1991(平成3)年7月


1日■駅ホームから転落 片岡市蔵さんはねられ死亡(京都)
  ■鉄道模型運転会 童心に帰りマニア夢中 中学生から80代まで50人 自慢の200両持参楽しむ(京都)
2日■JR京都駅 空港出先機関併設も 府議会で知事答弁 公共施設の整備強調(京都)
  ■事故賠償保険50億円に増額 今月からKTR(京都)
  ■旧国鉄用地3ヵ所を 変換ローンで処分へ(京都)
  ■電車と接触、重傷 近鉄狛田駅ホーム(京都)
  ■JR福知山線の岡踏切 支障報知装置を設置 あす稼働 緊急時の事故防止へ(京都)
  ■土木業者を書類送検 山陽電鉄脱線事故で(京都)
  ■遺族らと面談補償交渉開始 信楽事故で相談室(朝日)
3日■ヨット型の駅舎完成 KTR丹後由良駅 丸窓など採用し明るく(京都)
  ■青鉛筆(朝日)
  ■ショベルカーの先端部畳まず通行 JR福知山線事故(京都)
  ■はい社会部です 帰りの運賃なぜ高い(朝日)
4日■JR西日本 亀岡駅の間違った運賃表 近畿218駅に再点検を指示(朝日)
  ■信楽事故 JR列車の遅れは2分 県警本部長明かす(朝日)
  ■女たちの太平洋戦争 10歳から重労働、月給はトウモロコシ1袋分 出入口すら差別…満鉄の日々(朝日)
5日■列車の騒音目標値内に JR瀬戸大橋線(京都)
  ■JR総連を批判、脱退訴え 労組が定期大会(京都)
  ■JR呉線土砂崩れ 修学旅行電車が脱線 吹田の小6ら3人けが(朝日)
  ■JR紀勢線が大雨で止まる(朝日)
  ■私鉄13社 17%(平均)値上げ申請 河原町−梅田400円 実施は12月以降 運輸省、圧縮の方針(京都)
  ■設備投資が負担に 大手私鉄値上げ申請(京都)
  ■私鉄値上げ申請 混雑緩和”積み残し” 「給料上がらぬのに」市民の声 ゴリ押しに不満…(京都)
  ■私鉄値上げ申請 JRと競争加速 私鉄側、サービスで対抗(朝日)
  ■競合地域の一部”逆転”JRより高く 利用者戸惑い(京都)
  ■私鉄大手 一斉値上げ申請 関西5社平均16.8% 初乗り120円、11月から(朝日)
  ■私鉄運賃値上げ申請 利用者軽視替わらず 申請手続き 批判かわす意図も(朝日)
6日■橋げた惨事 「法的責任ない」 広島市、遺族との交渉で(京都)
  ■JR総連から脱退 JR西労組か正式決定(京都)
  ■岩手・一戸も同意 東北線の経営分離(京都)
  ■中国 鉄道建設に外資参入 立ち遅れに「自力」断念(朝日)
  ■全盲の研究者、駅で事故死 「安全な町」求めて 生理学者・失明・視覚障害者の「移動」研究(朝日)
  ■JR呉線が復旧(京都)
  ■ケーブル切断で 阪和線一時不通(朝日)
7日■走れニュートレイン 〈13〉 クリスタルエクスプレス JR北海道 2階建てディーゼル(京都)
  ■快速と乗用車衝突 運転の主婦が重傷 枚方のJR片町線(朝日)
  ■余部鉄橋 やっと無線設備を設置へ JR 信楽事故で重い腰あげる(朝日)
  ■「京」の良さ明白に! ビル高層化は自殺行為 職人の輝く個性のまち まちづくりシンポ(朝日)
9日■バス4社、値上げ申請 大阪府南部 4−7%台のアップ(朝日)
  ■JR快速電車に投石 東海道線、ガラス割る(朝日)
  ■近鉄バス値上げ申請 平均7.7%(京都)
10日■米リニア計画 「両政府参加案」が急浮上 日米強調の象徴に(朝日)
  ■地下鉄など増発 市バス経路変更(京都)
11日■「景観」で市民投票を 秋ごろの実施へ 大学教授ら呼びかけ あす東山で集会(朝日)
  ■ウォーターライド事故 19億円の賠償訴え 博報堂がメーカー相手に(朝日)
  ■JR山陽線 作業中の2人 はねられ死亡(朝日)
12日■私鉄値上げ公聴会 9月に大阪で開催(京都)
  ■JR山陰線乱れる 落雷や豪雨で(京都)
  ■私鉄値上げで 9月に公聴会 運輸審義会(朝日)
  ■府内民営バス値上げへ 5社も申請 平均4.5−6%(京都)
  ■八条口から910円に 大阪空港バスも申請(京都)
  ■京都のバス5社、値上げ申請(朝日)
  ■大阪空港へのバス9.5%値上げ申請 大阪空港交通(朝日)
13日■滋賀県内の6バス会社 運賃値上げ申請(京都)
  ■バス、地下鉄を増発 祇園祭であすから(朝日)
  ■高速艇利用の日韓 共同切符を発売 JR西日本(朝日)
  ■「こだま」+駅弁=新幹線グルメ 15駅で16種類 限定版売で人気(朝日)
  ■線路もさびて 信楽鉄道惨事から2カ月 運行再開めど立たず(朝日)
  ■寝台特急など大幅に遅れる 中国地方に大雨(朝日)
14日■走れニュートレイン〈14〉 スーパー雷鳥 JR西日本 北陸路パノラマ特急(京都)
15日■来春「新大阪−東京 2時間半」 「スーパーひかり」全線試験運転開始(朝日)
  ■赤字交通局に副業のすすめ 京都市調査研究委 複合ビルを建てなさい 不動産や商業施設 ホテル、旅行業も(京都)
  ■側壁落下、京阪止める 名神大津 トラック事故で(京都)
  ■高速道防音壁線路上に落下 京阪電車が損傷(朝日)
16日■交通局用地の高度利用 壬生、九条、竹田を優先 複合施設を整備 研究委が報告 相互ネットも提言(朝日)
  ■信楽事故でシンポ(朝日)
  ■新幹線一時ストップ騒ぎ(京都)
  ■阪神が甲子園カ−ド(朝日)
17日■社説 都市交通の本業外れぬ副業を(京都)
  ■「信楽の運行で肩代わりせず」JR西日本副社長(朝日)
  ■JR西日本スーパーひかり 2年後に博多へ 高速新幹線も独自に開発中(朝日)
  ■初の遺族会結成へ 信楽鉄道事故 23遺族で集団交渉(京都)
18日■信楽事故を考えるシンポ 20日、地元で開催(京都)
  ■明らかになったJR伊勢丹の概要 京の小売り業界 改めて衝撃 大段階、空中経路も ざん新さ、他店は注目(京都)
  ■信楽鉄道事故 遺族会結成へ 21日に初会合(朝日)
  ■落雷でダイヤ乱れる JR姫新線(朝日)
19日■踏切の非常用ボタン倍増へ(朝日)
  ■頭痛い?大型夏休み 私鉄各社 乗客減 くい止め躍起 子ども目当てスタンプ作戦 乗り放題割安切符も(朝日)
  ■作業車脱線 33本遅れる JR茨木駅(朝日)
20日■JR西日本 新快速など長浜直通 9月直流化上下51本(京都)
  ■梅小路公園計画促進など 京都市 国へ事業予算化要望(京都)
  ■JR京都駅改築計画 京都弁護士会 市に申し入れ(京都)
21日■走れニュートレイン〈15〉 ワイドビューひだ JR東海 車窓から景観楽しむ(京都)
  ■信楽鉄道事故でシンポ(朝日)
  ■大阪府警警官がスリ 5月末にJR車内で 逮捕公表せず(京都)
22日■信楽事故 JRに不満噴出 遺族会が結成総会 「誠意ない」責任追及(京都)
  ■強雨で湖西線乱れる(京都)
  ■乗車マナー悪い大人 小学生、素直に描く JR京都駅で絵画展(京都)
  ■阪急73本遅れ 9万人に影響 神戸線、信号故障(朝日)
23日■信楽鉄道 運行再開へ財政支援を 町村会が県に要望(京都)
  ■大原・三千院←→比叡山・横川中堂 ロープウエー建設計画 京阪が住民に説明会 平成6年操業予定 「環境に配慮」と(京都)
  ■大原−比叡山間 ロープウエー計画 京阪電鉄 景観論議は必至(朝日)
  ■泉北高速鉄道値上げを申請 10.5% 9月から(朝日)
24日■市に公聴会要望 駅ビル反対4団体(朝日)
25日■地下鉄車内でもポケベル 来月1日、谷間地線で実験 日本で初(朝日)
26日■お盆、新幹線はぼ満席 JR西日本 ピークは11日と15日(京都)
  ■リフト付き路線バス普及願い 市民に募金呼びかけ 走らせる会(京都)
  ■この人 東北新幹線の女性車掌「ソワニエ」を務める 小野寺幸恵さん(京都)
  ■空、陸とも「熱い夏」に お盆期間中の予約状況(朝日)
  ■モノレール2期着工(朝日)
27日■京都駅新駅ビルホテル 計画槻要 16階建て、客室670 会議・宴会施設を充実 国際級、群抜く規模(京都)
  ■北陸新幹線の早期建設確認 中部9県会頭会議(京都)
  ■花博で人気の「義経号」 交通博物館に再び勇姿
  ■西日本鉄産労・JR西労組 組織統一、協議 JRの労組、再編へ動く(朝日)
  ■声 電車の座席で思う 小野市 伊藤 智恵子(年金生活者 66歳)(朝日)
  ■特急のドア閉まらず 大阪駅、発車遅れる(京都)
28日■JR西労組と統一目指す 西日本鉄産労が大会で決定 信越線の経営分離で合意 長野県とJR東日本(京都)
  ■オーストラリアの大陸横断鉄道赤信号 飛行機値引き合戦で乗客激減(京都)
  ■遮断機くぐり3人即死 福岡の西鉄駅 高校生、帰途急ぎ(京都)
  ■特急、女性はねる 近鉄東寺近く、即死(京都)
  ■ワゴン車が特急と衝突 茨城、乗客らけが(京都)
  ■ガソリン列車が急行と衝突炎上 独、乗客ら24人死傷(京都)
  ■走れニュートレイン〈16〉 ゆふいんの森 JR九州 欧州の香り乗せて(京都)
29日■死者は上京の女性 近鉄特急事故(京都)
  ■長浜イメージアップ 京阪神から直通電車 9月14日乗り入れ 観光客増える 駅前開発だ 「受け皿ない」懸念の声も(京都)
  ■時時刻刻 旧動労系への対応 経営側に微妙な差 東日本 友好/西日本・東海 対立姿勢(朝日)
  ■時々刻々 JR西日本 主流派労組の分裂 労使協調めぐり対立 旧動労系・スト自粛から転換 旧鉄労系・「時期尚早」と反発(朝日)
30日■総合検証を再開 来月末にも中間結果 信楽列車事故(京都)
  ■目が覚めれば甲子園 JR西日本が運転 寝台列車をホテルがわり 翌朝、甲子園口まで直行(朝日)
  ■県警と科警研合同で再検証 信楽列車事故(朝日)
31日■16件の文書公開請求 駅ビル反対市民連合(朝日)
  ■シンガポール−バンコク 「オリエント急行」のアジア版来年発車へ(朝日)



1日■駅ホームから転落 片岡市蔵さんはねられ死亡
 29日午後8時35分ごろ、東京都文京区湯島三丁目の営団地下鉄千代田線湯島駅で、歌舞伎役者の片岡市蔵(かたおかいちぞう=本名片岡太郎)さん(75)=文京区千駄木2ノ48ノ4−1201が、代々木上原行き上り電車にはねられた。片岡さんは病院に運ばれたが30日未明、出血性のショックで死亡した。葬儀・告別式は2日午後2時から東京都大田区池上1ノ1、池上本門寺で。喪主は長男片岡十蔵(かたおかじゅうぞう=本名片岡幸一)さん。
 本富士署の調べによると、電車の運転士が湯島駅に進入した際1番ホーム下の線路上に片岡さんがうつぶせに倒れているのを発見し、急ブレーキをかけたが間に合わなかったという。片岡さんは事故の前、湯島の行きつけの飲食店で酒を飲んでおり、同署は北区途中に誤ってホームから転落したとみて調べている。
 片岡さんは大正11年に片岡十蔵を名乗って初舞台を踏み、昭和9年に五代目片岡市蔵を襲名した。長男幸一さん(32)は六代目片岡十蔵、二男二郎さん(29)は四代目片岡亀蔵として、活躍している。(京都新聞)
■鉄道模型運転会 童心に帰りマニア夢中 中学生から80代まで50人 自慢の200両持参楽しむ
 鉄道友の会京都支部(大西友三郎支部長)の鉄道模型運転会が30日午後、左京区岡崎のホテルで開かれた。会員らが持ち寄った鉄道ミニチュア約200両が勢ぞろいし、会場に特設した全長85bのレール上を快走した。
 模型運転会は、同支部の模型部会が昭和30年代から毎年4回、自慢の手作り模型などを持参して催している。今回も初代支部長の宍戸圭一京大名誉教授はじめ中学生から80代の年配者まで常連の50人余りが参加。16.5_幅のレールを3線複線に敷設した運転台(10b×4b)が新たに完成し、この台を使ってJRのシティーライナーや京阪電車、コンテナ貨物車を紙や金属で80分の1の大きさに精巧に復元した模型を次々と走らせた。
 かつては中高生が中心だったが、最近は3、40代の社会人の参加が目立つとか、模型運転台を取り囲んだ会員らは、快走するミニチュアをあれこれ批評しながら、童心に帰って夢中になっていた。(京都新聞)
2日■JR京都駅 空港出先機関併設も 府議会で知事答弁 公共施設の整備強調
 6月定例京都府議会は1日、本会議を再開し、菱田嘉明(自民)、西山秀尚(共産)、竹内義男(新政・府民会議)各議員が代表質問を行った。答弁の申で荒巻禎一知事は、JR京都駅改築計画について「世界に発信する都市拠点としての機能整備が図られるよう府の意向を十分反映させていきたい」と述べ、JR西日本に対し、関西新空港の開港など国際化をにらんだシティーエアターミナル機能の併設などを実現するよう要請していることを明らかにした。
 荒巻知事は菱田議員の質問に対し、京都駅ビル開発会社に府が出資している立場から「京都駅改築は平安建都1200年関連事業で、将来の京都の発展にきわめて重要な意義を持つ。総合交通ターミナルとしての機能はもちろん、世界に発信する都市拠点としての機能整備が図られるべき」と改築計画に対する府の基本的な考え方を述べた。
 その上で「文化施設、南北自由通路、公共広場など府民の利便に直結する公共的施設の整備の実現に向け府の意向を反映させたい」と強調。
 府として具体的に、平成6年開港予定の関西新空港と結んだシティーエアターミナル(搭乗手続き、手荷物積み込みなどができる空港出先機関)機能の併設ほか、府旅券事務所(京都市中京区烏丸通蛸薬師下ル)の駅ビルヘの移転を検討していることを明らかにした。
 荒巻知事はまた、菱田、西山両議員の質問に対し、関西文化学術研究都市に建設する「学研記念公園」の面積拡大などの計画見直しについて「学研都市の基本理念である開発と保全との調和の観点から、永谷池を含む14fの自然保全ゾーンを設けるなど抜本的に見直した」と述べるとともに、同地域で実施したオオタカの生息調査について「専門的知識を備えた府の鳥獣保護員も参加しており信頼できる」とし、今後、見直し案に基づき都市計画決定などの手続きを進めていく考えを示した。
 竹内議員のJR山陰線園部以北の乗り換えによる不便解消について荒巻知事は「可能な方途により本年度末に運用できるよう促進する」と答え、DEC(電気式気動車)の開発とは別に、電車と気動車を連結して直通運転を実現する意向を明らかにした。
 また、信楽高原鉄道事故に関連して、北近畿タンゴ鉄道(KTR)の安全運行について知事は「運転員、指令などの専門職は、すべてJR西日本の現役出向(83人)、JRのOB(44人)が従来と同じ分野を担当。JRが乗り入れる区間では、KTR乗務員による運転体制をとっている」と、運行に伴う習熟度の高さを強調した。(京都新聞)
■事故賠償保険50億円に増額 今月からKTR
 北近畿タンゴ鉄道(KTR、社長・荒巻禎一京都府知事)は、信楽高原鉄道事故に関連して今月から鉄道事故賠償責任保険を従来の個別加入から団体加入に改め、保険額をこれまでの1事故5億円から50億円に増加した。
 1日の府議会本会議で荒巻知事が菱田嘉明議員(自民)の質問に答えた。信楽高原鉄道事故をきっかけに、全国第三セクター鉄道35社と中小民鉄56社の計91社が集まって「鉄道事故等賠償責任団体保険制度」を創設し、1日、損保会社と契約した。
 今回のグループ化で、北近畿タンゴ鉄道の掛け金(年額)は、これまでの119万円から62万円とほぼ半額になる。(京都新聞)
■旧国鉄用地3ヵ所を 変換ローンで処分へ
 国鉄清算事業団の資産処分審議会が1日開かれ、JR新宿駅貨物用地の一部など旧国鉄用地3カ所計4.1fを不動産変換ローン方式で処分することを認めるとともに、北海道・旧宮内線線路用地38.4fを同勇払郡鵡川町に、新潟操車場跡地4.0fを新潟県住宅供給公社に売却するなど、計17カ所、67.6fを随意契約、公開競争入札で売却することを了承した。
 審議会は同時に、退任した平岩外四前会長の後任として、住友電工相談役で元国鉄再建監理委員会委員長の亀井正夫氏を選出した。(京都新聞)
■電車と接触、重傷 近鉄狛田駅ホーム
 1日午後6時15分ごろ、京都府相楽郡精華町下狛下新庄、近鉄京都線狛田駅の奈良行きホームで、線路上に体を乗り出していた同町下狛大谷、トラック運転手松下家康さん(46)が、京都発橿原神宮行き急行電車にはねられ、右足の骨を折るなどの重傷。
 木津署の調べでは、松下さんは反対側のホームに気をとられ、電車に気が付かなかったらしい。電車は7分間、その場に停車したが、後続に影響はなかった。(京都新聞)
■JR福知山線の岡踏切 支障報知装置を設置 あす稼働 緊急時の事故防止へ
 JR福知山支社は、満員の電車と大型トラックが衝突、乗客360人以上がけがをした福知山線岡踏切に、車が立往生した際などに列車を止めるための「支障報知装置」を急きょ設置した。テストを続け、3日午後5時、稼働を始める。
 車が線路上で動けなくなった場合など、踏切わきの2ヵ所に設けられたボタンを押すだけで、南側690b、北側1.1`の信号が赤に変わり、さらにその区間内の線路ぎわ6ヵ所に取り付けた赤色灯が回転、列車に危険を知らせるシステム。併わせて、発煙筒も踏切わきのわかりやすい場所に置いた。(京都新聞)
■土木業者を書類送検 山陽電鉄脱線事故で
 神戸市垂水区で6月1日、運搬作業車が山陽電鉄線路に転落、これに接触した電車が脱線した事故で、神戸西労基署は「斜面での危険な作業なのに誘導係を置くなどの安全対策を怠った」として1日、労働安全衝生法違反の疑いで神戸市西区伊川谷町有瀬、土木会社「晃陽」と安光末男同社社長(49)=住所同=を書類送検した。
 一方、兵庫県警垂水署は、村上さんが酒気帯びで作業していたとみて、過失往来危険の疑いで調べている。(京都新聞)
■遺族らと面談補償交渉開始 信楽事故で相談室
 滋賀県甲賀郡信楽町で5月14日起きた列車衝突事故で、信楽高原鉄道とJR西日本の「ご被災者相談室」は、事故から49日の今月1日に忌が明けたことで2日から、犠牲者42人の遺朕や負傷者と本格的な補償交渉に入った。
 滋賀県、京都府内を担当する、同相談室滋賀事務所(大津市)では、事前に電話で面会の約束が取れた被災者宅を、36人のスタッフが順次訪問する。この日朝から訪ねたのは、京都市山科区のけがをした女性宅1ヵ所だけだが、勤めなどの都合で、土、日曜日を指定する人が多いという。大阪、兵庫などを担当の同相談室大阪事務所(大阪市)でも、42人のスタッフと被災者との面談日程の調整に入った。両事務所とも、まだ補償金額の提示などに入れる段階ではない、としている。
 信楽高原鉄道の北川啓一・副社長と井上春絹・専務は2日までに2週間がかりで全遺族宅と50人の入院患者を回り、補償交渉の開始を伝えた。井上専務は「何より皆さんのお話を聞くことから始めたい。遺族の中には、弁護士を立てている人たちもいるが、こちらの誠意を示すのが第一で、担当者が責任を持って遺族全員にあたるように指示した」と話している。
 一部の遺族の間では、遺族会結成の動きがあり、手紙などで各遺族へ参加を呼びかけている。(朝日新聞)
3日■ヨット型の駅舎完成 KTR丹後由良駅 丸窓など採用し明るく
 ヨットの帆をイメージした宮津市由良のKTR丹後由良駅ターミナルセンターが完成。同駅舎前広場で2日、徳田敏夫宮津市長ら関係者約50人が出席して完工式が行われた。
 完成した同センターは、宮津市が今年1月から旧駅舎の敷地、約112平方bを利用して建設。プラットホームヘのコンコースとふれあいロビーなど、コミュニティー機能を備えたログハウス風駅舎と、トイレの2棟からなり、約20bの渡り廊下で結んでいる。
 外観は、由良海水浴場への玄関口となることから、海に浮かぶヨットをデザイン。駅舎、トイレとも屋根を最頂部から急傾斜させ、白い外壁を使うことで2隻のヨットの帆の形に見立てている。また、船のキャビンを連想させる丸窓や採光用としてガラスをふんだんに使い、明るさを強調。総事業貴は約5000万円で、うち867万円は府の補助。(京都新聞)
■青鉛筆
 「駅の高架の下は地中海」を売り物に、JR西日本は大東市の片町線住道駅構内にレジャー用プールを備えた計53店のショッピングセンターを計画、17日にオープンする。
 スペイン地中海沿岸の町にちなんだ「カサレス住道」。線路下のプールで長さ40b、幅20b。なぎさ風の遠浅部分など自然の海をまね、ジェット水流で人工の波も。
 プールは入会金20万円と月1万2000円と、利用も地中海旅行並み。これまで高架下に滝や小川を設けて好評を得ているが、「高い」有料プールとあって、人気は、さて…。(朝日新聞)
■ショベルカーの先端部畳まず通行 JR福知山線事故
 福知山市野家、JR福知山線岡踏切で満員の普通電車と大型トラックが衝突、乗客360人以上がけがをした事故で、京都府警捜査本部(福知山署)は、トラックを運転していた田中正美容疑者(49)=過失往来危険などで逮捕、送検ずみ=が事故当時、荷台に積んだショベルカーのバケット部分を十分折り畳んでおれば、すれすれで踏切を通過でき、事故は防げていたという事実をつきとめた。
 田中容疑者の供述内容と、ショベルカー、トラックの検分で、先端のバケット部分を十分に畳めばショベルカーのアームの最高部は路面から4.41bになり、踏切の進入制限用ゲート(高さ4.5b)に接触することなく通過できた。
 ところが事故当時、先端のバケットを伸ばした状態のため高さが4.88bになり、ゲートに接触、立往生しているところへ電車が来た。
 同本部は、仮にすれすれで路切を通過していたとしても、道交法施行令の制限高3.8bをオーバーしていたことには変わらないとしている。(京都新聞 夕刊)
■はい社会部です 帰りの運賃なぜ高い
 実家に帰るとき、JR阪和線の富木駅から山陰線亀岡駅まで利用しますが、行きの運賃は1420円なのに、帰りは1590円もします。同じ大阪、京都経由なのに、どうして170円も違うのでしょう。不思議で仕方ありません。−堺市 主婦(32)
 JR西日本広報室「誠に申し訳ありません。亀岡駅の亀岡−富木間の運賃表示が誤っていました。今春、山陰線に新駅ができたため、表示板を書き換えたとき、富木だけ間違ったようです。ご迷惑をおかけしました。払い戻しいたします」。(朝日新聞 夕刊)
4日■JR西日本 亀岡駅の間違った運賃表 近畿218駅に再点検を指示
 JR山陰線亀岡駅(京都府亀岡市)が、構内の切符自動販売機の上に掲示している地図付き運賃表の金額の一部を、170円高く書き間違えたまま、2ヵ月以上も放置していたことが3日付本紙夕刊「はい社会部です」で、乗客の指摘から分かったが、JR西日本は同日、運賃超過分をこの乗客に払い戻すとともに、自販機を備えている近畿の218駅に対し運賃表の金額を再点検するよう指示した。
 自販機の切符は発駅と金額しか印字されず、運賃不足の切符と異なり運賃超過の切符があっても着駅の改札口で駅員は指摘してくれないことから、相当数の乗客が知らずに払い過ぎた可能性がある。
 間違えていたのは、亀岡駅から阪和線富木駅の運賃で、1420円を「1590円」と表示していた。駅の説明では、前の運賃表が古く汚れてきたため、4月30日に取り換えたが、業者に発注する運賃表原稿に駅員が金額を転記したとき間違えたらしい。(朝日新聞)
■信楽事故 JR列車の遅れは2分 県警本部長明かす
 滋賀県甲賀郡信楽町で5月14日起きた信楽高原鉄道普通列車とJR臨時快速列車の衝突事故で佐々木俊雄・滋賀県警本部長は3日聞かれた滋賀県議会本会議で、JR列車の貴生川駅発車は、定刻の2分遅れだったことを明らかにした。
 JR列車は貴生川駅を5分以上遅れて発車したのではないかとの証言が、乗客や駅員などからあった。両社の直通乗り入れ協定で、自社列車に5分以上の遅れが生じた場合、相手方に通告する義務があり、JRの安全管理責任にかかわるため、同県警捜査本部が発車時刻を調べていた。
 同本部が、JR貴生川駅の列車運行を管理する亀山CTC(列車集中制御装置)センターのコンピュータープログラムなどを鑑定した結果、わかったという。(朝日新聞)
■女たちの太平洋戦争 10歳から重労働、月給はトウモロコシ1袋分 出入口すら差別…満鉄の日々
大連で 王私俊さん(58)
 私は1943年(昭和18年)、10歳のとき、当時の南満州鉄道会社の工場(現中国鉄道部大連機車車輌工廠=大連機関車製造工場)に入り、これまで48年間、ずっとここで働いてきた。父はすでに亡くなり、母が子ども5人を育てていた。一家6人食べていけないので、年寄った中国人労働者に勧められ、この日本の国策会社の工場労働者になった。2つ年上の姉も一緒だった。
 私が回されたのは、旋盤職場だった。鉄材を運んだり、鉄くずを片付けたりの肉体労働が主で、日本人に食事や洗面用の水、湯などを運ぶのも仕事だった。
 毎朝暗いうちから家を出、暗くなってから家に帰るという日々。毎日12-14時間働いた。幼い体で重い鉄棒などを担いだため、私は腰を痛めた。いまでも少し体がゆがんでいる。賃金は忘れてしまったが、1ヵ月の給料で、ひと袋のトウモロコシが買えるかどうかだった。
 その当時、この工場には、日本人が800-1000人、中国人が2000人ほど働いていたと思う。女の人や私のような少年工もいた。工場の出入り口は4ヵ所あった。正門と西門は日本人専用。残り2ヵ所が中国人のくぐる門で、私たち少年を含めた中国人工員用と、農村から連れてこられた苦力用とに分かれていた。
 帰るとき、通用門でのチェックは厳しかった。ある労働者は、ポケットにネジが入っていたのを見つけられて殴られ、門近くの木の幹に体を縛りつけられた。中国人に対する見せしめだった。
 私自身も、入って半年後だったか、この身体検査で殴られた。寒かったので、亡父の服を着て行ったところ、ダブダブなのを見とがめられた。「盗んだものだろう」といって殴られた。私のことを知っている人が事情を説明してくれたので、木に縛られずに済んだ。
 長時間の重労働で疲れ切った労働者たちは、この検査のため、列をつくって、また長い時間待たなければならなかった。農村出身の苦力たちのなかには着る物がなく、体が露出している者もいた。その人たちは、ひとつの小屋に数十人が寝泊まりしていた。敷物といえはゴザだけで、病気になっても面倒は見てもらえなかった。
 あるとき、「工頭」の腕章をつけた日本人監督に、洗面の湯を持って行った。冬だった。ところが、その日本人は「湯が熱すぎる」といって怒り、私をこぶしで何度も殴りつけた。革靴でもけった。私は意識を失った。気がつくと、だれかに助けられ、壁の下に寝かされていた。
 もうひとつ。毎朝、皇居遙拝(ようはい)があった。日本人だけでなく、中国人も不動の姿勢で整列させられた。私はその日体の調子が悪く、出て行かなかった。同じような仲間と一緒に見つかり、外へ引っ張り出された。整列させられ、同じ中国人が殴る役に回った。顔の形が変わるほどビンタを食った。仲間5、6人のうち2、3人が工場を解雇された。私はとりなしてくれる人がいて、どうにかクビにならずに済んだ。
 まだある。工場内には日本人専用のトイレがあり、中国人は入ることを禁じられていた。ある日、私はひどい下痢で、辛抱できずに日本人トイレに飛び込んでしまった。そこへやってきた日本人工員に見つかり、思いっきり殴られた。私の体は何度も転がった。このはか、中国人監督にも殴られた。こうして暴行を受けたなかには、傷跡となっていまも体に刻み込まれているものもある(王さんはこういって、ズボンのすそをまくり上げた。左足に、11歳のときに受けたという傷が残っていた)。
 日本軍の戦局が厳しくなるにつれ、工場では、装甲列車や銃剣なども製造し始めた。そういう場所に、中国人は入れなかった。昼も夜も、犬を連れて工場内を見回っていた。中国人がウロウロしていると、犬をけしかけてかみつかせ、殴りつけた。中国人労働者の管理が一層きつくなった。
 食べ物といえは、トウモロコシや豆かすのマンジュウが1日2個だけ。残業のときは2個追加された。日本人は米のご飯にみそ汁だった。私たちは搾取されていた。1945年(昭和20年)8月15日、日本は敗れた。工場は中国人労働者が管理するようになった。日本人を殴り返してやろうと捜したが、逃げ出していて見つからなかった。
 私は解放後、勉強して技師になった。中国と日本はいま友好国。関係はますます発展しており、私は満足している。しかし、もう二度と侵略されるのはごめんだ。中国の民衆は決して外国の侵略を許さないでしょう。(朝日新聞)
5日■列車の騒音目標値内に JR瀬戸大橋線
 JR四国と香川県は4日、それぞれが独自に実施した瀬戸大橋線での列車騒音測定試験の結果を発表した。それによると、本四公団が設立した環境保全努力目標値(海峡部80ホン)をいずれも下回った。
 JR側は「新型車両導入などの騒音低減効果が確認された」として、努力目標内でのスピードアップに自信を強めており、ことし秋以降のダイヤ改正で新型特急が時速95`に復元される可能性が出てきた。
 JRの測定試験は6月20日から3日間実施。車体が軽く列車騒音が小さい新型の2000系ディーゼル車両を時速75`、85`、95`でそれぞれ1日2往復走らせながらすべての列車について岡山県倉敷市田之浦と香川県板出市与島の2地区、3地点で測定した。
 3地点の列車騒音の評価値(連続する20本の列車のうち騒音の大きい上位10本の平均値)は最高が79-78ホン、最低が77-74ホンで、昨年12月の岡山、香川両県などによる測定結果より1−4ホン改善された。
 また、新型特急の速度別の測定値は速度に比例して列車騒音が大きくなる傾向を示したが、80ホンを超えなかった。
 JR四国は減速運転の期限が今月で切れることから、昨年秋に2000系車両を大量導入したり、騒音源とされる車輪の傷の検出装置を開発するなど騒音低減対策を進めている。
 一方、香川県の調査でも坂出市の岩黒島と櫃石島で評価値が71-75ホンと環境保全努力目標値を下回った。(京都新聞)
■JR総連を批判、脱退訴え 労組が定期大会
 JR西日本内最大労組の西日本旅客鉄道労働組合(JR西労組、2万と9千人)の定期大会が4日、石川県江沼郡山中町で開かれた。
 あいさつに立った大松益生委員長は上部団体のJR総連について「不当な支配介入により単組をJR総連の御用組合とし総連独裁体制を確立することが、総連指導部の狙い」と厳しく批判、JR総連からの脱退を強く訴えた。大会が脱退を決定するのは確実とみられる。
 また大松委員長は、組織統一を呼び掛けている西日本鉄道産業労働組合(出井勝彰委員長、6500人)から「申し入れを積極的に受け止」める」との文書回答があったことを明らかにした。(京都新聞)
■JR呉線土砂崩れ 修学旅行電車が脱線 吹田の小6ら3人けが
 4日午後1時55分ごろ、広島県豊田郡安浦町三津口のJR呉線安浦−風早駅間で線路わきの山の斜面が高さ約15b、長さ約30bにわたって崩れ、線路が約30立方bの土砂で埋まった。直後に通りかかった岩国発三原行き上り普通電車(4両編成)の先頭車両と2両目が土砂の上に乗り上げてこの2両が脱線。乗り合わせていた大阪府吹田市岸部北四丁目、市立岸部第二小学校の修学旅行生ら3人が胸や腕などにけがをした。
 広島県警広署の調べによると、けがをしたのは大阪府吹田市岸部北五丁目、同小学校6年沢井正人君(11)▽同市岸部北二丁目、同佐伯亮君(11)▽広島県竹原市吉名町、無職本岡繁雄さん(78)。沢井君は肩と頭を強打、佐伯君も頭にそれぞれ2週間、本岡さんは胸に約1ヵ月のけが。
 現場は安浦駅の東約2`の緩やかな左カーブ。土砂は高さ約4bの防護さくを越えて線路に崩れ落ち、先頭2両が土砂に乗り上げていた。
 電車の稲原務運転士(43)は「約100b手前で土砂崩れに気がつき、急ブレーキをかけたが間に合わなかった」と話している。広島県内は大雨洪水警報が発令中だったが」現場付近は降り始めからの雨量が100_に達せず、時間雨量も20_になっていなかったため安浦駅にある雨量計の警報機が作動しなかった。
 乗客約150人が乗っており、うち111人が岸部第二小学校の修学旅行生と付き添い教諭。吉向工教頭は「立っていた児童は床にたたきつけられた。座っていた児童は座席で顔を打つなどした」と話した。
 この事故でJR呉線は安浦−風早間が不通、両側で折り返し運転をする一方、乗客をバス輸送した。保線区員ら150人が出ているが、土砂の流出が続いており、復旧は5日朝になる見通し。(朝日新聞)
■JR紀勢線が大雨で止まる
 4日午後5時58分ごろ、和歌山県有田郡場浅町場浅のJR紀勢線場浅駅の雨量計が1時間あたり63_の雨を記録。新大阪発新宮行き特急「くろしお25号」が湯浅駅で停車するなど、紀伊由良−湯浅間で運転を見合わせていたが、午後8時半、徐行による運転を再開した。(朝日新聞)
■私鉄13社 17%(平均)値上げ申請 河原町−梅田400円 実施は12月以降 運輸省、圧縮の方針
 関西と関東の大手私鉄13社が5日午前、運輸省に平均17.0%の運賃値上げを申請した。うち関西で申請したのは近鉄、京阪、阪急、南海、阪神の5社。初乗り運賃を100円から120円へ一斉に引き上げるなど5社平均で16.8%(普通15.6%、定期18.5%)の値上げとなっている。マイカーなど他の交通手段との競合の中で鉄道事業部門の収支悪化が今回の値上げの主な理由。89年4月実施の消費税導入による運賃改定を除くと、87年5月以来4年ぶりの値上げ申請。関西と関東の私鉄がそろって値上げするのは84年以来のことになる。大手私鉄のうち残る西鉄、名鉄は値上げしない。各社では11月から実施したい、としているが、運輸省は値上げ幅圧縮の方針で、実施時期も12月以降にずれ込む見通しだ。
 各社ごとの値上げ内容は、阪神の22.6%アップが最も大きく、続いて京阪20.2%、阪急19.7%、南海16.9%、近鉄12.9%の引き上げ。いずれも区間キロ数は変えず、額のみ引き上げている。
 これらのうち京滋関係をみると、大阪方面では阪急が河原町−梅田間で400円(現行330円)、河原町−三宮間600円(同520円)、京阪の三条−淀屋橋も400円(同330円)に。また、滋賀方面では京阪の三条−浜大浄が50円アップの280円。近鉄は、京都−奈良間で560円(同490円)など。
 定期(1ヵ月)の場合、京阪の三条−淀屋橋間通勤が1万4020円(同1万1610円)、阪急の河原町−梅田間通勤が1万4200円(同1万1960円)に。近鉄の京都−新田辺間が通勤1万2150円(同1万460円)、通学4190円(同3570円)にアップ。
 今回の私鉄の値上げ申請は、87年4月に民営化後、一度も値上げしていないJR運賃との格差が縮少、一部のJR特定運賃区間では私鉄高といった逆転現象もみられる。例えば、阪急京都線高槻−梅田間が申請どおりの運賃だと、JRより20円高の270円に、茨木−梅田間は30円高の240円に逆転する。
 一方、近鉄、南海は同日特急料金とケーブルの運賃引き上げも申請した。近鉄の場合、特急料金は京都−奈良間450円(同410円)、京都−宇治山田1310円(同1810円)など平均10.5%の値上げ。ケーブル線は8.6%の値上げ。
 今回の申請について各社は、ここ数年輸送人員が伸び悩んでいるうえ、輸送力増強やサービス向上のための投資負担増などから鉄道部門の収支率が平成2年度が5社合計で96.9%と支出が収入を上回る”赤字”状態。「現行運賃では安全対策や将来の高齢化社会などに対応した施設改善などの投資ができにくい」と説明。公定歩合引き下げ幅も低く、金利水準の高さも経営を圧迫する、としている。
 関東で値上げを申請したのは東武、西武、京成、京王帝都、小田急、東京急行、京浜急行、相模鉄道の8社。(京都新聞 夕刊)
■設備投資が負担に 大手私鉄値上げ申請
 大手私鉄13社が5日行った運賃値上げ申請は、従来の値上げが人件費や諸経費の増加を主な理由にしていたのに対し、混雑緩和を目指す輸送力アップのための巨額な設備投資による支払い利息や減価償却費の増加が収支を悪化させたとしている点が特徴だ。
 例えば13社合わせて1990年度約1118億円だった鉄道部門の金利負担が91、92年度の2年間で約40%増加する見込みだ。特に投資規模の大きな複々線化工事を進めている小田急などは大きな影響を受ける。人件費や諸経費のアップは、輪送人員の増加による収入増でカバーできる範囲にあるという。
 私鉄側は新運賃の実施で収入不足を補い、鉄道事業の「健全経営」を維持する一方@輸送力増強工事の推進A100%冷房化に向けた努力−などを”公約”している。
 だが、私鉄各社は不動産販売などの付帯事業で大きな利益を上げている。この利益を鉄道事業の赤字に補てんしない会計処理方法に対し、値上げの度に疑問視する声が出るのも事実だ。
 今回の値上げ申請に対し運輸省は過去の査定方法にとらわれず、先の公定歩合の引き下げによる今後の金利動向、設備投資の進め方などを中心に申請内容をチェックするとしており、国民が納得できる厳正な審査が求められている。(解説)(京都新聞 夕刊)
■私鉄値上げ申請 混雑緩和”積み残し” 「給料上がらぬのに」市民の声 ゴリ押しに不満…
 通勤・通学地獄が解消されないうちにまた値上げ?! 5日の大手私鉄の値上げ申請は、またもや混雑緩和を積み残したままでの発車となった。京都ではタクシー値上げもとりざたされているだけに市民の心配は一段と膨らむ。職場に急ぐ通勤者たちも「値上げ幅を縮められないか」「時期をなるべく遅らせて」と、不満と反発の声をあげていた。
◆通勤者は−
 京阪三条駅付近に勤務する京都市伏見区の会社員荒川由来さん(27)は「定期代は会社から出ているので問題ないが、大阪や神戸に遊びに行こうと思っても、値上げしたら行くかどうか迷ってしまう。電車に乗る人も減るのじゃないかしら」。
 京阪浜大津駅で京都へ出動途中の大津市長等一丁目、会社員田畑治雄さん(48)は「通勤費は全額会社負担だが、高校生の娘を京都に通学させており、浜大津−三条間で約20%の値上げは痛い。給料はそれほど上がらないし、家計に響いてきそうだ」。
◆通学生は−
 近鉄輿戸駅で通学途中の京都市左京区、同志社大一年林了子さん(18)は「財布が痛い。なぜ値上げするのかわからない。納得できる理由を説明してほしい。値上げするのだったら、急行をもっと増やして」。
◆観光客は−
 会社のレクリエーションでトロッコ列車に乗りにきた大和郡山市の会社員谷尚子さん(57)は近鉄京都駅で「京都にはよく遊びに来ますが、運貨はやはり安い方がいいですよね。観光都市なのだから、手軽に行けなくなるのはよくないのでは…」。
◆主婦は−
 京都市西京区の主婦貴多本小夜美さん(30)は買い物帰りの阪急桂駅で、「また値上げですか。どうしてこの時期に?と思いますね。いつもなんだか分からないうちに値上げが決まってしまうけれど、どういう理由で上げるのか、値上げの結果どうなるのかをきちんと教えてほしいですね」とうんざりの表情。
・障害者施設の実現を ”だし”にしないで
 ”私鉄王国”関西では市民の足としてのウエートが高く、利用客への影響は大きい。今回見逃せないのが、値上げ理由の一つとして、私鉄各社が障害者など交通弱者に対する施設の整備を挙げている点だ。
 身体の不自由な人から、電車を利用する際の苦情や意見を受け付けている「JR環状線利用者の会」(牧口一二代表)など障害者5団体は、「遅きに失した感はあるが、必要な改善はぜひ実行してほしい」としながらも「障害者をだしにするようなことだけは絶対にしないで」と訴えている。
 牧口さんらの調べでは、駅スロープの設置の有無などを調査基準とした「交通アクセス度」(障害者用設備進行度)で、値上げ申請した関西私鉄5社をみた場合、阪急が45%と一番高く、他の4私鉄は30−15%。10%にも満たないJRよりは進んでいるが、まだまだ不十分という。
 牧口代表は「一般の人は少数の障害者のための施設を何でわれわれが、と思いがちだが、お年寄り、病人、妊婦などにとっても必要な設備だ」と強調する。(京都新聞 夕刊)
■私鉄値上げ申請 JRと競争加速 私鉄側、サービスで対抗
 関西の大手私鉄5社が5日、運賃値上げを申請した。実施されると、私鉄の方がJRより高くなる「私高J低」区間が増える。私鉄の値上げ申請を受けて、JR西日本の角田達郎社長は同日「当社は今年度は運賃改定はしない。来年度以降も出来るだけ値上げ時期を先に延ばす」と、言わば当面の運賃凍結を宣言した。かつて高運賃で乗客離れを招き、国鉄時代から「私鉄並みのサービス」を合言葉に乗客奪還に燃えたJRに対し、今度は私鉄側、が、攻守ところをかえ「JR並み」のサービス競争を展開しそうだ。
 申請通り認可されると、阪神の梅田−尼崎問はJR大阪−尼崎間と比べ、また近鉄難波−奈良間はJR天王寺−奈良間と比べ、いずれもこれまで10円高だったのが、50円高になる。南海の難波−泉大津間は、JR天王寺−和泉府中間より40円安だったのが20円高に逆転。各私鉄ともこうした「私高J低」の区間が増えており、しかもその差が拡大している。
 過去3年間の乗客の伸びは、私鉄5社の対前年比が1%、0.4%、2%なのに対し、JR西日本は在来線だけで4%、2.2%、5.6%と差が際立っている。JRによると運賃据え置きと同時に新型車両や高速化などに力を入れ、三田、加古川、草津など大阪圏周辺部への通勤圏拡大に努めた結果と説明する。
 これに対し、大手私鉄側は「サービスの質的改善で競う」と、乗り心地の良い新型車両、魅力的な駅づくり、障害者など交通弱者のための施設整備を理出に挙げ、値上げの弁明に必死だ。一例がエスカレーター。今後10年間で一日乗降客5000人以上の駅に100%設置するという。関西5社の対象駅241駅中、現在86駅に設置済みだが、来年度までにさらに20駅に設ける計画だ。
 関西消費者連合会の角田礼子会長はこうした傾向に「気軽に利用出来る価格と安全対策がサービスの原点。デラックス化や過剰サービスのための値上げなんてナンセンス。今物価はじわじわ上昇しており、もっと監視をしなくては」とくぎを刺す。
 障害者が利用しやすい交通機関を求めている「大阪中部障害者解放センター」事務局の尾上浩二さん(31)は「施設導入に積極的な会社と消極的な会社がある。身障者が値上げの理由にされているのでなけれはいいのだが」と話している。(朝日新聞 夕刊)
■競合地域の一部”逆転”JRより高く 利用者戸惑い
 京都−大阪−神戸間はJR、私鉄が入り乱れて乗客の獲得争いをしている全国でも珍しい競合地域。5日の私鉄の値上げ申請によって、JR側の料金が安くなる”逆転区間”が続出、利用客は目を白黒させている。
 普通運賃の場合、逆転がくっきり表れたのはJR大阪−高槻と阪急梅田−高槻市の競合区間。JRより20円安かったのが、改定で逆に阪急側が20円高い270円となる。同額だった大阪−茨木でも30円阪急の方が高くなる。
 通勤定期はもっと顕著で、1ヵ月の場合、大阪−西宮で阪神はJRより1470円安かったのに250円高くなり、大阪−芦屋も650円安かったのが、逆に1500円高くなった。
 芦屋市に住む団体職員(50)は「乗り継ぎバスなどの事情で逃げようがなく、安くなってもJRへの乗り換えは簡単にできないし…」と戸惑い気味。
 京都消費者団体連絡協議会事務局長の原強さん(42) は「遠距離通勤、通学者へ大きな負担だし、他の交通機関の値上げを招くことになりはしないか懸念されるだけに、原価計算の根拠の公開や利用者の意見聴取方法改善を進め、利用者の納得できる運貨改定と、サービス改善を」と注文をつけている。(京都新聞 夕刊)
■私鉄大手 一斉値上げ申請 関西5社平均16.8% 初乗り120円、11月から
 近鉄、南海、京阪、阪急、阪神の関西私鉄大手5社と関東の東武、西武など大手8社は5日、運輸省に11月1日からの運賃値上げを申請した。鉄道部門の収支悪化を理由にしており、関西5社の値上げ率は平均16.8%。認可されれば87年5月以来4年半ぶりの運賃改定になる。関東は平均17.2%のアップで3年半ぶり、東西が足並みそろえての申請はほぼ8年ぶりだ。
・各地でJRと逆転
 関西5社が申請した平均16.8%(普通運賃15.6%、定期18.5%)は前回申請の21.8%を大きく上回った。各社別では、阪神が22.6%と東西13社中でも最高率で、次いで京阪20.2%▽阪急19.7%▽南海16.9%▽近鉄12.9%。初乗り運賃は20円上がり、JRと同じ120円になる。関東8社では、最高が相模鉄道21.8%、最低が京成電鉄13.3%。
 また近鉄は同時に特急料金と生駒、西信貴両ケーブルカー、南海は座席指定料金と高野山ケーブルカーの値上げも申請した。近鉄特急は40`まで現行410円が450円になるなど10.5%アップ。運賃値上げと合わせると、難波−奈良は現行より80円高い950円に、難波−鳥羽は330円高い3210円になる。ケーブルカーのアップ率は近鉄8.6%、南海9.1%。
 関西5社の鉄道部門収支は、89年度に南海、京阪、阪急が赤字、90年度も花の万博で乗客が増えたものの5社全部赤字になり、赤字合計額は126億円に上った。このままでは92年度だけで赤字が550億円に膨らむとしている。
運賃値上げ申請率(%)
 普通
運賃
通勤
定期
通学
定期
合計
近  鉄11.414.915.712.9
南  海14.918.918.916.9
京  阪19.820.820.820.2
阪  急18.821.120.819.7
阪  神21.823.723.722.6
関西5社平均15.618.518.416.8
関東8社平均16.118.518.417.2
 申請通りに値上げすると、普通運賃で阪急・梅田−高槻市がJR大阪−高槻(250円)より20円高くなるなど各地で私鉄とJRとの逆転現象が起きる。通勤定期ではさらにJRとの逆転区間は増え、各私鉄と平行するJR線とのサービス競争が激化しそうだ。
 私鉄側は「乗客サービスのため、エスカレーターの増設や輸送力増強のため線路の高架化、地下化など巨額の設備投資が必要で、支払い利息などの負担が増えるのに、乗客数は伸び悩んで経営は苦しい」と説明している。運輸省は物価への影響を検討し、運輸審議会などを経て値上げ幅をやや圧縮して認可する見込み。
 私鉄の運賃は89年4月に消費税導入に伴って3%値上げしたのを除くと、関西5社と京成が87年5月に9.7%、関東6社が88年5月に10.1%値上げしている。東西足並みをそろえての値上げは、関西5社と関東7社が84年1月に13.5%上げて以来。(朝日新聞 夕刊)
■私鉄運賃値上げ申請 利用者軽視替わらず 申請手続き 批判かわす意図も
 《解説》大手私鉄13社が5日午前に申請した平均17%の運賃値上げには、ラッシュにもまれる利用者からのやりきれない声が聞こえてきそうだ。率が大幅な半面、値上げされたからといって混雑率が目に見えて緩和されるという期待も小さいからだ。
 値上げの最大の理由は「混雑緩和の投資がかさみ、支払い利息などで鉄道収支が大幅な赤字になることが予想されるため」だ。
 しかし私鉄各社は最近まで地価高騰の恩恵を受けた不動産部門を持ち、百貨店、遊園地など多くの子会社を抱え、鉄道以外の関連事業で稼いでいる。「鉄道と関連事業との線引きが厳正に行われているか」という指摘もある。
 運輸省は「鉄道部門を赤字のままで放っておくと、私鉄各社は輸送力増強への投資をしなくなる」と心配する。しかし、利用者からすれば、地域独占の私鉄が開発利益を得る見返りに鉄道部門で、ある程度の赤字を出すのは我慢すべきだという気持ちは強い。
 また、今回の申請までの手続きには、消費者の批判をかわそうという政府や私鉄の意図が見え隠れして、不透明感がつきまとう。
 私鉄と運輸省の事前の調整では申請時期を当初、株主総会翌日の6月28日に設定していた。総会運営を防げるような質問が出ないようにし、一方で値上げ実施が11月に間に合うようにという狙いからだ。
 これだけでも消費者軽視の側面がうかがえるのに、この運輸省案に「待った」をかけたといわれているのが経済企画庁。91年産米の政府買い入れ価格(生産者米価)が7月4日に決着する見込みだったため、運賃値上げ申請を翌日の5日まで延ばすよう強く主張した。米価引き下げの直前に私鉄運賃値上げ申請が行われては、生産農家を刺激しかねないという論理。「利用者本位」という意識は乏しい。(経済部・望月義人)(朝日新聞 夕刊)
6日■橋げた惨事 「法的責任ない」 広島市、遺族との交渉で
 今年3月、23人が死傷した広島の橋げた落下事故で、被害者の会(相良勝美弁護団長)の7遺族と負傷者の2家族が5日、広島市と2回目の補償交渉をした。
 遺族側が事故当時、事前の交通規制がなかったため一般市民を巻き込む結果になった点などについて、行政責任を問いただしたのに対し、市側は「事故に対する法律上の責任はない」と初めて直接遺族側に言明、交渉は物別れとなった。
 交渉では、相良弁護団長が「橋りょう工事は落下を前提に安全対策をとるのが常識。落下の可能性も考えずに工事中も車両を通した責任は重く、工事全体に対する監督責任もあった」と強調した。
 市の高橋是之・都市交通部長は@市独自の調査から落下原因は工事請負業者のサクラダ(本社千葉市)にあるAサクラダも責任を認めている−などの点から法律上の責任を否定、多くの市民を巻き込んだ原因には触れないまま、現時点で補償の意思のないことを遺族に表明した。(京都新聞)
■JR総連から脱退 JR西労組か正式決定
 西日本旅客鉄道労働組合(JR西労組、2万9000人)は5日、石川県・山中町での定期大会で、上部団体であるJR総連からの脱退を正式に決めた。JRグループ最大の組織力を持つJR総連から主要単組が抜ける福は、結成以来初めて。
 大会でJR西労組執行部はJR総連を「単一労組の民主的運営を路みにじる独善的・中央集権志向」と批判し脱退を提案、満場一致で採択された。
 旧動労グループが主導権を握るとされるJR総連との関係をめぐり、JR西労組では昨年6月から旧鉄労系と旧動労系とが対立を続けてきた。旧動労系は今年5月に脱退して新組合を結成している。
 JR総連傘下の全国各労組の中には同様の火ダネを抱えるところがあるといわれ、今回のJR西労組の決定がこれらにどんな影響を与えるかが注目される。
 また大会は年内を目標に西日本鉄道産業労働組合(出井勝彰委員長、6500人)と組織統一を図っていくことを決めた。(京都新聞)
■岩手・一戸も同意 東北線の経営分離
 東北新幹線盛岡以北開業時に、並行して走る東北線の岩手県・沼宮内−青森県・八戸間(約76`)がJRから経営分離される問題で、沿線で唯一分離に反対してきた岩手県二戸郡一戸町の「在来線廃止反対期成同盟会」(会長・稲葉暉同町長)は5日、総会を開き、これまでの方針を転換し、分離を受け入れることを決めた。
 受け入れる理由について期成同盟会は「町の孤立を避け、北東北を発展させる新幹線着工を優先させるため」としている。
 これにより東北新幹線盛岡以北は着工認可へ向け大きく前進することになった。(京都新聞)
■中国 鉄道建設に外資参入 立ち遅れに「自力」断念
 【北京5日=和気靖】社会主義中国で初めて、海外資本と合弁による鉄道が建設されることになった。中国鉄道省と香港招商局発展公司などが共同出資してこのはど、合弁会社「深洲(しんせん)平南鉄道」を設立。深洲経済特区の蛇口港と中国国鉄の九広線を結ぶ約50`メートルの貨物鉄道を敷く。中国では近代、日本や欧米が鉄道の建設・経営を通じて勢力を広げた歴史の経験から、解放後の鉄道部門は「自力更生」を貫いてきた。経済持区で、また一つ「タブー」が破られたことになる。
 合弁会社の出資比率などは明らかにされていないが、総投資額は約3億元(約80億円)。今秋に着工し、93年春の開業を予定している。経済特区内で立ち遅れている、輸送面での基盤整備の一環となる。
 中国では近年、地方政府が資金を調達して建設する「地方鉄道」が相次いで誕生。同時に外資受け入れをめぐり議論が続いてきた。(朝日新聞)
■全盲の研究者、駅で事故死 「安全な町」求めて 生理学者・失明・視覚障害者の「移動」研究
 東京都内の私鉄駅構内で、5月中旬、一人の全盲の男性が線路上で電車に接触、全身を強く打って死亡した。国立身体障害者リハビリテーションセンターの職員として、長年、「視覚障害者の安全移動と都市交通システム」について研究してきた田中一郎さん(62)。ホームから転落して事故にあったとみられている。田中さんの歩みを追いながら、事故の教訓を探った。
・ホームから落ちる 周囲のひと声効果的 点字ブロックに限界
その日
 事故があったのは、東京都杉並区の京王帝都電鉄井の頭線・浜田山駅。吉祥寺発渋谷行き上り最終電車が到着した5月17日午前零時16分ごろだった。
 高井戸署の調べによると、電車の運転士は田中さんの姿を約100b手前で発見した。田中さんは、高さ1.4bのホームにのぼろうとするかのように、線路上でホームの方向をむいて立っていたという。すぐに急ブレーキをかけたが、電車はそのまま田中さんに衝突。田中さんは車体とホームとの間に挟みこまれる体勢になり、その場に倒れた。京王帝都によると、事故当時は駅員1人が改札口付近にいたが、ホームは無人だった。
 午前1時、収容先の病院で死亡した。「朝、家をでるときに『今日は遅くなる』と言ってましたので、何も心配していなかったのですが…」と妻の安子さん(56)は語る。
 事故のあった夜、田中さんは東京・一ツ橋で開かれたリハビリセンターの同僚の定年慰労会に出席した。この後、都営地下鉄新宿線で移動、曙橋駅近くのレストランで仲間と懇談し、帰途についた。東京女子医大の講師でもあった田中さんにとって、慣れたコースだった。
 浜田山駅から自宅まであと1`足らず。「疲れて、早くうちに帰りたいと思っていたのではないでしょうか。何がそこで起こったのか、本当にわかりません」(安子さん)
現状
 田中さんが中心となっていた、視覚障害者の移動の安全についての研究グループのメンバーは、「今回の事故を視覚障害者をより探く理解するきっかけとしてほしい」と訴える。
 田中さんと東京都心身障害者福祉センターの村上琢磨さん(44)らは大量輸送機関で起きた視覚障害者の事故例を分析していた。ホームから転落したことのある視覚障害者54人を面接調査した結果、半数以上にあたる31人が2回以上転落していたという。
 原因は、@別のホームに入った電車の振動音や乗降客の足音を自分が乗車する電車のものと誤認したAベンチや売店などホーム上の障害物、階段や改札口などに注意を集中させていたために、ホームの縁端に対する注意が不十分だったB乗降客の人波に押された、などさまざま。視覚障害者自身の努力による歩行技術の向上や、点字ブロックだけでは転落防止に限界があるということがわかった。
 点字ブロックについては、国立リハビリセンターの田内雅規・視覚機能障害研究室長(42)は「敷設するだけではなくて、視覚障害者の安全の確保に役立っているか、点検が必要だ」と、道路上のブロックを含めて指摘する。
 また、視覚障害者の移動では、誘導者がいるかいないかで精神的な緊張に格段の差があることが田中さんらの研究でわかっている。「お手伝いしましょうか」「どちらの方向に行きますか」といった周囲の晴眼者のひと声が簡単で効果的、と村上さんらは強調している。
・単独歩行の意義を重視
橋渡し
 田中さんは、東京医大を卒業後、東京女子医大に勤務した。専攻は視覚の感覚生理学。ぶどう膜炎がもとで、1961年、33歳のときに右目を失明。68年春ごろからは、左目の視力も著しく衰えていった。
 失明者のための施設である国立東京視力障害センターの存在をラジオで偶然知り、68年の秋に職員に。理療(あんま・はり・きゅう)を学ぶ失明者に生理学を教えた。
 一方で、視覚障害を引き起こすことの多いベーチェット病の調査研究にも精力的に取り組んだ。76、77年ごろ、全国ベーチェット協会が埼玉県内に視覚障害者の福祉更生施設を建設しようとした際、反対する地元住民に、施設の必要性と理解を訴えた。
 79年、国立東京視力障害センターが発展、現在の国立身体障害者リハビリテーションセンター(埼玉県所沢市)に。ホームでの転落事故や、視覚障害者の歩行行動について共同研究を積み重ね、、障害物を回避した後、方向性を取り戻すのが極めて困難であることなど、従来になかった厳密な解析を加えていった。一昨年3月の定年退職後は、非常勤職員として週に1度センターに通っていた。
 「田中先生は視覚障害者が精神的に自立し、社会に参加していくためのきっかけとして、単独歩行の意義をとても重要視されていました。ご自身が中途失明者であると同時に、生理学の専門家でもあったわけで、視覚障害者の心理や行動をわれわれに橋渡しする非常に貴重な方でした」
 リハビリセンターの田内研究室長は、そう語って死を惜しむ。(朝日新聞)
■JR呉線が復旧
 崩れ落ちた土砂に電車が乗り上げ、修学旅行中の大阪の小学生ら3人が負傷した脱線事故で、4日午後から不通となっていたJR呉線の広島県豊田郡安浦町の風早−安浦間は6日午前4時50分、事故から約39時間ぶりに復旧、同日の始発電車から運行を再開した。(京都新聞 夕刊)
■ケーブル切断で 阪和線一時不通
 6日午前10時ごろ、大阪府泉南市のJR阪和線和泉砂川−和泉鳥取駅間で、通信ケーブルが切れ、停電状態になった。JR西日本が調べたところ、両駅間にある林昌寺踏切のケーブルが焼けているのが見つかり、応急処置をして約40分後に送電を開始した。この事故で、阪和線は和泉砂川−紀伊駅間が一時ストップ。特急「くろしお」が約50分遅れるなど、阪和・紀勢線の31本に遅れが出た。(朝日新聞 夕刊)
7日■走れニュートレイン 〈13〉 クリスタルエクスプレス JR北海道 2階建てディーゼル
 数々の観光用ジョイフルトレインを造り話題をまいているJR北海道の最新のリゾート列車で、第1号の「フラノエクスプレス」から数えて5番目の列車が「クリスタルエクスプレス」である。
 平成元年冬に北海道では初めての前面パノラマ展望車としてデビューした。当時は前後部のパノラマカーに中間車を1両組み込んだ3両編成で走っていたが、2年冬に2階建て車両で中間車が造られ、現在は4両編成で走っている。ディーゼルカーでの2階建て車両は全国でも初めての登場である。
 外観はシルバーメクリックのシックな色で、グリーンとブルーのストライプ入り。車内は展望車、普通車とも特急座席車を使用しているが、背面には小型液晶テレビがあり、北海道の観光ビデオなどを放映している。
 新しく完成した2階建て車両は、2階部分が普通席の4人のセミコンパートメント、1階部分はグリーン席の4人コンパートメントでAV装置を完備。小人数のグループ旅行に最適の空間といえる。出入り口付近にはサロンカーがあり、スナックカウンターも設置されている。
 「クリスタルエクスプレス」は観光シーズンの季節列車として使用され、冬季は札幌・千歳空港からトマムまでのスキー列車に、夏季はリゾート列車になる。
 昨年は列車の間合いを利用して夏季に札幌と小樽間に「マリンエクスプレス」として運転された。日本海の落日を展望車から眺める企画は好評だった。今年の企画は未定だが、JR北海道はぜひ運転したいと前向きだ。(鉄道写真家・南 正時)
 〈メモ〉札幌−トマム間普通指定料金席 4720円・全車指定制。同区間1往復。所要時間約1時間50分。季節列車なので時刻表で運転日を確認して利用する。(京都新聞)
■快速と乗用車衝突 運転の主婦が重傷 枚方のJR片町線
 6日午後5時10分ごろ、枚方市藤阪天神町、JR片町線の第一藤阪踏切(警報機、開閉機付き)で、京橋発同志社前行き快速電車(渡辺克己運転士、4両編成)が、立ち往生していた交野市私部二丁目、主婦桶田清子さん(61)運転の乗用車と衝突。乗用車は線路外にはね飛ばされ、桶田さんは腰の骨などを折って重傷を負った。電車の乗客約310人は無事だった。(朝日新聞)
■余部鉄橋 やっと無線設備を設置へ JR 信楽事故で重い腰あげる
 旧国鉄時代の86年12月、死者6人を出す列車転落事故が起きた兵庫県城崎郡香住町の山陰線・余部(あまるべ)鉄橋周辺に、JR西日本が今年9月、乗務員が福知山支社の列車集中制御装置(CTC)指令室と直接連絡できる無線基地局を設置することを決めた。信楽高原鉄道列車事故で無線設備の有無が安全対策としてクローズアップされてから、会社側はやっと重い腰をあげた格好だ。
 余部鉄橋の列車転落は30bを超える強風下で起こっている。この事故後、国鉄とJR西日本は再発防止で、鉄橋付近の風速計と連動する風速記録計をCTC指令室に設置。風速20bを超えると指令員が手動で最寄り駅の出発信号機を赤にし、25b以上になれば鉄橋手前の特殊信号発光機が自動的に作動するようにした。
 さらに強風下の安全運転には無線連絡による予防措置も欠かせない。だが、山陰線の鳥取−城崎間には現在、無線設備がない。
 JR西日本によると、9月末までに鉄橋周辺の約18`の範囲内にある香住、鐘(よろい)、余部、久谷、浜坂の各駅に指令室とケーブル回線で結はれたアンテナを設置する。おおむね駅の前後500b以内に列車が入れば、列車と指令室の無線通話が可能だという。総工費は約2200万円。(朝日新聞)
■「京」の良さ明白に! ビル高層化は自殺行為 職人の輝く個性のまち まちづくりシンポ
 京都の新しいまちづくりのあり方を探るシンポジウム「市民参加と歴史都市の産業」(住生活研究所主催、朝日新聞京都支局後援)が6日、中京区の市社会教育総合センターで開かれた。田村明・法政大教授(都市政策)、星野芳郎・帝京大教授(現代技術論)、宗田好史・国連地域開発センター研究員(都市計画)がパネリストとして発言。約100人の参加者から、市民とまちづくりのかかわりなどをめぐって質問が相次いだ。
 同研究所は、京都を中心に活躍する弁護士や建築家、社会学者らが6年前に結成。マンション問題や都市づくりなどの研究に取り組んできた。今年3月には、JR京都駅の高層化改築問題をきっかけに、景観問題を経済や産業面からとらえ直すシンポジウムを開催した。今回はその第2弾。
 田村さんは、横浜市の飛鳥田革新市政時代に企画調整局長として、全国自治体のモデルとされる都市行政を展開した経験を交えながら「自然と歴史、人間の営みが一体となって景観を形作っている」と指摘。「個性あるまちの代表である京都は、市民のための新しいまちづくりのルールをつくっていくべきだ」と提言した。
 星野さんは、技術論の立場から京都の伝統産業のあり方について発言した。「東京資本の流入を加速するビルの高層化は京都の自殺行為」と断言。「職人の努力が京都の個性を作る」として、西陣織などの地場産業を基盤に、独自のイメージを国際的にアピールしていくことの重要性を強調した。
 イタリアの大学などで都市計画を学んだ宗田さんは、歴史都市フィレンツェ、ボローニャでは、大企業に負けない組織的連帯と技術革新に裏付けられた職人産業が都市民主主義を支え、まちづくりに大きな役割を果たしてきた、とその経過を説明。「京都は日本の中で一番、都市民主主義が進んだ所。いま、それが試されている」と述べ、東京を意識した競争原理を考え直すべきではないか、と問題提起した。(朝日新聞)
9日■バス4社、値上げ申請 大阪府南部 4−7%台のアップ
 近鉄、南海、水間鉄道、金剛自動車の4社は9日、大阪府南部を中心にした路線バス運賃の値上げを運輸省に申請した。値上げ申請は約2年ぶり。4−7%台のアップで今年10月からの実施を希望している。
 4社とも利用客が減少しているのに、経費が増えて経営が苦しいことを理由にしている。近鉄は、平均7.7%で、最低の半区(約2`以内)が180円から190円になる。南海は平均4.2%で、これまで均一運賃200円だった堺市中心部と泉北ニュータウンを新たに2−3の区間に分け、同一区間内は据え置くが異なる区間をまたがる場合は210円にする。水間鉄道は7%、金剛自動車は6.3%のアップ。
 申請によると主な新運賃は次の通り。(かっこ内は現行)
 【近鉄】花園−山本220円(200円)▽八尾駅前−藤井寺駅250円(220円)
 【南海】堺駅南口−三国ケ丘駅前210円(200円)▽美加の台駅前−美加の台160円(150円)
 【水間鉄道】南海貝塚駅−和泉橋本220円(200円)
 【金剛自動車】富田林−金剛登山口490円(470円)(朝日新聞)
■JR快速電車に投石 東海道線、ガラス割る
 8日午後8時55分ごろ、神戸市東灘区住吉本町一丁目のJR東海道線で、野洲発網干行き快速電車(7両編成)に線路の南側から投石があり、前から4両目の車両の窓ガラス(厚さ3_)が1枚割れた。約650人の乗客にけがはなかった。(朝日新聞)
■近鉄バス値上げ申請 平均7.7%
 近畿日本鉄道は9日、乗合バスの運賃改定を運輪省に申請した。定期を含む平均アップ率は7.7%。京都府域では初乗りの130円が140円となる。今回の値上げは平成元年10月に実施以来3年ぶり。京滋地区で免許を持つ他社も改定作業を進めており、先に値上げ申請した私鉄なども含め、値上げラッシュとなりそうだ。
 値上げ申請理由について、交通渋滞が常態化するなかで、バスの発着が遅れ、乗客がマイカーに逃げるなど収入が伸び悩む一方、経費高で収支が悪化するなどを挙げている。
 京都区間の主な運貨比較では、京都−向島が330円(現行290円)で13.8%のアップ。京都−大久保間550円(同530円)で3.8%のアップ。定期(1ヵ月)は京都−大久保間通勤1万3860円(同1万2180円)、通学1万1880円(同1万440円)など。実施時期について会社側では10月をメドとしている。(京都新聞 夕刊)
10日■米リニア計画 「両政府参加案」が急浮上 日米強調の象徴に
 【ピッツバーグ9日=滝本裕】米ペンシルベニア州とピッツバーク市が進めているリニアモーターカー鉄道(マグレブ)建設計画を、日米両国政府が加わる日米協調のシンボル事業にする構想が急浮上してきた。ピッツバーグ市内で8日に開かれた日米財界人会議の全体会議の席上、ケーシー州知事が明らかにした。
 このリニア計画は、州や市当局、地元経済界、それに在米日系企業が加わって、推進しているもので、全米最大の空港をめざして拡張工事が進んでいるピッツバーグ市郊外の空港と市中心部間の約20マイルをリニアカーなどの高速交通網で結ぶ。日系企業は、ニューヨークに進出している20数社で、1社2万jずつ拠出。事業化調査費用180万jのうち、25万jを負担している。
 ケーシー知事ら関係者によると、地元選出のスペクター上院議員を中心に「リニア計画を日米協調の象徴として、両国政府も参加できないか」との機運が強まり、上院の承認を経てこのほどブッシュ大統領に公式に提案し、ホワイトハウスも検討を始めたという。
 一方、日系企業側も「対米関係を改善するには、日本が米国の発展に協力する姿を市民にも見える形で示す必要がある。日本が資金と技術の両面でともに汗を流すのは大事なこと」(寺島実郎・米国三井物産ワシントン事務所長)として、日本政府への働き掛けを強めることにしている。
 日系企業で組織する「マグレブ推進協議会」は、両国政府が「日米共同プロジェクト推進協定」を結ぶなど具体案を用意し、日本政府に協力要請する予定。(朝日新聞)
■地下鉄など増発 市バス経路変更
 京都市交通局は10日、祇園祭に伴って14日の宵々々山から17日の山鉾巡行までの間、市バス・地下鉄の臨時増発や一部経路変更を行う、と発表した。
 市バスの臨時増発は14−16日の午後8時−11時ごろ、京都駅前−烏丸通−烏丸仏光寺折り返しの経路で12−16往復、17日午前9時−午後1時ごろ、京都駅前−河原町通−四条河原町折り返しの経路で25往復をそれぞれ増発し臨時運行する。
 また4日間、四条通などの交通規制に伴って市バス40−50系統が一部経路変更・折り返し運転を行うほか、停留所の移動・休止、臨時停留所の設置などの措置をとる。
 地下鉄の臨時増発は15、16の両日午後7時50分以降、1時間当たり2本の計7往復を増発する。(京都新聞 夕刊)
11日■「景観」で市民投票を 秋ごろの実施へ 大学教授ら呼びかけ あす東山で集会
 JR京都駅、京都ホテルの改築高層化をはじめ、古都の景観を揺るがす問題が相次ぐ中、市民の意見表明の場を作ろうと、まちづくりに関心を寄せる人々が市民投票を企画し、12日午後6時半から東山区清水四丁目の市健保保養所「きよみず」で集会を開く。
 呼びかけ人は、生田耕作・京大名誉教授、井上吉郎・府生協連専務理事、ヨシトミセスオ・京都精華大教授ら8人。
 京都のまちづくりをめぐっては、市が5月に審議会を発足させた。が、メンバーの人選について弁護士や市民グループから凝問の声も出されており、まちづくりに対する市民の思いを明らかにし、市政に反映させようと、投票を企画した。
 計画では、投票は、まちづくりのあり方について賛否を問う形で今年秋ごろに実施する。市内有権者を対象に、できれは数万人規模にする方針。
 井上専務理事は「京都のまちづくりは市民全体の重要な問題。初めての試みなので、準備を進めるため、できるだけ多くの人に参加してもらい、知恵を出し合いたい」と話している。
 集会では、桂文我さんが京都のまちを舞台にした古典落語を披露。ヨシトミさんらがコメンテーターとなって、古都のまちづくりを語り合う。参加費1000円(資料、ドリンク付き)。問い合わせは、井上さん(231・6104)へ。(朝日新聞)
■ウォーターライド事故 19億円の賠償訴え 博報堂がメーカー相手に
 昨年4月、大阪・花の万博で24人が重軽傷を負ったウォーターライド転落事故をめぐり、運行責任者のジャスコとの間で施設の完成までの業務委託契約を結んでいた博報堂が10日、設計、製造を請け負った三精輸送機(本社・大阪府吹田市)を相手に、「事故は安全対策上必要な装置を欠いていたために発生した」として、ジャスコ側に支払った和解金など約18億9300万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。訴えの中で博報堂側は、三精輸送機がウォーターライドの設計、製造に当たって、追突や転落を防止する装置と非常停止ボタンを設置するなどの安全義務を怠った結果、昨年4月の事故が起きたとしている。
 この事故でジャスコは3ヵ月間の運行中止に追い込まれて乗船料収入が減り、約17億8000万円の損害を受けた。博報堂はジャスコ側に支払い済みの同額の和解金に加え、弁護士費用の支払いを求めている。この事故では、ジャスコの社員1人が業務上過失傷害罪で罰金の略式命令を受け、確定している。(朝日新聞)
■JR山陽線 作業中の2人 はねられ死亡
 11日午前零時半ごろ、広島県三原市木原町のJR山陽線下り線で、レールの交換作業をしていた岡山市国富三丁目、山陽軌道社員村尾譲二さん(59)と岡山県邑久郡邑久町、同社員、出井正さん(58)が、新大阪発都城行き寝台特急「彗星」(8両編成)にはねられた。2人とも全身を強く打ち、村尾さんは間もなく死亡、出井さんも同日午前7時すぎに死亡した。列車は現場で17分停車し、後続列車も7−16分遅れた。(朝日新聞 夕刊)
12日■私鉄値上げ公聴会 9月に大阪で開催
 運輪審議会(隅健三会長)は11日、さる5日に近鉄、阪急、京阪など関西私鉄大手5社の運賃値上げ申請を受け、9月9、10の両日に公聴会を開くことを決めた。
 公聴会は、鉄道事業法に基づいて開かれるもので、大阪市中央区大阪合同庁舎第三号館大会議室を会場にいずれも午前10時から行う。
 同審議会では公聴会で意見を述べる一般公述人の申し出を受け付ける。公述申込書と公述書各3部を今月26日必着で〒100東京都千代田区霞が関二丁目一ノ三、運輸省運輸審議会あて。賛成、反対各15人の公述人を予定、1人15分以内。(京都新聞)
■JR山陰線乱れる 落雷や豪雨で
 11日午後4時50分ごろ、JR山陰線綾部駅構内の信号機が赤のまま変わらなくなった。1時間半後に復旧したが、特急など4本が40分から1時間半遅れた。JR福知山支社は、落雷によるとみている。
 また午後5時35分ごろには、同線上夜久野駅(京都府天田郡夜久野町)の雨量計が1時間に45_を記録、下夜久野・梁瀬(兵庫県朝来郡山東町)間で一時列車の運転を見合わせたため、特急など6本が50分から1時間20分遅れた。(京都新聞)
■私鉄値上げで 9月に公聴会 運輸審義会
 関西と関東の大手私鉄13社が平均17%の運賃値上げを申請していることについて、運輸審議会(隅健三会長)は11日、9月に大阪と東京で公聴会を開催することを決めた。
 関西の私鉄5社についての公聴会は9月9、10両日、大阪市中央区大手前一丁目の大阪合同庁舎三号館、近畿運輸局15階で開く。意見を述べたい人は、申込書と公述内容を書いた公述書各3部を、東京都千代田区霞が関二の一の三、運輸省運輸審議会へ郵送で申し込む。今月26日必着。公述時間は1人15分、公述人は30人で、賛否半数ずつを審議会が8月上旬に選ぶ。
 傍聴希望者も今月26日までに、往復はがきに住所、氏名、年齢を記入し、運輸審議会へ。1人1枚。定員は200人で希望者多数の場合は抽選。各私鉄の値上げ申請書類などは、今月12日から9月7日まで、近畿運輸局で閲覧できる。公述人申込者全員の公述書なども8月1日から9月7日まで同所で閲覧できる。(朝日新聞)
■府内民営バス値上げへ 5社も申請 平均4.5−6%
 京阪バスなど民営バス5社が12日、近畿運輪局に平均4.5%から6%の京都府内路線バス運賃値上げを申請した。平成元年以来2年ぶりの値上げで、10月1日実施を見込んでいる。
 京阪バス、京都交通、京都バス、西日本JRバス、丹後海陸交通の5社。さきに近鉄バスが平均7.7%アップの値上げを申請している。各社ともマイカー増などによる旅客減や人件費増が理由。
 京阪バスは平均4.5%アップで現行1区170円が180円に、定期運賃も同比率で上がる。主な運賃は四条大宮−京阪六地蔵間が240円(現行230円)、三条京阪−醍醐三宝院前が220円(同210円)になる。京都交通は同5.1%の値上げ。最低運賃は130円が140円に。亀岡駅前−湯の花が400円(同380円)となる。
 京都バスは同5%アップで最低運賃130円が140円に。定期運賃も同率だが、通学定期については現行15`までを10`までと10`以上15`までに分け、新たな割引率を設定した。京都駅−大原は520円(同480円)になるが、通学定期(1ヵ月)は1万5840円が1万6080円の1.5%アップにとどまる。
 また、西日本JRバスは同6%、最低運貨が120円から130円に。福王寺−山城中川が470円(同440円)に。丹後海陸交通は同4.7%で最低運賃130円が140円に。宮津駅−岩滝口駅前が270円(同250円)になる。(京都新聞 夕刊)
■八条口から910円に 大阪空港バスも申請
 大阪空港交通は12日、大阪国際空港までの空港バス運貨改定を運輸省に申請した。平均9.5%アップの2年ぶりの値上げ申請で、10月実施を希望している。京都間は最短のアパンティ前間で80円アップの910円となる。
 今回の値上げ理由について同社は、利用客の伸び悩みと経費高による収益悪化のためとしている。
 空港までの主な区間の運賃比較は、新大阪駅間350円(現行320円)、大阪駅間450円(同410円)、京都で最も高い京都都ホテル前間は980円(同900円)。前回、平成元年10月4日改定時は5.2%のアップ率だった。(京都新聞 夕刊)
■京都のバス5社、値上げ申請
 京阪バス(本社・京都市)と京都バス(同)、京都交通(本社・京都府亀岡市)、丹後海陸交通(本社・京都府野田川町)、西日本JRバス(本社・大阪市)の5社は12日、近畿運輸局京都支局に運賃値上げを申請した。1989年8月以来で、10月1日の実施を予定している。各社の主な申請の通り。
 京阪バス=1区170円を180円に。平均4.5%。
 京都バス=最低運賃130円を140円に。特殊区間1区170円を180円に。平均5%。
 京都交通=最低運賃130円を140円に。平均5.1%。
 丹後海陸交通=最低運賃130円を140円に。平均4.7%。
 西日本JRバス=最低運賃120円を130円に。平均6%。(朝日新聞 夕刊)
■大阪空港へのバス9.5%値上げ申請 大阪空港交通
 京阪神の中心部と大阪空港を直通バスで結び年間約850万人を運んでいる大阪空港交通(本社・池田市)は12日、平均9.5%の運賃値上げを運輸省に申請した。10月1日からの実施を希望している。値上げは約2年ぶり。同じ路線で直通バスを運行している阪神電鉄も、近く値上げを申請する予定。
 申請によると、新大阪駅−空港間は350円(現行320円)に、大阪駅前や難波などの大阪市中心部と空港間は450円(410円)になる。空港とその他の区間の申請運賃は、堺東700円(640円)、神戸730円(680円)、京都二条城前910円(830円)、京都駅南口980円(900円)。空港直通バスは、大阪空港交通が1日694使、阪神電鉄が同194便運行しているが、これまで同1区間は同一運賃。
 値上げの理由について大阪空港交通は、人件費や燃費などの経費がかさみ、直通バス部門の今年度の赤字は1億3000万円に上り経営は苦しい、としている。(朝日新聞 夕刊)
13日■滋賀県内の6バス会社 運賃値上げ申請
 滋賀県内のバス会社6社は12日、近畿運輸局滋賀陸運支局に乗り合いバスの運賃値上げを申請した。対キロ区間制一`当たりの値上げ率は4.0%から6.2%、特殊区間制はいずれも5.2%で、認められれば10月1日をめどに実施したいとしている。
 値上げ申請したのは、近江鉄道、京阪バス、江若交通、滋賀交通、帝産湖南交通、西日本ジェイアールバスの6社。各社とも、乗客の減少や人件費と諸物価アップなどによるコスト高などが値上げ申請の理由としている。
 申請によると、1`当たりのアップ率は、対キロ区間制のない京阪バスを除き、近江鉄道が4.9%、江若交通4.0%、滋賀交通4.8%、帝産湖南交通6.2%、西日本ジェイアールバス5.0%。5社とも最低運賃は130円から140円に引き上げる。
 特殊区間は、同区間制を採用していない帝産湖南交通と西日本ジェイアールを除き、いずれも現行の一区180円を190円に引き上げ、1区増すごとに20円加算する。また、6社とも通勤、通学定期や定期回数券などの割引率は現行どおり据え置く。(京都新聞)
■バス、地下鉄を増発 祇園祭であすから
 京都市交通局は、祇園祭の宵々々山から山鉾(やまほこ)巡行までの14−17日の間、市バスの運行経路を一部変更する一方、市バス、地下鉄を臨時増発する。
 経路変更は14−16日が午後6時以降、四条通経由を中心に計41系統について御地、五条などへう回するか、途中で折り返し運転する。17日は午前8時半−午後4時ごろの間、巡行に合わせて、四条、河原町、御地の各通を避ける。
 臨時増発は、市バスが14ー16日の午後8時ー11時、烏丸通経由のJR京都駅前(A4のりば)−烏丸仏光寺折り返しを12−16往復増発。17日は午前9時−午後1時、河原町経由の同駅前(A3のりは)−四条河原町折り返しを25往復増やす。地下鉄は15、16両日の午後7時50分以降について各7往復増発する。(朝日新聞)
■高速艇利用の日韓 共同切符を発売 JR西日本
 JR西日本は12日、博多−釜山間の高速艇を利用して関西と韓国・ソウルを一枚の切符で結ぶ新型の日韓共同切符を発売することにした。大阪−ソウル片道2万3900百円で、それぞれ別の切符を買うより約2割安い。下関経由で関釜フェリー利用の従来の切符と比べると5000円高くなるが、乗船時間が約12時間短縮される。17日からの旅行分を15日から京阪神の主なJR駅の旅行センターなどで予約できる。(朝日新聞)
■「こだま」+駅弁=新幹線グルメ 15駅で16種類 限定版売で人気
 時速220`、大阪−東京約3時間10分の東海道新幹線ひかり号のかげで、約4時間10分の各駅停車、こだま号の人気をいかに上向けるか。JR東海関連会社がこの難問に挑んだ。沿線の味覚をそろえた「新幹線グルメ」で乗車率を徐々にアップさせ、低迷する駅弁業界にも火をつけた。来春、同区間を2時間半で走る超特急スーパーひかりに備え、スタッフらは再び秘策を練りはじめた。
 新幹線グルメの火つけ役は、JR東海100%出資の子会社パッセンジャーズ・サービス(副島廣海社長)。構内営業の各種業者の管理会社で4年前、国鉄の民営化を機に発足した。
 楽しい旅をテーマにした企画の第1号が、駅弁のグレードアップ。品ぞろえの豊富な東京駅を除く新横浜から新大阪までの15駅16種(名古屋が2種)で始めた。値段はどれも1000円。駅ホームと食事時の限られた列車内販売の「限定品」が味人気を支える。初めは販売数も1日4000個程度だったが、いまは6000個に。
 ともあれ、味しらべに出かけた。午前9時52分、東京発のこだま419号に乗って話題の駅弁探し。三島駅では、本ワサビ入り「海ひこ山ひこ」、次の新富士駅では、将軍頼朝が富士のすそ野で繰り広げたという故事にちなんだ「巻狩べんとう」、静岡の「茶めし弁当」、琵琶湖地方の味をそろえた「湖北のおはなし」…。
 いま、駅売店もオリジナルに改装中だ。横浜は華やかな中国風に、竹取物語で知られる新富士駅は青竹で飾る、といった具合。たいていホームの中ほどにあるが、停車時間は3分前後、16両編成の先頭車などからは、かなり走らないと積み残されるのでご用心。
 息せき切ってたどりついた浜松駅の「喧嘩凧」(けんかだこ)駅弁は、「ああ、もう終わりました」。日本のデンマークといわれる三河安城駅では、2段重ねの洋風弁当を丁寧に出した小柄な店員が優しくにっこり、「お気をつけて」。
 結局、手に入った新幹線グルメは6つ。味のわかる人に喜ばれる京都の「精進弁当」は、わずか2分停車で買うのを断念。タコ焼きまでそろえて食い倒れ大阪がたんのうできるという「御堂筋弁当」はすでに売り切れていた。この間、こだまは8つの駅でひかり9本に追い抜かれた。同区間の運転本数は、1日にひかり176本(乗車率80%台)、こだま84本(同60%台)、平均約35万人を運ぶという。
 買った弁当はいずれも素材のおいしさを巧みに引き出していた。
 「新幹線グルメでこだまの乗車率が約4%はアップ。近く東京駅の決定版も出ます。スーパーひかりには、どんぶりもののようなものを考えています」と、パッセンジャーズ・サービス企画開発スタッフの村山良一さん(40)。
 外食産業の進出、長距離バスの増便で試練に立つ業界にとって、新幹線グルメは刺激だった。日本鉄道構内営業中央会(東京)の話では、駅弁の売上高は年間約502億円で、ここ数年は徹増傾向という。
 横浜市の鉄道作家、川口力さん(60)は「駅弁もかつての飾りたてたおいしさだけでは通用しません」と、新幹線グルメを評価。「アユやウナギ、タイ、トリなど、土地の素材をどう生かすかが今後の課題でしょう。いま一度、原点に戻って本当の味を求めて欲しい」と話している。
メモ 全国で駅弁を販売する駅は、JR関係だけで335駅。種類は計2156。価格は、むすび、おにぎりの最低100円から2000円台のますぶり重ねずし、贈答用祭ずしまで。よく使われる材料のベスト10は、ウナギ、トリ肉、牛肉、豚肉、サケ、カニ、栗めし、タイ、貝、アユ。駅弁の種類が多い駅のベスト10は、仙台、新宿、盛岡、郡山、福島、水戸、長岡、一ノ開、名古屋、大分。(日本鉄道構内営業中央会調べ)(朝日新聞)
■線路もさびて 信楽鉄道惨事から2カ月 運行再開めど立たず
 死者42人、重軽傷者500人以上を出した5月14日の信楽高原鉄道惨事から2カ月。列車の走らなくなった滋賀県甲賀郡信楽町の事故現場の線路は赤くさび、路盤には雑草が茂っている。「町民の足の確保のため、1日も早い鉄道の再開を」の願いもむなしく、運行再開の時期がいつになるのか、具体的なめどはまだ、立っていない。
 同鉄道は過去にも一度、「列車の走らない鉄道」だったことがある。1943年、同鉄道の前身、旧国鉄信楽線は第二次世界大戦中の鉄材供出のため休止、レールはいずこへともなく運び去られた。列車の運行が再開されたのは、4年後。町民が近くの山からまくら木約2万本を切り出し、労働奉仕をして、再開にこぎつけた。
 それだけに、レールに対する町民の愛着は深く、JRの赤字線廃止を乗り越えて第三セクターとして1987年夏、開業した。「犠牲者へのめい福を祈るとともに、運行再開を願って」と、全町民が1350万円の義援金を出し合ったほか、全国から計約2億4000万円の見舞金、義援金が、同鉄道に寄せられている。(朝日新聞 夕刊)
■寝台特急など大幅に遅れる 中国地方に大雨
 12日夜から13日未明にかけて中国地方に大雨が降り、JR山陽線は岩国−三原間で一時運転をストップした。このため長崎・佐世保発東京行き寝台特急「さくら」など長距離列車4本が3時間41分から1時間8分遅れで13日朝大阪駅に着いた。
 各気象台の観測では、山口県から岡山県にかけて多い所で40−60_台の降雨量を記録した。(朝日新聞 夕刊)
14日■走れニュートレイン〈14〉 スーパー雷鳥 JR西日本 北陸路パノラマ特急
 関西地方と北陸の各都市を結ぶ特急「雷鳥」は北陸線の電化から30年近く、同線の代表特急として走ってきた。
 車両は旧態依然の国鉄時代からの電車を使用し、北陸方面への温泉や観光地への行楽客には評判は良くなかった。しかし、平成元年3月からJR西日本では、今までの車両を改造し展望タイプによる「雷鳥」を走らせた。
 この電車は今までの「雷鳥」よりも停車駅を少なくし、湖西線と北陸トンネルのレール状態の良い区間では在来線最高の時速130`走行を実現した。そして大幅なスピードアップを図り、そのイメージから「スーパー雷鳥」と名付けられた。この年はJR東日本で「スーパーひたち」がデビューし、スーパー特急ブームが起こった年だった。
 「スーパー雷鳥」は富山寄りがパノラマグリーン車で、横3席のゆったり座席からスピード感あふれるパノラマが楽しめる。次の車両もグリーン車で専用ラウンジがあり、エクゼクティブなスペースになっている。すぐ隣にはカフェテリアもある。他の座席は普通指定と自由席になっており、大阪寄りの先頭部は今までの特急のスタイルのままになっている。
 「雷鳥」は大阪始発だが、「スーパー雷鳥」になってからは1往復が神戸始発になった。観光シーズンには富山からさらに直江津を経て長野まで延長運転される日もある。
 スーパー特急といっても旧型の改造車だけに乗り心地などは改善されていない。JR西日本では今年中にも北陸線に新しい「雷鳥」用の車両を投入する予定で、ざん新なリゾート志向の特急になるとの期待が大きい。(鉄道写真家・南 正時)
〈メモ〉大阪−富山間普通指定席8330円、グリーン料金3920円、自由席もあり。所要時間3時間20分。5往復。(京都新聞)
15日■来春「新大阪−東京 2時間半」 「スーパーひかり」全線試験運転開始
 時速270`で新大阪−東京を2時間半で結ぶJR東海の「スーパーひかり」の全線試運転が14日夜、JR新大阪駅出発便から始まった。来春の営業開始に向け、8ヵ月にわたりほぼ毎日1往復し、車両の耐久性や線路などの地上設備をチェックする長期耐久試験をする。
 スーパーひかりは「300系」と呼ばれ、去年4月から各種のテストを重ね、今年2月28日には米原−京都間で時速325.7`を達成。6月からは、騒音や振動をチェックしてきた。この日は、摂津市の鳥飼基地から新大阪駅に入り、午後9時29分、発車。現行のひかりより50`速いスピードで走った。(朝日新聞)
■赤字交通局に副業のすすめ 京都市調査研究委 複合ビルを建てなさい 不動産や商業施設 ホテル、旅行業も
 京都市交通局が有識者らで設置した用地高度化利用等調査研究委員会(会長・天野光三京都大教授)は15日、交通局用地の総合開発構想と付帯事業についての検討調査報告書をまとめた。報告書は、複合ビル建設による交通局用地の高度利用や、旅行業・広告業・観光情報センターなど多角的な事業展開を提言している。市交通局は報告に基づき、早ければ本年度から順次、JRにならって民営並みの事業運営に乗り出す方針だ。
 市交通局の財政は、前年度末で市バス、地下鉄あわせて51億円の単年度赤字が見込まれるなど、厳しい状況が続いている。このため、公営企業法施行令の改正(平成元年12月)や自治省通達(同年6月)で、公営企業の土地の有効活用と付帯事業の実施が認められるようになったのを機に、昨年6月、同研究委を設置、方策を探ってきた。
 報告書によると、用地高度化利用を図る対象用地として、営業所用地など11ヵ所をリストアップ。「収益性と公益性の調和」を基本方針に、11ヵ所の商業・業務・文化などの用地利用の方向を定めるとともに、共通の基本機能としてニュース、観光・スポーツ情報などを提供する市民情報ステーションの設置を例示している。
 優先的に整備する用地として、九条営業所、壬生操車場、竹田車両基地をピックアップ。京都府の勤労者総合福祉施設の建設予定地ともなっている九条営業所については「宿泊、オフィス、ワールドショーケース、国際交流ゾーン、商業施設、広場、交通局施設」の複合ビルを構想している。
 また、付帯事業としては、旅行業、広告業、観光情報センター、駅の活用(小売業、飲食店等)の実施を検討するよう指摘、今後の検討課題に外食産業、ビル管理サービス業、不動産事業の展開や、商業施設・ホテル・スポーツ施設への経営参加なども挙げている。
 市交通局は本年度に九条営業所用地の施設計画のコンペの実施を予定しているほか、竹田駅の飲食店、四条駅・京都駅の観光情報センターなどの検討に着手する方針で「意織改革を図り、民営並みの事業展開を」と意欲を燃やしている。(京都新聞 夕刊)
■側壁落下、京阪止める 名神大津 トラック事故で
 15日午前6時50分ごろ、大津市追分町の名神高速道路下り線で、滋賀県栗太郡栗東町六地蔵、栗東中村組のトラック=少年(18)運転=が中央分離帯に当たった後、道路左側の側壁に衝突した。
 側壁のコンクリート片と上部の金属製防音板(縦約70a、横約2b)8枚が落下し、並行して走っている京阪電鉄京津線の上下線をふさいだ。約3分後に走行して来た浜大津発京阪三条行き下り準急電車(2両)の運転士が障害物を見つけ、急ブレーキをかけて停止、車体を保護する先頭車両前部の排障器が一部曲がった。電車には乗客約40人がいたが、けが人はなかった。少年は胸などに軽傷。
 京阪電鉄大津運輪部によると、電車の運転士は浜大津駅の運転指令所に無線電話で連絡するとともに、電車から降りて駆けつけた同電鉄職員らと防音板やコンクリート片を排除、6分遅れで発車した。また、上りの四宮発浜大津行き普通電車(2両)も現場で約7分間停止した。
 滋賀県警高速警察隊では、少年がハンドル操作を誤ったものとみて詳しい原因を調べている。高速道路下り線は側壁の補修のため走行車線が規制され、午前11時現在、18`渋滞している。(京都新聞 夕刊)
■高速道防音壁線路上に落下 京阪電車が損傷
 15日午前6時50分ごら、滋賀県大津市追分町の各神高速道路下り線で、普通トラックが防音壁に衝突し、高さ0.7b、幅2b、厚さ0.15bの石こう製の防音壁8枚が落下。一部が高速道路と並行して走っている京阪電車京津線の線路上に落ちた。
 直後に現場を通過しようとした、浜大津発京阪三条行き京阪電車=辻川敏昭運転(33)、2両編成=が線路上の防音壁に気づき、ブレーキをかけたが、車両前部の排障器の一部が防音壁に接触し、損傷した。約30人の乗客は無事だった。
 大津署の調べによると、この電車は現場で約10分停止、対向の午前6時49分四宮発浜大津行きも約8分停止した。
 名神高速下り線の現場付近は追い越し車線のみの1車線に通行規制され、午前11時30分、約20`の渋滞。(朝日新聞 夕刊)
16日■交通局用地の高度利用 壬生、九条、竹田を優先 複合施設を整備 研究委が報告 相互ネットも提言
 京都市交通局の経営健全化を図るため、バス営業所の敷地や、地下鉄車両基地などの総合的な有効利用策を検討している「交通局用地高度化利用等調査研究委員会」(会長、天野光三・京大工学部教授)は15日、報告書をまとめた。各用地とも、収益性と公共性とを組み合わせた複合施設として整備し、相互にネットワーク化することを提言している。ことに、市内中心部にある壬生操車場と、開発地域の南部にある九条営業所、竹田車両基地は、広域拠点として優先的に整備する方針を打ち出した。
 同委員会は、1989年12月の公営企業法施行令の改正に伴い、去年6月に発足。交通局の赤字解消を目指して、市全体のまちづくり計画との整合性を考慮した11の関連施設の利用策を検討してきた。
 報告書によると、収益性と公共性の調和を基本に、都市機能や立地条件に応じて各用地ごとに、住宅、商業、宿泊、文化、娯楽、スポーツなどの機能を与える。共通機能としては、待合休懇所、券売窓口のほか、ニュースや観光、スポーツ・レジャー、救急医療などの情報を提供する市民情報ステーションを設置する。
対 象 用 地利 用 の 方 向
西賀茂営業所(北 区)公共施設(図書館、集会所、診療所など)、
郊外型居住(低層集合住宅)
五条営業所(右京区)共同住宅、厚生施設、商業サービス
醍醐営業所(伏見区)商業サービス、文化、娯楽、スポーツ
横大路営業所(伏見区)業務流通、居住
錦林営業所(左京区)文化、観光(イベントなどの情報センター)、宿泊
九条営業所(南区)文化、情報、業務、商業サービス、宿泊の複合都市核
洛西営業所(西京区)商業サービス、文化、娯楽、スポーツなど
壬生操車場(中京区)業務、情報、商業サービス、都市型居住、ホテル
竹田車両基地(伏見区)業務、情報、広域交通拠点(ヘリポートなど)、
商業拠点、宿泊、スポーツ、交通遊園地
松尾橋転回用地(右京区)商業サービス
くいな橋駅前用地(伏見区)居住サービス
 このうち、交通局本庁舎を併設する壬生操車場(中京区、5800平方b)と、敷地の広い九条営業所(南区、2万8600平方b)、竹田車両基地(伏見区、6万9000平方b)は広域型の拠点施設として優先的に高度利用を推進する。
 具体的には、事務所やホテル、ショツピンクセンター、国際交流ゾーンなどを構想。九条、竹田については容積率、高さ制限の緩和も要望している。
 また、局の直営を基本に、旅行、広告業のほか、観光情報センター、小売店、飲食店などの付帯事業を提案。立地条件から、京都、四条、竹田各駅での優先的な事業化を求めている。
 交通局は「提言の実現に積極的に取り組む」としており、九条では今年度内に設計コンペを実施し、付帯事業についても可能なものから具体化させる方針だ。(朝日新聞)
■信楽事故でシンポ
 大惨事となった滋賀県信楽町の「信楽高原鉄道」列車事故の原因と背景について、幅広い視点から意見交換しようと、20日午後1時から事故現場に近い信楽町勅旨の「陶芸の森」でシンポジウムが開かれる。
 「公共交通の現状と信楽事故を考えるシンポジウム」で、片岡昇・京大名誉教授やルポライターの鎌田慧氏らが呼びかけ人になった実行委員会主催。国労と反・非連合の全国労働組合総連合(全労連)、全国労働組合連絡協議会(全労協)が後援する。(朝日新聞)
■新幹線一時ストップ騒ぎ
 16日午前11時32分ごろ、東海道新幹線米原駅構内で信号が赤のまま変わらなくなったため下り「ひかり45号」が停車、上下線とも一時ストップしたが、間もなく上下線とも運転を再開した。(京都新聞 夕刊)
■阪神が甲子園カ−ド
 阪神電鉄は、8月8日から阪神甲子園球場で始まる第73回全国高校野球選手権大会を記念して、試合中の選手をイラストにしたブリペイドカード「ハーブカード」を8月1日から発売する。1枚1000円で1万枚発行。夏の甲子園のカードは3年前から発行し今年で4種類目。梅田、甲子園、三宮など阪神電鉄の主要駅で販売する。(朝日新聞 夕刊)
17日■社説 都市交通の本業外れぬ副業を
 赤字に悩む京都市交通局の再建策の一つとして、保有地の高度利用と付帯事業の在り方を調査研究した報告書を、地元学者らがまとめた。いわば”副業のすすめ”といった内容は、公営交通企業の新しい方策と全国的に注目されている。が実行に当たっては人材の確保や民間企業との関係など、検討すべき問題は多い。
 交通局財政の窮状はいまさら言及するまでもない。バス事業はモータリゼーンョンの進展と鉄道網の整備などによって衰退している。平成2年度の乗客数は前年度より日に1万5000人弱、3%減り、経常損失は11億1400万円(推定)と逆に5億8000万円も膨らんだ。
 地下鉄の乗客は平成元年度より1万人増と順調に増えてはいるが、建設費の高騰などによって資本費は増大。100億円の営業収入では支払い利息106億円すら賄えない状況だ。
 赤字体質改善には交通局の更なる合理化努力に期待したいが、並行して交通局が保有する経営資源を最大限活用して収入増を図り、経営基盤強化に役立てようとする考え方はうなずける。
 報告書は用地の高度化利用と付帯事業に分け経営基盤強化策を提言している。用地高度化利用は、そのほとんどがバス車庫として平面的にしか使用されていない11ヵ所を抽出し、@公営交通事業の経営基盤強化Aまちづくリヘの寄与B事業化のネットワーク、を基本方針にして用地別に活用策を方向づけている。共通する考え方は、バス利用者の利便性、快適性を高めると同時に市民生活の向上を目指しており「市民情報ステーション」といった概念を打ち出している。
 特に九条営業所、壬生操車場、竹田車両基地は優先的整備用地と位置づけているのは注目される。九条営業所は京都府の勤労者総合福祉施設として使うほか付帯宿泊施設、オフィスビル、商業施設。壬生操車揚は長期滞在型ホテルや商業施設、竹田車両基地はホテル、ショッピングセンター、交通遊園、ヘリポートなど、提言は具体的で、分かりやすい。
 付帯事業は@経営基盤強化A人材活用B京都のまちづくりの誘導C社会ニーズへの対応D競合の優位性、の見地から検討した。そして、旅行業、広告業、観光情報センター、駅構内での小売り、飲食業経営を提言している。
 報告書を受けた交通局はできるだけ早く九条営業所の施設計画、竹田駅での飲食店、四条・京都両駅での観光情報センター設置などを実施したいとしている。
 副業を始める前に確かめておきたいことがある。第一は、人材の確保策である。報告書では付帯事業は「直営方式で進めることを基本」とし、必要な人員は「原則として現行の職員定数の中で」生み出していく考えを示している。副業の採算性を高め、職員の意識改革を図るには、多少時間はかかっても自前の人材で賄おうとする気持ちは壮とするが、商売を知らず、コスト意識が乏しい交通局職員にすぐ副業がこなせるか不安だ。さらに、現行の聴員定数を守るとしているが、本業に支障を来さないという保障はあるか。市民を安全、確実に目的地に運ぶという交通局本来の目的を忘れてはならないのが第二の点だ。
 第三は地域との協調だ。もうかる仕事は何でもやるという姿勢で民業を圧迫してはならない。商売には住民の理解と支持が不可欠である。(京都新聞)
■「信楽の運行で肩代わりせず」JR西日本副社長
 死者42人と負傷者500人以上を出した滋賀県の信楽高原鉄道の運行再開問題で、JR西日本の井手正敬副社長は16日、「技術協力や人的支援はできるだけするが、JRが運行の肩代わりすることはできないし、出資もしない」と会見で話し、高原鉄道側の責任で安全確保をするのが条件だと強調した。(朝日新聞)
■JR西日本スーパーひかり 2年後に博多へ 高速新幹線も独自に開発中
 来春から東海道新幹線の新大阪−東京間を2時間半で結ぶJR東海の「スーパーひかり」について、山陽新幹線を管轄するJR西日本は16日、2年後に博多まで乗り入れさせる方針を明らかにした。JR西日本は新大阪−博多間で、スーパーひかりより速い時速350`の高速新幹線を独自に開発中。2年後には東京まで乗り入れる計画で、実現すると、93年度には現行のひかりに加え、スーパーひかりとJR西日本開発の高速新幹線の新型車両が登場、3種の車両が競りあうことになる。
 スーパーひかりは最高時速270`で、今月14日から新大阪−東京間全線で1日1往復の長期耐久試験の試運転中だ。来春から4列車で早朝と深夜の1日2往復程度の営業を始め、2年後は11列車を増便する。
 一方、JR西日本は、山陽新幹線に高速新幹線を走らせるため、現在新大阪−博多間の信号系統や線路のカーブ部分の傾きなどを調整中。2年後には技術的にスーパーひかりを乗り入れさせることが可能で、車両や乗務員の運用からも東京−博多の相互乗り入れの方が効率的と説明している。(朝日新聞)
■初の遺族会結成へ 信楽鉄道事故 23遺族で集団交渉
 42人の犠牲者を出した信楽鉄道事故で、23遺族約50人が21日、大阪市内のホテルに集まり、遺族会を結成することが17日までに決まった。集団補償交渉を行うとともに、交渉の中で事故の責任を追及していく方針。同事故で遺族会が結成されるのは初めて。
 6月16日に行われた合同慰霊祭の後、JR西日本と信楽高原鉄道が初めて行った「説明会」の内容に納得しない遺族の有志が呼び掛けた。
 呼び掛けによると「遺族は両社と個別に交渉せざるを得ない状態にあり、統一的な賠償基準も示されていない。遺族のほとんどは法的な知識や技術もなく、不安な状態に置かれたままとなっている」とした上で、遺族が団結し集団補償交渉を進めていく必要があると訴えている。
 遺族会発足の世話役で、妻(53)を亡くした、兵庫県宝塚市中山桜台、会社員吉崎俊三さん(57)は「事故の原因と本当の責任を明らかにしたい。遺族会を結成するのも(犠牲者の)供養のため」と話している。
 信楽高原鉄道とJR西日本でつくる事故ご被災者相談室の村西俊雄滋賀事務所長は「ハイタッチ・リサーチパーク関係の遺族、負傷者については同組合を窓口に集団交渉の申し出を聞いたが、他の動きを聞くのは初めてだ。遺族会が結成されれば、意向に沿って十分に話しをさせていただくつもりだ」と話している。(京都新聞 夕刊)
18日■信楽事故を考えるシンポ 20日、地元で開催
 労働組合などの呼びかけで「公共交通の現状と信楽事故を考えるシンポジウム」(同実行委員会主催)が、20日午後1時から信楽高原鉄道の列車事故が起きた滋賀県・信楽町の県立陶芸の森内、信楽ホールで開かれる。
 シンポは、犠牲者42人を出した信楽事故の教訓を生かすため、第三セクター鉄道の現状と問題点を考えようと片岡昇京大名誉教授らが呼びかけ人となり、国労、全労連、全労協など4団体の後援で開催。
 シンポでは、福岡精道清水寺勧学局長らが講演。引き続き、地元住民、JR列車乗務員、第三セクターを抱える自治体の職員ら7人のパネリストが実情などを報告、事故の背景、原因に迫る。(京都新聞)
■明らかになったJR伊勢丹の概要 京の小売り業界 改めて衝撃 大段階、空中経路も ざん新さ、他店は注目
 17日明らかになったJR京都駅の百貨店計画の概要は、改めて京都の小売業界に衝撃を与えている。全国でも例のない幅27bの大階段や地上約50bの空中径路、京都では最高層の12階建て。そのざん新さに、業界関係者には「新しいタイプの百貨店になる可能性がある」との警戒感と、「売り場は大階段の影響を受けており、どう活用するのか、お手並み拝見」といった声が交錯している。
 駅改築の事業主体となる京都駅ビル開発(井手正敬社長)と百貨店事業を推進するジェイアール西日本伊勢丹(畠山靖朗社長)が小売団体などに示した「出店計画概要説明書(案)」によると、百貨店全体はちょうど菱形を横にした形で、通常のビルとは全く趣を異にしている。
 特徴的なのは、大階段と、駅ビル東側に予定されている市民プラザと百貨店11階とを結ぶ空中径路。大階段は百貨店各階と踊り場でつながり、吹き抜けのコンコースをまたぐ空中径路も人気を呼ぶのは確実。エスカレーターもほぼ一直線に上がる形で、ユニークさを増している。また、11階まで店舗と同一フロアに駐車場を持つのも強みだ。
 しかし、ざん新さは同時に売り場を制約。上層階は大階段が売り場を複雑な形にしている。また、高層店舗になったことについても、消費者に市内最高(現在最高は8階)とアピールできる半面、他都市の駅ビル百貨店と同様に上層階への集客が課題になるとの声もある。
 百貨店の性格について、売り場構成から「典型的なファッション・デパート」との見方が多い。衣料品が最も売り場の大きい4階を中心に3−7階に展開され、ファッション関連とみられる身のまわり品、雑貨などを含めると店舗面積の40%半ばとなりそうで、普通の百貨店より数ポイン卜高いためだ。
 また、兼業面積が1万2000平方bあることが明らかになり、驚く百貨店関係者もいる。兼業面積は、飲食、展示揚などの非物品販売部分で、計画では主に11、12階が充てられている。同百貨店が目指す広域集客と「京都を世界に発信する」(説明書から)機能、つまり京都の文化、伝統を紹介するスペースになるとみられる。
 説明書では平安建都1200年事業として国際都市・京都の玄関口にふさわしく、また、阪神との地域間競争に対抗できる商業施設の必要性を強調する。小売業界との出店調整は、これから本格化する。(京都新聞)
■信楽鉄道事故 遺族会結成へ 21日に初会合
 42人の死者を出した滋賀県の信楽高原鉄道事故で、23遺族約50人が21日、大阪市北区のホテルに集まり遺族会を結成する。集団で補償交渉に臨むとともに、事故責任を追及していく方針。
 犠牲者42人の遺族は39家族いるが、6月の合同慰霊祭直後に遺族の有志が呼びかけたところ、これまでに23家族が賛同した。
 妻(53)を亡くし呼びかけ人の一人になった宝塚市の会社員吉崎俊三さん(57)は「ほとんどの遺族はばらばらで不安な状態におかれており、このままでは相手側の言いなりになってしまう。JRの列車に乗っていたのだから、JRがもっときちんと対応すべきなのに、責任逃れをしているとしか思えない」と話している。(朝日新聞)
■落雷でダイヤ乱れる JR姫新線
 17日午後4時40分ごろ、JR姫新緑の播磨徳久、三日月両駅間の信号が赤のまま変わらなくなっているのをJR姫路鉄道部が発見。播磨徳久駅構内の信号制御室が落雷で故障しているのがわかった。
 このため、同線の各駅で列車が立ち往生、運休したり、最高3時間余りの遅れを出した。信号は午後8時過ぎに復旧した。(朝日新聞)
19日■踏切の非常用ボタン倍増へ
 踏切に非常通報用の押しボタンがなく、300人以上の負傷者を出す惨事となった6月25日のJR福知山線踏切事故を教訓に、JR西日本は18日、今後3年間に管内の踏切の非常押しボタンを倍増する方針を決めた。
 JR西日本によると、現在約6600ヵ所ある踏切のうち、障害物検知装置や非常押しボタンが設けてあるのは33%だけ。これを77億円かけて93年度までに62%にする。95年度までには82%にアップし、自動車が通らない踏切や見通しがよい踏切を除き、実質100%にするという。(朝日新聞)
■頭痛い?大型夏休み 私鉄各社 乗客減 くい止め躍起 子ども目当てスタンプ作戦 乗り放題割安切符も
 この夏、企業の夏休みは過去最長に−。大型化で都会脱出組の大幅増も予想されている。こんな現象に頭を痛めているのが都市間を走る私鉄各社。何とか乗客の目減りをくい止めようと、関西では子どもをターゲットに駅のスタンプに知恵をしぼったり、家族向けの乗り放題割安切符を売り出したり、どこの社とも懸命だ。
 労働省の調査によると、今年の企業の夏休みは平均連続休暇7.5日で過去最長で、1週間以上の企業が57%を占める。また、日本交通公社のまとめでは、今夏1泊以上の旅行に出かける人は去年の5.3%増で、7500万人を超える見通しだ。
 この間、大阪都心部では通勤、通学客などが減り、私鉄各社の乗客は2−3割減、JR環状線でも約3割は減る見込み。
 阪急電鉄は京阪神の主な25駅にスタンプを置き、全部押して集めると全員に記念品のコップを贈る。このスタンプラリー用に22日から大人1700円、小人850円で、8月1−7日の7日間、全線乗り放題の乗車券を発売。クロスワードパズルを兼ねたスタンプ帳2万4000冊を各駅で配布する。同社の話では、ラリーに参加しなくても7日間乗り放題の割安切符が魅力で買う大人も結構多いとか。
 京阪電鉄も、負けじとスタンプラリーを企画。「大阪ドキドキ探検隊」の名でスタンプ帳5万部を20日から各駅で配布、抽選でトランシーバーが当たる。関係する遊園地などの施設料金の割引クーポンもスタンプ帳に付けた。
 一方、近鉄。子供向けに、首にひもでかける扇形のユニークなデザインの切符を作り、計6500枚を20日まで発売中。21日から8月10日までの間、連続3日間に限って全線どこでも乗れることにした。料金は大人3600円、小人1800円。また子供連れの大人を狙って大人と子供の組み合わせで割引する「親子割引切符」も売り出し中だ。(朝日新聞)
■作業車脱線 33本遅れる JR茨木駅
 19日午前3時7分ごろ、茨木市駅前一丁日のJR東海道線茨木駅構内で、保線作業車(3両編成)の2両目が脱線して傾いた。約1時間後に保線作業車をジャッキで元に戻して撤去、復旧は午前6時近くまでかかった。
 この事故で東京発大阪行き寝台急行「銀河」が2時間6分遅れたのを最高に、下りの特急、急行、貨物列車や、朝のラッシュ時の新快速、快速など計33本が遅れ、約1万2000人の足が乱れた。
 JR西日本によると、原因は線路のポイントが切り替わっていなかったためで、茨木駅の信号係が操作を誤ったのと、保線作業車の運転手も確認を怠ったらしい。保線作業車には、下請会社員ら9人が乗り込み、茨木−吹田駅間の線路わきに砕石を下ろしての帰りだった。(朝日新聞 夕刊)
20日■JR西日本 新快速など長浜直通 9月直流化上下51本
 JR西日本は19日、北陸線の米原−長浜間直流化(9月14日)に伴うダイヤの概要を発表した。米原止まりの新快速・快速電車のうち平日で上下合わせて51本が長浜まで延長されるほか、米原−近江塩津−近江今津の直通ダイヤも新登場する。
 新快速などの長浜への延長は、琵琶湖線現行ダイヤの3分の1強に当たり、朝夕だけでも上下計14本。長浜−京都間(朝)の所要時間は74分(最速ダイヤ)、京都−長浜間(夕)は64分(同)となり、長浜近辺が京都、大阪方面への通勤・通学圏入りする。
 特に長浜−米原間は、1時間に2本の朝夕ダイヤが3本になるほか、日中も増発され”不便な北陸線”のイメージを返上する。
 近江塩津駅に北陸線−湖西線を結ぶ渡り線設置で、長浜−近江今津間に直通電車が1日2往復(所要時間1時間前後)走り、琵琶湖環状線化へのステップとして注目される。ほかに河毛駅の停車増(現行、上下12本が46本に)や、虎姫駅の快速停車、気動車のオール電車化と増結(冷房)なども予定されている。
 JR北陸線は交流で、琵琶湖線(直流)の電車が乗り入れできず、乗り換えなどで不便だった。長浜を中心にした湖北や湖西の市町で直流化・琵琶湖環状線化を当局に強く働きかけてきた。(京都新聞)
■梅小路公園計画促進など 京都市 国へ事業予算化要望
 京都市は19日、平成4年度の国の予算編成に向けた要望事項をまとめた。平安建都1200年記念事業の一環として、用地を買収、整備する梅小路公園=京都市下京区区観喜寺町ほか=計画の促進など新規事業5項目を含む56項目の事業の予算化を求めている。
 21日から今月末まで、田辺朋之市長を先頭に高田守弘、佐勝達三両助役、関係局長らが、大蔵省をはじめとした国の関係省庁、地元選出国会議員を訪れ、要望活動を行う。
 主な要望事項を見ると、梅小路公園計画は「都市の緑の創造」「歴史の継承と未来への飛躍」をテーマに、国鉄清算事業団用地10fを買収したうえで公園整備を目指しており、用地の低価での払い下げと、買収、整備に際しての国庫補助を要請している。また、京阪神都市圏を高速道路網で結ぶ京都高速道路、京阪連絡道路の整備促進、コンベンションシティ・京都のアクセス機能充実を目的とした地下鉄烏丸線の北山から国立京都国際会館=左京区宝池=への延伸も予算要望に盛り込んだ。
 このほか、健康都市構想の一翼を担う老人福祉施策の充実、関西和風迎賓館の建設、産業廃棄物適正処理の促進などの予算化も要望事項にあげている。(京都新聞)
■JR京都駅改築計画 京都弁護士会 市に申し入れ
 JR京都駅の改築計画をめぐって京都弁護士会(姫野敬輔会長)は19日、「現行の高さ規制をクリアするために、特例的に都市計画を変更したり、市長の特例許可で規制緩和する方法を取らないこと」などを求める申し入れ書を京都市に提出した。
 京都駅周辺の現行高さ規制は31bだが、設計コンペで最優秀に決まった設計案は高さ59.8b。設計案通りの場合、高さ規制をどんな方法でクリアするかが問題となっている。
 申し入れ書によると、設計案を可能にするためには@高度地区に関する都市計画のうち、駅ビルの高度制限のみをスポット的に変更する都市計画の変更を行うA都市計画は変更せず、「公益上やむを得ない場合、市長は高さ規制によらないことができる」とした市長の特例として許可する−などが考えられるとしている。
 @の手法は「市全体の総合的見地から決定されるべき都市計画を、駅ビルの予定地のみ内容変更し、高度規制を緩和するのは問題」と指摘。さらにAの手法についても「商業施設が大部分を占める駅ビルでは、公益上やむを得ないと言えず、住民参加の手続きも保障されていない」と批判、@、Aいずれの手続きとも取らないよう求めている。また、仮に都市計画の変更手続きを取る場合は、情報を広く市民に公開し、市民的合意の得られる範囲で行うよう要請している。(京都新聞)
21日■走れニュートレイン〈15〉 ワイドビューひだ JR東海 車窓から景観楽しむ
 名古屋から岐阜を経て高山線に入る特急列車は電化されていないこともあってか、昭和30年代に製造された旧型の気動車特急が使用されていた。沿線には下呂温泉、高山などの有名観光地が多く、平成元年にJR東海が高山線に観光用のキハ85系気動車特急「ワイドビューひだ」を投入。今までの古い特急のイメージを一新した。
 車体は軽量ステンレス製で、冷たい金属の質感を柔らげるために前面は白で統一され、車体にはJR東海のシンボルカラーのオレンジ色のストライプが明るいイメージを表している。
 この列車の特徴は前後部のデザインが違っていることだ。片方は流線形のワイドな窓、もう一方はスタンタードな3枚窓のスタイルで、展望はワイドな窓がいい。しかし、どちらに付いてくるかは車両の運用によって異なるから、乗ってみなければ分からない。
 ワイドビューの名の通り、座席は高床式のハイデッカーなので、座席から飛騨川の渓谷、中山七里の四季の景観や、山あいの素朴なたたずまいを見ることができる。
 車両の性能はぐんとアップし、英国製の強力エンジンを搭載して所要時間を短縮した。
 高山線は、風光明美な沿線として知られている。特に下呂温泉は名古屋をはじめ、新幹線接続により関東、関西方面からの客も多い。線路のすぐ近くの露天ぶろはふろから鉄橋を行く列車が見られると話題になったが、反対に列車からふろをのぞかれているわけでもある。「ワイドビューひだ」では、こういった車窓の景色が楽しめることだろう。(鉄道写真家・南正時)
 〈メモ〉名古屋−高山間、普通指定席5750円。同区間に8往復、約2時間15分。飛騨古川、富山間の列車もある。(京都新聞)
■信楽鉄道事故でシンポ
 死者42人、重軽傷者500人以上の大惨事となった滋賀県信楽町の信楽高原鉄道列車衝突事故をテーマに、「公共交通の現状と信楽事故を考えるシンポジウム」(同シンポジウム実行委員会主催)が20日、信楽町の同県立陶芸の森陶芸ホールで開かれた。
 約700人が参加。労組、地元など七人のパネリストがそれぞれの立場から、信楽事故について発言した。
 樫村潔・国労東日本本部委員長は、1977年からの合理化で、10年間に国鉄職員が約43万人から21万5000人に半減しているとの数字を示し、「安全要員不足による事故が、民営化以降頻発している。JRの利益第一主義、安全軽視も事故につながっている」と、JRの姿勢を強く批判した。
 会場のJR西日本の運転士からも「信楽高原鉄道への乗り入れに対するJRの教育は、期間、内容とも不十分だった」との意見が出た。(朝日新聞)
■大阪府警警官がスリ 5月末にJR車内で 逮捕公表せず
 現職刑事課長が酔って女性に暴言を浴びせるなど不祥事続きの大阪府審で、今度は帰宅途中の南署員が、JR車内でOLのバッグから財布をすり取り、現行犯逮捕されて論旨免職になっていたことが20日明らかになった。
 南署刑事課鑑識係主任の永阪幸弘巡査部長(35)。
 府響監察室の調べによろと、永阪巡査部長は5月27日午後6時40分ごろ、大阪市北区内のJR環状線外回り大阪−天満間の車内で、京都府綴喜郡田辺町の会社員A子さん(22)のショルターバッグから財布(現金2300円、キャッシュカードなど在中)を盗んだ疑い。
 同巡査部長は、犯行に気付き問い詰めるA子さんに「降りて話をしよう」と答えたが、電車が京橋駅に着いた途端、改札口を抜けて逃走。A子さんの叫び声を聞いた府警本部の響察官が追跡、同駅近くの路上で窃盗の現行犯で逮捕した。調べに対し「バッグの口が半開きになっていたため、つい魔がさした」と話している。
 同府警は、翌28日付で永阪巡査部長を論旨免職とし、6月6日大阪地検に書類送検した。
 監察室はこれまで発表しなかった理由について「警察官として弁解の余地はないが、偶発的な事件でもあり、本人の再出発への影響を考えた」としている。(京都新聞)
22日■信楽事故 JRに不満噴出 遺族会が結成総会 「誠意ない」責任追及
 犠牲者42人を出す大惨事となった信楽高原鉄道事故で、うち21人の遺族34人が21日午後、大阪市北区のホテルに集まり遺族会の結成総会を開いた。同事故で遺族会が結成されたのは初めて。
 総会では兵庫県宝塚市中山桜台、会社顧問吉崎俊三さん(57)ら世話役5人を選出、弁護団を結成して信楽高原鉄道などに対する集団補償交渉を始めることを決めた。遁族からJR西日本への強い不満の声が相次ぎ、遺族会としてJRの責任も追及していく方針。
 総会では、まず各遺族が自己紹介し、事故や亡くした肉親への思いを語った。この中でJR西日本について6月、JRと信楽高原鉄道が初めて行った「説明会」に社長が欠席したこと、葬儀に弔電がなかったなど、誠意がないと訴える声が上がり「JRの責任を追及すべきだ」との意見が相次いだ。
 総会後の記者会見で世話役の1人で、母てい子さん(61)を失った京都市伏見区桃山町、公務員木村滋さん(35)は「被災者相談窓口の案内はあったが、(具体的に)どこと話せばいいのかはっきりしなかった。遺族会ができて心強くなった」と語った。
 遺族会は、9月8日に予定されている次回総会までに、5人から10人の弁護士に呼び掛けて弁護団を結成する。(京都新聞)
■強雨で湖西線乱れる
 21日午後、滋賀県南部を中心に一時的な強い雨が降り、JR湖西線は近江舞子−京都間で新快速上下各1本が運休、10本が最高24分遅れて、瑳琶湖遊泳帰りの行楽客ら4000人が影響を受けた。ダイヤが乱れたのは午後3時40分すぎ、堅田駅で1時間に41_の雨量を記録、叡山−蓬莱駅闇で約1時間、30`の徐行運転をしたため。(京都新聞)
■乗車マナー悪い大人 小学生、素直に描く JR京都駅で絵画展
 子供たちの目を通して、乗車マナーの向上を呼びかける「ちびッ子乗車マナー絵画展」が、20日から京都市下京区のJR京都駅烏丸中央コンコースで始まっっている。
 さわやかなマナーキャンペーンを展開しているJR西日本が「小学生に、駅や車内でマナーについて感じていることを素直に絵画に表現してもらおう」と企画した。
 どの作品も、子供たちから見た乗客のマナーの悪さを素直に表現。コンコースを通る乗客らも、子供たちの力作に思わず足を止めて見入っていた。26日まで。(京都新聞)
■阪急73本遅れ 9万人に影響 神戸線、信号故障
 22日午前7時10分ごろ、西宮市高松町の阪急神戸線西宮北口駅で、梅田発三宮行き普通電車(8両編成)が、出発を示す信号が点灯しなくなったため、発車できなくなった。係員がポイントを点検中、信号機が正常に作動、同電車は5分遅れで出発した。このため、午前10時半までに後続の電車など73本が5−18分遅れ、通勤客ら約9万人に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
23日■信楽鉄道 運行再開へ財政支援を 町村会が県に要望
 滋賀県町村会(会長・宇野勝野洲町長)は22日、琵琶湖ホテルで県との行政懇談会を開き、「信楽高原鉄道列車事故に対する支援について」の緊急要望書を稲葉稔知事に手渡した。
 県内43町村で構成する県町村会では、5月末の総会で鉄道列車事故が起きた信楽町に対して支援、協力することで意見が一致。すでに500万円の見舞金を信楽町に贈ったが、国、県の支援がなければ、事故処理や鉄道の運行再開は出来ないとして、県に運行再開と財政支援を要望することにした。
 この要望書は、県議会の伊夫貴直彰議長と西村政之信楽高原鉄道事故対策特別委員長にも要望することにしており、現在、国への要望についても検討している。(京都新聞)
■大原・三千院←→比叡山・横川中堂 ロープウエー建設計画 京阪が住民に説明会 平成6年操業予定 「環境に配慮」と
 洛北・大原と比叡山を結ぶ京阪電気鉄道会社(本社・大阪市、宮下稔社長)のロープウエー建設計画が22日までに、地元への説明会で明らかになった。地元・大原地域への説明によると、ロープウエーは、京都市左京区大原来迎院町の三千院付近から大津市坂本本町の比叡山・横川中堂駐車場付近までの約2.8`。高低差は340bあり、両地点に駅を設置、この間に支柱を建て、ゴンドラ(165人乗り)2台を途中で交差させながら運転する。約7分間で結び、1時間当たりの輸送力は990人で、年間125万人の利用客を見込んでいる。同社は「できれば平安建都1200年の平成6年に操業したい」考え。
 比叡山一帯は、風致地区で、京都市域はさらに歴史的風土保存地域、大津市域は琵琶湖国定公園の特別地域に指定されている。山頂付近には、「三千坊」と呼ばれる多数の堂塔があり、自然環境を守るため、同社は、騒音や排気ガスなどの公害や道路建設のような自然破壊も最小限に防げる最良の交通手段であるロープウエー方式を選んだという。
 大原地域は、年間100万人の観光客が訪れ、また、比叡山は、参拝客やスキー客など180万人でにぎわう。しかし両地域のアクセスは、奥比叡ドライブウェイ、府道下鴨大津線(通称・山中越え)、国道367号があるだけで時間がかかり、この解消と、鴨東線の開通後の洛北一帯の活性化を狙ってロープウエーの計画が持ち上がった。
 地元・大原地区では、自治会や観光保勝会が相次いで役員会や総会を開き、京阪からの説明を受けながら対応を検討している。先月中旬には役員が、今月18日には総会で説明を受けたという山本英和・大原観光保勝会長(57)は「観光客の動きがどうなるかが焦点。みんな生活がかかっているだけに、こうした状況をしっかり見極めてひとつの方向を見いだしたい」と、会員へのアンケートも準備し始めた。
・地元の声 聞き結論
 土井溝一郎・大原自治会長の話 ロープウエーは、大原のアクセスが増すのでいいと思うが、景観の問題や地元への影響が大きいので地元全体の意見を聞いてから結論を出したい。
・自然環境 守るなら
 小堀光詮・三千院門主の話 ロープウエーは地元の活性にもつながると思われるので悪くはないが、大原の人々の迷惑にならないで、自然と環境を保護しながらのものであってほしい。
・大原住民 賛成なら
 小森秀恵・比叡山延暦寺副執行管理部長の話 具体的な話は聞いていないが、この計画は、大原地域の賛同がないことには進まない。もし、大原が賛成するのであれば、延層寺としては67人の全住職に図るつもりで、話はそれからだ。(京都新聞)
■大原−比叡山間 ロープウエー計画 京阪電鉄 景観論議は必至
 京阪電気鉄道(本社・大阪市)は23日、京都市の大原地区と比叡山(大津市)を結ぶロープウエーの建設計画を明らかにした。比叡山一帯は風致地区で、京都地域は歴史的風土保存地域、大津市側は琵琶湖国定公園の特別地域に指定されており、景観論議を呼ぶのは必至とみられる。
 計画では、大原・三千院と比叡山・横川中堂付近に駅を設け、直線距離2.8`、標高差340bを、7−8分で結ぶ。165人乗りの大型ゴンドラ2台を途中で交差させながら運転し、年間の利用者約120万人を見込んでいる。
 現在、大原地区で地元説明会を進めている。了承が得られれは、平安建都1200年にあたる1994年(平成6年)に開業予定。(朝日新聞 夕刊)
■泉北高速鉄道値上げを申請 10.5% 9月から
 泉北ニュータウンと大阪中心部を、南海電鉄との直通乗り入れで結ぶ泉北高速鉄道を運行する「大阪府都市開発会社」(本社・大阪市)は23日、平均10.5%の運賃値上げを運輸省に申請した。9月5日からの実施を希望している。同鉄道の運賃値上げは5年7ヵ月ぶり。南海電鉄も11月から値上げをすでに申請しており、実施されると難波と泉北ニュータウン間は2ヵ月挟んで2段階の値上げになる。
 主な区間の申請運賃は、泉ケ丘−中百舌鳥180円(現行160円)▽光明池−中百舌鳥220円(同200円)。南海との乗り継ぎ割引(両社10円ずつ)を今回全駅に拡大した。
 この結果、南海が申請通り値上げすると、泉ケ丘−難波間は、現行400円が9月410円、11月450円と2段階値上げに。(朝日新聞 夕刊)
24日■市に公聴会要望 駅ビル反対4団体
 JR京都駅ビル改築計画問題で23日、「のっぼビル反対市民連合」(西山夘三代表)など4つの住民団体が、公聴会開催などを市に要望した。
 申し入れ書では@建築物に合わせた都市計画の見直しは本末転倒なので見直し作業を中止することA都市計画について広く市民の意見を聞くために公聴会を開くことB住民の意見を反映させるため、住民投票を実施すること−などを求めている。(朝日新聞)
25日■地下鉄車内でもポケベル 来月1日、谷間地線で実験 日本で初
 ポケットベルや携帯電話を地下でも使えるようにするため、近畿電気通信監理局は8月1日、大阪市交通局の協力で地下鉄谷町線に特別電車を走らせ、車内と地上の通信実験をする。地下鉄車内と地上を結ぶこのような実験は、全国で初めてという。
 ポケベルや携帯電話は現在、地下では特別の設備のあるビル以外は電波が届かず、使えない。去年6月、近畿電気通信監理局を中心に「地下街等における電波利用研究会」(座長・林敏彦大阪大教授)が発足した。
 今回の実験はこの研究の一環で、これまでに大阪・キタの地下街の給排気塔に、電波を拾うアンテナを設置。この電波を中継器を通じて地下に導く送受信用の「漏えい同軸ケーブル」(直径4a)を、梅田地下街や谷町線東梅田駅のプラットホーム、周辺のトンネル内に計630bにわたり張り巡らせた。
 実験は谷町四丁目駅(大阪市中央区)と大日検査場(守口市)の間約10`を、2往復して実施する。車内に携帯電話や無線機、FM、AMラジオなどを持ち込んで、実際に通話したり、放送の受信状態を調べる。
 榊原盛吉・近畿電気通信監理局長は「理論的にはクリアできると考えている。今回の実験で得たデータを分析し、年内に地下での通信システムの可能性についてまとめたい」と話している。(朝日新聞 夕刊)
26日■お盆、新幹線はぼ満席 JR西日本 ピークは11日と15日
 JR西日本は25日、お盆期間中(8月8日−18日)の指定席前売り状況をまとめた。サラリーマン全体に休暇がとりやすくなったことから花博でにぎわつた前年を上回る売れ行き。お盆移動のピークは、帰省11日、Uターンラッシュ15日ごろと予想。
 関西地区からの脱出では10日から14日までの岡山、広島方面、15日から17日までの東京方面へのひかり、こだまがほぼ満席。
 在来線は、九州方面への「あかつき」など6本の夜行列車が8日から13日まで満席状態。青森行きの「白鳥」「日本海1、3号」などは期間中完売。山陰方面へは、京都発の「あさしお」「エクスプローラー」ともに座席の余裕がおる。Uターンでは橋立発「エーデル丹後」などは満席だが「あさしお」には15−18日の期間通してまだ空席も。(京都新聞)
■リフト付き路線バス普及願い 市民に募金呼びかけ 走らせる会
 車いすの障害者でも一人で自由に乗り降りできるリフト付き路線バスの日本での普及を目指す「パーフェクトバスを走らせる会」(本部・京都市・長橋栄一代表)のメンバーが25日、京都市上京区の北野天満宮前で街頭募金を行った。
 同会は、京都の車いすの障害者を中心に全国の120の個人・団体で、最近注目され出したリフト付き路線バスの普及運動を進めている。同会の活動が活発化するのに合わせるように、京阪神はじめ、東京、横浜の公営バスで、今秋、2台から11台のリフト付き路線バスが試験導入されることになっている。
 同会では、それでも全国に数十万台走る路線バスのうち、リフト付きバスは5大都市合わせて30台にも満たないとし、「1日も早い普及を願って」普及率が50%近い米国のバスを独自に購入、日本全図に普及行脚しよう、と昨年末から市内5ヵ所で街頭キャンペーンを始めた。
 この日は、天神さんの縁日に合わせ、車いすの5人を含め会員ら7人が街頭に立ち、理解と協力を訴えた。炎天下、2時間余り、声を振り絞った会員らは「障害のあるボクらのためにお金を集めているのやないのです。高齢者や妊産婦、病人や小さな子供でも、だれもが乗りやすいバスにしてゆくために、バスを日本全国津々浦々にまで持って行きたいのです」(宮川泰三さん)などと話していた。
 この日までに集まった募金は約50万円。バス購入には4、5000万円必要で、毎月21日の東寺・弘法さんと25日の天神さんの縁日の街頭募金以外に各企業に寄金を訴えてゆくことにしている。連絡は075(464)5519日本自立生活センターヘ。(京都新聞)
■この人 東北新幹線の女性車掌「ソワニエ」を務める 小野寺幸恵さん
 東京駅乗り入れに合わせ東北新幹線の2階建てグリーン車にデビューした女性車掌「ソワニエ」。初々しい若草色の制服に身を包み盛岡−東京間の乗務に追われている。
 ソワニエはフランス語で「世話をする」「丁寧に扱う」という意味。検札のほか乗客の出迎え、車内放送、ドリンクサービスと”スチュワーデス”の役目をこなす。
 「車内検札のマニュアルでは、寝ているお客さまもすべて起こすようになっています。でも、なるべく気分を悪くされないように、1車両全部終わってから、また戻ってお願いするようにしています」と優しい気遣いを見せる。
 生まれも育ちも仙台市。この春、地元の短大を卒業したばかりの20歳。身長は165aとすらりとした体付きで、中学、高校時代はテニス部に所属、現在もプールで泳ぐ活動派だ。
 「家庭科の先生にあこがれたみともあった」が、新聞でJR東日本の募集を知り「やりがいがありそう」と飛び付いた。15倍の難関をくぐり抜け、1期生17人の一人に。仙台車掌区に所属する。
 「お客さまから頑張ってと声を掛けられると、元気も出てきまず」と笑顔を交え、生き生きと話す。
 しかし列車ダイヤの都合で週に2回程度は東京か盛岡に宿泊する。「想像以上に大変な仕事。乗務を終えると疲れも出ます」と苦労を漏らす。
 休みは平日になりがちで、学生時代の友人となかなか会えないのが残念という。「混雑する車両で、同世代の女の子たちを見つけると、遊びに行けていいな、と思うこともあります」と本音もちらり。
 とはいえ「車内でのわずかな出会いでも、学ぶことはいろいろあります」と真顔で言う辺りに、プロとしての自覚も芽生え始めている。
 仙台市青葉区の自宅で両親、祖父母、弟2人との7人暮らし。(京都新聞)
■空、陸とも「熱い夏」に お盆期間中の予約状況
 お盆の空と陸の足は、早くも満席状態−JR西日本と航空各社は25日、お盆期間中(8月8−18日)の予約状況をまとめた。列車、飛行機とも予約は昨年より4−5%伸びており、高速道路も相変わらずの長い渋滞が続くと見られ、帰省ラッシュの「熱い夏」は今年もまた、繰り返されそうだ。
 東海道・山陽新幹線は10−14日の岡山、広島方面行きと15−18日の東京行き「ひかり」がすでにはぼ満席。
 一方、空の方では、大阪空港の予約は8月8日から18日までの11日間で、国内線は合計66万8000人余り。昨年同期より4%増えた。
 高速道路の方は日本道路公団大阪管理局によると、週末と重なる9−11日の前半のピークには、中国自動車道の下り吉川ジャンクションや名神高速道路天王山トンネル付近で50`前後の渋滞。後半は夕方から夜にかけて大きな混雑が見込まれそうという。(朝日新聞)
■モノレール2期着工
 大阪府北部の各都市を結ぶ大阪モノレールの2期工事(南茨木−門真間8.1`)の起工式が25日、茨木市横江の沢良宜公園であり、中川和雄・大阪府知事らがくわ入れ式をした。(朝日新聞)
27日■京都駅新駅ビルホテル 計画槻要 16階建て、客室670 会議・宴会施設を充実 国際級、群抜く規模
 ジェイアール西日本ホテル開発が京都駅新駅ビルに予定しているホテルの計画概要が、26日明らかになった。地上16階建てで、京でも群を抜く規模の宴会・コンベンション施設を備える。客室は670で、ツインベースで35−45平万bの広さを持つなど国際的ホテルとしての特徴が目立つ。
 平成6年秋完成をめざす駅ビル改築の一環として計画。5月の設計コンペで建築家・原広司氏のデザインに決定したのを受け同ホテル開発と京都駅ビル開発が具体化を進めていた。
 ホテルは原氏のデザイン通りビル東側のコの字型部分を占め、交流、宿泊、料飲、リラックス各施設を柱にしている。計画によると延べ面積は7万6500平方b。客室は8階から最上階まで。ツイン・ダブル550室、シングル92室、スイート17室など計670室は新都ホテルに次ぐ数だが、シングル20−30平方bなど「各室ともこれまでの京都のホテルに比べひと回り大きい」としている。
 会議・宴会施設は4−6階に配し、計4170平方bと京都最大のグランドホテル(2800平方b)を大きく上回り、最大の4階ホールだけでも2000人が収容可能な1760平方b。通訳ブースも付設、国際会議に照準を当てている。
 このほか料飲施設(2710平方b)が5階から10階まで。京のホテルで初めての衣料品などの高級専門店を中心とした商業施設(2900平方b)を2階から5階に設ける。
 両社ではホテル、旅館関係団体に概要をすでに説明、先に商業施設概要もまとまったこともあり、秋からは地元自治会などへの説明も本格化させる。(京都新聞)
■北陸新幹線の早期建設確認 中部9県会頭会議
 広域的な視点で中部圏の抱える問題を考える「中部九県商工会議所会頭会議」が26日、富山市内のホテルで開かれた。昨年まで富山、石川、福井、愛知、岐阜、三重の6県だった「東海北陸商工会議所会頭会議」に長野、静岡、滋賀の商工会議所が加わって、ことし初めて開かれた。
 会議では、東海北陸自動車道、北陸新幹線、第二東名・名神自動車道などについて、建設の必要性を確認した。さらに、1998年に長野県で開かれる冬季オリンピックに中部9県商工会議所が一体となって協力することを盛り込んだ特別決議なども採決した。
 来賓としてあいさつに立った牧野徹建設事務次官は「独自に頑張るよりは、中核となる大都市を中心とする広域圏が一体となって、東京一極集中の是正を考えてほしい」と述べた。(京都新聞)
■花博で人気の「義経号」 交通博物館に再び勇姿
 昨年、大阪で開かれた花の万博で話題を集めたSL義経号がこのほど交通科学博物館(大阪市港区・弁天町駅構内)に登場、子供たちの人気者になっている。
 義経号は、明治13年北海道小樽−札幌間開通にあわせ「弁慶号」とともにアメリカから輸入されたわが国最初の蒸気機関車。花博後、しばらく石川県小松市で記念行事に参加し大役を終えてきた。
 ここ交通科学博物館は、JR西日本が運営する施設で、館内には義経号のほか新幹線車両、リニアモーターカーなどの鉄道実物車両のほか、自動車、飛行機、船の実物や模型を展示。特に、ハンドル操作で、模型列車の運転が体験できるシステムも人気の施設。
 夏の期間中は、義経号資料展やホールで映画会を開催しているほか8月21日から25日まで「のりもの科学教室」も開く。問い合わせは 06(375 )8979。有料。
■西日本鉄産労・JR西労組 組織統一、協議 JRの労組、再編へ動く
 JR西日本の労組の一つで、国労旧主流派(社会党右派系)の西日本鉄道産業労組(西日本鉄産労、6500人)の第6回定期大会が、26日から2日間の日程で、奈良市内で始まった。出井勝彰委員長は、JR西日本の最大労組で労使協調派の西日本旅客鉄道労組(JR西労組、2万9000人)からの組織統一の呼びかけに応じることを正式に提起した。27日に承認される見通しだ。これによって、90年の国鉄の分割・民営化後、全国のJRで初めての「労組再編」が動き出すことになった。
 出井委員長はあいさつで、「多数派形成をめざし、JR労働者の大同団結へ向けて前進を図る運動の先頭に立つ」と述べ、統一の意思を表明した。この日は統一の条件として@対等・平等A経営参加路線が基本D政泊路線は反自民が原則−などが提案された。質擬などは27日行われる。
 両労組の代表で近く統一条件を話し合う協議会を発足させる方針で、早けれは年内にも、統一大会が開催される見通しとなった。
 今回の統一のきっかけは、旧鉄労系が主流派のJR西労組が、今月初めの大会でJR総連(13万5000人)から脱退したことだった。会社側との対決姿勢を強める旧勤労系が主導権を握るJR総連に対し、西日本鉄産労など鉄産総達(2万2000人)の反発は根強い。JR西労組が旧動労系の影響力を排除したことで、西日本鉄産労が歩み寄りやすい条件が整っていた。
 旧勤労系を排除する動きは、JR東海労組(1万5000人)でも表面化している。鉄産総連は反JR総連派との組織統一の全国展開を打ち出しており、今回のJR西日本での再編の動きは全国に波及する可能性が強い。(朝日新聞)
■声 電車の座席で思う 小野市 伊藤 智恵子(年金生活者 66歳)
 お年寄りと電車の座席について書かれた22日付本紙の天声人語でいろいろ考えさせられた。
 私も老人の仲間だし、病人だからなるべくラッシュアワーをさけて電車に乗るが都合でそうもいってはおられない。早朝からもう若い男女は居眠りか、読書である。目の前に老人が立っていてはさぞかし寝心地も悪いし、本の中身も頭へ入るまいと思う。でも彼らの一日の仕事を考えると一方的にせめられないと思っていた。
 だが、少数意見の「老人にも体の不自由な人にも譲らない。自分は2時間かかって働きに行くのだ。体調のために座るのだ…」には何か寒いものを感じた。
 老人や体の不自由な人がラッシュアワーに乗り合わすのが悪いといっても、どうしてもその時間に行かねばならぬこともある。それを身勝手というのなら、2時間かかって職場へ行くのだから座って当たり前、と言うのも身勝手だと思う。
 もう少し大きな心を持てないものだろうか。若い人たちもやがて老いるし、事故で明日にでも体が不自由になるかも知れないのだ。(朝日新聞)
■特急のドア閉まらず 大阪駅、発車遅れる
 27日午前8時5分ごろ、JR大阪駅で、大阪発浜坂行き特急エーデル北近畿1号(6両編成)の6両目のドアが閉まらないのを乗務員が見つけ、係員が手動で操作し15分遅れで発車した。乗客約200人に混乱はなかった。(京都新聞 夕刊)
28日■JR西労組と統一目指す 西日本鉄産労が大会で決定 信越線の経営分離で合意 長野県とJR東日本
 奈良市で開かれている西日本鉄道産業労働組合(6500人)の定期大会は27日、西日本旅客鉄道労働組合(29500人)との組織統一を目指し、同労組と協議に入ることを正式決定。
 大会では「われわれを差別してきた管理者・旧鉄労系と一緒になるなど考えられない」という現場・レベルの反対意見も出された。しかし「過去の経緯から生じる感情は抑え、労働条件改善のため多数派を目指そう」との賛成論が多数を占めた。
 北陸新幹線軽井沢−長野間の建設に伴う並行在来線(信越線)の経営分離問題で、長野県とJR東日本は27日までに@第三セクターでの経営区間は軽井沢−篠ノ井間とするA第三セクターの列車は長野まで乗り入れる−との方針を固めた。29日に吉村長野県和事と住田JR東日本社長が会談、正式に合意する予定。
 並行在来線問題が解決したことで、8月の運輸省の工事認可後にようやく着工できる見通しとなった。分離する区間をめぐり長野県とJR東日本の意見が対立。
 長野県は輸送密度が高い篠ノ井−長野間を含む、軽井沢一「長野間の第三セクター化を主張したが、JR東日本は篠ノ計長野間の経営分離を拒んでいた。(京都新聞)
■オーストラリアの大陸横断鉄道赤信号 飛行機値引き合戦で乗客激減
 【シドニー27日共同】シベリア鉄道などと並び世界のファンを魅了してきたオーストラリアのインディアン・パシフィック鉄道が、航空会社の相次ぐ料金の値下げ競争に押され存続の危機に立たされている。
 同鉄道は太平洋側のシドニーとインド洋側のパース間の全長4348`を65時間かけて走る大陸横断列車。風景の雄大さとともに設備の豪華さが人気を呼んでいた。
 ところが、この鉄道人気に冷水を浴びせたのが同国航空3社の値引き合戦。今年1月までシドニー−パース間の往復料金は約1000オーストラリアj(1オーストラリアjは約106円)だったが、7月には3分の1に近い370オーストラリアjの格安航空券が出回り始めた。
 エコノミーで440オーストラリアjもする鉄道は太刀打ちできず、最近は1列車の乗客が数十人という日もある惨状。近くさらに列車の本数を減らす予定という。(京都新聞)
■遮断機くぐり3人即死 福岡の西鉄駅 高校生、帰途急ぎ
 27日午後零時半すぎ、福岡県小郡市三沢の西鉄大牟田線踏切で同県立小郡高校(太田進校長、1380人)の男子生徒3人が大牟田発福岡行き上り特急電車(6両編成)にはねられ、全身を強く打って即死した。
 小郡署の調べでは、死亡したのはいずれも同校2年の同県久留米市六ツ門町、野田誠治君(17)も、同市小森野町、竜野雅則君(16)、同市青峰、稲吉成夫君(16)の3人。
 踏切は同線三沢駅の北側に隣接しており、警報機、遮断機付き。野田君らは駅のホームに入った下り普通電車に乗り遅れまいと、下りていた遮断機を手で持ち上げて踏切内に入り、反対方向から駅を通過してきた特急電車に気付かずはねられたらしい。
 小郡高校では夏休みに入ってから全校生徒を対象に補習授業を実施していた。この日も正午まで授業があり、野田君らは4人でタクシーに乗って約1.5`離れた三沢駅に向かった。踏切まで来たところ遮断機が下りていたため、タクシーを降りて踏切を渡ろうとした。
 同校によると、付近の人から「小郡高校の生徒が遮断機をくぐって踏切を渡っており危険だ」と度々指摘されていたため、学校側も朝礼で生徒たちに注意をしたり、登下校時には踏切付近に教員を立たせるなどして指導していたが、夏休み期間中の補習授業は正規の授業でないため、指導の教員はいなかったという。
 野田君らは同校1年の時のクラスメートだった。(京都新聞)
■特急、女性はねる 近鉄東寺近く、即死
 27日午後6時50分ごろ、京都市南区西九条東柳ノ内町の近鉄京都線東寺−十条間で、京都発橿原神宮前行き特急に女性がはねられ、全身打撲で即死した。
 九条署の調べでは、女性は65−75歳で身長148a。ワンピースにエプロン姿で、身元確認を急いでいる。
 現場は札ノ辻通と交差する東寺第一号踏切の南50b付近で、運転士によると、女性が線路内に入ってきたという。
 同特急が十条駅で約6分間停車したほか、後続2本が3−6分間遅れた。(京都新聞)
■ワゴン車が特急と衝突 茨城、乗客らけが
 27日午後9時33分ごろ、茨城県東茨城郡美野里町羽鳥のJR常磐線羽鳥−岩間間の篭目踏切(警報機、遮断機付き)で上野発高萩行き下り特急ひたち127号(7両編成)とワゴン車が衝突した。
 ワゴン車に乗っていた男性1人と女性1人が全身を強く打って重傷。特急の乗客2人が割れた窓ガラスの破片で軽いけがをした。
 石岡署の調べによると、踏切の遮断機が折れており、ワゴン車が無理に踏切を渡ろうとしたとみられる。2人の身元など調べを急いでいる。(京都新聞)
■ガソリン列車が急行と衝突炎上 独、乗客ら24人死傷
 【ベルリン27日共同】ドイツのザクセン・アンハルト州で27日未明、ガソリンを満載した貨物列車と急行列車が正面衝突、貨物列車5両が爆発、炎上し、双方の列車の運転士ら少なくとも3人が死亡、乗客21人が負傷した。
 現場は州都マグデブルク市の北西約50`のエービスフェルデ駅付近。(京都新聞)
■走れニュートレイン〈16〉 ゆふいんの森 JR九州 欧州の香り乗せて
 人気のある温泉の湯布院町と別府などへのリゾート列車として、平成元年3月から走り出したディーゼル特急が「ゆふいんの森」である。博多−由布院−別府間を久大本線を経由して観光シーズン、週末を中心に運転される季節列車だ。
 4両編成の列車はヨーロッパ・レトロ・スタイルとでも呼びたくなる、第三帝国時代のドイツの列車をほうふつさせる大胆な流線形。九州の鉄道は創設時ドイツの技術をくんでいるといわれ、「ゆふいんの森」は生まれるべくして生まれたヨーロッパの香りを乗せた列車である。
 運行に当たってはファッショナブルトレインとして、沿線の高原リゾートへの乗客を対象としている。そのコンセプトは大当たりし、現在では湯布院へ向かうヤングなどにも多く利用されている。
 屋根の高さは約4b。車内は車窓風景第一に考えたハイデッカー座席で、広範図に風景を楽しめる。車内インテリアは木の感覚を取り入れて落ち着いたムードだが、特徴あるドーム形の流線形の外観は、大きい窓とあいまってダイナミックな印象を強く受ける。
 そのほか、荷物収納をコインロッカー方式にするなどユニークな試みも目につき、中間車にあるカフェテラスもオーダーデリバリー方式にするなどヤングの鉄道の利用を考えたサービスになっている。
 由布院駅は、特急「ゆふいんの森」の運行に当たり、美術館もあるモダンな駅舎に建て替えられ、新しい観光名所として脚光を浴びている。(鉄道写真家・南 正時)
 〈メモ〉博多−由布院間2時間18分。季節列車のため、時刻表で運転日時を確認する。全車指定席制で、博多−由布院間は特急指定席込みで4310円。湯布院観光切符7500円、湯布院別府観光切符8800円が「レジャー施設への割引も付いて得。(京都新聞)
29日■死者は上京の女性 近鉄特急事故
 27日夕、京都市南区の近鉄京都線東寺−十条間で特急電車にはねられて死亡した人は、その後の九条署の調べで、上京区内の無職の女性(79)と分かった。(京都新聞)
■長浜イメージアップ 京阪神から直通電車 9月14日乗り入れ 観光客増える 駅前開発だ 「受け皿ない」懸念の声も
 JR北陸線米原−長浜間の直流化で、湖北・長浜に京阪神からの直通電車が9月14日から乗り入れる。米原駅での乗り換えで時間がかかるなど「長浜は遠い」とのイメージを一掃し、観光客が増え、都市整備を促進する起爆剤になるといわれている半面、土地高騰を招くなどの不安の声もある。10年越しの運動で実現した”夢の電車”が、地元のさまざまな期待と不安を乗せて走り出すのは、もうすぐだ。
・京都まで約1時間
 「暗く閉鎖的な長浜のイメージが、琵琶湖線と同じ直流化によって変わる」と松宮資男市長が力説する。京阪神からの直通電車乗り入れは、市にとって大きなインパクトを与える。現在、琵琶湖線の直流専用電車は米原止まり。長浜へは、米原で交流式の北陸線に乗り換えなければならず「本数も少なくて、通勤や買い物には不便」という声が強い。実際に大津、京都方面への湖北地域の通勤客は、マイカーなどで米原に出て電車に乗るケースが増え、逆に長浜駅では昭和35年ごろ 190万人だった利用客が、駐車場不足なども加わり、平成元年には94万人と半減。長浜は「遠い」とのイメージがますます強まった。
 イメージアップには、京阪神からの電車が直接乗り入れできる直流化を−と官民一体で強力な誘致運動を展開。その実現によって、特急と急行を除いて、現行上下44本の電車が72本に増加。うち51本が長浜発の新快速、快速電車で、「京都へは1時間余り、大阪へも約90分」となり、これをPRする。
・大手百貨店を誘致
 市では直流化に備えて、駅裏の旧国鉄貨物跡地(駅西側7700平方b)に291台分の駐車場を8月末までに完成。料金もライバルの米原駅と対抗できるよう1台につき4000円に設定したことなどで、長浜駅の定期利用者が約20万人、観光客などの増加も見込んで年間50万人は増えそうと期待する。また、駅前と周辺12fを10年で整備する計画。15階建てのマンションを建設し、4階部分までに大手百貨店の誘致。さらに、駐車場も立体化(3階建て、800台)するなど民間活力を導入した再開発を進めていく方針だ。
 こうした直流万能論が強調される中で、地元業者などから「地価の高騰に拍車がかかる」「理想が先走りし、受け皿が整っていない」「一般消費者が都会へ向かう」など不安の声も。不動産業者によると「すでに京阪神から土地を買い求める動きが活発化している」といい、駅前のスーパー平和堂でも「京都に目が向けば死活問題。特に衣料品が心配」と消費者動向を気にする。さらに、ホテルオーナーの一人は「市内での宿泊は1800人が限度。今でさえ満杯なのに、観光客の増加に対応しきれない」と、その受け皿整備の必要性を強調する。
・都市化脱皮なるか
 市では乗り入れから10日間の日程で記念イベントを開催、広く長浜を売り込む事前PRを始めたが、こうした不安材料をどう克服していくのか。待ち望んでいた直流電車の乗り入れ実現が市の強調する、「都市化への脱皮」の”快速”となるかどうか。今後の動きが注目される。(京都新聞)
■時時刻刻 旧動労系への対応 経営側に微妙な差 東日本 友好/西日本・東海 対立姿勢
 今回、JR西日本とJR東海で表面化したJRグループ最大の労働組合「JR総連」内の分裂、内紛の背景には、国鉄の改革を推進してきた労使グループ内の「きしみ」と「亀裂」が指摘される。
 経営側では、かつて「国鉄改革三人組」と呼ばれたJR東日本の松田昌士、JR西日本の井手正敬、JR東海の葛西敬之の各副社長の経営姿勢や労務対策をめぐる違いが、年を追うごとに目立ってきた。労務対策で、改革をともに推進してきたJR総連との関係を重視する姿勢は共通しているものの、JR総連の核となっている旧・勤労系への対応では、徹妙な違いを見せる。
 松田副社長は、民営化当時の勤労委員長だった松崎明・JR東労組委員長との「友好関係」を軸に労使の安定を図ろうとしており、松田副社長、松崎委員長とも「分裂騒ぎは東労組に飛び火する余地はない」といい切る。毎月1回、労使トップが経営協議会で話し合い、昨年10月には会社と東労組が「国際鉄道安全会議」を共催して、結束力をアピールする友好ぶりだった。
 こうした蜜月(みつげつ)ぶりには、他社の経営陣や対立組合から「東労組は経営側にすり寄っている」「会社の人事が東労組に左右されている」といった批判も。しかし、松崎委員長は「西日本や東海の経営陣が我々を過激派扱いしていることは耳にしている。会社側は、モノを言う人間を不穏分子と決めつけて追い出しを図っている」「松崎−勤労−革マルという攻撃は、政治的に仕組まれたものだ。私は革マルではない」と突っばねる。
 これに対し、井手、葛西両副社長は「経営権に踏み込むような要求には応じられない」と、このところ旧・動労系との関係に距離を置き始めており、旧・動労系は両副社長への対立姿勢を強めている。
 一方、JR総連内では、もともと「水と油」と言われた旧・動労と旧・鉄労の対立が、総連の提起したスト権論議をきっかけに一気に表面化した格好だ。「スト権を論議するのは当然で実行するかどうかは別問題」とする旧・動労系。「論議すること自体が労使協調路線に反する」と拒絶反応を示す旧・鉄労系と姿勢の差が際立つ。
 全体では総連内の少数派で、役員配分などで不満を募らせていた旧・鉄労系は、多数派を占める西日本で旧・動労系との決別に潜み切り、その動きが東海に「飛び火」したといえる。こうした動きは他社にも波及し、JRの労使関係に大きな影響を与えそうだ。
 〈注〉旧国鉄内の労組のうち、最大勢力だった国労は、分割・民営化に反対。当局などの集中攻撃で脱退者が相次いだほか、旧主流派の社会党右派系が分裂して鉄産総連(2万2000人)を結成した結果、3万3000人の少数派に転落した。
 一方、かつて当局と激しく対立していた旧・動労は、雇用確保最優先の立場から分割・民営化支持、労使協調路線に方針転換。旧・鉄労などとJR総連を結成、組合員13万5000人の最大勢力となった。(数字はいずれも1990年1月現在、JR各社調べ)
 上部団体との関係では、JR総連と鉄産総連が日本労働組合総連合会(連合)に加盟。国労は「無所属」となっている。(朝日新聞)
■時々刻々 JR西日本 主流派労組の分裂 労使協調めぐり対立 旧動労系・スト自粛から転換 旧鉄労系・「時期尚早」と反発
 国鉄の分割・民営化から5年目。今夏の就職戦線でもぐんと学生に人気の花形企業に成長したJR西日本やJR東海で、最近、労働組合の内紛、分裂騒ぎが相次いで表面化している。民営化を支えた労使協調路線のあり方をめぐる対立が、その発端だ。経営が軌道に乗り、株式上場も目前のJRで、いま、何が起きているのか。
・対決 「組合内部の問題に介入する、JR西日本経営側の体質にメスを入れる」
 こう切り出したJR総連の柴田光治書記長(旧国鉄・動労出身)は今月15日、JR西日本労組(JR西労、4600人)の大会で、会社側を強く非難した。大会では9月末に改定される労働協約をめぐって、会社側の姿勢によっては、スト権確立も辞さない方針が打ち出された。
 JR西労の組合員のほとんどが旧・動労の出身だ。今年5月、JR西日本の最大労組である西日本旅客鉄道労組(JR西労組、2万9000人)を割って出た組合員らが新たに発足させた。旧勤労系が主導権を握るJR総連に結集する立場をとる。一方、旧・鉄労系のJR西労組は今月5日の大会でJR総連からの脱退を正式に決めている。両者はともに「自分たちこそ、本家」と一歩も譲らない。
・再編 この分裂のきっかけは、JR総連が昨年6月の大会で、各単組にスト権確立やスト指令権の委譲に開した論議を求めたことから。「ストは当たり前の労働運動」とする旧・動労系に対し、旧・鉄労系は「株式上場前に、時期尚早」と反発。角田達郎JR西日本社長も「かつての国労、動労のスケジュール闘争をほうふつさせる」と強い警戒心を抱く。
 JR西労組は、やはり労使協調を重視する旧・国労主流派の西日本鉄道産業労組(西日本鉄産労、6500人)に組織統一を呼びかけた。西日本鉄産労も27日の定期大会で同調することを決め、両労組は年内にも統一し、会社側と結ぶ労働協約が全社員に及ぶ組織率75%を目指している。一方、JR西労は少数派に転落したが、山陽新幹線など運転職場の多くを押さえている。実際にスト権が確立されれば、影響力を持つと見られる。
・予想 かつて総評に属し、国鉄当局と徹底的に争った「鬼の動労」が、スト自粛を盛り込んだ労使共同宣言の締結に転じたのは、1986年。翌年のJRの発足後は旧同盟の鉄労などとともに、JR各社の労組で主流派の地位を占めてきた。
 しかし、やはり総評に属し、民営化反対を貫いた国労は「いつかこうなると予想していた。旧・動労の中には過激派が残り、会社側は株式上場前に一掃したいのだろう」と冷ややか。旧・国労主流派の鉄産総連(西日本鉄産労の上部団体)は反JR総連派との組織統一を全国展開するチャンスとしてうかがっている。
 日本労働組合総連合会(連合)の山岸章会長は、「分裂した労組が連合に加盟を求めてきても、分裂を助長するし、規約上も認められない。一つのサヤにおさまってほしい」と訴えている。
・東海に飛び火
 「JR西日本の分裂劇」が、「東」に飛び火した。
 今月6日、東海旅客鉄道労組(JR東海労組、1万5000人)の佐藤政雄委員長ら旧・動労系の400人余りが、独自の集会を開いた。「民営化の花を咲かせ、実をならせた動労の組合員が、いま邪魔扱いにされている」と、佐藤委員長がこぶしを振り上げ、組合内組織「JR東海労組を考える会」を結成した。
 旧・動労系の反発の背景には、民営化に最後まで反対した国労組合員を、会社が採用したことに対する不満がある。9、10両日予定されていた定期大会は「円滑な運営が難しい」と延期される事態に発展した。
 これに対抗し、9日には旧・鉄労系ら労使協調派が集会を開催。「協調の精神を踏みにじる分派行動」と、佐藤委員長の責任を追及する臨時大会を求める決議を採択し、旧・動労−旧・鉄労の対決は、泥沼化が決定的となった。(朝日新聞)
30日■総合検証を再開 来月末にも中間結果 信楽列車事故
 信楽高原鉄道の列車衝突事故を調べている滋賀県警捜査本部(水口署)は30日から、信楽駅や貴生川駅、小野谷信号所などで総合検証を始めた。信号システムの作動状況などの中間鑑定結果は、この検鉦を踏まえ、早ければ8月末にも出される見通し。
 総合検証は、午前9時から科学警察研究所や県警捜査一課などの捜査員50人が出て、電流を流しながら電圧や信号機の作動、路線のポイント状況などを入念にチェックしている.期間は3日間。全線にわたって50人以上の規模で検証を行うのは先月中旬以来で、今回で3度目。(京都新聞 夕刊)
■目が覚めれば甲子園 JR西日本が運転 寝台列車をホテルがわり 翌朝、甲子園口まで直行
 JR西日本は、8月8日に開幕する「第73回全国高校野球選手権大会」に合わせ、開会式前日の8月7日から準決勝の20日まで(10日、20日夜は運休)、大阪駅でホテルがわりに1泊してから甲子園口まで走る寝台電車「ナインドリーム甲子園」を初めて運転する。ターゲットの中心は高校生で、料金も大人3500円で手ごろと売り込んでいる。
 「ナインドリーム甲子園」は7両編成で、寝台数は160席。1両は女性専用車両にしている。大阪駅で前日の午後10時から11時59分までに「チェックイン」。そのまま駅の列車内でひと晩泊まって、翌午前6時半に出発、15分で甲子園口に肯く。8時半までに下車すればよく「寝台列車でくつろいで、翌朝そのまま甲子園口へ」がキャッチフレーズだ。
 同じようなプランは、瀬戸大橋博覧会(岡山県)などにあわせた運行の実績があるが、高校野球にあわせて運転されるのは初めて。
 午前8時半や9時から始まる第1試合の応援は、近畿地区でも前日から泊まり込まないと間に合わないところが多い。「高校生のグループを送り出すのは不安な親も多いだろうが、この寝台電車なら乗車時間が決まっていて夜遊びの心配もないし、車掌も付き添うので安心」という。
 寝台はすべて3段式の最も安価なタイプ。「若い人がシャワーもないところに泊まるだろうか」という議論も出たが、「人気の高校野球で、冷房がきいているし、受けるはず」と運行に踏み切ったという。
 切符は8月1日から19日まで、JR西日本のみどりの窓口、または旅行センターで発売する。(朝日新聞 夕刊)
■県警と科警研合同で再検証 信楽列車事故
 死者42人を出した滋賀県甲賀郡信楽町の信楽高原鉄道の事故を調べている同県警捜査本部は、30日朝から3日間の予定で、警察庁科学警察研究所と合同で、同鉄道全線の再検証に入った。
 捜査本部では、これまで、信号システムやポイントの作動状況について、関係者からの事情聴取を続けてきた。その結果がほぼまとまり、これまでの捜査を再確認するための検証という。(朝日新聞)
31日■16件の文書公開請求 駅ビル反対市民連合
 JR京都駅ビルの高層化に反対して訴訟を起こしている「のっぼビル反対市民連合」の5人が30日、府が出資している京都駅ビル開発会社の取締役会議事録などの公開を府に請求した。府側は即答を避けた。
 請求人に名を連ねたのは西山卯三・京大名誉教授ら5人。「市民の目の届かないところで、JR京都駅改築計画がどのように進められたか、はっきりさせる必要がある」として16件の文書の公開を求めた。府情報公開条例は原則15日以内の回答を義務付けている。(朝日新聞)
■シンガポール−バンコク 「オリエント急行」のアジア版来年発車へ
 【シンガポール31日=伊沢紘樹】シンガポールとバンコクを結んでマレー半島を縦断するアジア版の”オリエント急行”が来年後半に登場することになった。東南アジア諸国連合(ASEAN)が旅行客誘致のため来年実施する「ASEAN観光年」キャンペーンの目玉となる。
 シンガポールからバンコクまでは既存の鉄道を利用してクアラルンプールなどを経由した旅を今でも楽しむことは出来る。しかし直行便がないため、2回は乗り継がねはならない。ロンドンに本社を置き、ヨーロッパの国際列車運行に実績を持つレジャー会社とマレーシア、タイの有力企業によって設立されたイースタン・アンド・オリエンタル・エキスプレス社が30日発表したところによると、アジア版”オリエント急行”はシンガポール・バンコク間1940`を41時間で直結する。
 客室ごとにトイレ、シャワーがついた豪華客車はニユージーランド国鉄で使われていたものを改装、車内は仏人デザイナーによって1920−30年代の復古調ムードで統一するという。片道料金は最も安い普通車で食事込み860j(約12万円)の予定。(朝日新聞 夕刊)