1991(平成3)年11月


1日■山科駅前再開発へ第一弾 駐輪場を近く移設(京都)
  ■茨木市の旧国鉄用地 関西初の宅地分譲 4000平方b公募で売却(朝日)
  ■旧国鉄用地 上限つけ入札解禁へ(朝日)
  ■京都市バス 女性運転手デビュー 「気持ちよく名所巡りを」(京都)
  ■発券のミスで20人が座れず 近鉄特急、日付誤る(朝日)
  ■鉄橋の上から会社員が転落 朝の阪急が混乱(朝日)
2日■来年3月の新ダイヤ ひかり(東海道)時速270`運転へ 東京−新大阪20分短縮 新快速8両に 京都線・琵琶湖線(京都)
  ■京日記(京都)
  ■H型鋼積み方ミス 橋げた落下 広島市委断定 ジャッキ位置も(朝日)
  ■JRダイヤ改正 シンデレラの次は 花金夕方発(新大阪−岡山) 単身赴任ひかり 「スーパー」も初登場(朝日)
  ■「塾帰り」ホームに転落 小3男児はねられ重体 JR垂水駅(朝日)
  ■夕刊ひろば 京の市電いずこへ? 「元気だね」16両、今でも現役 個人宅に保存も(京都)
  ■京の朝グラリ 震度3(京都)
  ■橋デザインが作業制約 広島の橋げた落下事故 スペースを狭める 逆台形、景観が良好(朝日)
  ■第三セクター鉄道ガイド 33社で黒字8社 90年度 まだ抜け出せぬ赤字のトンネル 経営改善もう限界(朝日)
3日■H形鋼崩壊が原因 広島新交通の橋げた落下事故 市技術委調査結果 不安定な並列積み 人為的ミス強まる(京都)
  ■変電所で感電 2人が死傷 川崎、新幹線止まる(京都)
  ■秋の叙勲 勲六等瑞宝章 横田 健三さん(75) 列車の安全に全力(京都)
  ■繁華街、真っ暗 川崎で10万戸停電(朝日)
5日■西梅田再開発地区 愛称に賞金100万円(朝日)
6日■JR東海労組 JR総連から脱退へ 委員長会見 新産別づくりへ努力(京都)
  ■JR東海労組 総連を脱退へ(朝日)
7日■深夜劇場やダンスバー JR京都駅・改築後の文化施設(京都)
  ■東北新幹線が3億人突破(京都)
8日■JR西労組と西日本鉄産労 来月上旬に統一大会(朝日)
9日■信楽鉄道 15日から試運転(京都)
  ■トロッコ列車人気の陰で 保津川下りの客待って 観光バスウロウロ 嵐山 駐車場が時間制限 「行き場なくなった」(京都)
  ■列車故障で11本に遅れ JR尼崎駅(朝日)
  ■片福連絡線 特注の掘進機使い初のシールド工法 鉄建公団、地下部分で(朝日)
12日■信号機故障し10本運休 JR片町線 2万人の足に影響(京都)
  ■JR西労組と西日本鉄産労 来月6日に組織統一 新たに全国産別結成(京都)
  ■私鉄5社の旧運賃定期 値上げ7日前から発売 混雑緩和狙い(朝日)
  ■現実ならパニック JR大阪駅地下通路で消防訓練(京都)
  ■信号機が故障 上下10本運休 JR片町線(朝日)
  ■師走を控えて合同消防訓練 JR大阪駅地下通路(朝日)
  ■20日から運賃値上げ 叡山電鉄、10.7%(朝日)
13日■国産第1号SLなど保護 文化庁 5年後目標にリスト(京都)
  ■事前調整の手続き中止を 京都駅ビルで市民団体(京都)
  ■高齢化などで見直し 都計審へ 京都市諮問 高度変更なども(朝日)
  ■駅ビルの事前説明 商調協は中止して 市民団体が申し入れ(朝日)
  ■京都市 地下鉄・市バス値上げ 来年4月実施方針 20円、消費税転嫁(京都)
  ■JR山陰線踏切 視界までシャ断 器具箱移動 ドライバー苦情(京都)
  ■割安です 時差定期 朝の混雑緩和へ運輸省が調査(京都)
  ■15日から試運転 信楽高原鉄道(朝日)
14日■窓 JR殿田踏切 早く改修して 日吉町・中川悌一(農業・58)(京都)
  ■消費税転嫁するな 市バス・地下鉄改正案 共産党市議団が声明(京都)
  ■運行再開前に試運転を開始 あすから信楽高原鉄道(京都)
  ■電車にはねられ 小3少年が即死 貝塚市の踏切(朝日)
15日■地下鉄東西線 九条山駅設置を 地元住民が街頭デモ(京都)
  ■信楽高原鉄道の杉森社長 きょう辞任表明へ(京都)
  ■JRに対抗し深夜急行増発 阪急京都線(朝日)
  ■兵庫・和歌山のバス値上げ認可 1.9〜9.0%(朝日)
  ■JR西日本 5労組同席 安全対策労使協議(朝日)
  ■遮断機6ヵ所下りっ放し JR山陰線 未明の京で(京都)
  ■申請通り認可 精神薄弱者のバス・タクシー運賃割引(京都)
  ■信楽鉄道試運転スタート(京都)
  ■運行再開へ試運転始める 信楽高原鉄道(朝日)
  ■JR西労組と統一大会へ 西日本鉄産労(朝日)
  ■精神薄弱者運賃割引 バス・タクシーでも(朝日)
16日■台湾で列車衝突 沖縄の4人死亡 村役場視察ツアー 8人が重軽傷 全死者33人に(京都)
  ■信楽高原鉄道臨時株主総会 再開へ体制整う 新役員を承認 資本金の増額も(京都)
  ■JR総連脱退を決定 旧鉄労系JR東海労組(京都)
  ■ちびっこの絵走るぞ 京阪イベント電車(京都)
  ■列車衝突、33人死ぬ 邦人4人犠牲、12人けが 台湾(朝日)
  ■JR東海も総連脱退決定(朝日)
  ■杉森社長の辞任承認 後任には北川副社長 信楽高原鉄道(朝日)
  ■「ガラス片降って来た」 台湾の列車衝突 衝撃、周囲は流血 負傷の乗客 ”自力脱出”覚えず(京都)
  ■ギフト券900万円分盗難 JR旅行センター 58枚がすでに交換(京都)
  ■台湾列車事故 「のんびり旅行」暗転 遺族らきょう現地入り(朝日)
  ■JR旅行券935万円盗難 四条畷旅行センター(朝日)
  ■8日に運行再開 信楽鉄道 滋賀県・運輸省に要請(京都)
  ■旧運賃の回数券 買いこんで自衛 20日から私鉄値上げ 袋入りで売る駅も(朝日)
17日■台湾列車事故 遺族ら悲しみの対面 遺体、きょうにも帰国へ(京都)
18日■普通電車に 乗用車接触 JR桜井線(朝日)
  ■ATS故障と運転士ミスか 台湾列車事故(朝日)
  ■JR幹部が弔問の約束 信楽事故(朝日)
  ■出発信号機に異常 電車1時間立ち往生 JR奈良線玉水駅(京都)
19日■私鉄あすから一斉値上げ(京都)
  ■JR3 社初の中間配当 清算事業団に206億円(朝日)
  ■信号機が故障ダイヤ乱れる JR奈良線(朝日)
  ■「シュプール号」予約 大阪駅に情報プラザ(朝日)
20日■定期券窓口に列 私鉄運賃値上げ 利用者が自衛策(京都)
  ■京都駅高層化ホテル入居 「高さ」見直さず JR西日本副社長 「理解は得られる」(京都)
  ■いっせいに新運賃表 関西私鉄きょう値上げ(朝日)
  ■愛称チンチンバス レトロ調京都市バス(京都)
  ■コインロッカーでえい児の遺体発見 JR京都駅(京都)
  ■暴走列車が高速道突入 80人死亡、40人けが メキシコ(京都)
  ■米でも貨物列車転置 弾薬積み、避難命令(京都)
21日■JR東海労、スト権確立 来月上旬 新幹線ダイヤ混乱も(京都)
  ■エイズ予防ポスターに”待った” JRなど ヌード、避妊具に難色(京都)
  ■積雪へ、備え万全に JR福知山支社 ラッセル車試運転(京都)
  ■JR東海労組 スト権を確立(朝日)
  ■鉄道を再建ヘ タイ・カンボジア間(朝日)
  ■死者36人に メキシコ列車事故(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
  ■終電車と接触 保線車が脱線 JR片町線田辺駅構内(京都)
  ■飲み会 長居できそう!? バス5社 深夜運行を改善 枚方→香里 15分繰り下げ 停留所を増設 大阪・キタ ミナミ発(朝日)
  ■精神薄弱者も割引 来月から 旅客船・フェリー運賃(朝日)
  ■保線作業車 快速と衝突 JR片町線 田辺駅で深夜(朝日)
22日■15分長く遊べる? 阪急京都線ダイヤ改正(京都)
  ■JR駅改築円滑に 府会委知事答弁(京都)
  ■駅ビルの高さ質問が集中 出店計画説明会(京都)
  ■駅ビル事前説明会 「高さ」めぐり議論 消団連・60b級建物は違法/開発会社・京都の魅力を増す(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
  ■2日から保安監査 信楽鉄道(京都)
  ■在来線の高速化を 運輸白書(朝日)
23日■「襟章強制は違法」 国労員勝訴 最高裁が初判断(京都)
  ■今や世界のスター タンゴ・エクスプローラー 来春運行をと新たに1編成 知事、購入の意向示す 満員続きや点検運休では ファンにあい済まぬ(朝日)
  ■来月2日から保安監査実施 信楽高原鉄道に運輸局(朝日)
24日■注意信号確認 運転士怠たる 台湾列車事故の原因(朝日)
25日■JR 2万9000人余剰 6社算定 総務庁、経営改善勧告へ(京都)
  ■「余力社員」2万9000人 JR6社 行政監察 資産活用など遅れ(朝日)
26日■団体交渉 不調ならスト突入 7日以降にJR東海労(京都)
  ■元JR西日本社員を逮捕 ギフト券盗難(京都)
  ■社説 鉄道の復権に異存はないが…(京都)
  ■来月7日にストを設定 JR東海労(朝日)
  ■ドル箱新幹線 止めるな! ストに備え運転士やーい JR東海(朝日)
  ■旅行券盗難事件で JR元社員を逮捕 1300万円着服の疑いも(朝日)
  ■勤務変要に反対 第2波の時限スト 千葉勤労(京都)
27日■JR西日本副社長 ノンストップ運行に賛意 「拡大は京都など無視」(京都)
  ■京都バス雲ケ畑線新ダイヤ 1本逃がすと2時間半待ち 来月から1便滅 通学の足、困った バス側 地元と協議したが…(京都)
  ■JR東海労 ストを通告(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
  ■発売30分で早くも満席 帰省列車指定席券(京都)
  ■回送車故障 53本遅れる 阪急京都線(朝日)
  ■線路に転落 ひかれ死ぬ JR我孫子町駅で男性(朝日)
28日■淀駅周辺の混雑解消へ 京阪電車の高架化を 地元自治会 京都市に要望(京都)
29日■京都駅改築「59b案を支援」 塚本商議所会頭 仏教会の戦術批判(京都)
  ■南海電車が新車両 全国初の女性専用トイレも(京都)
  ■強風で特急止まる 湖西線(京都)
  ■新幹線もストップ(京都)
  ■踏切再開求め要望書 岩倉地区の住民代表 署名集め叡電本社へ(京都)
  ■初詣やグルメ209本増発 北近畿タンゴ鉄道 年末年始のダイヤ(京都)
  ■信楽高原鉄道 再生への道(1) 安全教育 規則守意識を徹底(京都)
  ■さよならグリーンの電車 南海 青とオレンジなどに(朝日)
  ■神戸−横浜高速バス 川崎まで路線延長へ(朝日)
  ■JR株 年度内の上場断念 運輸省、正式表明(朝日)
30日■信楽高原鉄道 再生への道〈2〉 被災者たち 今も懸念のリハビリ(京都)
  ■窓 途中下車サービスの拡大を 左京区・木俣 肇(医師・38)(京都)
  ■JRバス追突 18人が重軽傷 岡山・備前(朝日)



1日■山科駅前再開発へ第一弾 駐輪場を近く移設
 JR山科駅前通の京都市山科区自転車駐輪場が、市が地下鉄東西線関連プロジェクトとして進めている山科駅前再開発事業の第一弾として、近く移設されることになった。
 現在の駐輪場は、JR山科駅から南へ約150bの場所にあり、面積は1461平方b。約900台が収容でき屋根、フックが付いて、無料で市民に利用されている。
 移設される駐輪場は、現在の場所から道路一つ隔てた南側の同区安朱南屋敷町で、すでに市が買収済みの事業用地約1300平方b。
 市の市街地再開発課によると、移設駐輪場は一部2階建て、現在より100台多い1000台を収容する。建築確認申請、建設業者の決定など事務手続きをふまえ年内に着手、来春から供用を開始する予定。再開発事業計画では、現在の駐輪場を移設後に撤去。この場所には、事業計画区域内で再開発事業の工事期間中も営業活動を希望する人のために、3階建ての仮設店舗を建設することになっている。仮設店舗は事業完成後には公園に生まれ変わる予定という。(京都新聞)
■茨木市の旧国鉄用地 関西初の宅地分譲 4000平方b公募で売却
 国鉄清算事業団近畿支社は31日、茨木市内の旧国鉄の保線資材置き場跡地約4000平方bを宅地造成して、17区画を公募方式で売り出すことを決めた。関西での事業団の宅地分譲は初めて。大都市圏など地価監視区域内の国鉄跡地については、地価抑制のため競争入札ができず、自治体などへの売却が主だったが、去年9月の運輸省令改正で公募による宅地分譲ができるようになった。今回の価格は付近の公示地価より約4割も安く、話題となりそう。
 売り出すのは、茨木市三島町のJR東海道線茨木−摂津富田間のほぼ中間の線路沿い。幅約20b、長さ約200bの細長い土地を、今年5月から造成、幅4bの道路や小公園(約150平方b)も設けた。1区画138−158平方bで価格は3400万円−4200万円。1平方b当たり平均25万3000円で、付近の公示地価(今年1月)42万円、基準地価(同7月)38万円と比べ格安だ。東隣に墓地があったり、線路のそはで騒音の心配があるが、阪急京都線総持寺駅から徒歩10分、JR茨木駅からでもバスで十数分と交通の便は良い。11月14日から28日まで現地事務所で受け付け、30日に抽選する。
 同事業団によると、価格は客観的な鑑定評価で高すぎないよう設定したという。3年以内に住宅を建設し10年間転売禁止の条件がある。事業団は関西ではJR甲子園口近くに旧国鉄宿舎跡地約5000平方bを使って60戸のマンションを建設中で、来年春、販売予定。宅地では来春、和歌山県田辺市の宿舎跡地約1000平方bに5区画を分譲する予定以外に計画はない。全国の宅地分譲例は名古屋市、福岡市などで5件あり、茨木市の宅地は3番目の大きさだ。(朝日新聞)
■旧国鉄用地 上限つけ入札解禁へ
 運輸省は31日、国鉄清算事業団が所有する旧国鉄用地の処分を進めるため、都市部の地価監視区域では現在事実上禁止されている一般競争入札に上限価格を設けて解禁する、と発表した。1日に同事業団に対し通達を出し、年内には新しい方式での土地売却を始めたいとしている。
 この方式は9月に同事業団の資産処分審議会が、膨大な債務を抱える事業団の土地処分を促進するため緊急提案。運輸省と国土庁が、地価に影響を与えないかどうか検討していた。
 上限価格は、各都道府県や政令指定都市が地価高騰を防ぐために設定している「指導価格」を参考に、事業団と自治体の間で決める。上限価格は非公開とし、入札の結果、上限価格を下回って最も高い価格を提示した買い手が落札する。(朝日新聞)
■京都市バス 女性運転手デビュー 「気持ちよく名所巡りを」
 京都市バスに、公営バスとしては全国初の女性運転手が登用され、1日、市交通局の定期観光バスの運転手としてデビューした。
 井上由紀子さん(34)で、昭和53年から市交通局の定期観光バスのガイドとして活躍。「運転手になりたい」との希望で今年7月、大型自動車第二種免許を取得した。
 市交通局では「女性ならではの感性を生かしたソフトな雰囲気で観光都市・京都のイメージアップが図れる」と登用した。12月ごろ初登場するレトロ調バスも運転する予定。
 井上さんはこの日午前10時半、真新しい紺色の制服に身を包み、JR京都駅前から平安神宮や金閣寺、清水寺などを巡る半日コースの定期観光バス「かつらがわ号」に初乗務。「少し緊張しますが、みなさんに気持ちよく京都観光を楽しんでもらえるよう全力でがんばります」と笑顔でハンドルを握り、満員の観光客を乗せてバスを発車させた。(京都新聞 夕刊)
■発券のミスで20人が座れず 近鉄特急、日付誤る
 近鉄生駒駅で1日朝、午前8時59分発難波行き特急の特急券のうち約50枚の日付を誤って「2日付」で発行したため、指定席に座れないまま通勤する乗客が出た。駅員がホームで手売りした際の単純なミスが原因で、約50人のうち約30人は空席に座れたものの、残りの約20人は立ったまま。20日の運賃値上げを間近に控えているだけに、怒りのおさまらない乗客もいた。
 同駅や近鉄本社の話では、駅員が窓口で特急券を売る際、機械の日付を誤って「2日」と打ち込んだ。その結果、同じ座席で「1日付」と「2日付」の特急券を持つ乗客がかち合う事態になった、という。
 車掌が車内を回って、申告のあった乗客から「2日付」の特急券を回収し、特急料金を払い戻した。(朝日新聞 夕刊)
■鉄橋の上から会社員が転落 朝の阪急が混乱
 1日午前7時40分ごろ、京都市西京区桂後水町の阪急京都線桂川鉄橋(長さ397b)上にいた同区内の会社員(46)が転落。約1時間後に約70b下流の川の中で見つかったが、すでに死亡していた。電車が現場で停車するなどして同線は上下あわせて58本が3−11分遅れ、通勤ラッシュ時の約5万人に影響した。(朝日新聞 夕刊)
2日■来年3月の新ダイヤ ひかり(東海道)時速270`運転へ 東京−新大阪20分短縮 新快速8両に 京都線・琵琶湖線
 JR東海や西日本などJRグループ7社は1日、来年3月から実施する春のダイヤ改正の概要を発表した。東海では最高時速270`で東京−新大阪間を約20分短縮の2時間半で結ぶ新しい新幹線車両「スーパーひかり」(300系、16両編成)が登場するほか、西日本では山陽新幹線の増強や新快速の終日8両化、都市近郊線の増発、スピードアップなどを図っている。
 東海道・山陽新幹線は、東京−岡山間「ひかり」1日5往復を東京−広島間に延長するとともに、新大阪−岡山間の各駅停車をやめ、スピードアップ。これに伴い、新大阪−広島間の「こだま」5往復を新増設する。また、2階建て4両編成の「グランドひかり」(東京−博多間、現在1日6往復)を2編成増やし、運行する。「スーパーひかり」は、途中の時間帯に投入すると速すぎて現在の「ひかり」が通過待ちしなくてはならなくなり、東京・新大阪発とも始発と最終便。
 単身赴任者の週末帰宅や都市型レジャーの需要に向けては、金曜・休日運転の「ひかり」を夕方から夜の下りのみ新設。東京発博多行き最終「ひかり」の発時刻を10分程度繰り下げる。
 在来線は、北陸線特急「かがやき」の増発や、東海道・山陽線の寝台特急「あかつき」(京者−長崎)に4月から1人用個室寝台車を新しく連結。現在は天王寺−白浜・新宮間を走っている特急「くろしお」を新大阪発着に伸ばす。福知山線の特急「北近畿」をスピードアップする。
 京滋に関連した近郊在来線は、京都線・琵琶湖線の新決速が終日、8両編成(現行6両、1部8両)となり、座りやすくなる。深夜の快速を上下各1本増発する。湖西線は、朝の通勤時間帯に京都方面行き1本を増やす。嵯峨野線も朝に1本増となる。
 学研都市線には、快速すべてを新型車両に変更し、スピードアップ化。奈良線には、朝の通勤ラッシュ解消をめざし、車両の編成を増やす。
 新ダイヤは3月14日実施を予定している。(京都新聞)
■京日記
 JR西日本の「踏切事故防止キャンペーン」(10日まで)初日の1日午後3時から、京都駅中央コンコースで記念のイベントがあった。
 京都府警音楽隊が、ファンファーレに続いて軽やかなマーチを次々演奏すると、JRのミスWENSのお嬢さんらが乗降客に標語入りのティッシュなど2000セットを配布。「踏切では必ず左右を確かめて」と呼び掛けた。
 JRでは今年6月、福知山市内の踏切で電車の乗客400人以上がけがをする事故があったばかり。会場での呼び掛けはいつになく熱がこもったが、周囲を埋めた乗降客の方は、時ならぬ駅コンサートとして楽しんだ様子だった。(京都新聞)
■H型鋼積み方ミス 橋げた落下 広島市委断定 ジャッキ位置も
 広島市で今年3月、新交通システムの橋げたが落下し、死者15人を出した事故で、同市の事故対策技術委員会(委員長、大村裕・広島工業大教授)は1日までに、事故はジャッキの台に使われていたH形鋼の積み方を間違っていたうえ、ジャッキを鋼板で補強していなかったところに置くという二つの大きなミスが重なって起こったと断定した。H形鋼は、ジャッキが傾いてかかってきた橋げたの重さに通常ならば耐えられるが、積み方を誤っていたため、支え切れなかったとしている。同委員会は2日、広島市内で事故原因に関する最終協議をし、こうした内容を盛り込んだ報告書を年内にまとめる。
 同委員会によると、ジャッキの台に使われたH形鋼(縦、構とも10a、長さ50a)は3個で、作業員らの証言で縦3段に積んであったことが判明している。こうした積み方は上から重さが加わると弱いため、橋げたを取り付けるときは、直角の向きに交互に計6個を重ねる井げた組みが正しい積み方とされている。しかし、現場には工事用の足場が組んであり、スペースがないため、3段積みしたらしい。そこで、同委員会は、縦3段で積んだ場合、どれだけの荷重に耐えるかを調べた。
 この結果、橋げたと足場の総重量72dのうち、問題の部分にかかる重さは12d程度。これに対して、縦3段のH形鋼は、一直線上にきちんとそろっていれは40d近い重さに耐えられるが、左右に数_ずれると、その強度は半減。さらに、斜め方向から力が加わると、約10dの重さにしか耐えられなかった。
 橋げたの底面を鋼板で補強したところにジャッキは置かなくてはならないが、ジャッキは補強板のない場所に当ててあった。このため、橋げたの重さで底面にくぼみが生じ、ジャッキが傾き、縦3段のH形鋼に10d以上の重さが斜め方向からかかった。H形鋼がつぶれて橋げたのバランスが崩れ、橋脚上にあった他の2基のジャッキと、これらの台として使われていたH形鋼にも耐久限度以上の重みがかかった結果、これらのジャッキやH 形鋼も次々につぶれたりして、橋げたは一気に落下したらしい。(朝日新聞)
■JRダイヤ改正 シンデレラの次は 花金夕方発(新大阪−岡山) 単身赴任ひかり 「スーパー」も初登場
 JR旅客6社は1日、来年3月14日から実施するダイヤ改定の概要を発表した。東京−新大阪間を今より30分速い2時間半で結ぶ「スーパーひかり」(300系)が初登場する。東海道新幹線は1日5往復増え、発着が4分間隔から3分半に短縮、超過密ダイヤになる。山陽新幹線では、新大阪−岡山間にJR西日本が初めて単身赴任者向けの金曜夕方発ひかりを新設する。北陸線は特急を増発し金沢−東京間を便利にするほか、大阪から山陰方面への特急もスピードアップする。京阪神では、新快速と快速を増強、とくに快速の終電を遅くし深夜の客に対応したダイヤにするという。
《新幹線》
 スーパーひかりは朝晩2往復。時速270`(現行220`)だが、始発や最終に近くして途中で現行ひかりを追い抜かないダイヤにする。愛称を今月中に決める。
 これまでひかりは1時間7本が基本パターンだったが、来春から8本ダイヤに。発着の激しい東京、新大阪両駅の設備を改良し4分間隔を3分半に短縮。ひかりは1日5往復増え、93往復になる。
 山陽新幹線では、単身赴任者の帰宅用として金曜午後6時ごろ新大阪発の岡山方面行きひかりを新設する。「花金」と呼ばれる金曜夜のひかりが満員で、少しでも早く家族の元に帰ってもらおうという発想という。
《長距離列車》
 北陸線金沢−長岡間の特急「かがやき」を1往復増の6往復に。うち1往復は和倉温泉まで乗り入れ、上越新幹線経由で東京からの観光客誘致を図る。
 新大阪−城崎間の福知山線特急「北近畿」や岡山−出雲市間の伯備線特急「やくも」などは改良工事でやや速度アップする。和歌山関係では、特急「くろしお」の新大阪乗り入れを1往復増の9往復に。紀伊勝浦、新宮−名古屋間の特急「南紀」に新型車両を投入する。
《京阪神》
 東海道・山陽線を走る新快速は、12両編成の朝のラッシュ以外は、現在の6両から全部8両に増強。昼間はほぼ座れる程度に、夜は立っても新聞が読める程度になると見込んでいる。深夜まで満員が続く夜の大阪発快速は、東海道、山陽、福知山、阪和各線で1本ずつ増便し、最終快速を20分程度遅らせる。関西圏のかなり遠い通勤客も午前零時前後まで大阪に残れる。
 片町線は最新型車両(207系) 100両を一挙に投入、すべての快速を新車にしスピードアップする。(朝日新聞)
■「塾帰り」ホームに転落 小3男児はねられ重体 JR垂水駅
 1日午後5時38分ごろ、神戸市垂水区神田町のJR山陽線垂水駅下りホームで、明石市川崎町、銀行員沢一夫さん(41)の長男で同市立花園小3年聖仁君(9つ)が線路に転落、ホームに入ってきた高槻発西明石行き普通電車にはねられた。駅員が助け上げ、救急車で神戸市内の病院に運ばれたが、頭を強打して意識不明の重体。
 垂水署などの調べでは、聖仁君は今年3月から垂水駅近くの塾に週2回通っていた。この日も午後4時から午後5時半まで算数と国語の授業を受け、帰宅する途中だった。ホームの縁から約30aのところを東から西にスキップ、電車が近付いてきた際に後ろを振り向いてバランスを失ったらしい。
 事故当時、垂水駅下りホームは通勤客、学校、塾帰りの小中高生ら約300人で混雑。聖仁君は電車待ちの乗客らの近くにいたが、一瞬の出来事でどうしようもなかった、という。
 家族らの話によると、一夫さんは単身赴任中。聖仁君は明るく活発な性格。聖仁君を教えている塾の先生は「しっかりしており、成績も良い。いつも一緒に西明石まで帰る子供が休んでいたので、一人で帰っていて事故に遭ったのでしょうか」と驚いている。(朝日新聞)
■夕刊ひろば 京の市電いずこへ? 「元気だね」16両、今でも現役 個人宅に保存も
 廃止になった京都市電の写真を撮りたいと探しています。京都をはじめ全国で保管されているところを教えてください。(京都市右京区、会社員今西孝司・25)
 長く市民から親しまれた京都市電が廃止になったのは昭和53年。京都市交通局は当時広く引き取り先を募り、66両中44両を売却、残りは処分しました。同局に売却先のリストが残されていたのですが「現在どうなっているか、までは不明」とのこと。夕刊ひろばではリストを元に京都市電の消息をたずね、分かる範囲で一覧表にしてみました。
 うれしいことに現在も16両が現役で路面を走っていました。写真は広島市内で活踏中の車両です。それぞれ金閣、清水、舞妓など京都にちなんだ愛称が付けられ広島市民に愛されているそうです。児童公園に置かれ遊具として親しまれている車両や、色を塗り替えて売店として働いている車両もありました。(京都新聞 夕刊)
昭和53年9月に売却された京都市電の現在
売却先台数現在の状態・備考
広島県・広島電鉄13鴨川、金閣などの愛称で市内を運行中
大阪・阪堺電気軌道53両は恵美須街−浜寺間で運行中、2両は廃車
沖縄県・自動車会社1廃車
徳島県・中山寿孝さん1室内で保存中
大津市・びわこタワー31両は展示中、1両は個人蔵、1両廃車
伏見・醍醐グランドーム2事務所と売店として使用中
右京・太秦映画村1展示中
久御山町・自動車会社1廃車
左京・飲食店1廃車
左京・京都コンピュータ学院2駐輪場で展示中
伏見・京教大付属桃山小1校庭で展示、遊びに使用中
市内の保育園2園庭で展示、遊びに使用中
北・紫自動館など市内の児童館6児童公園内で児童館として使用中
その他、大阪市内で2両、京都市内で3両が個人に売却されているが、いずれも不明
■京の朝グラリ 震度3
 2日午前8時53分、京都地方を中心に地震があった。震源地は京都府中部付近で、震源の深さはおよそ10`。各地の震度は次の通り▽震度3(弱震)京都、奈良▽震度2(軽震)津、上野▽震度1(激震)大阪、舞鶴、四日市。
・JRなど列車乱れる
 地震の影響で、JRは午前9時15分から安全確認のため東海道線大津−高槻、山陰線京都−馬堀、湖西線山科−西大津、奈良線京都−山城青谷の各区間で時速45`以下の徐行運転をするとともに計9本を運休、昼前まで68本が5−27分遅れ、1万5000人が影響を受けた。
 京都駅では、土曜日とあって各ホームとも一時混雑した。
 阪急京都線でも地震発生後、4分間運行を中止した。午前8時58分から高槻−河原町間などで約1時間にわたって徐行運転、9時52分通常運転を再開した。このため、上下40本に最高10分の遅れが出、7000人以上に影響した。(京都新聞 夕刊)
■橋デザインが作業制約 広島の橋げた落下事故 スペースを狭める 逆台形、景観が良好
 死者15人を出した広島市の新交通システムの橋げた落下事故は、橋全体が逆台形で橋げたが橋脚から張り出すデザインだったことが作業スペースを狭め、事故の主因となったH形鋼の積み方をミスする誘因となったことが2日、明らかになった。逆台形の橋は日差しが橋の下に届くうえ、景観もスマートなことから、約10年前から道路上の橋づくりの主流となっているが、同市の事故対策技術委員会(委員長、大村裕・広島工業大教授)では、「十分な作業スペースが取れず、作業員に大きな負担を強いている」と橋のデザインを問題にする意見が出ている。
 同システムの橋げたは、上部にいくほど橋脚から張り出す形になっている。このため、橋げたの取り付け作業は橋脚の内側からしかできない。そのうえ、橋げたの底面が狭いため、ジャッキやH形鋼を置くスペースも限られている。
 落下した橋げたの据え付けスペースは、縦1.8b、横1.2b。橋脚の上には工事用の足場が組んであったため、足場をよけて、ジャッキを乗せたH形鋼の台3組を置いていた。
 事故は、H形鋼を本来の井げた組みをせずに縦3段に積んでいたうえ、橋げたの底面を鋼板で補強していなかったところにジャッキを置くという二重のミスによって起こったことが分かっている。だが、同委員会メンバーの西村宣男・大阪大工学部教授は「H形鋼を井げた組みしようとしても、そのスペースがなかった」と指摘する。H形鋼は長さ50aで、直角の向きに交互に積む井げた組みをするには50a四方のスペースが必要だが、足場が邪魔になってその余裕がなかったというのだ。
 「足場を組む際にH形鋼を置くスペースを確保していなかったことがそもそも問題で、橋のデザインが事故につながったとは言えないが、狭い場所での作業負担を考えると、作業員ばかりを責められない」と西村教授。
 道路上の橋づくりでは、逆台形のデザインは、見た目に圧迫感が少ないことや、橋の下から空が見えることもあり、「今では建設の主流」(広島市)となっている。橋脚の横幅を長めにとり、橋げたの外側にも作業スペースがとれるデザインで、大阪モノレールの橋づくりを進めている大阪府北部特定事業建設事務所の田久保稔・主幹は「逆台形の橋づくりは、作業が制約されるし、重心が外側に寄っているので、バランスの維持にも細心の注意が必要になる 作業員に余分の負担を与えるのは好ましくない」と話している。
・狭かったと思わほい
 広島市都市交通部の芦田大蔵・参事の話 広島市としても橋の景観を重視して逆台形のデザインを採用した。事故が起こった橋脚では、2基のジャッキで橋げたを支えることになっていた。ところが、2基の置き方が悪く、1基を追加しなければならなかったことが問題で、作業スペースが不足していたとは思わない。(朝日新聞 夕刊)
■第三セクター鉄道ガイド 33社で黒字8社 90年度 まだ抜け出せぬ赤字のトンネル 経営改善もう限界
 刈り入れの終わった夕暮れの田んぼに、長い影を落として列車が走り抜ける。そんな秋のローカル鉄道の風景にも、カラフルなディーゼルカーがすっかり定着しました。旧国鉄の赤字路線を引き継いで、初の第三セクター(三セク)鉄道が開業してから7年半。合理化とともに、新車両の導入や増便、沿線の観光開発などで、国鉄時代に比べ収支は格段によくなりました。しかし、もともと過疎路線。経営の改善は限界との声も聞かれます。晩秋の旅のガイドを兼ねて、そんな三セク鉄道の現状をのぞいてみました。
・女性運転士
 JR奥羽線鷹ノ巣駅。午前9時2分、隣接する丸太小屋風の小さな駅から、2両編成の列車が発車する。秋田内陸縦貫鉄道の急行「もりよし1号」だ。終点の角館駅までを1時間50分ほどで結ぶ。
 運転席に座るのは昨年7月、全国初の女性運転士になった三浦智子さん。車掌2人も女性。3人とも20歳をちょつと超えたばかりだ。
 「ファンが乗りにきてくれる鉄道にしたいと思ってね」。当時、専務だった伊多波美智夫さん(現第三セクター鉄道等協議会事務局長)が、女性運転士誕生のいきさつを話す。
 どこの三セク鉄道にとっても、最大の課題は乗客数を増やすことだ。転換前、1日平均500人強の利用客しかなかった甘木鉄道は、大手私鉄の西日本鉄道との接続を良くするため、甘木駅の位置を400bずらし、便数も1日7往復から34往復にまで大きく増やした。これで利用客を毎年増やし、転換5年目の昨年度は1日平均約3500人を運んだ。
 阿部秀徳専務は、「利用しやすくしたことで、福岡市の中心部が近くなり、沿線住民の就職や就学など生活設計まで変えた」と胸をはる。
・観光客誘致
 地元客の増加を望めないところでは、観光客誘致に工夫をこらす。増客のために、いまや冷房付き新型車の投入や車内への自動販売機設置、カラオケ付きイベント専用車両の新造、洋風や民家風の駅舎改造などは珍しくなくなっている。
 各鉄道の特色を表にまとめたが、たとえば三セク鉄道の草分け、三陸鉄道は「カンパネルラ」「カルボナード」など宮沢賢治の童話風の愛称を駅につけ、話題を呼んだ。わたらせ渓谷鉄道は大浴場や露天ぶろを備えた温泉センターを開設。のと鉄道や北近畿タンゴ鉄道など観光資源に恵まれたところは、JRや大手私鉄も顔負けの豪華な特急を走らせて人気を集めている。
 だが、こうした営業努力をしても、経営の厳しさは変わらない。運輸省がまとめた90年度の営業実績によると、黒字を計上したのは33社中、8社。転換路線を引き継いだ民間2社を加えた35社の経常収支は16億3900万円の赤字で、赤字幅は前年より増えている。
 
鉄道名JR線などからのおもな乗り換え駅※
営業`特 色
北海道ちほく高原鉄道根室線池田140.0第3セクター鉄道中、最長。雄大な景色
三陸鉄道山田線宮古・釜石107.6明治時代を思わせる車両も導入
阿武隈急行東北線福島54.9全線電化。都会風の電車が走る
会津鉄道只見線西若松57.4終点の会津高原駅で野岩鉄道に接続
秋田内陸縦貫鉄道奥羽線鷹ノ巣94.2マタギの故郷、「阿仁マタギ駅」も
由利高原鉄道羽越線羽後本荘23.0鳥海山のふもとを走る黒字線
山形鉄道奥羽線赤湯30.5線名は「フラワー長井線」
真岡鉄道水戸線下館41.9車体に鳥がはばたく姿をデザイン
野岩鉄道東武鉄道新藤原30.7東武鬼怒川線で浅草と直結
わたらせ渓谷鉄道両毛線桐生46.0渡良瀬川に沿って足尾へ。温泉も開発
鹿島臨海鉄道常磐線水戸53.0貨物扱いも。夏は海水浴客でにぎわう
いすみ鉄道外房線大原26.8各車に花や木を描いたヘッドマーク
のと鉄道七尾線穴水61.0パノラマカー「のと恋路号」が活躍
長良川鉄道高山線美濃太田72.2自然豊かな長良川をぬってさかのぼる
樽見鉄道東海道線大垣34.5レールバスのほか客車列車も運行
明知鉄道中央線恵那25.1「恵那峡」「大正」など各車に愛称
神岡鉄道高山線猪谷19.9神岡鉱山から硫酸を運ぶ貨物列車も運転
天竜浜名湖鉄道東海道線掛川67.7車体に天竜川と浜名湖を表す青の帯
愛知環状鉄道東海道線岡崎45.3名古屋郊外を走る通勤の足。全線電化
伊勢鉄道紀勢線津22.3JR四日市へ延長運転が多い都会派鉄道
信楽高原鉄道草津線貴生川14.7信楽焼の里を結ぶ。運転再開が待たれる
北近畿タンゴ鉄道山陰線福知山83.6天の橋立へ豪華な新型特急が京都と直結
北条鉄道加古川線粟生13.7田畑が広がる風景の中を走る住民の足
三木鉄道加古川線厄神6.63セク鉄道最短路線をレールバスが走る
若桜鉄道因美線郡家19.2鳥取への直通運転中心の生活路線
錦川鉄道岩徳線川西32.7岩国に注ぐ錦川の清流をさかのぼる
土佐くろしお鉄道土讃線窪川43.0車窓から一望にできる太平洋が魅力
平成筑豊鉄道日豊線行橋49.2ボタ山のわきを軽量気動車が駆け抜ける
甘木鉄道西日本鉄道甘木13.7福岡都市圏の通勤・通学の足
松浦鉄道佐世保線佐世保93.8有田、伊万里、平戸と沿線は名所が多い
くま川鉄道肥薩線人吉24.8鉄道名は人吉盆地を流れる球磨川から
南阿蘇鉄道豊肥線立野17.7貨車改造のトロッコ列車が観光客に人気
高千穂鉄道日豊線延岡50.0 名所では徐行して運転手がガイドも
(注)※会社名がないのはJR線
 三セク鉄道各社はこれまで、国鉄OBやJRからの出向者を頼りに人件費を抑え、ワンマン運転をはじめ人員を徹底的に切り詰めてきた。しかし、職員の高齢化や技術力を若い世代に伝える必要などから、これ以上の合理化は難しいとの声も強い。(朝日新聞 夕刊)
3日■H形鋼崩壊が原因 広島新交通の橋げた落下事故 市技術委調査結果 不安定な並列積み 人為的ミス強まる
 今年3月、死傷者23人を出した広島の橋げた落下事故で広島市の「広島新交通システム事故対策技術委員会」(委員長・大村裕広島工業大教授)は2日、最終の会合を開き、橋げたの落下が最初に起きたとみられる西側橋脚上南側で@ジャッキを載せたH形鋼が安定度の低い組み方だったAジャッキの位置がH形鋼の中心からずれていたBジャッキで支えた橋げた底面にたわみが生じた−ことから、H形鋼が崩壊、けたが全体のバランスを崩し落下したとの調査結果を大筋でまとめた。この調査結果では、作業での手落ちなどについて直接触れていないが、H形鋼の組み方やジャッキの位置に問題があったと指摘しており、人為的ミスとの見方が強まった。
 同委員会は西側橋脚上南側にあって問題となっている2ヵ所のジャッキの部分について、ジャッキを載せていたH形鋼のうちどちらが最初に崩壊したかを再実験をし、落下メカニズムをさらに詰めた上で、年内にも報告書をまとめる方針。
 同委員会はことし3月下旬に広島市の委託で設置された。これまで6回の会合で@ジャッキの支持台となるH形鋼の組み方Aジャッキを支持台に乗せる位置Bけたとジャッキの接点Cそれぞれのジャッキにかかる反力−などについて実験や解析を加えてきた。
 その結果、橋脚上の南側には3台のジャッキが置かれていたが@最も南側のジャッキが載った安定度の低い並列3段積みの支持台(H形鋼)では十数dの耐荷力しかないA橋げたの補強材のない場所をジャッキで支えたため、十数dの荷重で「たわみ」が橋げた底面に生じた−ことが判明した。事故当時、同橋脚南側にかかっていた荷重は16−17dと見られている。
 さらに3つのうちのより安定度のある井げた状に組んだ中央ジャッキの支持台も、ジャッキを立てる位置や橋げたを支える位置が中心からずれることで大幅に耐荷力を失うことが分かった。これら複合的な要因が重なり南側か中央の支持台が崩壊しジャッキが脱落、新たな重心の移動などでもう1本のジャッキも倒れ、橋げた落下につながった、と同委員会は結論付けた。(京都新聞)
■変電所で感電 2人が死傷 川崎、新幹線止まる
 2日午後4時20分ごろ、川崎市幸区柳町の東京電力川崎変電所で、電気の流れを調節する開閉器の増設作業中に爆発音とともに6万ボルトの高圧線かショート、東電の下請け作業員片岡鉄雄さん(54)=愛知県海部郡佐織町勝幡石塚=が感電死、同僚の作業員(61)が顔などに3日間のけがをした。
 この事故で、川崎市の川崎区と幸区、横浜市鶴見区のそれぞれ一部地域計約10万世帯が停電したが、午後6時前に全面復旧。東海道新幹線や京浜東北線など首都圏のJR11線区の一部区間が一時不通になるなどして乗客約1万6000人に影響が出た。(京都新聞)
■秋の叙勲 勲六等瑞宝章 横田 健三さん(75) 列車の安全に全力
 「事故発生」。夜、電話でたたき起こされる。「列車が脱線した」−。そんな厳しい日が、34年間も続いた。専修学校を卒業して、昭和16年に国鉄入り。信号など電気回線の保守・工事を専ら担当した。
 思い出は走馬灯の如し。昭和36年の第二室戸台風。大阪環状線の安治川口−西九条間が高潮で浸水、電車が止まった。胸まで水につかり、不眠不休で信号の復旧工事をした。東海道線膳所駅での列車転覆、草津線の複々線電化…。「無我夢中。きつい毎日でしたな」と懐かしむ。
 事故に備え、家族一緒の旅行もほとんどできなかった。今は旅行や家庭菜園、花作り、スイミングを楽しむ。在職中の厳しい表情は消え、すっかり温和な顔になった。(西京区大枝西長町)(京都新聞)
■繁華街、真っ暗 川崎で10万戸停電
 神奈川県川崎市幸区の東京電力川崎変電所で2日午後4時20分ごろ、感電事故があり、作業員2人が死傷した。この事故で、幸区と隣接の同市川崎区の約半分の地域と、横浜市鶴見区の北側の一部などへの送電が止まり、約10万世帯が停電。東海道新幹線にも影響が出たほか、エレベーターに閉じ込められたり、デパートが一時閉店するなど大混乱した。停電は午後6時近くに全面復旧した。
 東京電力本社(東京都千代田区)によると、死亡したのは、電気プラントメーカー「高岳(たかおか)製作所」名古屋事業所の片岡鉄雄さん(54)で、感電死らしい。また、山口孝さん(61)もけがをして病院に運ばれた。
 この停電で、東海道新幹線をはじめ首都圏のJR各線は、一部の区間で一斉に運転を見合わせた。
 川崎駅周辺の繁華街では、川崎西武百貨店などが一時閉店、映画館では入場料を払い戻すした。エレベーターメーカー大手4社のサービス会社によると、エレベーターに1時問以上も閉じ込められるなど計50件、救助隊が出動した。
 また、同変電所から電力の供給を受けているラジオ日本の放送が、約1時間半の間、首都圏のほとんどの地域で流れなかった。(朝日新聞)
5日■西梅田再開発地区 愛称に賞金100万円
 JR大阪駅西側の旧国鉄梅田コンテナヤード跡地とその周辺の計9.2fの開発を進めている西梅田地区開発協議会(会長・西川由朗国鉄清算事業団近畿支社長)は同地区の愛称を募集している。12月20日までにはがき1枚に1案を記入して申し込む。1人何枚でもよい。賞金は最優秀作1点に100万円、佳作5点に各5万円を贈る。申し込みは大阪中央郵便局私書箱321号西梅田地区開発協議会ネーミング係へ。(朝日新聞)
6日■JR東海労組 JR総連から脱退へ 委員長会見 新産別づくりへ努力
 東海旅客鉄道労組(JR東海労組、組合員約1万4500人、明石洋一委員長)は5日、静岡市で各職場の分会長以上による全機関代表者会議を開き、上部団体のJR総連(福原福太郎委員長)から脱退する方針を固めた。15日に名古屋市で臨時組合大会を開催し、正式に機関決定する。
 JR総連からの脱退は、西日本旅客鉄道労組(JR西労組)に次いで2番目。
 明石委員長は会議後の記者会見で「新しい産別をつくる努力をしていく」と述べ、JR総連とは立場を異にする新しい産別組織を作る構想があることを明らかにした。同委員長はJR西労組と協力していきたいとしており、今後、JR内各労組の分裂、再編に発展する可能性もはらんでいる。
 旧鉄労系のJR東海労組は、JR総連が9月12日、同労組から分裂した旧動労系のJR東海労(佐藤政雄委員長)の総連への加盟を認めたことに激しく反発、総連との関係をどうするかについて、職場討議を進めてきた。
 会議は非公開で行われたが、会見での説明によると、明石委員長がまず「これ以上、JR総連との関係を続けることはできないのではないか」と問題提起、討議の中では脱退を求める意見しか出なかったという。
 明石委員長は会見で、脱退の理由について@JR総連がJR東海労の加盟を認めたA組合活動は生活水準の向上に取り組むのが本筋とするJR東海労組の運動方針とJR総連のそれとは相いれないB職場討議で脱退を望む意見がほとんどだった−の3点を挙げた。(京都新聞)
■JR東海労組 総連を脱退へ
 JR東海の最大労組、東海旅客鉄道労働組合(JR東海労組、明石洋一委員長、1万4500人)は5日、静岡市内で執行委員会を開き、上部団体である全日本鉄道労働組合総連合会(JR総連、福原福太郎委員長)の運動の進め方を認めることができないとして、JR総連から脱退する方針を決めた。続いて開いた分会代表者会議でも同じ意見を集約した。15日に名古屋市内で開く臨時大会で正式に決める。(朝日新聞)
7日■深夜劇場やダンスバー JR京都駅・改築後の文化施設
 JR京都駅ビル改築に伴う文化施設の在り方を検討していた京都駅ビル開発(井手正敬社長)と京都商工会議所の「文化事業検討会」(座長、米山俊直京都大教授、12人)は7日、京都駅文化施設基本構想(中間報告)をまとめた。舞台芸術、映像芸術を発信するアミューズメント性豊かな24時間型の劇場空間を提案しており、駅ビルと同じ平成6年秋の完成を目指す。
 基本構想によると、京都面文化施設は「文化融合の祝祭劇場空間」をコンセプトに、24時間施設への対応機能を備えた複合的文化施設(延べ約9000平方b)とする。事業主体は京都駅ビル開発で、京都経済界などが支援体制をつくる。
 文化施設の構成は、駅ビルの4−7階に吹き抜けのメーンホール(約4500平方b、800−1000席)を設置し、舞台・映像芸術、イベント、パフォーマンス、ライブ映像・コンサート、展示、ショーなどに活用、新しい文化・芸術を創造する「劇場空間」とする。
 さらに、2−3階に映像とライブを楽しみながら食事できる映像レストラン、喫茶、美術品展示のギャラリー、オリジナルグッズ販売のショップ、映像シアターなどの「交流空間」(約3000平方b)、1階にミュージアムシアター(情報センターの「情報空間」(約1000平方b)、地下1−2階にカフェ&ダンスバーのドームシアターとなる「アミューズメント空間」(約1000平方b)を配置する。屋外のプラザ・公開空き地(約1万2000平方b)は朝市、パフォーマンスなどの「イベント空間」として利用する。
 早朝の朝市から未明の映像・コンサート、ダンスバーまで24時間型のプログラムを提案しているのも大きな特色。
 新・京都駅は、地下3階地上16階建て(高さ59.8b)。百貨店、ホテル、文化施設が入る複合施設で原廣司氏が設計した。文化施設は駅ビルの東側部分(地下2階、地上7階)に設置、文化創造拠点の機能を担う。京都駅ビル開発は来年秋に駅ビルの建設に着手し、平成6年秋の完成を目指す予定。
 米山座長は「関西新空港に対応して、24時間都市を前提にプログラムを考えた。建都1200年後の京都の文化の発電機の機能を果たしたい」と話している。(京都新聞 夕刊)
■東北新幹線が3億人突破
 JR東日本によると、東北新幹線の乗客が7日午前、延べ3億人を突破。昭和57年6月の大宮開業以来3424日目。
 1億人突破は開業1465日目の60年7月18日。2億人突破は平成元年6月4日で、1億人上積みするのに1073日と乗客の順調な伸びを示したが、今回は東京駅開業による乗客の増加もあって886日で達成、さらにハイペースとなった。(京都新聞 夕刊)
8日■JR西労組と西日本鉄産労 来月上旬に統一大会
 「反JR総連」の立場で組織統一へ向け協議を進めてきた、JR西日本の最大労組「西日本旅客鉄道労働組合」(JR西労組、2万9000人)と旧国労主流派の「西日本鉄道産業労働組合」(西日本鉄産労、6500人)は7日までに、12月上旬に大阪市内で両者そろって大会を開き、組織統一を正式に決定することで合意した。1987年の国鉄の分割・民営化後、反JR総連系の労組が統一するのは初めてで、この動きは全国のJR各社に波及しそうだ。
 新組合の名称は「西日本旅客鉄道産業労働組合」と決まった。略称は「JR西労組」とする。統一後、組織率は76.2%になり、会社側と結ぶ労働協約が全社員に及ぶ条件である「組織率75%以上」はクリアできる、としている。(朝日新聞)
9日■信楽鉄道 15日から試運転
 信楽高原鉄道(本社・滋賀県甲賀郡信楽町、杉森一夫社長)は、運行再開に向けての試運転を15日から始める。運転士の習熱訓練を繰り返した後、運輸省近畿運輸局の保安監査を経て、12月初旬の運行再開を目指したい、としている。
 同鉄道は、JR西日本OBの河合肇・常任顧問(鉄道主任技術者)を中心に新規採用3人を含めた運転士6人や職員らの机上訓練など安全教育を行うとともに、先月下旬の滋賀県警捜査本部の実車走行検証後、車両のカラーを一新するなど再開準備を進めてきた。試運転は22、23日ごろまで実施し、最終点検を行った後、保安監査用の資料を作成する。監査の日程は未定としている。
 また、同鉄道は15日午後3時から、信楽町山村開発センターで臨時株主総会を開催。運行再開を前に経営体制を固めるため、河合常任顧問、JR西日本OBの藤田義孝常任顧問(業務部長)の取締役選任などを協議するほか、経営基盤安定のため増資を決めることにしている。
・衆参議員に究明要望 犠牲者逮族の会
 信楽高原鉄道列車事故の犠牲者42人のうち19人の遺族でつくる「犠牲者遺族の会」(吉崎俊三世話人代表)と同弁護団(事務局長・秋田真志弁護士)は8日、衆・参両院の全国会議員に対し、国政調査権に基づき原因と責任の所在などを明らかにするよう求める要請書を郵送した。
 要望書によると「JR西日本の社長による謝罪も誠意ある弔意の表明さえないままに信楽高原鉄道の再開の動きのみが性急に進められる状況で、このまま遺族の問題のみが置き去りにされてしまうのではとの思いを強くする」としたうえで▽安全対策を確立するために国会での事故原因究明と国民への開示▽遺族が納得できるようにJR西日本、同高原鉄道の両社に遺族に対して誠実な対応をとるよう指導してほしい−としている。(京都新聞)
■トロッコ列車人気の陰で 保津川下りの客待って 観光バスウロウロ 嵐山 駐車場が時間制限 「行き場なくなった」
 今春開業しすでに50万人の行楽客を運んだ京の新しい観光名物トロッコ列車(嵯峨野−亀岡間)の人気の陰で、列車への客を乗せてきた観光バスが長い待ち時間が必要になり行き場に困っている。嵯峨野・嵐山の慢性的な駐車場不足に加え、観光バスが利用する京都市駐車場公社の嵐山観光駐車場が時間制限を設け、長時間の駐車ができなくなったためで、バスは、近くの路上で時間をつぶしている。
 嵐山観光駐車場(バス、乗用車など52台収容)では、これまで観光バスは一度入ると1日中駐車が可能だった。しかし、昨秋の行楽シーズンから駐車場の回転効率を上げるため、1回の利用を3時間までとする制限を設けた。
 ところが、旅行代理店によると、嵯峨、嵐山駅からトロッコ列車に乗り、終点の亀岡からUターンして保津川下りを楽しみ、嵐山に戻ってくる人気の観光コースでは、みやげや食事の時間も含めると4、5時間は必要。嵐山で団体客を降ろした観光バスは、時間制限のため、お客が戻って来るまで、ずっと嵐山観光駐車場で待てなくなった。
 運転手らの話では、会社の車庫に帰ったり、近くの道路で待機するなどし、制限の3時間を超えた分の時間調整をしているという。
 市駐車場公社は「駐車時間が足りないのは分かっているが、トロッコ列車は今年始まったばかりなので…。制限時間の延長や新たな駐車場スペースの確保などを検討している」と話し、思わぬトロッコ列車人気の余波に頭を痛めている。(京都新聞 夕刊)
■列車故障で11本に遅れ JR尼崎駅
 9日午前7時45分ごろ、兵庫県尼崎市潮江一丁目のJR尼崎駅構内で、大阪発新三田行き普通電車の加速力が弱くなったため、運転を取りやめた。乗客約80人は後続電車に乗り換えた。
 このため、上下線4本が部分運休し、特急エーデル近畿1号など計11本が2−21分遅れ、乗客約3500人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
■片福連絡線 特注の掘進機使い初のシールド工法 鉄建公団、地下部分で
 JR片町線京橋駅とJR福知山線尼崎駅を、大阪都心部の地下を貫いて結ぶ延長12.3`の片福連絡線の工事が本格化し始めた。95年春の完成を目指して9つの駅部分を建設中だが、工事の約半分を受け持つ日本鉄道建設公団による初めての地下線路部分のシールド工法の発進式が13日、大阪市都島区網島町の片町駅予定地西端の工事現場で行われる。特注のシールド掘進機で地下を掘り進み、大川の川底をくぐって93年春までに地下鉄谷町線南森町駅の下まで約1040bのトンネル2本を貫通させる予定。
 今回の工事区間は途中、大川や地下鉄谷町線、造幣局などの下を通る部分で、2年後に取りかかる淀川の川底をくぐる区間と並ぶ難所。一番低い部分では地下26bに達する。(朝日新聞 夕刊)
12日■信号機故障し10本運休 JR片町線 2万人の足に影響
 12日午前6時半ごろ、京都府綴喜郡田辺町松井口仲谷、JR片町線松井山手駅構内で、松井山手行き普通電車が入構しようとした時、構内信号機が赤のまま変わらなくなった。このため、同電車はプラットホームの手前約250bでストップした。JR西日本で原因などを調査、25分後に信号機が復旧、同電車は32分遅れ到着した。
 この信号機の故障で上下10本が運休、快速1本を含め上下49本が2分から約30分遅れた。朝のラッシュ時とあって、約2万人の足に影響が出た。
 JR西日本の調べでは、レールのポイントの絶縁部分に1a角ほどの鉄片2個が付着したため、信号機が誤作動したらしい。(京都新聞 夕刊)
■JR西労組と西日本鉄産労 来月6日に組織統一 新たに全国産別結成
 西日本旅客鉄道労働組合(JR西労組、矢後希悦委員長、2万8500人)は12日、大阪市で中央委員会を開いた。あいさつに立った矢後委員長は西日本鉄道産業労働組合(西日本鉄産労、出井勝彰委員長、6400人)との組織統一による新組合結成大会を12月6日に開くとともに、新組合を核として新たな全国産別組織の結成を目指す方針を明らかにした。
 JR西労組と西日本鉄産労の統一組繊名は西日本旅客鉄道産業労働組合(略称・JR西労組)。組織人員は約3万5000人で組織率76%となる。
 旧動労系主導のJR総連から脱退した旧鉄労系組合と、旧国労主流派で作る鉄産労の統一は全国のJR労組で初めて。九州や東海でも同様の動きが出ており、西日本の統一新労組はこれらに呼び掛けて年明けにも全国新産別結成の準備会を発足させることになる。(京都新聞 夕刊)
■私鉄5社の旧運賃定期 値上げ7日前から発売 混雑緩和狙い
 20日から平均13.2%の運賃値上げをする関西の私鉄5社(阪急、阪神、京阪、近鉄、南海)は11日までに、新規定期券の発売日をこれまでの「前日売り」から「7日前」に変更、20日から有効の定期を13日から発売することを決めた。運賃値上げのたびに前日夜遅くまで定期券売り場が安い定期を求める客で混雑していたのを解消するのが狙い。
 前回値上げのあった1987年5月16日の場合、旧運賃で新定期を求めようとしても前日に16日スタートの定期を買うしかなかった。しかし、今回は、13日から19日までの間、有効期間が20日スタート分から26日スタート分まで新定期を現行金額で買える。通勤定期値上げ率23.6%と最も高かった阪神電鉄では、梅田−元町間の1ヵ月定期をこの期間中に買えば、新運賃1万1200円のところ現行運賃9440円ですみ、1760円の節約になる。
 前売り期間の拡大は新規定期だけで、継続定期は従来通り14日前の発売。また、JRは新定期の発売は前日が原則のままだ。(朝日新聞)
■現実ならパニック JR大阪駅地下通路で消防訓練
 12日午前、JR大阪駅の中央地下通路で、JR西日本や大阪・北消防署などによる合同消防訓練が行われた。午前10時ごろ、同中央通路から出火、地下の専門店街に延焼、負傷者が出ているとの想定でスタート。発煙筒の煙が立ち込める地下街で、消防署員や駅員など230人が通行人の避難誘導や負傷者の救出、応急手当てに走り回った。
 JR大阪駅は1日の乗降客が約80万人で、近くの百貨店への買い物客などを入れると約100万人が同中央地下通路を利用しており、通行人たちは「実際に起きたらパニック状態になるかも」などと見守っていた。(京都新聞 夕刊)
■信号機が故障 上下10本運休 JR片町線
 12日午前6時半ごろ、京都府綴喜郡田辺町松井、JR片町線松井山手駅構内の上り線信号機が赤のまま変わらなくなった。信号機は32分後、自然に復旧した。この影響で長尾−松井間の上下計10本が運休、全線で計49本に最高32分の遅れが出て、通勤、通学客ら約2万人の足に影響がでた。
 JR西日本の調べによると、レールのポイントの絶縁部分に鉄片が付着し、異常電流が流れたらしい。(朝日新聞 夕刊)
■師走を控えて合同消防訓練 JR大阪駅地下通路
 1日100万人が往来する大阪市北区のJR大阪駅と地下街を結ぶ地下通路で12日、同駅や構内の売店、喫茶店など220店で組織した自衛消防隊と、北消防署、曽根崎警察署などの合同消防訓練があり約230人が参加した。同駅では1989年12月に西口地下で仮設店舗が燃える火事があり、師走を控え参加者は真剣そのものだった。
 午前10時、専門店街前の中央通路から出火したという想定。防災センターへの通報、シャッター降下、初期消火、通行者の誘導など、発炎筒の煙が立ち込める中、自衛滑防隊が走り回った。消防署員が引き継いで負傷者の手当てやシャッター切断などを披露した。
 付近はロープで通行止めになったが、通行人らはもくもくと上がる白煙を心配そうに遠巻きに見ていた。(朝日新聞 夕刊)
■20日から運賃値上げ 叡山電鉄、10.7%
 近畿運輸局は12日、叡山電鉄(本社・京都市)の運賃改定について、申請通り10.7%の値上げを認可した。実施日は大手私鉄の値上げと同じ20日から。同電鉄の値上げは消費税に伴う改定を除けば、分離する前の京福電鉄時代の1984年3月以来7年8ヵ月ぶり。出町柳駅で連絡する京阪電鉄・鴨東線が89年10月に開通して以来乗客は急増したが、逆に増便などで経費も増えており、累積赤字解消が値上げの理由だとしている。
 認可された新運賃は、各区間とも20−30円それぞれアップし、初乗りが170円(現行150円)になる。普通運賃は平均で10.5%、通勤定期13.1%、通学定期 9.9%。主な区間は、出町柳−鞍馬が350円(320円)に。連絡する京阪も値上げするため、京阪三条−鞍馬は530円(480円)になる。(朝日新聞 夕刊)
13日■国産第1号SLなど保護 文化庁 5年後目標にリスト
 文化庁は12日までに、国産初の蒸気機関車や建造物など明治以降の日本の近代化に重要な役割を果たした文化遺産の保護に乗り出すことを決めた。
 学識経験者らを交えた「近代化遺産保存対策調査研究委員会」を来年度から設けて調査、5年後を目標に遺産リストや保存についての基本方針をまとめる計画だ。
 文化庁が検討している近代化遺産は、国産第1号の蒸気機関車や電話機、オルガン、印刷活字、テレビなど機械類のほか、日本で初の近代的工場「富岡製糸工場」(群馬県)、近代水利事業の草分けとなった「琵琶湖疏水」(京都府、滋賀県)、明治時代の教育をしのばせる旧開智学校(長野県)の資料など広い分野にわたる。
 文化庁は明治以降の近代化を担った比較的新しい文化遺産についても、散らばるのを防ぐための調査や保護対策が早急に必要としている。(京都新聞)
■事前調整の手続き中止を 京都駅ビルで市民団体
 市民団体「京都ホテルとJR京都駅高層化に反対する市民連合」(西山卯三代表)など4団体は12日、京都商工会議所商業活動調整協議会の小谷隆一会長に対して、京都駅ビル商業施設に関する事前調整手続きを中止するよう申し入れた。
 申し入れによると、駅ビル改築計画は市民不在の計画で、都市計画法の高さ制限を無視し違法であるうえ、大規模商業施設に市民的合意がない−として、商調協の事前調整手続きの中止と出店計画概要説明書の回収の指示、事前説明会の中止・延期の措置をとるよう求めている。(京都新聞)
■高齢化などで見直し 都計審へ 京都市諮問 高度変更なども
 京都市は12日、市街化調整区域から市街化区域への線引きの見直しや、用途地域、高度地区などの都市計画の変更を市都市計画審議会に諮問した。@人口の高齢化や市外への「大学流出」に対応するため、医療機関、大学とその周辺について線引きを見直すA交通局の九条車庫や烏丸通、油小路沿線の一部で住居系地域を商業系地域にするB地下鉄東西線開通に伴い、醍醐西住宅で住居棟配置計画を変更する−が主な内容。
 市街化調整区域から市街化区域になるのは、左京区北白川瓜生山町、日本パブテスト病院▽山科区日ノ岡夷谷町、東山老年サナトリウム▽左京区岩倉木野町、京都精華大学▽同区北白川瓜生山町、京都造形芸術大学・京都芸術短大▽西京区大枝東長町、京都経済短大(新設)の各医療機関・大学の周辺と、伏見区深草馬谷町、同区深草宮谷町、西京区郷陵北山町の宅地予定地の8ヵ所計12f。市街化区域になれば、大学や医療関係者の住宅が隣接地に確保できるようになる。
 住居系地域から商業地域または商業隣接地域へ用途が変更されるのは、南区東九条下殿田町、交通局九条車庫▽烏丸通沿道(八条通−久世橋通間)▽油小路通沿道(名神高速−丹波橋通間)▽伏見区醍醐高畑町、醍醐センター地区▽西京区上桂森下町、西京区役所周辺の5ヵ所。九条車庫は交通局用地の高度化利用の一環で、高さ規制が現在の20bから31bまでに緩和される。烏丸通や油小路通は、地下鉄烏丸線の整備や区画整理の終了に合わせた。
 醍醐センター地区の用途変更は3年後に予定されている地下鉄東西線の開通や醍醐駅前の自動車ターミナルの整備に伴うもの。周辺の醍醐西住宅の一部でも住居棟配置計画を見直し、中層・高層合わせて現在より90戸多い840戸が建てられるようにする。
 これらの都市計画の変更は、市の都計審の答申後、府の都計審に回され、正式決定する。(朝日新聞)
■駅ビルの事前説明 商調協は中止して 市民団体が申し入れ
 京都市内の建物の高層化に反対している市民団体「のっぼビル反対市民連合」(代表・西山卯三京大名誉教授)は12日、京都商工会議所の商業活動調整協議会(商調協)に、JR京都駅ビルの改築による新しい商業施設の事前説明を中止するよう申し入れた。
 申し入れによると、駅ビル改築が違法だとして住民らが京都地裁に訴訟を起こしているのに、改築計画を前提として、駅ビルに入居する商業施設について、大店法に基づく事前説明をするのは許されないという。(朝日新聞)
■京都市 地下鉄・市バス値上げ 来年4月実施方針 20円、消費税転嫁
 京都市は来年4月1日から、市バス、地下鉄、上下水道など公共料金に初めて消費税を上乗せすることにした。市バス、地下鉄は運賃値上げと連動しており、市バスが11.1%(均一区間)、地下鉄が平均11.0%のアップ。いずれも14日開会の11月定例市会に提案されるが、京都市会は一昨年2月に公共料金への消費税転嫁の条例改正案を否決しており、賛否をめぐる論議が展開されそう。
 消費税転嫁の理由について、市理財局は「消費税見直し法案が国会で全党一致で可決されたのを受けて、未実施の各自治体とも転嫁の動きをしている」と説明している。
 転嫁されるのは市立病院、第一、二市場も合わせた7特別会計の料金。市バス、地下鉄は値上げとセットで、料金改定は88年(昭和63年)以来3年ぶり。
 市バス運賃(均一区間)は普通券が大人200円(現行180円)、小児100円(90円)、乗継普通券が320円(290円)、小児160円(150円)にアップ。地下鉄は1区間が大人180円(160円)、小児90円(80円)になり、2−4区間とも現行運貨に大人20円、小児10円を上乗せした額になる。定期券もスライドしてアップする。
 値上げについて市交通局は「市バス、地下鉄とも赤字が続く厳しい財政見通しのため」とし、市バスで年間5億8700万円、地下鉄で3億500万円の増収を見込んでいる。
 一方、上水道料金は、消費税転嫁によって、1ヵ月の使用水量22dの平均家庭で月107円のアップ。上水道のみだと65円アップする。
 市立病院では、健康保険対象外の自由診療についての使用料、手数料に、市場では施設使用料などに転嫁される。(京都新聞 夕刊)
■JR山陰線踏切 視界までシャ断 器具箱移動 ドライバー苦情
 JR山陰線の二条−花園駅間の高架工事に伴い、JR西日本が踏切器具箱を移動させたところ、「左右の安全を確かめるのに、見にくくなった」とドライバーから苦情が出ている。器具箱がじゃまになり、なかには踏切手前で止まっても運転席から線路方向がほとんど見えないところもある。しかし、JR西日本は「遮断機もあるので、危険はない」と当面は改善の計画はない、という。
 JRによると、昨年から始まった二条−花園駅間の高架工事のため、中京、右京区内のこの区間の線路を最高3b北に移動させた。これに伴い今年3月と9月に、12ヵ所の踏切で、遮断機の作動装置を入れた器具箱(横約1.5b、高さ約1.6b、奥行き約0.7b)を線路反対側に移動させたり、向きを変えたりした。
 このため、2、3ヵ所の踏切で、通行車からの視界が悪くなった。最も通行量が多く、新丸太町通からの車が通る花園駅西側の踏切では、箱が車道から約2bのところに垂直に置かれ、遮る形になった。運転者からは「花園駅方向の安全確認がほとんどできない」との声もあがっている。
 JR西日本京都信号通信区の話では、踏切新設の際は、器具箱は踏切から最低15b離し、見通しが良いようにしている、という。しかし、問題の踏切は「確かに見通しは悪いが、遮断機と警報器もあり危険とは思わない」とし、工事が完了する3年後まで、改善する予定はないと話している。(京都新聞 夕刊)
■割安です 時差定期 朝の混雑緩和へ運輸省が調査
 大都市圏の深刻な朝の通勤ラッシュを緩和しようと、運輪省は13日までに、ラッシュ時間帯を避ければ運賃が割安になる時差通勤定期券の新設に向け、来年度から調査に乗り出すことを決めた。
 同省はこの調査を受けてラッシュ時の運賃格差の設定を提言、企業や経済団体などにも時差通勤の促進を働き掛けることにしている。
 運輸省によると、首都圏を走るJRや私鉄31路線の最混雑時の利用客は昭和40年度に100万6000人だったのが、50年度131万5000人、平成元年度179万6000人にも上った。
 JRや私鉄各社は、これまで新線建設や混雑の激しい区間の複々線工事、車両の増結などを進めてきた。しかし人口の一極集中などで混雑緩和策は追いつかず、利用者の不満は一向に解消されていないのが実情。
 そこで浮上したのが時差定期券。朝のラッシュ時に利用する定期券を割高にするか、あるいは逆にラッシュを避ければ割安にして、混雑緩和を図るのが狙いだ。
 運輸省はまず首都圏の主なJRや私鉄の各路線ごとに、1時間当たりの乗降客数や各駅のピークの時間帯を把握。これらのデータを基に、学識経験者を交えた検討委員会を設置し、運賃格差の導入について探る。
 関東と関西の大手私鉄運賃の値上げを認める答申を出した運輸審議会も早急な検討を指示しており、既に米ワシントンやカナダ・バンクーバーなどではラッシュ時と、それ以外の時間帯によって運賃格差を設定している。(京都新聞 夕刊)
■15日から試運転 信楽高原鉄道
 死者42人を出した5月14日の列車衝突事故から運休の続いている信楽高原鉄道(杉森一夫社長)は13日、12月10日をめどにした運行再開に備えた車両の試運転を15日から始めると発表した。
 初日の試運転は、事故で破損、修理の終わった2両を使って信楽−貴生川間で3往復行われる。車両のブレーキや、踏切の作動状況を確かめる。16日以降は、運転士の習熟訓練として1日8往復する。(朝日新聞 夕刊)
14日■窓 JR殿田踏切 早く改修して 日吉町・中川悌一(農業・58)
 JRでは、踏切事故防止キャンペーンが、10日間実施されたが、わたしたち地域住民にとっても、踏切事故をなくすことと安全対策は、大きな願いであります。
 特に今回、踏切改修を願うのは、JR殿田駅近くの殿田踏切の拡幅改修であります。この踏切は、小・中学校生の徒歩および自転車通学路で、またJRを利用する高絞生と京都市内通勤者のためめ踏切であります。
 4年前に、小・中学校の育友会をはじめ、関係住民の切なる願いとして、多くの署名を集め、JRと府道を管理する京都府、この踏切は町の玄関口に位置しますので当然のこととして町当局、この3者に要望書を持参、提出し受理してもらっています。
 しかし、今日まで何の手だてもなく、まさに危険いっぱいで、全く住民の願いが無視されています。朝の徒歩通学の危険な実態、通勤時間帯の現状を調査し、事故を、惨事を未然に防ぐ方策をぜひ実現して頂きたいと願うのは、決して私の1人の思いでないと確信します。
 関係者の今後の対応を見極めたいと思います。(京都新聞)
■消費税転嫁するな 市バス・地下鉄改正案 共産党市議団が声明
 共産党京都市議団(若宮修団長)は13日、京都市が来年4月から市バス・地下鉄などの公共料金に消費税を転嫁する条例改正案を14日開会の11月市会に提案することに対し、市長公約と一昨年の市会議決に反するとして、条例案の撤回を求める声明を発表した。(京都新聞)
■運行再開前に試運転を開始 あすから信楽高原鉄道
 大惨事から半年間にわたって運休している信楽高原鉄道(本社・滋賀県信楽町長野)は13日、12月の運行再開へ向けて15日から始める車両の試運転のスケジュールを発表した。また、JR西日本の子会社から出向の信号関係要員1人を同日付で補充採用した。
 15日の試運転は、午前9時20分から午後2時ごろまで、車両2両を使用して、信楽駅−貴生川駅間全線を3往復。途中、踏切などの地上設備のテストを行い、運行再開に備える。16日から22日までは1日8往復、JR西日本から派遣された3人を含む6人の運転士の習熟訓練を繰り返し行うことにしている。
 また、同鉄道は、これまでにJR西日本の支援を受けて鉄道主任技術者や運転士ら5人を新規採用しており今回の信号関係社員の採用で運行再開するための現場体制は整った、としている。(京都新聞)
■電車にはねられ 小3少年が即死 貝塚市の踏切
 13日午後5時20分ごろ、貝塚市三ツ松の水間鉄道森1号踏切(警報機、遮断機なし)で、自転車に乗って渡ろうとした近くの会社員品田広一さん(34)の長男で市立木島小学校3年、拓哉君(8つ)が、水間発貝塚行き電車(2両編成)にはねられ、全身を強く打って即死した。
 貝塚署の調べによると、同鉄道は単線で、踏切は幅1.8b。拓哉君は、友達5、6人と自転車に乗って近くで遊んでいたという。電車の運転士によると、踏切横の建物が死角となり、急ブレーキをかけたが間にあわなかったという。(朝日新聞)
15日■地下鉄東西線 九条山駅設置を 地元住民が街頭デモ
 京都市が工事を進めている地下鉄東西線に、九条山駅(山科区)を設置するよう求めている地元の約30人が14日、中京区の四条大宮で街頭デモを行い、市民たちに理解を訴えた。
 デモをしたのは、山科区日ノ岡夷谷町など、九条山周辺6町の住民でつくる「九条山の環境を守る会」(白方英子、今西義千代表)のメンバー。
 九条山には現在、京阪電鉄京津線の九条山駅があるが、東西線計画では、同駅と東隣の日ノ岡駅は廃止されることになっている。住民らは、東西線開通後は北側の蹴上駅か、東側の御陵駅を利用しなければならなくなる。利用者の大半が集中するとみられる蹴上駅は、現在の九条山駅から1.5`もあり、住民たちは「生活の侵害だ」などと反発。2年前に会員約500人で「守る会」を結成、地下鉄九条山駅の設置を求め、市議会への請願や署名活動を続けている。
 この日、住民らはまず四条大宮周辺でビラを配って呼びかけたあと、街頭宣伝車を先頭に、プラカードや横断幕を掲げて、同区壬生の市交通局まで行進。「駅を取り上げないで」「市は、私たちの声に耳を傾けて」と、シュプレヒコールを繰り返した。デモの後、白方代表らが交通局の担当者を訪れ、計画を取り消し、話し合いのテーブルにつくよう求める依田満交通局長あての要望喜を手渡した。(京都新聞)
■信楽高原鉄道の杉森社長 きょう辞任表明へ
 信楽高原鉄道社長を兼ねる滋賀県甲賀郡信楽町の杉森一夫町長(66)は、15日午前開かれる同町議会の全員協議会で、同社社長を辞任することを表明する。同日午後の臨時株主総会で、正式に辞任、新社長には滋賀県職員OBで副社長の北川啓一氏(66)が昇格し、新たな経営体制で12月初旬に運行再開する同鉄道の再生にのぞむ。
 犠牲者42人を出した信楽高原鉄道列車事故から半年が経過。同社は12月初旬の運行再開を前に、専任の社長を置いて経営体制を強化、運行の安全を期すことにした。
 杉森町長(社長)は午前九時半からの全員協議会で、社長辞任の意思を表明。今後、町長として被災者の補償問題に全力を注ぎ、補償金の財源確保に努める決意などを述べる。杉森町長は平成元年1月、信楽町長に初当選。翌2月から同鉄道の社長を兼務していた。
 臨時株主総会は同日午後3時から信楽町山村開発センターで開催。経営安定基盤の充実を図るため、現在2億円の資本金の増資を決めた後、取締役を選任。杉森社長の辞任や、JR西日本OBで現・常任顧問の河合肇鉄道主任技術者らの新任など、現行8人の取締役を3人増の11人とする。
 引き続き行われる役員会で、新社長に北川副社長が昇格。副社長には前信楽町助役の井上春網専務と、河合常任顧問の2人がそれぞれ就任し、社長、副社長が代表取締役となる見通し。(京都新聞)
■JRに対抗し深夜急行増発 阪急京都線
 阪急電鉄は21日、京都線(梅田−河原町)の深夜急行を増発するダイヤ変更を発表した。実施は12月22日から。大阪−京都問で競合するJR東海道線が来春から、大阪を午前零時に出発する快速最終を約20分繰り下げることにしており、これへの対抗策。梅田発午後11時台の急行をいまの20分間隔から15分間隔にして増発する。同時間帯のJR快速は20分間隔で、ここで差をつける作戦だ。
 増発は深夜の急行2本と普通1本の計3本で、梅田発などの最終普通電車の発車時刻も4−8分繰り下げる。午後11時台の梅田発急行は現在、混雑率130%で、本は読めるが新聞を広げるのは無理。増発で混雑率をほぼ100%にし、何とか新聞を読めるぐらいのゆったりさにしたいという。JR快速の混雑率も約130%程度だが、車両数の関係で当面はこの時間帯の増発はできず、JRの弱点を突いた形だ。(朝日新聞)
■兵庫・和歌山のバス値上げ認可 1.9〜9.0%
 運輸省は21日、兵庫、和歌山両県のバス会社13社から申請されていた1.9−9.0%の運賃値上げを認可した。実施は12月1日から。各社の値上げは2年−2年8ヵ月ぶり。一部同じ区間を運行している別の13社も同率の値上げを認可された。
 認可されたバス会社と値上げ率は次の通り。
 【兵庫県】神姫バス4.7%▽全但バス4.9%▽淡路交通5.0%▽西谷自動車3.1%【和歌山県】和歌山バス5.2%▽熊野交通2.5%▽有田鉄道3.6%▽明光バス1.9%▽御坊南海バス3.2%▽南海電鉄3.9%▽竜神自動車3.7%▽中紀バス9.0%▽野上電鉄3.6%(朝日新聞)
■JR西日本 5労組同席 安全対策労使協議
 JR西日本(角田達郎社長)と同社のJR西労組など5組合は14日、列車事故防止対策について合同で協議する「労使安全会議」を発足させ、大阪市北区の本社で第1回会合を開いた。JR西日本では今春、主流派組合が分裂するなど内紛状態が続いていたが、信楽高原鉄道衝突や福知山線脱線など大事故が相次いだことから、安全問題に限ってではあるが、組織的に対立する組合同士が初めて同じテーブルについた。(朝日新聞)
■遮断機6ヵ所下りっ放し JR山陰線 未明の京で
 15日午前1時50分ごろ、京都市中京区のJR山陰線二条通踏切など二条−花園間の6ヵ所の踏切で、列車が来ないのに一斉に遮断機が下り、警報機が鳴りっ放しになった。通行人らの110番通報で警官が現場に急行、連絡を受けたJR側が復旧工事にあたり、約2時間後の午前3時40分ごろ、平常に戻った。
 この間、遮断機が下りたままの各踏切は通行止めとなり、警官が車両をう回させるなど交通整理にあたったが、付近住民らから「警報機の音がうるさい」「対応が遅い」と苦情の電話が府警やJRにあったという。
 JR京都駅によると二条−花園間では、夜間列車の通らない時間帯に電気関係の工事を行っていた。(京都新聞 夕刊)
■申請通り認可 精神薄弱者のバス・タクシー運賃割引
 近畿運輸局は15日、管内のバス、タクシー事業者から出ていた精神薄弱者の運賃割引について、申請通り認可した。12月1日から実施する。
 割引率は、乗り合いバスの普通運賃が50%、タクシーが10%など。バスは近畿管内一円、タクシーは京都市域地区など4地区に適用される。
 京滋関係は、バスが京都市交通局など京都7社、滋賀4社、タクシーが京都市域の法人45社、個人2689人が対象となる。(京都新聞 夕刊)
■信楽鉄道試運転スタート
 5月14日の衝突事故以来、運休している信楽高原鉄道(本社・滋賀県甲賀郡信楽町)は、15日朝から12月の運行再開へ向け試運転を始めた。大惨事から半年、同鉄道は、悪夢に結びつく車両のカラーも一新。安全運行を誓っての”始動”の朝を迎えたが、遺族の補償交渉は解決のめども立たず、第三セクター鉄道には厳しさ増す中での再出発となる−。
 この日の試運転は、約5時間かけて、信楽駅−貴生川駅間14.7`を3往復して行われた。
 始発の信楽駅には午前8時50分過ぎ薄いベージュに若草色のラインが入ったデザインに改められた車両2両が2番ホームに入線。計器類を入念に点検した後、同9時20分、岡村孝常運転士(54)ら同鉄道社員や車両メーカーの社員ら6人が乗車。信号に代わる駅員の合図で、ひっそりとした同駅を出発した。
 事故現場で列車は1分間停車、乗務員らが犠牲者に黙とう。安全運行を誓った。
 試運転は22日まで行われ、16日からはJR西日本から派遣された3人を含む6人の運転士の習熟訓練を繰り返し行うことにしている。
・鉄道社長辞任を表明
 一方、信楽高原鉄道社長を兼ねる杉森一夫信楽町長(66)は、15日午前開かれた同町議会の全員協議会で、同社社長の辞任を表明した。(京都新聞 夕刊)
■運行再開へ試運転始める 信楽高原鉄道
 5月14日の列車衝突事故以来、運休の続いている滋賀県甲賀郡信楽町長野の第三セクター信楽高原鉄道(杉森一夫社長)は15日、運行再開に向けて試運転を始めた。
 午前9時20分、同鉄道本社のある同町長野の信楽駅を2両編成の列車が出発。車両のブレーキ操作テスト、踏切の作動状況などの確認を繰り返しながら貴生川駅に向かった。
 ともに事故で破損した車両だが、アイボリーの車体に緑のラインに塗り替わっている。緑は安全のシンボルカラーで、二度と悲惨な事故は起こすまい、との決意を込めての変更という。(朝日新聞 夕刊)
■JR西労組と統一大会へ 西日本鉄産労
 「反JR総連」の立場をとる旧国労主流派、西日本鉄道産業労働組合(西日本鉄産労、6500人)の第8回中央委員会が15日午前、吹田市内で始まった。
 JR西日本の最大労組で、JR総連から脱退した西日本旅客鉄道労働組合(JR西労組、2万9000人)からの呼びかけで合意した組織統一について、12月6日に両組合の統一大会を開くことが提案された。午後には採択される見通し。
 両組合は同5日にそれぞれ臨時大会を開いて正式な承認を得たあと、6日の統一大会に臨む方針。(朝日新聞 夕刊)
■精神薄弱者運賃割引 バス・タクシーでも
 精神薄弱者に対する運賃割引制度の新設について、近畿運輸局は15日、近畿2府4県のバスと京阪神地区のタクシーについて申請通り認可した。12月1日から実施される。割引率は路線バスが普通運賃5割引き、定期3割引き、貸し切りバスが3割引き、タクシーが1割引き。すでに鉄道や航空機については先月までに認可済み。
 認可されたのは路線バス51社、貸し切りバスが164社。タクシーは大阪府全域と京都市域(京都、長岡京、向日各市と京都府乙訓郡大山崎町)、神戸・阪神地区の314社と個人タクシー約9200台。いずれも対象区域のほぼ全部の業者だが、条例改正の関係で、高槻、伊丹、姫路各市営バスの一部が除外されている。(朝日新聞 夕刊)
16日■台湾で列車衝突 沖縄の4人死亡 村役場視察ツアー 8人が重軽傷 全死者33人に
 【台北15日共同】15日午後4時15分(日本時間同5時15分)ごろ、台湾北部の苗栗県で列車同士の衝突事故があり、現地警察の発表や地元テレビ報道などによると、33人が死亡、約100人が負傷した。列車には沖縄県の団体旅行客16人が乗っており、このうち4人が死亡、8人が負傷し、病院に収容された。
 台湾国内で団体客の世話を担当している大原旅行社によると、死亡したのは、旅行客の同県国頭郡今帰仁村(なきじんそん)、伊良波幸雄さん(50)、同、島袋満さん(41)、同県名護市宮里、渡嘉敷広栄さん(54)と旅行客に添乗していた沖縄ツーリスト職員本若直さん(33)の4人。負傷者8人のうち6人が重傷。
 伊良波さんらは、沖縄県国頭郡今帰仁村の役場職員の農業研修旅行団(職員15人、旅行者添乗員1人)のメンバーで、3泊4日の日程で13日台湾入りし、この日は高雄から台北に列車で戻る途中だった。
 事故現場は単線のため、伊良波さんら一行が乗っていた高雄発台北行きの上り列車「自強号」が待避線に入り、下り列車「呂光号」の通過を待っていた。自強号が呂光号が通過したものと誤って判断、待避線から単線に入ったところ、通過し終わっていなかった呂光号の後部に衝突、伊良波さんらの乗っていた自強号の前3両と、呂光号の後ろ4両が脱線、転覆した。
 乗客の一人は「バーンという大きな音が聞こえ、次の瞬間、ねじれた列車の座席の間に挟まれていた。救助隊に助けられました」と証言。別の女性客は「壊れた窓ガラスの破片が飛び散り、多くの乗客の顔に降りかかった」と声を震わせた。
 事故のため同線は不通となり、現場では警察官や病院関係者が懸命の救助活動を続けていた。
 【台北15日共同】台湾の警察当局などが15日明らかにした列車事故の日本人負傷者は次の通り(敬称略)。住所は全員沖縄県国頭郡今帰仁村。
 池原善治▽仲里吉徳▽田港朝茂▽玉城啓正▽新垣侃▽小波津次郎▽玉城喜久雄▽大城秀昭
・先頭車両に乗り惨事
 事故に遭ったツアーは沖縄県・今帰仁村の課長クラス以上が、台湾の花き園芸関係施設を視察する3泊4日のツアー。13日に那覇空港から空路台北入りし、台中、高雄各市の園芸施設などを視察し、16日午後、台北発那覇行きの中華航空定期便で帰国する予定だった。
 沖縄ツーリストによると、事故に遭った列車は15日午後1時(現地時間)高雄発、台北同5時29分着の特急「自強号」(10両編成)で、一行は先頭車両に乗っていたという。(京都新聞)
■信楽高原鉄道臨時株主総会 再開へ体制整う 新役員を承認 資本金の増額も
 信楽高原鉄道の臨時株主総会と役員会が、15日午後3時から滋賀県・信楽町山村開発センターで開かれ、杉森一夫信楽町長(66)の代表取締役社長辞任を承認。副社長の北川啓一氏(67)の社長昇格と、代表取締役副社長2人の新任を決め、12月上旬に予定されている運行再開に向けた新しい経営体制を整えた。また現在、2億円の資本金を4億3200万円に増額する減増資案も承認した。
 犠牲者42人を出した事故から半年が経過。遺族への補償問題と運行再開の2大事業を円滑に進めるため、専任の社長を置き、取締役を2人増やすなど経営体制を強化するのが狙い。
 役員会では社長交代のほか、林田久一水口町長(70)の副社長辞任を承認して取締役に。前信楽町助役の井上春絹専務(63)とJR西日本OBで常任顧問の河合肇鉄道主任技術者(68)の2人を代表取締役副社長に選任した。また森島慎一郎信楽町助役(61)と藤田義孝常任顧問(64)の2人を新たに取締役に選んだ。
 また、経営基盤の安定を図る減増資は、補償費に1億円を充当したあと、来年2月14日までに2回に分けて増資。内訳は滋賀県が1億円、信楽町が同町に寄せられた見舞金をもとにした事故対策基金1億円を含む2億円などで、資本金を2億3200万円増額。この結果、出資比率は信楽町52.09%(現在25.0%)、県34.49%(同49.0%)になり、信楽町が筆頭株主になる。
 北川新社長は総会後の記者会見で「重大な使命を与えてもらったと思い、遺族への補償と運行再開を最重点に全力を尽くす」と語った。
 杉森町長はこの日午前、開かれた町議会全員協議会で「今後は町長として補償問題に全力を注ぐ」と社長辞任を表明していた。(京都新聞)
■JR総連脱退を決定 旧鉄労系JR東海労組
 JR東海の最大労組、東海旅客鉄道労働組合(JR東海労組、組合員約1万4500人、明石洋一委員長)は15日午後、名古屋市で臨時組合大会を開き、上部組織のJR総連からの脱退を正式に決めた。
 旧鉄労系が中心のJR東海労組ではことし8月、労使協調の運動路線などをめぐって協調を批判する少数派の旧動労系グループとの内部対立が激化。旧動労系が分裂してJR東海労働組合(JR東海労、組合員約1300人、佐藤政雄委員長)を結成している。
 JR東海労組が今回脱退を決めたのは、JR総連がJR東海労の総連加盟を認めたことが直接のきっかけだが、根底にはスト権確立の方向を目指す総連の方針に対する反発があるとみられている。(京都新聞)
■ちびっこの絵走るぞ 京阪イベント電車
 京阪電鉄は、京滋などの小学生、幼児の図画を電車内に展示したイベント電車「ちびっこアーティスト号」を17日から24日まで出町柳−淀屋橋間に走らせる。
 8両1編成で、枚方パーク写生大会入賞作品64点を1両に8点ずつ展示。主に急行、準急で1日3−8往復運行する。展示作品には京滋の小学生が5人含まれている。
 走行に先立ち、16日午後2時40分から2時間、天満橋駅内ホームに電車を止めて展示する。(京都新聞)
■列車衝突、33人死ぬ 邦人4人犠牲、12人けが 台湾
 【香港15日=津田邦宏】15日午後4時5分(日本時間同5時5分)ごろ、台湾北西部の苗栗県造橋で、列車同士の衝突事故が発生し、乗客ら33人が死亡、150人以上が負傷した。列車には沖縄県今帰仁(なきじん)村の職員一行16人も乗っており、現地の警察当局によると、うち4人が死亡し、同村の農業委員会事務局長伊良波幸雄さん(50)らとみられている。ほかの12人がけがをして病院に運はれた。
 現場は台北の南西約80`の単線区間で、高雄発台北行きの特急「自強号」(12両編成)と台北発高雄行きの急行「呂光号」(10両編成)が衝突。自強号の後部3両と呂光号の前4両が脱線、横転した。衝撃で列車がつぶれ、多数の乗客が車内に閉じ込められたという。
 台湾の鉄道当局によると、自強号が待避線に入りかけたところで、呂光号が現場に差しかかったため、避け切れなかったという。乗客の一人は「大きな音がして、次の瞬間にいすの間にはさまれた。血だらけの人が大勢いた」と話しているという。
 今帰仁村の一行は、バナナ園など農業視察のため、台湾を訪問中の同村役場の課長ら15人と添乗員1人の計16人。旅行を企画した沖縄ツーリストによると、13日に沖縄を出発、16日に帰国する予定だった。(朝日新聞)
■JR東海も総連脱退決定
 JR東海の最大労組、東海旅客鉄道労働組合(JR東海労組、1万4500人)は15日、名古屋市内で臨時大会を開き、上部団体のJR総連から脱退することを正式に決めた。今年7月に脱退したJR西日本の最大労組、JR西労組に次ぐもので、JRグループの労使関係を支えてきた総連の組織基盤は大きく揺らぐことになった。(朝日新聞)
■杉森社長の辞任承認 後任には北川副社長 信楽高原鉄道
 第三セクター信楽高原鉄道は15日、滋賀県甲賀郡信楽町の山村開発センターで臨時株主総会と取締役会を開き、杉森一夫社長(66)=信楽町長=の辞任を承認。後任に北川啓一副社長(67)の昇格を決めた。
 杉森前社長は「補償交渉と運行再開などに、ある程度の見通しがついた。あえて社長を辞めて、町行政に没頭したい」と述べた。今後は町長の立場で、補償の財源確保などに全力を尽くしたいという。
 また、この日就任した北川新社長は、今後の取り組みについて「遺族への補償と運行再開についてそれぞれに担当の代表権を持つ副社長を置くなど、全力を尽くしたい」と抱負を述べた。(朝日新聞)
■「ガラス片降って来た」 台湾の列車衝突 衝撃、周囲は流血 負傷の乗客 ”自力脱出”覚えず
 【台北16日共同】「強い衝撃の後、列車がザザーツと砂利道に突っ込んだ感じになり、ガラスの破片が頭に降ってきた」。日本人4人を含む30人の死者を出した15日の台湾・苗栗県の列車事故で「自強号」に乗っていて、かすり傷を負っただけで助かった仲里昭一さん(64)=沖縄県国頭郡今帰仁村仲宗根=は16日未明、台北市内のホテルで事故当時の様子を語った。
 仲里さんの話によると、先頭の車両の右側座席に座っており、あと30分で台北に着き、旅もそろそろ終わりに近づいたなと思いながら、ぼんやりと窓の外を見ていたら、突然列車に強い衝撃が走った。粉々になってガラスの破片が頭の上に降り注ぎ、起きてみると周囲に血を流している人が大勢いたという。
 研修団のうち、右側に座っていた4人は比較的軽いけがで済んだが、左側座席の人は死亡、あるいは重傷を負った。
 死亡した4人の同僚のうち3人は事故後もずっと車内に閉じ込められ、鉄骨に押しつぶされて顔も確認できないほどだった、と言う。
 仲里さん自身は自力で脱出したものの「どこから(列車の)外に出たか覚えていない」と言う。
 救急車がなかなか現場に到着せず、仲里さんはトラックの荷台に乗せてもらい台北へ。「ホテルに戻ってふろに入ったら、髪にガラスの破片がたくさん混じっていてぞっとした」と語った。
・遺族ら台湾へ出発
 15日、台湾で日本人旅行者が死傷した列車事故で、死亡した沖縄県国頭郡今帰仁(なきじん)村呉我山、同村農業委員会事務局長、伊良波幸雄さん(50)ら4人の遺族ら18人は16日正午すぎ、那覇発の中華航空121便で、遺体を引き取るために台湾に向かった。
 事故に遭ったのは同村の課長会台湾農業視察団の一行16人。被害者の家族らは同日早朝、村役場前をマイクロバスで出発、那覇市内の県庁で旅券発給の手続きをした。手続きに手間取ったため同11時出発予定だった中華航空機も出発を約1時間違らせた。
 遺族は同日午後、台北市に安置されている遺体と対面した後、同日夕にも遺体と一緒に那覇に戻る予定。
・待避途中で衝突か 原因調査開始 死者は30人と判明
 【台北16日共同】日本人4人を含む死者30人、負傷者108人(台湾省鉄道局調べ)と台湾鉄道史上、最大級の惨事となった苗栗県の列車衝突事故から一夜明けた16日、現場では本格的な原因調査が始まった。
 一方、死亡した日本人4人の遺族や役場関係者は16日中に現地を訪れ、遺体と対面する予定。
 鉄道局のこれまでの調べでは、単線となっている造橋−豊富間で、下りの列車「呂光号」が待避線に完全に入らないうちに、高雄発台北行きの上り列車「自強号」がスピードを落とさず走ってきて衝突したとの見方が有力になっている。
 事故の死者は一時33人と伝えられていたが、鉄道局のその後の調べで、30人と判明した。
 沖縄県国頭郡今帰仁村から研修旅行のため台湾に来て自強号に乗車、事故に巻き込まれた16人のうち、けがをした11人は、苗栗県の頭分砿工医院に9人、省立苗栗病院に2人が分散収容され、手当てを受けている。
 日台民間交流の日本側窓口機関、交流協会台北事務所によると、負傷した11人のうち重傷者は3人だが、生命に別条はないという。
 李登輝総統、赤柏村・行政院長(首相に相当)ら台湾指導者は事故の後、直ちに関係部門に対し、事故処理に全力を挙げるよう指示。連戦・台湾省主席が15日夜、各病院を訪れ負傷者を見舞った。
 今後は遺族との補償交渉などが一つの焦点となるが、台湾鉄道法の現行規定(死者については1人当たり補償金80万元=約400万円)があまりに安過ぎるとの声も出ている。(京都新聞 夕刊)
■ギフト券900万円分盗難 JR旅行センター 58枚がすでに交換
 JR西日本四条畷旅行センター(大阪府大東市学園町1ノ50、村井治行所長)で、「WENSギフトカード」187枚(計935万円相当)が盗まれていたことが分かり、曽根崎署は16日までに、窃盗事件として捜査を始めた。
 調べによると、盗まれたのはいずれも、最高額面の5万円券で、6月3日から7月3日の間に、同センター内のキャビネットから無くなった。
 このうち28枚が7月11日、JR大阪駅構内の大阪旅行センターに持ち込まれ新幹線エコノミー切符と交換されたほか、7月10日に10枚、12日に20枚が大阪旅行センターに持ち込まれ、同様に新幹線エコノミー切符と交換されていた。
 持ち込まれたギフトカードの裏面に発売所と日付のスタンプがなかったことから、盗難と分かり同署に届け出た。同署は内部の事情に詳しい者の犯行とみて調べている。(京都新聞 夕刊)
■台湾列車事故 「のんびり旅行」暗転 遺族らきょう現地入り
 15日午後、台湾・苗栗で起きた列車事故は、救出作業が進むにつれ、続々と死傷者が確認され、現地の警察によると、16日朝までに30人が死亡し、108人が重軽傷を負ったことがわかった。衝突した列車に乗っていた沖縄県今帰仁(なきじん)村の職員ら16人は、同村農業委員会事務局長の伊良波幸雄さん(50)のほか3人が死亡、12人がけがをした。救出作業は16日朝まで続けられ、日本人遺族は同日午前、現地に向かった。
 【香港16日=津田邦宏】伊良波さんのほか、亡くなったのは、同村の渡嘉敷広栄さん(54)、島袋満さん(41)、沖縄ツーリストの添乗員本若直さん(33)。嘉陽重芳さんが頭を打ち重傷という。
 台湾の鉄道当局などによると、現場は豊富という小さな貨物駅の構内。台北発高雄行き急行「呂光号」が現場を通過しているところへ、待避線で通過待ちしていた高雄発台北行き特急「自強号」が本線に入って来たため、衝突したらしい。
 ポイントの切り替えミスや信号故障などがあったかどうかなどについて、調べている。
 今帰仁村の一行は、自強号の先頭車両に乗っていた。車両は線路わきの斜面に突っ込み、客車の右半分は屋根が押しつぶされ、窓ガラスが割れて車内に飛び散った、という。自力で窓から脱出したり、地元の救助隊に助け出されたりしたが、現場は混乱していて、邦人同士も安否が確認できない状態だった。
 メンバーの1人で、15日深夜、現場から台北のホテルに着いた同村元職員仲里昭一さん(64)は、朝日新聞の電話に答え、事故の模様を、生々しく語った。
 突然、「ザザザー」という音がして列車が砂利の上を走っているような感触になり、その直後に脱線した。仲里さんは、割れた窓から脱出。列車の外では、頭や顔を血だらけにした乗客がうずくまっていた。間もなく、線路近くの住民がかけつけ、窓ガラスを割って、車内の乗客を次々と助け出し、担架や板を使って運んでいたという。
 仲里さんは「列車に乗る前に、伊良波さんたちと『4時間の列車の旅。のんびり行こう』と話し合っていたのに」と声を震わせていた。
 【香港16日時事】台湾の列車事故は16日午前までに、死者35人、負傷者115人となった。(朝日新聞 夕刊)
■JR旅行券935万円盗難 四条畷旅行センター
 大東市学園町のJR四条畷駅構内にあるJR西日本四条畷旅行センター(村井治行所長)から今年7月に、額面5万円の旅行券「WENSギフトカード」187枚(935万円相当)が紛失し、一部がJR大阪駅で新幹線切符に交換されている事が16日分かった。届けを受けた大阪府警曽根崎署は盗難事件として捜査している。
 調べによると、7月11日、JR大阪駅構内のJR大阪旅行センターで、客が5万円の旅行券28枚(140万円相当)を持ち込み、新幹線の回数券(エコノミー切符)5冊と交換した。職員が後で調べると裏の発行所印や日付け印がないため、JR本社に連絡、四条畷旅行センターに配布した未発売の券と判明した。この28枚を含め、5万円旅行券全部計187枚が紛失していた。
 翌12日にも、大阪旅行センターに大阪市中央区内の金券ショップ業者が同様の旅行券20枚を持ち込んで来たため、同署が調べたところ「若い男性が金券ショップに持ってきたので、14%引きで20枚だけ買った」と答えたという。(朝日新聞 夕刊)
■8日に運行再開 信楽鉄道 滋賀県・運輸省に要請
 滋賀県議会の信楽高原鉄道列車事故対策特別委(西村政之委員長)が、16日午前開かれ、県の花房義彰生活環境部長は同鉄道の運行再開について「来月8日再開で運輸省に要請している」と、初めて再開日を明らかにした。同日再開となれば、5月14日の事故以来、208日ぶりの運行となる。
 同鉄道は信楽町で開催されていた世界陶芸祭のため乗り入れていたJR列車と正面衝突、42人死亡、負傷者649人を出して以来、運休している。この間、通勤・通学者のために代替バスを運行していたが、路面凍結が心配される冬季を迎え、運転再開を望む声が出されていた。
 この日の特別委では冒頭、花房部長が報告に立ち「軌道、信号の整備など通行再開準備は25日に完了する」と説明。これを踏まえ「今月末に保安監査を終了し、来月8日から運行再開できるよう運輸省に要望している」とした。
 再開時期について会社側は当初、来月1日を想定して準備を進めていたが、JR西日本から新たに派遣された運転士らによる試運転がさる15日から始まったことや、運輸省近畿運輸局の保安監査が27、8日ごろに予定されることなどから、会社側は県とも協議し「8日再開」で運輸省の了解を求めることになった。
 また、特別委では開会に先立って、15日の同社臨時株主総会、取締役会で交代した北川啓一・新社長と杉森一夫・前社長(信楽町長)があいさつし「県民、国民から寄せられた支援にこたえるよう全社一丸となって(遺族補償など)問題解決に全力を挙げたい」(北川氏)、「社長は辞任したが町長として責任は果たしていく。23日から再び遺族宅を訪問し私の気持ちをお伝えしたい」(杉森氏)とそれぞれ決意を述べた。(京都新聞 夕刊)
■旧運賃の回数券 買いこんで自衛 20日から私鉄値上げ 袋入りで売る駅も
 関西私鉄5社による平均13.2%の運賃値上げを20日に控え、旧運賃で買えて値上げ後も3ヵ月間有効の回数券の人気が高まっている。京阪神の主な駅では、まとめ買いする人たちも出ており、値上げ自衛策で高まる利用者の回数券需要にこたえるため、各私鉄では、駅長室にまとめ買い用のカウンターを設けたり、値上げ前後の回数券を駅員が見間違えないよう印刷の色を変えるなど準備を始めた。
 回数券は各社とも10枚分の値段で11枚買える。例えば値上げ前に初乗り100円(1枚当たり約91円)の回数券を買えは、値上げ後は新初乗り運賃120円の切符として3ヵ月間有効で、実質29円の節約になる。
 阪急と阪神は全駅が自動改札になっており、回数券は自動券売機でばらばらに買えるが、まとめ買いをする人のために、阪急では主な16駅で11枚を袋入りで販売している。阪神も券売機と別に、まとめ買い客用に18、19両日、梅田、三宮の両駅で袋入り回数券を用意、発売する。
 近鉄、南海、京阪の回数券はプリペイドの磁気カード式と旧来の一連式(紙製)との2通りを併用している。磁気カード式回数券は乗車の都度券売機に入れて切符を買う仕組みで、値上げ前に100円回数券を買っておけば、値上げ後券売機に入れると120円券が出てくる。
 一連式は、南海と京阪では金額だけを印刷している。値上げ前後の区別を駅員がやりやすいよう、値上げ後は他の色を緑から黄などと変え、旧運賃で行ける区間は差額を取らないようにする。近鉄の一連式は駅名を1枚ずつ印刷しているので、新回数券の方の金額表示をスタンプで訂正して売り出すという。(朝日新聞 夕刊)
17日■台湾列車事故 遺族ら悲しみの対面 遺体、きょうにも帰国へ
 【台北16日共同】日本人4人を含む死者30人、負傷者108人を出し、台湾鉄道史上、最悪の惨事となった苗栗県の列車衝突事故で死亡した沖縄県国頭郡今帰仁(なきじん)村呉我山、同村農業委員会事務局長、伊良波幸雄さん(50)ら日本人4人の遺族は負傷者の家族らとともに16日、空路台湾入りし、4遺体と悲しみの対面をした。
 台湾当局の配慮で日本人の4遺体だけ台北市内の第一葬儀館に安置され、騒けつけた遺族が対面をし、遺体を確認した。日台民間交流の日本側窓口機関、交流協会台北事務所によると、遺族は17日にも遺体とともに沖縄に戻る予定。
 一方、台湾交通部は16日、事故調査に当たっている台湾鉄道管理局運行保安委員会に対し10日以内に事故原因について「結論」を出すよう要請、検察当局も独自調査を開始した。高雄発台北行きの上り列車「自強号」が下りの「呂光号」に衝突した原因については@自動列車停止装置(ATS)の故障A自強号のブレーキ系統の故障B同号の運転士が規定を無視して減速しなかった−などが挙げられている。
 交流協会によると、負傷した日本人11人のうち3人が重傷だが、嘉陽重芳さん=今帰仁村仲宗根=は頭を強打しており、病状が懸念されている。嘉陽さんらの家族らがこの日午後、入院先の苗栗県の頭分砿工医院へ向かい、負傷者と面会した。また軍人出身の都柏村・行政院長(首相に相当)が事故現場を視察、病院に負傷者を見舞った。
 現場は急ピッチで復旧作業が行われ、同日午後3時半(日本時間同4時半)すぎ、丸1日ぶりに開通した。(京都新聞)
18日■普通電車に 乗用車接触 JR桜井線
 17日午後8時40分ごろ、天理市檪本町のJR桜井線筒井街道踏切で、王寺発奈良行きの普通電車(2両編成)が、三重県久居市牧町、中京大4回生松本博司さん(21)運転の乗用車に接触、電車最前部の一部と乗用車の後部が壊れた。松本さんと同乗者は逃げて無事で、乗客25人にもけがはなかった。電車は現場に24分停車し、後続の1本が約10分遅れた。
 天理署の調べでは、乗用車が幅約4bの踏切内で対向車とすれちがった際に警報機が鳴り始めた。しかし片側いっぱいに寄っていたため、踏切向う側の石垣がじゃまになったらしい。(朝日新聞)
■ATS故障と運転士ミスか 台湾列車事故
 【台北17日=蝶名林薫】台湾北部で起きた列車衝突事故で、台湾の鉄道当局は17日記者会見し、自動列車停止装置(ATS)が故障したうえに、特急「自強号」の運転士が信号を見落として適当な速度に減速しなかったことが、事故の原因である可能性が高いと発表した。
 現場は単線で行き違う列車を待避させるため約800bにわたって複線になっている。鉄道当局によると、北進していた自強号は複線開始地点にある注意信号で適当に減速しなければならなかったが、運転士がこの信号を見落とすなどして減速を怠り、時速約85`で直進。次の赤信号や待避線に進入中の「呂光号」を見つけて、あわてて急ブレーキをかけたものの、間に合わなかったとみられる。(朝日新聞)
■JR幹部が弔問の約束 信楽事故
 滋賀県の信楽高原鉄道列車衝突事故で犠牲となった42人のうち20人の遣族で作る「遺族の会」(吉崎俊三世請人代表)に対するJR西日本と信楽高原鉄道会社の2回目の説明会が17日、大阪市北区のサンケイビル会議室であり、遺族ら43人を含む約80人が出席した。説明会で井澤勝JR西日本常務ら役員が近く全遺族宅を弔問に回ることを初めて約束、また15日に社長を交代したばかりの信楽高原鉄道の北川啓一、杉森一夫、新旧社長も12月上旬の運転再開までに遺族宅を回り再開への理解を得たいと話した。(朝日新聞)
■出発信号機に異常 電車1時間立ち往生 JR奈良線玉水駅
 18日午前9時55分ごろ、京都府綴喜郡井手町井手辻垣内、JR奈良線玉水駅で、奈良発京都行き普通電車が発車しようとしたところ出発用信号機が赤のまま動かなくなった。このため同電車は発車できず同駅構内で停車、約1時間後に復旧した。この影響で上下5本が1時間−2分遅れたほか、上下4本が運休、1500人の足が乱れた。(京都新聞 夕刊)
19日■私鉄あすから一斉値上げ
 関西と関東の大手私鉄13社は、20日から運貨を値上げする。値上げ率は普通と定期の全社平均で13.8%、初乗り運貨は10円または20円のアップで、1984年1月以来7年10ヵ月ぶりの関東、関西一斉値上げとなる。
 値上げするのは、関西では近畿日本鉄道、南海電気鉄道、京阪電気鉄道、阪急電鉄、阪神電気鉄道。値上げ率は普通運貨の平均が11.0%、定期運賃の平均は17.4%。
 混雑緩和のための設備投資による負担増が値上げの主な理由であることから、特に通勤定期の値上げは18.0%とほぼ申請通りとなった。(京都新聞)
■JR3 社初の中間配当 清算事業団に206億円
 JR東日本の住田正二社長は18日の記者会見で、今年9月中間決算でJR発足後初めて中間配当をすると、表明した。旧国鉄時代の26兆円以上の債務を抱える国鉄清算事業団の債務返済に協力する。配当率は5%で、JR株式を全部保有する同事業団にはJR東日本から100億円が年内に支払われる。東海、西日本の両社も5%の中間配当実施を表明しており、東海の56億円、西日本の50億円と合わせ、清算事業団には3社から206億円の配当金が入る。(朝日新聞)
■信号機が故障ダイヤ乱れる JR奈良線
 18日午前9時56分ごろ、綴喜郡井手町井手、JR奈良線玉水駅で、信号機が赤のまま変わらないため、奈良発京都行き普通電車(4両編成)が発車できなくなった。午前10時53分に復旧したが、この電車を含め上下計5本が60分から2分遅れ、計4本が運休、約1500人に影響がでた。(朝日新聞)
■「シュプール号」予約 大阪駅に情報プラザ
 JR西日本が信州、上越、羽越方面のスキー場に運転するスキー専用列車「シュプール号」の紹介や予約受け付けのほか、各スキー場の積雪情報を知らせる「スキープラザ」が19日、JR大阪駅中央コンコースにオープンした。
 シュプール号は12月19日から3月末まで関西各地から毎日運転、2月までの予約を受け付け中で、すでに約64%の座席が予約ずみという人気だ。(朝日新聞 夕刊)
20日■定期券窓口に列 私鉄運賃値上げ 利用者が自衛策
 20日の大手私鉄運賃値上げを前に、京都市内の京阪、阪急、近鉄各ターミナルでは19日、安いうちに定期券を買おうという利用者の列ができた。
 今回の値上げで、定期の割引率は全国平均で通勤が現行46.9%から43.4%に、通学が80.8%から80.2%に、それぞれ引き下げられる。
 京阪四条駅では、午後5時ごろから窓口に列ができ始め、多い時には60人ほど。駅側は窓口職員を1人増やして対応、さらに2人が窓口前に立ち、乗客の「あと1ヵ月残ってるけど、捨てて半年分買った方が得?」といった質問に汗だくで電卓をたたいていた。
 八幡市から通う若い京都市職員は「サービス面で何も変わらないのに値上げは納得できないが、利用者にはこの程度しか自衛策がない」と、20日間以上残して半年間の定期を求めていた。
 各駅では最終電車出発後、切符売り場の運賃表を新しいものに取り換え、移行に備えた。(京都新聞)
■京都駅高層化ホテル入居 「高さ」見直さず JR西日本副社長 「理解は得られる」
 JR西日本の井手正敬副社長は、19日の定例記者会見で、京都仏教会が改築後の京都駅に入居するホテルも拝観拒否の対象にする可能性があるとみられる問題について、「(京都駅高層化とホテル入居は)地元の理解が得られると思う」と述べ、高さ問題など改築計画を見直す意向のないことを強調した。
 井手副社長は、京都駅高層化や入居ホテルなどに関し、京都仏教会からはこれまで何の申し入れもないとしたうえで、「(万一、拝観拒否されると)つらいなあという感じ」と話した。
 京都駅は平成6年度をメドに高さ約60bに改築を予定。新駅ビルの東側高層部分にホテルが入ることになっている。一万、京都仏教会は今月1日、京都ホテルと系列施設の宿泊客の拝観を12月1日から拒否すると発表。その席で、京都駅についても高層階にホテルが出来れば何らかの対応をとらざるを得ないとした。
 また、信楽高原鉄道列車事故の「犠牲者遺族の会」が補償交渉の席にJR西日本の角田達郎社長の出席を求めている点について、「どういう意味で出席を求められるのか分からない。JR側にも事故責任があったと、はっきりさせろということなのだろうか」と述べ、従来方針通り、社長出席は受け入れないとした。(京都新聞)
■いっせいに新運賃表 関西私鉄きょう値上げ
 関西の大手私鉄5社(阪急、阪神、近鉄、京阪、南海)の値上げを20日に控え、私鉄各社は、新運賃表や自動券売機の付け替えに未明まで追われた。
 5社のうち345駅と駅数の最も多い近鉄は、運賃表が830枚、券売機が983台もあるため、17日から3日がかりの付け替え作業。19日の終電までは旧運賃を書いた紙を新運賃の上から張り付け、終電後に一斉に紙を撤去する方法を採った。逆に阪急や南海は主な駅だけは20日未明に付け替えたが、大部分は旧運賃表の上から新運賃表の紙を張り、1、2週間かけて徐々に付け替えていく。阪神と京阪は19日から20日朝にかけてすべて取り換えた。駅の定期券売り場には19日夕から長い列ができ、窓□の時間を延長した。(朝日新聞)
■愛称チンチンバス レトロ調京都市バス
 京都市交通局が市バスへの乗客呼び戻しをねらい運行する「レトロ調バス」の愛称が20日、公募の結果「チンチンバス」と決まった。
 今年9月4日から25日まで募集したところ、3480通の応募があった。
 古都(377通)、みやび(224通)、チンチンバス(195通)、みやこ(143通)、平安(139通)の5つが上位を占めたが、交通局に選考委員会を設け審議した結果▽レトロ調バスは昔の京都市電をイメージしてデザインしている▽市電は廃止されるまで「チンチン電車」として親しまれた▽語呂(ごろ)がよく、呼びやすい−などの理由から「チンチンバス」に決まった。
 また「チンチンバス」に投票した人の中から抽選で京都市上京区今出川通七本松西入ル、高校講師長谷川小四郎さん(41)が入選者に、また残念賞10人が決まり、近く賞金、商品が贈られる。
 レトロ調バスは、清水寺や円山公園、岡崎公園などの東山方面の観光地を結び、3台運行を計画。現在、メーカーで製作の最終段階に入っており、来年1月上旬にまず1台が導入される。(京都新聞 夕刊)
■コインロッカーでえい児の遺体発見 JR京都駅
 20日午前9時40分ごろ、京都市下京区のJR京都駅構内コインロッカー事故荷物保管庫で、ポリ容器に入れらたえい児の遺体を係員が発見した。
 七条署の調べでは、えい児はタオルでくるまれたうえに、ポリ容器に入れられ、黒色ビニール袋に包まれていた。死後かなりたっており、男児と判明。同署は死体遺棄事件として捜査している。
 ポリ容器は、京都駅烏丸中央口東側のコインロッカーに今月10日に保管されていた。3日間の期限切れ後、ロッカー会社が事故荷物保管庫に保管していた。(京都新聞 夕刊)
■暴走列車が高速道突入 80人死亡、40人けが メキシコ
 【ニューヨーク19日共同】メキシコ市からの報道によると、メキシコ南部のプエブラ州テワカン市郊外で19日、暴走してきた貨物列車(12両編成)が脱線、ハイウェーに突っ込み、走行中のバスや乗用車と衝突する事故が発生した。メキシコ赤十字当局者によると、この事故で約80人が死亡、約40人が負傷した。
 地元警察当局の調べによると、この貨物列車はブレーキが利かず、これに気付いた運転士が飛び降りた後、無人のまま傾斜の急な線路を数`暴走して脱線した。大部分の車両がハイウエーに乗り上げる形となり、少なくとも走行中のバスや乗用車15台が列車の下敷きとなった。
 警察当局は押しつぶされた車の中から50人の遺体を収容したが、現場周辺には貨物列車が運搬中だったセメントや穀物類が大量に散乱、救助作業は難航している。犠牲者の中には、現場近くの学校の生徒も含まれている。
 現場はメキシコ市の南東約250`で、貨物列車はプエブラ州北部のシウダドセルダンからテワカンに物資を運ぶ途中だった。(京都新聞 夕刊)
■米でも貨物列車転置 弾薬積み、避難命令
 【ニューヨーク19日共同】米ケンタッキー州ルイビル南方ソルトリバーの鉄橋で19日午後(日本時間20日未明)、通過中の貨物列車(26両編成)が脱線、転覆し、うち15両が川に転落した。貨物の一部に弾薬など爆発物や化学物質が含まれており、爆発の危険があるため、地元シェパードビルの住民約4800人に避難命令が出された。
 警察当局によると、死傷者はこれまでのところ報告されていない。当局者によると、全車両が脱線した。(京都新聞 夕刊)
21日■JR東海労、スト権確立 来月上旬 新幹線ダイヤ混乱も
 旧動労系のJR東海労働組合(JR東海労、佐藤政雄委員長、約1300人)は20日、ストライキ権確立のため実施した組合員全員投票の開票を行い、94.57%の圧倒的多数の賛成でスト権を確立した。JR総連の加盟組合がスト権を確立したのは初めて。
 JR東海労はこの日午後、名古屋市内のホテルで開いた拡大代表者会議で開票結果を報告。佐藤委員長が「高率の支持を踏まえ、会社側に譲歩を迫る。ストをやるかどうかは、会社側の態度にかかっている」と、対応次第ではスト権行使を辞さない構えを示した。
 この後、各地方本部の代表者らが今後の交渉戦術などを検討。25日に中央闘争委員会を開いて基本戦術を決めるが、ストを実施する場合は12月上旬になるとしている。これに対し、JR東海の会社側は「JR東海労から通告がないので何も言えない」としているが、事態の展開に神経をとがらせている。
 JR東海労は、東海道新幹線の運転士職場では約780人のうち約320人(41%)を占めており、新幹線でストを実施した場合、ダイヤが混乱する事態も予想され、今後労使間の駆け引きが激化しそうだ。(京都新聞)
■エイズ予防ポスターに”待った” JRなど ヌード、避妊具に難色
 エイズ予防の啓発運動を進めているエイズ予防財団(理事長・小沢辰男元厚相)が、感染防止に有効なコンドームと女性のヌードをデザインしたポスターを作製、JRと営団地下鉄に駅構内での掲示を申し入れたところ「ヌードに加えコンドームまでとは、とんでもない」と拒否され、欧米並みのストレートな表現で予防を訴える財団の作戦が思わぬ障害に行き詰まっている。
 問題のポスターは、12月1日の「世界エイズデー」に向け作製中の2種類のうちの1枚。コンドームの中に全裸の女性が立つカラー写真に「薄くても、エイズにとっては じゅうぶん厚い」とのキャッチフレーズが日本語と英文で書かれている。
 JR東日本は「女性のヌードは駄目。大人気の宮沢りえ写真集の広告だってお断りした。コンドームに至っては。まして子供たちも利用する場所だし…」と拒否。営団地下鉄も広告規定に触れるとして断った。
 財団は「日本のエイズは異性間の性的接触による感染が一番多い。エイズ予防にはコンドーム使用が最も有効な方法だ」と、ポスターの狙いを説明する一方、「ストレートな表現が時期尚早というなら、ことしは断念せざるを得ないかもしれない」と話している。(京都新聞)
■積雪へ、備え万全に JR福知山支社 ラッセル車試運転
 JR福知山支社は20日、同支社管内の山陰本線、播但線でラッセル車の試運転を実施、冬本番を前に線路、車両を点検した。
 来月1日から冬季体制に入るため、円滑な輸送ができるよう、28日まで管内の山陰線、播但線、舞鶴線で計16本、636.6`の試運転を行う。
 この日は山陰本線の福知山−和田山間、和田山−豊岡間、播但線の和田山−寺前間往復の計4本、試運転を行い、車両の両端に取り付けられた除雪用ウイングの開閉、フランジャーの上げ下げなどをチェックした。昨冬は2月下旬に福知山−豊岡間を中心に4回出動、今年も2月に季節風の強まりで一時大雪が予想されている。
 これに対応して同支社は2bの除雪能力がある複線用のラッセル車1両を福知山運転所、単線用2両を豊岡鉄道部に配置するほか、モーターカーロータリー(除雪能力1b)7両、モーターカーラッセル(同30−50a)を各駅に配置、鉄道部、関係駅区ごとに雪害対策会議を開き、沿線住民に除雪の協力を求める。(京都新聞)
■JR東海労組 スト権を確立
 東海道新幹線の運転職場で大きな勢力を持つJR東海労働組合(JR東海労、佐藤政雄委員長、約1300人)は20日、94.57%の高率でスト権を確立した、と発表した。具体的戦術は25日に決めるが、12月上旬に東海道新幹線を含めてストを構える公算が大きい。(朝日新聞)
■鉄道を再建ヘ タイ・カンボジア間
 【バンコク20日=脇阪紀行】タイの国営鉄道当局者は20日、タイ北東部の都市アランヤプラテートとカンボジア国境の町ポイペトの間を結ぶ鉄道を再建する計画を明らかにした。
 両国間はかつて鉄道で結ばれていたが、内戦と両国間の領土紛争のあおりで60年代に国境部の約6`bの線路が破壊された。再建計画はカンボジア和平の実現を受けた動きで、国営鉄道当局は今週から現地で調査を始めた。タイとしては将来、アンコールワットなどへの観光や経済交流に役立てたい考えだ。(朝日新聞)
■死者36人に メキシコ列車事故
 【テウアカン(メキシコ)20日=AP】メキシコ中南部のテウアカン市郊外で起きた貨物列車脱線事故による死傷者は、現地の情報では20日現在、少なくとも死者36人、負傷者41人にのぼり、メキシコ国内では過去最悪の列車事故となった。(朝日新聞)
■青鉛筆
 京都市の観光地に、来年1月から「チンチンバス」が走る。名の通りのレトロ調バスで、清水寺など観光地が集中する東山方面で、乗り合いバスに交じって運行する。
 同名前は、3480通の応募の中から交通局が選んだ。「牛車」「御所車」などもあったが、その昔、日本で初めて京都市に導入された路面電車をイメージしたデザインにぴったり、というので「チンチンバス」に。
 一足先に運行している神戸市バスの愛称は「シティー・ループ」。「神戸の方がオシヤレ」という声に、交通局は「古都に似合うのはちょつと古風なうちのネーミング」と自信満々。さて、この名前で「商売下手」の汚名が返上できるかな。(朝日新聞)
■終電車と接触 保線車が脱線 JR片町線田辺駅構内
 20日午後11時50分ごろ、京都府綴喜郡田辺町田辺久戸、JR片町線田辺駅構内の同駅から北約200b付近で、線路の補強修理工事に向かっていた綴喜郡田辺町薪岸ノ下、淵工業のダンプトロッコといわれる保線作業車=中野裕隆運転手(24)=と同駅に入ろうとしていた最終電車の木津行快速電車(4両編成)が接触した。保線作業車は約25bはねとばされて脱線。快速電車はフロントの窓ガラスが割れ、前部を小破した。
 この事故で、保線作業車の中野運転手が顔や肩に軽傷を負ったが、快速電車の乗客26人にはけががなかった。また、快速電車は25分遅れで木津駅に向かった。JR西日本では、脱線した保線作業車の撤去作業などを行い、21日の始発電車には影響がなかった。
 田辺署の調べでは、保線作業車が引き込み線から1番線(下り、片町方面行き)に出て、工事現場に向かっていたが、2番線(上り)の快速電車の接近に気づいて、引き込み線へ向けてバックしたものの間に合わず、接触したらしい。(京都新聞 夕刊)
■飲み会 長居できそう!? バス5社 深夜運行を改善 枚方→香里 15分繰り下げ 停留所を増設 大阪・キタ ミナミ発
 忘年会シーズンを前に、午前零時過ぎに郊外の駅と大規模団地間を結ぶ「深夜バス」が大阪府内では初めて枚方市で新設される。また終電後の大阪キタ・ミナミの盛り場から郊外へ向かう「深夜急行バス」の到着停留所が増える。バス会社5社の申請を近畿運輸局が21日認可したもので、二次会、三次会までちょっぴり長居できそうだ。
 枚方市で深夜バスを走らせるのは、京阪バスで、12月3日から、京阪枚方市駅南口午前零時10分発の香里団地行きを新設する。平日運行で料金は通常の2倍の380円。淀屋橋発の最終急行の到着に合わせ、現行の最終バスより15分繰り下げた。
 香里団地は約2万3000人が住み、深夜タクシーなら約1500円かかる。時には1時間も列を作って待たねばならない。同団地に住む余社員の男性(30)は「大歓迎です。寒い所で待たずにすむし、安いしね」。
 一方、同駅に乗り入れているタクシー7社は反対の要望書を運輸局に出した。最大手の大阪トンボ交通は「最終急行で降りる客の約6割が香里団地行き。これがごっそりバスに取られるのは痛い」と話している。
 大阪・キタから池田・川西方面へ阪急バスが、ミナミから、泉北ニュータウンヘ南海電鉄が、富田林方面へ近鉄が、奈良へ奈良交通が、それぞれ運行を始めたのは去年12月。いずれも盛り場を午前零時半−1時に出発、料金は2200−3500円。やや割高だが、タクシーと比べれは3−4分の1ですむ。
 ところがこの1年間の実績は定員5、60人のバスに平均20人足らず。平均でわずか5人という社も。そこで1年を機に、利用者の意見を聞き、22日から降りられる停留所数を増やす。阪急バスは29から39ヵ所に、奈良交通は27から55ヵ所に。約1`おきの停留所だったが、500−700bおきにきめ細かくなり、家まで寒空を歩く道のりがちょつぴり短くなる。(朝日新聞 夕刊)
■精神薄弱者も割引 来月から 旅客船・フェリー運賃
 大阪、京都、和歌山、滋賀、福井の2府3県にある海運会社33社から申請されていた精神薄弱者に対する旅客船、フェリーの運賃割引制度が21日、近畿運輸局から認可された。12月1日からの実施で、精神薄弱者も身体障害者と同じ割引を受けられるようになる。
 認可によると、第一種精神薄弱者の場合、旅客運賃、急行料金、座席指定料金、寝台料金などが本人、介護者とも5割引き、定期旅客運賃が両者とも3割引きになる。第二種精神薄弱者の場合、片道101`以上の利用時に限り、2等旅客運賃、急行便の1等旅客運賃と急行料金が5割引きになる。(朝日新聞 夕刊)
■保線作業車 快速と衝突 JR片町線 田辺駅で深夜
 20日午後11時50分ごろ、京都府綴喜郡田辺町田辺、JR片町線田辺駅の構内で、軌道上を走る同町薪、淵工業の保線作業用トラック=中野裕隆運転手=と、片町発木津行き快速電車(4両編成)が衝突した。トラックは約25bはね飛はされて大破、中野運転手が顔などに軽いけがをした。電車は現場に28分間停車したが、乗客26人にけがはなく、後続の電車にも影響はなかった。
 田辺署の調べでは、現場は駅ホームから北へ約150b付近で、別々の線路を走っていた電車とトラックが車両接触限界点を越えたため、両方の前部が衝突した。中野運転手が電車の通過を知らせる合図がすでにあったと間違えて進入したのではないかとみて事情を聴いている。(朝日新聞 夕刊)
22日■15分長く遊べる? 阪急京都線ダイヤ改正
 阪急電鉄は、22日から京都線のダイヤを改正する。深夜時間帯の電車を増発したり、最終電車の発時刻を繰り下げるなど乗客サービス向上を目指す。
 このうち、京都関係は、平日ダイヤで午後10時台の河原町発梅田行き急行を1本増発し、現行20分間隔の急行を15分間隔にする。同11時台でも梅田発河原町行き急行と梅田発桂行き普通を各1本増やし、急行、普通とも20分間隔から15分間隔になる。これと連動して梅田発河原町行きの最終急行が、現行より15分繰り下がり、同11時45分になる。このほか、深夜の普通列車の延長運転や発時刻の繰り下げなども行う。
 日祝日ダイヤはほぼ現行通りだが、一部、発着時刻が変わる。(京都新聞)
■JR駅改築円滑に 府会委知事答弁
 荒巻禎一京都府知事は21日開かれた府議会決算特別委員会で、京都ホテル高層化計画の設計変更に関連して、JR京都駅の改築について「京都のランドマークにふさわしい建物であり、改築計画が円滑に進むよう期待する」と述べた。
 徳本弘委員(自民)が「仏教会が口を出すのはおかしい。JR京都駅改築計画への影響をどう考えるか」とただしたのに答えた。
 この中で、荒巻知事は20日の京都ホテルと京都仏教会の合意について「ニュースで初めて知った。双方でどのような協議があったか、まったく存じていない。唐突な感じがした」と、戸惑いを示した。
 そのうえで同知事はJR京都駅の改築については「国際的なコンペで、世界的な建築家による最高水準の英知を結集し、慎重、入念な審査をした結果選ばれた。多くの人のコンセンサスを得る形で、改築が円滑に進むよう期待している」と述べた。
 さらに「駅改築はホテル、デパートが前面に出ているが、国際都市の玄関、平安建都1200年記念事業として京都のランドマークになるよう協力していく」と答弁した。
 高橋昭三委員(共産)は「(駅の高層化は)景観破壊だ」として、改築計画の再検討を迫った。
・予算編成で要望 社会党・社民クラブ
 京都府議会の社会党・社民クラブ(山脇闊団長)は21日、1992年度府予算編成について荒巻禎一知事に対し、地方自治を守り発展させることを基本に第4次府総合開発計画の推進など63項目を要望した。
 主な要望としてはJR山陰本線の複線電化促進、府北部、南部への社会保険事務所の設置、伏見港開設400年に向けた整備促進のほか、府独自の植樹祭の実施、高校中退者をなくすための制度改善、部落解放基本法の制定促進、暴力団対策の強化などを求めている。(京都新聞)
■駅ビルの高さ質問が集中 出店計画説明会
 JR京都駅ビル改築計画の商業施設出店計画説明会(京都消費者団体連絡協議会主催)が21日、京都市中京区の市消費生活センターで消費者約30人を対象に開かれ、京都駅ビル開発の谷口紀久取締役企画部長、ジェイアール西日本伊勢丹の近藤隆士取締役開発部長らが駅ビル改築計画と商業、ホテル施設について説明した。同駅ビル開発の商業・消費者団体への説明会はこれで13団体のうち11団体を終えた。
 説明会では、京都ホテルの60b改築計画の見直し発表の直後とあって、出席の消費者から駅ビルの高さの59.8b計画に質問と批判が集中。「現行規制を守って計画するべきでないか」「京都ホテルが高さを見直さなければならなくなったように京都の事情を認識する必要がある」「公開討論会を開くべきだ」などの指摘が相次いだ。
 これに対して、谷口部長らは「府、市、京都議農所、JR西日本の改築協議会の実行計画でシンボリックなものを建てるように指示をいただき、コンペで高さをフリーにした」「合法的に進めていく」と述べ、平行線をたどった。(京都新聞)
■駅ビル事前説明会 「高さ」めぐり議論 消団連・60b級建物は違法/開発会社・京都の魅力を増す
 JR京都駅改築後の建物に入る商業施設の内容について建設主体の「京都駅ビル開発会社」(井手正敬社長)などが紹介する事前説明会(京都消費者団体連絡協議会主催)が21日、下京区の市消費生活センターであった。新駅ビルは、計画通り完成すれば高さ約60b。高層ビルを計画していた京都ホテルが、京都仏教会の反対運動で計画見直しに追い込まれたばかりでもあり、高さ問題について質問が相次いだ。
 同開発会社は9月、新しい駅ビルの中核店舗となるデパートの出店計画概要を近畿通産局に提出、正式に出店表明した。京都商工会議所の商業活動調整協議会などが指示した13団体に対して事前説明を続け、この日で11団体目。
 約30人の商店主や主婦らが参加。同開発会社と中核店舗を運営する「ジェイアール西日本伊勢丹」(畠山靖朗社長)が説明した。
 冒頭、京都消団連の原強事務局長が「高さ規制が31bなのに、60b近い建物を建てるのは違法。このまま推進するのか」と質問。同開発会社側は「建都1200年記念にふさわしいデザインをと、設計条件から高さ制限をはずした。この事業が京都の魅力を増し、新しい町づくりに寄与できるよう計画を実現したい」と述べた。
 これに対し参加者らから「高さ制限内に収めないのはおかしい」「公開討論をして広く意見を聴くべきだ」などの声が相次いだ。
 一連の事前説明会が終わると、同開発会社は大店法に基づく三条申請をすることになる。だが、市民団体や京都仏教会の反発も根強く、計画通り改築されるかどうか注目される。
・「いかにも唐突」 京都ホテルで知事
 荒巻知事は21日、府議会決算特別委員会で、設計見直しが表明された京都ホテルと、影響が予想されるJR京都駅改築計画について、質問に答えた。
 京都ホテル問題について「夜のニュースで初めて知って驚いた。いきさつは知らないが、いかにも唐突という感じがする」と戸惑いを隠さなかった。
 JR京都駅の改築については、出資者の立場から「国際的なコンペを開き、良識ある審査員の方々に選んでいただいた。ホテルやデパートに話題が集中しているが、公益施設と理解してほしい。円滑に進むことを期待している」と述べた。
・京都市議会 市長が遺憾の意 京都ホテル計画見直し 「事前説明受けず」
 京都ホテルが京都仏教会の意向を受け入れて総合設計制度に基づく60b高層化計画を見直す方針を明らかにしたことについて、京都市の田辺市長は21日の市議会本会議一般質問でホテル側から事前に説明がなかった、と遺憾の意を表明した。しかし、計画自体については「良好な市街地景観の創出に資するもの」と述べ、当面総合設計制度を見直す考えはないことを示した。
 京都ホテル問題は、前田佐一(自民)、阿美弘永(共産)両議員が取り上げた。前田議員は、ホテル側の計画見直し方針をめぐる市側の対応を質問。田辺市長は「ホテル側から(見直しについて)何ら聞かされていなかった。重大なことについては事前に何らかの話があってしかるべきだ。誠に遺憾だ」と、ぶ然とした表情で答弁。「ホテル側から、事実関係や今後の意向などを事情聴取している」と述べた。
 一方、阿美議員は「京都ホテルをめぐる混乱は、市がホテル側に、総合設計制度による60b高層化を働きかけ、市民の反対を押し切って計画を認可した結果だ」と批判。JR京都駅の改築を含め、高層化を認めず、景観に配慮した厳格な指導を行うべきだ、と詰め寄った。
 これに対し、田辺市長は「総合設計制度によるホテルの建て替えは、ホテル側からの自主的な申し入れを受けて、地域にふさわしい建物となるよう指導し、許可した。良好な市街地景観の創出に資するものだ」と反論。JR京都駅の改築計画についても「新しいランドマークになるものとして設計コンペを実施した」と、従来の考えを繰り返すにとどまった。(朝日新聞)
■青鉛筆
 21日のダイヤ改定で、瀬戸大橋線特急の最高速度を時速65`から95`に戻したJR四国が、列車騒音に悩む橋げた直下の3つの島の全世帯約320に、事前に500円分のオレンジカードを無料配布していた。
 カードは「2000系特急 南風号 平成3年秋ダイヤ改正記念」と書かれ、南風号のカラー写真が表。同社広報課によると、PR用の非売品として作製した、という。
 速度復活で地元に「あいさつ代わりに何か」と、坂出市がJR四国に働きかけて配ったというが、「たった500円であの騒音が許されると思っているのか」と、割り切れない表情の島民も多い。(朝日新聞)
■2日から保安監査 信楽鉄道
 運輸省近畿運輪局は22日、列車衝突事故以来運休している信楽高原鉄道(本社・滋賀県甲賀郡信楽町、北川啓一社長)に対する保安監査を12月2日から4日まで実施すると発表した。また同日、同鉄道が12月8日の運行再開を前提に列車ダイヤを運輸局に届け出たことから、監査で安全確認がされれば、5月14日以来、208日ぶりに営業列車が走ることになる。
 今回の保安監査は、信楽高原鉄道の運転再開準備が、保安上十分なレベルに達していることを確認するため行われる。
 監査は貴生川−信楽間14.7`全線区間で、線路、橋りょう、踏切、電気信号施設、車両、運転関係にわたって調べる。監査には近畿運輸局鉄道部調整官ら7人が立ち合う。
 運行は1列車(1両編成)が貴生川−信楽間を単純往復する「スタッフ閉そく方式」で行い、途中列車間のすれ違い、対向列車待ちなど視雑な方式は採用しない。また朝夕には2両編成で行い、職員の客扱い、習熟度合いなども監査する。
 運輸局によると、再開後の運転ダイヤは1日14往復。昼間は1両、朝夕の通勤、通学時間帯は2両編成とする予定。
・事故二度と起こさぬ 北川社長コメント
 保安監査の日程が決まり、運行再開日が12月8日に確定したのを受け、同鉄道の北川啓一社長は「今後もご被災者の補償交渉に全力を傾注するとともに、運行再開にあたっては、安全運行に努め、二度とあのような事故を起こさないよう、安全教育の徹底、職員の資質向上とともに鉄道施設の整備に万全を期し、地域に愛される鉄道として再生する所存です」とのコメントを発表した。(京都新聞 夕刊)
■在来線の高速化を 運輸白書
 時差運賃の導入、在来線のスピードアップなどを求めた1991年度運輸経済年次報告(運輸白書)が、奥田運輸相から22日朝の閣議に提出され、了承された。(朝日新聞 夕刊)
23日■「襟章強制は違法」 国労員勝訴 最高裁が初判断
 旧国鉄の分割・民営化を控えた昭和60年、佐賀市の国労組合員が、国鉄から配布された襟章をつけるため上司2人に千枚通しで制服の襟に無理やり穴を開けられたのは人権侵害に当たり違法だとして、当時の上司を相手に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁は22日までに、被告側に慰謝料6万5000円の支払いを言い渡した1、2審判決を支持、被告側の上告を棄却する判決を出し、判決文を原告代理人らに送付した。
 分割・民営化に絡む不当労働行為の問題で、最高裁が判断を示したのは初めてという。
 原告は佐賀市八戸溝、国労組合員松林俊己さん(38)。1、2審判決によると、60年10月25日、同市内の国鉄施設、武雄温泉電力区電気技術センターで、当時国鉄職員だった松林さんの制服の襟に、国鉄配布の襟章をつけさせようと、上司2人が千枚通しで穴を開けた。
 松林さんは「精神的苦痛を受け、人権侵害に当たる」として61年4月、佐賀地裁に提訴。63年10月、上司の行為は指導の範囲を逸脱した違法なものとの勝訴の判決を受けた。被告側は福岡高裁に控訴したが、64年10月に棄却され、最高裁に上告していた。
 原告側の河西竜太郎弁護士は「分割・民営化を控えて、当時の国鉄は職場規律の確立が急務となっており、ある程度のことはやむを得ないというのが、すべての国労権利侵害事件に通じる国鉄側の言い分だった。今回の判決でその論理が崩れたことになる」と話している。(京都新聞)
■今や世界のスター タンゴ・エクスプローラー 来春運行をと新たに1編成 知事、購入の意向示す 満員続きや点検運休では ファンにあい済まぬ
 荒巻知事は22日、府も出資している第三セクター、北近畿タンゴ鉄道に、特急車両「タンゴ・エクスプローラー」を、新たに1編成(3両)購入する意向を明らかにした。12月補正予算に盛り込む。
 タンゴ・エクスプローラーは現在、1編成(3両)で丹後地方とJR京都駅間を1日2回往復している。座席数は152。同鉄道の利用客は、平成2年度で約290万人だが、タンゴ・エクスプローラーは1年を通してほぼ満員。ドル箱になっている。
 鉄道ファン向けの雑誌に何度も取りあげられたり、カリブ海の小国セントビンセント・グレナディーンから切手が発行されるなど、人気は高い。しかし、1編成しかないため、1ヵ月かかる車両点検の間は走らせることができず、JRの車両を借りてしのいでいた。知らずに乗りに来たファンが駅や会社に苦情をいうこともあったという。
 同鉄道は、来春からの運行を目標に、製造元の富士重工業や、乗り入れ先のJR西日本と調整を急いでいる。(朝日新聞)
■来月2日から保安監査実施 信楽高原鉄道に運輸局
 近畿運輸局は22日、滋賀県の信楽高原鉄道に対し、運行再開を控えて二度と事故を起こさないよう運転方法を詳しく検査する保安監査を12月2日から4日まで実施することを決めた。(朝日新聞)
24日■注意信号確認 運転士怠たる 台湾列車事故の原因
 【香港23日=津田邦宏】日本人4人を含む30人が死亡した15日の台湾の列車衝突事故で、台湾鉄道管理局は22日夜、事故原因は特急「自強号」の運転士が注意信号の確認を怠ったため、とする最終結論を発表した。(朝日新聞)
25日■JR 2万9000人余剰 6社算定 総務庁、経営改善勧告へ
 JR6社が全社員の約16%に当たる約2万9000人を余剰人員と算定していることが24日、総務庁がまとめた行政監察で分かった。
 同時に民営化後の人件費の伸び率が大手民間鉄道の同時期を大きく上回り、また経営実態の把握や中長期の経営計画策定も不十分なことが明らかになった。
 総務庁は一層の合理化と余剰社員を活用しての関連事業への展開が必要などとして25日、運輸省に対し改善を指導・監督するよう勧告する。
 JRに対する行政監察は民営化後初めてで、平成2年7月から12月に実施した。
 JRの社員数は国鉄再建監理委員会の意見に従って適正人員より約2割上積みして採用しており、民営化された昭和62年4月に計約18万7200人。その後の合理化で平成3年4月で約18万1600人に減っている。しかし今回各社に対して必要な社員数の算定を求めたところ約2万9300人余っているとみていることが分かった。内訳は東日本1万2700人、西日本1万人、東海2700人、九州1900人、北海道1600人、四国400人。
 総務庁は@同程度の業務量で配置人員数にばらつきがあるA自動改札機などの導入が遅れている−ことなどからさらに合理化の余地があるとみている。
 昭和62年度から平成2年度までの人件費の伸び率は6社平均で23.6%。大手民鉄の9.3%を大きく上回っており、総務庁は「平均年齢が高いうえに合理化が十分でなかった」と分析している。また中長期経営計画を策定しているのは北海道と九州の2社だけ。6社とも線区別や事業所別の収支管理を「算定作業が膨大になる」との理由で実施していなかった。
 営業収入に占める関連事業収入の割合は、大手民鉄14社平均が40.8%であるのに比べJR各社は22.3−4.6%と低かった。
 このほか勧告は、サービス面では@東北・上越新幹線と東海道新幹線の乗り継ぎ特急料金に割引が適用されていないA中、高校生の通学定期購入の手続きが面倒−などと指摘。安全対策面では、事故発生時の速報のため現在約5割しか整備されていない列車無線の整備を進めることなどを求めている。(京都新聞)
■「余力社員」2万9000人 JR6社 行政監察 資産活用など遅れ
 総務庁はJR西日本など旅客6社に対し、旧国鉄の分割民営化後初の行政監察を行った。それによると、景気の拡大で経営は順調に進んでいるが、他の大手民間鉄道と比べて関連事業の展開や資産の活用が遅れているほか、人件費の伸びも目立ち、各社の基準による必要要員数より約2万9000人多い「余力社員」を抱えている、との結論が出た。同庁は25日に運輸省に対し、経営基盤の整備、利用者サービスの向上、安全対策の推進などを内容とする勧告を行う。
 JRは民営化後も政府が株を所有する特殊法人。総務庁は特殊法人に対する各省庁の指導監督状況を監察する権限を持ち、今回は運輸省の指導監督ぶりを監察する目的で昨年7月から12月にかけて調べた。
 6社の職員数は、合わせて18万1552人(今年4月現在)で、民営化直後の87年に比べて5644人減った。このうちJR西日本は4万8410人で3130人減少した。が、各社ともなお定員を超える「余力社員」が目立っている。(朝日新聞)
26日■団体交渉 不調ならスト突入 7日以降にJR東海労
 スト権を確立した旧動労系のJR東海労働組合(JR東海労、佐藤政雄委員長、組合員約1300人)は25日、東京都内で中央闘争委員会を開き、JR東海の会社側との交渉が不調に終わった場合、12月7日からストを含むあらゆる争議行為を行うことを決めた。26日にJR東海や近藤鉄雄労相らに通告する。
 同労組は、大卒新入社員の運転士養成の中止要求など27項目の要求をめぐり12月4日ごろまで会社側と団体交渉を継続、その時点で改めて具体的な闘争戦術を決めるとしている。
 JR東海労が争議に入ればJR総連の加盟組合では初めてで、民営化以来の労使協調路線は大きな転機を迎える。とりわけJR東海労には東海道新幹線の運転士の約5割が加入しているため、スト突入ならばダイヤは混乱することも予想される。
 佐藤委員長の説明によると、争議行為は12月7日午前零時以降、JR東海で同労組組合員が所属するすべての職場で実施。ストライキのほか、サボタージュ、安全確認のための徐行運転などの戦術を駆使する方針。
 佐藤委員長は「公共交通に携わる組合としては慎重に対応したい」としながらも「会社の出方次第では(ストを)やり出したら1日、2日では終わらない」と、長期化の可能性にも言及して会社側をけん制した。
 同労組は、大学卒運転士養成の中止や組合差別撤廃などを求めて団体交渉を要求してきたが、会社側が応じなかったため、JR総連加盟組合で初のスト権投票に踏み切り、約95%の支持でスト権を確立した。
 旧動労系組合員はJR発足以来、東海旅客鉄道労働組合(JR東海労組)で労使協調路線をとってきたが、JR総連が打ち出したスト権確立方針などをめぐって旧鉄労系の協調派と対立、今年8月、JR東海労組から分裂する形でJR東海労を結成した。(京都新聞)
■元JR西日本社員を逮捕 ギフト券盗難
 今年6月、JR西日本四条畷旅行センター(大阪府大東市、村井治行所長)で、旅行券「WENSギフトカード」187枚(計935万円相当)が盗まれた事件で、大阪府警曽根崎署は25日、窃盗の疑いで四条畷市岡山東、元JR西日本社員平瀬久敬容疑者(35)を逮捕した。
 調べによると、平瀬容疑者は6月29日午前11時半ごろ、同旅行センターヘ行き、事務室のキャビネットから額面5万円のギフトカー187枚を盗んだ疑い。
 犯行当時、平瀬容疑者はJR西日本大阪中央営業支店に勤務、未収・未払い金の確認のために同センターに立ち寄った際の犯行だった。4月1日まで同センターに務めていたことから、内部に詳しかった。(京都新聞)
■社説 鉄道の復権に異存はないが…
 1991年版運輸白書が、公共輸送機関、とくに鉄道にウエートを置いた交通体系整備の必要性を掲げた。
 いまさらの感がしないでもないが、鉄道復権に目を向け、高速鉄道ネットワークを新たな交通体系の柱として位置付けたことには賛成だ。方向を打ち出したからには、国はそれに沿った具体策を示し実現に向けて動き出してほしい。
 モータリゼーションの波にあおられ、旅客、貨物輸送の主役がマイカーやトラックにとって代わられて久しい。自動車輸送分担率の推移をみると、旅客の場合1975年度に50.8%だったのが、1990年度には59.8%に、貨物では36.0%から50.2%に増えている。
 いきおい、新幹線などごく一部を除いて、鉄道の役割は低下し、旧国鉄の赤字路線が切り捨てられるなど、鉄道苦難の時が続いた。
 が、ここにきて風向きが変わってきた。車の増加で都心部を中心に、道路交通の混雑は日常化し、交通事故も増大、さらに車から排出される二酸化炭素や窒素酸化物等による環境問題もクローズアップされてきた。エネルギー消費の効率においても車と鉄道ではケタ違いだ。運輸産業の労働力不足も今後心配される。
 旧国鉄が民営JRに生まれ変わってから、JR各社に「やる気」がでてきたのも見逃せない。鉄道整備の財源確保策として鉄道整備基金も設立されている。鉄道の役割に新たなスポットライトをあてるべき条件はたくさんあるわけだ。
 こうした背景を受け、白書は、交通サービスにおいても、高速性、快適性、利便性が求められ、とりわけ高速交通サービスヘの要求が高いことを指摘し「公共輸送機閑」を最大限利用することが重要だとしている。確かに、こと業務面では速いことへの欲求は強い。新幹線や航空ネットワークの整備が求められるゆえんである。白書はこれに加え、在来線の高速化もあげている。
 在来線のスピードアップへの取り組みは、いたって立ち遅れている。新幹線での京都−東京間(513`)と「特急あさしお」で行く京都−峰山間(144`)の乗車時間が同じというのでは、いかにも寂しい。
 わが国では、地形上の制約もあって、線形の良い区間が少ないため、湖西線等の一部区間が最高時速130`になっている以外は、表定速度(駅の停車時間も含めた平均速度)で、時速60−90`が大半である。西欧先進国の在来線の最高速度160`以上、表定速度100−120`に比べて随分と見労りがする。
 白書は、線形の改良、軌道強化、車両の改良等によって、西欧なみの最高速度160`以上、表定速度100`以上の特急の運行を目指す−としている。在来線が速くなり、快適性、利便性が加われば、乗客を呼び戻すことは十分可能だろう。
 問題は、これをどうやって早期に実現するかだ。残念ながら、白書は財源の問題など肝心の点について触れていない。せっかくの目標を画餅(がべい)に終わらせないためにも、国は推進にむけた具体的プログラムを示す必要がある。
 その際忘れてほしくないのは、鉄道復権が東京一極集中につながらないよう、十分な配慮をすること、改良費用が安易に運賃にはね返らないようにすること、安全性を重視することである。(京都新聞)
■来月7日にストを設定 JR東海労
 JR東海に安全対策の改善などを要求し、スト権を確立していたJR東海労働組合は25日、東京都内で中央闘争委員会を開き、ストライキを含めた争議行為を12月7日午前零時から設定して、会社側と交渉していくことを決めた。会社側などに26日、通告する。同労組は交渉の期限を4日までとしているが、スト突入の可能性は微妙とみられる。(朝日新聞)
■ドル箱新幹線 止めるな! ストに備え運転士やーい JR東海
 JR東海労働組合(東海労、佐藤政雄委員長、約1300人)が役員の辞任などを要求してスト権を確立したのに対し、JR東海の会社側はストに備え、対立する国労東海の組合員を東海道新幹線の運転士に復帰させた。東海労には、新幹線運転士の約4割が所属、仮にストに入れば、JR発足後初めて「ドル箱」の新幹線が止まる事態にもなりかねない。会社側は、国労組合員のうち、うどん店などに配属されていた元運転士を復帰させたり「背広組」をリリーフに起用するなどして、影響が出ないよう躍起になっている。
・国労組合員ら復帰さす
 旧勤労系の組合員を中心に構成される東海労の要求は二十数項目にわたり、大卒運転士の養成研修の中止、健全で対等な労使関係の実現などを掲げている。
 同社によると、東海道新幹線で実際に乗務している運転士の総数は780人。このうち、東海労の所属は320人で、41%を占めている。1日に必要な運転士は約500人といわれ、会社側は、運転士の経験がある助役などの管理者や、事務系などに配属されている「背広組」の計90人を確保。さらに、一度に大量の国労東海組合員の復帰も実現した。
 関係者によると、新幹線の運転士に戻る国労東海組合員は20人弱。いずれもJRが発足して以来、事業管理所という職場で「うどん店」や売店、駈車場管理、予約サービスセンターなどに配属されていた。(朝日新聞)
■旅行券盗難事件で JR元社員を逮捕 1300万円着服の疑いも
 大阪府大東市のJR四条畷駅構内のJR西日本四条畷旅行センターから大量の旅行券が盗まれた事件で、大阪府警曽根崎署は25日、元JR社員で四条畷市岡山東四丁目、会社員平瀬久敬容疑者(35)を窃盗の疑いで逮捕した。平瀬容疑者は今年3月まで同センターに勤務していた営業係で、売上金1318万円を着服したとして9月にJRを懲戒解雇になっていた。
 調べによると、平瀬容疑者は6月29日午前11時半ごろ、同旅行センターに立ち寄り、保管ケースの中の額面5万円の旅行券187枚(935万円相当)を盗んだ疑い。100枚を大阪市内の金券ショップで換金、残りは事件発覚後焼き捨てたという。(朝日新聞)
■勤務変要に反対 第2波の時限スト 千葉勤労
 千葉動労(中野洋委員長、700人)はJR東日本で進めている勤務制度変更に反対し、26日始発から午後3時までの時限ストに入った。
 ストは当初、正午までの予定だったが、動労は会社側が交渉中、組合員に対し挑発行為を行った、としてご時間の延長を決めた。
 JR東日本千葉支社によると、輸送量の多い都心と千葉を結ぶ幹線や成田エクスプレスなどは通常通り運行されるが、内房線や外房線の一部区間がこの間全面ストップするなど千葉市以東の各線でダイヤが乱れ、4万9000人以上が影響を受ける見込み。
 千葉動労のストは22日正午からの4時間の時限ストに続く第2波。(京都新聞 夕刊)
27日■JR西日本副社長 ノンストップ運行に賛意 「拡大は京都など無視」
 JR西日本の井手正敬副社長は26日、JR東海が来年3月から早朝の新幹線1本を東京−新大阪間ノンストップで運行することについて「ビジネス客の利便性が向上する」として賛同した。
 しかし「すべての時間帯に導入すると、京都、名古屋の利用客を無視することになる」と述べ、ノンストップの拡大には反対する意向を示した。(京都新聞)
■京都バス雲ケ畑線新ダイヤ 1本逃がすと2時間半待ち 来月から1便滅 通学の足、困った バス側 地元と協議したが…
 京都市北区雲ケ畑の住民の足にもなっている京都バス雲ケ畑線の定期バスが、来月16日予定のダイヤ改正で、1便減る見通しとなった。赤字路線での経費節減策だが、同バスは、市街地に通学する雲ケ畑地区の高校生が利用しており、帰宅が不便になることで住民らは「バスが1本なくなると高校生が2時間半もぶらぶら待つことになる。何とかならないものか」と弱っている。
 雲ケ畑線(出町柳・岩屋橋闇)、は現在、バス2台を使い1日、7往復している。しかし、市街地で他の公共交通機関と競合するようになったことから、赤字路線での経費節減のため、ダイヤ改正を機に1台でピストン輸送する形をとり、1日、6往復にする。同バス運輸部では、高校生の登下校やお年寄りの病院通い、雲ケ畑小・中学校の教論の出勤の便を地元と協議の上、新ダイヤを編成したという。
 問題になっているのは、夕方の岩屋橋行き。現在、北大路駅を午後4時3分、5時43分、7時23分に通るバスがあるが、新ダイヤでは午後4時22分、6時57分の2本に減り、2時間半以上も間隔があくことになった。
・行政に支援要望の声も
 このため現在、高校に通う約10人に加え来年度は11人の進学が見込まれる雲ケ畑地区では、保護者らの間で「民営バスにあまり無理はいえないが、住良の足確保に行政の支援があってもいいのでは」との声が出ている。これに対し同バスは「住民の思いは分かるが、新ダイヤは行楽客や市街地からキャンプ場を訪れる児童らの便も考慮した結果。赤字路線で行政からの補助金はなく、人員面からも限界」(石浦正三・運輸部営業課長)と話している。
 京都市教委によると、市内の辺地に住む児童・生徒の通学を保証する策として、交通費が一定額を超える場合は国と市が一部を負担するほか、地元が運営する小・中学校のスクールバスに補助金を交付しているほか、遠隔地や通学の足のない市立高校生のため、右京区に北辰寮を設けている。(京都新聞)
■JR東海労 ストを通告
 JR東海労働組合(JR東海労、1300人)は26日、ストライキを含めた争議行為を12月7日以降に設定することを通告した。
 これを受けて、JR東海関西支社(大阪市淀川区、2600人)も26日夕、今村元・支社長を本部長とするストライキ対策本部を設置した。(朝日新聞)
■青鉛筆
 幼稚園の送迎バスを思わせるような、かわいいイラストを車体に描いた新型車両9台が、12月2日から京都市内の市バス路線にお目見えする。名前も親しみやすく「京ちゃんバス」。
 恐竜にまたがって空を飛んだり、メリーゴーランドで遊んだりする子どもたちの姿をメルヘンタッチで表現。車内には、広告の代わりに小学生の絵などを掲示する。
 来春から運賃の値上げと消費税転嫁を予定している同市交通局は「子どもが乗れば、親も一緒に乗ってくれるはず」と期待するが、連日満員バスに揺られ通勤する大人たちの評判は。(朝日新聞)
■発売30分で早くも満席 帰省列車指定席券
 年末帰省列車の前売り指定席券が27日、全国のJR駅窓口などで一斉に売り出された。
 この日は、帰省ラッシュが始まる12月27日分。京都駅中央口の「緑の窓口」では、午前10時の発売開始時に、昨年より10人ほど多い40人が窓口に並び、ふるさとへの切符を求めた。
 駅側は、ふだんより窓口を3つ増やして対応、混乱はなかったが、発売開始からわずか30分後には、博多直通の下り新幹線「ひかり号」が夜を除いてグリーン車まですべて満席。在来線も九州、北陸方面の夜行寝台列車が同じころに売り切れた。
 窓口の話では、29、30日分がピークになりそうだという。
 JR西日本は、同日から1月5日までの人出を前年比3%増の146万人と見込み、新幹線は319本、在来線は641本の季節・臨時列車を増発する。(京都新聞 夕刊)
■回送車故障 53本遅れる 阪急京都線
 27日午前7時45分ごろ、高槻市高垣町の阪急京都線の折り返し用引き込み線付近で、茨木市発梅田行き準急の回送電車(8両編成)が、1両目にあるATS(自動列車停止装置)の受信機の故障に気付いた。運転指令の指示でATSを解除、高槻市駅から助役を運転台に乗せて運転、検車係のいる淡路駅で受信機を交換した。この影響で、京都線は約2時間にわたりダイヤが乱れ、朝のラッシュと重なり特急、急行、準急など計53本が最高12分遅れ、約5万人の足に影響が出た。
 現場の引き込み線は高槻市駅北東約1.6`にあり、茨木市駅が高架化工事中のため同駅で折り返しができないために、82年から茨木市発の準急などの折り返しに使われている。(朝日新聞 夕刊)
■線路に転落 ひかれ死ぬ JR我孫子町駅で男性
 27日午前5時半ごろ、大阪市住吉区我孫子三丁目、JR阪和線我孫子町駅に鳳発天王寺行き普通電車(6両編成)が到着した際、中年の男性がホーム中央付近から線路上に転落、電車にひかれ即死した。
 住吉署の調べでは、死亡したのは同区我孫子一丁目、土木作業員岡山欣一さん(37)。目撃者によると、岡山さんはホームを歩いていて突然ふらつき転倒した、という。
 JR西日本によると、この事故で、阪和線では上下14本が運休、21本が最高44分遅れ、計1700人の足に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
28日■淀駅周辺の混雑解消へ 京阪電車の高架化を 地元自治会 京都市に要望
 京都市伏見区の淀連合自治会など3つの連合自治会は、京阪電車淀駅周辺の交通混雑の解消を図るため同電車の高架化を要求することを決め、このほど合同で京都市に要望書を提出した。自治会は、淀、納所、淀南の各連合自治会(計約7500世帯)。
 連合自治会によると、マンション建設などで人口が増加し、淀駅周辺には自転車や人があふれ、朝夕には府道の混雑をさける自動車が駅周辺の踏切に集中、渋滞で踏切事故の危険がある。また京都競馬開催日は混雑がよりひどく、住民の日常生活に影響が出ている。さらに駅周辺の放置自転車で環境が悪化しているなどといい、要望書では「市の南玄関にふさわしい町づくりのためにも、高架化の実現を」と要求している。
 淀連合自治会は、昭和53年にも、同様の要望書を提出している。長谷川邦光・同連合自治会長は「自治会でも放置自転車の整理に努めるなどしてきたが、地域の発展のためにも高架化は絶対に必要。淀城再建の構想もあり何年かかっても実現に向けて活動を続けたい」と話している。(京都新聞)
29日■京都駅改築「59b案を支援」 塚本商議所会頭 仏教会の戦術批判
 京都商工会議所の塚本幸一会頭は28日の定例記者会見で、京都仏教会(東伏見慈洽会長)が京都駅改築に関連し、高さ是正を追って行くと表明していることに対して、拝観拒否を背景にした仏教会の戦術を批判、市の認可を条件に、計画通り(59.8b)での建設を積極的に支援していくとの考えを明らかにした。
 塚本会頭は、京都ホテルが今月20日、高さを60b以下にすることで、仏教会と合意したことについて「私自身、60bより低くすることに同意した経緯はあるが、個人的には、アンハッピーな印象だ。しかし私企業のことでもあり、両者で納得し合ったのなら、この結果は仕方ない」との見解を示した。
 仏教会の反対運動については「8つの寺は、いわば歴史的な日本の財産。仏教会がこれを背景に、拝観拒否などで交渉を行うことは、強者が弱者を抑え込むようなもので、社会的に認められるべきでない」と批判した。
 仏教会が、次の反対運動を展開すると表明した京都駅については「国際的な設計コンペも終えており、これが無駄になるようなことは考えられない」との考えを示した上で「ホテルと違い、駅は公共性が高い。市が建築認可したあと、仏教会がこれまでと同様のやり方で反対するなら、実現に向け、当然支援して行く」と述べた。(京都新聞)
■南海電車が新車両 全国初の女性専用トイレも
 平成6年夏予定の関西新空港開港に向け車両のモデルチェンジ計画を進めている南海電鉄は、その前段として来年4月から新形式の車両を投入、新カラーデザインを採用したり、全国初の女性専用トイレなど新設備を導入するなどして56年ぶりにイメージ一新を図る。
 新形式車両は、昭和10年代から続いてきたグリーン基調からブルーとオレンジを基調にした外観に改め、車内はグレーをベースにした新カラーデザインとなる。新しく投入するのは通勤特急用車両が12両、一般車両が24両の計36両で製作費は50億円。来年4月中旬から10月にかけて順次導入する。(京都新聞)
■強風で特急止まる 湖西線
 28日午後8時12分ころ、滋賀県滋賀郡志賀町南小松のJR湖西線近江舞子駅で風速25bを記録したため、同線は堅田−近江舞子間で電車の運転をストップさせた。約2時間半後の午後10時45分運転を再開したが、通勤電車や特急などに影響が出た。
 JR西日本によると、午後9時までに、和倉温泉発大阪行き「スーパー雷鳥10号」が近江今津駅で運転を中止したほか、折り返し運転や代行バスを出すなどして乗客を運んだ。また、湖西線回りの京都、大阪方面行き特急6本も近江塩津から北陸線の米原経由で東海道本線へう回運転するなどの影響が出た。(京都新聞)
■新幹線もストップ
 28日午前11時半ごろ、静岡県掛川市南西郷の東海道新幹線線路沿いに設置されている雨量計が1時間当たり50_以上の大雨を記録したため、新幹線は約1時間にわたり、静岡−浜松間で上下線とも運転を見合わせた。(京都新聞)
■踏切再開求め要望書 岩倉地区の住民代表 署名集め叡電本社へ
 今年5月の閉鎖に対し地元から再開を求める強い声が出ていた叡山電鉄の岩倉第三踏切について28日、住民代表が京都市左京区の叡山電鉄本社を訪れ、1600人余りの署名を集めた踏切再開の要望書を提出した。
 叡山電鉄は、昨年、踏切で起きた死亡事故をきっかけに踏切の統廃合に乗り出し、今年5月中旬、沿線の木野町自治会の了解を得た上で同踏切を閉鎖した。ところが自治会の了解を聞かされなかった地元住民が「生活権を脅かすもの」として強硬に反対。6月28日には京都市議会に踏切の再開を求める請願を出すなど具体的な行動を進めてきた。
 この日住民らは、応対に出た同電鉄の中島義和専務に踏切再開の要望書と木野、幡枝、西河原3町の住民1632人の署名簿を提出。「自治会の同意が民主的な手続きを踏んだものでない上、電鉄側も踏切廃止の公示を怠るなど手落ちがあった」とただした。
 電鉄側は「地下道を作るなど、代替措置を検討中」と答えたが、住民側は「踏切の再開が先決」と譲らず、この日は今後住民と京都市区画整理事務所、叡山電鉄が話し合いを持つことだけを確認するにとどまった。
 この後、住民らは京都市洛北区画整理事務所を訪れ、踏切再開の話し合いに応じるよう改めて要請した。(京都新聞)
■初詣やグルメ209本増発 北近畿タンゴ鉄道 年末年始のダイヤ
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)は28日、冬(12月1日−来年2月29日)の旅客輸送計画をまとめた。年末年始にかけての初詣(もうで)列車やグルメ列車など計209本を増発、記念乗車券も発売する。
 初詣列車は、12月31日深夜と、1月1日未明に、福知山と宮津から大江山口内宮へ「元伊勢初詣号」を運転。また、1月1日から3日までは福知山−天橋立間で「文殊初詣号」を1日に往復1本運行する。
 京都−天橋立間のJR乗り入れ特急「あさしお」は、京都発が12月29日から元日にかけて、天橋立発が1月2日から5日の間、1日1本増発。さらに、同3日から5日にかけては、天橋立発京都行きの急行列車も1日1本増やす。
 大阪−天橋立間の増発では、「エーデル丹後」が12月1日から同15日までの土、日曜に、「快速みやづ」は」12月の毎日と1、2月のウイークデーに1日1往復する。同みやづは1、2月の土、日曜は大阪−峰山間となる。
 兵庫県・氷上町の石生−丹後神野間をレインボーリゾート号で結ぶ「グルメ&湯ったりたんごツアー」は、1月19日から毎日曜日に運行し、乗客らは丹後神野駅到着後、久芙浜町の旅館でたっぷりと海の幸を味わう。KTRは12月25日から、福知山、宮津、西舞鶴の各駅で初詣記念乗車券も発売する。(京都新聞)
■信楽高原鉄道 再生への道(1) 安全教育 規則守意識を徹底
 死者42人、負傷者612人を出した信楽高原鉄道の大惨事から6ヵ月余。レールのサビを落とし、車両は花をモチーフにしたデザインから、安全を象徴する若草色に塗り替えて、12月8日の運行再開へ準備が進む。だが、被災者は事故の後遺症に苦しみ、遺族との補償交渉も本格的な話し合いには程遠い。小さな第三セクターの同鉄道が再生するにはいばらの道が続く。(信楽列車事故取材班)
 例年より遅く色づいた信楽高原の山をバックに、たった1両の車両が閑散とした信楽駅ホームに着く。無言の運転士が金属製の輪をホームの運転士に渡し、時計に目をやる。「定刻到着」。
 信楽高原鉄道が8日の運行再開へ向けて今月15日から8日間にわたって行った試運転は、初めて列車を走らせる時のような緊張感に包まれていた。
 事故から半年がたった現在も事故原因はまだ解明されていないが、信楽鉄道側がマニュアル通りの手順を踏まず、赤信号のまま見切り発車したのが、大惨事の引き金になったと見られている。
 住民の足を守ってきた代行バスが道路凍結の影響を受ける前に運行再開したい信楽鉄道は「職員の安全教育」を再開の第一条件に置き、JR西日本に協力を依頼。9月2日付で元国鉄新幹線総局大阪第一運転所長の河合肇氏(現信楽鉄道副社長)ら2人を安全教育の常任顧問に招き「人こそ安全の要(かなめ)」という姿勢を示した。
 再開後の運行システムは信号も行き違い用待避所も使わず、1つしかないスタフ(金属製の輪、通行手形)を持った列車が折り返し輸送する方式を採用。それに合わせて運転規則、異常時の運転取り扱いマニュアルなどを改定したが、最重点はあくまで運行スタッフの再教育に置いた。
 「小さな鉄道だから大きな事故は起きないという気持ちが、だれにもあったと思う。まず、その考え方を払しょくする」現場の陣頭指揮をとる河合副社長は、補充の3人を含む6人の運転士がそろった今月1日から、まず机上の安全教育をスタート。2週間にわたって1日8時間以上、運行スタッフを缶詰にし、集中講義をした。河合副社長は「規則の中身はそんなに変わっていない。規則を守らないと事故が起こることを徹底し、規則を厳格に守る意識づけがしたかった」という。
 「安全は輸送機関の最大の使命である」意味を十分に消化したあと習熟訓練を兼ねた試運転が始まった。新旧の運転士がペアを組み14.7`の全線を営業時と同じ設定で何回も往復して、運転の熟練度を増していくのが狙いだ。
 昨年まで新幹線の運転席に座っていた補充スタッフのベテラン運転士(56)は「片道わずか24分間だが、地形や駅間、踏切の位置を覚えながら1日5往復もすると神経がくたくた。新幹線のときより疲れます」ともらす。再開の日が近づくにつれ、「二度と事故を起こしてはならない重圧」が、信楽鉄道マンに大きくのしかかっているのだ。
 12月2日から、近畿運輸局の保安監査が始まる。運行再開に支障はないか、線路や車両のチェックに監査官が鋭い視線を走らせるが、何よりも安全教育の成果が再開のカギを握っている。(京都新聞)
■さよならグリーンの電車 南海 青とオレンジなどに
 南海電鉄(本社・大阪市中央区、吉村茂夫社長)は、関西新空港の開港を控えてイメージアップを図るため、来年度から3年計画で全車両約600両の色とデザインを一新する。28日発表したもので、まず初年度は50億円で新型デザインのビジネス特急用12両と普通車用24両の新車を投入する計画だが、半世紀以上にわたり「南海色」として親しまれてきたグリーン系の車両は姿を消すことになる。
 新デザインは、力強さを表すブルーと、太陽の明るさを表すオレンジの2色の帯が中心。地の色は特急がシルバーメタリツク、普通は明るいグレー。(朝日新聞)
■神戸−横浜高速バス 川崎まで路線延長へ
 神戸三宮−横浜間(554`)の高速バスを共同運行している阪神電鉄(本社・大阪市)と京浜急行電鉄(同・東京都港区)は28日、JR横浜駅から約12`延長してJR川崎駅までとし、阪神尼崎駅前に新停留所を設ける路線変更を運輸大臣に申請した。実施は来年3月中旬の予定。(朝日新聞)
■JR株 年度内の上場断念 運輸省、正式表明
 運輸省の中村徹事務次官は28日の記者会見で、今年度内のJR株式の上場を断念したことを正式に表明した。また、日本国有鉄道清算事業団の土地売却も、今年度予定していた1兆5000億円にはとても到達せず、「相当な資金不足を生じる」と述べ、今後、国鉄債務の処理を遅らせないため、財政投融資からの借り入れを含めた国の財政措置を求めていくことを示唆した。(朝日新聞)
30日■信楽高原鉄道 再生への道〈2〉 被災者たち 今も懸念のリハビリ
 事故発生から半年余りたった。死者42人、負傷者612人。重傷を負った乗客は、今なお後遺症に苦しんでいる。
 滋賀県甲賀郡信楽町黄瀬に住む中島イトさん(66)は、夫の治三郎さん=当時(63)=と孫の未晴ちゃん=当時(2つ)=の3人で、信楽高原鉄道の列車に乗り、事故に遭った。夫と孫は死亡。イトさんは、両足や胸、肩などを骨折、意識不明の状態で現場近くの病院に運ばれた。
 イトさんが2人の死を知ったのは、事故から1ヵ月後の合同慰霊祭のあと。意識を回復した後も、容体の悪化を心配した家族が事実を隠し続けた。「別の病院に入院しているとばっかり…。悲しゅうて、悲しゅうて」
 イトさんは今も甲賀郡水口町内の病院に入院し、懸命にリハビリを続けている。「手術台に4回も乗りました。腰の骨を足に移植しました。平行棒で歩いた後、足がパンパンにはれる。でも、泣きもって歩きますねん」
 信楽町で開かれていた世界陶芸祭へ研修に行く途中に事故に巻きこまれ、死者6人、重軽傷者17人を出した京都企業の協同組合「ハイタッチ・リサーチパーク」(13社で構成)。
 異業種交流などを目的に京都府南部の関西文化学術研究都市「平城・相楽地区」に、各企業が研究施設をオープンさせた矢先の出来事。優秀な人材を奪われ、研究が中断、変更を迫られるなど、事故の痛撃を受けた。
 一方、遺族との補償交渉は、冒頭からもつれている。
 「ご被災者相談室」を窓口に具体的交渉に入りたいとする両鉄道会社と、最愛の妻や親を亡くし、事故の謝罪や原因究明を求める遺族の心情がかみ合わない。
 大阪市内で今月17日、信楽高原鉄道とJR西日本両社による「犠牲者遺族の会」に対する第2回説明会が開かれた。
 席上、信楽高原鉄道側は、先の株主総会・役員会で専任の社長、副社長体制にしたことや信号システムを使わず折り返し運転することなど安全対策を強調。運行再開への理解を求めるため、新旧社長で全遺族宅を訪問したい、と訴えた。
 しかし、遺族の中には、この申し出を拒否した人もいる。「再開そのものには反対しません。でも、事故責任が明確にされていない。納得できない」
 事故現場の線路わきの慰霊堂。その傍らに「42の御霊の無念…」と書かれた高さ1bを超える木板がある。娘を亡くした遺族がやり場のない怒りと悲しみを文字にしたものだ。
 12月8日。事故から208日ぶりに、そのそばを高原鉄道の営業列車が走る。(京都新聞)
■窓 途中下車サービスの拡大を 左京区・木俣 肇(医師・38)
 京都から静岡まで、仕事で出掛けた。途中、浜松で用事があり、途中下車しょうと切符を買った。乗車券は途中下車できることは知っていたが、特急券については知らなかった。駅の窓口で静岡までの乗車券を頼み、特急券の途中下車の可否について尋ねた所、できるということであった。そこで静岡までの新幹線の特急券を買った。
 時間がなかったので、券をよく見ず列車に飛び乗った。席を見つけて切符を見直してみて驚いたことに、特急券は途中下車無効となっていた。あわてて車掌にきいてみると、もう払い戻しもできないし、途中下車も無理であるということであった。
 浜松から静岡までの特急料金が無駄になってしまう。駅で尋ねた上、購入した、つまり係員の勘違いと食い下がってみたが、認められなかった。
 あきらめたが、憤まんやるせなかった。もともと係員の思い違いではないか。そのミスをカバーするサービスがあってもよいのではないか。しかし、よく考えてみると、なぜ特急券が途中下車無効なのであろうか。遠距離は新幹線を使う頻度が多いことは、周知のごとくである。乗車券が途中下車に使えることはとてもうれしい。特急券もできるようにしてくれるサービス向上を期待したい。(京都新聞)
■JRバス追突 18人が重軽傷 岡山・備前
 30日午前2時ごろ、岡山県備前市麻宇那の岡山ブルーハイウェイで、香川県綾歌郡飯山町、高松運輸の大型トラック=北谷和男運転手(25)=が前の車を追い越そうと対向車線に出て、松山市会津町、四国西濃運輸の大型トラック=樫尾道徳運転手(30)=と正面衝突。そこへ北谷運転手の後ろを走っていた大阪市淀川区西中島、西日本JRバスの松山行き定期バス=清水勲運転手(32)=が追突した。
 この事故で、北谷運転手と樫尾運転手が頭などを打って重傷、清水運転手も軽いけがをした。またバスの乗客19人のうち松山市保免西町二丁目、会社員松下美智子さん(47)が重傷、14人が軽いけがをした。(朝日新聞 夕刊)