線、京阪電車に振り替え輸送した。
 城陽署などの調べでは、同踏切を横断しようとした京都市伏見区小栗栖南後藤町、運送行金治正信さん(42)のクレーン付きトラックのアーム部が、高さ5.4bの架線を引っかけた。金治さんが現場近くで簡易トイレをトラックの荷台に積み込んだとき、クレーンのアームを収納し忘れたらしい。(京都新聞)
■帰省列車の売り切れ続々
 JR西日本は12日、年末年始(27日−1月5日)の帰省列車の指定席発売状況を発表した。10日現在で定員の約6割にあたる約108万人分が売れ、前年同期の6%増。売り切れの列車も相次いでおり、JR西日本は状況を見て臨時列車の運転を追加する。(朝日新聞)
■速い分高め のぞみの料金 運輸省が認可
 来年3月14日から新大阪−東京を2時間半で結ぶ東海道新幹線「のぞみ号」の新特急料金について、運輸省は12日、申請通り認可した。新大阪−東京間は、これまでのひかり号に比べ950円高い6090円になり、運賃との合計では1万4430円になる。
 のぞみ号は全車指定席。ひかり号と間違えて乗ってしまう場合など、やむを得ない場合「立ち席特急料金」として500円引きにする。
 その他の区間でのひかり号との差額は次の通り。
 新大阪−新横浜間、京都−東京間=950円▽新大阪−名古屋間、京都−名古屋間=450円▽名古屋−東京間=750円▽新大阪−京都間、新横浜−東京間=300円。(朝日新聞)
■架線事故で一部不通 JR奈良線
 12日午後4時ごろ、京都府城陽市平川のJR奈良線久津川道踏切(警報機、遮断機付き)で、クレーン付きトラックが横断中に電車の架線を引っかけた。架線が約1500bにわたり引っ張られたため、架線につながっているワイヤが切れ、現場の北約700bを走行中の奈良発京都行き快速電車(4両編成)のパンタグラフに巻き付き、パンタグラフが大破した。
 快速はそのまま約500b北の新田駅まで走って停車、運転できなくなり、乗客約60人は近くの近鉄大久保駅まで歩いた。けが人はなかったが、この事故で桃山ー長池間が約4時間不通になり、上下18本が運休、21本が最高4時間10分遅れ、乗客3500人に影響が出た。(朝日新聞)
14日■遺族2人と示談へ 信楽鉄道事故対策委 年内成立見通し
 滋賀県議会の信楽高原鉄道列車事故対策特別委員会が13日開かれ、花房義彰生活環境部長は、死亡者42人のうち2人の遺族との補償示談が年内に成立する見通しを明らかにした。委員会では、JRとの直通乗り入れに関する協定書などについて審議が行われ、JR乗り入れの経緯や協定内容が今後の審議の焦点になってきた。
 この日の委員会で、花房部長は被災者との補償交渉の状況などについて報告。11日現在、高原鉄道とJRの乗務員ら鉄道関係者7人を除く乗客の被災者649人の55.9%に当たる363人(重傷7人、軽傷356人)との示談が成立し、死亡者2人の遺族とは年内に示談成立の見通し、と述べた。
 また、8日の鉄道運行後の乗客数について「11日までの4日間で計約6130人。1日1500人の当初見込みをクリアした。通学の小学生も始業時間を繰り下げた(10分)ため、乗車率は約50%でゆったり乗れる」と説明した。
 委員からは▽事故に対するJRの考え方や乗り入れ協定書の内容▽遺族との補償対応▽補償費の負担方法−などについて質問が出された。
 JRの対応について、花房部長は、両鉄道会社で交わされた「直通乗り入れ運転協定書」や「車両直通運転契約書」などを踏まえ「JRは基本的スタンスとして、協定で高原鉄道がJR列車の乗務員と車両を借りて運行するとの内容になっているので、高原鉄道同士の列車が衝突したという考え方と聞いている。残念なのは、JRのトップが遺族に正式に謝罪していないことが具体的補償交渉に入れない原因にもなっている」と話した。
 また、補償費の負担方法について、理事者側は「これまでの示談成立者の費用など約2億6000万円はJRが立て替えている。立て替え費用は高原鉄道の保険金(3億円)でまかなう。あとは(県と信楽町の)貸付金で対応する」と述べた。(京都新聞)
■新幹線車体に多数亀裂 2編成 定検で判明
 東海道・山陽新幹線で「ひかり」と「こだま」に使われている100系車両のうち2編成(1編成16両)で、車体の骨組みの溶接部分に多数の亀裂が生じていたことが、13日までのJR東海の定期検査で判明した。
 同社は「溶接部分の亀裂は別に珍しいことではない。車体の強度は全体で支えるものなので、一部にひびが入っても安全上の問題はない」と強調しているが、新幹線運転士の組合員が多いJR東海労働組合では「安全にかかわることなので、会社側に原因の解明を申し入れる」としている。
 JR東海によると、新幹線車両は3年または走行90万`ごとに、車体の主要部分を分解して細かく調べる「全般検査」を義務付けられており、問題の100系車両のうち1編成は11月28日から同社浜松工場で検査に入っていた。
 この検査で1編成16両のうち14両で、水平に配置された側梁(がわばり)と支柱に相当する側柱(がわばしら)の溶接部分で亀裂が見つかった。溶接個所は1車両当たり約60ヵ所あるが、各車両とも2−8ヵ所で長さ1−3aの亀裂が生じていた。また、今月4日から検査に入っている別の1編成からも同様の亀裂が見つかった。
 JR東海では「特別に車両検査を実施することは考えていない」と話している。(京都新聞)
■低公害バスに電池納入 日本電池 京都などで運行へ
 日本電池は13日、低公害のハイブリッド方式車用の電池システムを日野自動車と共同開発、20日から京都市などで運行される同社製HIMR(ハイエムアール)バスに使われると発表した。
 HIMR車はディーゼルエンジンとバッテリーによるハイブリッド車の一種。発進や加速時にバッテリーでモーターを回しエンジンを補助する。排気ガスを20%、ディーゼル特有の黒煙も70%削減し燃料コストも10%以上向上する。
 開発したシステムは、補水が不要で急速充放電性能を持つ密閉型鉛電池(SEB65型)を使用。車1台に25個を直列に接続し300ボルトの組電池とするもの。短時間で大電流を充放電するため、上昇温度を制御する空調システムなどを採用、耐震性も高めている。1システム600`c。
 HIMRバスは低公害路線バスとしてこのほど運輸省が認可、京都市のほか東京都、大阪市など6都市で計6台が一斉に運行する。うち5台に同社製電池を納入した。同社では今後さらに需要拡大を見込み、軽量化などの研究を進める。(京都新聞)
■「のぞみ」断たれたフルムーン JR東海 「客が集中」と割引除外
 熟年層やお年寄りを対象にしたJRグループの割引切符「フルムーンパス」と会員制割引制度「ジパング倶楽部」について、JR東海は14日、来年3月から登場する東海道新幹線の新型特急「のぞみ」には適用しない方針を明らかにした。近く駅のポスターなどで適用除外を広報するが、入会者や、すでに切符を買った利用者からは不満の声が出そうだ。
 「フルムーンパス」は、年齢合計88歳以上の夫婦を対象に、JR全線のグリーン車が利用できる。毎年10月から翌年6月までの間に、連続5日間だけ使え、ペアで6万5700円。去年は全国約25万人が利用した。各新幹線も乗り放題だったが、「のぞみ」は料金体系が異なるとして、パスは使えなくなり、乗車券、特急券、グリーン券を新たに買わなければいけない。
 「ジパング倶楽部」は男性65歳、女性60歳以上なら年会費3600円(夫婦なら2人で6000円)で入会でき、全国のJR線はどこでも201`以上利用する場合3割引き(新入会年の3回目までは2割引き)になる。会員は全国35万人。「のぞみ」は運賃のみ割り引くが、特急券、グリーン券などは適用外と決めた。
 JR東海営業本部によると、「のぞみ」は当面1日2往復しかなく乗客が集中する恐れがあり、「フルムーンなどを認めると、高い料金を払って乗ってもらうお客様に不公平になる」と話している。
 運輸省が12日に認可した「のぞみ」の特急料金は、新大阪−東京間が「ひかり」より950円高い6090円、運賃合計は1万4430円。回数券、エコノミー切符など割安切符も一切使えず、差額を払っても乗れない。(朝日新聞 夕刊)
16日■車折 帷子ノ辻 太秦… 難解駅名ルーツは? 嵐電の元車掌 足で発掘 「なぜ」から出発42年
 車折(くるまざき)、帷子(かたびら)の辻、太秦(うずまさ)…。京都市の西部を走る京福電鉄嵐山線の沿線には読みにくい地名が多い。「なぜ、こんな駅名が」と、疑問に思った同電鉄の元車掌さんが、40余年をかけ、足で調べた地誌を自費出版した。
 「京の路面電車・駅名ものがたり」を出版したのは、京都市中京区西ノ京東中合町、元京福電車社員山谷和弥さん(61)。昭和23年に同電鉄に入社、昨年11月に退職するまでの約42年間、改札係や車掌、運転手を務めた。うち車掌生活は30年近い。
 駅名に興味を持ったのは、入社直後の研修時。「車折」という駅について「車が折れる。縁起でもない名をつけたものだ−と思ったのが最初です」と山谷さん。教官に由来を聞いたが、思わしい返事は得られなかったという。
 仕事の合間に現地を訪れ、地元のお年寄りの話を聞き、土地に伝わる昔話、伝説を掘り起こした。何気なく聞き流している駅名の裏に、いろんな発見があり、十数年かけ嵐山線の20駅の由来や周辺の地誌を、もれなく調べ上げた。
 成果は、社報に連載したり、小冊子にまとめ、車掌仲間や駅に配布。観光客の質問に答えるハンドブックとして重宝された。
 田畑が埋められ宅地に−。高度成長期には目まぐるしく、車窓の風景も変化した。3度、4度と足を運び、新しい発見や以前まとめた記事の不備に気付く度に改訂、退職するまでに計4回も書き改めた。
 退職。心の区切りをつけるため、出版を決意した。原稿を完成後、もう一度各駅に足を運んだ。「7ヵ月の間に、7、8回は原稿を書き改めましたか」と振り返る。「市井の片隅に人知れず息吹く歴史や伝説に、目を向けてもらえれば」。46判、208頁の著書からは、そんな思いが伝わってくる。
 定価は1300円、郵送料260円。問い合わせは山谷さん 075 (801 )0485へ。(京都新聞 夕刊)
■あっ、線路に女性転落 3警官通過直前救う 阪急西向日
 15日午前9時10分ごろ、向日市上植野町の阪急西向日駅の上リホームで、電車を待っていた長岡京市柴の里、会社員小川忠子さん(60)が、1.5b下の線路に転落した。居合わせた向日町署外勤課の本田道治巡査(23)、福井哲也巡査(25)、橋本清(21)の3人が目撃。本田巡査が線路に飛び下り、他の2人は駅員に通報するなどの連係プレーで、河原町行き急行電車が通過する直前に小川さんをホーム下の退避所へ誘導した。3人の巡査は勤務を終えて帰宅する途中だった。
 向日町署によると、小川さんは目まいがして転落したらしい。小川さんは頭や肩などにけがをしており「頭を打ったため動けなかったところを安全な場所に誘導していただき助かりました」と話している。(京都新聞 夕刊)
■朝のJR奈良線混乱 パンタグラフから火花
 16日午前4時55分ごろ、JR奈良線平城山−木津間を運転中の上り普通電車のパンクグラフから火花が出ているのを運転士が発見、徐行して宇治駅に42分遅れで到着。このため同電車の宇治−京都間と下りの折り返し同区間が部分運休となったほか、計4本が2−6分間遅れ、計2600人に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■霜で部分運休 JR奈良線
 16日午前5時ごろ、京都府相楽郡木津町のJR奈良線木津駅付近で、奈良発京都行き普通電車(2両編成)のパンタグラフにバチバチと音がして火花が発生しているのを、運転士が気付き時速約10`で徐行した。点検の結果、架線に霜が降りていたためで、宇治−京都間を部分運休した。この影響で上下6本が最高42分遅れ、約2600人の足が乱れた。霜で運休したのは今冬初めて。(朝日新聞 夕刊)
17日■カード事業に単独で進出へ JR東日本
 JR東日本は16日、同社独自のカードを発行し、乗車券購入などのほかキャッシングもできる新事業を来年夏をめどに開始する、と発表した。JRグループ内では、西日本などがクレジット会社と提携しカード事業を実施しているが、単独のカード事業は初めて。東日本は顧客情報を集めニ−ズの動向把握などに役立てたいとしている。
 カードによるサービスは、同社の主なみどりの窓口やびゅうプラザ(旅行センター)などで、乗車券や指定券などを購入できるほか、駅ビルの商店やホテルでもオンラインのシステム整備に併せ買い物や宿泊代金の支払いに利用できるようにする。さらに山手線などの主要駅構内にキャッシュディスペンサーを設け小口金融も行う。(京都新聞)
■他編成でも亀裂を発見 東海道新幹線
 東海道新幹線の主力車両、100系型列車2編成の骨組み溶接郡に多数の亀裂が入っていた問題で、JR東海は16日、亀裂がほかに同じ型の12編成にも入っていたことを明らかにし、残りすべての100系列車40編成を年内に一斉点検することを決めた。
 同社の緊急点検で新たに亀裂が見つかった12編成は85年以降に車両製造会社から納車されたもので、1編成(16両)あたり数ヵ所から約70ヵ所で見つかった。亀裂は1−6aと、これまでと同程度だった。同社は、「安全運行には支障がない」としている。(朝日新聞)
■いんたびゅー JR京都駅改築(1) JR西日本社長 井手正敬さん 計画変更ない 淡々と進めたい 議論重ねた/もう足踏みできぬ
 京都の景観問題が新たな局面を迎えた。京都ホテルは9日、京都仏教会の再検討要請を振り切る形で、60bの高層化工事に着手した。続いて、3年後の建都1200年を目指して改築を計画しているJR京都駅の高層化が焦点となる。古都の新しい玄関口の高層化は、これから京都ホテル以上に大きな波紋を呼びそうだ。計画を推進しようとする人、反対している人、それぞれの胸の内を、ざっくばらんに聞いた。
 −JR京都駅の新駅ビルが古都の景観を破壊するとして、京都仏教会が賛否を問う住民投票の実施を申し入れました。受け入れる考えはありますか。
 「行政側や京都商工会議所とも話し合ったし、街全体に与える影響についても、各種研究会や地元のコンサルタント会社にお願いして研究もしてきた。その過程で十分民意を反映していると思うので、新たな住民投票など必要ないと考えている」
 −独断で決めたのではないと。
 「地元各層の意見を聞きながら、街並みを保存できて、かつ国際都市京都にふさわしいものを、と議論を重ねてきた。そういう過程を踏まえて今年、国際コンペにこぎつけた」
 −駅前は、現行の高さ規制で31bまで、特例でも45b以下に制限されています。国際コンペに出品された7つの作品は、最高120b、最低でも59.8bと、すべて制限をオーバーしていますが。
 「コンペで選ばれた作品をそのまま実現するのを前提に進めてきた。京都の歴史風土や自然景観に調和した作品を期待して、高さについては、都市計画上の所要の措置が得られるものと仮定して『景観にふさわしいものを』とお願いするだけにとどめた。京都タワー(131b)くらいが上限だろうな、とは思っていたが」
 −それでは、最終的には市が60b近い建物を認めることになると。
 「正式には、まだ市に設計図を提出していないが、市関係者にコンペの審査にオブザーバーとして参加してもらっており、当方の考え方はすでに十分わかってもらえていると思う」
 −噴出した反対の原因は、高さに集中しています。
 「何らかの形で反対意見が出てくるのでは、との予感があったのは事実だ。しかし、誠意を持って説明すれは納得してもらえると考えた」
 −仏教会もそのうちの一つだと。
 「仏教会から、説明してくれと会談の申し入れがあったのは、最近のことだ。事実、先日の初めての話し合いは交渉ではなく、とんがった話は出なかった」
 −しかし、今後の話し合いの結果によっては、最悪の場合、拝観拒否も考えられます。
 「いつでも説明には応じるが、何が何でも反対というのでは困る。実際、1994年の平安建都1200年に間に合わせるためには、もう足踏みできない段階にきている。計画を変更する考えはなく、淡々と進めるだけだ」
 −違法性を訴える声もありますが。
 「違法かどうかを判断されるのは行政だが、新駅ビルが違法とされることはないはず」
 −コンペで作品を一般公募すべきだったという意見については。
 「単に素晴らしい絵を描くのと違うので難しい。何より、作品を展示するなどオープンにしている」
 −審査の過程を批判する審査員もおられるようですね。
 「談合があったなどという批判も耳にするが、これは審査委員長たちに失礼だ。確かに審査の中でいろんな意見があったのは事実だが、議論の結果として原広司先生の作品に決まった。多数決で票が割れたのは当然で、むしろこういう話し合いでは、全員一致はあり得ないのではないか」
 −選ばれた作品について。 「これまで、駅が京都の街を南北に分断しているといわれてきた。新しい駅ビルは、コミュニティーセンターや文化施設の機能を備えており、南北を結ぶ機能が期待できる」
 −模型を見た限りでは、違和感があるようにも見えますが。
 「パリのエッフェル塔も京都タワーも、完成当初はいろいろ言われたが、今では街に溶け込んでいる。多くの人にどれだけかわいがってもらえるか、楽しいと思ってもらえるかは、私たちの責務だ」
 いで・まさたか 1935年4月、福井県生まれ。59年3月、東大経済学部卒、すぐ国鉄に入社。東京西鉄道管理局長、総裁室長などを歴任した後、87年4月、JR西日本副社長に就任。90年10月から京都駅ビル開発会社社長を兼任。(朝日新聞)
■新幹線のニセ回数券 大阪で7枚出回る 台紙も偽造
 大阪市北区の旅行代理店などにJR東海道・山陽新幹線の偽造回数券7枚が持ち込まれていたことが分かり、JR西日本は17日、大阪府警曽根崎署に有価証券偽造、同行使の疑いで届け出た。回数券の台紙まで偽造しているかなり精巧なもので、東京でも見つかっていることから、駅での検査態勢を厳しくするとともに、同種の回数券をすでに持っている利用者に対し注意を呼び掛けている。
 JR西日本によると、偽造されていたのは新幹線指定席特急回数券のL型(縦6.7a、構12.8a)と呼ばれ、駅のみどりの窓口や旅行代理店のマルス(自動発券機)から機械的に打ち出されるもの。京阪神地区と東京都区内間が3ヵ月間有効で、6枚7万4700円で発売している。
 大阪で見つかったのは計7枚で、14日に、大阪市北区角田町、阪急ビル1階の阪急交通社梅田総合営業所に持ち込まれたのが4枚。12日に大阪市内のJR駅から回収した分から2枚。東京の利用者から「偽物ではないか」と連絡のあったもの1枚。発行は阪急交通社梅田総合営業所とJR天王寺旅行センター、同京橋旅行センターの3ヵ所で、発行日は12月9日と10日の表示があった。(朝日新聞 夕刊)
■消費税転嫁の改正案 地下鉄運賃など可決 京都市議会
 京都市の定例市議会は17日午前、本会議を開き、市バス、地下鉄の運賃について、来年4月から値上げと消費税転嫁を同時に行う条例改正案などを野党の共産を除く自民、公明、社会、民社の賛成多数で可決した。上下水道料金については「市民生活への影響が大きい」として、転嫁開始時期を来年10月まで半年間遅らせる修正案を、共産を除く賛成多数で可決した。(朝日新聞 夕刊)
18日■補償交渉 初の合意 信楽鉄道事故 示談で2遺族
 信楽高原鉄道列車事故で死亡した42人のうち2人の遺族との補償交渉の示談が、17日までに合意に達した。遺族に対する補償がまとまったのは初めてで、同高原鉄道とJR西日本でつくる「被災者相談室」は近日中に補償額を支払い、正式に示談が成立する。
 合意に達したのは、相談室大阪事務所(多田均事務所長)と同滋賀事務所(村西俊雄事務所長)が担当してきた死亡者各1人の2遺族。逸失利益と慰謝料などを提示して、補償金額の話し合いを進めてきたという。
 5月14日の事故後、両鉄道会社は被災者との補償交渉を円滑に行うため、補償基本協定に調印し▽補償金は交渉がまとまった時点で両社が均等に支払う▽事故責任が明確になった時に、責任割合に応じて分担する−との内容を確認し、大阪市と大津市に相談室事務所を開設した。
 これまでに、死者42人、負傷者614人のうち、乗務員ら両鉄道関係者7人を除く乗客の被災者649人の55.9%に当たる363人との示談(補償金約2億6000万円)は成立しているが、いずれも重軽傷者で、遺族との示談合意は今回が初めて。
 死亡者42人のうち、乗務員ら高原鉄道関係者5人を除く乗客37人の遺族は、「犠牲者遺族の会」(吉崎俊三世請人代表)か京都の企業協同組合ハイタッチ・リサーチパーク関係の「事故被害者の会」に約3分の2が加入しているが、今回、合意に達した1遺族はいずれの会にも入っていない。
 金額については遺族の感情などを考慮して、両社とも公表しない、としている。(京都新聞)
■リフト付きバス”発車” 京都市交通局 24日から2台運行
 京都市交通局は、体が不自由な人が車いすにすわったまま介護者なしで乗り降りできるリフト(昇降機)付きの市バスを24日から2台走らせる。またバスの愛称を「ふれあい号」と決めた。
 従来の路線バスでは、乗降口が高く、介護者らが車いすを引っ張り上げるなどしなければならなかった。
 このため京都市と大阪、神戸両市が共同して、介護者なしで乗降できる新しい車両の開発をメーカーに委託していた。
 「前乗り、前降り」で、運転手がボタンを押すと油圧式で階段が水平にせり出し、地上から車いすを乗せたまま車内の床面まで運ぶ。また車内中央部に2人分の車いす固定場所が設けられ、可動式の座席をはね上げて固定できる。
 リフト付きの路線バスは全国で初めてで、共同開発した新車両のうち1台が先月中旬から大阪市内で運行している。京都市内では、沿線に福祉施設のある西5号系統(桂駅西口−桂板小前)と29号系統(四条烏丸−洛西バスターミナル)の2系統で当面1台ずつ、1日約5−7往復運行させる。
 運行開始に先立ち、20日午前11時から京都市役所前でバスの公開と試運転が行われる。(京都新聞)
■新幹線 指定席券偽造 一字誤り発覚 「西日本」の台紙まねる
 大阪、東京で見つかった新幹線の偽造指定席回数券は、犯人がJR西日本の頭文字「W」を地模様に印刷した台紙を東日本管内でもそのまま利用し、さらに発券場所の旅行代理店支店名の一文字を誤ったことから、偽物と発覚したことが18日、明らかになった。
 偽造された指定回数券の表面には、複製できないように縦横数ミリのごく小さなJRとWの文字が薄く交互にびっしりと印刷されている。Wは西(WEST)日本を示す。東日本管内の台紙には代わりにEが印刷されており、東京でWの台紙が使われているのはJR西日本の旅行センター2ヵ所だけだ。
 ところが、JR西日本や関係者によると、東京の金券ショップに持ち込まれた券は、発行元が近畿日本ツーリスト八重洲店と新宿西口店となっており、JR東日本管内なのに、Wの台紙が使われていた。さらに、同ツーリストには新宿南口店はあるが、西口店はないことから、同ショップが疑問を持ち、13日に偽造であることが判明した。
 今回の偽造券は、作り自体はJRやショップ関係者が見ても真偽の判断が難しいほど精巧。大阪市内の金券ショップ関係者は「犯人の2つのうっかりミスで偽造が分かったが、それがなけれはだれも気づかなかったのでは」と推測する。(朝日新聞 夕刊)
19日■来年度値上げせず JR西日本
 JR西日本の井手正敬副社長は18日、「来年度いっばい、運賃値上げはしない」と表明した。JR各社の中で値上げ見送りを表明したのは、西日本が初めて。
 運輸収入、関連事業収入の伸びが順調なことなどから判断。このほど開いた常勤役員・支社長会議で、来年度事業方針の一つとして確認、合意している。
 JR各社は、消費税導入に伴う改定を除けば、1986年(昭和61年)9月1日付で平均4.8%の値上げをして以降、現在まで運貨改定をしていない。西日本は現行運賃を93年(平成5年)3月末までさらに継続することになった。(京都新聞)
■JR京都駅 「改築を積極的支援」 定例会見で田辺市長表明 来年3月 全体計画
 京都市の田辺朋之市長は18日の定例記者会見で、JR京都駅の改築を都市計画上の規制緩和を含めて積極的に支援していく姿勢を改めて示した。駅を含めた周辺の全体計画を来年3月未前後にまとめる予定。
 田辺市長は、京都府、京都商工会議所とともにJRに対して京都駅の建て替えを要望してきた経過を強調し、「平安建都1200年のモニュメントであり。京都の発展のための大きな事業。(改築の)新しい状況に対して都市計画決定の変更とかの手法があるが、駅を含めた周辺のまちのあり方を詰めた後、適切な手法を確立して基本的な方策を示したい」と述べた。佐藤達三助役は「本年度末前後をメドに全体の絵を描くように担当部局に指示している。絵ができてから適当な手法を固めたい」と補足した。
 京都仏教会が京都駅改築の是非を問う住民投票を呼びかけていることについては、田辺市長は「一団体がやろうとしているもので、適切な方法ではない。ルールにのっとった方法で行うべき」との見解を示し「圧力をかけるような運動は好きでない」「仏教会とは今の状況ではとても会えない」などと述べた。
 市消防局で昇任予備試験問題が事前に漏れた件では「非常に重大なこと。役所は住民の信頼を受ける所であり、二度とないように当局に厳重注意した」と遺憾の意を表明した。(京都新聞)
■JR西日本副社長会見 「高さ見直さぬ」 反民主的と仏教会批判
 JR京都駅ビル改築計画で京都仏教会が高層化に反対している問題について、JR西日本の井手正敬副社長(京都駅ビル開発社長)は18日の定例記者会見で、「(改築計画は)京都府、京都市の意見を十分に伺っており、(住民投票の申し入れには)応じるつもりはない」と強調。拝観停止などに関しては、「自分の反対意見を通すために暴力的手段を使うなら、民主主義に反する」と批判した。
 仏教会が今月4日、駅ビル開発会社に住民投票の実施を申し入れ、来月末までに回答するよう求めている点について井手副社長は、「一方的に申し入れを持ってきたものに、回答する義務があるのかどうか…」と疑問を呈したうえで、「新駅ビルの高さを少しでも下げれば、原廣司東京大教授の設計を否定することになる」と、一切見直す意思のないことを表明した。
 また、「駅ビル改築はもともと、府、市、京都商工会議所が建都1200年記念事業でやりたいと言うことで、(JRとしては)受けて立った形だ」と、地元サイドの依頼に基づく改築であるとの認識を示した。(京都新聞)
■地下鉄延伸など22項目 22日から予算要望活動 京都市
 京都市は、新年度政府予算の大蔵省原案内示に合わせ、22日から関係省庁や京都選出国会議員に対する予算要望活動を行う。
 重点要望項目は22項目。とくに、コンベンション都市のアクセス機能充実を図る地下鉄烏丸線の北山駅から国立京都国際会館までの延伸計画の促進や、京阪神都市圏を高速道路網で結ぶ京都高速道路の早期事業化、京阪連絡道路の調査費確保をはじめ▽山科駅前地区市街地再開発事業の促進▽梅小路公園の事業費確保▽和風迎賓館の建設−などの予算獲得に全力を挙げる。
 大蔵原案内示が行われる22日から27日まで、市の東京事務所内に市予算対策本部を設置。24、25の両日には田辺朋之市長、高橋泰一朗市会議辱らも東上、各方面に要望活動を展開する。(京都新聞)
■リフトバス発車前に 運転手対象の研修会 京都市交通局
 京都市交通局は24日から洛西ニュータウンなどの路線バスにリフト(昇降機)付きバスを走らせる。これを前に18日、西京区内の洛西営業所で、リフト向き路線バスの普及運動に力を注いできた日本自立生活センター(本部・京都市北区北野下白梅町)の長橋栄一代表を招き、運転手対象の事前研修会を開き、公共交通機関の在り方を学んだ。
 長橋さんは、リフト付き路線バスが既に50%以上普及する米国のバス事情などに詳しい。この日は交代要員の運転手を含め同営業所管内の約30人が熱心に耳を傾けた。
 長橋さんは、明治以降、欧米に「追いつき追い越せ」で進んできた日本の交通機関の現状を歴史的に説明。この中で「だれでも利用できる『公共性』が理解されずにきた」とし、心構えとして「運転手さんは船長さん。それも、大きな社会の縮図であるミニ社会がバスの中にあることを忘れずに、安全に平等に運営(運行)してゆく大きな役割を持つのです」と話した。また「みんな同じ権利を持つ乗客のために、若干の遅れなど気にすることのない、血人に優しい、本来の任務を果してほして」と話していた。(京都新聞)
■新幹線偽造回数券 72枚、83万円で換金 大阪の金券店 31枚、客に販売
 今月中句から各地で出回っている東海道・山陽新幹線指定席の偽造回数券が18日、さらに大阪市北区梅田の金券ショップ「ヤマトスタンプ」(小原昇店長)で72枚が換金され、既に販売された31枚を除く41枚が見つかったほか、JR東京駅、京都駅などでも相次いで発見された。
・京都駅でも発見
 発見された偽造券はこの日だけで49枚、これまでに見つかった分も合わせれば56枚(JRなどの確認分)にも上る。このためJR各社は被害がさらに拡大する恐れがあるとして、回数券などを購入する場合、JRの窓口か旅行代理店で求めるよう呼び掛けている。
 大阪府警曽根崎署の調べによると、「ヤマトスタンプ」で発見された偽造券は、これまでに見つかったものと同じ京阪神地区内(新神戸、新大阪、京都)−東京都区内間用。JR西日本の回数券に似せた台紙にプリンターで印字してある。
 10、11日の3回にわたり、別々の名を名乗る人物が計72枚を同店に持ち込み、計83万5200円で買い取らせた。うち31枚は、既に同店で販売された、という。
 また、この日JR東京駅で1枚、東京・御徒町駅2枚、京都駅3枚、新大阪駅2枚の計8枚の偽造券が発見された。
 これらの偽造券は「ヤマトスタンプ」で見つかった偽造券と同様に、JR西日本の台紙に似せた用紙を使っていることや、地模様が不鮮明で文字配列が一部乱れているなど共通点が多いという。(京都新聞)
■軌道敷内走り 車、川に転落 右京、会社員けが
 18日午後10時20分ごろ、京都市右京区太秦木ノ下町の西高瀬川に、名古屋市南区白水町、会社員高崎益次さん(29)の車が転落した。高崎さんは車内に閉じ込められたが、市消防局救助隊に救出され軽傷。
 太秦署の調べによると、高崎さんは三条通を東から嵐山方向に向かって進んでいたが、通りに沿って延びる京福電車の軌道敷内に入り、そのまま軌道敷を約200b西進、天神川通を越えて、東西に流れる同川に突っ込んだらしい。
 この事故で、四条大宮行き電車が現場手前で6分間臨時停車した。車が線路わきの踏切遮断機制御装置を壊したため、遮断機が下りなくなり、終電車まで同電鉄の職員が現場で通行車両の誘導に当たった。(京都新聞)
■広島・橋げた落下事故 内部指針破り未経験者が作業 市が違反を見逃す?
 今年3月、死傷者23人を出した広島の橋げた落下事故で、事故の原因となった鋼鉄製橋げたの架設工事を請け負っていた橋りょうメーカー「サクラダ」(本社千葉市)下請けの架設責任者や作業員ら五人がいずれも未経験者で、架設工事に習熟した作業員の使用を定めている広島市の内部指針(ガイドライン)に違反していたことが18日、関係者の話で明らかになった。
 広島市の工事に関する別の内部規定では、監督員に指名された市職員は厳正に工事を監督しなければならないことなどから、同市が監督不十分なため請負業者の違反事実を見逃した疑いが出てきた。事故犠牲者の遺族らでつくる「被害者の会」(相良勝美弁護団長)はガイドラインなどの内部文書を既に入手しており、これまで市側が否定している事故の法的責任を改めて追及する方針だ。
 この内部指針は、広島市が独自に作成した「土木工事共通仕様書」の橋りょう工事の項目に一般心得として記載された規定。橋げたの架設工事では「作業員には工法に適格な者を選び、不適格な者は訓練、習熟後でなければ使ってはならない」と明記している。(京都新聞)
■整備新幹線 ほぼ満額に復活 総事業費、1100億円台に
 政府・自民党は18日、北陸、東北、九州の整備新幹線3線の92年度の総事業費を、概算要求額(1113億円)のはぼ満額の1100億円台に「復活」させる方針を固めた。
 運輸省が公共事業予算の「生活関連重点化枠」で駅舎整備費の一部として要求していた30億円が17日ゼロ査定となり、このままでは自治体とJRの負担分を含めて総事業費が1000億円を割る事態も予想されたが、「本格的な事業費」を望む地元の意向を配慮した。19日以降に行われる蔵相と運輸相による大蔵原案の事前折衝で決着する見通しだ。
 整備新幹線の総事業費、生活関連枠をのぞく公共事業費は、NTT株の売却益による無利子貸し付け139億円。これを30億円近く増額してカット分に充当しようというものだが、本来、運輸省内の港湾、航空関連に割り当てられる分の一部も、新幹線に振り向けられる模様。
 運輸省が生活関連枠として要求していた30億円は、北陸新幹線の長野、上田両駅の改良工事費の一部。自治体、JRが計90億円を負担して全体で計120億円の事業だが、国の支出がなければ事業全体ができなくなる。ところが、大蔵省は「新幹線は生活関連として認めがたい」と難色、17日の自民党による生活関連枠配分も、これに沿った判断となった。
 整備新幹線の総事業費は、3線に等分に配分されるわけではなく、98年の冬季五輪を控えた長野と高崎間の北陸を最優先する、というのが運輸省の考え。(朝日新聞)
■新幹線 偽造回数券 さらに6枚 新大阪・京都・東京
 JR東海道新幹線の偽造回数券事件で、18日までに新たに6枚が新大阪、京都、東京3駅で使われた後の回収分から見つかり、JR東海は同日、大阪、京都両府警と警視庁に届けた。
 JR東海によると、見つかったのは新大阪駅2枚、京都駅3枚、東京駅1枚。使用されたのは14、15両日で、17日夜から18日朝にかけ、回収分を再点検して発見した。すでに大阪府警に届けられているのと同種の新幹線指定席回数券だった。偽造回数券はこれで計37枚になった。(朝日新聞)
■いんたびゅー JR京都駅改築(3) 京都商工会議所会頭 塚本幸一さん 現在の京都 そのまがいいのか将来を考えた場合、大きな問題
 −景観問題も踏まえて京都の町づくりについての考え方は?
 「京都商工会議所にまちづくり問題特別委員会を設けた。17部会の部会長や各委員会の委員長にメンバーになってもらい、京都の産業界としての意見を集約する作業にかかってもらっている。いまは、京都駅や京都ホテルなどの個別の問題を含めて、公式な見解は控えたい」
 −将来のビジョンについては?
 「パリのエッフェル塔。随分もめたそうだが、いまではパリの象徴になっている。ポンピドーセンターもパリの町並みからかけ離れた前衛的な建物だが、名物の一つになっている。古いものを残しつつ、時代に負けない新しい創造をやっている。現在の京都をそのままストップさせることがいいのか、将来を考えた場合、大きな問題です」
 「むちゃなことはできないが、限られた中で近代化を図る必要がある。三山に囲まれた地域は難しいが、南部地域で新しい開発を構想することは、原則的にいいことです。常に京都の特殊性を考えて、古いものと新しいもの、保全と開発というあい反するものを調和させる。これをやってこそ、新しい時代の京都に生まれ変わることができるでしょう」
 −開発には反対する声がありますが?
 「じっとしていれは、何の問題も起きないだろう。しかし、将来大きな問題を引き起こしてしまう。時代に遅れない活性化を考えなければならない。100年ほど前、京都に疏水ができた。町をひっくり返す騒ぎで、ものすごい反対があったようだ。しかし、いまは『よくやった』という評価になっている。新しいものをつくる時には、必ず抵抗はあるものです。これを踏み越えないと、何もできない」
 「高い建築も一つの景観をつくることがある。美しいビルは都市構成の重要な要素となる。中途半端で変なビルが建つ方が問題だと思う」
 −京都市の「まちづくり審議会」が一次答申を出しました。三山を中心にした景観保全地域、中心部の都心再生地域、南部の都市機能集積地域に分け、規制の強化や緩和策を打ち出しました。
 「おおまかにいって、意見は一致する。確かに三山は京都にとって大事な景観で、これを破壊することは重大なことです。大文字山のゴルフ場計画が中止されたのは賛成だ。中心部でも開発と保全のバランスを考えなければいけない。しかし、南部は『ニュー京都』という感覚で、頭を切り替えるべきだろう」
 −総合設計制度を見直すかどうかの結論は先送りになりましたが。
 「敷地の40%を公開空地として提供し、高さは60bまでに規制される。40%の空地を提供するのは大変なことです。しかも、高さを60bに抑えられてしまっては、利用範囲は限られ、経営採算は合わない気がする。京都ホテルは土地の一部を売却して資金に充てるなど特殊なケースだ。京都ホテルができると、後からどんどん(60bの高層化が)行われるという人がいるが、不思議に思っている」
 −経済界として、京都の活性化は遅れていると思いますか?
 「危機感を持っている。京都を支えてきた和装、繊維といった伝統産業が沈滞している。時代にあった新しい産業をもっと育成し、集積していかなければならない。いま騒いでいる人たちは、とにかく高いものをつくるな、現状で抑えろというだけで、新しいものをつくり、調和をどう図るかという考え方がない。活性化という視点が抜けている。(古いものを)残せというだけでは、発展はない」
 −京都は変わりましたか?
 「随分変わった。南禅寺の門を出たところにラブホテルがあったりする。あのネオンは見かねる。一番の景観問題として考えるべきです。高層ビルについてはいろいろいうのに、なぜああいうものに知らん顔しているのか。京の町衆はどう考えているのかわからない」
 つかもと・こういち 1920年、滋賀県出身。46年、個人商店・和江商事を創業。49年株式会社とし、社長に就任。57年、社名をワコールに改め、87年から会長。83年に京都商工会議所会頭になり、現在3期目も日本商工会議所副会頭などを務めている。(朝日新聞)
■京都駅高層化で京都市長が見解 仏教会の住民投票提案「適切な方法でない」
 京都市の田辺市長は18日の定例記者会見で、京都仏教会がJR京都駅改築高層化計画について住民投票を呼びかけ、市にも協力を求める意向を示していることについて「適切な方法とは考えていない」と述べ、拒否する考えを表明した。この問題で市長が公式に見解を明らかにしたのは初めて。
 田辺市長は新しい駅ビルについて「建都1200年にふさわしい、市政発展のための事業」としたうえで「まちがいのないよう手順を尽くして進めていきたい」と改めて決意を表明。「住民投票は法的な手法が決まっている。仏教会がおっしゃる投票はひとつの団体がやろうということで、適切な方法とは考えていない」と述べ、法的な裏付けを欠いたものであることを強調した。
 さらに、京都ホテルの高層化問題を含めた仏教会側の一連の動きについても「景観についていろんな意見があることは承知している。しかし、ルールは守らなければならない。わかりにくい、圧力をかけるような形でやる運動は好ましくない。約束ごとにのっとって進めてきた計画が、一方的な圧力や、よくわからない話し合いで著しく変更されるのはよくないと思う」と批判した。
 また、周辺の高さ制限31bを大幅に超えている新しい駅ビルの設計案(59.8b)を法的にクリアさせる方法について、同席した佐藤助役は「駅周辺を含めた全体のゾーンの計画を立てることが先決だ。それに応じて手法が絞られてくる。多少ずれ込む可能性はあるが、年度内をめどにまとめたい」と語った。
 京都駅ビルの改築計画をめぐっては、仏教会が4日、建撃主体の京都駅ビル開発会社に対し、市民による住民投票で計画の是非を問うことを提案。市にも協力を求める意向を示していた。(朝日新聞)
■和風迎賓館建設や地下鉄延伸を重点 京都市の来年度国家予算の要望
 京都市は22日から27日まで、来年度国家予算案編成に向けた予算対策本部を市東京事務所に設置、地下鉄烏丸線の延伸や和風迎賓館建設を含む22項目を重点に要望活動をする。市長、市会議長らも上京し、24、25日をピークに関係省庁に働きかける。
 地下鉄については、国立京都国際会議場へのアクセス強化のため、補助事業としての決定を目指す。迎賓館は「強力な政治的支援体制のもとに、府とともに要望にあたる」という。
 このほかの重点項目は、京都高速道路と京阪連絡道路の阪神高速道路公団による早期事業化と調査費の確保▽梅小路公園(仮称)計画の推進▽山科駅前地区市街地再開発促進事業の促進▽醍醐地区の市街地空間総合整備事業の事業地区採択など。(朝日新聞)
■来年度も値上げ凍結 JR西日本
 JR西日本の井手正敬副社長は18日の会見で、92年度も運賃値上げはしない方針を明らかにした。17日に臨時常勤役員会を開いて決定した。同社は大手私鉄が値上げ申請した7月に「今年度中の運賃凍結」を宣言していたが、今年度も約600億円の経常利益が確保できる見通しがつき、1年延長した。89年春の消費税転嫁時を除くと旧国鉄時代の86年9月に4.8%値上げして以来、6年半凍結することになる。
 井手副社長によると、今年度の経常利益は、90年度の875億円より下回りそうだが、現在の収入状況で行けば91年度計画の574億円を上回り600億円に達する見通しがついたという。井手副社長は「万一JR他社が値上げしても、西日本は同調しない」と語った。(朝日新聞)
■住民投票案に反論 JR京都駅ビル社長
 景観問題で揺れるJR京都駅ビル問題で、井手正敬・京都駅ビル開発社長(JR西日本副社長)は18日の記者会見で、京都仏教会から今月4日に提案された住民投票について、受け入れる考えはないことを改めて強調した。(朝日新聞)
■2遺族との示談が成立 信楽鉄道事故
 信楽高原鉄道列車事故の補償交渉にあたる「同事故ご被災者相談室」(大津市、大阪市)は18日、2遺族との示談が、遺族との問では初めて成立したことを明らかにした。個別で交渉していた遺族だという。
 一方、600人を超える負傷者との補償交渉は372人との間で示談が成立したという。(朝日新聞)
20日■「梅小路貨物駅」跡地 京都市へ売却決定 国鉄清算事業団処分審承認
 国鉄清算事業団の資産処分審議会(亀井正夫会長)は19日、京都市が平安建都1200年記念公園に予定している「梅小路公園」(仮称)用地として旧国鉄梅小路貨物駅跡地(京都市下京区)など全国27件、計約148fをいずれも随意契約で地方自治体などに売却することを承認した。今回、承認された売却件数は一回の資産処分審議会としては過去最多。東京都内の土地売却としては過去最大の面積となる荒川区・隅田川駅貨物用地(8.9f)も含まれている。
・都市公園として整備
 梅小路貨物駅跡地の売却が正式に決まったことを受けて京都市は、今月26日に予定される府地方都市計画審議会に公園整備案を諮り、年明けにも都市計画決定したうえで府に事業認可を申請する。また、来年度から同事業団との本格的な用地買収交渉に入る。
 同公園予定地は、JR京都駅西約1`の約10.5f。市は、平安建都1200年記念事業として、緑地公園や多目的広場、レジャー公園などを中心に、防災避難地の機能を併せ持った都市総合公園にする計画。
 同事業団はすでに今年9月、資産処分委員会で都市基幹公園として整備するとの土地利用計画を決定、市都市計画審議会も今年10月、公園整備案を承認している。
 市も本年度当初予算に用地買収費を含む整備費252億1100万円を計上しており、分割買収し、できる個所から整備に着手。平成6年には国、京都府とともに全国都市緑化フェアの会場にも充てる予定。(京都新聞)
■一般会計72兆2000億円に 来年度予算編成 新幹線1076億円で決着
 1992年度予算編成作業は22日の大蔵原案内示を前に19日、羽田蔵相と奥田運輸相の事前閣僚折衝が行われた一方、地方交付税交付金の圧縮をめぐる大蔵省と自治省の折衝も最終段階に入った。一般会計規模は72兆2000億円程度になることが固まった。
 羽田蔵相と奥田運輸相の折衝では来年度の整備新幹線建設費を1076億円とすることで決着、運輸省側が要求していた北陸新幹線の駅舎周辺整備事業も90億円が認められた。事前閣僚折衝は20日に、自治、防衝、厚生などが予定されている。
 党税調の増税規模が7300億円と決まったのに伴い、残る1兆5000億円弱の歳入不足を歳出削減と日銀納付金など税外収入でカバーする形になった。
 歳出削減の最大の柱になる地方交付税交付金の特例減額幅は20日の羽田蔵相と塩川自治相の折衝で決着する見通しだが、1兆円以上の圧縮を求めている大蔵省と自治省の交渉は事務レベルで最終的な詰めに入っている。
 大蔵省は交付税の決着に伴い、政策的経費である一般歳出の規模を固め、税外収入の積み上げと合わせて一般会計予算規模を確定する。(京都新聞)
■いんたびゅー JR京都駅改築(4)「駅」ではなく一大雑居ビル 潤うのは地上げ業者と大企業
 −京都ホテルの高層化をどう考えますか。
 「建築規制をクリアしても、45bからとび出て古都のランドマークになるような建物には住民の合意が必要。着工直前に完成予想図を公開して『ご理解願いたい』と繰り返すのはペテンです。京都を代表する観光産業だというのに、良識が欠落し、文化への不感症になっている」
 「公開空地を設けたので東山が見える範囲が広がると説明しているが、それはほんの近辺だけのこと。東山の稜線(りょうせん)がさえぎられる地域は、全市で今の数倍を超える。総合設計制度によるのっぽビルがいかに京都の空をふさぎ、景観を損なうか、はっきりしてきました」
 −JR京都駅ビルはどうですか。
 「あれは駅ではなく、ホテルやデパートを詰め込んだ一大雑居ビル。しかも、高さ約60b、長さ約470bのばかでかいビルで駅前広場に立ちはだかることになります」
 「これを京都府と市が後押ししているのは駅ビルをテコにして一挙に周辺の規制緩和を進めるため。経済の活性化につながるというが、うるおうのは駅周辺に土地を確保している地上げ業者と、豊富な資金をもつ一部の大企業だけ。地価は上がるし、中小企業や住民は追い立てをくって、人が住めない町がいっそう広がる」
 −国際的なコンペ(設計競技)を聞き、選ばれた原広司・東大教授の設計をどう評価しますか。
 「本当の建築家というものは地域や都市のあり方を考えて設計する。条件がおかしいとコンペの参加自体を断った建築家もいる。日本には、事業主の言いなりになる建築家を利用して市民の目をくらまそうとする首長が多いが、いくらそんな建築家を集めてもナンセンスです」
 「市民や仏教会が31b以下に駅ビルをおさえよと言っているのに、国際的コンペと権威づけて押し切ろうとする知事や一部議員の発言は、民主主義のイロハもわきまえぬ暴言です」
 −それでは、、どんな京都駅を造ればいいと。
 「モータリゼーションと空の旅で鉄道の比重は大きく下がったとはいえ、京都駅は東海道・山陰・奈良のJR線、近鉄、地下鉄、それに市内観光など交通の結節点で、京都の玄関として重要性をもつ」
 「駅はまず、その交通の流れをさばく機能が大切。その点、今の駅では欠陥が多い。その根本的解決を横において、巨大なビルを建てるのは、厚化粧です」
 「現在の東京駅が名建築として『残せ』と言われているのは、赤レンガの明治調とともに、出入り口の目印になっていたドームの機能と美観が時代を象徴しているからです。原君の案では、もしできてもそうはいかないでしょう」
 −京都市は、この駅を保存と開発の境にしたいようですが。
 「南北に分けてはいるが、京都盆地のど真ん中に駅はある。『南部開発』といっても結局、駅付近に高層ビルが乱立するだけ。東寺が沈み、盆地景観は崩れます」
 「高層化が必要なら名神高速以南にすべき。それより北でどうしても床面積を増やしたいのなら、地下開発をすればよい。のっぽビルの乱立は歴史都市の独自性を失わせ、大阪の場末にしてしまう」
 −京都は過去つねに先進の町でした。保存するだけでは、じり貧という主張も理解できますが。
 「開発を抑えて昔のまま保存せよとは、私たちは一度も言っていません。『開発か保全か』という硬直した二者択一ではなく、京都を生かす開発が大切だ。日本人にとっては心の故郷、世界的な歴史都市になりうるのは京都しかない」
 「全国で乱開発が進む中で、京都が山並みの見える歴史的な大景観を、あと30年守っていけば、『京都を見ずして日本を語るなかれ』と言われるようになるでしょう。建都1200年に使う金があるなら、時代遅れの駅ビル建設などやめて、21世紀を見通した構想、計画の国際コンペを記念事業にして公募するぐらいの意欲を、京都市には持って欲しい」
 にしやま・うぞう 大阪市生まれ。京大建築学科卒。住宅問題から都市計画まで幅広く研究し87年、建築学会大賞を受けた。食寝分離論から、公団住宅のダイニングキッチンが生まれた。日本万国博の「21世紀日本国土」のコンペでは、関西チームの責任者をつとめた。現在「のっぽビル反対市民連合」代表。(朝日新聞)
■梅小路など売却決定 旧国鉄用地
 旧国鉄跡地の売却を進めている国鉄清算事業団の資産処分審議会(亀井正夫会長)は19日、JR京都駅西側の梅小路貨物駅跡、去年春廃止された兵庫県西脇市のJR鍛冶屋線跡地、大阪市が小規模工場団地に予定している安治川口駅跡など全国27ヵ所の旧国鉄用地を地元自治体などに随意契約で売却することを了承した。
 梅小路貨物駅跡は京都市が都市公園として平安建都1200年の1994年度をめどに整備する方針。鍛冶屋線跡はバス用道路のほか、周辺の再開発とあわせて一部は音楽ホールや公園になる。西日本の譲渡用地は次の通り。カッコ内は面積(単位f)と売却先。
 京都市下京区、梅小路貨物駅跡(10.5、京都市)▽大阪市此花区、安治川口駅宿舎跡(0.55、大阪市土地開発公社)▽同所、桜島貨物駅跡(0.98、同)▽兵庫県西脇市−多可郡中町、鍛冶屋線跡(13.99、兵庫県、西脇市土地開発公社、中町)▽広島県東広島市、鉄道学園バス教習所跡(7.17、広島県)▽香川県仲多度郡多度津町、大通り宿舎・多度津車両工場跡(1.2、多度津町土地開発公社)(朝日新聞)
■臨時列車を追加運転
 JR西日本は19日、年末年始用に臨時列車6本の追加と12本の車両増結を決めた。21日午前10時から各駅で指定券を発売をする。
 追加運転は29、30日早朝の新大阪発博多行きの「ひかり」など新幹線4本と大阪発金沢行き特急「雷鳥」など2本。増結は京都発佐世保行き寝台特急「あかつき」などに各1両ずつ。(朝日新聞)
21日■JR西日本ダイヤ改正 深海則すべて8両に 京都・琵琶湖線 ラッシュには12両
 JR西日本は20日、来年3月14日から実施のダイヤ改正を発表した。新幹線では270`運転のニュー新幹線「のぞみ号」が新登場。これによって、京都−東京間の最終列車乗車時間に十数分の余裕が生じたほか、広島、博多方面への「グランドひかり」「速達ひかり」を増強。京阪神を中心とした都市間輸送では、深夜利用客への利便を図り、新快速をすべて8両以上の編成とし、深夜時間帯の繰り下げ増発、延長運転を実施する。
 【新幹線】「のぞみ」(東京−新大阪)は上下4本運転。京都を早朝出発して最初に東京に着くのは「のぞみ302号」。午前6時27分京都発、東京着は同8時42分。東京発最終は現行より18分線り下げ午後9時18分発、京都着同11時33分。また、最終の東京行きは京都午後9時34分発(現行同9時17分発)、東京着同11時48分。一方、博多行き最終「ひかり」は京都発午後8時33分(現行同8時20分)、博多着同11時51分。
 東京−岡山間の「グランドひかり」を5往復広島まで、新大阪−広島間の「シャトルひかり」を博多までそれぞれ延長運転する。
 【京都・琵琶湖線】「8両新快速」を平、休日とも1日 120本運転。朝タラッシュ時には「12両新快速」を走らす。最終快速の繰り下げ増発、延長によって、大阪発野洲行き快速(大阪発午前0時20分、京都発同0時59分)を1本増発。大阪発野洲行き快速(午後10時55分大阪発、同11時35分京都発)は米原(午前0時54分着)まで延長。
 夕方のラッシュ時に草津または野洲止まりの快速は、新快速に接続し米原方面へ延長運転。これで草津・野洲以東への客に選択乗車の幅が少し広がった。
 【湖西線】堅田−京都間に午前6時46分堅田発を増発。
 【嵯峨野線】園部−亀岡間で上下2本を延長運転。園部午前8時28分発、京都着同9時27分。京都発午前8時2分、園部着同9時。
 【奈良線】奈良発午前7時21分、京都着同8時23分の4両電車を6両編成に。
 【学研都市線】すべての快速(木津・同志社前−片町)と普通の一部が新型車両に替わる。
 【東海道・山陽線】京都−長崎間の寝台特急「あかつき」に1人用B 個室寝台車(28室)を連結。
 【関西線】通勤、通学時間帯を中心に編成車両を増やしたり、列車を増発して輸送力をアップする。(この項JR東海分)(京都新聞)
■運行再開 また事故 信楽鉄道、車と衝突 女性けが乗客無事 遮断機、警報機なし
 20日午後8時35分ごろ、滋賀県甲賀郡信楽町勅旨の信楽高原鉄道勅旨川踏切(遮断機、警報機なし)で、信楽発貴生川行き列車(1両編成)=前出寛運転士(58)=が同町勅旨、団体職員宇田ルリ子さん(47)の乗用車と接触。乗用車は近くの北谷川に転落して大破。宇田さんは頭などを打って観察入院した。乗客4人や運転士にけがはなかったが、列車はブレーキなどが壊れ、走行不能になった。
 水口署で詳しい原因を調べているが、前出運転士は「列車と並行して線路の左側の道を走っていた車が、右折して踏切を渡ろうとした。警笛を鳴らしブレーキをかけたが間に合わなかった」と話している、という。
 信楽高原鉄道は、5月14日、死者42人を出す大惨事を起こして以来、運行をストップしていたが、月初め、近畿運輸局の保安監査を経て、8日、 208日ぶりに運行を再開したばかり。
 再開後は、信号システムを使わず、スタフ(通行手形)を持っている列車のみが走行できるという安全面に力点を置いた運行方式に改めたが、14.7`間に計13ヵ所ある踏切のうち、8ヵ所が警報機も遮断機もない4種踏切で、再開当初から踏切事故の危険性が懸念されていた。
 同鉄道は事故後、最終までの上下3本を運休した。列車は電気系統の一部が損傷しているほか、エンジンが止まって、動けない状態で、残り1台の車両で事故車両を信楽駅へけん引した。損傷個所などについては、メーカーでないとわからないため、はっきりするのは21日以降になる。
 同鉄道では、21日以降、残り1台で運行、さらに朝のラッシュ時に代行バスを信楽−貴生川間に1往復させる。
 現場は勅旨駅から信楽寄り約300b。列車は午後8時32分に信楽駅を出発。玉桂寺前駅に停車後、勅旨駅に着く直前だった。
 踏切は幅員2.4b、長さ6.1bで小型特殊車両と軽車両以外は通行禁止になっていた。
 事故現場付近には近くの住民ら十数人が駆け付け「せっかく再開したばかりなのに…」とささやき合っていた。
・残念では済まぬ
 北川啓一信楽高原鉄道社長の話 今日は大津で会社の運営について初めての会議中に事故の第一報を聞いた。社会に与えた影響を考えると、残念だというだけでは済まされない気持ちだ。明日からの運行については住民に迷惑のかからないよう残った一両を使って運転したい。遮断機も警報機もない農道の踏切の安全対策を考える必要がある。
・安全念押されたが
 杉森一夫信楽町長の話 再開後10日あまりの事故で残念というほかない。遺族を訪問した時に再開はかまわないが安全に、と何度も念を押されていたのに。(京都新聞)
■信楽鉄道 踏切で事故 再開以来初めて
 20日午後8時35分ごろ、滋賀県甲賀郡信楽町勅旨の第三セクター信楽高原鉄道の勅旨川踏切で、信楽発上り貴生川行きの普通列車(1両)と団体職員、宇田ルリ子さん(47)運転の乗用車が接触、乗用車ははずみで、そばの川に転落した。この事故で宇田さんが頭などに軽いけがをした。列車は不通となり、上下3本が運休した。
 水口署の調べによると、列車には4人の乗客が乗っていたが、いずれもけがはなかった。同踏切は幅が狭いので、軽乗用車以上は通行止めになっていた、という。
 現場は、町道との警報機のない踏切。宇田さんは自宅に帰る途中だったという。
 同鉄道は、5月14日に起きた列車の正面衝突事故で約7ヵ月運休し、今月8日に運行を再開したばかり。再開以来、事故は初めて。(朝日新聞)
■試乗の障害者笑顔 リフト付きバス公開
 京都市交通局は20日、車いす利用者が楽に乗り降りできるリフト付きバスを、24日の運行に先立って市役所前で公開した。
 車いすを利用する障害者をはじめ、市議会の交通水道、厚生両委員会のメンバー、交通局関係者ら約70人が参加した。薦田助役が「リフト付きバス導入は健康都市構想を進める市にとって意義あること」とあいさつ。テープカットに続いて車いす利用者らが2台のバスに次々と試乗した。
 20年はど前から障害者が利用しやすい交通機関の改善を目指して、運動を続けてきた「車いすと仲間の会」の長橋栄一代表(61)は「思ったよりうまくできている。障害者の人権問題は民主主義のあり方そのものに深くかかわっている。こうしたバスをさらに増やしていってほしい」と笑顔で要望。交通局関係者や車いす利用者の間からは「問題は設備よりも人の心。乗降しやすいように通路をあけたり、固定場所の席を譲るなど、他の乗客にも協力してほしい」との声も出ていた。(朝日新聞)
■「のぞみ」が新登場 「ひかり」も増便へ JRダイヤ改定案
 JR旅客6社は20日、来年3月14日に実施するダイヤ改定の最終案を発表した。東海道新幹線では最高時速270`の「のぞみ」が新登場し、「ひかり」も1日5往復増。京阪神では、快速の終電を2、30分繰り下げ、深夜の客に対応する。
 「のぞみ」は朝が東京発午前6時と新大阪発午前6時12分、夜はいずれも午後9時18分発。東京−新大阪を2時間30分で結ぶ。
 山陽新幹線は、途中駅を少なくした「速達型」が10往復増え、新大阪−岡山間は約15分、新大阪−広島間は約25分短縮される。単身赴任者の週末帰宅用として広島行きの「ウイークエンドひかり」を、金曜午後5時46分と同8時6分発の2本新設。レジャー帰り用に日曜、祝日にも同時刻に新設する。
 東海道・山陽線を走る新快速は、混雑緩和のため現在の6両を全部8両に増強。大阪発の快速は、野洲行きが零時20分発、西明石行きが零時25分発など最終を繰り下げる。(朝日新聞)
■時々刻々 JR京都駅改築高層化計画 難題かかえ足踏み状態 決め手欠く規制緩和策 コンペ審査員から批判も
 平安建都1200年記念事業の一つとしてJR西日本、京都府、京都市などの進めているJR京都駅改築高層化計画が、国際コンペ(設計競技)を実施してから7ヵ月以上たつ現在も、3つの難題を抱えて足踏み状態が続いている。コンペの審査員の間から「JRのもうけ主義」を非難する新聞コラムが飛び出し、京都仏教会は新たに市民との共闘を目指し、高層化計画の是非を問う「住民投票」を呼びかけて運動を活発化させている。さらに、高層ビル建設手続きを任された市側も、現行規制の倍近い高さとなる設計案を法的にどうクリアさせるか、つじつま合わせに頭を悩ませている。(京都支局)
・異議
 〈『京都駅コンペ』の真相〉と題するコラムが11月22日付の地元紙に掲載された。執筆者はコンペで審査員を務めた梅原猛・国際日本文化研究センター所長。
 その中で梅原氏は、審査が費用や技術的問題を重視するJR西日本の主宰で進められ、談合を疑わせるような内容だった、と内幕を明らかにした。JR西日本を「金もうけ主義と官僚主義を適当に使い分けするカメレオン的体質」とまで言い切った。
 反響は大きかった。コンペを主催した京都駅ビル開発会社の社長で審査に加わった井手正敬・JR西日本副社長は「談合があったなどという非難はまじめに議論した審査員に失礼だ」と怒りをあらわにした。
 執筆に踏み切った動機について梅原氏は「公正さを欠くようなやり方だったのに、JR西日本側から謝罪がなかった」としたうえで、「憤激に耐え兼ねた。芸術論で論破されたのなら納得するが、これでは日本的な根回しだ。熱心に議論した外国人審査員に失礼だ」。
 JR西日本、京都府、市などの出資する駅ビル開発会社が、駅周辺の高さ規制を度外視した形でコンペを実施したのは5月。国内外の著名建築家から、現行の高さ規制31bを大幅に超える7つの案が寄せられた。
 結局、最も低い原広司・東大生産技術研究所教授の作品が選はれたが、それでも高さは59.8b。床面積は大阪駅ビルの1.7倍。しかも大部分のフロアを占めるのはホテル、百貨店とあって、景観や公共性の問題を含め、コンペのあり方に疑問を抱く市民は少なくない。
・共闘
 梅原氏のコラムが掲載されて間もない今月初め、京都仏教会は京都駅の高層化計画を住民投票にかけるよう、駅ビル開発会社に申し入れた。柔軟路線を打ち出した背景には、拝観拒否戦術などそれまでの運動につきまとっていた「市民不在」のイメージを一掃する狙いもあった。
 住民投票案は、計画をそのまま認めるのか、それとも現行規制の範囲内で改築するのかについて、外国人を含む18歳以上の全市民の投票で決めようという内容。26日には、景観保全運動に取り組む市民団体や京都商工会議所をはじめとする経済団体など約140団体に呼びかけて、住民投票への協力を求める会合を清水寺で開く。すでに「出席」の返事が、京都観光旅館連盟など観光関連団体を中心に届いている。
 「行政側や京都商工会議所とも話し合ったし、街全体に与える影響についても、各種研究会やコンサルタント会社にお願いして研究もしてきた。その過程で民意を十分反映させた」と駅ビル開発会社は主張し、田辺朋之市長も「仏教会がいう住民投票は適切な方法でない」と記者会見で表明した。両者とも住民投票そのものを拒否する姿勢を示しており、仏教会側が寺院への拝観拒否を含めた強硬戦術に転じる可能性は残されたまま。
・手法
 道路など駅周辺の整備と、高さ規制をクリアさせる具体的な手法について、京都市の検討はなかなかまとまらない。高さ規制の緩和策としては、特例による許可や高度地区の変更などいくつかの案が出ているが、適用の理由付けをめぐって、一長一短がある。
 このうち有力視されているのが、東京・新宿副都心などで超高層ビル建築に利用されている特定街区の設定。特定街区は一定幅以上の道路に囲まれた地域で、公共施設など環境整備を進めながら開発する場合、容積率を緩和できる制度だ。
 ただこの制度を適用すると、高さが事実上青天井となるため、すんなりとはいきそうにない。京都市都市計画課は「京都の実情に配慮して地域ごとに高さを規制した独自の運用基準を定めた上でないと、景観論争に新たな火種をつくることになる」と、特定街区の設定にはなお慎重な姿勢を見せている。
 このため、市役所内部では「平安建都1200年にあたる94年の完成は微妙」との声も出始めた。JR西日本の井手副社長も「建都1200年に間に合わせるためには、もう足踏みできない段階にきている」と強調する。駅ビル改築計画はタイムリミットが目前に迫っている。(朝日新聞)
■いんたびゅー JR京都駅改築(5) 国際日本文化研究センター所長 梅原 猛さん コンペの実態 JRは率直に謝罪を 「北は保全、南は開発」大いに賛成
 −京都ホテルの高層化についてどう考えますか。
 「千宗室さんや塚本幸一さんが役員を辞任したり、仏教会との約束をホテルがほごにしたりと、いったいどうなっているのか、わけがわからない。ただ、あの京都のど真ん中に60bはふさわしくないと、個人的には思います」
 −JR京都駅なら59.8bは構わないのですか。手続き的にも、京都ホテルより問題が大きいと思われますが。
 「北は保全、南は開発という田辺市長の試案には、大いに賛成している。インドの首都ニューデリーみたいに、オールド京都とニュー京都に分けるべきです。その境目になるのが、京都駅だろう。いくら古都といっても、高いビルはこれからますます必要になる。なるほど、手続きを後回しにして、コンペ(設計競技)をやってしまったが、私の個人の意見としてはJR京都駅60b案に賛成です」
 −その国際的な設計コンペにかなり不満があるとか。
 「最初からJRは結論を決めていたとしか思えない。コンペの議論の内容は、やはり芸術的評価が中心でした。レンゾ・ピアノは安藤案一本であり、ハンス・ホラインは黒川案、安藤案、スターリング案の中からとるべきだといった。スターリング案と黒川案は120b案であるから、それを除けば安藤案ということになる。塚本氏も、黒川案を除けば安藤案ということであり、私も他のよい仕事をしている建築家たちもそれにおおむね賛成した」
 「ところが、JR側は『構造上、建築が難しい。金がかかる。客室が多く取れない』と反対した。レンゾ・ピアノは、そうした欠点は安藤氏と話し合えば、解決可能だと意見を述べた。私も、もしも構造上に欠陥があれば、初めから審査の対象から外せばよいと言ったが、馬の耳に念仏であった」
 −とすると、意見が採り入れられなかったのでコンペに不満だと。
 「いや、3日間の論議が結果に何も結びつかなかったことが納得いかない。塚本さんは、120bの黒川案を推した。私とは意見を異にするが、それはそれで経済界を代表した立派な見識です。正当な芸術的論議をして安藤案が否決されたのなら私は何もいわない。原氏の案も悪いわけではない。しかし決め方が問題です。談合の疑いを少しでも外国人に与えることは国際コンペとして決してあってはならないことです」
 −JRに対して、どういいたいですか。
 「これは極めて日本的な事件です。根回しして、結果を最初から決めておかないと落ち着かないのだろう。おそらく罪の意識はないのであろうが、率直に謝罪すべき。根回しなしに外国の一流の建築家の意見を聞いてのフェアな審査であれは、どの作品が決まったにせよ、私は防波堤となって、京都仏教会であろうと市民運動であろうと、反対運動の説得役に徹する覚悟でした」
 −京都駅にはどんな建物がふさわしいと?
 「何はともあれ、芸術性です。コンペのあと、京都の建築家若林広幸氏が80bの双子の丘を造っては、と提案したが、あれは良い。安藤氏の無駄を一切省いた宗教性すら感じさせる作品か、若林氏の独創性を推す。高さは60bが目安だ。百bを超える黒川、スターリングの両案はとるべきではない。黒川氏は私の親友であるが、公の審査に私情を入れるべきではないと思った。安藤案か若林案であれば京都駅は世界の名所になっていたと思うが、惜しいことをした」
 −京都駅ビルをきっかけにし「まちこわし」が進むと反対派は警戒していますが。
 「京都に住んで46年。町並みは次第に変化してきたが、それは木造建築の宿命でもある。京都市は、これまでよく努力してきたと思う。しかし、限界がある。京都のまちづくりは、国の問題として考えるべきことです」
 「京都市に要望したいのは、仏教会との和解です。古都税以来、ことあるごとに対立しているように思えてならない。この町は、宗教界の協力なしには、発展しない。仏教会にはやり過ぎな面もあるが、言い分にも理がないわけではない。いきがかりを捨てて、仲よくできないものか。仲よくできるチャンスがあれば、私も粉骨砕身の努力をしたい」
 うめはら・たけし 哲学者、評論家、作家。仙台市生まれ。京都大哲学科卒。立命館大教授、京都市立芸術大学長などを経て、87年から現職。日本の古代史や精神文化の研究、戯曲の執筆など活動は多彩。日本人の死生観にも詳しく、脳死臨調に参加している。(朝日新聞)
■信楽鉄道踏切事故 残り1両で運行再開 バス2台も臨時輸送
 20日夜の路切事故による車両故障で不通となっていた信楽高原鉄道(本社・滋賀県甲賀郡信楽町長野)は、21日午前6時15分信楽発貴生川行きの始発から残りの1両を使い、運転を再開した。
 同鉄道によると、通常は、朝の通勤・通学ラッシュ時には、保有車両すべての2両編成で列車を運行しているが、昨夜の事故で1両が使用不能となったため、通勤・通学者の足を確保する大型バス2台をチャーター、午前7時35分信楽発貴生川行き列車と合わせて1往復運行した。
 故障車両は、電気系統の一部などが損傷しており、早急に修理をするが、運行のメドは立っていない。(京都新聞 夕刊)
■1両で運行 信楽鉄道・踏切事故で
 滋賀県甲賀郡信楽町の信楽高原鉄道は20日夜の踏切事故で乗用車と衝突した1両を修理・点検するため、21日は2両編成だった朝のラッシュ時も1両だけで運行した。
 また、通勤、通学で乗客が最も多い午前7時35分信楽発の上り列車、折り返しの午前8時7分貴生川発の下り列車には、バス2台を出し1往復させて対応した。同鉄道では修理・点検が終わるまで1両で運行。バスを平日のこの時間帯に1往復させる。
 同鉄道は5月14日の列車正面衝突事故で車両四両のうち、2両が壊れ、約7ヵ月ぶりに再開した今月8日からは残り2両で運行していた。(朝日新聞 夕刊)
22日■車掌が尋ねた駅名のルーツ
 中京区西ノ京東中合町の元京福電鉄車掌、山谷和弥さん(61)が駅名のルーツをたどる本「駅名ものがたり」を出版した。
 車折(くるまざき)、帷子(かたびら)など京福電鉄嵐山線の沿線は読みにくい名前ばかり。入社した当日から「なぜ、こんなに難しい駅名が」と思ったのが調査のきっかけ。とくに、車折には驚いた。電車が主体の会社なのに「車が折れる」とは。先輩に尋ねたが、由来を知る人はいない。多くの観光客が利用する電車なので、必要に迫られて調べ始めたと話す。
 仕事の合間を縫って何度も地元に行き、お年寄りから話を聞いた。帰宅して「ただいま」と声をかけると、原稿用紙に一直線。気に入らない言葉が一つあると、1枚全部を書き直す。そんな性格からか、出版までに40年余かかった。読者からは昔を懐かしむ手紙が届く。「こういうのが一番うれしい」と声を弾ませた。(朝日新聞)
23日■地下鉄烏丸線延伸計画 北山−国際会館間着工へ 97年度開業めざす
 京都市の地下鉄烏丸線・北山駅−国立京都国際会館間(2.6`)の延伸計画が、22日内示の政府予算大蔵原案で、国の補助金517億9550万円の内数として新規採択された。市では来年度に事業着手、1997年度の開業をめざす。
 計画では、京都国際会館前と北山との中間付近の合わせて2駅を新設する。市ではこの日の内示を受け、近く運輸省に事業免許を申請し、来年秋ごろには工事施工認可を受け、都市計画決定を行ったうえで用地買収に着手する予定。総事業費は約400億円。
 地下鉄烏丸線の延伸は、コンベンションシティー・京都の中で重要な役割を果たしている国際会館とJR京都駅を直結することで、アクセス機能を強化するのが狙い。同時に市北部の交通の利便性の向上にもつながる。同区間の延伸が完成すると、烏丸線は国際会館−竹田間13.7`となる。(京都新聞)
■地下鉄烏丸線延伸 国際会館までOK
 22日に内示された92年度政府予算大蔵原案で、京都市の地下鉄烏丸線(北山−竹田間11.7`)の北部への延伸計画が新たに補助対象として採択された。
 廷伸区間は国際会館−北山間1.6`。(朝日新聞)
24日■トレーラ アームひっかけ倒す 大阪の国道ガード下 京阪、10万人乱れる
 24日午前3時55分ごろ、大阪市城東区成育四丁目の国道1号で、交差する京阪本線のガード下を通ろうとした兵庫県明石市二見町南二見、野口運輸の大型トレーラー=藤本清和運転手(41)=が、ガード手前の高さ制限のアーム(高さ3.8b、長さ16b)をひっかけて倒した上、積み荷の鉄骨1本(長さ12b)が路上に落下、ガードの補強支柱1本(高さ5b)をなぎ倒し橋げたの一部を壊した。けが人はなかった。
 線路にゆがみができるなどしたため京阪電鉄は、午前5時すぎから複々線のうち淀屋橋行きの普通電車が走る守口市−京橋間で運転を取りやめ、他の急行電車なども徐行運転した。ラッシュに差しかかったため同区間でバスによる代行輸送などをし、午前9時までに約9万9000人の足が乱れた。
 国道1号は、現場付近で事故から約3時間全面通行止めになった。
 城東署はトレーラーの積み荷の高さが4.25bあり、これがアームをひっかけたとみて、藤本運転手から道交法違反(積載超過)の疑いで事情を聴いている。(京都新聞 夕刊)
■ダイヤの乱れに腹立て? 列車無線を妨害か 河内長野の専門校生逮捕
 通学に使う私鉄ダイヤの遅れで列車の乗り継ぎがうまくいかなかったことに腹を立てて、大阪府下を走る私鉄の列車無線に妨害電波を発信していた、として大阪府警生活経済課と阿倍野署は24日、大阪府河内長野市内に住む電気通信専門学校生(16)を電波法違反の疑いで逮捕した、と発表した。
 調べでは、この専門学校生は南海高野線に乗り、河内長野駅で乗り継いで近鉄で大阪市内の学校に通学していた。ところが、ダイヤが乱れて乗り継ぎがうまくいかないことが多かったことから、腹いせに両私鉄の列車無線の妨害を計画。12日午後零時35分ごろから同2時ごろまでの間、郵政大臣の許可がないのに、数分ずつ3回にわたって両私鉄を走る列車の無線周波数にあわせて、事前に録音していた列車無線の交信をテープで流した疑い。調べに対し、専門学校生は犯行を認めているという。
 南海や近鉄の列車無線には、今年7月ごろからダイヤルQ2を録音したとみられるひわいな音声が流れるなどの妨害が始まり、10月以降は特に頻発していた。両社からの訴えを受けた近畿電気通信監理局が電波探知で発信源を突き止め、今月13日に大阪府警に告発していた。同府警は23日夜に専門学校生をいったん釈放したが、刑法の業務妨害などの疑いもあるとして、調べている。(朝日新聞 夕刊)
■積み荷の鉄骨ガードに激突 「京阪」一部不通に
 24日午前3時50分ごろ、大阪市城東区成育四丁目の国道1号で、京阪電鉄本線のガード「関目架道橋」下を通過しようとした兵庫県明石市二見町南二見、野口運輸の39dトレーラー=藤本清和運転手(41)=の積み荷の鉄骨が、3.8bの高さ制限の鉄製アームに引っかかり、同アームを倒した。さらに衝撃で積み荷の鉄骨の1本(長さ約12b、重さ約6.5d)が落下し、道路中央に立ったガードの鉄製支柱のコンクリート土台を砕いた。このため5本並んだ同支柱のうち1本が倒れた。
 ガード付近で線路が約7a沈んだため、同線の守口市駅−京橋間の下り線2本のうち、各駅停車が走るB線が始発から不通となった。土居−野江間の6駅から普通に乗って大阪方面に向かう通勤客ら約12万9000人(午前10時現在)の足に影響が出たため、京阪電鉄はバスによる代行輸送や地下鉄への振り替えをした。(朝日新聞 夕刊)
25日■私鉄に妨害電波 大阪の専門学校生逮捕 夏ごろから何度も 近鉄など実害
 大阪府警生活経済課は24日までに、南海、近鉄などの私鉄の列車無線に防害電波を発信していたとして、電波法違反の疑いで大阪府河内長野市の専門学校生(16)を逮捕した。
 調べによると、少年は12日午後零時半すぎから午後2時すぎまでの間、無許可で計3回、南海高野線、近鉄南大阪線、河内長野線の列車と各社の運転指令室間の交信用周波数を使い、防害電波を発信した疑い。
 防害電波は7月ごろから発信され、10月から回数が増え出したといい、同課は、近畿電気通信監理局から告発を受け捜査していた。
 発信していたのは、主に列車と運転指令室間の交信を事前に録音しておいたもので、中には、事故が発生したため指令室から列車に臨時停車するように命じた内容もあった。また、少年が使用していた無線機は、出力が列車の無線機の5倍もあり、防害電波が出ている間は交信が不可能になるなど実害も出ていた。
 少年は、「通学時に列車がよく遅れるので、こらしめようと思った」と供述している。(京都新聞)
■熊谷組など罰金30万円 御徒町事故で略式命令
 昨年1月、東京・上野のJR御徒町駅前で、東北・上越新幹線御徒町トンネル工事現場上の道路が陥没し13人が重軽傷を負った事故で、東京地検は24日、元請けの熊谷組(本社福井市、熊谷太一郎社長)を労働安全衝生法違反の罪で、当時の同社現場責任者の沢田芳秋・元上野作業所長(44)=現東京支店工務部付き=を同法違反と業務上過失傷害の罪で略式起訴した。
 これを受け東京簡裁は同日、熊谷組と沢田元所長にそれぞれ罰金30万円の略式命令を出した。(京都新聞)
■余部鉄橋事故から5年 風吹けば列車の運行絶えだえに… 運休・遅れ 年300本 自治体、橋の改良要請赤字線かなし JR「架け換えなし」
 突風にあおられて列車が転落し、12人の死傷者を出した兵庫県城崎郡香住町の山陰線余部(あまるべ)鉄橋で、「ダイヤより安全」として、JR側が強風のたびに運行をストップさせ、年間300本以上の運休や遅れを出している。このため、沿線自治体などでつくる余部鉄橋対策協議会は「生活や経済活動への影響が大きい」と24日、JR西日本に対し、ダイヤ通りに列車を運行できるよう橋の改良などの対策を要請した。28日で事故から丸5年になる。
 事故後、余部鉄橋の運行制限基準は、風速25bから20bに強化され、事故前にはほとんどなかった風によるストップが激増。JR西日本の調べでは、89年に301本、90年に330本、今年もすでに351本にのぼり、約1万7000人の乗客が遅延や運休の影響を受け、代替バスに乗り換えたりしている。
 全長310.59b、高さ41bの余部鉄橋ができたのは1912年。JRは事故後、内部で安全策を検討したが、橋の上部にケタをつけたり、防風用のフェンスをつけるのは、橋脚の強度の点から難しく、架け替えやバイパスの新線建設など大規模な改良には数十億円の巨費がかかる。「打つ手がない」との結論で、風が吹いたら列車を止めるという原始的な方法を継続している。
 皮肉なことに、事故以来、鉄橋目当ての観光客は増え続け、かつて「東洋一」を誇った鉄橋の下には喫茶店までオープンした。
 「町のシンボルだから、今の形を残した上で安全策を」と地元住民はいうが、経営合理化を進めるJR西日本にとってはお荷物の赤字ローカル線。架け替え計画は一切ない、という。
 そのうえ、鳥取、兵庫、岡山の3県が出資して建設中の第三セクター智頭鉄道(兵庫県赤穂郡上郡町−鳥取県八頭那智頭町)が94年4月に開通、鳥取−大阪間が2時間半で結ばれると、定時運行のできない山陰線の役割は大きく低下する。20日には運輸省にも改善策を訴えたが、いい返事はなかった。地元では、「このまま放置されれば、将来は廃線になるのではないか」と心配する声も出始めている。(朝日新聞)
■青鉛筆
 大阪府藤井寺市の児童公園に置かれている路面電車へのいたずらが相次ぎ、窓ガラスのほとんどが割られた。部品の破損や落書きも目立ち、ずたずたになっている。
 大阪市内などを走っていた電車を16万円で購入。輸送などに約800万円かけて、今年6月、子供会の集会所として設置。直後からいたずらが始まり、市職員2人が警戒してきたが、効果はない。
 どうやら、深夜、非行少年らのたまり場になっているらしい。市は来年、対抗策として窓を強化ガラスにするが、「夜のことまで考えつかなかった」と、後悔しきり。(朝日新聞)
■東海道新幹線乱れる 大阪で架線事故
 25日午前9時すぎ、大阪府摂津市安威川南町のJR東海大阪第一車両所構内で、架線を支えるワイヤが切れたため停電した。約1時間半後に復旧したが、新大阪発東京行きひかり228号など東海道新幹線上り2本が運休、新大阪−東京間の列車を中心に、計6本が32分から5分遅れ、約6000人の足が乱れた。
 JR東海関西支社では、25日の運転終了後、詳しい原因を調べる。(京都新聞 夕刊)
■11%値上げを申請 京都市バス・地下鉄
 京都市は25日、平均11%の地下鉄、市バスの運賃値上げを運輸大臣に申請した。
 消費税転嫁分も含めそれぞれ大人20円、小児10円のアップで、地下鉄は1区間で180円、小児90円に、市バスは普通券(均一区間)が大人200円、小児100円になる。実施は来年4月1日の予定。(京都新聞 夕刊)
■踏切内に盗難車 JR9本遅れる 神戸
 25日午前零時5分ごろ、神戸市東灘区森北町二丁目、JR東海道線芦屋−摂津本山駅間の森村踏切(警報機、遮断機つき)で、異常を知らせる信号機が作動、京都発西明石行きの普通電車(7両編成、乗客約220人)が約30b手前で急停止した。踏切内には乗用車が放置されており、同電車の乗務員らが約15分後に移動させたが、上下線計9本に15−2分の遅れが出た。
 兵庫県警東灘署の調べでは、乗用車は尼崎市に住む会社員(29)の所有。現場の南約4`の会社駐車場に止めていたが、24日夜に盗まれた、という。(朝日新聞 夕刊)
■京都の地下鉄・市バス 一律20円値上げへ
 京都市交通局は25日、値上げと消費税転稼をからめた地下鉄、市バスの運賃改定を運輸大臣に申請する、と発表した。地下鉄、市バスとも現行運賃に一律20円を上乗せする。一方、割引率23.1%の昼間(平日の午前10時−午後4時)割引回数券や、5000円回数券を新設、通勤定期券を記名式から持参人式に切り替えるなど利用者の便宜をはかる。来年4月1日からの実施を目指している。(朝日新聞 夕刊)
26日■JR採用差別事件 3月末に解決案 中労委「合意なければ」
 国鉄の分割・民営化をめぐる一連のJR労使紛争を審理している中央労働委員会(石川吉右衛門会長)は25日、国労組合員らがJRに採用されなかった「採用差別事件」で「来年3月末までに労使合意がなければ最終的な解決案を示し決着を図る」との方針を決め、労使双方に伝えた。
 中労委が採用差別事件で解決についての期限を示したのは初めて。
 方針は石川会長発言という形で示され、最終解決案提示までに来年3月末を労使合意の目標と設定。年明けから対象人数の多いJR北海道、JR九州など会社側を呼ぶのを皮切りに、労使双方の合意形成に全力を挙げる、としている。
 中労委に係属中のJR紛争事件は計121件。いずれも地方労働委員会で救済命令が出され、JR側が再審申請している事件。このうち採用差別事件は27件。対象人員は3141人で国労組合員がほとんど。中労委は公益、使用者、労働側委員各3人から成る三者懇談会を設け、話し合い解決を目指してきた。採用差別事件については今年9月末から労使双方の事情聴取を進めてきた。
 しかし、国労は中労委の権限で地労委命令に基づいた年内解決を強く望んでいた。(京都新聞)
■老人、列車にはねられ即死 亀岡のJR山陰線
 25日午後零時40分ごろ、亀岡市余部町清水のJR山陰線軌道敷内で、大阪府豊能郡能勢町山内、無職西蔭シカさん(90)が、京都発園部行き普通列車にはねられ、即死した。
 JR西日本広報室の調べによると、特急、急行など上下計9本の列車が39−5分遅れ、約1500人の足に影響が出た。
 亀岡署の調べでは、西蔭さんは家族といっしょに亀岡市内のスーパーに買い物に来ていたが、姿が見えなくなったため、家族らが捜していた。(京都新聞)
■速度調節軸に欠陥部品判明 ロープウエー事故
 今月初め、乗客約120人を乗せたままストップした神戸・北野の異人館街と六甲山系世継山とを結ぶ新神戸ロープウエー「夢風船」の事故原因を調べていた神戸市都市整備公社は25日、駅構内でゴンドラの速度を調節する装置の鉄製駆動軸が設計指示通りに熱加工処理されておらず、研磨加工もずさんで強度不足になっていたことを明らかにした。
 調査では24基ある同装置の駆動軸48本の約8割に亀裂が入っており1ヵ月半で金属疲労を起こしていた。(朝日新聞)
■仏教会の会合に16団体は不参加 JR京都駅高層化問題
 京都ホテルやJR京都駅の高層改築化に反対している「のっぼビル反対市民連合」中京都総評など16団体は25日、JR京都駅の高層化改築について、住民投票を提案している京都仏教会(会長・東伏見慈洽青蓮院門主)が呼びかけた26日の会合には参加しない、との共同声明を発表した。代わりに、京都ホテルの最大株主である大手冷凍食品メーカー「ニチレイ」製品の不買運動に取り組み、高層化反対運動を進めていくとしている。
 不参加の理由について、16団体は@都市計画法に基づいた高さ制限を無視した駅ビル改築コンペは無効であり、コンペで選ばれた作品の賛否を問う住民投票に参加するのは筋違いA不正投票を防止するのは不可能で、住民の意思を正確に反映した結果が得られない−などとしている。
 16団体は今後、京都ホテル系列の宿泊施設の利用ボイコットを呼びかけ、日本生協連や各都道府県の生協にニチレイ製品の不買を申し入れるほか、JR京都駅ビル高層化反対に向けて、来年2月に1000人規模の集会を開くことにしている。(朝日新聞)
■JR神足駅周辺の再開発事業も入る 政府予算復活折衝
 来年度政府予算の復活折衝で、府が要望していた長岡京市のJR神足駅周辺の再開発事業が25日、新規採択された。建設省の都市拠点総合整備事業のひとつに組み入れられる。同駅周辺の商業、公共施設を整備するため、来年度はまず基本計画をつくる。(朝日新聞)
■醍醐センター指定 国の市街地空間総合整備事業
 地下鉄東西線の醍醐駅交通ターミナルに文化、福祉、スポーツ、商業施設を備えた中核施設として計画されている醍醐センター地区(伏見区醍醐高畑町)が、国の「市街地空間総合整備事業」の一つに指定され、25日、建設省住宅局から発表された。
 醍醐センター地区の整備は、老朽化した市営団地約2万6000平方bの建て替えと、地下鉄醍醐駅の設置をきっかけに、京都市が計画、総事業費を400億円と試算している。現在、事業提案競技(コンペ)を実施中で、来年度から基本設計を始め、1998年度までに完成させることにしている。
 「市街地空間総合整備事業」は来年度から始まる国の事業。初年度は、醍醐センター地区を含め全国5ヵ所を事業地区として選んだ。総事業費のうち、計画の作成や多目的広場、公開空地などの建設費の3分の1を国が補助することになる。(朝日新聞)
■亀岡の山陰線で事故 大阪の女性が死亡
 25日午後零時40分ごろ、亀岡市余部町清水のJR山陰線で、大阪府豊能郡能勢町の女性(90)が、京都発園部行き普通列車にはねられ、即死した。列車は現場に29分停車し、上り急行「丹後6号」と下り特急「あさしお5号」のほか、上下の普通列車6本に24−10分の遅れが出た。
 亀岡署の調べでは、女性は、長男の妻(54)と亀岡市内のスーパーへ買い物に来たが、途中で姿が見えなくなった。誤って軌道敷内に入ったらしい。(朝日新聞)
■JRバス追突、9人けが 名神・伏見 トラックに 帰省の学生ら 東京→高松夜行便
 26日午前3時5分ごろ、京都市伏見区深草堀田町の名神高速道路下り線で、JR四国の東京発高松行き夜行バス「ドリーム高松1号」=松田憲一運転手(32)=が、高知市布師田、四建運輸の大型トラック近本春石運転手=(35)=に追突した。バスの乗客25人のうち東京都新宿区坂町、会社員池田智昭さん(31)ら9人が座席などで顔や手足を打ち、軽傷を負った。
 バスは、フロントガラスなど前部が大きく壊れた。年末で帰省する大学生や家族連れらでほぼ満席だった。乗客はバスの中で約4時間待機したあと、午前7時前にJRが手配した代替バスに乗り換えて高松に向かった。
 京都府警高速道路交通警察隊の調べでは、トラックが追い越し車線から走行車線に進路を変えようとして、後方から来た乗用車と接触。トラックが急に減速したところにバスが追突したという。
 バスは25日午後8時半、東京駅を出発。坂出駅経由で香川県の高松駅に26日午前7時半に到着する予定だった。
 高速隊の調べでは、バスは11時間の長時間運転になるため、2人の運転手が4回交代。事故直前に大津サービスエリアで運転を代わっていた。
 名神下り線は午前4時半まで1車線通行規制となり、最高約8`渋滞した。(京都新聞 夕刊)
27日■「梅小路公園」を承認 府都計地方審
 京都府都市計画地方審議会(会長・天野光三京大教授)は26日、旧国鉄梅小路貨物駅跡地(京都市下京区)を、京都市が平安建都1200年記念公園に予定している「梅小路公園」(仮称)の都市計画決定など18件を原案通り承認し、荒巻禎一知事に答申した。
 同貸物駅跡地は、JR京都駅西約1`にあり、面積約10.5f。市は記念事業として緑地公園や多目的広場、レジャー公園などを中心に、防災避難地機能を備えた都市総合公園に整備する計画。
 市では、すでに市都市計画審議会で整備計画の承認を受け、19日に開かれた国鉄清算事業団の資産処分審議会でも貨物跡地の売却が認められている。
 市は、本年度当初予算に用地買収など国の補助を含む整備費 252億1100万円を計上しており、来年1月中旬までに出される府の都市計画決定などを経て、事業認可を受け、用地買収に移る。
 同公園は整備後、平成6年6月6日の平安建都1200年記念式典や、同年の全国都市緑化フェアの会場になる。(京都新聞)
■チンチンバス”デビュー” シックなレトロ調 市が試運転 4日から運行
 京都市交通局が1月4日から運行させるレトロ調の市バス「チンチンバス」が26日、公開された。
 チンチンバスは、昭和36年まで掘川通などを走っていた市電北野線の路面電車をイメージしたシックなデザインで、チョコレート色のボディーに白のライン入り。市交通局が東京のメーカーに3台の製作を依頼、完成した1台がこの日、披露された。残る2台は2月ごろ納入される。
 午前10から市役所前で公開され、愛称募集で入選した京都市上京区の高校講師長谷川小四郎さん(41)らが乗り込み、岡崎公園から永観堂方面を約40分かけて試運転、市民の目を引きつけた。
 チンチンバスは4日から、京都駅前−東山七条−祇園−動物園前−三条京阪前−四条烏丸−京都駅前の路線バスとして登場。当面、土曜と休日に1日5往復、運行する。運賃は他の路線バスと同額。
 車内では観光ガイドのテープ放送を流すほか、友禅染のハンカチとチンチンバスをデザインしたネクタイピンも販売する。(京都新聞)
■鉄道の事故防止へ 係員教育費認める
 今年5月、死者42人を出した滋賀県・信楽町の信楽高原鉄道列車事故を教訓に、全国の第三セクターや中小民間鉄道へ専門技術者を派遣し、安全教育をするための「鉄道係員教育費」約3500万円が復活折衝で26日までに認められた。運輸省が新規事業として予算要求していた。 第三セクター35社、中小民間鉄道18社が対象。日本鉄道技術協会が窓口になって、運転取り扱い、電気設備、施設管理などの専門技術者を派遣する。(朝日新聞)
■京都駅高層化問題 足並みに乱れ目立つ 4時間にわたり30団体 清水寺での発言を追う 市民団体 姿見せず 仏教会への不信も相次ぐ
 JR京都駅の改築高層化問題などをめぐり、京都仏教会の呼びかけで26日、清水寺で開かれた会合では、約30団体が約4時間に渡ってさまざま意見を交わした。しかし、これまで住民運動を中心的に担ってきた市民団体の姿はなく、参加者の間から、古都税問題などでの仏教会の不透明な対応ぶりを指摘しながら不信感を表明する声が相次ぐなど、足並みの乱れも目立った。参加者をはじめ、呼びかけに応じなかった団体、行政当局などの意見を聴いた。
・参加者の声
 「岡崎を流れる疏水の景観を守る会」の松本章男さん 京都ホテルとの交渉の経緯はある程度わかったが、まだもやの中の部分もある。住民投票は、その他の取り組みの芽を摘み取る可能性もあり、時期尚早で賛成できない。ただ、仏教会を含めて土着の人たちが手をつないでいくべきだ。そのために市民運動と仏教会の何らのコンタクトは必要と思う。
 「京都西山の自然と文化を守る会」の林正史さん 仏教会の体質はどんなものかと見に来た。やっぱり独善的ですね。
 個人として参加した保本公一さん 交渉経過の説明には新しい事実はなかった。市民運動と仏教会は無理をしてくっつけるのは良くないが、連携を取れる部分では大同についたほうがいい。そのためには、仏教会が力があるなら、我慢してもらうところもないと、収拾がつかなくなる。今日の会合は次につなげられたから、いいんじゃないですか。
 京都国際市民アクセスセンター代表のデイビッドクービャックさん 住民投票が、日本での直接的な民主主義を実現し、市民の権利と責任の意識を育てるものとなるなら、革命的なことだ。しかし、大きな団体が市民の役割を代行し、住民投票がそのPRの手段になるとすれば、どこがやるにしろ感心しない。
 津田佐兵衛・京都物産出品協会会長 いまのままでは京都の伝統的な景観は乱れていってしまう。行政は、決めたものは変えられないという姿勢を改め、制度や規則をよりよいものにしていくべきだ。住民投票については、民意を問うという意味でいいことだと思う。会合での議論を(協会に)持ち帰って意見を聴きたい。
 岩井栄太郎・京都商工会議所観光部会長 法治国家である以上、決まった制度に(京都ホテル)従うことを責ぬることはできない。仏教会の呼びかけはすばらしいことではあるが、京都市のまちづくり審議会も今年度中に答申を出すといっている。そこに住民の意見を反映させることの方が大切だ。投票をやる必要はないと思う。
 有馬頼底・京都仏教会理事長 これだけたくさんの人がみえるとは思っていなかった。京都の景観をなんとかしなければ、とみな熱心に考えていることが分かった。もともと今日、何かの結論を出そうとは思っていなかった。欠席した団体には、準備委員会から次の会合への参加を呼びかける。
・非参加者の声
 「のっぽビル反対市民連合」事務局長の中島晃弁護士 (西山氏から住民投票に反対するのならこの場で意見を述べれば、と批判されたことに対し)いろんな団体が集まったなかで、まるで市民団体と仏教会が対立しているような印象を与えてしまうのは得策ではないと判断した。お互いの足を引っ張るつもりがないのだから。
 京都商工会議所の太田正男常務理事 商工会議所の部会長の中には、必要を感じて出席した人もいたようだ。しかし、商工会議所全体としては、六月に発足した「まちづくり問題等特別委員会」の中で景観に関する見解をまとめている段階であり、意見を述べる立場ではないので出席を見合わせた。
 JR京都駅ビル開発会社の話 住民投票については、井手社長が先に述べた「コンペ案で、民意を十分反映していると考えている」とのコメントがすべて。会合の場で改めて説明する必要もないでしょう。
 内田俊一・京都市活性化推進室長 景観問題は、いろいろな所で議論がなされるべきで、市としてもまちづくり審議会の過程でシンポジウムなどを開き、市民の意見を聴いてきた。しかし、個別の問題は、あくまでも法的な規則に従って進めなければならない。ルールが崩れれば、景観問題そのものに混乱をもたらすことになるのではないか。
 京都ホテルの円中健総務部長の話 ホテルの建て替え問題については、京都地裁で係争中なのでコメントは差し控えさせていただきたい。会合への招待状もいただいたが、現状では見解の隔たりが大きすぎると、参加は遠慮させてもらいました。(朝日新聞)
■仏教会・市民ら初めての会合 京都駅高層化問題
 JR京都駅高層化計画の是非を問う住民投票を提案している京都仏教会(会長・東伏見慈洽青蓮院門主)と市民、業界団体などとの初めての会合が26日、京都市東山区の清水寺で開かれた。住民投票については意思統一に至らなかったが、来年の早い時期に2回目の会合を持つため、年明け早々に参加者の有志で準備委員会を発足させることを申し合わせた。
 会合には京都観光旅館連盟など観光関連団体や「岡崎を流れる疏水の景観を守る会」など景観保全に取り組むグループ約30団体の代表ら約100人が出席した。
 仏教会の住民投票案に対し、参加者からは「われわれは開発推進派だが、住民投票には賛成」との意見が出た一方、「住民投票は最後の手段として残し、仏教会はもっと市民団体とコンタクトを取ってほしい」など慎重な声もあった。
 「のっぼビル反対市民連合」(代表・西山夘三京大名誉教授)などは「違法な計画について住民投票で賛否を問うやり方には賛同できない」として欠席した。(朝日新聞)
■「初詣」一段と便利に 増便やフリー切符… JR西日本と私鉄大手5社
 JR西日本と関西の大手私鉄5社は年末年始のダイヤをこのほど発表した。大みそかから元日早朝にかけては、いずれも終夜運転、主な沿線の神社へは初詣(もうで)列車を増便している。また各社とも、初詣用の往復割引切符や、期間中乗り放題のフリー切符を前売り中だ(各社の末尾の《》内はフリー切符名、有効期間、日数、大人用の値段)。
 【JR西日本】31日深夜からの終夜電車176本、1月6日までの臨時電車306本の計482本を増発。終夜運転は神戸−奈良間直通の各停「伏見稲荷初詣号」などほぼ30分間隔。
 1−3日は神戸−宇治間に新快速の車両を使った「快速稲荷初詣号」を走らせる。元日早朝は、ご来光を仰げる「快速初日の出号」を大阪から蓬莱山(志賀駅)、須磨浦(須磨駅)、書写山(姫路駅)へ日の出時刻に間に合うように出す。
 《新春初詣乗り放題きっぷ。31日−3日。1日限りだが、31日は1日まで利用できる。1300円(京阪神地区のみ)》
 【阪急】終夜運転はほぼ30分間隔で、京都、宝塚、神戸線に普通電車を運転。京都線はさらに急行もほぼ30分間隔で走らせる。臨時本数は263本。神戸線は、三宮か高速神戸で山陽電鉄褒磨浦公園行きに接続する。
 1−5日は、宝塚線に臨時特急40本、神戸線に臨時快速急行10本、臨時急行8本など特別ダイヤを組む。
 《92ニューイヤーチケット。31日−5日。6日間。2000円》
 【阪神】終夜運転は、約30分おきに普通電車を、本線梅田−高速神戸間に16本、西大阪線尼崎−西九条間に20本運転。これ以外の5日までは休日ダイヤになる。
 《92新春どこでもパス。31日−3日。4日間。950円》
 【京阪】京阪線で150本を終夜運転。淀屋橋発出町柳行き特急を6本増発、急行、普通も10−20分間隔で走らせる。男山ケーブルも夜覆運転。1−5日は平常より1日計108本を増発、昼間は各列車10分間隔にする。
 《お守り、朱印帳付き通行手形タイプ初詣乗車券。31日−15日。1日限りだが31日は1日まで使える。800円》
 【近鉄】終夜運転では、難波−伊勢方面に49本、あべの橋−橿原神宮方面に55本の臨時特急「越年号」を走らせる。京都−伊勢方面、京都−橿原神宮方面、難波−奈良間にも約1時間おきに「初詣号」などの特急を運転、全線で延べ543本を増発する。1−5日は、あべの橋−橿原神宮間の急行「開運号」など延べ394本を増発する。
 《ニューイヤー近鉄遊レールパス。31日−15日。3日間。3800円。賞品付きクロスワードクイズとスタンプラリーができる手帳がもらえる》
 【南海】南海本線難波−羽倉崎間18本、高野線難波−河内長野間20本を、約30分おきに終夜運転。三が日は急行21本、普通16本を増発するほか、午前10時から午後5時まで、住吉大社駅に急行を臨時停車させる。
 《フリーチケット1992。31日−3日。4日間。2300円》(朝日新聞)
28日■三セク鉄道の安全支援 軌道近代化制度など新設 新年度予算に7億6400万
 死者42人を出した信楽高原鉄道の列車事故を機に、第三セクター鉄道(三セク鉄道)の厳しい状況がクローズアップされたが、28日に閣議決定される新年度政府予算案で、三セク鉄道を対象にした、補助率の高い鉄道軌道近代化制度が新設されるなど、支援策が強化された。
 信楽高原鉄道を含む三セク鉄道は全国35社中、黒字会社がわずかに8社で、いずれも苦しい経営を迫られている。これまで信号保安設備の更新など近代化については国、地方各5分の1補助の制度があったが、新たに赤字の三セク鉄道、地方中小艮鉄を対象に、国、地方各3分の1の補助制度を新設。赤字三セク鉄道が列車無線をつけたり信号保安設備を更新したり、自動列車停止装置を設置した場合などに適用される。冷房装置や自動券売機設置など安全対策以外については現行制度適用となる。
 新年度は三セク鉄道など対象のものも含め、鉄道軌道近代化補助費として7億6400万円が組まれた。大蔵原案内示では本年度並みだったが、復活折衝で1億1200万円上積み。
 このほか、信楽高原鉄道事故を教訓にした鉄道係員などへの教育補助費として、同省要求に800万円及ばなかったものの3500万円がついている。
 さらに、経営の苦しい三セク鉄道に重くのしかかっていた固定資産税について現行減免措置2分の1を4分の1とする新年度税制改正も実現の見通し。これにより、三セク鉄道35社全体で年間約2億7000万円の課税だったのが、1億3500万円と半減される。自治体の税収減分については地方交付税で補てんされることとなっている。
 地元自治体などが強く求めていた運営費補助(赤字補てん制度)の期限(5年)延長は認められなかったものの、第三セクター鉄道等協議会の伊多波実習夫事務局長は「満点とまではいわないが、大きな前進だ。今後、情報交換を密にしながら赤字克服のため、しっかりした将来構想を立てていきたい」としている。(京都新聞)
■踏切内に車立ち往生 間一髪 列車セーフ ドライバーらが機転 JR舞鶴線
 27日午後10時40分ごろ、舞鶴市森、JR舞鶴線の森踏切(第一種)で軽自動車が立ち往生した。福知山発東舞鶴行きの普通列車が通過する寸前だったが、たまたま近くを通りかかったドライバーらが機転をきかせ踏切に備え付けの発煙筒で、列車の運転士に事故を知らせ、列車は踏切の手前約100bで停止、危うく難を逃れた。
 軽自動車を運転していたのは、同市、土木作業員(56)。目撃者の話では、踏切の手前で縁石にぶつかった後、踏切に突入、動けなくなったらしい。土木作業員は飲酒運転だった。
 車で対向車線を走って急を知った同市丸山、主婦西野着実さん(29)もJR福知山駅指令室に電話したという。同乗の西野さんの夫の会社員茂樹さん(26)ら数人が列車が近づき遮断機が下りる中、踏切に入り事故車を踏切外へ押し出した。西野さん夫妻は「駆けつけた時に、事故車の中に人がいたので、あわてた」と興奮気味だった。
 JRによると、列車には約30人が乗っていた。列車は現場に約20分停止したが、後続の列車への影響はなかった。(京都新聞)
■列車乗客ら62人を射殺 インド・シーク過激派
 【アムリツァル(インド)27日AP=共同】インド・パンジャプ州ルディアーナー近くのソヒアン駅で26日、4人組のシーク教徒過激派が8両編成の列車に乗り込んで銃を乱射、地元警察によると、乗客ら少なくとも62人が死亡、70人以上が重軽傷を負った。
 列車には約250人の乗客が乗っていた。AK47自動小銃を持った4人組が列車を止めて乗り込み、逃げ回る乗客を畑の中まで追いかけるなどして至近距離から撃ったという。(京都新聞)
■「雨が原因」地検は不起訴 JRが運転士を処分 天王寺駅事故
 大阪市天王寺区のJR天王寺駅ホームで89年8月、台風の影響による激しい雨の中を入ってきた阪和線の快速電車が停止位置を通過して車止めに衝突、乗客約380人のうち44人が重軽傷を負った事故で、原因を独自に調べていたJR西日本は27日、運転士が「慎重さを欠いた運転をしたため」と断定、堂元正昭運転士(46)を出勤停止14日の懲戒処分にした。堂元運転士は処分を不服として、JR労使でつくる苦情処理委員会に異議を申し立てた。この事故では、業務上過失傷害などの容疑で書類送検された同運転士に対し、大阪地検が嫌疑不十分で不起訴処分にしている。
 JR西日本は、調査結果に基づき@事故直後、堂元運転士は「停止位置の手前約30bで非常ブレーキをかけた」と言っていたが、現場付近にいた駅員など複数の人が非常ブレーキ音を聞いた証言から、同ブレーキをかけたのは停止位置を約5b行き過ぎた地点だったA通常では停止位置の手前20bで時速11−13`に減速すべきだが、守られていなかった−などと判断。解雇に次ぐ厳しい処分にした。
 大阪地検は不起訴にした理由の一つとして、「雨の影響で、予想をはるかに超える通常の4分の1にブレーキ性能が低下していた」と判断した。これに対し、JR側は独自の走行試験の結果から、自然界で起きうる最も強い雨でも性能低下は2分の1程度で、地検のいう4分の1は自然ではあり得ない極めて過酷な注水条件下の測定値−と反論している。
・「車両に問題」労組は反発
 JR西日本の堂元正昭運転士(46)が所属する全動労西日本地方本部(380人)は27日、同運転士の処分について「事故の責任を運転士だけに押し付け、真の原因究明をあいまいにするものだ」との見解を表明した。
 組合側は@事故当日、問題の車両は複数の運転士によって天王寺駅以外でも4回のオーバーランをしていたA先頭車両は他の車両に比べてブレーキ力が低いため、会社に改善を申し入れていたものだったB駅の構造にも問題があった−などと主張している。(朝日新聞)
■「チンチンバス」が都大路を走ります
 市交通局はこのほど、レトロ調の「チンチンバス」を公開、試運転をした。1月4日から土曜、休日に、観光地を巡る。
 市役所前で公開されたチンチンバスは、1890年代に日本で初めて京都に導入された市電をイメージ。愛称通り「チンチン」というベル風の昔も出る。
 走るのは、京都駅前から三十三間堂前、祇園、京都会館美術館前、永観堂前、四条河原町などを経由し、京都駅前に戻るコース。車内でハンカチとネクタイピンの乗車記念品も販売する。運賃は大人180円、子ども90円。
 28日からは運行記念のテレホンカードも市バス案内所や地下鉄駅の売店で発売される。(朝日新聞)
■JR紀勢線など停電
 28日年前9時40分ごろ、JR西日本和歌山支社電力指令室の計器に、和歌山市内のJR紀勢線和歌山−紀和間に異常表示が出ているのが見つかった。
 係員を出して調べたところ、同区間内にある貝柄踏切(和歌山市中之島)を通り掛かったクレーン車が架線を切断したことが分かり、同線和歌山−和歌山市間を停電させて復旧作業を急いでいる。
 和歌山線和歌山−布施屋(和歌山市)間も電区間が同じため停電中で王寺(奈良県・王寺町)−岩出(和歌山県・岩出町)間で折り返し運転、不通区間の和歌山−和歌山市間、和歌山布施屋間はバスで代行輸送した。(京都新聞 夕刊)
■まだまだ鬼笑う?混雑 海外へ 故郷へ きょうからピーク
 官庁や多くの企業が年末年始の休みに入った28日、都会を離れて正月を過ごす人たちで、各交通機関のラッシュが本格化した。東海道・山陽新幹線は、お土産を抱えた家族連れで満員の列車が続出。大阪空港は海外で過ごすグループらでにぎわった。しかし、帰省の分散化傾向が年々強まり、道路は比較的スムーズに流れ、船も余裕があった。ピークは28日午後から30日にかけてになりそう。
・列車
 早朝から帰省客らが列をつくったJR新大阪駅では、午前8時58分発「ひかり1号」博多行きが140%の乗車率になったのをはじめ、100%を超える列車が目立った。JR西日本によると、ピークは28日午後から29日になり、大阪からJRで故郷に向かう人出は2日間で40万人以上になると見込んでいる。
・高速道路
 名神高速道路の西宮方面行き下りは、高槻市を先頭に午前8時ごろから込み始め、午前10時ごろには20`の渋滞となった。中国自動車道、北陸自動車道はこの日午前、目立った渋滞はなかった。
 大阪府警交通管制センターは、28日午後からが帰省のピークになり、中国自動車道でも西宮北インタを中心に渋滞が出るとみている。
・大阪空港
 大阪空海は国際、国内線とも、出発ロビーは若者グループや家族連れで混雑した。
 正月休みをハワイ、東南アジアで過ごそうという人が増え、国際線はどの便もほぼ満席状態。2階の出発ロビーは出国客の列が四重五重にもなり、警備員十数人が整理に当たった。友人4人とタイでマリンスポーツを楽しみに行く大阪府堺市内のOL海老原奈美子さん(23)は「海外は2回目だけどこんなに並んだのは初めて。ここを過ぎれはもう海外。目いっはい遊んできます」。
 一方、国内線は午前中、まだ半数の便で空席が目立ち、ラッシュはこの日午後から。しかし、北海道への使は満席。守口市の会社員長浜猛典さん(23)は「信州に雪がないので、ニセコへ行きます」と話した。
・船
 四国方面への玄関となる神戸・青木のフェリーターミナルでは、分散帰省が定着したせいか、各便ともほとんど待ち時間なしに乗れる状態。高松へ1日15使を運航している関西汽船は「夏場と違ってレジャー客が少ないので、積み残しが出るようなことはありませんね」と話している。(朝日新聞 夕刊)
■踏切で架線切断 和歌山でJR乱れる
 28日午前9時40分ごろ、和歌山市中之島のJR紀勢線貝柄踏切(警報機、遮断機付き)で、同市伊太祈曽、レンタル会社「産九」のクレーン車=玉置文晴運転手(30)=が架線を切断、送電が止まった。このため、午前11時10分現在、紀勢線の和歌山−和歌山市間と、和歌山線の和歌山−布施屋間で普通列車上下計11本が運転を見合わせ、乗客約500人をバスで代替輸送した。また、近くの7所帯の電話が不通になった。
 和歌山東署の調べでは、玉置運転手が貸し出していたクレーン車を引き取って帰る途中、アームを高さ5bに上げたまま踏切に入ったらしい。過失往来危険罪の疑いで同運転手から事情を聴いている。(朝日新聞 夕刊)
■東京−大阪 空の便客1割減 「ひかり」に負けた 来春の「のぞみ」も怖い
 1日に30便が飛び支う空のドル箱、東京−大阪便の利用者が、このところ急に減っている。大幅な増発やサービス改善をした東海道新幹線に客を取られたためらしい。これまで年々増えていたが、今年度上半期は1割減少、全便が4分の1を空席にしたまま飛んでいる計算になる。来春には東京−新大阪を2時間半で結ぶ新型列車「のぞみ」がお目見えするとあって、「さらに客を食われるのは避けられない」(日航)など、航空各社は危機感を募らせている。
 東京−大阪便は現在、日航が1日に7往復、全日空が6往復、日本エアシステムが2往復を運航。6年前の日航ジャンボ機墜落事故の後、一時的に客が減るなどした以外はビジネス需要に支えられ、1951年に路線を開設してから順調に旅客数を伸ばしてきた。昨年度は3社で約390万人を運んだ。
 ところが、今年4月以降は状況が一変した。9月までの半年で日航、全日空がともに前年同期比9%落ち込み、3社合計で17万人以上減った。秋以降も全般に回復のきざしはない。
 新幹線に客が流れた理由として各社があげているのは、今年春の「ひかり」の増発や、2階建て車両を増やすなどしたJR側のサービス改善。だが、運賃改定や新幹線の速度アップなど決定的な要素は見当たらず、各社は「新幹線のしゃれたCMが効いているのかも」など、原因をつかみかねている。
 航空各社が恐れているのが、来年3月14日から登場する「のぞみ」。最高時速が270`で、東京−新大阪間は約30分短縮される。東京と新大阪で、それぞれ午前6時台と午後9時台の発車を予定している。
 東京−新大阪間を2時間半で走ると、東京・丸の内から大阪市中心部までの所要時間は約6時間。空港へ行く時間がかかる飛行機に比べ、30分ほどしか余計にかからない。「朝の便のビジネス客を相当食われそう」(日航)、「今後『のぞみ』の本数が増えれば大きな脅威だ」(全日空)など、懸念を深めている。
 新幹線との競争に敗れて廃止された空路は、これまでに東京からの名古屋、仙台、新潟便などがある。JR側は「のぞみ」以降も東海道新幹線の速度アップをめざしており、運輸省航空局のある幹部は「東京−新大阪が2時間前後になった時、空の東京−大阪線は役目を終えるかもしれない」と話している。(朝日新聞 夕刊)
29日■強風で北陸線 運休が続出 帰省客らの足乱れる
 28日午後4時すぎ、JR北陸線は、強風のため石川県内の松任−粟津駅間で運行を停止した。この影響で上下線合わせて8本が運休したほか、特急雷鳥27号(大阪発富山行き)など特急26木、普通列車12本に2時間50分−10分の遅れが出た。
 JR西日本金沢支社によると、上り線が6時18分、下り線も同7時13分に運行再開したが帰省客ら約1万1500人の足が乱れた。(京都新聞)
■京の地下鉄、市バス 大みそか臨時運転
 京都市は初もうでの利便を図るため31日の地下鉄と、市バスの一部路線を時間延長して運行する。地下鉄は1日午前1時半ごろまで延長。市バスは北野天満宮、八坂神社、平安神宮と私鉄ターミナルを結ぶ路線を終夜運転、JR京都駅前からの北野天満宮行きを1日午前1時ごろまで運行する。(京都新聞)
■寒波猛威 強風・雪 ダイヤ混乱
 帰省がピークを迎えた28日、日本海沿岸上空に今冬一番の「寒波」が南下、西日本各地の海や山は大荒れとなり、高速船や飛行機が欠航、JR各線で遅れが相次いだ。大阪管区気象台によると、悪天候は29日いっぱい続く見通しだ。
 大阪空港では、東北や日本海側の路線を中心に強風や滑走路の雪などのためダイヤが乱れ、欠航した出発、到着便は計17便に。30分以上の遅れは86便にのぼった。また、大阪港発の徳島や洲本(淡路島)行きの高速船も相次いで欠航した。
 岡山県倉敷市と香川県坂出市を結ぶ瀬戸大橋では正午過ぎ、最大瞬間風速25bを記録。この風でJR瀬戸大橋線が午後1時過ぎと同2時半過ぎに列車の運行を停止。上下29本が5−15分遅れ、約1万9000人に影響が出た。(朝日新聞)
30日■近鉄電車が脱線 まくら木点検後、異常か 奈良の生駒線けが人なし
 29日午前9時50分ごろ、奈良県生駒郡平群町平等寺の近鉄生駒線竜田川−平群間の竜田川七号踏切付近で、生駒発王寺行きの普通電車(2両編成、田中勉運転士)の2両目後方車輪が脱線した。乗員、乗客34人にけがはなかった。
 近鉄生駒線は単線。萩の台−王寺間が不通となったが午後2時に復旧した。乗客はバスで代替輸送、約2500人の足に影響が出た。
 事故の直前、現場付近で作業員が線路のまくら木を点検していたといい、奈良県警西和署は関係者から事情を聴いているが、後方車輪だけの脱線は珍しいことから、線路に何らかの異常があったとみている。
 現場は平群駅の南約500bで、線路が竜田川と交差する付近。2両目は後方車輪2個が外れ、進行方向左側へ約2b脱線、約100b走って止まった。
 現場近くにいた平群町下垣内の住職岡田真澄さん(38)は「後ろの車両が砂煙を上げて左右に大きく揺れながら走っていた。運転士が気付いていない様子だったので、慌てて止まるように合図した。大事にならなくてよかった」とほっとした表情で話していた。
 関係者の話では、事故当時線路などは凍結していなかった。乗客らは徒歩で平群駅へ戻り、代替バスで目的地へ向かった。(京都新聞)
■故郷へラッシュ 分散帰省進みスムーズ
 正月を古里で過こそうという帰省ラッシュは29日も続き、JRの新幹線ターミナル駅や羽田空港は家族連れやスキー客で混雑、成田空港も「海外で正月を」という人で終日あふれた。
 しかし込み具合はいずれも28日と同じか下回っており、各高速道路では雪による一部通行止めのほか自然渋滞があった程度で数十`もの渋滞はなく、流れはスムーズ。これについてJR各社や日本道路交通情報センターは「休みが長期化し、ここ2、3年前から分散帰省が定着してきたからではないか」と分析。
 東海道・山陽新幹線は一番列車の博多行きひかり1号が170%の乗車率を記録したが、その後の博多行きは130−100%程度の混雑で、新大阪、広島行きなどでは100%を割るケースも。
 東北・上越新幹線でも最高が130%で、多くは110−100%の乗車率にとどまった。
 東京・羽田空港の出発ロビーは札幌、福岡、沖縄など長距離便でキャンセル待ちの列ができたが、混雑は前日と同程度。東北や北陸、八丈島便の一部が雪や風で欠航したため、この方面で乗客に多少影響が出た。
 首都圏から各地に向かう高速道路も、東名高速の下り日本坂トンネル付近で最高12.5`、関越自動車道下り関越トンネル付近で13`の自然渋滞があっただけで、順調な流れが続いた。総通行量は昨年とあまり変わりないという。
 新東京国際空港公団によると、成田空港からの海外脱出組はこの日だけでふだんより約1万人多い3万6000人。しかし前日と比べるとやや少なめという。帰国のピークは1月5日で、4万2000人以上が成田空港に到着する見込みだ。(京都新聞)
■予想上回る63万人利用 トロッコ列車
 京都・嵯峨野と亀岡を走るトロッコ列車が29日、今期の運転を終了し、予想の3倍以上にあたる約63万人の観光客を運んだ。来年3月1日から運転を再開する。
 同列車は、JR西日本が100%出資の嵯峨野観光鉄道会社を設立し、山陰線の旧保津川渓谷のレールを利用して4月27日からスタート。4両編成の列車(定員252人)を1日8往復させた。月別で最も利用が多かったのは11月で11万8000人に上った。今期最終日の29日も約700人が雪の渓谷風景を列車から楽しんだ。同社はこの日、乗客全員に記念乗車証を進呈し、1年の愛顧に感謝した。(京都新聞)
■京日記
 蒸気機関車を動態保存している京都市下京区の梅小路蒸気機関車館(児島正人館長)で29日、車両の前部にしめ縄飾りを取り付ける作業が行われ、16両がお正月に向けて装いを整えた。
 鉄道友の会京都支部(大西友三郎支部長)の迎春恒例行事で、年末の休館に入ったこの日、メンバー約20人が集合。第二展示館に置かれた機関車の煙室の扉に、しめ縄を取り付けた。
 国産最大のC62や「ヂゴイチ」の愛称で知られるD51も、黒光りする車体が一段と引き縮まった表情に。機関車はさらに旗を十字に飾り、開館20年目のお正月を迎える。新春の営業は4日から。(京都新聞)
■突然、重くなり…脱線 近鉄生駒線
 29日午前9時50分ごろ、奈良県生駒郡平群町平等寺の近鉄生駒線竜田川七号踏切(警報機、遮断機付き)付近で、生駒発王寺行き下り普通電車(2両編成)の後ろの1両が脱線した。乗客32人にけがはなかった。この事故で、単線の同線は萩の台−王寺間が約2時間20分にわたって不適となり、上下35本が運休、約2500人の足に影響が出た。近鉄は同区間をバスやJRで代替輸送した。
 西和署の調べでは、現場は緩い右カーブ。運転士は「突然、ブレーキがかかったように重くなったので停車したところ、脱線していた」と話しているという。(朝日新聞)
31日■日仏独が受注合戦 韓国・台湾の新幹線計画 土木技術では有利・日 時速300`営業強み・仏 両国に大きく遅れ・独
 韓国と台湾で計画されている新幹線(高速鉄道)の受注をめぐり、日本、フランス、ドイツの三国の企業がデッドヒートを繰り広げている。韓国、台湾とも、過去最大級のビッグプロジェクトで、日本は「新幹線」、仏は「TGV」、独は「ICE」と、それぞれ自慢の高速列車の技術を売りものに、一歩も引かぬ構えだ。自動車輸送に比べ省エネ、排ガスなどの環境対策に有利な高速鉄道は世界的に見直されており、新幹線計画は米国、オーストラリアなどめじろ押し。韓国、台湾での受注は今後の各国での新幹線ビジネスにも影響しそうだ。
 韓国の新幹線は「京釜高速電鉄」。ソウルと釜山の約410`を最高時速300`、約1時間半で結ぶ。総工費は約5兆8000億ウォン(約1兆円)で、1998年の完成を目指している。韓国は「車両」「架線」「信号・保守」の三分野で国際人札を実施。日本企業は三菱商事、日商岩井、日立製作所などが企業連合を組み応札する。これに対しフランス企業はTGVのメーカー、アルストム社。ドイツ勢はICEのシーメンス社など。
 三者のうち、ICEはことし6月に開業したばかりで「事実上、日、仏の一騎打ち」(大手商社)になっている。日本企業にとって有利な点は韓国の地形が日本に似ており、トンネルや橋などの技術が生かせること。開業以来27年の新幹線運営の実績も大きい。一方、TGVは韓国の求める時速300`で既に営業運転している点が強み。入札は来年1月に締め切られるが、「現在のところ五分五分の情勢」という。
 台湾の新幹線は台北と高雄の約344`を約1時間20分で結ぶ計画。99年の全線開業が目標で、総工費は約4200億台湾j(約2兆1000億円)。計画は韓国の新幹線の半年から1年遅れといった進み具合で、来年夏ころに入札が行われる見通し。やはり、日、仏、独の三国の企業が名乗りを上げているが、ドイツ勢は大きく水を開けられている。
 日本企業で連合を組んでいるのは三井物産、日商岩井、川崎重工業、東芝など。「技術的には日本の新幹線が最適だが、フランスは政府、国鉄、企業が一枚岩となって売り込みに躍起になっている。現状はフランス有利」と日本勢は危機感を募らせている。(京都新聞)
■リフト付き市バス 市民は理解を
 バスの乗り降りが不自由な人のためにリフト(昇降機)の付いた市バスが今月24日から走りだした。
 今のところ、西京区の洛西ニュータウン内と四条烏丸などを結ぶ5系統に2台だけ。しかし、京阪神3都市が共同開発した全国初の本格的リフトバスの登場だけに、大きな関心が集まっている。
 初日に乗車した電動車いすの障害者らに感想を取材すると、全員が口をそろえて「運転手さんの配慮が行き届いていてうれしかった」と好評だった。洛西ニュータウンの場合、交通の便はタクシーかバスしかなく、「障害者世帯などにとっては、今回のルート開通で行動範囲が格段に広がった」(今福義明・車イス情報誌「アクセス京都」代表)。
 リフト付きバスは、米国では50%以上の高い普及率。日本も高齢化社会を迎えて徐々に増えてゆくだろう。そこで欠かせないのが、少々遅れても気にしないような市民の理解と運転手さんの自覚。そして注文したいのはゆとりを持った運転ダイヤ。バスが近づくのを知らせるバス運行表示装置の普及も急げば、バス待ちのイライラも解消できるはずだ。(河)(京都新聞)
■レールの継ぎ目 部分付近が高く 近鉄生駒線事故
 奈良県生駒郡平群町の近鉄生駒線竜田川七号踏切付近で29日朝、生駒発王寺行き下り普通電車(2両編成)が脱線した事故は、近鉄の調べで、レールの継ぎ目部分付近が高くなっていたことが原因とわかった。
 同社によると、継ぎ目部分付近が高くなっていたため、車輪がせり上がり、何らかのはずみで脱線したのではないか、と見ている。(朝日新聞)