1991(平成3)年10月


1日■常磐新線計画 4都県が申請(京都)
  ■レトロバス女性が運転 京都市バス初登用(京都)
  ■全労協 国鉄闘争の支援を強化(朝日)
  ■地下鉄東西線工事 田辺市長が初視察 「完成へ全力を」と激励(京都)
  ■夕刊ひろば 移植のケヤキ元に根付くの(京都)
  ■架線ひっかけダンプ横転 JR片町線田辺踏切 荷台下げず進入 同志社前−四条畷 朝、5時間不通(京都)
  ■JR奈良線は雨で徐行運転(京都)
  ■京都田辺 ダンプ荷台、架線壊す 朝の片町線乱れる(朝日)
2日■低公害バス実用課へ“GO” ディーゼルと電気自動車を「合体」 日野自動車(朝日)
  ■94年度開通と工事安全願って 地下鉄東西線 田辺市長が現場視察(朝日)
  ■新幹線がJR所有に(朝日)
  ■国鉄精算事業団の土地処分 随意契約の拡大も 運輸省が制度改正(朝日)
3日■梅田で女性飛び込み 2万4000人に影響 御堂筋線(朝日)
  ■乗り継ぎ列車すぐに回答 JR総研ソフト開発(京都)
4日■京都市バス・地下鉄運賃 消費税上乗せ検討 市交通局管理者示唆(京都)
  ■市交通局九条営業所用地 総合設計制度で高度化 市長が導入明言(京都)
  ■リニア最新カー炎上 宮崎・実験線 パンクのまま走行(京都)
  ■リニア実験車が全焼 走行中にパンクし過熱 今後に影響大 宮崎・日向(朝日)
  ■「空海の道」JR発売 四国88ヵ所巡りに(京都)
  ■北近畿タンゴ鉄道 事故ゼロめざして全踏切に新装置(朝日)
  ■大阪空港バス きょうから値上げ(朝日)
  ■早朝のJR奈良線 レール異常で2列車遅れる(朝日)
5日■リニア火災事故 パンクによる摩擦熱が原因(京都)
  ■出火の原因はタイヤ摩擦熱 リニア事故で断定(朝日)
6日■走れニュートレイン 26 アプト式鉄道 大井川鉄道 ガリガリ音をたて(京都)
  ■ジャッキ設置ミス 橋げた事故対策委調べ けた底面補強なし(朝日)
7日■京都駅ビル説明会(朝日)
  ■東海道新幹線大雨で遅れる 5万2000人に影響(朝日)
  ■JR西日本 関西の女性に聞いてみたら 清潔・別トイレがもてる鉄道 センス阪急 機能はJR 好きな町神戸・京都 旅の目的はグルメ一番(朝日)
8日■大人2人乗せて走るよ 下京でSL模型展 自慢の15点を展示(京都)
  ■京都発「日本の美」 東京駅で”古都名作写真館”(京都)
  ■国鉄・ミナマタ集会 あす、京で(京都)
  ■信楽事故「遺族の会」 20日の説明会 開催受け入れ(京都)
  ■JR6社 運賃洗い直しへ 通算制度など中心に(朝日)
  ■地下鉄トンネル内を男性歩き20本に遅れ(朝日)
  ■叡電が値上げ申請 平均10.7% 初乗り170円(京都)
  ■叡山電鉄が値上げ申請 7年7ヵ月ぶり(朝日)
  ■線路保守作業車故障 新幹線5本に遅れ(朝日)
9日■世界初のシールド機 お値段16億5000万円(京都)
  ■地下鉄に九条山駅を 行監事務所に住民申し入れ(朝日)
10日■JR京都駅改築事業 外国企業も高い関心 説明会 解放指定で盛況(京都)
  ■エアターミナルも当初設計組み込む 地下1階に建設(京都)
  ■急発進122`で暴走 火災のリニア(京都)
  ■JR京都駅ビル建て替え問題で 国際案に地元3案加え きょう市民コンペ(朝日)
  ■京都駅改築説明会に外国企業も含め90社(朝日)
  ■実験計画の遅れ1年程度 リニア火災(朝日)
  ■信楽高原鉄道 12月15日までに運行再開めざす(朝日)
12日■阪急京都線 踏切で衝突 1両脱線 車の5人死亡 乗客1700人無事 遮断機に突っ込む 摂津市(京都)
  ■信楽高原鉄道再開へ JR、技術社員派遣(朝日)
  ■急行と衝突、5人死亡 踏切に乗用車進入 阪急京都線(朝日)
  ■快速うっかり停車駅を通過 JR山陽線御着駅(朝日)
  ■阪急京都線衝突事故 死亡の5人は建設会社員(京都)
  ■阪急電車事故 5人は同僚(朝日)
  ■朝の「環状線」停電で乱れる 天王寺駅(朝日)
13日■強風、湖西線乱れる 1万人に影響(京都)
  ■走れニュートレイン 27 SLパレオエクスプレス 秩父鉄道 海獣マークが人気(京都)
14日■和歌山−園部 貨物線使い直行列車 なぜか京都、大阪駅う回 狙いは観光客誘致 JR商法 ちょっと矛盾も…(京都)
15日■JR京都駅の改築 設計の原教授講演「京都らしさ狙った」 駅前商業地区連絡協の総会(京都)
  ■京都駅改築で市民団体 文書公開求め異議申し立て(京都)
  ■京都駅改築の関係文書 全面公開を申し入れ 府に市民団体(朝日)
  ■京都駅市民コンペ、地元案上位(朝日)
  ■信楽高原鉄道 23日から走行テスト(朝日)
  ■湖西線ダイヤ乱れる(京都)
  ■JR湖西線 強風で13本運休 通勤の足乱れる(朝日)
16日■信楽鉄道の休止承認(京都)
  ■JR西日本と組合 分裂より安全を 合同安全会議新設へ(朝日)
  ■信楽高原鉄道12月に再開へ(朝日)
  ■遺族の会が質問状(朝日)
  ■列車にはねられ自転車の男性死亡 JR和歌山線(朝日)
17日■市バス地下鉄 消費税転嫁を表明 京都市長が会見 時期は明言せず(京都)
  ■信号線切断、南海乱れる(朝日)
18日■仏で列車同士が正面衝突 16人が死亡(京都)
  ■パリ近郊 列車衝突104人死傷(朝日)
  ■実車走行検証を前に 車両のならし運転 信楽高原鉄道(京都)
  ■ア・ペン 信楽事故と社長の説明(京都)
  ■濃霧で関西線乱れる(京都)
  ■慣らし運転始まる 信楽高原鉄道(朝日)
  ■線路内へダンプ車 JR山陽線乱れる 兵庫・太子町(朝日)
19日■精神薄弱者の運賃割引 26中小私鉄も12月から実施(京都)
  ■精神薄弱者への割引 中小私鉄なども認可(朝日)
  ■着ぶくれ季節前に新快速など増便へ 来月21日からJR(朝日)
  ■仏の列車衝突事故 死者は24人に(朝日)
20日■走れニュートレイン 28 あずさ JR東日本 展望席が欲しい特急(京都)
21日■JR対応に遺族反発 信楽鉄道事故 3者会合、紛糾も(京都)
  ■赤信号押され 電車7本遅れ JR福知山線(朝日)
  ■JR社長欠席に遺族反発 信楽事故説明会 会社側、補償分担明言せず(朝日)
22日■踏切事故の一掃をPR JRと各私鉄 1日から多彩な行事(京都)
  ■踏切事故ストッパー 頼もしい”新兵器” 高さ制限標・壊れたら列車へすぐ速報 ワイヤ切断・自動巻き取り、停電を防止 JR西日本が開発(朝日)
  ■四国88ヵ所巡礼 タクシーでいかが JR四国が新企画(朝日)
  ■ひかり号 潤滑油漏れたまま走行 JR東海 先月30日 車輪が3a摩粍(朝日)
23日■自衛隊機が送電線切断 千歳 停電2000戸、列車運休(京都)
  ■福知山−新三田間 篠山口鉄道部 JRが設置へ(京都)
  ■たてもの探訪〈61〉 JR園部駅(船井郡園部町 小山東町)明るい空間ご自慢(京都)
  ■検知装置など重点 調査機関を求める声も きょうから滋賀県警(朝日)
  ■出雲・篠山口に鉄道部設置へ JR西日本(朝日)
  ■原因究明へ最終鑑定へ 信楽線で実車走行(京都)
  ■県警が走行テスト 信楽鉄道(朝日)
24日■出店を正式に表明 御池地下街で京都駐車場会社 全長315b7年春、開業目指す(京都)
  ■信楽線事故の最終盤定 信号など詳しく調査(京都)
  ■「御池地下街」出店を表明 京都駐車場会社 2階に300台収容予定 1階は4広場と専門店(朝日)
25日■関西5私鉄13.2%値上げ 来月20日から実施 運輸審答申 初乗り120円に(京都)
  ■”痛勤”これでやわらぐの 定期”狙い撃ち”値上げ答申 交通費支給 制限あるのに(京都)
  ■冬の臨時列車は2711本 JR西日本 スキーやグルメも(京都)
  ■梅小路公園など承認 京都市都計審 田辺市長に答申(京都)
  ■鉄道新設へ分担額決める 琵琶湖・若狭リゾ研(京都)
  ■私鉄5社13.2%値上げ 運輸審答申 来月20日に実施(朝日)
  ■私鉄値上げ答申 「足」痛撃 割り切れぬ… 初乗り100円消える 「他の物価へも」不満の声(朝日)
  ■信号装置を人為解除? 信楽事故走行テスト 当日の状況再現(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
  ■信号故障で特急遅れ JR北陸本線(京都)
26日■KTRが事故防止訓練 28日 警察、消防も参加(京都)
  ■地下鉄鶴見緑地線 心斎橋まで延長へ(京都)
  ■資源再利用へ回収ボックス 京都駅などに設置(京都)
  ■京都駅ビル開発会社 公金追加出資は違法 住民団体 返還など監査請求(京都)
  ■住民が第3次監査請求 京都駅ビルの建て替え問題 「追加出資は違法」 1億余円の返還など求め(朝日)
27日■ズームアップ京都 多いい発進反動での転倒 「運転手の責任」市交通局 指導の限界も認める(京都)
  ■走れニュートレイン 29 ミニ新幹線400系 JR東日本 来年、奥羽線にデビュー(京都)
  ■JR和歌山駅 来月から分煙(朝日)
28日■山陽新幹線が 一時ストップ 地震でJR九州も(京都)
  ■”羊箱”で古紙再生 JR西日本の5駅 朝のラッシュ時に設置(朝日)
  ■「公園都市線」が開業 三田のニュータウン(朝日)
  ■1人で乗れぬ!?リフト付きバス 車いすに介助2人要請 大阪市 運輸省の通達根拠に(朝日)
  ■福岡で震度4 新幹線などに影響(朝日)
29日■安全・新生へデザイン一新 信楽鉄道車両(京都)
  ■たてもの探訪〈64〉 北阪ビル ”電車ビル”(京都市下京区)で新名所に(京都)
  ■踏切事故で一時不通 山陽電鉄(朝日)
  ■社説 私鉄運賃を抜本的に考え直せ(朝日)
  ■私鉄値上げ認可 来月20日から 関西5社は平均13.2% 運輸相(京都)
  ■近鉄特急料金8.1%上げ 京阪 男山ケーブルは180円に(京都)
  ■夕刊ひろば 北大路ターミナル工事 市電車両の保存 現在は?(京都)
  ■近鉄特急料金など値上げ認可 近畿運輸局(朝日)
  ■復旧訓練で新装置テスト JR西日本(朝日)
31日■JRのOB3人補充 信楽高原鉄道(京都)
  ■列車、男性はねる? 亀岡、ダイヤ乱れる(京都)
  ■京都市バスに女性の運転手 公営では全国初(朝日)
  ■スーパーひかりにベビーシート JR東海 2両に1ヵ所(朝日)
  ■北陸新幹線のルート変更へ 高岡−金沢間(朝日)
  ■大教大前に近鉄新駅(朝日)
  ■列車事故で30人死亡 インド南部(朝日)



1日■常磐新線計画 4都県が申請
 東京、埼玉、千葉、茨城の1都3県は30日、東京のJR山手線秋葉原駅と茨城県の筑波研究学園都市駅を結ぶ延長60`の常磐新線の基本計画を運輸、建設、自治の3省に承認申請した。
 申請によると、新線を経営するのは1都参県と沿線の市区町村が今年3月設立した第3セクター「首都圏新都市鉄道会社」。計画の承認が得られれば、来年度から日本鉄道建設公団に委託して着工、2000年の開業を目指す。総事業費は8000億円。
 停車駅は東京が足立区6町4丁目付近など7駅、埼玉が八潮市大瀬と三郷市谷中付近の2駅、千葉県が流山市南流山4丁目付近など5駅、茨城県が守谷町守谷付近など5駅の計19駅。(京都新聞)
■レトロバス女性が運転 京都市バス初登用
 京都市バスに、公営バスとしては全国で初めての女性運転手が誕生する。市は1日付で任命し、約1ヵ月間の研修後、11月下旬から初運行予定の「レトロ調バス」に乗車させたい考え。
 30日開かれた市会決算特別委員会で市理事者(交通局)が明らかにした。
 市によると、定期観光バスの車掌(ガイド)を担当している女子職員で、大型第二種免許を取得。「運転手になりたい」との希望を受け、運転手として登用することを決めた。できれば3台予定しているレトロ調バスの1台に乗車させたい意向。女性のバス運転手は民営ではあるが、公営では初めてという。
 市交通局の女子職員83人のうち61人が事務職員。同局では、活性化対策の一環として、女子職員の感受性を生かし積極的な人材登用を行うことにしており、職員採用募集時にも女性運転手の応募があれば採用できるよう条件整備も進める方針。(京都新聞)
■全労協 国鉄闘争の支援を強化
 社会党左派の労組を主力とする全国労働組合連絡協議会(全労協、山崎道人議長、50万人)の第3回定期大会が30日までの2日間、静岡県熱海市で開かれ、「国鉄闘争」の支援強化を柱とする向こう1年間の運動方針などを決めた。
 方針は、国労組合員ら1047人の解雇撤回・JR復帰などを目指す国鉄闘争を「労働基本権や民主主義の根幹にかかわる日本労働運動の主要課題」と強調。(朝日新聞)
■地下鉄東西線工事 田辺市長が初視察 「完成へ全力を」と激励
 京都市の田辺朋之市長は1日午前、平安建都1200年の平成6年完成をめざし、建設工事が本格化してきた地下鉄東西線の御池駅と、東山トンネル両工区など工事現場を初めて視察した。
 地下鉄東西線は二条−醍醐間約12.7`。平成元年11月に着工、全25工区のうち21工区で工事が進んでいる。
 田辺市長はこの日午前10時、依田満市交通局管理者らの案内で、工事進捗率37%と全工区の中で、もっとも建設が進んでいる御池駅工区から視察した。
 同工区は昨年1月から工事にかかり、土留めや路面覆土などを完了。今後、地下鉄烏丸線とのドッキング部分の接続工事などピークを迎える。「工事は順調で、平成5年秋には完成できる」との担当者の説明に対し、田辺市長は「目標の完成時期まで全力を挙げるように」と激励していた。(京都新聞 夕刊)
■夕刊ひろば 移植のケヤキ元に根付くの
 京都市の御池通で地下鉄東西線の工事が進んでいますが、工事の際、移植されたというケヤキの大木は現在、どうなっているのでしょうか。工事完了後、元に植えてもちゃんと根付くのでしょうか。(京都市左京区、男性・68)
 担当の京都市交通局工事課で聞きました。一時撤去・移植されたのは同通りの鴨川−室町通間の144本で、現在は右京区や滋賀県内の造園業者が預かる形で世話をしています。
 当初は移植して根付くかどうかが心配されましたが、土壌が御池通よりいいため、根付きは良いそう。もともとの状態が悪いせいで枯れてしまった木もいくらかはあるものの、大部分は「いつでも元に戻せる状態にある。再移植も心配していない」(同課)とのことです。
 御池通に再び姿を現すのは地下鉄工事完了後。時期は工事の進み具合にもよるため、はっきり分からず「3、4年後になるのでは」(同課)とのことです。(京都新聞 夕刊)
■架線ひっかけダンプ横転 JR片町線田辺踏切 荷台下げず進入 同志社前−四条畷 朝、5時間不通
 1日午前6時10分ごろ、京都府綴喜郡田辺町大住丸山、JR片町線大住駅東側の仙代踏切(警報機、遮断機付き)で、八幡市八幡今田、ダンプカー運転手高橋茂さん(50)の11dダンプカーが荷台を上げたまま走行中、高さ5.2bのJR架線に荷台をひっかけ約5b走行し、渡り切った町道上で横転した。高橋さんにけがはなかった。
 田辺署の調べでは、高橋さんはJR大住駅近くの駐車場を借り、ダンプカーを止めており、この朝、昨夜からの荷台にたまった雨水を除去するため、荷台を上げて水を捨てた後、荷台を元に戻すのを忘れて走行したため、架線にひっかけたらしい。同署は、過失往来危険罪の疑いで高橋さんから事情を聴いている。
 この事故で踏切付近の架線柱1本が折れ約300bにわたって垂れ下がった。このため、JR片町線は同志社前−四条畷間が全面不通になった。JR西日本では木津−同志社前と四条畷−片町間で折り返し運転するとともに、京阪電車の河内森駅から振り替え輸送をする一方、復旧を急いでいたが、午前11時7分開通した。JR西日本によると、この事故で上下54本が運休、約2万3000人の足に影響が出た。
 近鉄新田辺駅などへ通勤客などを運んでいる京阪宇治交通バスも、始発から同踏切が不通のためJR大住駅前をう回運転した。同バスの係員が通勤・通学客を駅前から他のバス停へ誘導したものの、30分程度の遅れが出た。
 一方、JR片町線を利用する学生が多い同志社大学田辺キャンパスの教務課では「テレビなどを見て事故を知った学生から授業が休講かの電話がひっきりなしにかかっている」と対応におおわらわ。
 四条畷学園に通学する田辺町大住の女子生徒は、JR大住駅前で「授業には間に合わないので、いったん家に帰って様子を見ます。動くようだったら松井大手駅までバスで行ってもいいけど…」と雨の中、心配そうな表情だった。(京都新聞 夕刊)
■JR奈良線は雨で徐行運転
 JR奈良線は1日午前11時半すぎまでの1時間の雨量が35_に達したため、稲荷−木幡間で時速15`の運転規制を行い、一部の電車が上下とも5分から10数分遅れた。(京都新聞 夕刊)
■京都田辺 ダンプ荷台、架線壊す 朝の片町線乱れる
 1日午前6時10分ごろ、京都府綴喜郡田辺町大住丸山、JR片町線大住駅の東約100bの仙代踏切(遮断機、警報機付き)で、八幡市八幡今田、運送業高橋茂さん(50)運転の大型ダンプカーの荷台が、電車に送電するための架線を引っかけ、踏切のすぐ外で横転。遮断機の一部が壊れた。高橋さんにけがはなかった。この事故で架線柱1本が折れ、架線も約300bに渡り垂れ下がり、付近の路線が停電。片町線は松井山手−同志社前間が不通となり、午前6時25分から京橋−松井山手間と同志社−木津間を折り返し運転したが、同11時すぎに復旧。快速を含め上下54本が運休、朝の通勤ラッシュと重なり約24000人の足に影響した。
 田辺署の調べによると、高橋さんは大住駅の西約600bの駐車場に止めていたダンプカーの荷台に前日からの雨で水がたまっていたため、水を除こうと荷台を上げて走行。踏切付近で荷台を元に戻すのを忘れたため、架線に引っ掛かったらしい。高橋さんは城陽市内の採石場へ向かう途中だった。同署は過失往来危険罪の疑いで調べている。(朝日新聞 夕刊)
2日■低公害バス実用課へ“GO” ディーゼルと電気自動車を「合体」 日野自動車
 日野自動車工業は、ディーゼル車と電気自動車の機能を組み合わせた低公害の「ハイブリッドバス」の営業と開発を強化する。東京都や大阪市交通局などでこの低公害バス6台を使った実用化試験が11月から始まるのをにらみ。同車は1日付で「HIMR開発室」を設置し、来年度約50台の低公害バスを生産、販売するとともに低公害の冷凍車やゴミ収集車の実用化をはかる。
 ハイブリッドバスは、ディーゼルエンジンと電気モーターを組み合わせて動かす「HIMR」駆動方式を使った低公害車。この方式はブレーキをかけた時に発生する制動エネルギーを電気エネルギーに変えてバッテリーに蓄え、発進、加速の際にはこの電気でモーターを回し、補助動力として活用する。
 従来のディーゼルエンジンに比べ、エンジンをあまりふかさなくても必要な出力が得られるため、排出される窒素酸化物は20−30%、黒煙は約70%削減できるうえ、燃費効率も約10%向上する。
 11月から実用化試験をするのは東京都、川崎市、大阪市、神戸市の5交通局と民営の奈良交通の6事業社で、それぞれ1台ずつ購入した。価格は1台2200万円と通常の都市バスに比べ700万円程度高いが、運輸省が一部を補助した。
 大都市での大気汚染が深刻化し、トラック・バスの排ガス規制が今後強化される。このため、日野自動車は、「HIMR開発室」を中心に、より低価格の「ハイブリッドバス」の開発を進めるとともに、自治体への販売を拡大し、製造コストをさげていく方針。また、この駆動方式をつかったゴミ収集車や冷凍トラックを開発していく。(朝日新聞)
■94年度開通と工事安全願って 地下鉄東西線 田辺市長が現場視察
 平安建都1200年の94(平成6)年度を目標に京都市が建設を進めている地下鉄東西線の工事現場を1日、田辺朋之市長が視察した。東西線はJR二条駅−醍醐間12.7`。89年11月に着工したあと、今年9月になって、ほぼ全線で工事が始まった。市長視察は、工事の進み具合を確かめると同時に、工事関係者を激励するのが目的。
 掘削が進められている中京区の御池駅と、山科区日ノ岡の東山トンネルで交通局の担当社から説明を受けたあと、請負業者ら70人を前に「事故がないよう細心の注意を払って工事を進めていただきたい」とあいさつした。
 9月20日現在で、最も工事が進んでいる御池駅で37%の進捗率。半分以上の工区が5%以下の状況。さらに、発掘調査中の「神泉苑」遺構を抱え、JR山科駅前など道幅が狭く難航が予想される場所もあることから、市議会では予定通りの完成を危ぶむ声が出ている。しかし、交通局の高速鉄道本部は「神泉苑も今年度中には記録保存できるみこみで、いまのところ予定に遅れはない」と、95年3月には完成できるとの見通しを立てている。(朝日新聞)
■新幹線がJR所有に
 東北・上越、東海道、山陽の各新幹線が1日、それぞれJR東日本、東海、西日本の所有となった。これまでJR3社がリース料を払っていた所有者の「新幹線鉄道保有機構」が「鉄道整備基金」に衣替えしたのと同時に、JR側が買い取った。(朝日新聞)
■国鉄精算事業団の土地処分 随意契約の拡大も 運輸省が制度改正
 運輸省は2日、旧国鉄の多額の債務を抱えている国鉄精算事業団の土地売却を進めるため、随意契約対象を拡大するとともに、地価上昇を招かないように採用している不動産変換ローン方式の条件緩和のための省令改正など制度を改正することを決めた。4日から実施する。
 事業団の資産処分について検討している資産処分審議会が9月17日まとめた土地処分の緊急提言を受けたもの。
 随意契約の拡大では、これまでは国や地方自治体に限っていた対象者を、私立学校、電力会社、バス会社など民間の公益事業者にも広げた。国や地方自治体が、公共使用のために買う場合は、先行取得ができるようにする。さらに公益事業者が使う場合にも従業員宿舎や共済病院など対象を拡大する。(朝日新聞 夕刊)
3日■梅田で女性飛び込み 2万4000人に影響 御堂筋線
 2日午後6時8分ごろ、大阪市北区角田町の市営地下鉄御堂筋線梅田駅上りホーム中央付近で、淀川区内の女性(20)が線路内に飛び込み、進入してきた天王寺発中津行き電車にはねられて即死した。この事故で、同電車が現場に11分停車したのを最高に、上下34本が遅れ、ラッシュ時の乗客約2万4000人に影響が出た。(朝日新聞)
■乗り継ぎ列車すぐに回答 JR総研ソフト開発
 どの列車を乗り継げば目的地に速く着くのか−。鉄道総合技術研究所(JR総研)は3日までに、こんな質問に答えて暮れるパソコン用ソフト「列車乗り継ぎ案内システム」を開発した。これまで、乗り換えルートや料金などを教えてくれるソフトはあったが、乗車する列車まで示してくれるシステムは初めて。
 システムは首都圏用だが、全国のダイヤや、駅名などのデータを入れれば長距離の旅行を組み立てるのも可能という。実用化されれば分厚い時刻表が苦手の人にとっては朗報となる。JR総研は「駅の案内所に導入すれば、きめ細かい乗客サービスができる」と話している。
 既に市販されている同種のソフトは、乗り継ぎルート、所要時間、料金などを示すだけ。これに対し新開発システムはこれらの情報に加え、JR、私鉄、地下鉄を問わず、具体的な列車まで教えてくれる。さらに、乗客の年齢や、体が不自由かどうかに応じ、乗り継ぎの時間を長く取ったり、乗り換えの回数を少なくするなど弾力的な運用ができるのが特徴。
 使用方法は画面表示に従ってキーボードで@出発駅と目的地A出発時刻または到着目標時刻B年齢C急ぐかどうか−などを入力。十数秒後に画面にルート図と各駅での発車時刻、到着時刻などが表示され、印刷物としても出てくる仕組み。(京都新聞 夕刊)
4日■京都市バス・地下鉄運賃 消費税上乗せ検討 市交通局管理者示唆
 京都市の依田満交通局管理者は3日の市会事業決算特別委員会で、近く市バス・地下鉄運賃に消費税を上乗せする考えを示唆した。
 公共料金への消費税転嫁をめぐる質問に対し、佐藤達三助役が1日からの消費税改法改正の実施を踏まえ「地方公共団体として法の趣旨にのっとった対応をすべき」と答弁。これを受けて依田管理者は「運賃値上げも含めて、できるだけ早い時期に転嫁をかんがえていきたい」と運賃に消費税を転嫁する方向で検討を進めていることを明らかにした。
 同管理者はその理由として→今回の法改正が国会各党一致に基づく→法改正で社会福祉関係が非課税になった→自治省の指導−などを挙げている。
 京都市は消費善成立後の平成元年3月定例市会に、公共料金に消費税を上乗せする消費税関連条例案を提出したが、公明、社会、民社、共産の反対多数で否決されている。
 横浜市議会や東京都議会が消費税上乗せに伴う公営交通運賃値上げ案を可決するなど他都市でも転嫁の動きがでている。
 京都市では、未実施の自治体の動向もにらみ、実施時期など対応を慎重に検討していく方針。(京都新聞)
■市交通局九条営業所用地 総合設計制度で高度化 市長が導入明言
 9月定例京都市会は3日、事業決算特別委員会の総括質疑をおこなった。この中で田辺朋之市長は、南区の市交通局九条営業所用地に計画している複合ビル建設について「総合設計制度を取り入れ、市南部発展の核となるような施設にしたい」との考えを示した。
 田辺市長は、同営業所用地の高度利用についての質問に対し、今年初めに打ち出した21世紀の京都のまちづくりの「田辺試案」を踏まえ「市南部地域では従来の京都にない新しい機能を持ったまちづくりを進め、発展を図るべきだ」と開発を軸としたビジョンを示すとともに「(複合ビルは)南部発展の核となる施設にしていきたい。高さだけでなく。公開空地を十分取って地域の都市空間の改善を図っていく」と同制度導入の理由を述べた。
 用地(1万9600平方b)は現在九条通沿いの一部商業地域を除き住居地域になっており、市は30日の同特別委員会で、全用地を商業地域に用途変更する方針を表明。総合設計制度を導入すれば、高さ45bまでの建物が可能になる。
 また用地内の南部分に計画されている京都府の勤労者総合福祉施設の建設に関連して田辺市長は「府の施設との整合性を図りながら、どのような施設にするか十分検討していきたい」と、本年度中に予定している複合ビルの設計コンペに向けての基本的な考えを述べた。
 地下鉄の竹田車両基地内に市バス整備工場が移転(現在建設中)することに関連する質問の中で、依田満交通局管理者は、新整備工場の使用期間は地下鉄の運行車両が8両編成(現在6両編成)になるまでの暫定的なもので、その期間は10−15年間との見通しを明らかにした。(京都新聞)
■リニア最新カー炎上 宮崎・実験線 パンクのまま走行
 3日午後3時40分ごろ、宮崎県日向市美々津町、財団法人鉄道総合技術研究所・宮崎実験センター(沢田一夫所長)の実験線で、走行試験を中断して停車中のリニアモーターカー「MLU002」(1両編成)のゴム製タイヤから出火、アルミニウムと強化プラスチック製の車体は全焼したが、乗っていた3人にけがはなかった。リニアの火災事故は初めて。同実験線は山梨県に建設中の新実験線で採用される新台車などの特性を試験中で、最新式の車両が使えなくなったことにより、同センターは「来年度中には終了する予定の新台車の試験が遅れるのは間違いない」としている。
 同センターによると、この日の走行実験は無人で午後1時半から開始。午後2時7分に車両が傾いていることが分かり、同センターから南へ1.6`の地点で止め、同センター職員池田和也さん(34)ら3人が駆け付け、前から2番目の西側のタイヤがパンクしているのを確認。実験を中止し、ゆっくり走ればセンターへ戻れると判断した。
 時速50−20`で手動運転し、同センターから約450bの地点で止めてパンクしたタイヤを車内から確認すると発火したのが見えた。車外から消火器で消そうとしたが消えず、消防車の出動を要請。午後5時ごろ沈下した。
 同センターではパンクしたまま車輪走行したため、パンクしたタイヤが熱を持ち、発火したとみている。
 リニアモーターカーは時速180`までは車両に8個ついたゴム製車輪(直径約60a、幅約20a)で走行し、それ以上になると超電導磁石の反発力で浮上走行する。当日は車輪走行だけだった。
 車輪は航空機用のタイヤを改良したもので「MLU002」になってから2度パンクしたことがある。
■リニア実験車が全焼 走行中にパンクし過熱 今後に影響大 宮崎・日向
 3日午後3時40分ごろ、宮崎県日向市美々津町、財団法人鉄道総合技術研究所(JR総研)の浮上式式鉄道宮崎実験センター(沢田一夫所長)で、1両で走行実験中の超電導磁気浮上式リニアモーターカー実用実験車「MLU002」(全長22b)から出火、全焼した。乗っていた3人の研究員は逃げて無事だった。同センターでは、台車を省エネ型の新方式に改造、この日、約2ヵ月ぶりに走行実験を再開したばかり。実験車両は1両しかなく、14年の実験史上、初の焼失事故による、全体計画への影響は必至だ。
 宮崎県警日向署の調べでは、火災が起きたのは実験センターから525b南の高架式軌道上。無人実験車のタイヤ8本のうち、1本が走行中にパンクした。いったん停止し、山梨実験線部主任部員小田和裕さん(39)ら3人が乗り込み、速度を落とし、バックでセンターに戻る途中、車両の下の方から火が出始めた。3人で消化したが、燃え上がったという。
 同センターは、パンクしたタイヤとコンクリート軌道が摩擦して過熱したのではないか、とみている。
 燃えたリニアの車体の大半はアルミニウム合金製。白い上半分が黒く焦げ、天井部分が焼け落ちている。
 現場から800bほど離れた日本ブロイラーの長友哲彦管理次長(44)は「車両が高さ10bほどの炎に包まれ、真っ黒な煙が300b近く上がっていた。時々『ボン、ボン』という爆発音がして怖かった」と話す。
 この台車は、浮上コイルを軌道の側壁部に設ける「側壁浮上方式」に改造した。軌道の床面に浮上コイル、側壁に走行推進コイル設ける従来の「対抗式」に比べ、電力消費量が少なくてすむ。
 この日から19日までの予定で、最高時速300`を目標に、新台車の性能確認を始めたばかりだった。
 日向市のリニア実験線は全長約7`。旧国鉄時代の1977年にオープンした。中央リニア新幹線を目指す、山梨県の新実験線での採用に備え、昨年度から「側壁浮上方式」への改造を進めていた。
 リニア実験線では昨年、実験車の磁力が消えて車体が側壁に衝突する事故が起きており、タイヤのパンクによる事故も2件あったという。
・JRが対策本部
 東京都国分寺市にあるJR総研は3日午後5時、「宮崎実験線車両火災対策本部」(本部長・尾関雅則JR総研理事長)を設置した。(朝日新聞)
■「空海の道」JR発売 四国88ヵ所巡りに
 JR四国は、関西から少人数で四国88ヵ所巡りができる飛行機、タクシー利用の旅行「空海り道」の発売を10月から始めた。来年3月末まで毎日出発で2人から利用可能。京都からのコースは→88ヵ所と高野山参り10泊11日1人18万1300円から(往路飛行機)→阿波・土佐2国参り4泊5日8万5710円から(往復飛行機)など7コースがある。問い合わせはJR四国ワーププラザ梅田 06(346)1459 へ。(京都新聞)
■北近畿タンゴ鉄道 事故ゼロめざして全踏切に新装置
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)事業本部(宮津市)は踏切事故ゼロをめざして、10日までに宮津線160ヵ所、宮福線4ヵ所の全踏切に「自発光式視線誘導装置」を取り付ける。
 直径約30aの円盤状で太陽電池を内蔵しており、昼の間に自動的に充電、夜間は1秒間隔で点滅する仕掛け。夜の無人踏切でもドライバーや通行者に踏切の所在を知らせるので、同方式では効果を期待している。(朝日新聞)
■大阪空港バス きょうから値上げ
 京阪神の中心部と大阪空港を直通バスで結び、年間約850万人を運んでいる大阪空港交通(本社・池田市)は4日から、平均7.2%の運賃値上げをする。空港バスの値上げは2年ぶり。一部同じ区間を運行している阪神電鉄の直通バスも、同率の値上げをする。
 鹿運賃は、新大阪駅−空港間が340円(現行320円)に、大阪駅前や難波などの大阪中心部と空港間が440円(同410円)になる。
 堺東680円(同640円)→神戸720円(同680円)→京都二条城前890円(同830円)→京都ホテル前950円(同900円)(朝日新聞)
■早朝のJR奈良線 レール異常で2列車遅れる
 4日午前5時45分ごろ、京都市伏見区桃山町鍋島のJR奈良線桃山駅構内で下り出発信号機が赤のまま変わらないのを同駅に停車中の普通電車運転士が発見した。
 係員が線路のポイントを調べたところ、絶縁部分のボルトがゆるみ隣のレールに接触した状態になっていたため補修して同6時15分ごろ復旧した。
 この事故で同列車が桃山駅を32分遅れで発車したほか、後続の列車一本が16分遅れ、約260人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
5日■リニア火災事故 パンクによる摩擦熱が原因
 宮崎県日向市の鉄道総合技術研究所(JR総研)・宮崎実験センターのリニアモーターカー火災事故で、宮崎県警は4日の実況検分の結果、原因は8個あるタイヤのうち西側の前から2番目のタイヤが何らかの理由でパンクしてロック状態となり、コンクリート製のガイドウェー(軌道底面)を約1.8`にわたってこすってタイヤに摩擦熱が発生し、発火した、とほぼ断定した。(京都新聞)
■出火の原因はタイヤ摩擦熱 リニア事故で断定
 宮崎県日向市の鉄道総合技術研究所(JR総研)の浮上式鉄道宮崎実験センターで、リニアモーターカー実用実験車「MLU002」が全焼した事故で、宮崎県警捜査一課と日向署は4日、出火原因はゴム製タイヤがパンクしたためロック状態となり、ガイドウェー(軌道)のコンクリート床面とこすれて摩擦熱が発生、タイヤから出火したと断定した。
 調べでは、パンクしたのは車体の2台の台車のうち、南(宮崎)側の台車の1つ。火災現場から南に約2`にわたって、タイヤのゴムの跡が残り、現場近くでは金属でこすった跡に変わっていた。タイヤに埋め込んである直径約1.8_のワイヤが外部に露出していた。(朝日新聞)
6日■走れニュートレイン 26 アプト式鉄道 大井川鉄道 ガリガリ音をたて
 アプト式鉄道はスイスなど登山鉄道の発達した国に多く見られる鉄道である。急こう配を上り下りする際、車両に付いた歯車とレール間の歯形をかみ合わせて運転する装置で、スイス人によって考え出された。
 かつては国鉄信越本線横川−軽井沢間の碓氷峠で使われていたが、強力な機関車の登湯とこう配を緩やかにした新線によって昭和38年に廃止された。
 平成2年10月にアブト式鉄道を開業した大井川鉄道は、SLの保存運転で知られる観光誘致に熱心な静岡県のローカル私鉄である。アプト式の区間はSL運転を行っている本線から、さらに森林鉄道井川線に乗り換えた大井川上流で平成7年に完成予定の長島ダムによって井川線の一部が水没するため、その補償で新線が作られた。
 新線の一部のアプト市代−長島ダム間1.5`が日本一の急こう配の90パーミル(1000bの距離間に90bの高低差)になるため、日本の鉄道で碓氷峠以来、アプト式鉄道がカムバックした。
 アブト市代ではアブト用ED90型機関車が列車後部に連結され、ガッチリ歯車がかみ合って時速15`ほどのゆっくりした速度でこう配を上る。
 トンネルを抜けると大井川の急流が眼下に広がリスリル満点だ。客車には歯車がないので歯車のかみ合う音は聞こえないが、耳をすませると機関車からガリガリという音が響いてくる。
 わずか1.5`、8分のアプト鉄道の旅だが珍しい鉄道とあって新緑、紅葉のころは大勢の観光客でにぎわう。(鉄道写真家・南正時)
 〈メモ〉大井川鉄道は東海道本線金谷駅乗り換え。金谷から千頭まで約1時間10分。アプト鉄道へは千頭から井川線乗り換え。運賃は金谷−井川が2770円。近くに寸又峡温泉がある。(京都新聞)
■ジャッキ設置ミス 橋げた事故対策委調べ けた底面補強なし
 死者15人を出した広島市安佐南区の新交通システム橋げた落下事故で、直接の原因は、橋げた底面の補強のない部分にジャッキが置かれたため、底面がくぼみ、ジャッキと下の土台のH鋼がずれてジャッキが倒れたことが5日、広島市の事故対策技術委員会(委員長・大村裕広島興業大教授)の調べでわかった。
 同委員会では、橋げた底面の強度検査をしないまま、勝手に位置を決めてジャッキを設置した「人為ミス」が原因、と結論づけており、今回の結果をもとに近く最終報告書を作成、市側に提出する。広島県警の捜査にも影響を与えそうだ。
 同委員会の調べによると、転落の引き金となった西側橋脚上では当初、2台のジャッキで橋げたを支えていたが、けたの重心が構造上、南側に偏って作業しにくかったため、作業員が、現場責任者(47)に無断で南側にジャッキをさらに1台追加設置した。
 その際、けた内部に補強材を使っている底面部分を確認してからジャッキを当てる位置を決めなければならないのに、そうした確認作業をしないまま、目測で置いていた。この結果、追加したジャッキが当たった、けたの底面の補強材のない部分が3−5_程度へこんだ。(朝日新聞)
7日■京都駅ビル説明会
 JR京都駅ビルの改築計画を進めている「京都駅ビル開発会社」(社長・井手正敬JR西日本副社長)は9日午後1時半から、京都市上京区の京都私学会館で、日米の計約90社を対象に、マスタープラン及び基本計画の概要を説明する。(朝日新聞 夕刊)
■東海道新幹線大雨で遅れる 5万2000人に影響
 東海道新幹線は7日午前6時40分ごろ、静岡県内で、1時間当たりの降雨量が50_を超えたため静岡−浜松間で運転を見合わせたが、30分後70`の徐行運転を再開した。この影響で上下42本が最高約50分遅れ、5万2000人の足に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
■JR西日本 関西の女性に聞いてみたら 清潔・別トイレがもてる鉄道 センス阪急 機能はJR 好きな町神戸・京都 旅の目的はグルメ一番
 「関西の女性は旅行好きでグルメ志向。鉄道には清潔でゆったりした座席と男女別トイレがほしい」
 JR西日本が京阪神の若い女性を対象に初めて、鉄道や旅行に対する意識アンケート調査したところ、こんな意見が多かった。旅行のお得意様である女性に“もてる”鉄道とは何か、飲み物、おしぼりなどどんなサービスを望んでいるかを調べようとしたが、求められたのは当たり前の基本サービス。JR西日本は調査結果をもとにサービスの質向上に務める、としている。
 調査は今年初め、大阪、京都、神戸に住む18歳から38歳までの女性1500人に15ページの質問用紙を配布、回収した。その結果、関西の女性は1泊以上の国内旅行に行った率が79%と、総理府余暇調査(88年)の全国女性の67%と比べ高かった。また小遣いは月5万3000円で東京より1万5000円少ないが、食への関心は57%(東京48%)と高かった。
 どんな町が好きか。全国の「好きな都市」を自由に挙げてもらった@神戸A京都B札幌の順。逆に「嫌いな都市」は@東京A名古屋B大阪「一番行きたい都市」は@札幌A那覇B函館となり、北海道のイメージが高く大都市は敬遠された。重視したい旅行目的は「おいしいものを食べる」(40%)が1位で「のんびりする」「気晴らし」「スポーツ」などを大きく抜き、グルメぶりが現れた。
 これからの鉄道や車両に望むものとして、テレビ、ラジオ、ロッカー、仮眠室、おしぼり、ドリンクサービス、花の香り、カーペットなど具体的なものを含め43項目から選んでもらった。1位が「清潔な座席」(50%)、続いて「ゆったりした座席」「広くてきれいなトイレ」「男女別トイレ」の4項目がいずれも36%以上で、抜群に多かった。とくに若い層ほど「男女別トイレ」の希望が強い。
 センス、親近感など10のイメージ項目について、関西の大手私鉄5社と大阪市営地下鉄、JR東海、西日本の8鉄道を比較した。「好き」「一流だ」「親しみやすい」「センスが良い」「女性の使いやすさを考えている」の5項目で阪急がトップ。JR西日本は「お客のニーズへの対応に熱心」「社会変化に対応できる」「面白いことをやりそう」の3項目で1位、今後の期待の大きさを示し調査主催者の面目を保った形。
 「活気がある」は地下鉄、「個性がある」は近鉄が各1位。小寺章充・阪急広報室長は「駅や車両の整備、係員の教育に努力してきたのが評価された。これに満足せず今後も親しまれる鉄道を目指す」と話す。
 JR西日本の庄垣内譲・営業開発室長は「需要の動向を決める若い女性が、意外に基本的な機能を求めていたんですね。『イメージの阪急、機能のJR』と言われるが、当方は座席の手入れを念入りにと、トイレも使いやすくするなど調査の声を生かして行きたい」と話している。(朝日新聞 夕刊)
8日■大人2人乗せて走るよ 下京でSL模型展 自慢の15点を展示
 元東映の映画監督で、テレビの「暴れん坊将軍」なども手掛けた林伸憲さん(60)=右京区嵯峨天竜寺広道町=のSL模型コレクション展が、下京区四条通東洞院東入ルの三井信託銀行京都支店1階ロビーで開かれ、鉄道ファンや年配者を喜ばせている。
 林さんは、小型ながら人や貨物を載せて懸命に走る軽便鉄道のSLに魅力を感じ、昭和47、8年ごろから買い集めている。展示会には、そのうち自慢の15点を展示した。
 明治21年、松山市内に登場して小説「坊っちゃん」にも出てくるクラウス型機関車の10分の1の模型は、ピストンやメーター類まで精巧にできていて、大人2人を乗せて走れる。また、英国人スティーブンソンの造ったロケット号や、かつて木曾地方で活躍した森林鉄道などのミニチュアもそろっている。林さんは「模型を動かしたりながめたりする楽しさを多くの人に感じてほしい」と話している。24日まで。(京都新聞)
■京都発「日本の美」 東京駅で”古都名作写真館”
 JR東海主催の「第1回古都名作写真館・京都−歴史が自然と出会うとき」(京都市、市観光協会など後援)が7日、JR東京駅日本橋口のイベント広場特設ギャラリーで開かれた。
 同展はJRが京都写真協会の協力で四季折々の京都の自然をとおして”日本の実しさ”を紹介しようと企画した。
 東北・上越新幹線の6月同駅乗り入れを機にオープンした会場には、京都在住の写真家・山本建三(京都写真協会長)横山健蔵(同副会長)両氏の力作45点が展示され、訪れた人たちは、「平等院のすいれん」(山本氏作)「嵐山の春」(横山氏作)などの美しい情感あふれた京の風物写真に見入っていた。同展は20日まで。(京都新聞)
■国鉄・ミナマタ集会 あす、京で
 「ノーモア・ミナマタ」「1047人の解雇撤回」を合言葉に「国鉄・ミナマタ京都連帯集会」が9日、京都市中京区四条通御前の京都労働者総合会館てせ開かれる。
 旧国鉄の職員解雇・不当配属の是正を求める「国鉄闘争」と、全国各地で和解協議が続く、「水俣病訴訟」の早期全面解決を目指し、運動を連帯させて、支援の広がりを、と京都の両運動団体が企画した。
 当日は午後6時半に開会。国鉄闘争と水俣訴訟の現状の報告、国鉄熊本闘争団や水俣病被害者の訴え、また歌手の野田淳子さんのコンサートなどがある。だれでも参加できる。(京都新聞)
■信楽事故「遺族の会」 20日の説明会 開催受け入れ
 信楽高原鉄道の列車衝突事故で、「犠牲者遺族の会」(21遺族)と同弁護団(事務局長・秋田真志弁護士)は7日までに、JR西日本と信楽高原鉄道両社が回答していた20日午後2時からの説明会開催を受け入れることを決めた。
 開催費について、遺族の会側は、事故原因の真相解明のため信楽高原鉄道には先月28日、JR西日本には今月10日にそれぞれ役員らが同席した説明会を個別に開くよう申し入れていたが、両社は20日午後2時から同4時まで大阪市北区のサンケイビル会議室で共同の説明会を開きたい、と回答していた。
 「遺族の会」の弁護団は「遺族の会世話役と協議し、テーブルについたうえで説明会の方法や出席者など納得のいかない点をただすことにした。あくまでも両者の役員の出席を求めていく」と話している。(京都新聞)
■JR6社 運賃洗い直しへ 通算制度など中心に
 JRグループの旅客6社は7日までに、国鉄時代から続いている現行運賃制度の問題点をJR発足後、初めて本格的に洗い出す作業を始めることを決めた。6社のうち、将来いずれかの社で予想される運賃値上げに備え、制度面で改定すべき点を研究し、調整すめのが狙い。JR6社の路線なら基本的にどの地域でも営業キロの「たし算」で共通に運賃が決まる現行の「通算制」の是非などが作業の中心になるという。
 JR各社の旅客運賃は、発着駅間がJR数社の営業管轄にまたがった場合も、全体の営業キロをたして、運送距離を計算、遠くなるにしたがってキロ当たりの運賃が低くなる「遠距離逓減制」で全体の運賃が算出される。そのあとで各社管内の営業距離の比率に合わせてそれぞれ精算するシステムとなっている。
 関係者によると、将来的に各社とも営業キロ当たりの運賃が変わってくると、通算制では精算方法などが複雑になるとみられ、今回の作業で通算制の問題点を整理する。(朝日新聞)
■地下鉄トンネル内を男性歩き20本に遅れ
 7日午後4時40分ごろ、大阪市阿倍野区、市営地下鉄御堂筋線西田辺−昭和町駅間のトンネル内を素足で歩いていた男性(40)を西田辺駅員が発見、阿倍野署に引き渡した。この間、電車が徐行し、上下20本が最高約10分遅れ、約9000人に影響した。 同署の調べに対し、男性は意味不明のことを話しているという。(朝日新聞)
■叡電が値上げ申請 平均10.7% 初乗り170円
 叡山電鉄(京都市左京区、岩田次男社長)は8日、赤字を理由に運賃を平均10.7%値上げする運賃改定を近畿運輸局に申請した。年内にも実施の意向。値上げされれば、平成元年4月の消費税上乗せの値上げ以来2年ぶり。
 申請によると、叡山本線・鞍馬線は、初乗り運賃の1区を20円アップの170円(現行150円)に引き上げるのをはじめ→2区220円(同200円)→3区270円(同250円)→4区320円(同290円)→5区350円(同320円)とそれぞれ20−30円アップする。例えば、出町柳−鞍馬間は350円(同320円)、出町柳−八瀬間は220円(同200円)になる。
 また、通勤・通学定期も平均11.3%アップし、全体の値上げ率は平均10.7%となっている。
 同電鉄は昭和61年4月、京福電鉄から分離独立、平成元年の京阪電鉄鴨東線の開業で輸送人員は700万人に倍増した。しかし、消費税上乗せの値上げを除けば7年7ヵ月運賃を据え置いているうえ、一部複線化、新車両導入などの設備投資に伴う借入金の金利負担、人件費増加などによって、平成2年度の単年度赤字が3億円、累積赤字は約19億円に上っているため運賃改定を申請した。今回の値上げで約1億2000万円の増収を見込んでいる。(京都新聞 夕刊)
■叡山電鉄が値上げ申請 7年7ヵ月ぶり
 叡山電鉄(岩田次男社長、本社・京都市)は8日、平均10.7%の運賃値上げを近畿運輸局に申請した。消費税の実施に伴う運賃仮定を除けば、7年7ヵ月ぶり。利用者は急増しているが、逆に増便などでコストが上がり、それらに伴う累積赤字を解消するのが目的という。早ければ11月から値上げする予定。
 申請によると値上げは、普通運賃が20−30円で平均10.5%、通勤定期が13.1%、通学定期が9.9%。出町柳−鞍馬間(12.6`)の運賃は、320円が350円に、通勤定期(1ヵ月)は9930円が1万1240円に、通学定期(同)は7340円が8040円になる。(朝日新聞 夕刊)
■線路保守作業車故障 新幹線5本に遅れ
 8日午前3時ごろ、福岡県粕屋郡久山町の山陽新幹線小倉−博多間で、線路保守作業をしていたショベルカーが動けなくなった。約2時間半後に別のショベルカーでトロッコに積み込み、同6時半過ぎに博多駅に収容した。この影響で、博多発東京行き「ひかり50号」など上下5本が最高41分遅れ、約1700人の足が乱れた。
 JR西日本によると、この日の保守作業は下り線の砂利を約400bにわたり交換するため同日午前0時過ぎから初め、午前5時前に終わる予定だった。ショベルカーのエンジンの異常が原因らしい。(朝日新聞 夕刊)
9日■世界初のシールド機 お値段16億5000万円
 3年後に迫ったアジア大会に向け急ピッチで進む広島新交通システム工事で、建設省広島国道事務所は8日、約6bの巨大な2基のカッターを回転させて地中を掘り進むシールド機を公開した。
 シールド機は幅約10b、高さ、奥行き各6bの2連円筒型で大林組などが開発。本体の値段は約16億5000万円。カッター2基を同時に回転させ掘削する「DOT工法」の実用化は世界でも初めてという。(京都新聞)
■地下鉄に九条山駅を 行監事務所に住民申し入れ
 京都市が建設中の地下鉄東西線が完成すれば、現在利用している京阪電鉄京津線の九条山駅が廃止されるとして、地下鉄の駅の新設を求めている「九条山の住環境を守る会」(今西義子、白方英子代表、500人)が8日、京都行政監察事務所に協力を申し入れた。
 1994年度開業予定の東西線には、三条京阪から山科区の御陵まで京阪が乗り入れる。これに伴い、蹴上−御陵1.7`間の九条山と日ノ岡駅が廃止される。しかし、地元の人たちは通学や買い物など日常生活に支障が出るとして、九条山駅の設置を市交通局に求めている。守る会は「納得できる理由はない。交通局の姿勢は硬直している」などと監察事務所に訴えた。
 これに対し、交通局は「市議会に出されていた請願も、今年3月で審議未了になった。工事の難所で費用がかかりすぎる。住民の理解を求めていきたい」と話している。(朝日新聞)
10日■JR京都駅改築事業 外国企業も高い関心 説明会 解放指定で盛況
 日米建設協議のプロジェクトに指定されたJR京都駅改築事業の「マスタープラン及び基本計画概要」説明会が9日、京都市上京区の京都私学会館で開かれ、国内外の企業に対して同駅ビル建設計画の概要と日程が説明された。
 今年7月の日米建設協議で同事業が内外企業に解放されることになりマスタープランの公表が義務づけられたため、京都駅ビル開発(京都市、井手正敬社長)が開催。米国のベクテル社、ターナー社など外国企業約10社を含む約90社約160人が出席した。
 谷口紀久京都駅ビル開発取締役企画部長が「世界に開くゲートととして1994年に間に合わせたい。百貨店、ホテルの内装・設備工事と鉄道の改良工事は別途発注する」と述べ、同計画の経緯、基本コンセプトを説明。続いて四野宮紀郎JR西日本建設工事担当部長が駅ビルの設計内容について説明した。
 出席者はメモを取りながら熱心に聞き入り関心の深さを示していたが、特に質問は出ず、約1時間で終了した。
 京都駅ビル開発は今後、業者の登録、さらに詳細な工事説明会を経て、来春には業者を選定して工事契約を結び、同年秋着工、平成6年度の完成を目指す。総事業費は1000億円を超え、請負業者は共同企業体になる見通し。業者選定方法については、入札にするか随意契約にするか未定という。(京都新聞)
■エアターミナルも当初設計組み込む 地下1階に建設
 JR京都駅改築計画の中で地下1階にシティエアターミナル(CAT)施設が組み込まれていることが9日、明らかにされた。
 四野宮紀郎JR西日本建設工事担当部長が同日開かれたJR京都駅改築事業のマスタープラン説明会で示した。計画によると、地下3階地上16階のターミナルビル(鉄筋・鉄骨コンクリート造り24万6000平方b)の地下1階約1600平方bに、駅事務室、待合ロビーとともにシティエアターミナル施設(4500平方b)を設けた。
 同施設は、京都駅−関西新空港の直通列車の運行に伴って、搭乗券の引き換えや荷物の積み込みなどができるようにする施設。井手正敬JR西日本副社長(京都駅ビル開発社長)はこれまでから列車内の通関手続きを含めシティエアターミナル施設の設置に意欲を示していたが、同駅ビルの設計の中に組み込まれいることが示されたのはこれが初めて。(京都新聞)
■急発進122`で暴走 火災のリニア
 宮崎実験線でのリニアモーターカー火災事故で鉄道総合技術研究所(JR総研)の対策本部は9日、「摩擦熱でタイヤが発火したのが原因」との調査報告を発表したが、火災を起こした「MLU002」が出火直前、30`の低速で自力走行しようとしたところ暴走、速度は最高122`に達していたことが分かった。
 それによると、リニアの走行実験は今月3日午後1時45分に開始されたが、同2時7分ごろ、異常を察知、係員が駆け付けて同30分にタイヤ1本がパンクしたいるのを確認した。その後、時速30`の自力走行で実験センターに帰ることにし、係員3人が乗り込み同2時59分、出発 しかし速度検知装置が誤動作し、リニアが急発進したため、1分後に緊急停止した。この間、約950b走行、最高速度は122`に上った。停止後、床下を確認したが異常はなかったため、停止を繰り返しながら戻る途中、出火した、という。(京都新聞)
■JR京都駅ビル建て替え問題で 国際案に地元3案加え きょう市民コンペ
 景観論争が続いているJR京都駅の建て替え問題で、ミニコミ雑誌を発行している市民グループが10日、「市民コンペ(設計協議)」を実施する。対象は、5月の国際コンペに傘下した7案に加え、これに対抗して地元の大学の研究室や建築家が提案した3案。国際的コンペで選ばれた東大精算技術研究所の原広司教授の設計が、市民の支持をどれくらい得ているのか調べようとの狙いだ。
 主催者は、隔月刊誌「京都TOMORROW」の編集委員会。左京区の勧業館で10日、環境保護や消費者問題など各種の市民団体が集うイベント「秋まつり京都91」に、国際的コンペ参加7点の写真パネルと、3つの市民案の模型を持ち込み、市民に投票してもらう。結果は京都駅ビル開発会社や、許認可かる市にも通知する計画だ。
 国際的コンペでは最も低い59.8bの原教授案が選ばれたが、「現行の高さ制限を破る」として、京大工学部の片方信也助手を中心とする「市民設計委員会」と、府立大学住居学科の本多昭一教授のグループが相次いで、31bの規制を守った設計を提案。一方、地元の建築家若林広幸さん(42)は、逆に75bの双子の丘陵状のユニークな設計を打ち出している。
 「京都TOMORROW」の編集委員の1人、折田泰宏弁護士は「市民の本音を聴きたい。結果がどうなるかは渡しもさっぱり予測できない」と話している。(朝日新聞)
■京都駅改築説明会に外国企業も含め90社
 外国企業の参入を用意にする日米建設協議の対象事業にされたJR京都駅改築計画の説明会が9日、京都市上京区の京都私学会館であった。京都駅ビル開発会社(井手正敬社長)によると、参加した建設90社のうち、米国、韓国など外国企業と見られるのは10社。
 事業費は約1000億円。地上16階、地下3階のホテル、百貨店を核店舗とした駅改築計画の英文パンフレットも用意された。(朝日新聞)
■実験計画の遅れ1年程度 リニア火災
 浮上式鉄道宮崎実験センター(宮崎県日向市)のリニアモーターカー実用型実験車「MLU002」が全焼した事故で、鉄道総合技術研究所(JR総研)の尾関雅則理事長は9日、記者会見し、@宮崎での実験計画は1年程遅れるA山梨の実験の開始時期がずれ込む可能性が強い、との見通しを述べた。ただし、「97年度までに実用化のめどを立てるスケジュールには影響ないようにしたい」と話した。(朝日新聞)
■信楽高原鉄道 12月15日までに運行再開めざす
 42人の死者を出した5月14日の列車衝突事故以来運休している信楽高原鉄道の再開について、滋賀県の花房義彰・生活環境部長は9日開かれた同県議会信楽高原鉄道列車事故対策委員会で、12月15日までに運行を再開したいとの方針をしめした。
 また、事故原因を調べている同県警の佐々木俊雄・本部長は、実際の車両を使って事故当時の状況を再現する「走行テスト」を、10月下旬に3日間程度の規模で実施することを明らかにした。(朝日新聞)
12日■阪急京都線 踏切で衝突 1両脱線 車の5人死亡 乗客1700人無事 遮断機に突っ込む 摂津市
 11日午後8時20分ごろ、摂津市香露園の阪急京都線産業道路踏切で梅田発河原町行き急行電車=林隆二運転士(35)・8両=が、乗用車と衝突、1両目が脱線した。乗用車の男性5人が車外へ投げ出されるなどして死亡した。電車には約1700人の乗客がいたが、けが人はなかった。
 この事故で、京都線は上下線とも不通となり、終電車まで計83本が運休、約5万3000人が影響を受けた。
 阪急電鉄は、長岡天神−河原町間と正雀−梅田間で電車を折り返し運転する一方、JRと京阪電鉄に乗客を振り替え輸送した。復旧は12日の始発以降になる見込み。
 大阪府警摂津署と阪急電鉄などの調べによると、事故当時、産業道路踏切は、遮断機が完全に下り、警報機が作動していた。急行電車電車は約100`の速度で接近、踏切の手前30bほどにさしかかったところ、乗用車が西から東へ、遮断機を押し上げるようにして踏切内に進入し、衝突したという。
 急行電車は乗用車を車両の下に巻き込んで、押し出すようなかたちで踏切を約500b走り過ぎ、停車した。乗用車は大破、乗っていた5人のうち3人が車外へ投げ出される衝撃だった。
 運転免許証などから乗用車を運転していたのは、現場近くの会社員北津留豊さん(27)とみられ、同署は残る4人の身元確認を急いでいる。
 現場はJR東海道線千里丘駅の南約500bで、付近には住宅や工場が立ち並んでいる。事故のあった踏切は見通しがよいが、ふだんから車の通行量が多い。
・阪急京都線衝突事故 「ドーン」車真っ二つ 500b巻き込み乗客騒然
 遮断機を突き破って、踏切に入った乗用車を、迫る急行電車が避けるすべもなかった。乗用車は衝撃で約500bも巻き込まれ大破、ドライバーら5人が即死した。11日夜、摂津市内の阪急京都線踏切で起きた衝突事故。約100`の速度で走る電車の衝突、脱線に、車内の乗客や付近の住民らは騒然となった。
 目撃者らによると、乗用車は電車と衝突した際、車体がほぼ前後に真っ二つに裂けた形になって、車の後部にのっていた3人が車外に放り出された。電車は残る2人を前半分に閉じ込めたまま、約500b走ってようやく止まった。その間の線路上や軌道わきには、乗用車のタイヤやドアなどが散乱していた。
 事故現場から約20b離れた所で書店を経営する西川香代子さん(40)は「突然地響きがして、表に飛び出すと踏切を電車が通過していくのが見えた。車はバラバラになって線路沿いに転がっており。列車の最前部に巻き込まれていた車体はスクラップされたように跡形もなかった。乗客は、京都方面から来た列車に乗り移り、混乱はなかったようだ」と話していた。
 現場すぐわきの飲食店店主奥田真教さん(48)は、「ドーンというものすごい音がしてギギーッという物をひきずるような音で店から飛び出した。車のマフラーだけが踏切のところに落ちていて、部品が点々と線路わきに落ちているようだった。踏切の遮断機も根こそぎなくなっていた。電車の車輪に自動車の部品が食い込んでいたようだ」と衝突のすさまじさを話した。
 また近くの大阪学院大学2年生の吉田正則さん(20)は「部屋の窓をあけたら、すぐ下の踏切わきに人が大の字になって倒れていた。この踏切は非常に事故が多い。一度遮断機が下りると4、5本電車が通り、10分以上待つこともある。急いでいる人が無理に線路を渡ろうとして事故になるようだ」と話していた。
・折り返し運転や振り替え輸送も
 事故は京都−大阪の通勤客らの足を寸断した。
 週末で通勤客などがふだんより多めの河原町駅では、構内放送で事故の発生を知らせるとともに、JRと京阪電車で振り替え輸送をしていることを説明。発売を中止した券売機の前にも張り紙を出した。また、JR京都駅や京阪四条駅などに職員を配置して定期券利用者に「振替乗車証」を配布して乗客をさばいた。
 河原町駅発の電車は長岡天神駅と桂駅で折り返し運転となり、乗客の混雑はあまりなかったが大阪方面へ帰る人が乗り換え方法が分からず、改札口で駅員に事情を聴く人の列ができた。
 仕事を終えて仲間4人とともに梅田まで帰る予定の会社員植田宏明さん(43)は「地下鉄とJRに乗り換えるのは面倒ですわ、帰宅を急いでいた。
 長岡京市の長岡天神では、午後9時15分以降、河原町駅との折り返し運転が行われたものの、梅田方面には8時36分に電車が発車して以降は一切運転されず、河原町駅からの下り電車が到着する度に大勢の客が降り、改札口はラッシュ並みの混雑となった。駅員に詳しい説明を求めて、食い下がる人の姿も見られた。
・春にも同様事故 現場踏切
 事故のあった産業道路踏切では、今年4月29日深夜にも、電車と乗用車の衝突事故が起きている。事故は午後11時40分ごろ、発生た。遮断機のの下りた中を、今回の事故とは逆に東から西へ乗用車が踏切に進入し、走ってきた普通電車とぶつかった。乗用車を運転していた吹田市の会社員(24)が車外に投げ出されて死亡、電車の1両目が脱線した。
 摂津署の調べでは、事故は乗用車の 過失によるとみられるが、阪急電鉄でもこの事故以降、踏切の点滅灯や反射板を増設し、安全対策を図っていた、という。
 一方、近隣の踏切利用者からは、同踏切の遮断時間が長いため、待ちきれなくなった車が横断する、との声もあるが、阪急電鉄運輸部は「ダイヤ編成からみても、1回の遮断時間が特に長いとはいえない」としている。朝夕のラッシュ時には、1時間に合計30分間遮断機が下りている、というが、隣接の踏切も同じ条件で、また他の京都線の踏切と比べても「遮断時間が長いとはいえず、事故の原因となっていることはあり得ない」と否定している。(京都新聞)
■信楽高原鉄道再開へ JR、技術社員派遣
今年5月の列車衝突事故以来ストップしている滋賀・信楽高原鉄道の運行再開に向けて、JR西日本は11日、安全対策室の小畑信首席(52)を運行マニュアル作りの保安担当技術者として派遣することを決めた。14日付で高原鉄道会社業務部長付に出向させる。JRは9月2日に旧国鉄OB2人を同社に派遣しているが、現職社員は初めて。(朝日新聞)
■急行と衝突、5人死亡 踏切に乗用車進入 阪急京都線
 11日午後8時20分ごろ、大阪府摂津市香露園の阪急電鉄京都線の通称産業道路踏切(警報機、遮断機付き)で、梅田発河原町行き急行電車(8両編成、林隆二運転士)と進入してきた乗用車が衝突、乗用車は約300b引きずられて大破、乗っていた男性計5人が死んだ。電車は1両目の最前部の車輪が脱線したが、乗客約1700人にけがはなかった。
 この事故で、京都線は上下線とも長岡天神−正雀間が不通になった。阪急電鉄はその前後で折り返し運転、京都方面に向かう乗客を並行して走るJRと京阪電鉄に振り替え輸送した。終電までの京都線上下83本が運休、約5万3000人の足が奪われた。
 摂津署などによると、乗用車の所有者は大阪府泉南市の女性。乗っていたのは20−30代の男性5人・身元確認を急いでいる。
 調べによると、乗用車は急行が踏切手前にさしかかった時に下りている遮断機をはね上げるようにして進入、急行は時速約100`で走っており。急ブレーキをかけたが間に合わず衝突、まき込むように進み、止まった、という。
 車両は当時、帰宅途中の通勤客でほぼ満員状態。急ブレーキで倒れる人もいたが、車両が横転しなかったため、大事には至らなかった。遺体のうち3体は切断された乗用車の後ろ半分の近くで線路上にほうり出される形でみつかったほか、残り2体は電車の下で押しつぶされた車内で死亡が確認された。
 現場の踏切は同市内を南北に貫く産業道路と、東西に走る阪急が交差する。道路沿いには商店や事務所が立ち並ぶため交通量が多く、渋滞がちだった。そのため、無理に横断しようとする車も多く、踏切事故もしばしばあったという。
・障害物検知装置働かず
 阪急電鉄によると、同社は自動車が通行するすべての踏切246ヵ所に、赤外線による障害物検知装置を設置。しかし、@遮断機が下り始める時間帯A列車が制御可能な数100b手前にいる−の条件下で車が踏切に進入した場合に列車を自動停止させる仕組み。
 今回のような場合役に立たないという。(朝日新聞)
■快速うっかり停車駅を通過 JR山陽線御着駅
 11日午後2時40分ごろ、姫路市御国野町のJR山陽線御着駅で、野洲発網干行き快速電車(6両編成、乗客300人)が、ホームの停車位置を約200b行き過ぎて止まった。車掌や運転指令と打ち合わせをして後続の信号を赤に変えバックするなどしてお客約40人を乗降させたが、11分遅れた。JR西日本の調べでは、運転手が停車駅をうっかり間違えたらしい。(朝日新聞)
■阪急京都線衝突事故 死亡の5人は建設会社員
 摂津市香露園の阪急電鉄京都線踏切で11日夜起きた衝突事故で、死亡した乗用車の5人のうち2人は12日朝までに、建設会社「リョウタク」=茨木市沢良宜西=の従業員で摂津市香露園の同社社員寮、北津留豊さん(27)=本籍大分県=と堺市北安井町、中村一義さん(43)と確認された。
 また他の3人も「リョウタク」の従業員でいずれも寮に住む下原義範さん(20)、岩尾昭良さん(18)=本籍大分市、島功さん(46)=同長崎県=と、12日昼までに大阪府警摂津署などで確認された。
 不通になっていた阪急京都線は12日未明までに事故車両などが撤去され、始発から平常通り運行した。
 摂津署などは、遮断機が下りていた踏切になぜ車が進入したか調べる。(京都新聞 夕刊)
■阪急電車事故 5人は同僚
 摂津市香露園の阪急電鉄京都線の踏切で11日夜起きた急行電車と乗用車の衝突事故で、乗用車に乗っていて死亡した5人は、茨木市内の建設会社に勤める同僚とわかった。
 摂津署によると、死亡したのは持っていた免許証などから北津留豊さん(27)、中村一義さん(43)、下原義範さん(20)、岩尾昭良さん(18)島功さん(46)。
 調べでは、運転していたのは北津留さんで、遮断機の下りている踏切に入ったらしい。しかし、現場の踏切は直線の緩やかな坂道の頂点で、車からは線路が見えにくく、付近には飲食店や商店が多いため、警報機の点滅がネオンサインにまぎれて見えにくいという。また、道路の両側には踏切手前まで街路樹があり、昼間でも警報機が隠れがちになっているなどドライバーからの指摘もあり、同署は北津留さんが遮断機を突破した理由についてさらに調べている。
 現場の踏切では、今年4月29日夜、遮断機を突き破って進入した乗用車が下り電車と衝突、炎上して男性1人が死亡する事故が起きるなど、これでこの1年間に3件の死亡事故が発生している。(朝日新聞 夕刊)
■朝の「環状線」停電で乱れる 天王寺駅
 12日午前6時56分ごろ、大阪市天王寺区のJR大阪環状線天王寺駅で、天王寺発大阪行き内回り電車(8両編成)が発車しようとしたところ突然停電した。JR西日本は発車を見合わせ、乗客約500人は後続の電車に乗りかえた。この事故で内回り電車3本が運休、7本に9分から3分の遅れが出て、約7000人の足に影響した。(朝日新聞 夕刊)
13日■強風、湖西線乱れる 1万人に影響
 台風21号の影響による強風で、12日午後、JR湖西線で徐行運転や運転休止が行われ、通勤電車や特急など計41本、1万人に影響が出た。
 JR西日本によると、午後0時すぎに、近江舞子駅で風速20b、1時には比良川で風速20bを記録したため、比良−北小松駅間を時速30`の徐行運転にした。さらに、4時半に平川で風速25bの強風を記録。JR湖西線は堅田−近江今津間で24本が運転休止、代行バスを出したが、午後8時すぎに風が収まったため、運行を再開した。
 この影響で、富山発大阪行き「スーパー雷鳥6号」など特急2本が大阪−米原間の運転を中止したほか、北陸線の特急15本が米原から東海道線へ迂回運転し、最高35分の遅れを出した。(京都新聞)
■走れニュートレイン 27 SLパレオエクスプレス 秩父鉄道 海獣マークが人気
 昭和63年3月に開かれた「さいたま博」に併せて、SL列車「パレオエクスプレス」が熊谷と三峰口間57`を走った。
 今から2000万年前、秩父地方に生息していたという海獣パレオバレドキシアにちなんで名付けられたSL列車で、さいたま博終了後も保存SLとして1日1往復の運転を続けている。
 SLは近くの小学校に保存されていたC58形を秩父鉄道、JR東日本、沿線市町村などが共同出資した埼玉県北部観光振興財団によって復活運転している。
 19年に造られた客貨両用万能のC58形は、41年まで東北地方で走っていた。昔ながらの木造旧型客車4両を引いたノスタルジックなSL列車で、東京から近いとあって、今も休日を中心とした運転日には行楽客の人気を呼んでいる。
 観光誘致を目的に化粧直しが施され、テンダー(炭水車)の海獣マークと「パレオエクスプレス」のしやれた文字が子供に人気がある。
 秩父鉄道は、武甲山一帯のセメント工場からのセメント輸送が主体の私鉄だが、沿線には有名な長瀞や秩父札所巡り、ひなびた鉱泉宿など観光の見所も多い。
 特に秩父高篠温泉郷の「不動の湯」は、不動のお告げで開湯されたという川沿いの素朴な湯で、温泉愛好家でにぎわっている。
 ここから石仏で知られる金昌寺などへの散策も便利だ。(鉄道写真家・南 正時)
 〈メモ〉「パレオエクスプレス」は休日を中心に運転され、夏休み期間中は運転日も多い。問い合わせと予約は、0485(23)3317、株父鉄道営業課へ。熊谷−三峰口間の所要時間は約2時間30分。同区間乗車券740円のほかにSL整理券400円(自由席大人子供同額)か必要。JR東日本のみどりの窓口でも発売。(京都新聞)
14日■和歌山−園部 貨物線使い直行列車 なぜか京都、大阪駅う回 狙いは観光客誘致 JR商法 ちょっと矛盾も…
 JR阪和線、東海道線、山陰線などを通って和歌山と園部を結ぶが、途中で貨物線を使ってう回するため大阪駅にも京都駅にも立ち寄らないという風変わりな走りっぷりの列車が、この秋臨時ダイヤで登場した。最短コースを選んで紀州方面から嵯峨野、嵐山に観光客を運ぶ狙いの列車で、鉄道ファンも「推理小説のトリックに出てきそうなミステリアスなコース」と、JR商法に驚いている。14日は鉄道記念日。
 今月6日から来月24日まで休日運転中の快速「嵯峨野・嵐山ホリデー221」の1号と4号。園部行きの場合、和歌山を出るとまず阪和線で天王寺を通り、大阪環状線の外回り線へ。環状線西九条で左へ分かれ、梅田貨物線をひた走り、大阪駅の北側を抜けて新大阪駅南側で東海道線に合流。向日町を通過して間もなく、東海道線に分かれを告げて梅小路貨物線に入り、京都駅はるか東に見ながら高架線を走り、丹波口駅の南側で山陰線に入る。和歌山行きは、まったく逆のコース。2号、3号(園部・姫路間)は、大阪駅を当たり前に通るが、京都駅は同じやり方でパスする。
 この快速は、保津峡のトロッコ列車に紀州の客を誘致することを主目的に設定された。JR西日本広報室は「環状線と東海道線は線路がつながっておらず、梅田貨物線を走る意外ない。梅小路貨物線を通るのは、京都駅に入っていたら、電車の前後が逆になり、その準備で時間のロスが出るため。これまで大阪駅など一部う回する列車はあったが、こんな徹底したケースは初めて」と説明している。車両は、東海道・山陽線の新快速と同じ221系の4両編成で、うち1両が指定席。天気の良い日には立ち客も見られる、ガラガラの日もあるとか。
 立命館大学鉄道研究会の法学部3年中島正範開帳は「マニアとしては非常に興味深い列車だ。貨物線を走った方が便利なら、それはそれでいいと思う。ただ、列車というのは本来乗客を運ぶためのものだから、乗客の多い京都駅と大阪駅をわざとう回するというのは、どこか自己矛盾のような気もするが…」と話している。(京都新聞 夕刊)
15日■JR京都駅の改築 設計の原教授講演「京都らしさ狙った」 駅前商業地区連絡協の総会
 JR京都駅ビルの設計競技(コンペ)で作品が採用された建築家の東京大学教授原廣司氏が14日、京都市下京区の京都タワーホテルで開かれた京都駅前商業地区連絡協議会(代表幹事、樋口信一七条商店街振興組合理事ら2人)主催の定時総会・特別講演会で講演し「京都らしさを考えた」と設計の狙いを語った。
 原氏は「京都駅ビルの設計にあたって」と題しスライドを交えながら約1時間講演。「設計案を提出した当時は、建物の高さをできるだけ抑えたので技術的な不安もあったが、ようやく実現できる見通しに至っている」と前置きし「京都を訪れる人に駅として強い印象、思い出が残ることを第一義に考えた」と設計の力点を語った。
 具体的な特徴として「日本らしい建築」を基本にすえ「自然の変化に伴って建物の表情が変わるように心掛けた。外に対しては単純な表情だが、中へ入ると個性的な作り方をしている」と説明し、内部の段丘状構造、平安京のマトリックスをイメージした空中地盤−などを例示。「伝統との調和・融合という課題はこれからも続く。アジア文化は西洋と必ずしもうまく合っていないので、時代ごとに回答を出していかねばならない」と話した。(京都新聞)
■京都駅改築で市民団体 文書公開求め異議申し立て
 JR京都駅ビル改築に反対している「のっぽビル反対市民連合」(代表・西山卯三京大名誉教授)は、第三セクターの同駅ビル開発会社に出資している京都府に対して公開請求していた関連文書が、さる8月、不受理、部分公開にとどまったのを不服として、14日、府に全面公開を求める異議申し立てを行った。
 異議申し立ての対象公文書は、「存在しない」(府)として不受理となった同会社の取締役会議事録と、「株式払込書」のうち非公開部分の出資法人名などを記した4文書で、同連合では「第三セクター会社の公的性格からみて公開すべきもの」としている。(京都新聞)
■京都駅改築の関係文書 全面公開を申し入れ 府に市民団体
 京都駅の改築に反対している市民団体「のっぽビル反対市民連合」(代表=西山卯三・京大名誉教授)は14日、京都駅ビル開発株式会社の取締役会議事録など、京都駅改築計画関係の14件の文書を非公開および部分公開とした府の決定について、文書を故意に隠そうとするもので違法だ、として全面公開するよう、府に異議を申し立てた。
 府の決定は8月13日付で出されたもので、異議申し立てのあった14件のうち、10件について府は「存在しない」と言っている。市民連合は7月末に文書の公開を請求していた。
 今回の異議申し立てについて、市民連合は「建都1200年を前に、府が威信をかけて進めている事業なのに、取締役会の議事録などの重要文書が存在しないのはおかしい」と話し、異議申し立てが却下されれば、府を相手どり行政訴訟を起こす意向を明らかにした。(朝日新聞)
■京都駅市民コンペ、地元案上位
 京都の景観論争の中心となっている京都駅ビルの建て替え問題で地元のミニコミ誌「京都TOMORROW」が「市民コンペ(設計競技)」を開き、結果を14日まとめた。対象は、5月の国際的コンペに参加した7作品に加え、これに対抗して地元大学の研究室や建築家が提案した3案。ベスト3を地元案が独占し、改築案に採用された原広司東大教授の設計は6位にとどまった。
 市民コンペは、京都市内で10日に開かれた市民団体の共同イベント会場にパネル写真と模型を展示。来場者に気にいった3つの作品に1位3点、2位2点、3位1点として投票してもらう形式で行った。6時間で660人が参加した。
 1位に選ばれたのは、京都府立大学居住学科、本多昭一教授の研究室の作品。現行の高さ規制いっぱいの31bの大屋根で、ホームやバスターミナルをすっぽりおおったのが特徴。(朝日新聞)
■信楽高原鉄道 23日から走行テスト
 信楽高原鉄道列車事故を調べている滋賀県警の捜査本部は、事故原因究明のための実車テストを、23日から3日間、同鉄道全線で行うことを、14日明らかにした。(朝日新聞)
■湖西線ダイヤ乱れる
 15日午前6時40分ごろ、滋賀県滋賀郡志賀町のJR湖西線で、25b以上の風速を観測するなど、同地域で早朝から西寄りの強い風が吹いた。JR西日本は、比良−近江舞子間で一時運転を見合わせ京都−堅田間と永原−近江今津間で折り返し運転、近江今津−堅田間でバス代行運転をした。
 同9時に復旧したが富山発大阪行きの特急「スーパー雷鳥12号」が約50分遅れたのをはじめ14本が40−50分遅れ、13本が部分運休、函館発大阪行き特急「日本海4号」など7本を東海道本線をう回運転し、約1万3000人の乗客に影響が出た。(京都新聞 夕刊)
■JR湖西線 強風で13本運休 通勤の足乱れる
 15日午前6時40分ごろ、滋賀県滋賀郡志賀町のJR湖西線で風速25b記録し、堅田−近江今津間で約2時間にわたり上下13本が運休した。このため、大阪と北陸地方を結ぶ特急、急行上下7本が東海道線米原経由でう回し、京阪神の朝の通勤にも影響、富山発大阪行き特急「スーパー雷鳥12号」や新快速など上下14本が最高51本遅れ、約1万3000人の足が乱れた。(朝日新聞 夕刊)
16日■信楽鉄道の休止承認
 信楽高原鉄道列車事故で同鉄道が運輸省に全線の休止許可を申請していたが、運輸審議会は15日、申請通り休止を承認した。これを受けて、同省は16日、休止を許可する方針。
 休止期間は12月15日までで、区間は同鉄道の全線14.7km。事故により同鉄道の機能は停止したものの、JR西日本の支援などで再開の可能性が生まれたため、再開に向けて、休止許可を申請したという。同省は「休止期限以前の再開も安全性が確認できればあり得る」としている。(京都新聞)
■JR西日本と組合 分裂より安全を 合同安全会議新設へ
 JR西日本と同社の5労働組合は15日、列車運行の安全対策について合同で定期的に協議する「労使安全会議」(仮称)を新設することで合意した。JR西日本では今春、主流派組合が分裂して全国組織から一方が脱退するなどの内紛状態が続いていたが、信楽高原鉄道衝突や福知山線脱線など大事故が相次いだため、会社側、各組合とも安全問題に限って、全国のJRグループでは初めて同じテーブルにつく。
 安全会議は年2、3回で、第1回は11月中旬、会社側から井出正敬副社長ら役員5人、5組合から各2人のの計10人が参加して開く予定。5組合は、西日本旅客鉄道労組(JR西労組)→西日本鉄道産業労組(西日本鉄産労)→国鉄労組西日本本部(国労西日本)→JR西日本労組(JR西労)→全国鉄動力車労組西日本地方本部(全動労西日本)。
 井出副社長は「各組合からきたんなく意見や提案を出してもらい、投資の優先順位を決める際の心構えにしたい」と話している。
 JR西日本では、5月に最大労組のJR西労組から旧動労系が分裂してJR西労が新発足。7月には旧鉄労系のJR西労組がJR総連から脱退するなど揺れていた。旧動労、旧鉄労、国労が一堂に会するのは初めて。(朝日新聞)
■信楽高原鉄道12月に再開へ
 今年5月の列車衝突事故以来ストップしている滋賀県の信楽高原鉄道の運行再開について、運輸省は16日、同鉄道の「事業全部休止許可」を12月15日までの期限付きで決めた。運休許可を正式に得たことで、同鉄道は技術面や乗務員などの準備に入り、運輸省の保安監査を経て、12月には届け出だけで再開できることになった。またJR西日本は同日、OBの運転士3人を近く同鉄道に派遣することを明らかにした。
 休止許可は鉄道事業法で申請が義務づけられているが、事故後の混乱と再開のめどが立たなかった事から、延び延びになっていた。高原鉄道では、信号所を使わず単線折り返しで運行計画を立て、安全マニュアルを作成したうえで来月にも試運転をし、12月の早い時期に再開したい、と話している。(朝日新聞 夕刊)
■遺族の会が質問状
 信楽高原鉄道事故の死者42人のうち19人の遺族でつくる「JR西日本・信楽高原鉄道列車衝突事故犠牲者遺族の会」(吉崎俊三世話人代表)と同弁護団は16日までに、JR西日本と信楽高原鉄道に質問状を渡した。20日に大阪市で予定している両会社の合同説明会で回答するよう求めている。
 JR西日本に対しては、事故の責任をどう考えているか→事故原因調査の結果→犠牲者慰霊の方策など13項目。信楽高原鉄道に対しては、さらに、事故当時の社員の職務内容→再開に向け、事故の教訓を安全対策にどう生かしているか、など16項目。(朝日新聞 夕刊)
■列車にはねられ自転車の男性死亡 JR和歌山線
 16日午前8時40粉ごろ、奈良県香芝市狐井のJR和歌山線狐井第二踏切(警報機付き)で、自転車に乗った同市西真美1丁目、無職奥田国彦さん(79)が、奈良発王寺行き普通電車にはねられ即死した。この事故で同電車が現場に13分間停車するなど、上下計3本が13−5分遅れ、約1300人が影響を受けた。(朝日新聞 夕刊)
17日■市バス地下鉄 消費税転嫁を表明 京都市長が会見 時期は明言せず
 田辺朋之京都市長は16日の定例貴社会見で、公共料金への消費税転嫁について「(改正消費税実施を受け)消費税転嫁を行う責任がある」と述べ、市バス地下鉄運賃などへの消費税転嫁を実施したい考えを明らかにした。
 田辺市長は、消費税法が国会各党一致で改正されたのを踏まえ、「法の趣旨からいうと(自治体として)消費税転嫁を行う責任がある。(京都市としても)転嫁していく方針で準備を勧めていきたい」と表明した。
 しかし市会への関連条例案の提出や実施時期については「議会や市民に事情を十分説明するなど慎重に手順を経る必要がある」と、明言を避けた。
 京都市は消費税成立後の平静元年3月定例市会で公共料金に消費税を転嫁する条例案を提出。公明、社会、民社、共産の反対多数で否決された。
 しかし、消費税の対象となる一般、特別、公営企業の各会計のうち公営企業の市バス・地下鉄運賃については、さきの9月定例市会で市理事者が「できるだけ早い時期に転嫁を考えたい」と前向きの姿勢を示している。
 上下水道料金については前年度は黒字会計だったこともあり、転嫁すべきかどうかなど検討しており、他の一般、特別会計についても取り扱いは未定。
 記者会見ではJR京都駅ビル問題で佐藤達三助役が道路や広場、地下街などの整備も含めた全体としての絵をまとめたうえで順次、都市計画決定を」と、駅周辺を一体的に整備していく必要性を強調。協議がまとまったものについて順次、本年度内に都市計画決定したいとの考えを示した。(京都新聞)
■信号線切断、南海乱れる
 16日午後4時10分ごろ、大阪府高石市綾園7丁目の高架府道をはしっていた泉大津市助松1丁目、建設会社「中尾組」のトラック=米田高一運転手(29)=のクレーンのアームが、府道の上6.1bにある南海電鉄本線の信号用高圧線2本と動力線1本(いずれも6600ボルト、直径2_)に触れ、線を切断した。このため、府道の8b下を横切っている同本線羽衣−泉大津間の信号が全部消え、この間を走行中の普通電車上下2本(乗客計400人)が自動列車停止装置(ATS)で緊急停車、約40分間ストップした。
 この影響で特急2本が運休、このほか上下75本が最高1時間遅れ、約3万人の足が乱れた。事故は夕方のラッシュ直前に起き、南海電鉄では、新今宮駅からJR阪和線や阪堺電車に振り替え輸送を依頼、代行バスも運転した。現場は午後6時ごろ復旧したがダイヤの乱れは午後7時ごろまで続いた。(朝日新聞)
18日■仏で列車同士が正面衝突 16人が死亡
 【パリ17日共同】パリ南東約40`のムラン駅のすぐ近くで17日午前6時半(日本時間午後2時半)ごろ、ニース発パリ行き急行列車と貨物列車が衝突、警察の集計では16人が死亡、重傷11人を含む、約57人が負傷した。
 国鉄発表などによると、時速約120`で走ってきた客車に、パリ南郊コルベイユ発の貨物列車が同約40`の速度で正面衝突、客車がV字型に折れ曲がったり、機関車の上に乗り上げるなどの惨事となった。原因などはまだ明らかになっていないが、貨物列車運転士が赤信号を無視した可能性が指摘されている。
 フランスでは、1988年6月、パリのリヨン駅で56人が死亡、32人が負傷した列車事故が起きており、この時以来の大規模な列車事故となった。(京都新聞)
■パリ近郊 列車衝突104人死傷
 【パリ17日=中川謙】パリの南約50`にある仏国鉄ムラン駅近くで、17日午前6時半(日本時間同午後2時半)ごろ、ニース発パリ行き寝台列車と貨物列車の乗客14人が死亡、約90人が負傷した。うち約50人が重傷で、犠牲者はさらに増える可能性がある。
 貨物列車に側面から突っ込まれる形になった寝台列車はほぼ全車両が脱線。救出作業は難航した。仏国鉄(SNCF)などの調べでは貨物列車が引き込み線伝いに寝台列車の走る線路を横切ろうとしていたらしく、貨物列車の運転士の信号見落としが原因ではないかとみて、調べている。パリ日本大使館の調べではこれまでのところ、死傷者のなかに日本人は確認されていない。(朝日新聞)
■実車走行検証を前に 車両のならし運転 信楽高原鉄道
 信楽高原鉄道事故の最終鑑定として滋賀県警が23日から3日間行う実車走行検証を前に、18日朝、検証に使用する車両のならし運転が同線で行われた。
 ならし運転は、事故による大破を免れた高原鉄道の2両と、一部事故車両を含むJRの3両を使用した。午前8時半、まず信楽高原鉄道の車両が、県警捜査員や同鉄道職員が乗り込み、信楽駅を出発。赤くさびついたレールの上を時速30`以下のゆっくりしたスピードで走行。貴生川駅手前との間約14`を2往復し、走り具合やレール状態などを点検した。
 同線に車両が走るのは、さる8月始めの事故車両搬走以来、約2ヵ月半ぶり。各踏切には警察官が立ち、安全確保に当たった。
 一方、JR車両は事故当時と同重量にするため、土のう600袋(約15d)を朝から貴生川駅で積み込み、午後に同区間を2往復する。(京都新聞 夕刊)
■ア・ペン 信楽事故と社長の説明
 京都市右京区、会社役員臼井和男さん(52)は信楽高原鉄道列車事故で、長女=当時(26)=を亡くした。49日の法要が済んだ7月上旬、JR西日本の社長や運転士、車掌に手紙を書いた。
 「娘はJRに乗っていたんです。手紙を出した後、(JRと高原鉄道両社でつくる)被災者相談室の室長と所長が説明に来ました。でも、知りたい答えは得られなかった…」
 臼井さんは、今も直接の返信を待ち続けている。
 列車事故から5ヵ月がたった。42遺族のうち、21遺族でつくる「犠牲者遺族の会」とJR西日本、信楽高原鉄道両社の説明会が今月20日、大阪市内で開かれる。
 JRの井沢常務、高原鉄道の杉森社長(信楽町長)らが出席する。だが、名簿には、遺族の会が出席を求めていた角田社長の名前はなかった。社長欠席の理由を「井沢常務が鉄道本部長なので」とJRは説明する。
 6月に信楽町の体育館てせ営まれた合同慰霊祭で、角田社長は慰霊の言葉を延べ、弔意を表した。しかし、多くの遺族は十分とは受けとめていない。
 昭和60年夏。日航ジャンボ機が群馬県・御巣鷹の尾根に墜落した。死者520人の大惨事。高木元社長は社長の退任後もなお、遺族宅の訪問を続け、御巣鷹の尾根に慰霊登山しているという。
 ジャンボ事故は、今回の列車事故とは形態も、責任の所在も違っている。だが、責任の有無は別にして、JRも列車事故の当事者である。事故原因は、滋賀県警捜査本部や運輸省の調査検討委員会が糾明しており、いずれ明確にされる。
 JR西日本は、鉄道存続を願う地元住民の要望にこたえる形で、OBや現役を高原鉄道の主任技術者や保安教育指導指導員に派遣するなど支援の手を差しのべ、鉄道の12月運行再開にめどがついた。
 最愛の人を亡くした遺族に、どれほど時間をかけて説明しても、納得を得ることはできないかもしれない。しかし、社長自らが遺族と向き合いことで、遺族は哀悼の意をくみとり、少しでも心の傷をいやすことになるのではないか。
 「私の妻は、私の母はJRの切符を買ってJRの列車に乗り、かけがえのない生命を失ったんです」
 遺族の声は、痛切である。(京都新聞 夕刊)
■濃霧で関西線乱れる
 18日午前5時半ごろ、奈良県北部で濃霧が発生、視界が約100bとなったためJR関西線平城山−法隆寺間が約2時間にわたり徐行運転となった。上下線27本が最高12分遅れ、通勤客など約2万人の足が乱れた。
 大阪管区気象台などによると、17日夜の雨の影響で湿度が100%近く、早朝に晴れ上がったため放射冷却現象が起き、濃霧が発生した。(京都新聞 夕刊)
■慣らし運転始まる 信楽高原鉄道
 死者42人を出した滋賀県甲賀郡信楽町の信楽高原鉄道で、18日、原因究明のために滋賀県警が行う実車走行テストに備え、事故車両を使って慣らし運転が行われた。
 まず午前8時半、同鉄道の列車が信楽駅を出発。事故当時は4両編成だったが、残った2両だけを使い、衝突現場を通って、貴生川駅を目指した。
 一方、約700人が乗っていたJR側の事故車では午前中、事故当時の状況に近づけるため、乗客の代わりに砂袋600袋を車両に積み込む作業が行われた。午後に走る。
 実車走行テストは23日から3日間続く。(朝日新聞 夕刊)
■線路内へダンプ車 JR山陽線乱れる 兵庫・太子町
 18日午前9時40分ごろ、兵庫県揖保郡太子町糸井のJR山陽線網干駅西約500bで、線路と並行した道路を走行中の同県佐用郡南光町中島、山本清さん(42)運転のダンプカーがガードレールを破って上り線路内に突っ込んだ。この影響で山陽本線英賀保−竜野間が一時不通になり、普通電車上下13本が運休し、約2000人の足が乱れた。(朝日新聞 夕刊)
19日■精神薄弱者の運賃割引 26中小私鉄も12月から実施
 近畿運輸局は18日、精神薄弱者に帯する運賃割引適用を京福電鉄、近江鉄道など中小の26鉄道事業者に認可した。大手5社などともに12月1日から実施される。
 精神薄弱者療育手帳を持つ人が対象で割引内容は、常時介護の必要などがある第一種精神薄弱者が介護者(1人)と一緒に乗車する場合、本人と介護者の普通・定期・回数乗車券、単独で101`以上利用する時は普通乗車券の料金がいずれも半額となる。また、第二種精神薄弱者が介護者と乗車するはばあいの定期券、単独で101`以上利用時の普通券も半額に割り引く。 叡山電鉄など9社には、一部で割引の適用除外がある。(京都新聞)
■精神薄弱者への割引 中小私鉄なども認可
 精神薄弱者に帯する運賃割引制度の新設について、近畿運輸局は18日、山陽電鉄、神戸電鉄など近畿2府3県の中小私鉄や大阪、京都の地下鉄、ケーブルカーなど26業者に太子申請通り認可した。12月1日から実施される。これで関西の鉄道事業34者すべてが割引できる事になった。(朝日新聞)
■着ぶくれ季節前に新快速など増便へ 来月21日からJR
 JR西日本は現在混雑状態のひどい阪神地域で、新快速の増強と快速の増便を柱にしたダイヤ改正を発表した。着ぶくれシーズンに入る11月21日から実施する。東海道・山陽線の平日夕方の姫路方面行き新快速15本を現在の6両から8両にし、福知山線の平日朝の新三田発大阪行きの快速(6両編成)1本増発する。(朝日新聞)
■仏の列車衝突事故 死者は24人に
 【ムラン(フランス)18日=AFP時事】パリ南郊にあるムランの警察の、18日の発表によると、ムラン駅で17日早朝発生した列車同士の正面衝突事故の死者は24人に達した。(朝日新聞)
20日■走れニュートレイン 28 あずさ JR東日本 展望席が欲しい特急
 JR中央線を走る特急「あずさ」はかつて歌にも歌われ、一躍人気列車になった。東京地区から信州方面へ行くことも人気の原因である。特に中央線沿線は日本屈指の車窓風景の良さを誇り、中央アルプスの駒ヶ岳、八ヶ岳連山、穂高などの北アルプスの全容などが車窓から手に取るように見える。
 甲府盆地はブドウ畑、春先の桃の花など美しい風景が展開する。さらに上取訪、下諏訪、大町温泉郷など観光資源に事欠かない。
 そんな観光地を走る特急だが、「あずさ」に使用している車両は旧態依然としている。JR東日本では、海岸の観光地区には新型特急車両を使用しているのに、信越線、中央線の”山線”には古い形の特急を走らせている。
 これらの不評にJRでは在来の「あずさ」の車両の一部を改造しデラックス化した。グリーン車は横3席のゆったり座席で、ハイデッカーにして車窓の風景がより楽しめるようになった。また普通指定席もハイデッカーになったが、自由席は今まで通りの座席である。外観は明るい色を配し、グリーンのストライプが自然の真っただ中を走る「あずさ」にぴったりだ。
 しかし、「あずさ」には「スーパービュー踊り子」のような展望パノラマ席が一番必要のような気がする。あの素晴らしいアルプスの眺めを前面展望席から眺めたいものである。
 一日も早く展望付きの特急電車を投入してほしいのは「あずさ」を利用するハイカーの願いでもある。デラックス車両はJR時刻表に明記してある。(鉄道写真家・南正時)
 〈メモ〉 新宿と松本がメーンルートだが、千葉、東京始発の列車や南小谷へ延長運転もある。新宿−松本間の所要時間は2時間50分。指定席乗車券込みで6580円。グリーン席3920円。(京都新聞)
21日■JR対応に遺族反発 信楽鉄道事故 3者会合、紛糾も
 信楽高原鉄道列車事故の犠牲者42人のうち19人の遺族でつくる「犠牲者遺族の会」(吉崎俊三世話人代表)に対するJR西日本と信楽高原鉄道両社の合同説明会が20日、大阪市内のビルで開かれた。遺族側は、JRの角田達郎社長が欠席したことに反発、社長の出席やおわびをめぐり、1時間半にわたり遺族とJRとの間でやり取りが続き、予定の時間(2時間)をオーバー、説明会は3時間に及んだ。また、同高原鉄道は、路面凍結前の運行再開について遺族に理解を求めた。
 合同説明会には、JR側は鉄道本部長の井沢勝常務、高原鉄道側は杉森一夫社長(信楽町長)らが、また、遺族側は「遺族の会」メンバーや同会未加入者を含む犠牲者20人の遺族45人が出席し、同会が両社に事前に提出していた質問書に添って質疑が行われた。
 説明会では、杉森社長が事故についてわびた後「鉄道利用者の大半が学生であり、凍結までに再開したく、ご理解を」と、再開への協力を求めた。この後、井沢常務が「鉄道本部長で列車事故の総括的立場にあり、会社を代表した出席した。事故原因については警察から新たな発表があれば説明したい」と延べた。
 これに対し、遺族側は角田社長の欠席に反発。「社長は信楽町での合同慰霊祭に出席したが、同日の遺族の説明会と今日も欠席。責任をどう考えているか」とJRを追求した。
 井沢常務は「鉄道事業者としての道義的責任は感じている。社長は合同慰霊祭で弔意とおわびを申し上げている。また葬儀では社長、役員、幹部が手分けして全遺族を回った」と、JRとしては誠意ある対応をしてきたとの考えを示した。
 説明会の後、記者会見した遺族と弁護団は「JRの姿勢は納得できず、あくまで社長の出席を求めていく。(高原鉄道の再開については)安全面など割り切れなさはあるが、反対はしない」と話した。
・優先テコ存在認める
 JR西日本と信楽高原鉄道は20日、記者会見し、遺族の会との説明会で出された遺族側からの質問に対する回答結果を明らかにした。その中で、JRは三重県・亀山指令所に高原鉄道の貴生川−小野谷信号所間の下り列車を優先する方向テコがあると延べ、「当時、貴生川駅のJR列車の出発が遅れたため扱った」と操作を認めた。
 JRの説明によると、優先テコは貴生川−小野谷信号所間での列車の運転順序を決めるもので「例えば小野谷信号所に(信楽発の)列車が先に入ると、貴生川から列車が出られなくなり(ダイヤの)乱れがある時に扱う。(事故当時は)JR列車が貴生川駅で遅れた関係で扱った。しかし、信楽−小野谷信号所に作用するものでなく、操作で同信号所が青になることはない」と、事故との関係を否定している。(京都新聞)
■赤信号押され 電車7本遅れ JR福知山線
 20日午後7時ごろ、兵庫県伊丹市北伊丹九丁目、JR福知山線の北伊丹駅構内の信号がすべて赤になり、同駅付近を走行中の電車2本が停止した。同駅員が調べたところ、下りホームにある非常用の構内赤信号スイッチが押されていた。約10分後に復旧した。この間、上下計7本の電車に最高10分間の遅れが出た。
 JR西日本輸送指令室などによると、スイッチはホームの柱の高さ1.6bにあり、だれかがいたずらで押したらしい。(朝日新聞)
■JR社長欠席に遺族反発 信楽事故説明会 会社側、補償分担明言せず
 滋賀県の信楽高原鉄道事故で、死者42人のうち20人の遺族でつくる「JR西日本・信楽高原鉄道列車衝突事故犠牲者遺族の会」(吉崎俊三世話人代表)と同弁護団が鉄道2社に申し入れていた事故後初の説明会が20日、大阪市北区のサンケイビルの会議室で開かれ、遺族ら45人を含む約80人が出席した。井澤勝JR西日本常務、杉森一夫信楽高原鉄道社長が遺族におわびの言葉を述べたが、JR西日本社長が欠席したことに遺族側が反発して紛糾した。責任や補償の分担については両社とも「警察が捜査中なので、詳しい事は言えない」と答えるにとどまった。
 世話人代表の吉崎さんが「事故後、両社から説明がなく、とくにJRは社長の謝罪も弔意も表していない」とあいさつ。
 高原鉄道の杉森社長は「ただお許しをいただきたい気持ちでいっぱい」と頭を下げた。
 JR西日本の井澤常務は「鉄道事業者として道義的責任を感じており、おわび申し上げる。事故の責任はJRと高原鉄道が合わせて100%負っており、被災者相談室で対応したい」と説明した。しかし角田達郎・JR西日本社長が出席しない点を追及され、「私が事故関係の総括責任者であり、社長は6月の合同慰霊祭に出席し弔意を示した」と答えたことから、遺族側は激しく反発した。(朝日新聞)
22日■踏切事故の一掃をPR JRと各私鉄 1日から多彩な行事
 JR西日本と近畿2府4県の私鉄は、11月1日から10日間、京都、滋賀などで踏切事故防止キャンペーンを展開する。このキャンペーンの事前PRとして、JR、各私鉄は22日から一斉に各主要駅に啓発ポスターを張り出す。
 近畿地区では、鉄道運転事故は最近、激増傾向にあり、うち約60%を踏切事故が占めている。これら事故の原因は、人、車の列車通過直前の横断や自動車の無媒通行、運転ミスなど道路通行者・車によるものが大半という。
 キャンペーンは、「みんなでなくそう、踏切事故」をメーンテーマに、1日にはJRと大手5社が、各社ごとに主要駅でオープンニングセレモニーを行う。このうち、京都ではJRが午後3時から京都駅中央コンコースで京都府警音楽隊の演奏など、阪急が午前10時から河原町駅でキャンペーンガールによるPR、近鉄が同10時から京都駅でPR用ティッシュペーパーの配布など、それぞれ約1時間のセレモニーを予定している。
 また、10日までの期間中、各主要踏切200ヵ所でドライバーらに事故防止を訴える。京滋地区では、近江、京福、叡山、北近畿タンゴの中小鉄道とJR、大手5社が実施する。(京都新聞)
■踏切事故ストッパー 頼もしい”新兵器” 高さ制限標・壊れたら列車へすぐ速報 ワイヤ切断・自動巻き取り、停電を防止 JR西日本が開発
 踏切事故の多発に悩むJR西日本は、大型トラックなどが高さ制限の注意標(固定ビーム)を壊した場合に、近づいてきた列車に自動的に知らせる装置と、注意標のワイヤを切っても架線に巻き付かず停電を防ぐ自動巻き取り装置を独自に開発した。29日に大阪市平野区のJR阪和貨物線で実施する事故復旧訓練で披露する。
 固定ビーム支障報知装置は、注意標の鉄枠の中にセンサーを設け、一定の衝撃が加わって、ある角度以上傾くと、特殊発光信号機が検知して作動、接近する列車に知らせる仕組み。負傷者300人以上を出した6月の福知山線踏切事故をきっかけに開発した。固定ビームが壊れる事故はこの5年間に5件あり、この装置で事故を未然に防げるという。
 自動巻き取り装置は、特殊樹脂のワイヤを使い、トラックが万一ワイヤを引っかけても中央の金具部分で分離し、両端に備えたバネ式の巻き取り機がくるくると瞬時に収納する仕組み。鉄枠以外の高さ制限注意標の大部分はワイヤを踏切手前に張っているが、トラックなどがこれを切断する事故がこの5年間で373件も起き、切れたワイヤが電車の架線に巻き付き停電を招くケースが目立っていた。(朝日新聞)
■四国88ヵ所巡礼 タクシーでいかが JR四国が新企画
 四国88ヵ所をタクシーで巡礼するツアー「空海の道」を、JR四国大阪事務所が発売している。大阪からはJR以外の船や飛行機でもOK。島内はタクシー会社と契約、各札所の門前まで送迎し「お年寄りも楽に行ける」が売り文句。運転手がガイド役をし、納経帳や白衣への押印もすべてやってくれる。最近の巡礼は大勢のバスよりも小人数グループの方が好まれることから、鉄道やバス利用にこだわらず、タクシーツアーを、初めて企画した。
 ルートによって7コースあり、タクシーも2人から4人までの小型、5人までの中型、4人から9人までのジャンボの3クラスに分かれ、それぞれ参加人数で料金は異なる。例えば大阪発着の飛行機往復で徳島、高知の27ヵ所を2人が3日間で小型で回る場合、2食付きで合計19万円台になる。バスに比べるとやや割高だが、時間に余裕があれば観光地にも案内してくれるほか、般若心経入りのタオルやテレホンカードなどのプレゼントも。
 JR四国ではさらに、2万4000円−5万円で白衣やつえ、鈴、すげがさなど巡礼用品セットまで販売し始めており、来春までに1000人以上の巡礼客を送り出したいと意気込んでいる。問い合わせはJR四国大阪事務所(06・375・9871)へ。(朝日新聞)
■ひかり号 潤滑油漏れたまま走行 JR東海 先月30日 車輪が3a摩粍
 東海道新幹線で9月末、走行中の「ひかり」の車輪の一部が摩耗し、途中で運転を打ち切るトラブルがあったが、JR東海は21日、すり減った部分(フラット)が、深さ3a、長さ30aに達していたことを明らかにした。モーターの動力を車軸に伝える歯車の軸受けの潤滑油が漏れて、中に入っておらず、車輪が回転しなかったらしい。JR東海は、「脱線など重大事故にはつながらない」としているが、専門家の中には「かなり危険な状態だった」と指摘する声もある。
 故障があったのは、9月30日夜。午後9時東京から新大阪に向かう下り「ひかり291号」が東京駅構内を出て800b付近を走行中、車輪が正常に回転していないことを示すランプが運転台で点灯した。三島駅で再度調べたところ、車輪が摩耗していることがわかり、運転を打ち切った。
 JR東海によると、摩耗していたのは後ろから2両目の15号車の床下にある台車の1つについている2つの車輪。床下のモーターから、動力を伝えるための小さな歯車の軸受けが破損し、歯車自体もバラバラになっていた。
 この車両は、走行30万`ごとの「台車検査」を7月2日に終えているが、2日後に簡単な「仕業検査」をした時に、軸受け部分の潤滑油が空になっていたため8リットルを補給。故障前日にも仕業検査で油漏れが見付かり、3リットル追加した。通常の補給は0.5リットル程度。油漏れのため、潤滑油はカラの状態になり、車軸が回転しなくなったらしい。(朝日新聞)
23日■自衛隊機が送電線切断 千歳 停電2000戸、列車運休
 22日午前9時45分ごろ、航空自衛隊第二航空団(北海道千歳市)所属のF15戦闘機が訓練を終えた後、標的をつるすワイヤを垂らしたまま同市平和の同隊千歳基地への着陸態勢に入り、ワイヤを同基地近くの高圧送電線やJR千歳線の架線に引っ掛け、切断した。千歳署や第二航空団などのまとめでは、高圧送電線の切断は市内14ヵ所に上り、青葉地区などで一時約2000戸が停電。JR千歳線も架線が2ヵ所で切れるなどして島松−千歳空港間の上り線が約2時間にわたって不通となり、特急など上下計20本が運休して5000人の足に影響が出た。(京都新聞)
■福知山−新三田間 篠山口鉄道部 JRが設置へ
 JR西日本は22日、福知山支社と米子支社にそれぞれ新たな鉄道部を設置すると発表した。実施は平成4年4月1日から。
 福知山支社は、福知山線の新三田−福知山間69.6`を受け持つ篠山口鉄道部。米子支社は、山陰本線の米子−知井宮間66.4`を担当する出雲鉄道部。鉄道部は赤字線を地区ごとに独立して経営させるもので、鉄道部の設置は今回で計27ヵ所。(京都新聞)
■たてもの探訪〈61〉 JR園部駅(船井郡園部町 小山東町)明るい空間ご自慢
 京都からJR山陰線でおよそ1時間。静かな山あいを走る車窓から、モダンな外観を持つ園部駅が見える。
 同線では、東西に出入り口を持つ唯一の橋上駅。ホームから階段を上り、改札口へ向かうと、古い2本の鉄柱アーチが目につく。旧駅舎にあった明治時代の鉄柱をそのまま移した。待合室には、この鉄柱を生かした観光案内標示もある。
 山陰線の京都−園部間(嵯峨野線)は、昨年3月10日、悲願だった電化が実現し、これに合わせ、老朽化が目立った駅舎を新築。
 駅舎の広さは、353平方b。駅務室、券売機室、休養室、待合室などがあり、駅の東西は空中通路(長さ101b、幅4b、高さ6.5b)で結ばれる。
 駅舎正面(東口)は、白を基調に壁面ガラスをふんだんに使った近代的な外観。天井部分と階段のある両サイドは、やわらかい曲線を描く。
 改札口の一番高い天井(高さ約15b)は、採光のため透明板を使い、通路も壁面はすべてガラス張りで内部は明るい。西垣隆男駅長のご自慢だ。
 国際学園都市づくりを進める地元・園部町が、建設費(6億130万円)の約8割を負担。建設に当たっては「従来の駅のイメージでなく、ドーム型に」と要望したが、「工事費のからみもあり、現在の曲線を採り入れた建物になった」(JR西日本建設工事部)という。
 西口側も、町が駅前広場(約4200平方b)を整備。東口には、明治時代の面影を残す街灯が3本設置され、近代的な駅舎とノスタルジックな街灯の対比が面白い。1日の乗降客は約3500人。電化以前に比べ約10%増加した。(京都新聞)
■検知装置など重点 調査機関を求める声も きょうから滋賀県警
 死者42人、負傷者約600人を出した信楽高原鉄道列車事故で、滋賀県警捜査本部は、23日から現場で信楽高原鉄道とJRの車両を使った走行テストをする。
 信楽駅の出発信号がなぜ赤のまま動かなくなったのか。誤出発検知装置がなぜ作動しなかったのかなど、残るなぞは多い。12月に鉄道運行再開の動きがある中で、今回の車両を使っての検証は「最初で最後の機会」と捜査本部は力を入れている。
 だが、事故からすでに5ヵ月以上が経過。事故直後に適正な調査をしていれば解明されるものも多かったはず、という専門家の指摘もある。
 鉄道信号システムに詳しい、水瀬和彦・金沢工業大学教授(53)=機械工学=は「航空機や船舶の事故解明と同じような専門家による事故調査機関を鉄道についても作る必要がある」と提唱する。
 航空機には航空機事故調査委員会、船舶には海難審判庁があるが、陸上交通は運輸省が臨時の調査担当を置くだけで、ほとんど警察の捜査になる。もちろん警察は原因究明に努めるが、過失の有無を追及するのが本筋だ。
 永瀬教授は信号システムを含む誤出発検知装置の調査が今回の走行テストの重点と考えている。
 とくに、教授が注目するがJR西日本亀山CTCセンターに設置された「優先テコ」と呼ばれる装置。
 この装置についてJR西日本の渡部忠給・安全対策室副室長は、下り列車の貴生川駅発車が遅れたとき、上り列車との離合を小野谷信号所で行うように、同信号所の上り出発信号を赤にするためのものと説明。事故当時「優先テコ」は引かれていたが「小野谷−信楽間に影響を及ぼすものではない」としている。
 これに対し、永瀬教授は「非常に限定的な条件のもとでは、優先テコの操作が信楽駅の出発信号も赤にするのが所定のシステムのはず」と問題を提起している。
 走行テストでは、こうした点を中心に事故原因の捜査が進められるが、事故の再発防止には、捜査に頼るのではなく、技術的な原因究明や事故防止対策を調査する専門家による公的機関の早急な設置が求められていると言える。捜査は年を越え、刑事責任の追及はまだまだ先のようだ。(朝日新聞)
■出雲・篠山口に鉄道部設置へ JR西日本
 JR西日本は22日、赤字ローカル線の経営改善を図るため赤字線を地区ごとに独立して経営する「鉄道部」設置の第三次分として、来年4月に福知山線の篠山口と山陰線の出雲の2ヵ所に設置する、と発表した。鉄道部の設置は昨年6月から始まり、今回が最後と同社は説明している。これで同社の鉄道部は27ヵ所、路線延長2437`(在来線の55%)となり、JRグループでは最も高い比率となる。
 篠山口鉄道部は福知山線新三田−福知山間69.6`が管轄で、兵庫県多紀郡丹南町に設置。出雲鉄道部は山陰線米子−知井宮間66.4`が管轄で、島根県出雲市内に置く。現在、両地区では計350人が勤務しているが、今後組合と交渉し一部の要員を近畿圏などに広域異動したい、という。
 鉄道部は90年6月に第一次分10ヵ所、91年4月と9月に第二次分15ヵ所を設置、約1500人を合理化した。鉄道部では、運転士が列車の点検をしたり、保線の係員が駅で切符を売ったり、一人で複数の仕事を兼ね、職員配置や列車ダイヤの見直しも独自にできる。会社は「地域の実情に合わせた効率的経営ができる」としているが、「ワンマン運転や無人駅が増え、地方交通線の切り捨てにつながる」との声もある。(朝日新聞)
■原因究明へ最終鑑定へ 信楽線で実車走行
 死者42人の大惨事となった信楽高原鉄道事故の原因究明のため、滋賀県警は23日朝から、同線に実際に車両を走らせる実車走行検証を3日間の予定で始めた。信楽高原鉄道、JR双方の列車を通常運行に近い形で走らせて信号やATS(自動列車停止装置)、計器類などの作動状況を調べる検証で、事実上の最終鑑定。
 検証には、同鉄道やJRの関係者ら約120人が参加。午前9時、1番ホームの出発信号が「青」に変わると、捜査員ら約10人を乗せた同鉄道の2両の列車は発車。貴生川駅へ向かった。2回目の検証では、2両の車両を事故当日と同様の4両に見立て、当日の状況を再現。先頭車両を線路上のATS地上子をまたいだ状態に置き、信号「赤」のまま発車。ATSの作動状況について調べた。
 ATSは、赤信号での発車を強行した場合、非常ブレーキが自動的にかかる仕組み。同駅1番ホームは世界陶芸祭の開催で4両編成の列車を発着させるためホームを6b延長しており、ATS地上子が・先頭車両の後輪付近に来てしまい、ATSが作動しない構造になっていることを確認した。
 今回の事故は、高原鉄道列車が信楽駅を発車する際、出発信号が「赤」のまま変わらなかったことや、同列車が構内誤出発検知装置を通過した後の信号リレーの作動、同検知装置が正常に働けばありえないとされる小野谷信号所の信号「青」(JR運転士証言)−など疑問点が多い。走行検証では、これらの点の解明など、事故原因究明の核心に迫る作業が続けられた。(京都新聞 夕刊)
■県警が走行テスト 信楽鉄道
 死者42人を出した信楽高原鉄道の列車衝突事故で、原因解明を進める滋賀県警捜査本部は23日朝から、実際に車両を走らせて信号システムの作動状況などを調べる「走行テスト」を始めた。
 午前9時、滋賀県甲賀郡信楽町長野の同鉄道信楽駅を、2両編成の列車が出発。約10分後には、犠牲者の慰霊堂が建つ同町黄瀬の事故現場のカーブにさしかかった。
 その後、捜査員らが見守る小野谷信号所を経て、14.8`の全線を約30分で走り、JR草津線との接続駅貴生川に着いた。
 同列車は午前中、同区間を2往復、午後に3往復する。同日夕にはJRの3両編成が1往復、検証に加わり、両列車は小野谷信号所で2回、行き違うスケジュールになっている。
 この日は、列車が通常の運行をした場合に、信号などがどう作動するかを確かめる。24、5の両日は、事故当時の状況を再現するという。(朝日新聞 夕刊)
24日■出店を正式に表明 御池地下街で京都駐車場会社 全長315b7年春、開業目指す
 京都市と民間共同出資の第三セクター・京都駐車場会社(京都市中京区、中川猛史社長)は23日、御池地下街の出店概要説明書を京都府に提出、出店を正式に表明した。東西線の市役所前工事に合わせ、地下駐車場とともに先月下旬に着工しており、平成7年春に開業の予定。
 御池地下街は昨年9月、地下鉄東西線関連プロジェクトとして、地下駐車場と一体で都市計画決定され、通産省など関係省庁による地下街連絡協議会の概要・詳細協議を経て、大規模小売店舗法(大店法)に基づく出店表明が行われた。
 概要説明書によると、京都市役所前・御池通の河原町通東−御幸町通西までの長さ315b、幅44b。地下1階(約1万2000平方b)は店舗、公共地下通路など、同2階(約1万5500平方b)は300台収容の駐車場、同3階(約4300平方b)は地下鉄東西線市役所前駅プラットホームなどになる。
 地下1階のうち店舗面積は4790平方bで物販、飲食、サービスなどの専門店が入る。休業は年間3日、閉店時間は午後9時、売上高は初年度87億円(物販81億円、飲食6億円)を見込んでいる。
 このほか南北2本の歩行者専用通路、4ヵ所の広場や防災センターなどが設けられる。また地下街東端に東西線市役所前駅の改札口が設置される。
 今後、地元商業団体や消費者団体などへの事前説明や、府への大店法第三条申請(建物設置者の届け出)のあと専門店のテナント募集が行われる。(京都新聞)
■信楽線事故の最終盤定 信号など詳しく調査
 信楽高原鉄道事故の最終鑑定として23日から始まった実車走行検証で、滋賀県警捜査本部は午後から小野谷信号所(甲賀郡水口町牛飼)で、JR、信楽高原鉄道双方の車両を行き違いさせ、信号システムの作動状況などについて詳しく調べた。
 小野谷信号所での検証では信楽駅を青信号で出発した高原鉄道の2両編成の列車が小野谷信号所の待避線に入って停車。約1分後、貴生川発の3両編成のJR列車が信号所内に入り、出発信号「青」に従って通過した。40分後には信楽発のJR列車と貴生川発の同鉄道の列車が、同信号所で再度行き違いした。
 この日の検鉦では、信楽高原鉄道を信楽−貴生川間に合計5往復。うち1往復は2両の列車を切り離し1両ずつ走らせ、計器類や走行状態を調べたほか、双方の先頭車両の運転席付近に小型ビデオを置き、信号が変化する際の列車の位置や線路の見通しについても確認した。
 同鉄道は来月中にも試運転を行い、12月上旬の運行再開が予定されている。(京都新聞)
■「御池地下街」出店を表明 京都駐車場会社 2階に300台収容予定 1階は4広場と専門店
 京都市などが出資する第三セクター「京都駐車場会社」(中川猛史社長)は23日、地下鉄東西線の整備に伴い新設する「御池地下街」の出店を府に表明した。今後、大店法に基づく地元への事前説明などの手続きを経て、1995年春の開業を目指す。
・主に若い女性をターゲットに
 同社が府に提出した出店概要説明書などによると、場所は、中京区の市役所前の河原町通から御幸町通にかけての地下で、延長315b、幅44b。3層構造で延べ床面積は3万2120平方b。地下1階は専門店街と公共地下通路、2階は300台収容の駐車場。3階には地下鉄のプラットホームと機械室などが設置される。
 地下1階部分にはイベント、情報、アート、シンボルの4つの広場を配し、幅6bの歩道2本で結ぶ。店舗部分は計4790平方b。このうち物販は3860平方b、飲食500平方b、サービス関係430平方bで、合わせて60−70店を予定。「生活文化情報館」として、主に若い女性をターゲットに初年度販売額87億円を見込んでいる。地下鉄改札口は商店街東側の京都ホテル前に設置する。
 地下2階の駐車場の料金は昼間30分250円。夜間は半額にするという。
 地下街の建設工事は地下鉄工事に合わせて、すでに9月20日から始まっている。テナント募集は93年春ごろの予定。市内での地下街は、京都駅前の「ポルタ」(店舗部分7881平方b、134店)に次いで2ヵ所目。(朝日新聞)
25日■関西5私鉄13.2%値上げ 来月20日から実施 運輸審答申 初乗り120円に
 運輸審議会は24日、私鉄大手13社の運賃値上げ申請について運輸大臣に答申した。この中で近鉄、京阪、阪急、南海、阪神の関西5社に関しては、値上げ幅を申請より圧縮したものの、初乗り運賃を現行の100円から120円にするなど5社平均で13.2%(申請16.8%)の値上げを認めた。運輪省は、29日の物価関係閣僚会議で了承を得たあと即日認可し、11月20日実施の見通し。89年4月の消費税導入に伴う運賃改定を除くと、87年5月以来、4年半ぶりの値上げになる。
・通勤定期 割引率引き下げ
 答申による関西の各社ごとの値上げ率は、阪神が17.3%(申請22.6%)と最も大きく、次いで京阪16.1%(同20.2%)、阪急16.1%(同19.7%)、南海12.7%(同16.9%)、近鉄10.0%(同12.9%)となっている。
 値上げ理由として、関西の私鉄は設備投資や人件費がふくらむ一方で乗客数の伸び悩みがみられ、鉄道部門の収支が赤字状態にあるため、現状のままでは、安全やサービスの向上が困難になる−などを挙げている。
 また定期券は、通勤定期の割引により企業が利益を受けているとし、「適正負担」を理由に同定期の割引率を現行の46.6%から43.0%に引き下げた。通学定期の割引率は現行より0.6ポイント少ない80.5%とした。
 京都を中心とした新運賃をみると、京阪の三条−淀屋橋が360円、阪急の河原町」梅田が350円(申請はともに400円)で、現行と比べ20−30円上がる。近鉄は京都−奈良が現行より50円アップの540円(同560円)になる。滋賀方面は、京阪の三条−浜大津が30円アップの260円(同280円)。
 一方、一部区間でのJR運賃との逆転現象は続き、近鉄の京都−桃山御陵がJRの京都−桃山より30円高となるが、より長い距離では、まだJRのほうが高額。改定後でも京都−大阪だと京阪、阪急のほうがJRより170−180円安い。
 関東8社の平均値上げ率は14.3%(申請17.2%)。関西、関東を合わせた大手13社の平均値上げ率は13.8%(同17.0%)となっている。(京都新聞)
■”痛勤”これでやわらぐの 定期”狙い撃ち”値上げ答申 交通費支給 制限あるのに
 ラッシュ解消の公約を積み残したまま値上げ−。運輸審議会の24日の答申で、関西などの私鉄運賃の改定にゴーサインが出た。答申通りの値上げになれば、通勤定期の割引率は大幅に引き下げられることになり利用者は、”痛勤地獄”をさらに強いられる。
 答申によると、通勤定期の割引率は現行の平均46.9%から同43.4%に。普通運賃の値上げ幅を圧縮しているのに対し、通勤定期はほぼ申請通り認めている。
 審議会は「混雑の最大の原因者に重く負担していただくのは妥当」と説明する。しかし、消費者団体は「交通費は企業負担のため、取りやすいところから取ろうとしているのでは…」と批判している。
 人事院が昭和62年に民間企業7700社を対象にした調査によると、96.7%の企業が交通費を支給。しかし全額支給はこのうち50.1%だけだった。
 京阪御陵−四条間を利用している山科区の会社員片岡純子さん(24) 三条通の渋滞があまりにもひどいだけに、地下鉄東西線でも開通して便利になって運賃が上がるのなら多少理解できるけど、なんらサービス面で変化がないのに値上げは納得できない。どうしても京阪に乗らなければならず、なにか弱みをつかれているような気がする。
 向日市のヨガ講師山田幸子さん(51) 京都市内に教室をもっているので週3−4日は阪急を利用する。運賃は自己負担なので、かなりこたえる。場所がらJRを利用するわけにはいかないが、今はJRの方が、職員さんのサービスもいい。京都は観光都市でもあり、私鉄は値上げの分だけサービスをもっと充実すべきだ。
 久御山町の公務員本田康宏さん(41) 正直言って高い。毎日、京都市の烏丸丸太町まで通勤しているが、地下鉄の運貨が高いのでなおさらだ。近鉄が一番便利がいいのでほかに乗り換えられないし。通勤手当があっても、他社ともに一斉値上げされると困る。
 大津市の司法書士服部直幸さん(28) 仕事の関係で京阪もJRもよく利用する。大阪までだと、JRが350円高かったから、急がないときは京阪に乗っていた。これからはJRの利用が増えそうだ。
 京都消費者団体連絡協議会・原強事務局長 申請より圧縮したものの13.2%という値上げ幅はやはり大きく、利用者としては納得しにくい。経営実体の違う各社の同時値上げも納得できない。運輸当局は、公聴会で出た意見や要望をどのように扱ったのか、査定内容とともに全面的に公表すべきだ。とりわけ、私鉄運賃算定方法の制度化、鉄道収支の評価基準の明確化については速やかに行ってほしい。(京都新聞)
改定による主な区間の定期運賃
(単位・円。カッコ内は現行)
【近 鉄】通 勤通 学
京 都〜近鉄丹波橋6,030( 5,230)2,830(2,550)
京 都〜大 久 保9,670( 8,420)3,750(3,360)
京 都〜新 田 辺12,050(10,460)3,960(3,570)
京 都〜高 の 原15,050(12,940)4,130(3,780)
京 都〜近鉄 奈良16,000(13,830)4,250(3.860)
【京 阪】
三 条〜丹 波 橋7,000( 5,770)2,290(2,080)
三 条〜中 書 島7,880( 6,550)2,520(2,290)
三 条〜八 幡 市10,420( 8,780)3,110(2,680)
三 条〜淀 屋 橋14,020(11,610)3.960(3.280)
三 条〜宇   治10.420( 8,780)3,110(2,680)
三 条〜浜 大 津8,620( 7,210)2,720(2,430)
【阪 急】
河原町〜西   院4,400( 3,500)1,520(1,300)
河原町〜  桂  5,800( 4.630)2,000(1,770)
河原町〜長岡天神 7,450( 6,120)2,600(2,300)
河原町〜高 槻 市9,700( 8,320)3,340(2,850)
河原町〜梅   田14,200(11,960)4,150(3.390)
■冬の臨時列車は2711本 JR西日本 スキーやグルメも
 JR西日本は24日、年末年始の帰省やスキーなど12月1日から来年2月29日までの冬の臨時ダイヤを発表した。期間中、山陽新幹線906本、在来線1805木、計2711本の臨時列車を運行し、利用客は前年同期比3%増の927万人を見込んでいる。
 年末年始(12月27日−1月5日)は、新幹線319本、在来線641本、計960本を増発する。新幹線はこの期間を中心に、全車指定の「ひかり」や12両編成(平常6両編成)の「ウエストひかり」など帰省、Uターンに便利な列車を運行。在来線は、前年同様に京都発のふるさとライナー「山陽」「九州」「山陰」を走らせる。
 初参りには、12月31日深夜から元日早朝にかけて、JR最寄り駅から有名神社へ列車を終夜運行するほか、正月3が日は伏見稲荷直通の神戸発宇治行き「稲荷初詣号」を1日3往復運転する。
 スキー列車では、滋賀県内の近郊スキー客向けにスキートレイン「箱館山」「琵琶湖」「伊吹山」を臨時で編成。借越、蔵王などへはシュプール号が走る。
 また、グルメ列車として若狭、但馬、城崎方面へそれぞれ「味めぐりカニスキ号」を運行。全車指定席にしたり、レトロ客車などの装いも予定している。(京都新聞)
■梅小路公園など承認 京都市都計審 田辺市長に答申
 京都市都市計画審議会(会長・佐藤達三助役)は24日、旧国鉄梅小路貨物駅跡地に市が平安建都1200年記念公園として計画している「梅小路公園」の整備などを原案通り承認、田辺朋之京都市長に答申した。府地方都市審議会に諮り、本年度内に都市計画決定する予定。
 同公園予定地は、JR京都駅西約1`の国鉄清算事業団用地約10.5f。
 市は同用地を買収し、平安建都記念公園として、緑地公園や多目的広場、レジャー公園などを中心に、周辺地域住民の防災避難地の機能も併せ持った総合公園にする計画。本年度当初予算に用地買収費を含む公園整備費252億1100万円を計上しており、平成6年度までに分割買収後、整備に着手する。
 都計審ではこのほか、洛西ニュータウン内の3地区など計四地区の都市計画法に基づく「地区計画」を承認した。
 同ニュータウンの西京区大原野西境谷町一丁目南地区(2.5f 65戸)、同町四丁目西地区(4.2f 100戸)、大枝西新林町一丁目北地区(3.2f 75戸)、中京区麩屋町通笹屋町(0.8f 155戸)の4地区。
 地区計画は、住環境を守るため住民合意で地区内の土地利用、地区施設、建築物を制限できる制度。同ニュータウン3地区では▽共同住宅の建築禁止▽敷地面積は170平方b以上▽建築物の高さは10b以下などの制限を盛り込んでいる。(京都新聞)
■鉄道新設へ分担額決める 琵琶湖・若狭リゾ研
 JR湖西線近江今津駅と同小浜線上中駅間(約20`)を結ぶ鉄道の新設を目指し滋賀、福井両県内の関係4市町村で構成する「琵琶湖・若狭リゾートライン研究会」は、このほど滋賀県・今津町内で臨時総会を開き、建設に向けての基本調査費など経費の分担額を決めた。
 同研究会は、滋賀県側が今津町と朽木村、福井県側が小浜市と上中町の4市町村によってさる7月に発足。総会では、基本調査費400万円と、会の運営費の追加分200万円の計600万円の分担について審議。滋賀県側3、福井県側7とした負担割合に人口なども参考にし、分担額は今津町134万円、朽木村46万円、小浜市275万円、上中町145万円とした。
 同研究会は、本年度中をめどに基本調査し、結果をまとめる方針。(京都新聞)
■私鉄5社13.2%値上げ 運輸審答申 来月20日に実施
 関西の大手私鉄5社の運賃値上げを審議していた運輸審議会(隅健三委員長)は24日、平均13.2%の値上げ率が妥当、と村岡運輸相に答申した。初乗りは5社とも現行の100円が120円になる。答申では各社に経営努力を求め16.8%の申請を3.6ポイント圧縮したものの、前回の10.4%を大きく上回り、とくに通勤定期は17.7%と高くなった。運輸相はこの答申を29日に予定されている物価問題関係閣僚会議の了承を得て即日認可する。実施は申請より19日遅く、11月20日の予定。関西私鉄の値上げは消費税転嫁を除くと、87年5月以来4年半ぶり。同審議会は関東8社についても平均14.3%(申請17.2%)の値上げを答申した。関西、関東そろっての値上げはほぼ8年ぶり。
 関西5社の平均値上げ率は普通運賃10.3%、定期運賃17.1%。各社別では、阪神が最高の17.3%、次いで阪急、京阪各16.1%▽南海12.7%▽近鉄10.0%の順。
今回の値上げによる消費者物価への影響は0.05%と予測している。
 改定運賃では、阪急梅田−茨木市がJR大阪−茨木(210円)より20円高くなるなど各地で私鉄とJRとの逆転現象が起きたり、格差が拡大したりする。通勤定期ではこの逆転区間がさらに増え、私鉄と並行するJR線とのサービス競争が激化しそうだ。
 今回の答申では、通勤定期値上げ申請を原則として減額しなかったため、定期割引率が43.4%(現行
私鉄値上げ率(%)
 普通
運賃
通勤
定期
通学
定期
合計
近  鉄7.414.210.010.0
南  海9.216.812.912.7
京  阪13.519.915.416.1
阪  急13.121.116.116.1
阪  神13.423.617.317.3
関西5社平均10.317.712.913.2
関東8社平均11.518.114.514.3
46.9%)になった。申請率(45.7%)を下回るのは初めて。通勤ラッシュ緩和のための設備投資が主な値上げ理由になっていることから、通勤の原因をつくっている企業が負担すべきだとしている。ただし通学定期については、家計への影響が大きいので割引率をほぼ据え置いた、という。(朝日新聞)
■私鉄値上げ答申 「足」痛撃 割り切れぬ… 初乗り100円消える 「他の物価へも」不満の声
 関西を走る大手私鉄5社がそろって値上げすることになった。4年半ぶりとはいっても、24日、運輸審議会がまとめた答申は2けたのアップ。初乗りもそろって120円になって、もう100円玉では乗れなくなる。収入が限られているお年寄り、子供の通学定期代に頭を悩ませる母親らからは「物価がじりじり上がっているのに」と、不満の声が上がる。勤務先から定期代が全額出ない人にとって、2割前後の大幅アップとなった通勤定期はかなりの負担。夕方、大阪市内の私鉄のターミナルでは、「JRに乗り換えたる」と、皮肉を飛はしながらサラリーマンたちが帰宅して行った。
 高城市の主婦村井恵美子さん(44) 「初乗り120円は、ショック。子供2人が通学、夫も通勤で阪急に乗る。JRも使えるので、今晩みんなでどっちが安くて便利か、話し合います」
 大阪市内の内科病院に阪急電車で通院している神戸市中央区の主婦河北敏子さん(75) 「通院のほかにも大阪に出る用事はなにかとあり、値上げはしてほし
関西の私鉄とJRの運賃比較
私鉄名区   間現行改定JR(区 間)
阪 急梅 田−吹 田180200160(大 阪−吹 田)
 梅 田−茨木市210230210(大 阪−茨 木)
 梅 田−高槻市230250250(大 阪−高 槻)
阪 神梅 田−三 宮260280390(大 阪−三ノ宮)
近 鉄難 波−奈 良460480450(天王寺−奈 良)
京 阪淀屋橋−三 条330360530(大 阪−京 都)
南 海難 波−三国ヶ丘250270210(天王寺−三国ヶ丘)
 難 波−泉大津330370370(天王寺−和泉府中)
くない。私は健康のため階段を使う。福祉施設充実のためといっても、あまりピンときません」
 大阪市内の私立高校に通学している尼崎市の高校2年橋本純一君(16) 「親に悪いと思って通学定期は自分のバイト料で払っている。値上げはしかたないのかもしれないが、小遣いが減るのは、いい気持ちじゃない」
 大阪市内の息子宅を訪ねる途中の京都市中京区、無職木場敬三さん(71) 「駅の施設をよくするというなら、老人専用のエスカレーターを造るなど、本気でやってほしい」
 泉大津市の会社員川崎暁夫さん(37) 「えっ、そんなに通勤定期が上がるのですか。うわあ。家族が買い物で出て来るたびに出費がかさみますね。他の物価も上がるきっかけになるんじゃないですか。影響はきっと出ると思う」
 奈良県大和高田市内にある自宅から西成区内の薬局に通勤しているパート坂口久美子さん(53) 「勤め始めた十数年前に比べ、月給はあんまり変わらないのに、運賃はどんどん上がっている。決まった以上、仕方がないのかな、という感じです」
・福祉対策などで「赤字」
 関西5社の90年度決算は、関連事業や支払い利息を含めた経常損益で、計約400億円以上の黒字になった。
 今回の値上げの理由とされた「赤字」は、福祉対策のための設備投資費用や人件費が増えている一方で、乗客数の伸び悩みからとされている。
 運輸省の担当者は「鉄道以外の部門で失敗して赤字がでた場合、関係ない乗客に負担してもらう訳にはいかない」という。しかし、どこか割り切れない思いを持つ利用者も多い。
・JRと逆転区間増える
 今回の改定運賃で、「安さ」を売り物にしていた私鉄の運賃がJRと同額か、高くなるケースが増えた。とくに近距離区間で「私高J 低」が増える。私鉄、JR間の集客競争はこれまで以上に激しくなりそうだ。
 阪神の梅田−尼崎は170円から190円に20円アップ。並行するJR大阪−尼崎は160円で、格差が一層広がった。近鉄難波−奈良は20円上がって480円に。対するJR天王寺−奈良は450円でこちらも格差が拡大する。
 通勤定期でも、逆転現象が増える。近畿運輸局が京阪神近郊の19区間を選んで比較したところ、私鉄がJRを上回るのは5区間から7区間に。例えば、近鉄鶴橋−奈良の定期(1ヵ月分)は、これまでJR天王寺−奈良の定期(同)より820円安かったのが値上げ後は、逆に1270円高くなる。
 ライバルのJR西日本の角田達郎社長は「91年度は値上げしない。92年度以降も、値上げは可能な限り先に延ばしていく」と今後の経営努力を力説する。(朝日新聞)
■信号装置を人為解除? 信楽事故走行テスト 当日の状況再現
 信楽高原鉄道の列車正面衝突事故で、滋賀県警捜査本部は24日も「走行テスト」を実施。信楽駅から列車を赤信号のまま発車させたのち、誤出発検知装置を人為操作で解除したところ、事故当日と同様に信楽−貴生川間にある小野谷信号所(待避所)の信号が「青」になることを突き止めた。
 このため、捜査本部は、小野谷信号所の下り出発信号を「赤」に固定して対向のJR列車を止める同装置がいったん作動しながら、発車後にシステムを操作したことで、解除された状態に戻ったとの見方を強めている。
 捜査本部は、この日の午後2回にわたって行った同鉄道とJR双方の車両を走らせての検証の中で、事故当時と同様に信楽駅の上り出発信号を「赤」のまま、同鉄道の列車を発車させたところ、約30秒後に誤出発検知装置が正常に作動した。
 この4分後に、捜査員が、関係者の証言にもとづき、同装置の回路がつながっている信楽駅事務室内の制御盤や信楽駅ホームの先約30bにある継電機室で装置の解除作業を終了。貴生川駅を出発したJR列車を小野谷信号所に近づけたところ、同信号所の場内信号は「黄」から「青」に、下り出発信号は「赤」から「青」に変わった。事故直後、JRの運転士が語った状況と同じ状態が再現された。
 事故当日、信楽駅の上り出発信号が「赤」から「青」に変わらなくなったことを職員らが証言しており、捜査本部は、このトラブルの解消のため、継電機室か制御盤で機器が操作され、誤出発装置が解除になったものとみている。
・”記憶”喪失調べよ
 今回の検証結果について、鉄道信号システムに詳しい、永瀬和彦・金沢工業大教授(53)=機械工学=は「詳しい結果を聞いていないので断定的なことは言えないが、状況を推定すればJR列車の運転取り扱いには、とくに問題はなく、信号システムそのものにも異常はなかったと言えそうだ。今後は、誤出発検知装置が、赤信号を無視して発車した信楽列車を一度記憶しながら、その後、システム上蒸発してしまったのか徹底的に調べることになるのではないか」と話している。(朝日新聞)
■青鉛筆
 神戸電鉄が電車の走る音とクラシック音楽を交互に聞かせる風変わりなCDをつくり、北摂三田ニュータウンに新しい公園都市線が開業する28日から、乗車券付きで発売する。
 メンデルスゾーンの「春の歌」やボッケリーニの「メヌエット」などの曲と組み合わせ、田園を走る列車の中でうたた寝するような一種の環境音楽。ストレス解消を狙った、と同電鉄。
 それでも人口急増地帯であるニュータウンの「足」となるだけに、電車は朝夕のラッシュが必至。美しい調べが通勤地獄に潤いを与えてくれるかどうか。(朝日新聞)
■信号故障で特急遅れ JR北陸本線
 25日午前4時35分ごろ、石川県河北郡八幡町のJR北陸本線倶伽羅駅で、信号機故障が起きた。
 同信号は2時間後に復旧したが、この故障で富山発大阪行きの特急「スーパー雷鳥12号」の京都駅到着が1時間3分の遅れとなったほか、特急「日本海4号」など計6木が影響を受けた。(京都新聞 夕刊)
26日■KTRが事故防止訓練 28日 警察、消防も参加
 北近畿タンゴ鉄道(KTR)は28日、同社宮津駅構内で京都府警本部、宮津市など関連7機関、約250人が参加した大がかりな列車事故総合訓練を実施する。
 KTRでは、今年5月の信楽高原鉄道事故以来、JR西日本との合間訓練などを実施、万一の事態に備えてきた
。警察、行政、NTTなども参加する大規模な総合訓練は、全国の第三セクター鉄道で初めて。
 当日は午後1時から「台風による雨で線路上に崩壊した土砂に列車が乗り上げ出火、けが人が出た」との想定で訓練を実施。宮津駅構内の引き込み線で事故想定車両1両を使って被害者の救出、二次災害の防止、現場復旧など7つの重点項目について点検する。
 KTRでは今年度、総事業費約3億2000万円をかけ、全車両への列車無線の配備や踏切施設の改良などを進め、施設、設備のハード面でも安全対策の向上を図っている。(京都新聞)
■地下鉄鶴見緑地線 心斎橋まで延長へ
 花博で活躍した大阪の地下鉄鶴見緑地線が、さらに心斎橋まで延長されることになり、このほど延伸工事が始まった。
 延長新線のコースは、京橋から南へ大阪ビジネスパーク、大阪城東を通り森の宮で地下鉄中央線と連絡、さらに玉造まで南下。西へ曲がり谷町六丁目、長堀橋で谷町線、堺筋線と連絡し、心斎橋まで7駅5.7`。新ビジネスセシターの中心街から心斎橋の繁華街まで市中の心臓部を22分で結ぶ幹線。効率的な地下鉄ネットワークが実現する。
 建設費は約1200億円、開通は平成8年春の予定。これが開通すると大阪の地下鉄営業距離は8路線111.5`となる。(京都新聞)
■資源再利用へ回収ボックス 京都駅などに設置
 JR西日本は、資源の再利用を狙いに、京都駅など京阪神の主要5駅に新聞・雑誌専用回収ボックスを28日から設置する。当面はテストケースとして、朝のラッシュ時間帯の午前7時から同9時までの2時間だけ置き、効果を見ながら設置駅や時間帯などを増やして行く。
 JR大阪駅では1日約24dのごみが発生。うち3分の2は朝夕の通・退勤ラッシュ時に捨てられる新聞、雑誌で占めている。JR西日本は、資源再利用の一環として、これらごみを分別回収しようと、専用回収ボックスを設置することにした。
 ボックスは全高1.7bで目立ちやすいよう頭頂部をプラスチック製のヒツジの顔とし、その下に回収ボックスを取り付けた。1基で朝刊が約400部入る。京都駅は烏丸中央改札口、東地下改札口、八条西口改札口をそれぞれ出たコンコースに各1基ずつ置くが、特注品のため製作費は1基19万円という。このほか、大阪駅、新大阪駅、天王寺駅、三ノ宮駅に各4−1基を設置する。
 投入された新聞、雑誌は委託清掃会社の手で毎日回収、再生に回す予定で、JRは「分別回収には何といっても乗客の協力が不可欠。さらに夕方のラッシュでも実施する方向で考えたい」と話している。(京都新聞)
■京都駅ビル開発会社 公金追加出資は違法 住民団体 返還など監査請求
 「京都ホテルとJR京都駅の高層化に反対する市民連合」(43団体)の西山夘三代表ら住民団体の代表ら8人は25日、京都府と京都市が、京都駅ビル開発会社の今年7月の増資に公金を追加出資したり、副知事、市助役を同社取締役会に出席させたのは違法−として、出資金や出席時間に相当する給与の返還などを求め、府と市の監査委員に監査請求した。
 請求によると、府と市は同駅ビル開発会社の増資総額13億5000万円の、それぞれ5%に当たる6750万円を、本年度予算から出資。昨年10月の第一回取蹄役会には府副知事と、市助役を出席させた。
 しかし、京都駅ビル計画は、都市計画法などの高さ制限(31b)や容積率(600%)を超え、公益性がないうえ、歴史的景観を破壊する違法、違憲意の計画で府と市による出資や、取締役会への職員派遣は、地方自治法や地方財政法に違反する、としている。
 同市民連合は、昨年12月と今年1月にも府と市に対して、京都駅ビル開発会社への出資金返還などを求め監査請求。ともに却下されたため、3月に京都地裁へ提訴し、現在係争中。(京都新聞)
■住民が第3次監査請求 京都駅ビルの建て替え問題 「追加出資は違法」 1億余円の返還など求め
 市民団体「のっぽビル反対市民連合」は25日、府と京都市に対して「京都駅ビル開発会社」(社長・井手正敬JR西日本副社長)の増資に当たって、追加出資したのは違法だとして、計1億3500万円の返還と、職員の派遣、追加融資などの差し止めを求める第三次の住民監査請求を起こした。
 請求したのは西山夘三・京大名誉教授ら同市民連合のメンバー延べ28人。市民連合は、昨年12月と今年1月にも計約1万2000人のマンモス請求団を組織して監査請求をしている。今回は、7月に追加出資した分の責任を追及した。
 同連合は、駅ビルはホテルや百貨店などが大半を占め、公共性が乏しい、現行の高さ規制や容積率を上回り、都市計画法や建築基準法違反の疑いがあるなどとして、府と京都市に、それぞれ@京都駅ビル開発会社に追加出資した6750万円の返還A副知事または助役が、同社の取締役として役員会に出席した際の費用及び給与相当額の返還B今後の助役、副知事の派遣や追加出資の差し止め−を求めている。
 これまでに出された一次、二次の監査請求は「出資による具体的な財産上の損害は発生しておらず、適法な請求とは認められない」などとして却下された。このため、市民連合は3月、住民訴訟を京都地裁に起こし、現在まで3回の口頭弁論が行われている。
・京都市まちづくり審議会は 田辺試案、承認するな 16市民団体が申し入れ
 これからの京都市のあり方を、田辺市長の試案に基づいて論議している「京都市土地利用及び景観対策についてのまちづくり審議会」(会長=堀内三郎・京大名誉教授)に25日、市民団体が連名で「南部地域の超高層化をめざす田辺試案を承認するな」と申し入れた。
 参加したのは「のっぽビル反対市民連合」「住環境を守る・京のまちづくり連絡会」など16団体。
 申し入れ書では、市域を北部、都心部、南部の3つに分け、それぞれ保全、再生、新しい機能の集積地と位置づけている田辺試案について「市内中心部で進められてきた住民追い出し、住環境破壊を、南部に拡大するところに本質がある」と分析。
 さらに「まちづくり審議会」が来月初めにもまとめる予定の第一次答申に@田辺試案を承認するなAとくに南部の高さ規制廃止を盛り込むな−と要請。市民の意見を聞く機会としてのシンポジウムを、今後も繰り返し開くこと、などを求めている。(朝日新聞)
27日■ズームアップ京都 多いい発進反動での転倒 「運転手の責任」市交通局 指導の限界も認める
 左京区で先月、市バスに乗った東山区清水四丁目、無職今井きくさん(78)が、バス発進の反動で車内に転倒、骨折して重傷を負う事故が起きたが、該当車両と運転手を特定できず、賠償問題が宙に浮いたままになっている。市バスを利用するお年寄りは現在、市発行の優待乗車証を使う人だけで、1日当たり平均6万9000人。高齢化社会の進行で、この数は今後、さらに増えるのは確実だ。今井さんの事故をもとに、お年寄りの乗車時の安全確保について考えてみた。(井戸 洋記者)
・上り切らぬうちに
 今井さんは先月3日正午ごろ、東大路通の東山二条バス停で、46号系統とみられる南行きの市バスに乗ろうと、後部乗車口のステップの3段目(床面)に足をかけたところ、転倒した。
 一般の市バス車両(低床式)の乗り口は、3段のステップがあり、地面から2段目までの高さは88a。お年寄りが上ると、少なくとも3秒以上はかかる。今井さんの乗ったバスの運転手は、時間を急いだのか、今井さんの動静を見極めないまま発進させた可能性が強い。事故当時、車内の乗客はまばらだった−というが、このうち中年男女2人が今井さんに声をかけ、助け起こしている。運転手が名乗り出てない今、今井さんにとってはこの2人の目撃者が、唯一の頼りだ。
・けがの大半を占める
 市交通局のまとめでは、昨年1年間に、市バス車内で転倒などの事故によってけがをした人は計64人。うち、約80%は60歳以上のお年寄りだった。負傷の原因別では、急ブレーキ反動が最も多く25人。次いで、発進反動20人、通常ブレーキ反動8人、ドアの指つめ6人…の順。
 車内でお年寄りが転倒した場合、大願(たい)骨の最上部を骨折する率が高い、といわれる。高齢者では、そのまま寝込んだり、治療が長引く例もあり、転倒は絶対に禁物だ。
 市交通局は「ブレーキ反動による転倒は、避けられない一面もあるが、発進反動による転倒は、明らかに運転手の責任」としている。同局自動車本部の岩井善治主幹は「重大事故は、そのつど分析して全運転手に結果を知らせ、再発防止に努めている。でも、いったん車で町へ出たら、あとは運転手の気持ち次第なので…」と、指導の限界も認める。
・「乗客の安全」第一に
 お年寄りを含めた車内事故は、どうすれば防げるか−。発進やブレーキ時のショックを柔らげるため、市交通局は4年前から、エアサスペンション付きの車両を導入。昨年度末までに全車両の約24%に当たる217台をそろえ、本年度はさらに112台を増やす計画だ。
 お年寄り自身も、倒れないために▽座ったら、車が止まるまで立たない▽立つ場合は、支柱などを必ずつかむ▽つかむ時は、切符など物を持った手は使わない−など、身を守る自衝策が必要だろう。
 しかし、運転手が「早く乗れ」「早く降りろ」といわんばかりの態度でお年寄りをせかす場面は、市バスではよく見かける。運転手の意識改革が何より待たれる。
 市交通局は、バス事業経営改善の一環に現在、「CBA計画」と銘打った活性化計画を進めている。この中には観光客、交通環境など5つの基本対策が盛り込まれているが、「高齢者安全対策」の文字は見当たらない。
 赤字解消の前に、まず「乗客の安全」があることを忘れないでほしい。(京都新聞)
■走れニュートレイン 29 ミニ新幹線400系 JR東日本 来年、奥羽線にデビュー
 山形新幹線に使われる400系は、新幹線整備の際に話題になったミニ新幹線の実用化第1号である。
 ミニ新幹線とは在来線の線路幅1067_を新幹線の線路のゲージ1435_に改軌して、新幹線電車をそのまま在来線に乗り入れる方式。車両も在来線規格に合わせ、新幹線電車よりも小型化しているところから、ミニ新幹線と呼ばれている。
 第1号は福島と山形間の奥羽線に採用され、現在、線路の改軌と駅の改造工事が急ピッチだ。400系の電車は既に完成し、新幹線区間で試運転を行っている。独特のシルバーメタリックの電車は、まるでSF映画に出てくるようなスタイルである。
 ことし3月26日午前4時、上越新幹線越後湯沢−浦佐間の卜ンネル内で時速336`の速度日本記録を樹立。営業に入れば、東京−福島間は東北新幹線「やまびこ」の後部に連結され、福島で切り離されて奥羽線を単独走行する。最高速度は新幹線内は時速240`、在来線では時速130`。
 ミニ新幹線構想は他の新幹線計画路線でも検討中で、山形新幹線はこれらの先べんをつけるものとして注目されている。
 このミニ新幹線と似ている方式にフランスの高速列車TGVがある。フランスをはじめ欧州の鉄道の線路幅は1435_の標準軌に統一されているため、TGVはパリ−リヨン間の新幹線区間から直接在来線を走り南仏へ運転されている。日本の場合は、在来線の狭軌と新幹線の標準軌の差がミニ新幹線という独特の鉄道を生んだわけだ。
 注目の山形新幹線は、平成4年の山形国体め開催日までには開業する予定である。(鉄道写真家・南 正時)=おわり(京都新聞)
■JR和歌山駅 来月から分煙
 JR西日本和歌山支社は26日、11月から和歌山駅構内を「分煙化」し、各ホームに喫煙コーナー(4ヵ所)を設けると発表した。これに伴い、各コンコース、ホームの待合室などは全面禁煙になる。JR西日本管内では初めて。
 「禁煙時間を延長してほしい」「駅全体を禁煙に」など、利用者の禁煙への要望が強いうえに、11月から和歌山市の「市美化推進及び美観の保護に関する条例」(ポイ捨て条例)が施行され、駅前広場が吸い殻などのポイ捨て禁止の特定地域になることから「分煙化」に潜み切ったという。(朝日新聞)
28日■山陽新幹線が 一時ストップ 地震でJR九州も
 28日午前10時9分、西日本一帯で地震が発生し、福岡で震度4の中震を記録。この影響で山陽新幹線の上下6木が運休し、JR九州の鹿児島線など5線区でも列車が一時ストップするなどダイヤが乱れた。山陽新幹線は地震発生と同時に博多−広島間で一時運行を停止したが、同午前10時21分に時速30`の徐行運転で再開した。
 このため、上下6本が運休したほか、博多発東京行きひかり8号が1時間半遅れたのを最高に上下40本に遅れが出、乗客約1万5000人が影響を受けた。
 JR九州によると、福岡で震度4が観測されたため運行が自動的に停止したもので、鹿児島線、日豊線など4線区は同日午後零時3分までに運行を再開した。
 また、九州電力の箱崎変電所(福岡市東区)では、変圧器を保護する装置が働いて送電がストップ、約1万2000戸が停電したが、午前10時32分までに全面復旧した。
 高速道路や空港では被害はなく、交通規制や飛行機の離着陸に支障などは出ていない。(京都新聞 夕刊)
■”羊箱”で古紙再生 JR西日本の5駅 朝のラッシュ時に設置
 リサイクル法施行に合わせ、JR西日本は28日朝から京阪神五駅に、毎朝通勤客が駅に捨てる新聞や雑誌を回収して古紙再生に回す専用ボックス「羊箱」を新しく設けた。紙を食べるのに引っかけて、羊の頭をかたどった樹脂製の飾りを箱の上に付けて目を引くよう工夫している。JRによると、資源再利用目的での駅への新聞、雑誌箱の設置は初めて。
 古紙回収の羊箱は50a四方で高さ1.3b、新聞約400部で満杯になる。設けたのは大阪駅をはじめ、新大阪、天王寺、京都、三ノ宮各駅の計12個で、朝のラッシュ時の午前7時から9時までの2時間、利用してもらう。
 1日約80万人が乗り降りする大阪駅には改札出口4ヵ所に置いた。同駅のごみは1日平均24dで約3分の2が新聞、雑誌類。JR側は好評であれば、さらに他の駅にも設けていきたいとしている。(朝日新聞 夕刊)
■「公園都市線」が開業 三田のニュータウン
 大阪、神戸の新しいベッドタウン、北摂三田ニュータウン(兵庫県三田市)に28日、神戸電鉄の新線「公園都市線」(横山−フラワータウン駅間2.3`)が開業した。フラワータウン−横山駅間を3分、三田駅までの4.3`を7分で結び、神戸電鉄三田線、JR福知山線に連絡する。
 公園都市線の全体計画は、横山駅からフラワータウン駅を経てウッディタウン中央駅までの単線5.5`。1987年12月に総工費138億円で着工し、第1期工事分2.3`が完成した。残りの区間は2年後の完成を目指す。
 一番電車は午前10時43分、フラワータウン駅から新型の3両で発車。宝塚歌劇団の一路真輝さんらがテープカットしてニュータウンヘの初乗り入れを祝った。(朝日新聞 夕刊)
■1人で乗れぬ!?リフト付きバス 車いすに介助2人要請 大阪市 運輸省の通達根拠に
 全国のトップを切って、大阪市は、11月14日から車いすの人たちに利用してもらうリフト付きバスを導入する。ただ条件付きで、車いす利用者に対して、介助者2人をつけるよう求めている。運輸省通達に従ったものだが、すでに市営地下鉄では、介助者なしで乗降する車いす利用者が大半。バス利用も楽しみにしている車いすの人たちは「せっかくのリフトバスなのに、時代遅れの通達で、一人で乗れないなんて」と反発。近く、同通達の撤廃を運輸省に申し入れるとともに、大阪市に善処を要望する。
・「自立を妨害」と障害者反発
 リフト付きバスは大阪、神戸、京都3市の交通局が自動車メーカーと共同開発した。障害者らの意見も採り入れ、手押し、電動いずれの車いすでも、単独で乗り降りできるよう設計されている。
 ところが、9月下旬、障害者団体らを対象に開いた説明会で、大阪市交通局は、車いす利用者のバス乗車について、運輸省が1978年に出した自動車局長通達で「乗降等に必要な介護人が同伴していること」となっていることから、原則として車いす1台に、2人以上の介助者を付けてほしいと要請した。
 交通局によると、現在、市営バスには年間延べ約600人の車いす利用者がある。ほとんどが軽量の手押しタイプで、介助者がついていることが多いという。しかし、市営地下鉄では、年間約1万人の車いす利用者の約4分の3が、介助なしで行動できる電動車いすを利用している。重い電動車いすも運べるリフトの導入が進めば、バス利用はかなり増える見込みだ。
 障害者の自立に取り組んでいる中部障害者解放センター(大阪市)事務局の尾上浩二さん(31)は「私も含めて、介助なしで移動するのが当たり前になりつつある。すでに電動車いすの人の多くは、一人で電車を利用しており、介助者を付けなければならないとすれば、日常生活に大きな支障となる。車いすの障害者が一人で街を歩ける社会を作るためのリフトバスにしてほしい」と訴えている。
 これに対し、交通局自動車部運輸課は「運輸省の許可を得て運行している以上、通達に従うのが原則。乗降以外にも、車いすを固定したり、言葉の不自由な人から行き先を聞いたりする際など、介助は必要だ。ただ、車いす一人だからといってむやみに乗車拒否するわけにもいかないし…」と話す。
 岸洪太・運輸省自動車交通局旅客課専門官 リフト付きバスの導入で、通達と実態との間にずれが出てくるのは否めない。大阪での運用状況を見ながら、介助なしでも乗れるよう、通達の改正も含めて検討したい。(朝日新聞)
■福岡で震度4 新幹線などに影響
 28日午前10時9分ごろ、九州北部地方から、中国、近畿地方にかけて強い地震があった。福岡管区気象台の観測によると、福岡市では震度4(中震)を記録し、揺れは数秒続いた。この地震のため、山陽新幹線は東広島−博多間で自動的に送電がストップし、同区間を走っていた15本の列車が停止した。同20分、送電が再開されたが、広島−博多間などの列車6本が運休。博多発東京行きひかり8号が90分遅れたのを最高に上下40本に影響、ダイヤの乱れは午後1時すぎまで続いた。また、山口県宇部市の銀行で時計が落ち客一人がけがをした。
 同気象台によると震源地は周防灘北西部で、震源の深さは約20`、マグニチュード6と推定している。
 震度3(弱震)山口、大分、佐賀、下関、呉、飯塚、萩▽震度2(軽震)熊本本、高知、広島、浜田、鳥取、大阪、日田、松山、雲仙岳、平戸▽震度1(微震)宇和島、宮崎、鹿児島、福井、徳島、岡山、米子、松江、豊岡、厳原、境、福山(朝日新聞 夕刊)
29日■安全・新生へデザイン一新 信楽鉄道車両
 12月上旬の運行再開を目指す信楽高原鉄道は、再開時から新しいデザインの車両を運行させることに決め、28日から滋賀県甲賀郡信楽町長野の同鉄道信楽駅車庫で保有車両2両の塗り替え作業を始めた。
 これまでの車両は昭和62年7月の開業に合わせて、一般公募の中から選ばれたデザインで、同町の花「やまつつじ」をモチーフにし、アイボリーホワイトを基調としたカラフルさが住民に親しまれてきた。しかし、カラフルな車両を見ると、「事故当日を思い出し悲しみが新たになる」という声が上がり、高原鉄道側も「安全な鉄道として再生したい」という願いからデザインの一新に踏み切った。新しいデザインは薄いベージュが地色で、車両下部に、若草色のライン2本が帯状に入るシンプルなもの。「緑色に象徴される安全と、新生を意味する新芽の緑をイメージした」という。(京都新聞)
■たてもの探訪〈64〉 北阪ビル ”電車ビル”(京都市下京区)で新名所に
 烏丸通を五条から北へ約100b北行した西側。近代化が進むオフィス街に昔の風情をよみがえらせてくれるビルがある。
 この建物、地上7階、地下1階の京染呉服製造販売業の「北阪ビル」。昭和39年、当時3階建ての下京府税事務所を買い取り、60年10月しゅん工した。外壁、玄関ロビーはカナダ産御影石(みかげいし)を使用したモダンなビル。その1階北隅に日本最古の「チンチン電車」を保存、街行く人々の目を楽しませている。
 電車は全長8.3b、幅2.2bで、明治28年2月1日、わが国最初の電車による交通事業として京都駅−伏見下油掛間の6.7`でデビュー。市民の足として廃止された昭和36年まで走り続けた。
 北阪ビルの北阪佐市郎社長(72)は「少年時代によく利用して、とても親しみが深いので…」と、廃車になった28車両のうち、2車両を購入、右京区の自宅に保存してきた。しかし「少しでも市民に昔の電車を見ていただきたい」と新社屋完成を機に展示した。
 当時の敷石、レールを据え、傷んだ個所を改造し、アズキ色と白色に塗装、昔のままに復元した。ビル1階は電車を収容するため、車両の高さ4bに合わせ天井を高くし、床も総重量約10dに耐えるよう強化、建設費も普通のビル1階分より2割以上はかさんだ。
 大金を投じた”電車ビル”が出現して6年目。すっかり京都の新名所になった。地下鉄化が進む都会の雑踏の中で、ビルの前を通ると今なお京都らしいやすらぎを与えてくれる。(京都新聞)
■踏切事故で一時不通 山陽電鉄
 28日午後10時半ごろ、兵庫県明石市二見町西二見の山陽電鉄西二見第一踏切(遮断機、警報器つき)で、姫路発高速神戸行き普通電車(4両編成)が、踏切内で立ち往生していた近くの会社員、山端訓召さん(21)運転の乗用車と接触、乗用車は横転して大破、下り線路をふさいだ。電車の乗客約20人にけがはなかった。山端さんは下車していて無事。
 この事故で山陽電鉄は一時、上下線ともストップした。(朝日新聞)
■社説 私鉄運賃を抜本的に考え直せ
 サラリーマンは今朝も、殺人的ラッシュにもまれながら会社に向かう。関東、関西の私鉄大手13社平均で普通運賃11%、通勤定期18%という大幅値上げがきょう正式に決まる。身動きとれないスシ詰めの通勤客の中からは、こんなつぶやきが聞こえてくる。
 −混雑緩和のためねえ、ふ−ん。でもすぐ改善は無理だろうし。問題はこの家畜列車なみのラッシュなんだから、少しでもピークをならす工夫はできないのかな。運輸審議会の答申も「時差通勤定期の導入を進めろ」と言ってるんだから。
 友人の勤め先はフレックスタイムを導入してるそうだ。わが社だってピーク時をはずせは安くなる「時差通勤定期」があれは、出勤時刻をずらすことも考えるだろう。今回は通勤定期を狙い撃ちで大幅値上げしたんだから、その一方で、こうすれば安くする、という試みもなきゃあね。
 JR西日本が「昼間持割きっぷ」という12枚つづりの回数券を出して、えらく売れてるらしい。利用者は主婦だけでなく、4人に1人は会社員だそうだ。
 そういう工夫なしに、乗客の勤め先が混雑の「原因者」で、定期割引の「受益者」と言われてもね。確かに周りはサラリーマンとOLばかりだが、通勤代を自己負担してる人も半数以上いる。その人たちまで「受益者」というのは強引すぎないか。
 −あ、あの窓の外の工事が複々線化のためだな。この電鉄は総工費三千数百億円で96年に完成予定だそうだが、遅れたらこっちが先に定年だ。巨額の設備投資で経営が悪化したというけれど、前回の値上げの時に「工事費の先取り分」も含まれていたはず。この分では、値上げを繰り返すことになりかねない。
 カミさんは昼からターミナルのデパートに行くって言ってたっけ。以前に子供たちをよく連れて行ってた遊園地も、マイホームを探した時の不動産屋も、私鉄の経営だったなあ。それで自分も子供たちも毎日この電車に乗って…。
 一極集中が根本問題と言えは、だれの責任かわからなくなるけど、野っ原だったところに線路を延ばして宅地開発してきた私鉄が、ラッシュをひどくした「原因者」とも言えるなあ。おかげで土地と商売で大もうけなんだから、最大の「受益者」も私鉄ってことにならないか。
 今回の値上げについて、経企庁の物価安定政策会議特別部会でも、開発利益の還元を兼業部門との関連で検討すべきだという指摘があったそうだ。前から言われていることだが、いつまでも鉄道部門だけ別にして、赤字になったら値上げを認めるというのは、どうも割り切れないなあ。
 −大手13社が一斉に赤字になったから値上げを、というのも気になる。経営努力の差もあるはずなのに。私鉄側の数字をうのみにしたうえでの査定、という面はないのだろうか。
 別に10円、20円の値上げを絶対いやだと言う気はないが、ラッシュ緩和がすぐに無理なら、せめて、ここは良くしたという誠意を見せてほしいんだよね。お年寄りや身障者が利用しやすい駅にするとか、ホームのベンチを増やすとか…。
 私たちは、私鉄の料金制度を抜本的に見直すべき時期だと考える。すでに人間が耐え得る限界を超えたラッシュの改善を、乗客の運賃負担だけに求め続けるのは限度がある。乗客が選択できる料金システムの導入や、公共料金政策の再検討などに、私鉄や国は直ちに取り組むべきであろう。(朝日新聞)
■私鉄値上げ認可 来月20日から 関西5社は平均13.2% 運輸相
 政府は29日午前、物価問題関係閣僚会議を開き、先に運輸審議会が答申した大手私鉄13社の運賃値上げを了承した。これを受けて村岡運輸相は同日付で値上げを認可した。新運賃は11月20日から実施される。このうち、近鉄、京阪、阪急、南海、阪神の関西5社の平均値上げ率は13.2%になっている。
 関西5社の各社ごとの値上げ率は、阪神17.3%、京阪、阪急がともに16.1%、南海12.7%、近鉄10.0%の順。初乗り運賃は、5社とも100円から120円にアップする。関東8社を含め、いずれも24日の運輸審答申通りの認可になっている。
 今回の認可に当たり、運輸省は同日付で私鉄各社に対し、@輸送力増強に努めるAサービス向上、特に交通弱者への配慮B時差通勤通学定期券制度の導入に向けた検討−などを要請した。(京都新聞 夕刊)
■近鉄特急料金8.1%上げ 京阪 男山ケーブルは180円に
 近畿運輸局は29日、近鉄、南海、京阪から申請のあった特急料金、座席指定料金、ケーブルカー運賃の各値上げについて認可した。近鉄の特急料金は値上げ率を申請より圧縮、それ以外は申請通り認めている。私鉄運賃値上げと併せ、11月20日から実施される。
 このうち、京滋関係は、近鉄特急料金が平均8.1%アップ。京都−奈良間440円(現行410円)、京都−橿原神宮720円(同670円)、京都−賢島1520円(同1400円)になる。また、京阪の男山ケーブルは平均19.6%の値上げで、普通運賃(八幡市−男山山上)は180円(同150円)。
 このほか、近鉄の生駒ケーブル、信貴山ケーブル、南海の高野山ケーブル、特急座席指定料金もそれぞれ値上げされる。(京都新聞 夕刊)
■夕刊ひろば 北大路ターミナル工事 市電車両の保存 現在は?
 京都市北区の北大路バスターミナルで現在、工事が行われています。確か廃止された市電の車両がターミナルに保存されていたはずですが、工事中の現在はどうなっているのでしょうか。(宇治市、学生・20)
 同市交通局経営推進課に問い合わせたところ、保存してある場所はターミナルの北側で、工事中の現在も「そのままにしてあります」とのこと。保存車両は明治、大正時代のチンチン電車「広軌1」など8両で、交通局のイベントなどで随時、公開されていました。
 工事は商店街や文化ホールを持った複合ビル「キタオオジタウン」建設のため。今後、工事の進ちょくに伴い保存車両は一時移転される予定になっています(移転場所未定)。平成6年(予定)のビル完成時には「車両の展示コーナーを設けて何両かを市民に常時、見てもらえるようにする計画」(同課)ということでした。(京都新聞 夕刊)
■近鉄特急料金など値上げ認可 近畿運輸局
 近畿運輸局は7月に申請のあった近鉄の特急料金と南海の座席指定料金、さらに近鉄、南海、京阪3社のケーブルカー(鋼索鉄道)運賃の値上げを29日、認可した。特急料金は10.5%の申請を8.1%に抑えた。指定料金は申請通り8.9%、ケーブルカーも申請通りで8.6−19.6%の改定となった。大手私鉄13社の運賃値上げと合わせ11月20日から実施される。
 近鉄の特急料金の値上げは87年5月以来、4年半ぶり。新特急料金は、40`までが440円(現行410円)▽80`までが720円(同670円)▽140`までが1020円(同930円)▽180`までが1270円(同1180円)▽181`以上が1520円(同1400円)。
 ケーブルカーは、近鉄の生駒鋼索鉄道が8.6%、西信貴鋼索鉄道が8.7%、南海の高野山鋼索鉄道が9.1%、京阪の男山鋼索鉄道は19.6%、それぞれ引き上げられる。(朝日新聞 夕刊)
■復旧訓練で新装置テスト JR西日本
 負傷者300人以上を出した今年6月の福知山市内での踏切事故を教訓に、JR西日本は29日朝、大阪市平野区の阪和貨物線で踏切事故や脱線事故を想定した総合事故復旧訓練をした。地元の消防署や警察署を含め約500人が参加、踏切事故防止のためJR西日本が開発した新装置の性能テストも行われた。
 訓練は午前9時にスタート。大型クレーン車がアームを上げたまま踏切に進入し、高さ制限の注意標(固定ビーム)を壊した想定で、新開発の支障報知装置を作動させた。また踏切の注意標のワイヤを切断した場合のワイヤ自動巻き取り装置の性能を見た。
 JR西日本のまとめでは、高さ制限の固定ビームやワイヤなどの踏切注意標を壊す事故が87年度以降年間に平均85件発生、今年度はすでに50件も起きた。列車との衝突に至らないまでも、停電になったり復旧工事に時間がかかり、列車ダイヤが大きく乱れるケースも多い。JRは踏切の障害物検知装置の整備率が私鉄と比べ立ち遅れていることから、赤外線方式より低コストのループコイル方式の検知装置導入を検討中で、その性能テストも、この日の訓練で実施した。(朝日新聞 夕刊)
31日■JRのOB3人補充 信楽高原鉄道
 信楽高原鉄道は30日までに、逆転再開に向けJROB3人の補充採用を決めた。同鉄道がJR西日本に要請していたもので、うち2人はすでに正式採用が決まり、あと1人は11月1日付で採用を予定している。3人はいずれも旧国鉄の機関士、運転士のOB。
 同事故では信楽高原鉄道の運転士5人のうち3人が死亡。運転士の数からも運行不能になっていた。3人の採用が確定したことで、12月の運行再開へ向けて条件の一つが整った。(京都新聞)
■列車、男性はねる? 亀岡、ダイヤ乱れる
 30日午後9時20分ごろ、京都発福知山行き急行列車丹後11号の運転士から、亀岡市篠町のJR山陰本線地蔵トンネルを出た付近で人をはねたと亀岡署に届け出があった。
 同署員が現場付近を捜索、午後10時ごろ同トンネルの亀岡側出口約10bの雑木林で、男性が死亡しているのを発見した。
 男性は、50歳ぐらけで身長166a。茶色のジャンパー、グレーのズボン、同色の靴下をはいていた。遺書もなく、身元は分かっていない。
 この事故のため、同列車は現場で約40分停車。また普通列車上下合わせて4本が、30分−10分遅れた。(京都新聞)
■京都市バスに女性の運転手 公営では全国初
 京都市バスに11月1日から、女性の運転手が登場する。ソフトな接客マナーで、観光都市京都のイメージアップを図るのが狙い。同市交通局によると、公営バスに女性運転手が乗務するのは、全国で初めてという。
 ハンドルを握るのは、1978年から定期観光バスのガイドを務めている井上由紀子さん(34)。井上さんは、仕事の合間をぬって今年7月、大型自動車2種免許を取得。10月から運転手としての研修を受けていた。
 当面は京都駅から平安神宮、金閣寺、清水寺などをめぐる定期観光バスを運転。12月から一般路線に等入されるレトロ調バスへの乗車も予定している。(朝日新聞)
■スーパーひかりにベビーシート JR東海 2両に1ヵ所
 JR東海は、来春に営業を始める東海道新幹線の「スーパーひかり」(300系)に、折りたたみ式のベビーシートを2両に1ヵ所の割合で設置する。おむつの交換などが快適にできる赤ちゃん用のシートを設けた車両は、JRでは2年前から、わずかながら現れ始めたが、本格的なものは今回が初めて。ママにとって、新幹線を使った里帰りが、ちょつぴり楽になりそうだ。
 ベビーシートは、縦約80a、横約50a。安全ベルトがついている。いつもは洋式トイレの壁に掛ける形でたたんであるが、使うときに下ろす。「スーパーひかり」は奇数号車にベビーシート付きの洋式トイレを置く方針で、通常の16両編成だと、8ヵ所にシートが設けられる。
 「スーパーひかり」は、化粧室など居住性の充実も重要なため、実現に踏み切った。同社は「300系は、乗客サービスの面からも充実させたい。ベビーシートの存在を積極的にPRしたい」という。(朝日新聞)
■北陸新幹線のルート変更へ 高岡−金沢間
 整備新幹線の北陸新幹線高岡(富山県)−金沢間について、運輸省は、建設ルート案を変更することを決めた。31日、日本鉄道建設公団に、新たなルートを確定するための調査を指示する。
 富山県が6月、在来線を活用して整備するルートヘの見直しを要請していた。同省案が変更されるのは、九州や盛岡以北の東北などの整備新幹線で初めて。
 これまでの同省のルート案は、両駅間に新しい狭軌新線を建設し、当面はスーパー特急を走らせるというものだった。しかし、同県は、並行在来線の北陸線がJR西日本から経営分離されるのを防ぐため、高岡−石動(いするぎ、富山県)間は北陸線をそのまま使い、石動−金沢間だけ狭軌新線を建設するという案への変更を求めた。
 新たなルートを決め、環境影響評価などの手続きが終わる来年秋ごろに着工の見通し。並行在来線のJR経営分離問題で揺れるほかの整備新幹線沿線に、ルート変更の波紋が広がる可能性もある。(朝日新聞)
■大教大前に近鉄新駅
 近畿日本鉄道(本社・大阪市天王寺区)は30日、大阪教育大学が相原市旭ヶ丘四丁目に移転統合するのに伴い、近鉄大阪線河内国分−関屋間に新駅「大阪教育大前」を12月6日に開設する、と発表した。駅位置が急カーブで傾斜が大きいことから、曲線改良のため大学敷地の下を貫通する新玉手山トンネル(全長715b)を建設中で、トンネルが完成する来秋まではホーム(130b)の半分約60bは仮設状態のまま営業する。
 同駅は鉄骨造りの橋上型でキャンパス風のしゃれたデザイン。工費は11億3000万円で、うち柏原市が3億円を負担した。普通と準急が平日137本、休日122本が停車する。運賃は難波から340円。当初の利用客数は1日約1500人だが、大阪教育大学が一部移転する来年春には倍増、全面移転する93年春は約1万人の乗降客を見込んでいる。(朝日新聞)
■列車事故で30人死亡 インド南部
 【ニューデリー31日=竹内義昭】インド南部のバンガロールで30日夜(日本時間31日未明)、ニューデリー行き急行列車が脱線、転覆し、少なくとも乗客30人が死亡、約100人が重軽傷を負った。
 現場はバンガロール駅の北約50`。大雨による土砂崩れで線路が埋まっていたところへ列車が乗り上げ、客車など計11両が脱線した。(朝日新聞 夕刊)