1991(平成3)年1月


3日■在来線で夢の250` JR総研が構想 車体はあくまで航空機に近く 今世紀中の実現目指す(京都)
  ■京都駅→新空港 直行1時間半 駅で搭乗手続き 30分ごとに特急 改築機にJR構想(京都)
  ■在来線でも250`実現へ 新型ハイスピードトレイン JR総研 開発着手 車輪減らし抵抗抑え(朝日)
  ■スピードアップ競う新幹線(朝日)
4日■国際会館とJR京都駅直結へ 京の地下鉄さらに北へ 新年度免許5年度着工めざす(京都)
5日■バス待ちのイライラ改称へ 京都市交通局 運行総合システム仕上げに 停留所に位置表示 新年度完成へ事業進む(京都)
  ■強風、東海道線止める 小田原・50本遅れる(京都)
  ■鉄橋の線路40b間湾曲 京成電鉄 船が接触、不通に(京都)
  ■快速にはねられ死亡 近鉄奈良線の踏切(京都)
  ■ニュートラムに車いす席 市民にやさしい交通機関 大阪南港−都心間 今秋から営業運転(朝日)
7日■新年会帰り男性即死 線路に転落、そこに電車 近鉄今里駅(朝日)
  ■新幹線も終日混乱(朝日)
  ■JR奈良線 近鉄に負けへんで 次々とテコ入れ策 初の快速や増便計画(朝日)
8日■駅高層化に賛否ほぼ同数 活性化へイベントが必要 古い街並みステキだが… 京の印象、100人に聞く 京都駅八条口近鉄名店街(京都)
  ■JR栗東駅は 3月16日開業 ガラス張り橋上駅に(京都)
  ■北近畿タンゴ鉄道「エクスプローラー」もう1編成、来春発車 季節増便と団体に対応 防災無線も配備へ(京都)
  ■俗称「東山通」残る 観光客混乱 東大路通なのに… 市バス停など 交通局「統一いいが、経費が…」(京都)
  ■年末年始 JRと空、利用最高 新幹線10%の高い伸び(京都)
  ■JR西日本は前年並みに(京都)
  ■設計者ら3人からは回答 JR京都駅改築公開質問状 「住民意見には理解」(京都)
  ■踏切で衝突50人が負傷 JR日高線(京都)
  ■車内で言い争い 50万円盗まれる JR片町線(京都)
  ■積雪で新幹線3日続き徐行(京都)
  ■けんか仲裁、50万円持ち去る JR徳庵駅 ホームで中年の男性(朝日)
  ■新幹線の遅れ続く(朝日)
9日■長浜盆梅へ直通列車(京都)
  ■京都駅高層化 観光客は反対 住民6割賛成 現状・将来… 機関紙に報告(京都)
  ■列車が脱線 45人重軽傷北海道 踏切で衝突事故(朝日)
  ■雪で新幹線徐行運転(京都)
  ■英で列車事故 乗客 249人死傷 邦人4人も軽傷(朝日)
  ■凍結で道路通行止め 近畿地方冷え込む 新幹線遅れ4日連続(朝日)
10日■市バスと衝突、転倒 二輪の会社員死亡 北大路(京都)
  ■トレーラーと名鉄急行衝突 岡崎、乗客8人けが(京都)
  ■名鉄電車脱線 乗客8人げが 岡崎で踏切事故(朝日)
  ■経済気象台 「鉄道復権」は本物か(朝日)
11日■クレジットカード事業 JR西日本が進出 駅ビル店など割引(京都)
  ■イライラもうかなわんわ 銀行がまず導入 JRも試行好評(朝日)
  ■新幹線で男の人? はねられて死ぬ(朝日)
12日■老人はねられ死亡 近鉄祝園の踏切で(京都)
  ■アーチ・直線型の4案 近鉄京都線東寺−鴨川間高架デザイン 京都市が報告書(京都)
14日■こんなデザインいかがで 市議会建設委て紹介 近鉄京都高架化 今秋までに決定(朝日)
  ■姫路市などに売却が決まる 旧国鉄用地(朝日)
  ■夕刊ひろば(京都)
  ■新幹線、雪で遅れ(朝日)
15日■死者は長岡京の男性 新幹線事故の身元判明(京都)
16日■雪で全列車 230本遅れる 東海道新幹線(京都)
  ■ヨーロッパの鉄道 乗り歩き楽しむ 仏のTGV最高!(京都)
  ■遮断機の棒 電車を直撃 乗客の高絞生けが(朝日)
  ■新幹線また遅れる 雪のため(朝日)
17日■JR西日本 時速350`新幹線開発へ 5年度導入を目標(京都)
  ■青鉛筆(朝日)
18日■強風で列車ストップ JR山陰線余部鉄橋(京都)
  ■踏切で電車とトラック衝突 大阪・JR関西線(京都)
19日■老女、特急にはねられ死ぬ 京阪踏切で転倒?(京都)
  ■福祉の街へ一歩 リフト付きバス 秋にも京で発車 まず2台、国内初 乗り降りとも前からが有力(京都)
  ■私鉄スト、4月8日ごろ 春闘 連合、ヤマ場分割方針(朝日)
  ■「新空港」頼んまっせ! 天王寺駅に大型商業ビル JR西日本・南海 6月にも着手(朝日)
  ■青鉛筆(朝日)
20日■電車にはねられ軽傷 精華・路地から線路横断(京都)
22日■北近畿観光きっぷ JRなど25日発売(京都)
  ■踏切内でJRと接触 中京、軽ライトバン破損(京都)
  ■踏切ではねられ死亡(京都)
26日■3月16日から ダイヤを改正 北近畿タンゴ鉄道(京都)
  ■総2階建ての新幹線 新車両デザイン決定 東北・上越(朝日)
27日■1編成すべて総2階建てに 通勤客対策で初導入 6月から 東北・上越新幹線に JR東日本(京都)
28日■電車が停車駅パス JR東海道線東淀川(京都)
  ■ガタゴト電車がいく 神岡鉄道 岐阜・富山県 鉱石運ぶ役割 住民が守る奥飛騨慕情線(京都)
29日■京都市交通事業懇談会 経営健全化へ大胆提言 市バスの系統再編・不採算路線の廃止・短距離運賃の低減・と東西線の建設促進 消費税の転嫁も(京都)
  ■開業日は6月20日内定 東北・上越新幹線 東京−上野間 JR東日本 4月から訓練運転(京都)
  ■509意円で払下げ 旧国鉄大宮操車場跡地 埼玉県が活用(京都)
  ■高島屋・大丸の両京都店 大規模な増築計画 現在の2倍(高島屋)−1.5倍(大丸)に 6年度までに完成めざす(京都)
  ■乗用車に特急と準急衝突 大和高田 けが人なし(朝日)
  ■男性飛び込み自殺 近鉄京都線向島駅(京都)
30日■新幹線回数券 731万円分が盗難 JR三ノ宮駅 シャッターすき間から侵入(朝日)
  ■身の回りの表示 実は高齢者に見えにくい 黄は白に、青は黒に埋没 70歳代の「目」のフィルターで追跡調査(朝日)
  ■新幹線回数券 730万円分盗難 金券ショップに出回る(京都)
31日■3月から博多ー釜山間に超高速船 JR初の国際航路(京都)
  ■大阪湾にリニア環状線 ベイエリア開発協 21世紀に向け構想(京都)
  ■普通、停車駅を通過 JR東海道摂津富田駅(京都)
  ■大阪−東京を約1時間 21世紀へ走り始めるリニア・中央新幹線(広告)(朝日)



3日■在来線で夢の250` JR総研が構想 車体はあくまで航空機に近く 今世紀中の実現目指す
 新幹線に比べ立ち遅れている在来線列車の高速化を研究している鉄道総合技術研究所(JR総研)は2日、今世紀末に新幹線並みの時速250`の高速運転を実現するための次世代在来線列車の基本設計をまとめた。
 JR総研はこの基本設計が、JR各社が当面の目標としている在来線の時速160`運転、新幹線の350`運転に生かされる、としている。
 未来の高速列専は従来の車両に比べ車体の高さが70a低い 2.9bの低重心構造。
 1両の長さは約12bで12両編成、乗客定員は全体で約280人。アルミ、強化プラスチックを多用し徹底した軽量化を図り、乗客が定員いっぱい乗っても重さを1両11d程度に抑える。
 風切り音などの騒音を減らすため、先頭部や窓などの凹凸をなくし、航空機のような外観になっている。
 台車は軽量化と乗り心地を良くするため車両と車両の間に1軸だけの連接台車を設ける。カーブやレールのゆがみなどのデータを記憶したコンピュータ−が、車体を傾かせる装置や台車のバネなどをコントロール、カーブでも高速で走れ揺れも少ない。
 JR総研によると、線路を改良した区間ならこの列車で時速 250`の高速運転が可能としており、平成9年度の実現を目標にしている。(京都新聞)
■京都駅→新空港 直行1時間半 駅で搭乗手続き 30分ごとに特急 改築機にJR構想
 JR西日本は、建都1200年(1994年)を記念して計画しているJR京都駅ビルに、関西新空港の利用者のためのCAT(シティーエアターミナル)を設置する準備を進めている。運輸省、航空会社なども前向きに検討を始めており、実現すると京都駅は空の玄関口の機能を持つ国際ターミナルになる。
 JR西日本のCAT計画は、泉南沖で建設工事の進む関西新空港の鉄道アクセスを同社が担当することになっていることから浮上した。このアクセスは阪和線の和歌山駅と東岸和田駅の中ほどにある日根野駅から新空港のターミナルまで新線を建設。環状線−西九条−梅田貨物線を経由して新大阪から京都駅山陰線ホームまでを特急タイプの”関西ライナー”で結ぶというもの。
 京都駅から新空港まで乗り換えなし。直行便でおよそ1時間半で行けるのがミソ。同社は飛行機便の発着ピッチに合わせ、30分間隔でライナーを運行するという。
 CATは、搭乗手続きから出入国手続き、税関業務などが1ヵ所で済ませられるのが普通だが、ライナーには見送りや出迎えの人たちが乗車するほか、新空港に勤務する人たちの通勤の足となることから、京都駅でのCATは搭乗券の発券と手荷物の扱いなどの搭乗手続きと航空ダイヤの案内情報の提供に校り込んでスタートさせる。荷物はCATで安全チェックされた後、コンテナで密封された状懸で搭乗機まで運ばれる。
 現在、京都駅ビルについては設計コンペの最中だが、地下1階部分に500−600平方メートルのCATスペースを設ける条件を提示している。同社は運輸省や搭乗業務を実際行う航空会社と設置に関して話し合っているが、駅が完成する平成6年秋を開業めどとしており、1日500人から600人がCATを利用すると見込んでいる。(京都新聞)
■在来線でも250`実現へ 新型ハイスピードトレイン JR総研 開発着手 車輪減らし抵抗抑え
 在来線のスピードアップをはかろうと、財団法人、鉄道総合技術研究所(JR総研)は新幹線なみの時速約200`を超える速度を出すことのできる「新型ハイスピードトレイン」の開発に乗りだした。車両は一回り小型とし、車輪は車両と車両の間に1組あるだけの「連接方式」を採用。振動を吸収する方式も最新の技術を使い「限りなく乗用車に近づく」乗り心地を目指すという。線路や信号の整備など総合運行システムと合わせ、7年後に完成させ、JR各社に売り込む予定だ。
 在来線は、もともと新幹線に比べ、レールの幅が狭く、カーブの半径が短いなど高速走行には不向きだ。現在、「スーパーひたち」などで130`を出しているのが最高。JR各社とも特急車両でスピードアップを計画しているが、騒音問題や軌道整備が必要だったりで、思うように進んでいないのが現状だ。
 JR総研は今までの鉄道の概念を変え、小型で高性能な車両を考案。高速でも小回りがきくように、連接方式で車輪の数を少なくしている。車両は、レール面から屋根まで2.9bと、従来車両より約70aほど低く設定している。12両編成だが、全長もこれまでの半分にし、空気の抵抗と騒音を抑える。
 この車両を使用すれば、現在のレールでもスピードアップは十分可能だというが、より性能を発揮するため、線路の大幅な改良のほか新緑の敷設計画も。新線区間では、レールのわきに電気を流す第3のレールを敷設し、そこから集電する未来鉄道で騒音対策の切り札と言われる方式も採用する、という。こうして、「時速250`」という新幹線同様のスピードが可能、とJR総研はいっている。(朝日新聞)
■スピードアップ競う新幹線
 フランス新幹線TGVが鉄道での世界最高速度記録を打ち立てたことに衝撃を受け、「TGVに追いつけ、追い越せ」と、東北・上越新幹線のJR東日本、東海道新幹線のJR東海、さらに山陽新幹線のJR西日本の3社が、スピードアップ競争を繰り広げている。1964年の東海道新幹線開業時は、自他ともに世界のトップを走っていた鉄道技術が、国鉄時代に経営難などで足踏みし、その間にフランスやドイツに抜かれてしまった。実験でのスピードアップが営業運転にどの程度貢献できるのかはまだ未知数。騒音問題をクリアするという大前提もある。だが、大量輸送の主役として、ヨーロッパでいわれている「鉄道ルネサンス」を、わが国でも…と、「鉄路の夢」は広がっている。(渡辺 宏幸記者)
・世界最高速度へ巻き返し
 「現在の速度、303`」。少しうわずった声が、車内のスピーカーから流れた。報道陣のために用意された運転席の速度メーターを映し出すテレビのブラウン管にも、くっきりと「303」の数字。
 去年12月13日午後11時54分。東海道新幹線に導入される予定の「スーパーひかり」(300系)が、米原−京都間の速度実験で303.1`の記録を出した瞬間だ。東海道新幹線のレールで、300`を超える速度を出したのは、初めてのこと。測定機器がぎっしり並ぶ車内で、計器にくぎづけになった技師らの顔がほころび、「やりましたね」と声を掛けあった。
 「意外にあっさり、スピードが出てしまった」というのが、300`走行に試乗しての正直な感想だ。
 ぐんぐん加速する過程は、今の新幹線と同じ。だが、250`を超えたころから、やや揺れが気になり出した。270から290`の間が最も滞れ、体がふわふわと浮く感じになる。300`を超えた時、ふと外を見ると、街路灯などの明かりが後方に飛んでいく。旅客機の離着陸の時のような感覚だ。
 JR東海の「スーパーひかり」は、92年春に、270`の営業運転を目指している。験音対策のため、車体を一回り小さくし、パンタグラフにカバーをかけて風切り音を極力防ぐなど、随所に改良を施した。
 今年3月には、いよいよ国内最高記録の樹立に挑む。「まだまだスピードは出ますよ」。この日、ひとまず300`を突破、記録への足がかりができ、JR東海の開発担当者は自信ありげだ。
 超伝導磁気浮上式というレールをまったく使わないリニアモーターカーは別にして、日本の鉄道の速度記録は、79年に東北新幹線の小山実験線で出した319`が最高だ。東海道新幹線では、開業前の63年に256`を記録。山陽新幹線では、72年に特別仕立ての高速試験車で286`を出したのが最高だった。
 国鉄時代、経営難と労使間題という二つの足かせが、新型車両への開発意欲を鈍らせ、さらに、それまでないがしろにしてきた騒音公害が大きな問題となった。このため鉄道技術陣は、騒音が少ないといわれるリニアの開発に傾斜を強めた。
 その間、フランスのTGV は着実に速度を上げ、ついに90年5月には515.3`の記録を打ち立てた。今年6月に開業を予定しているドイツ連邦鉄道のICEも、88年5月に406.9`を達成している。
 JR東日本の松田昌士副社長は、「TGVの記録は鉄道の可能性を切り開く快挙だ。われわれも挑みたい」と、高速車両の開発に意欲を見せる。
 「スーパーひかり」が高速試験をしたのとほぼ同じ時期の12月半ば、東北・上越新幹線を走らせるJR東日本でも、上越新幹線の軌道を使い、山形ミニ新幹線の試作車(400系)で、高速走行実験を繰り返した。東北新幹線の福島から分岐し、線路の幅を新幹線と同じ規格の幅(標準軌)に拡幅した在来線を、92年夏から走らせる予定だ。新型車両は300`を超える速度を目標に製作されており、やはり今年3月、320`を超える日本記録に挑戦する。
 山陽新幹線を走らせるJR西日本も、2、3年後をめどに、独自に高速車両の開発に取り組み始めている。鉄道の速度競争はますます熱を帯び、各新幹線に各社自慢の高速列車が走る日がくるのは確実だ。
 だが、これはまだ、手始めにすぎない。JR技術陣の最終的な狙いは、世界最高速度記録の樹立にある。
・TGV・ICEはなぜ 空気抵抗対策に創意工夫
 これまで、鉄道の速度の限界は、理論上、350`ぐらいといわれてきた。これ以上速度をあげると、車輪とレールの摩擦力より、空気抵抗などの列車を止めようとする力が大きくなり、車輪が空回りしてしまうと考えられていた。
 無理と思われていた速度記録が、なぜ塗り替えられたのか。日本でこの記録を破ることは、はたして可能なのか。
 仏国鉄の世界記録挑戦へのプロジェクトは81年から始まっている。この年の9月に、TGV南東線が開業。国内の営業線の建設に弾みをつけるとともに、仏の鉄道技術の優位性を証明することで、世界各国にTGVを売り込もうという、「国策」的な狙いがあった、といわれる。
 一時、列車衝突事故などで開発がストップした時期もあったが、89年9月には大西洋線が営業運転としては世界最高の時速300`を設定して開業。同年11月から同線を使用して世界記録に挑戦する「TGV117」プロジェクトが始まった。
 世界記録達成は、空気抵抗との闘いともいえる。乗用車をレーシングカーに改造するように、仏国鉄はTGVの営業用車両の随所に改良を重ねている。日本の新幹線には、走行時の風切り音が大きくなるパンタグラフが6−8基ついているが、TGVは先頭と最後部の機関車に2基ついているだけ。カバーもつけ、高速走行の際は後部のパンタグラフだけを上げるという芸の細かさだ。
 さらに、ドアや窓の部分など車体の表面の凸凹をなくし、車両を一回り小さくした。このほか、車輪を大きくし、ギア比を少なくした。台車も車両と車両の間を結ぶ「連接車」方式とし、カーブでも重心が安定するよう工夫している。
 実験は、雨の日を避け、緩やかな下り坂の直線部分を使っている。こうして昨年5月18日、515.3`の世界記録の樹立に成功した。
 仏国鉄は、車両のパワーさえ増やせば、まだまだスピードが出せるとの結論を出し、この直後に、新たな高速走行実験を開始する計画を表明した。
 一方、ドイツのICEも、85年から本格的な高速試験を開始した。TGVを参考に、先頭と最後部を機関車とし、パンタグラフも一基にしている。車体の大きさや重さは日本の新幹線なみだが、モーターのパワーアップを始め、なめらかで空気抵抗を極力少なくした流線型の車体が、高速をものにした。
 85年にいきなり317`を記録、さらに改良を重ねて、88年についに400`を突破した。今年6月から250`の営業運転を開始し、実験を重ねて、280、300`と営業速度も上げていく計画という。鉄道の速度の限界は、まだまだ見えていないようだ。
・日本の技術は遅れているか 国鉄時代の経営難で足踏み
 「内心、じくじたる思いがある」。TGV、ICEの高速運転を耳にするたび、JR東海の副島広海・新幹線鉄道事業本部長は歯ぎしりする。東海道新幹線の開業時には、世界各国から、ひっきりなしに視察団が訪れた。世界の鉄道マンの間では、日本といえば「シンカンセン」という言葉が頭に浮かぶほど、鉄道技術の高さが評価されていた。それが、いまは視察に訪れる国もほとんどなくなった。世界の鉄道技術は、日本が追いつけないほど進歩してしまったのだろうか。「いや、いまでも日本の技術力は、世界に誇れるトップレベルにあります」と、JR東日本の若林秀喬・技術開発部長は強調する。
 新幹線開業から26年間、乗客を傷つけた事故は一度もなく、東北・上越、山陽の各新幹線を含めて、日本の大動脈として、大量輸送をほぼ正確なダイヤでこなしてきた。東海道新幹線のように、最短4分に1本の過密ダイヤで高速走行を果たしている国は、世界のどこにもない。
 しかし、いままで26年間、新幹線の基本的なシステムは変わっていない。東北・上越新幹線も東海道の技術の延長線でしかなかった。「シンカンセンを追い越せ」を合言葉にしてきたヨーロッパの国々のスピードアップと性能向上への技術競争に、完全に乗り遅れたのは間違いない。
 「国鉄時代は、経営難と労使問題、さらに新幹線騒音訴訟と、まさに氷河期だった」と、JRの技術首脳は振り返る。騒音公害が問題となっても、防音壁をつけるなど修正工事に終始し、騒音のでない新型車両の開発までは考えが回らなかった、という。
 東京大学工学部の井口雅一教授(機械工学)も「新幹線の技術は確かに今でもトップレベルにある。だが、これまでは手直しをしてきたに過ぎず、その次のことをやらずにきた。騒音がないとされるリニアの実験も細々とやっていただけ」という。
 そのリニアモーターカーは、山梨実験線の建設に向かってはいるが、開発から28年経過しても、いまだに実用化のめどが立っていないのが現状だ。20年余り、新幹線の次にくる高速交通手段の研究に、ぽっかり穴があいたといえる。
 「戦後の日本は、鉄道開発が技術リーダー的な存在だった。だが、鉄道側に矛盾がでる一方で、航空機や自動車の技術が発展してきた。いままた、核都市間など中距離輸送で、鉄道の復権現象が起きている。それぞれの交通技術が互いの特性にみがきをかける時期にきている」と、JR東海の葛西敬之・副社長は話した。
・過去の栄光を再び 騒音問題クリアが大前提
 87年4月に国鉄が民営化した時点で、JR各社は、技術開発の見直しを迫られた。長い経営難の間に、鉄道をとりまく環境は、別世界のように変わっていた。経営陣がもっとも危機感を抱いたのは、航空機との競争だった。東京からの到達時間を考えると、航空運賃の方が割安感がある。東日本、東海、西日本のJR本州3社がスピードアップに挑むのは、この経営上の要請があったからにほかならない。
 核都市間の交通で鉄道が航空機に勝てる時間は、3時間以内といわれる。各新幹線がいずれも300`に速度を上げられれは、到達時間は東京−新大阪間が2時間半を切り、東京−仙台、新潟間が1時間20分台、新大阪−博多間も2時間半以内に収まる。
 こうして始まった速度記録への挑戦は、民営化した年の9月に、まずJR東海が「スーパーひかり」の開発を開始。JR東日本も、営業速度での世界最高を狙い、90年3月に、上越新幹線の長い下り坂を利用して、現在の車両(200系)で時速275`の運転を始めた。ただしこれは、半年早くTGVが300`の営業運転を始めたため、記録とはならずじまい。
 JR西日本では山陽新幹線の新大阪−博多間で、2階建て新幹線(100系)の「グランドひかり」で、時速275`をめざして実験を繰り返した。だが、騒音基準をクリアできず、新型車両の独自開発に着手しはじめている。
 日本では、新幹線の騒音基準として、75ホン以下という暫定基準が定められている。TGVの高速実験では、300`の速度域で90ホンにもなっていた。極めて厳しいこの基準を、どうやってクリアするか。
 今後、JR東海は来年春に導入する「スーパーひかり」で、東海道新幹線の270`営業運転を開始する予定だ。だが、軌道の古い東海道では、この速度が限界。リニアの開発を進める一方で、実用化のめどが立たなかった時に構えて、次世代の新幹線を研究する「300X」プロジェクトを昨年夏に発足させた。架線を地上に敷くなど、騒音対策のために既存の鉄道の概念を超えた運行システムを考えているという。
 JR東日本では、92年2月の完成を目標に、高速試験車両の開発を進めている。車体にアルミ軽合金を使うなど航空機の技術を応用して徹底した軽量化を図り、TGV方式の台車を採用するなど、速度試験のためだけに利用するものだ。
 この車両で、JR東日本の技術陣は世界最高速の樹立を狙う。2年後にまず400`に挑戦、さらにその2年後、500`の壁を突破、世界の記録を塗り替えようという意気込みだ。「世界一を目指すことにより、鉄道の総合的な技術力が飛躍的に高まる。技術開発が足踏みしたら、鉄道に未来はなくなってしまう」と、JR東日本の若林技術開発部長は執念を燃やしている。(朝日新聞)
4日■国際会館とJR京都駅直結へ 京の地下鉄さらに北へ 新年度免許5年度着工めざす
 京都市は3日までに、地下鉄烏丸線・北山−京都国際会館間の北々進計画(地下高速鉄道国際会館線)の事業免許取得に向け本格的に取り組むことを決めた。国内外で国際会議の誘致競争がシ烈さを増す中で、JR京都駅と国際会館を地下鉄で直結することで京都のコンベンション機能の強化を図る狙い。新年度内の免許取得を目指す。
 京都市営の地下鉄烏丸線は昭和56年5月、北大路−京都駅間6.5`が開業したのを手始めに順次、延伸し、昨年10月、北山−竹田間11.1`(十三駅)が開通、京都の都心部を南北に結ぶ大動脈となっている。
 市交通局の計画によると、さらに北山駅から左京区宝池の京都国際会館まで、2.8`間(北々進)の事業化を目指す。全線地下方式で、中間駅を設置する構想。平成3年度の事業免許取得に向けて準備を進め、早ければ同4年度の都市計画決定、工事施行認可、同5年度の着工を目指す。工期、工費は未定。
 コンベンション・シティ、京都の拠点である京都国際会館は、交通の便が悪く、地下鉄の延伸は同会館や市北部の住民から市に強く要望が出されていた。運輸政策審議会は平成元年5月、北山−京都国際会館間の高速鉄道網について「2005年(平成17年)までに整備することが適当である路線」と位置付けていた。
 京都市内の地下鉄網は平成元年11月、南北の烏丸線に続く東西方向の東西線・二条−醍醐間12.7`の建設に着手、平成6年度の完成に向け工事が進められている。(京都新聞)
5日■バス待ちのイライラ改称へ 京都市交通局 運行総合システム仕上げに 停留所に位置表示 新年度完成へ事業進む
 京都市交通局が1989年度(平成元年度)から3ヵ年計画で導入を進めてきたバス運行総合システムは、新年度で完成する。91年度はシステム構築の総仕上げとして、9営業所すべてにシステム機器を配備するとともに、市バスの予定台数への乗客計数器取り付けなどを終える。また、同総合システムの中心であるバス・ロケーションシステム(バス接近表示装置)は、今年の1月から3月末までに京都駅前などに計48基を設置し、順次、運用を始める。
 同総合システムは、市バスの運行情報を総合的に管理することで効率的な運行を図るもので▽市バスの走行位置が次の停留所などにいる乗客に一目で分かるロケーションシステム▽バスの走行位置を営業所で把握する運行管理システム▽乗客数を乗車ごとに計測する計数システム▽操車場での折り返しなどを営業所で管理し、省力化の一助にする操車場改善システム−の4システムで構成している。
 市交通局は、ロケーションシステムについては3ヵ年で計58基の取り付けを計画。元年度、白川通に7基、昨年末までに桂駅西口に3基を設けた。さらに、今年1月末から京都駅前14基、同3月末までに西大路通20基、下鴨本通と河原町通で計14基の運用を開始する。
 運行管理システムは、市内300ヵ所に取り付けたセンサーが市バス1台ずつの位置を営業所で感知。発着指示などに役立てるもので、新年度中にシステム配備を完了する。乗客計数システムは、市交通局所有の全路線バス884両のうち3年間で350台に設置するもので、2年度末までに264台を終了、最終年度は、残る86台の取り付けを予定している。
 これらシステムが完成することで、市交通局は「交通渋滞などで定時走行できないバスを待つ乗客のイライラ解消に役立てば…」と話している。総事業費は16億4800万円。(京都新聞)
■強風、東海道線止める 小田原・50本遅れる
 4日午前9時57分、神奈川県小田原市根府川のJR東海道線白糸川鉄橋の風速計が秒速27b以上の強風を記録したため、JR東日本は小田原−熱海間の運転を見合わせた。
 その後、午後6時55分に運転が再開されるまで断続的に運転中止が繰り返された。
 JR東日本のまとめによると、伊豆急下田発東京行き特急スーパービュー踊り子2号など42本が運休、成田発伊豆急下田行き特急「ウイング踊り子」の4時間を最高に50本が遅れ、約1万9000人が影響を受けた。
 運転中止の間、JR東日本は小田原−熱海間に代行バスを運転、東海道新幹線への振り替え輸送をした。
 また、東海道新幹線は静岡県沼津市内に設置している風速計が25bを記録したため、午後1時前から三島−新富士間の一部で時速120`の徐行運転を実施した。(京都新聞)
■鉄橋の線路40b間湾曲 京成電鉄 船が接触、不通に
 5日午前6時10分ごろ、東京都葛飾区四つ木一丁目の京成電鉄押上線荒川橋りょうに、金町発押上行き上り電車が差し掛かったところ、非常停止信号と橋の異常を知らせる発光信号が作動、緊急停車した。
 電車の乗務員らが点検した結果、荒川左岸寄りの線路が上下線とも約40bにわたって曲がり、最大幅約40aのずれが生じていた。
 このため同線の押上−青砥間が不通となった。復旧の見通しは立っていない。
 本田署の調べによると、電車の運転士が停止信号に気付くのとほぼ同時に小型船がコンクリート製橋脚に接触しながら通過して行ったという。
 同署は異常発見後、現場付近に停泊していた川崎市の富士海運所属の灯油タンカー第八富士宮丸(141d、山口清船長)の船首付近に損傷があったことなどから、同船が橋脚に衝突、衝撃で線路が曲がったとみて、過失往来危険容疑で山口船長らから事情を聴いている。(京都新聞 夕刊)
■快速にはねられ死亡 近鉄奈良線の踏切
 5日午前7時ごろ、奈良市西大寺宝ケ丘、近鉄奈良線あやめ池2号踏切で、遮断機をくぐって線路内に入ってきた男性が奈良発難波行き快速急行電車にはねられ即死した。
 男性は40−50歳。奈良西署で身元の確認を急いでいる。
 同電車を含め上下線11本が最高12分遅れ、約1万5000人の足に影響した。(京都新聞 夕刊)
■ニュートラムに車いす席 市民にやさしい交通機関 大阪南港−都心間 今秋から営業運転
 大阪南港と都心部への地下鉄を結ぶ大阪市交通局の新交通システム「ニュートラム」に今秋、牽いすを固定できる新車両がお目見えする。1編成4両のうち1席分のスペースを確保するとともに、電車のデザインも一 新。建設中の海底トンネル「大阪南港トンネル」が完成する1995年をめどに、保有する64両を順次ニュータイプに変えていく。
 新車両(1車両定員45人)は、性能、大きさなどはこれまでと同じだが、軽量ステンレス銅製で、全体的に丸みを帯びた軽快なイメージとなり、車いすスペースを設けるのが特徴。4両編成のうち、乗り降りしやすいように先頭車両のドア近くに1ヵ所作る。長さ120a、幅70aで、振動で移動しないように固定できる。
 また、色は白から無塗装に変え、4両編成の先頭車両に水色のしゃれたストライプを3本入れる。室内は明るいベージュ色で、連結部分の壁に新たに窓を設直して、開放感を増すことにしている。1両当たりの平均価格は約8200万円。8月ごろ搬入し、営業運転は秋からになる見込み。
 ニュートラムは現在、市営地下鉄四つ橋線の住之江公園駅と南港ポートタウンの中ふ頭駅を結ぶ全8駅、6.6`を走っている。「大阪南港トンネル」(全長2.2`)の開通で、中ふ頭駅と、市営地下鉄中央線の大阪港駅が接続されることになる。(朝日新聞)
7日■新年会帰り男性即死 線路に転落、そこに電車 近鉄今里駅
 6日午後5時10分ごろ、大阪市生野区新今里四丁目の近鉄奈良線今里駅上り線で、池田市城山町、会社員小谷逸朗さん(65)がホームから転落、大和西大寺発難波行き準急電車にはねられ、全身を強く打って即死した。 生野署の調べでは、小谷さんは同市平野区内で開かれた会社の新年会で酒を飲んだ後、1人で帰宅途中で、ホーム中央付近でふらついた後、線路上に落ちたという。(朝日新聞)
■新幹線も終日混乱
 新幹線も終日乱れた。滋賀や岐阜、愛知での降雪のため、豊橋一新大阪間の約240`区間で始発から速度70−170`の徐行運転。このため上下計263本すべてが遅れ、約40万人の足が乱れた。
 JR新大阪駅では、ホームにおみやげをいっばい手にした帰省客らがあふれた。名古屋発博多行きの「ひかり61号」が最高69分遅れたのをはじめ、下り列車は軒並み40−50分遅れ。上りも博多発の「ひかり 号」など計3本のひかりが乗車率250%と通勤ラッシュ並みの混雑となり、指定席の通路まで乗客がびっしり。いずれも200−150%の込み具合だったが、博多−新大阪間で大きなダイヤの乱れはなかった。
 一方、空の便は、大阪着はどの路線もほほ満席で、各地方空港にはキャンセル待ちの乗客が疲れた表情で座り込んだ。全日空では鹿児島発や高知発を中心に全路線合わせて17便の臨特使(エアーニッポンを含む)を出し、Uターン客をさばいた。また、大阪空港にも東京点行きを中心に約300人ぐらいのキャンセル待ちが出た。(朝日新聞)
■JR奈良線 近鉄に負けへんで 次々とテコ入れ策 初の快速や増便計画
 JR西日本は、並行する私鉄線との競争で最も苦戦を続けている京都−奈良間の奈良・関西線(41.7`)の輸送力増強に2年がかりで取り組み始めた。同じ区間を走る近鉄京都線(39`)が全線複線なのに対し、京都−木津間の奈良線(34.7`)が単線。シェアは近鉄に9対1で大きくリードされている。昨年、即位の礼の一連の行事で関西を訪問された天皇、皇后両陛下はJR東海の東海道新幹線で京都に着くと、そのまま近鉄で奈良方面へ向かわれ、地元JR西日本の列車はまったく利用されなかった。こんな「屈辱感」や、関西学術研究都市開発などにより沿線人口が増えていることが、JR西日本の対折意識を駆りたてているようだ。
 3月16日のダイヤ改定でJR西日本は、午前9時から午後4時まで、京都−奈良間に初めて快速電車を走らせる。1時間に1本だが、現在東海道線の快速などに使っている4列シートの117系電車を投入。4両編成で各駅停車と比べ、約20分短い45分(奈良発京都行きは43分)で結ぶ。他に朝のラッシュ時間帯に京都行き普通1本を増発、これで快速を含め、朝の7時から夕方まで1時間3本の列車が走ることになる。これまでは1時間に2本。ラッシュ時でも3本だった。
 これを可能にするため、これまでに京都駅の奈良線ホームを1本から3本に増やし、黄檗(おうばく)、城陽両駅に行き違い線を新設、新田、棚倉、玉水各駅に安全側線をつくった。
 さらに来年3月までに、東福寺駅にも行き違い線を設け、山城多賀を除く全駅をすれ違い可能とする。また、京都市伏見区の稲荷−桃山間と桃山−木幡間に行き違い施設付きの新駅を建設する計画を立てており、これらが完了すると、単線でも普通電車なら1時間に6本走らせることができる。実際には快速を走らせるので、1時間4本程度のダイヤになりそうだ。
 国鉄時代、奈良線の近代化は遅れ、電化は1984年10月。それまで旧式のディーゼルカーが近鉄特急に追い越されながらのんびり走っていた。電化後も単線のため増発はできず、年間利用者はJRが1000万人に対し、近鉄は8200万人。宇治駅など近鉄線と離れている地域の短距離客がわずかに利用する程度だった。88年に奈良で開かれたシルクロード博の際、JR東海は新幹線と近鉄京都線の乗り継ぎ割引券を発売、「同じ区間にJRグループの線があるのに」と、JR西日本幹部をくやしがらせた。これが引き金となって去年1月から駅の改良など奈良線輸送力増強工事に着手、単線でできる対抗作戦を打ち出した。
 奈良線沿線は、木津ニュータウンなど宅地開発が進み、乗客増が見込まれる。リニアモーターカー導入で計画されている東京−大阪間の中央新幹線も奈良市付近を経由するとされており、地元奈良県は奈良−木津間の平城山(ならやま)駅付近をリニア駅にしようと、用地まで確保している。奈良線はリニア新駅と京都を結ぶ幹線鉄道になることも予想されている。
 一方、近鉄も4月に全線でダイヤ改定をする。「京都線はこれまでの輸送実績をもとに、一部手直しがあるかもしれないが、JRさんを意識した特別の対抗策は取らない」と、当面は静観の構えだ。(朝日新聞 夕刊)
8日■駅高層化に賛否ほぼ同数 活性化へイベントが必要 古い街並みステキだが… 京の印象、100人に聞く 京都駅八条口近鉄名店街
 京都駅八条口にある京都近鉄名店街は12月に実施した改装記念イベントの際、来場者100人に京都の印象などをアンケート調査したが、その結果をこのほどまとめた。論議になっている京都駅の高層化については「賛成」と「反対」がほぼ同数だった。
 回答者は京都の在住者と観光客がほぼ半数ずつで、「京都の街並みをどう思うか」には、「良い」が57人、「普通」39人、「悪い」4人。「京都駅の高層化はどう思うか」という問いには、「良い」が42人、「悪い」が44人で、「どちらでもいい」が14人だった。
 「これからの京都にどう期待するか」には、「京都のいい町並みを残してほしい」「古いもの、価値あるものを残して安らぎのある街に」との一方で、「もっと都市を活性化させるイベントを」「楽しく遊べる場所を」「交通網の整備を」と都市整備や開発を求める意見も多かった。また「京都は人情味がない」と、京都人の気質に注文を付ける人もいた。
 アンケート結果について、同名店街の伊藤祐介理事長は「京都の街並みを半数以上の人が『良い』と感じているのはうれしい。ただ『人情味がない』という指摘は、商業に携わる者として反省しなければならない」と話している。(京都新聞)
■JR栗東駅は 3月16日開業 ガラス張り橋上駅に
 滋賀県栗東町の玄関口になるJR琵琶湖線「栗東駅」が、草津駅と守山駅のほぼ中間に当たる同町綣(へそ)に3月16日、開業する予定だ。
 栗東駅誘致運動は、昭和30年代にさかのぼる。町民から再三、請願が出され、58年には「新駅設置促進期成同盟会」が発足。粘り強い陳情・請願活動の末、ようやく昨年4月に認可を受けた。
 総事業費約8億2000万円で昨年5月30日にスタートした駅舎工事は、すでにプラットホームが姿を見せるなど着々と進み、駅周辺の広場や道路整備も急ピッチで行われている。
 駅舎はJR西日本では初めてという全面ガラス張りの橋上駅タイプ。東西に出入り口の階段があり、東側の出入り口と上下線プラットホームへの階段の計3ヵ所には、車いすも利用できるエスカレーターを完備。プラットホーム(全長245b、幅34.5b)が線路をはさんで上下2本できる。開業時には1日に上下合わせて146本の快速電車(琵琶湖線内各駅停車)が停車する。
 同町は、開業日を中心にした3日間にわたって駅周辺の特設会揚で記念コンサート、産業フェア、イベント列車などを開催して完成を祝う。(京都新聞)
■北近畿タンゴ鉄道「エクスプローラー」もう1編成、来春発車 季節増便と団体に対応 防災無線も配備へ
 京都府北部の第三セクター鉄道会社「北近畿タンゴ鉄道」(社長・荒巻禎一府知事)は7日、利用者の安全確保とサービス向上を図るため、近く人気の特急車両「タンゴ・エクスプローラー」(3両1編成)を、さらにもう1編成発注。来年4月から運行するとともに、今春からは列車と駅舎内に防災緊急連絡無線を設置する方針を打ち出した。
 タンゴ・エクスプローラーは昨年4月、同鉄道の宮津線開業と同時に導入されたパノラマ車両。ヨーロッパタイプのスタイルと日本三景の一つ、天橋立など丹後地域の風光明美な景観が満喫できるデザインから、「タンゴの女王」として全国的な人気を集め、指定席券の入手もままならない状態が続いている。
 また現在、1編成しか走行していないため、点検期間中は別の代替車両を使わねばならず、「女王」目的の乗客からは不評を買っていた。
 1編成の増備は、これら利用客の不満を解消し、さらに丹後地域のイメージアップを促進する目的。季節臨時運行の増便が可能となるうえ、臨時の団体列車として小、中学生らの旅行にも対応できるようになる。
 同鉄道では、来年4月から運行できるように車両の発注を行う計画で、導入経費として約5億3000万円を見込んでいる。
 一方、防災緊急連絡無線は、運転士だけのワンマン体制で積雪地帯を運行する同鉄道において、災害や警報、注意報など気象状況から、列車への影響までを、乗客に逐次、案内する設備で、全国でも初めての試み。
 府が昨年6月に導入した防災行政無線の通報システムを利用して、路線内を走行する全車両と、沿線の32の駅舎に7000万円をかけて受発信設備を置き、双方向の連絡体制を敷く。
 また、同鉄道の駅舎は、各地の「コミュニティーセンター」の機能を併設しているので、乗客から施設を利用する沿線住民まで、幅広く災害情報を伝えられる。
 同鉄道ではすでに、郵政省との事前協議に入っており、4月からシステムの運用を始めたい、としている。(京都新聞)
■俗称「東山通」残る 観光客混乱 東大路通なのに… 市バス停など 交通局「統一いいが、経費が…」
 京都市を南北に走る「東大路通」の俗称で、地図にも使われていない「東山通」の名称が、京都市営バスなどの停留所名や交差点の標識などに今でも使用されており、地元住民らから「観光客の混乱を招くのでは」との声が出ている。
 「東大路通」は「西大路通」「北大路通」などと並ぶ京都市の幹線通りの一つ。北は左京区山端川原町から始まり、京大、八坂神社、智積院などの前を通って、南端は九条通と交差する。
 拡張工事が行われて1912年(大正元年)、新たに「東山通」として開通、この上を市電東山線が走った。
 しかし、市電の廃止を契機に「東山通」が消滅、正式名称が「東大路通」になった現在も、京都市交通局はバスの行き先表示や停留所名を「東山通 高野」「東山七条」などとしている。
 ところが、地図にはもはや「東山通」の名称は使われておらず、例えば「北大路通」と「北山通」は別々の通りになっている。
 俗称使用は混乱を招きがちで、東大路通の近くに住む友吉唯夫滋賀医科大教授(泌尿器科)は「市バスをよく利用する外国人旅行客は困っているようだ。観光客の多い京都の特殊性を考えると、東山七条は東大路七条とするなど統一すべきでは」と話す。
 これに対して同市交通局では「確かに東大路に統一した方がいいかもしれない。経費の問題ですぐにもというのは難しいが、地元の声も聴いてそういう意見が強いなら検討してみたい」と話している。(京都新聞 夕刊)
■年末年始 JRと空、利用最高 新幹線10%の高い伸び
 JRグループと航空各社が7日まとめた年末年始の利用実績によると、JR、空の国内、国際線とも利用客は前年を上回り、過去最高となった。
 JRグループの年末年始期間(12月28日−1月6日)の輸送実績によると、期間中全国主要46線区で下りの特急、急行を利用した人は前年比7%増、過去最高の約567万4000人。2%の激増にとどまった前年に比べ大きな伸びとなった。
 中でも東海道、東北、上越の各新幹線は約10%の高い伸びだった。
 また、年末28日から元日までに首都圏を脱出した人は168万人(対前年2%増)と予想を下回ったが、2日以降出掛けた人は昨年より増えた。
 年末の帰省のピークは12月29日、30日、Uターンラッシュは6日まで休む会社が多かったこともあり、1月3日から6日に分散した。
 一方、日本航空、全日空、日本エアシステムなどがまとめた年末年始期間(12月22日−1月6日)の輸送実績によると、国内線は3社にエアーニッポン、南西航空を加えた5社合計で前年比5%増の286万3000人。国際線は3社に日本アジア航空を加えた4社合計で同1.6%増の25万9000人。
 国内線は各社ともそろって5%前後利用客を伸ばしたが、国際線では全日空、日本エアシステムが大幅に伸びたのに対し、日航が前年比99.6%と5年ぶりに、日本アジア航空が同96.6%と4年ぶりに、それぞ処刑年を下回った。(京都新聞)
■JR西日本は前年並みに
 JR西日本は7日、年末年始(12月28日−1月6日)の旅客輸送実績を発表した。新幹線、在来線の特急、急行の利用客は上下線合わせて約280万人で前年並みとなった。今年は、特定日集中型から分散化する高原型が強まったのが特徴だった。
 線区別では、山陽新幹線が約146万7000人。在来線は約133万4000人。このうち下りでは、瀬戸大橋線岡山−児島間が18万3000人で対前年比8%増、北陸線直江津−糸魚川間が8万人で同6%増と高い伸びを示した。
 近畿地方の神社最寄り駅での降車人員は三ノ宮駅の5万7000人(対前年比18%増)がトップ。次いで京都駅の5万5000人(同4%増)、神戸1万3000人、奈良1万1000人の順だった。(京都新聞)
■設計者ら3人からは回答 JR京都駅改築公開質問状 「住民意見には理解」
 JR京都駅改築計画で、新建築家技術者集団京都支部(蓮仏亨代表幹事、120人)が昨年末、駅ビル設計コンペ参加者や審査員ら12人に「京都の景観についての基本的な考え方」などの公開質問状を出したことに対し、7日までに海外を含む3人から回答が寄せられた。コンペ参加の設計者2人とプロフェツショナルアドパイザー1人で、現在のところ審査員からは1人も回答は届いていない。
 回答したのは、コンペのアドバイザーで建築家の三輪泰司氏、コンペ参加者の池原義郎早稲田大学教授、米国の建築家バーナード・チュミ氏。3氏とも駅ビル高層化反対の市民運動があることは「知っている」と回答。反対運動については「意思を理解する」(三輪氏)、「心情は想像できる」(池原氏)とし、景観との調和については「京都の過去を否定することなく、将来の発展を任すような提案しかないだろう」(チュミ氏)との見解を示している。また、三輪、チュミ両氏は「市民の意見を聴く必要がある」と答えた。(京都新聞)
■踏切で衝突50人が負傷 JR日高線
 8日午前11時10分ごろ、北海道苫小牧市沼の端、JR日高線の踏切で、鵡川(むかわ)発苫小牧行き普通列車(1両編成)がタンクローリー車と衝突した。タンクローリー車の運転手や列車の乗客ら49人がけがをして、市内4ヵ所の病院へ運ばれた。
 苫小牧署などによると、タンクローリーはガソリンを積んでおり、遮断機と警報機のある踏切手前で止まり切れずに突っ込んだらしい。
 列車の運転士は、列車とタンクローリーの間に挟まれており、市消防本部で救出作業を急いでいる。(京都新聞 夕刊)
■車内で言い争い 50万円盗まれる JR片町線
 7日午後11時55分ごろ、大阪府東大阪市稲田上野のJR片町線徳俺駅改札口付近で、同府大東市北条、保険外交員山田孝司さん(36)と同じ電車に乗り合わせた2人の男がけんか、男2人は山田さんの現金50万円入りセカンドバッグと携帯電話をひったくり、徒歩で逃げた。
 山田さんは顔に軽いけが。盗まれた50万円は得意先から集めた現金で、布施署は傷害、窃盗の疑いで男の行方を追っている。
 調べによると、山田さんは大阪・ミナミで新年会に出席後、JR京橋駅から電車に乗った。隣にいた男から「座り方が悪い」などと注意されたことから口論、止めに入った別の男と3人でけんかとなった。そのまま3人は徳俺駅で下車、もみ合いとなった間に現金などを盗まれた。(京都新聞 夕刊)
■積雪で新幹線3日続き徐行
 東海道新幹線は滋賀県、岐阜県内の積雪のため8日始発から岐阜羽島−京都間の一部で徐行運転をした。雪による徐行運転は3日連続。
 JR東海によると、遅れは1、2分だが、午後まで続く見通し。午前中だけで上下81本が遅れ、乗客5万5000人が影響を受けた。(京都新聞 夕刊)
■けんか仲裁、50万円持ち去る JR徳庵駅 ホームで中年の男性
 7日午後11時56分ごろ、東大阪市稲田上町、JB片町線徳庵駅の駅員から「けんかで金を盗まれた人がいる」と110番があった。布施署員が駆けつけたところ現場にいた大東市北条三丁目保険外交員山田孝司さん(36)が「けんかの仲裁に入った男性に現金50万円入りセカンドバッグを持ち去られた」と届けた。 調べによると山田さんは7日夜、大阪市内での新年会で酒を飲んだ後、帰宅するため午後11時40分ごろJR片町線京橋駅から電車に乗った。その際、ホームに並んでいた乗客の列に割り込む形になったため40歳ぐらいの男性客が「アカンやないか」と山田さんに注意した。山田さんは車内でもその男性客と隣り合わせたため口論が続き、つかみ合うなどのけんかになった。
 これを見ていた40歳代の別の乗客が「やめとけ」と仲裁に入り、山田さんがけんかの際、落としたセカンドバッグと携帯電話を拾い上げたうえ、警察で話をすることになり、3人で徳庵駅で降りた。しかし、けんか相手はホームから線路伝いに逃げ、仲裁者も改札口を出た後、山田さんのセカンドバッグを持ったまま姿がわからなくなった。山田さんのバッグには集金した現金50万円が入っていた、という。(朝日新聞 夕刊)
■新幹線の遅れ続く
 東海道新幹線は滋賀県米原地区に残った積雪のため、8日始発から岐阜羽島−京都間の一部で時速170`の減速運転をし、3日連続ダイヤに遅れが出た。新大阪発東京行き「ひかり204号」が7分遅れたのを最高に、午前中上下81本すべてが1、2分程渡遅れ、乗客約5万5000人が影響を受けた。(朝日新聞 夕刊)
9日■長浜盆梅へ直通列車
 JR西日本は、早春の湖東名物「長浜盆梅」の観賞直通列車を走らせるほか、入館券がセットになった割引切符を10日から駅のみどりの窓口で発売する。
 長浜盆梅展は長浜市の慶雲館で毎年催れ、京阪神からも大勢の観賞客でにぎわう。このためJR西日本は、発駅から長浜駅までの普通往復乗車券と盆梅入館券(400円を300円に割引)をセットにして販売する。乗車券については例えば、京都、西大路から長浜間大人2500円(所定運賃2920円)など9%−31%の割引になる。また、大阪、京都などから直通の盆梅号が1日1往復、日、祝日などに走る。発売期間は3月8日まで。(京都新聞)
■京都駅高層化 観光客は反対 住民6割賛成 現状・将来… 機関紙に報告
 京都駅の駅ビル改築をめぐる論議が盛り上がっているが、京都に学ぶ学生たちのグループがさきごろ、京都駅の現状と将来に焦点を当てた調査を行い、このほどその結果をまとめて冊子にした。駅ビル改築に関する利用者の声を集めた調査はこれまでほとんどなく、市民の反響を呼びそうだ。
 冊子にまとめたのは、立命館大学鉄道研究会(中島正範会長・45人)。京都の玄関口・京都駅の在り方を若者の目でとらえ直そう、とJR西日本、東海両会社や京都市、近鉄、その他運輸省まで足を延ばした。機関誌『ポイント』に、分析結果を載せている。
 興味深い内容の中で、とりわけ、昨年夏に行った利用者対象のアンケートが面白い。
 336人に街頭で聞き取り調査したところ、京都駅の「ツインビル構想」など高層ビル化に対して、男性の61.1%が条件付きを含め「賛成」としたが、女性はその割合が減り(44.3%)、反対が38.3%と、対折している。
 調査した印象では「入洛の観光客が反対するのに対し、逆に市民の方は6割以上が『時代の流れ』『ええのと違うやろか』と答えた」と部員らは指摘している。現在の京都駅に「京都らしさを感じるか」の設問には、「ある」としたのが46.5%にとどまり、それも周辺の東寺や京都タワーに感じる人が多く、駅の建物自体にそれを感じる人は少ない、と結論付けた。
 調査の最後に同研究会がまとめた利用者側からの要望は▽ショッピング機能にアミューズメント機能を持った空間利用▽美術館、図書館などの文化施設の充実▽ベンチやエレベーターなどの設備充実を含め、駅構内でくつろげる空間の確保−など。
 学生たちの大半は、他府県からの下宿生だが「改築に当たっては、市民や利用客の要望を十分考慮すること。一番大切なのは、京都が日本人のこころのふるさと、ということで、『駅は市民のものだけではない』との視点ではないか」(中島会長)という。
 冊子はB5判128n。700部作成。希望者には1500円(送料込み)で頒布。問い合わせは、同大学生課気付 075(465)1111内線2636へ。(京都新聞)
■列車が脱線 45人重軽傷北海道 踏切で衝突事故
 8日午前11時10分過ぎ、北海道苫小牧市沼ノ端のJR日高線勇払−苫小牧間の勇払沼ノ端線踏切(警報機、遮断機付き)で、鵡川発苫小牧行きの上り普通気動車=竹沢征治運転士(47)、1両編成=に、同市新明町4丁目、竹内賢治二運転手(36)の大型タンクローリーが衝突、列車は脱線した。北海道警によると、竹沢運転士が両足の骨が折れ大けがをしたほか、乗客44人が重軽傷を負った。(朝日新聞)
■雪で新幹線徐行運転
 山陽線は9日、山口県内の降雪のため新下関−広島間の一部区間で始発列車から時速170`の徐行運転を行った。
 東海道新幹線も滋賀県内の降雪で徐行運転を行い、下りの新大阪到着が最高約20分遅れた。このためJR西日本は新大阪ー博多間に臨時列車2本を運転した。(京都新聞 夕刊)
■英で列車事故 乗客 249人死傷 邦人4人も軽傷
 【ロンドン8日=山田特派員】ロンドン中心部にある英国鉄キャノンストリート駅で8日午前8時45分、到着した列車がホームに止まらないまま列車止めに突っ込み大破、確認されているだけで乗客1人が死亡、248人が負傷し病院に収容された。日本大使館によると、邦人4人も軽傷を負った。
 事故を起こしたのは、午前7時58分セブンオークス発の10両連結のディーゼルカーで、駅に入る直前の信号でいったん停車しないまま約30`のスピードで激突した。先頭の車両の乗客に被害が大きかったが後部連結車両でも車体の間に挟まれた人などが多く救出作業に手間取っている。(朝日新聞 夕刊)
■凍結で道路通行止め 近畿地方冷え込む 新幹線遅れ4日連続
 強い冬型の気圧配置が続く近畿地方は、9日未明からの冷え込みによる凍結で道路が一時通行止めになったり、雪の影響で新幹線に遅れが出た。
 大阪管区気象台によると、9日朝の最低気温は大阪で2.0度(平年2.3度)と、暖かいこの冬では2番目の冷え込みとなった。滋賀・彦根地方では3度目の降雪となり、午前11時現在で5aの積雪。JR東海道・山陽新幹線は岐阜、滋賀、山口各県に降った雪のため、9日始発から名古屋−新大阪間の一部区間で時速170`から70`、広島−新下関の一部区間で時速170`にそれぞれ徐行運転。新大阪発東京行き「ひかり206号」が26分遅れたのを最高に午前中上下72本が10分以上遅れ、乗客約6万1000人が影響を受けた。新大阪駅では東京発の下り列車の到着が20分前後遅れたため、博多行き「ひかり」1本と広島行き「こだま」1本を臨特に運行した。新幹線のダイヤが積雪で遅れたのは4日連続。
 また、大阪府大東市竜間の府道大阪生駒線(阪奈通路)は下り車線(2車線)が凍結、午前3時50分から約200bにわたって通行止めとなった。同9時10分には全面解除されたが、一時は5−6`渋滞した。四条畷署の調べでは、中央分離帯の排水口に土砂やごみなどが詰まり、付近にたまった水が、下り車線に流れ出したらしい。
 名神高速道路は9日午前、八日市インタから岐阜県境にかけて50`の速度規制、北陸自動車道でも50`規制と木之本以北がチェーン規制。(朝日新聞 夕刊)
10日■市バスと衝突、転倒 二輪の会社員死亡 北大路
 10日午前8時35分ごろ、京都市北区北大路通烏丸西入ルの市バス北大路バスターミナル前で、同区大将軍一条町、会社員中村光信さん(22)のオートバイと同ターミナルに入ろうと右折した市バス=206号系統、岸本嘉元運転手(53)=が衝突、転倒した中村さんが市バスの後輪でひかれ死亡した。市バスにはほぼ満員の約70人が乗っていたが乗客にけがはなかった。
 上鴨署の調べではバスターミナル前に市バスの出入りのための信号機があり、市バスはターミナルに進入するため青信号で右折中だったという。岸本運転手は「東進の車が途切れたので右折した」と話しており、同署で詳しく原因を調べている。(京都新聞 夕刊)
■トレーラーと名鉄急行衝突 岡崎、乗客8人けが
 10日午前7時15分ごろ、愛知県岡崎市宇頭町後久、名鉄名古屋本線宇頭駅東側の矢作川踏切10号で、新岐阜発豊橋行き上り急行電車(6両、秀山純吉運転士、乗客約300人)が大型トレーラーと衝突、先頭車両が脱線し、乗客8人が割れたガラスで額を切るなどの軽傷を負った。
 岡崎署の調べによると、大型トレーラーが、対向の乗用車とすれ違う際、路切内で立ち往生し、衝突した。同署は過失往来防害の現行犯でトレーラーを運転していた同県江南市上奈良観音寺、運転手沢田和政容疑者を逮捕した。
 乗用車はそのまま現場から立ち去ったが、岡崎署はこの運転手についても、見つかり次第同容疑で調べる方針。
 衝突の衝撃で大型トレーラーに積んであった水を入れるためのステンレス型パネルタンク(幅3b、高さ2b、長さ9b)が下り線路上に落ち、線路をふさいだ。
 同線は岡崎−新安城駅間で不通となっており、復旧は同日午後になる見込み。名鉄はバスやJRなどでラッシュ時の代替輸送をした。(京都新聞 夕刊)
■名鉄電車脱線 乗客8人げが 岡崎で踏切事故
 10日午前7時13分ごろ、愛知県岡崎市宇頭町後久の名鉄矢作橋10号踏切(警報機、遮断機付き)で、新岐阜発豊橋行き名鉄急行電車=秀山純吉運転士(31)、6両編成=が、立ち往生していた同県一宮市北方町、田中重機運輸会社沢田和政運転手(25)の大型トレーラー(6d車)に衝突。電車はトレーラーを押すようにして約80b走って1両目が脱線、停車した。電車には乗客約300人がいたが、8人が顔や手足に軽いけがをした。
 この事故で、東岡崎−新安城間が不通となり、JR東海道線やバスで代行輸送したが、朝の通勤通学の足約8万人(午前11時現在)に影響が出た。(朝日新聞 夕刊)
■経済気象台 「鉄道復権」は本物か
 平成3年度予算案のなかで鉄道整備基金の創設が決まり、整備新幹線の建設が本格化することになった。道路のように公共投資として施設整備を行う仕組みのなかった鉄道について同様の仕組みがつくられたわけで、画期的といえる。
 国鉄の分劉・民営化を決定づけた「日本国有鉄道再建監理委員会」の意見書の中で、中距離帯の都市間輸送や大都市圏、主要都市の地域交通の分野では、鉄道は基幹交通網としての役割を担うが、輸送量はほぼ横ばい程度で推移するとされている。当然のことながら新たな鉄道建設の必要は予想されていなかったと理解される。
 当時、期待されていたのは、雪だるま式に膨らんでゆく借金の増加を食い止め、既存鉄道網を何とか黒字で維持することであった。鉄道整備基金の創設は、分割・民営化の前提だった基本認識が、大幅に転換したことを意味する。
 最近、耳にする「鉄道の復権」という認識の具体化ともいえるこの背景には、発足後、今日までのJR各社の予想を上回る好成績がある。ほぼ横ばいと見られていたJRの収入は大幅に伸び、運賃の値下げ論まで出るほどである。しかしこれが永続的な意味での鉄道の復権の結果である、と即断してよいものだろうか。
 好況の追い風もあったろうし、毎年連続の運賃値上げなどで、他の交通手段に押しやられていた顧客が、ようやく戻ったという要素も無視できない。とすれば鉄道需要の伸びが、今後も継続すると見るのは、やや危険ではないか。いずれにせよ基本認識の転換にあたっては、充分な検証が必要ではないだろうか。
 もう一つ心配なのは、鉄道の建設のみを任務とし経営の責任を持たない仕組みができた場合、採算性・経済性から見て必ずしも好ましくない投資が行われるケースが出て来るのではないかという点である。従って基金の運用にあっては経済的合理性が担保され、鉄道経営上からの判断が、十分反映され得るような意思決定のルールが確立されることが大切である。(直)(朝日新聞 夕刊)
11日■クレジットカード事業 JR西日本が進出 駅ビル店など割引
 JR西日本は10日、グループ統一のクレジットカード事業に進出すると発表した。初年度10万人程度の会員を見込んでいる。
 カードでの買い物が定着する一方、同社が進める駅ビルや高架下を利用したショッピングセンターなど流通現場が整備されつつあるところから、グループ統一のカードを発行するもの。
 カード発行は、JR西日本が100%出資の「ジェイアール西日本リース」を3月1日付で社名変更する「ジェイアール西日本ファイナンス」(本社・大阪市、資本金3億6000万円、伊藤博社長)が行う。
 カード名は「JR-WESTカード」でJCB、住友VISA、UCの3社と提携。 JR西日本グループの駅ビルやホテルなど約3000店での割引利用が出来るのが特色。しかし、みどりの窓口や駅売店などでは利用できない。 すでに発行されている京都駅前の地下街、ポルタカード(会員2万人)などは、すべてWESTカードに切り替えていくとしており、平成3年度の取扱高は29億円を見込んでいる。(京都新聞)
■イライラもうかなわんわ 銀行がまず導入 JRも試行好評
 「1列待ち方式」という言葉をご存じですか。切符売り場や銀行で、幾つも窓口があっても、みんなが一つの列に並んで先頭の人から空いた窓口に行く方法。「イライラ」解消のため、JR西日本が大阪駅でテスト実施し本格的に採用する検討を始めたほか、本支店一斉に導入に踏み切る銀行も出てきた。関東人に比べ、「わいが、わいが」の意識が強いといわれる大阪では「列がつぶれて失敗する」と危ぶむ声も強かったものの、どうやら定着しそうな気配である。
 これまで、順番を待つ時は、窓口や、銀行などの現金自動支払い機、電話ボックスごとに列を作るのが一般的だった。そして、自分の前の人がもたもたしたり、長電話だったり、また、途中で機械が故障して並びかえたりして列によって順番が回ってくるまでの時間に差が出ても、「運が悪い」と片付けられてきた。
 JR西日本は、こういった「当たりはずれ」がないようにと、暮れの12月17日から10日間、大阪駅の「みどりの窓口」で、1列待ち方式をやってみた。午後零時半−同7時半の間、前売り指定席券発売の8つの窓口の前に、ポールとチェーンで利用客全部が1列に並ぶための通路をつくり、駅員4人が専従で誘導にあたった。また、2分おきに1列待ち方式を説明するテープを流した。
 このテスト期間中、利用客約20人に感想を聞いたところ、「アメリカに行った時にこの方法を体験して、日本でもやってほしいと思っていた」「客の身になったサービス」といった替成の声がほとんどで、反対の声はなかった。
 気をよくしたJR西日本は、この結果を詳しく分析したうえ、まず大阪駅から本格的に採り入れる方針で、うまくいけば他の駅にも広げていく。
 大阪に本店をもつ住友銀行が全国の本支店で採用して8ヵ月になる。CD(現金自動支払い機)やATM(現金自動頚金・支払い機)の前にロープを張ったり、床に進む方向を示したテープを張るなどして1列に並んでもらう。大阪市北区の南森町支店では「導入前は列によって差ができ、お客さんから苦情が出たことがありましたが、新しい方法によって苦情はなくなりました」という。
 銀行ではこのほか、三和銀行がこれまでに全国の3分の2以上の本支店で採用しているのをはじめ、富士銀行は1年前から採り入れている。太陽神戸三井銀行も昨秋から神戸営業部で試み、次第に広げて今月末には約70店になる。(朝日新聞 夕刊)
■新幹線で男の人? はねられて死ぬ
 11日午前7時20分ごろ、京都府長岡京市勝竜寺付近のJR東海道新幹線で、名古屋発広島行き「こだま491号」が何かにぶつかった。先頭車両の床下に血痕が付著しており、通報を受けた京都府警向日町署が現場付近を調べたところ、45−60歳の男性が死んでいるのが見つかった。
 調べによると、現場は高架になっているが、高架の橋脚に線路まで上る作業用の階段があるという。
 この事故で、「こだま491号」が12分遅れて新大坂駅に到着したのを最高に、上下9本が4分から12分遅れた。(朝日新聞 夕刊)
12日■老人はねられ死亡 近鉄祝園の踏切で
 12日午前6時40分ごろ、京都府相楽郡精華町祝園御幸田の近鉄京都線祝園一号踏切付近で、同町下狛市場、無職藤林三代子さん(71)が奈良発京都行き急行電車にはねられ、全身を打って死亡した。
 木津署の調べによると、藤林さんは現場近くの精華町国民健康保険病院に入院中。踏切の南側の鉄さくのすき間から軌道内に入り、はねられたらしい。電車は現場に約5分停雪。後続の上り電車3本が約3分遅れた。(京都新聞 夕刊)
■アーチ・直線型の4案 近鉄京都線東寺−鴨川間高架デザイン 京都市が報告書
 京都市は13日、2年がかりで検討してきた近鉄京都線・東寺−鴨川間の高架デザインの調査報告書を公表した。高架デザインはアーチ型と直線型の4案が提案され、市南部の新しい都市景観の創出を狙っている。市は新年度にデザインを一案に絞り、架線工事に着工する方針。
 近鉄京都線・東寺−鴨川間1.977`の高架化計画は、京都−東寺間0.6`の高架化(昭和45年完成)をさらに南へ延伸し、十条、上鳥羽口の2駅を橋上駅にするとともに、踏切6ヵ所を立体交差化する事業。市は平成元年11月、建設省、近鉄などとともに近鉄京都線高架化デザイン検討委員会(委員長・川崎清京都大教授、10人)を設置し、JR山陰線に続いて高架構造物のデザインについて検討を続けていた。
 提案されたデザインは@3スパンをデザインのユニットとし30b間隔の橋脚の間に2本の支柱(円柱)を配すアーチ型デザインA10b間隔に角柱の橋脚を配す直線デザインB10b間隔に円柱の橋脚を配すアーチ型デザインC10b間隔に円柱の橋脚を配し床版張り出し部に丸みを持たせた直線型デザイン−の4案。いずれも人になじみやすいスケールで軽快感あふれるデザインとし、近景を重視した。
 市は新年度早期にデザインを一案に絞り、今秋、近鉄と工事協定を締結、平成3年度末に架線工事に着手する方針。同5年度末に高架化本体工事に着工、同8−9年度の完成を目指す。総事業責は約270億円。(京都新聞 夕刊)
14日■こんなデザインいかがで 市議会建設委て紹介 近鉄京都高架化 今秋までに決定
 京都市は13日の市議会建設委員会で、近鉄京都線東寺駅−鴨川北岸間約2`を高架化するのに伴い、どんな構造物のデザインが古都の町並みにふさわしいかについて調査した結果を報告した。「近鉄京都線高架デザイン検討委員会」(委員長・川崎清京大教授、10人)が1年余りにわたって研究を重ねてきた。2つのデザイン案が紹介され、市は今秋、近鉄と工事協定を結ぶまでに、いずれかを決める。
 近鉄京都線は京都駅−東寺駅間が1970年に高架化されている。しかし、東寺駅以南は幹線道路と平面交差しているため、交通のネックとなっていた。このため、東寺駅−鴨川北岸の間を高架化し、踏切6ヵ所を除くことにした。さらに、同区間の東側線路沿い約1600平方bを買収して約6b幅の市道も整備する。
 検討委が推薦した第一案はアーチの連続によって小気味よさを表現、橋脚を円柱とする。第二案は全体的に丸みを強調している。いずれも景観のほか、経済性、維持管理性などを考慮して検討したという。
 高架の高さは8.5−9b。幅は9.5bで、追い越し車線部を設ける上鳥羽口駅が19b余になる、高架下の利用方法については、近鉄との協議などが残っているが、東寺駅−十条駅間に商店街、十条駅−上鳥羽口駅間に公園や駐車場を整備する案が考えられている。
 当初の予定では総事業費約210億円で、94年度の完成を目指していた。その後、新たに高架デザインの検討を加えたり、地価が高騰したため、総事業費は270億円に上り、完成は96、7年度に延びる見込みだ。(朝日新聞)
■姫路市などに売却が決まる 旧国鉄用地
 国鉄清算事業団の資産処分審議会は13日、全国17ヵ所の旧国鉄用地を地元自治体などに随意契約で売却することを了承した。このうち近畿支社管内分は、大阪市阿倍野区の松崎三丁目宿舎6500平方bを市営住宅用地として、同市へ譲渡するなど4府県8ヵ所。1991年度中に土地利用計画の詳細を決め、売却をする。
 近畿支社管内の他の譲渡用地、面積(単位1000平方b)は次の通り。
 (カッコ内は売却相手)大津市膳所駅−浜大津駅線路11.5(京阪電鉄)▽天王寺駅貨物用地6.3(住宅・都市整備公団、大阪市)▽兵庫県亀山駅−姫路駅線路18.6(姫路市、同市土地開発公社、山陽電鉄)▽神戸港駅貨物用地45(神戸市土地開発公社)▽西宮駅貨物用地6.9(西宮市土地開発公社)▽西宮市生殖駅−武田尾駅管理用地32.8(同)▽和歌山操車場貨物用地69.5(和歌山県)(朝日新聞)
■夕刊ひろば
・いす持ち寄りで”自衛” 市バス上高野 ベンチを設置して
 京都市左京区の市バス・上高野バス停にはベンチがありません。やむなく利用者がいすを持ち寄っています。が、雨の降った後などはクッションがぬれたまま、何日も使えません。お年寄りの利用も考慮して、ベンチを設置できないでしょうか。(京都市左京区、主婦・31)
 京都市交通局によると、市バス停留所の標柱が置かれている1773ヵ所のうち、同局が正式に設置したベンチは316脚。本年度は16脚が新設れました。歩道幅が2.5b以上ある場合は、土木局と警察に占用許可をとったうえ、バス停前の商店や民家の承諾を得て設置されるとのこと。上高野のバス停の場合は歩道幅は2.5b以上あるうえ、前は田んぼのため地元の承諾についても問題はなさそうです。「ただ、バス停のある場所は厳密に言うと緑地帯のため、さらに建設局との協議が必要。いずれにしても前向きに検討したい」と同局乗客課では話しています。
 同課では、他のバス停についてもできるだけベンチを増やしたいとしています。が、バス停前の商店や民家などの承諾を得る段階で難航するケースもあり、必ずしも方針通りに設置できているわけではないそうです。
・ベビーベッド駅トイレにも デパートの女性トイレにあるようなベビーベッドを駅のトイレにもっと増やせないでしょうか。若い母親だけでなく、女性が化粧直しをする際にも荷物を置くことができて便利なのですが。(京都市山科区、主婦・64)
 核家族化が進むなか、だれにも付き添われずに若い母親が赤ん坊を抱えて外出する機会も多いはず。駅トイレにオムツを換える場所があれば便利ですね。交通機関でこの点に配慮して、ベビーベッドを最も積極的に取り入れているのが阪急電鉄です。同社では河原町、烏丸駅をはじめ、全83駅中49駅に設置。「今後も高架化工事に伴う駅の新築を機会に増やしていく方針です」と本社広報室。
 JR西日本管内でベビーベッドを設置しているのは29駅。京滋では京都、山科、草津などに置かれています。京都駅トイレのベビーベッドはボックスの中に置かれているため、共用の洗面台横に設置されているものと比べて、母親自身も安心してトイレが使えそうです。ただ、ベッドがあるのは広い駅構内でも山陰線ホームトイレ1ヵ所だけ。外からわかるような表示もされていません。
 一方、京都市の地下鉄と京阪電鉄では1ヵ所も設置されておらず、今後の設置の予定もなし、との答えでした。(京都新聞 夕刊)
■新幹線、雪で遅れ
 東海道新幹線は14日朝、岐阜県関ケ原地区に降った雪のため、始発列車から名古屋−新大阪間の一部で最高速度を170bから120bに下げる徐行運転をした。(朝日新聞 夕刊)
15日■死者は長岡京の男性 新幹線事故の身元判明
 11日朝、長岡京市勝竜寺のJR新幹線で、男性がこだまの先頭車両にはねられて死亡した事件で、亡くなったのは長岡京市開田一丁目の無職長谷川宏三さん(47)であることが14日、向日町署の調べで分かった。
 長谷川さんは、病気のため仕事につけないことを以前から悩んでいたという。(京都新聞)
16日■雪で全列車 230本遅れる 東海道新幹線
 東海道新幹線は15日、滋賀、岐阜両県内の雪のため、始発から名古屋−京都間の一部区間で徐行運転した。
 東京発広島行き下りひかり85号が京都を10分遅れで出発したのを最高に、終列車まで5−9分の遅れが続いた。 JR東海によると、15日の全列車230本が遅れ、乗客への影響は約23万人。(京都新聞)
■ヨーロッパの鉄道 乗り歩き楽しむ 仏のTGV最高!
 新着のドイツ・ケルン市でベートーベンの第九交響曲を公演した京都のアマチュア合唱団・ローゼンシュティンメ合唱団(団長・飯田一喜高島屋京都店長)に同行。日程の途中、一人でヨーロッパの鉄道乗り歩きに挑戦した。
 時間をやり繰りしてのトンボ返りが大半で、乗車総距離は約2000`にとどまった。足を踏み入れた国も、オーストリア、フランス、ベルギー、ドイツの4ヵ国だけ。しかし、フランス国鉄自慢の新幹線TGVや、国際列車、大都市の郊外電車などさまざまなタイプの乗り物を楽しむことができた。
 なかでも、印象に残ったのはTGV。営業路線では世界最高速の時速300`が売り物のアトランティック線でパリ−ルマン間を往復したが、振動は少なく、快適な乗り心地.シンプルで明るい色彩の車内もヨーロッパらしさを感じさせた。パリからケルンへは、ベルギー経由の国際急行に乗車したが、二度の国境越えではパスポートや荷物の検査はまったく無く、ヨーロッパ統合の時代を実感した。
 ヨーロッパの鉄道では、駅に改札口が無く、プラットホームもレール面とほとんど変わらない低さ。車両のドアは半自動で、乗り降りの際、自分で開閉するなど、日本とは勝手の違うことばかり。言葉の通じない無口な東洋人は、6人がけコンパートメントに乗り合わせた現地の人には、さぞ迷惑な存在だったことだろう。だが、機会があれば再挑戦したい魅力的な体験だったことは確かだ。(社会部・尾古俊博記者)(京都新聞 夕刊)
■遮断機の棒 電車を直撃 乗客の高絞生けが
 16日午前7時33分ごろ、和歌山県海南市幡川、野上電鉄の臍切(警報機、遮断機つき)で、線路側に折れ曲がっていた遮断機のグラスファイバー製棒(長さ7.5b、直径7a)に、下り普通列車(2両編成、乗客約80人)がぶつかり、棒が運転席の前面ガラス窓を突き破って客室とのベニヤ板製しきりに当たった。この事故で、客室の最前席に座っていた同県海草郡野上町動木、県立和歌山工業高校1年、西本泰基さん(16)に外れたしきり板が当たって首に軽いけが。
 海南署の調べでは、事故直前にこの踏切を渡った自動車が遮断機を引っかけて曲げたらしい。運転手が急ブレーキをかけたが間に合わなかったという。電車は現場25b行き過ぎて止まり、現場に約10分立ち往生した。(朝日新聞 夕刊)
■新幹線また遅れる 雪のため
 東海道新幹線は16日、滋賀県米原地区に前日から降った雪のため、始発列車から名古屋−米原間の一部で最高速度を170−120`に下げる徐行運転をした。このため名古屋発博多行き「ひかり61号」が約20分遅れたのを最高に、午前中上下八11本が5分以上遅れ、乗客約6万9000人が影響を受けた。(朝日新聞 夕刊)
17日■JR西日本 時速350`新幹線開発へ 5年度導入を目標
 JR西日本は16日、毎時300`以上の超スピードで走る高速新幹線を平成5年度中に山陽新幹線に導入する計画を明らかにした。来年度中に試験車両1編成(6両)を完成させ、平成4年3月から試運転に入る。高速新幹線はすでにJR東海が「スーパーひかり」を開発し、試運転を開始しているほか、JR東日本も計画を進めており、JRグループ間のスピード競争が本格化する。
 高速車両の導入について井手正敬副社長は「リニア新幹線完成にはしばらく時間がかかるし、今回の試験は既存の新幹線施設を使用して時速300`以上の高速化を目指すのが特色」とし、今回の試作車の開発についてはすでに「スーパーひかり」で技術蓄積を持つJR東海と財団法人鉄道総合技術研究所との3者で共同研究していく考えを示した。
 試験車両の外形は、空気抵折を少なくするため、全体をなめらかな流線型とし、車体の高さを現行より70a低い3.3bにする。また、時速350`bでも安定した走行と乗り心地の良い車両とするため車両の重さを現行より3分の1程度軽い40dほどにするなどとしている。
 JR西日本では車両だけでなくレールなど地上部分も高速化に備えた整備を行う予定で、試作車20億円、地上整備18億円の合計38億円を投入する。
 平成4年3月から山口県徳山と新下関間で走行試験を行い、平成5年度から営業を目指す。(京都新聞)
■青鉛筆
 JR西日本は16日、時速350`で走る新幹線車両の完成予想図を発表した。来年3月までに試験車をつくり、3年後に東京−博多間を4時間40分台で走らせるという。
 先頭車の特色だった鼻がなく、のっぺらぼうの顔であごをぐんと突き出したようなデザイン。風切り音を低くするため、車高を下げ、車体の表面をできるだけ平らにした。
 さらに横揺れを防ぐため、最後部に小さな翼のような安定板をつけるので、まるでレールの上を走るレーシングカー。騒音や振動に悩む沿線住民は「公害の暴走車にはならないで」。(朝日新聞)
18日■強風で列車ストップ JR山陰線余部鉄橋
 18日午前8時25分ごろ、JR山陰線余部鉄橋(兵庫県城崎郡香住町)に設置の風速計が毎秒20b以上を記録、その後も断続的に強まったため、米子発京都行き特急「あさしお4号」が浜坂駅で運転を見合わせたほか、各列車が同駅や鎧駅でストップ。このためJR福知山支社は香住・浜坂間にバス4台を出して代替輸送した。(京都新聞 夕刊)
■踏切で電車とトラック衝突 大阪・JR関西線
 18日午前10時ごろ、大阪府柏原市高井用のJR関西線谷川踏切(遮断機、警報付き)で立ち往生していた同府羽曳野市西浦、建設業「田中組」の4dトラック=村上雅彦運転手(25)=と大阪発奈良行き快速電車(6両編成)が衝突した。
 トラックは約20bひきずられ、下り電車用架線の電柱に衝突、電柱が傾ぎ架線が垂れ下がったため、同線は柏原−法隆寺間が上下線とも不通になった。乗客約250人にけがはなかった。
 柏原署は道交法違反の疑いで、トラックを運転していた柏原市清洲、村上雅彦容疑者(25)を逮捕した。
 調べでは、村上容疑者が警報が鳴っている踏切に無理に進入、遮断機が下りてしまい、トラックから降りて遮断機を持ち上げようとしているうちに電車と衝突したらしい。
 乗客は現場で電車を降り、約500b離れた高井田駅まで歩き、同駅でバスに乗り換えた。(京都新聞 夕刊)
19日■老女、特急にはねられ死ぬ 京阪踏切で転倒?
 18日午後零時55分ごろ、京都市伏見区深草稲荷鳥居前町の京阪電鉄鳥居前踏切で、近くの無職田村典子さん(75)が、出町柳発淀屋橋行き特急=広田力衛運転士(32)=にひかれ、全身を強く打って約6時間後に死亡した。
 伏見署の調べでは、田村さんが踏切中央であお向けに倒れているのを広田運転士が約100b手前で発見、急ブレーキをかけたが間に合わなかったという。田村さんは両足が不自由で、手押し車を使って歩いており、この日は一人で買い物に出かけたらしい。田村さんが倒れていたすぐそばに手押し車があり、同署は田村さんが踏切内で転倒したのではないかとみて調べている。(京都新聞)
■福祉の街へ一歩 リフト付きバス 秋にも京で発車 まず2台、国内初 乗り降りとも前からが有力
 京都と大阪、神戸の3都市の交通局が昨年以来、共同開発に取り組んできた国内初のリフト(昇降機)付き路線バスが今秋にも登場することになった。京都市交通局が、このほど発表した新年度予算案に国産試作車2台分の予算約5000万円を組み込んだ。3都市ともほぼ同時期に導入される予定で、国内各都市の公営バスや私営交通などにも大きな影響を与えそうだ。
 試作車は、3市で昨年から大手バス製造メーカーなどに製作を依頼していた。京都市バスは現在「後ろ乗り、前降り」方式にしているが、これまでの試作段階では、出口側にリフトを取り付けて、障害者らが車いすに乗ったまま「前乗り、前降り」できるようにする案が有力だ。
 国産初の試作車となるため、1台当たりの価格は従来型より1000万円ほど割高な約2500万円となっている。
 京都、神戸は、今回の試作車は2台で大阪は10台前後になる見込み、という。
 今夏までに運賃箱や車いす固定場所の設定などのテスト期間を置き、利用者代表などの意見を聴きながら最終約な試作車を完成させる。京都では今年11月ごろに市内の特定区間で実際に乗客を乗せる運用に入る構想を持っている。
 当初、3都市とも1992年(平成4年)度中の試作車導入を考えていたが「予想以上の世論の盛り上がりや技術的な対応で約1年以上早く導入のメドが立った」(京都市交通局)としている。
 リフト付きの路線バスは、車いすを利用する障害者や高齢者、病弱者、妊産婦、幼児などバスの乗り降りに不便な人の利便を図るため、福祉先進地の米国などで十数年前から普及し始めている。米国は昨夏に全路線バスの新車にリフトを義務づける全米障害者法を成立させるなど、利用者サイドの要求に合わせたきめ細かな交通システムづくりに乗り出していた。
 日本では昨年、東京都が独自のスロープ式の低床車を開発しているが、段差を全く気にしなくてよい昇降式の本格約なリフト付きバスは関西3市の導入が初めてとなる。(京都新聞)
■私鉄スト、4月8日ごろ 春闘 連合、ヤマ場分割方針
 日本労働組合総連合会(連合)は18日までに、春闘のヤマ場となる「集中決着」時期について、今年は4月の第1週と第2週に分ける方針を固めた。今春闘は統一地方選と重なり、4月7日の日曜には都道府県知事選や道府県議選の投票が行われるため、選挙に悪影響が出ないよう、とくに私鉄のスト設定日を7日の選挙後にずらそうというものだ。正式には来月1日、連合と、私鉄総連、鉄鋼労連など主な7単産との「調整会議」で決めるが、大半の単産の「集中決着」時期は4月3日ごろ、私鉄総連は同8日ごろになる見通しだ。
 これに関連して、私鉄総連の田村誠委員長は18日、都内で講演し、同総連の今春闘のヤマ場について、「4月7日の投票日以前ははずす。(市区町村長選、市区町村議選の投票日である)4月21日までの間で、連合のヤマ場と最短距離の日としたい」と述べた。
 ヤマ場を2つに分ける戦術は、前回の統一地方選が行われた4年前にも行われている。(朝日新聞)
■「新空港」頼んまっせ! 天王寺駅に大型商業ビル JR西日本・南海 6月にも着手
 西日本旅客鉄道(JR西日本)と南海電気鉄道が共同で建設計画を進めてきたJR天王寺駅の大型商業ビルは、6月にも着手されることになった。地元商店会との話し合いが基本的にまとまったためで、大阪商工会議所の商業活動調整協議会で最終的な売り場面積など出店条件を協議中だ。天王寺駅周辺では、大阪市交通局の霞町車庫跡地(大阪市浪速区)の再開発が土地信託方式で決まり、阿倍野再開発計画も進んでいる。
 JRと南海はすでに共同出資でビルの建設、運営にあたる新会社「天王寺ターミナルビル」(本社・大阪市、渡辺勇作社長、資本金18億円)を設立。建設する大型商業ビルはJR天王寺駅舎の一部と南海線天王寺駅用地を覆う形になる。地下1階、地上12階建て、延べ床面積は約6万2500平方b。東側に約400台を収容できる駐車場専門ビルも建設する。
 計画では家電のニノミヤ(本社・大阪市)、旭屋書店(大阪市)、ミナミスポーツ(東京)、レコードの新星堂(東京)など専門店を中心に、多目的ホールやスポーツジムなども併設した複合商業施設にする。店舗面積は約3万3500平方b。新空港が開港する前年の93年11月に開業する計画で、初年度約350億円の売り上げを見込む。総事業費は300億円近くに達する見通しで、現在事業費の圧縮を進めている。(朝日新聞)
■青鉛筆
 岡山県東部の備前市・片上港−久米郡柵原町間を走る同和鉱業片上鉄道(33.8`)が赤字を理由に3月末で廃止されることになり、同社は18日、運輸省に廃止許可申請書を出した。
 柵原鉱山から硫化鉄鉱を運び出すため、1923年に同社が敷設。最盛期の60年代には鉱石を年間約80万d、旅客約240万人を輸送した。しかし、鉱石は外国産に押され、3月に閉山を予定。旅客も今では5分の1に。
 1年余前、東京のレジャー会社が持ち込んだ「SLを売らせ、欧風の観光鉄道に」との計画に地元は存続の期待をつないだが、条件が折り合わず、交渉は決裂。肩を落とす関係者らは「束の間の夢でした」。(朝日新聞)
20日■電車にはねられ軽傷 精華・路地から線路横断
 19日午後5時50分ごろ、京郡府相楽郡精華町下狛のJR片町線下狛駅構内で、京都府綴喜郡田辺町河原、会社員吉岡健司さん(20)が京橋発木津行き普通電車(一部快速)にはねられ、頭などを打って10日間のけが。乗客30人にけがはなかった。この事故で上下4本の電車が最高13分遅れた。
 木津署の調べでは、現場は線路沿いに幅2b前後の路地があり、線路を横断して駅周辺へ抜けられるようになっている。吉岡さんはこの路地を通って友人宅へ向かうため線路を横断したところを電車にはねられたらしい。(京都新聞)
22日■北近畿観光きっぷ JRなど25日発売
 天橋立や城崎など冬の北近畿旅行を楽しんでもらおうとJR西日本と北近畿タンゴ鉄道は、周遊区間を自由に乗り降りできる「北近畿観光きっぷ」を25日から発売する。
 周遊区間は天橋立、宮津、西舞鶴など北近畿タンゴ鉄道全線と山陰線浜坂まで。出発駅から周遊区間内は特急、急行(新幹線を除く)の自由席に乗車でき、乗り降りも自由。期間は3月18日までで、みどりの窓口や主要駅で発売する。料金は周遊で京都市内から8500百円。(京都新聞)
■踏切内でJRと接触 中京、軽ライトバン破損
 21日午後2時5分ごろ、京都市中京区六軒町通太子道上ルのJR山陰線(嵯峨野線)六軒町中踏切(遮断機、警報機付き)で、同区聚楽廻西町、会社員猪飼範子さん(66)の軽ライトバンが立ち往生、接近してきた亀岡発京都行き普通電車と接触、双方の前部を破損した。猪飼さんや電車の乗客にけがはなかった。電車は現場に約9分停車、後続への影響はなかった。
 西陣署の調べでは、猪飼さんの軽ライトバンが、踏切でエンスト、猪飼さんは車を降りて、手を振って電車に知らせたが、間に合わなかった、という。(京都新聞)
■踏切ではねられ死亡
 22日午前零時ごろ、奈良市西大寺町、近鉄あやめ池5号踏切(警報機、遮断機付き)で、横断していた大阪市城東区森之宮、警備会社勤務吉川義光さん(45)が近鉄奈良駅発生駒行き普通電車=8両編成=にはねられ、頭を強く打って死亡した。
 奈良西署の調べでは、現揚は大和西大寺駅から約300b西。運転士が、遮断機をくぐって渡っている吉川さんに気が付き、警笛を鳴らして急ブレーキをかけたが間に合わなかったという。同署は事故死と自殺の両面から調べている。
 吉川さんは大阪市内の警備会社社員で一人暮らし。昨年10月から西大寺町内のビルに派遣されていた。(京都新聞 夕刊)
26日■3月16日から ダイヤを改正 北近畿タンゴ鉄道
 北近畿タンゴ鉄道(社長・荒巻禎一知事)は25日、特急タンゴ・エクスプローラー号の時間短縮、普通列車2本の増発、接続改善などを内容とするダイヤ改正を発表した。3月16日から実施する。
 同鉄道の人気列車、特急タンゴ・エクスプローラー号は上下3本のダイヤを4ー6分短縮してスピードアップ。また、観光シーズンに西舞鶴と兵庫県・城崎を結ぶレインボーリゾート号は、特急から急行に変更して利用しやすい料金とするほか、城崎に夕刻到着し、早朝に出発できるようにする。
 従来、昼間の列車本数が少なかった宮津線には、西舞鶴−豊岡駅間に上下3本の普通列車を新設。さらに、夕刻の通勤列車上下2本については、西舞鶴−野田川駅間を同−峰山駅間に延長する。
 また、利用客の多い急行丹後9号の岩滝口駅停車、快速列車の一部各駅停車で、乗車機会を増大。京都から北部方面への最終急行列車・丹後11号を、これまでより1時間遅い午後9時京都発としたうえ、宮福線と接続させて宮津駅まで行けるようにする。この接続で、東京駅を午後6時4分に出るひかり号に乗れば、11時22分に宮津駅に着く。(京都新聞)
■総2階建ての新幹線 新車両デザイン決定 東北・上越
 増え続ける「新幹線通勤客」など輸送量の大幅な増加を見込み、JR東日本は26日までに、東北・上越新幹線の車両を総2階建てにする方針を囲め、新型車両のデザインを決めた。1編成の座席数は五割増しで、早ければ来年末から導入する。
 新型車両は、先頭の形が航空機のような流線型。前照灯が運転席の上部についている。 また、現在は2列と3列の横五列だが、新型の自由席では2階部分が3列ずつ6列となる。だが、すいているときにはゆったりと2列ずつ使えるようにひじ掛けを工夫するという。指定席は従来通り5列となる。
 このほか、大型の洗面所を備えたり、飲み物の自動販売機を設置、車内でFM・AM放送も楽しめる。(朝日新聞 夕刊)
27日■1編成すべて総2階建てに 通勤客対策で初導入 6月から 東北・上越新幹線に JR東日本
 JR東日本は、ことし6月の東北・上越新幹線東京駅乗り入れにより増加が予想される新幹線通勤客対策として、JRでは初めての1編成全部が2階建ての電車の開発を始めた。
 総2階建て新幹線電車は8両編成。座席を多くすることを最優先にしているため、2階部分の自由席は座席が横6列。指定席や1階部分は横5列が基本で、5号車の2階が横4列のグリーン席になっている。
 座席数は1編成で約730人分となり、535席の東北新幹線「あおば」8両編成に比べ約200人分の座席増となる。
 全編成2階建ての電車は、欧州各国で通勤電車として活騒しているが、日本では昨年10月に引退した近鉄の団体専用列車「あおぞら」だけ。
 東北・上越新幹線を利用する通勤、通学客は年々増加しており、平成元年度には1ヵ月の定期券利用客が約4000人に達した。東京駅まで延びれば丸の内のオフィス街に直結、山手線などへの乗り換えも便利になるため、ますます通勤客が増えることが予想されるが、東京駅の東北・上越新幹線ホームは1面2線しかないので増発は困難。このため座席を増やせる総2階建て電車が検討されてきた。
 新幹線の2階建て車は東海道・山陽新幹線の「グランドひかり」に4両連結されているが、他の「ひかり」は1編成に2両。東北新幹線の「やまびこ」は現在1両の2階建て車を3月から2両にする。(京都新聞)
28日■電車が停車駅パス JR東海道線東淀川
 28日午前8時50分ごろ、大阪市淀川区西宮原、JR東海道線東淀川駅で、西明石発京都行き普通電車が同駅ホームを約130b行き過ぎて停車した。後続の電車が既に近くの新大阪駅を発車していたため、同電車は東淀川駅へバックせずに3分遅れでそのまま次の吹田駅へ向け出発した。
 この影響で600人の足が乱れた。
 JR西日本安全対策室の調べでは、同電車は新大阪駅を2分遅れで発車したため遅れを取り戻そうとスピードをアップしたが、運転士のブレーキ繰作の時機が遅れたのが原因。(京都新聞 夕刊)
■ガタゴト電車がいく 神岡鉄道 岐阜・富山県 鉱石運ぶ役割 住民が守る奥飛騨慕情線
 いろりをかたどったコの字杉の席に座った途端、電車が動き始めた。外は氷雨である。その雨の向こうに見えていたJR高山線の猪谷駅が、ほどなくかすんで消えた。
 神岡鉄道は北陸の一級河川、神通川の支流の高原川に沿ってくねる渓谷群を貫く鉄道で、全長19.9`のうちトンネル区間が11.8`、さらに総延長760b、数にして22の鉄橋が随所に架かる山岳線だ。
 1両編成のディーゼルカーは唱歌「汽車」の歌詞さながらに「今は鉄橋渡るぞと、思う間もなくトンネルの闇(やみ)を通って」飛騨中山、神岡鉱山前など途中6つの駅に止まり、およそ35分後に終点の奥飛騨温泉口駅に滑り込んだ。
 地方の鉄道には、歴史的に曲折をたどった線が少なくない。飛騨(岐阜県)と越中(富山県)の県境を走る神岡鉄道もその例に漏れず、明治34年まずは鉱石運搬用の馬車鉄道として発足。
 その後レール幅の狭い軽便鉄道の時代を経て、昭和41年に普通の広軌道線に昇格。同時に旧国鉄に組み込まれたものの、赤字がかさんだために59年、第三セクターの手にゆだねられるという変遷をたどった。
 日本最大の鉛、亜鉛鉱脈を抱える神岡町(岐阜県)では、現在も採鉱、精錬が盛んで鉛、亜鉛のほかに少量の金と銀、それに大量の濃硫酸が生産されている。
 「この鉄道が生き残ったのは沿線住民の足の確保とともに、濃硫酸の運送に欠かせない鉄道であるという事情があったからで、全生産量(年間約13万d)の大半を運んでいます」(沢田重男取締役) そういえば地図の上では2県にまたがっているが、富山県側はわずか1.3`余り。残りはすべて岐阜県内に敷設されている。それだけに”おりやら(われわれ)の鉄道”意識が強いらしい。どの駅にも神岡鉄道協力会(会員約700人)寄贈の本を並べた児童、生徒向けの「マイレール文庫」なる図書コーナーが設けてあった。
 男性会員の多くは線路が豪雪に埋まるたびに最寄りの駅に駆け付け、無償で除雪作業に当たっているという話も耳にしたが、とある駅では、一輪挿し用の生け花の挿し替えに発た婦人を見かけた。聞けばこちらも無料奉仕とのことだった。
 神岡鉄道はヒット演歌「奥飛騨慕情」の世界への足でもある。新緑や紅葉の季節には行楽客が増えるそうだが、季節外れのせいか、行きも帰りも乗客は少なかった。気がつくといつしか氷雨が雪に変わっていた。(トラベルライター・清水俊夫)
 【メモ】神岡鉄道=猪谷−奥飛騨温泉口間に1日9往復運行されている。全区間の片道運賃は450円。神岡町には神岡城や飛騨春慶塗の伝統芸が見られる飛騨春慶館、日本唯一の立ちだるま像などの観光ポイントがある。問い合わせは神岡鉄道 50578(2)1182へ。(京都新聞 夕刊)
29日■京都市交通事業懇談会 経営健全化へ大胆提言 市バスの系統再編・不採算路線の廃止・短距離運賃の低減・と東西線の建設促進 消費税の転嫁も
 京都市交通事業懇談会(会長、天野光三京都大教授)は28日、京都市交通事業の経営健全化に関する提言を依田満公営企業管理者(交通局長)に提出した。市バスの系統再編、等間隔ダイヤの実施、不採算路線の廃止、地下鉄東西線の建設推進のほか、短距離運賃の低減化、消費税の運賃転嫁などを実施するように提言している。
 同懇談会は一昨年8月設置され、利用者のアンケート調査を踏まえ、バス・地下鉄利用促進のための方策、経営効率化のための方策、交通事業の中長期的なあり−など5項目を柱に交通事業の経営健全化方策をまとめた。
 乗客離れが続く市バスの利用促進方策として、分かりにくい系統の再編や等間隔ダイヤの実施をはじめ、中央走行方式等の都市新バスシステム、ダイヤ編成中央集中管理方式の検討、女性運転手の観光地ループ急行バス、時差出勤定期券、ブリペイドカードの導入−など運行方法やサービスの改善例を挙げた。
 運賃については、地下鉄、市バスの消費税転嫁が未実施となっている現状に対し財政負担面から「早急に転嫁を行うべきである」と指摘、短距離運賃の低減化や各種の割引運賃の検討も求めている。
 また、中長期計画では、経営努力をしても収支の悪いバスの不採算路線に対し「一定の基準を設け廃止を検討すべきだ」と思い切った見直しを迫り、地域的に不可欠な行政路線には一般会計からの補助の必要性一指摘。地下鉄については東西線の目標通りの完成などを求めている。
 京都市交通事業の経営健全化については昭和58年11月にも提言が出されている。市バスと地下鉄は平成2年度の経常収支でそれぞれ15億円と48億円の赤字が見込まれ経営悪化が懸念されていることから、市交通局は提言の趣旨に沿って具体化しやすい項目から新年度予算に反映させていく方針。(京都新聞)
■開業日は6月20日内定 東北・上越新幹線 東京−上野間 JR東日本 4月から訓練運転
 JR東日本は28日の常務会で、東北・上越新幹線東京−上野間3.6`の開業日を6月20日と内定、運輸省、新幹線鉄道保有機構と日程の最終調整作業に入った。2月8日には同区間のレール蹄結式が予定されており、架線、信号などの工事が終了する4月上旬からは訓練運転がスタート、運輸省の監査が終われば開業の運びとなる。
 東北・上越新幹線東京−上野間は昭和56年9月に着工したが、用地買収や移転交渉などが難航したうえ、昨年1月には御徒町トンネル工事が原因で道路陥没事故も発生。開業時期は当初の昨年3月から1年3ヵ月遅れ、工事費も予定した約1200億円から約1300億円に膨らんだ。
 JR東日本は、工事などの日程から開業時期を6月下旬と設定していたが、乗客の多い土曜、日曜を避け、平日の6月20日(木)が適当と判断したとみられる。
 東京−上野間の開業で、現在乗り換え時間を含め24分かかっていた同区間が4分に短縮、最も速い列車だと東京−盛岡間が2時間36分、東京−新潟間が1時間40分で結ばれる。また、新しいホームが東海道新幹線の隣にできるため、同新幹線や在来線との乗り換えも一層便利になる。(京都新聞)
■509意円で払下げ 旧国鉄大宮操車場跡地 埼玉県が活用
 埼玉県は28日、国鉄清算事業団から同県への売却が決まった旧大宮操車場跡地10fの価格について、総額約509億円で基本合意に達したと発表した。
 県は契約の細目について折衝を進め、本年度内に取得する方針で、資金については起債などで賄いたいとしている。
 これにより同跡地への政府関係機関の移転を含め、県が進めている「さいたま新都心整備事業」が本格的に動き出すことになった。
 新都心整備事業は、操車場跡地と隣接地を合わせた48fに政府機関を移転させるとともに、野球、コンサート用に3万5000人を収容できる多目約スタジアムや見本市などの会場となる「埼玉メッセ」、多目的広場などを建設する計画で平成7年度内の完成を目指している。
 昨年9月に開かれた国鉄清算事業団の資産処分審議会で、同跡地24fのうち北側の10fを埼玉県に譲渡することが決定した。跡地の都市整備基盤が整備されていないことから、格安な価格による譲渡を主張する県と、周辺の実勢に見合った価格を要求する事業団との間で交渉が行われていた。(京都新聞)
■高島屋・大丸の両京都店 大規模な増築計画 現在の2倍(高島屋)−1.5倍(大丸)に 6年度までに完成めざす
 京都の2大アパートの高島屋京都店と大丸京都店がそれぞれ大規模な増築を計画していることが28日、明らかになった。計画によると、高島屋京都店の増築後の店舗面積は現在のほぼ2倍、大丸京都店も1.5倍となり、いずれもJR京都駅に計画中の百貨店を上回り、関西でも有数の規模の百貨店となる。JR京都駅前の京都近鉄百貨店でも増床を検討しており、大店法(大規模小売店舗法)緩和をうけた激しい大型店競争が、京都の都心でも繰り広げられそうだ。
・「JR伊勢丹」に対抗
 地元などへの説明によると高島屋京都店は、現店舗を南と西側に拡張。また、南側に駐車場・事務棟を新築して現店舗内の売り場を拡大する。増築後の店舗面積は2万9400平方b増え、計5万9600平方b(現在3万100平方b)となる。
 大丸京都店は、現店舗と接する形で西側と北側に新館を2棟建設。店舗面積を1万6900平方b増床し、5万200平方b(同3万3300平方b)に拡大する。新館はそれぞれ東洞院通、錦小路通に面する計画。
 高島屋京都店の年間売上高は約1200億円、大丸京都店が約1000億円、両店だけで府内600貨店の7割を占める。しかし、大店法による規制や京都市議会の大型店出店凍結宣言で大丸は昭和48年、高島屋は同53年を最後に増床はストップ、全国的にみても両店は30−40位程度の中規模店にとどまっている。
 そこへ昨年春、大店法が緩和され伏見区や宇治市、大津市など郊外に大型店の出店計画が続出。昨夏にはJR京都駅に店舗面積5万平方b(うちJR西日本伊勢丹4万5000平方b)の百貨店構想が浮上、対抗上も増床の必要性が高まった。計画通り認められると高島屋、大丸ともそれぞれのグループ店では最大、関西地区では大阪の近鉄阿倍野店(5万8600平方b)に並ぶ大規模店となる。
 開業予定は両店ともJR西日本伊勢丹の開業(平成6年度内を予定)よりも早い時期を目指している。JR西日本伊勢丹や伏見区で事前説明中の近鉄百貨店も含め、3年後の京郡の百貨店の店舗面積は2倍近くになり、中小小売業者を巻き込んだ競争激化は必至だ。
 両店は京都商店連盟に増床の意向を伝えるなど、大店法にもとづく届け出のための準備を進めている。
 増床について高島屋京都店は「まだ決まっておらず、コメントできる段階でない」と話している。(京都新聞)
■乗用車に特急と準急衝突 大和高田 けが人なし
 28日午後六時25分ごろ、奈良県大和高田市有井、近鉄大阪線築山5号踏切(警報機、遮断機付き)で、同市大中、主婦三露香代子さん(27)運転の乗用車が脱輪、立ち往生したところに、難波発名古屋行き特急電車(6両編成)が衝突、さらに、榛原発上本町行き準急電車(3両編成)が衝突、車は大破した。車には、香代子さん、夫の亨さん(47)、長男淳一ちゃん( 1つ)が乗っていたが、直前に逃げ出して無事だった。特急は現場に17分、準急は22分停車したほか、後続の計18本が最高約10分の遅れが出て、約2000人の足が乱れた。(朝日新聞)
■男性飛び込み自殺 近鉄京都線向島駅
 29日午前10時ごろ、京都市伏見区向島東定請、近鉄京都線向島駅の上り線ホームから男性が線路に飛び込み、奈良発京都行き特急電車にはねられ即死した。
 伏見署の調べでは、男性は50歳くらいで、遺書らしいメモを持っていたことから、自殺とみて身元の確認を急いでいる。
 特急は現場を8分遅れで出発したほか、後続電車数本が5分前後遅れた。(京都新聞 夕刊)
30日■新幹線回数券 731万円分が盗難 JR三ノ宮駅 シャッターすき間から侵入
 JR西日本は29日、神戸市中央区のJR三ノ宮駅構内の旅行センター「TiS三ノ宮」で、新幹線エコノミー切符(指定席用回数券)18冊(700枚、731万3100円相当)が盗まれたと発表した。すでに31枚が使用されたり、金券ショップに出回っていた。
 同社によると、盗まれたのは18日夜から19日朝にかけてで、店内カウンターそばの引き出しに錠を掛けてしまっていたが、ドライバーのような物でこじ開けられ、社員用出入り口の錠も開けられていたという。19日に葺合著に盗難届を出したが、24日から28日にかけて29枚の使用済み券が新神戸、三ノ宮両駅で見つかったほか、大阪市内の金券ショップで2枚買ったという会社員が指定券と引き換えにTiS大阪中央営業支店へ来たのを回収した。
 JR三ノ宮駅は駅舎の改築工事中で、「TiS」は仮設店舗で営業。南の歩道側に出ているエアコンのパイプが壊れないように、南側シャッターは地上20aの所で止まるように当て木を置いていた。犯行後、この当て木が高さ35aのものにかわっており、葺合署は、犯人が事前に当て木を取り換え、そのすき間から侵入したとみている。(朝日新聞)
■身の回りの表示 実は高齢者に見えにくい 黄は白に、青は黒に埋没 70歳代の「目」のフィルターで追跡調査
 「身の回りの様々な案内表示や警告標識が、実は高齢者にとって極めて見えにくく、不親切な場合が多い」と、国立筑波技術短期大学建築工学科の吉田あこ教授が注意を喚起している。老化した高齢者の目そっくりな特殊フィルターをつけたカメラで、病院や駅などの表示、標識を写した結集、予想以上に盲点があることが分かった。
 目のレンズにあたる水晶体は長い年月、紫外線にあたると構成物質のたんばく質が分解し、透明から黄色、さらには褐色に「白内障化」が進むことは知られている。50歳代から始まり、70歳代では90%もの高齢者に。黄変化だけなら自然の老化だが、濁りを伴えば手術の対象になる。
 黄変化した水晶体は外界の景色を、本来の色に黄色みを混ぜた形で網膜に映し出す。普通の人に比べ明るさが落ちるだけでなく、たとえは青色はくすんで黒っぽく見える。
 逆に黄色は黄色同士相殺され、白っぽく映る。「現に私の母の友人は、デパートで買った黄と黒のしま模様のジャケットを、米寿近くなっても着て有名だった。ところが、白内障の手術後、ぱったり着なくなったのです。聞いてみると『黒と白の」しゃれた色合いと思っていた』というのです」。教授が語るエピソードだ。
 高齢者にとっての「見えやすさ」、あるいは「見えにくさ」とは何なのか−。それを高齢者の「目」になって調べるため、吉田教授は東京都老人総合研究所の横田亨所長、東京都老人医療センターの竹中康雄眼科医長、三菱地所工務部の建築家、橋本公克参事らの協力を求めた。
 黄変化した70歳代の水晶体に相当するフィルターレンズを作り、これをカメラに取り付け、フィルムに記録することになった。昨年、東京都内の駅や病院など公共施設を主に数百枚を撮影した。
 典型的なケースがJR東京駅にあった。内部照明で青く浮き出した「新幹線のりば」の大文字、ホーム番号、その下の「SHINKANSEN TRACKS」のローマ字などが消えている。また、手洗い案内の黒地の枠内に、青とピンクで描かれた男女のうちの男性も消えた。ともに青色がくすみ、黒地のなかに沈んでしまったためだ。
 一方、K病院の壁に掲示された避難誘導路の案内図は、白地に黒線で平面図が書かれていたが、誘導路にかぶせた強調色の黄色が白地に埋没し、表示効果を失っていた。
 吉田教捜によれば、白内障化が進む高齢者にとっての、判別しにくい表示や標識は、ほかにも道路の追い越し禁止車線の黄色、プラットホームの端を示す黄色、立ち入り禁止標識の黄と黒のしま模様、黒地の地下鉄路線図に描かれた青系統の路線などがある。
 また、身近な住まいでも「高齢者好みの落ち着いた色合い」ということで、腰壁に茶やクリーム色が使われがちだが、床との境界がはっきりせず、思わぬけがをする。
 色彩とともに、同教授は「音」の検証にも精力的に取り組んでいる。70歳代の高齢者の耳には低周波の母音は届いても、2000ヘルツを超すような高周波子音は届かないことが多い、という。
 「たとえば電話のリーンという高い音はゴロゴログーとイビキのように聞こえる。湯沸かしの沸騰を知らせるピーという音、コンピューターのエラー音なども、聴力の落ちた高齢者には聞き取れないはずです」。振動を伝える低周波音を混ぜるとか、目に知らせる赤ランプとの併用などを提案している。
 人生50年時代とは違って、いまは白内障化していく目と、減少していく聴力とに20年、30年と付き合っていかなけれはならない長寿時代。「高齢化社会の将来を見通しながら、環境とか住まいを色彩や青も含め、あらためて見直す発想の転換が必要です」。吉田教授はそう強調している。(朝日新聞)
■新幹線回数券 730万円分盗難 金券ショップに出回る
 約730万円相当の東海道・山陽新幹線エコノミー回数券が神戸市内で盗まれ、東京や大阪の金券ショップに出回り兵庫県警葺合署が捜査していることが29日、分かった。
 JR西日本によると、盗まれたのは、神戸市内−東京都内間などのグリーン車用と普通車用の計5種類のエコノミー回数券700枚(計約730万円相当)。神戸市中央区のJR三ノ宮駅構内にある三ノ宮旅行センター(山田明美所長)で今月18日午後9時すぎ、同センターの副所長が施錠を確認し退社してから、翌19日午前9時ごろ、別の副所長が出社するまでの間に盗まれたらしい。
 エコノミー回数券の入った引き出しがドライバーのようなものでこじ開けられていたという。別の引き出しにあった回数券などには手が着けられていなかった。
 今月28日までに、三ノ宮駅や新神戸駅で使用済みのものが29枚発見された。また、指定席を予約するために大阪市内のJR営業支店に盗難回数券と知らずに持って来た客の話から、東京や大阪の金券ショップで売られていることが分かった。(京都新聞 夕刊)
31日■3月から博多ー釜山間に超高速船 JR初の国際航路
 JR九州は30日、博多−釜山港間に3月25日から超高速旅客船「ビートル二世」を就航させると発表した。国際航路を開設するのはJRグループでは初めて。
 使用する高速船は、同社が博多−平戸−長崎オランダ村航路に運航しているジェットフォイル(定員232人)。最高速度は時速約80`で、福岡−釜山間を2時間55分で結ぶ。
 運航ダイヤは、午前9時半博多港発、釜山港午後零時25分着と、折り返しの午後2時釜山港発、同4時55分博多港着の毎日1往復。
 料金は片道1万2400円、往復2万1500円。福岡−釜山間の航空運賃(片道)より3400円安く、フェリー(2等)より3900円高い。(京都新聞)
■大阪湾にリニア環状線 ベイエリア開発協 21世紀に向け構想
 明石海峡大橋や紀淡海峡トンネルを通り大阪湾をリニアモーターカーで一周する「大阪湾リニア環状線」の整備構想が浮上してきた。
 21世紀に向けて大阪湾岸地域の総合開発を進める大阪湾ベイエリア開発推進協議会(会長・宇野収関西経済連合会会長)が検討しているもので、3月に同協議会が発表するベイエリア開発のグランドデザイン(全体計画)に構想が盛り込まれる見通し。
 首都圏では既に国土庁が、東京・臨海部副都心、新東京圏際(成田)空港、筑波研究学園都市などをリニアで結ぶ構想の調査を始めている。東西の2大都市圏が、それぞれ国と民間の主導により、圏域の大動脈となるリニア環状線建設の先陣を競う。
 ベイエリア協議会が湾岸開発推進に伴い今後必要となる軌道交通網を検討した結果、JR大阪駅など主要ターミナルからベイエリアへのアクセス拡充計画は、運輸政策審議会の答申にほぼ盛り込まれていることが分かった。
 しかし、ベイエリアを関西新空港を核とする一体的な圏域に育てるには、エリア内の主要地区を結ぶ路線を新たに建設することが不可欠だと判断。全体計画で、リニア環状線の必要性を説くとともに基本構想を示して、整備を促すことにした。事業主体やルートなど詳細は、全体計画策定後の検討課題となる。
 同協議会によると、ポートアイランド、大阪・南港など職・住・学・遊の複合機能を持つ新都心、淡路島のリゾート地や、新空港への玄関口となるりんくうタウン、などが停車駅の候補地。輸送方式をどうするかは、日本航空が開発したHSSTなど中距離タイプの浮上式リニアを中心に、幅広く調査する。建設コスト削減のため、阪神高速道路湾岸線に軌道を併設する案が有力。
 計画の前提となる紀淡海峡トンネルがまだ構想段階で、全線開通は21世紀半ば、という超長期の計画であり、関係者は「夢を少しずつ前進させたい」としている。(京都新聞 夕刊)
■普通、停車駅を通過 JR東海道摂津富田駅
 30日午後11時半ごろ、大阪府高槻市富田町のJR東海道線で、京都発西明石行き普通電車=小崎俊幸運転士(28)、7両編成=が停車駅の摂津富田駅を通過、そのまま次の茨木駅まで運転した。
 同電車には乗客約180人が乗っており、このうち4人が摂津富田駅で下車予定、また同駅から15人が乗車予定だったため、計19人が影響を受けた。
 19人はそれぞれ15分後の次の普通電車に乗車、大きな混乱はなかった。(京都新聞 夕刊)
■大阪−東京を約1時間 21世紀へ走り始めるリニア・中央新幹線(広告)
・リニア・中央新幹線のもたらすもの 京都大学工学部教授 天野光三さん
 新たな時代に向かって成長するためには脱皮が必要であり、リニア・新幹線は21世紀に向かう日本の”脱皮“といえる。従来の東海道線の輸送力が新幹線の登場により飛躍的に改善されたように、新幹線輸送力の限界が見えた今、量的、質的に新たなバイパスが必要になった。それがリニアです。
 バイパスを造る場合、今までより数段良いものができるのが通例です。リニアにはすでに四半世妃の実験実績があり10年も前に時速517`まで記録している。大阪−東京間の開業までには建設工事にまず10年はかかるので、この間に実用化のための改良を加えればいい。
 リニア・中央新幹線は技術的には超電導、エレクトロニクス、情報通信、新素材のほか鉄道の種々の総合技術を飛躍的に進歩させるでしよう。
 大阪−東京間約1時間という移動時間の短縮は、人々のビジネスチャンスや行動半径を大きく広げます。弊害が明らかな東京の一極集中の解消にも方向性を与え、日本全体を活性化し、人々の余暇やレジャーなど、生活時間の使い方に精神的ゆとりをもたらすと期待しています。
・山梨リニア実験線の概要
 山梨県下の東八代郡境川村−南都留郡秋山村間を走り、一部複線の42.8`の実験線。最急こう配は1000分の40、最小曲線半径は8000b。大阪−東京を結ぶリニア・中央新幹線は日本のアルプス地帯を横断するが、山梨実験線も山間郡を走り、全体の8割はトンネルが占める。
 実験の目標最高速度は時速550`。
 時速500`で連続3分間を走り、高速すれ違い実験も可能だ。車両の幅は約3b、上下線の中心間隔は5.8b。3両連結(約70b)と5両連結(約120b)がある。実験線は平成6年(1994年)度に完成。宮崎実験線がリニアの基礎編とすれば、山梨は応用編となる。
・時速500`、安全で快適な高速安定走行の確認
 大阪−東京約1時間の時代に向け、山梨リニア実験線では、時速500`以上で快適な高速安定走行が連続してできるかどうかを確認する。すでに、宮崎実験線で79年に時速517`を記録しているが、距離がわずか7`の宮崎では瞬間最高記録。山梨は43`の実験線なので、500`以上の安定走行実験を瞬間的でなく、連続して行うことができる。
 目標最高時速は550`。この速度で走った時の車両と構造物の揺れや強度を測定、分析し、より安全で乗り心地のよいリニア車両の開発をめざす。地上を走る乗り物として時速550`の世界はまったく未知の分野。高速化の鍵は軽くて強い車体の開発にあるが、新車両は現在の新幹線車両の3分の1の重さが目標。座席や窓ガラスなども軽量化の大きな要素で、新素材の開発が試みられる。同時に、乗り心地や車内の快適性も重要な研究課題だ。
・複数列車運行制御システムの確立
 合理的でスムーズな制御システムの確立へ、さまざまな実験が行われる。複数の変電所間を車両がスムーズに走行できる方法の確認。超高速列車専用の分岐装置の性能テスト。信号や通信など、列車の保安システムや保守点検。1時間当たりの運転本数や「ひかりタイプ」と「こだまタイプ」の振り分けなど効率的な運行システムをどう作っていくかなど、実務的な研究や実験も多い。
 同時に環境対策にも万全を期す。沿線に及ぼす騒音や振動、電波障害の有無などの計測。必要に応じて軽減対策や磁力線の及ぼす人体への影響の計測、積雪対策なども調査、研究。営業運転へ向けて安全で効率的なシステムを確立していく。
・超電導磁石など設備・機器の信頼性、耐久性の確認
 最高速度550`をめざし、超高速実験を繰り返す。超電導磁石を積んだリニア車両とガイドウェイなどの機器や設備が試される。超電導磁石の軽量化と高性能化をめざし、熱の過大な進入によって超電導状態でなくなる「クエンチ現蒙」の解決も課題の一つ。従来の床面・側面コイルをやめ、カイドウェイの側面コイルだけで浮上、誘導を行う方針。
 曲線区間やこう配区間では、超高速運転とブレーキ試験、乗り心地のテストなどを実施。営業線の最小曲線半径や最急こう配などの基準が最終的に決められる。また複線区間で、列車同士のすれ違いやトンネル突入などで起きる風圧や走行抵抗の実測と対策も山梨実験線で初めて試みられる。日本の山岳地帯を走るりニア・中央新幹線はトンネルの数が多く、安全で合理的なトンネルの建設や、トンネル突入時の風圧の変化に耐えられる車両の設計が研究されていく。これらの実験を通じ「安全性」「耐久性」の向上が図られる。
・経済性の追求、建設・運営コストの把握
 細長く山が多い日本列島だからこそ、リニア新幹線は力を発揮するといわれている。太平洋岸を中心に一部の地域に人口、商業、文化、資本が集積しているが、国土の約80%は山間部。大阪−東京間の山間部をほぼ直線的に走るので、山間用地は少なくてすみ、しかも費用的に確保しやすい。こう配にも強いので、地形に合わせた走行が可能となる。
 いま東海道新幹線の保守点検には毎日、約3000人の人員が必要といわれているが、レールがいらす、ほとんど浮上し非接触で走行するリニアだと、これらに必要な人員は大幅に少なくてすみそう。大阪−東京約3時間が約1時間になることで、乗務員の運用効率も高い。乗車料金も検討課題だが、21世紀型の乗り物として乗客サービスの向上をめざすす。
・MEMO リニア・中央新幹線とは
 大阪−名古屋−東京約500`を、超電導のリニアモーターカーで約1時間で結ぶ21世紀の夢の新幹線。約10年後の21世紀初頭に開業の予定。現在の東海道新幹線は開業時1時間約6万人だった乗客が90年には約30万人にもふくれあがっていて、ぎりぎりの飽和状態。こうした現状を解決するための“切り札“として、完成が待たれている。
 日本のリニアモーターカーの歴史は古く、東海道新幹線開業の2年前、1962年から研究が始まっていた。車輪を使った列車による輸送方式では速度に限界があり、レールや車輪の摩粍や保守点検などの面でも問題が山積している。従来方式とは全く違う次元の超電導技術により地上10aを超高速走行する方式の開発が進められてきた。
 77年に宮崎実鹸線が完成、さまざまな走行テストが繰り返されているが、長さ7`の単線なので、本格的な実験はできなかった。90年に山梨県下に延長42.8`、一部複線の山梨リニア実験線の建設が決まり、いよいよ数々の実験ができる体制が整ってきた。ここでは時速500`の高速安定走行をはじめ開業へ向けてのあらゆる実験が行われる。
 太平洋側を走る東海道新幹線に加えて、内陸地帯を走るリニア・中央新幹線が開通すれば、高速大量輸送ができる2つの大動脈が通ることになり、その影響は大きい。大阪−東京間約1時間の時代が来れば、人々が1日で行動できる”1日交流圏”の範囲がグッと広くなり、ビジネスチャンスやレジャー、文化活動が飛躍約に増える。東京への一極集中から地方への分権が可能になり、地震など災害の危険も分散できる。
 山梨リニア実験線の完成は1994年度の予定。93年度から一部の区間を利用して実験を開始し、実用化のメドをできるだけ早くつけた後、97年度までにすべての実験を終え、21世紀初頭にリニア・中央新幹線の実現を目指している。
・大阪−東京を約1時間で走る夢の「リニア・中央新幹線」は 21世紀初頭の開業をめざして、いよいよ動きが始まる。山梨県下の山間部約43`bに今春から建設される「山梨リニア実験線」では、21世紀にふさわしい超特急へ、走行テストが繰り返されることになる。レールを使わず、超電導技術によって、地上10aを磁気浮上して走るリニアモーターカー。その威力と”リニアの夢”を、リニア開発の先駆者、京谷好泰さんに語ってもらった。
 リニア・中央新幹線は、あと10年もすれば実現します。私の希望は、リニア新幹線は都会の部分は地下を走るのだから、透明なチューブの中を走らせ、地層の断面が車窓から見えるようにしたい。その街の古い地層を見て走ったら、人々の街への愛着や歴史の思いも深まると思うね。
 いずれチューブ輸送の時代がやってきます。リニアモーターカーで真空チューブの中を走れば、時速数千`の超高速が実現する。中に超電導送電ケーブルや情報伝送用の光ファイバーを通せば、人、物、エネルギー、情報の瞬間輸送ができる。これを世界約規模で実現すれば、いまのような余分な資源消費やエネルギーロスがなくなり、地球の温暖化も防げる。地球環境は守れるし、国境を越えた物資や情報の輸送は世界平和につながると思いますよ。もちろんお金はかかるけれど、この地球を守り、子孫の繁栄につなげるために、絶対実現させねばならない課題ですね。
 地底や空中の利用も超電導のリニアを使えば、いろいろな可能性がでてきます。「ジオトピア構想」というのがあって、これは地下何千bの所にユートピア的な都市を造ろうというもの。地底への移動は超電導のリニアエレベーターやチューブ型リニアでやればいい。我々は地底についてどれだけ知っているのでしょう。いま地上にある建物でも、地底都市に移せば、地球はずいぶん緑豊かになり、景観もスツキリするでしょう。生活するのに地底は抵抗があるかもしれないので、とりあえず倉庫とか機械とかを地底に移すだけでも、狭い地上がだいぶ広くなります。宇宙ロケットの打ち上げなんかも、地底都市からでもできるんですよ。
 一方、「スカイシティー構想」もあります。高さ1000b、2000b級の巨大な超高層ビルを建て、その街に人間が住むようにすれば、日本の住宅難なんていっぺんに解消するでしょう。スカイシティーへの人や物の移動に超電導のリニアエレベーターが働きます。船や車にもリニアの時代はやってくるし、家電製品や医療など生活面で超電導の機器を使う時代は還からずやってきます。
 いま、日本のリニア・中央新幹線が世界中の注目を浴びていますが、この新幹線のために開発を続けてきた新素材や超電導機器やシステムが、21世紀の科学力を支える基礎になります。さらにリニアがもたらす経済や文化の飛躍的発展は、地球環境や世界平和の面で、人間の思考そのものを変える可能性があると思いますね。
 潟eクノバ 代表取締役会長(朝日新聞 夕刊)