1991(平成3)年8月


1日■角材が直撃、直撃、重体 KTR鉄橋下 異物の落下防止用 宮津(京都)
  ■きょうから湖北観光展 JR京都駅(京都)
  ■米で列車脱線乗客7人死亡(京都)
  ■”交通拠点”へ着工 JR奈良線 六地蔵の新駅(京都)
  ■線路から受け木落下 宮津市のタンゴ鉄道 自転車の男性重体(朝日)
  ■女性飛び下り即死 JR山陽線ホーム(朝日)
2日■山科駅前再開発会社 きょう発起人会(京都)
  ■地下鉄車内でポケベル鳴る 1km1億円の”アンテナ”使い どこが取り付ける? 大阪で実験(京都)
  ■108人死傷の東名連続事故 46人書類送検へ JRバスや一般車運転手(京都)
  ■湖北路の観光をPR 北陸線直流化記念 京都駅でパネル展(京都)
  ■4日に比叡山で自然観察教室(京都)
  ■窓 ロープウエー完成待ち望む 左京区・松尾 慶治(無職・78)(京都)
  ■運動実り新駅着工 JR奈良線に六地蔵駅(朝日)
  ■レールバスが乗用車と衝突 三木鉄道の踏切(朝日)
  ■JRが大阪駅構内に不動産案内センター(朝日)
  ■運転士「暴行」解雇は無効 地裁堺支部が決定(朝日)
3日■福知山線踏切事故のトラック 所有者も書類送検(京都)
  ■山科駅前 再開発会社を設立へ 発起人会開催 商号など決める(京都)
  ■政治改革たった8点 国鉄改革化62でトップ 行革国民会議採点結果発表(朝日)
4日■走れニュートレイン〈17〉 タンゴエクスプローラー 北近畿タンゴ鉄道 ゴールドに輝く車体(京都)
5日■2ヵ月半ぶり自力走行 信楽鉄道事故現場で黙とう(京都)
  ■事故車両が約83ぶり走行 信楽高原鉄道(朝日)
6日■古都の夏 どうどす JR東京駅でフェア(京都)
7日■私鉄値上げ公聴会 公述人30人決まる(朝日)
  ■JRに飛び込み即死 右京区の山陰線(京都)
8日■窓 駅内の浮浪者対策が必要 栗東町・吉田 弘(団体役員・70)(京都)
  ■「ガンバレ北嵯峨」 地元有志ら JR駅に激励看板(京都)
  ■列車事故に見舞金 信楽町へ京都新聞社会福祉事業団(京都)
  ■公営企業会計の昨年度決算 上下水道で大幅黒字 市バス、地下鉄は赤字(朝日)
  ■春のダイヤ改正 ひかり号”ゼロの効果” 発車4分ずらしたら ゼロ分発に予約集中 東京発新大阪止まり 博多行きの混雑解消(朝日)
  ■甲子園行き列車ホテル発車(朝日)
  ■東北・九州 新幹線9月着工(朝日)
10日■帰省ピーク ”混渋”かきわけふるさとへ(京都)
  ■帰省ラッシュ始まる 名神、一時40`渋滞(京都)
  ■走る市バス、火噴く 伏見(京都)
11日■走れニュートレイン〈18〉 スーパーひたち JR東日本 人気のハイテク特急(京都)
12日■ミニ鉄道孤軍奮闘(朝日)
13日■信楽惨事の後遺症深刻 関西学研都市 ハイタッチ・リサーチパーク 23人死傷 研究中止や変更(朝日)
14日■トラックの所有業者 労基署が書類送検 JR福知山線踏切事故(京都)
  ■車両故障で乱れる 東海道新幹線(京都)
  ■ブレーキ故障新幹線に遅れ(朝日)
15日■駅員、拾得物山分け 大阪市営地下鉄の2人 米人届けた7万円(朝日)
  ■地上の掘削パイプ貫通 地下鉄が衝突 大阪市、ひた隠し 乗客ら600人は無事(京都)
  ■ボーリング突き抜け 御堂筋線と接触 線路まで貫通(朝日)
  ■終戦8・15 問う 日本の加害 忘れ去られた「過去」−証言次々と、新資料も(朝日)
16日■JR山陰線乱れる 特急ブレーキ故障(京都)
  ■JR花園駅 迷惑駐車にお手上げ 北側の歩道を占拠 撤去とのイタチごっこ(京都)
  ■JR京都・城陽両駅を使いやすく 独自設計で訴え 障害者団体 模型展示会開催へ(朝日)
  ■車いす用エスカレーター 駅へ導入広がる 自治体助成で普故に拍車(朝日)
  ■時々刻々 信楽高原鉄道 進まぬ補償 さびつく線路 JRと責任なすり合い 改善策示し再開へ懸命(朝日)
  ■新JR京都駅ビル 車いすで使いやすく 障害者団体が要望(朝日)
17日■夏休み自由研究に役立てて JR西日本が工場無料公開 鉄道部品の展示即売ミニSL試乗も 25日…淀川電車区(東大阪市) 来月1日…鷹取工場(神戸市)(朝日)
  ■瀬戸大橋特急 11月から95` JR四国、地元に要請(朝日)
  ■地下鉄工事で発見の平安京「神泉苑」 盛り上がらぬ保存運動 本格調査姶まったが 気がかりな開発”優先”(朝日)
  ■泰緬鉄道 以外ないきさつ 「軍用」「経済」二つの思惑 輸送体制整備図った日本 「帝国主義の権益」に抗したタイ(朝日)
18日■走れニュートレイン〈19〉 C62ニセコ号 JR北海道 SLの王者が復活(京都)
19日■JR駅エレベーター 車いす女性、14時間”幽閉” 埼玉・熊谷 警官同乗せず(京都)
  ■「列車火災! 」10人超す死者 飛び降り、そこへ対向貨物 中国・広東(京都)
  ■駅の身障者エレベーター 車いす女性14時間缶詰め 手届かず 埼玉 家族問い合わせで発見(朝日)
20日■重体の兄も死亡 近鉄京都線踏切事故(京都)
  ■JR甲子園号 ”打率”は3割(朝日)
21日■新幹線が一時運休(京都)
  ■信楽高原鉄道 今冬運行再開へ道 JRが人材派遣 知事に約束(京都)
  ■調査検討委あす発足 信号故障解明へ運輸省(京都)
  ■貸し切りバス 8%の値上げ 近畿2府4県(朝日)
  ■大阪市営地下鉄 鶴見緑地線の延長 大臣認可下りる(朝日)
  ■信楽鉄道へOBを派遣 再開へ支援策 JR西日本(朝日)
22日■運行再開へ2億円 信楽鉄道、県が試算示す(京都)
  ■京都駅改築訴訟 歴史的景観権を主張 口頭弁論で原告側 「破壊は憲法違反」(京都)
  ■「歴史的景観権は憲法保障の権利」 駅ビル訴訟で原告側(朝日)
23日■東北(盛岡−青森) 北陸(軽井沢−長野) 九州(八代−西鹿児島) 3新幹線の着工認可 運輸相 来月に次々起工式(京都)
  ■秋の臨時列車2138本を増発 京都発の夜行快速 熊本まで延長 JR西日本(京都)
  ■北陸新幹線 軽井沢−長野 来月17日に着工(朝日)
  ■地下鉄が赤信号無視 あわや衝突、急停止 大阪・森ノ宮(京都)
  ■JR姫新線の信号機が故障 兵庫県南光町(朝日)
  ■整備新幹線に1100億円を要求 運輸省(朝日)
24日■新幹線特急券不正払い戻し 小泉被告に実刑 京都地裁判決(京都)
  ■事故死男性の身元判明(京都)
  ■あごひもは、もういらない JR西日本が来月から廃止 乗客も「別にいい」(朝日)
25日■走れニュートレイン〈20〉 スーパーくろしお JR西日本 楽しい京都始発ルート(京都)
  ■普通電車にひかれ中年の男性が即死 東山のJR線(朝日)
26日■遺族らが現地調査 信楽高原鉄道事故(朝日)
  ■国際業務室を新設 京都駅ビル会社(朝日)
28日■夢の特急も 北陸本線直流化記念 長浜イベント決まる(京都)
29日■地下鉄脱線、激突 5人死亡113人けが 未明のNY(京都)
  ■私鉄値上げ110番(朝日)
  ■米田組など略式起訴 福知山線列車事故(朝日)
  ■意見集約へ 市民公聴会 JR京都駅改築問題で来月20日 行政主導に対抗 市民団体(朝日)
  ■地下鉄が脱線150人余り死傷 NY(朝日)
30日■フルムーンパス発売(京都)
  ■京都市が整備・基本設計案まとめる 島式歩道など新設 阪急桂駅東口広場(京都)
  ■JR七尾線を一部分離 JR西日本が来月1日から(朝日)
  ■列車にはねられ死亡 保線アルバイト(朝日)
31日■酒飲み電車運転 西武新宿線オーバーラン(京都)
  ■新幹線 「栗東駅」早期実現へ 促進協総会 陳情活動を強化(京都)
  ■信楽高原鉄道 運行再開へ準備室 2日開設 顧問にJROB2人(京都)
  ■JR山科駅前再開発へ 第3セクター創立(京都)
  ■第3セクター創立 山科駅前再開発(朝日)
  ■信楽鉄道の再開へ JRがOBを派遣(朝日)
  ■踏切で男性死亡(京都)



1日■角材が直撃、直撃、重体 KTR鉄橋下 異物の落下防止用 宮津
 1日午前7時10分ごろ、宮津市京口の北近畿タンゴ鉄道(KTR)宮津線・宮津川鉄橋から角材(10a角、長さ約1b、重さ4.5`)が約4b下の府道に落下し、自転車で通りかかった同市宮村、会社員田中幸太郎さん(48)頭に当たり、田中さんは意識不明の重体。
 KTR、宮津署の調べによると、落下した角材は、列車から出る汚物やごみの落下を防ぐため線路と鉄橋側壁の下に上板と一緒に取りつけられていた。同角材は昨年4月、路線をJRから引き継いだ時、既に設置されていたが、止めてあったクギが腐食し、列車の振動などで外れたらしい。
 KTRでは現在不用の防止材であることから事故後、現場にあった約30本の角材と上に張ってあった板をすべて撤去した。同署は、KTRの管理に手落ちがなかったか、関係者から詳しく事情を聴いている。(京都新聞 夕刊)
■きょうから湖北観光展 JR京都駅
 北陸線(JR)直流化記念事業長浜市実行委員会は、湖北地域観光振興協議会、湖北観光連盟、JR西日本とタイアップし、1日からJR京都駅で「湖北観光パネル展」を開く。
 9月14日からのJR琵琶湖線快速・新快速電車長浜乗り入れを前にした合同キャンペーンで、期間は8日まで。烏丸中央口東側(駅長室西付近)を会場に、直流化とイベント案内、長浜・湖北紹介の写真など約40点を展示。黒壁ガラス、洋ラン展示や観光パンフ、イベント紹介チラシなども配布する。
 20日から27日まで神戸三ノ宮駅、9月1日から7日まで大阪天王寺駅でもそれぞれ開催予定。(京都新聞)
■米で列車脱線乗客7人死亡
 【ニューヨーク31日共同】米連邦鉄道管理局によると、31日午前五時(日本時間同日午後6時)ごろ、米南カロライナ州カムデン近郊を走行中の米長距離鉄道アムトラックの旅客列車が脱線し、乗客、乗員約450人のうち7人の死亡を確認、70人が重傷を負った。
 脱線した列車はフロリダ州マイアミ発ニューヨーク行きで、18両編成。後尾の客車4両と食堂車の計5両が脱線した。管理局スポークスマンによると、脱線車両が隣接軌道上の石炭貨物列車に衝突した。脱線の原因は不明。(京都新聞 夕刊)
■”交通拠点”へ着工 JR奈良線 六地蔵の新駅
 JR奈良線の六地蔵駅(仮称)建設がスタートした1日、宇治市とJR西日本は同市六地蔵奈良町の醍醐プラザホテル駐車場で起工・記念式を行い、関係者ら約120人が念願の新駅着工を祝った。
 六地蔵駅は桃山駅と木幡駅の間の宇治市六地蔵奈良町に新設する。行き違い設備を備え、ホームは最大幅6b、長さ125b。来年8月の完成を目指す。総工貴は10億900万円。
 この日はJR西日本が工事の無事を祈って神事を行ったあと、午前10時半から記念式典が始まった。北の玄関口ができると喜ぶ宇治市民を代表して池本正夫市長は「六地蔵地域は府南部の交通拠点であり商業集積地として発展するところ。今後は新駅を核とし魅力ある町づくりに取り組んでいく」とあいさつ。続いて近畿運輸局や府からの来賓が祝辞を述べた。(京都新聞 夕刊)
■線路から受け木落下 宮津市のタンゴ鉄道 自転車の男性重体
 1日午前7時10分ごろ、京都府宮津市京口の北近畿タンゴ鉄道(KTR)宮津線で、網野発京都行き特急「タンゴエクスプローラー」が宮津川線路を通過した際、線路のまくら木の下に取り付けてある受け木(長さ約70a、縦、横約10a、重さ約3`)が落下し、約4bの府道を自転車に乗って通行中の同市宮村、会社員田中幸太郎さん(48)の頭に当たった。田中さんは、病院に運ばれたが意識不明の重体。調べでは、受け木が老朽化してはずれたらしい。(朝日新聞 夕刊)
■女性飛び下り即死 JR山陽線ホーム
 1日午前8時20分ごろ、兵庫県加古川市枚岡町新在家のJR山陽線東加古川駅で、上りホームから同市内に住む無職の女性(29)が線路に飛び降り、網干発堅田行き新快速電車=田中一郎運転士、12両編=にはねられ即死した。この事故で、同電車を含め寝台特急「なは」など後続の列車6本が最高15分遅れ、3500人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
2日■山科駅前再開発会社 きょう発起人会
 京都市のJR山科駅前地区の再開発ビルの管理・運営などに当たる第三セクター・山科駅前再開発株式会社の発起人会が、2日午前10時から京都市下京区のからすま京都ホテルで発起人8人が出席して開かれる。
 山科駅前再開発会社は、京都市と金融機関、保険・電力・ガス・電話・私鉄・バス会社の民間18社が出資し、山科駅前地区の都市再開発・環境整備の調査・企画・設計や再開発ビル四棟の管理・運営などを事業目的に設立する第三セクター。資本金2億円。京都市が四五%を出資する。
 発起人会で、会社の商号、定款、設立趣意書、事務所の所在地、株式数などを決めたあと、30日に創立総会を開き、9月に設立の登記を行う予定。
 山科駅前地区市街地再開発事業は、山科駅前2.8fを対象に9階建ての再開発ビル4棟、駅前通、交通広場などを再整備するプロジェクト。再開発ビルには▽ホテル、コミユニティー施設▽商業施設、住宅▽業務施設、住宅▽娯楽施設−の入居が構想されている。市は平成元年の都市計画決定のあと、事業計画案の認可申請の準備を進めており、平成7年秋の完成を自指している。(京都新聞)
■地下鉄車内でポケベル鳴る 1km1億円の”アンテナ”使い どこが取り付ける? 大阪で実験
 ポケットベルや携帯電話を地下鉄でも使えるようにするための実験が1日、大阪市営地下鉄谷町線の特別列車内で全国で初めて行われた。アンテナ代わりのケーブルを張った実験区間ではポケットベルが鳴り、携帯電話やラジオも地上の電波をキャッチ。無線機器が地下でも使えることが確認された。
 実験をしたのは郵政省近畿電気通信監理局やNTTの担当者らで作る「地下街等における電波利用研究会」(座長・林敏彦大阪大教授)。
 同研究会は地上の電波を地下に届けるため、アンテナの役割を果たす直径四aの「漏えい同軸ケーブル」を地下鉄谷町線東梅田駅プラットホームから北隣の中崎町駅方向に約400b設置した。
 特別列車には、携帯電話やラジオ、ポケットベルなどの無線機器のほか、電波の強さや雑音を測るための測定機器類を持ち込んだ。
 実験には研究会メンバー、実験スタッフら約150人が参加した。
 列車が中崎町駅を過ぎたあたりからAMラジオは、雑音混じりながら電波をとらえて鳴り出した。漏えい同軸ケーブル設置区間に入ると携帯電話が使用でき、ポケットベルも地上からの呼び出しに呼応して鳴った。
 技術的な可能性はこの日の実験で検証されたが、近畿電気通信監理局の榊原盛吉局長は「実用化するためには、関係法律の整備に加え、1`当たり1億円もの費用がかかるとされる同軸漏えいケーブルの設置をどこがやるかが問題になる」と述べ、実用化までにはかなりの時間がかかるとの見通しを示した。(京都新聞)
■108人死傷の東名連続事故 46人書類送検へ JRバスや一般車運転手
 ことし2月25日未明、愛知県内の東名高速道路下り線で雪のためJR東海の高速バスの転落や玉つきなど計4件の事故が発生、計10人が死亡、計98人が重軽傷を負った事故を調べていた愛知県警高速隊などの捜査本部は、転落したJRバスの運転手ら計46人を2日までに業務上過失致死傷や道交法違反などの舞いで書類送検する。
 4件のうち最大の事故は、2月25日午前4時50分ごろ、同県豊橋市石巻萩平町の東名高速道路下り線で東京発名古屋行きのJR東海バス「ドリームなごや3号」=山下孝広運転手(31)=が別の衝突事故で停車していたトラックを避けようとしてスリップしガードケーブルを突き破って約8b下に転落。乗員、乗客ら31人のうち名古屋市内の県立聾(ろう)学校生ら2人が死亡、29人が重軽傷を負った。
 また、転落事故の15−30分前、西に約20`離れた岡崎市本宿町の下り線などでも52台の乗用車やトラックが玉つき、接触をして6人が死亡、60人が重軽傷を負うなどした。
 同捜査本部が調べた結果、山下運転手らが雪のため制限速度50`のところを70−80`のスピードを出すなどの過失が事故の主な原因と判明。追突したトラックや乗用車の運転手らの書類送検を決めた。(京都新聞)
■湖北路の観光をPR 北陸線直流化記念 京都駅でパネル展
 JR北陸線の直流化を記念した湖北路長浜キャンペーン「湖北観光パネル展」が、1日から京都市下京区のJR京都駅烏丸中央コンコースで始まった。
 JR琵琶湖線の快速、新快速電車が9月14日から乗り換えなしで北陸線の長浜まで運行されるのを記念した催し。パネル展は、これを機会に観光客の増加を見込む北陸線直流化記念事業長浜市実行委員会(石居良造委員長)が、湖北観光連盟、JR西日本などとタイアップして企画した。
 中央コンコースには、最浜曳山まつり、長浜城、黒壁ガラス館(以上長浜市)や渡岸寺の国宝十一面観音像(高月町)、伊吹山(山東町)など湖北地方の観光地を紹介する写真パネル約40点を展示。同展は8日まで。(京都新聞)
■4日に比叡山で自然観察教室
 叡山電車と京福電車は4日、比叡山人工スキー場付近で「自然観察教室・比叡山の植物観察」を催す。
 4日午前10時、ケーブル八瀬遊園駅に集合、受け付け。京都植物同好会の高木俊夫さんら3人の講師とともに亜熱帯と寒帯の植物が交じる比叡山の自然を学ぶ。一般向き。
 会費無料。交通費、弁当、水筒、手袋、ビニール袋、古新聞約40枚、30a×40aの段ボール2枚など各自が用意。
 雨の場合は中止。問い合わせは (781)5121か(781)3305へ。(京都新聞)
■窓 ロープウエー完成待ち望む 左京区・松尾 慶治(無職・78)
 日進月歩の現代は、想像もつかぬような話題を提供してくれるものである。大原三千院から、比叡山横川中堂の間2.8`を、ロープウエーで連絡しようとの計画が、13日本紙上で発表された。平安建都1200年に当たる平成6年操業予定という。さすがに京都洛北地域にふさわしい計画だと、心から賛意を表する気持ちに駆られた。
 考えてみれば、あってしかるべき話だと思う。比叡山横川中堂といえば、元三大師(良源)にゆかり深い比叡山三塔の一つで、天台の聖地を形成する堂塔として有名であり、一方三千院は、天台宗延麿寺所轄の門跡寺院として天下にその名を知られ、付近の寂光院は、平家物語の大原御幸で有名な建礼門院の由緒深き悲運を伝える地として有名で、四季観光客の絶えない大原の地である。
 近い将来、ロープウエーの新設により、京都、大原、比叡山と、観光ルートが開けるならば、誠によき順路として、利用客の実績大いに見るべきものがあると確信する。
 ロープウエーの車窓に展開する北山の緑の雄大な風景こそ、まさに観光客へのサービスの一つであることを期待する。(京都新聞)
■運動実り新駅着工 JR奈良線に六地蔵駅
 JR奈良線の六地蔵駅(仮称)の起工式が1日、建設予定地の宇治市六地蔵奈良町であった。順調に工事が進めば、来年8月に新駅は開業する予定。午前10時からJR西日本主催の神事があったあと、宇治市主催の起工記念式が開かれた。
 池本正夫市長、角田達郎JR西日本社長ら約120人が出席。池本市長は「昭和50年代前半から地元をあげて取り組んできた新駅設置の運動が実ったのは、市民の大きな喜びです」などと感慨をこめてあいさつ。角田社長は「駅の完成で、地域の活性化にお手伝いできる」と述べた。
 同駅は桃山駅と木幡駅の間にあり、北側は京都市域がすぐそばにある。外環状線をはじめ府道大津宇治線、府道京都宇治線が接合する場所で、将来は京都市営地下鉄東西線の延伸構想がある。これらを踏まえて周辺には大型商業施設の集積が進行中で、宇治市は「市の北の玄関口」と位置づけ、街づくりを進めていこうとしている。事業費は駅本体が10億900万円でうち8億5800万円(約85%)を宇治市が、残り1億5100万円をJRが負担する。
 ほかに、駅前広場や東西連絡道など周辺整備費は3億8400万円で、全額、宇治市の負担となる。市は駅本体の負担分について、府に補助を要望している。(朝日新聞)
■レールバスが乗用車と衝突 三木鉄道の踏切
 1日午後8時52分ごろ、兵庫県三木市福井三丁目、第三セクター三木鉄道の高木第三踏切(警報機、遮断機付き)で、三木発厄神行のレールバス(1両編成)と同市福井二丁目、運転手木下雅之さん(21)運転の乗用車が衝突、レールバスは車輪が軌道から脱輪した。この事故で乗用車は大破し木下さんはひじなどに軽いけがを負ったが、十数人の乗客にけがはなかった。同鉄道は乗客らをタクシーなどで自宅に送り届けた。
 三木署は木下さんがカーステレオに気をとられて踏切内に進入したのではないかと見て調べている。(朝日新聞)
■JRが大阪駅構内に不動産案内センター
 JR西日本は2日、住宅開発第1号として三田市のカルチャータウンに建設中の分譲マンションを紹介する案内センターを、JR大阪駅中央コンコースの一角に開設した。
 マンションの愛称は「リフォレ(再び森へ、という意味の造語)」。3−20階建て11棟586戸を3年計画で建てる予定で、まず9月と11月に140戸を分譲する。最多価格帯は4200万円台と5200万円台。案内センターは通行人に記念品を配ってPRした。(朝日新聞 夕刊)
■運転士「暴行」解雇は無効 地裁堺支部が決定
 乗務に対する指示が不十分だと上司の助役をけり、懲戒解雇処分を受けた堺市新金岡町二丁、元南海電鉄運転士烏山直志さん(28)の地位保全を求める仮処分申請に対し、大阪地裁堺支部は「懲戒解雇までするのは解雇権利の乱用」とする決定を出していたことが2日、わかった。(朝日新聞 夕刊)
3日■福知山線踏切事故のトラック 所有者も書類送検
 福知山市野家のJR福知山線岡踏切で満員の普通電車と大型トラックが衝突、列車の乗客390人がけがをした事故で、京都府警捜査本部(福知山署)は3日、トラックを運行していた建設業「米田組」(米田洋一社長、福知山市堀)と、同社の安全運転管理者ら2人を道交法、道路法達反の疑いで書類送検、捜査を終結する。
 これまでの調べで、トラックを運転していた「米田組」の田中正美被告(49)=過失往来危険などで起訴ずみ=が道交法施行令で定められた高さ制限3.8bを超えて4.88bまで荷台にショベルカーを積んだため、ショベルカーの一部が踏切の進入制限用ゲートに接触、動けなくなったところへ走って来た電車と衝突したことがわかっている。
 府警は、道路法、道交法の両罰規程を適用し、田中被告の雇用主である「米田組」の責任を問うとともに、安全指導・監督を怠ったとして、同社の安全運転管理者と現場監督の2人も送検することにした。また電車の川嶋正弘運転士(32)も、業務上過失致傷で書類送検、過失の有無などは京都地検の判断を待つことにした。(京都新聞)
■山科駅前 再開発会社を設立へ 発起人会開催 商号など決める
 京都市などが出資する第三セクター・山科駅前再開発会社の発起人会が2日、京都市下京区のからすま京都ホテルで、発起人の京都市、三和銀行、京都銀行、京都中信、関電、大阪ガス、京阪電鉄、京阪バスの各代表が出席して開かれ、会社商号、定款などを決めた。30日に創立総会を開き、設立する。
 山科駅前再開発会社は、京都市が地下鉄東西線沿線の関連プロジェクトとして山科駅前地区2.8fを再開発し建設を計画している再開発ビル4棟の管理・運営をはじめ、都市再開発の調査・企画・設計・コンサルティング、駐車場経営、広告代理業、飲食店業などを行う第三セクター。
 発起人会では、佐藤達三京都市助役(市長代理)があいさつした後、会社商号、定款、株式数、発起人総代など14件を原案通り決めた。新会社の資本金は2億円で、ビルのオープン前には6億円に増資する予定。出資構成は京都市が45%、金融機関、保険会社など民間18社が55%とする。
 事業概要によると、再開発ビル4棟は▽A街区=地上9階地下2階建て延べ8371平方b(商業、ホテル、駐車場)▽B街区=地上9階地下3階建て延べ5万1021平方b(商業、文化健康施設、住宅、駐車場)▽C街区=地上9階地下2階建て延べ1万2340平方b(商業・業務、住宅、駐車場)▽D街区=地上7階建て地下2階建て延べ6767平方b(娯楽、駐車場)−とする計画。平成7年秋の完成を目指す。(京都新聞)
■政治改革たった8点 国鉄改革化62でトップ 行革国民会議採点結果発表
 政治改革は8点、鈴木行革審の活動は40点−民間有識者でつくる「行革国民会議」(代表・磯村英一都立大名誉教授)は2日、都内で開いた総会で、「10年間の行革の総括」(民間版行革白書)を発表した。45項目にわたる採点結果は平均26点で、昨年より2点の減。海部内閣が命運をかける政治改革が最低となっている。
 採点は、白書の作成を始めた84年から続けており、今回は国民会議の全員ら86人の評価を平均した。高得点の項目は、国鉄改革の62点をトップに、通信市場の競争、電電改革の順。一方、低い方は政治改革をはじめ、土地・住宅問題、多極分散など。
 「第三次行革審の活動は期待通りか」という点は、40点と高くはないものの5位につける健闘。しかし、総会に出席した鈴木永二会長は「平均が2点も下がり申し訳ない」と頭を下げていた。(朝日新聞)
4日■走れニュートレイン〈17〉 タンゴエクスプローラー 北近畿タンゴ鉄道 ゴールドに輝く車体
 「タンゴエクスプローラー」(丹後探検号)は、旧JR宮津線と宮福線を合わせて発足した第三セクター鉄道、北近畿タンゴ鉄道の特急列車である。3両編成のディーゼルカーで先頭車は流線形のスピード感あふれるスタイル。車体はゴールドメクリック塗装のゴージャスな印象を受ける。
 第三セクター鉄道といえば、JRローカル線廃止後の鉄道で何となくうらぶれた感じを持ちがちだが、第三セクターに移行後、経営努力で黒字営業に転じた鉄道が多い。車両も明るい新型を投入している。
 北近畿タンゴ鉄道は天橋立、若狭湾、丹後半島などの自然を生かした観光地を沿線に持つだけに、観光に対しても意欲的だ。「タンゴエクスプローラー号」という名の通り、丹後地方の観光の期待を担っており、第三セクター鉄道の列車としては異例のJR線を経由して京都まで乗り入れている。
 そのため、新幹線接続により新幹線沿線からの乗客も多く、東京からも朝早い新幹線でたてば、午前9時半の京都発久美浜行きに乗れる。
 車内はハイデッカーの座席と天井まで続く大型窓で、天橋立などの展望は素晴らしい。特に最前部の運転席はワイドな一枚ガラス窓で、迫力ある車窓風景が楽しめる。
 3両のうち、中間の1両が自由席となっている。展望がしたいなら前後の指定席が良いが、人気の列車なので早めの指定席の確保が望ましい。「タンゴエクスプローラー」の人気にタンゴ鉄道では近々新しいリゾート列車を走らせる予定という。ますます丹後地方への鉄道の旅が楽しくなることであろう。(鉄道写真家・南正時)
 〈メモ〉京都−天橋立1日2往復(久美浜、網野から宮福線、宮津線経由で運転される)。所要時間は2時間33分。運賃は指定席料金で4550円(ともに西舞鶴経由)(京都新聞)
5日■2ヵ月半ぶり自力走行 信楽鉄道事故現場で黙とう
 信楽高原鉄道の列車事故で、滋賀県警に押収されていた同鉄道の事故車両4両のうち2両が5日午前、事故後、約2ヵ月半ぶりに同鉄道の軌道上を自力走行した。さびついた鉄路に車輪の音が響き渡り、沿線の住民らは運行再開を願う熱いまなざしを向けていた。
 県警から6月下旬に仮還付された被害の少なかった後部2両は、運転再開の準備として、同県甲賀郡信楽町長野の同鉄道信楽駅構内の車庫で修理されることになり、この日午前10時25分、同郡水口町のJR貴生川駅構内にある同鉄道ホームから出発。14.7`離れた信楽駅に向かった。同車両には同鉄道の北川啓一副社長ら同鉄道、JR、県警らの関係者約15人が乗り込み、同鉄道の森田幸男運転士(53)が運転。信楽町黄瀬の列車衝突事故現場を通過。同現場で全員が黙とう、約1時間で信楽駅に到着した。(京都新聞 夕刊)
■事故車両が約83ぶり走行 信楽高原鉄道
 死者42人と500人以上の負傷者を出した滋賀県甲賀郡信楽町の信楽高原鉄道列車事故から83日ぶりに、事故車両が自力で5日朝、同線(貴生川−信楽間−14.7`)を走った。
 この日午前10時25分、同鉄道の森田幸男運転士(53)が運転、JR、同鉄道の関係者約10人が乗り込んで、貴生川駅を発車した。列車は緑の木々を縫ってゆっくりと走り抜けた。
 JR列車と正面衝突した同鉄道の列車は4両編成。前部2両はめちゃめちゃに壊れたが、後部2両は損傷が少なかった。警察の現場検証がすんだ後、JR草津駅構内に保管されていたが、運転再開へ向けて信楽駅の車庫に”里帰り”することになった。車庫入りした車両は、いったん解体。点検後、元通りに組み立てられ、運転再開に備える予定。(朝日新聞 夕刊)
6日■古都の夏 どうどす JR東京駅でフェア
 東京で夏の京都観光を誘うフェア、「夏。京の涼」(京都市、京都市観光協会、JR東海共催)が5日からJR東京駅八重洲中央口イベント広揚で始まった。
 この行事は東北・上越新幹線の東京駅乗り入れにも焦点をあてたもの。オープニングでは蒲郁生京都市観光部長ら関係者がテープカットした。
 この後、舞妓さん2人が大文字送り日の大きなパネルを背景に、鴨川の「川床」を摸した特設舞台で京舞「夏の蛍」などあでやかな舞い姿を披露。また、西陣織工業組合、京都きもの振興会の青物ショー「夏姿・都ごよみ」も催され、涼しそうなゆかた姿が人目を集めていた。
 会場では京の四季を写したパネルが展示され人気を集めたほか、キャンペーンガールが京銘菓やパンフレットを配って「京の夏の旅」を熱心にPRしていた。
 同催しは9日まで。7日には京都市交響楽団の木管5重奏、8、9の両日には琴の演奏が行われる。(京都新聞)
7日■私鉄値上げ公聴会 公述人30人決まる
 運輸審議会(隅健三会長)は6日、関西私鉄5社の平均16.8%の運賃値上げ申請について、来月9、10両日大阪で開かれる公聴会で意見を述べる公述人30人を発表した。賛成、反対各15人ずつで、うち女性はそれぞれ3人と11人。また定員200人の傍聴人募集に前回(87年)より約500人多い2635人が申し込み、関心の高さを示した。
 選ばれたのは賛成が学園理事長、会社経営者、商工余議所役員など、反対が消費者団体役員、主婦、弁護士など。公述書は9月7日まで、大阪市中央区の近畿運輸局で閲覧できる。(朝日新聞)
■JRに飛び込み即死 右京区の山陰線
 7日午前9時50分ごろ、京都市右京区花園内畑町のJR山陰線下立売街道踏切で、男性が亀岡発京都行き普通電車に飛び込み、即死した。持っていた敬老乗車証から同区内の男性(78)と見られ、太秦署で身元の確認を急いでいる。
 この事故で、列車が現場に16分停車したほか、京都発城崎行き特急あさしお3号が15分遅れるなど、上下7本の電車に2分−16分の遅れが出た。園部−京都間の普通電車2本は亀岡−京都間を部分運休し、乗客計2500人が影響を受けた。(京都新聞 夕刊)
8日■窓 駅内の浮浪者対策が必要 栗東町・吉田 弘(団体役員・70)
 8月2日の正午すぎ、京都駅の新幹線1階待合室のいすに、戦友3人で座っていたら、汚れた顔に黒シャツの34、5歳の男が、どんと私の肩を押し割り込んで座った。あまりにも不作法なので顔をにらんだら、逆に「オイ勝負する気か」とすごむ。ばからしいので、聞こえぬふりでいると「お前ら何サマや思ってやがるんや、でかい面するな、アホ、バカ、アホ」と、しつこくからむ。頭にきたので3人でしめし合わせ「よし」と立ち上がったら、タクシー乗り場の方へ姿を消した。
 近くにいた駅の清掃の方の話では、暑さを避けて入りこんでいる住居不定者だという。捨てておいたら事件を起こすかもしれない。京都の玄関のイメージを損なうこと甚だしい。即時退去させることはできないのか。(京都新聞)
■「ガンバレ北嵯峨」 地元有志ら JR駅に激励看板
 きょう8日開幕する全国高校野球選手権大会に出場する北嵯峨高校の地元、JR嵯峨駅(右京区嵯峨天竜寺)玄関に、激励看板が掲げられ、健闘を祈っている。
 縦50a、横4b大のベニヤ板を使い「ガンバレ」「北嵯峨高校」の文字に、大きなV サインも。作ったのは、同駅近くの建設業者ら有志の人たち3人で「北嵯峨高の勝利と地元・嵯峨学区の発展を願って」との思いから、という。昨春のセンバツ出場時にも、同様に掲げた。
 同駅を管理する松崎清JR京都駅助役は「地元の人たちの善意を大切にしたい」と喜びながら「甲子園の応援には、ここからどうぞ」とちゃっかりPRも。(京都新聞)
■列車事故に見舞金 信楽町へ京都新聞社会福祉事業団
 京都新聞社会福祉事業団は7日、信楽高原鉄道の列車事故で寄託されていた見舞金93万414円を信楽町に届けた。
 寄託金は、同事業団に6月25日から今月1日までの間に、個人や法人などから届けられていた計6件の見舞金。
 この日午後2時、雑賀和三郎事務局長が同町役場を訪れ「列車事故の見舞金として、寄せられたものです」と、森島慎一郎助役に手渡した。森島助役は「ご趣旨に添い使わせてもらいます」と述べ、感謝していた。(京都新聞)
■公営企業会計の昨年度決算 上下水道で大幅黒字 市バス、地下鉄は赤字
 京都市は7日、市バス、地下鉄、水道、下水道、市立病院の各公営企業会計の1990年度決算概要を発表した。上下水道では値上げの効果で、大幅な黒字が出たが、交通事業では赤字体質の改善までには至らなかった。
 【市バス】1日平均乗客は47万人で、前年度より1万5000人の減少。京阪鴨東線の開通と週休2日制の普及が響いた。運送収益は233億2900万円と若干増えたが人件費は12億6300万円増え、経常収支としては11億1500万円のマイナス。2年連続の赤字となった。
 【地下鉄】10月に北山−北大路駅間が開通し、1日平均旅客数は1万人増の18万8000人になったが、人員増とベースアップなどで、経常収支の赤字は29億300万円から40億200万円に増えた。
 【水道】給水収益は4月から18.5%値上げしたこともあり、18%増の266億600万円。経常収支では4年ぶりに15億6700万円の黒字が出た。
 【下水道】第6次5ヵ年整備計画の最終年度に当たり、市街化区域普及率86.9%、人口普及率では94%を達成した。94年度には全域整備を終える予定。4月に料金を20.9%アップした効果で、経常黒字は14億7600万円を記録した。
 【市立病院】 1日平均で一般の入院患者は前年と同数の459人、外来は38人増え1046人。診療単価が4月からアップしたため、入院・外来収益は2%増の72億500万円。給与費の増加が3億4200万円あった。(朝日新聞)
■春のダイヤ改正 ひかり号”ゼロの効果” 発車4分ずらしたら ゼロ分発に予約集中 東京発新大阪止まり 博多行きの混雑解消
 「ひかり号のお客はゼロ分発がお好き」−東海道・山陽新幹線の今春のダイヤ改正に伴い、JR東海が東京発のひかりの発車時刻を4分ずらせたところ、指定席予約状況にこんな傾向が現れたことが分かった。新大阪止まりは「毎時56分発」14本を「ゼロ分発」に、博多行きは「ゼロ分発」12本を「4分発」にしたところ、新大阪までの乗客の相当数がゼロ分発に移った。一方これまで新大阪までしか乗らない乗客が殺到して、東京から岡山、広島、博多などまで、通しの予約が取りにくかった博多行きひかりの混雑がかなり緩和された。
 4分遅れのダイヤ改正は、東京−博多など新大阪より速い行き先の予約がとりにくいことから実施された。これに伴い、ほとんどのひかりが東京駅を従来より4分遅く発車するよう組み替えられている。
 乗客動向調査は、4月の新大阪止まりと博多行きのひかり号を対象に、指定席利用客の平均をそれぞれ前年と比べた。
 その結果、東京駅を「ゼロ分発」にした新大阪止まりのひかりでは、前年の1.5%増になった。「ゼロ分発」から「4分発」にした博多行きは、新大阪までの客は16%減ったものの、新大阪より遠くへの客は29%増えた。昨年は花の万博で全体の利用が多かった事を差し引くと、「ゼロ分発」により乗客の約1割を移動させる効果があったと見ている。
 このわずか4分ずらしの「ゼロ分発効果」で、東京発博多行きひかりは、新大阪までと新大阪以西の乗客比率が従来7対3だったのが、6対4に変わった。これまではせっかく直通のひかりがあるのに、大部分の指定席が新大阪までの客で占められたため、広島や博多へ行く通しの予約が取れない場合もあったが、これでかなり緩和されたという。
 JR東海新幹線鉄道事業本部輸送課の田口徳雄調査係長は「覚えやすいためか『何時発のひかり』と窓口で申し込む人が多く、係員はそのままゼロ分発として機械に入力する場合が多いからだろう。ダイヤ改正時のこちらの予想がデータで裏付けられたわけで、今後もこうしたお客様の心理を活用して使いやすい列車ダイヤを目指す」と話している。(朝日新聞)
■甲子園行き列車ホテル発車
 8日開幕の第73回全国高校野球選手権大会を前に、JR西日本が初めて企画した大阪駅の列車ホテル「ナインドリーム甲子園」が7日夜からスタートした。7両編成160人分の寝台車に対し第1号の客はわずか23人(午後11時現在)だった。19日までの予約も計約60人だけで十分余裕があり、予約なしでも午前零時までなら歓迎とか。
 この列車は、甲子園の第1試合が朝早いことから、大阪駅に寝台車を停車させてゆっくりと泊まってもらい、翌朝6時半にそのままJR甲子園口駅まで直行する。15分で同駅に着くが、8時半までに下車すればよい。同駅からはバスで阪神甲子園球場へ。大人3500円、こども3200円でホテルより安い。車両はスキー列車で知られるシュプール号と同型。折り畳み式の3段ベッドで、女性専用車両も備えた。
 この日の一番乗りは岡山県の会社員笹岡正弘さん(56)。「高知出身なので、初日の高知の明徳義塾チーム応援に来た。開会式も楽しみ。この列車は安くて便利」と話していた。このほか乗り込んだのは、鹿児島実業のOB(69)、東京の鉄道ファン(25)、横浜の会社員(40)ら。初日はまだPR不足でガラ空きだったが、JR西日本は「関東から九州まで全国から乗ってくれたのは心強い。本番はこれから」と皮算用をしている。(朝日新聞)
■東北・九州 新幹線9月着工
 村岡運輸相は8日午後、整備新軒線の東北新幹線(盛岡−沼宮内、八戸−青森間)と九州新幹線鹿児島ルート(八代−西鹿児島間)の2線の建設指示書を、鉄道建設公団の岡田宏総裁に手法す。今回の建設指示書は実質的な「建設ゴーサイン」となる。
 盛岡以北の東北新幹線は、全区間を盛岡−沼宮内−八戸−青森の3区間に分け、沼宮内−八戸間だけ現在営業中の新幹線と同じフル規格の新線を建設し、他の2区間は建設費節約のため在来線の線路にもう1本レールを引く。この3区間を車輪幅は広いが車体だけが小ぶりな「ミニ新幹線」が走る。今回の建設指示は在来線を利用するこ区間に対して出された。この2区間の建設費は、盛岡−沼宮内が380億円、八戸−青森間が1130億円。
 一方、九州新幹線の建設費は4570億円で、将来はフル規格にすることを想定しながら、当面はレール幅を狭くし、車体も小さい「スーパー特急」を走らせる。
 また整備新幹線の東北新幹線・盛岡−青森間の着工式は9月4日に岩手、青森、北海道の知事が出席して、青森県内で行われる。九州新幹線・八代−西鹿児島間の着工式は9月7日に行われることになっており、「東北」側が「九州」の先を越し、「着工一番乗り」になった。(朝日新聞 夕刊)
10日■帰省ピーク ”混渋”かきわけふるさとへ
 お盆休みを控えた帰省ラッシュが10日、ピークを迎えた。JR京都駅では、朝から大きなバッグを抱えた家族連れなどの姿が目立った。また、幹線道路も日本海方面などへ向かうマイカーの長い列が続いた。
 JR東海京都駅の調べによると、この日の広島、九州方面行きの新幹線は、軒並み満席。午前8時40分発の博多行き「ひかり1号」が、180%の乗車率となったのをはじめ、大半の列車が乗車率150%前後となっており、各列車ともぎっしり満員の状態。東京方面など上りの電車は、100%前後とまだ余裕が見られるが、同駅は「下りはきょうがピークになりそう」という。
 在来線は、北陸、山陰方面の特急列車で混雑が始まった。午前9時半発の久美浜行き「丹後エクスプローラー1号」が、乗車率220%となったほか、富山行き「スーパー雷鳥1号」、城崎行き「あさしお1号」などが、いずれも150%の乗車率となった。
 一方、京都府警のまとめによると、国道9号の北行きが、京都市西京区沓掛の京都縦貫道入り口を先頭に約8`、園部町内で約4`など渋滞。国道27号も舞鶴市内で相当混雑が出ている。国道1号も京都南インター付近で北行きが9`。南行きが3`の混雑となった。
 名神高速道路では午前6時20分ごろ、京都府乙訓郡大山崎町の天王山トンネル上り線で、マイカー帰省の車など4台が衝突、3人が軽傷を負う事故が発生。帰省ラッシュと重なり最大47`の渋滞となった。府警の予測では、帰省ラッシュのピークはあす11日まで続き、16日には再びじターンラッシュが始まるという。(京都新聞 夕刊)
■帰省ラッシュ始まる 名神、一時40`渋滞
 お盆休みを故郷で過ごそうと、山陽新幹線や名神、中国道など西日本の交通機関は9日午後から早くも帰省ラッシュが始まった。
 JR新大阪駅では、博多行きの「ひかり」を中心に早朝から混雑。午後2時2分発の博多行きひかり13号が自由席の乗車率100%とすし詰め状態になったのをはじめ、東京先の列車は軒並み混雑した。
 大阪発の在来線は全体的にまだ余裕があるが、それでも紀勢線の新大阪発新宮行き特急くろしお15号が130%になるなど一部で込言合った。
 名神高速道路は未明の接触事故の影響もあって、下可は京都・大阪府境の天王山トンネルを先頭に終日、30`以上の渋滞。一時は滋賀・竜王インター付近まで40数`延びた。
 中国自動車道も日中から平日の2倍近い通行量で、夕方からさらに増加。各地で渋滞を繰り返した。
 大阪空港も国内ロビーは日曜日並みの空席待ちの行列や家族連れで終日ごった返した。航空4社によると9日だけで約3万6000人が大阪発の国内線を利用。また約3000人がハワイや東南アジアに脱出した。(京都新聞)
■走る市バス、火噴く 伏見
 9日午後零時20分ごろ、京都市伏見区深草下川原町の国道24号で、走行中の京都駅行き市バス=山下栄次運転手(55)=の車内でこげ臭いにおいがするのに山下運転手が気付いた。近くの「深草下川原町」バス停に停車し調べたところ、後部エンジンルームから火が出ているのを発見。山下運転手と近くの住民2人が、車内に備え付けの消火器などで消すとともに、消防車も出動し、間もなく消した。バスの乗客25人は、前部ドアから避難し、無事だった。
 伏見消防署の調べでは、エンジンの配線部分に火花が散った跡が残っていることから、ショートが原因ではないかとみている。
 市交通局によると、出火したバスは先月22日に半月に1回の定期整備をしており、この日朝の点検でも異常は無かったという。(京都新聞)
11日■走れニュートレイン〈18〉 スーパーひたち JR東日本 人気のハイテク特急
 JRになって車両のデザインが変わり、スマートな特急、通勤列車が多く走るようになったが、その先べんをつけたのがJR東日本の特急「スーパーひたち」であろう。独特のスタイルは鉄道マニアはもちろん、乗客にも話題を投げかけ、鉄道友の会が認定する平成元年のブルーリボン賞も当然のように受賞した。
 白と黒のボディーは「タキシードカラー」と呼ばれ、大胆な流線形とあいまって特急電車のイメージを変えた。
 「スーパーひたち」が走る常磐線沿線は観光客よりも沿線企業のビジネスマンの利用が多く、L特急「ひたち」にはアタッシェケースを持った乗客が目につく。「スーパーひたち」は最高時速を130`に引き上げ、ビジネス客に好評である。
 グリーン車は、横3列の大型リクライニングシートが飛行機のエグゼクティブクラスを意識しているし、荷物収納棚も飛行機の収納棚のようになっている。また、グリーン車の乗客にはおしぼりとコーヒーなどの飲み物のサービスがあり、座席では液晶テレビで衛星放送が楽しめる。
 運転席のモニター画面で各部を監視できるハイテク特急で、その後の他社の新型特急にハード、ソフト面ともに大きな影響を与えている。「スーパーひたち」の特徴のひとつは、前面のヘッドマークに初の大型LED(発光ダイオード)を使用したことである。列車名、行き先などが大きくディスプレーされ、ハイテク特急の名にふさわしい設備を誇っている。
 この人気にビジネス客だけでなく観光客の利用も多く、わざわざ、「スーパーひたち」を選ぶ旅行者もいる。(鉄道写真家・南 正時)
 〈メモ〉「スーパーひたち」は上野−平間をほぼ1時間間隔で運転。所要時間2時間20分。上野−仙台間の運転もある。上野−平間の料金は普通車指定席ともで6270円。(京都新聞)
12日■ミニ鉄道孤軍奮闘
 湖のそばを、田園や緑の渓谷の中を、ミニ鉄道が走っている。マニアの人気を呼んで乗客がつめかける鉄道もあるが、ほとんどは地元の人たちの欠かせぬ足として、毎日ゴトゴト走っている。たまの休日に乗ってみるのもおもしろそう。そんな鉄道を紹介してみた。
・和歌山の紀州鉄道 運行距離 2.7`は日本最短
 JR紀勢線の御坊駅を起点に、御坊市の中心街に向かって2.7`を走る日本一のミニ鉄道。
 草ぼうぼうの単線を気動車1両でゴトゴト。立てこんだ民家の軒先をかすめるようにして走る。3つの無人駅を含む5駅間を約8分も走れば終点だ。
 1931年(昭和6年)、地元出資の御坊臨海鉄道として誕生。62年には最高記録の91万人を運んだ。が、時勢には勝てず、74年に紀州鉄道(本社・東京)に身売りした。
 現在の所有車両は3両。職員10人。1日25往復するが、1両編成で折り返すので信楽高原鉄道事故のような心配は皆無。バス2社の路線と競合しており、「朝夕はともかく、日中は空気を運んでいる状態。38年から赤 字続きだが運賃(100−160円)値上げや減便をすると客が減るので」と同社。全国に展開するホテル経営や不動産部門でカバーし、頑張っている。
・兵庫県の北条鉄道 好評のイベント列車連発
 「田園風景だけでは客は来ない。アイデアが人を呼ぶ」と古角岩夫鉄道部長(64)。「お座敷列車」「カラオケ列車」「ゲートボール列車」などのイベント列車が次々と走る。
 北条鉄道は、兵庫県小野市のJR加古川線粟生(あお)駅を起点に、加西市の北条町駅までの田園地帯13.7`を約30分で運行するレールバス。駅の数8駅という文字通りのミニ鉄道だ。
 古角さんは沿線にある自分の畑を開放して「いも掘り列車」を企画したり、「ふるさと農園」と銘打って無料で貸し出したり、”あの手この手”のアイデアを連発。「一人でも多く列車に乗ってもらいたい」という。
 1915年(大正4年)開通した同路線は、1985年(昭和60年)4月から、第三セクターで運行している。
 一昨年12月から始めた「サンタクロース列車」がヒットした。去年は19回走らせた。
・島根県の一畑電鉄 楽しい夏場の深夜「花金電車」
 ペンキのはげた窓わくとひじかけ。黒光りする床。駅に止まり、モーターの音がやむと、ハッとするほどの周囲の静けさに気付く。切符は厚紙製。30年前の日本に戻ったような錯覚に陥る。一畑電鉄はそんな電車だ。1両か2両編成でトコトコ走る。手でドアを開閉する車両もある。松江市と出雲市、出雲大社を結ぶ全線42.2`の単線鉄道だ。
 松江温泉駅を発車するとすぐ、宍道湖が左手に見える。青空と水の色、中国山地のコントラストが美しい。
 朝夕のラッシュ時以外はがらがら。川跡駅(出雲市武志町)で、25年間駅員を務めている西尾国子さん(62)は「夏は線路の草取り、冬は雪かきで大変です」と話す。
 3年前から、夏季の金曜日深夜、終電の後に1往復「花金電車」を運行し、週末の夜を楽しむ通勤客の強い味方になっている。
・土佐電鉄 走る博物館めざしドイツ車両を購入
 街を走る電車からまず国際化を−。高知市の土佐電鉄は外国の旧型車両を買い取って運行「走る博物館」を目指している。第1号としてドイツ・シュツットガルト市から届いた電車は人気を呼び、市民の足として歓迎されている。
 黄色と白色のツートンカラーが鮮やかな2両連結の車体は全長18b、幅2.2b。ドイツ語の広告やステッカーが外国の雰囲気を伝える。日本のレール幅に合うように車軸を狭くし、前後に運転席をつくるなど大幅に改造。土佐電鉄の整備工はドイツ語の辞書を片手に図面をにらみながら奮闘、内装や塗装もやり直した。
 現在、ポルトガルやノルウェーの車両も加わり、整備工場で改造が進んでいる。「街に彩りを添えると好評。土佐観光のスターに育てたい」とさらに数ヵ国と車両購入の交渉を進めている。
・新居浜の別子1号 鉱山リゾート地願い復元
 深緑の渓谷を観光客を乗せた鉱山列車が走る。日本三大銅山の一つ、旧別子銅山(新居浜市)に、この6月よみがえった明治の蒸気機関車「別子1号」。工都・新居浜に観光都市というもう一つの顔を、との願いを込めてオープンした「マイン(鉱山)トピア別子」の呼び物。
 1893年(明治26年)、当時の金で6424円をかけてドイツから輸入、日本初の山岳産業鉄道として開通したのが「別子1号」。このほどひと回り小さくして復元、電気で動くが、煙や蒸気を出す装置もあって雰囲気は当時のまま。
 幅約76aの狭軌道(約420b)やレンガ造りのトンネル(95b)、トラス型鉄橋(47b)は当時のものを修理して再利用した。
 2つの駅舎やレール敷きなども含め、復元費用は約1億円。銅山の過去から、”鉱山リゾート”へ−という「未来への夢」を乗せ快調に走っている。
・高松琴平電鉄 人気を集める多彩な車種
 「こんぴらさん」の名で親しまれる香川県琴平町の金刀比羅宮。高松琴平電鉄の琴平線は、高松市から琴平までの33`を1時間で結ぶ。朝夕のラッシュ時以外は1時間に上下計4本、2両編成が讃岐平野を走る。
 今春、沿線の岡田駅近くに、西日本最大のテーマパーク「レオマワールド」が完成。春のダイヤ改正では、36年ぶりに、高松築港−琴平間の時間を6分、短縮させた。
 マニアからは「走る鉄道博物館」と言われる。近鉄、東急、山形交通などから買った車両を使っているからだ。1926年製造の1000型車両は、鉄道友の会が活躍中のクラシックカーに贈る「エバーグリーン賞」に選ばれた。
 琴電は、高松市の中心部と郊外を結ぶ琴平線のほかに志度線(14`)と長尾線(15`)がある。志度は平賀源内の故郷。長尾は四国霊場の結願(けちがん)寺、88番大窪寺の最寄り駅だ。
・北陸鉄道 浅野川線 最古参は55年目いまも健在
 大正末期、金沢市郊外、河北郡内灘町の「栗崎遊園」は「北陸の宝塚」といわれた。1916年(大正5年)に浅野川電鉄として開業した北陸鉄道浅野川線は、開園に合わせて25年に延伸、金沢駅(国鉄)と遊園地を直結した「アサデン」として親しまれてきた。しかし第二次大戦で遊園地の方が先に消えた。
 河北潟などでとれた魚を運んで40年というおばあちゃんは「30年ぐらい前は、大熱でいすに座って、列車を占領しとった。今じゃ隅のほうで小そうなっとる」とさみしそう。
 かつての遊園地と漁港の町はベッドタウンに姿を変え、「アサデン」を利用する乗客も、行商や遊泳客らから通勤通学客に変わった。営業距離7`足らずの所に12駅で、隣の駅がすぐ見える。現役55年目を迎える車両も含め1日34往復で5500人を運ぶ。(朝日新聞)
13日■信楽惨事の後遺症深刻 関西学研都市 ハイタッチ・リサーチパーク 23人死傷 研究中止や変更
 滋賀県・信楽町で起きた信楽高原鉄道の列車衝突事故から14日で3ヵ月。死者6人を含む23人の死傷者を出した京都府木津町の研究所団地「ハイタッチ・リサーチパーク」では、被害者のほとんどが企業の期待を担った研究者だったため、研究を事実上停止させたり内容を変更するなど、いまなお深刻な「後遺症」に悩まされている。
 ハイタッチ・リサーチパークに進出の9社の研究者ら22人と事務局1人の23人は研修として信楽町で開かれていた世界陶芸祭見学に向かう途中、JRの臨特快速列車に乗り合わせ事故に遭った。
 大理石を用いた床材の研究を始めたばかりの京都・西陣の帯製造会社「渡文」(本社・京都市)の研究施設「ワタブンホームファニシング研究所」は、スタッフ5人のうち3人がけがをし、研究はストップしたまま。
 マネキン製造会社、吉忠マネキン(本社・京都市)の「YOSHICHU情報センター」は、次長だった平野秀一さん(当時60)が死亡。ファッションや文化、美術の情報を世界から集めるテーマは平野さんが中心になって進めていたため、研究内容をマネキンの原型製作を中心としたものに変えざるを得なくなった。
 また、製茶業の福寿園(本社・京都府山城町)の「CHA研究センター」は、ガラス茶器の研究に打ち込んでいた臼井信子さん(当時26)を失った。後位を人選中という。
 同リサーチパークの西村保孝代表理事は「オープン早々だったのでダメージは大きい。今は立て直さなければいけないという気持ちでいっぱいだ」と話している。
 ハイタッチ・リサーチパーク 低迷する京都の伝統産業を中心に13社が、異業種交流や新商品の開発などを目的に設立した協同組合。うち10社の研究施設が去年9月、京都府木津町の関西文化学術研究都市「平城・相楽地区」にオープンした。残り3社の研究施設は来年春に完成する予定。(朝日新聞 夕刊)
14日■トラックの所有業者 労基署が書類送検 JR福知山線踏切事故
 福知山市野家のJR福知山線岡踏切で、列車と大型トラックが衝突、負傷者390人を出した事故で、福知山労基署は13日、労働安全衛生法違反(作業計画、使用の制限)の疑いで、トラックを所有、管理していた建設業、米田組(米田洋一社長 福知山市堀)と同社作業責任者の田中秀喜土木部長(35)、現場監督の江坂玲志士木部現場主任(28)を書類送検した。(京都新聞)
■車両故障で乱れる 東海道新幹線
 14日午前5時55分ごろ、静岡県浜松市のJR浜松駅で、発車前点検中の浜松発東京行き新幹線こだま504号の緊急ブレーキの1つが解除できなくなった。列車は応急処置の上、徐行運転したが、静岡駅に31分遅れで到着後、運転を打ち切り、乗客は後続に乗り換えた。この故障で東海道新幹線の上下線11本が最高38分遅れ、約1万1000人に影響した。(京都新聞 夕刊)
■ブレーキ故障新幹線に遅れ
 14日午前5時55分ごろ、JR東海道新幹線の浜松駅で前夜から停車していた同駅発東京行き「こだま504号」が発車準備中、自動の緊急ブレーキが解除できなくなり、応急処置をして徐行で引き込み線のある静岡駅まで移動させ、運転を打ち切った。
 この影響で1万1000人の足に影響し、JR西日本は山陽新幹線に2本の臨時列車を運転した。(朝日新聞 夕刊)
15日■駅員、拾得物山分け 大阪市営地下鉄の2人 米人届けた7万円
 大阪市営地下鉄中央線緑橋駅(東成区)の駅員2人が、米国人女性から拾得物として届けられた現金7万円を山分けして着服、10日付で諭旨免職されていたことが14日、わかった。
 いずれも阿波座管区駅に所属していた21歳の職員。交通局の調べによると、7月13日、同市中央区に住む女性英語講師(23)が「ホームで拾った」と茶封筒に入った現金を届けた。同29日に女性講師が日本人の友人を連れ、落とし主が見つかったかどうかを駅に確認に来て、拾得物処理がされていないことが分かった。
 事情聴取の結果、当日の改札担当の2人が認めたため、市は弁償させたうえ処分した。(朝日新聞)
■地上の掘削パイプ貫通 地下鉄が衝突 大阪市、ひた隠し 乗客ら600人は無事
 大阪市住吉区我孫子東三丁目の同市営地下鉄御堂筋線あびこ駅南付近で14日、地上から掘り下げた地質調査のためのボーリング掘削パイプが地下鉄トンネルの天井を突き破って貫通、乗客600人を乗せた上り列車と衝突する事故があったことが15日分かった。幸いパイプは列車の左端に当たっただけで乗客にけがはなかった。
 地質調査は大阪市営住宅の建て替えに伴うもので、調査を実施した大阪市都市整備局は「住宅敷地部分の下を地下鉄が通っていることについて管理部門から設計部門への連絡がきちんとされていなかった」と部内の連絡ミスを認めている。
 同市交通局は列車の損傷や遅れの程度が少ないことから当初は事故扱いしなかった。しかし社会的影響などを考慮、15日、近畿運輸局に報告した。
 事故があったのは14日午前10時35分ごろ。御堂筋線なかもず発千里中央行き電車(9両編成)が、あびこ駅南500b付近にきた時、前方10bのトンネルの天井から床まで鉄パイプが貫通しているのを運転士が発見。急ブレーキをかけたが間に合わず、「ドーン」という音とともにぶつかり、約80b過ぎて止まった。車両左下端が衝突のショックで一部はがれ落ちていたが走行に支障はなく、5分遅れで運行を再開した。
 掘削パイプは直径8.5a、全長11bのうち4bがトンネル内に突き出てレールまで達した。
 同市都市整備局、交通局によると、市営地下鉄7線104`は軌道法に基づいて原則として道路の下を通っているが、例外的に一般の敷地にかかっている部分が5ヵ所だけある。今回の現場もその一つ。5ヵ所の存在は都市整備局内の管理部門は把握していたが、設計部門にきちんと伝わっていなかった。(京都新聞 夕刊)
■ボーリング突き抜け 御堂筋線と接触 線路まで貫通
 大阪市営地下鉄御堂筋線のトンネル内に、市営住宅建て替えのための地質ボーリング調査用のパイプが天井から突き抜け、走行中の電車と接触する事故が起きたことが15日、明らかになった。
 大阪市交通局によると、14日午前10時40分ごろ、我孫子駅の南約500bの同市住吉区我孫子東三丁目で、中百舌鳥発千里中央行きの電車の運転士(27)が前方10bのところに、天井から線路上まで(約4b)鉄パイプが貫通しているのを発見、ブレーキをかけたがパイプに衝突、80b通過して止まった。電車の左前部が少し破損していたが、運行に影響なしとみてそのまま運転を続けた。電車の乗客約600人にけがはなく、電車は5分遅れた。
 交通局の調べでは、この鉄パイプは直径85_で、長さ1bのをつないでいる。地上からトンネルの天井までは7b、トンネルの高さは4bで、電車と接触した後、パイプは天井部分から折れ、4本が落ちていた。市都市整備局がトンネルの上にある市営我孫子東第二住宅(木造)を建て替え、高層化するため、同市天王寺区の建設会社に委託したボーリング調査の最中、突き抜けたと分かった。
 御堂筋線のトンネルは市営住宅東側のあびこ筋の地下を通っているが、このボーリング地点では市営住宅敷地内に約1.5b入っている。市側は「地下鉄はあびこ筋の真下を通っているとばかり思っていた。都市整備局には知っている人もいたが、設計担当者には伝わっておらず、局内の連携ミスだ」と認めている。
 しかし、その一方で「影響が少なかった」として、近畿運輸局などに事故の報告をせず、何々に処理していた。(朝日新聞 夕刊)
■終戦8・15 問う 日本の加害 忘れ去られた「過去」−証言次々と、新資料も
 戦争体験が薄れゆく一方で、かつて日本がアジア各地に残した侵略の跡を見詰め直そうという動きが続いている。46回目の「敗戦の日」を迎えた15日、大阪の市民集会で、泰緬(たいめん)鉄道の建設工事現場で働かされたマレーシアの元労働者が、その実態を話した。韓国では元従軍慰安婦の女性が名乗り出るなど、平和の中で日本が忘れ去った「過去」が、明るみに出ようとしている。
・泰緬鉄道 休みなく重労働
 第二次大戦中、旧日本軍が陸上補給路確保のためタイとミャンマーの間に敷いた泰緬鉄道で、建設工事に働かされたマレーシア人の宋日開さん(73)が15日、大阪市中央区で開かれた「アジア・太平洋地域の戦争犠牲者に思いを馳(は)せ、心に刻む集会」(事務局・大阪市浪速区)で証言した。
 宋さんは1942年8月、クアラルンプール南東約60`のセレンバンで日本兵に呼びとめられ、鉄道建設の労働者として働くよう言われた。「断ったら、危害を加えられそうだったので、承諾する以外になかった」
 タイ山間部のテーモンターへ。丸太小屋で寝起きしながら、鍛冶(かじ)場や土砂の運搬係で働かされた。突貰工事で「休みもなく、雨が降っても夜遅くまで働かされた」。
 重労働やマラリアの流行で次々と倒れ宋さんと同じ列車で運ばれたマレーシア人780人のうち、生きて戻れたのは49人だけ。報酬は軍票で支払われ、戦後は使えなかった。
 宋さんは3年前に元労働者ら約300人で日本政府に賃金支払いを求める団体を結成、代表を務める。「補償を要求するのではない。ただ働いただけの賃金を払ってほしいだけだ」と、参加者らに支援を訴えた。
・従軍慰安婦 名乗り出て告発
 韓国の「韓国挺(てい)身隊問題対策協議会」(尹貞玉・共同代表)が聞き取り調査をしている元従軍慰安婦(女子挺身隊)の女性が14日午後、ソウル市内で、実名を出して証言した。同夜のテレビニュースで流され、15日朝の韓国の新聞各紙に大きく報道されるなど反響が広がっている。
 この女性はソウル市鍾路区に住む金学順(キム・ハクスン)さん(67)。
 尹代表によると、この日、2回目の聞き取り調査をしたところ、金さんは「日本政府は挺身隊の存在を認めない。怒りを感じる」と、自分の体験を公表すると申し出た。それまで非公開で聞き取りをしていたが、急きょ韓国の報道陣に公開することになった。
 尹代表は「たくさんの証人が登場し、対日補償運動が本格化することを願う」と話している。
・中国侵略 未公開の事実明らかに
 日中戦争当時の旧日本軍の支配実態などを示す資料集「中国側史料・日本の中国侵略」が15日、出版された。静岡や新潟などに住む市民グループが、中国国立南京歴史第二■案館で保存されている、南京事件や毒ガス実験、細菌戦などについて中国側が調査した資料などを入手してまとめた。未公開のものも多い。
 A5判、519n。団体職員、高橋正博さん(42)ら、日中戦争の実態調査に取り組む4人が中心となり、中国政府の許可を得て、3年がかりで編さんした。南京で樹立された親日本政権の民衆支配政策関連資料を中心に紹介。居住証や旅行証発行手続き文書などで、これらは、これまで解明が遅れていた分野だ。
 さらに、中国国民政府軍が調べたとされる、日本軍の毒ガス使相例の文書を収録。米国立公文書館で見つかっている別の関係文書と作戦の時期、内容が一致している。(朝日新聞 夕刊)
16日■JR山陰線乱れる 特急ブレーキ故障
 15日午後3時25分ごろ、兵庫県城崎郡城崎町、JR山陰線城崎駅構内で米子行き下り特急「はまかぜ3号」のブレーキが、かかったまま緩まなくなった。このため、係員を派遣、応急修理し同列車は約1時間10分遅れて発車したが、同線の列車は、後続の特急5本と急行、普通列車各2本が25分から5分遅れ、約2100人の乗客の足に影響した。JR福知山支社で原因を調べている。(京都新聞)
■JR花園駅 迷惑駐車にお手上げ 北側の歩道を占拠 撤去とのイタチごっこ
 右京区のJR花園駅前付近で歩道まで占拠した自転車の迷惑駐輪が最近目立っており、駅員や撤去に当たる市関係者を嘆かせている。
 同駅によると、現在、駅周辺での駐輪数は、一部バイクも含め約300台に達している。駅構内に乗降客用の駐輪スペースはあるものの、約130台ととても足らず、あふれた分が駅北側の丸太町通の歩道を「占拠」している。
 こうした現状に放置自転車の定期的な撤去をしている市道路管理課では、今年に入って5月と6月の2回、撤去を実施。6月は171台を撤去したが、しばらくするとまた迷惑駐輪が再現、他のターミナル同様、撤去と駐輪のイタチごっこが繰り返されている、という。(京都新聞)
■JR京都・城陽両駅を使いやすく 独自設計で訴え 障害者団体 模型展示会開催へ
 JR城陽、京都両駅をみんなが使いやすい駅にしようと、城陽市内の障害者団体が中心となり17、18の両日、城陽市福祉センターで、独自の設計による両駅の模型展示会などを開く。
 17日は、ホームへ降りるためのエレベーターとエスカレーターなどが設置されたと想定して作ったJR城陽、京都両駅の模型の展示会。18日は京都大工学部・片方信也助手の講演や意見交換会など。両日とも午前10時からで、入場無料。
 JR城陽駅は同市とJR西日本が共同で工事し、5月に橋上駅として完成した。「城陽障害者問題を考える会」(堀井功会長)などの要望で、城陽市は駅舎の両側にエレベーター2基を設置した。しかし、ホームに降りるためのエレベーターは取り付けられず、同会がJR西日本に設置を要望している。JR京都駅にもホームへのエレベーターはない。
 これらを訴えようと、考える会と城陽駅前対策連絡協議会、京都駅建て替え問題対策協議会の3団体が企画した。考える会の堀井会長は「お年寄りや体の不自由な人らだれもが利用しやすい駅について皆でじっくりと考えてみたい」と話している。(朝日新聞)
■車いす用エスカレーター 駅へ導入広がる 自治体助成で普故に拍車
 車いすが安定して乗せられるエスカレーターの導入が鉄道の駅に広がり始めた。従来のエスカレーターに比べて3、4割割高となるが、障害者からの要望や自治体の助成もあり、鉄道会社が設置に動きだした。
 外見は従来と同じだが、車いす用運転にすると、一つずつで段を作っているステップが、水平に2つ並んだり、ステップに内蔵の折り畳み式の台が現れたりして、広いスペースを作れるので車いすが乗せられる。このため、付き添いの駅員は1、2人で済む。
 このエスカレーターは1984年に初めて登場、89年から年間50台前後のペースで増え、現在、全国で約190台。関西で最も早く87年から導入した南海電気鉄道は河内長野、中百舌鳥、千代田駅など5駅に計12台設置、今年度中にさらに林間田園都市と金剛駅に計5台設ける。
 JRグループでは、西日本が大阪、三ノ宮、京橋など5駅に計10台。東日本が3月、成田エクスプレスの開業を機に発着駅の新宿、横浜に導入したのをはじめ11駅で計27台設置。九州は初めて8月1日に小倉駅に2台設けた。
 需要の高まりに、メーカーの動きは活発。三菱電機、日立製作所の2社に続いて、東芝や日本オーチス・エレベータが市場参入の動きを見せている。
 また建設費の一部を補助する制度も去年4月、横浜市と神奈川県でスタート。今年度中に大阪市でも制定するなど自治体の支援の動きが出ている。
 さらに運輸省は、エスカレーターを導入する場合、車いす対応型が望ましいとの指針を6月、通知した。鉄道会社側は「駅の新設時には導入していきたい」(JR西日本)と意欲を見せている。しかし、約3500万円と割高な建設費のため、既設駅については「大改造のとき」(同)と、導入目標は具体化していない。(朝日新聞)
■時々刻々 信楽高原鉄道 進まぬ補償 さびつく線路 JRと責任なすり合い 改善策示し再開へ懸命
 滋賀県信楽町の第三セクター、信楽高原鉄道とJRとの列車事故の遺族らは気持ちの整理がつかぬまま初盆を迎えた。発生3ヵ月の命日にあたる14日は現場横の慰霊堂に信楽町在住の遺族、JR西日本の幹部、信楽町長らが参列して犠牲者のめい福を祈った。補償交渉は責任の所在などをめぐって進展せず、あおりで地元の切望する運行再開のメドは立たない。のどかな陶器の里、信楽のこの夏は切ない。(社会部=後藤俊明、稲垣 えみ子)
・怒り募る遺族
 「事故の責任を謝罪しないばかりか、補償の具体的な内容もなんら示さない」。7月末の日曜、死者42人のうち21人の遺族が大阪市内のホテルで、「遺族の会」を結成した。
 世界陶芸祭見物の伯父を亡くした東京の弁護士、宮内康浩さん(28)。「JR側は、『事故の責任は高原鉄道側にある』という態度で謝罪を全くせず、補償交渉を進めようとしている。誠意のかけらも見られない」と訴え、「遺族の会」事務局長を引き受けた。
 また、同会世話役の一人で妻を失った神戸市東灘区の会社員中原邦夫さん(56)は「妻はJRの切符を買い、JRの車両に乗っていて事故に遭った。JRに責任がない、というのは許せない」と語気を強めた。
 遺族側がいくら要望しても、JR側からはいまだ事故の具体的な状況、原因などについて説明がない。「解決の道が開かれないのに、運行再開なんて納得できん」と反発の声も強い。「遺族の会」は、9月初めの第2回総会で大阪の弁護士ら六人を弁護団に選任、事故と賠償の責任を追及する。
・示談まだ50人
 滋賀県警は高原鉄道とJRを業務上過失致死傷の容疑で捜査している。しかし、高原鉄道とJRの間で依然、責任のなすり合いも見られ、進まない賠償問題に影を落としている。
 遺族への補償交渉は滋賀県、信楽町、JR西日本、信楽高原鉄道の四者協議会で取り組み始めた。大阪市と大津市にオープンした被災者相談室の担当者が遺族らを訪問している。
 だが、井上春絹・相談室長(63)は「ご遺族の方々は弁護士から補償について触れないよういわれていると取り付くシマもない」と頭を抱えている。
 死者、負傷者合わせた補償総額は、30億円とも、40億円ともいわれる。高原鉄道が加入していた保険金額は最高3億円しかなく、巨額な負担はとても背負い切れない。
 悩んだあげく、滋賀県はこの高額負担の一案として水俣病のチッソ県債方式を思い付いた。水俣病の原因をつくった企業「チッソ」に、熊本県は国8割、民間2割の財源で融資し、認定患者への補償金を支払わせている方法だ。「こうした起債には国のてこ入れが必要。しかも、年商1億円の高原鉄道には、たとえ再開できても債務返済の能力がないし、いまは暗中模索です」と、同県はいう。
 一方、JR側は当面の補償金の立て替えを引き受けたものの、最終的な負担については「あくまで司法判断を待って事故責任者に請求する」と当初の主張を繰り返すだけ。
 遺族補償のほか、今も入院している24人の重傷者などの補償も進んでいない。これまでに示談が成立したのは負傷者576人中の50人しかいない。
・「冬までには」
 陶芸の里、信楽町の山間を縫うように走る約15`の高原鉄道。いま、線路はさび、雑草だらけ。「早く運行再開しないと、町の足として守って来た第三セクターの鉄道は崩壊する」と、同鉄道社長の杉森一夫・信楽町長は訴える。
 高原鉄道の幹部ら13人は現在、代行バスの業務や遺族らとの交渉に当たる一方、足繁く近畿運輸局にも通って再開案の説明に懸命だ。信号所を無くして単線折り返し運行にするなどの改善策を打珍し、「とにかく、冬までに運行再開をしたい」と切望している。
 信楽事故を教訓に、運輸省が呼び掛けた最高50億円の保険金額の新団体保険制度がこの7月1日に発足した。高原鉄道もまだ運行再開のメドが立たないものの、全国の第三セクターや中小私鉄90社とともに加入した。
 遺族への補償問題が見通しもつかない中、運行再開を声高に叫べないのが実情だ。解決の糸口を見つけようと走り回る高原鉄道関係者にとって、長い夏が続く。(朝日新聞)
■新JR京都駅ビル 車いすで使いやすく 障害者団体が要望
 車いすで全国を歩く運動を続けている障害者グループ「TRY91実行委員会」(鬼塚孝治代表)が16日、大阪市北区のJR西日本本社を訪れ、3年後の完成を目指し現在計画中の新JR京都駅を車いすでも使いやすいようなモデル駅にしてほしいと、要望書を手渡した。JR側も十分検討すると答えた。
 要望によると、段差の解消、エレベーター、幅の広い改札口、点字ブロックなどの設置を求め、さまざまの障害に応じた介助方法を社員研修するよう求めている。17日には京都駅で車いすオリエンテーリングを計画している。(朝日新聞 夕刊)
17日■夏休み自由研究に役立てて JR西日本が工場無料公開 鉄道部品の展示即売ミニSL試乗も 25日…淀川電車区(東大阪市) 来月1日…鷹取工場(神戸市)
 夏休みの自由研究などに役立ててと、JR西日本は25日に淀川電車区(東大阪市川俣二丁目)を、9月1日に鷹取工場(神戸市須磨区大池町五丁目)をそれぞれ一般公開する。入場無料。
 淀川電車区は、JR片町線(学研都市線)放出駅南東約1`。午前10時から午後3時。この春登場したJR西日本の最新車両「207系電車」の床下機器見学、昔の保線作業に使っていた軌道自転車の試乗、参加者が車内に入ったまま電車の洗浄作業を体験してもらうなどを企画している。模型電車のリモコン操作や、鉄道部品の展示即売も。
 鷹取工場は、JR山陽線鷹取駅東300b。午前9時半から午後3時。蒸気機関車「D51-200」や展望車、電気機関車などの展示▽ミニSL、ミニ新幹線の試乗▽電車の内装品をはぎ取って即売する「はぎとり市」など。小学生を対象に、ベルの組み立て、架線文鎮、記念メダルなどの手作り工作、日博大工コーナーも。完成品は持ち帰れる。(朝日新聞)
■瀬戸大橋特急 11月から95` JR四国、地元に要請
 JR四国は、「騒音がひどい」という沿線住民からの苦情で、瀬戸大橋を走る特急の速度を2年以上ダウンさせているが、「騒音防止対策が効果をあげている」として16日、「ダイヤ改正する11月21日から、一部を減速以前の時速95`に戻したい」と香川、岡山両県や地元自治会などに要請した。強硬に反対する声はなく、実現すれば約2分の短縮になる。
 JR瀬戸大橋線の騒音は、開通した1988年4月直後から本四連絡橋公団が定めた環境保全努力目標値(80ホン)を超えるケースが多く、沿線住民からは「うるさくて眠れない」などの声が相次いだ。暫定措置として、騒音のひどい特急を住民の要望通り30`減速、時速65`で運転してきた。(朝日新聞)
■地下鉄工事で発見の平安京「神泉苑」 盛り上がらぬ保存運動 本格調査姶まったが 気がかりな開発”優先”
 桓武天皇など平安時代初期の天皇が行幸し宴を催した平安京の禁苑「神泉苑」の一部が今年2月、京都市営地下鉄東西線の建設工事に伴って発見された。同市は当初、試掘溝部分しか調査していなかったが、文化庁の指導もあって、6月末から、地下鉄路線部分を4期に分けて全面発掘する本格的な調査を続けている。
 しかし、歴史学者や考古学者らが重要性を指摘するにもかかわらず、保存運動は盛り上がらない。その学者たちも、地下鉄の早期完成と学問的立場の間で揺れている。
 今年2月の試掘溝調査で、二条城と現在の国指定史跡「神泉苑」に挟まれた押小路通で、船着き場らしい部分が発見された。今回の本格的な調査で、他のみぎわの続きや西の釣台、回廊の一部などの発見が期待されている。
 地下鉄建設を進める市交通局は「調査の結果を待って保存を検討する方針」(和田穣高速鉄道本部建設部長)。だが、工事は路面から地下に掘り下げて行くオープンカット工法で進めたい意向。
 保存を訴える側の「もぐらのようにトンネルを掘るシールド工法で出来ないのか」という声に対しては、堀川通から西に地下鉄の堀川駅を造る予定のため、断面が円形になるシールド工法では、駅舎の建設が難しい、と説明する。
 佐賀県の吉野ケ里遺跡では、発掘に携わった調査員が熱心に保存を全国に訴え、世論を動かした。しかし神泉苑では、そのような声は聞かれない。古都再開発のあおりを受け、急増する行政発掘に追われ、保存運動にまで手が回らないという。
 代案として、市文化財保護審議会のメンバーで、古代学研究所長の角田文衛さんは「遺跡の一部を残し、地下に下りられる階段を付けて、一般公開しては」との意見を出している。
 《メモ》神泉苑 二条大路を挟んで、大内裏のすぐ南側にあった。東西は大宮大路と壬生大路間の二町、南北は二条大路と三条大路間の四町で、計八町の広さだった。現在の国指定史跡「神泉苑」は当時の約8分の1の広さ。
 桓武天皇の命で造営されたといわれ、延暦19年(800)、桓武天皇が初めて行幸したことが記録に残っている。嵯峨、淳和の両天皇も足しげく訪れ、貴族を招き、池に舟を浮かべ、管弦の遊びを催した。貞観5年(863)には、今の祇園祭の原型、御霊会(ごりょうえ)が開かれた。(朝日新聞)
■泰緬鉄道 以外ないきさつ 「軍用」「経済」二つの思惑 輸送体制整備図った日本 「帝国主義の権益」に抗したタイ
 太平洋戦争の最中に、旧日本軍がタイ(泰)とミャンマー(旧ビルマ=緬甸)との間に建設した全長415`の泰緬鉄道は、ミャンマー戦線への補給ルートとして活動した軍用鉄道であった。日本軍が建設の労働力としてイギリス、オーストラリアなど連合軍捕虜を使ったため、戦後にデビッド・リーン監督が「戦場にかける橋」という戦争映画の名作を残すことにもなった。ところが、泰緬鉄道には軍用のみならず、交易用の経済線としての機能を持たせるという考え方が、当初より見え隠れしながらあったことは、一般に知られていない。
・日本軍20万人の生命線
 石田英熊元中将は、泰緬鉄道はむしろ経済線としての構想から出発したという。1943年8月から泰緬鉄道建設の最後の司令官を務めた石田は、戦後の軍事裁判によってシンガポールのチャンギー刑務所で受刑し、帰国している。石田は獄中でしたためた手記の中で「奉緬線は当初経済線として考えられたのであるが、42年末期頃から作戦鉄道の色彩を帯び、特にシンガポール・ラングーン間の海上交通脅威せらるるやビルマ作戦中の日本軍20万に対し生命線たるの位置を生ずるようになった」と述べ、東條英機元首相が主張したベトナムのハノイとミャンマーの間を短縮する鉄道計画を「東條線」とも呼んでいたという。
 たしかに、大本営陸軍部が泰緬鉄道の建設開始に際し発した、42年6月の指令の中にも、「緬甸二対スル陸上補給路ヲ確保シ泰、緬甸間ノ交易交通路ヲ開拓スルニ在り」という、軍用だけではない目的を示すことばがみられる。
 旧陸軍省が45年末に作成した戦後の極東軍事裁判向けの証拠用資料「泰、緬甸連接鉄道建設二伴フ俘虜使用状況調書」の中にも、作戦行動に使ってはいけないはずの捕虜を使用したという理由に、タイとミャンマーとの交易交通路たる使命を持っていたからという、いいわけをしている。
・断たれた海上の補給路
 軍用と経済のためという二つの思惑は、開戦前の41年2月に閣議が決定した交通政策要綱にも見いだせる。いわゆる「日本・満州(中国東北部)・支那(中国)」の結合を核とする「大東亜共栄圏」を構築するため、東南アジアを含む新たな交通体系の確立を説いて、軍事的要請を優先させつつ経済的要請をも充足させる、という目標がそれである。さらに戦時中の42年8月、大東亜建設審議会が答申した大東亜交通基本政策では、とくに「大東亜共栄圏」全体にわたる一貫輸送体制のための交通網整備が重視され、日本・朝鮮・満州・中国・東南アジア各地域を結ぶ「アジア縦貫鉄道」構想が浮上し、戦局の悪化とともに具体化していった(原田勝正『日本の鉄道』吉川弘文館、1990)という。戦線への海上補給路が危険にさらされ、太平洋での海戦で多くの輸送船を失い、「大東亜共栄圏」と呼んだ日本軍の占領地域へ、兵站線をつなぐための構想であったといえる。
 地元の独立国タイでは、日本軍が進駐1ヵ月後の42年1月3日に「日泰協同作戦ニ開スル協定」という密約を結んで、タイは泰緬鉄道建設のための労働者や資材の調達に日本軍に協力していた。筆者がバンコクの国立公文書館で調べたタイ国軍の機密文書によると、タイは、泰緬鉄道は軍用鉄道であるとして、勅令で5年に限り鉄道建設予定地の収用を行い、日本軍が進駐した12月8日という日を選んで、戒厳令に基づき軍と交通省鉄道局が軍用鉄道を建設する、と定めていた。さらに翌年の泰緬鉄道が完成した後の12月8日には、鉄道局をタイ国軍最高司令部の軍鉄道部とし、国内全線を軍の管理下においた。タイが軍用鉄道としたのは、民用鉄道とすれば建設者の権益を認めねばならないからであった。権益取得が帝国主義者の植民地獲得の手段に用いられてきたのをタイは知っていたからである。
・地域開発の期待になう
 戦後、泰緬鉄道は奥地の部分を撤去して、ほぼ3分の1の130`が残り、毎日1便バンコク市内のトンブリーから内外の観光客を乗せて走り続けている。美しい渓谷をぬい、戦時中から残る高い本橋の上をヒヤリとさせながら走る観光コースである。沿線は開発されて、イモ畑やサトウキビ畑が続いている。平和になった今、鉄道建設に従事した7万人近いアジア人労働者の実態はまだ十分解明されていないものの、経済線としての構想は生かされ、観光地・農地としての地域開発の期待をになって泰緬鉄道は走り続けている。
吉川 利治 大阪外国語大学教授(タイ史) よしかわ・としはる 1939年大阪市生まれ。大阪外国語大卒。著書に『日タイ交流600年史』『東南アジアの思想』(ともに共著)など。(朝日新聞 夕刊)
18日■走れニュートレイン〈19〉 C62ニセコ号 JR北海道 SLの王者が復活
 北海道の大幹線、函館線の小樽−長万部間は通称山線と呼ばれて険しい峠越えが続き、電化されていない。函館−札幌間の特急列車は大回りながら平たんな室蘭・千歳線を経由し、山線には普通列車が走っているのみで、小樽−旭川間とは全く別の線のようなローカル線になっている。かつては、この山線に日本最大の旅客用C62型SLが2台(重連)で急行「ニセコ号」を引いて峠を越えていた。
 SL廃止後、急行「ニセコ号」も廃止されたが、熱心なSLマニアやJR北海道の手によって、かつて山線を走っていたC62型SLを昭和63年四月、小樽−倶知安間に復活させた。復活した「C62ニセコ号」はかつての旧型木造客車を引き、派手な飾りもなく、往年の姿で復活運転された。その姿を見ても分かるように「C62ニセコ号」は熱心なC62愛好者によって復活できたといえる。
 車内は観光客に楽しめるように、レトロ調にインテリアが作り直され、車掌の姿は詰め襟、カフェカーの女性も復古調のスタイルでサービスに努めている。
 「SLの王者」と呼ばれるC62の復活で全国から多くのSLマニアがカメラを持って訪れるが、「SLマニアは列車に乗らない」とJR北海道や関係者は維持するためにも乗ってほしいと訴えている。
 現在は小樽−ニセコ間に延長運転されているが、沿線は海岸線や余市付近の果樹園、エゾ富士と呼ばれている羊蹄山の勇姿が望まれ、車窓の風景も自然がいっぱいだ。峠に差しかかるとSLの厳しい息遣いがすぐ間近に聞こえてくる。倶知安駅には羊蹄山からのわき水があり、乗客ののどを潤している。(鉄道写真家・南 正時)
 〈メモ〉「C62ニセコ号」は季節運転のため時刻表で運転日を確認。主に夏季を中心に運転される。料金(全車指定席)は小樽−ニセコ間1560円(指定席料とも。子供半額)。所要時間は約1時間45分。(京都新聞)
19日■JR駅エレベーター 車いす女性、14時間”幽閉” 埼玉・熊谷 警官同乗せず
 埼玉県熊谷市のJR熊谷駅で18日午前8時半ごろ、身体障害者用エレベーターの中に前夜から約14時間半閉じ込められていた車いすの女性が、家族の連絡を受けた駅員によって発見され、無事救助された。
 女性は警察官に付き添われてエレベーターに乗ったが、いつもなら同乗して扉を開閉するはずの警察官が扉を閉めたままで引き返し、女性は繰作ボタンに手が届かず閉じ込められた。
 この女性は同県行田市内の無職A子さん(23)で、下半身が不自由で車いすを利用している。
 熊谷署の調べによると、A子さんは17日、一人で出掛け、帰宅する途中だった。タクシーで同駅に乗り付け、運転手と駅前派出所の警察官に付き添われて同日午後6時ごろ、1階のエレベーターに乗り、2階の改札口に向かおうとした。
 しかし警察官が去ったため、操作ボタン(床から1.2b)やドアの開閉ボタン(同1.43b)に手が届かず閉じ込められた。18日になって、心配した家族が駅に捜しに来て、連絡を受けた駅員が発見した。
 身障者用エレベーターを利用する際は、駅員か駅前派出所の警察官が同乗することになっている。
 A子さんは「声を出したり、車いすをドアにぶつけたりしたがだれも気付いてくれなかった」と話している、という。(京都新聞)
■「列車火災! 」10人超す死者 飛び降り、そこへ対向貨物 中国・広東
 【北京18日UPI=共同】中国広東省警察当局によると、同省南部で18日未明(日本時間同)満員列車で火災が発生、飛び降りて非難した乗客が対向列車にひかれ、少なくとも10人が死亡、19人が負傷した。
 火災は列車がトンネルに差しかかった際に発生した。火は間もなく消し止められたが、煙に巻かれパニック状態に絶った乗客らが非常ブレーキを掛け飛び降りた。反対方向から来あわせた貨物列車に、暗さで目が利かずレール上にいた客が気付かず事故に遭った。
 【注】AP電は地元夕刊紙、羊城晩報の報道として死者15人、負傷6人と伝えている。(共同)(京都新聞)
■駅の身障者エレベーター 車いす女性14時間缶詰め 手届かず 埼玉 家族問い合わせで発見
 埼玉県のJR高崎線熊谷駅で、18日朝、身障者用エレベーターに14時間以上閉じ込められていた車いすの女性(23)が、発見された。前夜から捜していた家族の問い合わせで初めて缶詰めになっていることがわかった。普段なら、駅員か、隣接の駅前派出所の警察官が、エレベーターに同乗して扉を開閉するが、この日は、警察官が扉を開けただけで女性を一人で乗せた。女性は一人では扉の開閉が出来なかった。
 閉じ込められていたのは行田市の下半身が不自由な女性。17日、熊谷市内で買い物などをした後、帰宅のため午後6時ごろ、タクシーで熊谷駅北口に着いた。運転手が車いすをエレベーターまで押し、派出所の警察官がエレベーターの扉のかぎを開けた。ところが、警察官は乗せるまでは手伝ったものの同乗はせず、駅にも連絡しなかった。
 改札口は2階にあり、南北それぞれに、かぎつきの身障者用のエレベーターがある。インタホンで頼むと駅員が出迎え、同乗してホームまで介助するのが通例。北口の場合は派出所でかぎを預かっており、求められれば2階まで送り届けることもあったという。
 熊谷署によると、この警察官は、手助けしてきた運転手を保護者だと思った。タクシー会社によると、運転手は警察官が送り届けると思ったという。
 朝になって父親が、駅に出掛けて問い合わせ、1階に止まったままのエレベーター内に閉じ込められていたことがわかった。
 女性は体が小さいうえ、腕の力が弱く、床から1.4bのところにある扉の開閉ボタンや非常用ボタンを押すことができなかった。「外の声は聞こえたので、声を上げたり、車いすをドアにぶつけたりしたがだれも気付いてくれなかった」と女性は話している。
 鈴木保・熊谷署次長の話 配慮を欠いていた。今後は署員の指導を徹底する。(朝日新聞)
20日■重体の兄も死亡 近鉄京都線踏切事故
 京都府綴喜郡田辺町三山木川端、近鉄京都線興戸第二踏切付近で19日早朝、京都行き急行電車にはねられ意識不明の重体となっていた相楽郡精華町内の高校生(16)は、約7時間半後の同日午後1時半、全身打撲で死亡した。(京都新聞)
■JR甲子園号 ”打率”は3割
 第73回全国高校野球選手権大会にちなんで、JR西日本が今年初めて企画した大阪駅から甲子園口までの列車ホテル「ナインドリーム甲子園」が20日朝の到着便で終了した。利用客は12泊で計610人、定員の31%しかなく、かなりの赤字になったが、JRでは「宣伝期間が短く、切符の発売個所も西日本に限られていたハンディを考えるとまずまず」と来年も続けたいそうだ。(朝日新聞 夕刊)
21日■新幹線が一時運休
 台風12号の雨による影響で、東海道新幹線は20日午後2時ごろから静岡県三島市と神奈川県足柄下郡湯河原町に設置してある雨量計が相次いで1時間当たり50_の豪雨を記録したため、小田原−新富士間で上下線とも一時、運転を中止した。(京都新聞)
■信楽高原鉄道 今冬運行再開へ道 JRが人材派遣 知事に約束
 列車事故で3ヵ月間運行休止が続いている信楽高原鉄道の運行再開へ向けて、滋賀県の稲葉稔知事は20日午後、JR西日本本社で角田達郎社長に会い、高原鉄道に対して主任技術者などの人材を派遣してもらうようJR側に正式に支援要請をした。これに対し角田社長は9月早々にもOB2人を派遣、社内に運行再開支援チームを発足するなど全面支援を約束、冬季までの高原鉄道運行再開に向けて動き出すことになった。
 高原鉄道では、5月14日に発生した列車事故で、列車に乗り合わせていた常務をはじめ、業務課長、運転士5人が死亡した上、主任技術者が病気退職するなど壊滅的な打撃を受けた。このため同鉄道では滋賀県に支援を求めると同時にJR西日本などに対しても人材派遣などを非公式に要請していた。
 稲葉県知事の支援要請は、19日に高原鉄道の杉森一夫社長(信楽町長)が運行再開へ向け主任技術者などの人材派遣を正式要請したのを受けて行われた。
 この日のトップ会議には、県議会の西村政之列車事故対策特別委員長、JR側の井手正敬副社長らが同席。稲葉知事は「事故について県としても精いっぱい対応してきた。高原鉄道は地域の重要な足なので運行再開できるようご協力を」と、JRの人材派遣を求めた。
 これに対し、JR西日本は同社のOB2人を派遣するほか、JR西日本内に井沢勝常務をリーダーとする信楽高原鉄道再開支援チームを発足、保安などの技術面を中心に全面支援することを約束。JR側の説明によると、派遣する技術者は、運行、保安のスペシャリスト。9月上旬をメドに信楽高原鉄道特別顧問で派遣する、としている。また、社内に発足させる支援チームは総勢19人。鉄道本部の安全対策室、運輸部、車両部、施設部、電気部の課長、副課長級の一線技術者と投資計画室からも参画する。
 信楽高原鉄道の運行再開に必要な保安、運行、経営面でのマニュアル作りのサポートをすることにしている。
 滋賀県では、JRの主任技術者の派遣について「技術陣の柱になる人が来てくれるので、運行再開の具体化へ大きく進展した。派遣される主任技術者を中心に運行基本計画を練ることになるだろう」と再開の条件となる人の体制が整ったと評価、今後、財政基盤の脆(ぜい)弱な高原鉄道の財政支援策について検討を急ぐことにしている。
・運行管理責任者に河合氏派遣を内定
 JR西日本は20日、信楽高原鉄道の運行再開を支援するため、運行管理責任者にJR西日本のOBである河合肇ジエイアール西日本メンテック取締役相談役(68)の派遣を内定した。
 河合氏は昭和48年2月旧福知山管理局運転部長、49年8月新幹線総局大阪第一運転所長を経て53年4月関西車両整備社長に就任。平成3年7月から現在のジエイアール西日本メンテック相談役。信楽高原鉄道では代表権のある取蹄役に就任する予定。(京都新聞)
■調査検討委あす発足 信号故障解明へ運輸省
 運輸省は、信楽高原鉄道事故を引き起こした信号保安システムの故障原因を解明するため、学識経験者らからなる調査検討委員会を22日、発足させる。
 死者42人を出した同事故では信楽駅の出発信号が青に変わらず、その上、誤出発検知装置がありながら信楽駅を列車が出発したのに小野谷信号所の対向信号が青…など信号機が正常に作動しなかった。現在、捜査当局が信号システムの作動状況も含め事故原因の解明を進めているが、同省としても同様事故の再発防止のため調査するもの。
 調査検討会は正田英介東京大学工学部電気工学科教授を委員長に、日本鉄道建設公団、JR西日本など鉄道事業者のほか信号機器メーカー、運輸省鉄道局など計10人で組織。同鉄道の信号保安システムの過去の故障発生状況、同システムの機能実態・作動状況など調査する。同省では、捜査本部と連携を取りながら来年春までには結論を出したい、としている。(京都新聞)
■貸し切りバス 8%の値上げ 近畿2府4県
 近畿運輸局は20日、近畿2府4県のバス会社118社の貸し切りバスを平均8%値上げする運賃改定を認可した。実施は28日からで、88年5月以来3年3ヵ月ぶりの値上げ。
 主なコースの利用料金は、大阪市内から大型バスで1泊往復の場合、北陸方面(金沢、越前)が35万1000円(現行32万4000円)、南紀方面(白浜、御坊)が27万2000円(同25万円)など。近畿の貸し切りバスは約3300台で年間利用者は約150万人。(朝日新聞)
■大阪市営地下鉄 鶴見緑地線の延長 大臣認可下りる
 運輸、建設両大臣は20日、大阪市が申請していた市営地下鉄鶴見緑地線の京橋−心斎橋間(5.7`メートル)の延長工事を認可した。駅は7つで、建設費は1220億円。9月中旬に着工、1995年度に完成の予定。(朝日新聞)
■信楽鉄道へOBを派遣 再開へ支援策 JR西日本
 5月に起きた列車衝突事故以来ストップしている滋賀県・信楽高原鉄道の再開に向けて、JR西日本は20日、運行責任者となるOBの鉄道技術専門家2人を9月上旬に派遣することを決めた。同日、JR西日本本社を訪れた稲葉稔・滋賀県知事の要請にこたえて明らかにした。JRは社内にも新たに19人の技術支援チームを結成し援助していく。JRが全面的に再開支援を打ち出したことで、今冬までの再開を望む地元住民の願いがかなう可能性が出て来た。(朝日新聞)
22日■運行再開へ2億円 信楽鉄道、県が試算示す
 滋賀県議会の信楽高原鉄道列車事故対策特別委員会が21日午後開かれ、参考人に杉森一夫信楽町長と北川啓二高原鉄道副社長を呼んで被災者の補償交渉、鉄道の運行再開問題をめぐって審議した。この中で、これまでに軽傷者を中心に被災者の18.9%に当たる82人の示談が成立したこと、運行再開基本計画づくりへ向けて高原鉄道の増資などを含む約7億円の財源対策を柱とする県の基本方針を初めて明らかにした。
 県は鉄道の運行再開基本計画をつくるための基本的な考え方をまとめ、報告した。それによると再開時期は特定していないが、再開後の輸送量を1日1500人とし、▽運行ダイヤを3月16日以前の上り15本、下り16木の運行本数とする▽車両は現有2両と新たに1両を購入する▽小野谷信号所は当面使用せず、貴生川−信楽間を1閉そく区間とする−としている。
 このための高原鉄道の人員は、JR西日本の支援を受け現行13人を19人に増員。また収支計画は、おおまかな試算としながら、車両購入費など運行再開経費1億4800万円、再開後の3年度の必要経費2億4400万円で、収入を差し引き1億9100万円の財源が必要としている。
 財源の手当てについて、花房義彰県生活環境部長が、「信楽町の鉄道経営安定対策基金3億7000万円の運用と、県と町の各1億円など鉄道株主の増資3億3000万円の計7億円で再開経費と4年間に見込む赤字補てんに充てたい。県の出資率は37%になる」と説明した。さらに補償費の見通しについて花房部長は「40億円ぐらい必要だと見ている。町、県が一般財源で手当てすることは無理なので、起債のような形でできないか自治省と協議している」と述べた。
 これに先立ち、参考人として陳述した杉森一夫信楽町長は「財源確保のため町の長期計画や経常経費の見直し、町有地や町山林の売却も検討して資金をねん出して、町あげて事故の処理、鉄道再開に取り組みたい」と決意を述べた。同じく北川啓一副社長も「役員会で再開を決議した。9月初めに社内に運行再開準備室を設けて取り組んでいくが、被災者の方に再開を理解してもらうよう努力したい」と高原鉄道の考え方を説明した。(京都新聞)
■京都駅改築訴訟 歴史的景観権を主張 口頭弁論で原告側 「破壊は憲法違反」
 JR京都駅の改築計画をめぐって、住民が、改築を進める京都駅ビル開発会社への京都府、京都市の公金の支出差し止めなどを求めた訴訟の口頭弁論が21日、京都地裁(吉川義春裁判長)で開かれた。住民側は「駅ビル改築計画は、日本人の心のふるさと、京都の歴史的景観に破滅的影響を与える」などとして、歴史的景観権を前面に立てた主張を展開した。
 原告・住民側の準備書面によると、京都の優れた歴史的景観の維持、保全を求める権利を「歴史的景観権」と規定。この権利は、憲法の保障する「人格権」の一形態と位置づけたうえ、「国民は歴史的景観権を享有するもので、国や地方公共団体が歴史的景観を破壊しようとする場合は、その排除を請求できる」と主張。そのうえで、京都駅ビル改築計画が、この歴史的景観権を侵害することにつながる点を都市計画行政の変遷、現状などから説明した。
 原告側は、駅ビル設計コンペで選ばれた改築案を「高さ約60b、幅約470bという巨大な雑居ビル」とし、このビルが実現すると▽京都の三方を囲む山の稜(りょう)線を覆い隠す壁となり、市街地を南北に分断する▽東寺や東本願寺、西本願寺、枳殻邸などの間に立ちはだかり、その歴史的遺産のたたずまいを著しく矮(わい)小化する▽ 470bの壁は歴史的街割りによって造られた景観のイメージを一変する−などと指摘、「駅ビル改築計画は、歴史的景観に破滅的影響を与え、都市計画法などに違反するほか、現代的な人権である歴史的景観権を乱暴に侵害するもので憲法違反である」などと主張した。
 同訴訟は、京都市左京区下鴨北園町、京都大学名誉教授西山夘三さん下(80)ら「のっぽビル反対市民連合」のメンバーらが原告の中心となり、荒巻禎一府知事、田辺朋之市長、同駅ビル開発会社(井手正敬社長)を相手に、「開発会社への市、府の出資は、公益性のない公金の支出で違法だ」として、公金の支出差し止めなどを求めて争っている。(京都新聞)
■「歴史的景観権は憲法保障の権利」 駅ビル訴訟で原告側
 JR京都駅ビルの高層化に反対している住民が府、京都市による「京都駅ビル開発会社」への出資の違法性などを問うて起こしている「京都駅ビル訴訟」の第2回口頭弁論が21日、京都地裁(吉川義春裁判長)であり、原告側は「京都駅ビルの高層化は、歴史的景観をを侵害するものだ」と訴えた。
 原告側は歴史的景観について、人間が文化的生活を営むのに不可欠な要素であり、国民共有の財産であると主張。その景観の享受を妨げられない権利を「歴史的景観権」と位置づけ、「人格権」のひとつとして、プライバシーの保護などとともに悪法で保障された権利であると訴えた。
 そのうえで、駅ビルを高層化すると、1200年の歴史をもっ京都の景観を破壊することになり、「歴史的景観権」の侵害、違憲にあたると訴えた。(朝日新聞)
23日■東北(盛岡−青森) 北陸(軽井沢−長野) 九州(八代−西鹿児島) 3新幹線の着工認可 運輸相 来月に次々起工式
 村岡運輪相は22日、日本鉄道建設公団が申請していた東北新幹線盛岡−青森間、北陸新幹線軽井沢−長野間、九州新幹線鹿児島ルート八代(熊本)−西鹿児島間の整備新幹線3線の工事実施計画を認め、岡田宏鉄違公団総裁に認可証を手渡した。
 これにより建設に必要な事務手続きはすべて終わり、3線は1972年に基本計画を決定以来、19年ぶりに全線の完成に向け本格工事に着手する。
 関係地元は「悲願が実現した」と喜びを表明。鉄建公団やJRなどが主催する起工式と祝賀会は、東北新幹線が9月4日に青森県三戸郡名川町で、九州新幹線が同7日にJR西鹿児島駅で、北陸新幹線が同17日にJR長野駅で、それぞれ村岡運輸相、岡田総裁、関係知事らが出席し行う予定。
 東北新幹線は盛岡−青森間がフル新幹線区間とミニ新幹線を組み合わせた193`。建設費は3873億円(地元負担約500億円)、工期は約10年。
 北陸新幹線は軽井沢−長野間の76`全区間がフル新幹線。建設費は3874億円(地元負担約700億円)、工期は98年の長野冬季五輪開催に間に合うよう6年間(97年の完成予定)としている。
 九州新幹線は八代−西鹿児島闇の126`の全区間がスーパー特急路線。建設費は4568億円(地元負担600億円)、工期は約10年。
 本年度に実施する工事は測量と基本設計が中心で、難工事とされるトンネルの掘削にも着手する。
・建設費満額を陳情 整備新幹線で沿線15道府県
 東北、北陸、九州など整備新幹線5線沿線の関係自治体の知事ら25人が22日、小渕幹事長ら自民党幹部のほか、運輸、大蔵両省など関係官庁を訪れ、来年度政府予算の槻算要求で盛り込まれる整備新幹線建設費の満額確保などを要請した。
 陳情には沿線18都道府県のうち、北村青森県知事、横路北海道知事、中沖富山県知事、高橋辰朗京都府交通対策室長ら15道府県の関係者が参加。北村知事が「整備新幹線については東北、九州新幹線の本年度着工の決定、鉄道整備基金の創設など全線整備へ向けた準備ができ感謝している」と述べ、建設費の満額確保のほか@工事実施計画申請の出ている路線と区間を早急に認可A並行在来線JR分離後の具体的な支援策B整備新幹線建設費の地元負担に対する財源措置−など4点を小渕幹事長らに要請した。
 これに対し小渕幹事長は「新幹線整備は重要な問題だ。できる限り予算を付け、新幹線が地域の発展に寄与するよう努めていきたい」と答えた。(京都新聞)
■秋の臨時列車2138本を増発 京都発の夜行快速 熊本まで延長 JR西日本
 JR西日本は22日、秋の臨時列車の運転計画を発表した。10、11月の2ヵ月間で約728万人の利用を見込み、山陽新幹線905本、在来線特急・急行1233本の計2183本を増発する。定期列車を含めると昨年より3%増となる。
 好評の展望車を使った夜行快速「ムーンライト九州」は、昨年は京都−博多間だったのを熊本まで延長し、金、土、日の3日間運転する(熊本発は土、日、月)。
 豪華な汽車の旅で人気の「トワイライトエクスプレス」(大阪−札幌間)も引き続き週4回運転するほか、関西から北陸方面へは立山や宇奈月に直通する「スーパー雷鳥・立山」(神戸−立山間)や「スーパー雷鳥・宇奈月」(大阪−宇奈月温泉間)を毎日運転する。
 京阪神近郊の行楽地へは、車両を新快速電車に使用している新型の「221系電車」にすべて統一し、「ホリデー221」として直通列車11本を嵯峨野・嵐山や丹波路など7方面へ運転する。
 またJR東海は若者に人気のF1グランプリレース観戦客のため、名古屋と鈴鹿サーキット稲生の間に特急「鈴鹿F1号」(6両編成)を運転する。運転日は決勝レースのある10月20日で、下り2本、上り1本の計3本。
 予選が行われる10月19日には上下各1本、同20日にも下り1本、上り4本の臨時快速列車をそれぞれ増発する。また、レース期間中(10月18−20日)は、特急「南紀」、快速「みえ」も鈴鹿サーキット稲生駅に臨時停車させる。(京都新聞)
■北陸新幹線 軽井沢−長野 来月17日に着工
 村岡運輸相は22日、日本鉄道建設公団が申請していた整備新幹線の東北新幹線・盛岡−青森間、北陸新幹線・軽井沢−長野間、九州新幹線・八代−西鹿児島間の3路線の工事実施計画を、申請通り認可した。着工式は東北が9月4日、九州が同7日、北陸が同17日に行われることも正式に決まった。
 区間ごとの工事概要によると、トンネル部分が多いのが目立っている。東北・盛岡−青森間のうち、在来線を利用せず新幹線と同じ大きさの車両が走るフル規格新線を敷く沼宮内−八戸間が区間の85%、北陸・軽井沢−長野間は45%、九州・八代−西鹿児島間は70%がトンネル部分。特に東北新幹線の岩手トンネルは全長25.8`と、運輸省の調べでは国内の鉄道トンネルでは青函トンネル(53.9`)に次いで2番目の長さになる。(朝日新聞)
■地下鉄が赤信号無視 あわや衝突、急停止 大阪・森ノ宮
 23日午前7時55分ごろ、大阪市中央区森ノ宮中央一丁目の大阪市営地下鉄中央線の森ノ宮駅構内で、車庫から同駅に向かっていた回送電車=田所新太郎運転士(34)=が、赤信号を無視して約2−3b行き過ぎ、急停車した。このため保安装置が作動、同駅に止まっていた大阪港発生駒行き電車の出発が約6分遅れたほか上下各11本の計22本の電車に影響が出、約7000人の乗客の足が乱れた。同市交通局が田所運転士から事情を聴いたところ「赤信号を見過ごし、気が付いて手動で急停車した」と説明している。
 同市交通局によると、信号機が赤信号で通過しても、信号機から約40bの地点で保安装置が作動して自動的に停車する仕組みになっている、としているが、一歩間違えば、ホームで待機中の電車と衝突の恐れもあった。
 回送電車は通常、ホームから約220b手前の赤信号で停車し、既に森ノ宮駅2番線ホームに入線している生駒行き電車の出発を待って、青信号でホームに入ることになっている。(京都新聞 夕刊)
■JR姫新線の信号機が故障 兵庫県南光町
 23日午前5時40分ごろ、兵庫県佐用郡南光町下徳久のJR姫新線播磨徳久駅で、上月発姫路行き普通列車が発車しようとしたところ、信号機が赤のまま作動しなくなった。JR西日本姫路鉄道部が修理に当たって約1時間後に復旧したが、上下合わせて4本が53−10分遅れた。
 JR西日本の調べでは、信号機器室の端子が接触不良を起こしていたらしい。(朝日新聞 夕刊)
■整備新幹線に1100億円を要求 運輸省
 運輸省は23日、自民党交通部会に対して同省分の1992年度予算の概算要求を説明した。一般会計では、91年度当初予算比2.0%増の8444億円、財政投融資は2兆9429億円を要求。91年度から始まった生活関連重点化分は 234億円となっている。
 このうち91年度に続く重点項目である整備新幹線の建設費として、東北新幹線・盛岡−青森間、北陸新幹線・高崎−長野間、九州新幹線・八代−西鹿児島間の3区間の建設費1088億円と、北陸新幹線・高岡−金沢間の着工調整費25億円を要求。合計で今年度の約78%増となる1113億円になっている。(朝日新聞 夕刊)
24日■新幹線特急券不正払い戻し 小泉被告に実刑 京都地裁判決
 偽造の遅延証明スタンプを押した新幹線特急券を使い、JR駅窓口で不正に料金の払い戻しを受けたとして、有印私文書偽造、詐欺罪などに問われた京都市伏見区三栖町三丁目、無職小泉清澄被告(55)に対する判決公判が23日、京都地裁で開かれ、久米喜三郎裁判官は小泉被告に懲役2年6月(求刑同3年)を言い渡した。
 判決によると、小泉被告は使用済みの新幹線特急券を不正に入手して偽造の遅延証明スタンプを押印。昨年10月26日、JR瀬田駅で特急券4枚の払い戻しを受けたほか、10月下旬から12月にかけ京都、滋賀、大阪のJR各駅で46回にわたり、特急券131枚分、総額48万1320円をだまし取った。(京都新聞)
■事故死男性の身元判明
 23日夜、京都市東山区内のJR東海道線東山トンネル付近で、列車にはねられて死亡した人は、松原署のその後の調べで、山科区内の無職の男性(48)とわかった。(京都新聞 夕刊)
■あごひもは、もういらない JR西日本が来月から廃止 乗客も「別にいい」
 JR西日本は、蒸気機関車時代以来続いていた運転士の制帽のあごひも着用義務を9月1日から廃止する。風で吹き飛ばされないためという役割が無意味になったのが理由だが、乗客にも信頼感を高める精神的効果があるとする社内の「保守派」に対して、JRは乗客アンケートまで実施、回答をてこに踏み切った。JR各社で自由化するのは初めて。
 運転中の着用は本来、前方が見にくい蒸気機関車で運転席から横に顔を出さなくてはいけなかった時代の名残。旧国鉄時代から義務付けられているが、運転士にとってはわずらわしいうえ、ぴったりあごを縮めるため汗で汚れ、不快感と不衛生を理由に組合からも自由化要望が出ていた。民営化直後の87年、JR西日本は、まず近畿圏内で夏の間だけかけなくてもよい「部分自由化」をし、翌年から全域に広げたが、精神的効果の声も強く全廃に踏み切れなかった。
 アンケートは6月に京阪神の乗客を対象に実施。着用していることを知らない客が半分以上を占めたうえ、「信頼感がある」の肯定的評価は21%だけで、68%が「何とも思わない」と回答、かえって「見苦しい」と答えたのも7%いた。この結果に意を強くしたJRは「乗務員作業標準」に明記してある「乗務中はあごひもを使用」の字句を削除した。JRでは「事故や故障で線路を走り回ったり、車体の屋根に上ったりする異常時など必要に応じてあごひもは使ってもらう」と説明している。
 私鉄では、関西は阪神を除く全社が、関東はほぼ半数が自由化している。JRでも運転席の密室度が高い新幹線は一足早く自由化。あごひも着用を続ける阪神電鉄は「やはり事故を起こさないよう気持ちを引き締める手段の一つとしてかけさせています」と話している。(朝日新聞 夕刊)
25日■走れニュートレイン〈20〉 スーパーくろしお JR西日本 楽しい京都始発ルート
 大阪天王寺から紀勢線へは特急「くろしお」が運転されている。紀伊半島の各地へは四季を通じて観光客が多く訪れ、特に夏は紀州の海を目指し大混雑する。このため、平成元年7月からモデルチェンジ車「スーパーくろしお」が誕生した。
 この列車は「くろしお」の車両を改造し、新宮寄りの前頭部をパノラマグリーン車にして、よりリゾート志向の強い特急にしたもので、南紀の太陽、ミカンをシンボルカラーにして明るいイメージになっている。
 「スーパーくろしお」の一部は京都始発になり、東海道線の貨物線を経由して大阪市内に入るが、大阪駅には寄らずに梅田貨物駅の構内線から環状線に入り天王寺へ行く。このルートが乗っていて楽しく、ふだんはめったに通れない貨物線、構内線を通るとあってミステリー列車のようで興味深い。
 天王寺からは阪和線、紀勢線を経由して他の「くろしお」同様南紀を目指す。車両は振り子式電車といわれ、急カーブでもスピードを落とさず走る。台車と客車の間の「ころ」がカーブでの車体の傾きを大きくして、遠心力を和らげている。飛行機のように独特のフワフワした揺れに酔う乗客もいるが、京都、大阪と南紀をスピーディーに結んでいる。
 海南を過ぎたあたりから車窓には紀伊水道の海が広がり、パノラマ展望車の旅を満喫できる。
 海を見ながら「スーパーくろしお」は白浜、串本、紀伊勝浦、新宮などの南紀の観光地へと向かう。(鉄道写真家・南 正時)
 〈メモ〉「スーパーくろしお」は6往復。京都から2往復で、あと新大阪、天王寺発着。(季節運転列車もある)。京都−新宮間特急グリーン料金とも11630円。同区間所要時間約4時間半。(京都新聞)
■普通電車にひかれ中年の男性が即死 東山のJR線
 23日午後8時20分ごろ、東山区今熊野日吉町のJR東海道線東山トンネル入り口付近で、西明石発草津行き普通電車(7両編成)に、50歳前後の男性がひかれ全身を強く打って即死した。電車には乗客約110人が乗っていたがけがはなく、現場に約30分停車した後、運転を再開した。
 この事故のため、上下7本の電車が最高23分遅れ、通勤帰りの乗客ら約1000人の足に影響が出た。松原署が身元を調べている。(朝日新聞)
26日■遺族らが現地調査 信楽高原鉄道事故
 42人の死者を出した信楽高原鉄道列車衝突事故で、25日、遺族の一部が滋賀県甲賀郡信楽町の事故現場などに行き、現地調査した。21遺族でつくる犠牲者遺族の会の遺族18人と弁護団6人。JR西日本とJR貨物で信号管理や保線を担当している現役社員3人が同行、事故現場や、JRと信楽高原鉄道がすれ違うはずだった小野谷信号所、出発信号の異常があった信楽駅をまわった。(朝日新聞)
■国際業務室を新設 京都駅ビル会社
 JR京都駅ビルの全面改築事業を予定している京都駅ビル開発会社(社長・井手正敬JR西日本副社長)は26日、同事業が日米建設協議で市場開放の対象プロジェクトに追加指定されたのに伴い、外国企業との窓口となる国際業務室を新設した。
 同社は今秋にも、マスタープランを国内外の企業に明らかにする説明会を開く予定。契約にあたっては、国際的な商慣行に準じた手続きをとるという。今年5月の設計競技で最優秀作品となった原広司氏に委託して設計を進めており、来年春にも施工企業を決める。来秋に着工、1994年秋の完成を予定している。(朝日新聞 夕刊)
28日■夢の特急も 北陸本線直流化記念 長浜イベント決まる
 北陸本線直流化記念事業長浜市実行委員会は、京阪神方面から長浜市に直通電車が乗り入れるのを記念して、9月14日から23日までの10日間の日程で開催するイベント事業の概要をこのほど決めた。経済活性化やイメージアップを目的に10年前から市をあげて取り組んできただけに、延べ2000人のボランティアを動員して70近いイベントを企画。期間中30万人の人出を見込んでいる。
 初の直通電車が乗り入れる14日午前9時半から、JR長浜駅前で開業セレモニーのほか、地元のシャギリ隊や国友鉄砲隊など450人による祝賀パレードで華々しく開幕。このあと、駅前広場や豊公園など3ヵ所を主会場に「曳山子供歌舞伎」の特別競演や作家・藤本義一さんら著名人4人と語る「あきんどぴあ長浜」などを開く。16日には人気タレントの爆風スランプコンサートも催すほか、最終日の23日には1500人参加の「琵琶湖環状線の集い」で締めくくる。
 また、長浜から京都を経由する琵琶湖一周夢の特急電車を走らせるなど、長浜を京阪神にPRしていく。
 主なイベントは次の通り。
 【豊公園会場】曳山子供歌舞伎の競演とシンポジウム(15、16日)▽鉄道フェア(14−23日)▽湖北産業フェスティバル(同)▽爆風スランプコンサート(16日、入場料2000円)▽長浜ビロード展示見本市(14−16日)など。
 【市街地会場】あきんどぴあ長浜(14、16、18、20日の4回)▽大通寺山門市・草月流生花展(14−22日)など。(京都新聞)
29日■地下鉄脱線、激突 5人死亡113人けが 未明のNY
 【ニューヨーク28日共同】ニューヨーク市中心部マンハッタンで28日午前零時15分(日本時間同日午後1時15分)ごろ、ユニオン・スクェア駅付近を通過中の地下鉄列車(10両編成)の前5両が脱線、うち先頭車両が支柱に激突して中央で真っ二つになった。ニューヨーク市消防局の発表によると、乗客ら5人が死亡、警官8人を含む113人が重軽傷を負った。
 事故を起こしたのは、IRTレキシントン4号線ブロンクス発ブルックリン行きの地下鉄。関係者によると、列車は急行用線路から各駅停車用のレールに移った際に脱線したもよう。
 現場に駆け付けたディンキンズ市長は「脱線事故を起こした地下鉄の運転士の所在は不明」と語った。事故に遭った乗客によると、この運転士の運転は事故直前にかなリスピードを出すなど乱暴だったという。現場は火災で猛煙が発生。ニューヨーク市警、消防隊、救急隊員が車両の間から乗客らを救出、トンネルから地上に運び出した。(京都新聞)
■私鉄値上げ110番
 関西の私鉄大手5社が今秋予定している平均16.8%の値上げに対し、関西消費者団体連絡懇談会(下垣内博・世話人代表)は市民の生の声を集めて、運輸審議会の公聴会に反映させる「私鉄運賃値上げ110番」を9月2日から4日まで開設する。
 私鉄値上げに関する運輸審議会の関西での公聴会は9月9、10両日、大阪市中央区の大阪合同庁舎3号館で開かれる予定。110番の受け付けは06-941-9978番で、午前10時から午後6時まで。(朝日新聞)
■米田組など略式起訴 福知山線列車事故
 京都府福知山市堀のJR福知山線岡踏切で6月25日、大型トラックと普通列車が衝突、341人がけがをした事故で、福知山区検は28日、制限を超える高さの荷を積んだ大型トラックを運行していた同市堀、建設会社「米田組」(米田洋一社長)を道交法違反、労働安全衛生法違反の舞いで、現場の管理責任者2人を道交法違反や道路法違反の簸いで、福知山簡易裁判所に略式起訴した。
 業務上過失傷害の疑いで書類送検されていた列車の運転士は、嫌擬不十分で不起訴処分とした。(朝日新聞)
■意見集約へ 市民公聴会 JR京都駅改築問題で来月20日 行政主導に対抗 市民団体
 京都市の高さ規制を超えた高層化計画が論議をよんでいるJR京都駅の改築問題に関する市民公聴会が9月20日午後6時半から、上京区丸太町七本松の市社会教育総合センターで開かれる。京都市のまちづくりのあり方をめぐって市民投票を計画している生田耕作・京大名誉教授、ヨシトミヤスオ・京都精華大教授ら8人が企画。行政主導で進められる改築計画に対し、市民の意見を突きつける。
 公聴会では、改築計画の内容を説明したあと、公募によって選んだ市民約10人が意見を発表する。会場からの質問、発言も受け付ける。
 内容は議事録にまとめ、市やJR西日本、京都駅ビル会社などに提出、市民の声を改築計画に反映させるよう求めていく。
 改築設計案の国際コンペでプロフェッショナルアドバイザーを務めた三輪泰司さんや、小山選一・京都市都市計画部長へも公聴会への出席を要請しているという。
 呼びかけ人の一人、井上吉郎・京都府生協連理事は「駅ビルの改築問題では、高さだけではなく、歴史都市京都のまちづくりのあり方そのものが問われている。多くの市民に参加してもらい、幅広い意見を集約したい」と話している。
 傍聴自由。意見発表希望者は、氏名、年齢、住所、電話番号、職業、意見の概要などをB4判の紙1枚程度にまとめて、郵便かファクスで13日までに、〒603北区小山南上総町72の2、井上吉郎さん気付「JR京都駅改築等市民公聴会運営委員会」(231・6104、ファックス251・1555)へ申し込む。 意見発表では、スライドも使用できる。(朝日新聞)
■地下鉄が脱線150人余り死傷 NY
 【ニューヨーク28日=外岡秀俊】28日午前零時10分(日本時間同日午後1時10分)ごろ、ニューヨークのマンハッタン中心部で地下鉄が脱線し、少なくとも5人が死亡、150人以上が負傷する事故が起きた。
 市当局の発表によると、事故が起きたのは、マンハッタンの北からブルックリン方面に向かうレキシントン・アベニュー線の地下鉄。14丁目のユニオン・スクェア駅近くで脱線し、10両の車両のうち5両が線路から外れ、先頭車両が地下鉄のトンネルを支える鉄柱に激突して大破した。
 【ニューヨーク28日=共同】5人の死者を出したニューヨーク・マンハッタンの地下鉄脱線事故でニューヨーク市警は28日、酒に酔って地下鉄を運転していたとして運転士を第二級殺人容疑で逮捕した。この運転士の血液から相当量のアルコールが検出された。
 逮捕されたのはロバート・レイ容疑者(38)。運転席からは麻薬「クラック」用の空の容器が発見され、検査でもコカイン反応が検出されたが、事故との関連はまだ不明。(朝日新聞 夕刊)
30日■フルムーンパス発売
 JRグループ旅客6社は、熟年のカップルを対象とした「フルムーン夫婦グリーンパス」を9月1日から来年5月31日まで、全国の主要駅、旅行センターなどで売り出す。
 2人の年齢が合わせて88歳以上の夫婦が対象。列車のグリーン、B寝台、普通席が使える。料金は2人分で5日間用6万5700円、7日間用8万900円、12日間用10万1100円で、一方の年齢が70歳以上の場合さらに5000円引き。
 利用期間はことし10月1日から来年6月30日までだが、年末年始(12月28日−1月5日)、春休み(3月20日−4月5日)、ゴールデンウイーク(4月29日−5月5日)中は使えない。(京都新聞)
■京都市が整備・基本設計案まとめる 島式歩道など新設 阪急桂駅東口広場
 京都市は、このほど阪急桂駅東口広場の整備計画・基本設計案をまとめた。平成4年秋に整備工事に着手し、同5年度の完成を目指す。
 整備個所は、阪急桂駅の東口広場2790平方b。阪急桂東駅ビルの整備(同5年3月完成予定)に合わせて、東側と西側に歩道を設けるとともに島式の花壇と歩道を新設、バス停留所とタクシー乗り場を配置し、バス、タクシーの乗降の円滑化を図る。
 市建設局は4年秋に着工し、5年度末に整備を終える予定。総工費約1億円。
 また、市は同広場と接続する桂駅東通(幅約6b、長さ674b)についても幅12bに拡幅し、東側に歩道を整備する。昭和61年2月に事業認可を得て測量などに着手し、28%の用地買収を完了、5年度末の完成を目指す。
 市はすでに桂駅西口の整備を終えており、これで同駅の東西両側の”顔”が整備されることになる。(京都新聞)
■JR七尾線を一部分離 JR西日本が来月1日から
 JR西日本は9月1日から、石川県の七尾線(津幡−輪島間107.9`)のうち北半分の和倉温泉−輪島間48.4`を第三セクターの「のと鉄道」に移管する。これに伴い、同日から津幡−和倉温泉を電化し、大阪、名古屋方面から直通特急を走らせる。国鉄再建法で廃止が決められた特定地方交通線以外でJRから切り離されるのは初のケース。一方、和倉温泉や七尾地域は長年の悲願の電化実現で歓迎行事を予定。大阪、京都駅でも当日は開通セレモニーがある。
 JRが線路の所有権は残しながら、のと鉄道にリースして運行を任せる初めての形。時刻表も9月号から、輪島−和倉温泉間がJR記号から私鉄記号に変わった。大阪−輪島間の運賃は6580円(現行6180円)と400円アップするが、和倉温泉までは電化により、大阪発特急「スーパー雷鳥」が1日3往復開通し、片道3時間39分と従来より31分速くなる。代わりに、大阪発特急「ゆぅトピア和倉」(1日1往復)を廃止する。(朝日新聞)
■列車にはねられ死亡 保線アルバイト
 30日午前3時5分ごろ、神戸市須磨区一ノ谷町五丁目、JR山陽線上り線路内で、保線作業中のアルバイト蔵英樹さん(22)=羽曳野市埴生野=が、東広島発車京ターミナル行き貨物列車(21両編成)にはねられ、頭を強く打って即死した。同列車は現場に6分間停車したが、後続ダイヤに影響はなかった。(朝日新聞 夕刊)
31日■酒飲み電車運転 西武新宿線オーバーラン
 30日午後6時50分ごろ、東京都杉並区上井草の西武新宿線上井草駅で、拝島発西武新宿行き普通電車=8両編成、横道昌明運転士(36)=がホームを約30b行き過ぎて停車、バックして停止位置に戻る事故があった。乗客らにけがはなかった。
 電車は現場に約20分停車後、運転士を交代して運転再開した。 荻窪署の調べに対し、横道運転士は「日本酒を少し飲んでいた」と話したことから飲酒がオーバーランの原因とみて、量や時間などの状況をさらに詳しく調べている。
 西武鉄道の運転指令室によると、横道運転士は新所沢乗務所に所属。就業規則で乗務30分前には点呼を受けることになっているため、この日午後3時20分ごろ、同乗務所で点呼を受けた。この際には異常に気がつかなかったという。午後3時50分すぎから乗務につき、事故の電車は萩山駅から運転していた。(京都新聞)
■新幹線 「栗東駅」早期実現へ 促進協総会 陳情活動を強化
 滋賀県と湖南・甲賀地域の3市11町などによるJR東海道新幹線(仮称)栗東駅設置促進協議会の定期総会が30日、大津市の琵琶湖ホテルで開かれ、平成3年度の事業計画などを決めた。
 総会には、名誉会長の稲葉稔知事や会長の猪飼峯隆栗東町長ら約70人が出席。新幹線(仮称)栗東駅の早期実現に向けて陳情活動強化などの事業推進や総額655万円の平成3年度当初予算案などを承認。また、これまで県と栗東町だけが支出していた協議会の負担金を、大津市など3市10町も一部を分担することが決まった。(京都新聞)
■信楽高原鉄道 運行再開へ準備室 2日開設 顧問にJROB2人
 運行再開をめざす信楽高原鉄道(本社・信楽町長野、杉森一夫社長)は30日、来月2日付でJR西日本のOB2人を常任顧問として迎え入れ、同社内に「運行再開準備室」を開設すると発表した。高原鉄道は列車事故事故以来、3ヵ月以上にわたって運行休止となっているが、運行業務のヘッドがそろったことで、冬季までの再開へ大きく動き出した。
 JR西日本からの人材派遣は、今月20日に稲葉稔滋賀県知事が、JR西日本の角田達郎社長を訪ねて、正式に決まっていた。JRは、鉄道主任技術者などとしてOB2人を派遣したほか、同社内に信楽高原鉄道再開支援対策チームを発足させ、技術面での全面支援を約束していた。
 JR日本から派遣されるOB2人は、いずれも高原鉄道の役員待遇の常任顧問となるが、元国鉄新幹線総局大阪第一運転所長の河合肇ジェイアール西日本メンテック取締役相談役(68)が鉄道主任技術者に、元国鉄天王寺鉄道管理局奈良運転所長の藤田義孝ジェイアール西日本メンテック顧問(63)が業務部長に就任。
 高原鉄道は、2人を迎え2日、北川啓一副社長を室長とする全社的な「運行再開準備室」を開設、2人の新技術陣を中心に輸送体制や安全運行マニュアルなどの運行再開計画づくりを急ぐことにしている。同社は、今後、JRから運転士3人、電気信号関係の技術者1人の計4人の派遣を受けることにしており、運行再開にこぎつけたいとしている。(京都新聞)
■JR山科駅前再開発へ 第3セクター創立
 京都市のJR山科駅前再開発事業に参画する第三セクター・山科駅前再開発会社の創立総会と取締役会が30日、京都市下京区のからすま京都ホテルで、京都市、金融・保険会社など出資者19団体の代表が出席して開かれ、定款、取締役などを決め、社長に藤木令二・元京都市住宅局長を選出した。
 同社は、市が山科区の山科駅前地区2.8fで計画中の市街地再開発事業に伴って、仮設店舗や再開発ビル4棟の管理運営をはじめ、不動産の管理・運営・売買・仲介、駐車場経営、広告企画、経営コンサルタントなどを行う第三セクター。山科駅前の武田ビル2階に本店を置き、資本金2億円、取締役12人、監査役2人の役員体制で発足し、再開発ビル・オープン前には6億円に増資する。
 当面、同社は本年度に着工し来年度にオープンする予定の3階建て仮設店舗(ショッピングセンター)の管理・運営や、地元商業者の相談・指導業務に取り組む予定。市は同再開発事業の本年度の事業計画決定に向けての認可手続きや地元調整のほか、再開発ビルに入るキーテナントの選定などを進め、平成7年度の事業完成を目指す。(京都新聞)
■第3セクター創立 山科駅前再開発
 京都市が進めている山科駅前地区第一種市街地再開発事業で、再開発ビルの管理、運営などにあたる第三セクター「山科駅前再開発会社」の創立総会が30日、市内のホテルで開かれ、役員14人を決定、代表取締役に藤木令二・前市住宅局長を選んだ。
 同社は、山科駅前地区の都市再開発や環境整備の調査、設計、企画をはじめ、再開発ビル4棟の管理、運営などが事業目的。資本金は2億円で、市が45%、残りを京都銀行、関西電力、京阪電鉄、NTTなど計18社が出資。9月2日に設立登記し、再開発ビル完成までは、同駅前の貸しビルに事務所を構える。
 総会には出資団体の代表19人が出席。定款などを承認したあと、田辺市長ら取締役12人、監査役2人を選任、藤木氏の代表取締役就任を決めた。
 この再開発事業は、地下鉄東西線建設に関連して、山科駅前の2.8fを対象にホテルやコミュニティー施設、住宅、文化・娯楽施設などが入った7−9階建ての再開発ビル4棟、駅前通り、広場などを整備する。すでに都市計画決定や縦覧などの手続きは完了しており、今後、知事の事業計画認可を受けて、一部は年内に着工、1995年秋の完成を目指す。
 記者会見した田辺市長は「この会社は再開発事業を進める基礎をつくるのが目的。再開発によって、山科駅前地区が市東部の核になるものと確信している」と述べた。再開発ビルのキーテナントについて、市側は「事業の行方を左右する重大なポイントでもあり、地元の意向を尊重しながら選定したい」としている。(朝日新聞)
■信楽鉄道の再開へ JRがOBを派遣
 5月に起きた列車衝突事故以来ストップしている滋賀県・信楽高原鉄道の再開のため、JR西日本は30日、旧国鉄OBのJR関連会社役員2人を9月2日付で派遣することを決めた。高原鉄道会社はこの2人を中心に運行再開準備室(室長・北川啓一副社長)を新設し、再開に向けて本格的に動き出す。JRも社内に19人の再開支援チームを結成し援助していく。
 派遣するのは、大阪市淀川区の車両整備会社「ジェイアール西日本メンテック」の河合肇・取締役相談役(68)と藤田義孝・顧問(63)。(朝日新聞)
■踏切で男性死亡
 31日午前6時45分ごろ、京都市中京区七本松通丸太町下ルのJR山陰線七本松踏切で、近くの無職斉藤伸一さん(81)が倒れているのを通行人が発見。110番通報で西陣署員が駆けつけたが、斉藤さんは頭の骨を折ってすでに死亡していた。
 同署の調べでは、同日午前6時35分ごろ、現場を通過した園部行き下り電車の運転士(33)が、踏切の遮断機をくぐり抜ける斉藤さんらしい老人を発見。警報器を鳴らしながら通過したが、はねたかどうかはわからなかったという。(京都新聞 夕刊)