1991(平成3)年9月


1日■走れニュートレイン〈21〉 急行もりよし号 秋田内陸縦貫鉄道 女性の運手士が活躍(京都)
2日■信楽鉄道 再開準備室を開設 JR西日本のOB迎え(京都)
3日■年内の運行再開めざす 信楽鉄道「準備室」(京都)
  ■市バスにトラック追突 左京 転倒の乗客ら11人けが(京都)
  ■山陰線が一時不通 花園−立木間 信号、一斉に赤表示(京都)
  ■トラックがバスに追突 11人けが(朝日)
  ■山陽新幹線乱れる(京都)
  ■バスを鋼材直撃 宇治・トラックに追突(京都)
  ■作業車の運転手ら書類送検 山電事故(朝日)
  ■朝の山陽線で 停電、一部不通 ダンプ、架線引っかけ(朝日)
  ■信号回路に異常 新幹線が乱れる(朝日)
4日■CTCケーブル 草刈り機で切断 特急など19本遅れ 山陰線(朝日)
  ■JR駅改築公聴会 22日に日程を変更 コープ・イン・京都(朝日)
  ■盛岡−青森の起工式 東北新幹線 工期10年で着手(京都)
  ■東北新幹線の盛岡以北着工 開業は約10年後(朝日)
5日■米原−長浜で 試運転を開始 琵琶湖線乗り入れ(京都)
  ■新型車両で乗客誘致 関西の私鉄・JR 値上げ控え工夫の私鉄 迎え撃つJR側 出入り口に電光案内板/個室タイプの電話室も/運転席通し180度展望/ボタンで動く窓ガラス/座席に1人ずつくぼみ(朝日)
  ■私鉄値上げ反対相次ぐ 消費者団体110番(朝日)
6日■山陽新幹線が一時不通に 保線点検中トラブル(京都)
  ■精神薄弱者にも運賃割引を適用 運輸省 JR・私鉄など 12月1日からスタート 京ではタクシーも(京都)
  ■精神薄弱者にも運賃割引 鉄道・船・バス半額 航空機25% 12月実施 手帳持つ37万人対象 タクシーは10% 京阪神などまず8市で(朝日)
  ■新幹線、始発から乱れ 保守用車が立ち往生 10本運休(朝日)
7日■スコープ 大阪モノレール 渋滞なく”空中散歩”(京都)
  ■京都駅改築の公聴会 三輪氏出席が決まる 「コープ・イン・京都」(朝日)
  ■左京区岩倉の叡電 踏切”通せんぼ” 廃止され町内大揺れ 生活権を脅かす/付近の住民 手続きは踏んだ/電鉄・自治会(京都)
  ■会社などに略式命令 JR福知山線踏切事故(京都)
8日■信楽事故原因早期解明を 被害者の会が要望書(京都)
  ■回送京阪の1両脱線 けが人なし 上下19本振り替え輸送 深夜の深草駅付近(京都)
  ■走れニュートレイン〈22〉特急「南風」 JR四国 四国の振り子列車(京都)
9日■2社に集団交渉を要請へ 信楽事故「遺族の会」(京都)
  ■阪急電車に飛び込む 桂駅、男性即死(京都)
  ■京阪電車脱線 車両を調査へ(京都)
  ■鉄道2社に交渉求める 信楽事故で遺族の会(朝日)
  ■新京都駅ビル 出展を正式表明 通産局に計画書提出 6年秋に開店予定(京都)
  ■京都のイメージで レトロ調バスの愛称を募ります 市交通局(京都)
  ■強風で湖西線徐行 比良−近江舞子間(朝日)
10日■直流化へ備えは万全 長浜駅で救急・火災訓練(京都)
  ■京都でもレトロ調バス 11月から運行、愛称募集(朝日)
  ■「世界都市」の中枢に JR大阪駅北側の再開発 調査委の報告まとまる(朝日)
11日■新幹線の価格 492億円上乗せ 地価高騰で見直し(朝日)
  ■国労「解雇撤回に全力」(朝日)
  ■全車両に列車無線 KTR安全対策年内運用へ(朝日)
  ■瀬戸大橋線の速度復旧OK 香川県が回答(朝日)
  ■精神薄弱者の運賃 JRと5私鉄 5割引き申請(朝日)
12日■精薄者の運賃割引 JR6社が申請(京都)
  ■「遺族の会」県警訪問 信楽高原鉄道事故(京都)
  ■京福とトラック衝突 右京(京都)
  ■湖北路に”新時代” JR琵琶湖線の長浜乗り入れ(京都)
  ■国労大会が異例の休会(朝日)
  ■JR東海労 加盟を承認 JR総連(朝日)
  ■京福電車と衝突 嵐山線で軽自動車(朝日)
  ■新快速長浜へ 14日から直通(朝日)
  ■ポイント故障で遅れ JR山陽線(朝日)
14日■秋の行楽シーズン 初のグルメ列車も KTRが172本を増発(京都)
  ■JR3社が清算事業団支援(朝日)
  ■信楽高原鉄道 12月1日再開固める 2両、ピストン方式 事故関連の 信号使わず(京都)
  ■秋の行楽きっぷきょうから発売 JR西日本(京都)
  ■通勤の「足」を 11月から増強 JR西日本(朝日)
  ■高原鉄道に交歩申し入れ 信楽事故遺族会(朝日)
  ■新快速、長浜へ(朝日)
  ■台風17号 近畿北部 防風域に 山口に再上陸 新幹線など乱れる(京都)
  ■湖北新時代幕開け JR北陸線直流化 長浜乗り入れ発車(京都)
15日■社説 信楽鉄道の再開で望むこと(京都)
  ■信楽事故 個別に説明会を 遺族側弁護団 鉄道、JRに要請(京都)
  ■窓 席をゆずれる人になりたい 右京区・角 幸多(小学生・12)(京都)
  ■走れニュートレイン〈23〉100系新型ひかり JR東海・JR西日本 より速く、より快適に(京都)
  ■信楽事故遺族ら JR側との初会合紛糾(朝日)
16日■車掌、線路1`走り「待てー」 駆け込み男性とけんか中、発車 JR新長田−鷹取駅間(京都)
17日■全機関開業延期も 大阪モノレール 土地買収に住民反対(京都)
  ■リニア実験線が起工式 山梨 94年度完成へ第1歩(京都)
  ■近鉄生駒線一時不通に 信号機消える(朝日)
18日■旧国鉄用地売却促進 価格制限して入札を 審議会緊急提言 随意契約も弾力化(京都)
  ■旧国鉄梅小路貨物駅跡地 京都市に売却へ 国鉄清算事業団資産処分審答申(京都)
  ■桂駅東でビル着工へ 阪急電鉄 5年3月完成めざす(京都)
  ■信楽列車事故 190人と示談が成立 JR西日本 原因、司直の判断に(京都)
  ■電車にはねられ死亡(京都)
  ■梅小路貨物駅跡地の都市公園化 京都市、年内にも基本計画 三年後の建都1200年目標(朝日)
  ■共産質問にJR回答 京都駅ビル問題(朝日)
  ■京都の梅小路貨物駅跡 10.5f全部を公園化 清算事業団が市に売却へ(朝日)
  ■軽傷の190人と示談 信楽事故でJR(朝日)
  ■洛中洛外(京都)
  ■線路わきの工場を全焼 まくら木焦げる 京都・八幡(朝日)
  ■岡山の「ダウンバースト」 新幹線高架も突風圏内 列車直撃の場合は極めて危険な状態 京大防災研調査(朝日)
19日■社説 旧国鉄用地の売却は必要だが(京都)
  ■信楽高原鉄道早期再開を 村岡運輸相が見解(京都)
  ■新幹線の”洗顔”まかせて JR西日本 清掃ロボット開発(朝日)
  ■信楽高原鉄道支援に1億円 滋賀県が出資(朝日)
  ■台風18号 新幹線乱す 47本運休、大幅な遅れ 京都駅「待ち人」あふれる(京都)
  ■時速345` 国内最高 山形新幹線(京都)
20日■京滋の民間バス値上げ 来月から、申請通り 運輸審答申(京都)
  ■345`出た出た新幹線(朝日)
  ■バス14社値上げ決定(朝日)
  ■バス運賃来月値上げ 府内5社路線と他社の競合区間(朝日)
21日■均一区間外の市バス値上げ 43系統、1日から(京都)
  ■均一区間以外を来月から値上げ 京都市バス運賃(朝日)
  ■京都の景観考えよう(朝日)
22日■窓 長浜直通便に湖北発展願う 東山区・杉田禎子(主婦・63)(京都)
  ■走れニュートレイン〈24〉あそBOY JR九州 SLの名機ハチロク(京都)
  ■「花博の駅」がやって来た(朝日)
23日■TGV 2億人運んだ(朝日)
24日■信楽事故補償の支援策 県、町が貸し付け 稲葉知事表明(京都)
  ■ひまわり号、湖西路を走る 障害者ら、ゆったり旅気分(京都)
25日■鉄道事故出しません 山科の安朱鉄道子供会 山科駅でポスター展(京都)
  ■局部的たわみが原因 広島の橋げた事故 H形鋼変形、崩れる(京都)
  ■阪急烏丸駅で焼身図る 乗降客の目前 中年男性が重体(京都)
  ■文化 時代精神のゆがみ 高知学芸高校の修学旅行事故その後 少女の喪の心と大人の打算 野田正彰(京都)
  ■男山ケーブル 20%値上げへ 京阪か7年半ぶり(京都)
  ■重体の男性、身元判明 烏丸駅で自殺図る(朝日)
  ■人それぞれに 能登路へようこそ 京阪神から直通電車JR七尾線乗り入れ(朝日)
26日■窓 京都70年の乗り物マナー 北区 岩井伸子(司書・72)(京都)
  ■阪神電車信号故障 通勤の足乱れる(朝日)
27日■20日に説明会開催、と回答 信楽事故で2社(京都)
  ■JRと信楽鉄道側 合同で弁護団結成(朝日)
28日■国際会館までに2駅 地下鉄北進計画 京都市 本年度中に事業免許(京都)
  ■新幹線復旧の訓練 JR東海が4日に(京都)
  ■リフトバス 年内運行の方針 京都市会 市側が答弁 レトロバス物販も(京都)
  ■台風19号九州直撃 風速50b吹き荒れる 生活機能も大混乱 京都北部滋賀 交通マヒ、停電(京都)
  ■ハンブルク←→ベルリン リニアカーで結ぶ 最高時速300キロ ドイツが構想(京都)
  ■台風19号 関西の交通寸断 新幹線 列車ホテルに1万人(朝日)
  ■新幹線 譲渡契約を締結 保有機構からJR3社へ 総額21兆1600億円(朝日)
  ■科学 実用化へ着々 常電導HSSTリニア 営業用時速100`達成 JR方式より先か(京都)
  ■駅名変更 市が動く 「堺」が3つでややこしいさかい… JRや南海は困惑(朝日)
29日■ズームアップ 京都 動きだす九条営業所用地の開発 地元説明会から 収益性・利便性 どう調和させる?(京都)
  ■JR幹部の出席を要求 説明会開催で遺族の会 信楽事故(京都)
  ■走れニュートレイン〈25〉 ニュースカイライナー 京成電鉄 成田への格安特急(京都)
  ■JR側の謝罪と説明求め近く申し入れ 信楽事故遺族の全(朝日)
  ■余部鉄橋走る列車と司令室結ぶ無線完成(朝日)
30日■そんな生活危険です 線路を道路代わりに 歩いたり横断したり ラッシュ時はヒヤヒヤ JR奈良線深草付近(京都)
  ■東海道線や近鉄、停電で(京都)
  ■作業車が架線に接触 近鉄奈良線でも遅れ(京都)
  ■広島や岡山で停電再び増加 信号機などもダウン(朝日)



1日■走れニュートレイン〈21〉 急行もりよし号 秋田内陸縦貫鉄道 女性の運手士が活躍
 JR奥羽本線鷹巣と田沢湖線角館間94.2`の山間を結ぶ第三セクター鉄道秋田内陸縦貫鉄道は、旧国鉄阿仁合線と角館線、その間の新線区間から成っている。
 新線は平成元年4月に開業し、列車も全線直通運転されるようになった。
 沿線は人家の少ない山深い路線で、冬は豪雪に悩まされるが、沿線にはひなびた温泉、素朴な観光地もあり、旅情派には最近人気急上昇中のローカル鉄道である。
 急行「もりよし号」は鷹巣と角館を1日2往復、約2時間で結んでいる。車両は第三セクターには珍しい急行料金を設定した豪華車両を使用している。
 2両編成で中央部の座席はテーブル付きのサロン風の座席で、JRのジョイフルトレインのムードを持っている。一般座席もJR特急と同じ転換クロスシートでゆったりとした旅が楽しめる。
 車内には売店のカウンターがあり飲み物、軽食、お土産物を販売している。前後部はワイドなパノラマ窓で展望室の気分が味わえる。「もりよし号」が走り始めた時に、全国でも珍しい女性車掌が話題になったが、最近では日本の鉄道では初めて女性の運転士がハンドルを握り、地元の人たちや訪れた観光客の人気を集めている。
 沿線の中心、阿仁合町にはかつて鉱山の外人技師が住んだ西洋館が線路のすぐわきに建ち、史料館として公開されている。阿仁マタギ駅からバスで5分の所には打当温泉があって、地元の人たちでにぎわっている。近くにはクマ牧場、マタギ資料館もありマタギの暮らしに触れることもできる。(鉄道写真家・南 正時)
 〈メモ〉1日2往復、鹿巣−角館間所要時間約2時間。普通乗車券1590円のほかに、急行券50`まで150円、51`以上300円が必要。(京都新聞)
2日■信楽鉄道 再開準備室を開設 JR西日本のOB迎え
 運行再開を目指す信楽高原鉄道(社長・杉森一夫信楽町長)は2日朝、滋賀県甲賀郡信楽町長野の本社にJR西日本のOB2人を迎え入れ、社内に運行再開準備室を開設した。運行に欠かせない鉄道主任技術者がそろったところで、高原鉄道は冬季までの再開に向け、大きく動き出した。
 JR西日本から派遣された2人は、役員待遇で、午前10時、杉森社長から辞令を受け、元国鉄新幹線総局大阪第一運転所長の河合肇ジェイアール西日本メンテック取締役相談役(68)が鉄道主任技術者に、元国鉄天王寺鉄道管理局奈良運転所長の藤田義孝ジェイアール西日本メンテック顧問(63)が業務部長に就任した。
 引き続き、本社内の会議室前に杉森社長らが「信楽高原鉄道運行再開準備室」と書かれた大紙を掲出、杉森社長が社員を前に訓示した。今後、北川啓一副社長を室長とする全社的な体制で輸送や安全運行マニュアルなどの運行再開計画づくりを急ぐことにしている。
 このあと記者会見した北川副社長は「遺族、被災者の気持ちを忘れることなく、こちらの誠意を伝える一方、年内再開を念願に仕事を進める」と表明。また河合鉄道主任技術者は「憶測で物事を進めないマニュアルづくりをした上で、一日も早い運行を目指す」と述べた。(京都新聞 夕刊)
3日■年内の運行再開めざす 信楽鉄道「準備室」
 5月の事故以来、運休している信楽高原鉄道(本社・信楽町長野 社長・杉森一夫信楽町長)は2日、JR西日本のOB2人を迎え入れ、本社内に運行再開準備室を開設した。記者会見で北川啓一副社長が「年内の運行再開を目指す」と言明。代行バスで通勤、通学を余儀なくされていた沿線住民は、準備室開設が運行再開に向け大きなステップになると期待している。
 この日午前10時、杉森社長が、JR西日本から派遣のジェイアール西日本メンテックの河合肇取締役相談役(68)に鉄道主任技術者、同、藤田義孝顧問(63)に業務部長の辞令を交付、会議室前に「信楽高原鉄道運行再開準備室」と書いた大きな紙を掲出した。
 続いての記者会見で、北川副社長は「代行バスの路線は、これから凍結が心配。路面が凍る前に鉄道を再開したい」と表明した。(京都新聞)
■市バスにトラック追突 左京 転倒の乗客ら11人けが
 2日午後10時ごろ、京都市左京区東大路通丸太町上ルの「熊野神社前」バス停で、京都駅発北大路バスターミナル行き市バス206系統=玉生好一運転手(41)=に、後続の南区吉祥院嶋出在家町、嶋本運輪の普通トラック=浅田広行運転手(43)=が追突した。市バスは最後部のガラスが割れ、追突の衝撃で17b前方に押し出された。バス前部で立っていた左京区南禅寺北ノ坊町、留学生陳荊さん(28)ら乗客2人が転倒、玉生還転手と座席の乗客8人も、シートなどで顔を打つなどして計11人が軽傷を負った。トラックは前部を大破した。
 川端署の調べに対し、浅田運転手は「2車線の中央寄り車線を走行中、ゼブラゾーンに入ってきた対向車に驚き、左ハンドルを切ったところ、停車中のバスに追突した」と話している。
 追突したトラックは、長浜市内から河内長野市内へ積み荷を運ぶ途中で、浅田運転手が自宅で着替えをするため現場近くの自宅に立ち寄る途中だった。市バスには乗客10人が乗車、同バス停で客を乗降させようとしていたところだった。
 左側後部に座っていた京都市左京区田中西浦町、京大大学院生李福陽さん(36)は「突然、衝撃を受け、ガラスの破片が飛び散った。立っていた友人2人は転倒しけがをした。私も首を打った」と話していた。
 左京区田中大久保町、会社員林美津子さん(35)は「バスが停留所に止まった瞬間、目の前がはじけたようになった」と衝撃のすごさを語った。(京都新聞)
■山陰線が一時不通 花園−立木間 信号、一斉に赤表示
 3日午前11時ごろ、JR西日本福知山支社指令室のCTC(列車集中制御装置)の異常ランプが点灯、JR山陰線の花園(京都市右京区)−立木(船井郡和知町)間の信号が一斉に赤を表示した。このため、京都発城崎行き下り特急「あさしお3号」が安栖里駅で、同発網野・敦賀行き急行「丹後1号」が二条駅で臨時停車。上下線の各列車もそれぞれ停車した。
 同線は一時、全面不通となったが、午後零時18分、信号を手動扱いにして仮復旧。同零時44分に全面復旧した。この事故で上下19本の列車が一時ストップ、乗客2000人に影響した。
 JR福知山支社の調べでは、下請け業者が草刈り中、誤って信号ケーブルを切断したためらしい。(京都新聞 夕刊)
■トラックがバスに追突 11人けが
 2日午後10時すぎ、京都市左京区聖護院山王町の市道で、停留所で停車した市バス=玉生好一運転手(41)=に、同市南区吉祥院嶋出在家町、嶋本運輸のトラック=浅田広行運転手(43)=が追突した。京都市消防局によると、玉生運転手とバスの乗客10人全員がけがをした。
 市交通局によると、同バスはJR京都駅前から北大路バスターミナルに向かう途中だった。
 現場は平安神宮のすぐ北西。南北の東大路通と東西の丸太町通の交差点北側。(朝日新聞)
■山陽新幹線乱れる
 3日午前6時すぎ、広島−東広島間を走行中の山陽新幹線ひかり72号で、運転台の車内信号が停止信号を表示し、非常ブレーキがかかり停止した。このため新幹線東京指令所に連絡、30`の徐行運転、東広島駅を28分遅れで発車した。後続のひかり70号、こだま376号でも、同様の現象が起こったが、午前6時49分に回復した。(京都新聞 夕刊)
■バスを鋼材直撃 宇治・トラックに追突
 3日午前8時45分ごろ、宇治市宇治宇文字の市道で、枚方市楠葉並木、京阪宇治交通のバス=徳田孝志運転手(33)=が、信号待ちで止まっていた門真市下島頭、新開海陸運輸の大型トラック=中川昭運転手(49)=に追突。トラック荷台からはみ出していた鋼材がバス運転席側のフロントガラスを突き破ったが、乗客約20人にけがはなかった。
 宇治署の調べに対し、徳田運転手は、考えごとをしていて、気がついたら前にトラックがあった、と話している、という。鋼材は約3bも荷台からはみ出していたが、警察へ届け出ていなかった。(京都新聞 夕刊)
■作業車の運転手ら書類送検 山電事故
 今年6月、神戸市垂水区の民家で造園工事中の土木作業車が山陽電鉄の線路上に転落し、通りかかった普通電車が衝突、脱線した事故で、兵庫県警捜査一課と垂水署は3日、作業車の運転手ら3人を過失往来危険などの疑いで神戸地検に書類送検した。
 送検されたのは、作業車を運転していた土木造園業「晃陽」=神戸市西区伊川谷町有瀬=の村上紀夫運転手(44)と、同社の安光末男・代表取締役(49)、同社に工事を発注した「竹田建設」=大阪府吹田市片山町一丁目=の内海敏夫・工事課長(45)。
 調べでは、村上運転手は6月1日午前11時五分ごろ、神戸市垂水区塩屋町二丁目の民家造園工事で、酒を飲んで作業車を運転。がけに面しているなど危険な現場なのに注意を怠り、約8b下の同電鉄線路上に転落した。作業車は2分後に通りかかった姫路発高速神戸行き普通電車(4両編成、乗客約100人)と衝突、電車を脱線させた疑い。安光代表取締役は現場責任者、内海課長は工事の総責任者で、作業の安全などに対する注意を怠った疑い。
 この事故では、村上運転手が頭などに1ヵ月のけがをしたが乗客にけがはなかった。(朝日新聞 夕刊)
■朝の山陽線で 停電、一部不通 ダンプ、架線引っかけ
 3日午前8時ごろ、岡山市古都宿のJR山陽線九の坪踏切(警報機、遮断機付き)で、同市中畦、ディヴエロップ岡山の大型ダンプカー=池島秀光運転手(34)=が荷台を上げたまま踏切に進入して上り線の架線を引っかけた。コンクリート製の架線柱2本が傾き、うち1本は線路上部をふさいだ。けが人はなかったが、ダンプカーが踏切内で立ち往生、万富−東岡山間の上下線が停電し、不通となった。
 JR西日本岡山支社は、午前8時40分から両駅間をバスで代行運転。下り線は約2時間40分後に運転を再開、上り線は同日午後1時ごろまでに復旧の見込みだが、午前11時現在、18本が運休した。朝のラッシュ時とも重なり、1万2000人の乗客の足に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
■信号回路に異常 新幹線が乱れる
 3日午前6時3分ごろ、広島市のJR山陽新幹線広島駅東約3`で、広島発車京行き「ひかり72号」の非常ブレーキが自動的にかかって止まった。新幹線東京指令所の指示で徐行運転したが、約50分後に自然復旧した。この影響で、上りのひかりとこだま4本が最高28分遅れ、乗客1500人が影響を受けた。
 JR西日本の調べでは、自動列車制御装置(ATC)を作動させるレールの電気信号回路に異常があったらしい。(朝日新聞 夕刊)
4日■CTCケーブル 草刈り機で切断 特急など19本遅れ 山陰線
 3日午前11時ごろ、JR山陰線花園−立木間約58`の信号やポイント切り替えを制御するCTC(列車集中制御装置)が故障、この区間を走っていた特急「あさしお3号」など11列車を最寄りの駅に停車させた。JR西日本は各駅で手動信号に切り替え、約1時間40分後に運転再開したが、この影響で、山陰線京都−綾部間が一時不通になるなど、計19本が最高2時間遅れ、約2000人の足が乱れた。
 JR西日本の調べでは、山陰線立木駅近くで線路わきの草を刈っていた下請け作業員が誤って草刈り機でCTC用のケーブルを切断したらしい。(朝日新聞)
■JR駅改築公聴会 22日に日程を変更 コープ・イン・京都
 JR京都駅の改築をめぐって市民団体が計画していた市民公聴会は、出席者の都合で日程を2日延期し、会場も変更になった。変更後の日程は、22日午後1時半から、中京区柳馬場蛸薬師上ル、コープ・イン・京都で。(朝日新聞)
■盛岡−青森の起工式 東北新幹線 工期10年で着手
 8月下旬に着工が認可された整備新幹線3線のトップを切って東北新幹線盛岡−青森間(193.4`)の起工式が4日午前、青森県三戸郡名川町の中央公民館前で行われた。
 式には、村岡運輸相、岡田宏日本鉄道建設公団総裁、住田正二JR東日本社長ら約百人が出席し、岡田総裁が「新幹線は国土の均衡ある発展と、東北地方の経済や文化などの発展に大きな役割を果たす」とあいさつ。この後会場に作られた盛り土に、北村正哉青森県知事と工藤巌岩手県知事らがかま入れ、村岡運輸相らがくわ入れをした。
 昭和47年に基本計画を決定以来、19年ぶりに全線の完成に向け本格工事に着手。工期は10年の予定で、完成すれば東京−青森間は現在より49分短縮、4時間2分で結ばれる。
 盛岡−青森間は、建設費を抑えるため在来の東北線のレールの外側に新幹線規格のレールを1本加えた3線軌道にするミニ新幹線方式を基本として、カーブが多い岩手県・沼宮内−青森県・八戸間(65.5`)はフル規格のレールを新設、建設費は全体で3873億円となる。
 本年度は、測量や基本設計が中心だが、陸上トンネルとしては世界最長となる岩手トンネル(25.8`)の掘削工事にも入る。(京都新聞 夕刊)
■東北新幹線の盛岡以北着工 開業は約10年後
 東北新幹線の盛岡−青森間が4日、着工した。1973年の整備計画決定から18年。盛岡までで止まっていた東北新幹線が、本州最北の青森乗り入れへ向け、ようやく一歩を踏み出した。
 盛岡−青森問(約193`)のうち、青森県八戸−岩手県沼宮内(ぬまくない)間約65.6`だけに広軌新線が引かれ、残りは在来線を広軌化し、ミニ新幹線が走る。工期は約10年。総事業費は3873億円。完成すれば、青森−東京間は約50分短縮され、4時間余りで結ばれる。(朝日新聞 夕刊)
5日■米原−長浜で 試運転を開始 琵琶湖線乗り入れ
 JR琵琶湖線の長浜乗り入れに備え、4日から米原−長浜間で試運転が始まった。
 北陸線の坂田−田村駅間にあった交流・直流のデッドセクションを長浜−虎姫駅間に移すなど北陸線の直流化北進工事が終わったため、乗務員の運行練習と機能チェックを主な目的に、開業(14日)前々日の12日までの予定で試運転を行う。
 初日は8時40分から22時32分までの間に4−6両編成の221系電車を上下合わせて40本走らせた。試運転は本番のダイヤに準じて行われ、長浜駅の発着ホーム(3番)に入った電車は折り返し米原へ向かった。田村、坂田駅にも停車したが、長浜−米原間(7.7`)を約10分とダイヤ通りに快走した。
 14日からは、琵琶湖線の新快速・快速電車のうち3分の1強に当たる上下51本が長浜に乗り入れ、長浜−京阪神が直通電車で結ばれる。(京都新聞)
■新型車両で乗客誘致 関西の私鉄・JR 値上げ控え工夫の私鉄 迎え撃つJR側 出入り口に電光案内板/個室タイプの電話室も/運転席通し180度展望/ボタンで動く窓ガラス/座席に1人ずつくぼみ
 関西の各鉄道会社が新型車両を相次いで登場させている。レジャー用だけでなく、毎日の通勤用でも快適さ、便利さを競い、乗客誘致に懸命だ。特に大手私鉄5社は、今秋にも4年半ぶりの値上げを予定、窓を大きくしたりシートの柄にまで工夫を凝らしたりしている。JR西日本も負けずに冷房化や高速化に力を入れ、迎え撃つ姿勢だ。各社の自慢の最新車両を調べてみた。
《JRの207系》
 「関西の乗客分布を塗り替えた」と鉄道各社が認めるのは、JR西日本が独自に開発した「新快速」(221系)。一昨年春にデビューし、次第に車両数も増え現在438両。今夏は北陸、南紀への臨時レジャー列車にも使われるほど。この人気列車を継ぐ次の”スター”としてJRが力を入れたのが「207系」だ。
 売り文句は「ウェルネス(快適)という名の通勤物語」。京橋−尼崎間をほぼ地下で結ぶ片福連絡線が95年春開業に向け工事中だが、それに乗り入れるための新型車両で、早くも学研都市を走る
関西鉄道各社の主な最新車両
 名 称列車数導入時期運転区間
J   R207系91年4月片町−松井山手
京   阪8000系89年10月淀屋橋−出町柳
近   鉄さくらライナー90年3月阿部野橋−吉野
阪   急8000系89年1月神戸・宝塚・京都各線
阪   神新8000系89年4月梅田−須磨浦公園
南   海2000系90年5月難波−極楽橋
神 戸 電 鉄2000系91年10月予定三田−フラワータウン
嵯峨野観光鉄道嵯峨野号91年4月嵯峨−亀岡
片町線に4月30日から運行している。1列車7両が片町−松井山手(京都府田辺町)などを往復しているだけだが、秋以降増やして行く予定だ。急傾斜でも走れる強い馬力と、地下走行のため非常脱出口がJR電車には珍しく前面にあるのが特色。
 このほか▽車体幅が従来の通勤電車より15a広い▽床を3a低くしホームとの段差を無くした▽出入り口の上に新幹線並みの電光表示による案内板を設置▽寒冷期に出入り口を乗客が押しボタンで開閉できる装置を付けた−など、利用客向けに改良している。運転士にとっても、各車両の乗車率、室内温度、空調や案内表示などの動作が異常ないかどうかが画面で一目で分かる情報表示装置が付いた。
《京阪の8000系》
 「特急料金不要の車両の中では最高水準」と自画自賛するのが京阪の8000系。一昨年秋、京都の三条−出町柳間が開通したのに合わせて導入。この7月にも新たに1列車増やしており、現在6列車が淀屋橋−出町柳間の特急として走っている。2年後には全特急車両をこの型に統一する予定。
 大型テレビを備えて、大阪と京都の地下線路区間でも受信できるのが自慢だ。ほかに▽個室タイプの電話室▽車両間の渡り戸が自動ドア▽大型連続窓と横開きカーテン、などが特色。
《近鉄のさくらライナー》
 阿部野橋−吉野間を走る特急として昨春登場し、今春から2列車に増強した。観光客も多いが、今や通勤にも欠かせない車両だ。客室から運転席を通して見える前方展望を180度と大きく取ったのが自慢。座席問は105aとゆったりしている。窓枠横にアンテナ線を張るなど、ラジオ電波の再送信装置を備え、車内で近鉄の野球中継も聞いてもらうサービスも初めてだ。
《阪急の8000系》
 阪急神戸、宝塚、京都各線に計9列車が走る。運転席の表示はデジタル。大手私鉄5社の最新車両の中では最も古いが、去年2月にこのうち2列車に対面4人掛けのセミクロス座席を導入、ゆったり座ってもらえるよう改良に必死。細かいことだが、他社にないのは、窓ガラスが押しボタンで動くパワーウインドーだ。
《阪神の新8000系》
 この4月から新登場の阪神の新8000系。窓を10a高く4a幅広くした。また、乗用車の座席のように1人分ずつくぼみのあるバケットシートにした。対面式の4人がけでは前例があるが、ロングシートでは初めて。バケットシートは、1人分の座席の大きさが明確になる分割型で、本来8人座れるのに6、7人がかさばって席を占めるのを少しでも減らそうという窮余の一策だ。
《南海の2000系》
 南海高野線に昨年登場の2000系も、シートに工夫。阪神のようにくぼみはないが、背もたれに1人分ずつ模様で仕切りが分かるようにしたほか、16人用のロングシートを8人ずつ半分に仕切る仕切り板を設けた。座っている人と立っている人の足の区分が分かるようにと、床も色分けをしている。
・大人気のトロッコ列車 神戸電鉄には車いすスペース
《地方の鉄道》
 神戸電鉄は今秋、三田市のフラワータウンに乗り入れる公園都市線に2000形を走らせる予定だ。ニュータウンにふさわしいスマートなデザインで、3両編成だが、ドアの開閉や自動放送設備などを運転席に備え、ワンマン運転ができるようにしている。車いすスペースが2ヵ所にあり、福祉面にも配慮した。
 JR西日本の100%子会社、嵯峨野観光鉄道が4月27日に開業したトロッコ列車は予想以上の大人気で、休日は予約なしでは乗れないほど。新型車両というより、貨物車の台車の上に緋(ひ)色と山吹色の鮮やかなボディーを載せた改造車。車内は木製の床と座席で自然の中を走る列車に合わせている。
《関東の鉄道》
 関東では深刻な混雑対策が新型車両の最優先課題だ。京王電鉄は従来、1両4ドアを5ドアに増やした「多扉車」を、小田急は従来の幅130aを200aに広げた「幅広扉車」を、それぞれ4月に導入した。少しでも駅の乗降時間を減らそうという狙いだ。またJR東日本は去年、混雑緩和のため東京の山手線でいすなし車両を導入、乗客アンケートでもかなり好評という。小田急も、混雑時にはシートが折りたためる車両を製造したが、乗客の了解が得られるまで運用を見合わせている。(朝日新聞)
■私鉄値上げ反対相次ぐ 消費者団体110番
 関西の私鉄大手5社が今秋予定している平均16.8%の値上げに対して、市民の生の声を聞くため関西消費者団体連絡懇談会(下垣内博・世話人代表)が、臨時に開設した「私鉄運賃値上げ110番」の結果を5日まとめたところ、2日から4日までの3日間で近畿5府県から計74件の意見が寄せられ、反対意見が8割を占めた。同懇談会は9、10両日大阪市内で開かれる運輸審議会の公聴会で発表する予定。
 内訳は、反対59件、賛成1件、その他(バス、中小私鉄、JRへの苦情など)14件。会社別では、南海、近鉄、阪急、京阪、阪神の順で苦情が多かった。
 公聴会は、大阪市中央区の大阪合同庁舎3号館で開かれ、賛成、反対各15人の公述人が意見を述べる。同懇談会のメンバー数人が反対の公述人に選ばれている。(朝日新聞 夕刊)
6日■山陽新幹線が一時不通に 保線点検中トラブル
 6日午前2時50分ごろ、岡山県浅口郡鴨方町の山陽新幹線上り線で、保守用車(5両編成)が線路点検中、車軸が発熱してストップ、上り線の福山−新倉敷間が始発から不通になり、下り線も時速70`の減速走行となった。
 福山保守基地のディーゼル車が保守用車をけん引し同基地へ収容、同8時26分に運転を再開した。
 このため上り線8本が運休、下り線2本も運休。
 京都駅では、広島発東京行きの「ひかり72号」が1時間36分遅れて午前10時24分に到着したのをはじめ、広島以西始発の他の上り列車も午前中軒並み10−40分遅れた。下り列車に影響はなかった。昼ごろにはダイヤが平常に戻ったため特に混乱はなかった。(京都新聞 夕刊)
■精神薄弱者にも運賃割引を適用 運輸省 JR・私鉄など 12月1日からスタート 京ではタクシーも
 運輸省は6日、精神薄弱者に対しても身体障害者や重度内臓疾患の人と同じように鉄道や航空など各交通機関の運賃割引制度を適用することを決めた。
 JRや私鉄、各航空会社などは来週中にも割引運賃を申請、運輸省は今年12月1日から全国一斉に実施する予定。タクシーの場合、札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸の8都市でスタート、他の地域は今後の運貨改定の際などに導入する。
 運輸省によると、割引対象となるのは運賃だけで、重度の精薄者が介護者と一緒に交通機関を利用する場合、本人と介護者1人についてJRや私鉄、旅客船、バスが各半額、飛行機は25%、タクシーは10%割り引かれる。
 単独で精薄者がJR、私鉄、旅客船を101`以上利用する際は、運賃が半額となる。
 精薄者は全国で約37万人。知恵遅れの子供を持つ親たちで組織する障害者団体はこれまで国会などに割引制度の適用を働き掛けてきたが、旧国鉄が膨大な赤字を抱えていたため見送られてきた。
 身障者の割引制度は昭和25年にスタートしているだけに、全日本精神薄弱者育成会の皆川正治理事長は「やっと実現することができた。知恵遅れの子供をもつ親は本当に喜んでいると思う」と話している。(京都新聞 夕刊)
■精神薄弱者にも運賃割引 鉄道・船・バス半額 航空機25% 12月実施 手帳持つ37万人対象 タクシーは10% 京阪神などまず8市で
 運輪省は6日、精神薄弱者を対象にしたJR、私鉄、航空、タクシーなどの運賃割引制度を、今年12月1日から実施することを決めた。身体障害者に対する同種の割引は以前から実施されているが、精薄者に対しては、旧国鉄の財政悪化などを理由にこれまで適用が見送られていた。
 割引の対象になるのは、都道府県発行の精神薄弱者療育手帳を持つ全国の約37万人。割引率などは身障者割引と同じで、JR、私鉄と旅客船は本人の単独利用の場合、101`以上の距離制限つきで半額、バスは距離制限なしで半額となる。JRは、普通乗車運賃だけが対象となる。
 航空機は25%、タクシーは10%の割引。しかし、タクシーは中小業者が多いなどの理由で、12月1日からの実施は東京、札幌、仙台、横浜、名古屋、神戸、京都、大阪の8都市に限られ、その他の地域については順次導入する。
 また、肢体不自由を併せ持つなど、常時介護が必要な重度の精薄者約18万人については、同乗する介護者にも本人と同じ割引率が適用される。
 これらの割引によって生じる減収は全額事業者の負担となり、国や地方自治体からの補助はない。割引の導入は、運輸省が各事業者に協力を依頼。業者から申請を提出してもらい、それを同省が認可する形で行われる。
 身体障害者に対する割引は1950年から実施されており、昨年2月からは心臓、腎臓など内部障害者にも適用されている。このため、精薄者の関係団体は昨年以来11回の陳情を運輪省に繰り返し、今年3月、村岡運輸相が早期の導入を約束していた。
・外出のきっかけに
 今年3月に250万人の署名を添えて適用を陳情した全日本精神薄弱者育成会の緒方直助常務理事の話 長年の運動が実って本当にうれしい。世界的に障害者の「完全参加と平等」がうたわれながら、そうした制度に恵まれていなかった精神薄弱者が、どんどん外部へ出て行けるきっかけになると思う。(朝日新聞 夕刊)
■新幹線、始発から乱れ 保守用車が立ち往生 10本運休
 6日午前2時50分ごろ、岡山県浅口郡鴨方町の山陽新幹線福山−新倉敷間の上り線で、保守用車(5両編成)が故障し動けなくなった。福山新幹線保守基地から救援のモーター車が出て引っ張り、福山駅に約5時間半後に収容した。このため東海道・山陽新幹線は福山−新倉敷間で上りが午前6時の始発から午前8時26分まで不通となり、下りも徐行運転。博多発新大阪行き「ひかり132号」など上下10本が運休、広島発車京行き「ひかり70号」など上下14本が最高1時間50分遅れ、約1万7000人が影響を受けた。JR西日本は広島−岡山間の在来線に臨時快速電車2本を運転し、不通区間の乗客を運んだ。
 JR西日本の調べでは、故障した保守用車は福山基地所属で、定期検査直後の試運転のため同日午前零時から福山−新倉敷間を2往復する途中だった。職員4人が乗務していたが、前から2両目の車紬から突然煙が噴き出し動かなくなったという。現場から福山駅までは22`だが、けん引のモーター車は時速5`しか出ず、収容に時間がかかった。(朝日新聞 夕刊)
7日■スコープ 大阪モノレール 渋滞なく”空中散歩”
 大阪都市圏の鉄道網は、大阪市を中心に周辺都市へ東西南北に伸びた一点集中型だ。都心部と郊外、隣接府県をつなぐには便利な半面、郊外都市間の往来ではいったん都心を経由する「三角交通」を強いられる。この欠点を補うため、放射状の鉄道路線を環状に横断しながら結ぶのが大阪モノレール計画だ。
 昨年6月には、府北部で北大阪急行の千里中央駅、阪急千里線の山田駅、JR京都線の茨木駅、阪急京都線の南茨木駅と4路線に接続する延長6.7`間が部分開業。広い窓に2両ずつくり抜き型のゆったりした4両編成、府道大阪中央環状線沿いに地上7−19bの専用軌道で渋滞もなく”空中散歩”を楽しめるとあって、平日1万4000人の乗客は休日に買い物、観光客らで2万人近くにはね上がる。
 事業主体は、駅舎や軌道の構造物をつくる大阪府と運行を担当する第三セクターの大阪高速鉄道会社。平成5年度に大阪国際空港までの1期工事分計13.4`の全通で乗客数は1日8万人、10年度に京阪電鉄の門真駅まで8`の2期工事完工で同15万人を見込んでいる。(京都新聞)
■京都駅改築の公聴会 三輪氏出席が決まる 「コープ・イン・京都」
 22日午後1時半から、中京区柳馬場蛸薬師上ルの「コープ・イン・京都」でJR京都駅改築問題をめぐる市民公聴会を開く。同公聴会運営委員会は6日、同駅の改築設計案国際コンペでプロフェッショナル・アドバイザーを務めた三輪泰司さんの出席が決まった、と発表した。
 公聴会には意見発表者として、大学講師、学生、障害者団体代表など4人の市民から申し込みがあるという。意見発表者は13日まで受け付け。申し込みは、〒603北区小山南上総町七二の二、井上吉郎さん気付「JR京都駅改築等市民公聴会運営委員会」(231・6104、ファクス251・1555)へ。(朝日新聞)
■左京区岩倉の叡電 踏切”通せんぼ” 廃止され町内大揺れ 生活権を脅かす/付近の住民 手続きは踏んだ/電鉄・自治会
 京都市左京区岩倉の叡山電鉄線を横切る踏切の廃止をめぐって、地元の町内を二分する騒ぎが起きている。踏切が閉鎖された5月以来、沿線北側の住民は南への出口を完全に通せんぼされた形。軌道沿いには延々とフェンスが張られ、通勤、通学や自分の畑に出るのも不可能になった。閉鎖に同意した自治会と叡山電鉄は「民主的手続きを踏んだ」と主張しているが、事前に知らされなかった住民は「全く一方的。訴訟も辞さない」とカンカンだ。
 問題の踏切は、岩倉駅と木野駅の間にあった岩倉第三踏切。警報機、遮断機のない小さな踏切だが、戦前からの農道が通り、付近住民は通勤通学や買い物などに使っていた。
 叡山電鉄では昨年5月、別の踏切で起きた死亡事故をきっかけに踏切の統廃合に乗り出し、この踏切の廃止を計画。沿線の木野町自治会(140世帯)へ打診した。同自治会は総会を開き、事故の起きた踏切に遮断機などを取りつけることを条件に閉鎖を認め、同踏切は今年5月中旬に閉鎖された。現在ではガードレールなどで囲われ、全く通れず、沿線には約600bにわたりフェンスも張られた。
 ところが総会に参加しなかった、同自治会の藤本守さん(41)ら、地元住民約120人が、「生活権を脅かすものだ」として強硬に反対。6月28日、京都市議会に踏切の再開を求める請願を提出した。
 請願を受けた市議会建設委員会はさきごろ「市の管轄外」として留保した。踏切設置の許認可権を持つ運輸省が一度決定した措置を覆す可能性もなく、踏切の再開は全く見込みがない状況になっている。
 叡山電鉄では「自治会との合意に立って決定したのだから問題はない」と言い、藤木司同町自治会長(69)も「総会では格別の反対意見は出なかった」と手続きを経たことを強調。しかし藤本さんは「総会で閉鎖の話題があるとは聞いてなかった。市も区画整理事業の中で踏切廃止を追認した形で責任がある。訴訟も考えている」と、全面的に争う構えだ。(京都新聞 夕刊)
■会社などに略式命令 JR福知山線踏切事故
 福知山市のJR福知山線踏切で6月25日、電車と大型トラックが衝突、341人がけがをした事故で、福知山簡裁は7日までに、トラック運転手の雇用主で道路法違反(車両制限令違反)などの罪で略式起訴された建設業「米田組」(同市城、鄭洋一社長)に罰金30万円、同社の現場監督(28)に同15万円、安全運転管理者(36)に同5万円の略式命令を出した。(京都新聞 夕刊)
8日■信楽事故原因早期解明を 被害者の会が要望書
 信楽高原鉄道事故で6人の犠牲者と17人の負傷者を出した京都府相楽郡木津町の協同組合ハイタッチリサーチパークの「信楽列車事故被害者の会」が7日、滋賀県警を訪れ、事故原因の早期究明と厳正な刑事責任の追及を内容とする佐々木俊雄本部長あての要望書を提出した。
 県警を訪れたのは、京都市右京区、会社役員臼井和男さん(52)ら遺族をはじめ、事故で負傷した社員、弁護士ら19人。同本部の宇田真治・監察官室次席に要望書を手渡したあと、捜査の進展状況などについて質問、事故原因の早期解明を訴えた。
 同会代表の菱田健次弁護士は「遺族の心情は十分わかってもらえたと思う。今後も必要があれば、県や信楽町、運輸省などにも同様の要望をしていきたい」と話している。(京都新聞)
■回送京阪の1両脱線 けが人なし 上下19本振り替え輸送 深夜の深草駅付近
 17日午後11時5分ごろ、京都市伏見区深草ススハキ町、京阪電鉄深草駅北側で、深草発三条行き回送電車=石丸紳運転士(27)・7両編成=の6両目が脱線、停車した。けが人はなかった。
 伏見署などで原因を調べている。乗務員の話では「ポイントに進入したあと、急に後ろの方でガタガタと振動し始めた。途中でポイントが切り換わったのではないか」という。
 この事故で上下線とも不通となり、走行中の上下計12本が最寄りの駅で臨時停車、終電車までの7本が運転を取りやめた。京阪電鉄ではバス、タクシーなどで樺葉駅まで乗客の振り替え輸送をした。
 深草駅では上下各1本が臨時停車、多くの乗客はタクシーに乗り換えたが、あふれた約50人がタクシーの手配を求めて駅員に詰め寄った。
 また伏見稲荷駅近くの踏切では臨時停車のため遮断機が一時下りっ放しとなり、住民らから苦情が寄せられた。(京都新聞)
■走れニュートレイン〈22〉特急「南風」 JR四国 四国の振り子列車
 日本の鉄道は深い山と複雑な海岸線が多いため、カーブがきつく、列車はスピードタウンを余儀なくされる。そこでカーブ区間でも遠心力を台車と車体の間の「ころ」で和らげてスピードを落とさずに通過でき、所要時間を短縮するために開発された車両が振り子式車両である。
 振り子式車両は中央線のL特急「しなの」に初めて採用され、その後中国山地を走る伯備線の「やくも」、紀伊水道の海岸線を走る紀勢線の「くろしお」などに使用されてきた。これらはすべて381系といわれる振り子電車だったが、平成2年秋から四国に登場した振り子特急は日本初のディーゼル特急による振り子車両である。
 この車両は2000系気動車といわれるJR四国自慢の高速車両だ。
 現在は四国内のL特急「南風」「しおかぜ」に使われて岡山から新幹線接続により、瀬戸大橋を経由して四国の各都市を結んでいる。
 2000系特急は前後部のデザインがJR東海の「ひだ」も同様異なっている。片方は流線形のワイドな窓、片方は3枚窓の連結できる扉の付いたスタイルだ。できればワイドな窓の方が風景も楽しめる。
 「南風」は瀬戸大橋を通り、四国山地にさしかかると振り子の性能をフルに発揮する。急カーブでは遠心力を吸収するため必要以上に車体を傾けて高速で通過する。車体がフワフワと飛行機の旋回のように揺れるため、乗り物に弱い人は気分を悪くすることもある。自信のない人は酔い止め薬を用意した方が良いかもしれない。
 名勝、大歩危小歩危もアッという間の通過が惜しい気がする。(鉄道写真家・南 正時)
 〈メモ〉岡山−高知約2時間30分。5440円。振り子式車両以外の「南風」「しおかぜ」もある。(京都新聞)
9日■2社に集団交渉を要請へ 信楽事故「遺族の会」
 信楽高原鉄道列車事故で亡くなった42人のうち21人の犠牲者でつくる「遺族の会」(宮内康浩事務局長)は8日、大阪市内のホテルで第2回総会を開き、事故原因の真相解明のためJR西日本と信楽高原鉄道両社に対し、10月10日に集団交渉を持つよう要請することを決めた。また、運輸省に信号システムの許認可や事故調査の資料の公開を求めることを確認した。
 総会では先月下旬に行われた現地調査結果が、弁護団(秋田真志事務局長、10人)から報告された後、取り組み方法を協議。JR、同高原鉄道と直接交渉するとともに国の責任の有無を明らかにするため運輸省に資料公開を要請することにした。(京都新聞)
■阪急電車に飛び込む 桂駅、男性即死
 8日午後零時28分ごろ、京都市西京区川島北裏町の阪急電鉄桂駅で、ホームにいた男性が通過中の梅田行き特急電車に飛び込み、即死した。
 桂署の調べでは、男性は突然、電車めがけて走り出し、気がついた駅員の制止を振り切って飛び込んだといい、自殺とみて身元の確認を急いでいる。男性は身長160a、60歳前後で、グレーの半そでシャツ、ベージュの作業ズボン姿だった。(京都新聞)
■京阪電車脱線 車両を調査へ
 京都市伏見区の京阪電鉄本線深草駅近くで7日深夜、回送電車が脱線し不通になっていた同線は、8日午前4時ごろまでに脱線電車を除去し、上下線とも復旧。同日は始発からダイヤ通り運行した。
 伏見署は、9日朝から事故車両について詳しく調べるとともに、同電鉄関係者から事情を聴く。(京都新聞)
■鉄道2社に交渉求める 信楽事故で遺族の会
 死者42人を出した滋賀県甲賀郡信楽町の列車衝突事故の遺族がつくる「JR西日本・信楽高原鉄道列車衝突事故犠牲者遺族の会」は8日、第2回総会を大阪市北区のホテルで開き、鉄道2社に対して10月10日に集団交渉に応じるよう申し入れることを決めた。さらに、10人の弁護士から成る弁護団を発足させ、必要ならば、同会として訴訟を起こすことも検討する。
 総会には24人の犠牲者の遺族43人が参加、冒頭、弁護団から8月25日に行った現地調査の報告があった。事故原因について、JR側が必要な安全確認をせず、異常時のマニュアルも作らなかったことなどが積み重なったため、としている。(朝日新聞)
■新京都駅ビル 出展を正式表明 通産局に計画書提出 6年秋に開店予定
 京都駅ビル開発とジェイアール西日本伊勢丹は9日、JR京都駅(京都市下京区)改築計画の中で新設を予定している商業施設の出店計画概要説明書を近畿通産局に提出、出店を表明した。核店舗となる百貨店は店舗面積4万5000平方bで、専門店を合わせた店舗面積は計5万平方b。先に増床表明した高島屋京都店と大丸京都店に次ぐ大きな規模で、京都の百貨店競争がいよいよ本格化する。
 届け出た計画概要によると、京都駅ビルの地下3階−地上12階に入る商業施設は延べ10万3800平方b。店舗面積はジェイアール西日本伊勢丹の百貨店である核店舗が4万5000平方b、専門店が5000平方bの計5万平方bとなる。
 閉店時間、年間休業日数は核店舗で午後7時、年44日とし、平成6年秋の開店を予定。百貨店の売上高は初年度410億円を見込んでいる。
 京都駅ビル開発とジェイアール西日本伊勢丹は大規模小売店舗法(大店法)に基づき出店表明後、最長6ヵ月の地元への事前説明を経て、府へ三条申請(建物設置者による申請)を行うことになる。来年に大店法の改正が予定されていることから、新法のもとで経過措置の適用を受けることになりそうだ。
 昨年の大店法緩和以来、京都市内ではキタオオジタウン(ニチイビプレ)、京都ショッピングセンター(近鉄百貨店)、イズミヤ六地蔵店、大丸京都店、高島屋京都店などの大型店の新規出店や増床計画が相次ぎ、百貨店競争が白熱化する様相となっている。
 一方、京都駅ビル開発は京都駅ビル内のホテルに開設する専門店2900平方bについても同日午後、京都府へ出店表明する。(京都新聞 夕刊)
■京都のイメージで レトロ調バスの愛称を募ります 市交通局
 京都市交通局は、近く導入するレトロ調バスの愛称を募集している。
 レトロ調バスは11月下旬から順次、計3台を導入。市電をイメージしたスタイルで、東山方面などの観光地を結ぶコースに一般乗り合いバスとして使用する。
 名称は京都をイメージする親しみやすいもの。官製はがき1枚に愛称一つと住所、氏名、年齢、性別、電話番号を記入し今月25日までに〒604 京都市中京区壬生坊城町、京都市交通局レトロ調バス愛称募集係へ。入選1人5万円、残念賞10人程度1万円相当の品、参加賞20人に市バス1000円回数券1冊。(京都新聞 夕刊)
■強風で湖西線徐行 比良−近江舞子間
 滋賀県滋賀郡志賀町北比良の比良川で9日午前8時15分ごろ、20bの強風を記録したため、JR湖西線は比良−近江舞子間の上下線で30`の徐行運転をしていたが、同10時5分、解除した。
 大阪発金沢行き特急「雷鳥11号」が5分遅れたのを最高に上下特急8本、普通4本の計12本が2分から5分遅れ、3500人の足に影響が出た。
 彦根地方気象台は滋賀県内に強風注意報を出しており、台風15号の影響とみている。(朝日新聞 夕刊)
10日■直流化へ備えは万全 長浜駅で救急・火災訓練
 14日のJR北陸線直流化を控え、試運転走行が続けられている長浜市の長浜駅で9日、長浜消防本部と駅員ら40人による救急・救助・火災訓練が行われた。「市の歴史に1ページを飾る大事業。事故を起こしてはならない」とあって、消防員らはテキパキと行動していた。
 満員の乗客を乗せた221系新快速が駅に入ってくる直前に、ホームで電車待ちしていた老人が心臓発作のため線路に転落。急停車した電車内で多数の負傷者が発生した−との想定で、訓練が始まった。
 駅員からの通報で、消防車、救急車など9台が出動。軽傷を負つた6人を救出するとともに、重傷の3人を次々と担架で搬送。救急車で市内の病院へ。また、踏切上でエンストのため立ち往生したバスに、ディーゼル機関車が衝突した−との想定訓練も実施。炎上したバスの消火活動も行われた。
 約30分後には訓練を終了。直流化本番に備え、万全な体制を確認しあった。(京都新聞)
■京都でもレトロ調バス 11月から運行、愛称募集
 京都市交通局は11月下旬から、東山周辺の観光地をめぐるバス路線に、チンチン電車を模した特別仕様のバス3台を順次導入する。神戸、伊丹両市が去年から、サンフランシスコ名物のケーブルカーや馬車鉄道風のレトロ調バスを走らせて人気をよんでいるだけに、同局は「バスヘの乗客呼び戻しにつながれは」と期待し、3台の愛称を募集している。
 新しいバスは、1895年、日本で初めて堀川通に導入された路面電車をイメージしてデザイン。内装は木目調で雰囲気を出し、天井部分には格子状の明かり窓、後部には装飾用のデッキがある。1台当たりの価格は通常の3倍近い4500万円。
 定員は65人前後。清水寺、三十三間堂、平安神宮など人気の観光地が集中する東山方面で、一般のバスに交じって乗り合い方式で運行する。
 愛称募集は25日まで。問い合わせは、同交通局総務課(075・822・9115)へ。(朝日新聞)
■「世界都市」の中枢に JR大阪駅北側の再開発 調査委の報告まとまる
 JR大阪駅北側の再開発問題で、国土庁、運輸省、建設省、大阪市などでつくる「大阪駅北地区総合整備計画調査委員会」(委員長・井上孝東大名誉教授)は9日、「国内にとどまらず世界の人々が利用する世界都市の中枢を目指す」との報告をまとめた。この問題では、大阪市の諮問機関「大阪駅ターミナル問題懇談会」が2年前、中間答申を出しており、今回の国の報告もその答申とほぼ重なった内容。大阪市は事業化に向け調整に入る。
 同地区は、旧国鉄の債務償還のため売却が決まっている梅田貨物駅用地(約22f)と旧大阪鉄道管理局用地(約2f)を含み、大規模な土地利用転換が見込まれている。
 報告書では基本的な考え方として、大阪を東京と同じような世界都市と位置づけ、同地区に金融、貿易、文化、芸術などの世界都市機能を導入する、としている。就業人口は4−6万人の増加を想定、東京の新宿副都心並みのビル群が出現するという。都市中枢、複合機能、居住のゾーンに分けて整備する。
 道路網は、南北方向は四つ橋筋北伸道路、筑前橋筋北伸道路を新設、東西方向は東西中央道路などを拡張・整備する。また、新大阪と大阪を結ぶ自動車専用道路並みの道路もつくる。
 鉄道網は、なにわ筋沿いに走る「なにわ筋線」、同線と阪急各線をつなぐ「なにわ筋連絡線」、関西文化学術研究都市など郊外の開発拠点と都心を結ぶ「片福連絡線」を新設。なにわ筋線、なにわ筋連絡線の「北梅田駅」は、JR大阪駅の北側に隣接する位置につくる。(朝日新聞)
11日■新幹線の価格 492億円上乗せ 地価高騰で見直し
 東海道新幹線など既存の新幹線を、今年10月1日にJR各社にいくらで売却するかを検討してきた新幹線鉄道施設評価審議会(会長・新井清光早稲田大教授)は10日、4新幹線の評価価格の見直し額を9兆1767億円とし、昨年12月に決めた評価額より492億円増やすことを決めた。新幹線用地の値上がりが理由だが、このまままとまれば、JR各社の負担が増大することになる。
 4新幹線の評価額は東北新幹線が2兆7794億円(昨年12月の算定より529億円増)、上越が1兆6397億円(同160億円減)、東海道が2兆9588億円(49億円減)、山陽が1兆7987億円(173億円増)。(朝日新聞)
■国労「解雇撤回に全力」
 国労(稲田芳朗委員長、3万4000人)の第56回定期大会が、10日から東京都内で始まった。執行部が提案した向こう1年間の運動方針案は、昨年4月に国鉄清算事業団を解雇された1047人(国労組合員は966人)の解雇撤回・JR復帰を最重要課題として、年内解決に全力を挙げるとしている。大会は11日まで。(朝日新聞)
■全車両に列車無線 KTR安全対策年内運用へ
 北近畿タンゴ鉄道(KTR、社長・荒巻知事)は10日、全車両への列車無線装置の配備を軸とする今年度の安全対策の槻要をまとめた。総事業費は約3億2000万円。計画を進めているおり、信楽高原鉄道事故も起きたため、踏切やなだれ対策なども細かく盛り込んだ、としている。
 列車無線は府の防災行政無線の中継局を借用する方式で、設備投資の節約と利便性の向上を目指している。宮津駅内の指令室から5ヵ所の中継局を経由して走行中の列車と随時連絡を可能にする。運用開始は年内がめど。KTRの営業区域の宮津線と宮福線を走る全車両に無線の端末器が取り付けられるほか、この線に乗入れるJR西日本の列車を交代運転するKTRの運転士は、持ち運び式の無線機を持ち込んで指令室とやりとりする。
 事業費は1億4000万円。中継局5局のうち新設するのは箱石(久美浜町)と下岡(網野駅構内)の2局。他は府防災無線中継局(丹後西山、大江山)と漁業無線局(小田宿野)の設備に列車無線用のアンテナをつける。(朝日新聞)
■瀬戸大橋線の速度復旧OK 香川県が回答
 JR四国(本社・高松市)が、11月21日のダイヤ改正時からJR瀬戸大橋線のディーゼル特急の速度を現在の65`から以前の95`に復旧させたいと岡山、香川両県や地元自自治などに中し入れていた問題で、香川県は11日朝、同社に速度復旧を受け入れると回答した。岡山県側も午後、同様の回答をする予定で、1989年7月から続いていた減速運転は、2年4ヵ月ぶりに解除されることになった。(朝日新聞 夕刊)
■精神薄弱者の運賃 JRと5私鉄 5割引き申請
 精神薄弱者に対する運賃割引制度の新設について、運輸省が6日決めた方針を受け、JR西日本と関西の私鉄大手5社は11日、近畿運輸局に50%割り引く運賃制度を申請した。今後、中小私鉄やバス、タクシー、旅客船、航空機なども申請され、12月1日の実施に間に合わせる予定だ。
 この日申請したのはJR西日本、阪急、阪神、京阪、近鉄、南海。JR西日本管内の近畿、北陸、中国では約8万人がこの新制度で割引を受けられる。精神薄弱者療育手帳を提示すれは、本人単独利用の場合、101`以上の距離制限付きで普通運賃だけが半額に、介護者が付き添う重度の場合には、距離制限なしで本人、介護者とも普通運賃と急行料金とを半額にする内容になっている。(朝日新聞 夕刊)
12日■精薄者の運賃割引 JR6社が申請
 JRグループ旅客6社は11日、運輸省に精神薄弱者に対する運貨割引適用の認可を申請した。これを受けて同省はことし12月1日から実施する予定。
 割引内容は6社とも同じで、第一種精神薄弱者が介護者と一緒にJRを利用する場合、本人と介護者の普通運貨、定期券、回数券、普通急行券の料金がいずれも半額となる。また、第一種精神薄弱者または第二種精神薄弱者が単独で101`以上の距離を利用する時は、普通運貨を半額に割り引く。(京都新聞)
■「遺族の会」県警訪問 信楽高原鉄道事故
 信楽高原鉄道事故の犠牲者のうち21遺族でつくる「遺族の会」の弁護団の代表3人が11日、滋賀県警察本部を訪れ、捜査の進展状況などについて説明を求めた。これに対し、県警側は「捜査中である」と述べるにとどまった。(京都新聞)
■京福とトラック衝突 右京
 11日午後6時50分ごろ、京都市右京区西院上花田町の三条通で、右京区嵯峨野内田町、立命館大生昌角健嗣さん(20)の軽トラックと嵐山発四条大宮行き京福電車=浅田和秀運転士(21)、1両=が衝突した。
 昌角さんと同乗の同区嵯峨野芝野町、専門学校生谷川智美さん(20)の2人が右手、頭などに約1週間のけが。同電車の乗客約30人にけがはなかったが、計2本の電車が最高約15分遅れた。(京都新聞)
■湖北路に”新時代” JR琵琶湖線の長浜乗り入れ
・乗り換えなしで京阪神へ 長浜発着 快速・新快速が51本 琵琶湖環状線化へ前進 近江今津−長浜も直通電車
 琵琵湖の北部を走るJR北陸線米原−長浜間の直流化で、14日から長浜−京阪神が新快速や快速電車で直結される。湖北路にとっては、念願の夢実現とあって、湖北地域の中心である長浜市内には「祝JR新快速乗り入れ」「長浜−京阪神夢のドッキング」などの垂れ幕、横断幕がなびき、地元では”新時代”への喜びにわいている。
 琵琶湖線(直流方式)の電車は、交流方式の北陸線は走れず、交直両用の特急などを除いて米原止まり。米原での乗り換えで不便なうえ、北陸線のダイヤが少なく長浜−京阪神の距離は遠かった。「琵琶湖線の電車が北陸線へ乗り入れ出来るように」と長浜市や長浜商工会議所などが中心に運動を展開した結果、長浜までの直流化が実現した。
 これによって、米原止まりだった快速、新快速のうち3分の1強にあたる上下51本が長浜乗り入れ(長浜発着)となるほか、北陸線の増便もあり、長浜−米原のダイヤは1時間に朝夕3本(従来2本)昼間1−2本(同1本)程度と便利になる。
 乗り換え時間待ちから解放され、長浜−京都間は1時間余、長浜−大阪間でも約1時間半で結ばれる通勤通学圏内。また買い物、観光などにも便利となる。
 米原−長浜間の坂田、田村両駅も快速・新快速の停車で沿線は活気づき、長浜以北も増便、増結や気動車のオール電車化、冷房化などが図られ、湖北路への輸送力は大幅にアップされる。
 北陸線直流化とともに湖北、湖西を中心にした県民の念願は”琵琶湖環状線化”だ。今回、近江塩津駅に北陸線と湖西線を結ぶ「渡り線」が設置され、環状線化への通が開けた。近江塩津駅で不便なダイヤでの乗り換えを余儀なくされていたためで、14日から初めて近江今津(湖西線)−長浜(一部米原)間に直通電車が走る。交流・直流両用型電車による1日2往復のダイヤだが、湖北−湖西は”近くて遠い”存在だっただけに、沿線住民には朗報。今後の増便と長浜−近江塩津−永原間の直流化による琵琶湖環状線化の実現へ夢が大きく膨らむ。
・街づくりに弾み 長浜市長松宮資男
 JRのダイヤ改正で、第一段階として北陸線直流化が、いよいよ14日から現実のものとなりました。長年の念願だっただけに湖北住民あげて喜びたい。琵琶湖線との直通電車運行で、京阪神−長浜間というアーバンネットワークがひらかれ、これからのまちづくりに弾みがつくと思います。
 都市イメージアップや観光客の増加、市民間交流、定住化の促進といった効果を大いに期待します。都市基盤の整備や駅周辺の整備にも拍車をかけて取り組むとともに、今後は、琵琶湖環状線の実現に向けて全力を投入してまいります。
・喜びにわく長浜市 イベント 曳山舞台で子供歌舞伎 14日から10日間 びわ湖・湖北ロマン ルネッサンスフェスティバル
 北陸線の直流化は、長浜市を中心に沿線市町でつくる湖北地方開発振興促進協議会が、昭和56年に当時の国鉄へ初陳情して以来、10年越しの悲願達成。それだけに「湖北活性化の起爆剤になる」として大きな期待を寄せ、官民一体で多穀な記念イベントを催す。
 「びわ湖・湖北路ロマン ルネッサンスフェスティバル」と銘打って14日から23日までの10日間で、曳(ひき)山子供歌舞伎サミット、湖北産業フェスティバル、あきんど村、鉄道フェア、湖北221バザールなど70近い行事が予定されている。
 子供歌舞伎サミットは、14−16日に長浜城のある豊(ほう)公園自由広場を主会場に開催。15日は長浜曳山まつりで人気の子供歌舞伎が特別上演される市街地の北国街道では、4月のまつり以外では異例の曳山舞台での披露。16日は学者や歌舞伎役者らを迎えてシンポジウム。
 産業、鉄道両フェアは14−23日のフェスティバル期間中に豊公園自由広場で。あきんど村は、文化人と湖北の昧に舌つつみを打ちながら弁舌に耳を傾ける「あきんどぴあ」(14、16、18、22の4日間市街地の料理店)社寺や町家などで郷土の銘菓やお茶をサービスする「あきんとのマインド・ツアー」(期間中)などを予定。
 長浜駅前のグリーンホテルYes長浜では、京都新聞社発行「滋賀の美・庭」の写真を中心にした「滋賀の美・名園写真展」(期間中)も企画されている。
 他の主な行事は次の通り。
 【豊公園会場】交通安全フェア(14−16日)▽ちびっこ広場(期間中)▽長浜ビロード展示見本市(14・15日)▽爆風スランプコンサート(16日)▽長浜城特別展・大安養寺神社の至宝(18−10月20日)▽郷土芸能大会(21日)
 【市街地会場】あきんど文化展、ひょうたん展、ギャラリー特別展(いずれも期間中)▽大通寺山門市・草月流生花展(14−22日)▽あきんど市(22日)▽子ども鉄道展(14−10月6日)
 【その他の会場】鉄道おもしろ展(期間中)▽湖北食品フェア(18日)
・観光ガイド 石畳の北国市道/長浜楽市/大通寺/舟板塀の民家
 乗り換えなしの直通電車乗り入れで、湖北・長浜は京阪神からの観光客増加に期待が高まる。自然が残り、旧街道沿いを中心に偉大な文化遺産も残る。「行って見ようか」−そんな人たちへ見どころ、コースを案内すると−。
 長浜の駅前通りを横切り、南北に走る北国街道。石畳と砂利道風に生まれ変わったばかりの通りを北へ歩くと、黒を基調にして建物群が目につく。黒壁ガラス館を核にした”黒壁スクェアー”で、鉄筋の館内はまるでガラス工芸美術館。背後にはガラス工房、館前にはガラスギャラリー。古いたたずまいを生かした観光物産センター・札の辻本舗、郷土料理店・翼果楼、古美術西川・郷土資料館などが軒を連ねる。
 洋蘭(らん)園などが人気の長浜楽市へは、赤い「楽らくバス」を利用すると便利。週末、祝日は懐かしいボンネットバスが走る。
 大通寺表参道も整備された商店街と壮大な山門が調和し、長浜の”新しい顔”に。大通寺には、岸駒の老梅図(ふすま絵)などがある。市内の社寺観光では、城下町・長浜を開いた秀吉ゆかりの六社寺をまわる六瓢箪(むびょうたん)めぐりが「無病につながる」として人気。14、15日は長浜駅から無料バスも。
 駅前通りから北国街道を南へ歩くと舟板塀の民家がたたずむ。踏切を渡った所が、旧長浜駅舎。現存では日本最古の駅舎で、明治の洋風駅舎の横を走る新快速が新たな話題を呼びそう。
 長浜からの広域観光コースでは、長浜駅から「観音の里・湖北国宝めぐり」の定期観光バスが土・日と祝日に発車。渡岸寺(高月町)の国宝十一面観音が目玉。
 タクシーなど利用すると次のようなコースがあり日替わりで楽しむのに好適。
 ▽北国街道コース=雨森芳洲庵、賎ケ岳、余呉湖方面で、賎ケ岳(リフト)からの余呉湖や奥琵琶湖の眺めは天下一品▽びわ湖岸コース=奥びわ湖パークウェイ方面で、途中に水鳥公園などがあり、竹生島が手に取るよう▽北国脇往還コース=湖北の名園・孤蓬庵、渡岸寺、浄信寺(日本三大地蔵)など▽中山道コース=三島池、養鱒場方面。伊吹山三合目へのゴンドラからの眺めも抜群。(京都新聞)
■国労大会が異例の休会
 東京都内で10日から開かれていた国労(稲田芳朗委員長、3万4000人)の第56回定期大会は最終日の11日、向こう1年間の運動方針などを決めたが、役員改選で新執行部を選出できず、異例の休会となった。再開のめどはたっていない。
 中央執行委員会が休会を決めた表向きの理由は、「役員立候補者が定数に満たなかったため」。しかし、背景には、執行部内の感情的な対立があったようだ。厳しい財政事情で、役員定数は現在の12人から8人に削減される。退陣を求められた現執行部の定年(57歳)に満たない一部役員が、強く反発。主流派の人事委員会で内定しかけていた三役候補の対立候補として立候補する構えを見せた、といわれる。(朝日新聞)
■JR東海労 加盟を承認 JR総連
 JR関係の産業別全国組織である全日本鉄道労働組合総連合会(JR総連、福原福太郎委員長)は11日、JR東海の最大組合、東海旅客鉄道労働組合(JR東海労組、明石洋一委員長)から旧勤労系組合員が脱退して結成したJR東海労働組合(JR東海労、佐藤政雄委員長)のJR総連加盟を、持ち回り方式の連絡執行委員会で正式に承認した。一方、8月26日の定期大会で、対立するJR東海労の加盟を認めないようにとの特別決議をしているJR東海労組は11日夕、JR総連の決定を受けて、改めて「見解」を発表、反発している。(朝日新聞)
■京福電車と衝突 嵐山線で軽自動車
 11日午後6時50分ごろ、右京区西院上花田町の府道で、併用軌道を走っていた京福電鉄嵐山線の電車(嵐山発四条大宮行き、1両編成)が、同区嵯峨野内田町、昌角健嗣さん(20)運転の軽自動車と衝突した。昌角さんと同乗者1人が軽いけがを負ったが、電車の乗客約30人にけがはなかった。(朝日新聞)
■新快速長浜へ 14日から直通
 現在米原−姫路間を走っているJR東海道・山陽線の新快速電車が14日から長浜駅まで約7.7`延長して直通で乗り入れる。米原以北の北陸線が交流だったため、直流を走る新快速は乗り入れられなかったが、約6億5000万円かけ米原−長浜間を直流に変えた。交流区間を直流化したのは全国で初めて。新快速の延長は3年半ぶり。
 長浜まで延長運転する新快速と快速は、1日51本。さらに開通日の14日と11月までの日曜、祝日には1日上下8本の臨時列車「湖北ホリデー221号」を運転する。14日午前9時36分、京阪神からの乗り入れ新快速第1号が到着してから発車するまでの15分間、長浜駅でくす玉割りや乗客へのプレゼントなどの開業セレモニーがある。(朝日新聞)
■ポイント故障で遅れ JR山陽線
 12日午前7時7分ごろ、兵庫県加古川市平岡町新在家のJR山陽線東加古川駅構内で、網干発大阪行き上り快速電車(12両編成)が駅に入ろうとしたところ、信号機が赤のまま変わらないため、駅の手前で停車した。同駅信号制御盤にも故障表示灯が点灯したため、駅員らがかけつけ、ポイントを手動に切り替え、同電車は12分遅れて発車した。
 後続の上り1本も8分の遅れが出たほか、ポイントを手で動かしているため、上り線は午前9時半現在も3、4分の遅れが続いている。(朝日新聞 夕刊)
14日■秋の行楽シーズン 初のグルメ列車も KTRが172本を増発
 北近畿タンゴ鉄道(KTR )は、秋の行楽シーズン(10月1日−11月30日)に「伊根グルメツアー号」と銘打った企画列車をはじめ、JR臨時列車の直接乗り入れや天橋立・城崎の両観光地を結ぶ臨時急行「レインボー・リゾート号」の運転など、計172本を増発する。秋のシーズンに合わせたグルメ列車は今回が初めての企画。
 「伊根グルメツアー号」は11月17日、福知山宮津間を走り、宮津駅到着後、宮津桟橋から丹海汽船に乗りかえ伊根湾をクルージング。また当日、伊根町産業祭も開かれており、KTRは「海の幸の買い物と句の味覚を十分に楽しんでほしい」とPR。
 増発されるJR臨時列車の乗り入れは、大阪・天橋立間を特急「エーデル丹後」が期間中の毎週土、日曜に1日1往復。また同区間を快速「みやづ」が毎日1往復する。さらに11月の連休中(2−4日、23、24日)、京都−網野間を1日1往復する特急「あさしお号」も新設。
 KTRの「レインボーリゾート号」は西舞鶴・城崎間を下りが11月3日と23日、上りが4日と24日に1日1本運行する。(京都新聞)
■JR3社が清算事業団支援
 旧国鉄の巨額な債務を抱えている日本国有鉄道清算事業団の債務返済を進めるため、民営化後の業績が順調なJR東日本、JR東海、JR西日本の3社が、運輸省の仲介で協力することになった。運輸省はJR株式の今年度上場を断念しており、この売却代金が事業団に入ってこないことから、少しでも穴埋めしようという狙い。事業団用地を他の土地より優先的に買い取るほか、民営化後初めて、9月期に5%の中間配当をすることになった。
 このため、運輸省は土地については、これまで運輸省令で用途を鉄道、駅など純粋に鉄道事業に使う場合だけに限って、事業団とJRとの随意契約を認めていたが、これを社員寮用地など鉄道事業に付随する用途にも広げ、売却を進めることになった。
 また、配当については、3社が今年3月期から1割配当をしているが、今年度中に事業団の収入を確保するため、資本金の5%に当たる3社合計で206億円の中間配当をするよう、運輸省が3社に要請した。3社以外のJR4社(北海道、四国、九州、貨物)については企業体質が弱いため見送られた。(朝日新聞)
■信楽高原鉄道 12月1日再開固める 2両、ピストン方式 事故関連の 信号使わず
 5月14日の列車衝突事故以来、運休を続けている信楽高原鉄道(本社・滋賀県甲賀郡信楽町長野、杉森一夫社長)は冬季までの列車の運行再開を目指して近畿運輸局や滋賀県などと協議を続けてきたが、13日までに12月1日に運行再開する方針を固めた。この再開計画が運輸省に認められれば、地域住民の足となっている同鉄道に事故から7ヵ月ぶりに列車が戻ってくることになる。
 同鉄道がまとめた再開計画は、すでに滋賀県が8月21日に県議会列車事故対策特別委員会で公表した基本方針(素案)とほぼ同じ内容で、当面は残った車両2両を使って3月16日以前のダイヤを基本に上下31本程度を運行する。事故原因に関係する信号装置は使用せず、従来のピストン方式とする。
 運行再開時期については、鉄道の代替バスが、冬季には路面の凍結で危険になるため、通勤・通学で利用する地元住民から冬季までの再開を望む声が強かった。このため、当初は10月1日の再開を目指していたが、JR西日本から派遣される運転士の補充が早くても今月下旬ごろになる▽捜査本部による施設などの差し押さえ時期が走行テストの終わる10月中旬ごろまでかかる▽車両の補修、軌道の点検や最終の保安監査の期間が必要▽被害者の心情への配慮−などの点から、再開は路面凍結の始まるギリギリの12月1日とすることになった。
 信楽高原鉄道は、42人の犠牲者を出した列車事故で、運転士ら運行部門の5人を一挙に失い、保有していた4両の車両のうち2両も大破するなど壊滅的な打撃を受けた。その上、自力では支払いきれない被害者への多額の補償費用などがあり、経営基盤の弱い第三セクターの同社が運行再開できるのか一時は危ぶまれていた。
 しかし、同社の筆頭株主である滋賀県が、支援対策室をつくるなど被害者の補償問題も含めた全面支援をいち早く打ち出したのをはじめ、JR西日本も人材派遣など支援を約束。同鉄道は、今月2日にJR西日本のOB2人を鉄道主任技術者と業務部長として迎え、社内に「運行再開準備室」を開設し、再開へ向けて準備を急いでいた。
 信楽高原鉄道 水口町・貴生川駅−信楽町・信楽駅間14.7`。戦前の昭和8年、国鉄信楽線として開業。昭和62年に旧国鉄から県、町など出資の第三セクター鉄道で再発足。資本金2億円。利用客は1ヵ月平均5万6000人。(京都新聞)
■秋の行楽きっぷきょうから発売 JR西日本
 JR西日本は14日から「能登路観光きっぷ」と「ホリデーきっぷ」を京都市内など京阪神の主要駅と旅行センター、旅行会社で発売する。
 「能登路観光きっぷ」は、七尾線津幡−和倉温泉間の電化に伴い、大阪−和倉温泉にスーパー雷鳥が直通運転されるのを記念して発売。割引率は約21%で、京都市内からは大人往復1万2000円(小人は半額)。発売期間は11月27日までで、有効期間は4日間。
 「ホリデーきっぷ」は、近畿圏都市部から近郊への日帰リハイキング客を対象にしたもので、土、日と祝日に販売する。京都市内からの同きっぷは「湖西比良」(大人1人往復1100円)、「丹波路」(同3500円)など7種。いずれも小人は半額。有効期間は乗車当日限りとなっている。発売期間は11月24日まで。(京都新聞)
■通勤の「足」を 11月から増強 JR西日本
 JR西日本は秋のダイヤ改正で、通勤時間帯の阪神地域の新快速、快速を11月21日から車両増結や増便することを決めた。
 阪神間では、午後6、7時台の帰宅時間帯に、大阪から姫路方面行き新快速を6両から8両に、宝塚方面から大阪への朝の快速1本を増発する。
 また11月21日から瀬戸大橋線が増発になるのに伴い、大阪からその日のうちに四国・高知まで行ける列車には、新大阪午後7時34分発の新幹線が最終の接続となる。(朝日新聞)
■高原鉄道に交歩申し入れ 信楽事故遺族会
 滋賀県甲賀郡信楽町で42人の死者を出した列車衝突事故の遺族でつくる「JR西日本・信楽高原鉄道列車衝突事故犠牲者遺族の会」の代表と弁護団が14日朝、同町長野の町立山村開発センターで、信楽高原鉄道の井上春絹専務ら幹部に対して、28日に補償へ向けての集団交渉を開きたいと申し入れた。
 これまで、同鉄道とJR西日本は大阪市と大津市に「ご被災者相談室」を設けて、担当者が個別に遺族と接触していたが、「遺族の会」との集団交渉は初めてになる。弁護団は「具体的な補償金額の交渉の前に、まず、事故原因究明にかかわる資料の提示などを求めていきたい」としている。現在、同会には21人の遺族が加入している。(朝日新聞)
■新快速、長浜へ
 JR北陸線の米原−長浜間の直流電化に伴うダイヤ改正で、14日から長浜と姫路間を乗り換えなしで行き来する新快速電車が走り、長浜駅で開業記念セレモニーがあった。(朝日新聞)
■台風17号 近畿北部 防風域に 山口に再上陸 新幹線など乱れる
 中型で並の強さの台風17号は14日午前9時半ごろ、九州北部の海上から山口県北西部に再上陸。日本海沿岸を時速50`で東北東に進み、午後には近畿北部が暴風域に入る恐れがある。
 大阪管区気象台などの観測によると、同日午前、近畿各地で断続的に強い雨が降っており、12日夜の降り始めからの総雨量は和歌山県の潮岬で239_に達している。
 台風が京都府に最も接近するのは14日午後になる見通しで、北部を中心に風が強くなり、今後の予想雨量は北部で100−150_、南部で30−50_程度。
 17号は午前11時現在、松江市の南西約180`にあり、中心気圧985m、中心付近の最大風速は30bで、中心から90`以内で25b以上の暴風になっている。
 最大瞬間風速は佐賀市で54.3b、福岡市で40.8b、熊本で39.6bなどを記録、長崎県南高来郡吾妻町で牛舎が倒壊し1人が死亡するなど九州地方で死者6人が出た。
 台風17号に伴う風雨の影響で、東海道・山陽新幹線は14日の始発から一部で運転を取りやめた。
 JR京都駅では、上りの新幹線が午前中15本運休、下りも東京発博多行き「ひかり1号」の55分を最高に、各列車とも5、6分前後遅れが目立った。在来線も、長崎・佐世保発東京行き寝台特急「さくら」が約4時間40分遅れて午前9時45分に到着、京都駅で運転を打ち切るなど夜行長距離列車のダイヤが乱れた。
・欠航相次ぐ 四国・九州への空・海
 台風17号の通過に伴い、大阪から四国、九州へ向かう空、海の便に欠航などが相次いだ。
 大阪空港では午前7時5分、全日空大分行きをはじめ、九州や四国間の合わせて15便が欠航、日本エアシステムは大阪と出雲、米子、新潟などを結ぶ9便の欠航を決めたほかエアニッポンも大阪と高松、高知間3便の運航を取りやめた。また近畿と四国間を中心に海の便に欠航が相次いだ。(京都新聞 夕刊)
■湖北新時代幕開け JR北陸線直流化 長浜乗り入れ発車
 琵琶湖の北部を走るJR北陸線米原−長浜間(7.7`)の直流化に伴い14日、京阪神方面からの直通電車の長浜乗り入れがスタート、地域活性化への期待が高まる中、新快速が走り始めた。
 この朝、長浜駅ホームでは滋賀県、長浜市、JR西日本などの関係者約30人のほか、一般客らが詰め掛け、待ちわびた初の直接乗り入れ電車の到着を待った。午前9時36分、ダイヤ通り網干発の新快速電車が琵琶湖線から3番ホームに着くと、ファンファーレが鳴り響き”湖北路新時代”の幕開けを告げた。
 JR西日本の角田達郎社長が「湖北にとって大きなインパクトを期待していただける」とあいさつし、松宮資男長浜市長も「これで湖北、長浜に新しい風が吹き込んだ。今後の発展につなげたい」と、同市の発展を強調。このあと、姫路行きに折り返す新快速の前では稲葉稔知事らによるテープカットが行われ、同9時51分にホームをすべり出した。
 琵琶湖線(直流)と北陸線(交流)は、電流の違いで米原駅で乗り換えを要し、通勤などは不便だった。長浜市を中心にした10年越しの直流化への運動が実り、新快速を含め1日上下合わせて51本が長浜乗り入れとなった。
 これによって、米原駅での乗り準えが解消して新快速で長浜−京都が約1時間。大阪とも約1時間半で、それぞれ結ばれ長浜−京阪神間は完全に通勤圏内。さまざまな面で交流が深まり湖北地域の活性化に弾みがつくものと期待される。(京都新聞 夕刊)
15日■社説 信楽鉄道の再開で望むこと
 今年5月に列車正面衝突事故を起こして、運休したままになっていた滋賀県の信楽高原鉄道が、12月1日から運行を再開する方針となった。さびたレールは死者42人、500人を超す負傷者を出して以来、7ヵ月ぶりに響きを取り戻す。地域住民とともにまず喜びたい。
 運行再開は、本格的な被害者補償交渉を直前にする一方で、公共輸送機関として地域住民の足も確保するという苦悩の選択ともいえる。それだけに万全の準備でのぞむよう期待したい。
 再開は同鉄道が近畿運輸局や県と協議を続けて先月下旬、基本計画案をまとめ、今月2日には運行再開準備室を開設、さらにJR西日本から再開に欠かせない運行、保安専門のOB技術者2人を迎えて計画の具体的実施策を進めてきた。
 こうして運行再開の方針を固めた背景には、現在の代替輸送手段のバスが冬季には路面凍結で危険になること、通勤、通学などで地元住民の間に鉄道運行の要望が強いこと、さらに再開計画が決まらないと運行再開経貴や財源手当てが決定しないなどの事情があるようだ。
 計画では当面、残った2車両を使い、小野谷信号所は使わず、貴生川−信楽間を閉そく区間としてピストン方式で運転。1日上下31本のダイヤで1500人程度を輪送するという。地域の沿線住民には日常生活の上で”足”が復活するので心強いものがあるだろう。
 しかし、運行再開のメドをつけたとはいえ、第三セクターの同鉄道の環境には厳しいものがある。当然ながらその第一は事故に伴う被害者の補償問題だ。JR西日本とともに滋賀、大阪に設置した相談室事務所が遺族や負傷者を回り、交渉に当たって軽傷者との示談は進んでいるものの本格交渉は、これからだ。運行再開に際して、被害者の心情を思うとこの面でも十分を期さねばならないが、その補償額は何十億円になるのか。賠償責任保険の支払額限度は3億円という。その重荷は大変だ。国としても保険システムの検討や補償制度の整備を考えてしかるべきではないか。
 その第2は運行再開経費の問題。当面の経費と本年度必要経費から運行による収入を差し引くと、2億円弱の財源が不足という。それらの手当てでは増資や起債などが考えられているが、自治体が法人に直接財源手当てをするのは国の法律で禁じられている。この点でもやり繰りは極めて困難さを伴う。とはいえ地域の足確保の使命は果たさねばならない。関係者の忍耐強い努力を待ちたい。
 地方自治体など公共機関と私企業が共同出資した第三セクター鉄道は、全国に35社ある。その中で経常黒字を出しているのは、事故前の信楽鉄道など9社ほどといわれ、どの鉄道も経営・財政基盤は弱い。このため合理化徹底と増収努力は常識化し、あの手この手を講じている。しかし、それにも限界があり、赤字を生みやすい。もともと過疎地にある赤字路線として国やJRから切り捨てられたものを引き継いだからである。
 国の補助策では開業後5年間の経常赤字の5割補てん制度があるが、万一の事故処理負担や安全投資には、耐えにくい体質がある。が、鉄道は安全運転が絶対使命であることに変わりはない。
 そんな第三セクター鉄道に対し、国は信楽鉄道の運行再開を機に支援策を考え直してもよいのではないか。(京都新聞)
■信楽事故 個別に説明会を 遺族側弁護団 鉄道、JRに要請
 信楽高原鉄道事故の犠牲者のうち21遺族でつくる「遺族会」の弁護団の代表5人と遺族4人が14日午前、滋賀県甲賀郡信楽町の町開発センターで、信楽高原鉄道の井上春網専務ら幹部駅員と会い、事故原因の真相解明のため説明会の開催を申し入れた。
 申し入れの冒頭、高原鉄道側が、「ご被災者相談室」として対応しようとしたため、弁護団は「高原鉄道とJRの個別での対応を求める」とし、JR西日本からの出向職員の退席を強く求め、鉄道側はこれに応じた。
 申し入れでは、28日午前11時から3時間、高原鉄道本社で、杉森一夫社長ら役員が出席し、運行マニュアルなど資料提出の上での集団交渉を求めた。
 弁護団は午後には大阪市内のJR西日本にも出向き、同様の説明会を10月10日に開くよう申し入れた。(京都新聞)
■窓 席をゆずれる人になりたい 右京区・角 幸多(小学生・12)
 ぼくはよく電車に乗る。改札口や階段などで、お年寄りを見かけることがある。
 階段を上がっているお年寄りを見ると、ぼくは大変だろうと思う。一歩、一歩というように、ゆっくりゆっくりと上る。
 電車の中で、お年寄りが立っているのに、なかなかみんなかわってあげない。すると突然、一番はしに座っていた人が、「どうぞ、座って下さい」と言った。おばあさんはうれしそうに「どうも、ありがとうございます」と、ていねいにおじぎをされた。
 ぼくは、席をおばあさんにゆずってあげた人は、本当のやさしさが心の中にある人だと思う。また、おばあさんも礼儀が正しい人だと思う。
 このように、みんながお年寄りに席をゆずるようになったら、気持ちがいい。
 横断歩道でもそうだ。お年寄は、ゆっくりゆっくり歩かれる。だから途中で信号が赤になるかもしれない。
そんな時には、だまって見ているよりも、自分がお年寄りの手を引いてあげることが、一番大切なことだと思う。
 ぼくはこれまで、人のすることをすごいな、やさしいな、など思って見ているだけだったが、これからは自ら飛び出していきたい。(京都新聞)
■走れニュートレイン〈23〉100系新型ひかり JR東海・JR西日本 より速く、より快適に
 昭和39年に開業した東海道新幹線は、世界初の営業速度時速210`で走った。以来、岡山、博多と路線が延びていったが、新幹線電車はあの丸っこい0系といわれる電車を使用してきた。
 60年3月、0系からモデルチェンジした100系電車が国鉄民営化直前にデビュー。ニュー2階建て新幹線といわれ、外観はシャープな流線形とダブルデッカー車両を組み込んだ近代的車両で、車内居住性もぐんと良くなった。
 今では「ひかり」の半分以上に100系が使われ、すっかり定着したが、この電車にもさまざまな仕様の100系電車があることは意外に知られていない。
 最初に登場したのが食堂車とグリーン座席を2階に備えたX編成といわれる車両。これは主に東京−博多間の「ひかり」に使われている。次に登場したのがG編成といわれる100系。これは2階部分がすべてグリーン車で、階下はカフェテリアと個室のコンパートメントになっている。このX、Gの記号は運転席の前面の窓の隅に表示してある。
 JR西日本の「グランドひかり」は2階建て車両が4両もある100Nといわれるタイプで、食堂車が売り物の車両だ。
 新幹線電車はより速く、より快適にを目指し、平成4年にはJR東海の「300系スーパーひかり」がデビューする予定で、既に時速325.7`の日本記録を樹立している。
 「100系ひかり」は日本が世界に誇る列車でもある。車内にはさまざまなサービス設備があり、新幹線の旅は外国の列車に負けない雰囲気が楽しめるのである。(鉄道写真家・南 正時)
〈メモ〉東京−新大阪間の所要時間は約2時間52分。普通指定席料金13480円。(京都新聞)
■信楽事故遺族ら JR側との初会合紛糾
 「JR西日本・信楽高原鉄道列車衝突事故犠牲者遺族の会」と被害者弁護団は14日午後、大阪市北区の新阪急ビルで、JR西日本に対し、事故の真相解明と責任の明確化を求めるための説明会を10月10日に開くよう申し入れた。この日午前の信楽高原鉄道への要請に続くものだったが、初の集団交渉で、JR側が交渉窓口を限定しようとしたため、出席した遺族から反発され、一時紛糾した。(朝日新聞)
16日■車掌、線路1`走り「待てー」 駆け込み男性とけんか中、発車 JR新長田−鷹取駅間
 14日昼すぎ、JR山陽線新長田駅で乗客とのトラブルでホームに置き去りにされた車掌が電車を次の駅まで走って追いかけるという珍事があり、乗客らはお粗末さを怒るよりあきれるばかりだった。
 同日午後零時50分ごろ、神戸市長田区松野通一丁目のJR山陽線新長田駅で、ドアを閉め発車直前の高槻発西明石行き普通電車(7両編成、乗客約400人)に駆け込み乗車しようとした同区の無職男性(69)と車掌(39)がホームで口論、殴り合いとなった。
 この間、事情を知らない運転士でもが電車を発車させた。次の鷹取駅で車掌がいないことに気付き14分間停車。
 この車掌は置き去りに気付いて、そのまま線路沿いに走って約1`離れた次の鷹取駅へ。途中、後ろから減速接近してきた後続の快速電車に”拾って”もらい、鷹取駅で待ち受けた普通電車に追いつくという慌てぶりだった。
 電車計3本が14−2分遅れ、乗客計1250人に影響が出た。
 兵庫県警鉄道警察隊によると、男性はドアが閉まった後に車掌に「ドアを開けてくれ」と詰め寄ったため、車掌がホームに下りて「次の電車にして下さい」などと、ドアを開けず口論からけんかになった。
 双方とも相手を殴っており、同隊で詳しい事情を聴いているが「車掌が走って電車を追いかけるというのは前代未聞」とあきれ返っている。(京都新聞)
17日■全機関開業延期も 大阪モノレール 土地買収に住民反対
 大阪の北部を東西に走る交通機関として、大阪府が建設を進めている「大阪モノレール」第1期計画(南茨木−大阪国際空港駅間、13.7`)が、一部の工事対象地区で住民との土地買収交渉が暗礁に乗り上げているため、予定していた平成5年春の全区間開業が困難な情勢となっている。
 大阪府は「今後も住民との交渉を続け、予定の開業時期に間に合わせたい」としているが、住民側は「土地売却のつもりはない」と強硬だ。
 同計画のうち東半分に当たる南茨木−千里中央駅間は既に開業しているが、同空港での乗降客を当てにしていたモノレール運行会社の第三セクター「大阪高速鉄道」(西村壮一社長)は「現状のままでは採算が取れない」と府の対住民交渉をやきもきしながら見守っている。
 大阪の交通機能は、大阪市を中心にして放射状に鉄道網が発達しているため、大阪市中心部への行き来には便利だが、周辺都市間の交通は不便なのが現状。このため現在の鉄道網を環状につなぎ、周辺都市間を結ぶ交通機関として大阪モノレールが計画された。
 路線は第1期計画のうち、南茨木−千里中央駅間が昨年6月に部分開通しているほか、千里中央駅以西も大阪中央環状線沿いに路線計画された部分は工事が進んでいる。また第2期計画(南茨木−門真駅間、8.1`)は7月に着工している。
 土地買収交渉が難航しているのは、第1期計画の西端付近に当たる豊中市・蛍池地区。それまで大阪中央環状線沿いに東西を走っていた路線が急に南下し、住宅密集地を突っ切って阪急蛍池駅を通過。全体にS字形を措いて大阪国際空港駅に至るルートで、約250世帯が立ち退き対象になるため、ルート変更を求める反対運動が起きた。
 このため環状線から南下を始める部分から同空港敷地までの1.5`のうち、土地買収を終えたのはこれまでわずか3割。その3割も、建設反対を訴える地元住民団体「大阪モノレール対策本部」の江村浮三事務局長によると、ガレージなど人間が住んでいない土地がほとんど。「実際に居住している人で買収に応じる人はいない」という。
 住民らは、建設大臣を相手に大阪モノレールの都市計画事業認可取り消しを求めた行政訴訟を大阪地裁に起こし、激しく争っており、同地区での本格的工事開始はめどが立っていない。
 向井文夫大阪府土木部長は「交渉は続けるが、平成5年春の開業が難しくなったのは確か」と、開業時期延期があり得ることを認めている。(京都新聞)
■リニア実験線が起工式 山梨 94年度完成へ第1歩
 未来の輪送システムとして期待のかかるリニアモーターカー。その実現のかぎを握る山梨新実験線全線で初めての本線着工となる起工式が17日午前、山梨県都留市の九鬼トンネル(全長3960b)東坑口で行われた。
 式には天野建山梨県知事や金丸信元副総ら地元選出国会議員、須田寛JR東海社長など約80人が出席、くわ入れなどで工事の安全を祈願。激しい誘致合戦の末の建設地決定から2年、ルート決定から1年。1994年度の全線完成を目指し、リニア構想は新たなステップを踏み出した。
 建設計画によると、本年度内に全線(42.8`)の用地買収を終えることになっている。現在、沿線6市町村18地区のうち14地区で地権者の同意を得て中心線測量や土地鑑定などが進められている。しかし残る4地区は、環境悪化や代替地問題などを理由に県との交渉も平行線のまま。
 県は「計画に遅れはない。未同意地区についても交渉の感触は悪くない」と自信を見せるが、実験線建設に否定的な一部地権者からは「全線で理解を得た上での着工が筋」と批判の声も上がっている。(京都新聞 夕刊)
■近鉄生駒線一時不通に 信号機消える
 17日午前9時33分ごろ、近鉄生駒線(生駒−王寺間12.6`)の全信号が突然消え、全線がストップした。走行中の2本が平群駅付近で立ち往生、計200人が缶詰め状態になった。約40分後、いずれも手信号で平群駅に入った。全線とも約1時間後に復旧したが、計10本が運休し、近鉄は代行バスを走らせた。(朝日新聞 夕刊)
18日■旧国鉄用地売却促進 価格制限して入札を 審議会緊急提言 随意契約も弾力化
 国鉄清算事業団の資産処分審議会(会長・亀井正夫住友電工相談役)は17日、同事業団に対し旧国鉄用地の売却方法の見直しを求める緊急提言をまとめた。都市部の地価高騰地域で公開入札方式が自治体の反対などにより実施できず、バブル(泡)経済崩壊も加わって用地売却が進んでいないため、提言は落札価格に上限を設ける入札方式導入や、随意契約の運用弾力化などによって売却促進を図るよう要請している。
 運輸省と事業団は、巨額な旧国鉄債務返済のためには円滑な用地売却が不可欠として、大蔵省や国土庁と調整のうえ早急に提言を実施する考えだ。
 事業団の土地処分は、法に基づき競争入札が原則だが、都市部の地価監視区域内では、地価高騰を懸念する地方自治体などの反対が強くてほとんど実施できず、これまでに同区域内で売却した土地は自治体などとの随意契約が中心だった。また東京や大阪などの大都市では、地価を顕在化させないように土地とその上に建設するオフィスビルなどをセットで処分する不動産変換ローン方式などが導入されている。
 しかし不動産向け融資の総量規制などから土地売却は思うように進まず、売却予定の旧国鉄用地8180fのうち売却したのは1990年度末で、同年度までの計画の7割の2566fにとどまっている。このため同審議会は競争入札方式を柱とした売却促進策が必要と判断した。ただ「地価対策との調和」を重視し、地価高騰を招かないよう落札価格に上限を設ける仕組みを提案。
 随意契約については、これまで売却先が地方公共団体や各種公団などに用途は公共目的などにそれぞれ限定されていたのに対し「運用面などの思い切った見直し」の必要性を指摘。事業団は私立学校なども売却先に加える方向で検討する。(京都新聞)
■旧国鉄梅小路貨物駅跡地 京都市に売却へ 国鉄清算事業団資産処分審答申
 京都市が平安建都1200年記念公園として整備を予定している旧国鉄梅小路貨物駅跡地=京都市下京区=について、国鉄清算事業団の資産処分審議会は17日の答申で、「都市基幹公園として整備すべき」との土地利用計画をまとめた。これを受けて、同事業団は本年度末までに同審議会を改めて開き、同跡地の京都市への売却を正式に決定する方針。市は売買契約を交したあと、建都1200年の平成六年をメドに梅小路公園(仮称)の整備に着手する。
・6年メドに公園化 京都市
 跡地面積は10.5f。答申は、土地利用の基本方針として、「防災機能を備えた都市空間を確保するとともに、都市アメニティを提供する場としての整備が適切」としたうえで、処分用地の中央南部部分に挟まれた格好の梅小路機関車館との調和に配慮を求めている。
 同事業団は梅小路跡地について、昭和63年9月、同審議会に対して土地利用計画を立てるよう諮問。同審議会の近畿地域計画部会(部会長・天野光三京都大学教授)で計画案の検討に取り組み、先月末、部会案をまとめた。
 この日の土地利用計画の答申は、同跡地の京都市への事実上の”売却内定”に当たるもので、同事業団は随意契約により、市へ売却する方針。市の資金計画、整備計画を聴取したうえで同跡地の処分計画を改めて同審議会に諮る。
 一方、市は、すでに買収を前提として本年度当初予算に用地買収費を含めた同公園整備費252億1100万円を計上。平成6年度までの4ヵ年で分割買収する方針を決めている。
 市の構想によると、健康都市構想に沿う形で、アメニティゾーンとして整備する。年内に都市計画決定し、本年度中に公園建設の基本計画をまとめたい意向。全面買収後の平成6年度以降、数年をかけて、緑地公園や多目的広場、レジャー公園などを柱とする平安建都記念公園を建設。防災公園の機能も併せ持たせる。
 これとは別に、平成6年に京都府と市が協調開催する全国都市緑化フェアのメーン会場として使用することも予定。同じ年に平安建都1200年記念協会が開く建都1200年記念イベントの会場候補地にもなっている。(京都新聞)
■桂駅東でビル着工へ 阪急電鉄 5年3月完成めざす
 京都市が進める阪急桂駅東口広場整備計画に合わせ、阪急電鉄(本社・大阪市)は20日、同駅東に「桂東阪急ビル」(仮称)の建設に着手し、平成5年3月未の完成を目指す。
 鉄骨鉄筋コンクリート造り5階建て、延べ8800平方b、1階はコンコース、店舗、有料駐車場(40台)など。2階は有料駐輪場(500台)、管理室、機械室。3階が橋上駅と連結するコンコースと店舗。4、5階は店舗。
 店舗面積は延べ3250平方b。ビル完成後に地元業者を含めテナント募集する。
 現在の橋上駅舎もビル3階とつなぐため増築(100平方b)する。ビルにはエレベーター4基、エスカレーター8基が設けられ、お年寄りらの橋上駅への乗り降りが今より便利になる。工費は計45億円。
 阪急電鉄は「西京区の表玄関・桂駅を中心に商業施設を整備することで桂地区の発展に寄与したい」としている。
 京都市の同駅東口広場整備計画は2790平方bの広場に中央花壇、東西に歩道を新設、バス停留所とタクシー乗り場を整備する。来年秋に着工、5年度末には完成させる予定。(京都新聞)
■信楽列車事故 190人と示談が成立 JR西日本 原因、司直の判断に
 信楽高原鉄道列車事故で、JR西日本の井手正敬副社長は、17日の定例記者会見で、死傷者649人(JR西日本、信楽高原鉄道社員を除く)のうち、同日までに190人(いずれも軽傷)と示談が成立したことを明らかにした。
 現在までに確定している死傷者は、死亡37人、負傷612人。死傷者に対する補償問題について、井手副社長は「乗客には事故の責任がないことは、はっきりしている。JRと信楽高原鉄道のどちらにどう責任があるかという問題は、あとで両者がやり合えばよい」とし、補償交渉の対応は「基本的には被災者相談室でやるのがベスト」との考えを示した。
 さらに、21遺族でつくる「遺族会」が事故原因解明の説明会開催をJRと信楽高原鉄道に申し入れている件に絡んで、「原因については司直の手で捜査中であり、その判断を待ったほうがよい」と述べた。(京都新聞)
■電車にはねられ死亡
 17日午後3時半ごろ、京都市伏見区深草坊町のJR奈良線で、男性が奈良行き普通電車にはねられ、間もなく死亡した。
 伏見署の調べでは、男性は同区深草宝塔寺山町、木版業高木栄造さん(83)。付近に踏切はなく、運転士の話では、高木さんが歩いて線路を横断していた、という。(京都新聞)
■梅小路貨物駅跡地の都市公園化 京都市、年内にも基本計画 三年後の建都1200年目標
 17日、国鉄清算事業団の資産処分審議会(亀井正夫会長)が同事業団に提出した答申で、JR京都駅西側の梅小路貨物駅跡地(下京区観喜寺町など)の都市公園化が決まった。売却を受ける京都市側は、用地費など土地処分の具体的な内容がまだはっきりしないとしながらも」建都1200年にあたる3年後の整備を目指し、年内にも基本計画をまとめ、都市計画審議会にかける方針を表明。都心部での大規模な緑地公園計画は本格的に動き出す。
 売却される梅小路貨物駅跡地は10.5f。阪神甲子園球場の約2.7倍。現在の岡崎公園(約10.4f)にほぼ匹敵する面積を有する。市は、同跡地が京都駅に近く、市街地に残された数少ない広大な土地であることなどから、5年ほど前から払い下げを要請してきた。
 新しい公園について市はニューヨークのセントラルパーク型の都市公園を想定。樹木を中心に緑や水、花などを配した緑地公園、野外集会やイベント向けの多目的広場、隣接するJR西日本の梅小路蒸気機関車館と一体化した交通レジャー公園の三つのゾーンを設ける案など検討している。(朝日新聞)
■共産質問にJR回答 京都駅ビル問題
 共産党府委員会と同党京都市会議員団は17日、京都駅ビルの改築高層化計画をめぐって今年7月にJR西日本へ提出していた申し入れ書に対するJR側からの回答を公表した。回答では、新しい駅が国際文化観光都市にふさわしい建物であると述べ、計画通りの改築を主張しており、同委員会と議員団は改めて計画の撤回を求める要請書を同日、JR側に郵送した。
 回答書では、新しい京都駅は、国際化時代に対応した複合機能型ターミナルで、伝統と未来への創造が調和した国際文化観光都市にふさわしい都市空間、景観を形成すると説明。商業施設、ホテルなどについても「京都の活性化に貢献できる」としている。(朝日新聞)
■京都の梅小路貨物駅跡 10.5f全部を公園化 清算事業団が市に売却へ
 旧国鉄跡地の売却を進めている国鉄清算事業団の資産処分審議会(亀井正夫会長)は17日、JR京都駅西側の梅小路貨物駅跡10.5fについて、防災機能を持つ都市公園として整備すべきだとの利用計画を、石月昭二事業団理事長に答申した。近く京都市に随意契約で売却する契約を結ぶ。京都市は平安建都1200年の94年度をめどに整備する方針。10f規模の国鉄跡地が全部公園になるのは初めて。
 この日の審議会は同時に、東静岡操車場跡(静岡市)を主に商業業務用地にする利用計画を答申、さらに全国18ヵ所の跡地計約55fの譲渡を承認した。うち随意契約が14ヵ所、公開入札が4ヵ所。近畿関係は次の3ヵ所。
 大阪府=関西鉄道学園グラウンド跡(0.7f、吹田市へ)、放出−淀川信号所間貸物線跡(3.8f、大阪市へ)▽兵庫県=飾磨港−亀山間線路跡(2.2f、姫路市などへ)(朝日新聞)
■軽傷の190人と示談 信楽事故でJR
 信楽高原鉄道事故の補償交渉について、JR西日本は17日、高原鉄道とJRの社員を除く死傷者649人のうち、すでに軽傷者190人と示談が成立した事を明らかにした。亡くなった乗客37人の遺族や重傷者とは1件も成立していない。(朝日新聞)
■洛中洛外
 ◇…阪急電鉄が、敬老の日にちなんで発売した企画乗車券「シルバーチケット」が、過去最高の売れ行き。駅売り分だけで5515枚と昨年より約1600枚増えた。とくにお年寄りの多い京都は、542枚と、昨年より5割以上のアップ。
 ◇…お年寄りにいろんな所へ行ってもらおうと昭和61年に始まった企画で、65歳以上が対象。1枚1000円で、14日から16日までの3日間、阪急全線が乗り放題になった。
 ◇…他の私鉄ではやってない企画が定着してきたのでは、と電鉄側。河原町駅の池田輝彦主席助役も「3割くらいはプレゼントに、若い人が買ったようです」とニンマリ。(京都新聞 夕刊)
■線路わきの工場を全焼 まくら木焦げる 京都・八幡
 18日午前3時25分ごろ、京都府八幡市八幡高坊、メリヤス製造加工会社「寿希(すき)」八幡工場付近から出火、木造一部2階建ての建物約460平方bを全焼した。工場南側を走っている京阪電鉄軌道内のまくら木5、6本とケーブル5本が焦げた。
 ケーブルはほかのケーブルで代用、焦げたまくら木も電車の走行には影響がなく、電車は始発からダイヤ通り走った。田辺署の調べでは、工場は出火当時は無人だった。現場は京阪八幡市駅の西約100b。(朝日新聞 夕刊)
■岡山の「ダウンバースト」 新幹線高架も突風圏内 列車直撃の場合は極めて危険な状態 京大防災研調査
 突風が襲ったのは6月27日午後1時半ごろ。岡山市国府市場で、約500bの間に並ぶ電柱が折れた。
 京大防災研の光田寧教授が被害分布を調査し、岡山地方気象台の調査結果とあわせて、突風が襲った範囲を推定した。その結果、突風が襲った範囲は、JR山陽新幹線の高架と山陽線の線路が並行する区間をはさんで東西約10`、南北2−4`にわたっていた。電柱の倒壊現場を含む東西約5`、南北約1.5`の範囲で特に被害が大きく、新幹線の高架も、一部がこの範囲に含まれていた。
 風速は、秒速20b前後から最大50b近くまで、場所によってさまざまだった、と推定される。
 兵庫県香住町で1986年にJR山陰線余部鉄橋から列車が転落した事故は、秒速約40bの横風が原因だった。78年に東京湾岸を襲った竜巻では、鉄橋を通過中だった地下鉄東西線が秒速80b以上の風を受けて脱線、大きく傾いた。
 光田教授は「今回のケースでは、高架は強風の中心からわずかにはずれていたため難を逃れたが、電柱を倒した突風が列車を直撃していたら極めて危険な状態になっていたはずだ」と指摘する。
 JR西日本によると、新幹線は在来線と同様に、風速が秒速30b以上になるか、輸送指令員が秒速30b以上になりそうだと判断した場合は、運転を見合わせることになっているが、今回のケースでは、高架上での風速はこの運転休止基準に達していなかったとみられ、運転規制も行われていなかった。
 「ダウンバースト」は冷たい空気の魂が雪崩のように落ちてきて地面にぶつかり、破裂したように突風が四方八方に広がる現象。多くは雷雨を伴う積乱雲の下で発生する。70年代に米国で「ダウンバースト」が原因の航空機墜落事故が相次いだ。現象が局所的なうえ、極めて短時間のうちに発生するため、十分な予知は難しい、とされている。(朝日新聞 夕刊)
19日■社説 旧国鉄用地の売却は必要だが
 JRグループ各社の好調な経営とは裏腹に、旧国鉄の長期債務を引き継いだ国鉄清算事業団は、旧国鉄用地の売却も思うにまかせず、四苦八苦の状況だ。このままでは債務の膨張は避けられないとして、同事業団の資産処分審議会は、事業団に売却方法の見直しを求める緊急提言を行った。
 都心部の地価監視区域内で事実上凍結されている一般競争入札を、落札価格の上限を設ける方式で導入したり、随意契約の運用をもっと弾力化することで、売却促進を図りなさい−という要請だ。
 抱え込んだ債務の利払いだけで年間1兆円を超すとあれば、できるだけ高い値段で土地をさばいて、少しでも負担を軽くしたいという事業団のねらいは理解できる。もともと事業団はその役目を担わされてきたのでもある。
 が、他方せっかく沈静化しつつある地価を、これによって上昇させるようなことがあってはならないとする政府の方針もある。まさに事業団は二律背反のはざまに置かれているとも言える。ことは、旧国鉄の借金返済と地価のからんだ重要な問題である。関係省庁・機関は、もっと真剣に取り組み、なんとか打開策を見いだしてもらいたい。
 1987年の国鉄分割・民営化の際に同事業団が引き継いだ旧国鉄の長期債務は約25兆6000億円だった。これを土地の売却といずれ上場するJRの株式売却で充てる計画だが、それでもなお、最終的には税金でまかなわねばならない国民負担が13兆8000億円残るとされる。土地や株式が予定の価格より高く売れればその分国民負担が減ることになる。
 一方、事業団が旧国鉄から引き継いだ用地は8180fで、政府が当初見込んだ土地売却収入は全体で7兆7000億円となっている。
 このうち、これまでに売却したのは90年度末で2566fで、同年度までの計画の7割にとどまっている。91年度は1兆5000億円の土地売却を予定し、これと併せ本年度から開始する株式売却で債務を削減する計画だった。
 ところが、株式の方は市場の低迷から本年度内上揚はほぼ絶望的となったうえ土地についても都心部での競争入札による売却がダメとあって、現状では、前年度実績(8100億円)の達成すら困難な状況という。事業団にすれば、バブルのとばっちりを受けた格好だが、地価抑制という国の方針がある以上、やむを得ないところでもある。
 今回の資産処分審議会の提言は現状打開をねらった窮余の策でもあろう。提言自体、もちろん検討に値するが、落札価格の上限をどう決めるのか、どの程度の営利事業に随意契約を認めるのか−など問題点も多い。要は、地価の高騰を招かず、しかも適正価格での売却を軌道に乗せる方策をいかに見つけだすかである。
 これとは別に、京都市が平安建都1200年記念事業として大規模な公園化を計画している旧国鉄梅小路貨物駅跡地について、同審議会は同市への売却を内定した。計画の一歩前進と歓迎したい。
 なにしろ、都心部での10.5fというまとまった土地である。市民の要望も取り入れ、後世に自慢できる立派な都市公園を目指すことだ。同時に、旧国鉄の跡地利用として、用途面だけでなく売買価格についても全国のモデルケースとなるよう心がけてほしい。(京都新聞)
■信楽高原鉄道早期再開を 村岡運輸相が見解
 村岡運輪相は18日の衆院運輸委員会で、信楽高原鉄道の運行再開問題について、時期は明示できない、としながら「冬季をひかえ通勤・通学の足として必要、という地元の要望は十分承知している。1日も早く再開が実現するよう、国としても積極的に協力したい」と早期再開に前向きの姿勢を示した。
 山下元利(自民・滋賀)山元勉(社会・滋賀)両氏の質問に答えた。
 また、同相は、運行再開までには▽信号設備の変更▽車両修理▽県警の差し押さえ解除▽実車訓練−などの条件整備が必要としたうえで、「時期がくれば、対応できるように努力する」と述べた。
 さらに、井山嗣天鉄道局長は、「信楽高原鉄道事故ご被災者相談室」が進めている補償交渉に関して、17日までに、死亡者42人のうち40遺族と話し合いがあり、負傷者614人中190人と示談が成立したことを明らかにした。(京都新聞)
■新幹線の”洗顔”まかせて JR西日本 清掃ロボット開発
 ひかり号や、こだま号の”顔”をきれいにします−と、新幹線先頭車両前面を自動的に清掃するロボット1号機が、JR西日本と子会社の共同開発で完成した。全国初の試みで、来年度から山陽新幹線で実用化する。新幹線車両は平らな側面は自動洗車ができるが、丸みを帯びながら突き出ている流線形の前頭部の洗浄は従来すべて手作業で、深夜までかかるきつい仕事だった。今後「スーパーひかり」など新型車両の新幹線が次々登場するのをにらみ、両社では、どんな曲線の顔にも対応できるよう改良し、JR東海やJR東日本にも売り込みたいという。
 新幹線車両の清掃は現在、博多、広島、岡山などの車両基地で行っている。1編成につき2日に1回洗うが、とくに前頭部は汚れがひどく、時速200`以上で東京−博多間を3往復もすると虫の死骸(しがい)などがこびりつき、側面とは比較にならないほど油分がべっとり。側面は自動洗車だが、前頭部は作業員4人がかり。約20分間ごしごし洗っている。
 共同開発したのはJR西日本が半額出資の車両修繕会社「関西交通機械」(本社・大阪市)。去年7月に研究を開始、約1年がかりで完成した。ロボット本体は自動車溶接などに使われているメーカー製品を応用し、前頭部の幾何学的曲面に沿って動くようプログラム化した。(朝日新聞)
■信楽高原鉄道支援に1億円 滋賀県が出資
 死者42人を出した衝突事故以来、ストップしたままの滋賀県信楽町の第三セクター信楽高原鉄道の運行再開に向け、滋賀県は18日、同鉄道へ新たに1億円を出資することを決めた。24日開会の県議会に提案する。
 運行再開に必要な設備整備などの資金に充てる。(朝日新聞)
■台風18号 新幹線乱す 47本運休、大幅な遅れ 京都駅「待ち人」あふれる
 台風18号の接近に伴う大雨のため、東海道新幹線が19日早朝から愛知県内で一部不通になったほか、関東、東海地方の在来線に影響が出た。
 東海地方は未明から局地的な豪雨に見舞われ、JR東海によると、東海道新幹線は豊橋−名古屋間で午前5時すぎからの1時間雨量が規制値(45_)を超す46_を記録するなどしたため、同区間で上下線とも始発から午前9時42分までストップした。また新横浜−三島間も大雨のため午前9時ごろから運転を見合わせ、同9時40分までに上下47本が運休したほか、大幅な遅れが出ている。
 在来線では、JR東海道線が豊橋−名古屋、吉原−富士川、早川−湯河原各区間で、中央線が名古屋−土岐市間、紀勢線が松阪−新宮間など7線区で19日早朝から運転を見合わせた。
 JR京都駅では、この影響で、午前8時5分発の東京行き「ひかり102」がホームに約2時間停車したままとなったほか、始発から午前10時すぎまで上下線がほぼ全面ストップ。午前10時すぎから、順次列車が動き始めたものの、ダイヤは大幅に乱れたままで、ホームには一時列車待ちの人があふれ返った。
 また旅行や出張をあきらめて帰る人も多く、清算窓口や公衆電話には、特急券の払い戻しや会社への連絡をとる人で長い列ができた。
 午前9時半発の「ひかり」で東京へ向かう予定だった滋賀県・安曇川中学の3年生200人も、コンコースで足止め。引率の保木親雄教頭(47)は「台風の影響なら仕方ないが、午後に予定していた都内の班別行動はできないかもしれませんね」と顔を曇らせていた。
・速度上げ関東接近 18号
 大型で並の強さの台風18号は19日午前、スピードを速めながら日本の南海上を北東に進んでいる。今後最も北寄りのコースを進むと、20日朝には関東地方に接近する恐れが出てきた。
 台風の影響で関東の南岸に停滞している秋雨前線が活発化、関東から東海、紀伊半島にかけて所によっては1時間に50-60_の雷を伴った激しい雨が降っており、東海道新幹線の一部で運行を見合わせるなど交通機関が大きく乱れた。
 土砂崩れなどのため神奈川、愛知県内で2人が死亡、三重県内と東京・町田市で3人が不明になるなどの被害が出ている。
 気象庁の観測によると、18号は19日午前11時現在、潮岬の南南東約460`(北緯29度30分、東経227度)にあり、毎時40`で北東に進んでいる。
 中心気圧は980m、最大風速は30bで、中心の東側330`以内と西側40`以内では25b以上の暴風域、東側850`以内と西側460`以内は15b以上の強い風が吹いている。(京都新聞 夕刊)
■時速345` 国内最高 山形新幹線
 JR東日本が「山形新幹線」用車両(400系、6両編成)を使い、上越新幹線の上毛高原−浦佐間の下り線で行った速度向上試験で19日午前4時31分、時速345`を記録、今年3月に同車両が同じ区間で出した国内最高速度336`を更新した。
 試験は、同社が来年3月完成を目指して開発中の新幹線低騒音高速試験電車「STAR21」のデータ収集が目的。今回は特に、高速運転時の低騒音対策に重点を置いて8月29日から試験を繰り返していた。
 山形新幹線は来年夏に福島−山形間で開業予定。新幹線と在来線を直通運転させる「ミニ新幹線」で、同新幹線用に開発された400系車両は、従来の新幹線車両に比べ、サイズが在来線並みで軽量のため、将来の時速300`運転に備えた試験運転用に選ばれた。21日未明にも記録更新を狙って速度向上試験を行う予定。(京都新聞 夕刊)
20日■京滋の民間バス値上げ 来月から、申請通り 運輸審答申
 運輸審議会は19日、京都の民営バス5社、滋賀の同六社の運賃改定について申請通り京都で4.3−5.5%、滋賀で4.8−6.2%の値上げを認めるよう村岡運輸相に答申した。運輸省は20日付で答申通り認可し、10月1日から実施される。京滋の民営バスの運貴改定は平成元年8月以来2年ぶり。
 答申によると、京都地区で運賃が改定されるのは、京都バス、京都交通、京阪バス、西日本ジェイアールバス、丹後海陸交通の乗合バス5社。市バス、阪急バス、神姫バス、京阪宇治交通、カヤ興産の競合路線についても自動的に引き上げられる。
 運賃改定は初乗り運貸を現行より10円アップ、キロ当たりの区間制基準運賃を2円−3円10銭アップし、平均4.3−5.5%引き上げる。京都バスの京都市内特定路線の2区、京都交通の福知山市内特定路線(均一制)、京阪バスの京都市内特定路線はそれぞれ180円(現行170円)に、京都バス、京都交通、丹後海陸交通の最低運賃はいずれも140円(同130円)に、西日本ジェイアールバスの最低運貴は130円(同120円)に改定される。
 通学・通勤定期も同様に5%前後値上げされる。割引率は現行通り。
 京都の民営バス5社は7月10日に人件費の増加、輸送需要の減少による収支の悪化を理由に近畿運輸局にバス運賃の改定を申請していた。(京都新聞)
■345`出た出た新幹線
 JR東日本が山形新幹線に導入する新型車両(400系)が19日早朝、上越新幹線越後場沢−浦佐駅間の高速走行試験で、時速345`を記録、今年3月26日に同車両が記録した336`を超え、国内の鉄道最高速度を塗り替えた。世界最高記録はフランス新幹線のTGVが90年5月に達成した515.3`。
 山形新幹線の新型車両による高速走行試験は今年初めから数回行われており、今回は高速状態の時に出る騒音のデータを収集するのが目的。(朝日新聞)
■バス14社値上げ決定
 近鉄、南海など近畿4府県の乗り合いバス会社14社から申請していた運賃値上げが19日、運輸審議会で決まった。20日付で認可、10月1日から一斉に実施される。1989年8月と10月に値上げして以来約2年ぶり。平均値上げ率は最高が近鉄7.7%。
 近畿6府県のバス会社は52社で計8900台あり、今回の14社で約3割を占める。府県別の値上げ会社は次の通り。数字は平均値上げ率(%)
 【大阪】近鉄7.7▽南海4.1▽金剛自動車6.3▽水間鉄道7.1【京都】京都バス4.3▽京都交通5.1▽京阪バス4.5▽西日本ジェイアールバス5.5▽丹後海陸交通5.4【奈良】奈良交通6.6【滋賀】京阪バス5.2▽帝産湖南交通6.2▽江若交通4.8▽滋賀交通4.8▽近江鉄道5.1▽西日本ジェイアールバス5.1(朝日新聞)
■バス運賃来月値上げ 府内5社路線と他社の競合区間
 運輸審議会は19日、府内に路線のある京都バス、京都交通、京阪バス、西日本JRバス、丹後海陸交通の5社から申請が出されていた運賃改定を認める答申をまとめた。20日に認可され、10月1日から実施される。各社の改定内容と平均値上げ率、主な区間の運賃は次の通り。
 京都バス=京都市内の特定路線は1区170円が180円、その他の最低運賃は130円から140円になる。4.3%。三条京阪前−清滝240円(10円アップ)
 京都交通=福知山市内は均一170円が180円、その他の最低運賃は130円が140円になる。5.1%。亀岡駅前−湯の花400円(20円アップ)
 京阪バス=1区170円が180円に。4.5%。四条大宮−京阪六地蔵240円(10円アップ)
 西日本JRバス=最低運賃120円が130円になる。5.5%。福知山−丹波岩崎420円(20円アップ)
 丹後海陸交通=最低運賃130円が140円に。5.4%。天橋立駅前−与謝の海病院350円(20円アップ)
 京都市バスやカヤ興産、京阪宇治交通などは、今回運賃が改定される各社と競合する路線についてのみ、同時に値上げされる。(朝日新聞)
21日■均一区間外の市バス値上げ 43系統、1日から
 京都市交通局は20日、民営バスの運賃改定に伴い、均一区間外の43系統の市バス運賃を10円−40円(平均2.89%)値上げすると発表した。10月1日から実施する。
 43系統は、市周辺部を走る市バス調整路線で、値上げ後の主な運賃は▽四条河原町−醍醐車庫前220円(現行210円)▽三条京阪前−嵐山220円(同)▽京都駅前−岩倉操車場320円(300円)▽北大路バスターミナル−大原420円(380円)▽洛西バスターミナル−桂駅西口210円(200円)▽三条京阪−高雄460円(420円)などとなる。小児運賃は半額。10月1日以降発売の定期券も新運賃額が適用される。
 市交通局は今回の値上げによって、7600万円(10月−平成4年3月)の増収を見込んでいる。値上げ対象路線は次の通り。
 5、特5、8、11、19、特19、21、22、28、29、31、33、35、65、69、特69、73、75、80、特80、81、特81、91、92、93、北3、特北3、北4、北5、北6、臨北6、東1、東2、特東2、東3、東4、特東4、東5、東6、東8、東9、東10、特東10、西1、西2、臨西2、西3、特西3、西5、特西5、南1、特南1、南2、臨南2、特南2、南3、特南3、南4、南6、南7(京都新聞)
■均一区間以外を来月から値上げ 京都市バス運賃
 運輸省は20日、京都市交通局が申請していた市周辺部の市バス運賃値上げを認可した。競合する民間バス5社の路線については、運輸審議会が19日に値上げを認める答申を出しており、同省はこの日同時に認可した。いずれも10月1日から実施される。市バスで値上げされるのは、180円の均一区間を除く計43路線。均一区間分を除いた平均値上げ率は2.89%。値上げに伴い、新たに220円券11枚つづりの共通乗車券(2200円)を発売する。
 主な区間の新運賃は次の通り。カッコ内は現行運賃。
 四条河原町−醍醐車庫前、三条京阪前−嵐山220円(210円)▽京都駅前−岩倉操車場320円(300円)▽北大路バスターミナル−大原420円(380円)▽洛西バスターミナル−桂駅西口210円(200円)▽三条京阪−高尾460円(420円)(朝日新聞)
■京都の景観考えよう
 JR京都駅の高層化などで揺れる京都の景観問題を考える研究フォーラム「いま、都市計画を問う−京都問題を中心にして」が28日午後2時から、京都市中京区の市社会教育総合センターで開かれる。
 開催を呼びかけているのは、弁護士の五十嵐敬喜氏、甲斐道太郎・龍谷大教授ら9人と都市計画の専門家である大西国太郎・京都芸術短大教授ら14人。
 フォーラムは「話題提供」として、都市計画が専門の三村浩史・京都大教授と川上秀光・東京大名誉教授の2人が講演したあと、磯部力・東京都立大教授が行政法の専門家として「都市計画・京都ルールの可能性と法的意味」を話す。無料。(朝日新聞)
22日■窓 長浜直通便に湖北発展願う 東山区・杉田禎子(主婦・63)
 長浜にいる友人の便りで、京阪神との直通電車実施を知ったのは、8月の初めであったが、飛び上がってやった!!と言いたいほどの大きな喜びであった。その後、すぐに本紙の社説で「あと1ヵ月、長浜が近くなる」の見出しで掲載されて、くわしい内容を興味深く読んだのである。
 結婚して京都に住むことになり、田舎へ行くたびに、目的地の目の前に来ているのに、乗り換えなければならず、特に急用で走って行きたいようなときは、ほんまに不便やなあ−、なんとかならへんのやろかと何度思ったことか。
 今日は、また1ページの広い紙面に「湖北路に新時代」の大きな見出しを目にして、もう読む前から胸がどきどきしてしまう。長浜発着の新快速ダイヤをくい入るように見る。うれしくて、うれしくて、何はともあれ直通の味を実体験しなければと思う。地元の喜びが伝わってくるようだ。
 私の大切な長浜が、そして盆梅展が、長浜まつりが、ぐ−んと近くなったそんな感じがする。初陳情から10年越しの悲願達成とのことであるが、かかわってこられた多くの人たちに感謝と、これを機にふるさと長浜と、私にとってもなじみ深い湖北全体のよりよき飛躍を心から願うものである。(京都新聞)
■走れニュートレイン〈24〉あそBOY JR九州 SLの名機ハチロク
 各地でSLの復活運転が盛んに行われ、SLファンをはじめ大勢の観光客が訪れている。JR九州では昭和63年8月から阿蘇山のふもとを走る豊肥線の熊本−宮地間で8620型蒸気機関車の復活運転を始めた。
 8820型は”ハチロク”の愛称で親しまれている大正時代の旅客専用SLの名機で、「あそBOY」に使われているハチロクは大正11年製。現役のJR保存SLでは最古参の機関車だ。
 ハチロクが引く客車は、ウェスタン調の西部劇の鉄道をほうふつさせるハイカラな客車で、運行スタッフ、車内乗務員もウェスタンスタイルでサービスに努めている。「あそBOY」は遊び感覚たっぷりの乗って面白い列車だ。
 途中阿蘇外輪山に挑むSLは迫力満点である。特に外輪山のふもとの立野駅からは33パーミル(1000bの間に33bの高低差)の急こう配がある。それも3段スイッチバックというスケールの大きいこう配が続くため、ハチロクは今にも止まりそうな速度で、レールを踏み締めながらスイッチバックを繰り返す。沿線にはカメラを構えるSLファンの姿も多い。
 車内からも老SLの息遣いが聞こえてくる。窓から入ってくるSLの煙も懐かしさでいっばいだ。
 外輪山を越えたハチロクは、今度は雄大な阿蘇の大カルデラを走る。外輪山の峰々と噴煙を上げる阿蘇中岳を見ながら、日本離れした風景にウェスタン列車の味わいが漂う。途中阿蘇駅では6分間停車。
 ホームに降りてハチロクと記念写真を撮る客でにぎやかだ。そして息を整えたハチロクは終着宮地を目指す。(鉄道写真家・南 正時)
 〈メモ〉観光シーズンの運転なので時刻表で運転日を確認。熊本−宮地間の所要時間は約2時間20分。乗車券のほかに座席指定料800円。(京都新聞)
■「花博の駅」がやって来た
 大阪鶴見緑地で去年開かれた花の万博で、JR西日本が出展した「山の駅」が兵庫県相原町のJR福知山線柏原駅に移築され、21日、完成式をした。本物の駅舎として11ヵ月ぶりによみがえり、鉄道ファンら約1200人が完成を祝った。
 山の駅はイギリスの童話作家のさし絵に基づいてデザインされた建物。木造一部二階建て延べ約560平方b。中央部に高さ15.4bの六角形の塔屋がついている。1階は駅のほか観光案内所や物産センター、2階は多目的ホール。事業費は約2億5500万円。
 開業セレモニーとして、 C56蒸気機関車が23日まで福知山−谷川間を1日1往復、営業運転する。(朝日新聞)
23日■TGV 2億人運んだ
 【パリ22日=共同】フランス国鉄の高速新幹線(TGV)が22日、最初の路線であるパリ−リヨン間(417`)開通から丸10年を迎えた。昨年5月には時速515.3`と高速の世界記録を更新、この間、大きな事故もなく10年間に運んだ乗客数は2億500万人に達した。(朝日新聞)
24日■信楽事故補償の支援策 県、町が貸し付け 稲葉知事表明
 42人死亡、重軽傷者614人の大惨事となった信楽高原鉄道列車衝突事故の補償問題で、滋賀県の稲葉稔知事は同鉄道(社長=杉森一夫・信楽町長、資本金2億円)の被災者補償への支援策として、県と信楽町が一般財源から補償費用をねん出し、無利子で貸し付けていくことを24日開会した9月定例県議会で明らかにした。また、この貸付金償還のため、県と甲賀郡7町が起債による資金を同じく無利子貸し付けして基金をつくりその運用益で返済していくとしている。
 支援策は第三セクター鉄道で補償能力のない同鉄道に「補償支払い」のための貸し付けと、この貸付金返済を目的とする「基金造成」のための貸し付けの2本立てからなっている。
 補償費用は県と信楽町が被災者個々への支払いのつど一般財源から用立てる。貸し付け条件は「無利子、期間10−15年、一括償還」で、県では同町の財政力を勘案したうえ双方の負担割合を決める。基金づくりは補償のための貸付金の償還が目的で、県と同鉄道に共同出資している郡内7町が地方債を起こしこれを別途貸し付けて「経営安定基金」をつくり、運用益を補償貸付金の返済に充当する。元金は期間終了後、一括償還する。(京都新聞 夕刊)
■ひまわり号、湖西路を走る 障害者ら、ゆったり旅気分
 障害者のための特別列車「ひまわり号」が23日、ひまわり号を走らせる京都実行委(竹下義樹委員長)主催、京都新聞社会福祉事業団後援で仕立てられ、JR湖西線の京都−近江高島間を運行。乗り込んだ人たちが湖西路の秋を楽しんだ。
 京都での「ひまわり号」は58年から毎年、走らせ今年が9回目。
 午前9時2分、京都駅発のひまわり号には、京都市内の車いすの障害者ら約74人とその家族、ボランティアら合わせて200人が乗車。専用列車でゆったりと旅の気分を味わった。
 1時間足らずで近江高島駅に着いた一行は、バスで安曇川町の京都新聞ふれあいハウスヘ。秋晴れのもと、白砂青松の琵琶湖岸でビーフシチューなどの昼食をとった後、ゲームや歌で交流の輪を広げた。(京都新聞 夕刊)
25日■鉄道事故出しません 山科の安朱鉄道子供会 山科駅でポスター展
 「駅のある僕らの町から鉄道事故は出さない」−。山科区の安朱小児童らでつくる安朱鉄道子供会(吉村美和子会長)が、JR山科駅構内に鉄道妨害防止運動(21日−30日)に合わせ、手作りの啓発ポスターを掲示している。
 同運動期間中に行っている恒例行事。ことしは5、6年生が描いたポスター120点が期間中に、半数ずつ張り替えられる。
 構内の通路には「置き石あぶない!」「やめよう飛び出し」「白線の内側で待とう」など、標語入りの電車をあしらったポスターがずらり並び、急ぎ足の乗降客らも足を止めて見入っている。(京都新聞)
■局部的たわみが原因 広島の橋げた事故 H形鋼変形、崩れる
 今年3月、死傷者23人を出した広島市の新交通システムの橋げた落下事故の直接的原因は、ジャッキにより支えられていた鋼鉄製橋げたの底面に局部的なたわみが発生してバランスが崩れ、ジャッキを載せたH 形鋼が変形し崩れたためだったことが、24日までの労働省調査団(団長・能町純男日大教授)の調べで分かった。
 調査団は今月末にも報告書を作成、労働省側はこの内容を受け、労働安全衛生法違反の疑いで、請負業者のサクラダ(本社千葉市)と同社の現場責任者(47)を書類送検する方針。
 同事故の原因が特定されたのは初めて。調査結果は同種の工事の安全対策だけでなく、広島県警の捜査にも影響を与えそうだ。
 調査団は、ジャッキを載せたH形鋼が安定度の低い並列積みとなっていた西側橋脚上南側に原因があったとみて、同省産業安全研究所の大型設備「万能試験機」で橋げたの模型なども使用して、事故状況を再現する実験を繰り返してきた。
 その結果、H形鋼とジャッキだけで40d近くの耐荷力があったものの、ジャッキ上に橋げたの模型を載せ、力を加えると、わずか10dほどの荷重で橋げた底面にたわみが生じた。たわみに沿ってジャッキの頭部が動き、ジャッキは北側方向にはじき飛ばされることが判明した。西側橋脚南側には、橋げたの総重量約60dのうち十数dがかかっていた。
 同時にその衝撃が橋げたの中央と東側の部分にも波及し橋げた全体のバランスが崩壊し落下したことを確認。現場に残された橋げたの西側底面で見つかった擦り傷やくぼみなどとの整合性も得られたという。(京都新聞)
■阪急烏丸駅で焼身図る 乗降客の目前 中年男性が重体
 24日午後9時50分ごろ、京都市下京区の阪急電鉄「烏丸駅」西改札口の券売機近くで、男性が突然持っていたガソリンのようなものをかぶり、ライターで火を付けた。駅員が消火器で消し止めたが、男性は全身にやけどを負い、意識不明の重体。
 五条署の調べによると、焼身を図ったのは西京区内に住む無職の51歳の男性。家族の話では、最近、精神状態が不安定で、24日に家出捜索願が出されていた。自殺を図ったとき、この男性は4リットルのガソリン缶2つを持っており、うち1つが空になっていた。
 駅員の話によると、ガソリンのようなにおいがするので駆けつげると、男性がガソリンを頭からかぶり、周囲の床にもまいていた。制止しようとして男性の持っていたライターをいったんたたき落としたが、男は拾って手に持っていた上着に火を付け、全身が火に包まれた、という。
 現場は、同駅改札口から西約20b、市営地下鉄「四条駅」との連絡路が続いている。当時、かなりの通行人がおり、消火栓のホースで消火活動に加わるなどした。煙が立ちこめたが、市営地下鉄の駅員が連絡路の防火シャッターを閉め、南口の利用を放送で呼び掛けたため、大きな混乱はなかった。(京都新聞)
■文化 時代精神のゆがみ 高知学芸高校の修学旅行事故その後 少女の喪の心と大人の打算 野田正彰
 高知学芸高校の修業旅行団が被災した上海市郊外列車事故から、すでに3年半がすぎる。
 私は近年、いくつかの大事故後の遺族の「喪の作業」に付き合ってきた。喪の作業とは、かけがえのない人の突然の死にショックを受け何かの間違い」と否定し、激しく怒り、自分を責め、長い抑うつ状態を経て、愛する人の死を意味付け、新たな社会関係をつくり出していく心の仕事である。
 事故ごとに遺族は喪の作業をどのように行い、加害側関係者はそれにいかに付き合い、社会は両者の関係の何を問題にしてきたのか。今日の「喪の文化」の全体を追ってきた。そんな月日のなかで、上海列車事故後の喪の文化はゆがんだ事例として気にかかっている。
 2年半前、5組の遺族によって訴訟がおこされ、学校側の旅行計画のずさんだったことなどが証言されているが、裁判を通してしか遺族が無念の思いを伝えることができないのは、事故の不幸の上に事故後の不幸をさらに負荷するものと言える。遺族と学校側との感情がどれほど擦れ違っているか、2つのエピソードを通して考えてみよう。
 宮地美佳さんは、2人姉妹の姉を列車事故で失った。姉が逝った3月、妹は同じ学芸中学校の入試に合格している。事故後の9月末から1年半、姉が同校を卒業するはずだった日まで、少女は姉の教室机にお弁当を届け続けたのだった。登校するとすぐ、母に作ってもらったお弁当を姉の机に置きに行き、昼休みには取りにいって、そのお弁当を食べる生活を続ける。
 中学校の校舎と高校の校舎は離れている。往き帰り8分ほどかかってお弁当を取ってくる中学生を、クラスの友人たちは食事を遅らして待っていた。
 実は亡くなった生徒たちの机も、同級生と遺族が取り返したものだった。新学年になって数日後、犠牲者たちの机は積み重ねられ片付けられていた。同級生や遺族がそれに折議すると、先生は「部屋が狭くなる」、「いつまでも生徒に悲しみを味わわせたくない」、「気が散って勉強に集中できなくなる」と答え、「お母さん、そんなことして何の意味がありますか」とまで言った。
 遺族は新聞に投書し、やっと机を取り戻す。こうして美佳さんを中心に生徒たちにとって、毎週末に机はふかれ、花瓶の水は替冬えられていった。
 そんな彼女は教室に置かれたノートにこう書いている。「お花もあるし、安心しました」と生徒への感謝を書いた後「当たり前が一番難しいことです。学校の先生方も、24日には手を合わせ、皆のことを思い出すのが当たり前。過ちを犯したら、謝るのも当たり前です」と続けている。
 他方、上海旅行の引率教諭は「娘の命日と彼山、盆にはお参りしてほしい」と頼む姉妹の母親に「気持ちがないのにお参りはしない」と答えている。つまり、これまで死者の墓参をしなかったのは、その気持ちがなかったというのだ。
 信じ難い会話であるが、この先生はしつよう「死んでいてよかった。もし身体障害になっていて結婚できないと、より困ったであろう」と母親に畳みかけている。
 人の悲しみを聴き取るという、文化を成り立たせている基本的能力を奪うものは何であろうか。少女に喪の心があって、引率の先生に打算の人生観しかないのは何故だろうか。今日、葬儀産業も他の産業と同じ経済成長を遂げようとしている。それと同時に、遺族の悲哀に共感する心が硬直していっていないか。喪の文化のありさまは、時代精神のゆがみをよく伝えている。(京都造形芸術大教授、文化精神医学)
 のだ・まさあき氏 昭和19年高知県生まれ。北海道大医学部卒。神戸市外国語大教授などを経て現職。著書に「狂気の起源をもとめて」など(京都新聞)
■男山ケーブル 20%値上げへ 京阪か7年半ぶり
 京阪電鉄は25日、八幡市の男山ケーブル線の運賃改定を近畿運輸局長に申請した。普通運賃、定期運賃(通勤、通学)とも20%の値上げ率になっている。
 同線は八幡市駅−男山山上駅間0.4`で、乗降数が年々、減少の一途をたどり、累積赤字が激しいため、7年半ぶりに値上げすることにした。普通運賃150円を180円、通勤定期(1ヵ月)2700円を3240円、通学定期(同)1800円を2160円にそれぞれ改定を予定している。(京都新聞 夕刊)
■重体の男性、身元判明 烏丸駅で自殺図る
 京都市下京区の阪急烏丸駅構内で24日夜、焼身自殺を図り重体となった男性は25日未明、同市西京区、無職Aさん(51)と判明した。24日に家人から京都府警に捜索願が出されていた。五条署では動機などを調べている。(朝日新聞 夕刊)
■人それぞれに 能登路へようこそ 京阪神から直通電車JR七尾線乗り入れ
 能登半島を走るJR七尾線の一部が今月から電化された。京阪神から直通で特急電車が乗り入れている。大阪から和倉温泉までは最短3時間39分と、40分ほど短縮さされた。(七尾通信局・酒井俊治、社会部・後藤俊明)
・故郷の電化を支えた元SLマン
 かつてSLの機関助士だった能登半島出身の鉄道マンが、ふるさとを走る七尾線の電化を支えた裏方の一人だった。
 JR西日本の電気工事課主任技師・松浦久穂さん(52)は、七尾からさらに4駅奥の能登中島駅近くの生まれ。親は教師だったが、駅長だった伯父にあこがれ旧国鉄に。機関助士時代を経て鉄道学園で電気技術を学んだ。
 金沢鉄道管理局電力課に配属された昭和40年代ごろ、七尾線電化にはどこに変電所を設けるべきか、など机上プラン作りに携わった。故郷に電車が走ると思うたけで胸に熱い血が流れたが、当時は構想の域を出なかった。
 民営化後、JR金沢支社電力課長に。20年前机にしまわれた計画が日の目を見た。和倉温泉から南半分だけだったが、電化が決まり去年春着工。
 しかし、わずか60`の間に、難所は幾つもあった。電化とは当然電線を架けることだが、天井川をくぐるトンネルは上に削れない。途中12の駅にあるホームをまたぐ跨(こ)線橋は低過ぎた。
 しかも工費節約が最優先。結局トンネル部分は地盤を掘り下げ、跨線橋部分は後に特許申請した新架線方式を考案して難関をくぐり抜けた。
 変電所5ヵ所、電柱1500本、これを工期1年2ヵ月という急ピッチでこなした。今月1日、大阪からの直通特急電車を歓迎する和倉温泉駅の式典で興奮にわき立つ町民に囲まれ松浦さんは「感無量です」と話した。
・雄大な自然新鮮な魚… 観光関係者の熱い期待
 日本海に突き出た能登半島のほぼ中央、奥能登の玄関口にある和倉温泉に特急電車「スーパー雷鳥」が乗り入れ、能登は関西にとってぐっと身近な観光地となった。和倉温泉では「地域活性化の起爆剤」と観光客増に期待をかける。
 「新幹線が走ったような感動です。都会からの観光客に能登の魅力をたっぷり味わってもらえます」と喜ぶのは老舗(しにせ)旅館「加賀屋」の女将(おかみ)、小田真弓さん(52)。
 1962年、東京から嫁いで来た。当時は道路も舗装されてないデコボコ道。「過疎地で、都会から観光に来る人なんてほとんどいない時代でした。それが、こんなに都会に近くなるなんて」
 毎朝夕、玄関でお客を送り迎え、客室のあいさつを欠かさない。新婚旅行に来たカップルが、銀婚式でまた来てくれたり、団体客が今度は家族連れで、といったケースもよくあるそうだ。
 「能登へ来てよかったという礼状をもらった時はうれしいですね。雄大な自然との出合いや新鮮な日本海の魚介類が都会の人に魅力的なんでしょうね」
 和倉温泉への昨年1年間の観光客は164万人。うち、3、40%が関西、中部からのお客。特急乗り入れで9月の予約客は昨年より1割ほど増えているという。
 とくに期待しているのは冬場。一昨年から雪の花火大会など趣向を凝らし、観光客誘致に努めている。「能登路の冬景色はまた格別。カニ、甘エビ、寒ブリ、タラなど冬場が魚介類が一番おいしい」
・人気のパンフ 在庫なくなる JR旅行センター
 「いやあ、能登観光のパンフが人気で、在庫がなくなりました」とJR大阪駅内にある旅行センター「Tis大阪」所長幸泉勝さん(53)は七尾線直通の反響に驚く。事実、9月の和倉方面への客は今年前半の倍のペース。
 これまで和倉温泉への観光は関西からはバスが主流だった。鉄道だと、必ず金沢乗り換えとなり、特にお年寄りグループに敬遠されがちだった。それがスピードアップしたうえ、乗り換えなしで駅を出るとすぐ温泉、という立地が乗客倍増につながった、という。
 14日からは、能登半島乗り放題で4日間周遊できる割安の「能登路観光きっぷ」(大阪から1万3000円)も発売され売れ行き好調。年間売り上げでも倍増目指し張り切っている。(朝日新聞 夕刊)
26日■窓 京都70年の乗り物マナー 北区 岩井伸子(司書・72)
 今年9月24日は、私たち一家が京都へ来てから満70周年になる。その時は、京都も小さく、上京、下京、左京だけで、京都市のお祭りであった時代祭(雨天順延)は、京都市役所と平安神宮で花火が上がると行列が始まり、全小学校はお休みになった。
 私たちが京都駅へ着いた日の夕は台風で、市電も人力車も止まっていた。翌日から乗った市電は、車両は小さかったが、車掌さんがいて車内整理をし、何くれとなく乗客の世話をした。込み合えば「もう少しお詰め合わせを」とか、「小さな子たちはおひざの上に」とか、2人の幼児を連れた私の母など、荷物を持って座らせてくれたりした。私たちは、窓からの景色の移り変わりを楽しんだ。
 今は市も11区に成長し、市民も大人になったので、車掌もそんな世話はやかない。しかし席のゆずり方など、まだ少しぎくしゃくしているようだ。弱者のための「優先席」は「専用」ではないから、空いていればだれでも使える。老人などは、横で恨めしそうに立たずに「すみません」とか、一言すればいい。(気がつかないこともある)。また元気な人は「おじいさん、どうぞ」などとわざわざ言わずに、黙ってさりげなく席を立てばいい。「おおきに」を期待すると、功徳が消えるというもの。お互いスマートにやりましょう。(京都新聞)
■阪神電車信号故障 通勤の足乱れる
 26日午前6時ごろ、尼崎市水明町の阪神電車尼崎センタープール前駅の下り線出発信号機が赤のまま変わらず、発車しようとした高速神戸行き普通電車(4両編成)が出発できなくなった。同駅に入るための場内信号機も故障しており、阪神は信号が復帰するまで約1時間、手信号に切り替えて運行した。この影響で、阪神の特急、急行のほか相互乗り入れしている山陽電車、接続している阪急電車にも遅れが波及し、計81本が最高15分遅れ、乗客4万9000人の足が乱れた。
 阪神電鉄によると、同駅にある下り信号所内のヒューズが切れており、原因を調査している。同駅は7月末に下り線を高架化した際、信号所も移転新築したばかりだった。(朝日新聞 夕刊)
27日■20日に説明会開催、と回答 信楽事故で2社
 JR西日本と信楽高原鉄道は27日、先に同鉄道列車事故の「犠牲者遺族の会」(宮内康浩事務局長、21遺族)弁護団から申し入れのあった説明会について、10月20日午後2時から4時まで大阪市北区のサンケイビル会議室で開きたい、と回答した。
 両社の説明によると、JR西日本が3人、信楽高原鉄道が4人の弁護士をそれぞれ選任。この7人の弁護士で、両社の弁護団(団長・高沢嘉昭弁護士)をこのほど結成、事故補償など遺族の会との交渉は両社共同で対応する、としている。
 「犠牲者遺族の会」の弁護団(事務局長・秋田真志弁護士、10人)は今月14日、事故原因の真相解明のため、高原鉄道に対しては同28日、JR西日本には10月10日に役員らが同席した説明会をそれぞれ個別に開くよう申し入れていた。
 両社の回答に対し、秋田弁護士は「28日に遺族の会の世話役と弁護団が共同会合を持ち、正式な対応を決めるが、基本的には受ける意向。役員クラスの同席と、こちらの質問に対しJR、高原鉄道両社がそれぞれ責任ある回答するよう求めていく」と話している。(京都新聞 夕刊)
■JRと信楽鉄道側 合同で弁護団結成
 42人の死者を出した滋賀県の信楽高原鉄道事故で、JR西日本と信楽高原鉄道は27日、合同の会社側弁護団(高沢嘉昭団長ら7弁護士)を結成、遺族から申し入れのあった説明会を10月20日に大阪市北区梅田二丁目のサンケイビルで開くと遺族側弁護団に回答した。遺族側は両鉄道会社の役員の出席を求めているが、会社側はだれが出席するかは未定としている。
 会社側弁護団は、JR西日本が3弁護士、高原鉄道が4弁護士をそれぞれ選任し、共同して対応する。21遺族で作る「JR西日本・信楽高原鉄道列車衝突事故犠牲者遺侯の会」と遺族側弁護団は今月14日、鉄道2社に対し、事故の真相解明や安全対策などを明確にするため、役員が出席して、説明会を9月28日と10月10日に個別に開くよう申し入れていた。(朝日新聞 夕刊)
28日■国際会館までに2駅 地下鉄北進計画 京都市 本年度中に事業免許
 京都市は、地下鉄国際会館線計画で烏丸線北山駅−国立京都国際会館間に2駅を設ける考えを27日開かれた市会事業決算特別委員会で明らかにした。
 北山駅以北の延伸計画について、小島泰男市交通局高速鉄道本部長は「北山駅からいったん東へ進んだあと国際会館の方向へ北へたどるルートを考えており、総延長は2.6`の見込み」と説明。さらに「この区間の国際会館に隣接する道路に面した2ヵ所に駅を検討している」と述べた。
 国際会館線計画は昨年10月、田辺朋之市長が早期建設の意向を明らかにしたが、中間駅の設置数が明らかになったのは初めて。
 また本年度内に同延伸区間の事業免許を取得できる見通しを明らかにするとともに、来年度は工事施行認可を受け、都市計画決定を行ったうえで用地買収に着手したい、との当面の事業目標を説明した。
 国際会館線は、昨年10月に北山駅まで延伸した烏丸線と結び、JR京都駅と同会館を直結することで京都のコンベンション機能を強めるのが狙い。国の運輸政策審議会でも「2005年(平成17年)までに整備することが適当な路線」と位置づけている。(京都新聞)
■新幹線復旧の訓練 JR東海が4日に
 JR東海は27日、さまざまなトラブルを想定した東海道新幹線の総合復旧訓練を来月4日に実施する、と発表した。
 復旧訓練は静岡県駿東郡長泉町の三島車両所で行い、同社の職員約600人が参加する予定。
 当日は同車両所構内に事故対策本部を設け、乗客の救出訓練や脱線車両の復旧作業、破損したレールの応急処置などを丸1日かけてトレーニングする。(京都新聞)
■リフトバス 年内運行の方針 京都市会 市側が答弁 レトロバス物販も
 京都市会の事業決算特別委員会が27日開かれ、市バス、地下鉄の1990年度(平成2年度)事業決算をめぐり審議した。この中で市理事者は、市バスへのリフト(昇降機)付きバスの運行計画について、年内に洛西地域で運行をスタートさせる考えを示した。
 リフト付きバスは本年度当初予算に試作車導入費約5000万円計上。現在、大阪、神戸両市と共同開発・製造を進めている。市理事者は答弁で「障害者団体などの協力も得て、洛西方面で運行したい」と述べるとともに、試作車は年内に完成見込みで、到着しだい運行を始める方針。
 リフト付きバスは当面2台を予定しており、国内では初運行となる。
 また市バスへの乗客呼び戻しを狙い11月下旬から運行を予定している「レトロ調バス」について、市理事者は「車内で物品販売を行いたい」と京の名産品などを販売する考えを明らかにした。バス車内での物販は初めて。また「外観だけでなく、内装や採光などにも工夫し、京都の良さをアピールするものにしたい」と答えた。(京都新聞)
■台風19号九州直撃 風速50b吹き荒れる 生活機能も大混乱 京都北部滋賀 交通マヒ、停電
 割れたビルの窓から飛び散る書類。垂れ下がり火花を散らす電線−。九州を直撃した大型で非常に強い台風19号は、風速50b以上の記録的な強風で、多数の死傷者や多くの建物が倒壊するなど自然の猛威を見せつけた。九州全域の交通網はマヒ状態となり、臨時休校や休業、停電も相次ぎ日常生活は大混乱に陥った。京滋地方でも、同日夜から鉄道を中心に交通が混乱した。JRの東海道、山陰、湖西などの各線で、運転を見合わせる区間が相次ぎ、幹線道路では全線通行止めとなる所も出た。また、突風による送電線への影響で府北部28ヵ所で約1万8000戸が停電したのを始め、京都市内で約1400戸、滋賀県でも800戸が停電し、混乱に追い打ちをかけた。
 佐賀市栄町の佐賀市役所では、午後4時20分ごろ「バーン」という音とともに玄関横の壁面ガラスが高さ9b、幅4bにわたって砕け散った。割れた瞬間、1階ロビーの奥40bまでガラス片が飛び散り、必死で書類を押さえていた職員も耳鳴りがするほどの強風だったという。
 鹿児島県内でも午後5時には、全世帯の約30%に当たる約24万4000戸が停電。
 熊本市内ではあちこちで強風により電線がちぎれ、停電が続出。電線が接触する度に真っ赤な火花を散らし逃げまどう人の姿も。停電戸数も九州全域で過去最高に上り、福岡市中央区の九州電力本店では殺到する問い合わせ電話の応対に追われた。
・駅員対応に大わらわ JR京都駅
 JR京都駅では、事前にニュースで知ったのか、長距離旅行者の姿は少なかったが、東海道、山陽線が全面ストップした27日午後9時すぎから勤め帰りの会社員らの姿が増え始め、午後10時ごろには東海道線の上りホームに2、300人の客があふれた。
 京都駅では、構内放送や張り紙のほか、手のすいた職員が各改札口に出て乗客にほかの交通機関などへの乗り換えを呼びかけた。ホームに止まったまま、いつ動くか分からない電車にイライラした通勤客が駅員に詰め寄る光景も見られた。
 中央コンコースわきの待合室では、山形県新庄市から京都へ修学旅行に来て、同夜の夜行列車で帰る予定だった洋裁専門学校の学生10人が、途方に暮れた様子で引率者と対応を話し合っていた。
・JRの在来線 運転中止続出
 JR各線は強い風の影響で27日夜、近畿地方でも運転を中止する区間が続出した。
 新幹線を除く在来線のうち、東海道線は、午後9時15分から米原−上郡(兵庫)間の全線で運転を見合わせ、湖西線の安曇川−近江今津聞、山陰線の園部−福知山間、福知山線の篠山口−福知山間でも、同9時過ぎから運転を見合わせるなど、京滋のほぼ全域で寸断状態となった。
 東海道線の米原−大阪間は、上りが27日午後10時前、下りは同11時50分から運転を再開した。
・伏見などでも停電
 京都市内でも27日午後11時過ぎから強風が吹き出し、京都地方気象台は28日午前零時21分、最大瞬間風速23.2bを観測。深夜から未明にかけ、伏見区深草で電柱が倒れ約800戸、左京区松ケ崎でも約600戸が停電するなど、各地で停電するところが出た。(京都新聞)
■ハンブルク←→ベルリン リニアカーで結ぶ 最高時速300キロ ドイツが構想
 【ハンブルク27日時事】リーゼンフーバー・ドイツ研究技術相は27日、ハンブルク−ベルリンないしベルリン−ドレスデン(旧東独)をリニアモーターカーで結ぶ構想を明らかにした。実現の公算はハンブルク−ベルリン路線の方が大きく、2004年までには260`離れた両都市を航空機と同じ約1時間で結ぶことができそうだ。
 同相によると、同路線では年間1535万人の乗客が見込まれる。総投資額は74億マルク(約5900億円)で、1996年ごろに着工、6−8年かけて完成する。最高時速は300`だが、リニアカーでは騒音が少ないため、同相は環境保護の面で優れていると述べた。ドイツ政府はリニアカーの開発にこれまで15億マルクを投じている。
 同相はまた、政府・連邦議会(下院)がベルリンに移転することを考慮してボン−ベルリンをリニアカーで結ぶことも検討していると述べた。(京都新聞)
■台風19号 関西の交通寸断 新幹線 列車ホテルに1万人
 台風19号の影響による強風で、東海道・山陽新幹線は27日午後から山口、広島、兵庫各県内で風速30bを記録したため、広島−博多間などで次々と不通になり、夜には新大阪−博多が全部取りやめるなど、上下82本が運休、約10万人の足が乱れた。在来線でも京阪神を結ぶ東海道・山陽線が午後9時過ぎから全面ストップになったのをはじめ、中国、四国のほか、大阪、兵庫、京都、滋賀各府県のJR線が各地で不通になった。私鉄では近鉄南大阪線が強風で工事中の家屋が倒れ電車の架線を切断し不通になり、阪急や阪神、京阪も徐行運転、近畿北部の交通は寸断された。
 JR西日本と東海は同日深夜、足を奪われた新幹線客に、新大阪、岡山、広島、小倉、博多の5駅でひかり号やこだま号計10本を提供し、約1万人が列車ホテルで一夜を過ごした。
 JR在来線は午後7時ごろから、広島県内で全線ストップ。午後8時53分に岡山県全域で、午後9時15分には東海道・山陽線の米原−上郡が全線で運転を取りやめた。このほか近畿では午後9時前後から山陰、播但、湖西、北陸、福知山、舞鶴各線で全部か一部が運休した。
 私鉄では、近鉄南大阪線河内天美駅付近で架線が切れ全線ストップ。山陽電鉄と神戸電鉄は午後10時から全線ストップ。阪急、京阪、阪神は午後10時過ぎから強風のため各地で徐行し、ダイヤが最終まで乱れた。
 中国自動車道経由で大阪から九州方面へ行く西日本ジェイアールバスや阪急、近鉄の夜行高速バスも全部運休した。
 強風で電線が切れたりするなどして、停電の被害も兵庫県を中心に近畿地方全域に広がった。関西電力の対策本部によると、27日午後11時半現在、近畿2府4県で合計20万戸で、10分程度から数時間停電したという。また、中国電力によると、広島を中心に中国五県でも停電は153万戸(午後10時現在)にのぼった。(朝日新聞)
■新幹線 譲渡契約を締結 保有機構からJR3社へ 総額21兆1600億円
 新幹線鉄道保有機構は27日、JR東日本、JR東海、JR西日本の3社との間で、東北、上越、東海、山陽の4新幹線の設備を総額9兆1767億円で売却する契約を締結した。この譲渡代金は3社が今後、25年半と60年の2つの期間に分けて支払うが、利息分も含む総支払額は21兆1600億円という巨額な金額になる。売却代金は旧国鉄債務の返済や整備新幹線の建設費に充てられる。運輸省は「9兆円の設備売却は世界でも最大規模」と説明している。
 3社の負担割合は東日本が33.9%(昨年12月時点は33.7%)、東海が55.5%(同55.7%)、西日本が10.6%(昨年12月と同じ)。各新幹線の沿線の地価上昇の違いによって微調整された。金利を含む総支払額は東日本が7兆1600億円、東海が11兆7500億円、西日本が2兆2500億円となる。
・JR西日本は100億円負担増
 新幹線鉄道保有機構との譲渡契約に伴い、山陽新幹線を9741億円で買い取ることになったJR西日本は、試算によれは、毎年の借金返済額などで負担が年約100億円増える。同社の利益幅が圧縮されることにより、株式上場や運賃値上げの時期の議論にも影響しそうだ。(朝日新聞)
■科学 実用化へ着々 常電導HSSTリニア 営業用時速100`達成 JR方式より先か
 「実用化へ着々」−。磁気の力で浮上し、音もなく走るリニアモーターカー。山梨県で実験線の工事が始まった超電導のJR方式に対し、もう一つの常電導HSST(高速地上輸送)方式リニアモーターカーは、一足先の実用化に向けて順調な歩みを進めている。今春には名古屋市内に実験線を設置、既に速度向上試験を終え、営業用の時速100`の本試験段階に入っている。21世紀の短、中距離輸送の切り札、HSSTリニアを紹介する。
・荷重試験など予定
 実験線は、両端が高架線で全長は1.5`。名古屋港に近い工場地帯を縫うように延びている。
 最初に気付くのは幅30aほどの鉄板がレールのように並んでいるだけの簡単な軌道。推進用のリニアモーターが車両に付いているため軌道は並行した2本の鉄板が敷いてあればOK。
 2両編成、赤白ツートンカラーの実験車両がやってきた。モノレールのように軌道を両わきから抱え込むスタイル。浮上しているようには見えないが、ほとんど音もなく、風のように通り過ぎた。実際に試乗した感じも氷の上を滑っているようだった。
 本格的な実験走行を始めて3ヵ月。徐々に速度を上げ、現在は時速100`。軌道は急こう配、カーブ、分岐など実用化に向けて必要となるさまざまな条件を備えている。今後、1年半、満員並みの荷重試験や耐久試験、異常時の安全性確保試験などを実施する予定。
・吸引力で”浮上”
 超電導という最先端技術を利用するJR方式が、10a浮上、時速500`という高速、長距離輪送を目指しているのに対し、通常の電磁石を用いるHSST方式は、1a浮上、時速100−300`で都市近郊輸送向き。
 磁気浮上は、磁気の反発で浮くと思うのが普通だが、HSST方式は、実は「吸引」で浮く。レールを抱え込んだ車体下部の電磁石が下側からレールにくっ付こうと接近する。その結果、車体全体が持ち上がり、レールの上面と車体間にすき間ができ「浮く」仕組みだ。
 電磁石とレールが完全に接触してしまわないように、その間の距離を1秒間に4000回センサーがチェック、電磁石の強さを調節して浮上を続ける。レールを抱え込んでいるため、地震などによる脱線の心配はない。
 HSST方式の強みは、何よりも既存技術の結集でできることと、新幹線の半値以下とされる価格の安さ。高架線として道路上部に建設することも可能だ。
 一方、車両側にモーターや電磁石があるため、地上から電源を引く「接点」があるのがこの方式の”弱点”。電源用の架線はレールの下を走っており、今回、小型軽量のパンクグラフを開発、安定した高速走行を可能にした。電源は普通の電車と同じ直流1500ボルト。
・米が導入を計画
 現在、HSSTリニア導入計画が進行中の米ネバダ州ラスベガスでは、ホテルやカジノが集まる中心部を縦断する全長6`の路線が予定されている。既に環境調査も終了し、地権者との話し合いに入った段階で、リニア実用化一番乗りになりそうだ。
 国内では、愛知県が名古屋市東部に導入を計画中。実験は同方式をもともとの開発主体である日本航空から受け継いだエイチ・エス・エス・ティ社(本社東京)と愛知県、名古屋鉄道が共同で設立した第三セクター方式の中部エイチ・エス・エス・ティ社が担当している。
 同社の藤野政明常務・技術部長は「現在、試験しているのは都市内交通用の時速100`タイプ。既に時速100`は達成し、実用化に向けて軌道に乗った感じだ」と自信を見せている。(京都新聞 夕刊)
■駅名変更 市が動く 「堺」が3つでややこしいさかい… JRや南海は困惑
 京、阪、神の三都に続き関西で4番目の政令指定都市をめざす堺市は、「堺」と名の付く市内の3つの駅の名称変更作業に乗り出した。大都市としての核とするため、3駅とも周辺の市街地整備事業が進められている。この際、市外の人にももっと分かりやすく、という狙いだが、当のJR西日本、南海電鉄両社は「歴史もあり、おいそれと応じるわけには」と迷惑げだ。
 堺市は3年後の1994年度までに政令指定都市昇格を目指し、今夏市域を「東」「西」「南」「北」「中」「堺」の6支所(将来の区役所)に分ける案を打ち出した。
 この時問題になったのが、JR西日本の「堺市」と、南海高野線「堺東」、南海本線「堺」の紛らわしい駅名。市のメーンロード大小路通りなどのわずか約2.5`に、3つの駅が並んでいる。支所の誕生で、堺市堺地区内に堺東駅が組み込まれたりする。
 堺駅は1888年(明治21年)に開業した。現在関西新空港の開港に合わせ市街地再開発事業が急ピッチで進んでいる。堺東駅は、本線駅より10年遅れてできたが1日平均乗降客は8万4000人。繁華街や市役車高層館(21階)が近くにあり、今や市の中心的存在。
 一方JR堺市駅は、3駅の中では1日平均乗降客数2万8000人ともっとも少ない。大阪刑務所建て替えにともなう駅前地区整備計画が作成され、活性化に向けて動き出したばかりだ。
 駅名問題は、この9月議会でも取り上げられた。「鉄鋼関係の全国集会を堺で開いた。集合場所は堺駅だったが、100人のうち10人は堺市駅に集まってしまった」という。このため市は、局長クラスで構成する大都市行政検討委員会で、急ぎ名称変更に取り組むことにした。
 しかしJR西日本では「地元の総意が第一だが、駅名の変更は、わが社だけでなく全国的に影響する問題。券売機も時刻表もかえねばならない。膨大な経費もかかり、はいそうですかとはいかない」と話す。南海電鉄も「長い歴史があり、お客さんに親しんでもらっている。そう簡単には…」と困惑した様子だ。(朝日新聞 夕刊)
29日■ズームアップ 京都 動きだす九条営業所用地の開発 地元説明会から 収益性・利便性 どう調和させる?
 活性化期待する地元 市交通局「具体案 来春には」
 南区で市交通局九条営業所用地の総合開発計画が動き出した。敷地は約2万9000平方b。南側3分の1は府が勤労者総合福祉センター(京都サンプラザ)を建設。残る北側部分は交通局が高度利用して文化、情報、商業など複合的な都市施設に、という計画。府と市がさる19日夜、初めて行った地元説明をのぞいてみた。(奥村 一弘記者)
 説明会は、営業所近くの東和小講堂で開かれた。計画を担当する市交通局企画推進部と、府労働部の幹部十数人か出席、地元からは近隣の団体役員ら約50人が姿を見せた。
 2つの施設のうち計画が先行しているのは府のサンプラザ。説明では、鉄筋コンクリート4−5階建て。フィットネスと25bの各プール、スポーツや会議に使える多目的ホール、スポーツルームなどを備え、「都市リゾート的要素を中心に文化活動や職業相談など多様な機能をもつ」(府労働部)総合施設で、総事業費は約180億円。「設計を急いでおり、本年度中に着工、94年春のオープンを目指す」といい、現在、事前の文化財調査を進めている。
 一方、北側の営業所用地の総合開発は今年7月、浮上した。交通局用地の有効利用策を検討していた「交通局用地高度化利用等調査研究委員会」(会長・天野光三京都大学教授)が、赤字解消策のひとつとして、ほぼ平面的にしか利用していなかった用地をビル化して総合的に活用、収益アップを図るよう提言した。
 説明会はこの提言を受けて開かれた。しかし交通局側は「まだ具体的プランは決まっていない」とし、「来年春までにはどんな建物をつくるのか、事業の手法を含めて方向を出したい」と説明するにとどまった。
 委員会の報告によると、施設は、イメージとして府のサンプラザを補完する宿泊施設、オフィス、専門店街などと、バス営業所機能を組み合わせた複合ビルを提言している。また、用地の大半が、住居地区で建物の高さが20bに制限されていることから、報告は「用途地域の変更が望まれる」としており、提言通りに計画が進めば7、8階のビルも想像できる。
 これに対し、地元役員からは「周辺の違法鮭車や交通混雑はごめん」と駐車場の充実を望む声や、「近くの住民がこぞって利用できる施設を」との要望が強く出された。
 交通局の用地有効利用はすでに、梅津営業所などで実施されているが、九条営業所は、竹田車両基地を除けば面積が最大で、しかも府と市の施設が同居するなど、これまでにないケース。加えて、南区内でよく聞かれる「区民が集える大きな公共施設がない」との不満。区の人口も最近、減少に転じており、それだけに営業所用地の開発を「区の活性化の拠点に」と期待を込める区民は多い。
 収益性も求められる交通局が、地域の期待にこたえるどんな施設を打ち出すか、目が離せない中で、地元では「地域の活性化につながるなら、大いに歓迎だが、まだばく然とした説明で判断できない。早く具体的なプランがほしい」(西出務・東和学区町内会連合会長)と話している。(京都新聞)
■JR幹部の出席を要求 説明会開催で遺族の会 信楽事故
 信楽鉄道事故の犠牲者遺族の会が、JR西日本と信楽高原鉄道に申し入れていた事故原因などの説明会開催について、両社が来月20日に合同弁護団で対応すると回答したため、遺族の会は28日この回答を拒否、JR西日本の代表役員が出席、説明会を開くよう改めて文書で申し入れることを決めた。
 また開催日についても、当初の申し入れ通り10月10日開催を要求する。(京都新聞)
■走れニュートレイン〈25〉 ニュースカイライナー 京成電鉄 成田への格安特急
 昭和53年3月、新東京国際空港(成田空港)への唯一の直通特急として京成電鉄のエアポートエクスプレス(AE車)「スカイライナー」が誕生した。
 当時、成田へのアクセスはリムジンバスが乗客輸送にあたっていたが、「スカイライナー」はバスなどの車交通に比べ渋滞にも遭わず、定時運転が守られているため人気があった。
 しかし、今年3月のJRダイヤ改正時に、JR東日本が都内の主要ターミナルから成田空港ターミナル乗り入れの直通特急「成田エクスプレス」の運転を開始。また京成特急も同時に空港ターミナルに乗り入れ、それまで成田への鉄道を京成電鉄がほぼ独占していただけに、乗客獲得に新たな競争を呼んだ。
 そこで京成では新たにAE特急の新型「ニュースカイライナー」AE100形を投入し、サービスにあたっている。この電車は将来都営地下鉄、京浜急行への乗り入れを想定し、全面に緊急脱出用の扉を付けて対応している。
 将来は相互乗り入れを行うことによって羽田−成田空港直通運転も可能になり、JR特急とは違った空港アクセス特急となりうるわけだ。
 「ニュースカイライナー」の人気は、運賃の安さだろう。JR普通科金(東京から)に比べ1200円以上の差があり、所要時間もほぼ同じの60分で最高時速もJRと同じ時速130`。海外旅行の際、JRと京成のどちらを選ぶかは自由である。(鉄道写真家・南 正時)
〈メモ〉上野−成田空港の所要時間は約1時間。特急指定席とも1630円(JRは2890円)。午前6時台から午後10時台までほぼ30分おきに運転している。(京都新聞)
■JR側の謝罪と説明求め近く申し入れ 信楽事故遺族の全
 死者42人を出した信楽高原鉄道事故の遺族でつくる「JR西日本・信楽高原鉄道列車衝突事故犠牲者遺族の会」は28日、JR西日本に対し、近く会社幹部による謝罪と、事故説明会の開催を求める申し入れをすることを決めた。(朝日新聞)
■余部鉄橋走る列車と司令室結ぶ無線完成
 1986年12月、強風で回送列車が転落し12人が死傷した兵庫県城崎郡香住町のJR山陰線余部(あまるべ)鉄橋周辺に、列車の乗務員がJR西日本福知山支社の列車集中制御装置(CTC)司令室と直接連絡できる無線設備が完成、10月1日から使用する。
 鉄橋周辺の約18`の範囲内にある香住、浜坂など5駅に司令室とケーブル回線で結ばれたアンテナを設置。これでこの区間を走るすべての列車と司令室の相互通話が可能という。総工費は約2200万円。(朝日新聞)
30日■そんな生活危険です 線路を道路代わりに 歩いたり横断したり ラッシュ時はヒヤヒヤ JR奈良線深草付近
 京都市伏見区の住宅街を走るJR奈良線の一部線路約1`区間が、住民や通学生徒の生活道代わりになっている。線路沿いの仕切りがないため、線路内を歩いたり、列車通過の合間に横断する風景が日常化している。奈良線では今春から快速列車も走り始め、ダイヤ過密化に比例して、危険度も増している。
 線路が生活道代わりとなっているのは、奈良線の稲荷駅−桃山駅間の深草地域。踏切のない小道が10ヵ所近くあり、線路と交差している。軌道敷にはさくやフェンスの仕切りがなく、深草中や立命館中などの一部生徒が、小道から線路内に入り、近道にしている。犬の散歩や通勤に使う住民も多い。
 奈良線は、今年3月のダイヤ改正で快速列車運行を始め、運行は1日上下101本に増えた。朝のラッシュ時の午前7時半から9時ごろまでは、10分間に1本の割合で列車が走る。列車の増発に伴い事故の危険性も増えた。今月17日昼には、近くのお年寄り(83)が小道から線路を横断中、列車にはねられて死亡している。
 学校側は「線路内に絶対に立ち入らないよう地域ぐるみで生徒に注意を呼び掛けている」(岡田錠一・深草中校長)としているが、生徒らは「電車の来ない時に歩いている」「来ても、線路わきの土手に逃げるから大丈夫」と話す。
 JR西日本によると、奈良線の京都−木津間にはこうした小道が104ヵ所あり、今春のダイヤ改正の際、全部に警告看板を設けた。しかし、小道が公道でないため、踏切改良促進法という法律で踏切を造ることができず「フェンスで道を閉鎖するしかないが、明治12年の開通以来、生活道として定着し、地元の理解を求めるのが難しい」と説明している。(京都新聞 夕刊)
■東海道線や近鉄、停電で
 台風19号の影響で、27日以来、列車の運転休止、遅れが相次いだ近畿のJR東海道線、山陽線は30日未明、兵庫県内で起きた停電事故のため、同日朝から再び大きくダイヤ混乱。この日は、近鉄線でも早朝の停電事故で、同京都線の電車に遅れが出て、通勤、通学客は連日のダイヤの乱れに「もう、うんざり」の表情だった。
 30日午前3時40分ごろ、兵庫県姫路市のJR山陽線姫路−英賀保間の上り線が停電。同4時すぎには同線東加古川−曽根間の上り線も停電し、同県内の西明石−上郡間が上下線とも不通になった。
 JR西日本が調べたところ、いずれも貨物列車の機関車の故障が原因で架線などがショートしたと分かり、午前7時すぎ運転を再開した。
 機関車のパンタグラフのがいしに塩が付着しており、同社は27日夜に西日本を襲った台風19号の影響とみている。
 同社は山陽電鉄やバスで振り替え輸送したが、京阪神地域の新快速電車など34本が運休、35本が最高35分遅れ、通勤通学客ら7万2000人が影響を受けた。
 京滋では東海道線などの新快速、快速電車35本が最高30分以上遅れ、34本が運休。通勤通学客などに大きな影響が出た。
 京都駅では午前中を中心に、各列車とも最高4時間から10分程度遅れた。ちょうど朝のラッシュ時とぶつかったため、出勤時間に間に合わない人もいて、改札口わきの精算窓口には一時、延着証明を求める乗客の列ができた。
 道路建設関係の協議で神戸から来た兵庫県職員(38)は「新快速は走れるかどうかわからないと言われ、快速を乗り継いだ。なんとか間に合う時間に着いたけど、乗り継ぎに時間がかかり2時間以上かかった」と話していた。
 1番ホームでは、新潟県村上市から京都へ修学旅行に来て、特急「白鳥」で帰る予定の高校生200人余りが不安そうな表情で並んでいた。(京都新聞 夕刊)
■作業車が架線に接触 近鉄奈良線でも遅れ
 30日午前8時ごろ、近鉄奈良線西大寺駅(奈良市佐紀二条町)東側約200bの奈良県歯科医師会館の新築工事現場で、作業中のクレーン車のワイヤが近くの架線に接触、約7分間停電した。
 奈良線が上下37本、京都線が上下36木、橿原線が上下19本計92本が15−5分遅れ、通勤、通学客約5万人に影響した。ダイヤは同10時すぎ正常に戻った。(京都新聞 夕刊)
■広島や岡山で停電再び増加 信号機などもダウン
 台風19号の通過時、潮風が海から選んできた塩でショートするなどして県内の約3分の2の約96万戸が停電した広島県で、29日夜から降り出した雨が電柱の碍子(がいし)や変電設備についた塩を溶かして絶縁不良を起こし、広島市や呉市など沿岸部を中心に復旧状態にあった停電が再び増え出した。30日午前8時現在、40万5620戸が停電しているほか、交差点の信号機などもダウンした。
 台風19号により一時、全戸数の約2割に当たる20万戸前後が停電、29日夜までに約4000戸を残すまでに復旧していた岡山県内でも、同夜半からの雨で、トランスや碍子に付着していた塩が溶けてショートする停電が続出。中国電力岡山支店の調べでは、30日午前9時現在、約4万戸が停電となっている。(朝日新聞 夕刊)